説明

ディスク記憶装置及び磁気ヘッド

【課題】垂直磁気記録方式での有効な可変トラックピッチ構成を実現して、高トラック記録密度を実現できる垂直磁気記録方式のディスクドライブを提供することにある。
【解決手段】垂直磁気記録方式のディスクドライブ10において、底面が台形または三角形状である主磁極を有するライトヘッド12Wを含む磁気ヘッド12を使用し、ディスク媒体11上に位置決めされた磁気ヘッド12のスキュ角と底面でのベベル角との関係で、スキュ角がベベル角以上となるディスク媒体11上の半径位置では、主磁極の底面のサイズ、スキュ角及びベベル角に基づいて設定されるトラックピッチを可変とするトラック構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、垂直磁気記録方式のディスク記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、特に小型のディスク記憶装置(以下、ディスクドライブと表記する場合がある)では、ディスク媒体に対してデータのリード/ライトを行なう磁気ヘッドは、ロータリ型アクチュエータに搭載されている。ロータリ型アクチュエータは、磁気ヘッドを、回転しているディスク媒体上の半径方向に回動させて、目標位置に位置決めするように動作する。
【0003】
このようなロータリ型アクチュエータが使用されている場合、ディスク媒体上に位置決めされる磁気ヘッドは、いわゆるスキュ角が発生するため、ディスク媒体上の半径位置に応じて隣接トラック間の間隔が変化する。具体的には、スキュ角が増大すると、実効トラック幅(有効なデータトラック幅)が減少する。
【0004】
このため、ディスク媒体面上に多数のトラックを構成する場合に、スキュ角を考慮してトラック記録密度を高くする方法として、ディスク媒体上の半径位置に応じてトラックピッチを変化させる可変トラックピッチ方式が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【特許文献1】特開平11−25609号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
垂直磁気記録方式のディスクドライブでは、データ読出し専用のリードと、垂直磁気記録を行なうためのライトヘッドとが分離して、スライダに実装された磁気ヘッドが使用される。ライトヘッドは、垂直記録磁界を発生する主磁極の底面で、ディスク媒体上に垂直磁気記録を行なう。このような主磁極の底面で書き込みを行う、いわゆるフットプリント記録では、スキュ角が大きくなるにつれて、隣接トラックへの影響が大きくなる。
【0006】
このような垂直磁気記録方式のディスクドライブでは、主磁極を台形または三角形状に加工し、いわゆるベベル(bevel)角を有するライトヘッドであれば、スキュ角が大きくなると、前述とは逆に、実効トラック幅が増大する傾向になる。しかし、一方で、ベベル角が大きくなると、主磁極の面積が減少して垂直磁気記録の能力が低下する。従って、垂直磁気記録方式のディスクドライブでは、単純に、スキュ角に基づいてトラックピッチを可変する可変トラックピッチ構成だけでは、ディスク媒体のトラック記録密度を向上させることはできない。
【0007】
そこで、本発明の目的は、垂直磁気記録方式での有効な可変トラックピッチ構成を実現して、高トラック記録密度を実現できる垂直磁気記録方式のディスクドライブを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の観点に従ったディスクドライブは、垂直磁気記録の可能なディスク媒体と、前記ディスク媒体上から垂直磁気記録データを読出すためのリードヘッドと、前記ディスク媒体上に垂直磁気記録を行なうライトヘッドであって、前記ディスク媒体上に対向する底面が台形または三角形状である主磁極を有するライトヘッドとを含む磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドを搭載し、前記ディスク媒体上の半径方向に移動させるロータリ型アクチュエータとを有し、前記ライトヘッドにより前記ディスク媒体上に記録されるトラックは、前記ロータリ型アクチュエータにより前記ディスク媒体上に位置決めされた前記磁気ヘッドのスキュ角と前記底面でのベベル角との関係で、前記スキュ角が前記ベベル角以上となる前記ディスク媒体上の半径位置では、前記主磁極の底面のサイズ、前記スキュ角、及び前記ベベル角に基づいて設定されるトラックピッチを可変とする構成である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、主磁極を台形または三角形状に加工し、ベベル角を有する垂直磁気記録方式のライトヘッドを使用するディスクドライブにおいて、垂直磁気記録の能力を低下させることなく有効な可変トラックピッチ構成を実現することにより、高トラック記録密度を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
【0011】
(ディスクドライブの構成)
図1は、本実施形態に関するディスクドライブの構成を示すブロック図である。
【0012】
本実施形態のディスクドライブ10は、垂直磁気記録可能なディスク媒体11を使用するハードディスクドライブである。ディスク媒体11は、スピンドルモータ(SPM)13に固定されて、高速回転されるようにディスクドライブ10内に組み込まれている。ディスク媒体11は、図2に示すように、非磁性基板上に軟磁性層112、中間非磁性層111、及び垂直記録層110を積層した構成からなる。垂直記録層110は、後述するライトヘッド12Wからの垂直記録磁界に応じたデータを磁気記録する領域である。
【0013】
ここで、ディスク媒体11上には、ライトヘッド12Wにより記録される多数のトラックが構成される。本実施形態は、後述するように、各トラック間の間隔であるトラックピッチを、ディスク媒体11上の半径位置に応じて変化させる。
【0014】
さらに、ディスクドライブ10は、ディスク媒体11に対してデータ(サーボ情報とユーザデータ)を読出すリードヘッド12Rと、データを書き込むためのライトヘッド12Wを含む磁気ヘッド12を有する。磁気ヘッド12は、ボイスコイルモータ(VCM)15により駆動されるアクチュエータ14に搭載されている。VCM15は、VCMドライバ21により駆動電流が供給されて、駆動制御される。アクチュエータ14は、マイクロプロセッサ(CPU)19により駆動制御されて、磁気ヘッド12をディスク媒体11上の目標位置(目標トラック)に位置決めするためのヘッド移動機構である。
【0015】
このようなヘッド・ディスクアセンブリ以外に、ディスクドライブ10は、プリアンプ回路16と、信号処理回路17と、ディスクコントローラ(HDC)18と、CPU19と、メモリ20とを有する。
【0016】
プリアンプ回路16は、ヘッド12のリードヘッド12Rから出力されるリードデータ信号を増幅するリードアンプ、及びライトデータ信号をライトヘッド12Wに供給するためのライトアンプを有する。信号処理回路17は、リード/ライトデータ信号(サーボ情報に対応するサーボ信号を含む)を処理する信号処理回路であり、リード/ライトチャネルとも呼ばれている。
【0017】
HDC18は、ドライブ10とホストシステム22(例えばパーソナルコンピュータや各種のディジタル機器)とのインターフェース機能を有する。HDC18は、ディスク11とホストシステム22間のリード/ライトデータの転送制御を実行する。
【0018】
CPU19は、ドライブ10のメインコントローラであり、ヘッド位置決め制御及びユーザデータの通常のリード/ライト動作制御を実行する。即ち、CPU19は、ディスク媒体11上に構成されるトラックのトラックピッチを可変させるために、ヘッド位置決め制御及びデータのライト動作制御を実行する具体的手段である。
【0019】
メモリ20は、不揮発性メモリであるフラッシュメモリ(EEPROM)以外に、RAM及びROMなどを含み、CPU19の制御に必要な各種データ及びプログラムを保存する。
【0020】
(磁気ヘッドの構造)
図2は、本実施形態に関する磁気ヘッド12の構造を説明するための図である。
【0021】
磁気ヘッド12は、ライトヘッド12Wとリードヘッド12Rとが分離して、図示しないスライダ上に実装された構造である。リードヘッド12Rは、読出し専用ヘッドであり、通常では、GMR(giant magnetoresistive)素子から構成されている。
【0022】
ライトヘッド12Wは、垂直磁気記録に適した単磁極型ヘッドであり、主磁極(記録磁極)120と、補助磁極に相当するトレーリング(trailing)側磁極121を有するリターンヨークと、励磁コイル122とを有する。ライトヘッド12Wでは、ディスク媒体11の走行方向(図2の右方向)において、後端側にトレーリング(trailing)側磁極121が配置されて、主磁極120がリーディング・エッジ(leading edge)側に設けられている。
【0023】
主磁極120は、相対的に透磁率の高い軟磁性材料からなり、励磁コイル122に流される記録電流に応じた垂直記録磁界を励起する。本実施形態では、後述するように、主磁極120は、ディスク媒体11の表面に対向する底面が、台形または三角形状に加工された構造である。
【0024】
(主磁極の構造)
以下、図3から図10を参照して、本実施形態のライトヘッド12Wにおける主磁極120の構造を説明する。
【0025】
図3は、本実施形態のライトヘッド12Wにおける主磁極120の構造において、ディスク媒体11の表面に対向する底面120Wを示す図である。本実施形態では、主磁極120は、底面120Wが台形の形状に加工されている。また、底面120Wの形状は、三角形状に加工されていてもよい。
【0026】
ここで、主磁極120の構造に関する各パラメータを、図3(A)に示すように、底面120Wにおける上底の幅をPW、主磁極長をPT、下底の幅をPWBで表す。さらに、図3(B)に示すように、上底の幅PW、主磁極長PT、及び下底の幅PWBに基づいて、いわゆるベベル(bevel)角をBaで表す。
【0027】
図4は、アクチュエータ14に搭載された状態において、リードヘッド12Rのリード素子120R、主磁極120の底面120W、及びディスク媒体上での位置関係を示す図である。図4において、ディスク媒体上でのライトヘッド12Wの磁気的トラック幅をMWWとし、リードヘッド12Rの磁気的リード幅をMRWとした場合、スキュ角Haが付いた状態での各パラメータの定義を示す。
【0028】
ここで、一般的に、磁気的トラック幅MWWと主磁極120の上底の幅PWとは、「MWW≧PW」の関係にある。また、磁気的リード幅MRWとリード素子120Rのリード幅RWとは、「MRW≧RW」の関係にある。さらに、ライトヘッド12Wの磁気的ヘッド長MTと主磁極長PTとは、「MT≧PT」の関係にある。
【0029】
図4に示すように、磁気ヘッド12にスキュ角Haが付いた状態では、磁気的トラック幅MWWに対する実効トラック幅をeMWWとし、磁気的リード幅MRWに対する実効リード幅をeMRWとする。
【0030】
(主磁極の構造と可変トラックピッチ構成)
以上のように、本実施形態におけるライトヘッド12Wにおいて、主磁極120の底面120Wを台形または三角形状に加工し、ベベル角Baを付けた構造により、スキュ角Haが大きくなっても、後述するように、実効トラック幅が増大して、高いトラック密度を実現できる。しかし一方で、ベベル角Baを大きくすると、主磁極120の底面120Wの面積を減少させて、磁気記録能力の低下を招く。
【0031】
そこで、本実施形態は、磁気記録能力を維持しながら、高いトラック記録密度(TPI)を実現するための可変トラックピッチ構成を提供する。
【0032】
即ち、具体的には、スキュ角Haが0度のときの磁気的トラック幅MWW、磁気的リード幅MRW、磁気的ヘッド長MTとした場合に、トラックピッチTpは、下記式(4)に示すように設定する。
【数5】

【0033】
また、トラックピッチTpは、下記式(5),(6)に示すような関係を満たすように設定してもよい。
【数6】

【0034】
以下、図8から図10を参照して、トラックピッチTpと主磁極120の各パラメータとの関係を示す関係式の導出プロセスを説明する。
【0035】
まず、図8に示すように、磁気的トラック幅MWWは、スキュ角Haが0度のときの磁気的トラック幅をMWWとした場合に、cos(Ha)から算出できる。次に、主磁極120のベベル角Baと磁気的ヘッド長MTとは、図9に示すような関係式により表すことができる。
【0036】
更に、図10に示すように、スキュ角Haとベベル角Baとの関係式から、実効トラック幅eMWWを算出する下記式(7)を導出できる。
【数7】

【0037】
また、スキュ角Haが0度のときの磁気的リード幅をMRWとした場合に、実効リード幅eMRWをcos(Ha)との関係から、下記式(8)を導出できる。
【数8】

【0038】
ここで、スキュ角Haがベベル角Baより大きい場合、実効トラック幅eMWWを算出する下記式(9)を導出できる。
【数9】

【0039】
一方、スキュ角Haがベベル角Ba以下の場合には、主磁極120の磁極がはみ出す状態となり、当該はみ出し部分は、下記式(10)に示すものとなる。
【数10】

【0040】
以上のような導出プロセスにより、実効トラック幅eMWWを算出する前記式(7)を導出できる。この式(7)及び前記式(8)から、トラックピッチTpを設定するための前記式(4)を導出できる。また、前記関係式(5),(6)を導出できる。
【0041】
図5は、本実施形態を適用する各パラメータと、それに関係するトラック記録密度の具体例を説明するための図である。
【0042】
図5(A)に示すように、いま仮に、目標の面記録密度(areal density)を300Gbpsiとしたときに、ディスク媒体11の半径値を15〜30mmとし、スキュ角Haを半径15mmで−13度、また半径30mmで13度で、トラック群が等間隔に20のゾーンに分かれているディスクドライブ10を想定する。
【0043】
このディスクドライブ10では、主磁極120の各パラメータを、PW=100nm、PT=300nm、RW=50nm、MWW=PW+30=130nm、MRW=RW=50nm、MT=PT=300nmと設定する。
【0044】
ここで、図6は、スキュ角(skew angle)Haと、最適なトラックピッチ(track pitch)Tpとの関係を示す。このトラックピッチTpは、前記式(4),(7),(6)に基づいて、「2Tp−eMWW−eMRW>40」の関係式から算出されたものである。図6において、実線60は、主磁極120のパラメータの一つであるベベル角Baが7度の場合の特性である。また、点線61は、ベベル角Baが9度の場合の特性である。図6に示すように、スキュ角Haが相対的の小さいディスク媒体11上の範囲では、トラックピッチTpは一定である。
【0045】
図5(B)に示すように、ベベル角Baが7度の場合に、可変トラックピッチの未使用時には、同じ面容量になるように計算すると、平均線密度(kBPI)と平均トラック密度(kTPI)はそれぞれ、1459kBPI、206kTPIになる。これに対して、可変トラックピッチを使用する場合には、平均線密度(kBPI)と平均トラック密度(kTPI)はそれぞれ、1341kBPI、224kTPIとなる。
【0046】
同様に、ベベル角Baが9度の場合に、可変トラックピッチの未使用時には、平均線密度(kBPI)と平均トラック密度(kTPI)はそれぞれ、1397kBPI、215kTPIになる。これに対して、可変トラックピッチを使用する場合には、平均線密度(kBPI)と平均トラック密度(kTPI)はそれぞれ、1317kBPI、228kTPIとなる。即ち、可変トラックピッチを使用しない場合は線密度の差が118kBPIあるのに対して、可変トラックピッチを使用した場合は24kBPIの差のみとなる。従って、可変トラックピッチを使用した場合は、相対的に高いベベル角Baを付けなくても、高トラック密度(TPI)を達成できる。即ち、磁気ヘッド12や、ディスク媒体11の性能に大きな影響を与えずに、高記録密度を得ることができる。
【0047】
図7は、ベベル角Baが7度の場合において、ディスク媒体11上の半径方向におけるトラック密度(TPI)の変化を示す図である。図7において、点線71は、可変トラックピッチを使用しない場合、即ちトラックピッチが一定の場合の特性を示す。実線70は、可変トラックピッチを使用する場合の特性を示す図である。図7の実線70に示すように、相対的にスキュ角Haが小さいディスク媒体11の中周領域では、一定の高トラック密度になり、内外周領域ではトラック密度を変化させるように、トラックピッチを可変させる。
【0048】
以上のように、前記関係式(4),式(5)または(6)に基づいて、磁気ヘッド12のスキュ角Ba及び主磁極120のパラメータであるベベル角Baを考慮した可変トラックピッチTpによるトラック構成を実現する。このようなディスク媒体11上のトラック構成であれば、主磁極120の記録能力を保持している状態で、ディスク媒体11上では相対的に高いトラック密度(TPI)を達成することができる。
【0049】
換言すれば、垂直磁気記録において高いスキュ角Haで、高いトラック密度(TPI)を達成するために、主磁極120の底面120Wを台形または三角形状に加工し、ベベル角Baを付けた場合に、相対的に高いベベル角Baを付けなくても、ディスク媒体11上では可変トラックピッチにより高いトラック密度(TPI)を達成することができる。なお、スキュ角Haがベベル角Ba以下の場合には、トラックピッチTpは一定でよい。
【0050】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の実施形態に関するディスクドライブの構成を示すブロック図。
【図2】本実施形態に関する磁気ヘッドの構造を説明するための図。
【図3】本実施形態に関するライトヘッドの主磁極構造を説明するための図。
【図4】本実施形態に関するライトヘッドがアクチュエータに搭載された状態での位置関係を説明するための図。
【図5】本実施形態に関する可変トラックピッチの具体例を説明するための図。
【図6】本実施形態に関するトラックピッチとスキュ角との関係を説明するための図。
【図7】本実施形態に関するトラックピッチとトラック密度との関係を説明するための図。
【図8】本実施形態に関するトラックピッチと主磁極の各パラメータとの関係式の導出プロセスを説明するための図。
【図9】本実施形態に関するトラックピッチと主磁極の各パラメータとの関係式の導出プロセスを説明するための図。
【図10】本実施形態に関するトラックピッチと主磁極の各パラメータとの関係式の導出プロセスを説明するための図。
【符号の説明】
【0052】
10…ディスクドライブ、11…ディスク媒体、12…磁気ヘッド、
12R…リードヘッド、12W…ライトヘッド、14…アクチュエータ、
19…マイクロプロセッサ(CPU)、120…主磁極、120W…底面、
Ba…ベベル(bevel)角、Ha…スキュ(skew)角。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直磁気記録の可能なディスク媒体と、
前記ディスク媒体上から垂直磁気記録データを読出すためのリードヘッドと、前記ディスク媒体上に垂直磁気記録を行なうライトヘッドであって、前記ディスク媒体上に対向する底面が台形または三角形状である主磁極を有するライトヘッドとを含む磁気ヘッドと、
前記磁気ヘッドを搭載し、前記ディスク媒体上の半径方向に移動させるロータリ型アクチュエータとを有し、
前記ライトヘッドにより前記ディスク媒体上に記録されるトラックは、
前記ロータリ型アクチュエータにより前記ディスク媒体上に位置決めされた前記磁気ヘッドのスキュ角と前記底面でのベベル角との関係で、前記スキュ角が前記ベベル角以上となる前記ディスク媒体上の半径位置では、前記主磁極の底面のサイズ、前記スキュ角、及び前記ベベル角に基づいて設定されるトラックピッチを可変とする構成であることを特徴とするディスク記憶装置。
【請求項2】
前記スキュ角が前記ベベル角未満となる前記ディスク媒体上の半径位置ではトラックピッチを一定とするトラック構成であることを特徴とする請求項1に記載のディスク記憶装置。
【請求項3】
スキュ角Haが0度のときの前記ライトヘッドの磁気的トラック幅をMWWとし、前記リードヘッドの磁気的リード幅をMRWとし、前記ライトヘッドの磁気的ヘッド長をMTとし、前記トラックピッチをTpとした場合に、下記式(1)を満足するようなトラック構成であることを特徴とする請求項1に記載のディスク記憶装置。
【数1】

【請求項4】
スキュ角Haが0度のときの前記ライトヘッドの磁気的トラック幅をMWWとし、前記リードヘッドの磁気的リード幅をMRWとし、前記ライトヘッドの磁気的ヘッド長をMTとし、前記トラックピッチをTpとした場合に、下記式(2)及び(3)を満足するようなトラック構成であることを特徴とする請求項1に記載のディスク記憶装置。
【数2】

【請求項5】
垂直磁気記録の可能なディスク媒体を使用するディスク記憶装置に適用する磁気ヘッドであって、
前記ディスク媒体上から垂直磁気記録データを読出すためのリードヘッドと、
前記ディスク媒体上に垂直磁気記録を行なうライトヘッドとを有し、
前記ライトヘッドは、
前記ディスク媒体上に対向する底面が台形または三角形状である主磁極を有し、
前記ディスク媒体上に位置決めされたときのスキュ角と前記底面でのベベル角との関係で、前記スキュ角が前記ベベル角以上となる前記ディスク媒体上の半径位置では、前記ディスク媒体上に記録されるトラックが可変トラックピッチで構成される場合に、当該トラックピッチと適合する前記主磁極の底面のサイズ及び前記ベベル角が設定された構造であることを特徴とする磁気ヘッド。
【請求項6】
スキュ角Haが0度のときの前記ライトヘッドの磁気的トラック幅をMWWとし、前記リードヘッドの磁気的リード幅をMRWとし、前記ライトヘッドの磁気的ヘッド長をMTとし、前記トラックピッチをTpとした場合に、下記式(1)を満足するような構成であることを特徴とする請求項5に記載の磁気ヘッド。
【数3】

【請求項7】
スキュ角Haが0度のときの前記ライトヘッドの磁気的トラック幅をMWWとし、前記リードヘッドの磁気的リード幅をMRWとし、前記ライトヘッドの磁気的ヘッド長をMTとし、前記トラックピッチをTpとした場合に、下記式(2)及び(3)を満足するような構成であることを特徴とする請求項5に記載の磁気ヘッド。
【数4】


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−149223(P2007−149223A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−342359(P2005−342359)
【出願日】平成17年11月28日(2005.11.28)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】