ディスクローディング機構及びディスクドライブ装置
【課題】 構成が簡単でコストを低く抑えることが可能なディスクローディング機構及びディスクドライブ装置を提供すること。
【解決手段】 情報記録面を有するディスク状記録媒体及びこのディスク状記録媒体を入れたカートリッジのいずれも載置可能であり、このディスク状記録媒体又はカートリッジを水平又は垂直に選択的に載置するトレイが移送されてフレーム本体に移送されるとき、前記ディスク状記録媒体の中心が再生時の中心に一致するように、前記情報記録面から記録情報を光学的に読み出す光ピックアップ部と前記情報記録面とを近づけると共に、前記フレーム本体の側面に設けられた一対の回動ロック部材を内側に回動し、前記フレーム本体に移送された前記ディスク状記録媒体又は前記カートリッジを保持する。
【解決手段】 情報記録面を有するディスク状記録媒体及びこのディスク状記録媒体を入れたカートリッジのいずれも載置可能であり、このディスク状記録媒体又はカートリッジを水平又は垂直に選択的に載置するトレイが移送されてフレーム本体に移送されるとき、前記ディスク状記録媒体の中心が再生時の中心に一致するように、前記情報記録面から記録情報を光学的に読み出す光ピックアップ部と前記情報記録面とを近づけると共に、前記フレーム本体の側面に設けられた一対の回動ロック部材を内側に回動し、前記フレーム本体に移送された前記ディスク状記録媒体又は前記カートリッジを保持する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスクのドライブ装置に係り、特にベアディスクとカートリッジタイプディスクの両方を選択的に、垂直状態でもローディング可能なディスクローディング機構及びディスクドライブ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、光ディスクを水平状態でも垂直状態でもローディング可能なドライブ装置は知られている。例えば、特許文献1に記載されているディスク装置は、ディスクがトレイに回転可能に支持され、垂直姿勢におけるローディング時にはディスクをトレイ内に保持し、クランプ時には、ディスクに干渉しない位置へ退避するディスク保持部材により垂直状態のディスクをローディングする。
【0003】
一方、図14に示されるローディング機構も知られている。この機構は、メイントレイ1の他サブトレイ2を有し、カートリッジタイプのディスクをローディングするときには、サブトレイが矢印方向にスライドして、カートリッジを収納する。一方、ベアディスクを垂直状態でローディングするときには、奥に設けられている垂直保持爪部3a,3bと手前の垂直保持レバー4a,4bによって、ディスクを保持して移送し、クランプされる。
【0004】
しかし、上述のいずれの機構も構成が複雑であり、コスト高になるという問題があった。
【特許文献1】特許第3067533号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記のような従来の、ベアディスクやカートリッジタイプのディスクを垂直状態でローディングする機構の問題点にかんがみてなされたもので、構成が簡単でコストを低く抑えることが可能なディスクローディング機構及びディスクドライブ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1によれば、情報記録面を有するディスク状記録媒体及びこのディスク状記録媒体を入れたカートリッジのいずれも載置可能であり、このディスク状記録媒体又はカートリッジを水平又は垂直に選択的に載置するトレイが移送されてフレーム本体に移送されるとき、前記ディスク状記録媒体の中心が再生時の中心に一致するように、前記情報記録面から記録情報を光学的に読み出す光ピックアップ部と前記情報記録面とを近づけると共に、前記フレーム本体の側面に設けられた一対の回動ロック部材を内側に回動し、前記フレーム本体に移送された前記ディスク状記録媒体又は前記カートリッジを保持することを特徴するディスクローディング機構を提供する。
【0007】
本発明の請求項2によれば、情報記録面を有するディスク状記録媒体及びこのディスク状記録媒体を入れたカートリッジのいずれも載置可能であり、このディスク状記録媒体又はカートリッジを水平又は垂直に選択的に載置するトレイと、このトレイを移送して収納するフレーム本体と、前記情報記録面から記録情報を光学的に読み出す光ピックアップ部と、前記トレイが移送されて前記フレーム本体に収納されるとき、前記ディスク状記録媒体の中心が再生時の中心に一致するように、前記情報記録面から記録情報を光学的に読み出す光ピックアップ部と前記情報記録面とを近づける機構と、前記フレーム本体の側面に設けられ、前記トレイが前記フレーム本体に収納されたとき、前記フレーム本体の内側に回動し、前記フレーム本体に移送された前記ディスク状記録媒体又は前記カートリッジを保持する一対の回動ロック部材と、を有して成ることを特徴とするディスクドライブ装置を提供する。
【0008】
本発明の請求項3によれば、情報記録面を有するディスク状記録媒体及びこのディスク状記録媒体を入れたカートリッジのいずれも載置可能であり、このディスク状記録媒体又はカートリッジを水平又は垂直に選択的に載置するトレイと、このトレイを移送して収納するフレーム本体と、前記情報記録面から記録情報を光学的に読み出す光ピックアップ部と、前記トレイが移送されて前記フレーム本体に収納されるとき、前記ディスク状記録媒体の中心が再生時の中心に一致するように、前記情報記録面から記録情報を光学的に読み出す光ピックアップ部と前記情報記録面とを近づける機構と、前記フレーム本体の側面に設けられた一対の回動ロック部材を備え、前記回動ロック部材は、前記トレイが前記フレーム本体に収納されたとき、前記フレーム本体の内側に回動して、前記ディスク状記録媒体又は前記カートリッジを保持する第1の突起部と、前記トレイが前記フレーム本体に収納されたとき、前記光ピックアップ部の移動に伴い前記ピックアップ部の一部に摺動する斜面を有する第2の突起部とが一体に設けられた部材であることを特徴とするディスクドライブ装置を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ベアディスクやカートリッジタイプのディスクを垂直状態でローディングが可能であり、構造が簡単で低コストで製造可能なディスクローディング機構及びディスクドライブ装置が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態の斜視図である。このディスクドライブ装置は、フレーム本体11と、このフレーム本体11に挿入可能なトレイ12とから成る。トレイ12は、中央にベアディスクが置かれるディスク載置部13を有しこのディスク載置部に置かれるディスクの周囲に設けられたディスク保持部材14a,14b,14cを有し、ディスク載置部13にはフレーム本体11のマウントシャーシ14sに設けられた光ピックアップ部15からのレーザ光がディスク載置部13に置かれたディスクに照射されるように、トレイ12の挿入方向に開口16が設けられている。
【0011】
トレイ12及びフレーム本体が水平に置かれた状態でベアディスクが挿入されたときには、上記ディスク保持部材14a,14b,14cは、このベアディスクに接しないが、トレイ12及びフレーム本体が垂直に置かれた状態でベアディスクが挿入されたときには、ディスク保持部材14a,14cあるいはディスク保持部材14b,14cでこのベアディスクを保持することになる。
【0012】
なお、本発明の説明で、ベアディスクはカートリッジに収納されていないディスクを意味し、単にディスクと記述することもある。
【0013】
ディスク載置部13に一旦載置された光ディスク(図示せず)は、トレイ12がフレーム本体に挿入されたとき、ディスクモータ17により回転せしめられる。フレーム本体11内のマウントシャーシ14s上に設けられているピックアップトラバース機構18は、この回転するディスクから情報を読み出すために上記光ピックアップ部15を半径方向に移動させるためのものである。これらのマウントシャーシ14s上に光ピックアップ部15、ピックアップトラバース機構18が設けられており、ベアディスクやカートリッジがフレーム本体に移送されたときには、光ピックアップ部15がディスクに近い方向に移動し、クランピングする機構になっている。この光ピックアップ部15を昇降可能に保持する部材を光ピックアップ昇降部という。
【0014】
フレーム本体11のトレイ12が挿入される方向の両側面には、後で詳述する回動ロック部材19a,19bが設けられている。
【0015】
トレイ12の拡大図を図2に示す。これらのディスク保持部材14a,14b,14cは、ディスクの水平載置時には、ディスクの装着、取り出し時に、干渉して操作性が損なわれることがないよう、ディスク載置部13のディスクの外周側に設けられる。ディスク保持部材14a,14bは、各々ばねで付勢する構造を有し、ディスク保持部材14cはスライドによりディスクを支持する構造を有する。すなわち、トレイが水平に置かれた状態で、図示しないベアディスクがディスク載置部13に置かれたときには、ディスク保持部材14cは移動しない。しかし、トレイが垂直に置かれた状態で、ベアディスクがディスク載置部13に置かれたときには、図3に示すようにホルダ圧縮ばね31が圧縮されディスク保持部材14cが矢印Cに示すように押された後、戻されて、ベアディクスが保持される。
【0016】
一方、ディスク保持部材14bは、図4に示すようにホルダトーションばね41が設けられている。トレイが垂直に置かれた状態でベアディスク40が挿入されたときには、図11に示されるようにこのベアディスク40を保持する。
【0017】
また、後述するようにトレイが水平に置かれた状態でカートリッジ51に入れられたディスクが挿入されたときには、ホルダトーションばね41の作用によってディスク保持部材14bは矢印D方向に回動し突起がディスク載置部の下方に入り、その上にカートリッジ51が置かれた配置となる。ディスク保持部材14aも上記ディスク保持部材14bと同様に作用する。
【0018】
トレイ12が水平に置かれた状態で、図5に示すカートリッジ51がトレイ12に挿入されると、カートリッジ51の左前側溝52にクリック板ばね21a(図2参照)が入り、背面右凹部53にクリック板ばね21bが挿入されることになる。クリック板ばね21bの拡大図を図6に示す。トレイ12には、カートリッジタイプのディスクが入れられたとき、カートリッジを保持するためのクリック板ばね21a,21b各々が、トレイ12の前面23から見て左奥と右前面の対角線上に配設されている。
【0019】
使用者は、ディスクを取り出す際、トレイ12の開口16の部分に指を入れてベアディスクやカートリッジを掴むことができる。この開口16を設けたことにより、トレイ12の前面に壁を形成することができ、防塵、異物挿入防止のための蓋やロック機構の別部品を外装パネル側に必要としない。
【0020】
図1でフレーム本体11のディスクが挿入される方向の側面に設けられた回転ロック部材19aの拡大された斜視図を図7に示す。ベアディスクやディスクが入ったカートリッジはトレイを押すことにより、矢印Eの方向に移送される。このとき、回動ロック部材19aは矢印19aの方向に回動して、ベアディスクあるいはカートリッジを、回動ロック部材19bとで挟むようになる。ベアディスクが挿入された場合には、回動ロック部材19bの第1の突起側面部71aでベアディスクを押さえ、カートリッジが挿入された場合には、この第1の突起側面部71aと、第1の突起上面部72aにより、カートリッジを押さえることになる。第1の突起側面部71aと第1の突起上面部72aを第1の突起部という。
【0021】
トレイ12が水平に置かれた状態で、ベアディスクがトレイに置かれフレーム本体に挿入されると、図示していないが、所定の機構により光ピックアップ部15をこの挿入されてきたベアディスクの方向に近づけるように作動する。
【0022】
回動ロック部材19aの下部には、図7において上面が内側に向けて傾斜した第2の突起部74aが設けられている。上記のように光ピックアップ部15がベアディスクのほうに近づくと、回動ロック部材19aが回動し、第2の突起部74aでカートリッジなどを押さえることになる。回動ロック部材19bも同様な構造を有する部材である。
【0023】
次に本発明のこの実施形態の動作を説明する。まず、図1に示したディスクドライブ装置が垂直に置かれた状態でベアディスクが挿入された場合について述べる。トレイ12のディスク載置部13にベアディスク40が入れられる。すると、図8に示すように、このベアディスク40は、ディスク載置部13には、完全には載置されておらず、ディスク保持部材14b,14cにより保持された状態となっている。
【0024】
この状態で、トレイ12の前面23を押すあるいは開閉ボタンを押すと、トレイ12は、ベアディスク40を保持したまま矢印H方向に移送され、フレーム本体11の方に入る。このとき、ベアディスク40の縁部が、回動ロック部材19bの第1の突起側面部71bに当たり、図9に示すような状態となる。
【0025】
また、図12に示すように、トレイ12がフレーム本体11に完全に挿入されていない状態では光ピックアップ昇降部82は下方(ベアディスクが挿入される面よりも離れた位置)にある。次に、図9に示すように、ベアディスクがフレーム本体11の方に移送されると、回動ロック部材19bは矢印Jに示すように回動し、その第1の突起側面部71bで、ベアディスクの縁部を保持する。
【0026】
それと共に、図13に示すように所定の機構により光ピックアップ昇降部82を矢印K方向に移動させる。この動作により、光ピックアップ昇降部82に載置されている光ピックアップ部15を、移送されてきたディスクの情報記録面に近づける。そして回動ロック部材19aの第2の突起部74aの上側の斜面部がこの光ピックアップ昇降部82の一部に摺接しながらバネ力によって移動する。
【0027】
一方、回動ロック部材19aも同様に動作しディスクを保持するので、ディスクは図9の矢印J方向に移動し、回動ロック部材19bと回動ロック部材19aによりディスクを挟む形となる。
【0028】
上述のように、回動ロック部材19a,19bの下部には第2の突起部材74a,74bがあるので、マウントシャーシ14sに載置されている光ピックアップ部15が移動するときに、第2の突起部材74a,74の傾斜面により、回動ロック部材19a,19bが回動する。これと共に、光ピックアップ部15はベアディスク40に近づくようにロックされる。したがって、ベアディスク40は矢印J方向に少し移動してマウントされる。
【0029】
このようにして、光ピックアップ昇降部82の上昇(すなわち、光ピックアップ部15をベアディスク40に近づけること)が所定の機構によりなされるとき、トレイ12の移送方向のフレーム本体側面に設けられた回動ロック部材19a及び回動ロック部材19bを内側に回動動作させることにより、ベアディスクの保持を行うことになる。
【0030】
この後、モータによってこのベアディスク40を回転させ、情報の再生などを行う。情報の再生が終了すると、ディスクの回転を停止し、図示しないボタンを押すことにより、光ピックアップ部15をベアディスク40から離して、トレイをフレーム本体から移送することになる。
【0031】
次に、この実施形態のディスクドライブ装置をトレイが水平に置かれた状態で、カートリッジに収納されたディスクを再生する場合の動作について説明する。
【0032】
図5に示すような、左前側溝52と背面右凹部53を有するカートリッジ51が、トレイ12に置かれると、このカートリッジの載置により、図11に示すようにディスク保持部材14b,14aが押されて矢印Dに示す方向に回転する。一方、図2に示すように、左前側溝52と背面右凹部53に各々クリック板ばね21a,クリック板ばね21bが嵌合し、カートリッジ51がセットされる。
【0033】
この状態で、トレイ12がフレーム本体内に移送され、図7に示すようにカートリッジがE方向に移送される。このとき、回動ロック部材19aは内側に回動し、第1の突起上面部72a及び第1の突起側面部71aにより、カートリッジを規制し、保持することになる。
【0034】
このときにも、回動ロック部材19aの回動により、図13に示すように第2の突起部74aの上側斜面によって、光ピックアップ部の移動(図では上昇)に連動して回動ロック部材が回動する。
【0035】
このような状態でディスクの再生が行われ、再生が終了すると、トレイがフレーム本体から移送される。
【0036】
本発明のこの実施形態によれば、一対の回動ロック部材の内側への回動動作によって、ベアディスクや、カートリッジを押さえて保持する機能と、その回動動作がピックアップ部の移動に連動し特別な駆動系(モータ等)を必要とせずに行われるという利点がある。
【0037】
本発明の上記実施形態では、トレイ上に設けた3つの比較的小さなディスク保持部材とドライブ反対側のカートリッジ付勢アームによりカートリッジのローディング及びベアディスクの垂直使用を可能にしているので、図14に示した従来の装置に比較して、機構の簡素化、及び部品点数の削減が可能となる。また上記従来の装置と異なり、トレイに設けた3つのディスク保持部材は、ディスク外形より外側に配置しフレーム本体までディスクが搬送された後、クランプ動作に連動して付勢アームがディスクを中心近傍まで移送してクランプさせるように構成している。
【0038】
したがって、水平に置いた状態で使用する場合にも、通常の水平限定対応ドライブと同様にディスクをトレイ上に真上から搭載でき、良好な操作性を維持できる効果がある。また、トレイを従来のベアディスク用ドライブと同様に簡素な形状で構成できるので、トレイの両サイドにディスク・カートリッジ取出部を形成し前端部には異物侵入防止壁を設けることが可能となり、外装パネルに必要であった可動ふた、その他のロック機構が不要となる。
【0039】
また、この実施形態では、トレイ上に回転・スライド可能に支持した3つのディスク保持部材とドライブ本体に取り付けたカートリッジ付勢兼ディスク移送アームにより、簡単な構成でカートリッジ・ベアディスク及び水平・垂直対応を可能として、省スペース、部品点数、コストの削減を実現することができた。
【0040】
またトレイ上の3つの保持部材をディスク外形の干渉しない位置に配置しトレーローディング完了後、クランプ動作に連動して付勢アームが作用してベアディスクを中央近傍まで移送し、クランプさせる構造により、従来のベアディスク専用ドライブと同等のベアディスク装着操作性を実現した。また、カートリッジ使用時においてはカートリッジ筐体に押圧されてトレイ上3つのホルダーが退避しトレイ内に収納されトレイがドライブ本体内に搬送後、付勢アームが作用してカートリッジがトレイ上に付勢される。
【0041】
また、本発明におけるトレイのカートリッジ保持の構造の点では、カートリッジの左前側溝と背面右凹部2箇所をクリップばねにより係支させカートリッジ対角線上を規制することによって、トレイ上にカートリッジを保持させるように構成し、構造の簡素化、部品点数及びコストの削減を図ったカートリッジの垂直保持方法に特徴がある。
【0042】
また、トレイ構造を2ピースとせず、従来のベアディスクドライブ同様の肉厚構造にできるので、ディスク・カートリッジ取出用の開口部をトレイ中央両サイドに設けることができ、従来のカートリッジ対応推計垂直兼用ドライブに見られたトレイ前端部の開口部を設ける必要がない。したがってトレイ全面に固定壁を設けることができ、ドライブ外装前面パネルに必要であった塵埃、及び指・異物の進入防止用の可動式扉及びロック機構を不要とする構造が可能となった。
【0043】
本発明のカートリッジ対応の垂直・水平対応ドライブでは、ベアディスク専用あるいは水平姿勢限定のドライブと同様の操作性を有すると共に機構の簡素化による部品点数の削減、省スペース・コスト化を実現できる。
【0044】
また、カートリッジの左前側溝の背面右凹部2箇所をクリックばねにより係支させカートリッジ対角線上を規制することによってトレイ上にカートリッジを保持するように構成し、構造の簡素化、部品点数及びコストの削減を図ることができた。また、このカートリッジのトレイの垂直保持方法もなされ、構造簡素で部品点数削減省スペース低コストで、カートリッジの操作性を向上させることができた。
【0045】
トレイの構造を2ピースとせず従来のベアディスクドライブ同様の肉厚構造にできるので、ディスク・カートリッジ取出し用の開口部をトレイ中央両サイドに設けることができ、従来のカートリッジ対応水平兼用ドライブに見られたトレイ前端の塵埃侵入及び指・異物進入防止用の可動式扉およびそのロック機構をなくすることができた。
【0046】
なお、上記本発明の実施形態では、ディスクドライブ装置にディスクが挿入される場合について述べたが一般的にはディスク状記録媒体であればよい。
【0047】
上記実施形態では、トレイがフレーム本体に移送されるとき光ピックアップ部をデスクに近づけるように動作する場合について述べた。しかし、本発明は必ずしもこの必要はなく、移送されるディスクの中心が、ディスク再生時の中心に一致するようにマウントされればよい。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明一実施形態のディスクドライブ装置の構造を示す斜視図。
【図2】本発明一実施形態のディスクドライブ装置におけるトレイ12の構造を示す斜視図。
【図3】本発明一実施形態のトレイ12におけるディスク保持部材14cを示す拡大斜視図。
【図4】本発明一実施形態のトレイ12におけるディスク保持部材14bを示す拡大斜視図。
【図5】本発明一実施形態のディスクドライブ装置に用いるカートリッジの外形を示す斜視図。
【図6】本発明一実施形態のトレイ12におけるクリック板ばね21bを示す拡大斜視図。
【図7】本発明一実施形態のディスクドライブ装置における回動ロック部材19aを示す拡大斜視図。
【図8】本発明一実施形態のディスクドライブ装置においてベアディスクをフレーム本体内に移送する状態を示す図。
【図9】本発明一実施形態のディスクドライブ装置において、回動ロック部材の回動によりベアディスクを保持する状態を示す図。
【図10】本発明一実施形態のディスクドライブ装置において、トレイにベアディスクが載置されたときのディスク保持部材14bの動作を説明するための図。
【図11】本発明一実施形態のディスクドライブ装置において、トレイにカートリッジが載置されたときのディスク保持部材14bの動作を説明するための図。
【図12】本発明一実施形態のディスクドライブ装置において、回動ロック部材が回動する前の光ピックアップ昇降部の状態を示す図。
【図13】本発明一実施形態のディスクドライブ装置において、回動ロック部材が回動した後の光ピックアップ昇降部の状態を示す図。
【図14】従来のディスクドライブ装置の構造を示す斜視図。
【符号の説明】
【0049】
11・・・フレーム本体、
12・・・トレイ、
13・・・ディスク載置部、
14a,14b,14c・・・ディスク保持部材、
14s・・・マウントシャーシ、
15・・・光ピックアップ部、
16・・・開口、
17・・・ディスクモータ、
18・・・ピックアップトラバース機構、
19a,19b・・・回動ロック部材、
21a,21b・・・クリック板ばね、
31・・・ホルダ圧縮ばね、
40・・・ベアディスク、
41・・・ホルダトーションばね、
51・・・カートリッジ、
52・・・左前側溝、
53・・・背面右凹部、
71a・・・第1の突起側面部、
72a・・・第1の突起上面部、
74a・・・第2の突起部、
82・・・光ピックアップ昇降部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスクのドライブ装置に係り、特にベアディスクとカートリッジタイプディスクの両方を選択的に、垂直状態でもローディング可能なディスクローディング機構及びディスクドライブ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、光ディスクを水平状態でも垂直状態でもローディング可能なドライブ装置は知られている。例えば、特許文献1に記載されているディスク装置は、ディスクがトレイに回転可能に支持され、垂直姿勢におけるローディング時にはディスクをトレイ内に保持し、クランプ時には、ディスクに干渉しない位置へ退避するディスク保持部材により垂直状態のディスクをローディングする。
【0003】
一方、図14に示されるローディング機構も知られている。この機構は、メイントレイ1の他サブトレイ2を有し、カートリッジタイプのディスクをローディングするときには、サブトレイが矢印方向にスライドして、カートリッジを収納する。一方、ベアディスクを垂直状態でローディングするときには、奥に設けられている垂直保持爪部3a,3bと手前の垂直保持レバー4a,4bによって、ディスクを保持して移送し、クランプされる。
【0004】
しかし、上述のいずれの機構も構成が複雑であり、コスト高になるという問題があった。
【特許文献1】特許第3067533号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記のような従来の、ベアディスクやカートリッジタイプのディスクを垂直状態でローディングする機構の問題点にかんがみてなされたもので、構成が簡単でコストを低く抑えることが可能なディスクローディング機構及びディスクドライブ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1によれば、情報記録面を有するディスク状記録媒体及びこのディスク状記録媒体を入れたカートリッジのいずれも載置可能であり、このディスク状記録媒体又はカートリッジを水平又は垂直に選択的に載置するトレイが移送されてフレーム本体に移送されるとき、前記ディスク状記録媒体の中心が再生時の中心に一致するように、前記情報記録面から記録情報を光学的に読み出す光ピックアップ部と前記情報記録面とを近づけると共に、前記フレーム本体の側面に設けられた一対の回動ロック部材を内側に回動し、前記フレーム本体に移送された前記ディスク状記録媒体又は前記カートリッジを保持することを特徴するディスクローディング機構を提供する。
【0007】
本発明の請求項2によれば、情報記録面を有するディスク状記録媒体及びこのディスク状記録媒体を入れたカートリッジのいずれも載置可能であり、このディスク状記録媒体又はカートリッジを水平又は垂直に選択的に載置するトレイと、このトレイを移送して収納するフレーム本体と、前記情報記録面から記録情報を光学的に読み出す光ピックアップ部と、前記トレイが移送されて前記フレーム本体に収納されるとき、前記ディスク状記録媒体の中心が再生時の中心に一致するように、前記情報記録面から記録情報を光学的に読み出す光ピックアップ部と前記情報記録面とを近づける機構と、前記フレーム本体の側面に設けられ、前記トレイが前記フレーム本体に収納されたとき、前記フレーム本体の内側に回動し、前記フレーム本体に移送された前記ディスク状記録媒体又は前記カートリッジを保持する一対の回動ロック部材と、を有して成ることを特徴とするディスクドライブ装置を提供する。
【0008】
本発明の請求項3によれば、情報記録面を有するディスク状記録媒体及びこのディスク状記録媒体を入れたカートリッジのいずれも載置可能であり、このディスク状記録媒体又はカートリッジを水平又は垂直に選択的に載置するトレイと、このトレイを移送して収納するフレーム本体と、前記情報記録面から記録情報を光学的に読み出す光ピックアップ部と、前記トレイが移送されて前記フレーム本体に収納されるとき、前記ディスク状記録媒体の中心が再生時の中心に一致するように、前記情報記録面から記録情報を光学的に読み出す光ピックアップ部と前記情報記録面とを近づける機構と、前記フレーム本体の側面に設けられた一対の回動ロック部材を備え、前記回動ロック部材は、前記トレイが前記フレーム本体に収納されたとき、前記フレーム本体の内側に回動して、前記ディスク状記録媒体又は前記カートリッジを保持する第1の突起部と、前記トレイが前記フレーム本体に収納されたとき、前記光ピックアップ部の移動に伴い前記ピックアップ部の一部に摺動する斜面を有する第2の突起部とが一体に設けられた部材であることを特徴とするディスクドライブ装置を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ベアディスクやカートリッジタイプのディスクを垂直状態でローディングが可能であり、構造が簡単で低コストで製造可能なディスクローディング機構及びディスクドライブ装置が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態の斜視図である。このディスクドライブ装置は、フレーム本体11と、このフレーム本体11に挿入可能なトレイ12とから成る。トレイ12は、中央にベアディスクが置かれるディスク載置部13を有しこのディスク載置部に置かれるディスクの周囲に設けられたディスク保持部材14a,14b,14cを有し、ディスク載置部13にはフレーム本体11のマウントシャーシ14sに設けられた光ピックアップ部15からのレーザ光がディスク載置部13に置かれたディスクに照射されるように、トレイ12の挿入方向に開口16が設けられている。
【0011】
トレイ12及びフレーム本体が水平に置かれた状態でベアディスクが挿入されたときには、上記ディスク保持部材14a,14b,14cは、このベアディスクに接しないが、トレイ12及びフレーム本体が垂直に置かれた状態でベアディスクが挿入されたときには、ディスク保持部材14a,14cあるいはディスク保持部材14b,14cでこのベアディスクを保持することになる。
【0012】
なお、本発明の説明で、ベアディスクはカートリッジに収納されていないディスクを意味し、単にディスクと記述することもある。
【0013】
ディスク載置部13に一旦載置された光ディスク(図示せず)は、トレイ12がフレーム本体に挿入されたとき、ディスクモータ17により回転せしめられる。フレーム本体11内のマウントシャーシ14s上に設けられているピックアップトラバース機構18は、この回転するディスクから情報を読み出すために上記光ピックアップ部15を半径方向に移動させるためのものである。これらのマウントシャーシ14s上に光ピックアップ部15、ピックアップトラバース機構18が設けられており、ベアディスクやカートリッジがフレーム本体に移送されたときには、光ピックアップ部15がディスクに近い方向に移動し、クランピングする機構になっている。この光ピックアップ部15を昇降可能に保持する部材を光ピックアップ昇降部という。
【0014】
フレーム本体11のトレイ12が挿入される方向の両側面には、後で詳述する回動ロック部材19a,19bが設けられている。
【0015】
トレイ12の拡大図を図2に示す。これらのディスク保持部材14a,14b,14cは、ディスクの水平載置時には、ディスクの装着、取り出し時に、干渉して操作性が損なわれることがないよう、ディスク載置部13のディスクの外周側に設けられる。ディスク保持部材14a,14bは、各々ばねで付勢する構造を有し、ディスク保持部材14cはスライドによりディスクを支持する構造を有する。すなわち、トレイが水平に置かれた状態で、図示しないベアディスクがディスク載置部13に置かれたときには、ディスク保持部材14cは移動しない。しかし、トレイが垂直に置かれた状態で、ベアディスクがディスク載置部13に置かれたときには、図3に示すようにホルダ圧縮ばね31が圧縮されディスク保持部材14cが矢印Cに示すように押された後、戻されて、ベアディクスが保持される。
【0016】
一方、ディスク保持部材14bは、図4に示すようにホルダトーションばね41が設けられている。トレイが垂直に置かれた状態でベアディスク40が挿入されたときには、図11に示されるようにこのベアディスク40を保持する。
【0017】
また、後述するようにトレイが水平に置かれた状態でカートリッジ51に入れられたディスクが挿入されたときには、ホルダトーションばね41の作用によってディスク保持部材14bは矢印D方向に回動し突起がディスク載置部の下方に入り、その上にカートリッジ51が置かれた配置となる。ディスク保持部材14aも上記ディスク保持部材14bと同様に作用する。
【0018】
トレイ12が水平に置かれた状態で、図5に示すカートリッジ51がトレイ12に挿入されると、カートリッジ51の左前側溝52にクリック板ばね21a(図2参照)が入り、背面右凹部53にクリック板ばね21bが挿入されることになる。クリック板ばね21bの拡大図を図6に示す。トレイ12には、カートリッジタイプのディスクが入れられたとき、カートリッジを保持するためのクリック板ばね21a,21b各々が、トレイ12の前面23から見て左奥と右前面の対角線上に配設されている。
【0019】
使用者は、ディスクを取り出す際、トレイ12の開口16の部分に指を入れてベアディスクやカートリッジを掴むことができる。この開口16を設けたことにより、トレイ12の前面に壁を形成することができ、防塵、異物挿入防止のための蓋やロック機構の別部品を外装パネル側に必要としない。
【0020】
図1でフレーム本体11のディスクが挿入される方向の側面に設けられた回転ロック部材19aの拡大された斜視図を図7に示す。ベアディスクやディスクが入ったカートリッジはトレイを押すことにより、矢印Eの方向に移送される。このとき、回動ロック部材19aは矢印19aの方向に回動して、ベアディスクあるいはカートリッジを、回動ロック部材19bとで挟むようになる。ベアディスクが挿入された場合には、回動ロック部材19bの第1の突起側面部71aでベアディスクを押さえ、カートリッジが挿入された場合には、この第1の突起側面部71aと、第1の突起上面部72aにより、カートリッジを押さえることになる。第1の突起側面部71aと第1の突起上面部72aを第1の突起部という。
【0021】
トレイ12が水平に置かれた状態で、ベアディスクがトレイに置かれフレーム本体に挿入されると、図示していないが、所定の機構により光ピックアップ部15をこの挿入されてきたベアディスクの方向に近づけるように作動する。
【0022】
回動ロック部材19aの下部には、図7において上面が内側に向けて傾斜した第2の突起部74aが設けられている。上記のように光ピックアップ部15がベアディスクのほうに近づくと、回動ロック部材19aが回動し、第2の突起部74aでカートリッジなどを押さえることになる。回動ロック部材19bも同様な構造を有する部材である。
【0023】
次に本発明のこの実施形態の動作を説明する。まず、図1に示したディスクドライブ装置が垂直に置かれた状態でベアディスクが挿入された場合について述べる。トレイ12のディスク載置部13にベアディスク40が入れられる。すると、図8に示すように、このベアディスク40は、ディスク載置部13には、完全には載置されておらず、ディスク保持部材14b,14cにより保持された状態となっている。
【0024】
この状態で、トレイ12の前面23を押すあるいは開閉ボタンを押すと、トレイ12は、ベアディスク40を保持したまま矢印H方向に移送され、フレーム本体11の方に入る。このとき、ベアディスク40の縁部が、回動ロック部材19bの第1の突起側面部71bに当たり、図9に示すような状態となる。
【0025】
また、図12に示すように、トレイ12がフレーム本体11に完全に挿入されていない状態では光ピックアップ昇降部82は下方(ベアディスクが挿入される面よりも離れた位置)にある。次に、図9に示すように、ベアディスクがフレーム本体11の方に移送されると、回動ロック部材19bは矢印Jに示すように回動し、その第1の突起側面部71bで、ベアディスクの縁部を保持する。
【0026】
それと共に、図13に示すように所定の機構により光ピックアップ昇降部82を矢印K方向に移動させる。この動作により、光ピックアップ昇降部82に載置されている光ピックアップ部15を、移送されてきたディスクの情報記録面に近づける。そして回動ロック部材19aの第2の突起部74aの上側の斜面部がこの光ピックアップ昇降部82の一部に摺接しながらバネ力によって移動する。
【0027】
一方、回動ロック部材19aも同様に動作しディスクを保持するので、ディスクは図9の矢印J方向に移動し、回動ロック部材19bと回動ロック部材19aによりディスクを挟む形となる。
【0028】
上述のように、回動ロック部材19a,19bの下部には第2の突起部材74a,74bがあるので、マウントシャーシ14sに載置されている光ピックアップ部15が移動するときに、第2の突起部材74a,74の傾斜面により、回動ロック部材19a,19bが回動する。これと共に、光ピックアップ部15はベアディスク40に近づくようにロックされる。したがって、ベアディスク40は矢印J方向に少し移動してマウントされる。
【0029】
このようにして、光ピックアップ昇降部82の上昇(すなわち、光ピックアップ部15をベアディスク40に近づけること)が所定の機構によりなされるとき、トレイ12の移送方向のフレーム本体側面に設けられた回動ロック部材19a及び回動ロック部材19bを内側に回動動作させることにより、ベアディスクの保持を行うことになる。
【0030】
この後、モータによってこのベアディスク40を回転させ、情報の再生などを行う。情報の再生が終了すると、ディスクの回転を停止し、図示しないボタンを押すことにより、光ピックアップ部15をベアディスク40から離して、トレイをフレーム本体から移送することになる。
【0031】
次に、この実施形態のディスクドライブ装置をトレイが水平に置かれた状態で、カートリッジに収納されたディスクを再生する場合の動作について説明する。
【0032】
図5に示すような、左前側溝52と背面右凹部53を有するカートリッジ51が、トレイ12に置かれると、このカートリッジの載置により、図11に示すようにディスク保持部材14b,14aが押されて矢印Dに示す方向に回転する。一方、図2に示すように、左前側溝52と背面右凹部53に各々クリック板ばね21a,クリック板ばね21bが嵌合し、カートリッジ51がセットされる。
【0033】
この状態で、トレイ12がフレーム本体内に移送され、図7に示すようにカートリッジがE方向に移送される。このとき、回動ロック部材19aは内側に回動し、第1の突起上面部72a及び第1の突起側面部71aにより、カートリッジを規制し、保持することになる。
【0034】
このときにも、回動ロック部材19aの回動により、図13に示すように第2の突起部74aの上側斜面によって、光ピックアップ部の移動(図では上昇)に連動して回動ロック部材が回動する。
【0035】
このような状態でディスクの再生が行われ、再生が終了すると、トレイがフレーム本体から移送される。
【0036】
本発明のこの実施形態によれば、一対の回動ロック部材の内側への回動動作によって、ベアディスクや、カートリッジを押さえて保持する機能と、その回動動作がピックアップ部の移動に連動し特別な駆動系(モータ等)を必要とせずに行われるという利点がある。
【0037】
本発明の上記実施形態では、トレイ上に設けた3つの比較的小さなディスク保持部材とドライブ反対側のカートリッジ付勢アームによりカートリッジのローディング及びベアディスクの垂直使用を可能にしているので、図14に示した従来の装置に比較して、機構の簡素化、及び部品点数の削減が可能となる。また上記従来の装置と異なり、トレイに設けた3つのディスク保持部材は、ディスク外形より外側に配置しフレーム本体までディスクが搬送された後、クランプ動作に連動して付勢アームがディスクを中心近傍まで移送してクランプさせるように構成している。
【0038】
したがって、水平に置いた状態で使用する場合にも、通常の水平限定対応ドライブと同様にディスクをトレイ上に真上から搭載でき、良好な操作性を維持できる効果がある。また、トレイを従来のベアディスク用ドライブと同様に簡素な形状で構成できるので、トレイの両サイドにディスク・カートリッジ取出部を形成し前端部には異物侵入防止壁を設けることが可能となり、外装パネルに必要であった可動ふた、その他のロック機構が不要となる。
【0039】
また、この実施形態では、トレイ上に回転・スライド可能に支持した3つのディスク保持部材とドライブ本体に取り付けたカートリッジ付勢兼ディスク移送アームにより、簡単な構成でカートリッジ・ベアディスク及び水平・垂直対応を可能として、省スペース、部品点数、コストの削減を実現することができた。
【0040】
またトレイ上の3つの保持部材をディスク外形の干渉しない位置に配置しトレーローディング完了後、クランプ動作に連動して付勢アームが作用してベアディスクを中央近傍まで移送し、クランプさせる構造により、従来のベアディスク専用ドライブと同等のベアディスク装着操作性を実現した。また、カートリッジ使用時においてはカートリッジ筐体に押圧されてトレイ上3つのホルダーが退避しトレイ内に収納されトレイがドライブ本体内に搬送後、付勢アームが作用してカートリッジがトレイ上に付勢される。
【0041】
また、本発明におけるトレイのカートリッジ保持の構造の点では、カートリッジの左前側溝と背面右凹部2箇所をクリップばねにより係支させカートリッジ対角線上を規制することによって、トレイ上にカートリッジを保持させるように構成し、構造の簡素化、部品点数及びコストの削減を図ったカートリッジの垂直保持方法に特徴がある。
【0042】
また、トレイ構造を2ピースとせず、従来のベアディスクドライブ同様の肉厚構造にできるので、ディスク・カートリッジ取出用の開口部をトレイ中央両サイドに設けることができ、従来のカートリッジ対応推計垂直兼用ドライブに見られたトレイ前端部の開口部を設ける必要がない。したがってトレイ全面に固定壁を設けることができ、ドライブ外装前面パネルに必要であった塵埃、及び指・異物の進入防止用の可動式扉及びロック機構を不要とする構造が可能となった。
【0043】
本発明のカートリッジ対応の垂直・水平対応ドライブでは、ベアディスク専用あるいは水平姿勢限定のドライブと同様の操作性を有すると共に機構の簡素化による部品点数の削減、省スペース・コスト化を実現できる。
【0044】
また、カートリッジの左前側溝の背面右凹部2箇所をクリックばねにより係支させカートリッジ対角線上を規制することによってトレイ上にカートリッジを保持するように構成し、構造の簡素化、部品点数及びコストの削減を図ることができた。また、このカートリッジのトレイの垂直保持方法もなされ、構造簡素で部品点数削減省スペース低コストで、カートリッジの操作性を向上させることができた。
【0045】
トレイの構造を2ピースとせず従来のベアディスクドライブ同様の肉厚構造にできるので、ディスク・カートリッジ取出し用の開口部をトレイ中央両サイドに設けることができ、従来のカートリッジ対応水平兼用ドライブに見られたトレイ前端の塵埃侵入及び指・異物進入防止用の可動式扉およびそのロック機構をなくすることができた。
【0046】
なお、上記本発明の実施形態では、ディスクドライブ装置にディスクが挿入される場合について述べたが一般的にはディスク状記録媒体であればよい。
【0047】
上記実施形態では、トレイがフレーム本体に移送されるとき光ピックアップ部をデスクに近づけるように動作する場合について述べた。しかし、本発明は必ずしもこの必要はなく、移送されるディスクの中心が、ディスク再生時の中心に一致するようにマウントされればよい。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明一実施形態のディスクドライブ装置の構造を示す斜視図。
【図2】本発明一実施形態のディスクドライブ装置におけるトレイ12の構造を示す斜視図。
【図3】本発明一実施形態のトレイ12におけるディスク保持部材14cを示す拡大斜視図。
【図4】本発明一実施形態のトレイ12におけるディスク保持部材14bを示す拡大斜視図。
【図5】本発明一実施形態のディスクドライブ装置に用いるカートリッジの外形を示す斜視図。
【図6】本発明一実施形態のトレイ12におけるクリック板ばね21bを示す拡大斜視図。
【図7】本発明一実施形態のディスクドライブ装置における回動ロック部材19aを示す拡大斜視図。
【図8】本発明一実施形態のディスクドライブ装置においてベアディスクをフレーム本体内に移送する状態を示す図。
【図9】本発明一実施形態のディスクドライブ装置において、回動ロック部材の回動によりベアディスクを保持する状態を示す図。
【図10】本発明一実施形態のディスクドライブ装置において、トレイにベアディスクが載置されたときのディスク保持部材14bの動作を説明するための図。
【図11】本発明一実施形態のディスクドライブ装置において、トレイにカートリッジが載置されたときのディスク保持部材14bの動作を説明するための図。
【図12】本発明一実施形態のディスクドライブ装置において、回動ロック部材が回動する前の光ピックアップ昇降部の状態を示す図。
【図13】本発明一実施形態のディスクドライブ装置において、回動ロック部材が回動した後の光ピックアップ昇降部の状態を示す図。
【図14】従来のディスクドライブ装置の構造を示す斜視図。
【符号の説明】
【0049】
11・・・フレーム本体、
12・・・トレイ、
13・・・ディスク載置部、
14a,14b,14c・・・ディスク保持部材、
14s・・・マウントシャーシ、
15・・・光ピックアップ部、
16・・・開口、
17・・・ディスクモータ、
18・・・ピックアップトラバース機構、
19a,19b・・・回動ロック部材、
21a,21b・・・クリック板ばね、
31・・・ホルダ圧縮ばね、
40・・・ベアディスク、
41・・・ホルダトーションばね、
51・・・カートリッジ、
52・・・左前側溝、
53・・・背面右凹部、
71a・・・第1の突起側面部、
72a・・・第1の突起上面部、
74a・・・第2の突起部、
82・・・光ピックアップ昇降部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報記録面を有するディスク状記録媒体及びこのディスク状記録媒体を入れたカートリッジのいずれも載置可能であり、このディスク状記録媒体又はカートリッジを水平又は垂直に選択的に載置するトレイが移送されてフレーム本体に移送されるとき、
前記ディスク状記録媒体の中心が再生時の中心に一致するように、前記情報記録面から記録情報を光学的に読み出す光ピックアップ部と前記情報記録面とを近づけると共に、前記フレーム本体の側面に設けられた一対の回動ロック部材を内側に回動し、前記フレーム本体に移送された前記ディスク状記録媒体又は前記カートリッジを保持することを特徴するディスクローディング機構。
【請求項2】
情報記録面を有するディスク状記録媒体及びこのディスク状記録媒体を入れたカートリッジのいずれも載置可能であり、このディスク状記録媒体又はカートリッジを水平又は垂直に選択的に載置するトレイと、
このトレイを移送して収納するフレーム本体と、
前記情報記録面から記録情報を光学的に読み出す光ピックアップ部と、
前記トレイが移送されて前記フレーム本体に収納されるとき、前記ディスク状記録媒体の中心が再生時の中心に一致するように、前記情報記録面から記録情報を光学的に読み出す光ピックアップ部と前記情報記録面とを近づける機構と、
前記フレーム本体の側面に設けられ、前記トレイが前記フレーム本体に収納されたとき、前記フレーム本体の内側に回動し、前記フレーム本体に移送された前記ディスク状記録媒体又は前記カートリッジを保持する一対の回動ロック部材と、
を有して成ることを特徴とするディスクドライブ装置。
【請求項3】
情報記録面を有するディスク状記録媒体及びこのディスク状記録媒体を入れたカートリッジのいずれも載置可能であり、このディスク状記録媒体又はカートリッジを水平又は垂直に選択的に載置するトレイと、
このトレイを移送して収納するフレーム本体と、
前記情報記録面から記録情報を光学的に読み出す光ピックアップ部と、
前記トレイが移送されて前記フレーム本体に収納されるとき、前記ディスク状記録媒体の中心が再生時の中心に一致するように、前記情報記録面から記録情報を光学的に読み出す光ピックアップ部と前記情報記録面とを近づける機構と、
前記フレーム本体の側面に設けられた一対の回動ロック部材を備え、
前記回動ロック部材は、
前記トレイが前記フレーム本体に収納されたとき、前記フレーム本体の内側に回動して、前記ディスク状記録媒体又は前記カートリッジを保持する第1の突起部と、前記トレイが前記フレーム本体に収納されたとき、前記光ピックアップ部の移動に伴い前記ピックアップ部の一部に摺動する斜面を有する第2の突起部とが一体に設けられた部材であるを特徴とするディスクドライブ装置。
【請求項4】
前記トレイは、前記ディスク状記録媒体が垂直に載置されたときこのディスクを保持し、前記カートリッジが置かれたとき、回転して収納される、複数のディスク保持部材を有することを特徴とする請求項2又は3記載のディスクドライブ装置。
【請求項5】
前記トレイは、前記ディスク状記録媒体が垂直に載置されたときこのディスクを保持し、前記カートリッジが置かれたとき、前記ディスク状記録媒体の記録面に平行に移動して収納されるディスク保持部材を有することを特徴とする請求項4記載のディスクドライブ装置。
【請求項1】
情報記録面を有するディスク状記録媒体及びこのディスク状記録媒体を入れたカートリッジのいずれも載置可能であり、このディスク状記録媒体又はカートリッジを水平又は垂直に選択的に載置するトレイが移送されてフレーム本体に移送されるとき、
前記ディスク状記録媒体の中心が再生時の中心に一致するように、前記情報記録面から記録情報を光学的に読み出す光ピックアップ部と前記情報記録面とを近づけると共に、前記フレーム本体の側面に設けられた一対の回動ロック部材を内側に回動し、前記フレーム本体に移送された前記ディスク状記録媒体又は前記カートリッジを保持することを特徴するディスクローディング機構。
【請求項2】
情報記録面を有するディスク状記録媒体及びこのディスク状記録媒体を入れたカートリッジのいずれも載置可能であり、このディスク状記録媒体又はカートリッジを水平又は垂直に選択的に載置するトレイと、
このトレイを移送して収納するフレーム本体と、
前記情報記録面から記録情報を光学的に読み出す光ピックアップ部と、
前記トレイが移送されて前記フレーム本体に収納されるとき、前記ディスク状記録媒体の中心が再生時の中心に一致するように、前記情報記録面から記録情報を光学的に読み出す光ピックアップ部と前記情報記録面とを近づける機構と、
前記フレーム本体の側面に設けられ、前記トレイが前記フレーム本体に収納されたとき、前記フレーム本体の内側に回動し、前記フレーム本体に移送された前記ディスク状記録媒体又は前記カートリッジを保持する一対の回動ロック部材と、
を有して成ることを特徴とするディスクドライブ装置。
【請求項3】
情報記録面を有するディスク状記録媒体及びこのディスク状記録媒体を入れたカートリッジのいずれも載置可能であり、このディスク状記録媒体又はカートリッジを水平又は垂直に選択的に載置するトレイと、
このトレイを移送して収納するフレーム本体と、
前記情報記録面から記録情報を光学的に読み出す光ピックアップ部と、
前記トレイが移送されて前記フレーム本体に収納されるとき、前記ディスク状記録媒体の中心が再生時の中心に一致するように、前記情報記録面から記録情報を光学的に読み出す光ピックアップ部と前記情報記録面とを近づける機構と、
前記フレーム本体の側面に設けられた一対の回動ロック部材を備え、
前記回動ロック部材は、
前記トレイが前記フレーム本体に収納されたとき、前記フレーム本体の内側に回動して、前記ディスク状記録媒体又は前記カートリッジを保持する第1の突起部と、前記トレイが前記フレーム本体に収納されたとき、前記光ピックアップ部の移動に伴い前記ピックアップ部の一部に摺動する斜面を有する第2の突起部とが一体に設けられた部材であるを特徴とするディスクドライブ装置。
【請求項4】
前記トレイは、前記ディスク状記録媒体が垂直に載置されたときこのディスクを保持し、前記カートリッジが置かれたとき、回転して収納される、複数のディスク保持部材を有することを特徴とする請求項2又は3記載のディスクドライブ装置。
【請求項5】
前記トレイは、前記ディスク状記録媒体が垂直に載置されたときこのディスクを保持し、前記カートリッジが置かれたとき、前記ディスク状記録媒体の記録面に平行に移動して収納されるディスク保持部材を有することを特徴とする請求項4記載のディスクドライブ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−147101(P2006−147101A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−338906(P2004−338906)
【出願日】平成16年11月24日(2004.11.24)
【出願人】(504224854)東芝サムスン ストレージ・テクノロジー株式会社 (74)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年11月24日(2004.11.24)
【出願人】(504224854)東芝サムスン ストレージ・テクノロジー株式会社 (74)
【Fターム(参考)】
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