説明

ディスク収納型ディスク装置

【課題】 複数のディスクのいずれかを選択して駆動するものであり、筐体内で選択位置で停止している支持体に対して、ディスクを確実に搬入できる「ディスク収納型ディスク装置」を提供することを目的とする。
【解決手段】 筐体2内の機構ベースに、突出ガイド部材341が設けられ、この突出ガイド部材341は、ディスク収納領域から離れる退避位置からディスク収納領域内へ突出する突出位置へ移動させられる。ディスクDが移送ローラ112,113で移送されるときに、最初は突出ガイド部材341が突出位置にあり、ディスクDが搬入されるにしたがって退避位置へ移動する。これにより、ディスクの外周縁の移動軌跡が変化しても、突出ガイド部材341でディスクDを常に支えて支持体21に導くことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筐体内部に複数枚のディスクが収納され、このディスクが選択されて駆動されるディスク収納型ディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記の特許文献1などには、筐体内に複数枚の支持体が収納されたディスクチェンジャが開示されている。このディスクチェンジャでは、筐体に開口する挿入口から挿入されたディスクが、それぞれの支持体に保持される。筐体内には、複数枚の支持体のいずれかを選択し、選択された支持体とその下に位置する支持体との間隔を広げる支持体選択手段が設けられている。
【0003】
特許文献1に記載のディスクチェンジャは、筐体内に、先部にターンテーブルを有する駆動ユニットが設けられ、この駆動ユニットは基端に位置する支持軸を支点として回動し、支持体に支持されたディスクの外周縁から外れる待機位置から筐体の内方へ向けて移動する。駆動ユニットは、その回動動作によって、選択された支持体とその下に位置する支持体との間の空間内に入り込み、選択された支持体に保持されているディスクがターンテーブルにクランプされる。
【0004】
この種のディスク装置では、駆動ユニットを回動させる動力や、支持体選択手段によって支持体を上下に移動させる動力、さらには、ディスクを挿入口から筐体内に搬入し、またはディスクを筐体内から挿入口へ搬出するための動力など、種々の動力の伝達経路が必要である。特許文献1に記載のディスクチェンジャでは、前記各動力の動力源であるモータや、モータの動力を切換える切換機構が、主に筐体の底面に集約して配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−63017号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記特許文献1に示されるディスクチェンジャは、複数の支持体のうちの支持体選択手段で選択されたものが、支持体の上下の移動領域の中間すなわち筐体の底面と天井面との中間の領域に停止させられる。しかし、選択位置に移動した支持体の周囲は何の機構も配置されておらず、筐体内において選択された支持体が孤立した状態である。また、支持体は、ディスクが供給されまたディスクが抜き出されるものであるため、支持体によってディスクの外周縁の全周を保持することはできず、その保持範囲は180度以下の角度範囲に限られる。
【0007】
選択された支持体に保持されたディスクの前記保持範囲から外れる部分は不安定である。そのため、駆動ユニットが、ディスクの外周縁から外れる待機位置からディスクをクランプする位置へ回動するときに、不安定なディスクの外周縁に移動途中のターンテーブルが当たるおそれがある。特に、車載用の場合には、車体振動によってディスクが振れやすいため、前記の問題が生じやすい。
【0008】
また、筐体の挿入口から挿入されたディスクが、移送ローラによって、選択された支持体に搬入されるときも、このディスクは、筐体内の上下の中間位置を通過するため、搬入されるディスクは移送ローラよりも筐体の内方において上下に振れやすくなり、支持体に確実に受け渡せず、支持体の保持領域以外の方向へ進行して支持体での保持が不能になる問題が生じやすい。
【0009】
また、駆動ユニットでの回転駆動が完了したディスクを、選択された支持体に受け渡した後に、駆動ユニットに設けられたターンテーブルをディスクの中心穴から抜き出すことが必要であるが、このときも、ディスクの前記保持範囲以外の部分が上下に動きやすいため、ターンテーブルをディスクの中心穴から確実に抜け出せないことがある。このような現象が生じると、ディスクが支持体とターンテーブルの双方に掛止された状態となり、その後の動作の続行が不可能になる。
【0010】
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、選択位置へ移動した支持体に保持されているディスク、または選択位置の支持体に搬入されるディスクを、筐体の上下の中間部分で必要なときに支えることができ、各種動作が確実に行えるようにしたディスク収納型ディスク装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、筐体(2)内に、ディスクを支持可能な支持体(21)が複数並べられたディスク収納領域(20)と、ディスク収納領域(20)内で支持体(21)をディスク厚み方向へ移動させていずれかの支持体(21)を選択位置(a)へ移動させる支持体選択手段(22)と、選択位置(a)にある支持体(21)に保持されたディスク(D)を回転駆動する駆動ユニット(14)と、選択位置(a)の支持体(21)に向けてディスク(D)を搬入する移送ユニット(17)と、駆動ユニット(14)によるディスク(D)の回転駆動が完了した後に、駆動ユニット(14)を選択位置(a)にある支持体(21)に接近させて、駆動ユニット(14)から支持体(21)へディスク(D)を受け渡す機構(54,61)とが設けられており、
筐体(2)内には、ディスク収納領域(20)での支持体(21)の移動領域の上限と下限との中間位置にある機構支持(15)が設けられ、この機構支持(15)には、ディスク収納領域(20)内のディスク(D)の外周縁の外側に位置する退避位置から、ディスク収納領域(20)内へ突出する突出位置との間で移動する突出ガイド部材(341)と、突出ガイド部材(341)を前記突出位置へ移動させる切換え部材(91)とが設けられ、
ディスク(D)が支持体(21)に受け渡されたときに、切換え部材(91)によって、突出ガイド部材(341)が前記突出位置へ移動させられ、支持体(21)に保持されたディスク(D)が突出ガイド部材(341)で支えられた状態で、駆動ユニット(14)が支持体(21)から離されることを特徴とするものである。
【0012】
本発明のディスク収納型ディスク装置では、筐体内での支持体の上下の移動領域の中間に機構支持部が設けられ、この機構支持部に突出ガイド部材が設けられている。そのため、筐体内の上下の中間位置である選択位置に停止している支持体に保持されたディスクを、筐体内で確実に支えることができる。
【0013】
上記のように、駆動ユニットをディスクから離すときに、ディスクを突出ガイド部材で支えることにより、ターンテーブルをディスクの中心穴から確実に抜き出すことが可能になる。
【0014】
また、支持体選択手段は、実施の形態のようにスパイラル状の選択溝を有する選択軸を用いるものである。あるいは、各支持体から突出する突起部分を、カムなどで動作させて、いずれかの支持体を選択するものであってもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明のディスク収納型ディスク装置では、支持体選択手段で選択されて筐体の空間内で停止している支持体に保持されているディスクを、必要なときに確実に支えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の1実施の形態のディスク収納型ディスク装置の全体構造を示す分解斜視図、
【図2】ディスク収納型ディスク装置を筐体の前面から見た正面図であり、(A)は主に筐体内の移送ユニットを示し、(B)は主に支持体と支持体選択手段および駆動ユニットとさらにロック部材を示す、
【図3】筐体の底部に位置している第1の動力伝達部の構造を動作別に示す平面図であり、支持体選択動作中を示す、
【図4】筐体の底部に位置している第1の動力伝達部の構造を動作別に示す平面図であり、駆動ユニットが介入位置へ移動したときの動作状態を示す、
【図5】筐体の底部に位置している第1の動力伝達部の構造を動作別に示す平面図であり、ディスク回転駆動中を示す、
【図6】駆動ユニットとユニット支持ベースを示す動作別の平面図であり、駆動ユニットが退避位置にある状態を示す、
【図7】駆動ユニットとユニット支持ベースを示す動作別の平面図であり、駆動ユニットが介入位置へ回動した状態を示す、
【図8】第2の動力伝達部の構造を動作別に示す平面図であり、移送ユニットが待機位置にあり、挿入口がシャッタで閉鎖されているときの動作状態を示す、
【図9】第2の動力伝達部の構造を動作別に示す平面図であり、移送ユニットが移送動作位置に移動し、挿入口のシャッタが開放されたときの動作状態を示す、
【図10】第2の動力伝達部の一部を示すもので、(A)は機構ベースの下に配置された機構を示し、(B)が機構ベースの上に配置された歯車機構を示すものであり、駆動ユニットが退避位置にあるときの動作状態を示す、
【図11】第2の動力伝達部の一部を示すもので、(A)は機構ベースの下に配置された機構を示し、(B)が機構ベースの上に配置された歯車機構を示すものであり、駆動ユニットが介入位置へ回動したときの動作状態を示す、
【図12】第2の動力伝達部に設けられた切換え部材の動作を示す部分拡大平面図であり、初期状態を示す、
【図13】第2の動力伝達部に設けられた切換え部材の動作を示す部分拡大平面図であり、第2の突出ガイド部材が突出し、且つシャッタが開放されたときの動作状態を示す、
【図14】第2の動力伝達部に設けられた切換え部材の動作を示す部分拡大平面図であり、回転駆動完了後のディスクを支持体に収納するときの動作状態を示す、
【図15】第1の突出ガイド部材と第2の突出ガイド部材が突出した状態を示す断面図、
【図16】第3の動力伝達部を示すものであり、移送ユニットの回動支点の構造を示す分解斜視図、
【図17】筐体の前面に設けられたシャッタの動作を示す斜視図であり、(A)は挿入口が閉鎖された状態、(B)は挿入口が開放された状態を示す、
【図18】待機位置にある移送ユニットによって、支持体に向けてディスクが搬入される状態を示す平面図、
【図19】移送動作位置にある移送ユニットによって、支持体に向けてディスクが搬入される状態を示す平面図、
【図20】支持体にディスクが保持された状態を示す平面図、
【図21】ディスクがターンテーブルで回転駆動されている駆動モードを示す平面図、
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は本発明の1実施の形態のディスク収納型ディスク装置の全体構造を示す分解斜視図である。図2はディスク収納型ディスク装置を筐体の前面から見た正面図であり、(A)は主に筐体内の移送ユニットを示し、(B)は主に支持体と支持体選択手段および駆動ユニットを示す。図3ないし図5は筐体の底部に位置している第1の動力伝達部の構造を動作別に示す平面図、図6と図7は、駆動ユニットとユニット支持ベースを示す動作別の平面図である。図8と図9は第2の動力伝達部の構造を動作別に示す平面図である。図10(A)は、第2の動力伝達部での歯車の噛み合い切換え機構および第1の突出ガイド部材の切換機構を示す透視平面図、図10(B)は、図10(A)に対応した歯車の切換え動作および第1の突出ガイド部材の切換え動作を示す平面図、図11(A)も、第2の動力伝達部での歯車の噛み合い切換え機構および第1の突出ガイド部材の切換機構を示す透視平面図、図11(B)は、図11(A)に対応した歯車の切換え動作および第1の突出ガイド部材の切換え動作を示す平面図である。図12ないし図14は、第2の動力伝達部に設けられた第2の突出ガイド部材の切換え機構および移送ユニットのロック機構を動作別に示す部分平面図である。図15は、第1の突出ガイド部材と第2の突出ガイド部材のガイド機能を説明する部分断面図である。図16は、第3の動力伝達部を示すものであり、移送ユニットの回動支点の構造を示す分解斜視図である。図17(A)(B)は、筐体の前面に設けられたシャッタの開閉動作を示す部分斜視図である。図18ないし図21は、ディスクの搬入動作と支持体でのディスクの保持動作を示す平面図である。
【0018】
(全体構造)
図1に示すディスク収納型ディスク装置1は、箱型の筐体2を有している。この筐体2の基準方向は、Z1側が下側、Z2側が上側、X1側が左側、X2側が右側、Y1側が手前側、Y2側が奥側である。またX1−X2方向が横方向、Y1−Y2方向が奥行き方向である。
【0019】
筐体2は、下側から上側に向けて、下部筐体3、中間筐体4および上部筐体5が順に重ねられて組み立てられている。下部筐体3は筐体2の底面6を有し、中間筐体4は、筐体2の前面7と右側面8を有している。上部筐体5は、筐体2の左側面9と後側面10および天井面11を有している。
【0020】
下部筐体3の底面6の上面には、第1の動力伝達部12が設けられている。第1の動力伝達部12の上には、ユニット支持ベース13が支持され、このユニット支持ベース13の上に、駆動ユニット14が搭載されている。中間筐体4の上部には、底面6と平行な機構ベース15が機構支持部として設けられており、この機構ベース15の上に、第2の動力伝達部16が設けられている。中間筐体4では、前記機構ベース15の下側で且つ前面7の内側に、移送ユニット17が設けられている。この移送ユニット17の左側(X1側)の端部と、前記下部筐体3の底面6との間に、第3の動力伝達部19が設けられている。この第3の動力伝達部19は、ローラ駆動手段として機能している。
【0021】
上部筐体5では、左側面9と後側面10および天井面11で囲まれた領域がディスク収納領域20となっており、このディスク収納領域20には、それぞれがディスクDを支持可能な複数の支持体21が設けられている。この実施の形態では、支持体21が6枚設けられており、支持体21は厚み方向に重ねられて配置されている。上部筐体5には、支持体選択手段22が設けられており、この支持体選択手段22の動作により、6枚の支持体21のいずれかが選択されて図2(B)に示す選択位置(a)に移動させられるとともに、選択された支持体21とその下に隣接する支持体21との間隔が広げられる。
【0022】
前記ディスクDは、直径が12cmであり、例えばCD(コンパクト・ディスク)、CD−ROM、DVD(ディジタル・バーサタイル・ディスク)などである。
【0023】
図1および図2(A)(B)に示すように、筐体2の前面7には、挿入口23が開口している。この挿入口23はスリット状であり、上下方向の幅寸法がディスクDの厚み寸法よりもわずかに大きく、横方向の開口幅寸法Wが、ディスクDの直径よりもわずかに広い。
【0024】
図2(A)に示すように、前記移送ユニット17は、挿入口23と同じ高さ位置にあり、挿入口23から挿入されたディスクDが、移送ユニット17によって前記ディスク収納領域20に向けて移送される。図2(B)に示すように、複数枚の前記支持体21のうちの、選択位置(a)に至った支持体21は、挿入口23と同じ高さ位置となり、挿入口23から挿入されたディスクDは、前記移送ユニット17で移送されて、選択位置(a)の支持体21の下面(Z1側の面)に供給されて支持される。
【0025】
図20は、筐体2を天井面11側から見た平面図である。筐体2の前面7に形成されている挿入口23の幅寸法Wを二分し且つ前面7と直交して筐体2の内方に延びる仮想線を挿入中心線Oaとしている。ディスク収納領域20の支持体21に支持されているディスクDの中心D0は、挿入中心線Oaから左側(X1側)へ距離δだけ離れた位置にある。前記距離δは、ディスクDの直径の1/10以上である。
【0026】
図6では、駆動ユニット14が退避位置にあるが、このときの駆動ユニット14は、挿入中心線Oaから右側(X2側)に離れた位置で、右側面8のすぐ内側に位置し、支持体21に支持されたディスクDの外周縁からわずかに離れた位置にある。図8では、移送ユニット17が待機位置にあるが、このときの移送ユニット17は、前面7のすぐ内側で且つ支持体21に支持されたディスクDの外周縁からわずかに離れた位置にある。
【0027】
図19に示すように、駆動ユニット14は筐体2内において時計方向へ回動してその回動終了位置である介入位置に至り、移送ユニット17は反時計方向へ回動してその回動終了位置である移送動作位置に至るが、駆動ユニット14の回動領域と、移送ユニット17の回動領域は、筐体2内において重複する部分がある。しかし、図18に示すように駆動ユニット14が時計方向へ回動して介入位置で停止しているときに、移送ユニット17が退避位置と移送動作位置との間で回動するように動作するため、駆動ユニット14と移送ユニット17とが互いに当たることはない。ディスク収納領域20、駆動ユニット14および移送ユニット17をこのように配置することにより、筐体2の内部スペースを効率よく使用できる。筐体2内では、手前側に移送ユニット17が、奥側にディスク収納領域20が設けられた配置であるため、筐体2の奥行き寸法を可能な限り短くできる。この実施の形態では、筐体2の奥行き寸法(Y1−Y2方向の寸法)が、いわゆる1DINサイズ未満である。
【0028】
図1および図2(A)に示すように、中間筐体4の機構ベース15は、駆動ユニット14および移送ユニット17よりも上方に位置しているが、この機構ベース15の筐体2の内方(図示X1方向)に向けられた内縁15aは、ディスク収納領域20の支持体21に支持されたディスクDの外周縁からわずかに離れている。図2(B)に示すように、ディスク収納領域20内の支持体21は、筐体2の底面6の上側の直近位置から天井面11の内側直近まで上昇することが可能となっている。よって、前記機構ベース15は、ディスク収納領域20での、支持体21の上下の移動領域の中間の高さに位置し、且つディスク収納領域20内に収納されているディスクDの外周縁に当たらないように、筐体2の前面7の内側および右側面8の内側に沿って配置されている。
【0029】
(第1の動力伝達部)
図3ないし図5を参照して、筐体2の底面6上に設けられた前記第1の動力伝達部12の構造を説明する。
【0030】
図1に示すように、前記下部筐体3の前方には前方折曲げ片3aが底面6から垂直に折り曲げられている。同様に、後方には後方折曲げ片3bが、右側には右側折曲げ片3cが、底面6から垂直に折り曲げられている。
【0031】
第1の動力伝達部12を構成する各部材は、ディスク収納領域20内に収納されているディスクDの外周縁に当たらないように、筐体2の前面7の内側および右側面8の内側に沿って配置されている。よって、ディスク収納領域20内の最下端の支持体21は、底面6に接近する位置まで下降でき、このとき第1の動力伝達部12を構成する部材が、支持体21に保持されたディスクDの外周縁に当たらないように構成されている。
【0032】
図3に示すように、前記第1の動力伝達部12では、底面6上に、Y1−Y2方向へ直線的に移動するスライダ31と、このスライダ31を図示しない連結部材を介して移動させるラック部材32とが設けられている。前面7の直ぐ内側では、底面6上に、第1の動力伝達部12の駆動源である第1のモータM1が固定されており、この第1のモータM1の出力軸にウォーム歯車33が固定されている。第1のモータM1の回転動力は、減速歯車34,35,36を介してピニオン歯車37に伝達される。このピニオン歯車37が、前記ラック部材32の歯と噛み合っている。
【0033】
スライダ31の上には、切換レバー38が設けられている。切換レバー38の奥側(Y2側)の端部は、軸39によってスライダ31に回動自在に支持されている。切換レバー38の手前側(Y1側)の端部には、上方に向けて切換駆動ピン41が突出している。切換レバー38には、切換駆動ピン41と同軸で下方へ延びる姿勢制御ピンが設けられており、この姿勢制御ピンが底面6に形成された図示しないカム穴内に挿入されている。スライダ31と共に切換レバー38がY1方向へ移動するときに、前記カム穴の形状に伴なって切換レバー38の位置および姿勢が制御される。
【0034】
底面6上にはロック切換え部材42が設けられている。このロック切換え部材42は、平面形状が円弧状の部分を有する金属板であり、2箇所に円弧状の摺動長穴42a,42aが形成されている。図1にも示すように、底面6上には案内ピン43,43が突出し、それぞれの案内ピン43が摺動長穴42a内に挿入されている。前記摺動長穴42a,42aが前記案内ピン43,43を摺動することにより、ロック切換え部材42が、円弧軌跡に沿って筐体2の奥側である(b)方向と、筐体2の手前側である(c)方向とへ摺動できるようになっている。
【0035】
底面6上には、連結回動レバー44が回動自在に支持されている。この連結回動レバー44とラック部材32とはカム部(図示せず)を介して連結されており、連結回動レバー
44は、ラック部材32のY1方向への移動過程の途中で、2段階の動作で反時計方向へ回動させられる。ロック切換え部材42にはその幅方向に延びる連結長穴42bが形成され、連結回動レバー44の先部に設けられた連結ピン45が、前記連結長穴42b内に挿入されている。図5に示すように、ラック部材32のY1方向への移動力によって連結回動レバー44が反時計方向へ回動させられると、この連結回動レバー44の回動力によって、ロック切換え部材42が(c)方向へ移動させられる。
【0036】
ロック切換え部材42の奥側(Y2側)の端部には、切換え長穴42cが形成されている。底面6の奥側には、軸51によって回動自在に支持された伝達部材52が設けられている。この伝達部材52の手前側の端部には連結ピン53が固定され、この連結ピン53が前記切換え長穴42c内に挿入されている。
【0037】
図1にも示すように、後方折曲げ片3bの内側にはロック部材54が設けられている。このロック部材54は板状であり、後方折曲げ片3bの内側においてX1−X2方向へ直線的に移動できるように支持されている。
【0038】
図1および図3に示すように、ロック部材54には、その下縁から底面6に沿う方向へ折り曲げられた折曲げ片54aが設けられ、この折曲げ片54aに長穴54bが形成されている。前記伝達部材52の奥側の端部には、連結ピン55が固定されており、この連結ピン55が長穴54b内に挿入されている。ロック切換え部材42が図4の位置から(c)方向へ移動するときに、切換え長穴42cによって伝達部材52が反時計方向へ回動させられ、これによってロック部材54がX1方向へ移動させられる。
【0039】
図1に示すように、前記ロック部材54には、ロック制御穴56が開口している。このロック制御穴56は、X1側において底面6に接近する位置に形成されている拘束部56aと、この拘束部56aよりもX2側に位置し且つ拘束部56aよりも上側に位置している持ち上げ部56bと、前記拘束部56aと持ち上げ部56bとを連続させる傾斜部56cとを有している。さらに前記持ち上げ部56bのX2側の端部には、比較的大きな円形の逃げ穴56dが形成されている。
【0040】
下部筐体3の前方折曲げ片3aの内側にもロック部材61が設けられている。このロック部材61は、図2(B)に図示されている。ロック部材61はロック切換え部材42に連結されており、前方折曲げ片3aの内側でX1−X2方向へ摺動自在に支持されている。図1と図3に示すように、ロック切換え部材42が(b)方向へ移動しているときには、図2(B)に示すように、ロック部材61がX2側に位置しており、ロック切換え部材42が(c)方向へ移動するときに、ロック切換え部材42の移動力によって、ロック部材61がX1方向へ移動させられる。
【0041】
図2(B)に示すように、ロック部材61には、一対のロック制御穴62が開口している。それぞれのロック制御穴62には、X1側において底面6に接近する位置に形成されている拘束部62aと、この拘束部62aよりもX2側に位置し且つ拘束部62aよりも上側に位置している持ち上げ部62bと、拘束部62aと持ち上げ部62bとを連続させる傾斜部62cとを有している。さらに前記持ち上げ部62bのX2側の端部には、比較的大きな円形の逃げ穴62dが形成されている。
【0042】
前記第1の動力伝達部12の動作を説明すると、図1および図3に示すように、ラック部材32が奥側(Y2側)の始端に移動しているときには、スライダ31と切換レバー38がY2側に位置している。このとき、連結回動レバー44が時計方向へ回動しており、ロック切換え部材42は(b)方向へ移動している。そして、図1に示すロック部材54および図2(B)に示すロック部材61は、共にX2側へ移動している。
【0043】
第1のモータM1の動力によって、ラック部材32が図3の位置から図示Y1方向へ移動させられて図4に示す位置に至る間に、スライダ31および切換レバー38がラック部材32と一緒に図示Y1方向へ移動し、その最終行程において、切換レバー38がやや時計方向へ回動させられる。ただし、ラック部材32が図3の位置から図4の位置に至る間、連結回動レバー44が回動させられることはなく、ロック切換え部材42は(b)方向に移動した位置で停止しており、(c)方向へは移動しない。
【0044】
ラック部材32が図4の位置からさらにY1方向へ短い距離だけ移動するときには、スライダ31とラック部材32とを連結している図示しない連結部材の制御動作および底面6に形成された図示しないカム穴の制御動作により、スライダ31および切換レバー38は図4に示す位置から動かず、連結回動レバー44が反時計方向へ回動し、ロック切換え部材42が(c)方向へ移動させられて、ロック部材54とロック部材61が、X1方向へ、その全移動範囲のほぼ半分の距離だけ移動させられる。
【0045】
その後、ラック部材32がY1方向へ移動して図5に示す位置まで至るときは、その行程の前段階で、連結回動レバー44が回動せずに、スライダ31と切換レバー38がY1方向へ移動する。その後は、スライダ31と切換レバー38が、それ以上はY1方向へ動くことはなく、連結回動レバー44がさらに反時計方向へ回動させられ、図5に示すように、ロック切換え部材42が(c)方向へ摺動させられる。ロック切換え部材42が図5に示す位置へ回動すると、ロック部材54がX1方向への最終位置まで移動させられ、さらにロック部材61もX1方向の最終位置へ移動させられる。ロック切換え部材42が図5の位置に至る直前に、スライダ31上の切換レバー38が時計方向へ大きく回動させられる。
【0046】
(ユニット支持ベースと駆動ユニット)
図1に示すユニット支持ベース13は、金属板を折り曲げて形成したものである。このユニット支持ベース13の手前には前方折曲げ片13aが設けられ、この前方折曲げ片13aは、下部筐体3の前方折曲げ片3aの内側に平行に設置される。ユニット支持ベース13には後方折曲げ片13bが形成されており、この後方折曲げ片13bが、下部筐体3の後方折曲げ片3bの内側に平行に設置される。また、ユニット支持ベース13の側部折曲げ片13cは、下部筐体3の右側折曲げ片3cの内側に平行に設置される。
【0047】
図6と図7にも示すように、ユニット支持ベース13の内縁13dは凹状の円弧形状であり、内縁13dは、図1に示すディスク収納領域20の支持体21に支持されたディスクDの外周縁からわずかに離れた位置にある。
【0048】
図1および図6、図7に示すように、下部筐体3の底面6上の3箇所には,弾性支持部材であるダンパー71,72,73が固定されている。このダンパー71,72,73は、ゴムなどの可撓性の袋体の内部に、オイルなどの液体または気体が封入されているものである。あるいは前記袋体と共に圧縮コイルスプリングが組み合わされているものである。
【0049】
図6と図7に示すように、ユニット支持ベース13の底面の3箇所には支持軸74,75および76が下方に向けて垂直に固定されており、支持軸74は前記ダンパー71に支持され、支持軸75はダンパー72に支持され、支持軸76はダンパー73に支持されている。ユニット支持ベース13は、各ダンパー71,72および73によって、底面6上で弾性支持可能となっている。
【0050】
ユニット支持ベース13の後方折曲げ片13bにはY2方向へ突出する1本の拘束軸77が設けられており、この拘束軸77が、図1に示したロック部材54のロック制御穴56内に挿入されている。ユニット支持ベース13の前方折曲げ片13aには、Y1方向へ突出する一対の拘束軸78,78が設けられており、拘束軸78は、図2(B)に示すロック部材61のロック制御穴62内にそれぞれ挿入されている。
【0051】
図6と図7に示すように、駆動ユニット14は、細長い駆動ベース81を有している。ユニット支持ベース13の奥側(Y2側)には、支持軸84が上向きに垂直に突出しており、駆動ベース81が前記支持軸84に支持されて、駆動ユニット14がX−Y平面に沿って回動自在となっている。
【0052】
駆動ユニット14の回動範囲は、図6に示す退避位置から、図7および図18ないし図21に示す介入位置までである。図6に示すように、駆動ユニット14が退避位置にあるとき、駆動ユニット14の回動自由端側に位置している回転駆動部であるターンテーブル82が筐体2の前面7側に位置し、駆動ベース81の側辺が、筐体2の右側面8の直近でこの右側面8と平行に位置している。そして、退避位置にある駆動ユニット14は、ディスク収納領域20の支持体21に支持されるディスクDの外周縁からわずかに離れている。
【0053】
図7および図18ないし図21に示すように、駆動ユニット14が介入位置へ回動すると、ターンテーブル82が、ディスク収納領域20の内部へ移行する。この介入位置では、ターンテーブル82の回転中心が、選択位置(a)に移動している支持体21に支持されたディスクDの中心穴の下側において一致する。
【0054】
図6に示すように、ユニット支持ベース13には、前記支持軸84を中心とする所定の半径の円弧状に形成された円弧案内部13eが設けられている。この円弧案内部13eは、ユニット支持ベース13を貫通する円弧長穴である。また、駆動ユニット14の駆動ベース81の下面には駆動軸88が垂直に固定されており、この駆動軸88が前記円弧案内部13e内に移動自在に挿通されている。
【0055】
図6に示すように、ユニット支持ベース13の下面には、駆動部材である駆動スライダ85が設けられ、この駆動スライダ85は、Y1−Y2方向へ摺動自在に支持されている。駆動スライダ85には、駆動穴86およびこの駆動穴86に連続する逃げ部86bが形成されている。第1の動力伝達部12の切換レバー38に固定された切換駆動ピン41は前記駆動穴86に挿入されており、切換レバー38がY1方向へ移動するときに、この切換駆動ピン41によって、駆動スライダ85がY1方向へ移動させられる。
【0056】
駆動スライダ85とユニット支持ベース13との間には、前記駆動軸88を駆動する駆動リンク機構(図示せず)が搭載されており、駆動スライダ85が図3に示すY2側の始端からY1方向へ移動して図4に示す位置へ至る間に、前記駆動リンク機構によって駆動軸88が時計方向へ押され、駆動ユニット14が図6に示す退避位置から図7に示す介入位置へ回動させられる。
【0057】
駆動ユニット14の駆動ベース81の回動自由端側には、スピンドルモータが搭載され、このスピンドルモータのモータ軸82aに、前記ターンテーブル82が固定されている。図1にも示されるように、ターンテーブル82は、ディスクDの中心穴Da内に入り込む中心凸部82bと、この中心凸部82bから周囲に延びるフランジ部82cとを有している。ターンテーブル82内にはクランプ機構が搭載されている。このクランプ機構は、前記中心凸部82bから放射状に突出するクランプ爪を有している。クランプ爪が中心凸部82b内に退行しているときが非クランプモードであり、中心凸部82bがディスクDの中心穴Da内に入り込むことができる。クランプ爪が突出するとクランプモードとなり、ディスクDの中心穴Daの周縁部が、クランプ爪とフランジ部82cとで挟持されて、ディスクDがターンテーブル82にクランプされる。
【0058】
駆動ユニット14の駆動ベース81には、前記クランプ爪を動作させるクランプ切換え機構が搭載されている。ラック部材32が図4の位置へ移動して、駆動ユニット14が介入位置へ移動した後に、さらにラック部材32がY1方向へ移動し、駆動スライダ85がY1方向へ移動するときの駆動力によって、前記クランプ切換え機構が動作し、クランプ爪が、非クランプモードからクランプモードに切換えられる。
【0059】
図6と図7に示すように、駆動ベース81には光ヘッド83が設けられている。この光ヘッド83の上面には対物レンズ83aが設けられている。駆動ベース81にはスレッド機構が設けられ、このスレッド機構により、光ヘッド83はターンテーブル82に接近する位置から、ターンテーブル82から離れる方向へ向けて移動させられる。このとき、光ヘッド83の対物レンズ83aは、ターンテーブル82にクランプされたディスクDの半径方向に移動できるようになっている。
【0060】
(第2の動力伝達部)
次に、図8と図9を参照して、中間筐体4に設けられた第2の動力伝達部16の構造を説明する。
【0061】
第2の動力伝達部16では、中間筐体4の機構ベース15の上に、円弧形状の切換え部材91が設けられている。切換え部材91には、円弧軌跡に沿って延びる一対の案内長穴91a,91aが形成されている。機構ベース15上には一対の案内軸92,92が上向きに突出して固定されており、それぞれの案内軸92が前記案内長穴91a内に挿入されている。この支持機構により、切換え部材91は円弧軌跡に沿って(d)方向および(e)方向へ摺動自在に案内されている。また、切換え部材91の外周側の縁部には円弧軌跡に沿ってラック歯91bが形成されている。
【0062】
機構ベース15は、ディスク収納領域20内の支持体21が上下へ移動する昇降移動範囲の高さの中間に位置しているため、切換え部材91も、支持体21の昇降移動範囲の高さの中間に位置している。そして、ディスク収納領域20に収納されているディスクDの外周縁の外側において、切換え部材91は、ディスクの外周縁に沿う円弧軌跡で移動する。
【0063】
機構ベース15上には、第2のモータM2が設けられている。この第2のモータM2の回転軸にはウォーム歯車93が固定されている。機構ベース15上には出力歯車94が設けられ、この出力歯車94が前記ウォーム歯車93に常に噛み合っている。
【0064】
第2のモータM2の回転動力は、前記出力歯車94から第1の切換え歯車95および歯車96を経てピニオン歯車97に減速して伝達される。第1の切換え歯車95は、出力歯車94に噛み合う位置と、出力歯車94から外れる位置とに切換えられる。前記ピニオン歯車97は、前記切換え部材91のラック歯91bと常に噛み合っている。前記出力歯車94の側方には、第2の切換え歯車98が設けられている。第2の切換え歯車98は、第2のモータM2の動力を、図1に示す支持体選択手段22に伝達させるためのものである。第1の切換え歯車95が出力歯車94に噛み合っているときに、第2の切換え歯車98が出力歯車94から離され、第1の切換え歯車95が出力歯車94から離れるときに、第2の切換え歯車98が出力歯車94に噛み合わされる。
【0065】
図1および図8と図9に示すように、機構ベース15の下には前記移送ユニット17が設けられている。図2(A)および図16に示すように、移送ユニット17は、X1−X
2方向へ向けて細長く延びる金属製のユニット枠100を有している。ユニット枠100は、上面101と下面102および支点側の側面103と自由端側の側面104を有し、ユニット枠100の内部はY1−Y2方向に貫通している。ユニット枠100の内部には、低摩擦係数の合成樹脂で形成された摺動部材105が設けられている。この摺動部材105は、ユニット枠100の上面101の内面に沿って延びる挟持部106と、支点側の側面103の内側に位置する側部案内部107と、自由端側の側面104の内側に位置する側部案内部108とを有している。側部案内部107と側部案内部108との対向間隔は、ディスクDの直径よりも広く、また図2(A)に示すように、挿入口23の開口幅寸法Wとほぼ同じか、それよりもやや広く形成されている。
【0066】
図18ないし図21に示すように、移送ユニット17では、ユニット枠100内にローラ軸111が設けられている。このローラ軸111は、ユニット枠100の上面101と平行に延び、その両端は前記支点側の側面103と自由端側の側面104に回動自在に支持されている。前記ローラ軸111の外周に合成ゴムや天然ゴムなどの摩擦係数の高い材料で形成された第1の移送ローラ112と第2の移送ローラ113が設けられている。この移送ローラ112と移送ローラ113は、軸方向に間隔を空けて配置されている。移送ユニット17が図18、図20および図21に示す待機位置にあるとき、移送ローラ112と移送ローラ113は、筐体2の前面7とほぼ平行で、且つ挿入中心線Oaから左右に等距離離れた位置に配置されている。
【0067】
第1の移送ローラ112と第2の移送ローラ113との中間に位置する中間部114は、ディスクDに対して実質的に移送力を与えない部分である。この中間部114は、両移送ローラ112,113と一体で且つ両移送ローラ112,113よりも小径に形成されているか、またはローラ軸111が直接に露出して形成されている。
【0068】
図2(A)および図16に示すように、第1の移送ローラ112と第2の移送ローラ113は、前記摺動部材105の挟持部106に対向している。移送ローラ112,113と挟持部106の少なくとも一方がばねで付勢されて、移送ローラ112,113と挟持部106とが互いに弾性的に圧接されている。よって、移送ローラ112と挟持部106、および移送ローラ113と挟持部106とでディスクDを挟持可能である。なお、この圧接状態では、中間部114と挟持部106との隙間が、ディスクDの厚み寸法よりも広くなっており、中間部114と挟持部106との間でディスクDが挟持されることはない。
【0069】
第1の移送ローラ112および第2の移送ローラ113は、ローラ軸111の外周に接着することなくローラ軸111の外周に回転自在に挿通されている。ディスクDに対する挟持圧が移送ローラ112,113に作用しているときには、移送ローラ112,113とローラ軸111との摩擦力が増大して、ローラ軸111と移送ローラ112,113が一体となって回転する。また、挟持中のディスクDが人の指で掴まれたときのように、移送されるディスクDに大きな抵抗力が与えられると、移送ローラ112,113に対してローラ軸111がスリップ回転できるように構成されている。
【0070】
なお、この実施の形態では、挟持部106が低摩擦係数の合成樹脂材料で形成されているが、この挟持部106が、自由に回転できるローラであってもよい。
【0071】
移送ユニット17は、図示X1側の端部を支点として、図8などに示す待機位置から、図9などに示す移送動作位置に向けて回動できる。待機位置では、ユニット枠100が、ディスク収納領域20内の支持体21に支持されているディスクDの外周縁からわずかに離れている。図19に示すように、移送ユニット17が反時計方向へ回動して移送動作位置に至ると、移送ローラ112と113との中間点を通り、各移送ローラ112,113
の軸芯と垂直に延びる仮想線である搬送中心線Obが、複数の支持体21を有するディスク収納領域20に向けられる。
【0072】
図1と図2(A)および図16に示すように、移送ユニット17の回動支点となる支点軸131は、下部筐体3の底面6において、上方へ垂直に延びるように固定されている。図16に示すように、移送ユニット17には、X1側の端部にローラ軸111と直交する方向に延びる軸受部129が設けられており、この軸受部129が前記支点軸131に回動自在に支持されている。この支点軸131と軸受部129は、移送ユニット17で移送されるディスクDの外周から離れた位置に設置されている。
【0073】
図8と図9に示す第2の動力伝達部16では、中間筐体4の機構ベース15のX1側に円弧状の案内穴15bが開口し、X2側にも円弧状の案内穴15cが開口している。案内穴15bと案内穴15cは、共に前記支点軸131を曲率中心とした円弧軌跡に沿って延びている。
【0074】
移送ユニット17のユニット枠100の上面101では、支点軸131に近い位置に上方へ垂直に延びる案内軸132が固定され、支点軸131から離れた自由端側には、同じく上方へ垂直に延びる駆動軸133が固定されている。図8と図9に示すように、案内軸132は前記案内穴15b内に下から上方に向けて挿通され、駆動軸133も案内穴15c内に下から上方に向けて挿通されている。駆動軸133の先端は機構ベース15の上方へ突出しており、機構ベース15の上において、駆動軸133に回動リング134が回動自在に設けられている。
【0075】
機構ベース15の上には、駆動レバー135が設けられている。この駆動レバー135の基部は、軸136を介して機構ベース15に回動自在に支持されている。駆動レバー135には、駆動長穴135aが開口しており、前記駆動軸133の外周に設けられた前記回動リング134が、この駆動長穴135aの内部に挿入されている。
【0076】
機構ベース15上に設けられている前記切換え部材91には、ユニット制御長穴137が開口している。前記駆動レバー135の上面には伝達軸138が垂直に突出しており、この伝達軸138が、ユニット制御長穴137に下から上方へ向けて挿入されている。
【0077】
前記ユニット制御長穴137には、非作用部137aが形成されている。この非作用部137aは円弧軌跡に沿って形成されているが、この円弧軌跡の曲率中心は、切換え部材91が(d)−(e)方向へ摺動するときの円弧軌跡の曲率中心に一致している。したがって、図8に示すように、伝達軸138が非作用部137a内に位置しているときに、切換え部材91が(d)−(e)方向へ摺動しても、その移動力が伝達軸138に作用しない。
【0078】
前記ユニット制御長穴137では、前記非作用部137aのY1側に連続して駆動傾斜部137bが設けられ、さらにそのY1側の端部に保持部137cが形成されている。保持部137cは、非作用部137aよりも、切換え部材91の摺動軌跡の曲率中心に近い側に位置している。
【0079】
切換え部材91が、図8の位置からさらに(e)方向へ摺動して図9の位置に至る間に、伝達軸138が駆動傾斜部137bに移行し、この駆動傾斜部137bによって伝達軸138が反時計方向へ移動させられ、駆動レバー135が反時計方向へ回動させられる。その結果、移送ユニット17が、支点軸131を支点として反時計方向へ回動し、移送動作位置に至る。さらに切換え部材91が(e)方向へ移動すると、図9に示すように、駆動軸133が案内穴15cのY2側端部に位置し、且つ伝達軸138がユニット制御長穴137の保持部137cに保持されて、移送ユニット17が移送動作位置で拘束される。
【0080】
この実施の形態では、切換え部材91に設けられたユニット制御長穴137および駆動レバー135とで、移送ユニット回動手段が構成されている。
【0081】
図13ないし図14に示すように、筐体2の前面7の内側では、機構ベース15上に移動ユニット17を待機位置で規制するロック機構が設けられている。機構ベース15上には、軸162が固定されており、この軸162にロック部材161が回動自在に支持されている。軸162にはトーションばね164が装着され、その一方の腕部は、機構ベース15に一体に折り曲げ形成されたばね掛け部15dに掛けられ、他方の腕部はロック部材161に掛けられており、このトーションばね164によって、ロック部材161が反時計方向へ付勢されている。図13に示すように、機構ベース15上にはストッパ15eが一体に折り曲げ形成されており、ロック部材161が、ストッパ15eに当たったときが、その反時計方向への回動範囲の限界位置となる。
【0082】
ロック部材161の、切換え部材91に対向する縁部には保持凹部161aが形成されている。ロック部材161には、保持凹部161aの先部に摺動突起163が固定されている。この摺動突起163は、円柱状のピンである。前記駆動レバー135には、掛止突起139が設けられている。また前記切換え部材91の右縁には、解除カム部91cが突出して形成されている。この解除カム部91cは、突曲線形状である。
【0083】
図8および図14に示すように、切換え部材91が(d)方向へ移動し、ユニット制御長穴137の非作用部137aによって、駆動レバー135が時計方向へ回動させられているときには、駆動レバー135に設けられた掛止突起139が、ロック部材161の保持凹部161aに保持されている。よって駆動レバー135は、時計方向へ回動した状態でロックされており、移送ユニット17が待機位置で動かないように規制されている。したがって、移送ユニット17が待機位置にあり、ディスク収納領域20内の支持体21が上下に移動して支持体の選択動作が行われているとき、または、ターンテーブル82にクランプされたディスクDが回転駆動されているときに、車体振動などが作用しても、移送ユニット17が待機位置から反時計方向へ回動することがなく、移送ユニット17がディスクDに当たるのを防止できる。また、移送ユニット17が待機位置で拘束されているため、車体振動などが作用したときに移送ユニット17ががたつくのを規制できる。
【0084】
図13に示すように、切換え部材91が(e)方向へ移動するときは、伝達軸138がユニット制御長穴137の駆動傾斜部137bに入り込む直前に、切換え部材91に形成された解除カム部91cにより摺動突起163が押されて、ロック部材161が時計方向へ回動させられる。このとき、保持凹部161aによる掛止突起139の保持が解除される。よって、さらに切換え部材91が(e)方向へ移動するときに、伝達軸138をユニット制御長穴137の駆動傾斜部137b内に導くことができ、駆動レバー135を反時計方向へ回動させることができ、移送ユニット17を移送動作位置へ回動させることが可能になる。
【0085】
また、移送ユニット17が移送動作位置にある状態から切換え部材91が(d)方向へ移動し、駆動レバー135が時計方向へ回動させられて、伝達軸138がユニット制御長穴137の駆動傾斜部137bから非作用部137aに移行しようとするときにも、前記解除カム部91cによって、ロック部材161が時計方向へ回動させられる。よって、掛止突起139が、ロック部材161の保持凹部161aに対向でき、その後に切換え部材91が(d)方向へ移動すると、解除カム部91cが摺動突起163から外れ、ロック部材161が反時計方向へ回動して、掛止突起139がロック部材161の保持凹部161aで保持され、図14に示すように、駆動レバー135がロックされる。
【0086】
図8と図9に示すように、切換え部材91のY1側で且つX1側の端部には、切換え長穴121が形成されている。この切換え長穴121は、第1の円弧部121aと、第1の円弧部121aよりも、外周側に位置して(d)方向に延びる第2の円弧部121bと、両円弧部121aと121bとを繋ぐ切換え部121cを有している。第1の円弧部121aと第2の円弧部121bの曲率中心は、案内長穴91a,91aの円弧軌跡の曲率中心と一致している。
【0087】
機構ベース15のY1側で且つ端部には、切換レバー122が設けられている。この切換レバー122は、機構ベース15と切換え部材91の間に位置し、機構ベース15の上面に固定された支持軸123に回動自在に支持されている。切換レバー122のX2側の端部には制御ピン124が固定され、この制御ピン124が、切換え部材91に形成された前記切換え長穴121内に摺動自在に挿入されている。切換レバー122のX1側の端部には切換えピン125が固定されている。後に説明するように、各支持体21に設けられた保持部材26の姿勢を、この切換えピン125によって制御することが可能である。
【0088】
図8と図9に示すように、筐体2の前面7の内側には、シャッタ開閉部材126が設けられている。このシャッタ開閉部材126は、金属板であり、前面7の内側でX1−X2方向へ摺動自在に支持されている。また、シャッタ開閉部材126は引っ張りコイルばね128によってX2方向へ付勢されている。シャッタ開閉部材126には、下縁からY2方向へ折り曲げられた駆動片126aが設けられている。切換え部材91には駆動ピン127が固定されており、図8に示すように、この駆動ピン127が、前記駆動片126aに形成された溝内に介入可能である。
【0089】
図8では、駆動レバー135に設けられた伝達軸138が、切換え部材91に形成されたユニット制御長穴137の非作用部137a内に位置しており、移送ユニット17は時計方向へ回動して待機位置にある。このとき、切換レバー122に設けられた制御ピン124が、切換え長穴121の第1の円弧部121a内に位置しており、切換レバー122が反時計方向へ回動し、切換えピン125がY1側に移動している。このとき、切換え部材91に設けられた駆動ピン127が、駆動片126aの溝内に入り込み、シャッタ開閉部材126がX1方向へ移動している。
【0090】
切換え部材91が、図8の位置から(e)方向へ移動し、伝達軸138が、ユニット制御長穴137の駆動傾斜部137bに入り込む直前に、切換レバー122に設けられた制御ピン124が、切換え長穴121の第2の円弧部121b内に入り込み、切換レバー122が時計方向へ回動して、切換えピン125がY2方向へ移動する。その後の切換え部材91の(e)方向への移動によって、伝達軸138が、ユニット制御長穴137の駆動傾斜部137bに入り込み、図9に示すように、移送ユニット17が反時計方向へ回動して移送動作位置に至る。また、切換え部材91が図8の位置から(e)方向へ移動して図9に示す位置へ至る間に、切換え部材91に設けられた駆動ピン127によって、シャッタ開閉部材126がX2方向へ移動させられる。
【0091】
(シャッタ開閉機構)
図17(A)(B)は、シャッタ開閉機構200を、筐体2の前面7の前方から示す斜視図である。
【0092】
シャッタ201は薄い金属板で形成され、X1−X2方向に細長い長方形状であり、前面7に形成された挿入口23を覆うことのできる面積を有している。シャッタ201の上端(Z2側)には、X1−X2方向へ間隔を空けて摺動ピン203,203が固定されている。筐体2の前面7には、上下方向へ直線的に延びる摺動長穴7a,7aが開口してお
り、前記摺動ピン203,203は、摺動長穴7a,7a内に挿入されて、シャッタ201は、前面7の表面に密着した状態で上下に移動可能に支持されている。
【0093】
前記シャッタ開閉部材126には、開閉カム202,202が形成されている。この開閉カム202,202は、シャッタ開閉部材126を貫通するカム長穴である。それぞれの開閉カム202は、X2方向に直線状に延びる閉鎖部202aと、この閉鎖部202aよりも上方に位置してX1方向へ直線状に延びる開放部202b、および閉鎖部202aと開放部202bとを繋ぐ傾斜切換え部202cとを有している。
【0094】
図8に示すように、第2の動力伝達部16の切換え部材91が(d)方向へ位置しているときに、駆動ピン127によってシャッタ開閉部材126がX1側へ移動させられている。このとき、図17(A)に示すように、シャッタ開閉部材126に形成された開閉カム202,202の閉鎖部202a,202aによって、摺動ピン203,203が押し下げられて、シャッタ201が下降して挿入口23が閉鎖されている。図9に示すように、切換え部材91が(e)方向へ移動すると、駆動ピン127および引っ張りコイルばね128によって、シャッタ開閉部材126がX2方向へ移動させられ、図17(B)に示すように開閉カム202,202の開放部202b,202bによって摺動ピン203,203が押し上げられ、シャッタ201が上方へ移動し、挿入口23が開放させられる。
【0095】
このシャッタ201の開閉タイミングを説明すると、図8に示すように伝達軸138が、ユニット制御長穴137の非作用部137a内に位置し、ロック部材161によって移送ユニット17が待機位置に保持されているときには、シャッタ201が閉鎖されている。図8に示す状態から、切換え部材91が(e)方向へ移動し、伝達軸138が、ユニット制御長穴137の非作用部137aの(d)側の端部(非作用部137aと駆動傾斜部137bとの境界部)に至ると、シャッタ201が開放される。さらに、切換え部材91が(e)方向へ移動すると、伝達軸138がユニット制御長穴137の駆動傾斜部137b内に入り込んで、移送ユニット17が図9に示す移送動作位置へ向けて回動する。この間、シャッタ201は開放されたままである。また、切換え部材91が図9に示す位置から(d)方向へ移動するときには、まず移送ユニット17が時計方向へ回動して待機位置に復帰し、その後に、伝達軸138が、駆動傾斜部137bと非作用部137aとの境界部に移動し、シャッタ201が閉鎖される。
【0096】
(歯車切換機構)
図10(A)(B)および図11(A)(B)には、第2の動力伝達部16(図8と図9参照)に設けられた第1の切換え歯車95と第2の切換え歯車98とを切換える歯車切換機構300が示されている。図10(B)および図11(B)は、機構ベース15の上面に位置する歯車の配置を示し、図10(A)および図11(B)は、機構ベース15の下面に設けられた歯車切換機構300を、機構ベース15を透視して示している。図10(A)(B)は、駆動ユニット14が退避位置(図6の状態)にあるときの機構の動作を示し、図11(A)(B)は、駆動ユニット14が介入位置(図7の状態)にあるときの機構の動作を示している。
【0097】
図1に示すように、中間筐体4に設けられた前記機構ベース15は、駆動ユニット14を支持しているユニット支持ベース13の上方に距離を空けて対向している。
【0098】
図1および図6にも示すように、駆動ユニット14の駆動ベース81には、支持軸84の側方に、上向きに垂直に延びる切換え制御軸87が固定されている。図10(A)(B)および図11(A)(B)に示すように、機構ベース15には、円弧案内穴15fとこれに連続する円形の逃げ穴15gが形成されている。前記切換え制御軸87は、前記円弧案内穴15fまたは逃げ穴15g内を移動できるように、機構ベース15の下から挿入されている。円弧案内穴15fは、その下に位置する駆動ユニット14の回動支点である支持軸84の軸芯に曲率中心を有する円弧軌跡に沿って形成されており、駆動ユニット14が回動するときに、切換え制御軸87が円弧案内穴15f内を移動可能である。そして、図7に示すように、移動ユニット14が介入位置へ回動すると、切換え制御軸87は逃げ穴15g内に位置し、ユニット支持ベース13がダンパー71,72,73で弾性支持されているときに、駆動ユニット14が、機構ベース15に拘束されないようになっている。
【0099】
図10(B)と図11(B)に示すように(図8と図9にも示すように)、第2の動力伝達部16の出力歯車94と歯車96との間には、前記第1の切換え歯車95が設けられ、出力歯車94のY2側には第2の切換え歯車98が設けられている。
【0100】
前記歯車96は機構ベース15に固定された軸301に回転自在に取り付けられている。歯車96と機構ベース15との間には、前記軸301を中心として回動可能な第1のアイドル板302が設けられており、第1のアイドル板302に固定された軸303に第1の切換え歯車95が回転自在に支持されている。第1の切換え歯車95は前記歯車96に常に噛み合っており、第1のアイドル板302の回動に伴なって、第1の切換え歯車95は歯車96の周囲を遊星移動可能である。図11(B)に示すように、第1の切換え歯車95が出力歯車94に噛み合うと、第2のモータM2の駆動力がピニオン歯車97に伝達される。
【0101】
第1のアイドル板302には下方(Z1方向)へ延びる第1の切換え軸304が固定されている。機構ベース15には、前記軸301の中心から所定半径の円弧軌跡に沿って逃げ長穴15hが上下に貫通して形成されており、第1の切換え軸304は、逃げ長穴15hを通過して、機構ベース15の下方へ延びている。図10(A)と図11(A)には、前記第1の切換え軸304がハッチングを付して示されている。
【0102】
機構ベース15上には、X1側の端部に、上方(Z2方向)へ延びる短い軸305が固定されており、この軸305に第2のアイドル板306が回動自在に支持されている。この第2のアイドル板306には軸307が固定され、前記第2の切換え歯車98はこの軸307に回転自在に支持されている。図2(B)に示すように、上部筐体5の天井面11の下面には回転軸99aが回転自在に支持され、この回転軸99aの下端に伝達歯車99が一体に設けられている。中間筐体4の上に上部筐体5が設置されたときに、図10(B)と図11(B)に示すように、伝達歯車99が、機構ベース15の上面に接近して対向する。このときの伝達歯車99の回転中心は、機構ベース15に設けられた前記軸305と同軸またはほぼ同軸に配置される。よって、第2の切換え歯車98は伝達歯車99に常に噛み合っており、第2のアイドル板306が回動すると、第2の切換え歯車98が伝達歯車99の周囲を遊星移動する。図10(B)に示すように、第2の切換え歯車98が出力歯車94に噛み合うと、第2のモータM2の動力が伝達歯車99に伝達され、この伝達歯車99により支持体選択手段22が駆動される。
【0103】
第2のアイドル板306には、下方へ突出する第2の切換え軸308が固定されている。機構ベース15には、軸305の中心から所定半径の円弧軌跡の沿う逃げ長穴15iが上下に貫通して形成されており、第2の切換え軸308は、前記逃げ長穴15iを通過して機構ベース15の下方へ延びている。図10(A)と図11(A)には、第2の切換え軸308がハッチングを付して示されている。
【0104】
図10(A)および図11(A)に示すように、歯車切換機構300では、機構ベース15の下面に第1の切換え部材310が設けられている。この第1の切換え部材310は板状であり、機構ベース15の下面に沿ってY1−Y2方向へ直線的に移動自在に支持さ
れている。第1の切換え部材310と機構ベース15との間には、付勢部材である引っ張りコイルばね311が掛けられており、この引っ張りコイルばね311によって、第1の切換え部材310がY1方向へ付勢されている。
【0105】
第1の切換え部材310には、X1−X2方向に延びる駆動長穴312aが形成され、この駆動長穴312aのX1側には、大きな円形の駆動逃げ穴312bが形成されている。駆動ユニット14に固定されている切換え制御軸87は、前記駆動長穴312a内または駆動逃げ穴312b内を通過して、機構ベース15に形成された前記円弧案内穴15fまたは逃げ穴15g内に挿入されている。
【0106】
図6に示すように、駆動ユニット14が退避位置にあるとき、この駆動ユニット14に固定された切換え制御軸87が支持軸84を支点として反時計方向へ回動しているため、図10(A)に示すように、切換え制御軸87により駆動長穴312aがY2方向へ押され、第1の切換え部材310がY2側の端部へ移動させられている。図7に示すように、駆動ユニット14が時計方向へ回動して介入位置に至ると、切換え制御軸87が時計方向へ移動し、図11(A)に示すように、第1の切換え部材310は引っ張りコイルばね311の付勢力によりY1方向へ移動させられる。
【0107】
第1の切換え部材310のY1側の端部には、第1の切換え穴313が上下に貫通して形成されており、前記第1のアイドル板302に固定されている第1の切換え軸304が、この第1の切換え穴313内に挿入されている。第1の切換え穴313は、Y1方向へ延びる噛み合い解除部313aと、Y2方向へ延びる噛み合わせ部313b、および噛み合い解除部313aと噛み合わせ部313bとの間に位置する切換え部313cとを有している。噛み合い解除部313aと噛み合わせ部313bのX1−X2方向の幅寸法は、第1の切換え軸304の直径よりもわずかに大きい寸法であるが、切換え部313cは、第1の切換え軸304の直径寸法よりも十分に広い幅寸法Waを有している。
【0108】
図10(A)(B)に示すように、第1の切換え部材310がY2側に位置しているときには、第1の切換え軸304が、第1の切換え穴313の噛み合い解除部313a内に導かれる。よって、第1のアイドル板302が反時計方向へ回動させられ、図10(B)に示すように、第1の切換え歯車95と出力歯車94との噛み合いが解除される。図11(A)(B)に示すように、第1の切換え部材310がY1方向へ移動すると、第1の切換え軸304が第1の切換え穴313の噛み合わせ部313b内に導かれる。このとき、第1のアイドル板302が時計方向へ回動させられ、第1の切換え歯車95と出力歯車94とが噛み合わされる。
【0109】
なお、第1の切換え部材310が図10(A)に示す位置からY1方向へ移動する際に、例えば出力歯車94の歯の頂部と、第1の切換え歯車95の歯の頂部とが当たって、両歯車の噛み合いが不完全となる場合が有りえる。このとき、第1の切換え穴313内に入っている第1の切換え軸304が時計方向へ完全に移動できないため、第1の切換え部材310は、図11(A)の位置まで移動できず、第1の切換え軸304は、第1の切換え穴313の切換え部313cに位置する。このとき、切換え部313cの幅寸法Waが大きいため、第1の切換え軸304は切換え部313c内で動くことができ、第1のアイドル板302が軸301を中心として回動することができる。よって、第1の切換え歯車95を出力歯車94に噛み合わせるときに、第2のモータM2を始動して出力歯車94を、噛み合いを促進する方向である反時計方向へ短時間回動させ、または出力歯車94を時計方向と反時計方向へ交互に短時間回転させると、第1の切換え歯車95と出力歯車94とを確実に噛み合わせることができ、その後に、図11(A)に示すように、第1の切換え軸304が第1の切換え穴313の噛み合わせ部313b内に入り込むようになる。
【0110】
歯車切換機構300では、第1の切換え部材310の下に第2の切換え部材320が設けられている。この第2の切換え部材320は反転レバーである。第2の切換え部材320は、Y2側の端部が、機構ベース15の下面に固定された軸321を中心として回動自在に支持されている。第2の切換え部材320のY1側の先部と機構ベース15との間には、付勢部材である引っ張りコイルばね322が掛けられており、第2の切換え部材320は時計方向へ付勢されている。
【0111】
前記第1の切換え部材310には、連動長穴315が開口しており、第2の切換え部材320に固定された連動軸325が連動長穴315内に入り込んでいる。連動長穴315のX1側の縁部では、Y1側に位置する第1の連動部315aと、この第1の連動部315aよりもY2側に位置する第2の連動部315bとが形成され、第1の連動部315aと第2の連動部315bとの間に傾斜部315cが形成されている。第2の切換え部材320は時計方向へ付勢されているため、連動軸325は、第1の連動部315a、第2の連動部315bまたは傾斜部315cのいずれかに常に押し付けられている。
【0112】
図10(A)に示すように、第1の切換え部材310がY2方向へ移動していると、連動軸325が第1の連動部315aまたはその直近の傾斜部315cに押し付けられて、第2の切換え部材320が時計方向へ回動する。図11(B)に示すように、第1の切換え部材310がY1方向へ移動すると、連動軸325が第2の連動部315bに押し付けられて、第2の切換え部材320が反時計方向へ回動させられる。ただし、連動長穴315のX1−X2方向の幅寸法Wbは、連動軸325の直径寸法よりも大きいため、第2の切換え部材320は常に反時計方向へ回動可能な状態となっている。
【0113】
第2の切換え部材320には、第2の切換え穴323が上下に貫通して形成されており、第2のアイドル板306に固定されている第2の切換え軸308が第2の切換え穴323内に挿入されている。第2の切換え穴323には、噛み合わせ部323aと、この噛み合わせ部323aのX1側に連続し、且つY2側に位置する噛み合い解除部323bとが設けられている。
【0114】
図10(A)に示すように、第1の切換え部材310がY2方向へ移動していると、連動軸325が、第1の連動部315aまたはその直近の傾斜部315cに位置し、第2の切換え部材320が時計方向へ回動させられる。よって、第2の切換え軸308が、第2の切換え部材320に形成された切換え穴323の噛み合わせ部323a内に導かれ、第2のアイドル板306が時計方向へ回動させられる。よって、図10(B)に示すように、第2の切換え歯車98が出力歯車94に噛み合う。図11(A)に示すように、第1の切換え部材310がY1方向へ移動すると、連動軸325が傾斜部315cを摺動して第2の連動部315bに導かれ、第2の切換え部材320が反時計方向へ回動する。よって、第2の切換え軸308は、第2の切換え穴323の噛み合い解除部323bに導かれて、第2のアイドル板306が反時計方向へ回動させられる。よって、図11(B)に示すように、第2の切換え歯車98が、出力歯車94から離れる。
【0115】
第2の切換え部材320に形成された切換え穴323は、第2の切換え部材320の回動軌跡に沿う方向へ傾斜して形成されている。したがって、図10(A)(B)に示すように、第2の切換え歯車98が出力歯車94と噛み合っているときに、第2の切換え部材320は、連動軸325が連動長穴315内で移動できる範囲内において、反時計方向へ回動可能である。したがって、第2の切換え歯車98が出力歯車94に噛み合わせられるときに、出力歯車94の歯の頂部と、第2の切換え歯車98の歯の頂部とが当たって噛み合いが不完全であると、第2の切換え部材320は、図10(A)に示す状態よりもやや反時計方向へ回動した状態となり、且つ引っ張りコイルばね322の付勢力を受けている第2の切換え部材320によって、第2のアイドル板306が時計方向すなわち噛み合い
方向へ押圧された状態となる。このとき、第2のモータM2を始動して、出力歯車94を、噛み合いを促進させる方向である反時計方向へ短時間回転させ、あるいは時計方向と反時計方向とへ交互に短時間回転させることにより、出力歯車94と第2の切換え歯車98とを確実に噛み合わせることができる。
【0116】
上記のように、駆動ユニット14が退避位置に移動しているときには、図10(A)(B)に示すように、第1の切換え部材310がY2方向へ移動させられて、第1の切換え歯車95が出力歯車94から離れ、第2の切換え歯車98が出力歯車94に噛み合う。また、図11(A)(B)に示すように、駆動ユニット14が時計方向へ回動して介入位置に至ると、第1の切換え部材310がY1方向へ移動し、第1の切換え歯車95が出力歯車94に噛み合い、第2の切換え歯車98が出力歯車94から離れる。
【0117】
(第1の突出ガイド部材と第2の突出ガイド部材)
図1および図8と図9、さらに図10(A)(B)と図11(A)(B)に示すように、中間筐体4の機構ベース15のY2側には第1の突出ガイド部材331が設けられている。第1の突出ガイド部材331は合成樹脂材料で形成されている。図10(B)および図11(B)に示すように、機構ベース15の上にはガイドホルダ332が固定して設けられている。このガイドホルダ332の上面には、屈曲形状の案内長穴333が形成されている。案内長穴333は、Y1−Y2方向へ直線的に延びる直進案内部333aと、この直進案内部333aのY1側に連続して、Y1方向およびX1方向の双方に対して斜めに延びる突出案内部333bとを有している。
【0118】
第1の突出ガイド部材331の上面には、一対の摺動突起331aと331bが一体に形成されており、摺動突起331aと331bが前記案内長穴333に摺動自在に挿通されている。ガイドホルダ332内には、第1の突出ガイド部材331の後端331cをY1方向へ押し出す圧縮コイルばね(図示せず)が設けられており、第1の突出ガイド部材331は、常に図11(A)(B)に示すように、先部がガイドホルダ332から突出する方向へ付勢されている。
【0119】
図10(A)および図11(A)に示すように、第1の突出ガイド部材331の後端の下面には下方(Z1方向)へ突出する制御突起331dが一体に形成されている。機構ベース15にはY1−Y2方向へ直線的に延びる案内長穴15kが形成されており、前記制御突起331dは、案内長穴15k内に挿入されて機構ベース15の下方へ突出している。図10(A)と図11(A)に示すように、機構ベース15の下側に設けられた前記第1の切換え部材310には、X1方向へ突出する押圧部316が形成されている。この押圧部316は、前記制御突起331dをY2方向へ押圧できる位置に対向している。
【0120】
駆動ユニット14が、図6に示す退避位置にあるとき、図10(A)に示すように、第1の切換え部材310がY2方向へ移動している。よって前記押圧部316により制御突起331dがY2方向へ押され、第1の突出ガイド部材331がガイドホルダ332内に後退している。このとき、第1の突出ガイド部材331は、ディスク収納領域20内の支持体21に保持されているディスクDの外周縁よりも外側に退避しており、第1の突出ガイド部材331がディスクDと重ならない位置にある。
【0121】
駆動ユニット14が図7に示す介入位置へ回動すると、図11(A)に示すように第1の切換え部材310がY1方向へ移動し、押圧部316が制御突起331dから離れる。したがって、第1の突出ガイド部材331は前記圧縮コイルばねによってY1方向へ押し出される。このとき、図11(B)に示すように、第1の突出ガイド部材331の先部側に設けられた摺動突起331aが、案内長穴333の突出案内部333b内に導かれ、後方側の摺動突起331bが、直進案内部333aの先部に移動する。したがって、第1の
突出ガイド部材331は、Y1方向とX1方向の双方に対して斜めの向きでディスク収納領域20内に向けて突出する。
【0122】
その結果、図20および図21に示すように、第1の突出ガイド部材331は、選択位置(a)に移動した支持体21の下面に保持されているディスクDの外周縁付近において、このディスクDの上に重なる位置となる。また、図15に示すように、第1の突出ガイド部材331は、選択位置(a)にあるディスクDの上面に接触し、または少し隙間を空けて対向する。
【0123】
図1と図8および図9、さらには、図10(A)(B)と図11(A)(B)に示すように、機構ベース15には、前記第1の突出ガイド部材331よりもY1側に位置する第2の突出ガイド部材341が設けられている。第2の突出ガイド部材341は、合成樹脂材料で形成されている。図1、図15および図20と図21に示すように、第2の突出ガイド部材341は、下方ガイド部342と上方ガイド部343、およびX2側において下方ガイド部342と上方ガイド部343とを連結する連結部344を有している。図15に示すように、下方ガイド部342の上面と上方ガイド部343の下面との上下の対向間隔Tは、ディスクDの厚み寸法tよりもわずかに広く形成されている。また、下方ガイド部343の先部には上面に向かって傾斜する案内面342aが形成され、上方ガイド部343の先部には下面に向かって傾斜する案内面343aが形成されており、Y2方向へ向かって搬入されるディスクDの外周縁を、前記案内面342aと案内面343aによって、下方ガイド部342と上方ガイド部343との間に導きやすくなっている。
【0124】
図10(A)(B)と図11(A)(B)および図12ないし図14に示すように、第2の突出ガイド部材341のY2側の上面には支持軸345が一体に突出しており、第2の突出ガイド部材341は、前記支持軸345によって、機構ベース15に回動自在に支持されている。
【0125】
図10(A)と図11(A)および図20と図21に示すように、第2の突出ガイド部材341には、X2方向へ突出する突出片346が設けられ、この突出片に第1の連結部となる長穴347が開口している。図10(A)と図11(A)に示すように、機構ベース15の下面では、前記第1の切換え部材310よりもさらに下方(Z1側)に、ガイド切換え部材351が設けられ、ガイド切換え部材351は機構ベース15に固定された軸352に回動自在に支持されている。ガイド切換え部材351には一対の腕部が設けられ、一方の腕部の先に固定された連結軸353が前記長穴347内に摺動自在に挿入されている。
【0126】
ガイド切換え部材351の他方の腕部には制御軸356が固定されており、この制御軸356が、第1の切換え部材310を上下に貫通して形成された制御長穴317内に挿入されている。制御長穴317は、Y1側においてX2方向へ凹状に形成された前方保持部317aと、Y2側においてX2方向へ凹状に形成された後方保持部317bを有し、前方保持部317aと後方保持部317bとの間には、X1側に位置してY1−Y2方向へ直線的に延びる突出制御部317cが形成されている。
【0127】
図12ないし図14に示すように、第2の突出ガイド部材341の上面には、前記支持軸345からY1側に距離を空けた位置に第2の連結部となる連結軸348が一体に突出形成されている。第2の動力伝達部16では、前記切換え部材91と機構ベース15との間に中間切換え部材361が設けられている。この中間切換え部材361は、Y1側の端部が支持軸362によって機構ベース15に回動自在に支持されている。また、図示しないばね部材により、中間切換え部材361は、常に時計方向へ付勢されている。したがって、第2の突出ガイド部材341は、中間切換え部材361によって、支持軸345を支点として反時計方向へ常に付勢されている。中間切換え部材361のY2側の端部には、連結長穴361aが形成されており、第2の突出ガイド部材341に形成された前記連結軸348が連結長穴361a内に挿入されている。
【0128】
前記切換え部材91には、ガイド制御長穴165が上下に貫通して形成されている。中間切換え部材361には、支持軸362と連結長穴361aとの間に、上方へ突出する切換え軸363が固定されており、この切換え軸363が、前記ガイド制御長穴165内に挿入されている。このガイド制御長穴165の各部分は円弧軌跡に沿って形成されており、この円弧軌跡の曲率中心は、切換え部材91に形成された案内長穴91aの円弧軌跡の曲率中心と一致している。
【0129】
ガイド制御長穴165には、初期設定部165aが設けられている。この初期設定部165aのX1−X2方向への内幅寸法は、切換え軸363の直径よりも十分に大きく、図12に示すように、切換え軸363が初期設定部165a内に位置しているときに、ガイド制御長穴165内において切換え軸363が移動余裕Wdを有している。ガイド制御長穴165には、前記初期設定部165aよりも(d)方向側に、第1の後退案内部165bが形成され、それよりも(d)側には、このガイド制御長穴の曲率中心側に寄った第1の突出案内部165cが形成され、さらに(d)側には、第2の後退案内部165dが形成されている。また、前記初期設定部165aよりも(e)側には、曲率中心側に寄った第2の突出案内部165eが形成されている。
【0130】
図12は、第2の動力伝達部16の切換え部材91が初期位置に設定されている状態を示している。このとき、中間切換え部材361に設けられた切換え軸363が、切換え部材91に形成されたガイド制御長穴165の初期設定部165a内に位置している。このとき、中間切換え部材361は、図12に示す移動余裕Wdの範囲で回動自在である。
【0131】
切換え部材91が図12に示す初期位置に停止しているときに、駆動ユニット14が、図6に示す退避位置と図7に示す介入位置との間で回動する動作が行われる。
【0132】
駆動ユニット14が退避位置にあるときには、図10(A)に示すように第1の切換え部材310がY2方向へ移動しているため、ガイド切換え部材351に設けられた制御軸356が、第1の切換え部材310に形成された制御長穴317の前方保持部317a内に位置している。中間切換え部材361を付勢しているばね部材によって、第2の突出ガイド部材341が反時計方向へ付勢され、さらにガイド切換え部材351が時計方向へ付勢されている。そのため、制御軸356が前方保持部317a内に位置していると、ガイド切換え部材351が時計方向へ回動し、第2の突出ガイド部材341が反時計方向へ回動している。よって、図20および図21に示すように、第2の突出ガイド部材341は、ディスク収納領域20内に収納されているディスクDの外周縁から外側へ離れた位置に退避する。
【0133】
駆動ユニット14が介入位置へ回動するときに、第1の切換え部材310が、図10(A)に示す位置からY1方向へ移動する。このとき、ガイド切換え部材351に設けられた制御軸356が、制御長穴317の突出制御部317cを摺動するため、図11(A)において破線で示すように、ガイド切換え部材351が反時計方向へ回動させられ、このガイド切換え部材351によって、第2の突出ガイド部材341が支持軸345を支点として時計方向へ回動させられる。このとき図21において破線で示すように、また図15に示すように、第2の突出ガイド部材341の下方ガイド部342が選択位置(a)にある支持体21に保持されたディスクDの下側に重なる位置となり、上方ガイド部343が、前記ディスクDの上側に重なる案内位置となる。
【0134】
そして、図11(A)に示すように、第1の切換え部材310がY1方向へ移動し終わると、制御軸356が、制御長穴317の後方保持部317b内に入り込み、ガイド切換え部材351が時計方向へ回動し、第2の突出ガイド部材341が反時計方向へ回動して、支持体21に保持されたディスクDの外周縁の外側へ退避する。
【0135】
このように、第1の切換え部材310がY1方向へ移動するときに、これに伴なって第2の突出ガイド部材341が回動するが、この回動動作の際、図12に示すように、切換え軸363が、切換え部材91に形成されたガイド制御長穴165の初期設定部165a内を移動余裕Wdの範囲で動くことができる。そのため、中間切換え部材361が第2の突出ガイド部材341の回動動作を妨げることがない。
【0136】
このように、駆動ユニット14が退避位置から介入位置へ回動し始めると、すぐに第2の突出ガイド部材341がディスク収納領域20内に突出する。選択位置(a)にある支持体21に保持されたディスクDの駆動ユニット14に対向する縁部が、第2の突出ガイド部材341によって上下から支えられた状態で、駆動ユニット14が介入位置へ向けて回動するため、駆動ユニット14のターンテーブル82が、ディスクDの縁部に当たることなく、ディスクDの下へ入り込めるようになる。
【0137】
次に駆動ユニット14が介入位置へ移動すると、図11(A)(B)に示すように、第1の切換え部材310がY1方向へ移動し、第1の切換え歯車95が出力歯車94に噛み合って、第2のモータM2の動力がピニオン歯車97に与えられ、切換え部材91を(d)方向または(e)方向へ移動させることが可能となる。
【0138】
切換え部材91が(e)方向へ移動して図13に示す位置で停止すると、切換え部材91によって図8と図9に示すシャッタ開閉部材126がX1方向へ移動させられ、図17(B)に示すように、前面7の表面に設けられたシャッタ201が上昇して挿入口23が開放される。このとき、図13に示すように、切換え軸363が、切換え部材91に設けられたガイド制御長穴165の第1の後退案内部165bから第1の突出案内部165cに導かれる。よって、図18にも示すように、中間切換え部材361が反時計方向へ回動させられ、第2の突出ガイド部材341が時計方向へ回動させられてディスク収納領域20内に突出する。
【0139】
切換え部材91が、図13の位置からさらに(e)方向へ回動すると、伝達軸138がユニット制御長穴137の駆動傾斜部137b内に導かれて、駆動レバー135が反時計方向へ回動し、移送ユニット17が移動動作位置に向けて回動する。このときは、切換え軸363が、ガイド制御長穴165の第2の後退案内部165d内に導かれ、中間切換え部材361が時計方向へ回動して、図19に示すように、第2の突出ガイド部材341が反時計方向へ回動させられる。
【0140】
また、切換え部材91が図12に示す初期位置から、さらに(d)方向へ回動すると、図14に示すように、切換え軸363が、ガイド制御長穴165の第2の突出案内部165e内に導かれる。このときも、中間切換え部材361が反時計方向へ回動し、第2の突出ガイド部材341が時計方向へ回動させられる。
【0141】
上記のように、切換え部材91の(d)−(e)方向への移動力で、第2の突出ガイド部材341が時計方向へ突出させられ、または反時計方向へ後退させられるが、このとき、図11(A)に示すガイド切換え部材351も、第2の突出ガイド部材341の回動に伴なって回動させられる。このときは、ガイド切換え部材351に設けられた制御軸356が、第1の切換え部材310に形成された制御長穴317の後方保持部317b内をX1−X2方向へ移動する。よって、ガイド切換え部材351が、第2の突出ガイド部材341の回動動作の妨げとなることはない。
【0142】
(第3の動力伝達部)
次に、下部筐体3の底面6に設けられた第3の動力伝達部19の構造を説明する。
【0143】
図6および図16に示すように、移送ユニット101の回動支点となる前記支点軸131は、筐体2の底面6に固定されている。この支点軸131の下方には、一体ギヤ141が回転自在に支持されている。この一体ギヤ141は、上方部分が垂直ウォーム歯車141aであり、下方部分が下部歯車141bである。図6に示すように、筐体2の底面6には、中間歯車142が回転自在に設けられ、この中間歯車142が前記下部歯車141bに噛み合っている。底面6には第3のモータM3が設けられており、その回転軸に固定されたウォーム歯車143が、前記中間歯車142と噛み合っている。
【0144】
図16に示すように、移送ユニット17では、ローラ軸111の一端が、ユニット枠100の支点側の側面103から外方へ突出しており、側面103から突出したローラ軸111の端部に平歯車であるローラ歯車144が固定されている。前記側面103には、軸145が固定され、この軸145に一体ギヤ146が回転自在に支持されている。この一体ギヤ146は、小径平歯車146aと大径平歯車146bとが一体化されたものであり、小径平歯車146aが前記ローラ歯車144と噛み合っている。
【0145】
ユニット枠100の下面102には、下方に突出する支持片102aが一体に折り曲げ形成されており、この支持片102aに軸148が固定されている。この軸148はローラ軸111と平行に延びている。軸148には一体ギヤ147が回転自在に支持されている。一体ギヤ147は、平歯車147aとウォームホイール147bとが一体化されたものである。この平歯車147aが、前記大径平歯車146bと噛み合っている。
【0146】
移送ユニット17に設けられた軸受部129が、支点軸131に回動自在に挿通された状態で、前記ウォームホイール147bとウォーム歯車141aとが噛み合う。前記第3のモータM3の回転動力は、中間歯車142から下部歯車141bおよびウォーム歯車141aに伝達され、さらにウォーム歯車141aからウォームホイール147bに伝達される。その動力は、平歯車147aから一体ギヤ146の大径平歯車146bに伝達され、さらに小径平歯車146aからローラ歯車144に伝達される。
【0147】
下部筐体3側に設けられた第3のモータM3の回転動力が、支点軸131と同軸に回転する一体ギヤ141を介してローラ歯車144に伝達されるため、移送ユニット17を、支点軸131を支点として待機位置から移送動作位置へ回動させる動作と独立させて、ローラ軸111を駆動することができる。このディスク収納型ディスク装置1は、移送ユニット17を待機位置から移送動作位置へ回動させる移送ユニット回動手段と、移送ローラ112,113を回転させるローラ駆動手段とが別個に設けられ、互いに独立して動作できるようになっている。
【0148】
(支持体選択手段)
次に、上部筐体5に設けられている支持体選択手段22の構造について説明する。
【0149】
図1および図2(B)に示すように、上部筐体5の天井面11には、互いに平行に下方へ向けて延びる3本の選択軸151A,151B,151Cが回転自在に支持されている。
【0150】
それぞれの選択軸151A,151B,151Cの外周には、選択溝152が形成されている。選択溝152はスパイラル状に形成されている。図2(B)に示すように、選択
溝152のスパイラル形状は、選択軸151A,151B,151Cの上方が密ピッチ部152aで下方が密ピッチ部152bとなっている。上方の密ピッチ部152aと下方の密ピッチ部152bでは、選択溝152が短ピッチで形成され、上方の密ピッチ部152aと下方の密ピッチ部152bでは、それぞれ選択溝152が少なくとも5周(5ピッチ)以上形成されている。選択軸151A,151B,151Cの中間部では、選択溝152が疎ピッチ部152cとなっており、この疎ピッチ部152cでは、上方の密ピッチ部152aと下方の密ピッチ部152bの間で、選択溝152が1ピッチ分だけ形成されている。
【0151】
支持体21は上下方向に重ねられて6枚設けられている。それぞれの支持体21は、薄い金属板で形成されている。図18ないし図21に示すように、それぞれの支持体21は、筐体2の左側面9にほぼ平行に対向する左側縁21bと、筐体2の後側面10にほぼ平行に対向する後縁21cを有している。支持体21の筐体2の内方へ向けられる内縁21aは凹曲線形状であり、駆動ユニット14が介入位置に設置されたときに、支持体21の内縁21aは、ターンテーブル82の外周から離れた位置にある。
【0152】
図18ないし図21に示すように、それぞれの支持体21には、そのX1側の端部で且つY1側の端部に、軸受25Aが固定されている。また、それぞれの支持体21のX2側の端部で且つY2側の端部に軸受25Bが固定され、左側縁21bと後縁21cとの角部の内側では、支持体21に軸受25Cが固定されている。軸受25Aは、選択軸151Aの外周に挿通され、軸受25Bは選択軸151Bの外周に挿通され、軸受25Cは選択軸151Cの外周に挿通されている。それぞれの軸受25A,25B,25Cの内側には掛止部が一体に突出形成されており、この掛止部が、選択軸151A,151B,151Cのそれぞれの外周に形成された選択溝152に摺動自在に掛止されている。
【0153】
6枚の支持体21のそれぞれの前記掛止部は、選択溝152の隣接する5ピッチのそれぞれのピッチに掛止されるように配置されている。よって、選択軸151A,151B,151Cが、図18において反時計方向へ回転すると、支持体21が選択軸151A,151B,151Cに沿って1枚ずつ下向きに送られ、選択軸151A,151B,151Cが時計方向へ回転すると、支持体21が選択軸151A,151B,151Cに沿って1枚ずつ上向きに送られる。そして、疎ピッチ部152cに掛止されているいずれかの支持体21が、図2(B)に示す選択位置(a)に至る。
【0154】
図2(B)に示すように、選択位置(a)での支持体21は、疎ピッチ部152cの上方に位置している。選択位置(a)にある支持体21の下方に隣接する支持体21は、下方の密ピッチ部152bの最上部のピッチの選択溝152に掛止されているが、この下側の支持体21と選択位置(a)の支持体との間には、上下に比較的広い間隔が空けられ、駆動ユニット14がこの間隔内に入り込むことができるようになっている。一方、選択位置(a)の支持体21の上方に隣接する支持体21は、上方の密ピッチ部152aの最下部のピッチの選択溝152に掛止されているため、この上側の支持体21と選択位置(a)にある支持体21との上下の間隔はかなり狭い。
【0155】
ディスクDはそれぞれの支持体21の下面に保持されるが、支持体21に設けられた保持爪26b,27b,28b(図18ないし図21参照)に支持されていない部分は自由状態であり、上方に位置する支持体21においてディスクDの保持爪26b,27b,28bで保持されていない部分が下に下がりやすい。しかし、図20と図21に示すように、駆動ユニット14が介入位置に位置しているときには、常に、選択位置(a)にある支持体21に保持されたディスクDの上面に前記第1の突出ガイド部材331が重ねられて対向しているため、その上側に位置するディスクDが垂れ下がっても、このディスクDと選択位置(a)にあるディスクDとの接触が、前記第1の突出ガイド部材331で阻止さ
れる。
【0156】
それぞれの選択軸151A,151B,151Cの上端には、薄い小歯車(図示せず)が設けられ、この小歯車は、天井面11の下面にほぼ密着して回転できるようになっている。天井面11の下面には大径の薄いリング状歯車(図示せず)が回転自在に設けられ、選択軸151A,151B,151Cに設けられた小歯車が、全てリング状歯車の歯部と噛み合っている。よって、リング状歯車の回転により、全ての小歯車が同期して回転駆動され、3本の選択軸151A,151B,151Cが同期して回転駆動される。
【0157】
図2(B)示すように、上部筐体5の天井面11の下面には回転軸99aが回転自在に支持されている。この回転軸99aの下端に、図8と図9および図10(B)と図11(B)に示した前記伝達歯車99が固定されており、この伝達歯車99が、第2の動力伝達部16の前記第2の切換え歯車98と噛み合っている。回転軸99aの上端には、薄型歯車99bが固定されており、この薄型歯車99bが前記リング状歯車の歯部に噛み合っている。図10(B)に示すように、第2の切換え歯車98が、出力歯車94と伝達歯車99に噛み合い、第1の切換え歯車95が出力歯車94から離れている状態で、第2のモータM2を始動すると、その動力が伝達歯車99に伝達され、この伝達歯車99と一体の薄型歯車99bによってリング状歯車が駆動される。
【0158】
(ディスク保持手段)
図18ないし図21に示すように、それぞれの支持体21には、3個の保持部材26,27,28が設けられている。保持部材26,27,28は、それぞれ支持体21の下面(Z1側の面)に設けられているが、図18ないし図21では、図示の都合上、支持体21を透視して保持部材26,27,28を実線で示している。保持部材26は、前記軸受25Aの外周を回動できるように支持されている。保持部材27は、前記軸受25Bの外周を回動できるように支持され、保持部材28は、前記軸受25Cの外周を回動できるように支持されている。
【0159】
保持部材26と支持体21との間には引っ張りコイルばね29aが掛けられており、保持部材26が反時計方向(γ2方向)へ回動付勢されている。支持体21にはストッパ(図示せず)が設けられ、保持部材26は、図20に示す姿勢よりもさらに反時計方向(γ2方向)へ回動しないように規制されている。保持部材27は引っ張りコイルばね29bによって時計方向(γ4方向)へ付勢されており、支持体21に設けられたストッパ(図示せず)によって、図18に示す姿勢よりもさらに時計方向(γ4方向)へ回動しないように規制されている。同様に、保持部材28は、引っ張りコイルばね29cによって時計方向(γ4方向)へ付勢されており、支持体21に設けられたストッパ(図示せず)によって、図18に示す姿勢よりもさらに時計方向(γ4方向)へ回動しないように規制されている。
【0160】
保持部材26,27,28は合成樹脂材料で形成されている。それぞれの保持部材26,27,28には、保持爪26b,27b,28bが一体に形成されている。保持爪b,27b,28bは、支持体21の下面に間隔を空けて対向しており、支持体21の下面に供給されたディスクDは、支持体21の下面と、各保持爪26b,27b,28bとの間に保持される。
【0161】
図18ないし図21に示すように、筐体2の左側面9と後側面10との角部には、選択位置(a)にある支持体21にディスクDが装填されたことを検知する装填検知部180が設けられている。この装填検知部180には、光学検知素子181が設けられている。この光学検知素子181は、発光素子と受光素子とが対向して構成されている。この光学検知素子181は、筐体2内に1つだけ設けられ、選択位置(a)に移動した支持体21
と同じ高さ位置に設けられている。各支持体21に設けられているそれぞれの保持部材28には検知部28hが一体に突出形成されている。
【0162】
支持体21が選択位置(a)に移動すると、前記検知部28hが、光学検知素子181に対向する。このとき、図18と図19に示すように、選択位置(a)に移動した支持体21にディスクDが保持されていないと、保持部材28が引っ張りコイルばね29cによってγ4方向へ大きく回動させられているため、検知部28hが光学検知素子181の発光素子と受光素子との間に介入し、検知出力がOFFとなる。また、図20に示すように、選択位置(a)にある支持体21にディスクDが供給されていると、ディスクDの外周縁で、保持部材28が押され、保持部材28がγ3方向へ少し回動させられる。そのため、検知部28hが光学検知素子181から抜け出て、光学検知素子181の検知出力がONとなる。
【0163】
機構制御部では、ディスクDが搬入されるときに、光学検知素子181の検知出力がOFFからONに切り換わることを監視することで、支持体21にディスクDが位置決めされて保持されたことを認識できる。
【0164】
なお、図20に示す位置に回動した保持部材28は、引っ張りコイルばね29cによって常に時計方向へ付勢されており、この付勢力でディスクDが、Y1方向へ押され続けている。しかし、筐体内には、ディスクDがターンテーブルに保持されていないときに、支持体21に保持されたディスクDの中心穴Da内に入り込んで、ディスクDがY1方向へ移動するのを規制する規制機構(図示せず)が設けられている。よって、駆動ユニット14が退避位置にあるときに、保持部材28に作用する付勢力によって、ディスクDが支持体21から抜け出ることはない。
【0165】
図18ないし図21に示すように、筐体2の左側面9の内側には、伝達切換え部材401がY1−Y2方向へ移動自在に設けられている。伝達切換え部材401の内側には、第1の保持切換え部材403が重ねられて設けられている。第1の保持切換え部材403は、伝達切換え部材401に対してY1−Y2方向へ摺動自在に支持されているが、伝達切換え部材401と第1の保持切換え部材403との間には、連結ばねが掛けられている。この連結ばねによって、第1の保持切換え部材403がY1方向へ付勢され、且つ伝達切換え部材401がY2方向へ付勢されて、伝達切換え部材401と第1の保持切換え部材403が一体化されている。
【0166】
伝達切換え部材401のZ2側の縁部(上縁)には、X2方向へ向けて折り曲げられた連結片401bが一体に形成されており、この連結片401bに連結長穴401cが形成されている。図8と図9に示す切換レバー122に設けられた切換えピン125は、前記連結長穴401c内に挿入されている。
【0167】
また、筐体2の後側面10の内側にはX1−X2方向へ移動する第2の保持切換え部材404が設けられている。第1の保持切換え部材403と第2の保持切換え部材404は、図示しない保持解除機構の動力によって一緒に動作させられる。
【0168】
図18と図19では、切換レバー122が時計方向へ回動しており、この切換レバー122によって、伝達切換え部材401と第1の保持切換え部材403が一緒にY2方向へ移動させられている。このとき、第1の保持切換え部材403によって、保持部材26がγ1方向へ回動させられている。また、図18と図19では、第2の保持切換え部材404がX2方向へ移動しており、第2の保持切換え部材404が保持部材27および保持部材28から離れている。よって、保持部材27と保持部材28は、引っ張りコイルばね29bと29cの付勢力により、共にγ4方向へ回動させられている。
【0169】
図20に示すように、切換えレバー122が反時計方向へ回動すると、切換えピン125によって、伝達切換え部材401と第1の保持切換え部材403が一緒にY1方向へ移動させられる。このとき、第1の保持切換え部材403が保持部材26から離れ、保持部材26は、引っ張りコイルばね29aによって、γ2方向へ回動させられる。
【0170】
図21に示すように、切換レバー122が反時計方向へ回動させられ、切換えピン125で伝達切換え部材401がY1方向で保持されている状態で、図示しない保持解除機構によって、第1の保持切換え部材403がY2方向へ駆動されると、前記連結ばねが伸びて、第1の保持切換え部材403のみがY2方向へ移動させられる。これと同時に、前記保持解除機構によって、第2の保持切換え部材404がX1方向へ駆動される。このとき、第1の保持切換え部材403によって、保持部材26がγ1方向へ回動させられ、第2の保持切換え部材404によって、保持部材27と保持部材28が共にγ3方向へ回動させられ、全ての保持爪26b,27b,28bがディスクDの外周縁の外側へ移動する。
【0171】
次に、上記ディスク収納型ディスク装置1の全体動作について説明する。
(支持体選択動作)
ディスク収納領域20にある6枚の支持体21のいずれかを選択位置(a)へ移動させるときには、図3に示すように、第1の動力伝達部12の第1のモータM1によって、ラック部材32が最もY2方向へ移動した始端に設定される。よって、スライダ31と切換レバー38がY2方向へ移動し、図6に示すように、切換レバー38に設けられた切換駆動ピン41によって、ユニット支持ベース13の下面に設けられた駆動スライダ85が、Y2方向へ移動させられ、駆動ユニット14が、ディスク収納領域20に収納されたディスクDに当たらない退避位置に設定される。
【0172】
このとき、駆動ユニット14から上方へ突出している切換え制御軸87が反時計方向へ移動しているため、図10(A)に示すように、切換え制御軸87によって、機構ベース15の下面に設けられた第1の切換え部材310がY2方向へ移動させられている。
【0173】
第1の切換え部材310がY2方向へ移動していると、この第1の切換え部材310に設けられた押圧部316によって、制御突起331dがY2方向へ押され、第1の突出ガイド部材331が、図10(B)に示すガイドホルダ332内に退行させられている。よって、第1の突出ガイド部材331は、ディスク収納領域20内のディスクの外周縁よりもさらに外側に退避している。
【0174】
図10(A)に示すように、第1の切換え部材310がY2方向へ移動していると、この第1の切換え部材310に設けられた第1の切換え穴313の噛み合い解除部313a内に第1の切換え軸304が導かれ、図10(B)に示す第1のアイドル板302が反時計方向へ回動させられて、第1のアイドル板302に支持されている第1の切換え歯車95が、出力歯車94から離されている。
【0175】
また、第1の切換え部材310に形成された連動長穴315の第1の連動部315aまたは傾斜部315cに連動軸325が位置しているため、第2の切換え部材320が時計方向へ回動させられている。この第2の切換え部材320に形成された第2の切換え穴323の噛み合わせ部323a内に第2の切換え軸308が導かれているため、図10(B)に示すように、第2のアイドル板306が時計方向へ回動させられ、第2の切換え歯車98が出力歯車94に噛み合わされている。
【0176】
このとき、第2の動力伝達部16では、図8および図12に示すように、切換え部材91が初期位置にあり、前記のように第1の切換え歯車95が出力歯車94から離れているため、ピニオン歯車97が回転することはなく、切換え部材91は前記初期位置で停止している。切換え部材91が初期位置に停止していると、図12に示すように、中間切換え部材361に固定された切換え軸363が、ガイド制御長穴165の初期設定部165a内に移動余裕を持って位置している。中間切換え部材361は時計方向へ付勢されているため、この中間切換え部材361によって、第2の突出ガイド部材341が反時計方向へ回動させられ、第2の突出ガイド部材341は、ディスク収納領域20内のディスクDの外周から離れた位置に退避している。
【0177】
図8に示すように、切換え部材91が初期位置に停止しているとき、伝達軸138が、切換え部材91に形成されたユニット制御長穴137の非作用部137a内に位置している。よって、駆動レバー135が時計方向へ回動した状態に保持され、移送ユニット17は、ディスク収納領域20内のディスクDに当たらない待機位置に設定される。このとき、図12に示すように、機構ベース15上に設けられたロック部材161がトーションばね164の付勢力により反時計方向へ回動し、ロック部材161の保持凹部161aによって、掛止突起139が保持されている。この掛止突起139が設けられた駆動レバー135は時計方向へ回動した状態で保持され、よって移送ユニット17は待機位置で動かないように規制される。
【0178】
また、図8に示すように、切換え部材91が初期位置に停止していると、切換え部材91によって、前面7の内側に設けられたシャッタ開閉部材126がX1方向へ移動させられている。そのため、図17(A)に示すように、シャッタ201が下降させられて、前面7に開口する挿入口23が閉じられている。
【0179】
また、図8では、切換え部材91によって、切換レバー122が時計方向へ回動させられている。よって、図20に示すように、伝達切換え部材401と第1の保持切換え部材403が一緒にY1方向へ移動させられ、第1の保持切換え部材403が保持部材26から離れ、保持部材26は引っ張りコイルばね29aによってγ2方向へ回動させられている。また、図20に示すように、後側面10の内側に設けられた第2の保持切換え部材404がX2方向へ移動して、保持部材27と保持部材28から離れているため、保持部材27と保持部材28は、引っ張りコイルばね29bと29cによって、γ4方向へ回動させられている。したがって、支持体21にディスクDが供給されている場合には、このディスクDは、各保持爪26b,27b,28bと支持体21の下面との間に保持されている。なお、このとき、筐体2内に設けられた規制機構が、各支持体21に保持されているディスクDの中心穴Da内に位置し、支持体21からディスクDが脱落するのを防止している。
【0180】
筐体2の前方に設けられた操作部またはリモートコントローラを操作して、いずれかの支持体21を選択する操作が行われると、図8に示す第2のモータM2が始動する。第2のモータM2を始動するときに、この第2のモータM2によって図10(B)に示す出力歯車94を必ず反時計方向へ回転させ、または時計方向へ短時間回転させてから反時計方向へ回転させることにより、第2の切換え歯車98と出力歯車94を確実に噛み合わせることができる。
【0181】
その後の第2のモータM2の回転力は、出力歯車94から第2の切換え歯車98を経て伝達歯車99に伝達される。この伝達歯車99によって、筐体2の天井面11の下面に設けられたリング状歯車が駆動され、支持体選択手段22に設けられた3本の選択軸151A,151B,151Cが同期して回転させられる。この選択軸151A,151B,151Cの回転により、支持体21が下方へ順に送られ、あるいは上方へ順に送られる。筐体2内には、リング状歯車の回転位相を検出する回転検出部が設けられており、この回転検出部により、機構制御部では、どの支持体21が選択位置(a)に至ったのかを認識できる。よって、操作によって指定された支持体21が選択位置(a)へ移動したことが認識されると第2のモータM2が停止する。
【0182】
(ディスク挿入待機モードの設定)
ディスク収納型ディスク装置1にディスクDを装填するときには、筐体2の前面7に設けられた操作部またはリモートコントローラを操作して、ディスクDを保持していない支持体21を指定する。前記支持体選択動作によって、ディスクDを保持していない支持体21が選択位置(a)へ移動して停止すると、機構制御によって、図3に示す第1のモータM1が始動させられる。
【0183】
第1のモータM1の動力によって、ラック部材32が図3の位置からY1方向へ移動させられて、図4に示す位置へ移動した時点で第1のモータM1が停止する。ラック部材32が図3から図4の位置へ移動するときに、ラック部材32と共に、スライダ31と切換レバー38がY1方向へ移動する。また、切換レバー38に設けられた切換駆動ピン41によって、駆動スライダ85が図6の位置から図7に示す位置まで移動させられる。このとき、駆動スライダ85の移動力はリンク機構を介して駆動軸88に作用し、駆動軸88がY1方向へ引かれ、駆動軸88が、ユニット支持ベース13に形成された円弧案内部13eに沿って移動する。そして、駆動ユニット14が支持軸84を支点として時計方向へ回動させられる。
【0184】
ラック部材32が、図3の始端から図4に示す位置へ移動する間、連結回動レバー44は、時計方向へ回動した位置で停止しており、ロック切換え部材42は(b)方向へ移動した状態で停止している。このとき、第1の動力伝達部12のY2側の端部に位置する伝達部材52が時計方向へ回動しており、この伝達部材52によってロック部材54がX2側へ移動させられている。また、図2(B)に示すように、筐体2の前面7の内側に設けられたロック部材61もX2側へ移動させられている。よって、ユニット支持ベース13の後方に設けられた拘束軸77は、図1に示すロック部材54に形成されたロック制御穴56の拘束部56a内に保持され、ユニット支持ベース13の前方に設けられた拘束軸78,78も、図2(B)に示すように、ロック部材61に形成されたロック制御穴62,62の拘束部62a,62aで保持されている。
【0185】
よって、ダンパー71,72,73が押し潰されるようにして、ユニット支持ベース13が底面6に接近する位置に下降させられており、介入位置へ向けて回動する駆動ユニット14のターンテーブル82が、選択位置(a)にある支持体21に保持されているディスクDの下方を移動できる。
【0186】
駆動ユニット14が退避位置から介入位置へ回動すると、駆動ユニット14に設けられた切換え制御軸87も時計方向へ回動するため、第1の切換え部材310は、図10(A)に示す位置からY1方向へ移動させられる。このとき、第1の切換え部材310に設けられた押圧部316が制御突起331dから外れるため、図11(A)(B)に示すように、第1の突出ガイド部材331がY1方向とX1方向の双方に対して斜めの向きでディスク収納領域20内に突出する。
【0187】
また、第1の切換え部材310が、図10(A)に示す位置からY1方向へ移動し始めると、すぐに制御軸356が、制御長穴317の前方保持部317aから抜け出て突出制御部317cを摺動する。よって、図11(A)において破線で示すように、ガイド切換え部材351が反時計方向へ回動し、第2の突出ガイド部材341がディスク収納領域20に向けて突出する。
【0188】
駆動ユニット14が介入位置へ移動し終わると、図11(A)に示すように、制御軸3
56が制御長穴317の後方保持部317bに入り込み、ガイド切換え部材351が時計方向へ回動し、図11(A)において実線で示すように、第2の突出ガイド部材341が反時計方向へ回動して、第2の突出ガイド部材341がディスク収納領域20の外側へ退避する。
【0189】
駆動ユニット14が介入位置へ回動し、図11(A)に示すように、第1の切換え部材310がY1方向へ移動すると、第1の切換え穴313によって、第1のアイドル板302が時計方向へ回動させられ、図11(B)に示すように、第1の切換え歯車95が出力歯車94に噛み合わされる。同時に、連動長穴315の第2の連動部315bによって第2の切換え部材320が反時計方向へ回動させられ、第2の切換え部材320に形成された第2の切換え穴323によって、第2のアイドル板306が反時計方向へ回動させられて、第2の切換え歯車98が出力歯車94から離される。
【0190】
駆動ユニット14が介入位置へ移動し終わったことが図示しない検知手段で検知されると、図8に示す第2のモータM2が始動し、出力歯車94が反時計方向へ回動させられ、または時計方向へ短時間だけ回転させられた後に、反時計方向へ回転させられる。これにより、第1の切換え歯車95と出力歯車94が確実に噛み合わされる。
【0191】
その後に、第2のモータM2により出力歯車94が反時計方向へ駆動され、ピニオン歯車97が反時計方向へ駆動され、ラック歯91bに動力が与えられて、切換え部材91が(e)方向へ駆動される。切換え部材91が図13の位置まで回動すると、第2のモータM2が停止する。図13の状態では、中間切換え部材361に設けられた切換え軸363が、切換え部材91に形成されたガイド制御長穴165の第1の突出案内部165cに導かれる。よって、中間切換え部材361が反時計方向へ回動し、第2の突出ガイド部材341が再び時計方向へ回動してディスク収納領域20内に突出する。
【0192】
また、切換え部材91が図13に示す位置に停止すると、図8に示す切換レバー122に設けられた制御ピン124が、切換え部材91に形成された切換え長穴121の第1の円弧部121aから切換え部121cを経て第2の円弧部121bに移動する。よって、切換レバー122が時計方向へ回動させられて、切換レバー122のX1側の端部に設けられた切換えピン125が、図18に示すようにY2方向へ移動させられる。このとき、切換えピン125によって、伝達切換え部材401と第1の保持切換え部材403とが連結ばねで連結されたままY2方向へ移動させられ、第1の保持切換え部材403によって、保持部材26がγ1方向へ大きく回動させられる。なお、筐体2の後側面10の内側に設けられた第2の保持切換え部材505は、X2方向へ移動したままであり、保持部材27と保持部材28は、γ4方向へ回動したままである。
【0193】
また、切換え部材91が図13の位置まで回動したときには、切換え部材91の解除カム部91cによって摺動突起163が押され、ロック部材161が時計方向へ回動して、保持凹部161aが掛止突起139から離れ、駆動レバー135のロックが解除される。
【0194】
切換え部材91が図13の位置へ回動すると、切換え部材91に設けられた駆動ピン127によって、図8と図9に示すシャッタ開閉部材126がX2方向へ移動させられ、図17(B)に示すように、シャッタ201に設けられた摺動ピン203,203が、シャッタ開閉部材126に形成された開閉カム202,202の開放部202b,202bに導かれ、シャッタ201がZ2方向へ上昇し、挿入口23が開放させられる。
【0195】
このように、ディスク挿入待機モードでは、駆動ユニット14が介入位置へ回動し、第1の突出ガイド部材331と第2の突出ガイド部材341が、ディスク収納領域20内に突出している。また、選択位置(a)にある支持体21では、挿入口23に最も近い位置
にある保持部材26が時計方向へ回動させられている。移送ユニット17は待機位置にあるが、駆動レバー135のロックは解除されている。そして、シャッタ201が開放され、挿入口23にディスクDを挿入可能となる。
【0196】
(ディスク搬入動作)
ディスクDが挿入口23から挿入され、図示しない挿入検知部でディスクの挿入が検知されると、図7に示す第3のモータM3が始動し、待機位置にある移送ユニット17のローラ軸111が始動し、第1の移送ローラ112と第2の移送ローラ113が搬入方向へ回転する。ディスクDが移送ローラ112,113と挟持部106とで挟持されると、移送ローラ112,113の回転力によって、ディスクDが筐体2内に搬入される。
【0197】
図18に示すように、移送ユニット17が待機位置にある状態で、ディスクDは、その中心D0が挿入中心線Oa上を移動して筐体2内に搬入される。このとき、第2の突出ガイド部材341は時計方向へ回動しているため、挿入中心線Oaに沿って搬入されるディスクDのY2側の縁部は、第2の突出ガイド部材341の下方ガイド部342と上方ガイド部343の間に入り込む。ディスクDは、移送ユニット17の移送ローラ112,113と挟持部106とで挟持されて搬入されるが、ディスクDの中心D0が移送ローラ112,113よりも筐体2の内方へ移動したときには、ディスクDのY2側の外周縁が上下に振れやすくなる。
【0198】
しかし、図18に示すように、ディスクDのY2側の縁部が第2の突出ガイド部材341の下方ガイド部342と上方ガイド部343とで上下に支えられるため、その後、ディスクDはターンテーブル82に当たることがなく、また選択位置(a)にある支持体21の上側へ入り込むこともなく、確実に支持体21の下面に供給される。
【0199】
ディスクDが図18に示すように、第2の突出ガイド部材341で支えられる位置まで移動したことが図示しない検知部材で検知されると、図8に示す第2のモータM2が再び始動して、切換え部材91が(e)方向へ移動させられる。切換え部材91が(e)方向へ動き始めるとすぐに、伝達軸138がユニット制御長穴137の駆動傾斜部137b内に導かれ、駆動レバー135が反時計方向へ回動させられる。この駆動レバー135によって、移送ユニット17が、支点軸131を中心として反時計方向へ回動し、図19に示す移送動作位置に至る。このとき、図9に示すように、シャッタ開閉部材126はX2方向へ移動しているため、図17(B)に示すように、シャッタ201がZ2方向へ移動した状態を維持し、挿入口23は開放されたままである。また、切換レバー122は時計方向へ回動しているため、伝達切換え部材401と第1の保持切換え部材403がY2方向へ移動しており、挿入口23に近い位置にある保持部材26は時計方向へ回動させられたままである。
【0200】
切換え部材91が図9に示す位置へ回動すると、図13に示す切換え軸363がガイド制御長穴165の第2の後退案内部165dに導かれ、中間切換え部材361が時計方向へ回動させられて、図9および図19に示すように、第2の突出ガイド部材341が反時計方向へ回動して、支持体選択動作のときと同じ姿勢に戻る。
【0201】
移送ユニット17が待機位置から図19に示す移送動作位置へ回動する間、および回動し終わった後も、移送ローラ112,113が搬入方向へ回転し続ける。図19の状態では、移動動作位置にある移送ユニット17によって、ディスクDはその中心D0が搬送中心線Obに沿って筐体2内に向けて搬入される。このとき、ディスクDの縁部は、反時計方向へ回動した第2の突出ガイド部材341の下方ガイド部342と上方ガイド部343との間に挟まれた状態を継続している。また第2の突出ガイド部材341が反時計方向へ回動していることにより、下方ガイド部342と上方ガイド部343とを繋いでいる連結
部344がX2方向へ移動し、搬送中心線Obに沿って搬送されるディスクDの外周縁が、前記連結部344に当たることなく移動できる。
【0202】
図18の状態から図19の状態に移行する間、ディスクDの縁部は、下方ガイド部342と上方ガイド部343との間で上下に振れることなく拘束されたまま搬入されるため、ディスクDの外周縁を、筐体2の奥側に位置している保持部材27および保持部材28の両保持爪27b,28bと支持体21の下面との間に導くことができ、ディスクDの外周縁が垂れ下がって保持爪27b,28bの下側へ入り込む確率を低下させることができる。ディスクDが、保持爪27b,28bと支持体21の下面との間に挟まれた後に、ディスクDの外周縁が第2の突出ガイド部材341から抜け出る。
【0203】
さらに、第2の突出ガイド部材341よりもY2側には、第1の突出ガイド部材331がディスク収納領域20内に突出している。よって、ディスクDの外周縁が第2の突出ガイド部材341から離れた直後に、ディスクDの上面が第1の突出ガイド部材331で支えられているため、ディスクDが上方へ振れることを防止できる。
【0204】
一方、ディスクDが支持体21に向けて搬入される間、保持部材26はγ1方向へ回動した状態を維持している。よって、図19に示すように、ディスクDが選択軸151Aおよび軸受25Aに接近した位置を通過するときに、ディスクDが保持部材26に当たるのを防止できる。
【0205】
図19に示すように、搬送中心線Obに沿って搬入されるディスクDは、保持部材27と保持部材28とに当たって位置決めされる。このとき、保持爪28bがディスクDに押されて保持部材28がγ3方向へわずかに回動させられ、検知部28hが装填検知部180の光学検知素子181から抜け出て、その検知出力がONになる。このとき、機構制御部では、ディスクDが、選択位置(a)にある支持体21に装填されたと認識し、第3のモータM3が停止して、移送ローラ112,113が停止させられる。よって、支持体21に搬入されたディスクDは、停止した移送ローラ112,113と挟持部106とで挟持されたままとなる。
【0206】
(ディスククランプ動作)
移送ローラ112,113の回転が停止した後に、第1の動力伝達部12の第1のモータM1が始動して、ラック部材32がY1方向へ移動させられる。このとき、スライダ31と切換レバー38は図4の位置から動くことはなく、ラック部材32によって連結回動レバー44が反時計方向へ回動させられ、ロック切換え部材42が(c)方向へ移動させられる。したがって、下部筐体3のY2側に設けられたロック部材54が、X1方向へその移動範囲のほぼ半分まで移動させられ、さらに図2(B)に示すロック部材61も、X1方向へその移動範囲のほぼ半分だけ移動させられる。
【0207】
このとき、ユニット支持ベース13の後方に設けられた拘束軸77が、ロック部材54に形成されたロック制御穴56の持ち上げ部56bに導かれ、同時にユニット支持ベース13の前方に設けられた拘束軸78,78が、ロック部材61に形成されたロック制御穴62,62の持ち上げ部62b,62bに導かれる。よって、ユニット支持ベース13が底面6から離れるように持ち上げられ、ユニット支持ベース13に支持されている駆動ユニット14も持ち上げられて、駆動ユニット14に設けられたターンテーブル82の中心凸部82bが、ディスクDの中心穴Da内に下から入り込む。
【0208】
ターンテーブル82の中心凸部82bがディスクDの中心穴Da内に入り込む動作に継続して、図4に示す第1の動力伝達部12の第1のモータM1の動力によって、ラック部材32がさらにY1方向へ移動し、その移動位置が図示しない検知手段で検知されたとき
に第1のモータM1が停止する。このとき、連結回動レバー44は回動せず、スライダ31と切換レバー38がさらにY1方向へ移動し、切換レバー38に設けられた切換駆動ピン41によって、ユニット支持ベース13の下面に設けられた駆動スライダ85がY1方向へ移動させられる。
【0209】
このときの駆動スライダ85の移動力によって、ターンテーブル82に設けられたクランプ機構が動作し、ターンテーブル82の中心凸部82bの周囲からクランプ爪が突出して、ディスクDの中心穴Daの周縁部が、フランジ部82cとクランプ爪とで挟持され、ディスクDの中心穴Daがターンテーブル82にクランプされる。
【0210】
ディスクのクランプが完了すると、第2の動力伝達部16の第2のモータM2が始動して、切換え部材91が(d)方向へ移動させられて、切換え部材91が、図8および図12に示す初期位置に戻され、この時点で第2のモータM2が停止する。切換え部材91が(d)方向へ移動するときに、伝達軸138が、切換え部材91に設けられたユニット制御長穴137の駆動傾斜部137bから非作用部137aに移動させられる。よって駆動レバー135が時計方向へ回動させられ、移送ユニット17は、移送動作位置から時計方向へ回動して、図20に示す待機位置へ移動させられる。この間、第3のモータM3によって、移送ローラ112,113が搬入方向へ向けて回転させられる。よって、移送ローラ112,113がディスクDの表面を転動しながら、移送ユニット17が移送動作位置から待機位置へ回動する。
【0211】
このとき移送ユニット17の回動速度よりも移送ローラ112,113の表面の周速度をやや速くしておくと、ディスクDが、保持部材27および保持部材28に押し付けられながら、移送ユニット17が待機位置へ復帰し、移送ローラ112,113が、ディスクDから離れる。
【0212】
切換え部材91が、図12に示す初期位置へ復帰すると、ロック部材161が反時計方向へ回動して、ロック部材161の保持凹部161aによって掛止突起139が保持されて、駆動レバー135が時計方向へ回動した状態でロックされ、移送ユニット17が待機位置で保持される。また、切換え軸363が、ガイド制御長穴165の初期設定部165a内に位置するため、中間切換え部材361が時計方向へ回動し、第2の突出ガイド部材341が反時計方向へ回動させられる。
【0213】
このとき、図8に示すように、切換え部材91に設けられた駆動ピン127によって、筐体2の前面7の内側に設けられたシャッタ開閉部材126がX1方向へ移動させられる。よって、図17(A)に示すように、シャッタ201に設けられた摺動ピン203,203が、シャッタ開閉部材126に設けられた開閉カム202,202の閉鎖部202a,202aに導かれ、シャッタ201がZ1方向へ下降させられて、筐体2の前面7に形成された挿入口23がシャッタ201で閉鎖される。
【0214】
また、図8に示すように、制御ピン124が、切換え長穴121の第1の円弧部121a内に導かれ、切換レバー122が反時計方向へ回動させられる。よって、図20に示すように、切換レバー122のX1側の端部に設けられた切換えピン125によって、筐体2の左側面9の内側に設けられた伝達切換え部材401がY1方向へ移動させられ、連結ばねを介して第1の保持切換え部材403もY1方向へ移動させられる。第1の保持切換え部材403が保持部材26から離れると、引っ張りコイルばね29aによって、保持部材26がγ2方向へ回動させられ、一旦、ディスクDが、支持体21の下面と、全ての保持部材26,27,28の保持爪26b,27b,28bとの間に保持される。
【0215】
(ディスク駆動モードの設定)
選択位置(a)の支持体21の下面に保持されているディスクDがターンテーブル82にクランプされ、移送ユニット17が待機位置へ移動して、挿入口23がシャッタ201で閉じられると、第1の動力伝達部12に設けられた第1のモータM1が、再び始動し、ラック部材32がY1方向へ移動させられて、図5に示す終端まで移動する。
【0216】
図5に示すように、このときのラック部材32の移動力は、スライダ31と切換レバー38に作用せず、連結回動レバー44が反時計方向へ回動し、ロック切換え部材42が(c)方向の終端へ移動させられる。このときロック部材54がX1方向への終端に移動させられ、ロック部材61がX1方向への終端へ移動させられる。よって、ユニット支持ベース13の後部に設けられた拘束軸77が、ロック部材54に形成されたロック制御穴56の逃げ穴56d内に導かれ、ユニット支持ベース13の前方に設けられた拘束軸78,78が、ロック部材61に形成されたロック制御穴62,62の逃げ穴62d,62d内に導かれて、ロック部材54,61による拘束軸77と78,78に対する拘束が解除される。
【0217】
また、スライダ31が図5に示す位置へ移動したときに、底面6に形成されたカム部と切換レバー38に設けられた姿勢制御ピンとによって、切換レバー38が時計方向へ大きく回動させられ、図7に示すように、切換レバー38に設けられた切換駆動ピン41が、駆動スライダ85に形成された駆動穴86の逃げ部86b内に移動する。よって、ユニット支持ベース13は、拘束力を受けず、ダンパー71,72,73によって弾性支持された状態となる。
【0218】
また、ユニット支持ベース13がダンパー71,72,73で弾性支持される状態となる直前に、図21に示すように、第1の保持切換え部材403がY2方向へ移動させられ、第1の保持切換え部材403によって、保持部材26が時計方向へ回動させられる。また、後側面10の内側に設けられた第2の保持切換え部材404がX1方向へ移動させられ、この第2の保持切換え部材404によって、保持部材27と保持部材28がγ3方向へ回動させられる。そして、保持爪26b,27b,28bがディスクDの外周縁よりも外側へ移動し、支持体21でのディスクDの保持が解除される。
【0219】
ユニット支持ベース13がダンパー71,72,73によって弾性支持された状態となると、ユニット支持ベース13が下降するため、ターンテーブル82にクランプされ且つ保持爪26b,27b,28bによる保持が解除されたディスクDは、選択位置(a)にある支持体21の下面からZ1側へわずかに離れる。この状態で、スピンドルモータモータによってターンテーブル82が駆動され、ディスクDが回転し、光ヘッド83によってディスクDに記録された信号が読み取られ、あるいはディスクDに信号が記録される。
【0220】
車体振動などが筐体2に作用したときに、ダンパー71,72,73により弾性支持されているユニット支持ベース13が、上下左右に動くことができ、ダンパー71,72,73の振動吸収機能によって、光ヘッド83で再生される信号の読み取りミスを低減できるようになる。
【0221】
また、図21に示すように、ターンテーブル82によってディスクDが回転駆動されているとき、第1の突出ガイド部材331は、回転中のディスクDの縁部の上方に対向している。よって、回転駆動中のディスクDの上側に隣接している他のディスクが、上方に位置する支持体21から垂れ下がった場合であっても、このディスクの下に第1の突出ガイド部材331が対向しているため、上方のディスクが回転中のディスクDに当たるのを防止できる。
【0222】
(ディスクの収納動作)
駆動ユニット14での駆動が完了したディスクをディスク収納領域20内に収納するときには、第1の動力伝達部12の第1のモータM1を始動して、ラック部材32が、図5の位置からY2方向へ復帰させられ、連結回動レバー44が時計方向へ回動させられて、ロック切換え部材42が(b)方向へ移動させられる。そして、前記ロック部材54とロック部材61がX2方向へその全移動範囲のほぼ半分の距離だけ移動させられる。よって、拘束軸77が図1に示すロック制御穴56の持ち上げ部56bに移行し、拘束軸78,78が図2(B)に示すロック制御穴62,62の持ち上げ部62b,62bに移行して、ユニット支持ベース13と駆動ユニット14が持ち上げられ、ターンテーブル82にクランプされているディスクDが、選択位置(a)にある支持体21の下面に押し付けられる。
【0223】
このとき、図20に示すように、左側面9の内側に設けられた第1の保持切換え部材403がY1方向へ移動させられ、第1の保持切換え部材403が保持部材26から離れ、保持部材26が引っ張りコイルばね29aによって反時計方向へ回動させられる。また後側面10に設けられた第2の保持切換え部材404がX2方向へ移動し、第2の保持切換え部材404が保持部材27と保持部材28から離れ、引っ張りコイルばね29b,29cによって、保持部材27と保持部材28がγ4方向へ回動させられる。よって、ターンテーブル82にクランプされているディスクDが、選択位置(a)にある支持体21の下面と、全ての保持爪26b,27b,28bとで保持される。
【0224】
さらに、図8に示す第2のモータM2が始動し、ピニオン歯車97が反時計方向へ回転させられて、切換え部材91が(d)方向へ移動させられる。切換え部材91が図14に示す位置まで移動させられると、第2のモータM2が停止する。図14の状態では、切換え軸363が、ガイド制御長穴165の第2の突出案内部165e内に導かれ、中間切換え部材361が反時計方向へ回動させられて、第2の突出ガイド部材341が時計方向へ回動させられる。よって、図20において破線で示すように、ターンテーブル82にクランプされ、且つ保持爪26b,27b,28bで保持されているディスクDの下側に、第2の突出ガイド部材341の下方ガイド部342が入り込み、ディスクDの上方に上方ガイド部343が対向する。
【0225】
その後さらに、第1の動力伝達部12の第1のモータM1によってラック部材32がY2方向へ移動させられ、スライダ31と切換レバー38がY2方向へ移動させられると、ユニット支持ベース13の下面に設けられた駆動スライダ85がY2方向へ移動させられて、ターンテーブル82に設けられたクランプ機構が動作し、クランプ爪がターンテーブル82の中心凸部82b内に退行させられて、ターンテーブル82でのディスクのクランプが解除される。
【0226】
さらに第1の動力伝達部12の第1のモータM1によってラック部材32がY2方向へ移動させられると、連結回動レバー44が時計方向へ回動し、ロック切換え部材42が(b)方向の始端まで移動させられて、ロック部材54がX2側へ復帰させられ、ロック部材61がX2側の初期位置に復帰させられる。そして、ユニット支持ベース13に設けられた拘束軸77が、ロック部材54に形成されたロック制御穴56の拘束部56aに保持され、ユニット支持ベース13に設けられた拘束軸78,78が、ロック部材61に形成されたロック制御穴62の拘束部62aに保持される。
【0227】
よって、ユニット支持ベース13および駆動ユニット14は、底面6に近づく位置へ下降させられる。このとき、図20に示すように、ディスクDが各保持爪26b,27b,28bで保持されているが、さらに各保持爪26b,27b,28bで保持されていないディスクDの自由部分が、第2の突出ガイド部材341の下方ガイド部342によって下から支えられている。よって、駆動ユニット14が下降する際に、ディスクDの自由部分
が下方へ下がるのを防止でき、ターンテーブル82の中心凸部82bを、支持体21に保持されたディスクDの中心穴DaからZ1側へ確実に抜き出すことができる。
【0228】
(ディスク排出動作)
駆動ユニット14での駆動が完了したディスクDを、そのまま挿入口23から排出するときには、図21に示すディスク駆動モードにおいて、スピンドルモータが停止し、ターンテーブル82の回転が停止させられる。そして、第1の動力伝達部12のラック部材32がY2方向へ移動させられ、ロック部材54,61がX2方向へ移動させられる。よって、ユニット支持ベース13が持ち上げられて、ディスクDが選択位置(a)にある支持体21の下面に押し付けられる。
【0229】
また、第1の保持切換え部材403がY1方向へ移動させられ、第2の保持切換え部材404がX2方向へ移動させられ、保持部材26がγ2方向へ回動させられ、保持部材27と保持部材28がγ4方向へ回動させられて、一度、ディスクが保持爪26b,27b,28bおよび支持体21の下面とで保持される。
【0230】
その後に、図9に示すように、切換え部材91が(e)方向へ移動させられ、移送ユニット17が待機位置から移送動作位置へ移動させられる。このとき、第3のモータM3によって移送ローラ112,113は、搬出方向へ回転させられる。したがって、移送ユニット17が移送動作位置へ回動するときに、支持体21に支持されているディスクDのY1側の端部が、移送ローラ112,113と挟持部106との間にスムースに挟持される。なお、移送ユニット17が移送動作位置へ移動するのに伴って、図19に示すように、挿入口23に近い位置にある保持部材26がγ1方向へ回動させられる。
【0231】
移送ユニット17が移送動作位置へ移動し、移送ローラ112,113の回転が停止すると、さらに、第1の動力伝達部12のラック部材32がY2方向へ移動させられて、ターンテーブル82におけるディスクDのクランプが解除される。さらにラック部材32のY2方向への移動力によって、ロック部材54とロック部材61がX2方向へ移動させられて、ユニット支持ベース13と駆動ユニット14が底面6に向けて下降させられて、ターンテーブル82の中心凸部82bが、ディスクDの中心穴DaからZ1方向へ抜き出される。このときは、ディスクDは、保持爪27b,28bで保持されているともに、移送ローラ112,113と挟持部106とで挟持されているため、ターンテーブル82は、ディスクDから下方へ容易に抜け出ることができる。
【0232】
また、移送ユニット17が移送動作位置に移動するときの切換え部材91の(e)方向への移動力によって、シャッタ開閉部材126がX2方向へ移動させられ、図17(B)に示すように、シャッタ201が上昇し、挿入口23が開放される。
【0233】
そして、移送ローラ112,113が搬出方向へ回転させられ、且つ移送ユニット17が図19に示す移送動作位置から図18に示す待機位置へ回動させられて、ディスクDが挿入口23から排出される。このときも、図19および図18に示すように、排出されるディスクDの筐体2内に位置する部分は、第2の突出ガイド部材341の下方ガイド部342と上方ガイド部343との間で案内される。
【0234】
また、ディスク収納領域20内のディスクDを排出させるときには、駆動ユニット14を退避位置へ移動させ、移送ユニット17を待機位置へ移動させて、各選択軸151A,151B,151Cを回転させて、排出しようとするディスクを保持した支持体21を選択位置(a)へ移動させる。
【0235】
そして、駆動ユニット14を図18などに示す介入位置へ回動させ、さらにロック部材
54,61によって、ユニット支持ベース13と駆動ユニット14をZ2方向へ持ち上げて、ターンテーブル82でディスクDをクランプし、その後に移送ユニット17を移送動作位置へ移動させて、ディスクDを移送ローラ112,113と挟持部106とで挟持する。そして、ターンテーブル82によるディスクDのクランプを解除して、ターンテーブル82の中心凸部82bをディスクDの中心穴Daから下方へ抜き出し、移送ローラ112,113を搬出方向へ回動させながら、移送ユニット17を待機位置へ回動させて、ディスクDを挿入口23から排出する。
【符号の説明】
【0236】
1 ディスク収納型ディスク装置
2 筐体
5 上部筐体
9 左側面
10 後側面
11 天井面
12 第1の動力伝達部
13 ユニット支持ベース
14 駆動ユニット
15 機構ベース
16 第2の動力伝達部
17 移送ユニット
19 第3の動力伝達部
20 ディスク収納領域
21 支持体
22 支持体選択手段
23 挿入口
25A,25B,25C 軸受
26,27,28 保持部材
26b,27b,27b 保持爪
31 スライダ
32 ラック部材
38 切換レバー
41 切換駆動ピン
42 ロック切換え部材
44 連結回動レバー
54 ロック部材
56 ロック制御穴
61 ロック部材
62 ロック制御穴
77,78 拘束軸
82 ターンテーブル
85 駆動スライダ
87 切換え制御軸
88 駆動軸
91 切換え部材
94 出力歯車
95 第1の切換え歯車
98 第2の切換え歯車
99 伝達歯車
105 摺動部材
106 挟持部
112 第1の移送ローラ
113 第2の移送ローラ
122 切換レバー
126 シャッタ開閉部材
137 ユニット制御長穴
151A,151B,151C 選択軸
152 選択溝
165 ガイド制御長穴
310 第1の切換え部材
312 第1のアイドル板
312a 駆動長穴
313 第1の切換え穴
313a 噛み合い解除部
313b 噛み合わせ部
315 連動長穴
316 押圧部
317 制御長穴
320 第2の切換え部材
323 第2の切換え穴
323a 噛み合わせ部
323b 噛み合い解除部
331 第1の突出ガイド部材
332 ガイドホルダ
333a 直進案内部
333b 突出案内部
341 第2の突出ガイド部材
342 下方ガイド部
343 上方ガイド部
344 連結部
351 ガイド切換え部材
361 中間切換え部材
401 伝達切換え部材
403 第1の保持切換え部材
404 第2の切換え駆動部材
D ディスク
Da 中心穴
M1 第1のモータ
M2 第2のモータ
M3 第3のモータ
Oa 挿入中心線
Ob 搬送中心線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体(2)内に、ディスクを支持可能な支持体(21)が複数並べられたディスク収納領域(20)と、ディスク収納領域(20)内で支持体(21)をディスク厚み方向へ移動させていずれかの支持体(21)を選択位置(a)へ移動させる支持体選択手段(22)と、選択位置(a)にある支持体(21)に保持されたディスク(D)を回転駆動する駆動ユニット(14)と、選択位置(a)の支持体(21)に向けてディスク(D)を搬入する移送ユニット(17)と、駆動ユニット(14)によるディスク(D)の回転駆動が完了した後に、駆動ユニット(14)を選択位置(a)にある支持体(21)に接近させて、駆動ユニット(14)から支持体(21)へディスク(D)を受け渡す機構(54,61)とが設けられており、
筐体(2)内には、ディスク収納領域(20)での支持体(21)の移動領域の上限と下限との中間位置にある機構支持(15)が設けられ、この機構支持(15)には、ディスク収納領域(20)内のディスク(D)の外周縁の外側に位置する退避位置から、ディスク収納領域(20)内へ突出する突出位置との間で移動する突出ガイド部材(341)と、突出ガイド部材(341)を前記突出位置へ移動させる切換え部材(91)とが設けられ、
ディスク(D)が支持体(21)に受け渡されたときに、切換え部材(91)によって、突出ガイド部材(341)が前記突出位置へ移動させられ、支持体(21)に保持されたディスク(D)が突出ガイド部材(341)で支えられた状態で、駆動ユニット(14)が支持体(21)から離されることを特徴とするディスク収納型ディスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2009−170100(P2009−170100A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−110264(P2009−110264)
【出願日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【分割の表示】特願2005−288982(P2005−288982)の分割
【原出願日】平成17年9月30日(2005.9.30)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】