説明

ディスクプレーヤ

【課題】 カムにより、シャッタの開閉動作及び閉じ位置での保持を行い、シャッタの開閉機構を簡素化する。
【解決手段】 ディスクトレイを、CD再生時に本体ケース4内部に収納される収納位置と、外部に露出される露出位置との間で移動可能に設ける。本体ケース4の前面に、露出開口7を形成する。露出開口7の下方に、開閉スイッチを設ける。本体ケース4内部に、シャッタ10を配設する。本体ケース4内部に、左支持板14を取り付ける。左支持板14に左ギアカム17を回動可能に取り付ける。左ギアカム17の左カム孔17aを、遮蔽位置に位置するシャッタ10を変位不能に保持するように形成する。開閉スイッチを操作すると、制御部は、モータを駆動し、モータの駆動により、第1ギア、第2ギアを介して左ギアカム17が回動し、シャッタ10が開閉する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスクに記録された情報の再生や記録を行うディスクプレーヤに関するものである。
【背景技術】
【0002】
CDプレーヤ、DVDプレーヤ等のディスクプレーヤには、CD、DVDなどの光ディスクが記憶媒体として用いられている。これらのディスクプレーヤでは、光ディスクを装填するディスクトレイを、本体ケースに対して移動自在に組み込み、光ディスクの着脱時にはディスクトレイを本体ケース外に引き出し、使用時にはディスクトレイを本体ケース内に格納するように構成される。このため、本体ケースの前面パネルには、ディスクトレイを本体ケース外に露出するための露出開口が形成されている。
【0003】
ディスクプレーヤの内部には、精密部品が多数組み込まれており、上記した露出開口から異物や塵埃が侵入した場合には、故障することがある。このため、ディスクトレイを本体ケース内に格納した状態では、シャッタにより露出開口を遮蔽している。一般的には、ディスクトレイの前面を露出開口と一致するように形成し、ディスクトレイの前面により露出開口を遮蔽している。
【0004】
また、特許文献1では、フロントパネルに形成されたトレーの出入口(本件の露出開口)を、第1,第2ドア(本件のシャッタ)で開閉し、トレーの移動に連動して、第1,第2ローラ及び第1,第2レバーを介して、第1,第2ドアを開閉して出入口を開閉するようにしたディスクドライブのドア装置が提案されている。
【特許文献1】特開2005−63642号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、第1,第2ドアを閉位置で保持する機構がないため、ユーザが第1,第2ドアを押圧すると、第1,第2ドアが開放してしまうという問題があった。さらには、第1,第2ドアの開閉機構が複雑になってしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、カムにより、シャッタの開閉動作及び閉じ位置での保持を行い、シャッタの開閉機構を簡素化することができるディスクプレーヤを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明のディスクプレーヤは、ディスクの着脱時に外部に露出される露出位置と前記ディスクの再生時に内部に収納される収納位置とで移動するディスクトレイと、前記ディスクトレイを移動させる移動手段と、前記ディスクトレイを外部に露出可能にする露出開口が形成された本体ケースと、を備えたディスクプレーヤにおいて、前記本体ケース内部に設けられ、前記露出開口を開放する開放位置と前記露出開口を遮蔽する閉位置とで開閉するシャッタと、前記シャッタを開閉可能に支持する支持部材、及び前記シャッタを開閉させる変位可能なカムを有する開閉手段と、前記シャッタを開閉するために操作する開閉スイッチと、を備え、前記開閉手段は、前記開閉スイッチが操作されたことに応答して、前記カムを変位させて前記シャッタを開閉させることを特徴とする。なお、前記ディスクとしては、CD、DVD等が挙げられる。また、前記カムの変位としては、移動、回動等が挙げられるが、前記カムは回動可能であることが好ましい。さらに、前記開閉手段は、前記カムを変位させる変位部材、例えばモータ等を有することが好ましい。
【0008】
また、前記カムは、前記シャッタが前記閉位置に位置するときに、前記シャッタを開閉不能に保持することが好ましい。
【0009】
さらに、前記シャッタの位置を検出するシャッタ位置検出手段を備え、前記移動手段は、前記開閉スイッチが操作されたときには、前記シャッタ位置検出手段で前記シャッタが前記開放位置に位置することが検出されたことに応答して、前記ディスクトレイを移動させることが好ましい。
【0010】
また、前記ディスクトレイの位置を検出するトレイ位置検出手段を備え、前記開閉手段は、前記開閉スイッチが操作されたときには、前記トレイ位置検出手段で前記ディスクトレイが前記収納位置に位置することが検出されたことに応答して、前記シャッタを開閉させることが好ましい。
【0011】
さらに、前記シャッタは、前記閉位置に位置するときに前記露出開口に挿入される挿入部を有することが好ましい。また、前記カムは、前記シャッタを前記閉位置から前記開放位置に開放させるときに、前記シャッタを後方に移動させた後に回動させることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明のディスクプレーヤによれば、ディスクの着脱時に外部に露出される露出位置とディスクの再生時に内部に収納される収納位置とで移動するディスクトレイと、ディスクトレイを移動させる移動手段と、ディスクトレイを外部に露出可能にする露出開口が形成された本体ケースと、本体ケース内部に設けられ、露出開口を開放する開放位置と露出開口を遮蔽する閉位置とで開閉するシャッタと、シャッタを開閉可能に支持する支持部材、及びシャッタを開閉させる変位可能なカムを有する開閉手段と、シャッタを開閉するために操作する開閉スイッチと、を備え、開閉手段は、開閉スイッチが操作されたことに応答して、カムを変位させて前記シャッタを開閉させるから、カムにより、シャッタの開閉動作を行うことができ、シャッタの開閉機構を簡素化することができる。
【0013】
また、カムは、シャッタが閉位置に位置するときに、シャッタを開閉不能に保持するから、ユーザがシャッタを閉位置から開放位置に向けて開放しようと押圧しても、シャッタが開閉することがない。
【0014】
さらに、シャッタの位置を検出するシャッタ位置検出手段を備え、移動手段は、開閉スイッチが操作されたときには、シャッタ位置検出手段でシャッタが開放位置に位置することが検出されたことに応答して、ディスクトレイを移動させるから、ディスクトレイの移動時においても、ディスクトレイとシャッタとが接触することがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1及び図2に本発明を用いたディスクプレーヤの1実施例であるCDプレーヤ2の外観を示す。CDプレーヤ2は、CD(ディスク)3にアクセスしてCD3に記録されたデータの再生を行うものである。CDプレーヤ2の本体ケース4の内部には、レーザ光を照射してCD3にアクセスする光ピックアップ、CD3を回転させるスピンドルモータ、チャッキングコア、CD3が装填されるディスクトレイ5、ディスクトレイ5の位置を検出するトレイ位置検出センサ(トレイ位置検出手段)、回路基板等を含む公知のプレーヤユニット6が組み込まれている。ディスクトレイ5は、CD3の外径に対応した窪みが形成されており、ディスクトレイ5の窪みに合わせてCD3を装填すると、チャッキングコアがCD3のチャック孔3aに係合してCD3を保持する。
【0016】
本体ケース4の前面には、ディスクトレイ5を外部に露出するための露出開口7が形成されており、露出開口7の下方には、LCD8、シャッタ10開閉用の開閉スイッチ9が設けられている。また、LCD8の周辺には、再生スイッチや停止スイッチ等の各種スイッチが設けられており、これら開閉スイッチ9を含む複数のスイッチは、CDプレーヤ2の主制御を行う制御部25(図4参照)に接続されている。
【0017】
ディスクトレイ5は、CD3再生時に本体ケース4内部に収納される収納位置(図1参照)と、本体ケース4外部に露出される露出位置(図2参照)との間で移動可能に設けられており、モータ等を含む移動機構(図示せず)により移動される。ディスクトレイ5を移動させるときには、開閉スイッチ9を操作する。詳しくは後述するように、開閉スイッチ9を操作して、シャッタ10が開放位置に位置することが検出されたことに応答して、ディスクトレイ5は移動される。ディスクトレイ5が収納位置に位置するときに開閉スイッチ9を操作すると、ディスクトレイ5が露出位置まで移動し、ディスクトレイ5が露出位置に位置するときに開閉スイッチ9を操作すると、ディスクトレイ5が収納位置まで移動する。プレーヤユニット6のトレイ位置検出センサは、制御部25に接続されており、ディスクトレイ5が収納位置に位置するときには収納信号を、ディスクトレイ5が露出位置に位置するときには露出信号を、制御部25に出力する。本実施形態では、ディスクトレイ5を移動させる移動手段は、移動機構と制御部25とから構成されている。
【0018】
図3及び図4に示すように、本体ケース4内部には、シャッタ10が配設されており、シャッタ10は、露出開口7を開放する開放位置と露出開口7を遮蔽する遮蔽位置(閉位置)とで開閉可能に設けられている。シャッタ10は、遮蔽位置に位置するときに露出開口7に挿入される挿入板11と、挿入板11の後方に固着された略コ字状の開閉板12とからなる。挿入板11は、露出開口7の外周よりも大きい外周のベース11aに、露出開口7の外周と略一致する挿入部11bが形成されている。開閉板12の図3における右側面には、第1右挿通ピン12a及び第2右挿通ピン12bが取り付けられており、開閉板12の図3における左側面には、第1左挿通ピン12c及び第2左挿通ピン12dが取り付けられている。
【0019】
本体ケース4内部には、シャッタ10を変位自在に支持するための右支持板(支持部材)13及び左支持板(支持部材)14が取り付けられている。右支持板13には、第1右挿通ピン12aを挿通するための第1右挿通孔13a、第2右挿通ピン12bを挿通するための第2右挿通孔13bが形成されている。右支持板13には、右カム15を回動可能に支持するための右支持ピン16が取り付けられている。
【0020】
右カム15は、円盤状に形成され、第1右挿通ピン12aが挿通される右カム孔15a、右取付孔15b、右連結ボス15cが形成されている。右連結ボス15cには、右連結孔15dが形成されており、右連結孔15dは略D字状に形成されている。右カム15には、右カム孔15aの周囲を覆う右カバー凸部15eが形成されている。右カム15を右支持板13に取り付ける場合には、第1右挿通ピン12aが右カム孔15aに挿通されるように、右支持ピン16に右カム15の右取付孔15bを挿通させ、ワッシャ等を右支持ピン16の先端部に形成された溝に挿入する。これにより、右カム15は、回動可能に右支持板13に取り付けられる。
【0021】
左支持板14には、第1左挿通ピン12cを挿通するための第1左挿通孔14a、第2左挿通ピン12dを挿通するための第2左挿通孔14bが形成されている。左支持板14には、左ギアカム17を回動可能に支持するための左支持ピン18、第2ギア22の支軸となる軸ピン19が取り付けられている。
【0022】
左ギアカム17は、円盤状に形成され、外周にはギアが形成されている。左ギアカム17には、第1左挿通ピン12cが挿通される左カム孔17a、左取付孔17b、左連結ボス17cが形成されている。左連結ボス17cには、左連結孔17dが形成されており、左連結孔17dは略D字状に形成されている。左ギアカム17には、左カム孔17aの周囲を覆う左カバー凸部17e、第1スイッチ押圧ボス17f、第2スイッチ押圧ボス17gが形成されている。左ギアカム17を左支持板14に取り付ける場合には、第1左挿通ピン12cが左カム孔17aに挿通されるように、左支持ピン18に左ギアカム17の左取付孔17bを挿通させ、ワッシャ等を左支持ピン18の先端部に形成された溝に挿入する。これにより、左ギアカム17は、回動可能に左支持板14に取り付けられる。
【0023】
左支持板14には、モータ23のモータシャフト23aを挿通するためのシャフト挿通孔14c、モータ23を取り付けるための2個のモータ取付孔14d、シャッタ位置検出スイッチ(シャッタ位置検出手段)24を取り付けるためのスイッチ取付孔14eが形成されている。
【0024】
モータ取付孔14dを介して、ビスをモータ23にビス締めすると、モータ23は左支持板14に取り付けられる。そして、モータシャフト23aに第1ギア21を圧入し、軸ピン19に第2ギア22を回動可能に取り付けると、第1ギア21と第2ギア22とが噛合し、第2ギア22と左ギアカム17のギアとが噛合する。これにより、モータ23の駆動によりモータシャフト23aが回動すると、左ギアカム17が回動することとなる。また、左ギアカム17のギア外周は第1ギア21に比べて大きく形成され、第2ギア22は2段ギアで形成されており、左ギアカム17の回動は、モータシャフト23aの回動に対して適度に減速するようにされている。これにより、左ギアカム17を緩やかに回動させることができる。
【0025】
シャッタ位置検出スイッチ24は、スイッチベース24aと、スイッチベース24aに回動可能に取り付けられた回動部24bとからなり、スイッチベース24aには、取付孔24cが形成されている。回動部24bは、バネ(図示せず)により時計方向に付勢され、さらには、図4及び図8に示す位置よりも時計方向に回動されないように規制されている。ビスを、取付孔24cを介して左支持板14のスイッチ取付孔14eにビス締めすると、シャッタ位置検出スイッチ24は左支持板14に取り付けられる。シャッタ位置検出スイッチ24は、CDプレーヤ2の主制御を行う制御部25に接続されており、回動部24bの回動位置に応じて異なる位置信号(閉位置信号、開放位置信号)を制御部25に出力する。詳しくは、回動部24bの腕部が、上下方向の中心線に対して右側に傾斜されているときには閉位置信号を、左側に傾斜されているときには開放位置信号を、制御部25に出力する。
【0026】
モータ23は、モータドライバを介してCDプレーヤ2の主制御を行う制御部25に接続されており、制御部25によって駆動が制御される。制御部25は、開閉スイッチ9を操作したときに入力される開閉信号に応じて、モータ23を駆動する。このとき、制御部25は、シャッタ位置検出スイッチ24から入力される位置信号の種類に応じて、モータシャフト23aの回動方向を決定する。本実施形態では、シャッタ位置検出スイッチ24から、シャッタ10が閉じている状態を示す閉位置信号が入力されているときには、シャッタ10を開放するように、モータシャフト23aを図4中A方向に回動させ、シャッタ位置検出スイッチ24から、シャッタ10が開放している状態を示す開放位置信号が入力されているときには、シャッタ10を閉じるように、モータシャフト23aを図4中B方向に回動させるようにされている。
【0027】
右カム15と左ギアカム17とは、金属製の連結シャフト27により連結されている。連結シャフト27は、両端部にそれぞれ略D字状の挿入部27aが形成されており、この挿入部27aには、ビス締め凹部27bが形成されている。挿入部27aを、右カム15の右連結孔15dと左ギアカム17の左連結孔17dとに挿入し、ビスをビス締め凹部27bにビス締めすると、右カム15と左ギアカム17とは連結される。なお、挿入部27aと右連結孔15dと左連結孔17dとを、略D字状に形成したから、連結シャフト27が空転することがない。これにより、右カム15と左ギアカム17とを常に正規の位置関係で連結することができる。さらには、連結シャフト27を金属製の部材から構成したから、連結シャフト27は、捻じられる方向の力が加わった場合にも、変形することがない。これにより、より一層確実に右カム15と左ギアカム17とを常に正規の位置関係で連結することができる。
【0028】
本実施形態では、シャッタ10を開閉させる開閉手段は、右支持板13、左支持板14、右カム15、左ギアカム17、第1ギア21、第2ギア22、モータ23、制御部25、連結シャフト27を備えて構成されている。
【0029】
図5に示すように、左ギアカム17の左カム孔17aは、シャッタ10が遮蔽位置に位置するときに第1左挿通ピン12cが挿通される位置から反時計方向に向かうにしたがって、左ギアカム17の回動中心である左取付孔17bに近付くように形成されている。また、左カム孔17aは、角度範囲AR1が左取付孔17bと同心円で形成され、角度範囲AR2が角度範囲AR1とは異なる中心(CP1)で形成され、角度範囲AR3が角度範囲AR2とは異なる中心(CP2)で形成され、角度範囲AR4が左取付孔17bと同心円で形成されている。角度範囲AR1は、シャッタ10を押しても左ギアカム17が回動しないように形成されている。これにより、シャッタ10が遮蔽位置に位置するときには、シャッタ10は変位不能に保持される。右カム15も、左ギアカム17と同様に右カム孔15aが形成されている。なお、左カム孔17aの形状は、シャッタ10を開放位置と遮蔽位置との間で変位させるために必要な変位量に応じて、適宜変更されるものである。
【0030】
図6及び図7に示すように、左支持板14に、シャッタ10、左ギアカム17、第1ギア21、第2ギア22、モータ23、シャッタ位置検出スイッチ24を取り付けるときには、先ず、シャッタ10の開閉板12の第1左挿通ピン12cを第1左挿通孔14aに、第2左挿通ピン12dを第2左挿通孔14bに、それぞれ挿通させ(図6(A)参照)、シャフト挿通孔14cを介して、ビスをモータ23にビス締めしてモータ23を左支持板14に取り付け(図6(B)参照)、モータシャフト23aに第1ギア21を圧入する(図6(C)参照)。
【0031】
次に、軸ピン19に第2ギア22を回動可能に取り付け(図7(A)参照)、第1左挿通ピン12cが左カム孔17aに挿通されるように、左支持ピン18に左ギアカム17の左取付孔17bを挿通させ、左ギアカム17を回動可能に左支持板14に取り付ける(図7(B)参照)。この状態では、第1ギア21と第2ギア22とが噛合し、第2ギア22と左ギアカム17のギアとが噛合する。そして、ビスを、シャッタ位置検出スイッチ24の取付孔24cを介してスイッチ取付孔14eにビス締めして、シャッタ位置検出スイッチ24を左支持板14に取り付け、右カム15と左ギアカム17とを、連結シャフト27により連結する(図7(C)参照)。
【0032】
図8及び図9に、シャッタ10が遮蔽位置から開放位置まで変位する過程を示す。図8(A)に示すように、シャッタ10が遮蔽位置に位置するときには、シャッタ10の挿入板11の挿入部11bが露出開口7に挿入され、露出開口7は遮蔽されている。さらに、シャッタ位置検出スイッチ24の回動部24bは、開閉板12の第2スイッチ押圧ボス17gにより図8における右側に傾斜されており、シャッタ位置検出スイッチ24から制御部25に閉位置信号が入力されている。ユーザが開閉スイッチ9を操作すると、制御部25に開閉信号が入力される。制御部25は、閉位置信号が入力されているときに開閉信号が入力されたことに応答して、モータシャフト23aを図4中A方向に回動させるようにモータ23を駆動する。なお、図8及び図9においては、左支持板14とシャッタ位置検出スイッチ24とを簡略化して図示している。
【0033】
モータシャフト23aが図4中A方向に回動すると、第1ギア21、第2ギア22を介して左ギアカム17が図8中A方向に回動する。図8(B)に示すように、第1左挿通ピン12cが角度範囲AR1(図5参照)に位置するときには、左ギアカム17が回動してもシャッタ10は変位しないため、露出開口7は遮蔽されている。
【0034】
図9(A)に示すように、第1左挿通ピン12cが角度範囲AR2に位置するまで左ギアカム17が回動されると、シャッタ10は、左ギアカム17の回動により後方(図9における左方向)に移動し、挿入部11bが露出開口7から離脱する。図9(B)に示すように、第1左挿通ピン12cが角度範囲AR3に位置するまで左ギアカム17が回動されると、シャッタ10は、第2左挿通ピン12dを中心にして、図9中B方向に回動される。そして、第1左挿通ピン12cが角度範囲AR4に位置するまで左ギアカム17が回動されると、露出開口7は、ディスクトレイ5が露出開口7から外部に露出可能になるように、完全に開放される。このとき、シャッタ位置検出スイッチ24の回動部24bは、第1スイッチ押圧ボス17fにより図9における左側に傾斜されており、シャッタ位置検出スイッチ24から制御部25に開放位置信号が入力されている。そして、制御部25は、シャッタ位置検出スイッチ24から開放位置信号が入力されたことに応答して、移動機構(図示せず)を駆動して、ディスクトレイ5を露出位置(図2参照)まで移動させる。この状態で、ユーザは、CD3を着脱する。
【0035】
図9(B)に示すように、シャッタ10が開放位置に位置するときには、露出開口7は開放され、さらに、シャッタ位置検出スイッチ24から制御部25に開放位置信号が入力されている。この状態のときに、ユーザが開閉スイッチ9を操作すると、制御部25に開閉信号が入力され、制御部25は、開放位置信号が入力されているときに開閉信号が入力されたことに応答して、移動機構を駆動して、ディスクトレイ5を収納位置(図1参照)まで移動させる。ディスクトレイ5が収納位置まで移動すると、トレイ位置検出センサから制御部25に収納信号が入力される。制御部25は、収納信号が入力されたことに応答して、モータシャフト23aを図4中B方向に回動させるようにモータ23を駆動する。
【0036】
モータシャフト23aが図4中B方向に回動すると、左ギアカム17が図8及び図9中B方向に回動し、それに応じてシャッタ10は、第2左挿通ピン12dを中心にして図9中A方向に回動され、その後に前方(図8及び図9における右方向)に移動し、挿入部11bが露出開口7に挿入される。これにより、露出開口7は遮蔽される。
【0037】
上記のように構成されたCDプレーヤ2の作用について説明する。シャッタ10は、遮蔽位置に位置するときには、左ギアカム17によって開閉不能に保持されている。ユーザは、CD3を交換する場合には、開閉スイッチ9を操作する。開閉スイッチ9を操作すると、制御部25は、モータ23を駆動して、シャッタ10を遮蔽位置から開放位置まで変位させる。その後、制御部25は、シャッタ位置検出スイッチ24からシャッタ10が開放位置に位置することを示す開放位置信号が入力されたことに応答して、移動機構(図示せず)を駆動して、ディスクトレイ5を収納位置から露出位置まで移動させる。この状態でユーザはCD3を交換する。
【0038】
このように、シャッタ10は、遮蔽位置に位置するときには、左ギアカム17により開放不能に保持されるから、ユーザがシャッタ10を押してもシャッタ10が開放することがなく、露出開口7の遮蔽を確実に行うことができる。さらに、左ギアカム17の回動によってシャッタ10を遮蔽位置と開放位置との間で開閉させることができるから、簡単な構成でシャッタ10を開閉させることができる。
【0039】
また、シャッタ10の挿入部11bを露出開口7に挿入するようにしたから、露出開口7の遮蔽を密に行うことができ、露出開口7からCDプレーヤ2内部への異物や塵埃の侵入を確実に防止することができる。
【0040】
さらに、シャッタ10を遮蔽位置から開放位置まで変位させるときに、シャッタ10を後方に移動させた後に回動させるようにしたから、シャッタ10を回動のみで遮蔽位置と開放位置との間で変位させるものに比べて、露出開口7とシャッタ10との位置関係を精密にすることができる。
【0041】
さらに、シャッタ10の位置を判別するシャッタ位置検出スイッチ24を設け、制御部25は、シャッタ位置検出スイッチ24でシャッタ10が開放位置に位置することが検出されたことに応答して、移動機構を駆動して、ディスクトレイ5の移動を開始させるようにしたから、ディスクトレイ5とシャッタ10とが接触することがない。
【0042】
また、ディスクトレイ5の位置を検出するトレイ位置検出センサを設け、制御部25は、シャッタ10が開放しているときには、トレイ位置検出センサでディスクトレイ5が収納位置に位置することが検出されたことに応答して、シャッタ10を閉じるようにしたから、ディスクトレイ5とシャッタ10とが接触することがない。
【0043】
なお、上記実施形態では、右カム15と左ギアカム17と連結シャフト27により連結し、左ギアカム17の回動を右カム15に伝達させたが、左ギアカム17だけでシャッタ10を回動することができる場合には、右カム15を設けない構成にしてもよい。
【0044】
さらに、上記実施形態では、左ギアカム17を回動させてシャッタ10を変位させたが、これに限定されることなく、カムを移動可能に設け、カムの移動によりシャッタ10を変位させるようにしてもよく、適宜変更可能である。
【0045】
また、上記実施形態では、シャッタ位置検出スイッチ24を設け、回動部24bの回動位置によりシャッタ10の位置を検出したが、これに限定されることなく、発光部と受光部とを有する光センサでシャッタ10の位置を検出するようにしてもよく、適宜変更可能である。
【0046】
さらに、上記実施形態では、モータ23の回動を、第1ギア21、第2ギア22を介して左ギアカム17に伝達させたが、モータ23と左ギアカム17との間に設けるギアの個数は適宜変更可能である。
【0047】
また、上記実施形態では、ディスクプレーヤとしてCDプレーヤ2を例示して説明したが、本発明はこれに限定されることなく、例えばDVDプレーヤ、DVDレコーダ等にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明を実施したディスクプレーヤの外観斜視図である。
【図2】ディスクトレイが露出した状態のディスクプレーヤの外観斜視図である。
【図3】シャッタと右支持板と右カムと左ギアカムと連結シャフトとを示す分解斜視図である。
【図4】シャッタと左支持板と左ギアカムと第1ギアと第2ギアとモータと位置検出スイッチとを示す分解斜視図である。
【図5】左ギアカムを示す正面断面図である。
【図6】シャッタと左支持板と第1ギアとモータとを示す斜視図である。
【図7】シャッタと左支持板と左ギアカムと第1ギアと第2ギアとモータと位置検出スイッチとを示す斜視図である。
【図8】シャッタの挿入部が露出開口に挿入された状態のシャッタと左支持板と左ギアカムと位置検出スイッチとを示す側面図である。
【図9】シャッタの挿入部が露出開口から離脱した状態のシャッタと左支持板と左ギアカムと位置検出スイッチとを示す側面図である。
【符号の説明】
【0049】
2 CDプレーヤ(ディスクプレーヤ)
3 CD(ディスク)
4 本体ケース
5 ディスクトレイ
6 プレーヤユニット
7 露出開口
9 開閉スイッチ(操作スイッチ)
10 シャッタ
11 挿入板
11a ベース
11b 挿入部
12 開閉板
12a 第1右挿通ピン
12b 第2右挿通ピン
12c 第1左挿通ピン
12d 第2左挿通ピン
13 右支持板(支持部材)
13a 第1右挿通孔
13b 第2右挿通孔
14 左支持板(支持部材)
14a 第1左挿通孔
14b 第2左挿通孔
15 右カム
15a 右カム孔
17 左ギアカム
17a 左カム孔
17f 第1スイッチ押圧ボス
17g 第2スイッチ押圧ボス
21 第1ギア
22 第2ギア
23 モータ
24 シャッタ位置検出スイッチ(シャッタ位置検出手段)
24b 回動部
25 制御部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスクの着脱時に外部に露出される露出位置と前記ディスクの再生時に内部に収納される収納位置とで移動するディスクトレイと、前記ディスクトレイを移動させる移動手段と、前記ディスクトレイを外部に露出可能にする露出開口が形成された本体ケースと、を備えたディスクプレーヤにおいて、
前記本体ケース内部に設けられ、前記露出開口を開放する開放位置と前記露出開口を遮蔽する閉位置とで開閉するシャッタと、
前記シャッタを開閉可能に支持する支持部材、及び前記シャッタを開閉させる変位可能なカムを有する開閉手段と、
前記シャッタを開閉するために操作する開閉スイッチと、を備え、
前記開閉手段は、前記開閉スイッチが操作されたことに応答して、前記カムを変位させて前記シャッタを開閉させることを特徴とするディスクプレーヤ。
【請求項2】
前記カムは、前記シャッタが前記閉位置に位置するときに、前記シャッタを開閉不能に保持することを特徴とする請求項1記載のディスクプレーヤ。
【請求項3】
前記シャッタの位置を検出するシャッタ位置検出手段を備え、
前記移動手段は、前記開閉スイッチが操作されたときには、前記シャッタ位置検出手段で前記シャッタが前記開放位置に位置することが検出されたことに応答して、前記ディスクトレイを移動させることを特徴とする請求項1または2記載のディスクプレーヤ。
【請求項4】
前記ディスクトレイの位置を検出するトレイ位置検出手段を備え、
前記開閉手段は、前記開閉スイッチが操作されたときには、前記トレイ位置検出手段で前記ディスクトレイが前記収納位置に位置することが検出されたことに応答して、前記シャッタを開閉させることを特徴とする請求項1ないし3いずれか1つ記載のディスクプレーヤ。
【請求項5】
前記シャッタは、前記閉位置に位置するときに前記露出開口に挿入される挿入部を有することを特徴とする請求項1ないし4いずれか1つ記載のディスクプレーヤ。
【請求項6】
前記カムは、前記シャッタを前記閉位置から前記開放位置に開放させるときに、前記シャッタを後方に移動させた後に回動させることを特徴とする請求項1ないし5いずれか1つ記載のディスクプレーヤ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−12145(P2007−12145A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−190482(P2005−190482)
【出願日】平成17年6月29日(2005.6.29)
【出願人】(000003676)ティアック株式会社 (339)
【Fターム(参考)】