説明

ディスクドライブのディスクチャッキング装置

【課題】ディスクドライブに具備されディスクをチャッキングする装置に関する。
【解決手段】
ディスクの中心孔が対応挿入される本体の外周に沿って複数個の配置部が切欠形成されたチャックベース; 配置部毎に半径方向へ往復移動が可能に組立られる複数個のチャックピン; チャックピンの先端がチャックベースの外部面に露出するようチャックピンの後端を前方へ弾性支持する複数個のスプリング部材; 及び、チャックピンと対応する外部面にチャックピンの後端と一端が接するスプリング部材の他端が弾性支持され、中心ボス部の外径より大きい内径を有するよう中央に貫通形成された中央孔が中心ボス部に配されスプリング部材の弾性力の不均衡時ディスクの中心がモーターの回転中心と一致するよう水平方向へ許容された範囲内で移動する自由度を有する剛性フレーム;を含んで成る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はディスクドライブに具備されディスクをチャッキングする装置に関するものであって、より詳しくはチャックピンを通してディスクに伝達されるスプリング部材同士の力の偏差を減らし、ディスクの中心とモーターの回転中心を相互一致させる調心性能を向上させられるディスクドライブのディスクチャッキング装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、ディスクドライブは本体を成すデッキベースと、ディスクを上記デッキベースにローディング及びアンローディングする手段と、上記ディスクローディング及びアンローディング手段によりローディングされたディスクを所定の速度で回転させる手段、及び上記回転手段により回転されるディスクの半径に沿って移送されながらディスクの記録面に情報を記録及び/または再生する手段を含む。ここで、上記ディスクはトレーに搭載されローディング及びアンローディングされることができ、キャディやカートリッジに収納されデッキベースの内部に挿入及び引出可能なものなど諸タイプのディスクドライブが周知である。
【0003】
さらに、上記ディスクを回転させる手段としてはスピンドルモーターが用いられ、ディスクの記録面に情報を記録及び/または再生する手段としてはピックアップユニットが通常用いられる。
【0004】
図1は一般のディスクチャッキング装置を有するディスクドライブの平面図で、図2は一般のディスクチャッキング装置を有するディスクドライブの断面図であって、図示のように上記ディスクドライブ(1)は集積回路チップ(12)と複数個のコネクタ(33)(34)が搭載される基板(31)の上部面に回転対象物であるディスクをチャッキングするディスクチャッキング装置(10)と、回転駆動力を提供するスピンドルモーター(20)を夫々具備する。
【0005】
こうしたディスクドライブ(1)に具備されるディスクチャッキング装置(10)はスピンドルモーター(20)の回転駆動力によって一方向に回転するディスクの安全性を維持すると共にディスクの中心を回転中心に一致するようディスクを固定するもので、上記ディスクチャッキング装置(10)のチャッキング性能は大変重要な核心技術である。
【0006】
上記ディスクチャッキング装置(10)は図1と2に示したように、少なくとも一つ以上のコイル(21)がヨーク(22)に巻線されたステーター(20a)と上記コイル(21)に対応してマグネット(25)が具備されたローター(20b)から成るスピンドルモーター(20)のローターケース(24)に一体に具備され、上記ローターケース(24)の上部面にはディスクの中心孔が挿入されるチャックベース(12)を設け、上記チャックベース(12)の本体上部面には外周に沿って複数個の配置部(12a)が半径方向へ切欠形成される。
【0007】
上記配置部(12a)には、これに沿って前後進移動が可能にチャックピン(13)が夫々組立られ、上記チャックピン(13)はスプリング部材(15)の弾性力によって前方に弾性支持され、上記チャックベース(12)の配置部(12a)の間には上記チャックベース(12)に挿入されたディスクの中心孔を自体の弾性力により弾性支持する弾性片(14)を形成する。
【0008】
図1と2において、未説明符号16はディスクの下部面と接するゴム材で、23は上記ヨーク(22)を固定するホルダーで、26はステーター(20a)に対してローター(20b)の回転を支持するシャフトで、27はベアリング部材で、28は上記ホルダー(23)の開放された下部端を密閉するプレートで、29はホール(hall)素子である。
こうした構成を有する従来のディスクチャッキング装置(10)を利用してディスクを挿入し固定する方法は、上記チャックベース(12)の上方からディスクが直下方へ押し付けられると、上記チャックベース(12)の外径は上記ディスクの中心孔の内径より小さいが上記チャックベース(12)に組立られたチャックピン(13)の先端が外周方向へ突出しているので、上記中心孔の内周面下端エッジ部が上記チャックピン(13)に干渉し接するようになる。
【0009】
そして、上記チャックピン(13)の先端上部面は下方へ緩やかに傾いたテーパー面で形成されているので、直下方へ与えられるディスクの装着力により上記チャックピン(13)は上記スプリング部材(15)を強制的に圧縮させながら後方へ押し付けられると共に上記弾性片(14)も後方へ押し付けられ変形する。
【0010】
次いで、上記ディスクがローターケース(24)の上部面に装着された環形のゴム材(16)に接すると、上記スプリング部材(15)の圧縮時発生する弾性復元力により前方へ元戻りしようとする複数個のチャックピン(13)により上記チャックベース(12)に挿入された状態をそのまま維持するようチャッキングされる。
【0011】
さらに、上記ディスクの中心孔内周面の内径より大きい外径を有するよう上記チャックピン(13)の間毎に具備される上記弾性片(14)らが上記チャックベース(12)にチャッキングされたディスクの中心孔内周面を半径方向へ均一に弾性支持するので上記ディスクの中心を上記スピンドルモーター(20)の回転中心と相互一致させることができるのである。
【0012】
一方、上記ディスクチャッキング装置(1)において上記ディスクをチャックベース(2)に挿入して固定するのに要する力は上記チャックピン(13)を前方へ常に弾性支持するスプリング部材(15)の弾性力により決定され、複数個のチャックピン(13)毎に具備されるスプリング部材(15)は全て同一な大きさの弾性力を有するよう具備されることが好ましいが、上記スプリング部材(15)の製造工程上各スプリング部材(15)毎に保有する弾性力が実質的に全て同一な大きさとなるよう作製するのは現実的に困難である。また、上記スプリング部材(15)の弾性力は上記弾性片(14)の弾性力より大きく設計される。
【0013】
こうして、上記チャックベース(12)に少なくとも3個以上具備されるチャックピン(13)を弾力支持する各スプリング部材(15)の弾性力が相互同一でなく複数個のチャックピン(13)中一部にのみ弾性力が大きくかかる場合、上記ディスクの中心孔内周面と上記チャックベース(12)の外周面同士に形成される間隔内でスプリング部材(15)の弾性力が相対的に大きくかかる方へ上記ディスクが偏心移動し、これにより上記ディスクの中心は上記スピンドルモーター(20)の回転中心と相互一致せずに一方へずれ偏ってしまう偏心不良を引き起こす。
【0014】
さらに、上記ディスクの中心がモーターの回転中心から外れ一方へ偏る偏心の程度が大きくなると、光ピックアップユニットとしてディスクのデータ読取りや書込みの際に生じるエラー率が高くなり、ディスクの記録面にデータを記録及び/または再生する作業が精密且つスムーズに行われ難くなる。
【0015】
そればかりか、偏心発生量だけ光ピックアップユニットの移動量も大きくなるので、光ピックアップユニットを移動させるのに要する電流の消耗量も多くなり、使用寿命も低下する問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
したがって、本発明は上記問題を解決するために案出されたもので、その目的はディスクのチャッキング時チャッキングされるディスクの中心とモーターの回転中心とを正確に相互一致させる調心特性を向上させられるディスクドライブのディスクチャッキング装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を成し遂げるための技術的な手段として、本発明は
回転駆動力を提供するモーターに具備され回転対象物のディスクをチャッキングする装置において、
上記ディスクの中心孔が対応挿入される本体の外周に沿って複数個の配置部が切欠形成され、上記モーターと連結される中心ボス部を本体中央に形成して上記モーターのローターと共に回転されるチャックベース;
上記配置部毎に半径方向へ往復移動が可能に組立られる複数個のチャックピン;
上記チャックピンの先端がチャックベースの外部面に露出するよう上記チャックピンの後端を前方へ弾性支持する複数個のスプリング部材; 及び
上記チャックピンと対応する外部面に上記チャックピンの後端と一端が接するスプリング部材の他端が弾性支持され、上記中心ボス部の外径より大きい内径を有するよう中央に貫通形成された中央孔が上記中心ボス部に配され上記スプリング部材の弾性力の不均衡時上記ディスクの中心が上記モーターの回転中心と一致するよう水平方向へ許容された範囲内で移動される自由度を有する剛性フレーム; を含むことを特徴とするディスクドライブのディスクチャッキング装置を設けることによる。
【0018】
好ましくは、上記剛性フレームは上記チャックピンと対応する外部面に上記スプリング部材の他端が係合する係止部を複数個形成する。
より好ましくは、上記係止部は上記中央孔を中心として描かれる正三角形の各頂点に該する位置に形成される。
より好ましくは、上記係止部は上記中央孔を中心として描かれる正三角形の各頂点に該する位置に形成される平面部に具備される。
【0019】
好ましくは、上記剛性フレームの中央孔の内周面と上記中心ボス部の外周面同士の間隔は上記ディスクの中心孔の内周面と上記チャックベースの外周面同士の間隔より大きく形成される。
好ましくは、上記チャックベースの外部面には上記配置部の間毎に切欠部を切欠形成し、上記切欠部毎に上記ディスクの中心孔の内周面と先端外部面が接して自体の弾性力で弾性支持される自動調心用弾性片を一体に形成する。
【発明の効果】
【0020】
上述したような本発明によると、チャックピンを前方へ弾性支持するスプリング部材の他端が接する剛性フレームを許容された範囲内で水平移動が可能なようチャックベースの中心ボス部に配することにより、チャックピン毎に具備されるスプリング部材の各弾性力が相互一致しなくともチャックピンを通してディスクへ伝達される力が全て均一になるので、チャックベースにチャッキングされるディスクの中心とモーターの回転中心を正確に一致させディスクの記録面にデータを記録したり再生する作業を精密且つスムーズに行えるものである。
【0021】
さらに、光ピックアップユニットの不要な移動を減少させ電流の消耗量を減らし、これにより製品の使用寿命を延長できる効果が得られる。
【0022】
本発明は特定の実施例に係わり図示し説明したが、以下の請求範囲により具備される本発明の精神や分野を外れない限度内において本発明が様々に改造及び変化されえることは当業界において通常の知識を有する者であれば容易に想到できることを明かしておく。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明についてより詳しく説明する。
図3は本発明によるディスクドライブのディスクチャッキング装置を示したもので、a)は平面図、b)は縦断面図、c)は背面図、図4は本発明によるディスクドライブのディスクチャッキング装置に具備される剛性フレームとチャックピンの分解斜視図である。
【0024】
本発明の装置(100)は回転対象物のディスクの一方向回転がスムーズに行われるよう固定すると共にディスクの中心がモーターの回転中心と一致するようディスクをチャッキングし、チャッキングしたディスクの中心が相互異なる弾性力を有するスプリング部材によって一側に偏る偏心不良を防止できるものとして、こうした装置(100)はチャックベース(110)、チャックピン(120)、スプリング部材(130)及び剛性フレーム(140)などから成る。
【0025】
ここで、本発明のディスクチャッキング装置(100)はステーター(20a)とローター(20b)から成り電源印加時回転駆動力を提供するモーター(20)を有するディスクドライブ(1)に具備され、上記モーター(20)に対する詳しい説明は省略する。
【0026】
即ち、一定の大きさの中心孔(H)が中央に貫通形成されたディスク(D)が挿入されるチャックベース(110)は上記モーター(20)の回転中心であるシャフト(26)を通過する垂直軸に本体中心が組立られモーター駆動時上記モーター(20)を構成するローター(20b)及びディスク(D)と共に一方向回転される回転構造物である。
【0027】
上記チャックベース(110)は上記ディスク(D)の中心孔(H)が対応挿入される本体外部面に外周に沿って同一な間隔を置いて少なくとも3個以上の配置部(112)が半径方向へ切欠形成される。
【0028】
こうしたチャックベース(110)は上記モーター(20)の駆動時固定子(20a)に対して一方向回転されるローター(20b)のローターケース(24)の上部面に具備されるか、上記ローターケース(24)の上部面に別途組立られるターンテーブル(図示せず)上に具備されることもできる。
【0029】
上記チャックベース(110)? ローターケース(24)に具備される場合、上記チャックベース(110)は本体中央部には一定の大きさの内径を有する中空円筒型中心ボス部(114)を一体に形成する。ここで、上記中心ボス部(114)には上記モーター(20)のシャフト(26)が挿入される軸部(24a)が組立られ、上記軸部(24a)は上記ローターケース(24)の上部面中心から直上部へ一定の高さ延長され形成される。
【0030】
これに応じて、上記ローターケース(26)の軸部(24a)と上記チャックベース(110)の中心ボス部(114)は上記モーター(20)のシャフト(26)と同一な垂直軸上に配され上記モーター(20)の駆動時上記チャックベース(110)に装着されたディスク(D)をチャックベース(110)と共に片方へ回転させるようになるのである。
【0031】
さらに、上記ローターケース(24)の上部面外周近傍には上記チャックベース(110)に装着されるディスク(D)の下部面と上部面が面接されモーター駆動によるディスク回転時ディスクのスリップ現象を防止できるよう摩擦力を発生させるゴム材(107)が装着されている。
【0032】
さらに、上記チャックピン(120)は上記ディスク(D)の着脱毎に上記中心孔(H)の内周面上、下部縁と干渉し直下方へ与えられる装着力または直上方へ与えられる脱去力によって半径方向へ後進案内されるよう上記チャックベース(110)の上部面に外周に沿って等角度で切欠形成された配置部(112)毎に往復移動が可能に組立られる作動部材である。
【0033】
こうしたチャックピン(120)は図3に示したように、上記ディスク(D)の脱去時中心孔(H)の下端が干渉される先端上部面に前方に向かって徐々に緩やかな下方傾斜を有する上部コーナースロープ(121)が形成され、上記ディスク(D)の装着時中心孔(H)の上端が干渉される先端下部面には前方に向かって上部に徐々に緩やかな傾斜を有する下部コーナースロープ(122)が形成される一方、上記上部コーナースロープ(121)が始まる本体上部面には上記チャックベース(110)の配置部(112)に沿って往復案内移動が円滑に行われるよう上記配置部(112)に嵌められる案内溝(129)が長手方向へ長く形成されている。
【0034】
さらに、上記配置部(112)に組立られるチャックピン(120)の本体後端には上記配置部(112)からの離脱が困難なように上記配置部(112)に係合する翼部(123a)(123b)が左右方向に延長され、上記翼部(123a)(123b)の間には上記スプリング部材(130)の先端が挿入され位置固定される組立片(124)が突設される。
【0035】
さらに、上記スプリング部材(130)は上記チャックベース(110)に具備されるチャックピン(120)を前方に常に弾性支持するよう一定の大きさの弾性力を具備して上記チャックピン(120)と上記チャックベース(110)の中心ボス部(114)の間に配されるコイル状の弾性体である。
【0036】
こうしたスプリング部材(130)の一端は上記チャックピン(120)の後端に一体に突設される組立片(124)に嵌められ固定され、他端は上記中心ボス部(114)に配される剛性フレーム(140)に接して支持される。
【0037】
一方、上記剛性フレーム(140)は上記チャックピン(120)と対応する外部面に上記チャックピン(120)の後端と一端が接するスプリング部材(130)の他端が弾性支持されるよう接し、上、下部面が偏平な構造物である。
【0038】
こうした剛性フレーム(140)の本体中央には上記チャックベース(110)の中心ボス部(114)に配される際上記中心ボス部(114)と一定間隔(G2)を置いて干渉無く配されるよう上記中心ボス部(114)の外径より大きい内径を有する中央孔(141)を貫通形成する。
【0039】
こうして、上記剛性フレーム(140)は上記チャックピン(120)を弾性支持するスプリング部材(130)の弾性力によりローターケース(24)の上部面から離隔し浮上するのはもちろん上記中心ボス部(114)の外周面と上記剛性フレーム(140)の中央孔(141)の内周面の間に形成される一定間隔(G2)を許容範囲として水平方向へ動ける自由度を有するものである。
【0040】
さらに、製造工程上相異する弾性力を保有することになるスプリング部材(130)が上記剛性フレーム(140)と複数個のチャックピン(120)との間毎に具備される場合、上記チャックピン(120)を前方に夫々弾力支持するスプリング部材(130)の間に生じる力の偏差が上記チャックピン(120)を通してディスク(D)に伝達されず自由度を有する剛性フレーム(140)に伝達するために上記ディスク(D)の中心と上記モーターの回転中心が相互一致するよう上記ディスク(D)をチャッキングすることができるのである。
【0041】
この際、上記中心ボス部(112)の外周面と上記剛性フレーム(140)の中央孔(141)内周面の間に形成される一定間隔(G2)は上記チャックベース(110)に挿入されるディスク(D)の中心孔(H)の内周面と上記チャックベース(110)の外周面同士の間隔(G1)より大きく形成されることが好ましい。
【0042】
さらに、上記チャックピン(120)の後端と対応する剛性フレーム(140)の外部面には上記スプリング部材(130)の他端が係合する係止部(142)を複数個形成し、上記係止部(142)は上記スプリング部材(130)の外部離脱が困難なよう上記チャックピン(120)の組立片(124)と同様に突設するのも好ましいが、上記スプリング部材(130)の長さを充分確保するために凹溝に凹設してもよい。
【0043】
こうした係止部(142)は上記剛性フレーム(140)の中央孔(141)を中心に描かれる正三角形の各頂点に該する位置に形成されることが好ましく、上記係止部(142)は上記剛性フレーム(140)の外部面の曲面上に形成してもよいが上記三角形の各頂点に該する位置に形成される偏平な平面部(143)に設けられてもよい。
【0044】
そして、上記チャックピン(120)が装着されるチャックベース(110)の外部面には上記配置部(112)の間毎に等間隔を置いて切欠部(116)を切欠形成し、上記切欠部(116)毎に略L字断面状を有する弾性片(150)らを一体に具備し、上記弾性片の外周面が連続に描かれる外径は上記ディスク(D)の中心孔(H)の内径より大きく形成される。
【0045】
こうした場合、上記ディスク(D)の装着時上記弾性片(150)の先端外部面は内側に弾性変形され収縮された後、上記ディスク(D)の装着完了時上記ディスク(10)の中心孔(15)の内周面を自体の弾性力によって均一に弾性支持して上記中心孔(H)の中心と上記モーター(20)の回転中心とを相互一致させる自動調心機能をより強化させられるのである。
【0046】
こうした自動調心用 弾性片(150)は円周方向へ等間隔を置いて具備されるチャックピン(120)の間毎に形成され上記チャックベース(110)に装着されるディスク(10)の中心と上記チャックベース(110)の回転中心とが同一な垂直軸上に位置されるよう上記ディスク(D)の中心孔(H)内周面を弾性支持する。
【0047】
上記構成を有する本発明のディスクチャッキング装置(100)を利用してチャックベース(110)にディスク(D)を装着する作業は図5(a)に示したように、チャックベース(110)の直上部にチャッキングしようとするディスク(D)を配し、ディスク(10)の中心孔(H)を上記チャックベース(110)上に一致させた状態で、使用者が上記ディスク(D)を直下方へ押し付け装着するようになる。
【0048】
この際、上記チャックベース(110)の外径は上記ディスク(D)の中心孔(H)の内径より小さいが上記チャックベース(110)の各配置部(112)に具備されたチャックピン(120)の各先端が上記チャックベース(110)の外部面から外側へ突出しているので、上記中心孔(H)の下端は図5(b)に示したように、上記チャックピン(120)の先端上部面に形成された上部コーナースロープ(121)に接して干渉される。
【0049】
続いて、図5(b)(c)に示したように、上記ディスク(D)を直下方へ降下させる外力である装着力(FI)によって複数個のチャックピン(120)は同時にチャックベース(110)の配置部(112)に沿って中心ボス部(114)側へ後進しながら上記チャックベース(110)の配置部(112)内に挿入される。
【0050】
こうした場合、上記チャックベース(110)の中心ボス部(114)に配された剛性フレーム(140)と上記チャックピン(120)との間に具備されたスプリング部材(130)は上記チャックピン(120)が上記配置部(112)内に後進移動される移動量だけ収縮し弾性復元力を発生させる。
【0051】
そして、上記チャックベース(110)の下部端外周縁には環形の受け台(118)が形成されるので、その上部面に上記ディスク(D)の下部面が面接して支持され、上記チャックピン(120)と対応する受け台(118)には上記チャックピン(120)の先端下部面に形成された下部コーナースロープ(122)と接するよう湾曲部(118a)を形成しているので、上記チャックピン(120)は上記配置部(112)内に上記スプリング部材(130)を収縮するよう挿入される同時に下方に旋回される。
【0052】
図5(d)に示したように、上記ディスク(D)の中心孔(H)の内周面が上記チャックピン(120)の最先端を通過するようになると、上記チャックピン(120)は収縮時弾性復元力を発生させるスプリング部材(130)の一端に連結されているので上記配置部(112)に沿って前方に復帰移動する。
【0053】
さらに、上記チャックベース(110)に挿入されたディスク(D)の中心孔(H)上端には上記チャックピン(120)の先端下部面に形成された下部コーナースロープ(122)が接され、その接触部位には上記チャックピン(120)を前方へ弾性支持するスプリング部材(130)の弾性力が伝達され上記ディスク(D)を位置固定することができる。
【0054】
一方、上記チャックベース(110)の中心ボス部(114)に配置された剛性フレーム(140)と複数個のチャックピン(120)の間に具備されるスプリング部材(130)は製造工程上同一な弾性力を有するよう作製することが困難なので上記チャックピン(120)とディスク(D)の中心孔(H)とが接する複数の接触部位中いずれかにのみ大きい弾性力が伝達されると、上記ディスク(D)の中心がモーター(20)の回転中心から一側に偏り位置される偏心不良を引き起こすことができる。
【0055】
さらに、上記スプリング部材(130)の他端が連結され、本体中央に中央孔(141)を貫通形成して上記チャックベース(110)の中心ボス部(114)に干渉しないよう配される剛性フレーム(140)を利用して上記剛性フレーム(140)と複数個のチャックピン(120)との間毎に具備されるスプリング部材の相異する弾性力に因る力の不均衡を除去することにより上記ディスク(D)が偏心不良を予防することができる。
【0056】
即ち、上記剛性フレーム(140)は上記中心ボス部(114)に配される中央孔(141)の内径の大きさは上記中心ボス部(114)の外径より大きいので上記中央孔(141)の内周面と上記中心ボス部(114)の外周面の間に形成される一定間隔(G2)を許容範囲にして水平方向へ自由に水平移動することができる。
【0057】
こうした状態において、上記ディスクをチャッキングするようチャックピン(120)を前方へ弾力支持する複数個のスプリング部材(130)中いずれかに発生する外力がその他のものより大きいと、これらの間に力の偏差が発生する。この際、発生した力の偏差は上記ディスクを前方に弾力支持するチャックピン(120)を通してディスク(D)に伝達されずに水平方向への自由度を有する剛性フレーム(140)に伝達される。
【0058】
これに応じて、上記剛性フレーム(140)は上記チャックベース(110)とローターケース(24)の間の空間内において自由に水平移動されながら大きい弾性力を有するスプリング部材(130)を拡張し上記チャックピン(120)に伝達される外力が減少するが、相対的に小さい弾性力を有するスプリング部材(130)を収縮させ上記チャックピン(120)に伝達される外力が増大されるものである。
【0059】
こうした場合、上記スプリング部材(130)毎に有する弾性力の大きさが相異しようとも、上記チャックピン(120)を通してディスク(D)へ伝達される力は全て同一に適用されるので、上記チャックピン(120)によって上記チャックベース(110)にチャッキングされるディスク(D)の中心をモーター(20)の回転中心と正確に一致させられ、こうして光ピックアップユニットとして上記ディスクの記録面にデータを記録及び/または再生する作業を精密且つスムーズに行えるものである。
【0060】
そして、上記チャックピン(120)を通してディスク(D)に伝達される力の偏差が「0」になると上記剛性フレーム(140)は動き無しで停止され、その停止状態は上記ディスク(D)をチャッキングしている間に維持するようになる。
【0061】
一方、上記チャックベース(110)の外部面に切欠形成された切欠部(116)には略L字断面状を有する複数個の弾性片(150)が一体に具備されるので、ディスク装着時上記弾性片(150)は中心ボス部(114)側へ曲がり弾性変形されながら上記弾性片(150)の外部面が接するディスク(D)の中心孔(H)に自体の弾性力を伝達して上記ディスクの中心とモーターの回転中心とを相互一致させる自動調心機能をより強化させられるのである。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】一般のディスクチャッキング装置を有するディスクドライブの平面図である。
【図2】一般のディスクチャッキング装置を有するディスクドライブの断面図である。
【図3a】本発明によるディスクドライブのディスクチャッキング装置を示したものであって、a)は平面図である。
【図3b】本発明によるディスクドライブのディスクチャッキング装置を示したものであって、b)は縦断面図である。
【図3c】本発明によるディスクドライブのディスクチャッキング装置を示したものであって、c)は背面図である。
【図4】本発明によるディスクドライブのディスクチャッキング装置に具備される剛性フレームとチャックピンの分解斜視図である。
【図5a】本発明によるディスクドライブのディスクチャッキング装置の使用状態図である。
【図5b】本発明によるディスクドライブのディスクチャッキング装置の使用状態図である。
【図5c】本発明によるディスクドライブのディスクチャッキング装置の使用状態図である。
【図5d】本発明によるディスクドライブのディスクチャッキング装置の使用状態図である。
【符号の説明】
【0063】
100 ディスクチャッキング装置
110 チャックベース
112 配置部
114 中心ボス部
120 チャックピン
121、122 上、下部コーナースロープ
124 組立片
130 スプリング部材
140 剛性フレーム
141 中央孔
142 係止部
143 平面部
150 弾性片
D ディスク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転駆動力を提供するモーターに具備され回転対象物のディスクをチャッキングする装置において、
上記ディスクの中心孔が対応挿入される本体の外周に沿って複数個の配置部が切欠形成され、上記モーターと連結される中心ボス部を本体中央に形成して上記モーターのローターと共に回転されるチャックベース;
上記配置部毎に半径方向へ往復移動可能に組立られる複数個のチャックピン;
上記チャックピンの先端がチャックベースの外部面に露出されるよう上記チャックピンの後端を前方に弾性支持する複数個のスプリング部材;及び
上記チャックピンと対応する外部面に上記チャックピンの後端と一端が接するスプリング部材の他端が弾性支持され、上記中心ボス部の外径より大きい内径を有するよう中央に貫通形成された中央孔が上記中心ボス部に配され上記スプリング部材の弾性力不均衡時上記ディスクの中心が上記モーターの回転中心と一致するよう水平方向へ許容された範囲内で移動する自由度を有する剛性フレーム;を含むことを特徴とするディスクドライブのディスクチャッキング装置。
【請求項2】
上記剛性フレームは上記チャックピンと対応する外部面に上記スプリング部材の他端が係合する係止部を複数個形成することを特徴とする請求項1に記載のディスクドライブのディスクチャッキング装置。
【請求項3】
上記係止部は上記中央孔を中心として描かれる正三角形の各頂点に該する位置に形成されることを特徴とする請求項2に記載のディスクドライブのディスクチャッキング装置。
【請求項4】
上記係止部は上記中央孔を中心として描かれる正三角形の各頂点に該する位置に形成される平面部に具備されることを特徴とする請求項2に記載のディスクドライブのディスクチャッキング装置。
【請求項5】
上記剛性フレームの中央孔の内周面と上記中心ボス部の外周面の間隔は上記ディスクの中心孔の内周面と上記チャックベースの外周面の間隔より大きく形成されることを特徴とする請求項1に記載のディスクドライブのディスクチャッキング装置。
【請求項6】
上記チャックベースの外部面には上記配置部の間毎に切欠部を切欠形成し、上記切欠部毎に上記ディスクの中心孔の内周面と先端外部面とが接して上記ディスクを自体の弾性力で弾性支持する自動調心用弾性片を一体に形成することを特徴とする請求項1に記載のディスクドライブのディスクチャッキング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図5d】
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【公開番号】特開2006−73167(P2006−73167A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−356097(P2004−356097)
【出願日】平成16年12月8日(2004.12.8)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】