説明

ディスク再生装置

【課題】
ピックアップ駆動用のモータで、ディスク搬送ローラも適宜駆動するディスク再生装置において、小型化、薄型化及びコスト削減を図ったディスク再生装置を提供すること。
【解決手段】
ローラブラケット142を固定シャーシ15に取付け、スライド板84の移動によりローラブラケット142が搬送ローラ141をディスク搬送装置へ移動させる際、前記フローティングシャーシ固定手段によるフローティングシャーシ60の固定動作と、駆動力伝達手段83による前記第一モータ74と搬送ローラ141との動力的な連結とを同時に進行させる構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピックアップ駆動用のモータで、ディスク搬送ローラも適宜駆動するディスク再生装置において、小型化、薄型化及び材料コスト削減を図ったディスク再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ピックアップの往復動と、ディスク搬送ローラの位置選択と、該ローラの回転駆動とを共通のモータで行うディスク再生装置は、種々提案されている。
【0003】
特開2006−18915号には、次のようなディスク装置が記載されている。
すなわち、上部筐体(2)及び下部筐体(3)よりなる固定シャーシ内に、ダンパー(5,7)を介して上部シャーシ(12)及び下部シャーシ(11)よりなるフローティングシャーシが弾性支持されている。下部シャーシ(11)には、光ヘッド(ピックアップ)(31)、スレッドモータ(M)、スピンドルモータ(26)及び切換えスライダー(スライド板)(15)などが取り付けられ、該スピンドルモータ(26)の軸にはターンテーブル(22)が取り付けられている。また、前記上部シャーシ(12)には、クランパ(23)、ローラアーム(ローラブラケット)(27)、ロック部材(18)、図示されていない挿入検知手段などが取り付けられ、前記ローラアーム(27)には搬送ローラ(28)が支持されている。
【0004】
そして、ディスク再生時にイジェクト操作をすると、モータ(M)の駆動力でピックアップ(31)はディスクの記録部に沿って、その内周方向へ移動する。そしてピックアップ(31)が移動終端位置に達すると、モータ(M)はスライダー(15)をディスク挿入方向へ移動させる。このスライダー(15)の移動により、クランパ(23)をディスクから離反させると共にロック部材(18)がフローティングシャーシを固定シャーシに対して固定する。続いてモータ(M)は、搬送ローラ(28)を回転駆動して、搬送ローラ(28)によりディスクが排出される。
【特許文献1】特開2006−18915号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特開2006−18915号に開示された構成では、ピックアップ駆動用のモータから搬送ローラへの動力伝達を容易にするために、搬送ローラを支持するローラブラケットも、モータ及びピックアップと共にフローティングシャーシに取り付けている。ローラブラケットや搬送ローラは比較的大重量の部品であるから、これをフローティングシャーシに取付けることによってフローティング部分の重量が重くなる。フローティング部分の振動時の振幅は、重量が重くなるほど大きくなってしまう。そこで、フローティング部分が振動時に回りの固定シャーシや固定シャーシ上に取付けられた部品に当たらないよう、フローティング部分の回りには、振動シロとしての間隔を十分大きく取る必要があり、装置の小型化、薄型化が困難であった。そこで、この種のディスク再生装置を、外形寸法が厳しく制限されている車載用として用いることは、設計上の困難性があった。
【0006】
また、ピックアップとディスク搬送ローラとを共通のモータで適宜駆動する構成において、ただ単に、搬送ローラを支持するローラブラケットを固定シャーシ側に取付けてフローティング部分の軽量化を図ろうとすると、フローティングシャーシが固定シャーシに対して固定されていない状態では、フローティング側のモータと固定側の搬送ローラとの間の動力的な連結が困難となる。この場合、フローティングシャーシを固定シャーシに対して固定した後に、モータと搬送ローラとを動力的に連結することも考えられるが、そうすると、ディスクの搬送開始のタイミングが遅れてしまうことになる。
【0007】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、ピックアップとディスク搬送ローラとを共通のモータで適宜駆動する構成において、ディスク搬送開始のタイミングを遅らせることなく、搬送ローラを支持するローラブラケットを固定シャーシ側に移すことを可能にして、フローティング部分の軽量化を図ることにより、ディスク再生装置全体の小型化及び薄型化を図って車載用としても容易に用いられるものとすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
搬送ローラを支持するローラブラケットを、固定シャーシ側に取付けて、フローティングシャーシの一方の側板に取付けたスライド板を、同じくフローティングシャーシに取付けたピックアップ駆動用の第一モータにより移動させ、このスライド板の移動により、スライド板に設けたローラ位置切換部で前記搬送ローラを非搬送位置からディスク搬送位置へ移動させるものとする。また、フローティングシャーシに取付けた連結ギヤと前記搬送ローラの一端側に設けたローラギヤとを含めて駆動力伝達手段を構成し、この駆動力伝達手段を介して、前記第一モータの駆動力を搬送ローラへ伝達するものとする。そして、前記スライド板の移動時に、フローティング固定手段により、フローティングシャーシを固定シャーシに対して固定するものとし、搬送ローラのディスク搬送位置への移動時に前記ローラギヤを前記連結ギヤに噛合させ、第一モータと搬送ローラとを動力的に連結するものとする。
【0009】
前記連結ギヤは、前記スライド板の近傍位置に配置するとよい。
【0010】
前記ローラ位置切換部は前記ローラブラケットに摺接して前記搬送ローラの位置を切換えるカム面にするとよい。
【0011】
前記ローラブラケットの前記固定シャーシに対する取付けは、回動自在な取付けにするとよい。
【0012】
前記フローティングシャーシ固定手段の一部は、前記スライド板に設けるとよい。
【0013】
互いに合体して前記固定シャーシを構成する上フレーム及び下フレームのいずれか一方の左右側板には、そのディスクを挿脱する側の前端部より延出してその延出端部を所定の被固定部に取付ける固定片を設け、他方のフレームの左右側部には、前記固定片の近傍位置において前記ローラブラケットを取付けるブラケット取付部を設け、前記被固定部に対する前記延出端部の取付けにより該延出端部に生じた変位を前記固定片において吸収すると良い。
【0014】
前記固定片を設けたフレーム又は前記ブラケット取付部を設けたフレームのいずれか一方の左右側板に係合凸部、他方のフレームに前記係合凸部と係合する係合凹部をそれぞれ設けるとともに、前記係合凸部と前記係合凹部との係合状態を保持する離脱防止手段を設けると良い。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ローラブラケットを固定シャーシ側に取付けたことにより、フローティングシャーシの重量を軽くすることができ、その結果、フローティングシャーシの振動シロを小さくでき、装置全体の小型化、薄型化及び材料コスト削減が達成できる。また、スライド板の移動によりフローティングシャーシ固定手段によるフローティングシャーシの固定と、駆動力伝達手段による第一モータと搬送ローラとの動力的な連結とが同時に行われるので、フローティングシャーシの固定後、直ちにディスクの搬送を開始することができる。
また、フローティングシャーシ側のスライド板をローラブラケット又は搬送ローラに当ててローラギヤをディスク搬送位置へ移動させるので、フローティングシャーシが完全に固定されていない段階でローラギヤを連結ギヤに噛合させることができる。
【0016】
さらに、前記ローラ位置切換部は前記ローラブラケットに摺動して前記搬送ローラを非搬送位置からディスク搬送位置へ押圧移動するカム面とすることにより、直接、スライド板でローラブラケットを回動させることができ、機構を簡素化することできる。
【0017】
さらに、前記ローラブラケットを、前記固定シャーシに回動自在に取付けることにより、前記搬送ローラを非搬送位置からディスク搬送位置へ又はディスク搬送位置から非搬送位置へ移動させる機構を簡素化し、動作を円滑にすることできる。
【0018】
さらに、フローティング固定手段の一部を前記スライド板に設けたことにより、フローティングシャーシの固定又は固定解除と、搬送ローラの非搬送位置からディスク搬送位置又はディスク搬送位置から非搬送位置への移動との動作タイミングを調整し易い構成となる。
【0019】
ところで、この種のディスク再生装置を例えば車両のオーディオ機器取付部に取付ける場合、一般に、専用のアタッチメントケースを使用し、このアタッチメントケースに設けられた被固定部に固定シャーシに設けた固定片をねじ止め等により固定し、アタッチメントケースとディスク再生装置を一体化したものを、オーディオ機器取付部に取付けるようにしている。この場合、被固定部と固定片の相互間に寸法上の不一致があると、その不一致が僅かなものであっても、ねじ止めの際固定シャーシに変形が生じ。この変形がローラブラケットを取付けるブラケット取付部に伝播して、ローラブラケットの取付精度が低下したり、ローラブラケットの取付けが困難となる等の問題があった。
そこで、固定シャーシを構成する上フレーム及び下フレームのいずれか一方の左右側板には、そのディスクを挿出する側の前端部より延出してその延出端部を所定の被固定部に取付ける固定片を設け、他方のフレームの左右側部には、前記固定片の近傍位置において前記ローラブラケットを取付けるブラケット取付部を設けて、被固定部に対する延出端部の取付けにより該延出部に生じた変位を固定片において吸収することにより、固定片とブラケット取付部が近傍位置にあるにも拘らず、前記延長端部の変位がブラケット取付部に影響を及ぼすことを防止でき、上記の問題を解消することができる。
【0020】
また、上下フレームをねじ止めにより合体すると、ねじ止めの際固定シャーシに歪が生じ易いという問題があるが、上下フレームのいずれか一方の左右側板に係合凸部、他方のフレームにこの係合凸部と係合する係合凹部をそれぞれ設けるとともに、これら係合凸部と前記係合凹部との係合状態を保持する離脱防止手段を設けたことにより、上下フレーム合体の際固定シャーシに過剰な外圧がかからないので、固定シャーシの素材となる金属板を薄くすることも可能となり、コスト削減及び軽量化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して説明する。
図1は車載用のディスク再生装置の機構部1の外観を示す斜視図である。前記ディスク再生装置の機構部1の正面には、ディスクDを挿出するディスク挿入口2が設けられている。矢印Aはディスク挿入方向を示し、その逆方向はディスク排出方向となる。そして、これらディスク挿入方向とディスク排出方向とを合わせて、ディスク挿出方向とする。
【0022】
図2は、前記ディスク再生装置の機構部1を上ユニット3と下ユニット4とに分けて示し、さらに下ユニット4の一部であるピックアップユニット5とクランプ機構6とを分けて示す分解斜視図である。
図3は前記上ユニット3を示す平面図であり、図4は前記下ユニット4からピックアップユニット5とクランプ機構6とを除いた部位を示す平面図である。また、図5はピックアップユニット5を示す平面図である。
【0023】
前記上ユニット3は、図2及び図3に示すように、上フレーム7及びディスク検知機構8で構成されている。前記下ユニット4は、図2、図4及び図5に示すように、下フレーム10と、この下フレーム10に取り付けられる3個の緩衝部材よりなるダンパ11と、搬送ローラ機構12と、ターンテーブル13やピックアップ14を含むピックアップユニット5と、クランプ機構6等で構成されている。前記上フレーム7と下フレーム10とで固定シャーシ15を構成する。
【0024】
図2及び図3の如く、金属板からなる前記上フレーム7は、ほぼ四角形をなす天板18の四辺より下方に折曲形成された側板を有し、その左右側板19,20のディスク挿出方向における前部及び後部にそれぞれ重ね合せ部21,22を設けている。
【0025】
また図2及び図4の如く、金属板からなる前記下フレーム10は、ほぼ四角形をなす底板23の四辺より上方に立上がる側板を有し、その左右側板24,25のディスク挿出方向における前部及び後部に、それぞれ重ね合せ部26,27を設けている。そして、上フレーム7と下フレーム10との合体は、互いの対応する重ね合せ部同志を重ね合わせ、それぞれの後部重ね合わせ部22,27をねじ28(図2において右方のみ記載)にて固定する(図1参照)ことにより行なっている。
【0026】
図2及び図3の如く、前記天板18には、ほぼ中央に大きく開口した開口部29を設けるとともに、この開口部29に対しディスク挿出方向に直交する方向に位置して、第一及び第二上方被係合部である一対の延出片30を下方へ延出させている。そして、前記天板18の前部には、上面側から下方に向けて押出し加工した左右方向に長い凹みを形成してその部位を装着部31としている。さらに、天板18と装着部31との間の段差部32には、適宜切欠部33を設けている。また、装着部31には、ガイド部34を形成している。
【0027】
前記ディスク検知機構8は、左右一対の水平回動自在なディスク検知部材35,36と、両検出部材35,36間に掛渡されたコイルばね37(図3に仮想線で示す)と、係止レバー38と、図示しないスイッチとで構成されている。ディスク検知機構8は、装着部31の上面に取付けられている。
【0028】
前記ディスク検知部材35,36は、ディスクが挿入されたことを検知するもので、装着部31の上面に突設された一対の支軸39にそれぞれ回動自在に装着され、前記ディスク挿入口2の近傍まで延長された各延長端には下方に延びた検知部40,41(図2参照)を有している。
【0029】
ディスク検知部材35には、図中右方へ延出した連結片42が形成されており、その先端には連結ピン43が上方へ向けて形成されている。一方、ディスク検知部材36には、図中左方へ延出した連結片44が形成されており、その先端付近には連結溝45が形成されている。そして、前記連結ピン43をこの連結溝45に係合させて、両ディスク検知部材35,36が左右対称に同期回動するようにしている。
【0030】
両ディスク検知部材35,36は、前記切欠部33の範囲内で回動自在となっており、前記コイルばね37の付勢力により装着部31の上面に形成された一対のストッパ部46のそれぞれに一部を当接させて、初期位置を維持している。また、前記検知部40,41の近傍には弾性片47,48が設けられ、これらの弾性片47,48を装着部31の上面に弾性的に常時圧接させて、検知部材35,36の振動によるラットルノイズの発生を防止するようにしている。
【0031】
前記係止レバー38は装着部31の上面に突設された支軸49に回動自在に装着され、ディスクが再生位置に挿入されたとき該ディスク検知部材35,36を回動位置に係止する。この係止レバー38には、一端に一方のディスク検知部材36に嵌合するピン50、他端にディスク搬送経路内に位置して搬送途中のディスクの外周に摺接する図示しない摺接ピンが、それぞれ形成されている。そして係止レバー38は、時計方向に極めて弱いばねで回動付勢されている。
【0032】
図2及び図4の如く、前記下フレーム10の底板23には、大きく開口した大開口部52を設け、その大開口部52周辺の底板23上面3箇所には、前記ダンパ11を固着する固定部53を設けている。また、左側板24後部付近において、底板23を上方へ向けて押出し加工にて山形形状とした押出し部54を設け、その前方位置に、左側板24の一部を装置内側へ向けて切曲げした切曲げ部55を設けている。この切曲げ部55には、被係合部である孔56が設けられている(図2参照)。さらに、図中右方には、前記孔56より手前側及び奥側位置に、右側板25より内側に向けて折曲形成された前方及び後方被係合部である一対の折曲部57,57が設けられている。
【0033】
前記3箇所の固定部53には、それぞれ前記ダンパ11の台座58を固着し、各ダンパ11の有底筒部59を前記ピックアップユニット5の一部に取付けて、ピックアップユニット5がこれらのダンパ11を介して、下フレーム10に対してフローティング状態に支持されるようにしている。また、下フレーム10の左右側板24,25のディスク挿入口2近傍には、前記搬送ローラ機構12が配置されている。
【0034】
前記ピックアップユニット5は、図2及び図5に示すように、フローティングシャーシ60と、このフローティングシャーシ60に取付けられたピックアップ駆動機構61、ローディング機構62、ディスク回転機構63とで構成されている。
【0035】
フローティングシャーシ60は金属板製で、ほぼ四角形をなす平板部65と、上方へ折り曲げた左右側板66,67と、下方へ折り曲げた前板68と、上方へ折り曲げた後板69とを有している。前記平板部65には、図5中ほぼ中央から左上方に向けて長い矩形孔70を有し、この矩形孔70の内側にピックアップ14が矩形孔70の長手方向に移動自在に配置されている。
【0036】
また、該矩形孔70の長手方向と平行にレール部71が設けられ、前記ピックアップ14の一部で、このレール部71を挟む構成となっている。この平板部65において、前記右側板67の近傍には溝72(仮想線で示す)が設けられている。さらに、この平面部65には、ディスクの挿入を規制する左右一対のストッパ片73を設けている。そして、前記矩形孔70の図中右方には第一モータ74が配置されている。
【0037】
前記ピックアップ駆動機構61は、前記ピックアップ14に挿通し前記レール部71と平行に配置される金属製の主ガイドレール75、一端に小ギヤ76を設けた合成樹脂製の送りねじ77、前記主ガイドレール75及び送りねじ77の両端をそれぞれ支持する第一支持部材78,第二支持部材79、一端をピックアップ14に固定し他端を前記送りねじ77に当接させる薄板製のピックアップ送り板80で構成されている。前記主ガイドレール75、小ギヤ76、送りねじ77、第一、第二支持部材78,79は、前記フローティングシャーシ60の平板部65の下面側に配置される。
【0038】
前記ローディング機構62は、ピックアップ14をロックするロック部材82と、前記第一モータ74の駆動力を伝達する駆動力伝達手段83と、第一モータ74の駆動力を受け、図中前後に移動するスライド板84と、ディスクを前記ターンテーブル13にチャッキングする直前を検知するトリガ部材85とで構成されている。また、図示しないが、前記ロック部材82にはこの部材を時計方向に付勢するばねが、前記トリガ部材85には反転ばねが、それぞれ取付けられている。
そして、前記ロック部材82、駆動力伝達手段83、トリガ部材85は、平板部65の下面側に配置され、前記スライド板84は、右側板67に配置される。
【0039】
前記ロック部材82は、略中央に回動支点86を設け、一方に摺接ピン87、他方にロック部88を設けている。なお、ロック部材82は、図示しないばねによって、時計方向に回動付勢されている。
【0040】
図6はスライド板84とその周辺部品との関係を示す側面図であり、スライド板84の図中中央上部にはカム溝89を設けている。このカム溝89の下方には、前方及び後方被係合部である、上下方向の幅が狭いスリット部90,91と、上下方向幅広の逃げ部92,93とからなる一対の貫通孔94,95を設けている。また、スライド板84の図6における左端には、ローラ位置切換部であるカム面96を設けている。さらに、図5に示す如く、スライド板84には、図中左方に突出した被押圧部97が設けられている。
【0041】
前記トリガ部材85は、一端側に上方へ延出する被当接部98、他端側にラック99、中間部に回動軸100を、それぞれ設けている。さらに、他端部には上方に突出するボス101も設けている。このボス101は、前記フローティングシャーシ60の溝72に挿通させている。
【0042】
前記ディスク回転機構63は、前記矩形孔70の図中最前部に取付けられた第二モータ102と、この第二モータ102に直結された前記ターンテーブル13とで構成されている。
【0043】
前記駆動力伝達手段83は、図5及び図7の如く、ギヤ群を主体とするものである。この伝達手段83は、前記第一モータ74の駆動力を、搬送ローラ機構12等又はピックアップ駆動機構61に適宜伝達する切換手段103と、第三支持部材104と、第四支持部材105とを有している。
【0044】
前記ギヤ群は、前記第一モータ74のシャフトに装着されたウォームギヤ106と、二段ギヤよりなる第一ギヤ107、第二ギヤ108及び第三ギヤ109と、三段ギヤよりなる第四ギヤ110と、ディスク挿出方向に長く両端部に第一ウォーム111,第二ウォーム112を一体形成した第五ギヤ113と、前記第四支持部材105に取付けられる、二段ギヤよりなる第六ギヤ114と、連結ギヤである第七ギヤ115とで構成されている。この第七ギヤ115は、前記スライド板84のカム面96に近い位置に配置されている。
【0045】
前記切換手段103は、仮想線で示す金属板製の切換板116と、この切換板116に取付けた前記第二ギヤ108とで構成される。前記切換板116は、図中下端部が右方に曲がった形状をなし、その先端を押圧部117とし、図中上端に円弧部118と傾斜部119とからなるカム部120を有し、中間部を前記第一ギヤ107と共通の軸121に回動自在に軸支されている。前記第二ギヤ108は前記カム部120と軸121とのほぼ中間位置に回転自在に軸支されている。そして、切換板116の回動により第二ギヤ108を、第三ギヤ109又は第四ギヤ110に適宜噛合させて、前記第一モータ74の駆動力をピックアップ駆動機構61又は搬送ローラ機構12に伝達するようにしている。
【0046】
第一ギヤ107は、前記フローティングシャーシ60の裏面側に軸支され、一段目の大ギヤをヘリカルギヤとして、このヘリカルギヤをウォームギヤ106に噛合させている。第一ギヤ107の二段目の小ギヤは第二ギヤ108の大ギヤに常時噛合させている。第四ギヤ110は、前記フローティングシャーシ60の裏面側に軸支され、中ギヤを第五ギヤ113の第一ウォーム111に噛合させている。
【0047】
第五ギヤ113は、第一ウォーム111側を前記第三支持部材104に支持され、第二ウォーム112側を第四支持部材105に回転自在に支持されている。この第三支持部材104及び第四支持部材105は前記フローティングシャーシ60の裏面側に取付けられている。第五ギヤ113の第二ウォーム112は第四支持部材105に回転自在に取付けられた第六ギヤ114の小ギヤと噛合している。この小ギヤはヘリカルギヤである。第六ギヤ114の大ギヤは同じく第四支持部材105に回転自在に取付けられた第七ギヤ115に噛合させている。また、第三ギヤ109の大ギヤはピックアップ駆動機構61の一部である前記小ギヤ76に常時噛合させている。
【0048】
図7に示すように、第二ギヤ108の小ギヤが第四ギヤ110の大ギヤに噛合していると、第一モータ74の駆動力が前記搬送ローラ機構12に伝達される。この状態から切換板116が軸121を中心に反時計方向に回動して、第二ギヤ108の大ギヤが第三ギヤ109の小ギヤと噛合すると、第一モータ74の駆動力がピックアップ駆動機構61に伝達される。
【0049】
前記クランプ機構6は、図8及び図9に示すように、クランパ122と、このクランパ122を回転支持する薄板製の支持板123と、この支持板123を取着し、上下方向に回動して(回動中心線を一点鎖線で示す)前記クランパ122を前記ターンテーブル13に対して離接させるクランパ支持体124とで構成される。
【0050】
図9の如く、クランパ122は、図中上方に軸部125と、図中下方にディスクの中心孔に嵌合する略円錐台形突部126とを有し、この略円錐台形突部126の外周にディスクの心出し用テーパ127を有している。
【0051】
クランパ122は、前記軸部125を前記支持板123の一端側にて回転自在に支持され、支持板123は、他端側をクランパ支持体124に固着され、ターンテーブル13とクランパ122とでディスクを挟持するときは、支持板123の一部でクランパ122の軸端を弾性的に押圧してターンテーブル13とクランパ122との間にディスク挟持圧を付与するようにしている。
【0052】
クランパ支持体124は、図8に示すように、左右方向に細長い板金製で、平板128の左右端に下方へ折り曲げられた側板129,130を有している。そして平板128には、略菱形状の第一及び第二上方係合部である一対の菱孔131,132を設け、各菱孔131,132には、図中左右角部にそれぞれストレート溝133,134を形成している。クランパ支持体124の図中奥側縁部135は、中央から左方及び右方にかけて僅かに奥側へ傾斜するように形成されている。また、右側板130の図中前端部には係合ピン136が取着されており、この係合ピン136は、前記スライド板84のカム溝89(図6参照)に嵌合する。
【0053】
前記左側板129は、図9に示すように一部を下方へ延長し、該延長部の下端部が二股形状に形成されており、図中右側を係合部である第一片137、左側を第二片138としている。また、左右側板129,130(図9には左側板129のみ示す)には、それぞれ軸孔139が設けられており、各軸孔139は前記フローティングシャーシ60の左右側板66,67(図5参照)にそれぞれ設けられた突部(図示せず)に係合し、クランパ支持体124は、それらの突部を中心に回動自在となっている。
【0054】
また、前記クランパ支持体124の前記フローティングシャーシ60に対する回動中心軸(両軸孔139の中心間を結ぶ線)は、前記ターンテーブル13の中心軸線より距離Kだけ奥側にあり、距離KはディスクDの中心孔径(15mm)より大きく、かつ、その2倍(30mm)以内、例えば25mm程度に設定される。さらに、前記クランパ支持体124の奥側縁部135は、中央から左方及び右方にかけて奥側へ僅かに傾斜させている。
【0055】
搬送ローラ機構12は、図4及び図10の如く、搬送ローラ141と、ローラブラケット142とで構成されている。
【0056】
搬送ローラ141は、外方端から内方端にかけて漸次小径となる一対の合成ゴム製テーパ筒体143に金属製の軸144を挿通させて構成されている。軸144の両端はテーパ筒体143の外方端から突出し、その突出する軸144の一端側には前記駆動力伝達手段83(図5参照)の一部であるローラギヤ145を、また他端側にはカラー146を、それぞれを取付けている。
【0057】
ローラブラケット142は金属板よりなるもので、左右に長い連結板147の左右端に、上方へ向けて折曲形成された左右側板148を有し、これらの左右側板148を連結板147より奥側へ延出させている。左右側板148は、各内面側の略中間部に絞り加工による凸状筒部149,149をそれぞれ有し、各凸状筒部149,149を下フレーム10(図2参照)の左右側板24,25に形成された溝150(一方のみ仮想線で示す)に嵌合させ、凸状筒部149,149を支点として、上下回動自在に装着される。また、左右側板148間の延出部で搬送ローラ141の軸144両端を回転自在に支持するようにしている。
【0058】
前記連結板147の後縁は裏面側に向けて折曲された山折縁部151となっている。この山折縁部151は、平面図上ではほぼ左右対称となるV形凹状となっているが、その傾斜角度は、ローラの軸心線に対して約1°程度の僅かなものである。また、連結板147の前縁には上方に向けて屈曲した左右一対の屈曲部152,152が設けられている。これらの屈曲部152,152は、搬送ローラ141が下方位置にあるとき、すなわち、ディスクが再生位置に挿入されているときは上方位置にあってディスク挿入口2(図1参照)を塞いで、ディスクの二重挿入を防止する。さらに図10に示すように、前記ローラブラケット142の右側板148の最奥部には、外方へ向けて略直角に曲げられた折曲片153が設けられている。なお、ローラブラケット142は図示しないばねにより、搬送ローラ141を上昇させる方向に常時付勢されている。
【0059】
また、図12に示す如く、前記フレーム10の底板23の一部に一対の誘導部158,158を設け、スライド板84がディスク排出方向へ移動した際に、スライド板84が両誘導部158,158間に挟まれるようにしている。
【0060】
次にディスク再生機の機構部1の動作について説明する。
図11はディスク再生している状態における側面図であり、前記ターンテーブル13とクランパ122とでディスクDを挟持している。この状態にあるときは、前記スライド板84は図中右方に位置しており、前記ローラブラケット142は凸状筒部149,149を中心に時計方向に回動した位置、すなわち、搬送ローラ141が非搬送位置に位置している。さらに、前記下フレーム10の折曲部57,57が前記スライド板84の逃げ部94,95に位置し、フローティングシャーシ60は、固定シャーシ15に対して、ダンパ11(図2参照)を介してフローティング状態となっている。
【0061】
ディスクが再生位置にあるときは、図12に示す如く、ロック部材82の摺接ピン87が切換板116の傾斜部119に係合し、第一モータ74の回転力が第二ギヤ108及び第三ギヤ109を介してピックアップ駆動機構61に伝達される。この状態では、第二ギヤ108が時計方向に回転するとき前記切換板116を時計方向へ回動させて第二ギヤ108を第三ギヤ109から離反させようとするが、切換板116は摺接ピン87により図12の位置に保持されている。
【0062】
この状態からディスク排出操作を行なうと、第二ギヤ108は時計方向へ回転し、ピックアップ14はディスク内周方向に移動する。そして、ピックアップ14がディスクのデータ記録部の最内周部を超えた位置まで移動して、ピックアップ14の一部で前記ロック部材82を反時計方向に回動させる。
【0063】
すると、図7に示す如く、ロック部材82の摺接ピン87が切換板116の傾斜部119から外れ、切換板116が時計方向に回動して第二ギヤ108の小ギヤが第四ギヤ110の大ギヤと噛合する。
【0064】
第一モータ74の駆動力が各ギヤを介し第四ギヤ110に伝達されると、第四ギヤ110の回転により、トリガ部材85(図5参照)がディスク排出方向に移動する。そして、トリガ部材85の移動により、図示しない連結部材を介し前記スライド板84もディスク排出方向へ移動する。
【0065】
図13に示す如く、前記スライド板84がディスク排出方向へ移動すると、直ちに、前記カム面96がローラブラケット142の折曲片153に当接する。この状態では、まだ、前記下フレーム10の折曲部57,57は前記スライド板84の逃げ部94,95に位置し、フローティングシャーシ60は、固定シャーシ15に対してフローティング状態となっている。
【0066】
さらにスライド板84がディスク排出方向へ移動すると、前記カム面96が折曲片153を押して上げていき、搬送ローラ141がディスク搬送位置に到達したとき、ローラギヤ145が第七ギヤ115に噛合を開始する。そして折曲片153は、図6に示す如く、カム面96の上端から外れ、スライド板84の上面に移動し、ローラギヤ145は、図14に示す如く、第七ギヤ115に対する噛合を完了する。この過程において、カム溝89に沿ってクランパ支持体124の係合ピン136が上昇し、クランパ支持体124が図中時計方向に回動してクランパ122をターンテーブル13から離反させる。
【0067】
クランパ支持体124の回動によって、図15に示す如く、クランパ支持体124の一対の菱孔131,132が、上フレーム7に設けられた一対の延出片30,30と嵌合すると共に、クランパ支持体124の第一片137も、下フレーム10の孔56に嵌合する(図9に仮想線で示す)。このとき、前記スリット部90,91に下フレーム10の折曲部57,57が嵌合しており(図14参照)フローティングシャーシ60は、固定シャーシ15に対して、固定状態となっている。
【0068】
そして、第一モータ74の駆動力は、第七ギヤ115及びローラギヤ145を介して搬送ローラ141に伝達され、この搬送ローラ141がディスクDを排出方向へ搬送する。
【0069】
このように、搬送ローラ141を支持するローラブラケット142を固定シャーシ15側の下フレーム10に取り付けたことにより、フローティングシャーシ60の重量を軽くすることができる。その結果、フローティングシャーシ60の振動シロを小さくでき、装置全体の小型化、薄型化を図ることができる。
【0070】
また、フローティングシャーシ60を固定シャーシ15に対して固定する前に、前記カム面96がローラブラケット142の折曲片153に当接するため、少なくともカム面96の動きは折曲片153によって規制される。よって、完全にフローティングシャーシ60を固定シャーシ15に固定する前に第七ギヤ115とローラギヤ145とを噛合させることができ、それによって、第一モータ74と搬送ローラ141とが動力的に連結するので、ディスクの搬送開始のタイミングが遅れることはない。
【0071】
さらに、ローラブラケット142を下フレーム10に上下回動自在に取付けたことにより、搬送ローラ141を非搬送位置から搬送位置へ又は搬送位置から非搬送位置へ移動させる機構を簡素化でき、かつ、その移動動作を円滑にすることができる。
【0072】
また、スライド板84の端部にカム面96を設け、このカム面96にローラブラケット142の折曲片153を摺動させて搬送ローラ141を非搬送位置から搬送位置へ押圧移動するようにして、直接スライド板84でローラブラケット142を回動させるようにしたことにより、ローラブラケット142を回動させる機構を簡素化できる。
【0073】
また、前記下フレーム10に設けた一対の誘導部158,158間でスライド板84を挟むようにしたことにより、第七ギヤ115とローラギヤ145との噛合が、より確実に行われることになる。
【0074】
なお、本実施の形態では、前記ローラブラケット142の右側板148に折曲片153を設け、この折曲片153がスライド板84のカム面96を摺接するようにしたが、これに限るものではなく、折曲片153の代わりにピンをカシメて固定してもよい。
【0075】
次に、図16ないし図20に示す別の実施の形態について説明する。一般に、ディスク再生装置を車両のオーディオ機器取付部に取付ける場合、まず、図16に示すように、ディスク再生装置の固定シャーシ15を、専用のアタッチメントケース160に取付ける。このアタッチメントケース160は、前面部に操作釦、表示部等を有するフロントパネル161を備えている。固定シャーシ15は前記実施の形態と同様に、上フレーム7及び下フレーム10を互いに合体して構成されるが(図17参照)、本実施の形態では、下フレーム10にはディスクを挿出する側の前端部左右に固定片162,162を設け、後端中央部にも固定片163を設けている。また、アタッチメントケース160には、前記固定片162,162,163に対応する部位にそれぞれ被固定部164,164,165が設けられ、固定片162,162,163をアタッチメントケース160の被固定部164,164,165に、ねじ166を用いて固定した後、このように一体化したディスク再生装置とアタッチメントケース160を、車両のオーディオ機器取付部に装着するものとする。
【0076】
図17に示すように、下フレーム10の左右の固定片162,162は、左右側板の前端部より上方へ延出してその延出端部162aを外方へ折曲形成した逆L字状をなし、後端側固定片163は、後方側板の中央部上縁より外方へ折曲形成されている。これら各固定片162,162の各延長端部162a,162a及び後端側固定片163には、ねじ孔が設けられている。
前記上フレーム7は、前記左右の固定片162,162の近傍位置において、前端左右縁より下方へ折曲形成したブラケット取付部167を有し、これら取付部167に設けた軸孔にて前記実施の形態と同様のローラブラケット142(図10参照)の凸状筒部149(図10参照)を回転自在に支持するようにしている。
【0077】
上フレーム7には更に、下方へ折曲する左右側板の折曲角部に、それぞれ前方取付孔168及び係合凹部としての後方取付孔169が設けられている。
【0078】
一方、前記下フレーム10には上方へ折曲する左右側板の上縁に、図18に示すように、それぞれ係合凸部170、逆L字形の前方抜止め片171及び係合凸部170の僅か前方に位置する後方抜止め片172が設けられている。各前方抜止め片171は、前記左右の固定片162,162の僅か後方に位置している。左右の固定片162と前方抜止め片171との間には上方に開口するスリット173が存在し、左右側板の前端には小さな切欠き174が存在し、これらスリット173の下端及び切欠き174を結ぶ仮想の線が側板と固定片162との境界線となる。
【0079】
そこで、図18に示すように、上フレーム7の各後方取付孔169を下フレーム10の各係合凸部170に係合させた後、上フレーム7の各前方取付孔168を下フレーム10の前方抜止め片171の内側に位置させる。
その後、図19に示すように、前方抜止め片171の先端水平部を水平方向内方へ屈曲させて各前方取付孔168の下縁上に位置させる。さらに、左右の後方抜止め片172を図20の如く内方(矢印方向)へ僅かに屈曲させて上フレーム7上面上に位置させると、後方取付孔169と係合凸部170との離脱が防止される。すなわち、左右の前方抜止め片171と前方取付孔168の下縁、並びに後方抜止め片172と上フレーム上面によって、係合凸部170と後方取付孔169との係合状態を保持する離脱防止手段が構成されている。なお、図19に示すように、このように上下フレーム7,10を合体した状態では、上フレーム7に設けたブラケット取付部167と下フレーム10の側板との間に若干の隙間175を有している。
【0080】
このように上下フレーム7,10を合体した状態では、図21に示すように、上フレーム7のブラケット取付部167は下フレーム10の左右の固定片162,162の各内側かつ近傍に位置するようになる(図21では右方のみ示す)。
【0081】
このように上下フレーム7,10を合体して完成されたディスク再生機は、固定片162,163をアタッチメントケース160の被固定部164,165に取付けることにより、アタッチメントケース160と一体化される。そして固定片162,163を被固定部164,165に取付ける際、被固定部164と左右固定片162の延出端部162a相互間に寸法上の不一致があって延出端部162aが変位したとしても、その変位は下フレーム10の側面と固定片162との境界線(前記スリット173の下端及び切欠き174を結ぶ仮想の線)より固定片162側で吸収され、側板にはその影響が及ばない。まして、上フレーム7側に設けられたブラケット取付部167にその影響が及ぶことはない。
【0082】
しかも、上フレーム7に設けたブラケット取付部167と下フレーム10の側板との間に若干の隙間175をもたせているので、固定片162の変形がブラケット取付部167に伝播するのをより確実に抑えることができる。なお、上記隙間175は左右のブラケット取付部167と下フレーム10側板との少なくとも一方に設けるだけで、十分に上記効果を奏することができる。
【0083】
また、上下フレーム7,10をねじ止めにより合体せず、上フレーム7に設けた各後方取付孔169を下フレーム10の各係合凸部170に係合させた後、離脱防止手段により取付孔169と係合凸部170との係合状態を保持するようにしたことにより、上下フレーム7,10合体の際これらフレーム7,10に過剰な外圧がかかることはない。従って、フレームの素材となる金属板を薄くすることも可能となり、コスト削減及び軽量化を図ることができる。
【0084】
なお、図16以降の実施の形態では上フレーム7にブラケット取付部167、下フレーム10に固定片162,162,163を設けるものとして説明したが、上フレーム7に固定片、下フレーム10にブラケット取付部を設けてもよい。
【0085】
また、上フレーム7と下フレーム10との合体を、上フレーム7の前方及び後方取付孔169と、下フレーム10の前方抜止め片171及び係合凸部170との係合により行なうものとしたが、両フレーム7,10の取付け手段はねじ止めとしてもよい。また、係合凸部170と係合する係合凸部としては、後方取付孔169に代えて、窪みとしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】ディスク再生機を示す斜視図。
【図2】ディスク再生装置の分解斜視図。
【図3】上ユニットを示す平面図。
【図4】下ユニットからピックアップユニットとクランプ機構とを除いた状態を示す平面図。
【図5】ピックアップユニットを示す平面図。
【図6】スライド板と周辺部品との関係を示す側面図。
【図7】駆動力伝達手段を示す平面図。
【図8】クランプ機構を示す平面図。
【図9】クランプ動作を示す左側面図。
【図10】搬送ローラ機構を示す斜視図。
【図11】ディスク再生状態におけるスライド板とクランパとの関係を示す側面図。
【図12】ディスク再生状態における駆動力伝達手段を示す平面図。
【図13】スライド板と周辺部品との関係を示す側面図。
【図14】スライド板と周辺部品との関係を示す側面図。
【図15】クランプ機構を示す平面図。
【図16】アタッチメントケースとディスク再生装置との取付け関係を示す分解斜視図。
【図17】上フレームと下フレームとの関係を示す取付け分解斜視図。
【図18】上フレームを下フレームに取付ける過程を示す側面図。
【図19】前方抜止め片の屈曲状態を示す平面図。
【図20】抜止め小片の屈曲状態を示す説明図。
【図21】上フレームと下フレームとの関係を一部拡大して示す斜視図。
【符号の説明】
【0087】
7 上フレーム
10 下フレーム
13 ターンテーブル
14 ピックアップ
15 固定シャーシ
60 フローティングシャーシ
74 第一モータ
83 駆動力伝達手段
84 スライド板
96 ローラ位置切換部(カム面)
102 第二モータ
115 連結ギヤ(第七ギヤ)
122 クランパ
141 搬送ローラ
142 ローラブラケット
145 ローラギヤ
162 固定片
162a 延出端部
164 被固定部
167 ブラケット取付部
169
後方取付孔(係合凹部)
170
係合凸部
171
前方抜止め片(離脱防止手段)
172
後方抜止め片(離脱防止手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定シャーシ(15)と、
ディスクに記録された情報を読み取るピックアップ(14)、このピックアップを駆動する第一モータ(74)、ターンテーブル(13)及びこのターンテーブルを駆動する第二モータ(102)を搭載して前記固定シャーシにフローティング状態に支持されたフローティングシャーシ(60)と、
前記フローティングシャーシの一方の側板に取付けられ前記第一モータにより往復駆動されてクランパ(122)を前記ターンテーブルに対して離接するスライド板(84)と、
ディスク搬送位置において前記第一モータの駆動力を駆動力伝達手段(83)を介して伝達され、ディスクを再生位置又は取出し位置へ向けて搬送する搬送ローラ(141)と、
この搬送ローラを回転自在に支持すると共に、前記スライド板の移動により該搬送ローラをディスク搬送位置又は非搬送位置に選択的に位置させるローラブラケット(142)と、
前記スライド板の移動により前記フローティングシャーシを前記固定シャーシに対して適宜固定するフローティングシャーシ固定手段と、を具備したディスク再生装置において、
前記ローラブラケットを前記固定シャーシに取付け、前記スライド板は、その移動により前記搬送ローラを非搬送位置からディスク搬送位置へ移動させるローラ位置切換部(96)を有し、前記駆動力伝達手段は、前記フローティングシャーシに取付けられ前記第一モータに回転駆動される連結ギヤ(115)と、前記搬送ローラの一端部に設けられ該搬送ローラがディスク搬送位置へ移動したとき前記連結ギヤに噛合するローラギヤ(145)とを具備したことを特徴とするディスク再生装置。
【請求項2】
前記連結ギヤは、前記スライド板の近傍に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のディスク再生装置。
【請求項3】
前記ローラ位置切換部は前記ローラブラケットに摺接して前記搬送ローラの位置を非搬送位置からディスク搬送位置に切換えるカム面としたことを特徴とする請求項1に記載のディスク再生装置。
【請求項4】
前記ローラブラケットを、前記固定シャーシに回動自在に取付けたことを特徴とする請求項1に記載のディスク再生装置。
【請求項5】
前記フローティングシャーシ固定手段の一部を前記スライド板に設けたことを特徴とする請求項1に記載のディスク再生装置。
【請求項6】
互いに合体して前記固定シャーシを構成する上フレーム(7)及び下フレーム(10)のいずれか一方の左右側板には、そのディスクを挿出する側の前端部より延出してその延出端部(162a)を所定の被固定部(164,164)に取付ける固定片(162,162)を設け、他方のフレームの左右側部には、前記固定片の近傍位置において前記ローラブラケットを取付けるブラケット取付部(167)を設け、前記被固定部に対する前記延出端部の取付けにより該延出端部に生じた変位を前記固定片において吸収することを特徴とする請求項1に記載のディスク再生装置。
【請求項7】
前記固定片を設けたフレーム又は前記ブラケット取付部を設けたフレームのいずれか一方の左右側板に係合凸部(170)、他方のフレームに前記係合凸部と係合する係合凹部(169)をそれぞれ設けるとともに、前記係合凸部と前記係合凹部との係合状態を保持する離脱防止手段(171,172)を設けたことを特徴とする請求項6に記載のディスク再生装置。

【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図12】
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【図21】
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【図1】
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【図4】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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