ディスプレイ装置
【課題】 外光の反射を抑えて明室コントラストを向上する。
【解決手段】 光学フィルタは、互いに異なる色の光を出力する複数種のセルからの光の出力側に設けられている。光学フィルタにおいて、光強度が最も高い色のセルから出力される光の波長帯域の少なくとも一部の透過率は、他の種類のセルの波長帯域の透過率より低く設定されている。これにより、ディスプレイに入射する外光の反射率を下げることができる。特に、人工照明が使用される室内環境において、光強度が比較的高い光の波長帯域において、外光の反射率を下げることができる。この結果、外光の反射を抑えて明室コントラストを向上できる。光強度の最も高い色の透過率を下げるため、ディスプレイの輝度の低下を最小限に抑えることができる。
【解決手段】 光学フィルタは、互いに異なる色の光を出力する複数種のセルからの光の出力側に設けられている。光学フィルタにおいて、光強度が最も高い色のセルから出力される光の波長帯域の少なくとも一部の透過率は、他の種類のセルの波長帯域の透過率より低く設定されている。これにより、ディスプレイに入射する外光の反射率を下げることができる。特に、人工照明が使用される室内環境において、光強度が比較的高い光の波長帯域において、外光の反射率を下げることができる。この結果、外光の反射を抑えて明室コントラストを向上できる。光強度の最も高い色の透過率を下げるため、ディスプレイの輝度の低下を最小限に抑えることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を表示するディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ディスプレイ装置では、ディスプレイに入射する外光の反射を抑え、明室コントラストを改善するために、所定の透過率を有するフィルタがパネルの表示面側に配置される。また、ディスプレイから発生する光の波長帯域を除く波長帯域に対する透過率を低くすることで、ディスプレイの輝度を低下させることなく、明室コントラストを改善する手法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−157017号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一般に、ディスプレイ装置が設置される室内では、ディスプレイに入射する外光の波長帯域は、ディスプレイから発生する光の波長帯域に重複する場合が多い。例えば、人工照明の1つである蛍光灯の光は、主に赤、緑、青の光で構成されており、これ等光の波長帯域は、ディスプレイから発生する光の波長帯域と重複する。しかしながら、従来、ディスプレイから発生する光の波長帯域に重複する波長帯域では、明室コントラストを改善する手法は提案されていない。
【0004】
本発明の目的は、外光の反射を抑えて明室コントラストを向上することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一形態では、光学フィルタは、互いに異なる色の光を出力する複数種のセルからの光の出力側に設けられている。光学フィルタにおいて、光強度が最も高い色のセルから出力される光の波長帯域の透過率は、他の種類のセルの波長帯域の透過率より低く設定されている。例えば、ディスプレイ装置が、赤の光を発生する赤セルと、緑の光を発生する緑セルと、青の光を発生する青セルを有し、緑セルの光強度が最も高い場合、緑の光の波長帯域の透過率が、赤および青の光の波長帯域の透過率より低く設定される。これにより、ディスプレイに入射する外光の反射率を下げることができる。特に、人工照明が使用される室内環境において、光強度が比較的高い光の波長帯域において、外光の反射率を下げることができる。この結果、外光の反射を抑えて明室コントラストを向上できる。
【0006】
本発明の別の形態では、光強度が最も高い色のセルは、光学フィルタの透過率を低くすることにより不足する光量を補うために、光強度をさらに高めている。例えば、光強度の向上は、(a)セル幅を広くすること、(b)透明電極の面積を広くすること、(c)セルの蛍光体層を厚くすることの3条件の少なくともいずれかを適用することにより実現できる。これにより、光学フィルタの光の出力面において、光強度が最も高い色のセルからの光の強度を、従来と同じにできる。したがって、ディスプレイの輝度を低下させることなく、外光の反射を抑えて明室コントラストを向上できる。また、光学フィルタの光の出力面において、複数種のセルからの光の強度比を従来と同じにできる。この結果、ホワイトバランス等の色合いを従来と同じ品質にできる。
【0007】
本発明の別の形態では、ディスプレイ装置は、赤の光を発生する赤セルと、緑の光を発生する緑セルと、青の光を発生する青セルを有する。光強度は、高い順に、緑セル、赤セル、青セルである。光学フィルタの光の透過率は、高い順に、青の波長帯域の光、赤の波長帯域の光、緑の波長帯域の光である。青セルは、光学フィルタの透過率を高くすること
により過剰になる光量を下げるために、赤セルに比べて狭いセル幅を有する。光強度が相対的に高い色の透過率を下げ、かつ輝度を上げ、光強度が相対的に低い色の透過率を上げ、輝度を下げることにより、最も効率的に、外光の反射率を下げることができる。この結果、ディスプレイの輝度を低下させることなく、外光の反射を抑えて明室コントラストを向上できる。
【発明の効果】
【0008】
本発明では、外光の反射を抑えて明室コントラストを向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
【0010】
図1は、本発明のディスプレイ装置の第1の実施形態を示している。この実施形態のディスプレイ装置は、プラズマディスプレイパネル装置(以下、PDP装置とも称する)として構成されている。PDP装置は、四角板形状を有するプラズマディスプレイパネル10(以下、PDPとも称する)、PDP10の画像表示面12側(光の出力側)に設けられる光学フィルタ20、PDP10の画像表示面12側に配置された前筐体30、PDP10の背面14側に配置された後筐体40およびベースシャーシ50、ベースシャーシ50の後筐体40側に取り付けられ、PDP10を駆動するための回路部60を有している。PDP10は、両面接着シート70によりベースシャーシ50に貼り付ける。回路部60は、複数の部品で構成されるため、図では、破線の箱で示している。
【0011】
PDP10は、画像表示面12を構成する前面基板16と、前面基板16に対向する背面基板18とにより構成されている。前面基板16と背面基板18の間に図示しない放電空間(セル)が形成されている。前面基板16および背面基板18は、例えば、ガラス基板により形成されている。光学フィルタ20は、前筐体30の開口部32に取り付けられる保護ガラス(図示せず)に貼付され、保護ガラスと一体化される。光学フィルタ20は、後述する緑セルGCから発生する光の波長帯域の透過性を従来に比べて低く設定している。光学フィルタ20の特性は、後述する図8で説明する。
【0012】
図2は、図1に示したPDP10の要部の詳細を示している。前面基板16は、繰り返して放電を行なうために、ガラス基材16a上(図では下側)に互いに平行かつ交互に形成されたX電極16bおよびY電極16cを有している。X電極16bおよびY電極16cは、中央部がくびれた透明電極TEと、図の横方向に延在するバス電極BE(電極線)とにより構成されている。電極16b、16cは、誘電体層16dに覆われており、誘電体層16dの表面は、MgO等の保護層16eに覆われている。
【0013】
背面基板18は、ガラス基材18a上に、互いに平行に形成されたアドレス電極18bを有している。アドレス電極18bは、バス電極BEに垂直な方向に配置されている。アドレス電極18bは、誘電体層18cに覆われている。誘電体層18c上には、互いに隣接するアドレス電極18bの間に対応する位置に、隔壁(リブ)18dが形成されている。隔壁18dにより、後述する放電セルの側壁が構成される。さらに、隔壁18dの側面と、互いに隣接する隔壁18dの間の誘電体層18c上とには、紫外線により励起されて赤(R)、緑(G)、青(B)の可視光を発生する蛍光体18e、18f、18gが、それぞれ塗布されている。PDP10の1つのセル(一色の画素)は、互いに隣接する一対の隔壁18dで囲まれる領域において、一対の透明電極TEを含む領域に形成される。このように、PDP10は、画像を表示するためにセルをマトリックス状に配置し、かつ互いに異なる色の光を発生する複数種のセルを交互に配列して構成されている。
【0014】
PDP10は、前面基板16および背面基板18を、保護層16eと隔壁18dが互い
に接するように貼り合わせ、Ne、Xe等の放電ガスを封入することで構成される。バス電極BEおよびアドレス電極18bは、PDP10の外周部に形成される封着領域の外側に位置するPDP10の端部まで延在しており、後述する図5に示す制御回路CNTに接続される。
【0015】
図3は、図2に示した背面基板18の詳細を示している。この実施形態では、緑の光を発生する緑セルGCのセル幅W1は、赤の光を発生する赤セルRCおよび青の光を発生する青セルBCのセル幅W2より大きい。なお、赤セルRC、緑セルGCおよび青セルBCを含むカラー表示可能な1画素PXの幅WPXは、従来と同じ値である。すなわち、緑セルGCのセル幅W1が従来に比べて増やされた分だけ、赤セルRCと青セルBCのセル幅W2がそれぞれ減らされている。これにより、PDP10の大きさおよび画素数を、従来と同じにできる。各セルRC、GC、BCの発光強度は、蛍光体の塗布面積が大きいほど高くなる。このため、緑セルGCの発光強度は、従来に比べて相対的に高くなり、赤セルRCおよび青セルBCの発光強度は、従来に比べて相対的に低くなる。
【0016】
図4は、図2に示したPDP10の要部の詳細を示している。バス電極BEは、等間隔かつ平行に配置されている。バス電極BEの両側(図の上下方向)に、放電により光を発生するための放電ギャップGAPが形成されている。そして、赤セルRC、緑セルGCおよび青セルBCは、一対の透明電極TEを含む領域にそれぞれ形成される。また、赤セルRC、緑セルGCおよび青セルBCにより、1つの画素PXが構成される。図の上下方向に隣接する画素PXは、その一部が互いに重複する。この種のPDP装置は、ALIS方式(Alternate Lighting of Surfaces Method)と称されている。この実施形態では、透明電極TEは、セルの色にかかわりなく、全て同じ形状、同じ大きさである。放電ギャップGAPの距離(一対の透明電極TE間の距離)もセルの色にかかわりなく、全て同じである。
【0017】
図5は、図1に示した回路部60の概要を示している。回路部60は、X電極16bを駆動するXドライバXDRV、Y電極16cを駆動するYドライバYDRV、アドレス電極18dを駆動するアドレスドライバADRV、ドライバXDRV、YDRV、ADRVの動作を制御する制御回路CNTおよび電源回路PWRを有している。
【0018】
図6は、1画面の画像を表示するためのフィールドFLDの構成例を示している。1つのフィールドFLDの長さは、1/60秒であり、10個のサブフィールドSFで構成される。各サブフィールドSFは、リセット期間RST、アドレス期間ADR、サステイン期間SUSおよび壁電荷の消去期間ERSにより構成される。なお、消去期間ERSは、点灯したセルのみの壁電荷を消去するための放電を行う期間のため、サステイン期間SUSに含めて定義される場合もある。ここで、壁電荷とは、例えば、各セルにおいて、図2に示したMgO層16e上に蓄積されるプラス電荷およびマイナス電荷である。リセット期間RST、アドレス期間ADRおよび消去期間ERSは、サブフィールドSFに依存せず常に同じ長さである。サステイン期間SUSの長さは、サブフィールドSFにより異なり、セルの放電回数(輝度)に依存する。このため、点灯させるサブフィールドSFの組み合わせを変えることにより、階調表現が可能になる。
【0019】
図7は、サブフィールドSFの放電動作の例を示している。まず、リセット期間RSTでは、負の書き込み電圧が維持電極X(X電極16b)に印加され、緩やかに上昇する正の書き込み電圧(書き込み鈍波)が走査電極Y(Y電極16c)に印加される(図7(a))。これにより、セルの発光を抑えながら維持電極Xと走査電極Yに正と負の壁電荷がそれぞれ蓄積される。次に、維持電極Xに正の調整電圧が印加され、負の調整電圧(調整鈍波)が走査電極Yに印加される(図7(b))。これにより、壁電荷の量が減るとともに、全てのセルの壁電荷が等しくなる。
【0020】
アドレス期間ADRでは、正のスキャン電圧が維持電極Xに印加され、負のスキャンパルスが走査電極Yに印加され、正のアドレスパルスが、点灯するセルに対応するアドレス電極A1−A3(18d)に印加される(図7(c))。アドレスパルスにより選択されたセルは、放電を開始する。なお、この例では、奇数行のセルを点灯するための動作を示している。アドレス電極ADRの波形に示される2回目のアドレスパルスは、偶数行のセルを選択するために印加される(図7(d))
サステイン期間SUSでは、負および正の第1維持パルスが、維持電極Xおよび走査電極Yにそれぞれ印加される(図7(e))。これにより、点灯したセルの放電状態が維持される。この後、互いに極性の異なる維持パルスが、維持電極Xおよび走査電極Yに繰り返して印加され、サステイン期間SUSに点灯したセルの放電が繰り返し行われる(図7(f))。
【0021】
消去期間ERSでは、負の消去前パルスと高電圧の消去前パルスが、維持電極Xおよび走査電極Yにそれぞれ印加される(図7(g))。これにより、壁電荷が、維持電極Xおよび走査電極Yに蓄積される。この際、走査電極Yは、高電圧が印加されるため、蓄積される壁電荷の量は相対的に多くなる。次に、正の消去パルスと負の消去パルスが、維持電極Xおよび走査電極Yにそれぞれ印加される(図7(h))。これにより、弱い放電が起こり、壁電荷の量が減る。最後に、次のリセット期間RSTに移行するために、緩やかに下降する負の電圧(鈍波)が、維持電極Xに印加され、正のパルスが、走査電極Yに印加される(図7(i))。これにより、1サブフィールド期間SFが完了する。
【0022】
図8は、図1に示した光学フィルタ20の透過率とセルの発光強度の波長依存性を示している。図中の破線は、従来の特性であり、実線は、本発明の特性である。本実施形態では、図3に示したように、緑セルGCのセル幅は、従来に比べて広く設計され、赤セルRCおよび青セルBCのセル幅は、従来に比べて狭く設計される。このため、緑セルGCから発生する緑の波長帯域の発光強度は、従来に比べて高くなる。換言すれば、緑の発光強度は、光学フィルタ20の透過率を低くすることにより不足する光量を補うために、発光強度を、従来に比べてさらに高めている。赤セルRCから発生する赤の波長領域の発光強度および青セルBCから発生する青の波長領域の発光強度は、従来に比べて低くなる。緑の波長帯域の発光強度は、520nm付近にピークを有している。
【0023】
光学フィルタ20は、PDP10の発光強度に合わせて、緑の波長領域の透過率を従来に比べて下げ、赤および青の波長領域の透過率を従来に比べて上げている。具体的には、光学フィルタ20における緑の波長帯域の透過率は、緑の発光強度の最も高い520nm付近を下限とする谷状の特性を有する。これにより、PDP装置から光学フィルタ20を介して出力される光の輝度は、従来と同じに設定される。一般に、PDP装置から出力される赤、緑、青の輝度比は、全体の輝度を1とするときに、ほぼ0.3:0.6:0.1であり、緑セルGCの発光強度が最も高く、青セルBCの発光強度が最も低い。この比での色温度は、約10000K(白)になる。
【0024】
図9は、三波長蛍光灯からの光の強度の波長依存性を示している。光の強度は、蛍光灯からの光を標準反射板(白色)に照射し、その反射光を測定することにより求められる。蛍光灯から出力される緑の波長帯域において、発光強度のピークは、ほぼ540nmである。図9に示すように、室内の照明に使用される蛍光灯(外光)では、緑の輝度は、赤、青に比べて相対的に高い。光学フィルタ20は、外光の輝度が相対的に高い緑の波長領域の透過率を下げている。このため、外光の反射率を効率的に下げることができ、明室コントラストを向上できる。
【0025】
図10は、光学フィルタ20における緑の波長帯域の光の透過率と反射率との関係を示
している。図10は、従来の透過率および反射率をそれぞれ”1”にしたときの相対値を示している。このため、反射率が1より小さい領域は、明室コントラストの向上効果があることを示している。具体的には、緑セルGCの透過率が0.66以上で1より小さいとき、反射率は、従来より低くなる。また、透過率が0.7以上で0.92以下のとき、反射率を従来の95%以下にできる。透過率が0.8のときに、反射率は、最も低い0.91になる。本発明の適用により、外光の反射率を従来の91%まで下げることができる。換言すれば、本発明の適用による反射率の低減効果は、最大9%である。ALIS方式のPDPは、バス電極BEの両側に放電ギャップGAPを有するため、互いに隣接するバス電極BE間で、放電しない領域は存在しない。したがって、バス電極BEに沿っていわゆる黒帯を設けることが困難である。本発明の適用により、黒帯を設けることなく外光の反射率を効果的に低減できる。
【0026】
図11は、図10の特性を求めるための計算結果を示している。WRC、WGCおよびWBCは、赤セルRC、緑セルGCおよび青セルBCのセル幅の従来に対する比をそれぞれ示す。RPrateは、赤セルRCから発生する赤の波長帯域の透過率を示す。GPrateは、緑セルGCから発生する緑の波長領域の透過率を示す。BPrateは、青セルBCから発生する青の波長領域の透過率を示す。各セルRC、GC、BCにおいて、セル幅と透過率の積を常に”1”にすることで、PDP装置から出力される赤、緑、青の発光強度は、従来と同じになり、色温度も従来と同じになる。
【0027】
外光の反射率Rrateは、次式(1)により求まる。式中の式中の定数0.1、0.6および0.3は、PDP装置から出力される赤、緑、青の輝度比を示している。図10の特性カーブは、緑セルGCの透過率GPRateと式(1)より得られる反射率Rrateをプロットしたものである。
【0028】
Rrate=0.1×RPrate2+0.6×GPrate2+0.3×BPrate2 ……(1)
以上、第1の実施形態では、発光強度が相対的に最も高い緑セルGCから発生する緑の光の透過率を、他の色の透過率より低く設定する。これにより、PDP10の前面基板16側に入射する外光の反射率を下げることができる。PDP装置が設置される室内の照明は、蛍光灯等の人工照明が使用されることが多い。一般に、人工照明では、緑の輝度は、赤、青に比べて相対的に高い。このため、特に、室内環境において、外光の反射率を効率的に下げることができ、明室コントラストを向上できる。
【0029】
また、緑セルGCの発光強度を、セル幅を広げることによりさらに高めることで、緑の光の透過率をさらに下げることができ、明室コントラストを向上できる。セル幅が相対的に狭くなり、発光強度が低下する赤セルRCおよび青セルBCに対して、赤および青の光の透過率を上げることにより、PDP装置から出力される赤、緑、青の輝度比を、従来と同じ0.3:0.6:0.1(色温度=約10000K)に保持できる。この結果、ホワイトバランスを崩すことなく、明室コントラストを向上できる。
【0030】
図12は、本発明のディスプレイ装置の第2の実施形態におけるPDP10Aの背面基板18Aを示している。第1の実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。この実施形態では、赤セルRCのセル幅W0は、従来と同じである。緑セルGCのセル幅W3は、従来より広い。青セルBCのセル幅W4は、従来より狭い。赤セルRC、緑セルGCおよび青セルBCをつなげた画素PXの幅は、従来と同じである。すなわち、青セルBCのセル幅は、緑セルGCのセル幅を広げた分だけ狭く設計される。PDP10Aのその他の構成は、図2と同じである。また、PDP10Aを除くPDP装置の構成は、図1と同じである。
【0031】
図13は、第2の実施形態の光学フィルタ(図1の符号20に対応する)の透過率とセ
ルの発光強度の波長依存性を示している。図中の破線は、従来の特性であり、実線は、本発明の特性である。この実施形態では、セル幅の狭い青セルBCの発光強度は、従来に比べて低くなる。換言すれば、青セルBCは、光学フィルタの透過率を高くすることにより過剰になる光量を下げるために、赤セルRCに比べて狭いセル幅を有する。セル幅の広い緑セルGCの発光強度は、従来に比べて高く、セル幅が従来と同じ赤セルRCの発光強度は、従来と同じである。
【0032】
光学フィルタは、PDPからの発光強度に合わせて、緑の波長領域の透過率を従来に比べて下げ、青の波長領域の透過率を従来に比べて上げている。赤の波長領域の透過率は、従来と同じである。これにより、PDP装置から光学フィルタを介して出力される赤、緑、青の光の輝度は、従来と同じになる。光学フィルタにより、輝度が相対的に高い緑の波長領域の透過率を下げることで、外光の反射率を効率的に下げることができ、明室コントラストを向上できる。
【0033】
図14は、第2の実施形態の光学フィルタにおける緑の波長帯域の光の透過率と反射率との関係を示している。図14は、上述した図10と同様に、従来の透過率および反射率をそれぞれ”1”にしたときの相対値を示している。この実施形態においても、緑セルGCの透過率が0.66以上で1より小さいときに、反射率は、従来より低くなる。また、透過率が0.68以上で0.94以下のとき、反射率を従来の95%以下にできる。透過率が0.78のときに、反射率は、最も低い0.86になる。したがって、本発明の適用により、反射率を従来の86%まで下げることができる。換言すれば、本発明の適用による反射率の低減効果は、最大14%である。
【0034】
図15は、図14の特性を求めるための計算結果を示している。各パラメータの符号の意味は、図11と同じである。外光の反射率Rrateは、上述した式(1)により求まる。
【0035】
以上、第2の実施形態においても、上述した第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、この実施形態では、発光強度をセル幅により調整し、緑セルGCのセル幅の増加量は、発光強度の比が最も低い青セルBCのセル幅の減少量と等しくされる。これにより、青セルBCの発光強度の低下に伴い、青の波長領域の透過率を上げる場合にも、透過率の上昇が反射率に与える影響を最小限にできる。この結果、第1の実施形態に比べて、外光の反射率をさらに下げることができ、明室コントラストを従来に比べて大幅に向上できる。
【0036】
赤セルRCの発光強度を従来と同じにすることで、光学フィルタの設計において、赤の波長領域を考慮する必要がなくなり、設計効率を向上できる。
【0037】
図16は、本発明のディスプレイ装置の第3の実施形態におけるPDP10Bを示している。第1の実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。この実施形態では、緑セルGCの透明電極TEの面積が、他のセルの透明電極の面積に比べて大きく設計されている。赤セルRCおよび青セルBCの透明電極の面積は、従来と同じである。このため、緑セルGCの発光強度は、従来に比べて高くなり、赤セルRCおよび青セルBCの発光強度は、従来と同じである。
【0038】
赤セルRC、緑セルGCおよび青セルBCのセル幅W0は、全て従来と同じである。したがって、赤セルRC、緑セルGCおよび青セルBCをつなげた画素PXの幅は、従来と同じである。PDP10Bのその他の構成は、図2と同じである。また、PDP10Bを除くPDP装置の構成は、図1と同じである。
【0039】
図17は、第3の実施形態の光学フィルタ(図1の符号20に対応する)の透過率とセ
ルの発光強度の波長依存性を示している。図中の破線は、従来の特性であり、実線は、本発明の特性である。この実施形態では、電極面積の広い緑セルGCの発光強度は、従来に比べて高くなり、電極面積が従来と同じ赤セルRCおよび青セルBCの発光強度は、従来と同じである。
【0040】
光学フィルタは、PDPの発光強度に合わせて、緑の波長領域の透過率を従来に比べて下げ、赤、青の波長領域の透過率を従来と同じに設定している。これにより、PDP装置から光学フィルタを介して出力される赤、緑、青の光の輝度は、従来と同じになる。光学フィルタにより、輝度が相対的に高い緑の波長領域の透過率を下げることで、外光の反射率を効率的に下げることができ、明室コントラストを向上できる。
【0041】
以上、第3の実施形態においても、上述した第1および第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、この実施形態では、透明電極TEの面積に応じて発光強度を調整するため、透明電極TEのフォトマスクのみ変更することで、外光の反射率の低いPDP10Bを製造できる。隔壁18dの間隔は、従来と同じである。この結果、製造工程を変更を最小限にして、外光の反射率を効率的に下げることができ、明室コントラストを向上できる。
【0042】
赤セルRCおよび青セルBCの発光強度を従来と同じにすることで、光学フィルタの設計において、赤および青の波長領域を考慮する必要がなくなり、設計効率をさらに向上できる。
【0043】
図18は、本発明のディスプレイ装置の第4の実施形態におけるPDP10Cの背面基板18Cを示している。第1の実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。この実施形態では、赤セルRC、緑セルGCおよび青セルBCのセル幅W0は、従来と同じである。緑セルGCの蛍光体層18fの厚さは、従来に比べて厚く、赤セルRCおよび青セルBCの蛍光体層18e、18gの厚さは、従来と同じである。PDP10Cのその他の構成は、図2と同じである。また、PDP10Cを除くPDP装置の構成は、図1と同じである。
【0044】
この実施形態では、蛍光体層が厚い緑セルGCの発光強度のみが、従来に比べて相対的に高くなる。光学フィルタ(図1の符号20に対応する)の透過率は、緑セルGCから発生する緑の波長領域のみが低く設定されている。これにより、フィルタの透過率とセルの発光強度の波長依存性は、図17とほぼ同じになる。
【0045】
以上、第4の実施形態においても、上述した第1、第2および第3の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、この実施形態では、緑セルGCの蛍光体層18fを厚くすることにより発光強度を調整するため、蛍光体18fの塗布工程における蛍光体18fの濃度を変更するだけで、外光の反射率の低いPDP10Cを製造できる。この結果、製造工程を変更を最小限にして、外光の反射率を効率的に下げることができ、明室コントラストを向上できる。
【0046】
図19は、本発明のディスプレイ装置の第5の実施形態における光学フィルタ(図1の符号20に対応する)の透過率とセルの発光強度の波長依存性を示している。この光学フィルタでは、緑の波長帯域の透過率は、図9に示した蛍光灯から出力される緑の発光強度が最も高い540nmに下限を有する谷状の特性を有する。なお、透過率特性は、緑の波長帯域において、530−550nmの範囲の少なくともいずれかに下限を有する谷状にすることが望ましい。これにより、蛍光灯の発光強度が最も高い540nm近傍において、外光の反射率を効率的に低減できる。光学フィルタのその他の特性は、第2の実施形態(図13)と同じである。また、光学フィルタを除く構成は、第2の実施形態と同じであ
る。すなわち、この実施形態のディスプレイ装置は、プラズマディスプレイパネル装置である。
【0047】
以上、第5の実施形態においても、上述した第1および第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、この実施形態では、蛍光灯から出力される緑の発光強度が最も高い540nm近傍の光の透過率を最も低くすることで、蛍光灯(外光)の反射率をさらに下げることができ、明室コントラストを従来に比べて大幅に向上できる。
【0048】
図20は、本発明のディスプレイ装置の第6の実施形態を示している。この実施形態のディスプレイ装置は、プラズマディスプレイパネル装置として構成されている。第1の実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。この実施形態のPDP装置は、第1の実施形態の光学フィルタ20の代わりに光学フィルタ20Dを有している。光学フィルタ20Dは、PDP10の前面基板16の表面に貼付され、PDP10と一体化されている。その他の構成は、第1の実施形態(図1)と同じである。以上、第6の実施形態においても、上述した第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0049】
図21は、本発明のディスプレイ装置の第7の実施形態を示している。この実施形態のディスプレイ装置は、プラズマディスプレイパネル装置として構成されている。第1の実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。この実施形態のPDP装置では、PDP10Eの前面基板16Eは、第1の実施形態の光学フィルタ20の機能を有している。具体的には、前面基板16Eのガラス基材16a(図2)が光学フィルタ20Eとして機能する。その他の構成は、第1の実施形態(図1)と同じである。以上、第7の実施形態においても、上述した第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0050】
なお、上述した第1の実施形態(図4)では、緑セルGCから発生する緑の発光強度を高くするために、緑セルGCのセル幅W1を他のセルのセル幅W2より広くする例について述べた。本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。例えば、図22、図23、図24および図25に示すように、セル幅の広い緑セルGCの透明電極TEの面積を他のセルの透明電極TEの面積より大きくすることで、緑セルGCの発光強度をさらに高くできる。この結果、光学フィルタ20の緑の波長帯域の透過率をさらに下げることが可能になり、明室コントラストをさらに向上できる。
【0051】
また、図26に示すように、緑セルGCの透明電極TEだけでなく、赤セルRCおよび青セルBCの透明電極TEの面積を大きくすることにより、赤および青の波長帯域の発光強度を高くできる。これにより、図8に示した透過率の特性および発光強度の特性を、図17に示した特性にすることができる。この結果、赤および青の波長帯域の透過率を上げる必要がなくなり、外光の反射率を十分に低減でき、明室コントラストを向上できる。
【0052】
さらに、第2の実施形態(図12)に関して、図27に示すように、セル幅W4が従来のセル幅W0に比べて狭い青セルBCにおいて、透明電極TEの面積を大きくすることにより、青セルBCの発光強度を高くできる。これにより、図13に示した透過率の特性および発光強度の特性を、図17に示した特性にすることができる。この結果、青の波長帯域の透過率を上げる必要がなくなり、外光の反射率を十分に低減でき、明室コントラストを向上できる。
【0053】
発光強度の向上は、(a)セル幅を広くすること、(b)透明電極の面積を広くすること、(c)セルの蛍光体層を厚くすることの3条件の少なくともいずれかを適用することにより実現できる。例えば、緑セルGCのセル幅を広くし、透明電極の面積を広くし、さ
らに蛍光体層18fを厚くしてもよい。
【0054】
上述した第5の実施形態(図19)では、第2の実施形態(図13)の光学フィルタの特性を変更する例について述べた。本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。例えば、第1の実施形態(図8)または第7の実施形態(図17)の光学フィルタにおいて、緑の波長帯域の透過率の特性を、蛍光灯から出力される緑の発光強度が最も高い540nmに下限を有する谷状に設計してもよい。なお、透過率特性は、緑の波長帯域において、530−550nmの範囲の少なくともいずれかに下限を有する谷状にすることが望ましい。この場合にも、蛍光灯(外光)の反射率をさらに下げることができ、明室コントラストを従来に比べて大幅に向上できる。
【0055】
上述した第6の実施形態(図20)および第7の実施形態(図21)は、第2、第3、第4の実施形態、あるいは、図22から図27に示すPDPに適用できる。
【0056】
上述した実施形態では、本発明を、プラズマディスプレイパネル装置に適用する例について述べた。本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明を、有機ELディスプレイ(organic electroluminescence display)、無機ELディスプレイ(inorganic electroluminescence display)、表面電界ディスプレイ(Surface-conduction Electron-emitter Display)、あるいは液晶ディスプレイ装置に適用しても同様の効果を得ることができる。本発明は、互いに異なる色の光を出力する複数種のセルと、セルから出力される光の波長帯域の少なくとも一部を吸収する光学フィルタとを有するディスプレイ装置に適用可能である。
【0057】
以上、本発明について詳細に説明してきたが、上記の実施形態およびその変形例は発明の一例に過ぎず、本発明はこれに限定されるものではない。本発明を逸脱しない範囲で変形可能であることは明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、画像を表示するディスプレイ装置に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明のディスプレイ装置の第1の実施形態を示す分解斜視図である。
【図2】図1に示したPDPの要部の詳細を示す分解斜視図である。
【図3】図2に示した背面基板の詳細を示す断面図である。
【図4】図2に示したPDPの要部の詳細を示す平面図である。
【図5】図1に示した回路部の概要を示すブロック図である。
【図6】1画面の画像を表示するためのフィールドFLDの構成例を示す説明図である。
【図7】サブフィールドSFの放電動作の例を示す波形図である。
【図8】図1に示した光学フィルタの透過率とセルの発光強度の波長依存性を示す特性図である。
【図9】三波長蛍光灯からの光の強度の波長依存性を示す特性図である。
【図10】光学フィルタにおける緑の波長帯域の光の透過率と反射率との関係を示す特性図である。
【図11】図10の特性を求めるための計算結果を示す説明図である。
【図12】本発明のディスプレイ装置の第2の実施形態におけるPDPの背面基板を示す断面図である。
【図13】第2の実施形態の光学フィルタの透過率とセルの発光強度の波長依存性を示す特性図である。
【図14】第2の実施形態の光学フィルタにおける緑の波長帯域の光の透過率と反射率との関係を示す特性図である。
【図15】図14の特性を求めるための計算結果を示す説明図である。
【図16】本発明のディスプレイ装置の第3の実施形態におけるPDPを示す平面図である。
【図17】第3の実施形態の光学フィルタの透過率とセルの発光強度の波長依存性を示す特性図である。
【図18】本発明のディスプレイ装置の第4の実施形態におけるPDPの背面基板を示す断面図である。
【図19】本発明のディスプレイ装置の第5の実施形態における光学フィルタの透過率とセルの発光強度の波長依存性を示す特性図である。
【図20】本発明のディスプレイ装置の第6の実施形態を示す分解斜視図である。
【図21】本発明のディスプレイ装置の第7の実施形態を示す分解斜視図である。
【図22】PDPの別の例を示す平面図である。
【図23】PDPの別の例を示す平面図である。
【図24】PDPの別の例を示す平面図である。
【図25】PDPの別の例を示す平面図である。
【図26】PDPの別の例を示す平面図である。
【図27】PDPの別の例を示す平面図である。
【符号の説明】
【0060】
10、10A、10B、10C、10E‥PDP;12‥画像表示面;14‥背面;16‥前面基板;16b‥X電極;16c‥Y電極;18、18A、18C‥背面基板;18b‥アドレス電極;18d‥隔壁;20、20D、20E‥光学フィルタ;30‥前筐体;40‥後筐体;50‥ベースシャーシ;60‥回路部;70‥両面接着シート;BC‥青セル;BE‥バス電極;GAP‥放電ギャップ;GC‥緑セル;RC‥赤セル;TE‥透明電極
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を表示するディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ディスプレイ装置では、ディスプレイに入射する外光の反射を抑え、明室コントラストを改善するために、所定の透過率を有するフィルタがパネルの表示面側に配置される。また、ディスプレイから発生する光の波長帯域を除く波長帯域に対する透過率を低くすることで、ディスプレイの輝度を低下させることなく、明室コントラストを改善する手法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−157017号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一般に、ディスプレイ装置が設置される室内では、ディスプレイに入射する外光の波長帯域は、ディスプレイから発生する光の波長帯域に重複する場合が多い。例えば、人工照明の1つである蛍光灯の光は、主に赤、緑、青の光で構成されており、これ等光の波長帯域は、ディスプレイから発生する光の波長帯域と重複する。しかしながら、従来、ディスプレイから発生する光の波長帯域に重複する波長帯域では、明室コントラストを改善する手法は提案されていない。
【0004】
本発明の目的は、外光の反射を抑えて明室コントラストを向上することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一形態では、光学フィルタは、互いに異なる色の光を出力する複数種のセルからの光の出力側に設けられている。光学フィルタにおいて、光強度が最も高い色のセルから出力される光の波長帯域の透過率は、他の種類のセルの波長帯域の透過率より低く設定されている。例えば、ディスプレイ装置が、赤の光を発生する赤セルと、緑の光を発生する緑セルと、青の光を発生する青セルを有し、緑セルの光強度が最も高い場合、緑の光の波長帯域の透過率が、赤および青の光の波長帯域の透過率より低く設定される。これにより、ディスプレイに入射する外光の反射率を下げることができる。特に、人工照明が使用される室内環境において、光強度が比較的高い光の波長帯域において、外光の反射率を下げることができる。この結果、外光の反射を抑えて明室コントラストを向上できる。
【0006】
本発明の別の形態では、光強度が最も高い色のセルは、光学フィルタの透過率を低くすることにより不足する光量を補うために、光強度をさらに高めている。例えば、光強度の向上は、(a)セル幅を広くすること、(b)透明電極の面積を広くすること、(c)セルの蛍光体層を厚くすることの3条件の少なくともいずれかを適用することにより実現できる。これにより、光学フィルタの光の出力面において、光強度が最も高い色のセルからの光の強度を、従来と同じにできる。したがって、ディスプレイの輝度を低下させることなく、外光の反射を抑えて明室コントラストを向上できる。また、光学フィルタの光の出力面において、複数種のセルからの光の強度比を従来と同じにできる。この結果、ホワイトバランス等の色合いを従来と同じ品質にできる。
【0007】
本発明の別の形態では、ディスプレイ装置は、赤の光を発生する赤セルと、緑の光を発生する緑セルと、青の光を発生する青セルを有する。光強度は、高い順に、緑セル、赤セル、青セルである。光学フィルタの光の透過率は、高い順に、青の波長帯域の光、赤の波長帯域の光、緑の波長帯域の光である。青セルは、光学フィルタの透過率を高くすること
により過剰になる光量を下げるために、赤セルに比べて狭いセル幅を有する。光強度が相対的に高い色の透過率を下げ、かつ輝度を上げ、光強度が相対的に低い色の透過率を上げ、輝度を下げることにより、最も効率的に、外光の反射率を下げることができる。この結果、ディスプレイの輝度を低下させることなく、外光の反射を抑えて明室コントラストを向上できる。
【発明の効果】
【0008】
本発明では、外光の反射を抑えて明室コントラストを向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
【0010】
図1は、本発明のディスプレイ装置の第1の実施形態を示している。この実施形態のディスプレイ装置は、プラズマディスプレイパネル装置(以下、PDP装置とも称する)として構成されている。PDP装置は、四角板形状を有するプラズマディスプレイパネル10(以下、PDPとも称する)、PDP10の画像表示面12側(光の出力側)に設けられる光学フィルタ20、PDP10の画像表示面12側に配置された前筐体30、PDP10の背面14側に配置された後筐体40およびベースシャーシ50、ベースシャーシ50の後筐体40側に取り付けられ、PDP10を駆動するための回路部60を有している。PDP10は、両面接着シート70によりベースシャーシ50に貼り付ける。回路部60は、複数の部品で構成されるため、図では、破線の箱で示している。
【0011】
PDP10は、画像表示面12を構成する前面基板16と、前面基板16に対向する背面基板18とにより構成されている。前面基板16と背面基板18の間に図示しない放電空間(セル)が形成されている。前面基板16および背面基板18は、例えば、ガラス基板により形成されている。光学フィルタ20は、前筐体30の開口部32に取り付けられる保護ガラス(図示せず)に貼付され、保護ガラスと一体化される。光学フィルタ20は、後述する緑セルGCから発生する光の波長帯域の透過性を従来に比べて低く設定している。光学フィルタ20の特性は、後述する図8で説明する。
【0012】
図2は、図1に示したPDP10の要部の詳細を示している。前面基板16は、繰り返して放電を行なうために、ガラス基材16a上(図では下側)に互いに平行かつ交互に形成されたX電極16bおよびY電極16cを有している。X電極16bおよびY電極16cは、中央部がくびれた透明電極TEと、図の横方向に延在するバス電極BE(電極線)とにより構成されている。電極16b、16cは、誘電体層16dに覆われており、誘電体層16dの表面は、MgO等の保護層16eに覆われている。
【0013】
背面基板18は、ガラス基材18a上に、互いに平行に形成されたアドレス電極18bを有している。アドレス電極18bは、バス電極BEに垂直な方向に配置されている。アドレス電極18bは、誘電体層18cに覆われている。誘電体層18c上には、互いに隣接するアドレス電極18bの間に対応する位置に、隔壁(リブ)18dが形成されている。隔壁18dにより、後述する放電セルの側壁が構成される。さらに、隔壁18dの側面と、互いに隣接する隔壁18dの間の誘電体層18c上とには、紫外線により励起されて赤(R)、緑(G)、青(B)の可視光を発生する蛍光体18e、18f、18gが、それぞれ塗布されている。PDP10の1つのセル(一色の画素)は、互いに隣接する一対の隔壁18dで囲まれる領域において、一対の透明電極TEを含む領域に形成される。このように、PDP10は、画像を表示するためにセルをマトリックス状に配置し、かつ互いに異なる色の光を発生する複数種のセルを交互に配列して構成されている。
【0014】
PDP10は、前面基板16および背面基板18を、保護層16eと隔壁18dが互い
に接するように貼り合わせ、Ne、Xe等の放電ガスを封入することで構成される。バス電極BEおよびアドレス電極18bは、PDP10の外周部に形成される封着領域の外側に位置するPDP10の端部まで延在しており、後述する図5に示す制御回路CNTに接続される。
【0015】
図3は、図2に示した背面基板18の詳細を示している。この実施形態では、緑の光を発生する緑セルGCのセル幅W1は、赤の光を発生する赤セルRCおよび青の光を発生する青セルBCのセル幅W2より大きい。なお、赤セルRC、緑セルGCおよび青セルBCを含むカラー表示可能な1画素PXの幅WPXは、従来と同じ値である。すなわち、緑セルGCのセル幅W1が従来に比べて増やされた分だけ、赤セルRCと青セルBCのセル幅W2がそれぞれ減らされている。これにより、PDP10の大きさおよび画素数を、従来と同じにできる。各セルRC、GC、BCの発光強度は、蛍光体の塗布面積が大きいほど高くなる。このため、緑セルGCの発光強度は、従来に比べて相対的に高くなり、赤セルRCおよび青セルBCの発光強度は、従来に比べて相対的に低くなる。
【0016】
図4は、図2に示したPDP10の要部の詳細を示している。バス電極BEは、等間隔かつ平行に配置されている。バス電極BEの両側(図の上下方向)に、放電により光を発生するための放電ギャップGAPが形成されている。そして、赤セルRC、緑セルGCおよび青セルBCは、一対の透明電極TEを含む領域にそれぞれ形成される。また、赤セルRC、緑セルGCおよび青セルBCにより、1つの画素PXが構成される。図の上下方向に隣接する画素PXは、その一部が互いに重複する。この種のPDP装置は、ALIS方式(Alternate Lighting of Surfaces Method)と称されている。この実施形態では、透明電極TEは、セルの色にかかわりなく、全て同じ形状、同じ大きさである。放電ギャップGAPの距離(一対の透明電極TE間の距離)もセルの色にかかわりなく、全て同じである。
【0017】
図5は、図1に示した回路部60の概要を示している。回路部60は、X電極16bを駆動するXドライバXDRV、Y電極16cを駆動するYドライバYDRV、アドレス電極18dを駆動するアドレスドライバADRV、ドライバXDRV、YDRV、ADRVの動作を制御する制御回路CNTおよび電源回路PWRを有している。
【0018】
図6は、1画面の画像を表示するためのフィールドFLDの構成例を示している。1つのフィールドFLDの長さは、1/60秒であり、10個のサブフィールドSFで構成される。各サブフィールドSFは、リセット期間RST、アドレス期間ADR、サステイン期間SUSおよび壁電荷の消去期間ERSにより構成される。なお、消去期間ERSは、点灯したセルのみの壁電荷を消去するための放電を行う期間のため、サステイン期間SUSに含めて定義される場合もある。ここで、壁電荷とは、例えば、各セルにおいて、図2に示したMgO層16e上に蓄積されるプラス電荷およびマイナス電荷である。リセット期間RST、アドレス期間ADRおよび消去期間ERSは、サブフィールドSFに依存せず常に同じ長さである。サステイン期間SUSの長さは、サブフィールドSFにより異なり、セルの放電回数(輝度)に依存する。このため、点灯させるサブフィールドSFの組み合わせを変えることにより、階調表現が可能になる。
【0019】
図7は、サブフィールドSFの放電動作の例を示している。まず、リセット期間RSTでは、負の書き込み電圧が維持電極X(X電極16b)に印加され、緩やかに上昇する正の書き込み電圧(書き込み鈍波)が走査電極Y(Y電極16c)に印加される(図7(a))。これにより、セルの発光を抑えながら維持電極Xと走査電極Yに正と負の壁電荷がそれぞれ蓄積される。次に、維持電極Xに正の調整電圧が印加され、負の調整電圧(調整鈍波)が走査電極Yに印加される(図7(b))。これにより、壁電荷の量が減るとともに、全てのセルの壁電荷が等しくなる。
【0020】
アドレス期間ADRでは、正のスキャン電圧が維持電極Xに印加され、負のスキャンパルスが走査電極Yに印加され、正のアドレスパルスが、点灯するセルに対応するアドレス電極A1−A3(18d)に印加される(図7(c))。アドレスパルスにより選択されたセルは、放電を開始する。なお、この例では、奇数行のセルを点灯するための動作を示している。アドレス電極ADRの波形に示される2回目のアドレスパルスは、偶数行のセルを選択するために印加される(図7(d))
サステイン期間SUSでは、負および正の第1維持パルスが、維持電極Xおよび走査電極Yにそれぞれ印加される(図7(e))。これにより、点灯したセルの放電状態が維持される。この後、互いに極性の異なる維持パルスが、維持電極Xおよび走査電極Yに繰り返して印加され、サステイン期間SUSに点灯したセルの放電が繰り返し行われる(図7(f))。
【0021】
消去期間ERSでは、負の消去前パルスと高電圧の消去前パルスが、維持電極Xおよび走査電極Yにそれぞれ印加される(図7(g))。これにより、壁電荷が、維持電極Xおよび走査電極Yに蓄積される。この際、走査電極Yは、高電圧が印加されるため、蓄積される壁電荷の量は相対的に多くなる。次に、正の消去パルスと負の消去パルスが、維持電極Xおよび走査電極Yにそれぞれ印加される(図7(h))。これにより、弱い放電が起こり、壁電荷の量が減る。最後に、次のリセット期間RSTに移行するために、緩やかに下降する負の電圧(鈍波)が、維持電極Xに印加され、正のパルスが、走査電極Yに印加される(図7(i))。これにより、1サブフィールド期間SFが完了する。
【0022】
図8は、図1に示した光学フィルタ20の透過率とセルの発光強度の波長依存性を示している。図中の破線は、従来の特性であり、実線は、本発明の特性である。本実施形態では、図3に示したように、緑セルGCのセル幅は、従来に比べて広く設計され、赤セルRCおよび青セルBCのセル幅は、従来に比べて狭く設計される。このため、緑セルGCから発生する緑の波長帯域の発光強度は、従来に比べて高くなる。換言すれば、緑の発光強度は、光学フィルタ20の透過率を低くすることにより不足する光量を補うために、発光強度を、従来に比べてさらに高めている。赤セルRCから発生する赤の波長領域の発光強度および青セルBCから発生する青の波長領域の発光強度は、従来に比べて低くなる。緑の波長帯域の発光強度は、520nm付近にピークを有している。
【0023】
光学フィルタ20は、PDP10の発光強度に合わせて、緑の波長領域の透過率を従来に比べて下げ、赤および青の波長領域の透過率を従来に比べて上げている。具体的には、光学フィルタ20における緑の波長帯域の透過率は、緑の発光強度の最も高い520nm付近を下限とする谷状の特性を有する。これにより、PDP装置から光学フィルタ20を介して出力される光の輝度は、従来と同じに設定される。一般に、PDP装置から出力される赤、緑、青の輝度比は、全体の輝度を1とするときに、ほぼ0.3:0.6:0.1であり、緑セルGCの発光強度が最も高く、青セルBCの発光強度が最も低い。この比での色温度は、約10000K(白)になる。
【0024】
図9は、三波長蛍光灯からの光の強度の波長依存性を示している。光の強度は、蛍光灯からの光を標準反射板(白色)に照射し、その反射光を測定することにより求められる。蛍光灯から出力される緑の波長帯域において、発光強度のピークは、ほぼ540nmである。図9に示すように、室内の照明に使用される蛍光灯(外光)では、緑の輝度は、赤、青に比べて相対的に高い。光学フィルタ20は、外光の輝度が相対的に高い緑の波長領域の透過率を下げている。このため、外光の反射率を効率的に下げることができ、明室コントラストを向上できる。
【0025】
図10は、光学フィルタ20における緑の波長帯域の光の透過率と反射率との関係を示
している。図10は、従来の透過率および反射率をそれぞれ”1”にしたときの相対値を示している。このため、反射率が1より小さい領域は、明室コントラストの向上効果があることを示している。具体的には、緑セルGCの透過率が0.66以上で1より小さいとき、反射率は、従来より低くなる。また、透過率が0.7以上で0.92以下のとき、反射率を従来の95%以下にできる。透過率が0.8のときに、反射率は、最も低い0.91になる。本発明の適用により、外光の反射率を従来の91%まで下げることができる。換言すれば、本発明の適用による反射率の低減効果は、最大9%である。ALIS方式のPDPは、バス電極BEの両側に放電ギャップGAPを有するため、互いに隣接するバス電極BE間で、放電しない領域は存在しない。したがって、バス電極BEに沿っていわゆる黒帯を設けることが困難である。本発明の適用により、黒帯を設けることなく外光の反射率を効果的に低減できる。
【0026】
図11は、図10の特性を求めるための計算結果を示している。WRC、WGCおよびWBCは、赤セルRC、緑セルGCおよび青セルBCのセル幅の従来に対する比をそれぞれ示す。RPrateは、赤セルRCから発生する赤の波長帯域の透過率を示す。GPrateは、緑セルGCから発生する緑の波長領域の透過率を示す。BPrateは、青セルBCから発生する青の波長領域の透過率を示す。各セルRC、GC、BCにおいて、セル幅と透過率の積を常に”1”にすることで、PDP装置から出力される赤、緑、青の発光強度は、従来と同じになり、色温度も従来と同じになる。
【0027】
外光の反射率Rrateは、次式(1)により求まる。式中の式中の定数0.1、0.6および0.3は、PDP装置から出力される赤、緑、青の輝度比を示している。図10の特性カーブは、緑セルGCの透過率GPRateと式(1)より得られる反射率Rrateをプロットしたものである。
【0028】
Rrate=0.1×RPrate2+0.6×GPrate2+0.3×BPrate2 ……(1)
以上、第1の実施形態では、発光強度が相対的に最も高い緑セルGCから発生する緑の光の透過率を、他の色の透過率より低く設定する。これにより、PDP10の前面基板16側に入射する外光の反射率を下げることができる。PDP装置が設置される室内の照明は、蛍光灯等の人工照明が使用されることが多い。一般に、人工照明では、緑の輝度は、赤、青に比べて相対的に高い。このため、特に、室内環境において、外光の反射率を効率的に下げることができ、明室コントラストを向上できる。
【0029】
また、緑セルGCの発光強度を、セル幅を広げることによりさらに高めることで、緑の光の透過率をさらに下げることができ、明室コントラストを向上できる。セル幅が相対的に狭くなり、発光強度が低下する赤セルRCおよび青セルBCに対して、赤および青の光の透過率を上げることにより、PDP装置から出力される赤、緑、青の輝度比を、従来と同じ0.3:0.6:0.1(色温度=約10000K)に保持できる。この結果、ホワイトバランスを崩すことなく、明室コントラストを向上できる。
【0030】
図12は、本発明のディスプレイ装置の第2の実施形態におけるPDP10Aの背面基板18Aを示している。第1の実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。この実施形態では、赤セルRCのセル幅W0は、従来と同じである。緑セルGCのセル幅W3は、従来より広い。青セルBCのセル幅W4は、従来より狭い。赤セルRC、緑セルGCおよび青セルBCをつなげた画素PXの幅は、従来と同じである。すなわち、青セルBCのセル幅は、緑セルGCのセル幅を広げた分だけ狭く設計される。PDP10Aのその他の構成は、図2と同じである。また、PDP10Aを除くPDP装置の構成は、図1と同じである。
【0031】
図13は、第2の実施形態の光学フィルタ(図1の符号20に対応する)の透過率とセ
ルの発光強度の波長依存性を示している。図中の破線は、従来の特性であり、実線は、本発明の特性である。この実施形態では、セル幅の狭い青セルBCの発光強度は、従来に比べて低くなる。換言すれば、青セルBCは、光学フィルタの透過率を高くすることにより過剰になる光量を下げるために、赤セルRCに比べて狭いセル幅を有する。セル幅の広い緑セルGCの発光強度は、従来に比べて高く、セル幅が従来と同じ赤セルRCの発光強度は、従来と同じである。
【0032】
光学フィルタは、PDPからの発光強度に合わせて、緑の波長領域の透過率を従来に比べて下げ、青の波長領域の透過率を従来に比べて上げている。赤の波長領域の透過率は、従来と同じである。これにより、PDP装置から光学フィルタを介して出力される赤、緑、青の光の輝度は、従来と同じになる。光学フィルタにより、輝度が相対的に高い緑の波長領域の透過率を下げることで、外光の反射率を効率的に下げることができ、明室コントラストを向上できる。
【0033】
図14は、第2の実施形態の光学フィルタにおける緑の波長帯域の光の透過率と反射率との関係を示している。図14は、上述した図10と同様に、従来の透過率および反射率をそれぞれ”1”にしたときの相対値を示している。この実施形態においても、緑セルGCの透過率が0.66以上で1より小さいときに、反射率は、従来より低くなる。また、透過率が0.68以上で0.94以下のとき、反射率を従来の95%以下にできる。透過率が0.78のときに、反射率は、最も低い0.86になる。したがって、本発明の適用により、反射率を従来の86%まで下げることができる。換言すれば、本発明の適用による反射率の低減効果は、最大14%である。
【0034】
図15は、図14の特性を求めるための計算結果を示している。各パラメータの符号の意味は、図11と同じである。外光の反射率Rrateは、上述した式(1)により求まる。
【0035】
以上、第2の実施形態においても、上述した第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、この実施形態では、発光強度をセル幅により調整し、緑セルGCのセル幅の増加量は、発光強度の比が最も低い青セルBCのセル幅の減少量と等しくされる。これにより、青セルBCの発光強度の低下に伴い、青の波長領域の透過率を上げる場合にも、透過率の上昇が反射率に与える影響を最小限にできる。この結果、第1の実施形態に比べて、外光の反射率をさらに下げることができ、明室コントラストを従来に比べて大幅に向上できる。
【0036】
赤セルRCの発光強度を従来と同じにすることで、光学フィルタの設計において、赤の波長領域を考慮する必要がなくなり、設計効率を向上できる。
【0037】
図16は、本発明のディスプレイ装置の第3の実施形態におけるPDP10Bを示している。第1の実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。この実施形態では、緑セルGCの透明電極TEの面積が、他のセルの透明電極の面積に比べて大きく設計されている。赤セルRCおよび青セルBCの透明電極の面積は、従来と同じである。このため、緑セルGCの発光強度は、従来に比べて高くなり、赤セルRCおよび青セルBCの発光強度は、従来と同じである。
【0038】
赤セルRC、緑セルGCおよび青セルBCのセル幅W0は、全て従来と同じである。したがって、赤セルRC、緑セルGCおよび青セルBCをつなげた画素PXの幅は、従来と同じである。PDP10Bのその他の構成は、図2と同じである。また、PDP10Bを除くPDP装置の構成は、図1と同じである。
【0039】
図17は、第3の実施形態の光学フィルタ(図1の符号20に対応する)の透過率とセ
ルの発光強度の波長依存性を示している。図中の破線は、従来の特性であり、実線は、本発明の特性である。この実施形態では、電極面積の広い緑セルGCの発光強度は、従来に比べて高くなり、電極面積が従来と同じ赤セルRCおよび青セルBCの発光強度は、従来と同じである。
【0040】
光学フィルタは、PDPの発光強度に合わせて、緑の波長領域の透過率を従来に比べて下げ、赤、青の波長領域の透過率を従来と同じに設定している。これにより、PDP装置から光学フィルタを介して出力される赤、緑、青の光の輝度は、従来と同じになる。光学フィルタにより、輝度が相対的に高い緑の波長領域の透過率を下げることで、外光の反射率を効率的に下げることができ、明室コントラストを向上できる。
【0041】
以上、第3の実施形態においても、上述した第1および第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、この実施形態では、透明電極TEの面積に応じて発光強度を調整するため、透明電極TEのフォトマスクのみ変更することで、外光の反射率の低いPDP10Bを製造できる。隔壁18dの間隔は、従来と同じである。この結果、製造工程を変更を最小限にして、外光の反射率を効率的に下げることができ、明室コントラストを向上できる。
【0042】
赤セルRCおよび青セルBCの発光強度を従来と同じにすることで、光学フィルタの設計において、赤および青の波長領域を考慮する必要がなくなり、設計効率をさらに向上できる。
【0043】
図18は、本発明のディスプレイ装置の第4の実施形態におけるPDP10Cの背面基板18Cを示している。第1の実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。この実施形態では、赤セルRC、緑セルGCおよび青セルBCのセル幅W0は、従来と同じである。緑セルGCの蛍光体層18fの厚さは、従来に比べて厚く、赤セルRCおよび青セルBCの蛍光体層18e、18gの厚さは、従来と同じである。PDP10Cのその他の構成は、図2と同じである。また、PDP10Cを除くPDP装置の構成は、図1と同じである。
【0044】
この実施形態では、蛍光体層が厚い緑セルGCの発光強度のみが、従来に比べて相対的に高くなる。光学フィルタ(図1の符号20に対応する)の透過率は、緑セルGCから発生する緑の波長領域のみが低く設定されている。これにより、フィルタの透過率とセルの発光強度の波長依存性は、図17とほぼ同じになる。
【0045】
以上、第4の実施形態においても、上述した第1、第2および第3の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、この実施形態では、緑セルGCの蛍光体層18fを厚くすることにより発光強度を調整するため、蛍光体18fの塗布工程における蛍光体18fの濃度を変更するだけで、外光の反射率の低いPDP10Cを製造できる。この結果、製造工程を変更を最小限にして、外光の反射率を効率的に下げることができ、明室コントラストを向上できる。
【0046】
図19は、本発明のディスプレイ装置の第5の実施形態における光学フィルタ(図1の符号20に対応する)の透過率とセルの発光強度の波長依存性を示している。この光学フィルタでは、緑の波長帯域の透過率は、図9に示した蛍光灯から出力される緑の発光強度が最も高い540nmに下限を有する谷状の特性を有する。なお、透過率特性は、緑の波長帯域において、530−550nmの範囲の少なくともいずれかに下限を有する谷状にすることが望ましい。これにより、蛍光灯の発光強度が最も高い540nm近傍において、外光の反射率を効率的に低減できる。光学フィルタのその他の特性は、第2の実施形態(図13)と同じである。また、光学フィルタを除く構成は、第2の実施形態と同じであ
る。すなわち、この実施形態のディスプレイ装置は、プラズマディスプレイパネル装置である。
【0047】
以上、第5の実施形態においても、上述した第1および第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、この実施形態では、蛍光灯から出力される緑の発光強度が最も高い540nm近傍の光の透過率を最も低くすることで、蛍光灯(外光)の反射率をさらに下げることができ、明室コントラストを従来に比べて大幅に向上できる。
【0048】
図20は、本発明のディスプレイ装置の第6の実施形態を示している。この実施形態のディスプレイ装置は、プラズマディスプレイパネル装置として構成されている。第1の実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。この実施形態のPDP装置は、第1の実施形態の光学フィルタ20の代わりに光学フィルタ20Dを有している。光学フィルタ20Dは、PDP10の前面基板16の表面に貼付され、PDP10と一体化されている。その他の構成は、第1の実施形態(図1)と同じである。以上、第6の実施形態においても、上述した第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0049】
図21は、本発明のディスプレイ装置の第7の実施形態を示している。この実施形態のディスプレイ装置は、プラズマディスプレイパネル装置として構成されている。第1の実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。この実施形態のPDP装置では、PDP10Eの前面基板16Eは、第1の実施形態の光学フィルタ20の機能を有している。具体的には、前面基板16Eのガラス基材16a(図2)が光学フィルタ20Eとして機能する。その他の構成は、第1の実施形態(図1)と同じである。以上、第7の実施形態においても、上述した第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0050】
なお、上述した第1の実施形態(図4)では、緑セルGCから発生する緑の発光強度を高くするために、緑セルGCのセル幅W1を他のセルのセル幅W2より広くする例について述べた。本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。例えば、図22、図23、図24および図25に示すように、セル幅の広い緑セルGCの透明電極TEの面積を他のセルの透明電極TEの面積より大きくすることで、緑セルGCの発光強度をさらに高くできる。この結果、光学フィルタ20の緑の波長帯域の透過率をさらに下げることが可能になり、明室コントラストをさらに向上できる。
【0051】
また、図26に示すように、緑セルGCの透明電極TEだけでなく、赤セルRCおよび青セルBCの透明電極TEの面積を大きくすることにより、赤および青の波長帯域の発光強度を高くできる。これにより、図8に示した透過率の特性および発光強度の特性を、図17に示した特性にすることができる。この結果、赤および青の波長帯域の透過率を上げる必要がなくなり、外光の反射率を十分に低減でき、明室コントラストを向上できる。
【0052】
さらに、第2の実施形態(図12)に関して、図27に示すように、セル幅W4が従来のセル幅W0に比べて狭い青セルBCにおいて、透明電極TEの面積を大きくすることにより、青セルBCの発光強度を高くできる。これにより、図13に示した透過率の特性および発光強度の特性を、図17に示した特性にすることができる。この結果、青の波長帯域の透過率を上げる必要がなくなり、外光の反射率を十分に低減でき、明室コントラストを向上できる。
【0053】
発光強度の向上は、(a)セル幅を広くすること、(b)透明電極の面積を広くすること、(c)セルの蛍光体層を厚くすることの3条件の少なくともいずれかを適用することにより実現できる。例えば、緑セルGCのセル幅を広くし、透明電極の面積を広くし、さ
らに蛍光体層18fを厚くしてもよい。
【0054】
上述した第5の実施形態(図19)では、第2の実施形態(図13)の光学フィルタの特性を変更する例について述べた。本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。例えば、第1の実施形態(図8)または第7の実施形態(図17)の光学フィルタにおいて、緑の波長帯域の透過率の特性を、蛍光灯から出力される緑の発光強度が最も高い540nmに下限を有する谷状に設計してもよい。なお、透過率特性は、緑の波長帯域において、530−550nmの範囲の少なくともいずれかに下限を有する谷状にすることが望ましい。この場合にも、蛍光灯(外光)の反射率をさらに下げることができ、明室コントラストを従来に比べて大幅に向上できる。
【0055】
上述した第6の実施形態(図20)および第7の実施形態(図21)は、第2、第3、第4の実施形態、あるいは、図22から図27に示すPDPに適用できる。
【0056】
上述した実施形態では、本発明を、プラズマディスプレイパネル装置に適用する例について述べた。本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明を、有機ELディスプレイ(organic electroluminescence display)、無機ELディスプレイ(inorganic electroluminescence display)、表面電界ディスプレイ(Surface-conduction Electron-emitter Display)、あるいは液晶ディスプレイ装置に適用しても同様の効果を得ることができる。本発明は、互いに異なる色の光を出力する複数種のセルと、セルから出力される光の波長帯域の少なくとも一部を吸収する光学フィルタとを有するディスプレイ装置に適用可能である。
【0057】
以上、本発明について詳細に説明してきたが、上記の実施形態およびその変形例は発明の一例に過ぎず、本発明はこれに限定されるものではない。本発明を逸脱しない範囲で変形可能であることは明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、画像を表示するディスプレイ装置に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明のディスプレイ装置の第1の実施形態を示す分解斜視図である。
【図2】図1に示したPDPの要部の詳細を示す分解斜視図である。
【図3】図2に示した背面基板の詳細を示す断面図である。
【図4】図2に示したPDPの要部の詳細を示す平面図である。
【図5】図1に示した回路部の概要を示すブロック図である。
【図6】1画面の画像を表示するためのフィールドFLDの構成例を示す説明図である。
【図7】サブフィールドSFの放電動作の例を示す波形図である。
【図8】図1に示した光学フィルタの透過率とセルの発光強度の波長依存性を示す特性図である。
【図9】三波長蛍光灯からの光の強度の波長依存性を示す特性図である。
【図10】光学フィルタにおける緑の波長帯域の光の透過率と反射率との関係を示す特性図である。
【図11】図10の特性を求めるための計算結果を示す説明図である。
【図12】本発明のディスプレイ装置の第2の実施形態におけるPDPの背面基板を示す断面図である。
【図13】第2の実施形態の光学フィルタの透過率とセルの発光強度の波長依存性を示す特性図である。
【図14】第2の実施形態の光学フィルタにおける緑の波長帯域の光の透過率と反射率との関係を示す特性図である。
【図15】図14の特性を求めるための計算結果を示す説明図である。
【図16】本発明のディスプレイ装置の第3の実施形態におけるPDPを示す平面図である。
【図17】第3の実施形態の光学フィルタの透過率とセルの発光強度の波長依存性を示す特性図である。
【図18】本発明のディスプレイ装置の第4の実施形態におけるPDPの背面基板を示す断面図である。
【図19】本発明のディスプレイ装置の第5の実施形態における光学フィルタの透過率とセルの発光強度の波長依存性を示す特性図である。
【図20】本発明のディスプレイ装置の第6の実施形態を示す分解斜視図である。
【図21】本発明のディスプレイ装置の第7の実施形態を示す分解斜視図である。
【図22】PDPの別の例を示す平面図である。
【図23】PDPの別の例を示す平面図である。
【図24】PDPの別の例を示す平面図である。
【図25】PDPの別の例を示す平面図である。
【図26】PDPの別の例を示す平面図である。
【図27】PDPの別の例を示す平面図である。
【符号の説明】
【0060】
10、10A、10B、10C、10E‥PDP;12‥画像表示面;14‥背面;16‥前面基板;16b‥X電極;16c‥Y電極;18、18A、18C‥背面基板;18b‥アドレス電極;18d‥隔壁;20、20D、20E‥光学フィルタ;30‥前筐体;40‥後筐体;50‥ベースシャーシ;60‥回路部;70‥両面接着シート;BC‥青セル;BE‥バス電極;GAP‥放電ギャップ;GC‥緑セル;RC‥赤セル;TE‥透明電極
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示するためにマトリックス状に配置され、互いに異なる色の光を出力する複数種のセルと、
前記セルからの光の出力側に設けられ、光強度が最も高い色のセルから出力する光の波長帯域の少なくとも一部の透過率が、他の種類のセルの波長帯域の透過率より低い光学フィルタとを備えていることを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項2】
請求項1記載のディスプレイ装置において、
光強度が最も高い色のセルは、前記光学フィルタの透過率を低くすることにより不足する光量を補うために、光強度をさらに高めていることを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項3】
請求項2記載のディスプレイ装置において、
前記複数種のセルは、赤の光を発生する赤セルと、緑の光を発生する緑セルと、青の光を発生する青セルであり、
光強度が最も高いセルは、前記緑セルであり、
前記光学フィルタは、前記緑セルから発生する緑の光の透過率が相対的に低い特性を有することを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項4】
請求項3記載のディスプレイ装置において、
前記光学フィルタにおける前記緑セルが発生する光の波長帯域の透過率は、前記赤セルが発生する光の波長帯域の透過率の0.66以上であり、かつ1より小さいことを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項5】
請求項3記載のディスプレイ装置において、
光強度が最も高いセルは、他のセルに比べて広いセル幅を有することを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項6】
請求項3記載のディスプレイ装置において、
間隔を置いて平行に配置された複数の電極線と、
前記各セルを構成するために前記電極線に接続された一対の透明電極とを備え、
光強度が最も高いセルは、他のセルに比べて、前記透明電極の面積が大きいことを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項7】
請求項3記載のディスプレイ装置において、
前記各セルは、表面に形成された蛍光体層を有し、
光強度が最も高いセルは、他のセルに比べて、蛍光体層が厚いことを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項8】
請求項3記載のディスプレイ装置において、
前記各セルを構成するために前記電極線に接続された一対の透明電極とを備え、
前記各セルは、表面に形成された蛍光体層を有し、
前記各セルは、互いに対向する一対の透明電極と、表面に形成された蛍光体層とを有し、
光強度が最も高いセルは、(a)セル幅が他のセルに比べて広い、(b)前記透明電極の面積が他のセルに比べて大きい、(c)蛍光体層が他のセルに比べて厚いの3条件のうち、少なくとも2条件を含むことを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項9】
請求項3記載のディスプレイ装置において、
光強度が最も低いセルは、前記青セルであり、
前記光学フィルタは、前記青セルから発生する光の透過率が、前記赤セルから発生する光の透過率より高い特性を有し、
前記青セルは、前記光学フィルタの透過率を高くすることにより過剰になる光量を下げるために、前記赤セルに比べて狭いセル幅を有することを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項10】
請求項9記載のディスプレイ装置において、
前記光学フィルタにおける前記緑セルが発生する光の波長帯域の透過率は、前記赤セルが発生する光の波長帯域の透過率の0.66以上であり、かつ1より小さいことを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項11】
請求項1記載のディスプレイ装置において、
前面基板と、
前記前面基板に対向して設けられる背面基板とを備え、
前記セルは、前面基板と背面基板との間に形成され、
前記光学フィルタは、前記前面基板の表面側に、前記前面基板と離れた位置に配置されることを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項12】
請求項1記載のディスプレイ装置において、
前面基板と、
前記前面基板に対向して設けられる背面基板とを備え、
前記セルは、前面基板と背面基板との間に形成され、
前記光学フィルタは、前記前面基板の表面に貼付されることを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項13】
請求項1記載のディスプレイ装置において、
前記光学フィルタの機能を有する前面基板と、
前記前面基板に対向して設けられる背面基板とを備え、
前記セルは、前面基板と背面基板との間に形成されていることを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項14】
請求項1記載のディスプレイ装置において、
間隔を置いて平行に配置された複数の電極線と、
前記各セルを構成するために前記電極線に接続され、放電により光を発生するための放電ギャップを有する一対の透明電極とを備え、
前記放電ギャップは、前記電極線の両側に設けられていることを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項15】
請求項1記載のディスプレイ装置において、
光強度が最も高いセルは、緑の光を発生する緑セルであり、
前記光学フィルタにおける緑の波長帯域の透過率は、光の波長の540nm近傍に下限を有する谷状の特性を有することを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項1】
画像を表示するためにマトリックス状に配置され、互いに異なる色の光を出力する複数種のセルと、
前記セルからの光の出力側に設けられ、光強度が最も高い色のセルから出力する光の波長帯域の少なくとも一部の透過率が、他の種類のセルの波長帯域の透過率より低い光学フィルタとを備えていることを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項2】
請求項1記載のディスプレイ装置において、
光強度が最も高い色のセルは、前記光学フィルタの透過率を低くすることにより不足する光量を補うために、光強度をさらに高めていることを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項3】
請求項2記載のディスプレイ装置において、
前記複数種のセルは、赤の光を発生する赤セルと、緑の光を発生する緑セルと、青の光を発生する青セルであり、
光強度が最も高いセルは、前記緑セルであり、
前記光学フィルタは、前記緑セルから発生する緑の光の透過率が相対的に低い特性を有することを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項4】
請求項3記載のディスプレイ装置において、
前記光学フィルタにおける前記緑セルが発生する光の波長帯域の透過率は、前記赤セルが発生する光の波長帯域の透過率の0.66以上であり、かつ1より小さいことを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項5】
請求項3記載のディスプレイ装置において、
光強度が最も高いセルは、他のセルに比べて広いセル幅を有することを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項6】
請求項3記載のディスプレイ装置において、
間隔を置いて平行に配置された複数の電極線と、
前記各セルを構成するために前記電極線に接続された一対の透明電極とを備え、
光強度が最も高いセルは、他のセルに比べて、前記透明電極の面積が大きいことを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項7】
請求項3記載のディスプレイ装置において、
前記各セルは、表面に形成された蛍光体層を有し、
光強度が最も高いセルは、他のセルに比べて、蛍光体層が厚いことを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項8】
請求項3記載のディスプレイ装置において、
前記各セルを構成するために前記電極線に接続された一対の透明電極とを備え、
前記各セルは、表面に形成された蛍光体層を有し、
前記各セルは、互いに対向する一対の透明電極と、表面に形成された蛍光体層とを有し、
光強度が最も高いセルは、(a)セル幅が他のセルに比べて広い、(b)前記透明電極の面積が他のセルに比べて大きい、(c)蛍光体層が他のセルに比べて厚いの3条件のうち、少なくとも2条件を含むことを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項9】
請求項3記載のディスプレイ装置において、
光強度が最も低いセルは、前記青セルであり、
前記光学フィルタは、前記青セルから発生する光の透過率が、前記赤セルから発生する光の透過率より高い特性を有し、
前記青セルは、前記光学フィルタの透過率を高くすることにより過剰になる光量を下げるために、前記赤セルに比べて狭いセル幅を有することを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項10】
請求項9記載のディスプレイ装置において、
前記光学フィルタにおける前記緑セルが発生する光の波長帯域の透過率は、前記赤セルが発生する光の波長帯域の透過率の0.66以上であり、かつ1より小さいことを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項11】
請求項1記載のディスプレイ装置において、
前面基板と、
前記前面基板に対向して設けられる背面基板とを備え、
前記セルは、前面基板と背面基板との間に形成され、
前記光学フィルタは、前記前面基板の表面側に、前記前面基板と離れた位置に配置されることを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項12】
請求項1記載のディスプレイ装置において、
前面基板と、
前記前面基板に対向して設けられる背面基板とを備え、
前記セルは、前面基板と背面基板との間に形成され、
前記光学フィルタは、前記前面基板の表面に貼付されることを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項13】
請求項1記載のディスプレイ装置において、
前記光学フィルタの機能を有する前面基板と、
前記前面基板に対向して設けられる背面基板とを備え、
前記セルは、前面基板と背面基板との間に形成されていることを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項14】
請求項1記載のディスプレイ装置において、
間隔を置いて平行に配置された複数の電極線と、
前記各セルを構成するために前記電極線に接続され、放電により光を発生するための放電ギャップを有する一対の透明電極とを備え、
前記放電ギャップは、前記電極線の両側に設けられていることを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項15】
請求項1記載のディスプレイ装置において、
光強度が最も高いセルは、緑の光を発生する緑セルであり、
前記光学フィルタにおける緑の波長帯域の透過率は、光の波長の540nm近傍に下限を有する谷状の特性を有することを特徴とするディスプレイ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【公開番号】特開2008−3508(P2008−3508A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−175672(P2006−175672)
【出願日】平成18年6月26日(2006.6.26)
【出願人】(599132708)富士通日立プラズマディスプレイ株式会社 (328)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月26日(2006.6.26)
【出願人】(599132708)富士通日立プラズマディスプレイ株式会社 (328)
【Fターム(参考)】
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