ディスク装置
【課題】装置全体のコンパクト化を図りながらディスク挿入口の挿入幅を拡げるようにする。
【解決手段】シャーシ5の前面両サイドの内、いずれか一方がカットされ平面からみて中心軸線Xを通る前面挿入位置からカット面3a側へ所定角度偏位した状態でディスクDSが挿入されるシャーシ5の前面全幅が挿入幅Lとなるディスク挿入口3を形成する。一方、シャーシ5に前記カット面3aの領域から偏位して挿入されるディスクDSをディスク装着位置へ引込みセットする少なくとも左右一対のディスク搬入手段39と、前記ディスク装着位置にあるディスクDSを前記ディスク挿入口3へ戻すディスク搬出手段41とを備え、前記ディスク装着位置にセットされたディスクDSに対して情報の記録又は再生を行なう構造とする。
【解決手段】シャーシ5の前面両サイドの内、いずれか一方がカットされ平面からみて中心軸線Xを通る前面挿入位置からカット面3a側へ所定角度偏位した状態でディスクDSが挿入されるシャーシ5の前面全幅が挿入幅Lとなるディスク挿入口3を形成する。一方、シャーシ5に前記カット面3aの領域から偏位して挿入されるディスクDSをディスク装着位置へ引込みセットする少なくとも左右一対のディスク搬入手段39と、前記ディスク装着位置にあるディスクDSを前記ディスク挿入口3へ戻すディスク搬出手段41とを備え、前記ディスク装着位置にセットされたディスクDSに対して情報の記録又は再生を行なう構造とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、ディスク状記録媒体を用いたビデオカメラ等に搭載され、その媒体に対して情報の記録又は再生を行なうディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般にディスク状記録媒体を用いたビデオカメラ等に搭載され、その媒体に対して情報の記録又は再生を行なうディスク装置の概要は、前方のディスク挿入口から挿入されるディスクを左右の引込みアームによって再生又は記録位置となるディスク装着位置へ搬入セットし、セット完了後のディスクは光ヘッド部によって例えば、再生が行なわれる。再生完了後のディスクは取り出しアームによって前記ディスク挿入口へ搬出される手段となっており、ディスクの出し入れが自由に行なえる構造となっている。ディスク状記録媒体としては、光ディスクや光磁気ディスク等がある。
【特許文献1】特開2004−178717号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ディスク装置は、ディスクを出し入れするところからディスク挿入口及び引き込みアーム並びに取り出しアームが重要な構成要素となっているもので、ディスク挿入口や各アームの構造及び配置条件等によって装置全体の大きさが決定される。
【0004】
特に、ディスク装置は手に持って使用される例えば、ハンディタイプのビデオカメラ等に組込まれるところから既に全体のコンパクト化が図られているが、さらなるコンパクト化が求められているものである。
【0005】
そこで、本発明にあってはコンパクト化が図れると共にディスクの挿入がし易いディスク装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために本発明にあっては、シャーシの前面両サイドの内、いずれか一方がカットされ平面からみて中心軸線を通る前面挿入位置からカット面側へ所定角度偏位した状態でディスクが挿入されるシャーシの前面全幅が挿入幅となるディスク挿入口と、前記ディスク挿入口の挿入幅内に配置され前記カット面の領域から偏位して挿入されるディスクをディスク装着位置へ引込みセットする少なくとも左右一対のディスク搬入手段と、前記ディスク装着位置にあるディスクを前記ディスク挿入口へ戻すディスク搬出手段とを備えて前記ディスク装着位置にセットされたディスクに対して情報の記録又は再生を行なうことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、シャーシの前面全幅が挿入幅となるディスク挿入口の両サイドの内、一方がカットされたカット面となっているため、カットした領域分、占有スペースを小さくすることができる。加えて、ディスク挿入口の挿入幅内に配置されたディスク搬入手段及びディスク搬出手段と相俟ってディスク装置全体のコンパクト化を図ることができる。
【0008】
この結果、搭載されるビデオカメラ等の装置の設計自由度が広がると共に、しかも、ディスクを挿入するディスク挿入口の挿入幅を広げることができるメリットが得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の、ディスク装置は、光ディスク、光磁気ディスク等のディスク状記録媒体に対して情報の記録又は再生を行なうものであって、第1には、前記左右一対のディスク搬入手段を、ディスクを支持するディスク保持部を備えた長さの異なる左右一対の第1、第2の引込みアームと、長さの異なる第1、第2の引込みアームのディスク保持部をディスク挿入口から挿入されるディスクを支持する位置からディスク装着位置まで駆動制御する左右一対のリンクアームとを有する構造とすることで、ディスク挿入口からのディスクを無理なく円滑にディスク装着位置まで搬入が行なえるようにする。
【0010】
第2には、前記ディスク挿入口にその挿入口に沿った形状に作られ外側へ向かって開く開閉可能な開閉扉を備えることで、装置全体のコンパクト化に悪影響を与えることなく開閉扉を設けるようにする。
【実施例】
【0011】
以下、図1乃至図13の図面を参照しながら本発明の実施形態について具体的に説明する。
【0012】
図1は本発明にかかるディスク装置のディスク挿入口と左右一対のディスク搬入手段及びディスク搬出手段を示した概要平面図である。
【0013】
ディスク装置1は、例えば、図外のビデオカメラ等に図面左側を上向きとして縦置きに組込まれて使用される。
【0014】
ディスク装置1のディスク挿入口3は、シャーシ5の前面両サイドの内、一方(図面下方左側)がカットされたカット面3aを備えた形状となっていて前面全幅がディスクDSを挿入する挿入幅Lとなっている。これにより、二点鎖線で示す三角コーナ領域Sの占有スペースがなくなり、その分、小型化が図られている。
【0015】
なお、カット面3aは必ずしも直線的にカットしたものでなくてもよく、例えば、点線で示すように円弧状の形状とすることも可能である。
【0016】
ディスク挿入口3には、図4から図8に示すように挿入口を開又は閉とする外側へ向かって開く開閉可能な開閉扉7とその開閉扉7をロック又はロック解除するロック装置9が設けられている。
【0017】
開閉扉7は、前記ディスク挿入口3の形状に沿って作られ、一方(図面右側)は回動ヒンジ11、他方は自由端となっている。これにより、開閉扉7は回動ヒンジ11を支点としてカット面3a側となる自由端側の回動が可能となるため、縦置きとした時に下側の回動ヒンジ11を支点として上側が開くことで、ディスク挿入時のディスク受け部材として機能するようになっている。また、外側へ開くタイプとなるため、内部へ開くタイプと異なり開閉扉内部収容スペースが不要となり、その分、薄型化が図れるため、ディスク挿入口3のカット面3aと相俟って装置全体のコンパクト化を図った形状となっている。
【0018】
開閉扉7のロック装置9は、ロックプレート13とキャンセルレバ15とを具備している。
【0019】
ロックプレート13はロック爪17とロック解除用の手動操作部19とを有し、ロックプレート13に設けられたガイド溝33とガイドピン23との関係によってロック位置(図7)とロック待機位置(図6)とにスライド自在(図6矢印イ)にシャーシ5に支持されている。
【0020】
キャンセルレバ15は、前記ロック爪17と噛み合う噛み合い部25とガイド突起爪27とを有し前記ロックプレート13の上面に重ね合わされている。重ね合わされたキャンセルレバ15の基端部はレバー軸29によって前記ロックプレート13の長孔21に対してロック爪拘束位置(図7)とロック爪拘束解除位置(図6)とに回動自在に支持されている。
【0021】
キャンセルレバ15のガイド突起爪27は、前記ロックプレート13に設けられたガイド溝33に係合しその規制凹部33a内で回動可能となっていて、ガイド溝33内にある時、ロックプレート13のロック位置(図7)とロック待機位置(図6)とのスライド移動(矢印イ)が可能となっている。また、ガイド突起爪27が規制凹部33a内にある時、ロックプレート13のスライド移動の動きが拘束されるようになっている。
【0022】
キャンセルレバ15は、付勢ばね35によって常時、ロック爪拘束解除位置(図6)に付勢される一方、ロック爪拘束解除位置にあるキャンセルレバ15に対して前記開閉扉7の閉扉時にその開閉扉7に設けられた係合部37が前記キャンセルレバ15の噛み合い部25と当接し押圧することで、ロック爪拘束位置(図6)への回動が可能となっている。
【0023】
付勢ばね35は、一端がキャンセルレバ15に、他端がロックプレート13にそれぞれ係止され、前記した如くキャンセルレバ15を常時ロック爪拘束解除位置(図6)へ付勢する外に、キャンセルレバ15が開閉扉7の係合部37によって押圧されロック爪拘束位置(図7)へ回動した時、ロックプレート13をロック位置へ付勢(図7矢印ロ)する付勢機能を備えている。
【0024】
したがって、ロックプレート13のロック爪17と開閉扉7の係合部37とキャンセルレバ15の噛み合い部25の関係は、図7に示すようにロックプレート13がロック位置にある時、ロック爪17、係合部37、噛み合い部25の三者は同時に係合し合うことで、開閉扉7の開扉方向(図7矢印ハ)への動きが拘束されたロック状態が得られるようになっている。
【0025】
また、ロック位置(図7)にあるロックプレート13は手動操作部19を持ってロック解除位置(図6)へスライド移動(矢印ニ)させることで、開閉扉7の開扉が可能となる。
【0026】
一方、前面がディスク挿入口3となるシャーシ5には、その挿入幅L(図1参照)内にディスク搬入手段39及びディスク搬出手段41並びに光ヘッド部(図示せず)が配置されている。
【0027】
ディスク搬入手段39は、ディスク挿入口3から挿入されたディスクDSを例えば、再生位置となるディスク装着位置、即ち、ディスク装着部46へ向けて搬入するもので、第1、第2の引込みアーム45,47を有している。
【0028】
第1、第2の引込みアーム45,47は、図1に示すように前記シャーシ5の両サイド壁面に沿って左右にそれぞれ配置(図面上下方向)されている。第1、第2の引込みアーム45,47の先端(図面下側)はディスクDSの両端縁を保持するピンタイプのディスク保持部49a,49b、後端(図面上側)は回動軸51a,51bとなっている。カット面3a側となる一方の第1の引込みアーム45の長さd1(ディスク保持部49から回動軸51まで)は挿入口のカット面分、第2の引込みアーム47の長さd2より短く設定されている。
【0029】
第1の引込みアーム45は、図2に示すように回動軸51aからさらに内側へ向かって第1延長アーム部45aが、第2の引込みアーム47は、回動軸51bからさらに内側へ向かって第2延長アーム部47aが内側へ向かってそれぞれ一体に延長されている。第1、第2延長アーム部45a,47aの内、一方の第1延長アーム部45aの延長端部は連繋機構を構成するリンクアーム53の一端とアーム軸55を介して回動自在に連結し、リンクアーム53の他端は前記シャーシ5のほぼ中央部位に配置セットされたガイド部材57のガイド溝59にガイドピン61を介してスライド自在に支持されている。第2延長アーム部47aの延長端部は連繋機構を構成するリンクアーム63の一端がアーム軸64を介して回動自在に連結している。リンクアーム63の他端は前記したガイド部材57のガイド溝59に前記第1延長アーム部45aのリンクアーム53と一緒に前記したガイドピン61を介してスライド自在に支持されることで、第1、第2の引込みアーム45,47は各リンクアーム53、63を介して連動連繋された関係に設定されている。
【0030】
ガイド部材57のガイド溝59は図1に示す如くディスク挿入方向となる中心軸線Xに対して所定の角度θを有しており、この角度θは長さの異なる第1、第2の引込みアーム45,47の同期用の角度となっている。
【0031】
具体的には、ガイドピン61がガイド溝59に沿って後方(矢印ホ)へスライド移動することで、第1、第2の引込みアーム45,47の各ディスク保持部49a,49bは同時に内側(矢印ヘとなる閉じる方向)へ回動可能となる。
【0032】
また、ガイドピン61がガイド溝59に沿って前方(矢印ト)へスライド移動することで、第1、第2の引込みアーム45,47の各ディスク保持部49a,49bは同時に外側(矢印へとは逆の開く方向)への回動が可能となっていて、第1、第2の引込みアーム45,47は付勢ばね66により閉じる方向となる内側(矢印ヘ)へ向け付勢された付勢力が常に与えられている。
【0033】
ディスク搬出手段41は、ディスク挿入口3から挿入されたディスク7を後退しながら前記第1、第2の引込みアーム45,47と一緒にディスク装着部46まで保持する作用と、ディスクDSをディスク挿入口3へ搬出する作用とを備え、一本の取り出しアーム65によって構成されている。
【0034】
取り出しアーム65の先端はディスク挿入口3から挿入されるディスクDSの挿入端中央部位を保持するピンタイプのディスク保持部67となっている。取り出しアーム65の基端部は前記第2の引込みアーム47の回動軸51bに対して回動自在に支持され、第2の引込みアーム47と同軸構造となっている。
【0035】
したがって、取り出しアーム65は、前記回動軸51bに装着された前記付勢ばね66により反時計方向となるディスク押出完了位置(図1実線)へ向けて常に付勢されている。
【0036】
一方、第1の引込みアーム45と連動関係にある第2の引込みアーム47は第1スライド駆動部材69によって前記した付勢ばね66とは別に強制的な回転動力が与えられる。
【0037】
具体的に説明すると、図1、図2に示すように第1スライド駆動部材69はカム溝71と第1ピン73及び第2ピン74とを有し、第1、第2ピン73,74がそれぞれ係合し合うシャーシ5に設けられた長孔75a,75bの範囲内において第1スライド駆動部材69のスライド(矢印チ、リ)が可能となっている。
【0038】
第1スライド駆動部材69のカム溝71内には第2の引込みアーム47に設けられたカムピン77がカム溝71に沿ってスライド自在に係合している。
【0039】
カム溝71は、第1スライド駆動部材69が前後(矢印チ、リ)にスライド移動した時にカムピン77を介して第2の引込みアーム47を内側(矢印ヘ)方向へ回動させるカム突起面71aを有している。
【0040】
カム突起面71aは、カムピン77がそこに乗りあがることで、第2の引込みアーム47を内側へ向け強制的に回動させるのと同時に各リンクアーム63,53を介して第1の引込みアーム45を内側(矢印ヘ)へ向け強制的に回動させる作用が得られるようになっている。
【0041】
したがって、ディスクDSをその直径方向の中心を通る両端が第1、第2の引込みアーム45、47のディスク保持部49a,49bを越える位置、即ち、死点越えするまで手で挿入することにより、付勢ばね66による付勢力とカムピン77及びカム突起面71aによる回動作用とによって強制的なディスクDSの引込み作用が得られるようになる。
【0042】
また、第1スライド駆動部材69に設けられた第1、第2ピン73、74は、前方に第1ピン73が、後方に第2ピン74がそれぞれ設けられた配置構造となっていて、シャーシ5に設けられた長孔75a,75bとそれぞれ係合し合い、長孔75a,75bの範囲内において第1スライド駆動部材69の前後動(矢印チ、リ)が可能となる。
【0043】
第1、第2ピン73、74の内、第1ピン73はピン上端部が後述する伝達アーム79の係合凹部81と係脱自在に係合可能となっている。
【0044】
第2ピン74は、ピン上端部が前記第1スライド駆動部材69が後退(矢印チ)した時、即ち、第1、第2の引込みアーム45,47を内側(矢印ヘ)へ回動させた時に取り出しアーム65のアーム端縁に設けられたカム面65aを押圧し、取り出しアーム65を付勢ばね66に抗して後退(時計方向)させる機能を有する。また、第2ピン74は第1スライド駆動部材69が前進(矢印リ)した時、取り出しアーム65のカム面65aから離れる押圧解除方向へ移動する規制解除ピンとして作用することで取り出しアーム65は前記した付勢ばね66の作用でディスクDSをディスク挿入口3まで搬出する反時計方向へ回動する作用が得られる構造となっている。
【0045】
第1スライド駆動部材69を前後動(矢印チ、リ)させる動力は図3に示すように駆動モータMによって与えられる。即ち、第1スライド駆動部材69にはラック等のギヤ部83が設けられ、そのギヤ部83は駆動部となる前記駆動モータMからの回転動力を減速して伝達する最終の伝導ギヤ85と噛み合っている。
【0046】
したがって、第1スライド駆動部材69は駆動モータMの正転又は逆転する回転動力によって前進(矢印リ)、後退(矢印チ)のスライド移動が可能となる。
【0047】
駆動モータMは、ディスクDSの両端を支持する第1、第2の引込みアーム45,47のディスク保持部49a,49bが左右に一杯に開いたことを検知する検知センサ87からの信号によって、例えば、第1スライド駆動部材69を後退(矢印チ)させる正転に作動制御される。
【0048】
また、開閉扉7のロック装置9がロック解除位置(図6)になったことを検知する検知スイッチ89(図6参照)からの信号によって、例えば、第1スライド駆動部材69を前進(図2、矢印リ)、即ち、第2ピン74が取り出しアーム65のカム面65aから離れるよう逆転に作動制御されるようになっている。
【0049】
光ヘッド部は、図示していないが光ピックアップを搭載し、図4に示すようにシャフト91に対してスライド自在に設けられディスクDSの径方向に沿って移動可能となっている。ディスクDSに回転動力を与えるスピンドルモータ93及びシャフト91は支持部材95に取付けられており、図10に示すように後端の回動ヒンジ97によって自由端となる前端が上下動するよう回動自在に間接的に支持されている。支持部材95の前端には支持ピン99が設けられ、その支持ピン99は、図12に示す第2スライド駆動部材101の昇降カム溝103内に臨む形状となっている。
【0050】
第2スライド駆動部材101は、水平面104と垂直面105からなるアングル状に形成され、図12の如く水平面104はその水平面104に設けられた長孔107とその長孔107に係合されたスライドピン109とによって左右(図13矢印ヌ、ル)にスライド自在にシャーシ5に支持されている。垂直面105は前記支持ピン99が臨む昇降カム溝103を有し、第2スライド駆動部材101が左方(矢印ル)へスライドした時、昇降カム溝103に臨む(鎖線)支持ピン99によって光ヘッド部及びスピンドルモータ93は下降した待機装置(図10)に、右方(矢印ヌ)へスライドした時、昇降カム溝103に臨む(実線)支持ピン99によって光ヘッド部及びスピンドルモータ93は上昇した作動位置(図13)とに上下動可能となっている。
【0051】
図12において、第2スライド駆動部材101は、前記第1スライド駆動部材69が前後動(矢印チ、リ)すると伝達アーム79を介して左右(矢印ヌ、ル)方向のスライド運動が与えられるようになっている。
【0052】
図12において、伝達アーム79は、基端部から左右一対のアーム部111、113が延長された逆U字状の形状となっていて基端部はアーム軸115によってシャーシ5に回動自在に支持されている。伝達アーム79の一方のアーム部113は係合凹部81を有し、第1スライド駆動部材69の第1ピン73と係脱自在に係合可能となっている。他方のアーム部111は第2スライド駆動部材101に設けられた長孔115内に挿入された連結ピン117を介して回動自在に連結し、連結ピン117はシャーシ5に設けられた円弧溝119に沿ってスライド自在となっている。
【0053】
アーム部113の係合凹部81と第1スライド駆動部材69の第1ピン73との係合関係は、第1、第2の引込みアーム45,47の作動中、即ち、ディスクDSの挿入中にあっては係合しておらず光ヘッド部及びスピンドルモータ93が取付けられた支持部材95は下降した待機状態におかれる。そして、ディスクDSの装着セットが完了すると係合し合い、第1スライド駆動部材69の作動時から所定のタイムラグを有して第2スライド駆動部材101がスライドし、支持部材95は上昇した作動位置におかれるようになる。
【0054】
この場合、伝達アーム79と第2スライド駆動部材101を連結する連結ピン117にトグルばね121を作用させることが望ましい。これにより、第2スライド駆動部材101の右方(矢印ル)への移動完了時の位置決め及び左方(矢印ヌ)への移動完了時の位置決めと、右方から左方へ、左方から右方への移動を助勢する助勢手段としての機能が得られる。
【0055】
このように構成されたディスク装置1によれば、ロック装置9の手動操作部19を操作してロックを解除し開閉扉7を開く。この時、開閉扉7は外側に開くためシャーシ5内部に開閉用スペースが要らなくなり、その分、装置全体の厚み幅を薄くすることができる。続いて、図1に示すようにディスク挿入口3からディスクDSを挿入する。この挿入時、ディスクDSはカット面3a側からの挿入が可能となるため挿入幅Lが広がることでディスクDSの挿入作業が容易になると共に、縦置き(図1の右側を底面)として組込んで使用する時には前記開閉扉7がディスク受け部材として機能するため、確実に挿入作業が行なえる。
【0056】
一方、ディスクDSの挿入に対応して第1、第2の引込みアーム45,47は順々に外側へ拡がる。と同時に取り出しアーム65も一緒に後退する。さらに、ディスクDSが挿入されディスクDSが第1、第2の引込みアーム45,47のディスク保持部49a,49bに対して死点越えすると、駆動モータMの動力で第1スライド駆動部材69がスライド(矢印チ)し、第1、第2引込みアーム45,47を内側へ強制的に回動させる。これにより、図9から図13に示すように、ディスクDSの引込み作用が発生しディスクDSをディスク装着部46に装着セットする。装着セットが完了すると待機位置にある光ヘッド部及びディスク装着部46を有する支持部材95は作動位置まで上昇し、例えば再生が行なわれる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明にかかるディスク装置のディスク搬入手段及びディスク搬出手段を示した概要平面図。
【図2】ディスク搬入手段及びディスク搬出手段の連動連繋関係を示した概要斜視図。
【図3】ディスク搬入手段及びディスク搬出手段を連繋機構を介してシャーシに組込んだ状態を示すディスク装置の概要斜視図。
【図4】開閉扉が開いた状態のディスク装置の概要斜視図。
【図5】開閉扉が閉じた状態のディスク装置の概要斜視図。
【図6】ロック解除状態を示したロック装置の概要斜視図。
【図7】ロック状態を示したロック装置の概要平面図。
【図8】ロック装置の分解斜視図。
【図9】ディスクの挿入時の動作説明図。
【図10】図9を白抜き矢視方向からみた概要切断側面図。
【図11】ディスク挿入完了前の動作説明図。
【図12】ディスク挿入完了時の動作説明図。
【図13】図12を白抜き矢視方向からみた概要切断側面図。
【符号の説明】
【0058】
3 ディスク挿入口
3a カット面
5 シャーシ
7 開閉扉
39 ディスク搬入手段
41 ディスク搬出手段
45 第1の引込みアーム
46 ディスク装着部(ディスク装着位置)
47 第2の引込みアーム
49,49b ディスク保持部
53,63 リンクアーム(連繋機構)
65 取り出しアーム
69 第1スライド駆動部材
95 支持部材
101 第2スライド駆動部材
M 駆動モータ(駆動部)
DS ディスク
L 挿入幅
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、ディスク状記録媒体を用いたビデオカメラ等に搭載され、その媒体に対して情報の記録又は再生を行なうディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般にディスク状記録媒体を用いたビデオカメラ等に搭載され、その媒体に対して情報の記録又は再生を行なうディスク装置の概要は、前方のディスク挿入口から挿入されるディスクを左右の引込みアームによって再生又は記録位置となるディスク装着位置へ搬入セットし、セット完了後のディスクは光ヘッド部によって例えば、再生が行なわれる。再生完了後のディスクは取り出しアームによって前記ディスク挿入口へ搬出される手段となっており、ディスクの出し入れが自由に行なえる構造となっている。ディスク状記録媒体としては、光ディスクや光磁気ディスク等がある。
【特許文献1】特開2004−178717号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ディスク装置は、ディスクを出し入れするところからディスク挿入口及び引き込みアーム並びに取り出しアームが重要な構成要素となっているもので、ディスク挿入口や各アームの構造及び配置条件等によって装置全体の大きさが決定される。
【0004】
特に、ディスク装置は手に持って使用される例えば、ハンディタイプのビデオカメラ等に組込まれるところから既に全体のコンパクト化が図られているが、さらなるコンパクト化が求められているものである。
【0005】
そこで、本発明にあってはコンパクト化が図れると共にディスクの挿入がし易いディスク装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために本発明にあっては、シャーシの前面両サイドの内、いずれか一方がカットされ平面からみて中心軸線を通る前面挿入位置からカット面側へ所定角度偏位した状態でディスクが挿入されるシャーシの前面全幅が挿入幅となるディスク挿入口と、前記ディスク挿入口の挿入幅内に配置され前記カット面の領域から偏位して挿入されるディスクをディスク装着位置へ引込みセットする少なくとも左右一対のディスク搬入手段と、前記ディスク装着位置にあるディスクを前記ディスク挿入口へ戻すディスク搬出手段とを備えて前記ディスク装着位置にセットされたディスクに対して情報の記録又は再生を行なうことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、シャーシの前面全幅が挿入幅となるディスク挿入口の両サイドの内、一方がカットされたカット面となっているため、カットした領域分、占有スペースを小さくすることができる。加えて、ディスク挿入口の挿入幅内に配置されたディスク搬入手段及びディスク搬出手段と相俟ってディスク装置全体のコンパクト化を図ることができる。
【0008】
この結果、搭載されるビデオカメラ等の装置の設計自由度が広がると共に、しかも、ディスクを挿入するディスク挿入口の挿入幅を広げることができるメリットが得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の、ディスク装置は、光ディスク、光磁気ディスク等のディスク状記録媒体に対して情報の記録又は再生を行なうものであって、第1には、前記左右一対のディスク搬入手段を、ディスクを支持するディスク保持部を備えた長さの異なる左右一対の第1、第2の引込みアームと、長さの異なる第1、第2の引込みアームのディスク保持部をディスク挿入口から挿入されるディスクを支持する位置からディスク装着位置まで駆動制御する左右一対のリンクアームとを有する構造とすることで、ディスク挿入口からのディスクを無理なく円滑にディスク装着位置まで搬入が行なえるようにする。
【0010】
第2には、前記ディスク挿入口にその挿入口に沿った形状に作られ外側へ向かって開く開閉可能な開閉扉を備えることで、装置全体のコンパクト化に悪影響を与えることなく開閉扉を設けるようにする。
【実施例】
【0011】
以下、図1乃至図13の図面を参照しながら本発明の実施形態について具体的に説明する。
【0012】
図1は本発明にかかるディスク装置のディスク挿入口と左右一対のディスク搬入手段及びディスク搬出手段を示した概要平面図である。
【0013】
ディスク装置1は、例えば、図外のビデオカメラ等に図面左側を上向きとして縦置きに組込まれて使用される。
【0014】
ディスク装置1のディスク挿入口3は、シャーシ5の前面両サイドの内、一方(図面下方左側)がカットされたカット面3aを備えた形状となっていて前面全幅がディスクDSを挿入する挿入幅Lとなっている。これにより、二点鎖線で示す三角コーナ領域Sの占有スペースがなくなり、その分、小型化が図られている。
【0015】
なお、カット面3aは必ずしも直線的にカットしたものでなくてもよく、例えば、点線で示すように円弧状の形状とすることも可能である。
【0016】
ディスク挿入口3には、図4から図8に示すように挿入口を開又は閉とする外側へ向かって開く開閉可能な開閉扉7とその開閉扉7をロック又はロック解除するロック装置9が設けられている。
【0017】
開閉扉7は、前記ディスク挿入口3の形状に沿って作られ、一方(図面右側)は回動ヒンジ11、他方は自由端となっている。これにより、開閉扉7は回動ヒンジ11を支点としてカット面3a側となる自由端側の回動が可能となるため、縦置きとした時に下側の回動ヒンジ11を支点として上側が開くことで、ディスク挿入時のディスク受け部材として機能するようになっている。また、外側へ開くタイプとなるため、内部へ開くタイプと異なり開閉扉内部収容スペースが不要となり、その分、薄型化が図れるため、ディスク挿入口3のカット面3aと相俟って装置全体のコンパクト化を図った形状となっている。
【0018】
開閉扉7のロック装置9は、ロックプレート13とキャンセルレバ15とを具備している。
【0019】
ロックプレート13はロック爪17とロック解除用の手動操作部19とを有し、ロックプレート13に設けられたガイド溝33とガイドピン23との関係によってロック位置(図7)とロック待機位置(図6)とにスライド自在(図6矢印イ)にシャーシ5に支持されている。
【0020】
キャンセルレバ15は、前記ロック爪17と噛み合う噛み合い部25とガイド突起爪27とを有し前記ロックプレート13の上面に重ね合わされている。重ね合わされたキャンセルレバ15の基端部はレバー軸29によって前記ロックプレート13の長孔21に対してロック爪拘束位置(図7)とロック爪拘束解除位置(図6)とに回動自在に支持されている。
【0021】
キャンセルレバ15のガイド突起爪27は、前記ロックプレート13に設けられたガイド溝33に係合しその規制凹部33a内で回動可能となっていて、ガイド溝33内にある時、ロックプレート13のロック位置(図7)とロック待機位置(図6)とのスライド移動(矢印イ)が可能となっている。また、ガイド突起爪27が規制凹部33a内にある時、ロックプレート13のスライド移動の動きが拘束されるようになっている。
【0022】
キャンセルレバ15は、付勢ばね35によって常時、ロック爪拘束解除位置(図6)に付勢される一方、ロック爪拘束解除位置にあるキャンセルレバ15に対して前記開閉扉7の閉扉時にその開閉扉7に設けられた係合部37が前記キャンセルレバ15の噛み合い部25と当接し押圧することで、ロック爪拘束位置(図6)への回動が可能となっている。
【0023】
付勢ばね35は、一端がキャンセルレバ15に、他端がロックプレート13にそれぞれ係止され、前記した如くキャンセルレバ15を常時ロック爪拘束解除位置(図6)へ付勢する外に、キャンセルレバ15が開閉扉7の係合部37によって押圧されロック爪拘束位置(図7)へ回動した時、ロックプレート13をロック位置へ付勢(図7矢印ロ)する付勢機能を備えている。
【0024】
したがって、ロックプレート13のロック爪17と開閉扉7の係合部37とキャンセルレバ15の噛み合い部25の関係は、図7に示すようにロックプレート13がロック位置にある時、ロック爪17、係合部37、噛み合い部25の三者は同時に係合し合うことで、開閉扉7の開扉方向(図7矢印ハ)への動きが拘束されたロック状態が得られるようになっている。
【0025】
また、ロック位置(図7)にあるロックプレート13は手動操作部19を持ってロック解除位置(図6)へスライド移動(矢印ニ)させることで、開閉扉7の開扉が可能となる。
【0026】
一方、前面がディスク挿入口3となるシャーシ5には、その挿入幅L(図1参照)内にディスク搬入手段39及びディスク搬出手段41並びに光ヘッド部(図示せず)が配置されている。
【0027】
ディスク搬入手段39は、ディスク挿入口3から挿入されたディスクDSを例えば、再生位置となるディスク装着位置、即ち、ディスク装着部46へ向けて搬入するもので、第1、第2の引込みアーム45,47を有している。
【0028】
第1、第2の引込みアーム45,47は、図1に示すように前記シャーシ5の両サイド壁面に沿って左右にそれぞれ配置(図面上下方向)されている。第1、第2の引込みアーム45,47の先端(図面下側)はディスクDSの両端縁を保持するピンタイプのディスク保持部49a,49b、後端(図面上側)は回動軸51a,51bとなっている。カット面3a側となる一方の第1の引込みアーム45の長さd1(ディスク保持部49から回動軸51まで)は挿入口のカット面分、第2の引込みアーム47の長さd2より短く設定されている。
【0029】
第1の引込みアーム45は、図2に示すように回動軸51aからさらに内側へ向かって第1延長アーム部45aが、第2の引込みアーム47は、回動軸51bからさらに内側へ向かって第2延長アーム部47aが内側へ向かってそれぞれ一体に延長されている。第1、第2延長アーム部45a,47aの内、一方の第1延長アーム部45aの延長端部は連繋機構を構成するリンクアーム53の一端とアーム軸55を介して回動自在に連結し、リンクアーム53の他端は前記シャーシ5のほぼ中央部位に配置セットされたガイド部材57のガイド溝59にガイドピン61を介してスライド自在に支持されている。第2延長アーム部47aの延長端部は連繋機構を構成するリンクアーム63の一端がアーム軸64を介して回動自在に連結している。リンクアーム63の他端は前記したガイド部材57のガイド溝59に前記第1延長アーム部45aのリンクアーム53と一緒に前記したガイドピン61を介してスライド自在に支持されることで、第1、第2の引込みアーム45,47は各リンクアーム53、63を介して連動連繋された関係に設定されている。
【0030】
ガイド部材57のガイド溝59は図1に示す如くディスク挿入方向となる中心軸線Xに対して所定の角度θを有しており、この角度θは長さの異なる第1、第2の引込みアーム45,47の同期用の角度となっている。
【0031】
具体的には、ガイドピン61がガイド溝59に沿って後方(矢印ホ)へスライド移動することで、第1、第2の引込みアーム45,47の各ディスク保持部49a,49bは同時に内側(矢印ヘとなる閉じる方向)へ回動可能となる。
【0032】
また、ガイドピン61がガイド溝59に沿って前方(矢印ト)へスライド移動することで、第1、第2の引込みアーム45,47の各ディスク保持部49a,49bは同時に外側(矢印へとは逆の開く方向)への回動が可能となっていて、第1、第2の引込みアーム45,47は付勢ばね66により閉じる方向となる内側(矢印ヘ)へ向け付勢された付勢力が常に与えられている。
【0033】
ディスク搬出手段41は、ディスク挿入口3から挿入されたディスク7を後退しながら前記第1、第2の引込みアーム45,47と一緒にディスク装着部46まで保持する作用と、ディスクDSをディスク挿入口3へ搬出する作用とを備え、一本の取り出しアーム65によって構成されている。
【0034】
取り出しアーム65の先端はディスク挿入口3から挿入されるディスクDSの挿入端中央部位を保持するピンタイプのディスク保持部67となっている。取り出しアーム65の基端部は前記第2の引込みアーム47の回動軸51bに対して回動自在に支持され、第2の引込みアーム47と同軸構造となっている。
【0035】
したがって、取り出しアーム65は、前記回動軸51bに装着された前記付勢ばね66により反時計方向となるディスク押出完了位置(図1実線)へ向けて常に付勢されている。
【0036】
一方、第1の引込みアーム45と連動関係にある第2の引込みアーム47は第1スライド駆動部材69によって前記した付勢ばね66とは別に強制的な回転動力が与えられる。
【0037】
具体的に説明すると、図1、図2に示すように第1スライド駆動部材69はカム溝71と第1ピン73及び第2ピン74とを有し、第1、第2ピン73,74がそれぞれ係合し合うシャーシ5に設けられた長孔75a,75bの範囲内において第1スライド駆動部材69のスライド(矢印チ、リ)が可能となっている。
【0038】
第1スライド駆動部材69のカム溝71内には第2の引込みアーム47に設けられたカムピン77がカム溝71に沿ってスライド自在に係合している。
【0039】
カム溝71は、第1スライド駆動部材69が前後(矢印チ、リ)にスライド移動した時にカムピン77を介して第2の引込みアーム47を内側(矢印ヘ)方向へ回動させるカム突起面71aを有している。
【0040】
カム突起面71aは、カムピン77がそこに乗りあがることで、第2の引込みアーム47を内側へ向け強制的に回動させるのと同時に各リンクアーム63,53を介して第1の引込みアーム45を内側(矢印ヘ)へ向け強制的に回動させる作用が得られるようになっている。
【0041】
したがって、ディスクDSをその直径方向の中心を通る両端が第1、第2の引込みアーム45、47のディスク保持部49a,49bを越える位置、即ち、死点越えするまで手で挿入することにより、付勢ばね66による付勢力とカムピン77及びカム突起面71aによる回動作用とによって強制的なディスクDSの引込み作用が得られるようになる。
【0042】
また、第1スライド駆動部材69に設けられた第1、第2ピン73、74は、前方に第1ピン73が、後方に第2ピン74がそれぞれ設けられた配置構造となっていて、シャーシ5に設けられた長孔75a,75bとそれぞれ係合し合い、長孔75a,75bの範囲内において第1スライド駆動部材69の前後動(矢印チ、リ)が可能となる。
【0043】
第1、第2ピン73、74の内、第1ピン73はピン上端部が後述する伝達アーム79の係合凹部81と係脱自在に係合可能となっている。
【0044】
第2ピン74は、ピン上端部が前記第1スライド駆動部材69が後退(矢印チ)した時、即ち、第1、第2の引込みアーム45,47を内側(矢印ヘ)へ回動させた時に取り出しアーム65のアーム端縁に設けられたカム面65aを押圧し、取り出しアーム65を付勢ばね66に抗して後退(時計方向)させる機能を有する。また、第2ピン74は第1スライド駆動部材69が前進(矢印リ)した時、取り出しアーム65のカム面65aから離れる押圧解除方向へ移動する規制解除ピンとして作用することで取り出しアーム65は前記した付勢ばね66の作用でディスクDSをディスク挿入口3まで搬出する反時計方向へ回動する作用が得られる構造となっている。
【0045】
第1スライド駆動部材69を前後動(矢印チ、リ)させる動力は図3に示すように駆動モータMによって与えられる。即ち、第1スライド駆動部材69にはラック等のギヤ部83が設けられ、そのギヤ部83は駆動部となる前記駆動モータMからの回転動力を減速して伝達する最終の伝導ギヤ85と噛み合っている。
【0046】
したがって、第1スライド駆動部材69は駆動モータMの正転又は逆転する回転動力によって前進(矢印リ)、後退(矢印チ)のスライド移動が可能となる。
【0047】
駆動モータMは、ディスクDSの両端を支持する第1、第2の引込みアーム45,47のディスク保持部49a,49bが左右に一杯に開いたことを検知する検知センサ87からの信号によって、例えば、第1スライド駆動部材69を後退(矢印チ)させる正転に作動制御される。
【0048】
また、開閉扉7のロック装置9がロック解除位置(図6)になったことを検知する検知スイッチ89(図6参照)からの信号によって、例えば、第1スライド駆動部材69を前進(図2、矢印リ)、即ち、第2ピン74が取り出しアーム65のカム面65aから離れるよう逆転に作動制御されるようになっている。
【0049】
光ヘッド部は、図示していないが光ピックアップを搭載し、図4に示すようにシャフト91に対してスライド自在に設けられディスクDSの径方向に沿って移動可能となっている。ディスクDSに回転動力を与えるスピンドルモータ93及びシャフト91は支持部材95に取付けられており、図10に示すように後端の回動ヒンジ97によって自由端となる前端が上下動するよう回動自在に間接的に支持されている。支持部材95の前端には支持ピン99が設けられ、その支持ピン99は、図12に示す第2スライド駆動部材101の昇降カム溝103内に臨む形状となっている。
【0050】
第2スライド駆動部材101は、水平面104と垂直面105からなるアングル状に形成され、図12の如く水平面104はその水平面104に設けられた長孔107とその長孔107に係合されたスライドピン109とによって左右(図13矢印ヌ、ル)にスライド自在にシャーシ5に支持されている。垂直面105は前記支持ピン99が臨む昇降カム溝103を有し、第2スライド駆動部材101が左方(矢印ル)へスライドした時、昇降カム溝103に臨む(鎖線)支持ピン99によって光ヘッド部及びスピンドルモータ93は下降した待機装置(図10)に、右方(矢印ヌ)へスライドした時、昇降カム溝103に臨む(実線)支持ピン99によって光ヘッド部及びスピンドルモータ93は上昇した作動位置(図13)とに上下動可能となっている。
【0051】
図12において、第2スライド駆動部材101は、前記第1スライド駆動部材69が前後動(矢印チ、リ)すると伝達アーム79を介して左右(矢印ヌ、ル)方向のスライド運動が与えられるようになっている。
【0052】
図12において、伝達アーム79は、基端部から左右一対のアーム部111、113が延長された逆U字状の形状となっていて基端部はアーム軸115によってシャーシ5に回動自在に支持されている。伝達アーム79の一方のアーム部113は係合凹部81を有し、第1スライド駆動部材69の第1ピン73と係脱自在に係合可能となっている。他方のアーム部111は第2スライド駆動部材101に設けられた長孔115内に挿入された連結ピン117を介して回動自在に連結し、連結ピン117はシャーシ5に設けられた円弧溝119に沿ってスライド自在となっている。
【0053】
アーム部113の係合凹部81と第1スライド駆動部材69の第1ピン73との係合関係は、第1、第2の引込みアーム45,47の作動中、即ち、ディスクDSの挿入中にあっては係合しておらず光ヘッド部及びスピンドルモータ93が取付けられた支持部材95は下降した待機状態におかれる。そして、ディスクDSの装着セットが完了すると係合し合い、第1スライド駆動部材69の作動時から所定のタイムラグを有して第2スライド駆動部材101がスライドし、支持部材95は上昇した作動位置におかれるようになる。
【0054】
この場合、伝達アーム79と第2スライド駆動部材101を連結する連結ピン117にトグルばね121を作用させることが望ましい。これにより、第2スライド駆動部材101の右方(矢印ル)への移動完了時の位置決め及び左方(矢印ヌ)への移動完了時の位置決めと、右方から左方へ、左方から右方への移動を助勢する助勢手段としての機能が得られる。
【0055】
このように構成されたディスク装置1によれば、ロック装置9の手動操作部19を操作してロックを解除し開閉扉7を開く。この時、開閉扉7は外側に開くためシャーシ5内部に開閉用スペースが要らなくなり、その分、装置全体の厚み幅を薄くすることができる。続いて、図1に示すようにディスク挿入口3からディスクDSを挿入する。この挿入時、ディスクDSはカット面3a側からの挿入が可能となるため挿入幅Lが広がることでディスクDSの挿入作業が容易になると共に、縦置き(図1の右側を底面)として組込んで使用する時には前記開閉扉7がディスク受け部材として機能するため、確実に挿入作業が行なえる。
【0056】
一方、ディスクDSの挿入に対応して第1、第2の引込みアーム45,47は順々に外側へ拡がる。と同時に取り出しアーム65も一緒に後退する。さらに、ディスクDSが挿入されディスクDSが第1、第2の引込みアーム45,47のディスク保持部49a,49bに対して死点越えすると、駆動モータMの動力で第1スライド駆動部材69がスライド(矢印チ)し、第1、第2引込みアーム45,47を内側へ強制的に回動させる。これにより、図9から図13に示すように、ディスクDSの引込み作用が発生しディスクDSをディスク装着部46に装着セットする。装着セットが完了すると待機位置にある光ヘッド部及びディスク装着部46を有する支持部材95は作動位置まで上昇し、例えば再生が行なわれる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明にかかるディスク装置のディスク搬入手段及びディスク搬出手段を示した概要平面図。
【図2】ディスク搬入手段及びディスク搬出手段の連動連繋関係を示した概要斜視図。
【図3】ディスク搬入手段及びディスク搬出手段を連繋機構を介してシャーシに組込んだ状態を示すディスク装置の概要斜視図。
【図4】開閉扉が開いた状態のディスク装置の概要斜視図。
【図5】開閉扉が閉じた状態のディスク装置の概要斜視図。
【図6】ロック解除状態を示したロック装置の概要斜視図。
【図7】ロック状態を示したロック装置の概要平面図。
【図8】ロック装置の分解斜視図。
【図9】ディスクの挿入時の動作説明図。
【図10】図9を白抜き矢視方向からみた概要切断側面図。
【図11】ディスク挿入完了前の動作説明図。
【図12】ディスク挿入完了時の動作説明図。
【図13】図12を白抜き矢視方向からみた概要切断側面図。
【符号の説明】
【0058】
3 ディスク挿入口
3a カット面
5 シャーシ
7 開閉扉
39 ディスク搬入手段
41 ディスク搬出手段
45 第1の引込みアーム
46 ディスク装着部(ディスク装着位置)
47 第2の引込みアーム
49,49b ディスク保持部
53,63 リンクアーム(連繋機構)
65 取り出しアーム
69 第1スライド駆動部材
95 支持部材
101 第2スライド駆動部材
M 駆動モータ(駆動部)
DS ディスク
L 挿入幅
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャーシの前面両サイドの内、いずれか一方がカットされ平面からみて中心軸線を通る前面挿入位置からカット面側へ所定角度偏位した状態でディスクが挿入されるシャーシの前面全幅が挿入幅となるディスク挿入口と、前記ディスク挿入口の挿入幅内に配置され前記カット面の領域から偏位して挿入されるディスクをディスク装着位置へ引込みセットする少なくとも左右一対のディスク搬入手段と、前記ディスク装着位置にあるディスクを前記ディスク挿入口へ戻すディスク搬出手段とを備えて前記ディスク装着位置にセットされたディスクに対して情報の記録または再生を行うディスク装置。
【請求項2】
前記左右一対のディスク搬入手段は、ディスクを支持するディスク保持部を備えた長さの異なる左右一対の第1、第2の引込みアームと、長さの異なる第1、第2の引込みアームのディスク保持部をディスク挿入口から挿入されるディスクを支持する位置からディスク装着位置まで駆動制御する左右一対のリンクアームとを有していることを特徴とする請求項1記載のディスク装置。
【請求項3】
前記ディスク挿入口は、その挿入口に沿った形状に作られると共に外側へ向かって開く開閉可能な開閉扉を備えていることを特徴とする請求項1記載のディスク装置。
【請求項1】
シャーシの前面両サイドの内、いずれか一方がカットされ平面からみて中心軸線を通る前面挿入位置からカット面側へ所定角度偏位した状態でディスクが挿入されるシャーシの前面全幅が挿入幅となるディスク挿入口と、前記ディスク挿入口の挿入幅内に配置され前記カット面の領域から偏位して挿入されるディスクをディスク装着位置へ引込みセットする少なくとも左右一対のディスク搬入手段と、前記ディスク装着位置にあるディスクを前記ディスク挿入口へ戻すディスク搬出手段とを備えて前記ディスク装着位置にセットされたディスクに対して情報の記録または再生を行うディスク装置。
【請求項2】
前記左右一対のディスク搬入手段は、ディスクを支持するディスク保持部を備えた長さの異なる左右一対の第1、第2の引込みアームと、長さの異なる第1、第2の引込みアームのディスク保持部をディスク挿入口から挿入されるディスクを支持する位置からディスク装着位置まで駆動制御する左右一対のリンクアームとを有していることを特徴とする請求項1記載のディスク装置。
【請求項3】
前記ディスク挿入口は、その挿入口に沿った形状に作られると共に外側へ向かって開く開閉可能な開閉扉を備えていることを特徴とする請求項1記載のディスク装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−207398(P2007−207398A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−28712(P2006−28712)
【出願日】平成18年2月6日(2006.2.6)
【出願人】(000004329)日本ビクター株式会社 (3,896)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月6日(2006.2.6)
【出願人】(000004329)日本ビクター株式会社 (3,896)
【Fターム(参考)】
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