ディスククランパ
【課題】 ディスククランパの組付け間違いを防止する。
【解決手段】 ディスク押え10と鍔体40とを連結するための結合機構Mを有する。結合機構Mが、スペーサ50と、開口部60と、スペーサ50の基端縁部でなる被係止部51に係合する爪部23を備えた係止フック20とを有する。開口部60が幅広部61と幅狭部62とを有する。ディスク押え10と鍔体40とを相対的に回動させることによって幅広部に挿入された係止フック20の爪部23を幅狭部62に向けて移動させたときに、爪部23が幅狭部62の口縁の内面側に嵌まり込むことを阻止する突起でなるストッパ65を設ける。
【解決手段】 ディスク押え10と鍔体40とを連結するための結合機構Mを有する。結合機構Mが、スペーサ50と、開口部60と、スペーサ50の基端縁部でなる被係止部51に係合する爪部23を備えた係止フック20とを有する。開口部60が幅広部61と幅狭部62とを有する。ディスク押え10と鍔体40とを相対的に回動させることによって幅広部に挿入された係止フック20の爪部23を幅狭部62に向けて移動させたときに、爪部23が幅狭部62の口縁の内面側に嵌まり込むことを阻止する突起でなるストッパ65を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CD、DVD、BDといった円板形のディスクを取り扱うディスククランパ、特に、組付け間違いを防止するための対策が講じられているディスククランパに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のディスククランパは、ディスクの記録面を光学的に処理するディスク装置に採用されていて、一般的にはそのディスク装置のローダシャーシに配備されるクランパプレートに取り付けられている。また、このディスククランパは、クランパプレートへの取り付けの便宜などを考慮して、円板形のディスク押え(ボトムプレート)及びその付属要素と円板形の鍔体(トッププレート)及びその付属要素とに分かれていて、それらを組み合わせることによって上記ディスククランパに取り付けられる。
【0003】
次に、従来例としてのディスククランパの構成部材を図6〜図8を参照して説明し、図9、図10〜図13を参照して組立工程を説明し、さらに図14を参照してその動作状態を説明する。
【0004】
図6はディスク押え10とその付属要素を内面側から見て示した平面図、図7は鍔体40とその付属要素を外面側から見て示した平面図、図8は鍔体40とその付属要素を内面側から見て示した平面図である。また、図9は組立工程の初期段階を示した平面図、図10は組立後の状態を示した平面図である。さらに、図11は組付け間違いを生じているディスククランパCを示した平面図、図12は図11の要部の拡大図、図13はディスククランパの組立て前の状態を説明的に示した縦断側面図である。図14は動作状態の縦断側面図である。
【0005】
図6のように、ディスク押え10は円板形に形成されていて、その中央に円形孔11が開設されていると共に、その円形孔11の周辺部分が内側(上側)へ膨らみ出ていることによって、その周辺部分の外面側に円形凹所12(図13又は図14参照)が形成されている。ディスク押え10の付属要素には、上記円形孔11の周囲でディスク押え10の周方向等角度おきの3箇所に設けられた係止フック20と、背低円筒状の位置決め片30とが含まれる。円筒状の位置決め片30は上記係止フック20の形成箇所ごとに欠除されている。31は位置決め片30の欠除箇所を示している。係止フック20は、ディスク押え10の内面から立ち上げられた弾性を備える脚部22とその脚部22の頂部に形成されている外向きの爪部23とを有する。ディスク押え10と係止フック20と位置決め片30とは樹脂の一体成形体でなる。そのため、ディスク押え10には、係止フック20の形成箇所に対応する箇所に成形時の型抜き跡によって生じた開口21が開設されている。
【0006】
図7又は図8のように、鍔体40は円板形に形成されている。鍔体40の付属要素には、その鍔体40の内面から立ち上げられた円筒状のスペーサ50と、そのスペーサの内側に形成されている複数箇所の内向き片41と、それらの内向き片41の内側に形成されている径小筒部42とが含まれている。また、鍔体40には、スペーサ50の形成箇所の複数箇所に位置する開口部60が開設されていて、この開口部60ではスペーサ50の基端縁部が表面側に露出している。
【0007】
上記開口部60は、上記ディスク押え10の係止フック20の爪部23を挿入可能な幅を有する幅広部61と、この幅広部61の片側に位置してその幅広部61に連続する幅狭部62とを有し、幅狭部62の内側の口縁部は、その幅狭部62に位置している上記係止フック20の爪部23に対峙する爪受け部63として形成されている。
【0008】
ディスククランパは、上記した構成を有するディスク押え10と鍔体40とを同心状に連結することによって構成されるのであって、その連結のための結合機構Mが、鍔体40側のスペーサ50及び開口部60と、ディスク押え10側の係止フック20とによって形成されている。
【0009】
図9及び図10のように、ディスク押え10と鍔体40とを同心状に連結するための結合機構Mは、ディスククランパCの周方向等角度おきの複数箇所、図例では3箇所に介在されている。
【0010】
図9はディスククランパの組立工程の初期段階を示している。この初期段階では、ディスク押え10側の位置決め片30を鍔体40側の円筒状のスペーサ50の内側に嵌合することによってディスク押え10と鍔体40とを同心状に位置合わせすることと、ディスク押え10側の係止フック20の爪部23を、スペーサ50の基端縁部によって形成されている被係止部51に係合させること、とが行われる。
【0011】
爪部23を被係止部51に係合させる工程では、3箇所の係止フック20の脚部22の弾性を利用してその係止フック20を内側に撓ませながら、爪部23を鍔体40側のスペーサ50の内側に押し込んでその内周面を滑らせて乗り越えさせることにより、爪部23を開口部60の幅広部61に挿入して脚部22を弾性により復帰させ、幅広部61に挿入した爪部23を上記被係止部51に係合させる、という手順が行われる。
【0012】
次の段階では、図10に矢印Rで示したようにディスク押え10と鍔体40とを相対的に矢印Rのように回動させることによって、開口部60の幅広部61内でスペーサ50の被係止部51に係合している係止フック20の爪部23を、その開口部60の幅狭部62に向けて移動させる。この操作を行うと、幅狭部62の内側の口縁部によって形成されている爪受け部63が爪部23の背面に対峙して爪部23が被係止部51から離脱することが阻止される。
【0013】
なお、上記した組立工程では、図13によって判るように、ディスク装置のローダシャーシ(不図示)に配備されるクランパプレート70の円形孔部71に鍔体40側の円筒状のスペーサ50を挿入して遊嵌合させることと、鍔体40とディスク押え10との間に永久磁石80(又は鉄板などのヨーク)を組み付けることと、が行われる。
【0014】
図14のように、クランパプレート70に取り付けられたディスククランパCは、ディスク装置のターテーブル100に載架されているディスクDを、永久磁石80(又はヨーク)の吸引作用を介し、そのターンテーブル100と共働して挟持する。この挟持状態では、ディスククランパCのディスク押え10がディスクDをターンテーブル100に押し付けている。また、図示していないけれども、ディスクDの載架されているターテーブル100が退避位置まで下降すると、ディスククランパCの鍔体40がクランパプレート70の円形孔部71の周縁部により形成されている鍔受部72により受け止められて、ディスク押え10がターンテーブル100から離れる。
【0015】
先行例には、ディスク押えに相当する部材と鍔体に相当する部材とを相対的に回動させることにより、一方側部材の係止爪を他方側部材に係合させることによって、ディスククランパを組み立てるものが開示されている(たとえば、特許文献1参照、特許文献2、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特開2008−269729号公報
【特許文献2】特開2002−184064号公報
【特許文献3】特開2006−147110号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
図9及び図10を参照して説明したところから明らかなように、従来例としてのディスククランパCでは、爪部23を被係止部51に係合させる工程で、3箇所の係止フック20の脚部22の弾性を利用してその係止フック20を内側に撓ませながら、爪部23を鍔体40側のスペーサ50の内側に押し込んでその内周面を滑らせて乗り越えさせることにより、爪部23を開口部60の幅広部61に挿入して脚部22を弾性により復帰させ、幅広部61に挿入した爪部23を上記被係止部51に係合させる、という手順が行われる。そして、その後の工程で、ディスク押え10と鍔体40とを相対的に回動させて係止フック20の爪部23を開口部60の幅狭部62にまで移動させる、という手順が行われる。
【0018】
このため、次に説明するような組付け間違いを生じるおそれがあった。すなわち、スペーサ50の内周面を滑らせて係止フック20の爪部23を開口部60の幅広部61に押し込んでその爪部23を被係止部51に係合させた後、ディスク押え10と鍔体40とを相対的に回動させて爪部23を開口部60の幅狭部62に移動させる作業を行うときに、図11又は図12のように、3箇所の係止フック20のうちの2箇所の係止フック20の爪部23だけが、被係止部51に正常に係合して開口部60の幅狭部62に移動し、残りの1つの係止フック20の爪部23が、円筒状のスペーサ50の内周面52を乗り越えずにその内周面52に弾接したまま幅狭部62の口縁の内面側に嵌まり込むことがあった。
【0019】
この状況が生じると、肉薄の樹脂成形体であるディスク押え10や鍔体40の弾性などの影響によって、それらのディスク押え10や鍔体40があたかも正常に結合されてかのような状態になり、オペレータも、ディスククランパCが正確に組み立てられていないにもかかわらず、2箇所の爪部23,23が開口部60の幅狭部62で被係止部51に係合しているために、ディスククランパCが正確に組み立てられたものと勘違いを起こすことがある。
【0020】
このような状況が起こることをなくするためには、ディスククランパCの組立工程でオペレータが細心の注意を払いながら組立て作業を行う必要があり、熟練者であっても、組立てに多大な注意力が必要になり、その後の検査でも多大の注意力が必要になる。そこで、ディスククランパに組立て間違いの起こらない構造を持たせておくと、組立てや検査が容易になり、組立作業性が改善されることになる。
【0021】
本発明は以上の状況に鑑みてなされたものであり、図11や図12で説明したような組立て間違いの起こらない構造を備えたディスククランパを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明に係るディスククランパは、ターンテーブルとの間でディスクを挟持する円板形のディスク押えと、このディスク押えに対向される円板形の鍔体と、ディスク押えと鍔体とのうちの一方側部材に設けられてそれらの対向間隔を規制する円筒状のスペーサと、上記スペーサが遊嵌合される円形孔部を有するクランパプレートと、この円形孔部の周縁部により形成されて上記鍔体を係止する鍔受部と、ディスク押えと鍔体とを同心状に連結するための結合機構と、を有する。そして、上記結合機構が当該ディスククランパの回転方向等角度おきの複数箇所に設けられていると共に、この結合機構が、上記スペーサと、このスペーサを備える上記一方側部材に開設されてそのスペーサの基端縁部を露出させる開口部と、鍔体又はディスク押えのうちの他方側部材に設けられて、上記スペーサの内周面を乗り越えて上記開口部から露出している当該スペーサの基端縁部によって形成された被係止部に係合することによってそのスペーサを当該他方側部材との間に挟み込む爪部を備えた係止フックと、を有している。また、上記開口部は、上記係止フックの爪部が挿入される幅広部と、上記被係止部に係合している上記爪部の背面に対峙してその爪部が被係止部から離脱することを阻止する爪受け部を備えた幅狭部と、が連続してなる。
【0023】
このようなディスククランパにおいて、本発明では、特に、一方側部材と他方側部材とを相対的に回動させることによって上記幅広部に挿入された係止フックの上記爪部を幅狭部に向けて移動させたときに、その爪部が上記開口部の幅狭部の口縁の内面側に嵌まり込むことを阻止するストッパを備えることを特徴としている。このストッパは、上記開口部の幅狭部の口縁の始端部に設けられた突起によって構成することが可能である。
【0024】
この構成であると、複数箇所の結合機構のそれぞれの係止フックの爪部のうち、いずれかの爪部が1つでも突起でなるストッパに係合すると、その爪部を含めて残りの爪部も幅狭部に移動しなくなり、ディスク押えと鍔体とが、正確な結合状態では起こり得ないようなぐらつきを生じる。したがって、結合機構によってディスク押えと鍔体とがあたかも結合しているかのような状態にはならず、オペレータが正常に組み立てられたものと勘違いするような状況も起こらない。したがって、ディスククランパの組立てや検査が容易になり、その組立作業性が改善されることになる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によると、組立作業性を低下させることなく、組付け間違いを防止することができるので、ディスククランパの組立てや検査が容易になり、その組立作業性が改善されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施形態によるディスククランパに用いられる鍔体を内面側から見て示した平面図である。
【図2】図1のII−II線に沿う部分の拡大断面図である。
【図3】組立工程の初期段階を示した平面図である。
【図4】正確に組み付けられたディスククランパの平面図である。
【図5】組付け間違いを生じているディスククランパの平面図である。
【図6】従来例のディスククランパに用いられているディスク押えとその付属要素を内面側から見て示した平面図である。
【図7】従来例のディスククランパに用いられている鍔体とその付属要素を外面側から見て示した平面図である。
【図8】図7の鍔体とその付属要素を内面側から見て示した平面図である。
【図9】従来例のディスククランパの組立工程の初期段階を示した平面図である。
【図10】組立後の状態を示した平面図である。
【図11】組付け間違いを生じているディスククランパを示した平面図である。
【図12】図11の要部の拡大図である。
【図13】ディスククランパの組立て前の状態を説明的に示した縦断側面図である。
【図14】動作状態の縦断側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は本発明の実施形態によるディスククランパに用いられる鍔体40を内面側(下面側)から見て示した平面図、図2は図1のII−II線に沿う部分の拡大断面図である。また、図3は組立工程の初期段階を示した平面図である。図4は正確に組み付けられたディスククランパの平面図、図5は組付け間違いを生じているディスククランパの平面図である。
【0028】
この実施形態のディスククランパは、図6に示したディスク押え10やその付属要素、図7及び図8に示した鍔体40やその付属要素の構成をすべて備えている。したがって、以下では、説明の重複を避けるために、図6〜図8に示した要素と同一又は相応する要素に同一の符号を付すことによって、ディスク押え10や鍔体40、それらの付属要素についての詳細構造の説明を省略する。
【0029】
図1〜図5に示したように、この実施形態のディスククランパCは、鍔体40側の開口部60の幅狭部62の口縁内面側の始端部に、リブ状の突起でなるストッパ65が設けられている。このストッパ65を構成している突起の高さは、係止フック20の爪部23を開口部60の幅広部61から幅狭部62に向けて移動させるときに、少なくとも1つの爪部23が被係止部51に係合している状態であれば、係止フック20の脚部22や鍔体40、ディスク押え10が弾性変形して反り返ったとしても、他の爪部23がその突起の下側をくぐり抜けることのできない高さ、言い換えると、その突起を乗り越えることのできない高さを有している。
【0030】
この実施形態のディスククランパCにおいて、組立工程では、図9及び図10を参照して説明したところと同様の操作が行われる。すなわち、初期段階では、ディスク押え10側の位置決め片30を鍔体40側の円筒状のスペーサ50の内側に嵌合することによってディスク押え10と鍔体40とを同心状に位置合わせすることと、図3のようにディスク押え10側の係止フック20の爪部23を、スペーサ50の基端縁部によって形成されている被係止部51に係合させること、とが行われる。図3のように爪部23を被係止部51に係合させる工程では、3箇所の係止フック20の爪部23を鍔体40側のスペーサ50の内側に押し込むことにより、係止フック20の脚部22を弾性を利用して撓ませながら、爪部23をスペーサ50の内周面で滑らせて爪部23にスペーサ50を乗り越えさせ、その爪部23を開口部60の幅広部61に挿入すると共に、脚部22を弾性により復帰させて幅広部61に挿入した爪部23を被係止部51に係合させる、という手順が行われる。
【0031】
次の段階では、ディスク押え10と鍔体40とを、図4の矢印Rのように(又は図10の矢印R)相対的に回動させることによって、係止フック20の爪部23を開口部60の幅狭部62に向けて移動させる。この操作を行うことにより組立工程が終了する。
【0032】
この組立工程を行うことによって、ディスククランパCが正確に組み立てられたときには、図4のように3箇所の爪部23のすべてが開口部60の幅狭部62に位置して被係止部51に上から係合している。
【0033】
しかしながら、上記の組立工程で組付け間違いが生じた場合には、図2又は図5に例示したように、たとえば1箇所の係止フック20の爪部23が円筒状のスペーサ50の内周面52に弾接したままになるため、開口部60の幅広部61から幅狭部62に移動するときに突起でなるストッパ65に係合して幅狭部62に入ることが阻止される。そのため、残りの係止フック20の爪部23は、被係止部51に係合しているとしても、それらの爪部が幅狭部62に移動することはなく、その幅狭部62の手前で被係止部51に係合したままになる。この状態では、ディスク押え10と鍔体40とが大きくぐらつく状態が保たれるので、結合機構Mによってディスク押え10と鍔体40とがあたかも結合しているかのような状態にはならず、オペレータが正常に組み立てられたものと勘違いするような状況も起こらない。したがって、ディスククランパの組立てや検査が容易になり、その組立作業性が改善されることになる。
【0034】
この実施形態によれば、鍔体40に突起でなるストッパ65を樹脂で一体成形しておくだけで、組立て作業性を低下させることなく、ディスククランパCの組付け間違いを未然に防止することが可能になる。
【0035】
以上説明した実施形態では、結合機構Mのスペーサ50と開口部60とが鍔体40に設けられ、結合機構Mの係止フック20がディスク押え10に設けられているけれども、この点は、スペーサと開口部とをディスク押えに設け、係止フックを鍔体に設けておいてもよい。
【符号の説明】
【0036】
10 ディスク押え
20 係止フック
40 鍔体
50 スペーサ
51 被係止部
52 スペーサの内周面
60 開口部
61 幅広部
62 幅狭部
63 爪受け部
65 ストッパ
70 クランパプレート
71 円形孔部
72 鍔受部
100 ターンテーブル
C ディスククランパ
D ディスク
M 結合機構
【技術分野】
【0001】
本発明は、CD、DVD、BDといった円板形のディスクを取り扱うディスククランパ、特に、組付け間違いを防止するための対策が講じられているディスククランパに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のディスククランパは、ディスクの記録面を光学的に処理するディスク装置に採用されていて、一般的にはそのディスク装置のローダシャーシに配備されるクランパプレートに取り付けられている。また、このディスククランパは、クランパプレートへの取り付けの便宜などを考慮して、円板形のディスク押え(ボトムプレート)及びその付属要素と円板形の鍔体(トッププレート)及びその付属要素とに分かれていて、それらを組み合わせることによって上記ディスククランパに取り付けられる。
【0003】
次に、従来例としてのディスククランパの構成部材を図6〜図8を参照して説明し、図9、図10〜図13を参照して組立工程を説明し、さらに図14を参照してその動作状態を説明する。
【0004】
図6はディスク押え10とその付属要素を内面側から見て示した平面図、図7は鍔体40とその付属要素を外面側から見て示した平面図、図8は鍔体40とその付属要素を内面側から見て示した平面図である。また、図9は組立工程の初期段階を示した平面図、図10は組立後の状態を示した平面図である。さらに、図11は組付け間違いを生じているディスククランパCを示した平面図、図12は図11の要部の拡大図、図13はディスククランパの組立て前の状態を説明的に示した縦断側面図である。図14は動作状態の縦断側面図である。
【0005】
図6のように、ディスク押え10は円板形に形成されていて、その中央に円形孔11が開設されていると共に、その円形孔11の周辺部分が内側(上側)へ膨らみ出ていることによって、その周辺部分の外面側に円形凹所12(図13又は図14参照)が形成されている。ディスク押え10の付属要素には、上記円形孔11の周囲でディスク押え10の周方向等角度おきの3箇所に設けられた係止フック20と、背低円筒状の位置決め片30とが含まれる。円筒状の位置決め片30は上記係止フック20の形成箇所ごとに欠除されている。31は位置決め片30の欠除箇所を示している。係止フック20は、ディスク押え10の内面から立ち上げられた弾性を備える脚部22とその脚部22の頂部に形成されている外向きの爪部23とを有する。ディスク押え10と係止フック20と位置決め片30とは樹脂の一体成形体でなる。そのため、ディスク押え10には、係止フック20の形成箇所に対応する箇所に成形時の型抜き跡によって生じた開口21が開設されている。
【0006】
図7又は図8のように、鍔体40は円板形に形成されている。鍔体40の付属要素には、その鍔体40の内面から立ち上げられた円筒状のスペーサ50と、そのスペーサの内側に形成されている複数箇所の内向き片41と、それらの内向き片41の内側に形成されている径小筒部42とが含まれている。また、鍔体40には、スペーサ50の形成箇所の複数箇所に位置する開口部60が開設されていて、この開口部60ではスペーサ50の基端縁部が表面側に露出している。
【0007】
上記開口部60は、上記ディスク押え10の係止フック20の爪部23を挿入可能な幅を有する幅広部61と、この幅広部61の片側に位置してその幅広部61に連続する幅狭部62とを有し、幅狭部62の内側の口縁部は、その幅狭部62に位置している上記係止フック20の爪部23に対峙する爪受け部63として形成されている。
【0008】
ディスククランパは、上記した構成を有するディスク押え10と鍔体40とを同心状に連結することによって構成されるのであって、その連結のための結合機構Mが、鍔体40側のスペーサ50及び開口部60と、ディスク押え10側の係止フック20とによって形成されている。
【0009】
図9及び図10のように、ディスク押え10と鍔体40とを同心状に連結するための結合機構Mは、ディスククランパCの周方向等角度おきの複数箇所、図例では3箇所に介在されている。
【0010】
図9はディスククランパの組立工程の初期段階を示している。この初期段階では、ディスク押え10側の位置決め片30を鍔体40側の円筒状のスペーサ50の内側に嵌合することによってディスク押え10と鍔体40とを同心状に位置合わせすることと、ディスク押え10側の係止フック20の爪部23を、スペーサ50の基端縁部によって形成されている被係止部51に係合させること、とが行われる。
【0011】
爪部23を被係止部51に係合させる工程では、3箇所の係止フック20の脚部22の弾性を利用してその係止フック20を内側に撓ませながら、爪部23を鍔体40側のスペーサ50の内側に押し込んでその内周面を滑らせて乗り越えさせることにより、爪部23を開口部60の幅広部61に挿入して脚部22を弾性により復帰させ、幅広部61に挿入した爪部23を上記被係止部51に係合させる、という手順が行われる。
【0012】
次の段階では、図10に矢印Rで示したようにディスク押え10と鍔体40とを相対的に矢印Rのように回動させることによって、開口部60の幅広部61内でスペーサ50の被係止部51に係合している係止フック20の爪部23を、その開口部60の幅狭部62に向けて移動させる。この操作を行うと、幅狭部62の内側の口縁部によって形成されている爪受け部63が爪部23の背面に対峙して爪部23が被係止部51から離脱することが阻止される。
【0013】
なお、上記した組立工程では、図13によって判るように、ディスク装置のローダシャーシ(不図示)に配備されるクランパプレート70の円形孔部71に鍔体40側の円筒状のスペーサ50を挿入して遊嵌合させることと、鍔体40とディスク押え10との間に永久磁石80(又は鉄板などのヨーク)を組み付けることと、が行われる。
【0014】
図14のように、クランパプレート70に取り付けられたディスククランパCは、ディスク装置のターテーブル100に載架されているディスクDを、永久磁石80(又はヨーク)の吸引作用を介し、そのターンテーブル100と共働して挟持する。この挟持状態では、ディスククランパCのディスク押え10がディスクDをターンテーブル100に押し付けている。また、図示していないけれども、ディスクDの載架されているターテーブル100が退避位置まで下降すると、ディスククランパCの鍔体40がクランパプレート70の円形孔部71の周縁部により形成されている鍔受部72により受け止められて、ディスク押え10がターンテーブル100から離れる。
【0015】
先行例には、ディスク押えに相当する部材と鍔体に相当する部材とを相対的に回動させることにより、一方側部材の係止爪を他方側部材に係合させることによって、ディスククランパを組み立てるものが開示されている(たとえば、特許文献1参照、特許文献2、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特開2008−269729号公報
【特許文献2】特開2002−184064号公報
【特許文献3】特開2006−147110号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
図9及び図10を参照して説明したところから明らかなように、従来例としてのディスククランパCでは、爪部23を被係止部51に係合させる工程で、3箇所の係止フック20の脚部22の弾性を利用してその係止フック20を内側に撓ませながら、爪部23を鍔体40側のスペーサ50の内側に押し込んでその内周面を滑らせて乗り越えさせることにより、爪部23を開口部60の幅広部61に挿入して脚部22を弾性により復帰させ、幅広部61に挿入した爪部23を上記被係止部51に係合させる、という手順が行われる。そして、その後の工程で、ディスク押え10と鍔体40とを相対的に回動させて係止フック20の爪部23を開口部60の幅狭部62にまで移動させる、という手順が行われる。
【0018】
このため、次に説明するような組付け間違いを生じるおそれがあった。すなわち、スペーサ50の内周面を滑らせて係止フック20の爪部23を開口部60の幅広部61に押し込んでその爪部23を被係止部51に係合させた後、ディスク押え10と鍔体40とを相対的に回動させて爪部23を開口部60の幅狭部62に移動させる作業を行うときに、図11又は図12のように、3箇所の係止フック20のうちの2箇所の係止フック20の爪部23だけが、被係止部51に正常に係合して開口部60の幅狭部62に移動し、残りの1つの係止フック20の爪部23が、円筒状のスペーサ50の内周面52を乗り越えずにその内周面52に弾接したまま幅狭部62の口縁の内面側に嵌まり込むことがあった。
【0019】
この状況が生じると、肉薄の樹脂成形体であるディスク押え10や鍔体40の弾性などの影響によって、それらのディスク押え10や鍔体40があたかも正常に結合されてかのような状態になり、オペレータも、ディスククランパCが正確に組み立てられていないにもかかわらず、2箇所の爪部23,23が開口部60の幅狭部62で被係止部51に係合しているために、ディスククランパCが正確に組み立てられたものと勘違いを起こすことがある。
【0020】
このような状況が起こることをなくするためには、ディスククランパCの組立工程でオペレータが細心の注意を払いながら組立て作業を行う必要があり、熟練者であっても、組立てに多大な注意力が必要になり、その後の検査でも多大の注意力が必要になる。そこで、ディスククランパに組立て間違いの起こらない構造を持たせておくと、組立てや検査が容易になり、組立作業性が改善されることになる。
【0021】
本発明は以上の状況に鑑みてなされたものであり、図11や図12で説明したような組立て間違いの起こらない構造を備えたディスククランパを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明に係るディスククランパは、ターンテーブルとの間でディスクを挟持する円板形のディスク押えと、このディスク押えに対向される円板形の鍔体と、ディスク押えと鍔体とのうちの一方側部材に設けられてそれらの対向間隔を規制する円筒状のスペーサと、上記スペーサが遊嵌合される円形孔部を有するクランパプレートと、この円形孔部の周縁部により形成されて上記鍔体を係止する鍔受部と、ディスク押えと鍔体とを同心状に連結するための結合機構と、を有する。そして、上記結合機構が当該ディスククランパの回転方向等角度おきの複数箇所に設けられていると共に、この結合機構が、上記スペーサと、このスペーサを備える上記一方側部材に開設されてそのスペーサの基端縁部を露出させる開口部と、鍔体又はディスク押えのうちの他方側部材に設けられて、上記スペーサの内周面を乗り越えて上記開口部から露出している当該スペーサの基端縁部によって形成された被係止部に係合することによってそのスペーサを当該他方側部材との間に挟み込む爪部を備えた係止フックと、を有している。また、上記開口部は、上記係止フックの爪部が挿入される幅広部と、上記被係止部に係合している上記爪部の背面に対峙してその爪部が被係止部から離脱することを阻止する爪受け部を備えた幅狭部と、が連続してなる。
【0023】
このようなディスククランパにおいて、本発明では、特に、一方側部材と他方側部材とを相対的に回動させることによって上記幅広部に挿入された係止フックの上記爪部を幅狭部に向けて移動させたときに、その爪部が上記開口部の幅狭部の口縁の内面側に嵌まり込むことを阻止するストッパを備えることを特徴としている。このストッパは、上記開口部の幅狭部の口縁の始端部に設けられた突起によって構成することが可能である。
【0024】
この構成であると、複数箇所の結合機構のそれぞれの係止フックの爪部のうち、いずれかの爪部が1つでも突起でなるストッパに係合すると、その爪部を含めて残りの爪部も幅狭部に移動しなくなり、ディスク押えと鍔体とが、正確な結合状態では起こり得ないようなぐらつきを生じる。したがって、結合機構によってディスク押えと鍔体とがあたかも結合しているかのような状態にはならず、オペレータが正常に組み立てられたものと勘違いするような状況も起こらない。したがって、ディスククランパの組立てや検査が容易になり、その組立作業性が改善されることになる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によると、組立作業性を低下させることなく、組付け間違いを防止することができるので、ディスククランパの組立てや検査が容易になり、その組立作業性が改善されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施形態によるディスククランパに用いられる鍔体を内面側から見て示した平面図である。
【図2】図1のII−II線に沿う部分の拡大断面図である。
【図3】組立工程の初期段階を示した平面図である。
【図4】正確に組み付けられたディスククランパの平面図である。
【図5】組付け間違いを生じているディスククランパの平面図である。
【図6】従来例のディスククランパに用いられているディスク押えとその付属要素を内面側から見て示した平面図である。
【図7】従来例のディスククランパに用いられている鍔体とその付属要素を外面側から見て示した平面図である。
【図8】図7の鍔体とその付属要素を内面側から見て示した平面図である。
【図9】従来例のディスククランパの組立工程の初期段階を示した平面図である。
【図10】組立後の状態を示した平面図である。
【図11】組付け間違いを生じているディスククランパを示した平面図である。
【図12】図11の要部の拡大図である。
【図13】ディスククランパの組立て前の状態を説明的に示した縦断側面図である。
【図14】動作状態の縦断側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は本発明の実施形態によるディスククランパに用いられる鍔体40を内面側(下面側)から見て示した平面図、図2は図1のII−II線に沿う部分の拡大断面図である。また、図3は組立工程の初期段階を示した平面図である。図4は正確に組み付けられたディスククランパの平面図、図5は組付け間違いを生じているディスククランパの平面図である。
【0028】
この実施形態のディスククランパは、図6に示したディスク押え10やその付属要素、図7及び図8に示した鍔体40やその付属要素の構成をすべて備えている。したがって、以下では、説明の重複を避けるために、図6〜図8に示した要素と同一又は相応する要素に同一の符号を付すことによって、ディスク押え10や鍔体40、それらの付属要素についての詳細構造の説明を省略する。
【0029】
図1〜図5に示したように、この実施形態のディスククランパCは、鍔体40側の開口部60の幅狭部62の口縁内面側の始端部に、リブ状の突起でなるストッパ65が設けられている。このストッパ65を構成している突起の高さは、係止フック20の爪部23を開口部60の幅広部61から幅狭部62に向けて移動させるときに、少なくとも1つの爪部23が被係止部51に係合している状態であれば、係止フック20の脚部22や鍔体40、ディスク押え10が弾性変形して反り返ったとしても、他の爪部23がその突起の下側をくぐり抜けることのできない高さ、言い換えると、その突起を乗り越えることのできない高さを有している。
【0030】
この実施形態のディスククランパCにおいて、組立工程では、図9及び図10を参照して説明したところと同様の操作が行われる。すなわち、初期段階では、ディスク押え10側の位置決め片30を鍔体40側の円筒状のスペーサ50の内側に嵌合することによってディスク押え10と鍔体40とを同心状に位置合わせすることと、図3のようにディスク押え10側の係止フック20の爪部23を、スペーサ50の基端縁部によって形成されている被係止部51に係合させること、とが行われる。図3のように爪部23を被係止部51に係合させる工程では、3箇所の係止フック20の爪部23を鍔体40側のスペーサ50の内側に押し込むことにより、係止フック20の脚部22を弾性を利用して撓ませながら、爪部23をスペーサ50の内周面で滑らせて爪部23にスペーサ50を乗り越えさせ、その爪部23を開口部60の幅広部61に挿入すると共に、脚部22を弾性により復帰させて幅広部61に挿入した爪部23を被係止部51に係合させる、という手順が行われる。
【0031】
次の段階では、ディスク押え10と鍔体40とを、図4の矢印Rのように(又は図10の矢印R)相対的に回動させることによって、係止フック20の爪部23を開口部60の幅狭部62に向けて移動させる。この操作を行うことにより組立工程が終了する。
【0032】
この組立工程を行うことによって、ディスククランパCが正確に組み立てられたときには、図4のように3箇所の爪部23のすべてが開口部60の幅狭部62に位置して被係止部51に上から係合している。
【0033】
しかしながら、上記の組立工程で組付け間違いが生じた場合には、図2又は図5に例示したように、たとえば1箇所の係止フック20の爪部23が円筒状のスペーサ50の内周面52に弾接したままになるため、開口部60の幅広部61から幅狭部62に移動するときに突起でなるストッパ65に係合して幅狭部62に入ることが阻止される。そのため、残りの係止フック20の爪部23は、被係止部51に係合しているとしても、それらの爪部が幅狭部62に移動することはなく、その幅狭部62の手前で被係止部51に係合したままになる。この状態では、ディスク押え10と鍔体40とが大きくぐらつく状態が保たれるので、結合機構Mによってディスク押え10と鍔体40とがあたかも結合しているかのような状態にはならず、オペレータが正常に組み立てられたものと勘違いするような状況も起こらない。したがって、ディスククランパの組立てや検査が容易になり、その組立作業性が改善されることになる。
【0034】
この実施形態によれば、鍔体40に突起でなるストッパ65を樹脂で一体成形しておくだけで、組立て作業性を低下させることなく、ディスククランパCの組付け間違いを未然に防止することが可能になる。
【0035】
以上説明した実施形態では、結合機構Mのスペーサ50と開口部60とが鍔体40に設けられ、結合機構Mの係止フック20がディスク押え10に設けられているけれども、この点は、スペーサと開口部とをディスク押えに設け、係止フックを鍔体に設けておいてもよい。
【符号の説明】
【0036】
10 ディスク押え
20 係止フック
40 鍔体
50 スペーサ
51 被係止部
52 スペーサの内周面
60 開口部
61 幅広部
62 幅狭部
63 爪受け部
65 ストッパ
70 クランパプレート
71 円形孔部
72 鍔受部
100 ターンテーブル
C ディスククランパ
D ディスク
M 結合機構
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターンテーブルとの間でディスクを挟持する円板形のディスク押えと、このディスク押えに対向される円板形の鍔体と、ディスク押えと鍔体とのうちの一方側部材に設けられてそれらの対向間隔を規制する円筒状のスペーサと、上記スペーサが遊嵌合される円形孔部を有するクランパプレートと、この円形孔部の周縁部により形成されて上記鍔体を係止する鍔受部と、ディスク押えと鍔体とを同心状に連結するための結合機構と、を有し、
上記結合機構が当該ディスククランパの回転方向等角度おきの複数箇所に設けられていると共に、この結合機構が、上記スペーサと、このスペーサを備える上記一方側部材に開設されてそのスペーサの基端縁部を露出させる開口部と、鍔体又はディスク押えのうちの他方側部材に設けられて、上記スペーサの内周面を乗り越えて上記開口部から露出している当該スペーサの基端縁部によって形成された被係止部に係合することによってそのスペーサを当該他方側部材との間に挟み込む爪部を備えた係止フックと、を有し、
上記開口部は、上記係止フックの爪部が挿入される幅広部と、上記被係止部に係合している上記爪部の背面に対峙してその爪部が被係止部から離脱することを阻止する爪受け部を備えた幅狭部と、が連続してなり、
一方側部材と他方側部材とを相対的に回動させることによって上記幅広部に挿入された係止フックの上記爪部を幅狭部に向けて移動させたときに、その爪部が上記開口部の幅狭部の口縁の内面側に嵌まり込むことを阻止するストッパを備えることを特徴とするディスククランパ。
【請求項2】
上記ストッパが、上記開口部の幅狭部の口縁の始端部に設けられた突起でなる請求項1に記載したディスククランパ。
【請求項1】
ターンテーブルとの間でディスクを挟持する円板形のディスク押えと、このディスク押えに対向される円板形の鍔体と、ディスク押えと鍔体とのうちの一方側部材に設けられてそれらの対向間隔を規制する円筒状のスペーサと、上記スペーサが遊嵌合される円形孔部を有するクランパプレートと、この円形孔部の周縁部により形成されて上記鍔体を係止する鍔受部と、ディスク押えと鍔体とを同心状に連結するための結合機構と、を有し、
上記結合機構が当該ディスククランパの回転方向等角度おきの複数箇所に設けられていると共に、この結合機構が、上記スペーサと、このスペーサを備える上記一方側部材に開設されてそのスペーサの基端縁部を露出させる開口部と、鍔体又はディスク押えのうちの他方側部材に設けられて、上記スペーサの内周面を乗り越えて上記開口部から露出している当該スペーサの基端縁部によって形成された被係止部に係合することによってそのスペーサを当該他方側部材との間に挟み込む爪部を備えた係止フックと、を有し、
上記開口部は、上記係止フックの爪部が挿入される幅広部と、上記被係止部に係合している上記爪部の背面に対峙してその爪部が被係止部から離脱することを阻止する爪受け部を備えた幅狭部と、が連続してなり、
一方側部材と他方側部材とを相対的に回動させることによって上記幅広部に挿入された係止フックの上記爪部を幅狭部に向けて移動させたときに、その爪部が上記開口部の幅狭部の口縁の内面側に嵌まり込むことを阻止するストッパを備えることを特徴とするディスククランパ。
【請求項2】
上記ストッパが、上記開口部の幅狭部の口縁の始端部に設けられた突起でなる請求項1に記載したディスククランパ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−103157(P2011−103157A)
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−257539(P2009−257539)
【出願日】平成21年11月10日(2009.11.10)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月10日(2009.11.10)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】
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