説明

ディスクローディング装置

【課題】装置の小型化及び薄型化を実現し、停止状態におけるピックアップを安定して確実に規制すること。
【解決手段】ディスクローディング装置は、ボトムカバー11とトップカバーとからフレームが構成され、このフレームのフロント面に設けたディスク挿入口からディスクを直接挿入スロットイン方式のディスク装置であり、ストッパー50のピックアップ33の移動方向に平行な長さを、ストッパー50のピックアップ33の移動方向に垂直な長さよりも短く構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CD等のディスク状の記録媒体(以下に単にディスクという)に記録再生を行う機能を有するディスクローディング装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に従来のディスクローディング装置は、ディスクが排出された状態では、ピックアップは固定されておらず、リードスクリューとの摩擦のみで保持されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、落下などの衝撃力がかかると、ピックアップは容易に移動してボトムケースに当たってしまう。
【0004】
本発明は、装置の小型化及び薄型化を実現し、停止状態時のピックアップを安定して確実に規制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の本発明のディスクローディング装置は、ボトムカバーとトップカバーで構成されたフレームの内部には、スピンドルモータにより駆動されるターンテーブルと、装着されたディスクの情報を読み込むためのピックアップと、前記ピックアップを前記ディスクの直径方向に移動するためのトラバースユニットとを備え、前記トラバースユニットの一端側に前記ターンテーブルを設け、前記ターンテーブルが前記ボトムカバーと近接離間するように前記トラバースユニットを回動自在に設け、ディスク挟着状態では前記ターンテーブルが前記ボトムカバーから離間した状態となり、ディスク待機状態では前記ターンテーブルが前記ボトムカバーに近接した状態となるとともに前記ピックアップを前記ディスクの外周方向に移動させているディスクローディング装置であって、前記ターンテーブルと前記ピックアップとの間にストッパーを設け、前記ストッパーを、前記ボトムカバーの折り曲げ加工により形成し、前記ストッパーの前記ピックアップの移動方向に平行な長さを、前記ストッパーの前記ピックアップの移動方向に垂直な長さよりも短くしたことを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載のディスクローディング装置において、前記ストッパーの上面に弾性体を貼付したことを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項1に記載のディスクローディング装置において、前記ストッパーの外周側側面に弾性体を貼付したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、装置の小型化及び薄型化を実現し、衝撃に対してピックアップを安定して確実に停止させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の第1の実施の形態によるディスクローディング装置は、ターンテーブルとピックアップとの間にストッパーを設け、ストッパーを、ボトムカバーの折り曲げ加工により形成し、ストッパーのピックアップの移動方向に平行な長さを、ストッパーのピックアップの移動方向に垂直な長さよりも短くしたものである。本実施の形態によれば、ストッパーのピックアップの移動方向に平行な長さを、ストッパーのピックアップの移動方向に垂直な長さよりも短くすることで、ストッパーに弾性を持たせることができ、ピックアップがストッパーで停止する時の衝撃を緩和することができる。
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態によるディスクローディング装置において、ストッパーの上面に弾性体を貼付したものである。本実施の形態によれば、ストッパー上面にピックアップが接触した場合に、衝撃を緩和し、傷が付くことも防止できる。
本発明の第3の実施の形態は、第1の実施の形態によるディスクローディング装置において、ストッパーの外周側側面に弾性体を貼付したものである。本実施の形態によれば、ピックアップがストッパーで停止する時の衝撃を緩和することができる。
【実施例】
【0008】
以下、本発明の一実施例によるディスクローディング装置について説明する。
図1(a)は本実施例によるディスクローディング装置のディスク待機状態を示す要部平面図、同図(b)は同状態を示す要部側断面図、同図(c)は同装置のディスクが挟着されている状態を示す要部側断面図である。
本実施例によるディスクローディング装置は、ボトムカバー11とトップカバーとからフレームが構成され、このフレームのフロント面に設けたディスク挿入口からディスクを直接挿入するスロットイン方式のディスク装置である。図示はしないが、トップカバーの中央部には、開口部が設けられている。この開口部は、ディスク1の中心孔よりも大きな半径の円形開口であり、ディスク1の中心孔に嵌合するスピンドルモータ31のハブよりも大きな開口である。
【0009】
図に示すように、トラバースユニット30は、スピンドルモータ31とピックアップ33とピックアップ33を移動させる駆動手段36とを保持している。スピンドルモータ31はトラバースユニット30の一端側に設けられ、ピックアップ33はトラバースユニット30の一端側から他端側までを移動可能に設けられている。またピックアップ33は停止時にはトラバースユニット30の他端側に配置される。駆動手段36は、駆動モータと、ピックアップ33を摺動させる一対のレール37と、駆動モータの駆動をピックアップ33に伝達する歯車機構とを有し、一対のレール37はトラバースユニット30の一端側と他端側とを連接するように両側部に配置されている。駆動モータはレール37の外方に、駆動軸がレールと平行になるように配置されている。歯車機構は、この駆動モータとレール37との間の空間に配置されている。
トラバースユニット30には、スピンドルモータ31がボトムカバー11の中央部に位置し、またピックアップ33の往復動範囲がスピンドルモータ31よりもディスク挿入口側に位置し、またピックアップ33の往復移動方向がディスクの挿入方向と異なるように配設されている。ここで、ピックアップ33の往復移動方向とディスクの挿入方向とは、40〜45度の角度としている。
【0010】
トラバースユニット30は、一対のインシュレータ38によってボトムカバー11に支持されている。
一対のインシュレータ38は、スピンドルモータ31の位置よりもピックアップ33の静止位置側に配設し、ピックアップ33の静止位置よりもディスク挿入口側の位置に配設することが好ましい。本実施例では、一方のインシュレータ38はディスク挿入口の内側近傍の一端側に、他方のインシュレータ38はディスク挿入口の内側近傍の中央部に設けている。インシュレータ38は、弾性材料からなるダンパー機構を備えている。インシュレータ38は、このダンパー機構によって、トラバースユニット30がボトムカバー11から離間する方向に変位することができる。なお、トラバースユニット30は、インシュレータ38を支点として、スピンドルモータ31をボトムカバー11と近接離間させるように動作する。
【0011】
ストッパー50は、ボトムカバー11の折り曲げ加工によりスピンドルモータ31と静止位置にあるピックアップ33との間に形成されている。また、ストッパー50のピックアップ33の移動方向に平行な長さを、ストッパー50のピックアップ33の移動方向に垂直な長さよりも短く構成することで、ストッパー50に弾性を持たせることができる。
ストッパー50の高さは、トラバースユニット30が上昇した位置にあるときには、ピックアップ33に当接せず、トラバースユニット30の降下動作によってピックアップ33に当接する。
ストッパー50の上面及び外周側側面に弾性体51を貼付している。ストッパー50の上面に弾性体51を貼付することで、ストッパー50の上面にピックアップ33が接触した場合に、衝撃を緩和し、傷が付くことも防止でき、ストッパー50の外周側側面に弾性体51を貼付することで、ピックアップ33がストッパー51で停止する時の衝撃を緩和することができる。
【産業上の利用可能性】
【0012】
本発明は、特にスロットイン方式のディスクローディング装置に適している。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】(a)は本実施例によるディスクローディング装置のディスク待機状態を示す要部平面図、(b)は同状態を示す要部側断面図、(c)は同装置のディスクが挟着されている状態を示す要部側断面図
【符号の説明】
【0014】
1 ディスク
11 ボトムカバー
30 トラバースユニット
31 スピンドルモータ
33 ピックアップ
50 ストッパー
51 弾性体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボトムカバーとトップカバーで構成されたフレームの内部には、
スピンドルモータにより駆動されるターンテーブルと、
装着されたディスクの情報を読み込むためのピックアップと、
前記ピックアップを前記ディスクの直径方向に移動するためのトラバースユニットと
を備え、
前記トラバースユニットの一端側に前記ターンテーブルを設け、
前記ターンテーブルが前記ボトムカバーと近接離間するように前記トラバースユニットを回動自在に設け、
ディスク挟着状態では前記ターンテーブルが前記ボトムカバーから離間した状態となり、ディスク待機状態では前記ターンテーブルが前記ボトムカバーに近接した状態となるとともに前記ピックアップを前記ディスクの外周方向に移動させているディスクローディング装置であって、
前記ターンテーブルと前記ピックアップとの間にストッパーを設け、前記ストッパーを、前記ボトムカバーの折り曲げ加工により形成し、前記ストッパーの前記ピックアップの移動方向に平行な長さを、前記ストッパーの前記ピックアップの移動方向に垂直な長さよりも短くしたことを特徴とするディスクローディング装置。
【請求項2】
前記ストッパーの上面に弾性体を貼付したことを特徴とする請求項1に記載のディスクローディング装置。
【請求項3】
前記ストッパーの外周側側面に弾性体を貼付したことを特徴とする請求項1に記載のディスクローディング装置。

【図1】
image rotate