説明

ディスプレイ用光学シート及びバックライトユニット並びに表示装置

【課題】ディスプレイのバックライトユニット部材として単独でも有効に機能し、ディスプレイ自体の薄型化や製造工程の簡素化及び低コスト化を図り、空隙層内が接着剤もしくは粘着剤で埋まることのない光学シート及びバックライトユニット並びに表示装置を提供する。
【解決手段】光学シート10と光拡散板18との一体化を行う際に、単層もしくは二層構造の接着層もしくは粘着層になるように用い、光反射層15側の接着層もしくは粘着層の厚みを2μm以上15μm以下とすることで、光学シートと光拡散層とを一体2貼り合わせた場合、接着層もしくは粘着層に対する荷重圧力が0.5N/mm未満の時の空隙層14内への接着層もしくは粘着層の押し込みが阻止され、接着層もしくは粘着層に対する荷重圧力が0.5N/mm以上1.5N/mm以下の時に空隙層14内に押し込まれた接着層もしくは粘着層が5分以内に復元される構成にした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に液晶表示素子を用いたディスプレイ用バックライトユニット(直下型)における照明光路制御に使用される光学シート及び該光学シートを用いたバックライトユニット並びに表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶パネルを使用した液晶表示装置(LCD)は、OA分野のノート型パーソナルコンピュータやパーソナルコンピュータ用ディスプレイ、情報端末機器などの画像表示手段、または大型画面テレビなどの情報家電の画像表示手段、さらには携帯電話や個人用携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistance)の画像表示手段として様々な分野で利用されてきている。
【0003】
液晶表示装置(LCD)に代表されるディスプレイでは、提供される情報を認識するのに必要な光源を内蔵しているタイプの普及が著しい。
このような液晶表示装置は透過型であり、液晶パネルの背面側に光源を配設し、この光源からの光を面発光に変換して液晶パネルを照射する面光源装置、いわゆる、バックライトが採用されている。
【0004】
バックライトの方式には、大別して冷陰極管(CCFT:Cold Cathode Fluorescent Tube)等の光源を光透過性に優れたアクリル樹脂等からなる平板状の導光板の側端部に沿って取付け、光源からの光を導光板内で多重反射させる導光板ライトガイド方式(エッジライト方式)と、導光板を用いず液晶パネルの背面に光源を配置した直下型方式とがある。
【0005】
最近では、ノート型パーソナルコンピュータや携帯情報端末などに用いられる20インチ以下の画面サイズの小型液晶表示装置には、低消費電力化が図れ、薄型化の容易なエッジライト方式の採用が主流となり、20インチ以上の画面サイズの中型ないし大型液晶表示装置では直下型方式の採用が主流となっている。
また、ラップトップコンピュータのような電池式装置において、光源で消費される電力は、電池式装置全体で消費する電力の相当部分を占める。
従って、所定の輝度を提供するのに必要な総電力を低減することで電池寿命が増大するが、これは電池式装置には特に望ましいことである。
特に、20インチ以上の液晶表示装置に対しては、より薄型で、視野角依存性が低く、高輝度、かつ低消費電力であることが要求されており、液晶表示装置に搭載されるバックライトもその実現に対処することが要求されている。
【0006】
複数本の冷陰極管を並列に配置してなる直下型方式バックライトでは、光源としての冷陰極管(CCFT)やLED(Light Emitting Diode)などからの出射光は拡散板を通して拡散されるため、その発光した光源の形状が直接視認できてしまう。このため、拡散板には非常に光散乱性の強い樹脂板が用いられている。この拡散板は、強い拡散性を持たせるために通常1mm〜3mm程度の厚さが必要であり、その厚さのために光吸収が少なからずあり、光源からの光量が減少し液晶画面表示が暗くなる問題がある。
【0007】
米国3M社の登録商標である輝度強調フィルム(Brightness Enhancement Film:BEF)が、この問題を解決する光学シートとして広く使用されている。
この種のBEFは、図1に示すように、基材1上に、断面三角形状の単位プリズム2が一方向に一定のピッチで配列されたフィルムである。このプリズム2は光の波長に比較して大きいサイズ(ピッチ)である。BEFは、“軸外(off-axis)”からの光を集光し、この光を視聴者に向けて“軸上(on-axis)”に方向転換(redirect)または“リサイクル(recycle)”する。
【0008】
ディスプレイの使用時(観察時)に、BEFは、軸外輝度を低下させることによって軸上輝度を増大させる。ここで言う「軸上」とは、視聴者の視覚方向に一致する方向であり、一般的にはディスプレイ画面に対する法線方向(図1中に示す矢印Fの方向)である。
プリズム2の反復的アレイ構造が一方向のみに並列された光学シートでは、プリズム2の並列方向での方向転換またはリサイクルのみが可能であり、水平および垂直方向での表示光の輝度制御を行うために、プリズム群の並列方向が互いに直交するように、2枚の光学シートを重ね合わせて用いられる。
【0009】
BEFの採用により、ディスプレイ設計者が電力消費を低減しながら所望の軸上輝度を達成することができるようになった。BEFに代表されるプリズム2の反復的アレイ構造を有する輝度制御部材をディスプレイに採用する旨が開示されている(例えば特許文献1乃至3参照)。
【特許文献1】特公平1−37801号公報
【特許文献2】特開平6−102506号公報
【特許文献3】特表平10−506500号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記のようなBEFを輝度制御部材として用いた光学シートでは、図2に示すように、屈折作用xによって、光源3からの光Pが、最終的には、制御された角度φで出射されることによって、視聴者の視覚方向Fの光の強度を高めるように制御することができる。しかしながら、同時に反射/屈折作用yによる光成分が、視聴者の視覚方向Fに進むことなく横方向に無駄に出射されてしまい、水平方向に角度をつけると急激な輝度の低下が生じる。
【0011】
この問題を解決する手段として、光源からの光を均一化し、かつ拡散範囲を制御して出射させることが可能であるように、入射面側からの入射光を、非入射面である出射面側に散乱する光拡散層と、この光散乱層の出射面に一方の面が固定され、光散乱層によって散乱された光を光拡散層側に反射する光反射層と、この光反射層の他方の面に裏面が固定され、表面に複数のレンズが配置されてなるレンズシートが開発されている。この場合、光反射層の一部の屈折率を光拡散層及びレンズシートの屈折率よりも低くし、複数のレンズの各々に対応して設けられた複数の低屈折率領域で光源からの光を貫通させている。
このような光学シートを用いることで、図3の曲線31に示すように水平方向に広い角度で緩やかな輝度分布変化を維持できる。また、図3において、曲線32はBEFフィルム(BEFF)の輝度分布変化を示している。
【0012】
上記光学シートは、BEFよりも水平方向で広い角度で緩やかな輝度分布変化を示すようになるが、液晶ディスプレイのバックライトユニットとして用いる場合には、BEFの使用時と同様、該光学シートの他に拡散シート等を用いることが必要であり、ディスプレイ装置組立て時の工程の煩雑さやコスト低下を阻害するといった問題が生じる。
それに対し、上記光学シートと光拡散板を一体化することで、バックライトユニットの部材数軽減やディスプレイ装置の製造工程の簡素化を図ることが可能である。
しかしながら、光学シートと光拡散板とを一体化させた場合に最適な接着剤もしくは粘着剤の性質として、積載の際の荷重やセッティングの際の押し圧力で空隙層内が接着剤もしくは粘着剤により埋まってしまい、その結果、光学シートの外観及びその光学特性を維持できない場合が生じる。
【0013】
本発明は上記のような従来の問題を解決するためになされたもので、液晶ディスプレイ等のバックライトユニット部材として単独でも有効に機能し、液晶ディスプレイ自体の薄型化や製造工程の簡素化及び低コスト化に寄与するとともに空隙層内が接着剤もしくは粘着剤で埋まることのないディスプレイ用光学シート及びこれを用いたバックライトユニット並びに表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は上記の目的を達成するためになされたもので、請求項1に係る発明は、ディスプレイ用バックライトユニットの照明光路制御に使用される光学シートであって、光透過性の基材と、前記基材の一方の面に単位レンズを二次元方向に一定のピッチで配列形成してなるレンズ部とを有するレンズシートを備え、前記基材の前記レンズ部と反対の面に、前記各単位レンズの集光部分にそれぞれ臨む空隙層と前記各単位レンズの非集光部分にそれぞれ臨む光反射層が並列して設けられ、前記基材と反対に位置する少なくとも前記光反射層の面に単層もしくは二層構造の接着層もしくは単層もしくは二層構造の粘着層を介して光拡散板が一体に接着され、前記接着層もしくは粘着層は、前記接着層もしくは粘着層に対する荷重圧力が0.5N/mm未満の時は前記接着層もしくは粘着層が前記空隙層内への押し込みが阻止され、かつ、前記接着層もしくは粘着層に対する荷重圧力が0.5N/mm以上1.5N/mm以下の時に前記空隙層内に押し込まれた前記接着層もしくは粘着層が5分以内に復元し前記空隙層外に退避するように設けられていることを特徴とする。
【0015】
請求項2の発明は、請求項1記載の光学シートにおいて、前記レンズ部は凸シリンドリカルレンズ群または半球状凸レンズ群から構成されていることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1記載の光学シートにおいて、前記二層構造の接着層もしくは粘着層は同一の接着剤もしくは粘着剤からなることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1記載の光学シートにおいて、前記二層構造の接着層もしくは粘着層は互いに異なる接着剤もしくは粘着剤からなることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1記載の光学シートにおいて、前記単層もしくは二層構造の接着層もしくは粘着層は、該接着層もしくは粘着層の内部に光拡散粒子が分散混合されていることを特徴とする。
【0016】
請求項6の発明は、請求項1〜5の何れか1項に記載の光学シートにおいて、前記光反射層側の接着層もしくは粘着層の厚さが2μm以上15μm以下であることを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項1〜6の何れか1項に記載の光学シートにおいて、前記二層構造の接着層もしくは粘着層は、それら接着層もしくは粘着層との間に介在された透明な支持体を含んで構成されていることを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項7記載の光学シートにおいて、前記支持体は、ガラス、ポリカーボネート、アクリル、ポリエチレンテレフタレート等を素材とするポリマーフィルムもしくはシートから構成されていることを特徴とする。
請求項9の発明は、請求項1記載の光学シートにおいて、前記空隙層は空気を含むことを特徴とする。
【0017】
請求項10の発明は、ディスプレイ用バックライトユニットであって、光源と、請求項1乃至9の何れか1項に記載の光学シートを少なくとも備えることを特徴とする。
【0018】
請求項11の発明は、表示装置であって、画素単位での透過/遮光に応じて表示画像を規定する画像表示素子と、前記画像表示素子の背面に、請求項10記載のディスプレイ用バックライトユニットを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によるディスプレイ用光学シート及びこれを用いたバックライトユニット並びに表示装置によれば、正面輝度向上性を有する光学シートと光拡散層とを単層もしくは支持体(キャリア)を介在した二層構造の接着層もしくは粘着層を介して貼合することで、光学シートと光拡散板とが求める最適な密着強度で一体化を図ることができる。
【0020】
また、本発明によれば、水平方向でより広い角度での緩やかな輝度分布変化を維持するために白色顔料を主成分とする光反射層を有する光学シートを用いた場合、支持体(キャリア)を介在した二層構造の接着層もしくは粘着層を用いて光学シート側と光拡散層側との貼合環境を異ならせることにより、光学シートが有効に機能するために不可欠な空気層を保持したまま、光学シートと光拡散板との密着性を確保することが可能となる。
【0021】
また、本発明によれば、光反射層側の接着層もしくは粘着層の厚みを2μm以上15μm以下とすることで、当該接着層もしくは粘着層を介して光学シートと光拡散層とを一体化した場合、接着層もしくは粘着層に対する荷重圧力が0.5N/mm未満の時の空隙層内への接着層もしくは粘着層の押し込みが阻止され、そして、接着層もしくは粘着層に対する荷重圧力が0.5N/mm以上1.5N/mm以下の時に空隙層内に押し込まれた接着層もしくは粘着層が5分以内に復元して空隙層外に退避するから、空隙層内も元の状態に復元され、光学シートの外観及びその光学特性を維持できる。
【0022】
また、本発明によれば、補助部材を必要としない光学シートと光拡散層とを一体化したバックライト部材が実現することで、液晶ディスプレイ等の表示装置自体の製造工程の軽減、薄型化及びコストダウンを実現できる利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
図4は本発明の実施の形態1における光学シートの説明用断面図である。
この図4において、光学シート10は、ディスプレイ用バックライトユニットの照明光路制御に使用されるもので、ポリカーボネート(PC)、アクリル、ポリエチレンテレフタレート(PET)等からなる光透過性の基材11と、この基材11の一方の面にレンチキュラーレンズ(ストライプ状の半円柱状凸シリンドリカルレンズの反復アレイ構造)などの構造を持つ単位レンズ12aを平面方向に一定のピッチで配列形成してなるレンズ部12とを有するレンズシート13を備える。なお、単位レンズ12aは半円柱状のものに限定されず、半球状の凸レンズを二次元方向に一定のピッチで配列形成した構造のものであってもよい。
また、基材11のレンズ部12と反対の面には、各単位レンズ12aの集光部分にそれぞれ臨むストライプ状の空隙層14と各単位レンズ12aの非集光部分にそれぞれ臨むストライプ状の光反射層15が感材16を介して並列して設けられている。
さらに、基材11と反対に位置する空隙層14及び光反射層15の面には二層構造の接着層もしくは粘着層17を介して光拡散板18が一体に接着されている。
なお、光拡散板18を一体に貼り合わせる接着層もしくは粘着層は二層構造のものに限定されず、単層構造のものでもよい。また、光反射層15側の二層構造の接着層もしくは粘着層17が介在される面は、空隙層14の領域を除いた光反射層15の面だけ介在されるようにしても良い。
【0024】
前記二層構造の接着層もしくは粘着層17は、図4に示すように、ポリエチレンテレフタレート(PET)等からなる所定の厚さ(例えば、12μm)の透明な支持体(キャリア)17aを挟んで空隙層14及び光反射層15への貼り合わせ面に形成される第1の接着層もしくは粘着層17b及び光拡散板18への貼り合わせ面に形成される第2の接着層もしくは粘着層17cとから構成されている。
前記光学シート10において、二層構造の接着層もしくは粘着層17により一体に貼り合わされる光拡散板18としては、当該分野でよく知られているポリカーボネートやシクロオレフィンポリマー、アクリル、ポリスチレン、もしくはこれらの材料を任意の比で配合したものを材料とする光微拡散板や透明板が挙げられる。
接着層もしくは粘着層17には、紫外線硬化性樹脂や熱可塑性樹脂の接着剤もしくは粘着剤が使用され、バインダー樹脂としては、当該分野でよく知られているポリカーボネートやアクリル、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマーが使用される。また、ビーズや拡散材としては,ガラスやシリカなどの無機フィラー、有機フィラーなどが挙げられる。
【0025】
本実施の形態において、光学シートと光拡散板とを一体化させた場合に最適な接着剤もしくは粘着剤の性質として、積載の際の荷重やセッティングの際の押し圧力に対する耐圧性能の例を図5に示す。
この図5は、光学シート、光学シートの貼合面に接する単層構造の接着剤もしくは粘着剤(以下、上接着剤もしくは粘着剤と表記する)、キャリア、光拡散板の貼合面に接する二層構造の接着剤もしくは粘着剤(以下、下接着剤もしくは粘着剤と表記する)の組み合わせを表わしている。
図5から明らかなように、単層構造もしくは二層構造の接着剤もしくは粘着剤に対する荷重圧力が0.5N/mm未満の時は接着剤もしくは粘着剤が空隙層14内への押し込みが阻止され、かつ、接着剤もしくは粘着剤に対する荷重圧力が0.5N/mm以上1.5N/mm以下の時に空隙層14内に押し込まれた接着剤もしくは粘着剤が5分以内に復元し空隙層14外に退避するようになっている。すなわち、接着剤もしくは粘着剤に対する荷重圧力が0.4N/mmの時、図5の丸印で示すように、接着剤もしくは粘着剤の初期外観は保持される。また、接着剤もしくは粘着剤に対する荷重圧力が0.8N/mmの時に空隙層14内に押し込まれた接着剤もしくは粘着剤が、図5の丸印で示すように5分以内に復元することが認められた。
また、図5において、実施例1〜3の光学シート10に使用される光反射層15側の接着剤もしくは粘着剤AまたはBの厚みは2μm以上15μm以下である。そして、これら接着剤もしくは粘着剤には光拡散材やUV硬化材を含むものが用いられる。
なお、図5において、接着剤もしくは粘着剤の厚さを2μmとすると接着強度が不足し、一体化することが不可能となるため、接着剤もしくは粘着剤の厚さは2μm以上であることが望ましい。また、実験データとしても、接着剤もしくは粘着剤の厚さを2μm未満で行うと厚みむらにより、接着剤もしくは粘着剤の塗布されない箇所ができてしまう問題がある。
【0026】
本実施の形態における光学シートの輝度分布について、代表として図5の実施例3の通常時と空隙層14内に押し込まれた接着剤もしくは粘着剤が復元して空隙層14外に退避したものの測定結果を図6に示す。
上記図3と図6との比較から、同一の光拡散板及び光学シートを用いた場合、光拡散板と光学シートとの一体型構造の特性(図6に実線で示す曲線61)が、光拡散板と光学シートと補助光学シートとを積層させた従来の構造の特性(図6に破線で示す曲線62)と同様の性能を有しており、ある一定荷重(0.5N/mm以上1.5N/mm以下)にて空隙層14内に押し込まれた接着剤もしくは粘着剤が元の状態に復元したものも同様の性能を有していることが示された。
【0027】
(実施の形態2)
次に、本発明にかかる光学シートを用いたバックライトユニットを具備する液晶表示装置について図7を参照して説明する。この図7は液晶表示装置の概略断面図であり、各部位の縮尺は実際とは一致しない。
図7に示す液晶表示装置20は、液晶パネル(特許請求の範囲に記載した画像表示素子に相当する)21と、この液晶パネル21の光入射側に臨ませて配置されたバックライトユニット22を備える。
前記バックライトユニット22は、液晶パネル21の光入射側に臨ませて配置された、照明光路制御用の光学シート10及び直下型光源23を含んで構成される。また、前記光学シート10は、上記図2に示す場合と同様に構成されているのでその構成説明は省略する。
【0028】
前記直下型光源23は、光学シート10を構成する光拡散板18の光入射面に対向して配設されるもので、光拡散板18の光入射面に対向して配列された、LEDや冷陰極放電ランプ等からなる複数の光源ランプ24と、この光源ランプ24を収容し光源ランプ24からの光を光学シート10にめけて反射するランプハウス25とから構成されている。
また、前記液晶パネル21は、光学シート10を構成するレンズシート13のレンズ層12と対向する側に配置されるもので、この液晶パネル21の表面と裏面には、液晶パネル30が表裏両面から挟持されるように偏光板26と27が設けられている。このようにして、液晶ディスプレイ、すなわち液晶表示装置が構成される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】従来におけるBEFの構成例を示す概略図。
【図2】従来におけるBEFの光学作用を説明するための概略図。
【図3】従来におけるRBEF及び本発明にかかる光学シートの輝度分布(水平方向)を示す特性図。
【図4】本発明の実施の形態における光学シートの説明用断面図。
【図5】本発明の実施の形態における光学シートに使用される接着剤もしくは粘着剤の性質としての耐圧性能及び復元性能の例を示す説明図。
【図6】通常品と本発明の実施の形態における光学シートの輝度分布(水平方向)を示す特性図。
【図7】本発明にかかる光学シートを用いてなるバックライトユニットを組み込んだ液晶ディスプレイの構成を示す模式図。
【符号の説明】
【0030】
10……光学シート、11……基材、12……レンズ部、12a……単位レンズ、13……レンズシート、14……空隙層、15……光反射層、16……感材、17……接着層もしくは粘着層、18……光拡散板、20……液晶表示装置、21……液晶パネル、22……バックライトユニット、23……直下型光源。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイ用バックライトユニットの照明光路制御に使用される光学シートであって、
光透過性の基材と、前記基材の一方の面に単位レンズを二次元方向に一定のピッチで配列形成してなるレンズ部とを有するレンズシートを備え、
前記基材の前記レンズ部と反対の面に、前記各単位レンズの集光部分にそれぞれ臨む空隙層と前記各単位レンズの非集光部分にそれぞれ臨む光反射層が並列して設けられ、
前記基材と反対に位置する少なくとも前記光反射層の面に単層もしくは二層構造の接着層もしくは単層もしくは二層構造の粘着層を介して光拡散板が一体に接着され、
前記接着層もしくは粘着層は、前記接着層もしくは粘着層に対する荷重圧力が0.5N/mm未満の時は前記接着層もしくは粘着層が前記空隙層内への押し込みが阻止され、かつ、前記接着層もしくは粘着層に対する荷重圧力が0.5N/mm以上1.5N/mm以下の時に前記空隙層内に押し込まれた前記接着層もしくは粘着層が5分以内に復元し前記空隙層外に退避するように設けられている、
ことを特徴とする光学シート。
【請求項2】
前記レンズ部は凸シリンドリカルレンズ群または半球状凸レンズ群から構成されていることを特徴とする請求項1記載の光学シート。
【請求項3】
前記二層構造の接着層もしくは粘着層は同一の接着剤もしくは粘着剤からなることを特徴とする請求項1記載の光学シート。
【請求項4】
前記二層構造の接着層もしくは粘着層は互いに異なる接着剤もしくは粘着剤からなることを特徴とする請求項1記載の光学シート。
【請求項5】
前記単層もしくは二層構造の接着層もしくは粘着層は、該接着層もしくは粘着層の内部に光拡散粒子が分散混合されていることを特徴とする請求項1記載の光学シート。
【請求項6】
前記光反射層側の接着層もしくは粘着層の厚さが2μm以上15μm以下であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の光学シート。
【請求項7】
前記二層構造の接着層もしくは粘着層は、それら接着層もしくは粘着層との間に介在された透明な支持体を含んで構成されていることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の光学シート。
【請求項8】
前記支持体は、ガラス、ポリカーボネート、アクリル、ポリエチレンテレフタレート等を素材とするポリマーフィルムもしくはシートから構成されていることを特徴とする請求項7記載の光学シート。
【請求項9】
前記空隙層は空気を含むことを特徴とする請求項1記載の光学シート。
【請求項10】
光源と、請求項1乃至9の何れか1項に記載の光学シートを少なくとも備える、
ことを特徴とするディスプレイ用バックライトユニット。
【請求項11】
画素単位での透過/遮光に応じて表示画像を規定する画像表示素子と、
前記画像表示素子の背面に、請求項10記載のディスプレイ用バックライトユニットを備えることを特徴とする表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−116229(P2009−116229A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−291801(P2007−291801)
【出願日】平成19年11月9日(2007.11.9)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】