説明

ディジタルインタフェースを有する電気機器およびその制御方法

【課題】 ディジタルインタフェースを有する電気機器における端子の誤接続をユーザに報知可能とする。
【解決手段】 ディジタルインタフェースの入力端子に接続された機器に対し、通常は出力端子が認証処理時に行う動作を誤接続検出動作として入力端子が実行する(S503)。当誤接続検出動作に対して機器から正常な応答があった場合に、誤接続を検出し(S505)、誤接続が検出されたことを報知する(S506)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気機器およびその制御方法に関し、特にはディジタルインタフェースを有する電気機器およびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ハイビジョン映像や多チャンネル音声などを取り扱う機器のディジタルインタフェースとして、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)が用いられている。HDMIで接続された装置は、互いに相手装置を認識することが可能であり、接続ケーブルを介して映像・音声信号を転送するだけでなく、相手装置の制御や相手装置との連携動作が可能である。
【0003】
図14は、テレビジョン受信装置と、AV(Audio Visual)アンプ等のリピータ装置と、ハードディスクレコーダー等の録画装置とがHDMIで接続されたシステム内の通信に係る構成を示す図である。
【0004】
なお、HDMIで接続された機器間の通信に関する詳細については、非特許文献1を参照されたい。
【0005】
まず、リピータ装置1402のフィジカル(物理)アドレスの取得手順について説明する。リピータ装置1402がHDMI出力端子14023の5VPWR(+5V電源)ラインをハイレベルにすると、テレビジョン受信装置1401はHDMI入力端子14013のHPD(Hot-Plug Detect)ラインをハイレベルにする。これにより、リピータ装置1402はテレビジョン受信装置1401とDDC(Display Data Channel)通信可能であることを認識する。その後、リピータ装置1402はテレビジョン受信装置1401のEDID(Extended Display Information Data)−ROM14012からDDC通信によりフィジカルアドレスを取得する。
【0006】
DDCはVESA(Video Electronics Standards Association)によって策定された規格である。DDCは、ディスプレイ側のEDID−ROMに格納されているディスプレイに関する情報を、ディスプレイに表示データを送信する機器へ与えるためのチャネルである。テレビジョン受信装置1401のフィジカルアドレスは0.0.0.0で固定である。リピータ装置1402のフィジカルアドレスは、テレビジョン受信装置1401のHDMI入力端子ごとに設けられているEDID−ROM14012内に規定されており、例えば1.0.0.0である。
【0007】
また、録画装置1403のフィジカルアドレスも、同様にしてDDC通信によりリピータ装置1402内のEDID−ROM14022から取得する。録画装置1403のフィジカルアドレスは、リピータ装置1402のHDMI入力端子ごとに設けられているEDID−ROM14022に規定されており、例えば1.1.0.0である。
【0008】
次にロジカル(論理)アドレス取得方法について説明する。図2に示すように、取得できるロジカルアドレスはデバイスタイプごとにあらかじめ定められている。
【0009】
例えば録画装置は「1」、「2」、「9」のいずれか、オーディオシステム(図14ではAVアンプ)は「5」である。このように、割当可能なロジカルアドレスの数は装置の種類ごとに上限が定められている。
【0010】
録画装置1403は、自身が取得したいロジカルアドレス宛て(例えば「1」)にPollingメッセージをブロードキャスト送信する。このメッセージに対する応答がいずれの装置からも返ってこなければ(ACKビット=1のままメッセージが返ってくれば)、そのロジカルアドレスが空いていると分かるため、そのロジカルアドレスを取得する。一方、他の装置から応答が返ってきた場合(ACKビット=0のメッセージが返ってきた場合)には、そのロジカルアドレスは既に他の録画装置に取得されている。その場合は、他の取りうるロジカルアドレス(例えば「2」や「9」)について同様の処理を繰り返してロジカルアドレスを取得する(例えば、特許文献1、非特許文献1参照)。
【0011】
【特許文献1】特開2007−202115号公報
【非特許文献1】HDMI Licensing, LLC, ”High-Definition Multimedia Interface Specification Version 1.3a”, 2006年11月10日
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
通常、リピータ装置を介して2つの装置を接続する場合、図14に示したように、リピータ装置のHDMI出力端子に第1の装置のHDMI入力端子を、リピータ装置のHDMI入力端子に第2の装置のHDMI出力端子を接続する。
【0013】
しかしながら、リピータ装置が備えるHDMI入力端子とHDMI出力端子は見かけ上同一のため、ユーザは入力端子同士や出力端子同士を誤って接続してしまうことがある(以下、入出力端子誤接続という)。
【0014】
図1は、図14と同様の装置間の接続において、入出力端子誤接続が生じた状態を示す図である。
図1では、リピータ装置102のHDMI入力端子1024とテレビジョン受信装置101のHDMI入力端子1013が、リピータ装置102のHDMI出力端子1023と録画装置103のHDMI出力端子1032が誤って接続されている。
【0015】
このように誤接続された場合、リピータ装置102並びに録画装置103はフィジカルアドレスならびにロジカルアドレスを取得できず、CEC(Consumer Electronics Control)通信出来ない状態のままになる。具体的には、HDMI出力端子1023の5VPWR端子をハイレベルにしても、リピータ装置102はテレビジョン受信装置101のEDID−ROM1012からフィジカルアドレスを取得することができない。リピータ装置102のHDMI出力端子がテレビジョン受信装置101のHDMI入力端子1013ではなく、録画装置103のHDMI出力端子1032に接続されているためである。
また、入力端子同士、出力端子同士を接続しているため、装置間でのデータのやり取りが全くできない。
【0016】
しかしながら、従来、このような入出力端子誤接続の発生をユーザに知らせる仕組みが存在しておらず、使い勝手が悪かった。特に、電気機器の取り扱いに不慣れなユーザにとっては何が間違っているのかを把握することが容易でなかった。
【0017】
本発明はこのような従来技術の課題に鑑みなされたものである。本発明は、入出力端子の誤接続を検出し、ユーザに報知可能な、ディジタルインタフェースを有する電子機器およびその制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上述の目的は、ディジタルインタフェースの入力端子に、機器が接続されたことを検出する機器接続検出手段と、機器に対し、出力端子が認証処理時に行う動作を誤接続検出動作として入力端子が実行し、当誤接続検出動作に対して機器から正常な応答があった場合に、誤接続を検出する誤接続検出手段と、誤接続検出手段により誤接続が検出された場合、誤接続が検出されたことを報知する報知手段とを有することを特徴とする電気機器によって達成される。
【0019】
また、上述の目的は、ディジタルインタフェースの出力端子に、機器が接続されたことを検出する機器接続検出手段と、機器に対し、入力端子が認証処理時に行う動作を誤接続検出動作として出力端子が実行し、当誤接続検出動作に対して機器から正常な応答があった場合に、誤接続を検出する誤接続検出手段と、誤接続検出手段により誤接続が検出された場合、誤接続が検出されたことを報知する報知手段とを有することを特徴とする電気機器によっても達成される。
【0020】
また、上述の目的は、ディジタルインタフェースを有する電気機器の制御方法であって、ディジタルインタフェースの入力端子に、機器が接続されたことを検出する機器接続検出ステップと、機器に対し、出力端子が認証処理時に行う動作を誤接続検出動作として入力端子が実行し、当誤接続検出動作に対して機器から正常な応答があった場合に、誤接続を検出する誤接続検出ステップと、誤接続検出ステップにより誤接続が検出された場合、誤接続が検出されたことを報知する報知ステップとを有することを特徴とする電気機器の制御方法によっても達成される。
【0021】
また、上述の目的は、ディジタルインタフェースを有する電気機器の制御方法であって、ディジタルインタフェースの出力端子に、機器が接続されたことを検出する機器接続検出ステップと、機器に対し、入力端子が認証処理時に行う動作を誤接続検出動作として出力端子が実行し、当誤接続検出動作に対して機器から正常な応答があった場合に、誤接続を検出する誤接続検出ステップと、誤接続検出ステップにより誤接続が検出された場合、誤接続が検出されたことを報知する報知ステップとを有することを特徴とする電気機器の制御方法によっても達成される。
【発明の効果】
【0022】
このような構成により、本発明によれば、入出力端子の誤接続を検出し、ユーザに報知することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
(第1の実施形態)
以下、図面を参照して、本発明の好適かつ例示的な実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電気機器の一例としてのテレビジョン受信装置、リピータ装置、および録画装置が接続されたAVシステムの構成例を示す図である。なお、図1では、本実施形態に係る装置の特徴を説明するため、入出力端子誤接続が発生した状態を示している。本明細書において、電気機器が有するディジタルインタフェースはHDMIであるものとするが、他のディジタルインタフェースを有する電気機器への本発明の適用性を排除するものではない。
【0024】
AVシステムは、テレビジョン受信装置101、リピータ装置102、録画装置103、外部操作装置104から構成される。
図3は、テレビジョン受信装置101の構成例を示すブロック図である。テレビジョン受信装置101は、チューナ部10101、デコーダ部10102、表示部10103、アンプ部10104、スピーカ部10105を有する。テレビジョン受信装置101はさらに、外部操作受信部10106、セレクタ部10107、通信制御部10108、EDID−ROM1012、CPU1011、グラフィックス生成部10111、HDMI入力端子1013を有する。
【0025】
また、図4は、通信制御部10108の構成例を示すブロック図である。通信制御部10108は、機器接続検出部401、接続障害検出部402、端子制御部403、誤接続検出部404からなる。
【0026】
本実施形態では、AVシステムとしてHDMI規格に準拠したインタフェースで装置が接続されているものとする。本実施形態のAVシステムでは、ユーザがテレビジョン受信装置101とリピータ装置102の入力端子同士を誤接続した場合を検出する。具体的には、テレビジョン受信装置101が、本来リピータ装置102の入力端子に接続されるべき装置(この場合は録画装置103)に成り代わって、リピータ装置102と認証処理(フィジカルアドレス取得処理)を行う。つまり、テレビジョン受信装置101が録画装置103として振る舞う。そして、認証処理結果によって誤接続を検出し、ユーザに例えば警告表示によって報知する。
【0027】
すなわち、自身の入力端子に接続機器の出力端子が正しく接続されていれば、接続機器から自身の入力端子に対してなされることが予期される認証動作が行われない場合に、接続機器との接続障害が発生したことを検出する。そして、接続障害が検出された場合、接続機器に対し、通常は出力端子が認証処理時に行う動作を誤接続検出動作として入力端子が実行し、当該誤接続検出動作に対して接続機器から正常な応答があった場合に、誤接続を検出する。
【0028】
図1に示すAVシステムの入出力端子が正しく接続された場合の動作について説明する。この場合、録画装置103のHDMI出力端子1032からリピータ装置102のHDMI入力端子1024に対して5VPWR端子をハイレベルにする。これは、録画装置103がリピータ装置102のEDID−ROM1022からフィジカルアドレスをDDC通信で取得するための認証処理である。続いて、リピータ装置102はHDMI入力端子1024のHPD端子をハイレベルにする認証処理を行う。
【0029】
しかしながら、図1のリピータ装置102のHDMI入力端子1024に接続されているのはテレビジョン受信装置101のHDMI入力端子1013である。そのため、テレビジョン受信装置101が録画装置103に成り代わって、リピータ装置102のHDMI入力端子1024に対して認証処理を行う。
【0030】
(テレビジョン受信装置101)
以下、本実施形態に係るテレビジョン受信装置101について詳細に説明する。
(チューナ部)
図3のアンテナ105より受信されたテレビジョン放送信号は、チューナ部10101に入力される。チューナ部10101は、受信すべきチャンネルの情報(周波数、TS_ID)をCPU1011より得て、周波数を切り替えて、所望のTS(トランスポートストリーム)を出力する。このTSデータは、MULTI2暗号方式(詳細はARIB STD-B25 第3章を参照)によるデスクランブル処理された後、PES(Packetized Elementary Streams)パケットとセクションデータにデマルチプレクスされる。
【0031】
なお、PESパケットには、MPEG−2形式のオーディオストリーム、ビデオストリーム等が含まれる。また、セクションデータには、番組情報伝送用のPSI(Program Specific Information)やデータ放送用のカルーセルデータ等が含まれる。ビデオストリーム及びオーディオストリームデータはデコーダ部10102へ出力され、PSIセクションは番組に関する情報を得るために必要なSI(Service Information)が取得され、CPU1011に格納される。
【0032】
(デコーダ部、表示部、アンプ部、スピーカ部、セレクタ部)
デコーダ部10102では、ビデオストリームデータに対して、規格(ARIB STD-B21 第6章 6.1 ”映像復号処理及び出力”参照)に準拠したビデオ復号処理を適用し、表示部10103へ出力する。任意の方式によるディスプレイパネルを備える表示部10103は、デコーダ部10102からのビデオストリームを表示する。
【0033】
また、デコーダ部10102は、オーディオストリームデータに対しても規格(ARIB STD-B21 第6章 6.2 ”音声復号処理及び出力”参照)に準拠したオーディオ復号処理を適用し、アンプ部10104へ出力する。アンプ部10104はオーディオ信号を増幅し、スピーカ部10105から出力する。
【0034】
また録画装置103より再生されたビデオおよびオーディオデータはTDMSチャネル上で伝送され、セレクタ部10107により切換されて、それぞれ表示部10103及びアンプ部10104へ出力される。このセレクタ部10107の切換制御はCPU1011によりなされる。
【0035】
(外部操作装置、外部操作受信部)
ユーザによるテレビジョン受信装置101への指示は、リモコン等の外部操作装置104によりなされ、指示内容を表す操作信号は外部操作受信部10106で受信する。受信した操作信号はCPU1011で検出される。なお、録画装置103の動作に関しても、外部操作装置104からテレビジョン受信装置101を通じて指示可能である。
【0036】
CPU1011は、受信したユーザ指示に基づいて、通信制御部10108を制御して音量制御メッセージや録画メッセージ等のCECメッセージを生成してリピータ装置102、録画装置103へ送信する。
【0037】
また逆に、リピータ装置102、録画装置103から送信されたCECメッセージは通信制御部10108で受信され、CPU1011へ送信されてメッセージの解析がなされる。
【0038】
(通信制御部、EDID−ROM)
まずフィジカルアドレス取得について説明する。
通信制御部10108は、リピータ装置102からのフィジカルアドレス取得要求(5VPWRラインをローからハイレベルにする)に応じて、レスポンスを返信する。レスポンスの返信は、取得を許可する場合にはHPDラインをローからハイレベルに、不許可の場合はローのままにすることで行う。
【0039】
通常、フィジカルアドレスの取得が許可された場合、リピータ装置102はEDID−ROM1012とDDC通信を行い、フィジカルアドレスを取得する。フィジカルアドレスは、テレビジョン受信装置101のHDMI端子ごとに割り振られ、EDID−ROM1012内に格納されている。ただし、EDID−ROM1012はHDMI端子ごとにそれぞれ持つようにしても良いし、可能であれば一つのEDID−ROMで切り替えを行って、複数のフィジカルアドレスを返信するようにしても良い。
【0040】
続いてロジカルアドレス取得について説明する。
リピータ装置102は、デバイスタイプごとに割り振られたロジカルアドレスの中から、自身が取得したいロジカルアドレスを取得する。図2を用いて上述したように、リピータ装置、例えばオーディオシステムは「5」、録画装置は「1」、「2」、「9」のように取得可能なロジカルアドレスは予め定められている。
【0041】
ロジカルアドレスの取得手順としては、上述したように、自身が取得したいロジカルアドレス宛て(例えば「5」)にPollingメッセージをブロードキャスト送信する。このメッセージに対する応答がいずれの装置からも返ってこなければ(ACKビット=1のままメッセージが返ってくれば)、そのロジカルアドレスは使用されていないため、そのロジカルアドレスを取得する。この取得方法の詳細については、非特許文献1に記載されている。
【0042】
図13は、CECメッセージのブロック構造を説明するための図である。
CECメッセージの全てのデータブロック、ヘッダーブロックは10ビット長で基本構造は同じである。図13(a)にヘッダー/データブロックの構造を示す。Informationビットは8ビットあり、データ、オペコード、アドレス等が格納される。コントロールビットであるEOM(End of Message)、ACK(Acknowledge)フィールドは1ブロックごとに1ビットずつ存在する。EOMには伝送されるべきブロックが後に続くか否かが設定されており、「0」は後にブロックが続くことを、「1」は最後のブロックであることを示す。ACKは送信先デバイスからの応答であり、当該メッセージに対して該当の場合は「0」が、非該当の場合「1」が設定されてくる。また図13(b)にヘッダーブロックの構造を示す。ヘッダーブロックでは、8ビットのInformationビットが4ビットずつに分けられ、それぞれにInitiator、Destinationが設定される。Initiatorにはメッセージ送信側(本実施形態においてはテレビジョン受信装置101)のロジカルアドレスが設定され、Destinationには受信側(例えばリピータ装置102)のロジカルアドレスが設定される。
【0043】
したがって上述したPollingメッセージにおいて、受信側のロジカルアドレスとしてDestinationアドレスに例えば「5」を設定すると、ロジカルアドレス「5」を取得済みの機器がいる場合にはACKビットが「0」に設定される。なお、実際にはInitiator側でハイレベルにしたCECラインをDestination側がローレベルに落としているが、ACKビットの値「0」として表現する。これにより、ロジカルアドレス「5」を取得している装置が存在することが分かる。
【0044】
また同様に、Give Physical Addressメッセージにおいて、受信側のロジカルアドレスとしてDestinationアドレスに例えば「5」を設定すると、次のような応答が返ってくる。すなわち、ロジカルアドレス「5」を取得済みの装置がいる場合にはACKビットが「0」に設定され、レスポンスとしてロジカルアドレス「5」の装置のフィジカルアドレスがメッセージで返信される。これにより、ロジカルアドレス「5」を取得した装置が存在することと、その装置のフィジカルアドレスが分かる。
【0045】
問い合わせた(要求した)ロジカルアドレスを取得している装置がいない場合、PollingメッセージまたはGive Physical AddressメッセージのメッセージブロックのACKビットには「1」が設定される。上述の通り、実際にはInitiator側でハイレベルにしたCECラインのレベルがハイレベルのまま維持される。
以上、通信制御部10108においてなされるフィジカルアドレス取得、ロジカルアドレス取得、CEC通信について説明した。以下に、入出力端子誤接続の検出処理について説明する。
【0046】
(入出力端子誤接続の検出)
入出力端子誤接続の検出は、通信制御部10108で行う。そのため、通信制御部10108は、図4に示すとおり、機器接続検出部401、接続障害検出部402、端子制御部403、誤接続検出部404を有する。なお、図4において、入出力端子誤接続の検出に関係ない信号線は省略している。
【0047】
以下、図5に示すフローチャートも参照して、通信制御部10108における入出力端子誤接続検出処理について説明する。ここでは一例として、リピータ装置102のHDMI入力端子1024とテレビジョン受信装置101のHDMI入力端子1013の誤接続を検出する場合について説明する。
【0048】
機器接続検出部401は、HDMI入力端子1013へのHDMIケーブルコネクタの挿抜を、例えば図示しないメカニカルな接点で検出し、テレビジョン受信装置101のHDMI入力端子1013への機器の接続有無を検出する(ステップS501)。
【0049】
フィジカルアドレスはHDMI端子ごとにあらかじめ定められている。そのため、機器接続検出部401は、複数のHDMI端子を有するテレビジョン受信装置101に実装された場合、どのフィジカルアドレスの機器が接続されたかや、どのフィジカルアドレスの機器が切断されたかを検出できる。機器接続検出部401は、また、いくつのフィジカルアドレスが使用されているか(いくつの機器が接続されているか)も検出可能である。
【0050】
ステップS501において、機器接続検出部401がテレビジョン受信装置101のHDMI入力端子1013への機器接続を検出すると、接続障害検出部402は、時間の計測を開始する。そして、接続障害検出部402は、一定時間経過しても接続機器(リピータ装置102)が5VPWRラインをハイレベルにしてこない場合に接続障害が発生したことを検出する(ステップS502)。このように、本実施形態では、機器接続が検出されても接続機器から予期される認証動作が行われない(例えば予期される信号入力がない)場合、接続障害を検出し、誤接続検出処理を行う。
【0051】
ステップS501において機器接続検出部401がテレビジョン受信装置101のHDMI入力端子1013への機器接続を検出し、ステップS502で接続障害検出部402が接続機器との接続障害を検出した場合、ステップS503以降の入出力端子誤接続検出を行う。これにより、接続障害の可能性が高い場合にのみ誤接続検出を行うようにすることが可能である。しかしながら以下に説明する入出力端子誤接続検出は、テレビジョン受信装置101の起動時に一度実施したり、あるいは接続障害の可能性にかかわらず、テレビジョン受信装置101のHDMI端子への機器接続が検出された際には定期的に実施してもよい。
【0052】
(入出力端子誤接続検出処理)
誤接続検出部404は、端子制御部403を制御して、5VPWR端子をハイレベルにする(ステップS503)。この場合、図1のテレビジョン受信装置101のHDMI入力端子1013の5VPWR端子がハイレベルにされる。
【0053】
このように、本実施形態に係るテレビジョン受信装置101は、接続障害が検出された場合、予期されていたにも係わらず接続機器からなされなかった認証動作(ここではフィジカルアドレスを取得するための認証処理(要求処理))を、接続機器に対して行う。これは、図1でテレビジョン受信装置101が接続されている接続機器のHDMI端子(リピータ装置102のHDMI入力端子1024)に本来接続されるべき機器(例えば録画装置103)として、テレビジョン受信装置101が振る舞うことに相当する。
【0054】
換言すれば、本実施形態に係るテレビジョン受信装置101は、自身の入力端子に接続機器の出力端子が正しく接続されていれば、接続機器から入力端子に対してなされることが予期される認証動作が行われない場合に、接続機器との接続障害の発生を検出する。そして、接続障害が検出された場合、接続機器に対し、通常は出力端子が認証処理時に行う動作を誤接続検出動作として入力端子が実行する。
【0055】
そして誤接続検出部404は、接続機器(リピータ装置102)が応答としてHDMI入力端子1013のHPD端子をハイレベルにしてきたか否かを端子制御部403経由で検出する(ステップS504)。ここで、HPD端子のハイレベルが検出された場合、テレビジョン受信装置101のHDMI入力端子1013に接続されているのが接続機器のHDMI入力端子であること、即ち誤接続であることが検出できる(ステップS505)。これは、HPD端子のレベル変化が、リピータ装置102が自身のHDMI入力端子1024に接続された録画装置103が5VPWR端子をハイレベルにしてきたことに対する応答として行った動作であると判断できるからである。
【0056】
その後、誤接続検出部404で検出された入出力端子誤接続は、CPU1011へ通知される。そしてCPU1011は、例えばグラフィックス生成部10111を制御して、入出力端子誤接続をユーザに報知するメッセージを生成し(あるいは図示しない不揮発性メモリから読み出し)、表示部10103に表示する(ステップS506)。なお、報知方法は視覚的なメッセージの表示に限らず、スピーカ部10105を通じた音声メッセージの出力など、任意の方法で実行することができる。
【0057】
なお、本実施形態において、
・ステップS501でテレビジョン受信装置101のHDMI入力端子1013への機器の接続が検出されなかった場合、
・ステップS502で接続機器との接続障害が検出されなかった場合、
・ステップS504でHDMI入力端子のHPD端子のハイレベルが検出されなかった場合、
には何も特別な処理を行わない。
【0058】
以上説明したように本実施形態によれば、入力端子に機器が接続されたことが検出されても、接続機器からの予期される認証動作が行われないことが検出された場合に、接続機器に対して、当該予期されていた認証動作を行う。そして、接続機器が正常な応答を返して来た場合には、入力端子同士が誤接続されていると検出し、ユーザに報知する。
【0059】
すなわち、自身の入力端子に接続機器の出力端子が正しく接続されていれば、接続機器から入力端子に対してなされることが予期される認証動作が行われない場合に、接続機器との接続障害を検出する。そして、接続障害が検出された場合、接続機器に対し、通常は出力端子が認証処理時に行う動作を誤接続検出動作として入力端子が実行し、当該誤接続検出動作に対して機器から正常な応答があった場合に、誤接続を検出し、ユーザに報知する。
そのため、ユーザは誤接続したことを知ることができ、直ちに適切な対応をとる(接続をやり直す)ことが可能になる。
【0060】
なお、本実施形態ではテレビジョン受信装置の入力端子に接続機器の入力端子が誤接続されたことを検出する例を説明したが、テレビジョン受信装置に限らず、他の装置においても、同様に誤接続の発生を検出し、ユーザに報知可能であることは言うまでもない。
【0061】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態では、第1の実施形態においてリピータ装置102の電源がオフ(厳密にはスタンバイ状態)である場合を想定している。リピータ装置102の電源がオフの場合、誤接続検出のためにリピータ装置102に対して5VPWR端子をハイレベルにしても、リピータ装置102からHPD端子をハイレベルにしてこない。そのため、第1の実施形態で説明した方法では入出力端子誤接続を検出できない。
【0062】
そのため、第2の実施形態では、誤接続検出のために接続機器(リピータ装置102)に対して5VPWR端子をハイレベルにしても接続機器がHPD端子をハイレベルにしてこない場合、接続機器の電源をオンさせてから、改めて入出力端子誤接続を検出する。
【0063】
これは、リピータ装置102や録画装置103は、電源オフの状態であっても、電源オンメッセージに応答して電源をオンできる、所謂「電源オン連動機能」を通常有していることを利用したものである。具体的には、HDMIで接続された機器においては、CEC電源オンメッセージを用いて電源をオンさせることができる。
【0064】
本実施形態におけるAVシステムの構成は、第1の実施形態(図1)と同様であり、また、本実施形態に係るテレビジョン受信装置は、通信制御部10108の構成および動作のみが第1の実施形態と異なる。従って、以下では、本実施形態における通信制御部10108の構成および動作についてのみ説明する。
【0065】
図6は、本実施形態における通信制御部10108の構成例を示すブロック図である。通信制御部10108は、機器接続検出部601、接続障害検出部602、端子制御部603、誤接続検出部604、および接続機器電源制御部605を備える。
【0066】
図7は、本実施形態の通信制御部10108による入出力端子誤接続検出処理を説明するためのフローチャートである。
機器接続検出部601は、HDMI入力端子1013へのHDMIケーブルコネクタの挿抜を、例えば図示しないメカニカルな接点で検出し、テレビジョン受信装置101のHDMI入力端子1013への機器の接続有無を検出する(ステップS701)。
【0067】
ステップS701において、機器接続検出部601がテレビジョン受信装置101のHDMI入力端子1013への機器接続を検出すると、接続障害検出部602は、時間の計測を開始する。そして、接続障害検出部602は、一定時間経過しても接続機器(リピータ装置102)が5VPWRラインをハイレベルにしてこない場合に接続障害を検出する(ステップS702)。
【0068】
誤接続検出部604は、入出力可能な端子制御部603を制御して、5VPWR端子をハイレベルにする(ステップS703)。この場合、図1のテレビジョン受信装置101のHDMI入力端子1013の5VPWR端子がハイレベルにされる。
【0069】
このように、本実施形態に係るテレビジョン受信装置101は、接続障害が検出された場合、予期されていたにも係わらず接続機器からなされなかった認証動作(ここではフィジカルアドレスを取得するための認証処理(要求処理))を、接続機器に対して行う。これは、現在テレビジョン受信装置101が接続されている接続機器のHDMI端子(リピータ装置102のHDMI入力端子1024)に本来接続されるべき機器(例えば録画装置103)として振る舞うことに相当する。
【0070】
換言すれば、本実施形態に係るテレビジョン受信装置101は、自身の入力端子に接続機器の出力端子が正しく接続されていれば、接続機器から入力端子に対してなされることが予期される認証動作が行われない場合に、接続機器との接続障害を検出する。そして、接続障害が検出された場合、接続機器に対し、通常は出力端子が認証処理時に行う動作を誤接続検出動作として入力端子が実行する。
【0071】
そして誤接続検出部604は、接続機器(リピータ装置102)が応答としてHDMI入力端子1013のHPD端子をハイレベルにしてきたか否かを端子制御部603経由で検出する(ステップS704)。ここで、HPD端子のハイレベルが検出された場合、リピータ装置102が、HDMI入力端子1024に接続された録画装置103が5VPWR端子をハイレベルにしてきた応答としてHPD端子をハイレベルにしてきたと判断できる。すなわち、テレビジョン受信装置101のHDMI入力端子1013に接続されているのが接続機器のHDMI入力端子であること、即ち誤接続が検出できる(ステップS705)。
【0072】
その後、誤接続検出部604で検出された入出力端子誤接続は、CPU1011へ通知される。そしてCPU1011は、例えばグラフィックス生成部10111を制御して、入出力端子誤接続をユーザに報知するメッセージを生成し(あるいは図示しない不揮発性メモリから読み出し)、表示部10103に表示する(ステップS706)。なお、報知方法は視覚的なメッセージの表示に限らず、スピーカ部10105を通じた音声メッセージの出力など、任意の方法で実行することができる。
【0073】
一方、ステップS704において、HDMI入力端子1013の5VPWR端子をハイレベルにしたにも係わらず、リピータ装置102がHPD端子をハイレベルにしてこなかった場合、リピータ装置102の電源がオフである可能性が高い。
【0074】
そのため、誤接続検出部604は、接続機器(リピータ装置102)の電源状態を確認する(ステップS707)。具体的には、誤接続検出部604は、接続機器電源制御部605を制御して、リピータ装置102の電源状態を確認するCECメッセージ(例えばGive Device Power Statusメッセージ)を送信する。このメッセージに対し、リピータ装置102から電源がオフ(スタンバイ)である旨の応答があれば、誤接続検出部604は接続機器(リピータ装置102)の電源をオンさせる。具体的には、接続機器電源制御部605を制御してリピータ装置102の電源をオンするCECメッセージ(例えばUser Control PressedメッセージでPowerをParametersとして指定)を送信する(ステップS708)。
【0075】
そして誤接続検出部604は、リピータ装置102の電源がオンされたことを、やはり電源状態を確認するCECメッセージを接続機器電源制御部605を通じてリピータ装置102へ送信して確認する(ステップS709)。このCECメッセージはステップS707でリピータ装置102の電源状態の確認に用いたメッセージと同一であってよい。このメッセージに対してリピータ装置102から電源オンである旨の応答があり、リピータ装置102の電源オンが確認されたら、ステップS703からの処理を再度実施する。リピータ装置102から電源オンである旨の応答がなければ、誤接続検出部604は、接続機器電源制御部605を通じてリピータ装置102へ周期的に電源状態の確認メッセージを送信する。
【0076】
なお、
・ステップS701でテレビジョン受信装置101のHDMI入力端子への機器の接続が検出されなかった場合、
・ステップS702で接続機器との接続障害が検出されなかった場合、および
・ステップS705で接続機器の電源がオンであった場合、
には何も特別な処理を行わない。
【0077】
このように、本実施形態によれば、入力端子に機器が接続されたことが検出されても、接続機器からの予期される認証動作が行われないことが検出された場合に、接続機器に対して、当該予期されていた認証動作を行う。この際、接続機器から正常な応答がなければ、接続機器の電源状態を確認し、電源オフであれば接続機器の電源をオンさせてから、予期されていた認証動作を再度実行する。そして、接続機器が正常な応答を返して来た場合には、入力端子同士が誤接続されていると検出し、ユーザに報知する。
【0078】
そのため、第1の実施形態における効果に加え、接続機器が電源オフ(スタンバイ)状態であっても、ユーザは誤接続したことを知ることができ、直ちに適切な対応をとる(接続をやり直す)ことが可能になる。
【0079】
(第3の実施形態)
次に本発明の第3の実施形態について説明する。
第1の実施形態は、テレビジョン受信装置101とリピータ装置102の入力端子同士が誤接続されたことをテレビジョン受信装置101が検出するものであった。これに対し、本実施形態は、録画装置103とリピータ装置の出力端子同士が誤接続されたことを録画装置103が検出するものである。
【0080】
つまり、本実施形態のAVシステムでは、録画装置103が、本来リピータ装置102の出力端子に接続されるべき装置(この場合はテレビジョン受信装置101)に成り代わって、リピータ装置102と認証処理(フィジカルアドレス取得処理)を行う。つまり、録画装置103がテレビジョン受信装置101として振る舞う。そして、認証処理結果によって誤接続を検出し、ユーザに例えば警告表示によって報知する。
【0081】
換言すれば、本実施形態に係る録画装置103は、自身の出力端子に接続機器の入力端子が正しく接続されていれば、接続機器から出力端子に対してなされることが予期される認証動作が行われない場合に、接続機器との接続障害が発生したことを検出する。そして、接続障害が検出された場合、接続機器に対し、通常は入力端子が認証処理時に行う動作を誤接続検出動作として出力端子が実行する。そして、誤接続検出動作に対して機器から正常な応答があった場合に、誤接続を検出し、ユーザに報知する。
【0082】
本実施形態におけるAVシステムの構成は、第1の実施形態(図1)と同様、テレビジョン受信装置101、リピータ装置102、録画装置103、外部操作装置104から構成される。
【0083】
しかし、本実施形態においては録画装置103の構成および動作が他の実施形態と異なるため、録画装置103に関して以下説明する。
図8は、本実施形態に係る録画装置103の構成例を示すブロック図である。録画装置103は、通信制御部10301、HDMI出力端子1032、CPU1031、グラフィックス生成部10304、表示部10305から構成される。
【0084】
また、図10は、本実施形態における通信制御部10301の構成例を示すブロック図である。通信制御部10301は、機器接続検出部1001、接続障害検出部1002、端子制御部1003、誤接続検出部1004を備える。
【0085】
さらに、図9は、本実施形態の通信制御部10301による入出力端子誤接続検出処理を説明するためのフローチャートである。
以下、図8、図10のブロック図及び図9のフローチャートを参照して、本実施形態に係る録画装置における入出力端子誤接続検出処理について説明する。
【0086】
機器接続検出部1001は、HDMI入力端子1013へのHDMIケーブルコネクタの挿抜を、例えば図示しないメカニカルな接点で検出し、録画装置103のHDMI出力端子1032への機器の接続有無を検出する(ステップS901)。
【0087】
ステップS901で機器接続検出部1001が録画装置103のHDMI出力端子1032への機器接続を検出すると、接続障害検出部1002は端子制御部1003を制御して5VPWR端子をハイレベルにし、時間の計測を開始する(ステップS902)。そして、5VPWR端子をハイレベルにしてから一定時間経過しても接続機器(リピータ装置102)がHPD端子をハイレベルにしてこない場合に、接続障害を検出する(ステップS903)。
【0088】
ステップS901において機器接続検出部1001が録画装置103のHDMI出力端子1032への機器接続を検出し、ステップS903で接続障害検出部1002が接続機器との接続障害を検出した場合、ステップS904以降の入出力端子誤接続検出を行う。これにより、接続障害の可能性が高い場合にのみ誤接続検出を行うようにすることが可能である。しかしながら以下に説明する入出力端子誤接続検出は、録画装置103の起動時に一度実施したり、あるいは接続障害の可能性にかかわらず、録画装置103のHDMI端子への機器接続が検出された際には定期的に実施してもよい。
【0089】
ステップS903で接続障害検出部1002が接続障害を検出した場合、誤接続検出部1004は入出力可能な端子制御部1003を制御して、HDMI出力端子1032の5VPWR端子をローレベルにする(ステップS904)。
【0090】
これは、現在録画装置103が接続されている接続機器のHDMI端子(リピータ装置102のHDMI出力端子1023)に本来接続されるべき機器(例えばテレビジョン受信装置101)として録画装置103が振る舞うことに相当する。
【0091】
その後、誤接続検出部1004は、HDMI出力端子1032の5VPWR端子がハイレベルもしくは中間電位になったか検出する(ステップS905)。
【0092】
HDMI出力端子1032の5VPWR端子がハイレベルもしくは中間電位になったことが検出された場合、誤接続検出部1004は、誤接続であることを検出できる(ステップS906)。具体的には、誤接続検出部1004は、HDMI出力端子1032に接続されているのが接続機器のHDMI出力端子であることを検出できる。これは、5VPWR端子のレベル変化が、リピータ装置102が自身のHDMI出力端子1023に接続されたテレビジョン受信装置101に対して、EDID−ROM1012とのDDC通信を始めるための要求として行った動作であると判断できるからである。なお、中間電位となるのは、リピータ装置102のHDMI出力端子1023の5VPWR端子がハイレベル、録画装置103のHDMI出力端子1032の5VPWR端子がローレベルのためである。
【0093】
その後、誤接続検出部1004で検出された入出力端子誤接続は、CPU1031へ通知される。そしてCPU1031は、例えばグラフィックス生成部10304を制御して、入出力端子誤接続をユーザに報知するメッセージを生成し(あるいは図示しない不揮発性メモリから読み出し)、表示部10305に表示する(ステップS907)。なお、報知方法は視覚的なメッセージの表示に限らず、図示しないスピーカ部などを通じた音声メッセージの出力など、任意の方法で実行することができる。
【0094】
なお、本実施形態において、
・ステップS901で録画装置103のHDMI出力端子1032への機器の接続が検出されなかった場合、
・ステップS902で接続機器との接続障害が検出されなかった場合、
・ステップS903でHDMI出力端子の5VPWR端子のハイレベル又は中間電位レベルが検出されなかった場合、
には何も特別な処理を行わない。
【0095】
以上説明したように本実施形態によれば、出力端子に機器が接続されたことが検出されたことに応じて、接続機器に対して予め定められた動作を実行しても、予期される認証動作が接続機器から行われないことが検出された場合に、誤接続検出処理を行う。具体的には、接続機器に本来接続されるべき機器として振る舞う。そして、接続機器が正常な応答を返して来た場合には、出力端子同士が誤接続されていると検出し、ユーザに報知する。
【0096】
換言すれば、本実施形態に係る録画装置103は、自身の出力端子に接続機器の入力端子が正しく接続されていれば、接続機器から出力端子に対してなされることが予期される認証動作が行われない場合に、接続機器との接続障害が発生したことを検出する。そして、接続障害が検出された場合、接続機器に対し、通常は入力端子が認証処理時に行う動作を誤接続検出動作として出力端子が実行する。そして、誤接続検出動作に対して機器から正常な応答があった場合に、誤接続を検出し、ユーザに報知する。
【0097】
そのため、ユーザは誤接続したことを知ることができ、直ちに適切な対応をとる(接続をやり直す)ことが可能になる。
なお、本実施形態では録画装置103の出力端子に接続機器の出力端子が誤接続されたことを検出する例を説明したが、録画装置103に限らず、他の装置においても、同様に誤接続の発生を検出し、ユーザに報知可能であることは言うまでもない。
【0098】
(第4の実施形態)
次に本発明の第4の実施形態について説明する。
第1の実施形態では、テレビジョン受信装置101が録画装置103に成り代わって、リピータ装置102と認証処理を行い、この結果によって誤接続を検出してユーザに警告表示するように制御した。これに対して、第4の実施形態では、リピータ装置102が主体となって、テレビジョン受信装置101、あるいは録画装置103との認証処理を行い、この結果によって誤接続を検出してユーザに警告表示するように制御する。
【0099】
本実施形態におけるAVシステムの構成は、第1の実施形態(図1)と同様、テレビジョン受信装置101、リピータ装置102、録画装置103、外部操作装置104から構成される。
【0100】
しかし、本実施形態においてはリピータ装置102の構成および動作が他の実施形態と異なるため、リピータ装置102に関して以下説明する。
【0101】
図11は、本実施形態に係るリピータ装置102の構成例を示すブロック図である。リピータ装置102は、通信制御部10201、EDID−ROM1022、HDMI出力端子10203、HDMI入力端子1024、CPU1021、グラフィックス生成部10206、表示部10207から構成される。
【0102】
また通信制御部10201は、第3の実施形態の通信制御部10301と同様、図10に示すように、機器接続検出部1001、接続障害検出部1002、端子制御部1003、誤接続検出部1004を備える。
【0103】
さらに、図12は、本実施形態の通信制御部10201による入出力端子誤接続検出処理を説明するためのフローチャートである。
以下、図10、図11のブロック図及び図12のフローチャートを参照して、本実施形態に係る録画装置における入出力端子誤接続検出処理について説明する。
【0104】
機器接続検出部1001は、HDMI入力端子1013へのHDMIケーブルコネクタの挿抜を、例えば図示しないメカニカルな接点で検出し、リピータ装置102のHDMI出力端子1023への機器の接続有無を検出する(ステップS1201)。
【0105】
機器接続検出部1001でリピータ装置102のHDMI出力端子1023に機器が接続されたことを検出すると、接続障害検出部1002は端子制御部1003を制御してHDMI出力端子1023の5VPWR端子をハイレベルにする(ステップS1202)。これに対して接続機器(録画装置103)がHPD端子をハイレベルにしてこない場合に、接続障害を検出する(ステップS1203)。
【0106】
そして接続障害を検出した場合、誤接続検出部1004は入出力可能な端子制御部1003を制御して、HDMI出力端子1023の5VPWR端子をローレベルにする(ステップS1204)。その後、誤接続検出部1004は、5VPWR端子がハイレベルもしくは中間電位になったことを検出する(ステップS1205)。
【0107】
この場合、図1のリピータ装置102のHDMI出力端子1023の5VPWR端子がハイレベルもしくは中間電位にされる。これは、録画装置103が、HDMI出力端子1032に接続されたリピータ装置102のHDMI入力端子1024に対して、EDID−ROM1022とのDDC通信を始めるための要求として5VPWR端子をハイレベルにしてきたからと判断できる。従って誤接続検出部1004は、入出力端子誤接続を検出できる(ステップS1206)。なお、5VPWR端子が中間電位となるのは、リピータ装置102のHDMI出力端子1023の5VPWR端子がローレベル、録画装置103のHDMI出力端子1032の5VPWR端子がハイレベルのためである。
【0108】
以上のようにして入出力端子誤接続が検出された場合、誤接続検出部1004で検出された入出力端子誤接続は、CPU1021へ通知される。そしてCPU1021は例えばグラフィックス生成部10304を制御して、入出力端子誤接続をユーザに報知するメッセージを生成し(あるいは図示しない不揮発性メモリから読み出し)、表示部10305に表示する(ステップS1207)。なお、報知方法は視覚的なメッセージの表示に限らず、図示しないスピーカ部などを通じた音声メッセージの出力など、任意の方法で実行することができる。
【0109】
以上、リピータ装置102のHDMI出力端子1023において、録画装置103との間で認証処理を行うことで、出力端子同士の誤接続を検出する動作について説明した。しかしながら、リピータ装置102のHDMI入力端子1024において、テレビジョン受信装置101と認証処理を行うことで、入力端子同士の誤接続を検出できることは言うまでもない。この場合には、通信制御部10201が第1の実施形態で説明したテレビジョン受信装置101の通信制御部10108と同様に動作すればよい。すなわち、誤接続検出部1004は接続障害が検出された場合、リピータ装置102のHDMI入力端子1024より、テレビジョン受信装置101に対して5VPWR端子をハイレベルにする。そして、テレビジョン受信装置101がHDMI入力端子1024のHPD端子をハイレベルにしてきたならば、誤接続であると検出する。
【0110】
(他の実施形態)
上述の実施形態は、システム或は装置のコンピュータ(或いはCPU、MPU等)によりソフトウェア的に実現することも可能である。
従って、上述の実施形態をコンピュータで実現するために、該コンピュータに供給されるコンピュータプログラム自体も本発明を実現するものである。つまり、上述の実施形態の機能を実現するためのコンピュータプログラム自体も本発明の一つである。
【0111】
なお、上述の実施形態を実現するためのコンピュータプログラムは、コンピュータで読み取り可能であれば、どのような形態であってもよい。例えば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等で構成することができるが、これらに限るものではない。
【0112】
上述の実施形態を実現するためのコンピュータプログラムは、記憶媒体又は有線/無線通信によりコンピュータに供給される。プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ等の磁気記憶媒体、MO、CD、DVD等の光/光磁気記憶媒体、不揮発性の半導体メモリなどがある。
【0113】
有線/無線通信を用いたコンピュータプログラムの供給方法としては、コンピュータネットワーク上のサーバを利用する方法がある。この場合、本発明を形成するコンピュータプログラムとなりうるデータファイル(プログラムファイル)をサーバに記憶しておく。プログラムファイルとしては、実行形式のものであっても、ソースコードであっても良い。
【0114】
そして、このサーバにアクセスしたクライアントコンピュータに、プログラムファイルをダウンロードすることによって供給する。この場合、プログラムファイルを複数のセグメントファイルに分割し、セグメントファイルを異なるサーバに分散して配置することも可能である。
つまり、上述の実施形態を実現するためのプログラムファイルをクライアントコンピュータに提供するサーバ装置も本発明の一つである。
【0115】
また、上述の実施形態を実現するためのコンピュータプログラムを暗号化して格納した記憶媒体を配布し、所定の条件を満たしたユーザに、暗号化を解く鍵情報を供給し、ユーザの有するコンピュータへのインストールを許可してもよい。鍵情報は、例えばインターネットを介してホームページからダウンロードさせることによって供給することができる。
【0116】
また、上述の実施形態を実現するためのコンピュータプログラムは、すでにコンピュータ上で稼働するOSの機能を利用するものであってもよい。
さらに、上述の実施形態を実現するためのコンピュータプログラムは、その一部をコンピュータに装着される拡張ボード等のファームウェアで構成してもよいし、拡張ボード等が備えるCPUで実行するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る電気機器の一例としてのテレビジョン受信装置、リピータ装置、および録画装置が接続されたAVシステムの構成例を示す図である。
【図2】HDMIのロジカルアドレスについて説明するための図である。
【図3】図1におけるテレビジョン受信装置の構成例を示すブロック図である。
【図4】図3における通信制御部の構成例を示すブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る通信制御部における入出力端子誤接続検出処理を説明するためのフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施形態に係るテレビジョン受信装置の通信制御部の構成例を示すブロック図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る通信制御部における入出力端子誤接続検出処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明の第3の実施形態に係る録画装置の構成例を示すブロック図である。
【図9】本発明の第3の実施形態に係る通信制御部における入出力端子誤接続検出処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】本発明第3の実施形態に係る通信制御部の構成例を示すブロック図である。
【図11】本発明第4の実施形態に係るリピータ装置の構成例を示すブロック図である。
【図12】本発明の第4の実施形態に係る通信制御部における入出力端子誤接続検出処理を説明するためのフローチャートである。
【図13】CECメッセージのヘッダー/データブロックの構造を説明するための図である。
【図14】テレビジョン受信装置と、AVアンプ等のリピータ装置と、ハードディスクレコーダー等の録画装置とがHDMIで接続されたシステム内の通信に係る構成を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディジタルインタフェースの入力端子に、機器が接続されたことを検出する機器接続検出手段と、
前記機器に対し、出力端子が認証処理時に行う動作を誤接続検出動作として前記入力端子が実行し、当該誤接続検出動作に対して前記機器から正常な応答があった場合に、誤接続を検出する誤接続検出手段と、
前記誤接続検出手段により誤接続が検出された場合、誤接続が検出されたことを報知する報知手段とを有することを特徴とする電気機器。
【請求項2】
前記入力端子に前記機器が有するディジタルインタフェースの出力端子が接続されていれば前記機器から前記入力端子に対してなされることが予期される認証動作が行われない場合、前記機器との接続障害を検出する接続障害検出手段をさらに有し、
前記誤接続検出手段は、前記接続障害が検出された場合に前記誤接続検出動作を実行することを特徴とする請求項1記載の電気機器。
【請求項3】
前記ディジタルインタフェースがHDMIであり、前記誤接続検出手段が、前記入力端子の5VPWR端子をハイレベルにする動作を前記誤接続検出動作として実行することを特徴とする請求項1または請求項2記載の電気機器。
【請求項4】
前記ディジタルインタフェースがHDMIであり、前記予期される認証動作が、前記入力端子の5VPWR端子をハイレベルにする動作であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の電気機器。
【請求項5】
前記誤接続検出手段が、
前記誤接続検出動作に対して前記機器から正常な応答がない場合、前記機器の電源状態を確認し、前記機器が電源オフの状態であれば、前記機器の電源をオンさせてから、前記誤接続検出動作を再度実行することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の電気機器。
【請求項6】
ディジタルインタフェースの出力端子に、機器が接続されたことを検出する機器接続検出手段と、
前記機器に対し、入力端子が認証処理時に行う動作を誤接続検出動作として前記出力端子が実行し、当該誤接続検出動作に対して前記機器から正常な応答があった場合に、誤接続を検出する誤接続検出手段と、
前記誤接続検出手段により誤接続が検出された場合、誤接続が検出されたことを報知する報知手段とを有することを特徴とする電気機器。
【請求項7】
前記出力端子に前記機器が有するディジタルインタフェースの入力端子が接続されていれば前記機器から前記出力端子に対してなされることが予期される認証動作が行われない場合、前記機器との接続障害を検出する接続障害検出手段をさらに有し、
前記誤接続検出手段は、前記接続障害が検出された場合に前記誤接続検出動作を実行することを特徴とする請求項6記載の電気機器。
【請求項8】
前記ディジタルインタフェースがHDMIであり、前記誤接続検出手段が、前記入力端子の5VPWR端子をローレベルにする動作を前記誤接続検出動作として実行することを特徴とする請求項6記載の電気機器。
【請求項9】
前記ディジタルインタフェースがHDMIであり、前記予期される認証動作が、前記入力端子の5VPWR端子をハイレベルにしたことに応答した前記入力端子のHPD端子をハイレベルにする動作であることを特徴とする請求項6乃至請求項8のいずれか1項に記載の電気機器。
【請求項10】
ディジタルインタフェースを有する電気機器の制御方法であって、
前記ディジタルインタフェースの入力端子に、機器が接続されたことを検出する機器接続検出ステップと、
前記機器に対し、出力端子が認証処理時に行う動作を誤接続検出動作として前記入力端子が実行し、当該誤接続検出動作に対して前記機器から正常な応答があった場合に、誤接続を検出する誤接続検出ステップと、
前記誤接続検出ステップにより誤接続が検出された場合、誤接続が検出されたことを報知する報知ステップとを有することを特徴とする電気機器の制御方法。
【請求項11】
ディジタルインタフェースを有する電気機器の制御方法であって、
前記ディジタルインタフェースの出力端子に、機器が接続されたことを検出する機器接続検出ステップと、
前記機器に対し、入力端子が認証処理時に行う動作を誤接続検出動作として前記出力端子が実行し、当該誤接続検出動作に対して前記機器から正常な応答があった場合に、誤接続を検出する誤接続検出ステップと、
前記誤接続検出ステップにより誤接続が検出された場合、誤接続が検出されたことを報知する報知ステップとを有することを特徴とする電気機器の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−97288(P2010−97288A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−265714(P2008−265714)
【出願日】平成20年10月14日(2008.10.14)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】