説明

ディスクローディング装置

【課題】記録媒体にディスクを用いた記録再生装置において、ディスクを記録再生装置に着脱するとき、不完全なディスク装着によるディスクの傷つきやディスクの読み取り不良の発生、あるいはディスク着脱のしにくさなどの問題があった。この問題を解決するために、記録再生装置にディスクローディング装置を設けると、記録再生装置そのものが大型化するという問題があった。
【解決手段】ディスク5に対する記録再生が可能な位置において、ホルダーフレームの一フレーム側面13が、ディスク記録面と平行面上で、ドライブ1と同一平面上に位置することで、ディスク着脱の簡便性と確実性を実現するとともに、ディスクローディング装置を備えた記録再生装置の薄型化を実現する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、DVDビデオカメラなどの記録媒体にディスクを用いた記録再生装置のディスクローディングに関する搬送技術である。
【背景技術】
【0002】
近年、記録媒体にディスクを用いた記録再生装置が増えている。
【0003】
また、記録再生装置に対してディスクを着脱するとき、不完全なディスクの装着によるディスクの傷つきやディスクの読み取り不良の発生、あるいはディスクの着脱しにくさなどの問題があった。
【0004】
記録再生装置にディスクローディング装置を設けることで、前記ディスクの傷つきやディスクの読み取り不良を防止するとともに、ディスク着脱の簡便性や確実性を図ることができ、このようなディスクローディング装置に関する発明として、特許文献1に挙げた技術が存在する。
【特許文献1】特開平11−259943号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら従来の技術では、記録再生装置にディスクローディング装置を設けることで、記録再生装置が大型化するという課題があった。
【0006】
また、ディスクローディング装置を設けることで記録媒体にディスクを用いた記録再生装置の特徴のひとつである記録再生装置の薄型化を阻害するという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する為に本件の発明は、ディスクの外周面と当接する底面とディスクの記録面に対する側面とで構成され、ディスクを保持するディスクホルダと、前記ディスクホルダの側面と密着するフレーム側面により、前記ディスクホルダを回動可能に支持するホルダーフレームと、光学ピックアップと前記光学ピックアップを駆動するモータと前記ディスクを回転させるスピンドルモータとを備えたドライブと、前記ホルダーフレームを、前記ディスクホルダに保持されたディスクの記録再生位置に回動するホルダーフレーム回動手段とを備え、前記記録再生位置において、前記ホルダーフレームの一フレーム側面が、ディスク記録面と平行面上で、前記ドライブと同一平面上に位置することを特徴とするディスクローディング装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明のディスクローディング装置は、ディスクの傷つきやディスクの読み取り不良を防止し、ディスク着脱の簡便性や確実性を実現するとともに、記録再生装置の薄型化を実現するという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0010】
図2は、ユーザーによる本発明装置へのディスク装着前の形態を側面から見た断面図であり、図3は、ユーザーによる本発明装置へのディスク装着前の形態の正面図であり、図2の矢視方向21の方向から見た図である。
【0011】
図2および図3において、5の記録再生媒体であるディスクを装着する前の形態を示しており、ディスク5の外周面と、7のディスクホルダの底面は、まだ当接していない。
【0012】
図2および図3に示すディスク5の位置から、ディスク5の外周面がディスクホルダ7の底面に当接する位置までディスク5をユーザーが挿入し、別途設けたトリガによって、ディスクホルダ7とディスクホルダ7に保持されたディスク5が、ディスクホルダ7の回動中心を中心に回動し、ディスクローディングを開始する。
【0013】
図4は、本発明装置の記録再生位置へのディスク装着前で、ユーザーによる本発明装置へのディスク装着直後の形態を側面から見た断面図であり、図5は、本発明装置の記録再生位置へのディスク装着前で、ユーザーによる本発明装置へのディスク装着直後の形態の正面図であり、図4の矢視方向21の方向から見た図である。
【0014】
図4および図5において、1はドライブ、2は光学ピックアップ、3はディスク5を回転駆動するためのスピンドルモータ、4は光学ピックアップ2をディスク5の半径方向に駆動するための光学ピックアップ駆動モータであり、ドライブ1は、光学ピックアップ2とスピンドルモータ3と光学ピックアップ駆動モータ4とを備えている。
【0015】
図4および図5において、ディスクホルダ7は、ディスク5の外周面が当接する底面と、8に示すディスクホルダ記録再生面に近接する第1の側面と、9に示すディスクホルダ記録再生面と反対面に近接する第2の側面とで構成されたコの字断面形状をしており、ディスク5は、ディスクホルダ7により保持される。
【0016】
図5において、ディスクホルダ7は、10に示すディスクホルダ回動中心を中心として、11に示すディスクホルダ回動方向に回動する。
【0017】
図4および図5において、12はホルダーフレームであり、13のホルダーフレーム記録再生側面と14のホルダーフレーム記録再生反対側面が、15、16および17に示す3箇所のホルダーフレーム結合部で結合されたコの字断面形状をしており、ディスクホルダ7をホルダーフレーム記録再生側面13とホルダーフレーム記録再生反対側面14とで挟み込むことにより、ディスクホルダ7を保持している。
【0018】
また、図5において、ディスクホルダ回動中心10は、ホルダーフレーム記録再生反対側面14に構成され、ディスクホルダ7は、ホルダーフレーム記録再生側面13とホルダーフレーム記録再生反対側面14で挟み込まれた空間で、ディスクホルダ回動中心10を中心として、11のディスクホルダ回動方向に回動することができる。
【0019】
また、図4において、18はホルダーフレーム回動中心であり、ホルダーフレーム12は、ホルダーフレーム回動中心18を中心として、19のホルダーフレーム回動方向に、20に示す記録再生時の位置まで回動することができる。
【0020】
図6は、本発明装置へのディスク装着途中、つまり本発明装置がディスクローディング動作をしている途中の形態を側面から見た断面図である。
【0021】
図6は、ディスクホルダ7と、ディスクホルダ7に保持されたディスク5が、図5に示すディスクホルダ回動中心10を中心として、11のディスクホルダ回動方向に回動を完了したところであり、この後、ホルダーフレーム12と、ディスクホルダ7と、ディスクホルダ7に保持されたディスク5が、ホルダーフレーム回動中心18を中心として、19に示すホルダーフレーム回動方向に、20に示す記録再生時の位置まで回動する直前の形態を示している。
【0022】
図1は、本発明装置の記録再生位置へのディスク装着後、つまり本発明装置がディスクローディングを完了した形態を側面から見た断面図であり、図7は、本発明装置の記録再生位置へのディスク装着後、つまり本発明装置がディスクローディングを完了した形態の正面図であり、図1の矢視方向22の方向から見た図である。
【0023】
図1は、ホルダーフレーム12と、ディスクホルダ7と、ディスクホルダ7に保持されたディスク5が、ホルダーフレーム回動中心18を中心として、19に示すホルダーフレーム回動方向に、20に示す記録再生時の位置まで回動した直後であり、この時本発明装置は記録再生が可能な位置にある。
【0024】
図1の状態で、スピンドルモータ3とディスクのセンターホール6とが係合し、ディスク5はスピンドルモータ3により回転駆動できる状態にある。
【0025】
また、ディスクホルダ7の内周面は、ディスク5の外周面より離合しており、ディスクの自由な回転を妨げない。
【0026】
図7において、ディスクホルダ7の第1の側面8及びホルダーフレーム記録再生側面13はともに、ドライブ1とディスク記録面と平行な平面において重ならないことで、23に示すドライブ1とディスクホルダ7及びホルダーフレーム12の隙間を生じさせることができる。
【0027】
このドライブ1とディスクホルダ7とホルダーフレーム12の隙間23が生じることで、ディスクホルダ7の第1の側面8及びホルダーフレーム記録再生側面13は、ともにドライブ1とディスク記録面と直交方向において重なることができる。
【0028】
図1において、24はドライブ1とディスクホルダ7とホルダーフレーム12の重複部であり、ディスクホルダ7の第1の側面8及びホルダーフレーム記録再生側面13はともに、ドライブ1とディスク記録面と直交方向において重なることで、25のメカニズムの総厚みを縮小することができ、ひいては記録再生装置の全体の厚みを縮小することができる。
【0029】
これに対して、図8は、従来の実施の形態におけるディスクローディング装置を備えた記録再生装置を側面から見た断面図であり、図9は、従来の実施の形態におけるディスクローディング装置を備えた記録再生装置の正面図であり、図9の矢視方向32から見た図である。
【0030】
図9において、26のディスクホルダ記録再生側面及び27のホルダーフレーム記録再生側面はともに、ドライブ1とディスク記録面と平行な平面において重なっており、28のドライブとディスクホルダ及びホルダーフレームの重複部を生じている。
【0031】
このドライブ1とディスクホルダ7とホルダーフレーム12の重複部28が生じることで、ディスクホルダ記録再生側面26及びホルダーフレーム記録再生側面27はともに、ドライブ1とディスク記録面と直行方向において重なることができず、隙間が必要となる。
【0032】
図8において、30はドライブ1とホルダーフレーム12の隙間であり、ディスクホルダ記録再生側面26及びホルダーフレーム記録再生側面27はともに、ドライブ1とディスク記録面と直交方向において重なることができずドライブとホルダーフレームの隙間30が必要となり、31のメカニズムの総厚みを増大させ、ひいては記録再生装置の全体の厚みを増大させる。
【0033】
このように本発明は、ディスクローディング装置を設けることで、ディスクの傷つきやディスクの読み取り不良を防止し、ディスク着脱の簡便性や確実性を実現するとともに、記録再生装置の薄型化を実現するものである。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、ディスクを用いた記録再生装置のディスクローディングに関する搬送技術であり、DVDビデオカメラなどの記録媒体にディスクを用いた電子機器全般の小型軽量化を実現するものである。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の一実施の形態におけるディスクローディング完了時のディスクローディング装置の断面図
【図2】本発明の一実施の形態におけるディスク装着前のディスクローディング装置の断面図
【図3】本発明の一実施の形態におけるディスク装着前のディスクローディング装置の正面図
【図4】本発明の一実施の形態におけるディスク装着直後のディスクローディング装置の断面図
【図5】本発明の一実施の形態におけるディスク装着直後のディスクローディング装置の正面図
【図6】本発明の一実施の形態におけるディスクローディング動作中のディスクローディング装置の断面図
【図7】本発明の一実施の形態におけるディスクローディング完了時のディスクローディング装置の正面図
【図8】従来のディスクローディング完了時のディスクローディング装置の断面図
【図9】従来のディスクローディング完了時のディスクローディング装置の正面図
【符号の説明】
【0036】
1 ドライブ
2 光学ピックアップ
3 スピンドルモータ
4 光学ピックアップ駆動モータ
5 ディスク
6 ディスクのセンターホール
7 ディスクホルダ
8 ディスクホルダの記録再生面に近接する第1の側面
9 ディスクホルダの記録再生面と反対面に近接する第2の側面
10 ディスクホルダ回動中心
11 ディスクホルダ回動方向
12 ホルダーフレーム
13 ホルダーフレーム記録再生側面
14 ホルダーフレーム記録再生反対側面
15 ホルダーフレーム結合部
16 ホルダーフレーム結合部
17 ホルダーフレーム結合部
18 ホルダーフレーム回動中心
26 ディスクホルダ記録再生側面
27 ホルダーフレーム記録再生側面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスクの外周面と当接する底面とディスクの記録面に対する側面とで構成され、ディスクを保持するディスクホルダと、
前記ディスクホルダの側面と密着するフレーム側面により、前記ディスクホルダを回動可能に支持するホルダーフレームと、
光学ピックアップと前記光学ピックアップを駆動するモータと前記ディスクを回転させるスピンドルモータとを備えたドライブと、
前記ホルダーフレームを、前記ディスクホルダに保持されたディスクの記録再生位置に回動するホルダーフレーム回動手段とを備え、
前記記録再生位置において、前記ホルダーフレームの一フレーム側面が、ディスク記録面と平行面上で、前記ドライブと同一平面上に位置することを特徴とするディスクローディング装置。
【請求項2】
前記記録再生位置において、前記ホルダーフレームに支持される前記ディスクホルダの一側面が、ディスク記録面と平行面上で、前記ドライブと同一平面上に位置することを特徴とする請求項1に記載のディスクローディング装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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