説明

ディスプレイ装置及びそのオブジェクト表示方法

【課題】第1及び第2タッチセンシング部から同時にユーザ入力が検知された場合、シングルタッチ入力か、マルチタッチ入力かを決定する入力方法の提供。
【解決手段】ディスプレイ装置100は、表示部150と、第1入力方式によるユーザ入力を検知する第1タッチセンシング部110と、第2入力方式によるユーザ入力を検知する第2タッチセンシング部120と、第1及び第2タッチセンシング部から検知された座標値を算出する座標算出部130と、第1及び第2タッチセンシング部から同時にユーザ入力が検知された場合、第1及び第2タッチセンシング部から検知された座標値を比較し、シングルタッチ入力か、マルチタッチ入力かを決定し、決定結果に従ってオブジェクトを表示部に表示するように制御する制御部140とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイ装置及びそのオブジェクト表示方法に関し、より詳細には、多様な入力方式による複数個のタッチセンシング部を含むディスプレイ装置及びそのオブジェクト表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイ装置の入力手段として多様なタッチ方式が開発されてきた。特に、多様なタッチ方式のうち、IRセンシング部を含むデジタルペン(Digital Pen)方式は、より精密にかつ正確な地点の座標認識が可能であり、多くの分野で使われている。
【0003】
具体的に、IRセンシング部を含むデジタルペン方式としては、PDPディスプレイ装置においてX軸及びY軸方向にスキャン放電してIR光を発生させた後、デジタルペンのIRセンシング部が当該位置から発せられるIR光を獲得し、その地点の座標値を伝送する方法(韓国特開第2009−0052606号を参照)があった。更に、他のデジタルペン方式としては、特定のDot Patternが描かれた表面をIRセンシング部の含まれたデジタルペンでキャプチャして空間上の座標を認識し、それを伝送する方法があった。
【0004】
一方、デジタルペン方式のタッチパネルは、IRセンシング部を含むデジタルペンを用いるため、指や他の物体によってはタッチ認識が不可能であった。従って、ディスプレイ装置は指や他の物体によるタッチ認識ができるように、デジタルペン方式のタッチパネル以外に指や他の物体のタッチを認識することができる別の方式(例えば、静電式、感圧式、カメラ方式やIR方式等)のタッチパネルを併せて設置するようになった。
【0005】
しかし、デジタルペン方式のタッチパネルと、その他の方式のタッチパネルを同時に使用する場合、一地点に複数個の座標値が検知されるという問題が生じることになる。具体的に、ユーザがデジタルペンをタッチセンシング部の表面に使う場合、デジタルペン入力方式のタッチパネルだけでなく、それとは異なる方式のタッチパネルも座標値を検知するようになる。この場合、ユーザはデジタルペンを用いて円滑にイベントを行うことができなくなってしまうという問題点が生じていた。
【0006】
このような問題点を解決するための方法として、従来は二つのタッチパネルのうち、いずれか一方のタッチパネルにON/OFFモードを与える方法と、同時に入力された二つの座標値のうち、いずれか一方の座標値は無視し、他方の座標値(例えば、デジタルペン方式のタッチパネルによる座標値)のみを用いる方法が使われていた。しかし、いずれの方法も、デジタルペン方式による入力とデジタルペン方式以外の方式による入力とを同時に認識するマルチタッチ入力についてはサポートが不可能であった。
【0007】
従って、多様な入力方式のタッチセンシング部の含まれたディスプレイ装置においてマルチタッチ入力がサポートできるような方策への模索が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】韓国特開第2010−0129041号公報
【特許文献2】日本特開平9−231006号公報
【特許文献3】韓国特許登録第0510731号
【特許文献4】韓国特許登録第0997437号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、第1及び第2タッチセンシング部から同時にユーザ入力が検知された場合、第1及び第2タッチセンシング部から検知された座標値を比較し、シングルタッチ入力か、マルチタッチ入力かを決定するディスプレイ装置及びそのオブジェクト表示方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するための本発明の一実施形態に係るディスプレイ装置は、オブジェクトを表示する表示部と、第1入力方式によるユーザ入力を検知する第1タッチセンシング部と、第2入力方式によるユーザ入力を検知する第2タッチセンシング部と、前記第1及び第2タッチセンシング部から検知された座標値を算出する座標算出部と、前記第1及び第2タッチセンシング部から同時にユーザ入力が検知された場合、前記第1及び第2タッチセンシング部から検知された座標値を比較し、シングルタッチ入力か、マルチタッチ入力かを決定し、前記決定結果に従って前記オブジェクトを前記表示部に表示するように制御する制御部とを含む。
【0011】
そして、前記制御部は、前記第1及び第2タッチセンシング部から検知された座標値が予め設定された距離未満である場合、シングルタッチ入力に決定し、前記第1及び第2タッチセンシング部から検知された座標値が予め設定された距離以上である場合、マルチタッチ入力に決定してよい。
【0012】
なお、前記シングルタッチ入力は、前記第1タッチセンシング部によって検知された座標値のみを表示してよい。
【0013】
そして、前記シングルタッチ入力は、前記第1及び第2タッチセンシング部のうち、ユーザによって設定されたタッチセンシング部によって検知された座標値を表示してよい。
【0014】
なお、前記マルチタッチ入力は、前記第1及び第2タッチセンシング部によって検知された座標値をすべて表示してよい。
【0015】
そして、前記制御部は、前記第1及び第2タッチセンシング部のうち、いずれか一方のみからユーザ入力が検知された場合、検知されたタッチセンシング部の座標値を算出して前記制御部に出力してよい。
【0016】
なお、前記第1入力方式は、IRセンシング部の含まれたデジタルペン入力方式であってよい。
【0017】
そして、前記第2入力方式は、感圧式(Resistive)、カメラ方式、IR方式、光学式(Optical)タッチ方式及び超音波式のタッチ方式のうち、いずれか一つであってよい。
【0018】
なお、前記ディスプレイ装置は、電子黒板であってよい。
一方、前記目的を達成するための本発明の一実施形態に係る第1入力方式による第1タッチセンシング部及び第2入力方式による第2タッチセンシング部を含むディスプレイ装置のオブジェクト表示方法は、前記第1及び第2タッチセンシング部のうち、少なくともいずれか一方によってユーザ入力を検知するステップと、前記第1及び第2タッチセンシング部のうち、少なくともいずれか一方によって検知されたユーザ入力を通じて座標値を算出するステップと、前記第1及び第2タッチセンシング部から同時にユーザ入力が検知された場合、前記第1及び第2タッチセンシング部から検知された座標値を比較し、シングルタッチ入力か、マルチタッチ入力かを決定するステップと、前記決定結果に従って前記オブジェクトを表示するステップとを含む。
【0019】
そして、前記決定するステップは、前記第1及び第2タッチセンシング部から検知された座標値が予め設定された距離未満である場合、シングルタッチ入力に決定し、前記第1及び第2タッチセンシング部から検知された座標値が予め設定された距離以上である場合、マルチタッチ入力に決定してよい。
【0020】
なお、前記表示するステップは、前記シングルタッチ入力に決定された場合、前記第1タッチセンシング部によって検知された座標値によって前記オブジェクトを表示してよい。
【0021】
そして、前記第1及び第2タッチセンシング部のうち、いずれか一方によって算出された座標値をシングルタッチ入力による座標値に設定するステップを更に含み、前記表示ステップは、前記シングルタッチ入力に決定された場合、前記設定されたタッチセンシング部によって検知された座標値によって前記オブジェクトを表示してよい。
【0022】
なお、前記表示するステップは、前記マルチタッチ入力に決定された場合、前記第1及び第2タッチセンシング部によって検知された座標値によって前記オブジェクトを表示してよい。
【0023】
そして、前記第1及び第2タッチセンシング部のうち、いずれか一方のみからユーザ入力が検知された場合、検知されたタッチセンシング部の座標値を表示するステップを更に含んでよい。
【0024】
なお、前記第1入力方式は、IRセンシング部の含まれたデジタルペン入力方式であってよい。
【0025】
そして、前記第2入力方式は、感圧式(Resistive)、カメラ方式、IR方式、光学式(Optical)タッチ方式及び超音波式のタッチ方式のうち、いずれか一つであってよい。
【0026】
なお、前記ディスプレイ装置は、電子黒板であってよい。
【発明の効果】
【0027】
以上説明したように本発明によれば、本発明の多様な実施形態によると、デジタルペンだけでなく、指又は他の物体を用いてタッチを検知することができ、デジタルペンと指又は他の物体が同時にタッチされた場合、マルチタッチ入力までサポートすることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施形態に係るディスプレイ装置のブロック図を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るデジタルペンのみが入力された場合、座標値を算出するための方法を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るデジタルペンと指が同時に入力された場合、座標値を算出するための方法を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る指のみが入力された場合、座標値を算出するための方法を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る複数個のタッチパネルによって検知された座標値を用いてオブジェクトを表示する方法について説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本発明について説明するうえで、関連の公知機能或いは構成に対する具体的な説明が本発明の趣旨に反すると判断される場合、その詳細な説明を省略する。
【0030】
図1は、本発明の一実施形態に係るディスプレイ装置100のブロック図を示す図である。図1に示すように、ディスプレイ装置100は、第1タッチセンシング部110と、第2タッチセンシング部120と、座標算出部130と、制御部140及び表示部150を含む。このとき、第1タッチセンシング部110、第2タッチセンシング部120及び表示部150は、一つのディスプレイパネルで構成されてよい。
【0031】
第1タッチセンシング部110は、IRセンシング部を含むデジタルペンを用いるデジタルペン方式のタッチセンシング部である。上述したように、デジタルペン方式は、パネルから発せられるIR光をデジタルペンのIRセンシング部が検知し、検知された地点をディスプレイ装置に伝送することにより、検知された地点の座標値を算出する方式である。
【0032】
第2タッチセンシング部120は、デジタルペンを用いるデジタルペン方式以外の他の方式によるタッチセンシング部として、ユーザの指又はデジタルペン以外の他の物体を検知することができるタッチセンシング部である。このとき、第2タッチセンシング部120は、感圧式(Resistive)、カメラ方式、IR方式、光学式(Optical)タッチ方式及び超音波式のタッチ方式のうち、いずれか一つの方式によるタッチセンシング部であってよい。具体的に、感圧式のタッチセンシング部は、タッチスクリーンに加えられる物理的な圧力によってタッチスクリーンの内部の抵抗値と電流値の変化が生じるようになり、それに基づいてタッチされた地点の座標を測定する方式である。なお、カメラ方式は、ディスプレイ装置の角にカメラを設置し、タッチしようとする地点の位置を測定する方式である。なお、IR方式は、ディスプレイの角にIR発信部及びIR受信部を対向させるように設置し、タッチしようとする物体がIR光の受信を妨害する時点を把握して位置を測定する方式である。その他に、光学式方式及び超音波方式を用いて、ユーザの指又はデジタルペン以外の他の物体を検知することができる。
【0033】
座標算出部130は、第1及び第2タッチセンシング部110、120のうち、少なくともいずれか一方によって検知されたユーザ入力を通じて座標値を算出する。このとき、座標算出部130は、多様な方式の入力方式によって検知されたユーザ入力の座標値を算出し、このような多様な方式の算出方法は、公知の技術として詳細な説明を省略する。
【0034】
表示部150は、制御部140の制御に従って、座標算出部130から算出された座標値に対応する地点にオブジェクトを表示する。
【0035】
制御部140は、座標算出部130によって算出された座標値に対応する地点にオブジェクトが表示されるように表示部150を制御する。
【0036】
具体的に、制御部140は、第1及び第2タッチセンシング部110、120に同時にユーザ入力が検知されたか否かを判断する。このとき、第1及び第2タッチセンシング部110、120から同時にユーザ入力が検知された場合、制御部140は第1及び第2タッチセンシング部110、120から検知された座標値を比較し、シングルタッチ入力か、マルチタッチ入力かを決定する。具体的に、制御部140は、第1タッチセンシング部110及び第2タッチセンシング部120から検知された座標値間の距離を比較し、シングルタッチ入力か、マルチタッチ入力かを決定する。
【0037】
具体的に、第1及び第2タッチセンシング部110、120から検知された座標値間の距離が予め設定された距離未満である場合、制御部140はシングルタッチ入力に決定し、第1及び第2タッチセンシング部110、120から検知された座標値間の距離が予め設定された距離以上である場合、制御部140はマルチタッチ入力に決定する。それは、第1及び第2タッチセンシング部110、120が座標値を算出する方式が異なるため、同じ地点をタッチするとしても、微小な差が生じるためである。従って、このような差を考慮し、両タッチセンシング部から検知された座標値間の距離が予め設定された距離以下である場合、制御部110は同一の地点をタッチしていると判断し、シングルタッチ入力に決定する。しかし、両タッチセンシング部から検知された座標値間の距離が予め設定された値以上である場合、制御部140は二つの地点をタッチしていると判断し、マルチタッチ入力に決定する。このとき、予め設定された距離は、両タッチセンシング部110、120から検知された座標値がほぼ同一の点であると判断され得るだけの距離として、0.5mmであってよい。しかし、このような距離は、一実施形態に過ぎず、別の値に設定されてよい。
【0038】
なお、第1及び第2タッチセンシング部110、120から検知された座標値間の距離が予め設定された距離以下である場合であっても、制御部140はユーザにシングルタッチ入力の有無に対する確認を求めるために、“シングルタッチ入力の有無”を決定するためのUIを生成することができる。このとき、UIを通じて“シングルタッチ入力”であることを決定した場合、制御部140はユーザの入力をシングルタッチ入力に決定し、“マルチタッチ入力”であることを決定した場合、制御部140はユーザの入力をマルチタッチ入力に決定してよい。
【0039】
なお、上述のシングルタッチ入力とは、両タッチセンシング部のうち、いずれか一方のタッチセンシング部から検知された座標値を表示することをいう。このとき、一方のタッチセンシング部はより精密な表現が可能なデジタルペン方式の第1タッチセンシング部110に優先権を与えることができる。しかし、それは一実施形態に過ぎず、ユーザによって設定されたタッチセンシング部から検知された座標値を表示することができる。なお、マルチタッチ入力とは、両タッチセンシング部から検知された座標値のすべてを表示するものである。
【0040】
しかし、第1及び第2タッチセンシング部110、120のうち、いずれか一方のタッチセンシング部のみからユーザ入力が検知された場合、制御部140は検知されたタッチセンシング部の座標値を表示する。
【0041】
以下では、図2ないし図4を参照しながら、制御部140が座標値を決定する多様な実施形態について説明する。このとき、図2ないし図4に示された第1タッチセンシング部110は、IRセンシング部を含むデジタルペン方式のタッチセンシング部であり、第2タッチセンシング部120は、角にカメラ121、122、123、124を備えるカメラ方式のタッチセンシング部である。しかし、第2タッチセンシング部120がカメラ方式のタッチセンシング部であることは一実施形態に過ぎず、感圧式、IR方式、光学式又は超音波方式のタッチセンシング部であってよい。
【0042】
図2は、本発明の一実施形態に係るデジタルペン200のみが入力された場合、座標値を算出するための方法を示す図である。図2に示すように、複数のタッチセンシング部110、120にデジタルペン200を用いてタッチする場合、第1タッチセンシング部110及び第2タッチセンシング部120は同時にデジタルペン200を検知するようになる。
【0043】
このとき、制御部150は、第1タッチセンシング部110及び第2タッチセンシング部120が同時にデジタルペン200を検知しているため、第1タッチセンシング部110から検知された座標値と、第2タッチセンシング部120から検知された座標値との間の距離を比較する。具体的に、第1タッチセンシング部110から検知された座標値である(x1、y1)と、第2タッチセンシング部120から検知された座標値である(x2、y2)の距離を比較する。このとき、デジタルペン200が第1タッチセンシング部110及び第2タッチセンシング部120の同一の地点をタッチしているため、(x1、y1)と(x2、y2)との間の距離は、予め設定された距離未満になる。従って、制御部140は、第1タッチセンシング部110及び第2タッチセンシング部120から検知された座標値が同一の地点をタッチしていると判断し、優先権の与えられた第1タッチセンシング部110の値のみを表示部150に表示するようになる。従って、両タッチセンシング部110、120がデジタルペン200をすべて検知するとしても、複数の座標値が表示されるわけではなく、精密な表現が可能であるため、優先権の与えられた第1タッチセンシング部110のみの座標値を表示できるようになる。
【0044】
図3は、本発明の一実施形態に係るデジタルペン200と指300とが同時に入力された場合、座標値を算出するための方法を示す図である。図3に示すように、複数のタッチセンシング部110、120にデジタルペン200と指300を用いてタッチする場合、デジタルペン200は第1タッチセンシング部110及び第2タッチセンシング部120から検知され、指300は第2タッチセンシング部120から検知される。
【0045】
図2において説明しているように、デジタルペン200が第1タッチセンシング部110及び第2タッチセンシング部120から同時に検知されるとしても、制御部150は両タッチセンシング部110、120から検知された座標値((x3、y3)、(x4、y4))間の距離が予め設定された距離未満であるため、第1タッチセンシング部110から検知された座標値のみが決定される。
【0046】
しかし、デジタルペン200だけでなく、指300も同時に検知されているため、制御部200は第1タッチセンシング部110から検知されたデジタルペンの座標値と第2タッチセンシング部120から検知された指座標値とを比較する。具体的に、第1タッチセンシング部110から検知されたデジタルペンの座標値である(x3、y3)と第2タッチセンシング部120から検知された指の座標値(x5、y5)との距離を比較する。このとき、デジタルペン200がタッチした地点と指300がタッチした地点とが異なる地点であるため、(x3、y3)と(x5、y5)との間の距離は予め設定された距離以上となる。従って、制御部140は、第1タッチセンシング部110及び第2タッチセンシング部120から検知された座標値が相違している地点をタッチしていると判断し、両タッチセンシング部110、120から検知された座標値である(x3、y3)、(x5、y5)をすべて表示部150に表示するようになる。従って、異なる入力方式によって同時にタッチされるとしても、一つの入力方式のみが表示されるわけではなく、複数の入力方式をすべて表示できるマルチタッチ入力が可能となる。
【0047】
図4は、本発明の一実施形態に係る指のみが入力された場合、座標値を算出するための方法を示す図である。図4に示すように、複数のタッチセンシング部110、120に指300を用いてタッチする場合、指300は第2タッチセンシング部120のみによって検知される。それは、指300にはIRセンシング部が含まれていないためである。
【0048】
従って、制御部140は、第2タッチセンシング部120から検知された座標値(x6、y6)のみを表示部150に表示するようになる。
【0049】
上述の多様な実施形態において説明したように、複数の入力方式を有する複数のタッチセンシング部が含まれるとしても、ディスプレイ装置100はデジタルペン及びデジタルペン以外の物体のうちいずれか一つによって入力された場合、シングルタッチ入力であると判断してよく、デジタルペン及びデジタルペン以外の物体がすべて入力された場合、マルチタッチ入力であると判断してよい。
【0050】
図5は、本発明の一実施形態に係る複数個のタッチパネルによって検知された座標値を用いてオブジェクトを表示する方法について説明するためのフローチャートである。
【0051】
まず、ディスプレイ装置100は、第1及び第2タッチセンシング部110、120のうち、少なくともいずれか一方を検知する(S510)。このとき、第1タッチセンシング部110は、IRセンシング部の含まれたデジタルペン方式のタッチセンシング部であり、第2タッチセンシング部110はデジタルペン方式以外の感圧式、カメラ方式、IR方式、光学式及び超音波方式のうち、いずれか一つの方式によるタッチセンシング部であってよい。
【0052】
そして、ディスプレイ装置100は、第1及び第2タッチセンシング部110、120のうち、少なくともいずれか一方によって検知されたユーザ入力を通じて座標値を算出する(S520)。
【0053】
その後、ディスプレイ装置100は、第1及び第2タッチセンシング部110、120から同時にユーザ入力が検知されたか否かを判断する(S530)。第1及び第2タッチセンシング部110、120から同時にユーザ入力が検知されなかった場合(S530−N)、即ち、第1及び第2タッチセンシング部110、120のうち、いずれか一方のタッチセンシング部のみからユーザ入力が検知された場合、ディスプレイ装置110は検知されたタッチセンシング部に対する座標値でオブジェクトを表示する。例えば、指を用いてタッチ入力を行った場合、第2タッチセンシング部120のみからユーザ入力が検知されるため、ディスプレイ装置110は第2タッチセンシング部によって検知された座標値でオブジェクトを表示する。
【0054】
しかし、第1及び第2タッチセンシング部110、120から同時にユーザ入力が検知された場合(S530−Y)、ディスプレイ装置100は第1及び第2タッチセンシング部110、120から検知された座標の間の距離が所定距離以内であるか否かを判断する(S550)。即ち、ディスプレイ装置100は、第1及び第2タッチセンシング部110、120から検知された座標値が同一地点の座標値であるか否かを判断する。
【0055】
第1及び第2タッチセンシング部110、120から検知された座標の間の距離が所定距離以内である場合(S550−Y)、ディスプレイ装置100はシングルタッチ入力に決定する(S580)。例えば、デジタルペン200が第1タッチセンシング部110及び第2タッチセンシング部120から同時に検知された場合、第1及び第2タッチセンシング部110、120から検知された座標値の距離は、所定距離以内となる。従って、ディスプレイ装置100は、同一地点に対するタッチ入力と認識し、シングルタッチ入力に決定する。
【0056】
このとき、シングルタッチ入力は、両タッチセンシング部のうち、いずれか一方のタッチセンシング部から検知された座標値を表示する入力のことをいう。このとき、一方のタッチセンシング部は、より精密な表現が可能なデジタルペン方式の第1タッチセンシング部110に優先権を与えることができる。しかし、それは一実施形態に過ぎず、ユーザによって設定されたタッチセンシング部から検知された座標値を表示してよい。
【0057】
シングルタッチ入力に決定されると、ディスプレイ装置100は第1タッチセンシング部から検知された座標値でオブジェクトを表示する(S590)。
【0058】
第1及び第2タッチセンシング部110、120から検知された座標間の距離が所定距離以上である場合(S550−N)、ディスプレイ装置100はマルチタッチ入力に決定する(S560)。例えば、デジタルペン200が第1タッチセンシング部110に検知され、それと同時に、指が第2タッチセンシング部120によって検知された場合、第1及び第2タッチセンシング部110、120から検知された座標値の距離は、所定距離以上となる。従って、ディスプレイ装置100は、両タッチセンシングに対するタッチ入力が相違する地点に対するタッチ地点として認識し、マルチタッチ入力に決定する。
【0059】
このとき、マルチタッチ入力とは、第1及び第2タッチセンシング部110、120から検知された座標値のすべてを表示する入力のことをいう。
【0060】
マルチタッチ入力に決定されると、ディスプレイ装置100は第1タッチセンシング部110及び第2タッチセンシング部120から検知された座標値のすべてを用いてオブジェクトを表示する(S570)。
【0061】
上述のような方法を通じて、デジタルペンだけでなく、指又は他の物体を用いてタッチを検知することができ、デジタルペンと指又は他の物体が同時にタッチされた場合、マルチタッチ入力までサポートできるようになる。
【0062】
一方、本発明の一実施形態に係るディスプレイ装置100は、大画面の電子黒板であってよい。しかし、それは一実施形態に過ぎず、タッチセンシング部を用いてユーザ入力が可能なディスプレイ装置なら、本発明の技術的思想の適用が可能となる。
【0063】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は以上の実施形態に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的趣旨の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オブジェクトを表示する表示部と、
第1入力方式によるユーザ入力を検知する第1タッチセンシング部と、
第2入力方式によるユーザ入力を検知する第2タッチセンシング部と、
前記第1及び第2タッチセンシング部から検知された座標値を算出する座標算出部と、
前記第1及び第2タッチセンシング部から同時にユーザ入力が検知された場合、前記第1及び第2タッチセンシング部から検知された座標値を比較し、シングルタッチ入力か、マルチタッチ入力かを決定し、前記決定結果に従って前記オブジェクトを前記表示部に表示するように制御する制御部と
を含むディスプレイ装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記第1及び第2タッチセンシング部から検知された座標値が予め設定された距離未満である場合、シングルタッチ入力に決定し、
前記第1及び第2タッチセンシング部から検知された座標値が予め設定された距離以上である場合、マルチタッチ入力に決定することを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項3】
前記シングルタッチ入力は、
前記第1タッチセンシング部によって検知された座標値のみを表示することを特徴とする請求項1又は2に記載のディスプレイ装置。
【請求項4】
前記シングルタッチ入力は、
前記第1及び第2タッチセンシング部のうち、ユーザによって設定されたタッチセンシング部によって検知された座標値を表示することを特徴とする請求項1又は2に記載のディスプレイ装置。
【請求項5】
前記マルチタッチ入力は、
前記第1及び第2タッチセンシング部によって検知された座標値をすべて表示することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載のディスプレイ装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記第1及び第2タッチセンシング部のうち、いずれか一方のみからユーザ入力が検知された場合、検知されたタッチセンシング部の座標値を算出して前記制御部に出力することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載のディスプレイ装置。
【請求項7】
前記第1入力方式は、
IRセンシング部の含まれたデジタルペン入力方式であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載のディスプレイ装置。
【請求項8】
前記第2入力方式は、
感圧式(Resistive)、カメラ方式、IR方式、光学式(Optical)タッチ方式及び超音波式のタッチ方式のうち、いずれか一つであることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一項に記載のディスプレイ装置。
【請求項9】
前記ディスプレイ装置は、
電子黒板であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一項に記載のディスプレイ装置。
【請求項10】
第1入力方式による第1タッチセンシング部及び第2入力方式による第2タッチセンシング部を含むディスプレイ装置のオブジェクト表示方法において、
前記第1及び第2タッチセンシング部のうち、少なくともいずれか一方によってユーザ入力を検知するステップと、
前記第1及び第2タッチセンシング部のうち、少なくともいずれか一方によって検知されたユーザ入力を通じて座標値を算出するステップと、
前記第1及び第2タッチセンシング部から同時にユーザ入力が検知された場合、前記第1及び第2タッチセンシング部から検知された座標値を比較し、シングルタッチ入力か、マルチタッチ入力かを決定するステップと、
前記決定結果に従って前記オブジェクトを表示するステップと
を含むオブジェクト表示方法。
【請求項11】
前記決定するステップは、
前記第1及び第2タッチセンシング部から検知された座標値が予め設定された距離未満である場合、シングルタッチ入力に決定し、
前記第1及び第2タッチセンシング部から検知された座標値が予め設定された距離以上である場合、マルチタッチ入力に決定することを特徴とする請求項10に記載のオブジェクト表示方法。
【請求項12】
前記表示するステップは、
前記シングルタッチ入力に決定された場合、前記第1タッチセンシング部によって検知された座標値によって前記オブジェクトを表示することを特徴とする請求項10又は11に記載のオブジェクト表示方法。
【請求項13】
前記第1及び第2タッチセンシング部のうち、いずれか一方によって算出された座標値をシングルタッチ入力による座標値に設定するステップを更に含み、
前記表示ステップは、
前記シングルタッチ入力に決定された場合、前記設定されたタッチセンシング部によって検知された座標値によって前記オブジェクトを表示することを特徴とする請求項10又は11に記載のオブジェクト表示方法。
【請求項14】
前記表示するステップは、
前記マルチタッチ入力に決定された場合、前記第1及び第2タッチセンシング部によって検知された座標値によって前記オブジェクトを表示することを特徴とする請求項10ないし13のいずれか一項に記載のオブジェクト表示方法。
【請求項15】
前記第1及び第2タッチセンシング部のうち、いずれか一方のみからユーザ入力が検知された場合、検知されたタッチセンシング部の座標値を表示するステップを更に含むことを特徴とする請求項10ないし14のいずれか一項に記載のオブジェクト表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−221494(P2012−221494A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−76766(P2012−76766)
【出願日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung−ro,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】