説明

ディスク装置

【課題】装置へのディスクの装着をより容易で、自由度の高い方法で行うことができるディスク装置を提供することを目的とする。
【解決手段】ターンテーブルのディスク載置面の待機位置と記録再生位置の間に固定して配置されたフロントカバーのディスク載置面にディスクを載置すれば、ターンテーブルの中心を通りターンテーブルのディスク載置面に直角に交わる第一の平面を中心に対称的にディスクに当接するように構成されたセンタリング手段により、自動的にディスクとターンテーブルのセンタリングが行われ、記録再生時は、フロントカバーの一部に設けられた開口部において光ピックアップとターンテーブルが待機位置から記録再生位置へ移動することで行う構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CDやDVD等の記録用または再生用のディスク、あるいはディスクを収納したケースを装着し、記録または再生するためのディスク装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、DVDに記録再生可能なDVDレコーダーが急速に普及し始めているが、今後の更なる普及拡大のために、ユニバーサルデザインなどの誰にでも使いやすい、より使いやすさを追求したディスク装置の開発が求められている。
従来のディスク装置では、ディスク装着方法として、装置から出てくるトレイ上にディスクを載置してトレイを装置内に引き込むことでディスクを装着するトレイ方式が一般である。
【0003】
以下に従来のディスク装置について説明する。
【0004】
従来、ディスク装置は特公平4−67712号公報(特許第1932473号)に記載されたものが知られている。
【0005】
従来のディスク装置は、ディスク使用機器の前面パネルにトレイ出し入れ用の開口部が設けられ、この開口部から出てきたトレイ上にディスクが載置された後、該ディスクがトレイごと装置内部の所定位置(ターンテーブルへの着脱位置)に引き込まれるように構成されている。そして、装置内部に引き込まれたトレイ上のディスクを、ターンテーブル上に装着し、クランパとの間に挟み込んだ状態で所定の回転数で回転させながら、例えば再生する場合にあっては、このディスク上に記録された情報信号を記録再生装置により再生する。すなわち、ディスク上の所定範囲に記録された信号のトラック位置に応じて、信号読み取りのためのピックアップを移動させることにより、情報信号の再生が行われるようになっている。
【特許文献1】特公平4−67712号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の従来の構成では、ディスクを装置に装着するには、トレイを引き出し、トレイにディスクを載置後、再度トレイを装置内に戻すという一連の動作が必要であることや、ディスクをトレイに設けられたディスク載置用の凹部に位置決めして載置する必要があり、ディスク装着に手間が掛かり、ディスクの装着方法に自由度が少ないという問題点を有していた。
【0007】
本発明は上記従来の問題点を解決するもので、ディスクの装着を容易で、自由度の高い方法で行えるディスク装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するために本発明のディスク装置は、ケースに収納されたディスク、あるいは大径のディスク、小径のディスクが、記録/再生可能な装置であって、ディスクを記録/再生する光ピックアップと、ディスクを載置し光ピックアップが記録再生可能な位置で回転せしめるターンテーブルとを載置し、記録再生位置と待機位置との間を移動するトラバースと、ターンテーブルのディスク載置面の待機位置と記録再生位置との間に固定配置され、ディスクを載置するディスク載置面を有したフロントカバーとディスクに当接し、ディスクの中心をターンテーブルの中心へ移送するセンタリング手段とで構成され、ディスクを記録再生状態にする際、トラバースを待機位置から記録再生位置へ移動できるように、フロントカバーのディスク載置面の一部に開口部を有し、センタリング手段は、ターンテーブルの中心を通り、ターンテーブルのディスク載置面に直角に交わる第一の平面を中心に対称的にディスクに当接するように構成された一対もしくは、一対以上のセンタリング部材で構成されている。
【0009】
この構成によって、ディスク装置へのディスクの装着を容易で、自由度の高い方法で行えるという優れた効果が得られる。
【発明の効果】
【0010】
以上のように本発明は、ディスク装置へのディスクの装着を容易で、自由度の高い方法で行えるという優れた効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の請求項1に記載の発明は、ケースに収納されたディスク、あるいは大径のディスク、小径のディスクが、記録/再生可能な装置であって、ディスクを記録/再生する光ピックアップと、ディスクを載置し光ピックアップが記録再生可能な位置で回転せしめるターンテーブルとを載置し、記録再生位置と待機位置との間を移動するトラバースと、ターンテーブルのディスク載置面の待機位置と記録再生位置との間に固定配置され、ディスクを載置するディスク載置面を有したフロントカバーとディスクに当接し、ディスクの中心をターンテーブルの中心へ移送するセンタリング手段とで構成され、ディスクを記録再生状態にする際、トラバースを待機位置から記録再生位置へ移動できるように、フロントカバーのディスク載置面の一部に開口部を有し、センタリング手段は、ターンテーブルの中心を通り、ターンテーブルのディスク載置面に直角に交わる第一の平面を中心に対称的にディスクに当接するように構成された一対もしくは、一対以上のセンタリング部材を備えたことを特徴としたものであり、ディスクをフロントカバーのディスク載置面に載置すれば、センタリング手段により、自動的にディスク中心をターンテーブル中心にセンタリングできるため、ディスクを細かく位置決めして装着する必要はなく、自由度の高い容易な方法でディスクを装着できるという作用を有する。
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0013】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるディスク装置のディスク装着状態の平面図である。ここでディスク装着状態とは、ユーザーが装置にディスクを装着する時の装置の状態のことである。図2はディスク装置のディスク装着状態の側面断面図で、図1におけるZ−Z部の断面である。図3はディスク装置のディスクのセンタリング完了状態の平面図、図4はディスク装置のディスクのセンタリング完了状態の側面断面図で、図3におけるY−Y部の断面である。図5はディスク装置にディスクを収納したケース(以降カートリッジと呼ぶ)を装着した時の平面図、図6はディスク装置にカートリッジを装着した時の側面断面図で、図5におけるX−X部の断面である。
【0014】
図1から図6において、1はディスク4を載置して記録または再生時にディスク4を回転させるターンテーブル、2はディスク4に信号を記録または再生する光ピックアップである。
【0015】
3はディスク装置の前面を覆うフロントカバー、3aはフロントカバー3に設けられたディスク載置面で、光ピックアップ2の光軸方向に対し直交方向に設ける。3bはディスク載置面3aの一部に設けた開口部で、ディスク装着状態と記録再生状態との切換時に、ターンテープル1のディスク載置面が挿通移動できるように設けられている。
【0016】
4は記録媒体であるディスクで、本実施の形態では大径ディスク(例えば12センチディスク)を一例として説明しているが、小径ディスク(例えば8センチディスク)であっても、本装置に装着が可能である。なお、小径ディスクをセンタリングする際は、センタリング手段8のスライド量を、大径ディスクをセンタリングする際のセンタリング手段8のスライド量よりも多くすることで、センタリングが可能になる。
【0017】
5はターンテーブル1と光ピックアップ2を搭載したトラバースベースで、支軸5aを中心に待機位置と記録再生位置との間で回動できるように設けられている。待機位置とは、ターンテーブル1のディスク載置面及び光ピックアップ2はフロントカバー3のディスク載置面3aより突出しない位置(つまり、ディスク載置面3aより下部に位置した状態)である。記録再生位置とは、ターンテーブル1のディスク載置面がフロントカバー3のディスク載置面3aより突出して、ディスク4を載置して記録再生可能な位置である。トラバースベース5の回動手段については図示しないが、例えば、モーターと歯車で構成される。
【0018】
6は光ピックアップ2がディスク4の半径方向に移動する際にガイドとなるガイド軸、7は光ピックアップ2の移動のために用いる駆動モーターである。
【0019】
8はディスク載置面3aの外側で回動支点8c及び8dを中心に矢印AまたはD方向へ回動可能に支持されたセンタリング手段であり、2本のレバー8a及び8bより構成されている。図1に示す位置がディスク4を載置可能な第1の位置で、図3に示す位置がディスク4をセンタリング位置へ移動した第2の位置であり、この第1の位置と第2の位置との間を矢印AまたはD方向へ回動自在となっている。ここで、センタリング位置とは、移送されるディスク4の中心が記録再生状態でのターンテーブル1の中心に合う位置である。レバー8a及び8bはターンテーブル1の中心を通り、ターンテーブル1のディスク載置面に直角に交わる平面を中心に互いに対向しかつ間隙を有して配置されている。また、レバー8a及び8bは第1及び第2の位置において、その先端が回動支点8c及び8dよりも低くなるように配置されていることにより、ディスク4が第1の位置においても第2の位置においても、ディスク4の横方向の位置決めを行うことができる。ここで、ディスク4の横方向とは、光ピックアップ2の移動方向に対して直交方向のことである。また、レバー8a及び8bは、矢印A方向またはD方向に回動する際は、タイミングはほぼ同時で、かつ回動角もほぼ同じである。
【0020】
また、8e及び8fは、レバー8a及び8bのディスク載置部に形成された屈曲部で、カートリッジを保持する際にカートリッジの角部を当接させることにより、カートリッジの横方向の位置決めを行うことができる。屈曲部8e及び8fはカートリッジ9を載置時、カートリッジ9に収納されたディスク4の中心が記録再生状態のターンテーブル1の中心に合うような位置に設ける。
【0021】
また、図示しないが、センタリング手段8は、例えば、スリップ構造で構成され、センタリング手段8に、カートリッジを載置された時は、カートリッジ9の自重がセンタリング手段8に作用し、センタリング手段8は回動支点8c及び8dでスリップすることで回動しないように構成されている。また、図示しないが、例えば、スイッチ式のカートリッジ検出機構を装置に設け、センタリング手段8にカートリッジを載置された場合は、カートリッジが検出され、センタリング手段8は回動しない構成としてもよい。なお、センタリング手段8の回動手段については図示しないが、例えば、モーターと歯車とラックで構成される。
【0022】
9はディスクを収納したカートリッジであり、本実施の形態ではDVD−RAMカートリッジを一例としているが、他のカートリッジであっても構わない。
【0023】
10はクランプ動作をするためのクランプベースで、ディスク装着状態において、フロントカバー3のディスク載置面3aにディスク4を装着する際に、ディスク4がクランプベース10に当接しないように、ディスク載置面3aの光ピックアップ2の光軸方向への投影面に重ならない位置に待機している。本実施例では、クランプベース10はディスク載置面3aの右側の位置に待機している。なお、ディスク載置面3aの左側の位置に待機していてもよい。またクランプベース10は、光ピックアップ2の移動方向に対して直交方向に、かつターンテーブル1のディスク載置面に平行に、待機位置からクランプ位置まで移動できるように構成されている。クランプ位置とはクランプベース10がターンテーブル1のディスク載置面の真上に移動してクランプ動作が可能な位置である。クランプベース10の移動手段は、図示していないが、例えば、クランプベース10にラックを設けて、モーターと歯車によって移動する。なお、クランプベース10は、ディスク載置面3aに載置されたディスク4に当接しないように構成する。
【0024】
11は、ターンテーブル1のディスク載置面にディスク4をクランプするクランパで、ターンテーブル1のディスク載置面の鉛直方向に移動できるようにクランプベース10に備えられている。クランパ11は、磁性体を内設しており、ターンテーブル1のディスク搭載面の被磁性体に磁力で着く構成になっている。
【0025】
以上のように構成されたディスク装置について、図1から図6を用いてその動作を説明する。
【0026】
まず、ディスク装着動作について、図1〜図4を用いて説明する。
【0027】
使用者によってディスク4がセンタリング手段8上に載置されると、図1に示すようにディスク4はセンタリング手段8により横方向略中央に案内されるとともに、横方向の位置決めがされる。
【0028】
記録再生開始のスイッチ(図示せず)がONされると、クランプベース10が図1に示す待機位置から矢印B方向(光ピックアップ2の移動方向に対して直交方向)へ移動し、図3に示すクランプ位置まで移動する。
【0029】
次に、センタリング手段8のレバー8a及び8bが、ディスク4を載置した状態で、回動支軸8c及び8dを中心にそれぞれ矢印A方向へ回動し始める。それに伴ってディスク4はセンタリング手段8に外周部を支持されながら上方向へ移動する。
【0030】
そして、センタリング手段8は図3に示すセンタリング完了位置でストッパー(図示せず)に当接して矢印A方向への回動を停止する。ストッパーは、センタリング手段8によって移動されるディスク4の中心がターンテーブル1の中心に合うセンタリング位置で、センタリング手段8が停止するように設けられる。
【0031】
その後、図2に示すようにトラバースベース5が支軸5aを中心に矢印C方向へ回動し、ターンテーブル1が開口部3bを挿通して記録再生位置まで動き、ディスク4はターンテーブル1のディスク載置面に載って持ち上げられる。それに伴ってクランパ11が、磁力によってターンテーブル1のディスク載置面に引き寄せられて、ディスク4はターンテーブル1とクランパ11によってクランプされ、図4に示すような記録再生可能状態になる。
【0032】
図3及び図4に示すようにトラバースベース5が記録再生位置に移動を完了すると、センタリング手段8は矢印D方向へ回動し、ターンテーブル1に載置されたディスク4の外周から離間する位置に退避する。本実施の形態では、センタリング手段8は図1に示す第1の位置へ移動するようにした。この時、ディスク4はターンテーブル1に保持されている。そして、ターンテーブル1が回転してディスク4を回転させ、ディスク4に対して情報を記録再生することができる。センタリング手段8は、ターンテーブル1に載置されたディスク4の外周から離間していれば、センタリング手段8の第1の位置と第2の位置との間のどの位置に退避しても良い。
【0033】
なお、上記ディスク装着動作は、クランプベース移動、センタリング、トラバース移動(クランプ)という順序で行っているが、必ずしもこの順序にする必要はなく、ディスクをクランプ状態まで移行できるのであれば順序が変わってもよい。
【0034】
次に装置からディスク4を取り出す場合について説明する。
【0035】
ディスク4が記録再生位置にある状態からディスク取出し用のスイッチ(図示せず)がONされると、ターンテーブル1の回転が停止し、ディスク4の回転が停止する。そして、センタリング手段8が第1の位置から、ディスク4外周を支持する第2の位置まで回動する。その後、トラバースベース5は、支軸5aを中心に矢印F方向へ回動し、記録再生状態から図2に示す待機状態に移動する。それに伴って、ターンテーブル1とクランパ11とで保持されていたディスク4は、ターンテーブル1のディスク載置面及びクランパ11から離間する。その後、センタリング手段8はディスク4を載置した状態で矢印D方向(待機位置方向)に回動し、ディスク4は図1に示す位置へ移動する(この時、クランプベース10はまだ図3の位置にある)。次に、クランプベース10が図3に示すクランプ位置から矢印E方向へ移動し、図1に示す待機位置に移動する。これにより、ディスク4を取り出し可能になる。
【0036】
なお、上記ディスク取り出し動作は、クランプ解除、センタリング解除、クランプベース待避という順序で行っているが、必ずしもこの順序にする必要はなく、ディスクをクランプ状態から取り出し可能状態へ移行できるのであれば順序が変わってもよい。
【0037】
次に、カートリッジ9の装着動作について、図5及び図6を用いて説明する。
【0038】
図5に示すように、使用者によってカートリッジ9が第1の位置にあるセンタリング手段8に載置されると、カートリッジ9c及び9dが屈曲部8e及び8fに当接し、カートリッジ9の横方向の位置決めを行うことができる。
【0039】
次に、記録再生開始のスイッチ(図示せず)がONされると、クランプベース10が図5に示す待機位置から矢印H方向(光ピックアップ2の移動方向に対して直交方向)へ移動し、ターンテーブル1の中心とクランパ11の中心とが略一致するクランプ位置まで移動する(図示せず)。
【0040】
次に、センタリング手段8が矢印A方向(ターンテーブル1の中心に向かう方向)へ回動しようとするが、カートリッジ9の角部9c及び9dと屈曲部8e及び8fとが当接しているため、センタリング手段8は矢印A方向へは回動しない。なお、カートリッジ9はセンタリング手段8に載置されることで、既にセンタリング位置に位置している。
【0041】
その後、カートリッジ9に設けられたシャッター9bがシャッター開閉機構(図示せず)によって開く。
【0042】
次に、トラバースベース5が、図6に示すように支軸5aを中心に矢印J方向へ回動し、ターンテーブル1が開口部3bを挿通して記録再生位置まで動き、ディスク4はターンテーブル1のディスク載置面に載って持ち上げられる。それに伴ってクランパ11が、磁力によってターンテーブル1のディスク載置面に引き寄せられて、ディスク4はターンテーブル1とクランパ11によってクランプされ、記録再生状態になる。そして、ターンテーブル1が回転してディスク4を回転させ、ディスク4に対して情報を記録再生することができる。
【0043】
次に、装置からカートリッジ9を取り出す場合について説明する。
【0044】
カートリッジ9内のディスク4が記録再生位置にある状態においてディスク取出し用のスイッチ(図示せず)がONされると、ターンテーブル1の回転が停止し、ディスク4の回転が停止する。次に、トラバースベース5は、支軸5aを中心に矢印Jの反対方向へ回動し、図6に示すような待機状態に移動する。それに伴って、ターンテーブル1とクランパ11とで保持されていたディスク4は、ターンテーブル1のディスク載置面から外れる。次に、クランプベース10がクランプ位置から矢印Hの反対方向へ移動し、図5に示す待機位置に移動し、カートリッジ9を取り出し可能な状態になる。この時、センタリング手段8は屈曲部8e及び8fで、カートリッジ9を保持している。
【0045】
以上のように本実施の形態1によれば、フロントカバー3の一部にターンテーブル1が挿通移動できるような開口部3bを設け、さらにフロントカバー3の一部にセンタリング手段8を設けることにより、ディスク4をセンタリング手段8上に載置すれば、ディスク4の中心がターンテーブル1の中心に合うように自動的に移送することができるようになり、ディスク4を細かく位置決めして装着する必要はなく、装着が容易にできる。
【0046】
(実施の形態2)
図7は本発明の実施の形態2におけるディスク装置のディスク装着状態の平面図、図9はディスク装置のディスクのセンタリング完了状態の平面図、図8はディスク装置のディスク装着状態の側面断面図で、図7におけるW−W部の断面である。
【0047】
図7から図9において、実施の形態1と同一構成要素には同一番号を付与し説明を省略する。図1から図6の構成と異なるのは、フロントカバー3のディスク載置面3aが、扉3e及び3fとして移動する点である。図7から図9において、扉3e及び3fはそれぞれ左右一対で構成され、扉3e及び3fはそれぞれ中央からディスク載置面3aに平行に光ピックアップ2の移動方向に対して直交方向に開閉でき、図9に示すように開いた状態(記録再生状態)では、トラバースベース5が回動してターンテーブル1のディスク載置面から突出する構成になっている。扉3e及び3fを開閉する駆動手段は図示しないが、例えばモーターと歯車とラックで構成できる。また、扉3e及び3fは開いた時にフロントカバー3の裏側に移動して隠れる構成になっている。
【0048】
以上のように構成された本実施の形態のディスク装置について、以下その動作を説明する。
【0049】
まず、ディスク装着状態で、ディスク4がセンタリング手段8の上に置かれた場合について説明する。なお、ディスクを載置する前は、扉3e及び3fは図7に示すように閉じた状態となっている。
【0050】
使用者によってディスク4がセンタリング手段8上に載置されると、図7に示すようにディスク4はセンタリング手段8により横方向略中央に案内されるとともに、横方向の位置決めがされる。
【0051】
次に、記録再生開始のスイッチ(図示せず)がONされると、クランプベース10が図7に示す待機位置から矢印K方向(光ピックアップ2の移動方向に対して直交方向)へ移動し、図9に示すクランプ位置まで移動する。
【0052】
次に、センタリング手段8のレバー8a及び8bが、ディスク4を載置した状態で、回動支軸8c及び8dを中心にそれぞれ矢印A方向へ回動し始める。それに伴ってディスク4はセンタリング手段8に外周部を支持されながら矢印N方向へ移動する。そして、センタリング手段8は図9に示す第2の位置(センタリング完了位置)でストッパー(図示せず)に当接して移動を停止する。
【0053】
その後、扉3e及び3fがそれぞれ矢印K及びL方向へ移動して、図9に示すように開口部3gを構成する。そして、図8に示すようにトラバースベース5が支軸5aを中心に矢印M方向へ回動し、開口部3gを介してターンテーブル1のディスク載置面が挿通し、ディスク4はターンテーブル1のディスク載置面に載って持ち上げられる。それに伴ってクランパ11が、磁力によってターンテーブル1のディスク載置面に引き寄せられて、ディスク4はターンテーブル1とクランパ11によってクランプされ、記録再生可能状態になる。
【0054】
トラバースベース5が記録再生位置に移動を完了すると、センタリング手段8は、矢印D方向へ回動してターンテーブル1に載置されたディスク4の外周から離間する位置に退避する。本実施の形態では、センタリング手段8は図7の第一の位置まで退避する。この時、ディスク4はターンテーブル1に保持されたままである。その後、ターンテーブル1が回転してディスク4を回転させて、記録再生状態になる。
【0055】
なお、上記ディスク装着動作は、クランプベース移動、センタリング、扉の開口動作、トラバース移動(クランプ)という順序で行っているが、必ずしもこの順序にする必要はなく、ディスクをクランプ状態まで移行できるのであれば順序が変わってもよい。
【0056】
次に装置からディスク4を取り出す場合について説明する。
【0057】
記録再生状態においてディスク取出し用のスイッチ(図示せず)がONされると、ターンテーブル1の回転が停止し、センタリング手段8が第1の位置から、ディスク外周を支持する第2の位置(図9の位置)まで移動する。その後、トラバースベース5は、支軸5aを中心に矢印Mの反対方向へ回動し、記録再生状態から図8に示す待機状態に移動する。それに伴ってディスク4はターンテーブル1のディスク載置面から外れる。
【0058】
その後、扉3e及び3fがそれぞれ矢印L及びK方向の反対方向へ移動して閉じ、図7に示すように開口部3gが無くなる。その後、センタリング手段8は第1の位置まで回動する。次に、クランプベース10が図9に示すクランプ位置から矢印Q方向へ移動し、図7に示す待機位置に移動する。これにより、ディスク4を取り出し可能な状態になる。
【0059】
なお、上記ディスク取り出し動作は、クランプ解除、センタリング解除、扉の閉口動作、クランプベース待避という順序で行っているが、必ずしもこの順序にする必要はなく、ディスクをクランプ状態から取り出し可能状態へ移行できるのであれば順序が変わってもよい。
【0060】
以上のように本実施の形態2によれば、フロントカバー3のディスク載置面が扉3e及び3fとして開閉自在とすることで、ターンテーブル1のディスク載置面が貫通するための開口部3gを設けることができるため、待機位置において、トラバース部はフロントカバー3(扉3e及び3f)で覆われることで、トラバース部を保護することができ、また、外部からトラバース部を見えないようにでき、外観品格を向上できる。
【0061】
また、本実施例では、センタリング手段8がセンタリング動作をした後に扉3e及び3fを開く構成としているが、扉3e及び3fが開いた後、センタリング手段8がセンタリング動作をしてもよい。
【0062】
さらに、本実施例では、記録再生状態からディスク4を取り出す時に扉3e及び3fが閉じた後に、センタリング手段8が待機位置に移動するとしているが、センタリング手段8を待機位置に移動した後、扉3e及び3fを閉じてもよい。
【0063】
なお、本実施例ではディスク4をターンテーブル1にクランプする手段として、クランプベース10を用いて、クランプベース10をディスク載置面に平行に移動させる手段を用いたが、クランプベース10を別の方向から平行移動や回動させる等の別の手段を用いても良い。また、クランプベース10を用いずに、ターンテーブル1だけでクランプさせる手段を用いても良い。
【0064】
なお、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明にかかるディスク装置は、ターンテーブルのディスク載置面の待機位置と記録再生位置との間に固定して配置されたフロントカバーのディスク載置面にディスクを載置することで、ターンテーブルの中心を通りターンテーブルのディスク載置面に直角に交わる第一の平面を中心に対称的にディスクに当接するように構成された一対もしくは、一対以上のセンタリング部材によってディスクが装置に装着される方式によって、ディスク装置へのディスクの装着を容易で自由度の高い方法で行うことが必要な用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の実施の形態1におけるディスク装置のディスク装着状態の平面図
【図2】本発明の実施の形態1におけるディスク装置のディスク装着状態の側面断面図
【図3】本発明の実施の形態1におけるディスク装置のディスクのセンタリング完了状態の平面図
【図4】本発明の実施の形態1におけるディスク装置のディスクのセンタリング完了状態の側面断面図
【図5】本発明の実施の形態1におけるディスク装置にディスクを収納したケースを装着した時の平面図
【図6】本発明の実施の形態1におけるディスク装置にディスクを収納したケースを装着した時の側面断面図
【図7】本発明の実施の形態2におけるディスク装置のディスク装着状態の平面図
【図8】本発明の実施の形態2におけるディスク装置のディスク装着状態の側面断面図
【図9】本発明の実施の形態2におけるディスク装置のディスクのセンタリング完了状態の平面図
【符号の説明】
【0067】
1 ターンテーブル
2 光ピックアップ
3 フロントカバー
3a ディスク載置面
3b 開口部
3e 扉(右側)
3f 扉(左側)
4 ディスク
5 トラバースベース
5a 支軸
6 ガイド軸
7 駆動モーター
8 センタリング手段
8a、8b レバー
8c、8d 回動支点
8e、8f 屈曲部
9 カートリッジ
9b シャッター
9c、9d カートリッジの角部
10 クランプベース
11 クランパ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースに収納されたディスク、あるいは大径のディスク、小径のディスクが、記録/再生可能な装置であって、
前記ディスクを記録/再生する光ピックアップと、前記ディスクを載置し前記光ピックアップが記録再生可能な位置で回転せしめるターンテーブルとを載置し、記録再生位置と待機位置との間を移動するトラバースと、
前記ターンテーブルのディスク載置面の前記待機位置と前記記録再生位置との間に固定配置され、前記ディスクを載置するディスク載置面を有したフロントカバーと前記ディスクに当接し、前記ディスクの中心を前記ターンテーブルの中心へ移送するセンタリング手段とで構成され、
前記ディスクを記録再生状態にする際、前記トラバースを前記待機位置から前記記録再生位置へ移動できるように、前記フロントカバーの前記ディスク載置面の一部に開口部を有し、
前記センタリング手段は、前記ターンテーブルの中心を通り、前記ターンテーブルのディスク載置面に直角に交わる第一の平面を中心に対称的に前記ディスクに当接するように構成された一対もしくは、一対以上のセンタリング部材で構成されることを特徴としたディスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−79753(P2006−79753A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−263627(P2004−263627)
【出願日】平成16年9月10日(2004.9.10)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】