ディスク検出装置
【課題】 ディスクの検出を精度良く行うことができる「ディスク検出装置」を提供する。
【解決手段】 ディスク挿入口1から挿入されたディスクDの有無を検出するディスク検出装置は、発光素子10aおよび発光素子10aからの光を受光する受光素子10bを有する光検出部とを備え、受光素子10aのコレクタ側で生成されるノードNに発生するノード電圧の値に応じて、ディスクの有無を検出する。ノード電圧はマイクロコントローラ40にA/D変換されて供給され、その変化量に応じてディスク有無の判別の閾値を設定する。
【解決手段】 ディスク挿入口1から挿入されたディスクDの有無を検出するディスク検出装置は、発光素子10aおよび発光素子10aからの光を受光する受光素子10bを有する光検出部とを備え、受光素子10aのコレクタ側で生成されるノードNに発生するノード電圧の値に応じて、ディスクの有無を検出する。ノード電圧はマイクロコントローラ40にA/D変換されて供給され、その変化量に応じてディスク有無の判別の閾値を設定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CD、DVD、ブルーレイディスク等のディスクを検出するディスク検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
CDやDVD等のディスク再生装置は、ディスクを挿入する際に、フォトセンサーを利用し、ディスクの検出を行っている。例えば特許文献1は、図8に示すように、ディスク挿入口1と移送ローラ2との間に光学検知手段4を設けている。光学検知手段4は、図9に示すように、ディスク挿入口1の上面側に設けられた発光素子4aと、下面側に設けられた受光素子4bの一対の光学部材から構成されている。ディスクDがディスク挿入口1からディスク装置A内に挿入されると、発光素子4aと受光素子4bとの間の光が遮断されるため受光素子4bの出力が反転し、ディスク有が検出される。また、光学検知手段4を複数配置することにより、例えば、直径8cmのSD(シングルディスク)又は直径12cmのCD(コンパクトディスク)など径の違いによって反転する受光素子の数を検出し、挿入されたディスクDの種別、即ちSD又はCDを判別することも可能である。この判別したデータは、制御部またはメカユニット部に伝えられる。
【0003】
図10は、発光素子と受光素子の回路構成を示す図である。LEDは、カソードが接地され、アノードが抵抗を介して供給電源Vccに接続されている。フォトトランジスタTRSは、エミッタが接地され、コレクタがノードNに接続されている。ノードNは、抵抗を介して供給電源Vccに接続され、かつCMOSバッファ5の入力に接続されている。CMOSバッファ5の出力は、図示しないマイクロコントローラに接続されている。
【0004】
ディスクが挿入されていない状態では、LEDからの光を受光したフォトトランジスタTRSがオンし、ノードNがローレベルとなり、CMOSバッファ5の出力もローレベルとなる。ディスクが挿入されると、LEDの光がディスクで遮られ、フォトトランジスタTRSがオフとなり、ノードNがハイレベルとなり、CMOSバッファ5の出力もハイレベルとなる。マイクロコンピュータは、CMOSバッファ5のレベルがハイかローかに基づきディスクの有無を検出している。
【0005】
特許文献2は、ディスク検出装置に関し、ディスクが装置内に挿入されたか否かを検出する発光素子と受光素子の組からなるディスク検出スイッチと、装置内に挿入されたディスクがクランプ位置に到達するまではオフ状態となり、到達したときはオン状態となるクランプスイッチと、ディスク検出スイッチとクランプスイッチとの間に直列に接続されて、クランプスイッチがオフ状態のときは発光素子を点灯させ、クランプスイッチがオン状態のときに発光素子を消灯させるスイッチングトランジスタとを備えている。これにより、発光素子の点灯・消灯をディスククランプを検出するクランプスイッチによって制御可能にしている。
【0006】
特許文献3は、光学検知式のディスク挿入検知機構を備えたディスク装置に関し、発光部または受光部を回転移動等により移動が可能な部品またはユニットに設け、ディスクの挿入により上記部品またはユニットを移動させることで、相対する光軸のずれが生じ、受光部への入力光の減少または増加によりディスクの挿入を検知する。これにより、光透過率の高いディスクの挿入を正確に検知することができる。
【0007】
【特許文献1】特開平10−247352号
【特許文献2】特開2001−35071号
【特許文献3】特開2005−216390号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来のディスク検出装置には次のような課題がある。
(1)発光素子(LED)の寿命低下
従来技術では、図10に示すように、ディスク再生装置の電源がオンのとき、LEDに常時電流が流れるため、ディスクの検出を必要としない期間でも、LEDが連続点灯している。こうした不要な連続点灯により、LEDの寿命が大幅に縮まってしまう。
(2)ディスク検出の精度
上記したようにディスク検出装置の回路は、CMOSバッファ5を使用し、そのハイレベルまたはローレベルの2値の出力によりディスクの有無を検出している。
(a)半透明ディスク対応
光の遮断を完全に出来ない半透明ディスクでは、ノードNの電圧がCMOSバッファ5のスレッショルドレベルまで達することができないことがあり、半透明ディスクを精度良く検出することができない可能性がある。
(b)耐環境性
製品を使用してゆく上で、LEDの寿命、塵埃、温度などの環境の変化によって、ノードNの電圧が変化してしまうと、CMOSバッファの2値では、ディスクの有無の検出精度にバラツキが生じ、誤検出をする可能性がある。
(3)外乱光による誤動作
ディスクDを挿入する際、図11に示すように、ディスクDに反射する外乱光6が、受光素子4b側に進入する可能性がある。ディスクで反射された外乱光6が受光素子4bに当たると、オフにならなければならないフォトトランジスタTRSがオンしてしまい、ディスクの検出が正確に行われないという課題がある。
【0009】
本発明は、上記従来の課題を解決するために成されたものであり、ディスクの検出を精度良く行うことができるディスク検出装置を提供することを目的とする。
さらに本発明は、発光素子の寿命を改善し、ディスク等で反射される外乱光の悪影響を抑制したディスク検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る、ディスク挿入口から挿入されたディスクの有無を検出するディスク検出装置は、発光素子からの光を受光する受光素子を備え、ディスク挿入口の第1の主面側に発光素子が配置され、ディスク挿入口の第1の主面と対向する第2の主面側に受光素が配置されている。発光素子は、好ましくはLEDであり、受光素子はフォトトランジスタである。発光素子と供給電源との間にスイッチが接続され、当該スイッチは、ディスクのローディングを指示する入力に応答してオンし、これにより発光素子を点灯させる。発光素子は常時点灯されず、ディスクのローディングの期間だけ点灯されるため、寿命を延ばすことができる。
【0011】
また、受光素子のエミッタが基準電位に接続され、そのコレクタと供給電源との間に可変抵抗が接続され、受光素子のコレクタと可変抵抗の接続がノードを形成する。ディスク検出装置は、当該ノードに生成されるノード電圧に基づきディスクの有無を判定する判定手段を含む。
【0012】
判定手段は、例えば、マイクロコントローラである。マイクロコントローラは、ノード電圧の変化量に基づきディスクの有無を判定する。好ましくは、前回得られたノード電圧を前回値として記憶し、前回値と今回値の差分が一定値より大きいとき、ディスク有と判定する。これにより、完全遮光ディスクや半透明ディスクの有無を精度良く検出することができる。
【0013】
一方、判定手段は、前回値と今回値の差分が一定値以下である場合には、ディスク無と判定し、一定期間ノード電圧を監視し、今回値が前回値より小さくなったとき前回値を今回値に置き換える。ディスク挿入口内に、例えば半透明ディスクが挿入されていた場合に、そのディスクを一旦アンロードさせてから再挿入させる操作が行われる。前回値を今回値に置き換えることで、ディスクが再挿入されたとき、前回値と今回値の差分が一定値より大きくなり、ディスク有を検出することができる。
【0014】
好ましくは判定手段は、受光素子が発光素子の点灯によってオンされたときの初期状態のノード電圧を初期値として記憶し、ディスク検出装置が起動されたときのノード電圧と初期値との差が一定値よりも大きい場合には、起動時のノード電圧を初期値で置き換える。ノード電圧が異常と判定し、これを初期値に置き換えることで、ディスクの検出を精度良く行うことができる。
【0015】
更に、本発明に係るディスク挿入口から挿入されたディスクの有無を検出するディスク検出装置は、第1の発光素子および当該第1の発光素子からの光を受光する第1の受光素子を有する第1の光検出部と、第2の発光素子および当該第2の発光素子からの光を受光する第2の受光素子を有する第2の光検出部とを備え、ディスク挿入口の第1の主面側に第1の発光素子と第2の受光素子が配置され、ディスク挿入口の第1の主面と対向する第2の主面側に第1の受光素子と第2の発光素子が配置されている。
【0016】
第1および第2の受光素子は、供給電源と基準電位(例えば、グランド)との間に直列に接続され、第1および第2の発光素子は、供給電源と基準電位との間に並列に接続されている。そして、第1および第2の発光素子と供給電源との間にスイッチが接続され、当該スイッチは、ディスクのローディングを指示する入力に応答してオンし、これにより発光素子を点灯させる。発光素子は常時点灯されず、ディスクのローディングの期間だけ点灯されるため、寿命を延ばすことができる。
【0017】
第1の受光素子のエミッタが基準電位に接続され、そのコレクタが第2の受光素子のエミッタに接続され、第2の受光素子のコレクタと供給電源との間に可変抵抗が接続され、第2の受光素子のコレクタと可変抵抗の接続がノードを形成する。ディスク検出装置は、当該ノードに生成されるノード電圧に基づきディスクの有無を判定する判定手段を含む。
【0018】
判定手段は、例えば、マイクロコントローラである。マイクロコントローラは、ノード電圧の変化量に基づきディスクの有無を判定する。好ましくは、前回得られたノード電圧を前回値として記憶し、前回値と今回値の差分が一定値より大きいとき、ディスク有と判定する。これにより、完全遮光ディスクや半透明ディスクの有無を精度良く検出することができる。
【0019】
一方、判定手段は、前回値と今回値の差分が一定値以下である場合には、ディスク無と判定し、一定期間ノード電圧を監視し、今回値が前回値より小さくなったとき前回値を今回値に置き換える。ディスク挿入口内に、例えば半透明ディスクが挿入されていた場合に、そのディスクを一旦アンロードさせてから再挿入させる操作が行われる。前回値を今回値に置き換えることで、ディスクが再挿入されたとき、前回値と今回値の差分が一定値より大きくなり、ディスク有を検出することができる。
【0020】
好ましくは判定手段は、第1および第2の受光素子が第1および第2の発光素子の点灯によってオンされたときの初期状態のノード電圧を初期値として記憶し、ディスク検出装置が起動されたときのノード電圧と初期値との差が一定値よりも大きい場合には、起動時のノード電圧を初期値で置き換える。ノード電圧が異常と判定し、これを初期値に置き換えることで、ディスクの検出を精度良く行うことができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、受光素子の受光状態に応じたノード電圧の変化量からディスクの検出を行うため、完全遮光ディスクのみならず半透明ディスクも正確に検出することができ、さらに、発光素子の寿命、塵埃、温度などの動作環境の変化にも対応することができる。さらに、ディスクのローディングに応答して発光素子を点灯させ、発光素子の常時点灯を行わないようにしたので、発光素子の寿命を延ばすことができる。
更に、光検出部を複数の発光素子、受光素子で構成すると共に、それぞれの光検出部の発光素子と受光素子を互い違いに配置させることで、外乱光の影響を受けることなく、正確にディスクの検出を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の最良の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【実施例】
【0023】
図1は、本発明の実施例に係るディスク検出装置の要部を示す図である。本実施例のディスク検出装置は、一対の発光素子10aと受光素子10bを含む。発光素子10aと発光素子10aの光を受光する受光素子10bが光検出部を構成する。
【0024】
光検出部は、ディスク挿入口1の上面側に発光素子10aが配置され、ディスク挿入口の下面側に受光素子10bが配置され、発光素子10aの光は受光素子10bを照射するようになっている。光検出部は、ディスク挿入口1の近傍であって、例えば図8に示したように、移送ローラの手前に設けられる。
【0025】
図2はディスク検出装置の回路構成を示す図である。発光素子10aは、LEDから構成される。発光素子10aのカソードが接地されている。発光素子10aのアノードは、抵抗R1が接続され、抵抗と供給電源Vccの間に制御スイッチ30が接続されている。制御スイッチ30は、ディスクをディスク挿入口1内にロードさせるためのロードキー(図示省略)に連動し、ユーザーがロードキーを押下したとき、制御スイッチ30がオンし、発光素子10aに電流が流れ、点灯する。
【0026】
一方、受光素子10bは、好ましくはフォトトランジスタから構成される。受光素子10bのエミッタが接地され、そのコレクタが、ノードNに接続され、ノードNは、可変抵抗R2を介して供給電源Vccに接続されている。ノードNはさらに、マイクロコントローラ40のA/Dポートに入力されている。マイクロコントローラ40は、種々のデータおよびプログラムを記憶するための不揮発性の読み書き可能なメモリ、例えばEEPROMを含んでいる。
【0027】
発光素子10aの点灯により受光素子10bがオンする。受光素子10bは、受光量に応じた受光電流が流れ、ノードNの電圧を可変する。ディスクが未挿入のとき、受光素子の受光量が最大となり、そのときノードNの電圧が最も低くなる。一方、完全遮光のディスクが挿入されたとき、受光素子10bの受光電流はほとんどなく、従ってオフ状態となり、ノードNの電圧が高くなる。半透明ディスクが挿入されたとき、ディスクを透過する光量に応じた電圧がノードNに生成される。このときのノード電圧は、ディスクが未挿入のときのノード電圧と完全遮光ディスクが挿入されたときのノード電圧の間である。マイクロコントローラ40は、ノードNの電圧を入力したA/D値に基づきディスクの有無を判断する。
【0028】
本実施例のディスク検出装置では、受光素子10bがオフしたとき、ディスク有を検出する。また、可変抵抗R2を使用することにより、発光素子および受光素子をランクフリーで使用しても、各ランクの影響を受けなくて済む。言い換えれば、発光素子の輝度ランク,受光素子の受光感度ランクは、可変抵抗R2により吸収することができる。A/D検出方式の場合、可変抵抗R2を使わずに発光素子および受光素子のランクを選別するか、または可変抵抗R2を使用してランクフリーにするかを選択することができる。本実施例では、部品選別を要さないようにするため、可変抵抗R2を用いてランクフリーを採用している。
【0029】
図3は、本発明の第2の実施例に係るディスク検出装置の要部を示す図である。この実施例のディスク検出装置は、複数の組合せの光検出部を設けたもので、図示するように、発光素子10aおよび20aと、受光素子10bおよび20bとを含む。発光素子10aと発光素子10aの光を受光する受光素子10bが第1組の光検出部を構成し、発光素子20aと発光素子20aの光を受光する受光素子20bが第2組の光検出を構成する。
【0030】
第1組の光検出部と第2組の光検出部は、図示するように、ディスク挿入口1を基準に、それぞれの発光素子と受光素子が互い違いとなるように配置されている。すなわち、ディスク挿入口1の上面側に、発光素子10aと受光素子20bが一定の距離を隔てて配置され、ディスク挿入口の下面側に受光素子10bと発光素子20aが一定の距離を隔てて配置され、発光素子10aの光は受光素子10bを照射し、発光素子20aの光は受光素子20bを照射するようになっている。第1組および第2組の光検出部は、ディスク挿入口1の近傍であって、例えば図8に示したように、移送ローラの手前に設けられる。
【0031】
図4はディスク検出装置の回路構成を示す図である。発光素子10aおよび20aは、LEDから構成される。発光素子10aならびに発光素子20aのカソードが接地されている。発光素子10aならびに発光素子20aのアノードは、それぞれ抵抗R1、R1が接続され、これら抵抗R1と供給電源Vccの間に制御スイッチ30が接続されている。制御スイッチ30は、ディスクをディスク挿入口1内にロードさせるためのロードキー(図示省略)に連動し、ユーザーがロードキーを押下したとき、制御スイッチ30がオンし、発光素子10aおよび20aに電流が流れ、それぞれが点灯する。
【0032】
一方、受光素子10b、20bは、好ましくはフォトトランジスタから構成される。受光素子10bのエミッタが接地され、そのコレクタが受光素子20bのエミッタに接続されている。受光素子20bのコレクタは、ノードNに接続され、ノードNは、可変抵抗R2を介して供給電源Vccに接続されている。ノードNはさらに、マイクロコントローラ40のA/Dポートに入力されている。マイクロコントローラ40は、種々のデータおよびプログラムを記憶するための不揮発性の読み書き可能なメモリ、例えばEEPROMを含んでいる。
【0033】
発光素子10aの点灯により受光素子10bがオンし、発光素子20aの点灯により受光素子20bがオンする。受光素子10bおよび受光素子20bは、受光量に応じた受光電流が流れ、ノードNの電圧を可変する。ディスクが未挿入のとき、受光素子の受光量が最大となり、そのときノードNの電圧が最も低くなる。一方、完全遮光のディスクが挿入されたとき、受光素子10bおよび受光素子20bの受光電流はほとんどなく、従ってオフ状態となり、ノードNの電圧が高くなる。半透明ディスクが挿入されたとき、ディスクを透過する光量に応じた電圧がノードNに生成される。このときのノード電圧は、ディスクが未挿入のときのノード電圧と完全遮光ディスクが挿入されたときのノード電圧の間である。マイクロコントローラ40は、ノードNの電圧を入力したA/D値に基づきディスクの有無を判断する。
【0034】
本実施例のディスク検出装置では、受光素子10bと受光素子20bが直列に接続され、いずれか一方の受光素子がオフしたとき、ディスク有を検出する。発光素子10a、20aと受光素子10b、20bはディスク挿入口1の上下面において互い違いに配置されているため、ディスクで反射する外乱光によりいずれか一方の受光素子がオンしても、他方の受光素子がオフとなり、すなわち受光素子がアンド接続されているため、ノードNの電圧は変動せず、マイクロコントローラ40は正確にディスクの有無を検出することができる。但し、ディスクの両面で外乱光が同時に反射しないという前提条件が必要となるが、通常、両面で同時に反射することは極めて希である。
【0035】
図2で示される第1の実施例ならびに図4で示される第2の実施例において、それぞれ、マイクロコントローラ40は、A/Dポートを一定周期でサンプリングすることでノードNの電圧を算出し、ノード電圧の前回値と今回値の差(変化量の大小)に基づきディスクの有無を判断する。これら実施例のディスク検出フローでは、ノード電圧として、初期値Vo、前回値V1、今回値V2、判断値A、判断値Bの全5種の値を用いている。以下、ディスク検出動作の詳細を図5および図6のフローを参照して説明する。
【0036】
先ず、ディスク検出装置を組み込んだディスク装置の工場出荷時に初期値Voを設定する(ステップS101)。この設定は、LEDのみの100%の光(外乱光が無く、発光素子と受光素子を完全に透過する状態)を用い、コレクタ電圧(ノード電圧)が0.6V±0.2Vとなるように可変抵抗R2を手動で調整する。工場出荷時の初期値Voは、マイクロコントローラのメモリ(EEPROM)に格納される。つまり、工場出荷時にメモリに格納される初期値Voは、0.6Vである。
【0037】
次に、ディスク検出装置の起動時の前回値V1を求める。本例では、ディスク検出装置を組み込んだディスク装置が車両に搭載され、そこで起動されるものとする。ディスク装置の起動時(ACC−ON等のスタンバイ−アウト時)に制御スイッチ30がオンされ、発光素子10aおよび20aを点灯させ、ノードNの電圧をA/Dポートより読み込む。読み込んだ後は、制御スイッチ30をオフし、LEDの寿命を減らさないようにする。この起動時に読み込んだA/D値を前回値V1として格納する。
【0038】
次に、起動時の前回値V1とメモリに格納された初期値Voを比較し(ステップS103)、絶対差が判断値Aよりも大きいか否か判定し(ステップS104)、その結果、表1に示す処理を行う。本実施例では、回路電圧5Vに対し判断値A=1Vとしている。絶対差が判断値Aよりも大きい場合、起動時の前回値V1を異常と判断し、起動時の前回値V1に初期値Voを上書きし、初期値Voを前回値V1とする(ステップS105)。つまり、起動時の前回値V1を採用しない。
【0039】
一方、絶対差が判断値A未満ならば、起動時の前回値V1を正常と判断し、この前回値V1を採用する。この場合、初期値Voによる上書きしない。
【0040】
【表1】
【0041】
判断値Aは、適切な値を選択するする必要がある。つまり、判断値Aが小さすぎる場合、起動時の前回値V1は常に異常となり、初期値Voにより上書きされ、前回値V1がVoとなり更新されない。判断値Aが大きすぎる場合、起動時に完全遮光のディスクがディスク挿入口に存在してもこれを検出することができなくなってしまう。上記したように、本例では、回路電圧5Vに対し判断値A=1Vとすることで、完全遮光のディスクが起動時からディスク挿入口に存在していても、絶対値の差電圧が1V以上となるため異常と判断することが可能となる。しかし、差電圧が1V未満の半透明のディスクが起動時からディスク挿入口に存在した場合には、これを検出することができない。起動時の半透明ディスクの対応については後述する。以上のプロセスにより、前回値V1が確定し、ディスク検出装置の通常動作が開始される(ステップS106)。
【0042】
次に、ユーザーがディスク装置のローディングキーを押下したときの動作を説明する。ユーザーがローディングキー(図示省略)を押下すると(ステップS107)、これに応答して制御スイッチ30がオンし、発光素子10aおよび20aが点灯する(ステップS108)。マイクロコントローラ40は、ノードNのA/D値を読み込む(ステップS109)。A/D値は、好ましくは、4ms周期で2回読込み、その平均値を今回値V2とし、レジスタに一時格納する。
【0043】
マイクロコントローラ40は、今回値V2と前回値V1の差電圧と判断値Bとを比較し(ステップS110)、その結果、表2に示す処理を行う。本例では、判断値Bを0.2Vとしている。
【0044】
今回値V2と前回値V1との差電圧が判断値Bを越える場合(ステップS111)、マイクロコンピュータ40は、ディスク有と判断する(ステップS112)。すなわち、発光素子10a、20aと受光素子10b、20bとの間にディスクが挿入されることで、受光素子10b、20bが受ける発光素子10a、20aからの光量が減少することによるノード電圧の変化が判断値Bで判断されることとなる。この判断結果を受けて、ディスク装置のメカユニット部は、ディスク有の検出結果をマイクロコントローラ40から受けて、ディスクのローディングを開始する(ステップS113)。ディスクが内部の所定位置に停止されたとき、制御スイッチ30がオフとなり、発光素子10a、20aが消灯され(ステップS114)、通常動作に戻る(ステップS120)。
【0045】
一方、差電圧が判断値Bと同等もしくはそれ以下であった場合には、ディスク無と判断し、一定期間、今回値V2のAD値の読込を継続し、その間、今回値V2が最新値に更新される。その結果、表3に示す処理が実行される(ステップS115)。
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】
処理3に示すように、V1>V2ならば(ステップS116)、今回値V2を前回値V1に上書きする(ステップS117)。すなわち、前回値V1が今回値V2に更新される。
【0049】
処理4に示すように、V2−V1>Bならば(ステップS118)、ディスク有と判断し、ローディング動作を開始する。この処理は、上記ステップS112からステップS114である。
【0050】
処理5に示すように、一定期間内に処理3または処理4に該当しなければ(ステップS119)、タイムアウトによりディスク有無の判断を止めて通常動作に戻る(ステップS120)。
【0051】
上記したように、一旦、ディスク無と判断した場合、タイムアウトするまで、または処理4のディスク有の判断が成されるまで今回値V2を更新しつづける。この間、比較対象の前回値V1を下げるための処理3が含まれている。この処理3は、起動時に、半透明ディスクがディスク挿入口に存在した場合に対処する。起動時に半透明ディスクが存在し、ロードキーを押すときもこれが存在した場合、V1=V2となりローディング動作は開始しない。しかし、ユーザーはローディングしないため、ディスクを再挿入すると考えられる(再挿入しなければそのままタイムアウトする)。再挿入時には、一度ディスクが抜かれるため、今回値V2の最新値は下がる。これは、処理3の条件を満足し、今回値V2を前回値V1に上書きすることになり前回値V1を更新する。次にディスクを再挿入したとき、最新値V2は、処理4の条件を満足することになり、ディスク有りを検出することができる。
【0052】
こうして、ユーザーの手を借りる操作を最小限に抑えている。つまり、起動時とロードキーを押す同時か直前に、半透明ディスクがディスク挿入口に存在した場合のみ、ユーザーの手を借りることになる。また、ディスク検出の処理スピードも重要である。ユーザーの手動によるディスク挿入速度よりも早くディスク有を検出しなければならない。遅い場合は、ディスク挿入フィーリングの悪化につながる。本実施例の場合、50ms以下でディスク有りの検出信号をメカユニット部に伝えている。処理スピードは、手動による標準的なディスク挿入スピードとフォトセンサーとメカユニット部間の物理的距離によって概ね算出することができる。
【0053】
ディスク装置がACC−OFF等によりスタンバイ-イン状態になるとき、前回値V1を最新の初期値Voとする。つまり、メモリの初期値Voを今回値V1の値に上書きし、初期値Voを更新する。これにより、初期値Voを環境変化に応じた値に更新する。
【0054】
実車状態ではディスク装置のスタンバイ-イン時にのみ、メモリの初期値Voが更新される。よって、一度もスタンバイ-インしない条件下で、粉塵等が判断値B相当までたまった場合は、ディスク有りを誤検出する可能性が出る。しかし、環境変化による初期値Voの変化を想定した場合、時間は十分長く、一度もスタンバイ-インしないことは考慮しなくても良いと判断している。
【0055】
以上説明したように、本実施例のディスク検出装置によれば次のような効果が得られる。
(1)発光素子(LED)の寿命向上
ローディングキーに連動させ、ディスク検出時のみ発光素子10aを点灯させることで、発光素子の寿命を長期化させることができる。
(2)外乱光による誤動作低減
2組の光検出部の発光素子と受光素子をディスク挿入口に互い違いに配置することで、図7に示すように、外乱光1が進入したことで受光素子20bが誤ってオンしてしまった場合でも、受光素子10bがオフ状態であるため、ディスク有を検出することがでる。また、外乱光2の進入により受光素子10bが誤ってオンしてしまった場合でも、受光素子20bがオフ状態であるため、ディスク有を検出することができる。このように外乱光によるディスク検出の誤動作を回避することができる。
(3)ディスク検出の精度向上
本実施例では、ノードNの電圧の変化量で相対的にディスクの有無を判断することで、受光素子が完全にオフにならない半透明ディスクであっても確実に検出することができる。また、発光素子の輝度が経年変化、塵埃、温度等により変化しても、ディスクの有無を正確に検出することができる。
【0056】
なお上記実施例では、2組の光検出部を用いてディスクの検出を行う例を示したが、例えば、外乱光による影響が少ないような環境であれば、光検出部を1組としてもよい。この場合にも、1つの受光素子のコレクタ電圧(ノード電圧)の変化量からディスクの有無の検出を行う。また上記実施例では、受光素子10bと受光素子20bを直列にアンド接続するようにしたが、受光素子10bと受光素子20bをオア接続し、かつ発光素子10a、20aと受光素子10b、20bを配置する間隔を、径の異なるディスク、例えば12cm径のディスクと8cm径のディスクに対応するようにし、径の異なるディスクの判別を同時に行うようにしてもよい。
【0057】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明に係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、CD、DVD、ブルーレイ等のディスクを挿入し、ディスクの再生やディスクへの書き込みを行うディスク装置において利用される。例えば、CD、DVDディスクプレイヤー、車載用のオーディオ・ビデオ装置において利用される。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の第1の実施例に係るディスク検出装置の要部を示す図である。
【図2】第1の実施例のディスク検出装置の回路構成を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施例に係るディスク検出装置の要部を示す図である。
【図4】第2の実施例のディスク検出装置の回路構成を示す図である。
【図5】実施例のディスク検出装置におけるディスク検出動作を示すフローチャートである。
【図6】実施例のディスク検出装置におけるディスク検出動作を示すフローチャートである。
【図7】実施例のディスク検出装置の効果を説明する図である。
【図8】従来のディスク検出装置を説明する図である。
【図9】従来のディスク検出装置の発光素子と受光素子の配置を示す図である。
【図10】従来のディスク検出装置の回路構成を示す図である。
【図11】従来のディスク検出装置の課題を説明する図である。
【符号の説明】
【0060】
1:ディスク挿入口
10a、20a:発光素子
10b、20b:受光素子
30:制御スイッチ
40:マイクロコントローラ
【技術分野】
【0001】
本発明は、CD、DVD、ブルーレイディスク等のディスクを検出するディスク検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
CDやDVD等のディスク再生装置は、ディスクを挿入する際に、フォトセンサーを利用し、ディスクの検出を行っている。例えば特許文献1は、図8に示すように、ディスク挿入口1と移送ローラ2との間に光学検知手段4を設けている。光学検知手段4は、図9に示すように、ディスク挿入口1の上面側に設けられた発光素子4aと、下面側に設けられた受光素子4bの一対の光学部材から構成されている。ディスクDがディスク挿入口1からディスク装置A内に挿入されると、発光素子4aと受光素子4bとの間の光が遮断されるため受光素子4bの出力が反転し、ディスク有が検出される。また、光学検知手段4を複数配置することにより、例えば、直径8cmのSD(シングルディスク)又は直径12cmのCD(コンパクトディスク)など径の違いによって反転する受光素子の数を検出し、挿入されたディスクDの種別、即ちSD又はCDを判別することも可能である。この判別したデータは、制御部またはメカユニット部に伝えられる。
【0003】
図10は、発光素子と受光素子の回路構成を示す図である。LEDは、カソードが接地され、アノードが抵抗を介して供給電源Vccに接続されている。フォトトランジスタTRSは、エミッタが接地され、コレクタがノードNに接続されている。ノードNは、抵抗を介して供給電源Vccに接続され、かつCMOSバッファ5の入力に接続されている。CMOSバッファ5の出力は、図示しないマイクロコントローラに接続されている。
【0004】
ディスクが挿入されていない状態では、LEDからの光を受光したフォトトランジスタTRSがオンし、ノードNがローレベルとなり、CMOSバッファ5の出力もローレベルとなる。ディスクが挿入されると、LEDの光がディスクで遮られ、フォトトランジスタTRSがオフとなり、ノードNがハイレベルとなり、CMOSバッファ5の出力もハイレベルとなる。マイクロコンピュータは、CMOSバッファ5のレベルがハイかローかに基づきディスクの有無を検出している。
【0005】
特許文献2は、ディスク検出装置に関し、ディスクが装置内に挿入されたか否かを検出する発光素子と受光素子の組からなるディスク検出スイッチと、装置内に挿入されたディスクがクランプ位置に到達するまではオフ状態となり、到達したときはオン状態となるクランプスイッチと、ディスク検出スイッチとクランプスイッチとの間に直列に接続されて、クランプスイッチがオフ状態のときは発光素子を点灯させ、クランプスイッチがオン状態のときに発光素子を消灯させるスイッチングトランジスタとを備えている。これにより、発光素子の点灯・消灯をディスククランプを検出するクランプスイッチによって制御可能にしている。
【0006】
特許文献3は、光学検知式のディスク挿入検知機構を備えたディスク装置に関し、発光部または受光部を回転移動等により移動が可能な部品またはユニットに設け、ディスクの挿入により上記部品またはユニットを移動させることで、相対する光軸のずれが生じ、受光部への入力光の減少または増加によりディスクの挿入を検知する。これにより、光透過率の高いディスクの挿入を正確に検知することができる。
【0007】
【特許文献1】特開平10−247352号
【特許文献2】特開2001−35071号
【特許文献3】特開2005−216390号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来のディスク検出装置には次のような課題がある。
(1)発光素子(LED)の寿命低下
従来技術では、図10に示すように、ディスク再生装置の電源がオンのとき、LEDに常時電流が流れるため、ディスクの検出を必要としない期間でも、LEDが連続点灯している。こうした不要な連続点灯により、LEDの寿命が大幅に縮まってしまう。
(2)ディスク検出の精度
上記したようにディスク検出装置の回路は、CMOSバッファ5を使用し、そのハイレベルまたはローレベルの2値の出力によりディスクの有無を検出している。
(a)半透明ディスク対応
光の遮断を完全に出来ない半透明ディスクでは、ノードNの電圧がCMOSバッファ5のスレッショルドレベルまで達することができないことがあり、半透明ディスクを精度良く検出することができない可能性がある。
(b)耐環境性
製品を使用してゆく上で、LEDの寿命、塵埃、温度などの環境の変化によって、ノードNの電圧が変化してしまうと、CMOSバッファの2値では、ディスクの有無の検出精度にバラツキが生じ、誤検出をする可能性がある。
(3)外乱光による誤動作
ディスクDを挿入する際、図11に示すように、ディスクDに反射する外乱光6が、受光素子4b側に進入する可能性がある。ディスクで反射された外乱光6が受光素子4bに当たると、オフにならなければならないフォトトランジスタTRSがオンしてしまい、ディスクの検出が正確に行われないという課題がある。
【0009】
本発明は、上記従来の課題を解決するために成されたものであり、ディスクの検出を精度良く行うことができるディスク検出装置を提供することを目的とする。
さらに本発明は、発光素子の寿命を改善し、ディスク等で反射される外乱光の悪影響を抑制したディスク検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る、ディスク挿入口から挿入されたディスクの有無を検出するディスク検出装置は、発光素子からの光を受光する受光素子を備え、ディスク挿入口の第1の主面側に発光素子が配置され、ディスク挿入口の第1の主面と対向する第2の主面側に受光素が配置されている。発光素子は、好ましくはLEDであり、受光素子はフォトトランジスタである。発光素子と供給電源との間にスイッチが接続され、当該スイッチは、ディスクのローディングを指示する入力に応答してオンし、これにより発光素子を点灯させる。発光素子は常時点灯されず、ディスクのローディングの期間だけ点灯されるため、寿命を延ばすことができる。
【0011】
また、受光素子のエミッタが基準電位に接続され、そのコレクタと供給電源との間に可変抵抗が接続され、受光素子のコレクタと可変抵抗の接続がノードを形成する。ディスク検出装置は、当該ノードに生成されるノード電圧に基づきディスクの有無を判定する判定手段を含む。
【0012】
判定手段は、例えば、マイクロコントローラである。マイクロコントローラは、ノード電圧の変化量に基づきディスクの有無を判定する。好ましくは、前回得られたノード電圧を前回値として記憶し、前回値と今回値の差分が一定値より大きいとき、ディスク有と判定する。これにより、完全遮光ディスクや半透明ディスクの有無を精度良く検出することができる。
【0013】
一方、判定手段は、前回値と今回値の差分が一定値以下である場合には、ディスク無と判定し、一定期間ノード電圧を監視し、今回値が前回値より小さくなったとき前回値を今回値に置き換える。ディスク挿入口内に、例えば半透明ディスクが挿入されていた場合に、そのディスクを一旦アンロードさせてから再挿入させる操作が行われる。前回値を今回値に置き換えることで、ディスクが再挿入されたとき、前回値と今回値の差分が一定値より大きくなり、ディスク有を検出することができる。
【0014】
好ましくは判定手段は、受光素子が発光素子の点灯によってオンされたときの初期状態のノード電圧を初期値として記憶し、ディスク検出装置が起動されたときのノード電圧と初期値との差が一定値よりも大きい場合には、起動時のノード電圧を初期値で置き換える。ノード電圧が異常と判定し、これを初期値に置き換えることで、ディスクの検出を精度良く行うことができる。
【0015】
更に、本発明に係るディスク挿入口から挿入されたディスクの有無を検出するディスク検出装置は、第1の発光素子および当該第1の発光素子からの光を受光する第1の受光素子を有する第1の光検出部と、第2の発光素子および当該第2の発光素子からの光を受光する第2の受光素子を有する第2の光検出部とを備え、ディスク挿入口の第1の主面側に第1の発光素子と第2の受光素子が配置され、ディスク挿入口の第1の主面と対向する第2の主面側に第1の受光素子と第2の発光素子が配置されている。
【0016】
第1および第2の受光素子は、供給電源と基準電位(例えば、グランド)との間に直列に接続され、第1および第2の発光素子は、供給電源と基準電位との間に並列に接続されている。そして、第1および第2の発光素子と供給電源との間にスイッチが接続され、当該スイッチは、ディスクのローディングを指示する入力に応答してオンし、これにより発光素子を点灯させる。発光素子は常時点灯されず、ディスクのローディングの期間だけ点灯されるため、寿命を延ばすことができる。
【0017】
第1の受光素子のエミッタが基準電位に接続され、そのコレクタが第2の受光素子のエミッタに接続され、第2の受光素子のコレクタと供給電源との間に可変抵抗が接続され、第2の受光素子のコレクタと可変抵抗の接続がノードを形成する。ディスク検出装置は、当該ノードに生成されるノード電圧に基づきディスクの有無を判定する判定手段を含む。
【0018】
判定手段は、例えば、マイクロコントローラである。マイクロコントローラは、ノード電圧の変化量に基づきディスクの有無を判定する。好ましくは、前回得られたノード電圧を前回値として記憶し、前回値と今回値の差分が一定値より大きいとき、ディスク有と判定する。これにより、完全遮光ディスクや半透明ディスクの有無を精度良く検出することができる。
【0019】
一方、判定手段は、前回値と今回値の差分が一定値以下である場合には、ディスク無と判定し、一定期間ノード電圧を監視し、今回値が前回値より小さくなったとき前回値を今回値に置き換える。ディスク挿入口内に、例えば半透明ディスクが挿入されていた場合に、そのディスクを一旦アンロードさせてから再挿入させる操作が行われる。前回値を今回値に置き換えることで、ディスクが再挿入されたとき、前回値と今回値の差分が一定値より大きくなり、ディスク有を検出することができる。
【0020】
好ましくは判定手段は、第1および第2の受光素子が第1および第2の発光素子の点灯によってオンされたときの初期状態のノード電圧を初期値として記憶し、ディスク検出装置が起動されたときのノード電圧と初期値との差が一定値よりも大きい場合には、起動時のノード電圧を初期値で置き換える。ノード電圧が異常と判定し、これを初期値に置き換えることで、ディスクの検出を精度良く行うことができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、受光素子の受光状態に応じたノード電圧の変化量からディスクの検出を行うため、完全遮光ディスクのみならず半透明ディスクも正確に検出することができ、さらに、発光素子の寿命、塵埃、温度などの動作環境の変化にも対応することができる。さらに、ディスクのローディングに応答して発光素子を点灯させ、発光素子の常時点灯を行わないようにしたので、発光素子の寿命を延ばすことができる。
更に、光検出部を複数の発光素子、受光素子で構成すると共に、それぞれの光検出部の発光素子と受光素子を互い違いに配置させることで、外乱光の影響を受けることなく、正確にディスクの検出を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の最良の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【実施例】
【0023】
図1は、本発明の実施例に係るディスク検出装置の要部を示す図である。本実施例のディスク検出装置は、一対の発光素子10aと受光素子10bを含む。発光素子10aと発光素子10aの光を受光する受光素子10bが光検出部を構成する。
【0024】
光検出部は、ディスク挿入口1の上面側に発光素子10aが配置され、ディスク挿入口の下面側に受光素子10bが配置され、発光素子10aの光は受光素子10bを照射するようになっている。光検出部は、ディスク挿入口1の近傍であって、例えば図8に示したように、移送ローラの手前に設けられる。
【0025】
図2はディスク検出装置の回路構成を示す図である。発光素子10aは、LEDから構成される。発光素子10aのカソードが接地されている。発光素子10aのアノードは、抵抗R1が接続され、抵抗と供給電源Vccの間に制御スイッチ30が接続されている。制御スイッチ30は、ディスクをディスク挿入口1内にロードさせるためのロードキー(図示省略)に連動し、ユーザーがロードキーを押下したとき、制御スイッチ30がオンし、発光素子10aに電流が流れ、点灯する。
【0026】
一方、受光素子10bは、好ましくはフォトトランジスタから構成される。受光素子10bのエミッタが接地され、そのコレクタが、ノードNに接続され、ノードNは、可変抵抗R2を介して供給電源Vccに接続されている。ノードNはさらに、マイクロコントローラ40のA/Dポートに入力されている。マイクロコントローラ40は、種々のデータおよびプログラムを記憶するための不揮発性の読み書き可能なメモリ、例えばEEPROMを含んでいる。
【0027】
発光素子10aの点灯により受光素子10bがオンする。受光素子10bは、受光量に応じた受光電流が流れ、ノードNの電圧を可変する。ディスクが未挿入のとき、受光素子の受光量が最大となり、そのときノードNの電圧が最も低くなる。一方、完全遮光のディスクが挿入されたとき、受光素子10bの受光電流はほとんどなく、従ってオフ状態となり、ノードNの電圧が高くなる。半透明ディスクが挿入されたとき、ディスクを透過する光量に応じた電圧がノードNに生成される。このときのノード電圧は、ディスクが未挿入のときのノード電圧と完全遮光ディスクが挿入されたときのノード電圧の間である。マイクロコントローラ40は、ノードNの電圧を入力したA/D値に基づきディスクの有無を判断する。
【0028】
本実施例のディスク検出装置では、受光素子10bがオフしたとき、ディスク有を検出する。また、可変抵抗R2を使用することにより、発光素子および受光素子をランクフリーで使用しても、各ランクの影響を受けなくて済む。言い換えれば、発光素子の輝度ランク,受光素子の受光感度ランクは、可変抵抗R2により吸収することができる。A/D検出方式の場合、可変抵抗R2を使わずに発光素子および受光素子のランクを選別するか、または可変抵抗R2を使用してランクフリーにするかを選択することができる。本実施例では、部品選別を要さないようにするため、可変抵抗R2を用いてランクフリーを採用している。
【0029】
図3は、本発明の第2の実施例に係るディスク検出装置の要部を示す図である。この実施例のディスク検出装置は、複数の組合せの光検出部を設けたもので、図示するように、発光素子10aおよび20aと、受光素子10bおよび20bとを含む。発光素子10aと発光素子10aの光を受光する受光素子10bが第1組の光検出部を構成し、発光素子20aと発光素子20aの光を受光する受光素子20bが第2組の光検出を構成する。
【0030】
第1組の光検出部と第2組の光検出部は、図示するように、ディスク挿入口1を基準に、それぞれの発光素子と受光素子が互い違いとなるように配置されている。すなわち、ディスク挿入口1の上面側に、発光素子10aと受光素子20bが一定の距離を隔てて配置され、ディスク挿入口の下面側に受光素子10bと発光素子20aが一定の距離を隔てて配置され、発光素子10aの光は受光素子10bを照射し、発光素子20aの光は受光素子20bを照射するようになっている。第1組および第2組の光検出部は、ディスク挿入口1の近傍であって、例えば図8に示したように、移送ローラの手前に設けられる。
【0031】
図4はディスク検出装置の回路構成を示す図である。発光素子10aおよび20aは、LEDから構成される。発光素子10aならびに発光素子20aのカソードが接地されている。発光素子10aならびに発光素子20aのアノードは、それぞれ抵抗R1、R1が接続され、これら抵抗R1と供給電源Vccの間に制御スイッチ30が接続されている。制御スイッチ30は、ディスクをディスク挿入口1内にロードさせるためのロードキー(図示省略)に連動し、ユーザーがロードキーを押下したとき、制御スイッチ30がオンし、発光素子10aおよび20aに電流が流れ、それぞれが点灯する。
【0032】
一方、受光素子10b、20bは、好ましくはフォトトランジスタから構成される。受光素子10bのエミッタが接地され、そのコレクタが受光素子20bのエミッタに接続されている。受光素子20bのコレクタは、ノードNに接続され、ノードNは、可変抵抗R2を介して供給電源Vccに接続されている。ノードNはさらに、マイクロコントローラ40のA/Dポートに入力されている。マイクロコントローラ40は、種々のデータおよびプログラムを記憶するための不揮発性の読み書き可能なメモリ、例えばEEPROMを含んでいる。
【0033】
発光素子10aの点灯により受光素子10bがオンし、発光素子20aの点灯により受光素子20bがオンする。受光素子10bおよび受光素子20bは、受光量に応じた受光電流が流れ、ノードNの電圧を可変する。ディスクが未挿入のとき、受光素子の受光量が最大となり、そのときノードNの電圧が最も低くなる。一方、完全遮光のディスクが挿入されたとき、受光素子10bおよび受光素子20bの受光電流はほとんどなく、従ってオフ状態となり、ノードNの電圧が高くなる。半透明ディスクが挿入されたとき、ディスクを透過する光量に応じた電圧がノードNに生成される。このときのノード電圧は、ディスクが未挿入のときのノード電圧と完全遮光ディスクが挿入されたときのノード電圧の間である。マイクロコントローラ40は、ノードNの電圧を入力したA/D値に基づきディスクの有無を判断する。
【0034】
本実施例のディスク検出装置では、受光素子10bと受光素子20bが直列に接続され、いずれか一方の受光素子がオフしたとき、ディスク有を検出する。発光素子10a、20aと受光素子10b、20bはディスク挿入口1の上下面において互い違いに配置されているため、ディスクで反射する外乱光によりいずれか一方の受光素子がオンしても、他方の受光素子がオフとなり、すなわち受光素子がアンド接続されているため、ノードNの電圧は変動せず、マイクロコントローラ40は正確にディスクの有無を検出することができる。但し、ディスクの両面で外乱光が同時に反射しないという前提条件が必要となるが、通常、両面で同時に反射することは極めて希である。
【0035】
図2で示される第1の実施例ならびに図4で示される第2の実施例において、それぞれ、マイクロコントローラ40は、A/Dポートを一定周期でサンプリングすることでノードNの電圧を算出し、ノード電圧の前回値と今回値の差(変化量の大小)に基づきディスクの有無を判断する。これら実施例のディスク検出フローでは、ノード電圧として、初期値Vo、前回値V1、今回値V2、判断値A、判断値Bの全5種の値を用いている。以下、ディスク検出動作の詳細を図5および図6のフローを参照して説明する。
【0036】
先ず、ディスク検出装置を組み込んだディスク装置の工場出荷時に初期値Voを設定する(ステップS101)。この設定は、LEDのみの100%の光(外乱光が無く、発光素子と受光素子を完全に透過する状態)を用い、コレクタ電圧(ノード電圧)が0.6V±0.2Vとなるように可変抵抗R2を手動で調整する。工場出荷時の初期値Voは、マイクロコントローラのメモリ(EEPROM)に格納される。つまり、工場出荷時にメモリに格納される初期値Voは、0.6Vである。
【0037】
次に、ディスク検出装置の起動時の前回値V1を求める。本例では、ディスク検出装置を組み込んだディスク装置が車両に搭載され、そこで起動されるものとする。ディスク装置の起動時(ACC−ON等のスタンバイ−アウト時)に制御スイッチ30がオンされ、発光素子10aおよび20aを点灯させ、ノードNの電圧をA/Dポートより読み込む。読み込んだ後は、制御スイッチ30をオフし、LEDの寿命を減らさないようにする。この起動時に読み込んだA/D値を前回値V1として格納する。
【0038】
次に、起動時の前回値V1とメモリに格納された初期値Voを比較し(ステップS103)、絶対差が判断値Aよりも大きいか否か判定し(ステップS104)、その結果、表1に示す処理を行う。本実施例では、回路電圧5Vに対し判断値A=1Vとしている。絶対差が判断値Aよりも大きい場合、起動時の前回値V1を異常と判断し、起動時の前回値V1に初期値Voを上書きし、初期値Voを前回値V1とする(ステップS105)。つまり、起動時の前回値V1を採用しない。
【0039】
一方、絶対差が判断値A未満ならば、起動時の前回値V1を正常と判断し、この前回値V1を採用する。この場合、初期値Voによる上書きしない。
【0040】
【表1】
【0041】
判断値Aは、適切な値を選択するする必要がある。つまり、判断値Aが小さすぎる場合、起動時の前回値V1は常に異常となり、初期値Voにより上書きされ、前回値V1がVoとなり更新されない。判断値Aが大きすぎる場合、起動時に完全遮光のディスクがディスク挿入口に存在してもこれを検出することができなくなってしまう。上記したように、本例では、回路電圧5Vに対し判断値A=1Vとすることで、完全遮光のディスクが起動時からディスク挿入口に存在していても、絶対値の差電圧が1V以上となるため異常と判断することが可能となる。しかし、差電圧が1V未満の半透明のディスクが起動時からディスク挿入口に存在した場合には、これを検出することができない。起動時の半透明ディスクの対応については後述する。以上のプロセスにより、前回値V1が確定し、ディスク検出装置の通常動作が開始される(ステップS106)。
【0042】
次に、ユーザーがディスク装置のローディングキーを押下したときの動作を説明する。ユーザーがローディングキー(図示省略)を押下すると(ステップS107)、これに応答して制御スイッチ30がオンし、発光素子10aおよび20aが点灯する(ステップS108)。マイクロコントローラ40は、ノードNのA/D値を読み込む(ステップS109)。A/D値は、好ましくは、4ms周期で2回読込み、その平均値を今回値V2とし、レジスタに一時格納する。
【0043】
マイクロコントローラ40は、今回値V2と前回値V1の差電圧と判断値Bとを比較し(ステップS110)、その結果、表2に示す処理を行う。本例では、判断値Bを0.2Vとしている。
【0044】
今回値V2と前回値V1との差電圧が判断値Bを越える場合(ステップS111)、マイクロコンピュータ40は、ディスク有と判断する(ステップS112)。すなわち、発光素子10a、20aと受光素子10b、20bとの間にディスクが挿入されることで、受光素子10b、20bが受ける発光素子10a、20aからの光量が減少することによるノード電圧の変化が判断値Bで判断されることとなる。この判断結果を受けて、ディスク装置のメカユニット部は、ディスク有の検出結果をマイクロコントローラ40から受けて、ディスクのローディングを開始する(ステップS113)。ディスクが内部の所定位置に停止されたとき、制御スイッチ30がオフとなり、発光素子10a、20aが消灯され(ステップS114)、通常動作に戻る(ステップS120)。
【0045】
一方、差電圧が判断値Bと同等もしくはそれ以下であった場合には、ディスク無と判断し、一定期間、今回値V2のAD値の読込を継続し、その間、今回値V2が最新値に更新される。その結果、表3に示す処理が実行される(ステップS115)。
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】
処理3に示すように、V1>V2ならば(ステップS116)、今回値V2を前回値V1に上書きする(ステップS117)。すなわち、前回値V1が今回値V2に更新される。
【0049】
処理4に示すように、V2−V1>Bならば(ステップS118)、ディスク有と判断し、ローディング動作を開始する。この処理は、上記ステップS112からステップS114である。
【0050】
処理5に示すように、一定期間内に処理3または処理4に該当しなければ(ステップS119)、タイムアウトによりディスク有無の判断を止めて通常動作に戻る(ステップS120)。
【0051】
上記したように、一旦、ディスク無と判断した場合、タイムアウトするまで、または処理4のディスク有の判断が成されるまで今回値V2を更新しつづける。この間、比較対象の前回値V1を下げるための処理3が含まれている。この処理3は、起動時に、半透明ディスクがディスク挿入口に存在した場合に対処する。起動時に半透明ディスクが存在し、ロードキーを押すときもこれが存在した場合、V1=V2となりローディング動作は開始しない。しかし、ユーザーはローディングしないため、ディスクを再挿入すると考えられる(再挿入しなければそのままタイムアウトする)。再挿入時には、一度ディスクが抜かれるため、今回値V2の最新値は下がる。これは、処理3の条件を満足し、今回値V2を前回値V1に上書きすることになり前回値V1を更新する。次にディスクを再挿入したとき、最新値V2は、処理4の条件を満足することになり、ディスク有りを検出することができる。
【0052】
こうして、ユーザーの手を借りる操作を最小限に抑えている。つまり、起動時とロードキーを押す同時か直前に、半透明ディスクがディスク挿入口に存在した場合のみ、ユーザーの手を借りることになる。また、ディスク検出の処理スピードも重要である。ユーザーの手動によるディスク挿入速度よりも早くディスク有を検出しなければならない。遅い場合は、ディスク挿入フィーリングの悪化につながる。本実施例の場合、50ms以下でディスク有りの検出信号をメカユニット部に伝えている。処理スピードは、手動による標準的なディスク挿入スピードとフォトセンサーとメカユニット部間の物理的距離によって概ね算出することができる。
【0053】
ディスク装置がACC−OFF等によりスタンバイ-イン状態になるとき、前回値V1を最新の初期値Voとする。つまり、メモリの初期値Voを今回値V1の値に上書きし、初期値Voを更新する。これにより、初期値Voを環境変化に応じた値に更新する。
【0054】
実車状態ではディスク装置のスタンバイ-イン時にのみ、メモリの初期値Voが更新される。よって、一度もスタンバイ-インしない条件下で、粉塵等が判断値B相当までたまった場合は、ディスク有りを誤検出する可能性が出る。しかし、環境変化による初期値Voの変化を想定した場合、時間は十分長く、一度もスタンバイ-インしないことは考慮しなくても良いと判断している。
【0055】
以上説明したように、本実施例のディスク検出装置によれば次のような効果が得られる。
(1)発光素子(LED)の寿命向上
ローディングキーに連動させ、ディスク検出時のみ発光素子10aを点灯させることで、発光素子の寿命を長期化させることができる。
(2)外乱光による誤動作低減
2組の光検出部の発光素子と受光素子をディスク挿入口に互い違いに配置することで、図7に示すように、外乱光1が進入したことで受光素子20bが誤ってオンしてしまった場合でも、受光素子10bがオフ状態であるため、ディスク有を検出することがでる。また、外乱光2の進入により受光素子10bが誤ってオンしてしまった場合でも、受光素子20bがオフ状態であるため、ディスク有を検出することができる。このように外乱光によるディスク検出の誤動作を回避することができる。
(3)ディスク検出の精度向上
本実施例では、ノードNの電圧の変化量で相対的にディスクの有無を判断することで、受光素子が完全にオフにならない半透明ディスクであっても確実に検出することができる。また、発光素子の輝度が経年変化、塵埃、温度等により変化しても、ディスクの有無を正確に検出することができる。
【0056】
なお上記実施例では、2組の光検出部を用いてディスクの検出を行う例を示したが、例えば、外乱光による影響が少ないような環境であれば、光検出部を1組としてもよい。この場合にも、1つの受光素子のコレクタ電圧(ノード電圧)の変化量からディスクの有無の検出を行う。また上記実施例では、受光素子10bと受光素子20bを直列にアンド接続するようにしたが、受光素子10bと受光素子20bをオア接続し、かつ発光素子10a、20aと受光素子10b、20bを配置する間隔を、径の異なるディスク、例えば12cm径のディスクと8cm径のディスクに対応するようにし、径の異なるディスクの判別を同時に行うようにしてもよい。
【0057】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明に係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、CD、DVD、ブルーレイ等のディスクを挿入し、ディスクの再生やディスクへの書き込みを行うディスク装置において利用される。例えば、CD、DVDディスクプレイヤー、車載用のオーディオ・ビデオ装置において利用される。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の第1の実施例に係るディスク検出装置の要部を示す図である。
【図2】第1の実施例のディスク検出装置の回路構成を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施例に係るディスク検出装置の要部を示す図である。
【図4】第2の実施例のディスク検出装置の回路構成を示す図である。
【図5】実施例のディスク検出装置におけるディスク検出動作を示すフローチャートである。
【図6】実施例のディスク検出装置におけるディスク検出動作を示すフローチャートである。
【図7】実施例のディスク検出装置の効果を説明する図である。
【図8】従来のディスク検出装置を説明する図である。
【図9】従来のディスク検出装置の発光素子と受光素子の配置を示す図である。
【図10】従来のディスク検出装置の回路構成を示す図である。
【図11】従来のディスク検出装置の課題を説明する図である。
【符号の説明】
【0060】
1:ディスク挿入口
10a、20a:発光素子
10b、20b:受光素子
30:制御スイッチ
40:マイクロコントローラ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスク挿入口から挿入されたディスクの有無を検出するディスク検出装置であって、
ディスク挿入口の第1の主面に発光素子を、ディスク挿入口の第1の主面と対向する第2の主面側に受光素子をそれぞれ配置し、
前記受光素子と供給電源との間のノードに生成されるノード電圧に基づきディスクの有無を判定する判定手段、を備えるディスク検出装置。
【請求項2】
前記発光素子と供給電源との間にスイッチが接続され、当該スイッチはディスクをローディングさせるときにオンされる、請求項1に記載のディスク検出装置。
【請求項3】
前記受光素子のエミッタが基準電位に接続され、そのコレクタと供給電源との間に可変抵抗が接続され、受光素子のコレクタと可変抵抗の接続が前記ノードを形成する、請求項1または2に記載のディスク検出装置。
【請求項4】
前記判定手段は、ノード電圧の変化量に基づきディスクの有無を判定する、請求項3に記載のディスク検出装置。
【請求項5】
前記判定手段は、前回得られたノード電圧を前回値として記憶し、前回値と今回値の差分が一定値より大きいとき、ディスク有と判定する、請求項4に記載のディスク検出装置。
【請求項6】
前記判定手段は、前回値と今回値の差分が一定値以下である場合には、一定期間ノード電圧を監視し、今回値が前回値より小さくなったとき、前回値を今回値に置き換える、請求項5に記載のディスク検出装置。
【請求項7】
前記判定手段は、受光素子が発光素子の点灯によってオンされたときの初期状態のノード電圧を初期値として記憶しており、ディスク検出装置が起動されたときのノード電圧と前記初期値とを比較し、その差が所定の値よりも大きい場合には、起動時のノード電圧を初期値で置き換える、請求項3ないし6のいずれか1つに記載のディスク検出装置。
【請求項8】
前記判定手段は、ノード電圧をA/D変換する手段を含む、請求項3ないし7のいずれか1つに記載のディスク検出装置。
【請求項9】
ディスク挿入口から挿入されたディスクの有無を検出するディスク検出装置であって、
第1の発光素子および当該第1の発光素子からの光を受光する第1の発光素子を有する第1の光検出部と、
第2の発光素子および当該第2の発光素子からの光を受光する第2の受光素子を有する第2の光検出部とを備え、
前記第1および第2の受光素子は、供給電源と基準電位との間に直列に接続され、第1および第2の受光素子と供給電源との間のノードに生成されるノード電圧に基づきディスクの有無を判定する判定手段を有し、
ディスク挿入口の第1の主面に第1の発光素子と第2の受光素子が配置され、ディスク挿入口の第1の主面と対向する第2の主面側に第1の受光素子と第2の発光素子が配置されている、
ことを特徴とするディスク検出装置。
【請求項10】
第1および第2の発光素子は、供給電源と基準電位との間に並列に接続され、第1および第2の発光素子と供給電源との間にスイッチが接続され、当該スイッチは、ディスクをローディングさせるときにオンされる、請求項9に記載のディスク検出装置。
【請求項11】
第1の受光素子のエミッタが基準電位に接続され、そのコレクタが第2の受光素子のエミッタに接続され、第2の受光素子のコレクタと供給電源との間に可変抵抗が接続され、第2の受光素子のコレクタと可変抵抗の接続が前記ノードを形成する、請求項9または10に記載のディスク検出装置。
【請求項12】
前記判定手段は、前回得られたノード電圧を前回値として記憶し、前回値と今回値の差分が一定値より大きいとき、ディスク有と判定する、請求項11に記載のディスク検出装置。
【請求項13】
前記判定手段は、前回値と今回値の差分が一定値以下である場合には、一定期間ノード電圧を監視し、今回値が前回値より小さくなったとき、前回値を今回値に置き換える、請求項12に記載のディスク検出装置。
【請求項14】
前記判定手段は、受光素子が発光素子の点灯によってオンされたときの初期状態のノード電圧を初期値として記憶しており、ディスク検出装置が起動されたときノード電圧と、前記初期値とを比較し、その差が所定の値よりも大きい場合には、起動時のノード電圧を初期値で置き換える、請求項10ないし14のいずれか1つに記載のディスク検出装置。
【請求項15】
前記判定手段は、ノード電圧をA/D変換する手段を含む、請求項10ないし14のいずれか1つに記載のディスク検出装置。
【請求項1】
ディスク挿入口から挿入されたディスクの有無を検出するディスク検出装置であって、
ディスク挿入口の第1の主面に発光素子を、ディスク挿入口の第1の主面と対向する第2の主面側に受光素子をそれぞれ配置し、
前記受光素子と供給電源との間のノードに生成されるノード電圧に基づきディスクの有無を判定する判定手段、を備えるディスク検出装置。
【請求項2】
前記発光素子と供給電源との間にスイッチが接続され、当該スイッチはディスクをローディングさせるときにオンされる、請求項1に記載のディスク検出装置。
【請求項3】
前記受光素子のエミッタが基準電位に接続され、そのコレクタと供給電源との間に可変抵抗が接続され、受光素子のコレクタと可変抵抗の接続が前記ノードを形成する、請求項1または2に記載のディスク検出装置。
【請求項4】
前記判定手段は、ノード電圧の変化量に基づきディスクの有無を判定する、請求項3に記載のディスク検出装置。
【請求項5】
前記判定手段は、前回得られたノード電圧を前回値として記憶し、前回値と今回値の差分が一定値より大きいとき、ディスク有と判定する、請求項4に記載のディスク検出装置。
【請求項6】
前記判定手段は、前回値と今回値の差分が一定値以下である場合には、一定期間ノード電圧を監視し、今回値が前回値より小さくなったとき、前回値を今回値に置き換える、請求項5に記載のディスク検出装置。
【請求項7】
前記判定手段は、受光素子が発光素子の点灯によってオンされたときの初期状態のノード電圧を初期値として記憶しており、ディスク検出装置が起動されたときのノード電圧と前記初期値とを比較し、その差が所定の値よりも大きい場合には、起動時のノード電圧を初期値で置き換える、請求項3ないし6のいずれか1つに記載のディスク検出装置。
【請求項8】
前記判定手段は、ノード電圧をA/D変換する手段を含む、請求項3ないし7のいずれか1つに記載のディスク検出装置。
【請求項9】
ディスク挿入口から挿入されたディスクの有無を検出するディスク検出装置であって、
第1の発光素子および当該第1の発光素子からの光を受光する第1の発光素子を有する第1の光検出部と、
第2の発光素子および当該第2の発光素子からの光を受光する第2の受光素子を有する第2の光検出部とを備え、
前記第1および第2の受光素子は、供給電源と基準電位との間に直列に接続され、第1および第2の受光素子と供給電源との間のノードに生成されるノード電圧に基づきディスクの有無を判定する判定手段を有し、
ディスク挿入口の第1の主面に第1の発光素子と第2の受光素子が配置され、ディスク挿入口の第1の主面と対向する第2の主面側に第1の受光素子と第2の発光素子が配置されている、
ことを特徴とするディスク検出装置。
【請求項10】
第1および第2の発光素子は、供給電源と基準電位との間に並列に接続され、第1および第2の発光素子と供給電源との間にスイッチが接続され、当該スイッチは、ディスクをローディングさせるときにオンされる、請求項9に記載のディスク検出装置。
【請求項11】
第1の受光素子のエミッタが基準電位に接続され、そのコレクタが第2の受光素子のエミッタに接続され、第2の受光素子のコレクタと供給電源との間に可変抵抗が接続され、第2の受光素子のコレクタと可変抵抗の接続が前記ノードを形成する、請求項9または10に記載のディスク検出装置。
【請求項12】
前記判定手段は、前回得られたノード電圧を前回値として記憶し、前回値と今回値の差分が一定値より大きいとき、ディスク有と判定する、請求項11に記載のディスク検出装置。
【請求項13】
前記判定手段は、前回値と今回値の差分が一定値以下である場合には、一定期間ノード電圧を監視し、今回値が前回値より小さくなったとき、前回値を今回値に置き換える、請求項12に記載のディスク検出装置。
【請求項14】
前記判定手段は、受光素子が発光素子の点灯によってオンされたときの初期状態のノード電圧を初期値として記憶しており、ディスク検出装置が起動されたときノード電圧と、前記初期値とを比較し、その差が所定の値よりも大きい場合には、起動時のノード電圧を初期値で置き換える、請求項10ないし14のいずれか1つに記載のディスク検出装置。
【請求項15】
前記判定手段は、ノード電圧をA/D変換する手段を含む、請求項10ないし14のいずれか1つに記載のディスク検出装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−226902(P2007−226902A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−47289(P2006−47289)
【出願日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】
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