説明

ディスプレイにおいて色を処理するための方法及び装置

【課題】ディスプレイ内において色を処理するための方法及びデバイスを提供する。
【解決手段】方法およびデバイスは、画素のうちの1つ以上が、色付き光を出力するように構成された1つ以上の表示素子、例えばインターフェロメトリックモジュレータ、及び白光を出力するように構成された1つ以上の表示素子を含むディスプレイを含む。その他の実施形態は、前記ディスプレイを製造する方法を含む。さらに、実施形態は、カラーディスプレイの知覚される明度を高めるために、可視スペクトルの緑部分において出力光の強度のより高い割合を提供するように構成されたカラーディスプレイを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微小電気機械システム(MEMS)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
微小電気機械システム(MEMS)は、微小機械要素、アクチュエータ、及び電子機器を含む。微小機械要素は、基板及び/又は堆積させた材料層の一部をエッチングによって除去するか又は材料層を追加することによって電気デバイス及び電気機械デバイスを形成する、堆積、エッチング、及び/又はその他の微細加工プロセスを用いて製造することができる。MEMSデバイスの1つの型は、インターフェロメトリック変調器()と呼ばれる。本明細書において用いられるインターフェロメトリック変調器又はインターフェロメトリック光変調器という用語は、光干渉原理を用いて選択的に光を吸収する及び/又は反射させるデバイスを意味する。幾つかの実施形態においては、インターフェロメトリック変調器は、一対の伝導性プレートを具備し、これらのプレートの1方又は両方は、全体又は一部が透明及び/又は反射性であり、適切な電気信号を加えると相対運動をすることができる。特定の実施形態においては、1方のプレートは、基板上に堆積された静止層を具備し、他方のプレートは、エアギャップによって前記静止層から分離された金属膜を具備する。本明細書においてさらに詳細に説明されるように、一方のプレートに関する他方のプレートの位置は、インターフェロメトリック変調器に入射した光の光学的干渉を変えることができる。これらのデバイスは非常に広範な用途を有しており、当業においては、既存製品を改良する際に及びまだ開発されていない新製品を製造する際にこれらの型のデバイスの特長を活用できるようにするためにこれらの型のデバイスの特性を利用及び/又は変更することが有益になる。
【発明の概要】
【0003】
本発明のシステム、方法、及びデバイスは各々がいくつかの側面を有しており、いずれの単一の側面も、望ましい属性を確保する役割を単独で果たしているわけではない。以下では、本発明の適用範囲を限定することなしに、本発明のより顕著な特長が概説される。当業者は、この説明を検討後に、そして特に「発明を実施するための最良の形態」という題名の部分を読んだ後に、本発明の特長がその他のディスプレイデバイスよりもいかに優れているかを理解するであろう。
【0004】
一実施形態は、ディスプレイを含む。前記ディスプレイは、複数の画素を含む。前記画素の各々は、赤光を出力するように構成された少なくとも1つのインターフェロメトリック変調器を具備する少なくとも1つの赤の副画素と、緑光を出力するように構成された少なくとも1つのインターフェロメトリック変調器を具備する少なくとも1つの緑の副画素と、青光を出力するように構成された少なくとも1つのインターフェロメトリック変調器を具備する少なくとも1つの青の副画素と、色付き光を出力するように構成された少なくとも1つのインターフェロメトリック変調器を具備する少なくとも1つの白の副画素と、を含む。
【0005】
他の実施形態は、ディスプレイを含む。前記ディスプレイは、複数のインターフェロメトリック変調器を含む。前記複数のインターフェロメトリック変調器は、赤光を出力するように構成された少なくとも1つのインターフェロメトリック変調器と、緑光を出力するように構成された少なくとも1つのインターフェロメトリック変調器と、青光を出力するように構成された少なくとも1つのインターフェロメトリック変調器と、白光を出力するように構成された少なくとも1つのインターフェロメトリック変調器と、を含む。白光を出力するように構成された前記少なくとも1つのインターフェロメトリック変調器は、標準化白点を有する白光を出力する。
【0006】
他の実施形態は、ディスプレイを含む。前記ディスプレイは、複数の表示素子を含む。前記表示素子の各々は、部分的反射面からある距離の地点に配置されるように構成された反射面を含む。前記複数の表示素子は、色付き光を出力するように構成された前記複数の表示素子のうちの少なくとも1つと、白光を干渉的に出力するように構成された前記複数の表示素子のうちの少なくとも1つと、を含む。
【0007】
他の実施形態は、ディスプレイを製造する方法を含む。前記方法は、複数の表示素子を形成することを含む。前記複数の表示素子の各々は、部分的反射面からある距離の地点に配置されるように構成された反射面を含む。前記距離の各々は、前記複数の表示素子のうちの少なくとも1つのが色付き光を出力するように構成され、前記複数の表示素子のうちの少なくとも他の1つが白光を干渉的に出力するように構成されるように選択される。
【0008】
他の実施形態は、画像を表示する手段を具備するディスプレイを含む。前記表示する手段は、光を反射させる手段と、光を部分的に反射させる手段と、を具備する。前記反射させる手段は、前記部分的に反射させる手段からある距離の地点に配置されるように構成される。前記表示する手段は、色付き光を出力するための第1の手段と、白光を干渉的に出力するための第2の手段と、を具備する。
【0009】
他の実施形態は、ディスプレイを含む。前記ディスプレイは、赤光、緑光、及び青光をそれぞれ出力するように構成された赤、緑、及び青のインターフェロメトリック変調器を各々具備する複数の画素を含む。前記画素の各々は、前記インターフェロメトリック変調器の各々が赤光、緑光、及び青光を出力するように設定されたときに赤光よりも高い強度の緑光を出力するように構成されさらに青光よりも高い強度の緑光を出力するように構成される。
【0010】
他の実施形態は、ディスプレイを製造する方法を含む。前記方法は、複数の画素を形成することを含む。前記複数の画素を形成することは、赤光を出力するように構成されたインターフェロメトリック変調器を形成することと、緑光を出力するように構成されたインターフェロメトリック変調器を形成することと、青光を出力するように構成されたインターフェロメトリック変調器を形成すること、とを含む。前記画素の各々は、前記インターフェロメトリック変調器の各々が赤光、緑光、及び青光を出力するように設定されたときに赤光よりも高い強度の緑光を出力するように構成されさらに青光よりも高い強度の緑光を出力するように構成される。
【0011】
他の実施形態は、ディスプレイを含む。前記ディスプレイは、複数の画素を含む。前記の画素の各々は、赤光、緑光、及び青光をそれぞれ出力するように構成された赤、緑、及び青のインターフェロメトリック変調器を具備する。前記画素の各々は、赤光よりも高い強度の緑光を出力するように構成されさらに青光よりも高い強度の緑光を出力するように構成される。赤光を出力するように構成されたインターフェロメトリック変調器及び青光を出力するように構成されたインターフェロメトリック変調器のうちの少なくとも1つは、前記より高い強度の緑光に関して補整するために選択された波長を有する光を出力するように構成される。
【0012】
他の実施形態は、赤光を出力する複数の手段と、緑光を出力する複数の手段と、青光を出力する複数の手段と、を具備するディスプレイを具備する。前記赤、緑及び青を出力する手段は、画素を表示する手段を形成する。前記画素を表示する手段の各々は、前記赤、緑、及び青を出力する手段が赤光、緑光及び青光を出力するように設定されたときに青光より高い強度の緑光を出力するように構成される。
【0013】
他の実施形態は、複数の表示素子を具備するディスプレイを具備する。前記複数の表示素子は、色光を出力するように構成された少なくとも1つの色表示素子及び白光を出力するように構成された少なくとも1つの表示素子を具備する。白光を出力するように構成された前記少なくとも1つの表示素子は、標準化白点を有する白光を出力する。
【0014】
他の実施形態は、画像を表示する手段を具備するディスプレイを具備する。前記表示する手段は、色付き光を出力する手段と、白光を出力する手段と、を具備する。前記白光を出力する手段は、標準化白点を有する白光を出力する。
【0015】
他の実施形態は、色光を出力するように構成された少なくとも1つの色表示素子及び白光を出力するように構成された少なくとも1つの表示素子を形成することを具備する複数の表示素子を形成することを具備するディスプレイ製造方法を具備する。白光を出力するように構成された前記少なくとも1つの表示素子は、標準化白点を有する白光を出力するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】インターフェロメトリック変調器ディスプレイの一実施形態の一部分を描いた等角図であり、第1のインターフェロメトリック変調器の移動可能反射層が解放位置にあり、第2のインターフェロメトリック変調器の移動可能反射層が作動位置にある。
【図2】3×3インターフェロメトリック変調器ディスプレイを組み込んだ電子デバイスの一実施形態を示したシステムブロック図である。
【図3】図1のインターフェロメトリック変調器の1つの典型的実施形態に関する移動可能ミラーの位置及び印加電圧の関係を示した概略図である。
【図4】インターフェロメトリック変調器ディスプレイを駆動するために用いることができる一組のロー電圧及びカラム電圧を例示した図である。
【図5A】図2の3×3インターフェロメトリック変調器ディスプレイ内における1つの典型的な表示データフレームを示した図である。
【図5B】図5Aのフレームを書くために使用することができるロー信号及びカラム信号に関する1つの典型的なタイミング図である。
【図6A】複数のインターフェロメトリック変調器を具備するビジュアルディスプレイデバイスの実施形態を示したシステムブロック図である。
【図6B】複数のインターフェロメトリック変調器を具備するビジュアルディスプレイデバイスの実施形態を示したシステムブロック図である。
【図7A】図1のデバイスの横断面図である。
【図7B】インターフェロメトリック変調器の代替実施形態の横断面図である。
【図7C】インターフェロメトリック変調器の他の代替実施形態の横断面図である。
【図7D】インターフェロメトリック変調器のさらに他の代替実施形態の横断面図である。
【図7E】インターフェロメトリック変調器の追加の代替実施形態の横断面図である。
【図8】移動可能ミラーを1つの範囲内の位置に配置することによる出力光のスペクトル特性を示した典型的なインターフェロメトリック変調器の側部横断面図である。
【図9】白光を生成するためのシアン及び黄色のインターフェロメトリック変調器を含む一実施形態のスペクトル応答を示した線図である。
【図10】インターフェロメトリック変調器を通り結果的に異なる色光が反射されることになる異なる光学路を示した前記インターフェロメトリック変調器の側部横断面図である。
【図11】特定の色の光を選択的に透過させるための材料層を有するインターフェロメトリック変調器の側部横断面図である。
【図12】緑のインターフェロメトリック変調器及び白光を生成するための「マゼンタ」フィルタ層を含む一実施形態のスペクトル応答を示した線図である。
【図13】典型的画素アレイ30の2つの画素を示した概略図である。ロー1乃至4及びカラム1乃至4は、1つの画素120aを形成する。
【図14A】赤、緑、及び青の表示素子を含む典型的なカラーディスプレイによって生成することができる色を示した色度図である。
【図14B】赤、緑、青、及び白の表示素子を含む典型的なカラーディスプレイによって生成することができる色を示した色度図である。
【発明の詳細な説明】
【0017】
以下の詳細な説明は、本発明のいくつかの具体的な実施形態を対象にしたものである。しかしながら、本発明は、非常に数多くの異なる方法で具体化することが可能である。本説明では図面を参照しており、同一のものについては図面全体に渡って同一の参照数字が付されている。以下の説明から明確になるように、各実施形態は、動画(映像、等)又は静止画(静止画像、等)のいずれであるかにかかわらず、さらに、テキスト又は絵のいずれであるかにかかわらず、画像を表示するように構成されているあらゆる装置に実装することができる。より具体的には、各実施形態は、様々な電子機器、例えば、限定することなしに、携帯電話、無線装置、パーソナルデータアシスタント(PDA)、携帯式コンピュータ、ポータブルコンピュータ、GPS受信装置/ナビゲーター、カメラ、MP3プレーヤー、カムコーダー、ゲームコンソール、腕時計、柱時計、計算器、テレビモニター、フラットパネルディスプレイ、コンピュータモニター、自動車の表示盤(オドメーターの表示盤、等)、コックピットの制御盤及び/又は表示盤、カメラのディスプレイ(車両内のリアビューカメラのディスプレイ、等)、電子写真、電子広告掲示板又は看板、プロジェクター、建築構造物、梱包、美的構造物(宝石上におけるイメージの表示、等)の内部に又はこれらの電子機器と関連させて実装できるようにすることが企図されている。さらに、本明細書において説明されているMEMSデバイスと同様の構造を有するMEMSデバイスは、電子式開閉装置等の表示以外の用途においても使用することができる。
【0018】
一実施形態は、各々の画素が一組の表示素子を具備し、これらの表示素子の各々が1つ以上のインターフェロメトリック変調器を具備することができるディスプレイである。前記表示素子の組は、赤光、緑光、青光、及び白光を出力するように構成された表示素子を含む。一実施形態においては、「白光」表示素子は、「赤」、「緑」、及び「青」の表示素子の結合されたスペクトル応答よりも広範で強度がより高いスペクトル応答を有する白光を出力する。一実施形態においては、前記ディスプレイは、画素を駆動するためのデータが供給されたときに「白光」表示素子を作動させるように構成されたドライバ回路を含む。さらに、幾つかの実施形態は、カラーディスプレイの感知される明るさを増すために可視スペクトルの緑部分における出力光の強度の割合をより大きくするように構成された前記カラーディスプレイを含む。
【0019】
干渉型MEMS表示素子を具備する1つのインターフェロメトリック変調器ディスプレイ実施形態が図1に示されている。これらのデバイスにおいて、画素は、明るい状態又は暗い状態のいずれかである。明るい(「オン」又は「開いた」)状態においては、前記表示素子は、入射可視光の大部分をユーザーに対して反射させる。暗い(「オフ」又は「閉じた」)状態においては、前記表示素子は、ユーザーに対して入射可視光をほとんど反射させない。該「オン」状態及び「オフ状態」の光反射特性は反転させることができ、実施形態に依存する。MEMS画素は、白黒に加えてカラーディスプレイを考慮して、主に選択された色において反射するように構成させることができる。
【0020】
図1は、ビジュアルディスプレイの一連の画素における2個の隣接する画素を描いた等角図であり、各画素は、MEMSインターフェロメトリック変調器を具備する。幾つかの実施形態においては、インターフェロメトリック変調器ディスプレイは、これらのインターフェロメトリック変調器のロー/カラムアレイを具備する。各インターフェロメトリック変調器は、一対の反射層を含む。これらの一対の反射層は、可変でかつ制御可能な距離に互いに配置され、少なくとも1つの可変寸法を有する共鳴光学空洞を形成している。一実施形態においては、前記反射層のうちの1つは、2つの位置の間を移動させることができる。本明細書においては解放位置と呼ばれる第1の位置においては、前記移動可能反射層は、固定された部分的反射層から相対的に遠く離れた距離に配置される。本明細書においては作動位置と呼ばれる第2の位置においては、前記移動可能反射層は、前記部分的反射層のほうにより近づけて配置される。これらの2つの層から反射された入射光は、前記移動可能反射層の位置に依存して建設的に又は破壊的に干渉し、各画素に関して全体的な反射状態又は非反射状態を作り出す。
【0021】
図1において、画素アレイのうちの描かれた部分は、2つの隣接するインターフェロメトリック変調器12a及び12bを含む。左側のインターフェロメトリック変調器12aにおいては、移動可能な反射層14aが、部分的反射層を含む光学スタック16aから予め決められた距離にある位置において解放状態になっている。右側のインターフェロメトリック変調器12bにおいては、移動可能な反射層14bが、光学スタック16bに隣接した作動位置にある。
【0022】
本明細書において参照される光学スタック16a及び16b(光学スタック16と総称される)は、典型的には、電極層、例えばインジウム−スズ酸化物(ITO)と、部分的反射層、例えばクロムと、透明な誘電体と、を含むことができる幾つかの溶融層を具備する。従って、光学層16は、電気的伝導性であり、部分的に透明であり、部分的に反射性であり、例えば上記の層のうちの1つ以上を透明基板20上に堆積することによって製造することができる。幾つかの実施形態においては、これらの層は平行なストリップから成るパターンが形成されており、後述されるようにディスプレイデバイス内においてロー電極を形成することができる。移動可能反射層14a、14bは、柱18の頂部に堆積された(16a、16bのロー電極と直交の)1つの又は複数の堆積金属層の一連の平行ストリップとして及び柱18間に堆積された介在犠牲材料として形成することができる。前記犠牲材料がエッチングによって除去されると、移動可能反射層14a及び14bが定められたギャップ19だけ光学スタック16a、16bから分離される。伝導性が高い反射性材料、例えばアルミニウム、を反射層14に関して用いることができ、これらのストリップは、ディスプレイデバイス内においてカラム電極を形成することができる。
【0023】
図1において画素12aによって例示されるように、電圧が印加されていない状態では、空洞19は移動可能反射層14aと光学スタック16aとの間にとどまっており、移動可能反射層14aは機械的に解放された状態になっている。しかしながら、選択されたロー及びカラムに電位差が印加されると、対応する画素におけるロー電極及びカラム電極の交差部において形成されているキャパシタが荷電され、静電力がこれらの電極を引き寄せる。電圧が十分に高い場合は、移動可能反射層14が変形されて光学層16に押しつけられる。光学層16内の(この図に示されていない)誘電層は、図1内の右側の画素12bによって示されるように、層14と16との間の短絡を防止すること及び分離距離を制御することができる。この挙動は、印加される電位差の極性にかかわらず同じである。このように、反射性対非反射性画素の状態を制御することができるロー/カラム作動は、従来のLCD及びその他の表示技術において用いられる作動と多くの点で類似している。
【0024】
図2乃至5Bは、表示用途においてインターフェロメトリック変調器レイを用いるための1つの典型的なプロセス及びシステムを示す。
【0025】
図2は、本発明の諸側面を組み入れることができる電子デバイスの一実施形態を例示したシステムブロック図である。この典型的実施形態においては、前記電子デバイスはプロセッサ21を含み、該プロセッサ21は、あらゆる汎用の単チップ又は多チップのマイクロプロセッサ、例えば、ARM、Pentium(登録商標)、PentiumII(登録商標)、PentiumIII(登録商標)、PentiumIV(登録商標)、Pentium(登録商標)Pro、8051、MIPS(登録商標)、PowerPC(登録商標)、ALPHA(登録商標)、等、又は、あらゆる専用マイクロプロセッサ、例えば、デジタル信号プロセッサ、マイクロコントローラ、プログラマブルゲートアレイ、等、にすることができる。当業においては従来の方法であるが、プロセッサ21は、1つ以上のソフトウェアモジュールを実行するように構成することができる。プロセッサ21は、オペレーティングシステムを実行することに加えて、1つ以上のソフトウェアアプリケーション、例えば、ウェブブラウザ、電話に関するアプリケーション、電子メールプログラム、又はその他のあらゆるソフトウェアアプリケーション、を実行するように構成することができる。
【0026】
一実施形態においては、プロセッサ21は、アレイドライバ22と通信するようにも構成される。一実施形態においては、アレイドライバ22は、ディスプレイアレイ又はパネル30に信号を提供するロードライバ回路24及びカラムドライバ回路26を含む。図1に示される該アレイの横断面は、図2では線1−1によって示されている。MEMSインターフェロメトリック変調器においては、ロー/カラム作動プロトコルは、図3において示されるこれらのデバイスのヒステリシス特性を利用することができる。例えば、移動可能層を解放状態から作動状態に変形させるためには10ボルトの電位差が必要である。しかしながら、電圧が同値から減じられたときには、移動可能層は、電圧が低下して再び10ボルトよりも低くなる間にその状態を維持する。図3の典型的実施形態においては、移動可能層は、電圧が2ボルトよりも低くなるまで完全には解放されない。このため、図3において示される例においては、約3乃至7Vの電圧範囲が存在しており、デバイスが解放された状態又は作動された状態において安定している印加電圧の窓が存在している。本明細書では、この窓は「ヒステリシスウインドー」又は「安定ウインドー」と呼ばれる。図3のヒステリシス特性を有するディスプレイアレイの場合は、ローストローブ中に、ストローブされたロー内の作動対象画素が約10ボルトの電圧差にさらされ、さらに、解放対象画素が約ゼロボルトの電圧差にさらされることになるように、ロー/カラム作動プロトコルを設計することができる。ストローブ後は、画素は、約5ボルトの定常状態電圧差にさらされ、このため、ローストローブによって置かれたあらゆる状態にとどまる。本例においては、各画素は、書かれた後には、3乃至7ボルトの「安定ウインドー」内において電位差にさらされる。この特長は、図1において示される画素設計を、作動状態又は先在する解放状態のいずれであるかにかかわらず同じ印加電圧状態の下で安定させることになる。インターフェロメトリック変調器の各画素は、作動状態又は解放状態のいずれであるかにかかわらず、本質的には、固定反射層及び移動可能反射層によって形成されたキャパシタであるため、この安定状態は、電力散逸がほとんどゼロの状態でヒステリシスウインドー内のある1つの電圧において保持することができる。本質的に、印加電位が固定されている場合は、画素内には電流は流れ込まない。
【0027】
典型的な用途においては、第1のロー内の希望される作動画素の組に従ってカラム電極の組を選択することによって表示フレームを製造することができる。次に、ローパルスがロー1電極に加えられ、選択されたカラムラインに対応する画素を作動させる。次に、選択されたカラム電極の組が変更され、第2ロー内の希望される作動画素の組に対応させる。次に、ロー2電極にパルスが加えられ、選択されたカラム電極に従ってロー2内の該当画素を作動させる。ロー1の画素は、ロー2のパルスによる影響を受けず、ロー1のパルス中に設定された状態にとどまる。このプロセスは、フレームを製造するために一連のロー全体に関して逐次的に繰り返すことができる。一般的には、これらの表示フレームは、希望される何らかの1秒当たりのフレーム数の時点において、該プロセスを連続的に繰り返すことによってリフレッシュされるか及び/又は新しい表示データによって更新される。画素アレイのロー電極及びカラム電極を駆動して表示フレームを製造するためのプロトコルは非常に様々であることがよく知られており、これらのプロトコルを本発明ととともに使用することができる。
【0028】
図4、5A及び5Bは、図2の3×3アレイ上において表示フレームを製造するために用いることが可能な1つの作動プロトコルを示す。図4は、図3のヒステリシス曲線を示す画素に関して使用することができる一組のカラム/ロー電圧レベルを示す。図4の実施形態においては、画素を作動させることは、該当するカラムを−Vbiasに設定すること及び該当するローを+ΔVに設定することが関わっており、これらの電圧は、−5ボルト及び+5ボルトにそれぞれ該当する。画素の解放は、該当するカラムを+Vbiasに及び該当するローを同じ+ΔVに設定し、前記画素においてゼロボルトの電位差を作り出すことによって達成される。ロー電圧がゼロボルトに保持されるローにおいては、画素は、カラムが+Vbias又は−Vbiasのいずれであるかにかかわらず、最初に置かれていた状態において安定している。同じく図4において、上記の電圧とは反対の極性の電圧を使用できること、例えば、画素を作動させることは、該当するカラムを+Vbiasに設定して該当するローを−ΔVに設定することを含むことができる、という点が理解されるであろう。この実施形態においては、画素の解放は、該当するコラムを−Vbiasに及び該当するローを同じ−ΔVに設定し、前記画素においてゼロボルトの電位差を作り出すことによって達成される。
【0029】
図5Bは、図2の3×3アレイに加えられた一連のロー信号及びカラム信号を示したタイミング図であり、結果的には、図5Aに示される表示配置になり、同図における作動画素は非反射性である。図5Aに示されるフレームを書く前においては、画素はあらゆる状態になることが可能であり、本例では、すべてのローが0ボルト、すべてのカラムが+5ボルトである。これらの電圧が印加された状態では、すべての画素は、印加以前における作動状態又は解放状態で安定している。
【0030】
図5Aのフレームにおいては、画素(1、1)、(1、2)、(2、2)、(3、2)及び(3、3)が作動される。該作動を達成させるために、ロー1に関する「ラインタイム」中に、カラム1及び2が−5ボルトに設定され、カラム3が+5Vに設定される。この場合、すべての画素が3乃至7ボルトの安定ウインドー内にとどまっているためいずれの画素の状態も変化させない。次に、ロー1がパルスを用いてストローブされ、0から最高5Vまで上昇して0に戻る。この動作は、画素(1、1)及び(1、2)を作動させ、画素(1、3)を解放する。画素アレイ内のその他の画素は影響を受けない。ロー2を希望どおりに設定するためには、カラム2が−5Vに設定され、カラム1及び3が+5Vに設定される。これで、ロー2に加えられた同じストローブが、画素(2、2)を作動させ、画素(2,1)及び(2、3)を解放する。この場合も、画素アレイのその他の画素は影響を受けない。同様に、カラム2及び3を−5Vに設定し、カラム1を+5Vに設定することによってロー3が設定される。ロー3のストローブは、ロー3の画素を図5Aに示されるように設定する。表示フレームを書いた後は、ロー電位はゼロであり、カラム電位は、+5又は−5ボルトのいずれかにとどまることができ、従って、図5Aの配置において表示が安定する。この手順は、何十ものローとカラムのアレイさらには何百ものローとカラムのアレイに関しても採用できるという点が理解されるであろう。さらに、ロー及びカラムの作動を実施するために用いられるタイミング、順序、及び電圧レベルは、上述される一般原理内において大きく変化させることが可能である点、及び、上例は典型的な例であるにすぎず、あらゆる作動電圧方法を本明細書において説明されるシステム及び方法とともに用いることができる点も理解されるであろう。
【0031】
図6A及び6Bは、ディスプレイデバイス40の実施形態を示したシステムブロック図である。ディスプレイデバイス40は、例えば携帯電話であることができる。しかしながら、ディスプレイデバイス40の同じ構成要素又はそのわずかな変形は、テレビ及びポータブルメディアプレーヤー等の様々な型のディスプレイデバイスであることが可能であることも示している。
【0032】
ディスプレイデバイス40は、ハウジング41と、ディスプレイ30と、アンテナ43と、スピーカー45と、入力装置48と、マイク46と、を含む。ハウジング41は、一般的には、当業者によってよく知られている様々な製造プロセスのうちのいずれかから成形され、射出成形及び真空成形を含む。さらに、ハウジング41は、プラスチック、金属、ガラス、ゴム、セラミック、又はその組合せを含むがこれらの材料に限定されない様々な材料のうちのいずれかから製造することができる。一実施形態においては、ハウジング41は、異なる色のその他の除去可能部分、又は異なるロゴ、絵、又は記号を含むその他の除去可能部分と互換可能な除去可能部分(図示されていない)を含む。
【0033】
典型的ディスプレイデバイス40のディスプレイ30は、本明細書において説明される双安定表示ディスプレイを含む様々なディスプレイのうちのいずれかであることができる。その他の実施形態においては、ディスプレイ30は、当業者によく知られている、前述のフラットパネルディスプレイ、例えば、プラズマ、EL、OLED、STN LCD、又はTFT LCD、又は非フラットパネルディスプレイ、例えばCRT又はその他の受像管デバイスを含む。しかしながら、本実施形態について説明する目的上、ディスプレイ30は、本明細書において説明されるインターフェロメトリック変調器ディスプレイを含む。
【0034】
典型的ディスプレイデバイス40の一実施形態の構成要素は、図6Bにおいて概略的に示されている。例示されている典型的ディスプレイデバイス40はハウジング41を含み、さらに前記ハウジング内に少なくとも部分的に入っている追加の構成要素を含むことができる。例えば、一実施形態においては、典型的ディスプレイデバイス40は、トランシーバ47に結合されたアンテナ43を含むネットワークインタフェース27を含む。トランシーバ47は、プロセッサ21に接続され、プロセッサ21はコンディショニングハードウェア52に接続される。コンディショニングハードウェア52は、信号をコンディショニングする(例えば信号をフィルタリングする)ように構成することができる。コンディショニングハードウェア52は、スピーカー45及びマイク46に接続される。プロセッサ21は、入力装置48及びドライバコントローラ29にも接続される。ドライバコントローラ29は、フレームバッファ28及びアレイドライバ22に結合され、アレイドライバ22は表示アレイ30に結合される。電源50は、典型的なディスプレイデバイス40の特定の設計によって要求されるすべての構成要素に対して電力を提供する。
【0035】
ネットワークインタフェース27はアンテナ43及びトランシーバ47を含み、このため、典型的ディスプレイデバイス40は、ネットワークを通じて1つ以上のデバイスと通信することができる。一実施形態においては、ネットワークインタフェース27は、プロセッサ21の要求を軽減するための幾つかの処理能力を有することも可能である。アンテナ43は、信号を送信及び受信するための、当業者に知られるいずれかのアンテナである。一実施形態においては、前記アンテナは、IEEE 802.11(a)、(b)、又は(g)を含むIEEE 802.11基準に従ってRF信号を送信及び受信する。他の実施形態においては、前記アンテナは、BLUETOOTH(登録商標)基準に従ってRF信号を送信及び受信する。携帯電話の場合は、前記アンテナは、無線携帯電話ネットワーク内において通信するために用いられるCDMA、GSM(登録商標)、AMPS又はその他の既知の信号を受信するように設計される。トランシーバ47は、アンテナ43から受け取られた信号がプロセッサ21によって受け取られてさらに処理できるように前記信号を前処理する。トランシーバ47は、同じく、プロセッサ21から受け取られた信号を典型的なディスプレイデバイス40からアンテナ43を介して送信できるように処理する。
【0036】
代替実施形態においては、トランシーバ47は、受信機に代えることができる。さらに他の実施形態においては、ネットワークインタフェース27は、プロセッサ21に送られる画像データを格納又は生成することができる画像ソースに代えることができる。例えば、前記画像ソースは、画像データを内蔵するデジタルビデオディスク(DVD)又はハードディスクドライブ、又は画像データを生成するソフトウェアモジュールであることができる。
【0037】
プロセッサ21は、一般的には、典型的ディスプレイデバイス40の全体的な動作を制御する。プロセッサ21は、データ、例えば圧縮画像データ、をネットワークインタフェース27又は画像ソースから受け取り、前記データを処理して生画像データにするか、又は簡単に処理して生画像データにすることができるフォーマットにする。次に、プロセッサ21は、処理されたデータをドライバコントローラ29に送るか又はフレームバッファ28に送って保存する。生データは、典型的には、1つの画像内の各位置における画像の特徴を識別する情報である。例えば、画像に関するこれらの特徴は、色、彩度、及びグレースケールレベルを含むことができる。
【0038】
一実施形態においては、プロセッサ21は、典型的ディスプレイデバイス40の動作を制御するためのマイクロコントローラ、CPU、又は論理装置を含む。コンディショニングハードウェア52は、一般的には、スピーカー45に信号を送信するための及びマイク46から信号を受信するための増幅器及びフィルタを含む。コンディショニングハードウェア52は、典型的ディスプレイデバイス40内の個別構成要素にすること、又は、プロセッサ21又はその他の構成要素の中に組み入れることができる。
【0039】
ドライバコントローラ29は、プロセッサ21によって生成された生の画像データを、プロセッサ21から直接受け取るか又はフレームバッファ28から受け取り、アレイドライバ22に高速送信するのに適した再フォーマット化を前記生画像データに対して行う。具体的には、ドライバコントローラ29は、生画像データを再フォーマット化し、ラスターに似たフォーマットを有するデータフローにする。このため、前記データフローは、表示アレイ30全体を走査するのに適した時間的順序を有する。次に、ドライバコントローラ29は、フォーマット化された情報をアレイドライバ22に送る。ドライバコントローラ29、例えばLCDコントローラ、は、独立型集積回路(IC)としてシステムプロセッサ21と関連づけられることがしばしばあるが、これらのコントローラは、数多くの方法で実装することができる。これらのコントローラは、ハードウェアとしてプロセッサ21内に埋め込むこと、ソフトウェアとしてプロセッサ21内に埋め込むこと、又は、アレイドライバ22とともにハードウェア内に完全に組み込むことができる。
【0040】
典型的には、アレイドライバ22は、フォーマット化された情報をドライバコントローラ29から受け取り、映像データを再フォーマット化して平行する一組の波形にする。これらの波形は、ディスプレイのx−y画素マトリクスから来る何百ものそして時には何千ものリード線に対して1秒間に何回も加えられる。
一実施形態においては、ドライバコントローラ29、アレイドライバ22、及び表示アレイ30は、本明細書において説明されるあらゆる型のディスプレイに関して適する。例えば、一実施形態においては、ドライバコントローラ29は、従来のディスプレイコントローラ又は双安定表示ディスプレイコントローラ(インターフェロメトリック変調器コントローラ、等)である。他の実施形態においては、アレイドライバ22は、従来のドライバ又は双安定表示ディスプレイドライバ(インターフェロメトリック変調器ディスプレイ、等)である。一実施形態においては、ドライバコントローラ29は、アレイドライバ22と一体化されている。該実施形態は、携帯電話、腕時計、及びその他の小型ディスプレイ等のような高度に一体化されたシステムにおいて共通する実施形態である。さらに他の実施形態においては、表示アレイ30は、典型的なディスプレイアレイ又は双安定表示ディスプレイアレイ(インターフェロメトリック変調器レイを含むディスプレイ、等)である。
【0041】
入力装置48は、ユーザーが典型的ディスプレイデバイス40の動作を制御するのを可能にする。一実施形態においては、入力装置48は、キーパッド、例えばQWERTYキーボード又は電話のキーパッドと、ボタンと、スイッチと、タッチ画面と、感圧膜と、感熱膜と、を含む。一実施形態においては、マイク46は、典型的ディスプレイデバイス40に関する入力装置である。データをデバイスに入力するためにマイク46を使用時には、ユーザーは、典型的ディスプレイデバイス40の動作を制御するための音声コマンドを提供することができる。
【0042】
電源50は、当業においてよく知られている様々なエネルギー貯蔵装置を含むことができる。例えば、一実施形態においては、電源50は、充電可能な電池、例えば、ニッカド電池又はリチウムイオン電池、である。他の実施形態においては、電源50は、再生可能なエネルギー源、コンデンサ、又はプラスチック太陽電池と太陽電池塗料を含む太陽電池である。他の実施形態においては、電源50は、コンセントから電力を受け取るように構成される。
【0043】
幾つかの実装においては、制御プログラマビリティは、上述されるように、電子ディスプレイシステム内の数カ所に配置することができるドライバコントローラ内に常駐する。幾つかの事例においては、制御プログラマビリティは、アレイドライバ22内に常駐する。当業者は、上述される最適化はあらゆる数のハードウェア及び/又はソフトウエアコンポーネントにおいて及び様々なコンフィギュレーションで実装できることを認識するであろう。 上記の原理に従って動作するインターフェロメトリック変調器の構造の詳細は、大きく変わることができる。例えば、図7A乃至図7Eは、移動可能反射層14及びその支持構造物の5つの異なる実施形態を示す。図7Aは、図1の実施形態の横断面であり、細長い帯状の金属材料14が直交支持物18上に堆積されている。図7Bにおいては、移動可能反射層14は、支持物の角のみに(テザー32上に)取り付けられている。図7Cにおいては、移動可能反射層14は、柔軟な金属を具備することができる変形可能層34から吊り下げられている。変形可能層34は、直接又は間接的に、変形可能層34の周囲の基板20に接続する。これらの接続物は、本明細書においては支持柱と呼ばれる。図7Dに示される実施形態は、変形可能層34が載っている支持柱プラグ42を有する。移動可能反射層14は、図7A乃至7Cにおけるように、空洞上方に吊り下げられた状態であるが、変形可能層34は、変形可能層34と光学スタック16との間の穴を埋めることによって支持柱を形成しない。むしろ、支持柱は、支持柱プラグ42を形成するために用いられる平坦化材料によって形成される。図7Eに示される実施形態は、図7Dに示される実施形態に基づくが、図7A乃至7Cに示されるあらゆる実施形態及び図示されていない追加の実施形態とともに機能するように適合化することができる。図7Eに示される実施形態においては、バス構造物44を形成するために追加の金属層又は伝導材料層が用いられている。この使用は、インターフェロメトリック変調器の裏面に沿った信号のルーティングを可能にし、その他の方法の場合は基板20上に形成しなければならなかった幾つかの電極を不要にする。
【0044】
図7に示されるような実施形態においては、インターフェロメトリック変調器は、直視型デバイスとして機能し、インターフェロメトリック変調器が配置された側の反対側である、透明基板20の前側から画像が見られる。これらの実施形態においては、反射層14は、変形可能層34及びバス構造物44を含む基板20の反対側の反射層側上のインターフェロメトリック変調器の幾つかの部分を光学的に遮蔽する。この遮蔽は、画質に悪影響を及ぼさずに遮蔽された区域をコンフィギュレーションして作業をするのを可能にする。この分離可能な変調器構造は、変調器の電気機械的側面及び光学的側面に関して用いられる構造上の設計及び材料を選択すること及び互いに独立して機能することを可能にする。さらに、図7C乃至7Eに示される実施形態は、反射層14の光学的性質を変形可能層34によって行われる機械的性質から切り離すことによって得られる追加の利益を有する。このことは、反射層14に関して用いられる構造設計及び材料を光学的性質に関して最適化すること、及び変形可能層34に関して用いられる構造設計及び材料を希望される機械的性質に関して最適化することを可能にする。
【0045】
図1を参照して上述されているように、変調器12(すなわち、両変調器12a及び12b)は、ミラー14(すなわち、ミラー14a及び14b)と16(すなわち、ミラー16a及び16b)との間に形成される光学的空洞を含む。前記光学的空洞の特徴的距離、すなわち有効な光学路長dは、前記光学的空洞の、従ってインターフェロメトリック変調器12の、共鳴波長λを決定する。インターフェロメトリック変調器12のピーク共鳴可視波長λは、一般的には、変調器12によって反射された光の知覚された色に対応する。数学的には、前記光学路長は、1/2Nλに等しく、ここでNは整数である。従って、1/2λ(N=1)、λ(N=2)、3/2λ(N=3)、等の光学路長dを有するインターフェロメトリック変調器12によって所定の共鳴波長λが反射される。整数Nは、反射光の干渉次数と呼ぶことができる。本明細書において用いられる変調器12の次数は、ミラー14が少なくとも1つの位置にあるときに変調器12によって反射される光の次数Nも意味する。例えば、第1次数の赤のインターフェロメトリック変調器12は、約650nmの波長λに対応する約325nmの光学路長dを有することができる。従って、第2次数の赤のインターフェロメトリック変調器12は、約650nmの光学路長を有することができる。一般的には、次数がより高い変調器12は、より狭い範囲の波長において光を反射させ、例えばより高い“Q”値を有し、従って飽和度がより高い色付き光を生成する。色画素を具備する変調器12の飽和度は、ディスプレイの性質、例えばディスプレイの色域及び白点等、に影響を与える。例えば、第2次数変調器12を用いるディスプレイが、光の同じ一般色を反射させる第1次数変調器を含むディスプレイと同じ白点又は色のバランスを有するためには、異なる中央ピーク光学波長を有する第2次数変調器12を選択することができる。
【0046】
図8は、移動可能ミラー14を1つの範囲の位置61乃至65に配置することによって出力される光のスペクトル特性を示す典型的インターフェロメトリック変調器12の側部横断面図である。前記典型的変調器は、カラム電極として機能するインジウム−スズ酸化物(ITO)の伝導層52を含む。前記典型的変調器において、移動可能ミラー14は、ロー導体を含む。
【0047】
移動可能ミラー14の特定のグループの位置61乃至65の各々は、固定ミラー16から延びている矢印によって示されている。各矢印の点は、前記移動可能ミラーの位置61乃至65のうちの特定の位置を示す。インターフェロメトリック変調器から反射される光の色は、移動可能ミラー14と固定ミラー16との間の光学路長dによって決定される。距離61乃至65は、光学路長dにおける誘電層54の厚さ及び屈折指数を考慮するために選択される。従って、各々が異なる距離dに対応する位置61乃至65のうちの異なる1つの位置に配置された移動可能ミラー14は、結果的には、変調器12によって反射されている入射光の異なる色に対応する異なるスペクトル応答を有する光を見る位置51に出力する変調器12が得られることになる。さらに、位置61において、移動可能ミラー14は、干渉の影響が無視できるレベルであってさらに変調器12が入射可視光の実質的にすべての色を実質的に平等に、例えば白光として反射させるミラーとして機能するような、固定ミラー16に十分に近い距離に配置される。この広帯域のミラーの影響は、短い距離dが、可視帯域において光学的共鳴が生じるには小さすぎることに起因する。従って、ミラー14は、単に可視光に関する反射面として機能する。
【0048】
ミラー14が位置62に配置された状態では、変調器12は、ミラー14と16との間のギャップ距離が徐々に大きくなってミラー14の反射率を低下させるのに従って灰色の色合いを呈する。位置63において、距離dは、空洞が干渉的に動作するが共鳴波長は可視範囲の外側にあるため実質的にまったく可視波長を反射しない距離である。
【0049】
前記距離dがさらに大きくなるに従い、変調器12のピークスペクトル応答が可視波長内に移動する。従って、移動可能ミラー14が位置64にあるときには、変調器12は青光を反射させる。移動可能ミラー14が位置65にあるときには、変調器12は緑光を反射させる。移動可能ミラー14が非偏向位置66にあるときには、変調器12は赤光を反射させる。
【0050】
インターフェロメトリック変調器12を用いてディスプレイを設計する際には、変調器12は、反射された光の色飽和度を高めるような形で形成することができる。飽和度は、色光の色相の強さを意味する。飽和度が高い色相は、鮮明で強い色を有し、飽和度が低い色相ほど地味で灰色のように見える。例えば、非常に狭い範囲の波長を生み出すレーザーは、飽和度が高い光を発生させる。逆に、典型的な白熱電球は、非飽和赤色又は青色を有する白光を発生させる。一実施形態においては、変調器12は、反射された色光の飽和度を高めるためにより高い干渉次数、例えば第2又は第3の次数、に対応する距離dで形成される。
【0051】
典型的なカラーディスプレイは、赤、緑、及び青の表示素子を含む。その他の色は、前記ディスプレイにおいては、これらの赤、緑、及び青の素子によって生成される光の相対強度を変化させることによって生成される。赤、緑、及び青等の原色のこのような混合物は、人間の目ではその他の色として知覚される。当該色系における赤、緑、及び青の相対値は、人間の目の赤、緑、及び青を感じる部分の刺激に関する3刺激値と呼ぶことができる。一般的には、これらの原色の飽和度が高いほど、ディスプレイによって生成することができる色の範囲が広くなる。その他の実施形態においては、前記ディスプレイは、赤、緑、及び青以外の原色の組に関してその他の色系を定義する色の組を有する変調器12を含めることができる。
【0052】
インターフェロメトリック変調器12を組み入れたディスプレイの設計における他の考慮事項は、白光の生成である。「白」光は、一般的には、特定の色を含まない光として人間の目によって知覚される光を意味し、すなわち、白光は、色相とは関連していない。黒は色(すなわち光)が存在しないことを意味する一方で、白は、特定の色が知覚されないような広範なスペクトル範囲を含む光を意味する。白光は、ほぼ均一の強度の広範なスペクトル範囲の可視光を有する光を意味する。しかしながら、人間の目は、赤光、緑光、及び青光の一定の波長を感じるため、白は、複数の強度の色付き光を混合して人間の目によって「白」と知覚される1つ以上のスペクトルピークを有する光を生成することによって作り出すことができる。ディスプレイの色域は、前記デバイスが例えば赤光、緑光、及び青光を混合することによって再生することができる色の範囲である。
【0053】
反射型ディスプレイにおいては、飽和したインターフェロメトリック変調器を用いて生成された白光は、前記白光を形成するために相対的に高い強度で反射されるのは小さい範囲の入射波長だけであるため見る人にとっては相対的に低い強度を有する傾向がある。対照的に、広帯域の白光、例えば実質的にすべての入射波長を反射するミラーは、より大きい範囲の入射波長が反射されるためより大きい強度を有する。従って、原色の結合を用いて白光を生成する反射型ディスプレイを設計することは、一般的には、色の飽和度及び色域と前記ディスプレイによって出力される白光の明度との間においていずれかが犠牲になる。
【0054】
一実施形態においては、移動可能ミラー14は、第1の位置においては変調器12が可視光を反射せず(例えば図8の位置63)、第2の位置においては移動可能ミラー14と固定ミラー16との間の距離が入射可視光の干渉型変調を行うには小さすぎるためミラー14が広帯域の白を反射させる(例えば、図8の位置61)ように配置される。前記実施形態においては、移動可能ミラー14は、可視スペクトル全体において広範で相対的に一様なスペクトル応答を有する入射光を反射させる。前記入射光が白光を具備する場合は、第2の位置にある変調器12によって反射される光は、実質的に同様の白光になる。変調器12の「白」の反射状態のスペクトル応答は、一般的には可視スペクトル全体において一様になることができる。一実施形態においては、前記スペクトル応答は、変調器の材料の選別によって微調整される。例えば、白反射状態時に変調器12のスペクトル応答を微調整するために異なる材料、例えばアルミニウム又は銅を移動可能ミラー14の反射面に関して用いることができる。他の実施形態においては、当該広帯域白変調器の出力に影響を与えるように反射光又は入射光の一定の波長を選択的に吸収するためのフィルタを用いることができる。
【0055】
画素アレイ30の一実施形態においては、各画素は、1つ以上のカラー変調器12、例えば、赤光、緑光、及び青光を反射させるように構成された変調器と、白光を反射させるように構成された1つ以上の「白」変調器12と、を含む。前記実施形態においては、各々の反射状態にある赤、緑、及び/又は青の変調器12からの光が結合して色光を出力する。白変調器12からの光は、白光又は灰色光を出力するために用いることができる。白を色と結合させて用いることは、画素の明度又は強度を高めることができる。
【0056】
ディスプレイの白点は、一般的には中性(灰色又は無色)であるとみなされる色相である。ディスプレイデバイスの白点は、前記デバイスによって生成される白光と特定の温度で黒体によって放出される光(「黒体放射」)のスペクトル分との比較に基づいて特徴づけることができる。黒体放射体は、入射するすべての光を吸収しさらに黒体の温度に依存するスペクトルを有する光を再放出する理想化された物体である。例えば、6,500°Kにおける黒体スペクトルは、6,500°Kの色温度を有する白光と呼ぶことができる。前記色温度、すなわち、約5,000乃至10,000°Kの白点は、一般的には日光によって識別される。
【0057】
国際照明委員会(ICE)では、光源の標準化された白点を公布している。例えば、光源の指定記号である“d”は、日光を意味する。特に、5,500°K、6,500°K、及び7,500°Kの色温度と相関関係を有する標準白点D55、D65、及びD75は、標準の日光白点である。
【0058】
ディスプレイデバイスは、ディスプレイによって生成される白光の白点によって特徴づけることができる。その他の光源からの白光と同様に、人間によるディスプレイの知覚は、少なくとも部分的には、前記ディスプレイからの白光の知覚によって決定される。例えば、より低い白点、例えばD55を有するディスプレイ又は光源は、見る人によって黄色の色調を有するとして知覚される。より高い温度の白点、例えばD75を有するディスプレイは、ユーザーにとっては「より落ち着いた」すなわちより青い色調を有するディスプレイとして知覚される。ユーザーは、一般的には、より高い温度の白点を有するディスプレイに対してのほうがより好意的に反応する。従って、ディスプレイの白点を制御することは、望ましいことに、ディスプレイを見る人の反応をある程度制御することができる。インターフェロメトリック変調器レイ30の実施形態は、1つ以上の予想される照明状態下において標準化白点に一致するような白点が選択されるような形で白光が生成されるように構成させることができる。
【0059】
白光は、各画素に関して1つ以上のインターフェロメトリック変調器を含めることによって画素アレイ30によって生成することができる。例えば、一実施形態においては、画素アレイ30は、赤、緑、及び青のインターフェロメトリック変調器12のグループの画素を含む。上述されるように、インターフェロメトリック変調器12の色は、d = 1/2 Nλの関係を用いて光学路長dを選択することによって選択することができる。さらに、画素アレイ30内の各画素によって生成される色のバランス、すなわち相対的割合は、インターフェロメトリック変調器12の各々、例えば、赤、緑、及び青のインターフェロメトリック変調器12、の相対的反射面積によってさらなる影響を受けることがある。さらに、変調器12は、入射光を選択的に反射するため、インターフェロメトリック変調器12の画素アレイ30からの反射光の白点は、一般的には入射光のスペクトル特性に依存する。一実施形態においては、反射光の白点は、入射光の白点と異なるように構成することができる。例えば、一実施形態においては、画素アレイ30は、D65の日光において使用時にD75を反射するように構成することができる。
【0060】
一実施形態においては、画素アレイ30内のインターフェロメトリック変調器12の距離d及び面積は、画素アレイ30によって生成される白光が、予想される照明状態、例えば、日光、蛍光灯、又は画素アレイ30を照明するために配置されたフロントライト、における特定の標準化白点に対応するように選択される。例えば、画素アレイ30の白点は、特定の照明状態においてD55、D65、又はD75になるように選択することができる。さらに、画素アレイ30によって反射される光は、予想される又は構成された光源の光と異なる白点を有することができる。例えば、特定の画素アレイ30は、D65の日光下で見られたときにD75の光を反射するように構成することができる。より一般的には、ディスプレイの白点は、ディスプレイと共に構成された照明源、例えばフロントライト、に関して、又は特定の見る状態に関して選択することができる。例えば、ディスプレイは、予想される又は典型的な照明源、例えば、白熱光源、蛍光光源、又は自然光源、の下で見られたときに選択された白点、例えばD55、D65、又はD75を有するように構成することができる。より具体的には、例えば携帯式デバイスにおいて用いるためのディスプレイは、日光状態下において見られたときに選択された白点を有するように構成することができる。代替として、オフィス環境において用いるためのディスプレイは、典型的なオフィスの蛍光灯によって照明時に選択された白点、例えばD75、を有するように構成することができる。様々な実施形態において、異なった見る環境に関してその他の標準化白点設定を生成するように変調器12の異なる距離d及び面積を選択することができる。さらに、赤、緑、及び青の変調器12が異なる時間量だけ反射状態又は非反射状態になるように及び反射された赤光、緑光、及び青光の相対的バランス、従って反射光の白点をさらに変化させるように制御することも可能である。一実施形態においては、各色変調器12の各々の反射面積の比は、異なった見る環境における白点を制御するように選択することができる。一実施形態においては、光学路長dは、インターフェロメトリック変調器12がスペクトル応答における3つの可視ピークを特徴とする白光を反射させるように、2つ以上の可視共鳴波長、例えば、赤、緑、及び青の第1次数、第2次数、又は第3次数のピーク、の公倍数に対応するように選択することができる。前記実施形態においては、光学路長dは、生成された白光が標準化白点に対応するように選択することができる。
【0061】
画素アレイ30内の赤、緑、及び青のインターフェロメトリック変調器12のグループに加えて、その他の実施形態は、その他の白光生成方法を含む。例えば、画素アレイ30の一実施形態は、シアン及び黄色のインターフェロメトリック変調器12、例えば、シアン光及び黄光を生成するために各々の分離距離dを有するインターフェロメトリック変調器12を含む。シアン及び黄色のインターフェロメトリック変調器12の結合されたスペクトル応答は、「白」と知覚される広範なスペクトル応答を有する光を生成する。これらのシアン及び黄色の変調器は、見る人が前記結合された応答を知覚するように隣接させて配置される。例えば、一実施形態においては、シアン変調器及び黄変調器は、画素アレイ30の隣接するロー内に配列される。他の実施形態においては、シアン変調器及び黄変調器は、画素アレイ30の隣接カラム内に配列される。
【0062】
図9は、白光を生成するためのシアン及び黄色のインターフェロメトリック変調器12を含む一実施形態のスペクトル応答を示す図である。横軸は、反射光の波長を示す。縦軸は、変調器12上に入射する光の相対的反射率を示す。トレース線80は、シアン変調器の応答を示し、スペクトルのシアン部分、例えば青と緑の間、に中心を有する単一のピークである。トレース線82は、黄変調器の応答を示し、スペクトルの黄色部分、例えば赤と緑の間、に中心を有する単一のピークである。トレース線84は、一対のシアン及び黄色の変調器12の結合されたスペクトル応答を示す。トレース線84は、シアン波長及び黄色波長において2つのピークを有するが、可視スペクトル全体において、前記変調器12からの反射光が白と知覚される上で十分に一様である。
【0063】
一般的には、インターフェロメトリック変調器12によって反射された光の色は、変調器12が異なる角度から見られたときにシフトする。図10は、インターフェロメトリック変調器12の側部断面図であり、変調器12を通る異なる光学路を示す。インターフェロメトリック変調器12から反射された光の色は、図10に示されるように、軸AAに関して異なる入射角度(及び反射角度)ごとに変化することができる。例えば、図10に示されるインターフェロメトリック変調器12に関しては、光が軸外経路Aに沿って進行時には、前記光は、第1の角度でインターフェロメトリック変調器上に入射してインターフェロメトリック変調器から反射し、見る人に向かって進む。見る人は、前記光がインターフェロメトリック変調器12内の一対のミラー間での光学的干渉の結果見る人に到達したときに第1の色を知覚する。見る人が移動したすなわち所在位置を変えた、従って見る角度を変えた、ときには、見る人によって知覚される光は、第2の異なる入射角(及び反射角)に対応する異なる軸外経路Aに沿って進行する。インターフェロメトリック変調器12における光学的干渉は、前記変調器内を伝搬される光の光学路長dに依存する。従って、異なる光学路A及びAに関する異なる光学路長は、インターフェロメトリック変調器12からの異なる出力を生み出す。見る角度が大きくなるのに従い、インターフェロメトリック変調器12の有効光学路が2d cosβ = Nλの関係式に従って小さくなり、ここでβは見る角度(ディスプレイに対する垂線と入射光との間の角度)である。見る角度が大きくなるのに従い、反射光のピーク共鳴波長が小さくなる。従って、ユーザーは、自己の見る角度に依存して異なる色を知覚する。上述されるように、この現象は、「カラーシフト」と呼ばれる。このカラーシフトは、典型的には、軸AAに沿って見られたときにインターフェロメトリック変調器12によって生成される色に関して識別される。
【0064】
一実施形態においては、画素アレイ30は、第1次数の黄インターフェロメトリック変調器と、第2次数のシアンインターフェロメトリック変調器と、を含む。前記画素アレイ30が徐々に大きくなる軸外角度から見られたときには、前記第1次数の黄変調器によって反射される光は、スペクトルの青端の方にシフトされる。例えば、ある一定の角度の変調器は、第1次数シアンの角度に等しい有効dを有する。同時並行して、第2次数シアン変調器から反射された光は、第1次数の黄変調器からの光に対応するようにシフトする。従って、全体的な結合されたスペクトル応答は、可視スペクトルの相対的ピークがシフトしたときでさえも広範であり、可視スペクトル全体において相対的に一様である。従って、前記画素アレイ30は、相対的に広い範囲の見る角度にわたって白光を生成する。
【0065】
一実施形態においては、シアン変調器及び黄変調器を有するディスプレイは、1つ以上の見る状態下において選択された標準化白点を有する白光を生成するように構成することができる。例えば、シアン変調器及び黄変調器のスペクトル応答は、反射光が、D55、D65、又はD75光、例えば屋外用に適するディスプレイに関する日光、を含む選択された照明状態、の下でD55、D65、D75の白点、又はその他の適切な白点を有するように選択することができる。一実施形態においては、変調器は、予想される又は選択された見る状態からの入射光と異なる白点を有する光を反射するように構成することができる。
【0066】
図11は、特定の色の光を選択的に透過させるための材料層102を有するインターフェロメトリック変調器12の側部横断面図である。典型的な実施形態においては、層102は、基板20において変調器12の反対側に存在する。一実施形態においては、材料層102は、緑のインターフェロメトリック変調器12が見られるマゼンタフィルタを具備する。一実施形態においては、材料層102は、染料された材料である。一前記実施形態においては、前記材料は、染料されたフォトレジスト材料である。一実施形態においては、緑のインターフェロメトリック変調器12は、第1次数の緑のインターフェロメトリック変調器である。フィルタ層102は、広範囲にわたって一様な白光で照明時にマゼンタ光を透過させるように構成される。前記典型的実施形態においては、光は層20上に入射し、層20からフィルタリングされた光が透過されて変調器12に進む。変調器12は、フィルタリングされた光を反射させて層102を通じて戻す。該実施形態においては、光は層102を2回通過する。該実施形態においては、材料層102の厚さは、この二重フィルタリングを補整及び利用するように選択することができる。他の実施形態においては、フロントライト構造物を層102と変調器12の間に配置することができる。該実施形態においては、材料層102は、変調器12によって反射された光のみに作用する。該実施形態においては、層102は、適宜選択される。
【0067】
図12は、緑のインターフェロメトリック変調器12及び「マゼンタ」フィルタ層102を含む一実施形態のスペクトル応答を示した図である。横軸は、反射光の波長を示す。縦軸は、可視スペクトル全体において緑の変調器12及びフィルタ層102に入射する光の相対的スペクトル応答を示す。トレース線110は、緑の変調器12の応答を示し、この応答は、スペクトルの緑部分の中央、例えば可視スペクトルの中央近く、に位置する単一のピークである。トレース線112は、材料層102によって形成されるマゼンタフィルタの応答を示す。トレース線112は、中央のu形の最低値の両側に2つの相対的に平坦な部分を有する。従って、トレース線112は、実質的にすべての赤光及び青光を選択的に透過させ、その一方でスペクトルの緑部分の光をフィルタリングするマゼンタフィルタの応答を表す。トレース線114は、緑の変調器12とフィルタ層102の対の結合スペクトル応答を示す。トレース線114は、前記結合のスペクトル応答がフィルタ層102による光のフィルタリングに起因して緑の変調器12よりも低い反射レベルにあることを示す。しかしながら、このスペクトル応答は可視スペクトル全体において相対的に一様であり、このため、緑の変調器12及びマゼンタフィルタ層102からの反射光は白と知覚される。
【0068】
一実施形態においては、マゼンタフィルタ層102を備えた緑の変調器12を有するディスプレイは、1つ以上の見る状態下において選択された標準化白点を有する白光を生成するように構成することができる。例えば、緑の変調器12及びマゼンタフィルタ層102のスペクトル応答は、反射光がD55、D65、又はD75光、例えば屋外用に適するディスプレイに関する日光、を含む選択された照明状態下でD55、D65、D75の白点、又はその他の適切な白点を有するように選択することができる。一実施形態においては、変調器12及びフィルタ層102は、予想される又は選択された見る状態からの入射光と異なる白点を有する光を反射するように構成することができる。
【0069】
図13は、典型的な画素アレイ30の2つの画素を示す概略図である。ロー1乃至4及びカラム1乃至4は、1つの画素120aを形成する。ロー5乃至8及びカラム1乃至4は、第2の画素120bを形成する。各画素120a及び120bは、赤光(カラム1)、緑光(カラム2)、青光(カラム3)、及び白光(カラム4)を反射させるように構成された少なくとも1つの変調器12を含む。典型的画素アレイ30の各画素は、合計216の色合いに関して赤、緑、青、又は白/灰色の各々の2=16の色合いを出力することができるカラーディスプレイ当たり「4ビット」を形成するために赤、緑、青、及び白の各々の4つの表示素子を含む。
【0070】
図14Aは、赤、緑、及び青の表示素子を含む典型的カラーディスプレイによって生成することができる色を示した色度図である。前記ディスプレイにおいては、赤、緑、及び青の素子によって生成される光の相対強度を変えることによって広範な色が生成される。色度図は、人間の目によってその他の色として知覚される、赤、緑、及び青等の原色の混合物を生成するためにディスプレイを制御する方法を示す。図14の横軸及び縦軸は、色値を表すことができる色度座標系を定める。特に、点130は、典型的な赤、緑、及び青のインターフェロメトリック変調器によって反射される光の色を示す。三角形のトレース線133は、点120において生成される光を混合することによって生成することが可能な色の範囲に対応する領域134を囲む。この色の範囲は、ディスプレイの色域と呼ぶことができる。動作原理としては、画素内の赤、緑及び青の表示素子の各々は、色域内の各色を形成するために結合する赤光、緑光、及び青光の異なる混合物を生成するように制御することができる。
【0071】
図13に示されるように、一実施形態においては、典型的ディスプレイ30は、赤、緑、青、及び白の副画素を有する画素を含む。前記ディスプレイを駆動する方式の一実施形態は、3つの異なる色域を定義する(i)赤、緑、及び白、(ii)赤、青、及び白、及び(iii)青、緑、及び白の色度値の結合に関して画素によって表示される各色を定義する。前記実施形態の動作原理においては、赤、緑、及び青で表される色値に特定の画素を設定することをディスプレイコントローラが決定すると、ディスプレイコントローラは、(i)赤、緑、及び白、(ii)赤、青、及び白、及び(iii)青、緑、及び白のうちの1つで表される値に前記色値を変換する。
【0072】
図14Bは、前記カラーディスプレイによって生成することができる色を示した色度図である。前記ディスプレイの全体的な色域は、表示原色である赤、緑、及び青の色度に対応する点130の各々を結び付けるトレース線140によって定められた面積によって定義される。さらに、点130aは、白副画素によって出される光の色度に対応する。この点130aは、白副画素によって生成される白に依存してその他の位置に存在することができる。トレース線144a、144b、及び144cは、白副画素に対応する点130aを、赤、青、及び緑にそれぞれ対応する点130の各々に結び付ける。トレース線140に沿って、トレース線144a、144b、及び144cは、ディスプレイの色域内において、(i)赤、緑、及び白、(ii)赤、青、及び白、及び(iii)青、緑、及び白の表示素子によってそれぞれ生成することができる色に対応する3つの領域136a、146b、及び146cを定義する。従って、概念的には、前記ディスプレイに関する駆動方式の一実施形態は、表示が希望される色が3つの領域146a、146b、又は146cのうちのいずれの領域に入るかを識別することを含む。次に、赤、緑、及び青の値として表される入力色を新しい色度に変換することができる。この色度座標は、3つの識別された領域146a、146b、又は146cのうちの1つの領域内に入る。次に、新たな出力値は、希望される色度座標が入る領域の境界にある3つの識別された表示素子の各々、すなわち、画素の(i)赤、緑、及び白、(ii)赤、青、及び白、又は(iii)青、緑、及び白の表示素子、を駆動して希望される光の色を出力するために用いることができる。
【0073】
一実施形態においては、色度値が白の表示素子の点130aから(例えば色度図において)選択された距離内にあるときには、前記色に関して前記画素からより明るい出力を生成するために色表示素子及び白表示素子の両方が起動される。
【0074】
他の実施形態においては、前記のような画素アレイを駆動するために、画素データの全体的な色相がしきい値を下回る、例えば、前記画素データが灰色又は実質的に灰色であるときには、ドライバ回路は、カラム4の白変調器を対応する反射状態に設定する。一実施形態においては、赤、緑、及び青の変調器も各々の反射状態にすることができる。画素データに関する全体的な色相がしきい値を上回る、例えば、画素データが実質的に灰色でないときには、ドライバ回路は、カラム4の白変調器を各々の非反射状態に設定し、カラム1乃至3内の色変調器が反射状態に設定される。
【0075】
幾つかの実施形態においては、白の表示素子は、明度を高めるために色表示素子と結合して起動させることができる。例えば、画素が赤光を出力する場合は、前記画素内のすべての赤の表示素子を起動させることができる。追加で、その他の色の結合を生成するために白表示素子の1つ以上を起動させることもできる。
【0076】
幾つかの実施形態においては、ドライバ回路は、前記のようなディスプレイが(前記ディスプレイが相対明度の点でエンハンスメントされているにもかかわらず)白の反射面積によって実質的に変化されない色のバランスを有する画像を生成するように入力データを調整して追加の白の表面積を補整することができる。
【0077】
一実施形態においては、白のインターフェロメトリック変調器は、例えば図13において示される追加のカラム内におけるように、その他の白のインターフェロメトリック変調器とともに1つのグループに分けられる。他の実施形態においては、白のインターフェロメトリック変調器は、画素全体にわたって一様に配分される、例えば、赤、緑、及び青の表示素子間でインターレースされる。さらに、幾つかの実施形態においては、各画素内の白の表示素子数は、例えば赤、緑、又は青の表示素子数と異なる。
【0078】
反射された白光の強度を増すために白光を反射させるように構成された追加のインターフェロメトリック変調器を用いることに加えて、システムの全体的な見かけ上の明度をその他の手段によって高める画素アレイ30の実施形態を形成することができる。例えば、人間の目は、その他の色相よりも緑光に対して敏感である。従って、一実施形態においては、インターフェロメトリック変調器システムの見かけ上の明度は、すべての画素内において追加の緑のインターフェロメトリック変調器を用いることによって高められる。例えば、幾つかの実施形態においては、1つの画素ごとに等しい数の緑、赤、及び青のインターフェロメトリック変調器が存在する。図13に示される実施形態と類似する一実施形態においては、第2のカラムの緑のインターフェロメトリック変調器を含めることも可能である。他の実施形態においては、画素アレイ30は、表示素子の一部が白光を反射して一部が緑光を反射させる第4のカラム、例えば図13に示されるカラム、を含むことができる。
【0079】
一実施形態においては、追加の緑のインターフェロメトリック変調器は、例えば図13において示される追加のカラム内におけるように、その他の緑のインターフェロメトリック変調器とともに1つのグループに分けることができる。他の実施形態においては、追加の緑のインターフェロメトリック変調器は、画素全体にわたって一様に配分することができ、例えば赤、緑、及び青の表示素子間でインターレースすることができる。さらに、幾つかの実施形態においては、各画素内の追加の緑の素子数は、例えば赤、緑、又は青の表示素子数と異なることができる。一実施形態においては、これらの表示素子は、ディスプレイの色のバランスにおける前記追加の緑の画素に関して補整するために赤及び青の変調器の光学路長dが選択されるインターフェロメトリック変調器である。さらに、一実施形態においては、飽和度がより高い色を生成するように赤及び青の表示素子のうちの1つ又は両方の光学路長dを選択することができる。1つの前記実施形態においては、赤又は青の表示素子の光学路長dは、次数がより高い(第2次数以上の)反射光を生成するように選択することができる。第2次数は、1×λに等しい光学路長dに対応する。飽和度がより高い応答を有するインターフェロメトリック変調器は、入光のより小さい部分を反射させるため、前記変調器は、出力の強度がより低くなる(より暗くなる)傾向がある。しかしながら、前記のようなディスプレイは、反射された緑光の相対強度を高くすることによって、見る人にとってより明るく見えるように構成することができる。一実施形態においては、赤と青の面積比は1対1であり、緑と赤(又は青)の面積比は1対1よりも大きい。例えば、一実施形態においては、各画素の総反射面積に占める割合として表した場合、画素の33乃至50%は緑である。一実施形態においては、画素の38乃至44%が与えられる。
【0080】
一実施形態においては、知覚される明度を高めるために、緑のインターフェロメトリック変調器の表面積と画素の総反射面積の比を、赤及び青のインターフェロメトリック変調器の表面積比よりも大きくすることができる。他の実施形態においては、その他の色生成インターフェロメトリック変調器の持続時間に関して緑色を増やすために緑のインターフェロメトリック変調器が反射中の状態にある時間が長くされる。一実施形態においては、緑の出現を増やしそれによってシステムにおける知覚明度を高めるために、青及び赤のインターフェロメトリック変調器が緑スペクトルの方向に微調整される。当業者によって認識されることになるように、ドライバ回路は、前記のようなディスプレイが(前記ディスプレイが相対明度の点でエンハンスメントされているにもかかわらず)追加の緑の反射面積によって実質的に変化されない色のバランスを有する画像を生成するように、入力データを調整して追加の緑の表面積を補整することができる。一実施形態においては、追加の緑の表示素子は、色の精度よりも明度が重要な表示モードで、例えばテキスト表示において、用いられる。
【0081】
上記の説明は、様々な実施形態に当てはまる本発明の斬新な特長を表示、説明、及び指摘している一方で、当業者は本発明の精神から逸脱することなしに例示されているデバイス又はプロセスの形態及び詳細の様々な省略、交換、及び変更を行うことができることが理解されるであろう。認識されるように、幾つかの特長は互いに別々に用いること又は実践することが可能であるため、本発明は、本明細書において説明されている特長及び利益を全部は提供しない形で具体化することができる。本発明の範囲は、上記の説明ではなく添付された請求項によって示される。前記請求項の意味内及び同等性の範囲内におけるすべての変更は、前記請求項の範囲内に包含される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素を具備するディスプレイであって、前記画素の各々は、
赤光を出力するように構成された少なくとも1つのインターフェロメトリック変調器を具備する少なくとも1つの赤の副画素と、
緑光を出力するように構成された少なくとも1つのインターフェロメトリック変調器を具備する少なくとも1つの緑の副画素と、
青光を出力するように構成された少なくとも1つのインターフェロメトリック変調器を具備する少なくとも1つの青の副画素と、
色付き光を出力するように構成された少なくとも1つのインターフェロメトリック変調器を具備する少なくとも1つの白の副画素と、を具備する、ディスプレイ。
【請求項2】
前記ディスプレイは、標準化白点を有する白光を出力するように構成される請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項3】
前記標準化白点は、D55、D65、又はD75のうちの1つである請求項2に記載のディスプレイ。
【請求項4】
色付き光を出力するように構成された前記少なくとも1つのインターフェロメトリック変調器は、シアン光を出力するように構成された少なくとも1つのインターフェロメトリック変調器と、黄光を出力するように構成された少なくとも1つのインターフェロメトリック変調器と、を具備し、前記シアン光及び前記黄光は、前記白光を生成するために結合する請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項5】
色付き光を出力するように構成された前記少なくとも1つのインターフェロメトリック変調器と関連する少なくとも1つのフィルタであって、白光で照明されたときにマゼンタ光と関連する可視波長を選択的に透過させさらにその他の可視波長を実質的にフィルタリングするように構成された少なくとも1つのフィルタ、をさらに具備し、色付き光を出力するように構成された前記少なくとも1つのインターフェロメトリック変調器は、入射する緑光を選択的に反射するように構成された少なくとも1つのインターフェロメトリック変調器を具備する請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項6】
前記フィルタは、吸光フィルタを具備する請求項5に記載のディスプレイ。
【請求項7】
複数のインターフェロメトリック変調器であって、
赤光を出力するように構成された少なくとも1つのインターフェロメトリック変調器と、
緑光を出力するように構成された少なくとも1つのインターフェロメトリック変調器と、
青光を出力するように構成された少なくとも1つのインターフェロメトリック変調器と、
白光を出力するように構成された少なくとも1つのインターフェロメトリック変調器と、を具備する複数のインターフェロメトリック変調器を具備し、白光を出力するように構成された前記少なくとも1つのインターフェロメトリック変調器は、標準化白点を有する白光を出力する、ディスプレイ。
【請求項8】
赤光を出力するように構成された前記少なくとも1つのインターフェロメトリック変調器、緑光を出力するように構成された前記少なくとも1つのインターフェロメトリック変調器、青光を出力するように構成された前記少なくとも1つのインターフェロメトリック変調器は、第2の標準化白点を有する白光を生成するために結合する光を出力するように構成される請求項7に記載のディスプレイ。
【請求項9】
白光を出力するように構成された前記少なくとも1つのインターフェロメトリック変調器の前記標準化白点は、前記第2の標準化白点と実質的に一致する請求項8に記載のディスプレイ。
【請求項10】
前記標準化白点は、D55、D65、又はD75のうちの1つである請求項7に記載のディスプレイ。
【請求項11】
前記複数のインターフェロメトリック変調器に関する照明源であって、前記標準化白点を有する前記生成された白光と異なる白点を有する照明源、をさらに具備する請求項7に記載のディスプレイ。
【請求項12】
白光を出力するように構成された前記少なくとも1つのインターフェロメトリック変調器は、シアン光を出力するように構成された少なくとも1つのインターフェロメトリック変調器と、黄光を出力するように構成された少なくとも1つのインターフェロメトリック変調器と、を具備し、前記シアン光及び前記黄光は、前記白光を生成するために結合する請求項7に記載のディスプレイ。
【請求項13】
白光を出力するように構成された前記少なくとも1つのインターフェロメトリック変調器は、広帯域反射体を具備する請求項7に記載のディスプレイ。
【請求項14】
部分的反射面からある距離の地点に配置されるように構成された反射面を各々が具備する複数の表示素子を具備するディスプレイであって、前記複数の表示素子は、色付き光を出力するように構成された前記複数の表示素子のうちの少なくとも1つと、白光を干渉的に出力するように構成された前記複数の表示素子のうちの少なくとも1つと、を具備する、ディスプレイ。
【請求項15】
前記白光は、標準化白点を特徴とする請求項14に記載のディスプレイ。
【請求項16】
前記標準化白点は、D55、D65、又はD75のうちの1つである請求項15に記載のディスプレイ。
【請求項17】
前記複数の表示素子に関する照明源をさらに具備する請求項14に記載のディスプレイ。
【請求項18】
前記照明源は、前記ディスプレイによって反射される前記光と異なる白点を有する請求項17に記載のディスプレイ。
【請求項19】
前記複数の表示素子は、赤光を出力するように構成された少なくとも1つの表示素子と、緑光を出力するように構成された少なくとも1つの表示素子と、青光を出力するように構成された少なくとも1つの表示素子と、を具備する請求項14に記載のディスプレイ。
【請求項20】
前記複数の表示素子のうちの少なくとも1つと関連する少なくとも1つのフィルタをさらに具備し、前記フィルタは、白光で照明されたときに一定の可視波長を選択的に透過させさらにその他の可視波長を実質的にフィルタリングする請求項14に記載のディスプレイ。
【請求項21】
白光を出力するように構成された前記複数の表示素子のうちの前記少なくとも1つのは、シアン光を出力するように構成された少なくとも1つのインターフェロメトリック変調器と、黄光を出力するように構成された少なくとも1つのインターフェロメトリック変調器と、を具備する請求項14に記載のディスプレイ。
【請求項22】
前記複数の表示素子は、複数のインターフェロメトリック変調器を具備する請求項14に記載のディスプレイ。
【請求項23】
前記複数の表示素子と電気的通信状態にあるプロセッサであって、画像データを処理するように構成されたプロセッサと、
前記プロセッサと電気的通信状態にあるメモリ装置と、をさらに具備する請求項14に記載のディスプレイ。
【請求項24】
少なくとも1つの信号を前記複数の表示素子に送るように構成されたドライバ回路をさらに具備する請求項23に記載のディスプレイ。
【請求項25】
前記画像データの少なくとも一部分を前記ドライバ回路に送るように構成されたコントローラをさらに具備する請求項24に記載のディスプレイ。
【請求項26】
前記画像データを前記プロセッサに送るように構成された画像ソースモジュールをさらに具備する請求項23に記載のディスプレイ。
【請求項27】
前記画像ソースモジュールは、受信機、トランシーバ、及び送信機のうちの少なくとも1つを具備する請求項26に記載のディスプレイ。
【請求項28】
入力データを受け取るように及び前記入力データを前記プロセッサに伝達するように構成された入力装置をさらに具備する請求項23に記載のディスプレイ。
【請求項29】
ディスプレイを製造する方法であって、複数の表示素子を形成することを具備し、前記複数の表示素子の各々は、部分的反射面からある距離の地点に配置されるように構成された反射面を具備し、前記距離の各々は、前記複数の表示素子のうちの少なくとも1つが色付き光を出力するように構成され、前記複数の表示素子のうちの少なくとも他の1つの表示素子が干渉的に白光を出力するように構成されるように選択される、方法。
【請求項30】
前記各々の距離は、前記白光が標準化白点を特徴とするように選択される請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記各々の距離は、前記ディスプレイによって反射される光が前記ディスプレイを照明する光と異なる白点を有する請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記各々の距離は、前記白点がD55、D65、又はD75のうちの1つになるように選択される請求項30に記載の方法。
【請求項33】
色付き光を出力するように構成された前記複数の表示素子のうちの前記少なくとも1つを形成することは、赤光を出力するように構成された少なくとも1つの表示素子、緑光を出力するように構成された少なくとも1つの表示素子、及び青光を出力するように構成された少なくとも1つの表示素子を形成することを具備する請求項29に記載の方法。
【請求項34】
請求項29乃至33のうちのいずれかに記載の方法によって製造されるディスプレイ。
【請求項35】
画像を表示する手段を具備するディスプレイであって、前記表示する手段は、光を反射させる手段と光を部分的に反射させる手段とを具備し、前記反射させる手段は、前記部分的に反射させる手段からある距離の地点に配置されるように構成され、前記表示する手段は、色付き光を出力するための第1の手段と、白光を干渉的に出力するための第2の手段とを具備する、ディスプレイ。
【請求項36】
前記表示する手段は、複数の表示素子を具備し、前記反射させる手段および部分的に反射させる手段は、反射面及び部分的反射面を具備し、前記反射面は、前記部分的反射面からある距離の地点に配置されるように構成される請求項35に記載のディスプレイ。
【請求項37】
一定の可視波長を選択的に透過させさらにその他の可視波長を実質的にフィルタリングするための手段をさらに具備する請求項35又は36に記載のディスプレイ。
【請求項38】
前記選択的に透過させる手段は、フィルタを具備する請求項38に記載のディスプレイ。
【請求項39】
前記白光を出力する手段は、標準化白点を有する白光を出力するための手段を具備する請求項35、36,37、又は38に記載のディスプレイ。
【請求項40】
前記標準化白点は、D55、D65、又はD75のうちの1つである請求項39に記載のディスプレイ。
【請求項41】
前記第1及び第2の光を出力する手段によって生成された前記白光と異なる白点を有する照明手段をさらに具備する請求項35、36、37、38、39、又は40に記載のディスプレイ。
【請求項42】
前記照明手段は、照明源を具備する請求項41に記載のディスプレイ。
【請求項43】
赤光、緑光、及び青光をそれぞれ出力するように構成される赤、緑、及び青のインターフェロメトリック変調器を各々具備する複数の画素を具備するディスプレイであって、前記画素の各々は、前記インターフェロメトリック変調器の各々が赤光、緑光、及び青光を出力するように設定されたときに赤光よりも高い強度の緑光を出力するように構成されさらに青光よりも高い強度の緑光を出力するように構成される、ディスプレイ。
【請求項44】
前記複数の画素の各々の前記インターフェロメトリック変調器の各々は、反射面積を有し、各画素の前記緑のインターフェロメトリック変調器は、各画素の前記赤のインターフェロメトリック変調器及び各画素の前記青のインターフェロメトリック変調器よりも大きい総反射面積を有する請求項43に記載のディスプレイ。
【請求項45】
前記複数の画素の各々は、青光を出力するように構成されたインターフェロメトリック変調器よりも多くの数の、緑光を出力するように構成されたインターフェロメトリック変調器を具備する請求項43に記載のディスプレイ。
【請求項46】
前記複数の画素の各々は、赤光を出力するように構成されたインターフェロメトリック変調器よりも多くの数の、緑光を出力するように構成されたインターフェロメトリック変調器を具備する請求項43に記載のディスプレイ。
【請求項47】
赤光を出力するように構成された前記インターフェロメトリック変調器は、前記より高い強度の緑光に関して補整するために選択された波長を有する赤光を出力するように構成される請求項43に記載のディスプレイ。
【請求項48】
赤光を出力するよう構成された前記インターフェロメトリック変調器は、光学路長を特徴とし、赤光を出力するように構成された前記インターフェロメトリック変調器の前記光学路長は、第2次数の赤の反射を生成するために赤光と関連づけられた約1つの波長λと実質的に等しい請求項43に記載のディスプレイ。
【請求項49】
青光を出力するように構成された前記インターフェロメトリック変調器は、前記より高い強度の緑光に関して補整するために選択された波長を有する青光を出力するように構成される請求項43に記載のディスプレイ。
【請求項50】
青光を出力するよう構成された前記インターフェロメトリック変調器は、光学路長を特徴とし、青光を出力するように構成された前記インターフェロメトリック変調器の前記光学路長は、第2次数の青の反射を生成するために青光と関連づけられた約1つの波長λと実質的に等しい請求項43に記載のディスプレイ。
【請求項51】
前記複数の画素と電気的通信状態にあるプロセッサであって、画像データを処理するように構成されたプロセッサと、
前記プロセッサと電気的通信状態にあるメモリ装置と、をさらに具備する請求項43に記載のディスプレイ。
【請求項52】
少なくとも1つの信号を前記ディスプレイに送るように構成されたドライバ回路をさらに具備する請求項51に記載のディスプレイ。
【請求項53】
前記画像データの少なくとも一部分を前記ドライバ回路に送るように構成されたコントローラをさらに具備する請求項52に記載のディスプレイ。
【請求項54】
前記画像データを前記プロセッサに送るように構成された画像ソースモジュールをさらに具備する請求項51に記載のディスプレイ。
【請求項55】
前記画像ソースモジュールは、受信機、トランシーバ、及び送信機のうちの少なくとも1つを具備する請求項54に記載のディスプレイ。
【請求項56】
入力データを受け取るように及び前記入力データを前記プロセッサに伝達するように構成された入力装置をさらに具備する請求項51に記載のディスプレイ。
【請求項57】
ディスプレイを製造する方法であって、
複数の画素を形成することを具備し、前記複数の画素を形成することは、赤光を出力するように構成されたインターフェロメトリック変調器を形成することと、緑光を出力するように構成されたインターフェロメトリック変調器を形成することと、青光を出力するように構成されたインターフェロメトリック変調器を形成すること、とを具備し、前記画素の各々は、前記インターフェロメトリック変調器の各々が赤光、緑光、及び青光を出力するように設定されたときに赤光よりも高い強度の緑光を出力するように構成されさらに青光よりも高い強度の緑光を出力するように構成される、方法。
【請求項58】
前記複数の画素の各々の前記インターフェロメトリック変調器の各々は、反射面積を有し、各画素の前記緑のインターフェロメトリック変調器は、各画素の前記赤のインターフェロメトリック変調器よりも大きくさらに各画素の前記青のインターフェロメトリック変調器よりも大きい総反射面積を有する請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記複数の画素の各々は、青光を出力するように構成されたインターフェロメトリック変調器よりも多くの数の、緑光を出力するように構成されたインターフェロメトリック変調器を具備する請求項57に記載の方法。
【請求項60】
前記複数の画素の各々は、赤光を出力するように構成されたインターフェロメトリック変調器よりも多くの数の、緑光を出力するように構成されたインターフェロメトリック変調器を具備する請求項57に記載の方法。
【請求項61】
赤光を出力するように構成された前記インターフェロメトリック変調器を形成することは、前記より高い強度の緑光に関して補整するために選択された波長を有する赤光を出力するために前記インターフェロメトリック変調器を形成することを具備する請求項57に記載の方法。
【請求項62】
青光を出力するよう構成された前記インターフェロメトリック変調器を形成することは、前記より高い強度の緑光に関して補整するために選択された波長を有する青光を出力するために前記インターフェロメトリック変調器を形成することを具備する請求項57に記載の方法。
【請求項63】
赤光、緑光、及び青光をそれぞれ出力するように構成された赤、緑、及び青のインターフェロメトリック変調器を各々具備する複数の画素を具備するディスプレイであって、前記画素の各々は、赤光よりも高い強度の緑光を出力するように構成されさらに青光よりも高い強度の緑光を出力するように構成され、赤光を出力するように構成された前記インターフェロメトリック変調器及び青光を出力するように構成された前記インターフェロメトリック変調器のうちの少なくとも1つは、前記より高い強度の緑光に関して補整するために選択された波長を有する光を出力するように構成される、ディスプレイ。
【請求項64】
前記赤、緑、及び青のインターフェロメトリック変調器の各々を各々の時間にわたって駆動するように構成された回路をさらに具備し、前記緑のインターフェロメトリック変調器と関連づけられた前記時間は、前記赤及び青のインターフェロメトリック変調器と関連づけられた前記各々の時間よりも長い請求項63に記載のディスプレイ。
【請求項65】
前記波長は、第2次数の赤の反射を生成するために赤光と関連づけられた約1つの波長λと実質的に等しくなるように選択される請求項63に記載のディスプレイ。
【請求項66】
前記波長は、第2次数の青の反射を生成するために赤光と関連づけられた約1つの波長λと実質的に等しくなるように選択される請求項63に記載のディスプレイ。
【請求項67】
赤光を出力する複数の手段と、
緑光を出力する複数の手段と、
青光を出力する複数の手段と、を具備するディスプレイであって、前記赤、緑、及び青を出力する手段は、画素を表示するための手段を形成し、前記画素を表示する手段の各々は、前記赤、緑、及び青を出力する手段が赤光、緑光、及び青光を出力するように設定されたときに青光よりも高い強度の緑光を出力するように構成される、ディスプレイ。
【請求項68】
前記画素を表示する手段は、画素を具備する請求項67に記載のディスプレイ。
【請求項69】
前記赤、緑、及び青を出力する手段は、赤光、緑光、及び青光をそれぞれ出力するように構成された赤、緑、及び青のインターフェロメトリック変調器を具備する請求項68に記載のディスプレイ。
【請求項70】
各画素の前記緑のインターフェロメトリック変調器の前記総反射面積は、各画素の前記赤のインターフェロメトリック変調器の総反射面積よりも大きく、各画素の前記緑のインターフェロメトリック変調器の前記総反射面積は、各画素の前記青のインターフェロメトリック変調器の総反射面積よりも大きい請求項69に記載のディスプレイ。
【請求項71】
複数の表示素子であって、色光を出力するように構成された少なくとも1つの色表示素子を具備する複数の表示素子と、
白光を出力するように構成された少なくとも1つの表示素子と、を具備し、白光を出力するように構成された前記少なくとも1つの表示素子は、標準化白点を有する白光を出力する、ディスプレイ。
【請求項72】
前記少なくとも1つの表示素子は、赤光、緑光、及び青光をそれぞれ出力するように構成された赤、緑、及び青の表示素子を具備する請求項71に記載のディスプレイ。
【請求項73】
前記複数の表示素子は、複数のインターフェロメトリック変調器を具備する請求項70又は71に記載のディスプレイ。
【請求項74】
画像を表示する手段を具備するディスプレイであって、前記画像を表示する手段は、色付き光を出力する手段と白光を出力する手段とを具備し、前記白光を出力する手段は、標準化白点を有する白光を出力する、ディスプレイ。
【請求項75】
前記表示する手段は、複数の表示素子を具備する請求項74に記載のディスプレイ。
【請求項76】
前記複数の表示素子は、複数のインターフェロメトリック変調器を具備する請求項75に記載のディスプレイ。
【請求項77】
前記色付き光を出力する手段は、色付き光を出力するように構成された少なくとも1つの表示素子を具備する請求項75又は76に記載のディスプレイ。
【請求項78】
前記白光を出力する手段は、白光を出力するように構成された少なくとも1つの表示素子を具備する請求項77に記載のディスプレイ。
【請求項79】
ディスプレイを製造する方法であって、
色光を出力するように構成された少なくとも1つの色表示素子及び白光を出力するように構成された少なくとも1つの表示素子を形成することを具備する複数の表示素子を形成することを具備し、白光を出力するように構成された前記少なくとも1つの表示素子は、標準化白点を有する白光を出力するように構成される、方法。
【請求項80】
前記少なくとも1つの表示素子は、赤光、緑光、及び青光をそれぞれ出力するように構成された赤、緑、及び青の表示素子を具備する請求項79に記載のディスプレイ。
【請求項81】
複数の表示素子は、複数のインターフェロメトリック変調器を具備する請求項79に記載のディスプレイ。
【請求項82】
請求項57乃至62のうちのいずれかに記載の方法によって製造されるディスプレイ。
【請求項83】
請求項79乃至81のうちのいずれかに記載の方法によって製造されるディスプレイ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【公開番号】特開2011−150352(P2011−150352A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−32114(P2011−32114)
【出願日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【分割の表示】特願2007−533541(P2007−533541)の分割
【原出願日】平成17年9月14日(2005.9.14)
【出願人】(506109856)クゥアルコム・メムス・テクノロジーズ・インコーポレイテッド (27)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM MEMS Technologies, Inc.
【住所又は居所原語表記】5775 Morehouse Drive, San Diego, CA 92121−1714,U.S.A.
【Fターム(参考)】