説明

デジタルチューナ

【課題】現在、BSやCSなど放送波の多様化に伴い、これを受信するTV受信機はそれ自身に、各放送波に応じたアンテナ端子を備えるとともに、各放送波に応じた複数のチューナを搭載することが一般的となっている。したがって、TV受信機などは少なくとも受信しようとする放送波の数だけチューナ等を備える必要がある。
【解決手段】そこで、受信した放送波の種類に対応した周波数帯にデジタルチューナの受信周波数帯を変更可能とし、放送波の種類の数だけチューナを搭載しなくともよい受信装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信する放送波に応じて受信周波数帯域の設定を可変的に変更するチューナを利用した受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、BSやCSなど放送波の多様化に伴い、これを受信するTV受信機はそれ自身に、各放送波に応じたアンテナ端子を備えるとともに、各放送波に応じた複数のチューナを搭載することが一般的となっている。
【0003】
したがって、TV受信機などは少なくとも受信しようとする放送波の数だけチューナ等を備える必要があり、さらに最近では裏録(視聴しているチャンネルの裏番組の録画をする技術)するために各放送波の倍の数のチューナ等を備える場合もあり、受信装置の薄型化や軽量化、さらにはコストダウンが困難であった。
【0004】
そこで、特許文献1に記載のような技術が提供されている。具体的には、あらかじめ全受信周波数帯を複数の部分周波数帯に分割し、分割された部分周波数毎に専用の受信回路ブロックを備え、受信する周波数帯に応じて専用の受信回路ブロックの切換を行う技術である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許3375278号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載の発明では部分周波数帯毎に受信回路ブロックを備える必要があるため、薄型化や軽量化さらにはコストダウンにはまだ課題がある。
【0007】
ところで、近年デジタル技術の進歩によって、チューナ等もデジタル化が進んでおり、
デジタルチューナが開発されている。デジタルチューナは、デジタルチューナに実装されているソフトウェアを変えることで、同一のデジタルチューナで異なる種類の放送波を受信することが可能であるという特徴を備える機器である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、上記デジタルチューナの特徴を利用し、受信した放送波の種類に対応した周波数帯にデジタルチューナの受信周波数帯を変更可能とし、放送波の種類の数だけチューナを搭載しなくともよい受信装置を提供する。具体的には、以下のような受信装置である。
【0009】
第1発明では、受信すべき放送波の種類を取得する取得部と、放送波の種類に対応した複数のアンテナ端子と放送波の種類に応じた周波数帯の処理が可能な可変処理手段を有するチューナ部と、取得部にて取得された受信すべき放送波の種類に応じてチューナ部の可変処理手段で処理する周波数帯を制御する第一制御部と、取得された放送波の種類に対応して一のアンテナ端子からの信号を選択しチューナ部に対して出力する切換部と、を備える受信装置を提供する。
【0010】
第2発明では、第1発明を基本として各アンテナ端子に接続され、各アンテナ端子からの放送波の種類に対応して備えられる複数の前段処理部をさらに有し、切換部は、取得された放送波の種類に対応して一の前段処理部を選択することで一のアンテナ端子からの信号を選択する前段部選択手段を有する受信装置を提供する。
【0011】
第3発明では、第1発明または第2発明の受信装置と、第1発明または第2発明の受信装置からの出力を受けて映像処理を行う映像処理部と、映像処理部からの出力によって映像を表示する表示部と、を有する映像装置を提供する。
【0012】
第4発明では、放送波の種類を指定しない複数のアンテナ端子と、各アンテナ端子に接続され、放送波の種類に応じた周波数帯の処理が可能な可変処理手段を有するチューナ部と、アンテナ端子を介してチューナ部に入力される信号の放送波の種類を識別する放送波種類識別部と、放送波種類識別部で識別された放送波の種類に対応する周波数帯の処理が可能となるようにその信号が入力されるチューナ部の可変処理手段を制御する第二制御部と、を有する受信装置を提供する。
【0013】
第5発明では、第4発明を基本として、各アンテナ端子とチューナ部との間にアンプのON/OFF、アッテネータのON/OFF、周波数フィルタのON/OFFのいずれか一以上を放送波の種類に応じて変更可能なON/OFF手段を有する前段処理部と、放送波種類識別部で識別された放送波の種類に対応する周波数帯の処理が可能となるようにその信号が入力されるチューナ部に対応する前段処理部のON/OFF手段を制御する第三制御部と、を有する受信装置を提供する。
【0014】
第6発明では、第4発明または第5発明の受信装置と、第4発明または第5発明の受信装置からの出力を受けて映像処理を行う映像処理部と、映像処理部からの出力によって映像を表示する表示部と、を有する映像装置を提供する。
【発明の効果】
【0015】
以上のような構成を採る本発明によって、受信機が備えているチューナ自身の受信周波数帯を受信すべき放送波の周波数に変更する制御をすることで、単一のチューナで異なる放送波の受信をすることが可能となる。したがって、従来であれば受信すべき放送波の数だけチューナが必要であったところが、必要最低限のチューナを備えるだけで従来のチューナと同様の機能を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施例1の受信装置の概要を説明するための概略図
【図2】実施例1の受信装置における機能的要件の一例を示した図
【図3】実施例1の受信装置における取得部が取得する放送波の種類を示したデータの一例を示した図
【図4】放送波の種類とその周波数帯の一例を示した図
【図5】実施例1の受信装置における取得部で取得した受信すべき放送波の種類に応じてチューナ部で処理する周波数帯を制御するためのプログラムの一例を示した図
【図6】実施例1の受信装置が備える複数の各アンテナ端子にどの放送波を受信するかを示した図
【図7】実施例1の受信装置が前段処理部を備え、前段処理部の選択機能を備える場合における機能的要件の一例を示した図
【図8】実施例1の受信装置において切換部が取得部で取得された放送波の種類に応じて前段部選択手段が前段処理部の切換えを行う過程を説明するための図
【図9】実施例1の受信装置を備えた映像装置における機能的要件の一例を示した図
【図10】実施例1の受信装置におけるハードウェア構成の一例を示した図
【図11】実施例1の受信装置が前段処理部と前段処理部の選択を行う機能を有する場合におけるハードウェア構成の一例を示した図
【図12】実施例1の受信装置を備える映像装置のハードウェア構成の一例を示した図
【図13】実施例1の受信装置において放送波の切換命令を受けてから、受信すべき放送波を受信しているアンテナ端子を選択して切換えを行うとともに、チューナの受信周波数帯を受信すべき放送波の周波数帯に切換えを行うまでの流れの一例を表すフローチャート
【図14】実施例1の受信装置において放送波の切換命令を受けてから、受信すべき放送波を処理している前段処理部を選択して切換えを行うとともに、チューナの受信周波数帯を受信すべき放送波の周波数帯に切換えを行うまでの流れの一例を表すフローチャート
【図15】実施例1の受信装置を備える映像装置における受信装置から送信される映像信号を表示するまでの流れの一例を表すフローチャート
【図16】実施例2の受信装置の概要を説明するための図
【図17】実施例2の受信装置における機能的要件の一例を示した図
【図18】実施例2の受信装置におけるアンテナ端子が受信した放送波を識別するためのプログラムの一例を示した図
【図19】実施例2の受信装置における識別した放送波の種類に応じてこれに対応するチューナ部に対して自身が処理する可能な受信周波数帯を制御するためのプログラムの一例を示した図
【図20】実施例2の受信装置が前段処理部およびON/OFF手段を備える場合の機能的要件の一例を示した図
【図21】実施例2の受信装置において識別された放送波の種類に応じて前段処理部のON/OFF手段を制御する仕組みを説明するための図
【図22】実施例2の受信装置を備えた映像装置における機能的要件の一例を示した図
【図23】実施例2の受信装置におけるハードウェア構成の一例を示した図
【図24】実施例2の受信装置が前段処理部を備えるとともに識別された放送波の種類に応じて前段処理部を制御する機能をさらに有する場合におけるハードウェア構成の一例を示した図
【図25】実施例2の受信装置における放送波の受信を検知してから、受信した放送波の種類を識別し、チューナの受信周波数帯を識別した放送波の種類に対応した周波数帯に切換えを行うまでの流れの一例を表すフローチャート
【図26】実施例2の受信装置における放送波の受信を検知してから、受信した放送波の種類を識別し、チューナの受信周波数帯を識別した放送波の種類に対応した周波数帯に切換えを行うとともに、その放送波に対応した前段処理部の制御を行うまでの流れの一例を表すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、図を用いて本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明はこれら実施の形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施しうる。
【0018】
なお、実施例1にて、主に請求項1、2、3について説明する。また、実施例2にて、主に請求項4、5、6について説明する。
【0019】
≪実施例1≫
【0020】
<概要>
本実施例の受信装置は、図1に示すように受信すべき放送波の種類を取得し、取得した放送波の種類に応じた周波数帯にチューナの受信周波数帯を制御するとともに、取得した放送波の種類に応じたアンテナ端子を選択し、チューナに受信した放送波を送信する受信装置(0101)である。
【0021】
<機能的構成>
【0022】
以下に記載する本実施例の機能ブロックは、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェア及びソフトウェアの両方として実現され得る。具体的には、コンピュータを利用するものであれば、CPUや主メモリ、バスあるいは二次記憶装置(ハードディスクや不揮発性メモリ)、それらのハードウェアを制御するためのドライバプログラムやその他アプリケーションプログラムなどがあげられる。
【0023】
またこれらのハードウェアやソフトウェアは、主メモリ上に展開したプログラムをCPUで演算処理したり、メモリやハードディスク上に保持されているデータや、インターフェースを介して入力されたデータなどを加工、蓄積、出力処理したり、あるいは各ハードウェア構成部の制御を行ったりするために利用される。また、この発明は装置として実現できるのみでなく、方法としても実現可能である。また、このような発明の一部をソフトウェアとして構成することができる。さらに、そのようなソフトウェアをコンピュータに実行させるために用いるソフトウェア製品、及び同製品を固定した記録媒体も、当然この発明の技術的な範囲に含まれる。(本明細書の全体を通じて同様である)
【0024】
図2は、本実施例の受信装置における機能的構成の一例を表す図である。本実施例の受信機(0201)は、「取得部」(0202)と、「アンテナ端子」(0203)と、「チューナ部」(0204)と、「可変処理手段」(0205)と、「第一制御部」(0206)と、「切換部」(0207)とを有している。
【0025】
「取得部」(0202)は、受信すべき放送波の種類を取得する。具体的には、受信装置が受信しチューナを介して出力すべき放送波の種類を取得する。たとえば視聴者が見たい番組を探すためにチャンネル切り替えボタン(放送波の種類を切り替えるボタンも含む)を押すことで放送波の種類が変更されるような場合にまず、チャンネルの切り替えボタンの操作に応じて放送波の種類が取得される場面で行われる処理を担う。取得した放送波の種類は、後に詳述する「第一制御部」(0206)及び「切換部」(0207)において、チューナ部の受信周波数の切換え及び取得した放送波を受信しているアンテナ端子を選択する動作(処理)に利用される。ここで、放送波とは、あらかじめチャンネルごとに定められて割り当てられている周波数帯の集合で構成される周波数帯域分の電波のことである。具体的には、UHFに割り当てられている放送波、VHFに割り当てられている放送波、BSに割り当てられている放送波、CSに割り当てられている放送波など(図4参照)である。
【0026】
図3は実際に取得部が取得する放送波の種類を示したデータの一例を示した図である。本例では、取得するデータをXMLとして記載したものである。本データは、「放送波」に対して、「分類」(本例では、「BS」)が関連付けられたデータとなっている。なお、本データ例は、その一例として「BS放送」を示している。
【0027】
ここで、本例のデータでは、「放送波」に「分類」を含む構成としたが実際にはそれだけに限定されない。例えば、受信すべき放送波が受信しているアンテナ端子がわかっている場合には「分類」に代わって「アンテナ端子のID」であってもよい。さらには、本例のデータに「チャンネル番号」、「物理チャンネル番号」など他の項目が含まれていてもよい。
【0028】
また、放送波の種類を取得する方法は、受信装置が受信装置に接続されたTV装置などが取得した放送波の種類を間接的に取得する構成としてもよいし、受信装置自身が放送波の種類を直接的に取得する構成であってもよい。前者の場合には、本実施例の受信装置若しくは取得部は、Blu−ray(登録商標)ドライブやTV装置などの外部機器から間接的に放送波の種類を取得するための「外部接続端子」を備える構成であるのが好ましい。また、後者である場合には本実施例の受信装置若しくは取得部が、放送波の種類を直接的に取得するための「リモコン信号受信ユニット」を備える構成であるのが好ましい。
【0029】
「アンテナ端子」(0203)は、放送波の種類に対応して備えられる。具体的には、アンテナからの放送波を受けるため端子である。例えば、受信機本体に備えられた複数の放送波(例えば、BS、CS、CATV)を受信するための複数のRF端子などの高周波を扱うアンテナ端子である。
【0030】
「チューナ部」(0204)は、放送波の種類に応じた周波数帯の処理が可能な「可変処理手段」を有するチューナである。具体的には、後に詳述する「第一制御部」(0206)からの命令に基づいて自身が処理可能な周波数帯に受信周波数帯を変更可能なチューナである。
【0031】
「可変処理手段」(0205)は、放送波の種類に応じた周波数帯の処理を行う。具体的には、後に詳述する「第一制御部」(0206)からの命令に基づいてチューナ部が処理可能な受信周波数帯を変更する。
【0032】
図4は、実際に可変処理手段が第一制御部からの命令に基づいて切換可能な放送波の種類とその周波数帯の一例を示した図である。本図には、それぞれ放送波の種類に応じた周波数帯を示したものである。たとえば、UHF(地上波デジタル/地上アナログUHF)バンドであれば、「470MHz〜770MHz」という具合である。このように、本実施例の可変処理手段は、第一制御部からの命令に基づき、本図のような単一の周波数帯(例えば「BS」の周波数帯)若しくは複数の種類(例えば、UHF、VHF、BSで区別される周波数帯)で構成される周波数帯にチューナの受信周波数帯を切換える。
【0033】
本実施例の可変処理手段は、例えばチューナに実装されているチューナを制御するためのプログラムを入れ替える(地上波デジタル用プログラムからBS用プログラムに入れ替えるなど)ことで、チューナ自身の受信周波数帯の切換が実現される。このように本発明は、チューナに実装されている信号処理プログラムを放送波の種類に応じて入れ替えることによって、単一のチューナで異なる放送波を受信することが可能となる。さらには、チューナに複数のチューナを制御するためのプログラムを保持しておき、受信した放送波の種類に対応するプログラムを選択(切換)する構成であってもよい。
【0034】
「第一制御部」(0206)は、取得部で取得された受信すべき放送波の種類に応じてチューナ部の可変処理手段で処理する周波数帯を制御する。具体的には、前記「取得部」(0202)で取得された放送波の種類に応じて前記「チューナ部」(0204)に対して、チューナ部が処理可能な受信周波数帯に切換えを行うための命令を伝達する。
【0035】
図5は、実際に取得部で取得した受信すべき放送波の種類に応じてチューナ部で処理する周波数帯を制御するためのプログラムの一例を示したものである。なお、本図に記載のプログラムは重要な処理を簡易的に示したものであり、実際にはコーディングを行う際に使用する言語やプログラマの書き方によって異なる。また、基板(回路)として実現されていても何ら問題ない。以下に本図に記載のプログラム例について説明する。
【0036】
ここで、放送波の切換が行われるとする(例えば、UHF/VHFからBSに切換えるなど)。放送波切換命令を取得(図5Line40)すると、取得した放送波切換命令から、放送波の種類を取得する(図5Line70)。放送波の種類を取得すると、放送波の種類に応じた周波数ID(IDには周波数そのものも含まれる)をチューナ部に引き渡す(図5Line90)。
【0037】
ここで、本例では取得した放送波に対応する周波数帯を特定する処理として次のような処理が含まれるのが好ましい。例えば、図4に示すような、放送波の種類に周波数帯を関連付けた情報(テーブル)を保持しておき、第一制御部が取得部から取得する放送波の種類に応じて周波数を取得する(例えば取得部が図3に示すような「分類:BS」、への切換命令を受けた場合に、「分類:BS」に関連付けられた「11.71GHz〜12.00GHz」という値を特定するという処理である。この場合には、本実施例の「受信装置」が「切換分類保持手段」を備え、「第一制御部」が「切換分類取得手段」を備える構成などが考えられる。
【0038】
「切換部」(0207)は、取得された放送波の種類に対応して一のアンテナ端子からの信号を選択しチューナ部に対して出力する機能を有する。具体的には、前記「取得部」(0202)で取得された放送波の種類に応じた信号を受信している前記「アンテナ端子」(0203)を選択してラインの切換えを行い、選択されたアンテナ端子が受信している信号を「チューナ部」(0204)へ出力する。
【0039】
図6などを用いて、実際に切換部が取得部で取得された放送波の種類に応じて切換えを行う過程を説明する。図6は、受信装置が備える複数の各アンテナ端子にどの放送波を受信するかを示している。なお、これらのアンテナ端子と受信可能な放送波の種類の割り当ては、本実施例ではあらかじめ定められたものである。
【0040】
ここで、図3に示すような切換えを行うための情報を取得部が取得し、取得した放送波の種類(本例では、「分類:BS」)を受けたとする。情報を受けると切換部は、受けた放送波の種類に該当するアンテナ端子の選択を行う(本例では「分類:BS」に該当する端子2が選択される)。そして、選択されたアンテナ端子(本例では端子2)が受信している放送波(本例ではBS)を前記「チューナ部」に出力を行う。
【0041】
≪前段処理部と前段処理部の選択≫
【0042】
本実施例は、各アンテナ端子に接続され、各アンテナ端子からの放送波の種類に対応して備えられる前段処理部を備えると共に、切換部は、取得された放送波の種類に対応した前段処理部を選択する機能を備える構成であってもよい。
【0043】
この場合には、図7に示すように本実施例の「受信装置」(0701)が前段処理部(0708)を備え、「切換部」(0707)が、「前段部選択手段」(0709)を備える構成が考えられる。以下にこの場合における新たに有することとなる構成について説明する。
【0044】
「前段処理部」(0708)は、各アンテナ端子に接続され、各アンテナ端子からの放送波の種類に対応して備えられている複数の処理部である。具体的には、受信した電波が適切な範囲の信号レベルでない場合にこれを適切な範囲の信号レベルに調整するためのアンプやアッテネータやフィルタなどの機器である。
【0045】
これらの機器は、各アンテナ端子に接続されている電波を受信する際、若しくはアンテナを設置の際に個々のアンテナで電波の状態を測定し、VHF/UHF/BSそれぞれの電波が適正な電波レベル(定格出力)で受信できるように必要に応じて調整・設置(起動)される。
【0046】
「前段部選択手段」(0709)は、取得された放送波の種類に対応して一の前段処理部を選択することで一のアンテナ端子からの信号を選択する。具体的には、前記「取得部」が取得した放送波の種類に対応した周波数の放送波(電波)に基づく信号を出力する前段処理部を選択し、前段処理部が出力する放送波をチューナ部へ出力する。
【0047】
図8などを用いて、実際に切換部が取得部で取得された放送波の種類に応じて前段部選択手段が前段処理部の切換えを行う過程を説明する。図8は、受信機が備える複数の前段処理部(アンテナ端子)のいずれにどの放送波が受信するかを示している。なお、これらのアンテナ端子と受信可能な放送波の種類の割り当ては、本実施例ではあらかじめ定められたものである。
【0048】
ここで、図3に示すような切換えを行うための情報を取得部が取得し、取得した放送波の種類(本例では、「分類:BS」)を受けたとする。情報を受けると前段部選択手段は、受けた放送波の種類に該当する前段処理部の選択を行う(本例では「分類:BS」に該当する前段処理部2が選択される)。そして、選択された前段処理部(本例では前段処理部2)が受信している放送波(本例ではBS)を前記「チューナ部」に出力を行う。
【0049】
≪実施例1に記載の受信装置を備えた映像装置≫
【0050】
本実施例の受信機は、映像装置に備えられる構成であってもよい。この場合には、図9に示すように映像装置(0910)は、本実施例の「受信機」(0901)が備えられるとともに、「映像処理部」(0911)、「表示部」(0912)を備える構成が考えられる。以下にこの場合における新たに有することとなる構成について説明する。
【0051】
「映像処理部」(0911)は、受信装置からの出力を受けて映像処理を行う機能を有する。具体的には、チューナ部から出力される信号を変換・復号等の処理を加え後に詳述する「表示部」で表示できる映像信号にする処理を行う。
【0052】
ここで、映像処理(映像信号にする処理)とは例えば、チューナ部から出力される信号をデジタル信号に変換し、OFDM復調を行い、MPEG2復号しデジタルビデオ信号を出力したうえでこれをアナログビデオ信号に変換する一連の処理や、後に詳述する「表示部」で出力できる形式(画質調整、画面サイズに画像サイズの調整など)に調整する処理である。
【0053】
「表示部」(0912)は、映像処理部からの出力によって映像を表示する機能を有する。具体的には、CRTディスプレイや、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどの映像装置に備えられているディスプレイである。
【0054】
ここで、本実施例における表示部は、プロジェクタとしてスクリーンに投影する機能を備えていてもよい。この場合には、「表示部」が「スクリーン投影手段」を備える構成が考えられる。
【0055】
<ハードウェア的構成>
【0056】
図10は、本実施例の受信装置におけるハードウェア構成の一例を表す概念図である。この図を利用して、本実施例の受信装置におけるそれぞれのハードウェア構成部の働きについて説明する。
【0057】
この図にあるように、本実施例の「受信装置」(1001)は、外部に接続されたアンテナと接続するための「アンテナ端子」(1002)や、チューナに接続するアンテナ端子の切換えをおこなう「切換スイッチ」(1003)と、受信周波数帯を可変可能な同調回路である「チューナ」(1004)と、外部から命令を受信する機能を備え、受信した命令に基づいて「切換スイッチ」(1003)及び「チューナ」(1004)に対して制御を行う「マイコン」(1005)なども備えている。また、マイコンのメモリ領域には、各種プログラムや、「アンテナ端子が受信する放送波の種類に関する情報」や、「各放送波の周波数情報」が記憶されている。
【0058】
ここで、「マイコン」(1005)が、外部より切換命令を受けたとする。マイコンは、命令を受けると「マイコン」(1005)のメモリ領域に展開されている「取得プログラム」(1006)が切換命令を取得し、メモリ領域に展開されている「第一制御プログラム」(1007)に放送波の種類に関する情報を引き渡す。
【0059】
情報を受けると「第一制御プログラム」(1007)は、まず「マイコン」(1005)のメモリ領域に記憶されている「放送波の周波数情報」から取得した放送波の種類に応じた周波数帯を取得し、「チューナ」(1004)に引き渡す処理を行う。
【0060】
次に、「第一制御プログラム」(1007)は「マイコン」(1005)のメモリ領域に記憶されている「アンテナ端子が受信する放送波の種類に関する情報」から、取得した放送波の種類の放送波を受信しているアンテナ端子(1002)を特定し、「切換スイッチ」(1003)に対して特定したアンテナ端子へ接続の切換えを行う信号を送信する処理を行う。
【0061】
「チューナ」(1004)は、「マイコン」(1005)より周波数帯の情報を受け取ると、「チューナ」(1004)自身の受信周波数帯を受け取った周波数帯に切換えを行う。
【0062】
「切換スイッチ」(1003)は、「マイコン」(1005)より切換えを行う信号を受けると、受けた信号に基づいて切換をおこなう。
【0063】
≪前段処理部と前段処理部の選択≫
【0064】
図11は、本実施例の受信装置が前段処理部と前段処理部の選択を行う機能を有する場合におけるハードウェア構成の一例を示した図である。この図を利用して、本実施例の受信装置におけるそれぞれのハードウェア構成部の働きについて説明する。
【0065】
この図にあるように、本実施例の「受信装置」(1101)は、外部に接続されたアンテナと接続するための「アンテナ端子」(1102)や、受信した放送波の増幅等を行うための「前段処理部」(1108)と、チューナに接続する前段処理部の切換えをおこなう「切換スイッチ」(1103)と、受信周波数帯を可変可能な同調回路である「チューナ」(1104)と、外部から命令を受信する機能を備え、受信した命令に基づいて「切換スイッチ」(1103)及び「チューナ」(1104)に対して制御を行う「マイコン」(1105)なども備えている。また、マイコンのメモリ領域には、各種プログラムや、「アンテナ端子が受信する放送波の種類に関する情報」や、「各放送波の周波数情報」が記憶されている。
【0066】
ここで、「マイコン」(1105)が、外部より切換命令を受けたとする。マイコンは、命令を受けると「マイコン」(1105)のメモリ領域に展開されている「取得プログラム」(1106)が切換命令を取得し、メモリ領域に展開されている「第一制御プログラム」(1107)放送波の種類に関する情報を引き渡す。
【0067】
「第一制御プログラム」(1007)は、放送波の種類に関する情報を受けると、まず、受けた放送波の種類に基づいて、「マイコン」(1105)のメモリ領域に記憶されている放送波の種類に応じた「放送波の受信周波数帯情報」を取得し、「チューナ」(1104)に取得した放送波の種類に対応した周波数帯を引き渡す処理を行う。
【0068】
次に「第一制御プログラム」(1107)は、放送波の情報を「第一制御プログラム」(1107)のサブプログラムである「前段処理部選択プログラム」(1108)に取得した放送波の種類に関する情報を引き渡す。そして、「前段処理選択プログラム」(1108)は、の「マイコン」(1105)のメモリ領域に記憶されている「前段処理部が処理する放送波の情報」から、取得した放送波の種類の放送波を処理している前段処理部(1108)を特定する。そして、「前段処理部」(1108)の特定が行われると、「切換スイッチ」(1003)に対して特定した「前段処理部」(1108)へ接続の切換えを行う信号を送信する処理を行う。
【0069】
「チューナ」(1004)は、「マイコン」(1005)より周波数帯の情報を受け取ると「チューナ」(1004)自身の受信周波数帯を受け取った周波数帯に切換えを行う。
【0070】
「切換スイッチ」(1003)は、「マイコン」(1005)より切換えを行う信号を受けると、「切換スイッチ」(1004)は、信号に基づいて接続の切換をおこなう。
【0071】
≪実施例1に記載の受信装置を備えた映像装置≫
【0072】
図12は、本実施例の受信装置を備える映像装置のハードウェア構成の一例を示した図である。この図を利用して、本実施例の映像装置におけるそれぞれのハードウェア構成部の働きについて説明する。なお、本実施例の受信装置の動作は上記で説明したのでここでは省略する。
【0073】
この図にあるように、本実施例の「映像装置」(1209)は、少なくとも本実施例の「受信装置」(1201)と、受信装置が出力した信号を映像信号に変換・復号や、画質処理などを行う「映像処理回路」(1210)と、映像信号を出力するための「画面」(1211)などを備えている。
【0074】
ここで、「映像処理回路」(1210)が「受信装置」(1209)より放送波(信号)を受信したとする。放送波(信号)を受信すると、「映像処理回路」(1210)は、例えば、信号をデジタル信号に変換し、OFDM復調を行い、MPEG2復号しデジタルビデオ信号を出力したうえでこれをアナログビデオ信号に変換するなどの処理を行うなど映像処理や画質制御処理などの処理を行う。そして、「画面」(1211)に映像の出力を行う。
【0075】
<処理の流れ>
【0076】
図13は、本実施例の受信装置における放送波の切換命令を受けてから、受信すべき放送波を受信しているアンテナ端子を選択して切換えを行うとともに、チューナの受信周波数帯を受信すべき放送波の周波数帯に切換えを行うまでの流れの一例を表すフローチャートである。図14は、本実施例の受信装置における放送波の切換命令を受けてから、受信すべき放送波を処理している前段処理部を選択して切換えを行うとともに、チューナの受信周波数帯を受信すべき放送波の周波数帯に切換えを行うまでの流れの一例を表すフローチャートである。図15は、本実施例の受信装置を備える映像装置における受信装置から送信される映像信号を表示するまでの流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、媒体に記録され、回路を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであってもかまわない。
【0077】
まず、図13に示す本実施例の受信装置における放送波の切換命令を受けてから、受信すべき放送波を受信しているアンテナ端子を選択して切換えを行うとともに、チューナの受信周波数帯を受信すべき放送波の周波数帯に切換えを行うまでの流れの一例を表すフローチャートについて説明する。
【0078】
ここで、マイコンが放送波の切換命令を取得したとする(S1301)。切換命令を取得すると、受信すべき放送波の種類を取得する(S1302)。放送波の種類を取得すると、受信すべき放送波を受信しているアンテナ端子の選択を行う(S1303)。アンテナ端子の選択が行われると、切換部(スイッチ)は選択されたアンテナ端子に接続を切換える(S1306)。また、アンテナの選択が行われると、先に取得している受信すべき放送波の種類から、この放送波の周波数帯の取得を行う(S1304)。周波数帯の取得が行われると、チューナの受信周波数帯を取得した周波数に切換を行う(S1305)。
【0079】
次に、図14に示す本実施例の受信装置における放送波の切換命令を受けてから、受信すべき放送波を処理している前段処理部を選択して切換えを行うとともに、チューナの受信周波数帯を受信すべき放送波の数は数体に切換えを行うまでの流れの一例を表すフローチャートについて説明する。
【0080】
ここで、マイコンが放送波の切換命令を取得したとする(S1401)。切換命令を取得すると、受信すべき放送波の種類を取得する(S1402)。受信すべき放送波の種類を取得するとまず、受信すべき放送波を処理している前段処理部の選択を行う(S1403)。前段処理部の選択が行われると、切換部(スイッチ)は選択された前段処理部に接続を切換える(S1406)。
【0081】
次に、先に取得している受信すべき放送波の種類から、受信すべき放送波の周波数帯の取得を行う(S1404)。周波数帯の取得が行われると、チューナの受信周波数帯を取得した周波数帯に切換を行う(S1405)。
【0082】
次に、図15に示す、本実施例の受信装置を備える映像装置における受信装置から送信される映像信号を表示するまでの流れの一例を表すフローチャートについて説明する。
【0083】
ここで、本実施例の受信装置が放送波を受信して出力を行うとする(S1501)。受信装置が出力を行うと、映像処理部は出力した放送波(映像信号)を受け映像処理を行う(S1502)。そして表示部は、映像処理を行った映像を表示する(S1503)
【0084】
<効果の簡単な説明>
【0085】
本実施例の受信装置によって、受信機が備えているチューナ自身の受信周波数帯を受信すべき放送波の周波数に変更する制御を行うことが可能となる。これによって、単一のチューナで異なる放送波を受信することが可能となる。
【0086】
≪実施例2≫
【0087】
<概要>
本実施例の受信装置は、図16に示すように複数備えられた各アンテナ端子が受信する放送波を識別し、識別された放送波の種類に対応する周波数帯を、識別を行ったアンテナ端子に接続されたチューナの受信周波数帯に切換えを行うことを特徴とした受信装置である。
【0088】
<機能的構成>
【0089】
図17は、本実施例の受信装置における機能的構成の一例を表す図である。本実施例の「受信機」(1701)は、「アンテナ端子」(1703)と、「チューナ部」(1704)と、「可変処理手段」(1705)と、「放送波種類識別部」(1713)と、「第二制御部」(1714)とを有している。なお、本実施例では、すでに先の実施例で述べた機能的構成についての説明は省略する。
【0090】
「放送波種類識別部」(1713)は、アンテナ端子を介してチューナ部に入力される信号の放送波の種類を識別する機能を有する。具体的には、アンテナ端子を介して受信する放送波の周波数を取得し、取得された周波数に基づいて放送波の種類を識別する。
【0091】
図18などを用いて、実際にアンテナ端子が受信した放送波の周波数から放送波の種類を識別する過程を説明する。図18はアンテナ端子が受信した放送波を識別するためのプログラムの一例を示したものである。なお、本図に記載のプログラムは重要な処理を簡易的に示したものであり、実際にはコーディングを行う際に使用する言語やプログラマの書き方によって異なる。また、基板として再現されていても何ら問題ない。
【0092】
ここで、本実施例の受信装置の任意のアンテナ端子に新たにアンテナ線(12.00GHz)が接続されたと仮定する。すると、図18に示すプログラムは、アンテナ線が接続されたことを検知する(図18Line40)。これを検知すると、接続が行われたアンテナ端子を特定する(図18Line70)。次に、アンテナ端子が受信する放送波の周波数の取得を行う(本例では12.00GHzが取得される)(図18Line70)。周波数を取得すると、例えば、図4に示す情報を用いて取得した周波数を含む放送波の種類を特定する(本例では「BS」が取得される)。そして、放送波の種類を特定すると、例えば図3に示すような形式で後に詳述する第二制御部(第二制御プログラム)に引き渡す。
【0093】
なお、放送波の種類を特定するために取得する放送波の周波数は、一つの周波数を取得する構成であってもよいし複数の周波数を取得する構成であってもよい。また、複数回周波数をサンプリングしこの平均値を取得する構成であってもよい。さらに、複数回周波数をサンプリングし、サンプリングした周波数のその最大値及び最小値を取得する構成であってもよい。
【0094】
「第二制御部」(1714)は、放送波種類識別部で識別された放送波の種類に対応する周波数帯の処理が可能となるようにその信号が入力されるチューナ部の可変処理手段を制御する機能を有する。具体的には、前記「放送波種類識別部」(1713)で識別された放送波の種類に応じて、チューナ部の受信周波数帯を切換えるための命令を送信する。
【0095】
図19は、実際に放送波種類識別部で識別した放送波の種類に応じてこれに対応するチューナ部の受信周波数帯を制御するためのプログラムの一例を示したものである。なお、本図に記載のプログラムは重要な処理を簡易的に示したものであり、実際にはコーディングを行う際に使用する言語やプログラマの書き方によって異なる。また、基板(回路)として実現されていても何ら問題ない。以下に本図に記載のプログラム例について説明する。
【0096】
ここで、放送波種類識別部から識別された放送波の種類などの情報を受けたとする(図19Line40)。情報を受けると、受けた情報から放送波の種類(図19Line70)と、放送波種類識別部で識別を行う対象となった信号が入力するチューナの情報を取得する(図19Lin90)。チューナの情報を取得すると取得したチューナに対して放送波の種類に応じた周波数を引き渡す(図19Line110)。
【0097】
ここで、本例では識別された放送波の種類に対応する周波数帯を特定する処理が含まれるのが好ましい。例えば、図4に示すような、放送波の種類に周波数帯を関連付けた情報(テーブル)を保持しておき、放送波種類識別部から受ける放送波の種類に対応する周波数帯を取得する(例えば図3に示すように放送波種類識別手段において「分類:BS」と識別された場合に、「分類:BS」に関連付けられた「11.71GHz〜12.00GHz」という値を取得する)という具合である。この場合には、本実施例の「受信装置」が「切換分類保持手段」を備え、「第二制御部」が「切換分類取得手段」を備える構成などが考えられる。
【0098】
≪前段処理部と前段処理部の制御≫
【0099】
本実施例は、各アンテナ端子に接続され、識別された放送波の種類に応じてON/OFF可能なアンプなどを含む前段処理部を備えると共に、識別された放送波の種類に応じて前段処理部を構成するアンプなどのON/OFFを制御する機能を備える構成であってもよい。
【0100】
この場合には、図20に示すように本実施例の「受信装置」(0701)が「ON/OFF手段」(2015)を備える「前段処理部」(2008)を備るとともに、「前段処理部」(2008)の「ON/OFF手段」(2015)を制御する「第三制御部」(2016)を備える構成が考えられる。以下にこの場合における新たに有することとなる構成について説明する。
【0101】
「前段処理部」(2008)は、各アンテナ端子とチューナ部との間にアンプのON/OFF、アッテネータのON/OFF、周波数フィルタのON/OFFのいずれか一以上を放送波の種類に応じて変更可能な「ON/OFF手段」(2008)を有する処理部である。具体的には、受信した電波が適切な範囲の信号レベルでない場合にこれを適切な範囲の信号レベルに調整するためのアンプやアッテネータやフィルタなどの機器で構成されている。
【0102】
「ON/OFF手段」(2015)は、アンプのON/OFF、アッテネータのON/OFF、周波数フィルタのON/OFFのいずれか一以上を放送波の種類に応じて変更を行う機能を有する。具体的には、後に詳述する「第三制御部」(2016)からの命令に基づいてアンプ、アッテネータ、周波数フィルタのON/OFFを行う。
【0103】
「第三制御部」(2016)は、放送波種類識別部で識別された放送波の種類に対応する周波数帯の処理が可能となるようにその信号が入力されるチューナ部に対応する前段処理部のON/OFF手段を制御する機能を有する。具体的には、前記「放送波種類識別手段」(2013)で識別された放送波の種類に応じて、「前段処理部」(2008)の「ON/OFF手段」(2015)を制御する。これにより、前段処理部を構成するアンプなどの機器を制御する。
【0104】
図21は、実際に放送波種類識別手段で識別された放送波の種類に応じて前段処理部のON/OFF手段を制御する仕組みを説明するための図である。本図は、放送波の種類に対応した、各機器のON/OFFの状態を示している。このように、本実施例の第三制御部は放送波種類識別部で識別された放送波の種類に応じて、各機器(アンプ、アッテネータなど)のON/OFFの命令を「ON/OFF手段」に引き渡す。例えば、放送波種類識別部で識別された放送波の種類が「BS」である場合には、「アンプ:OFF、アッテネータ:ON、フィルタ:ON」の命令をON/OFF手段に引き渡すという具合である。
【0105】
≪実施例2に記載の受信装置を備えた映像装置≫
【0106】
本実施例の受信機は、映像装置に備えられる構成であってもよい。この場合には、図22に示すように映像装置(2210)は、本実施例の「受信機」(2201)が備えられるとともに、「映像処理部」(2211)、「表示部」(2212)を備える構成が考えられる。以下にこの場合における新たに有することとなる構成について説明する。
【0107】
なお、本実施例における「映像処理部」(2211)と、「表示部」(2212)は、実施例1にて機能の詳細な説明を行っているのでここでは省略する。
【0108】
<ハードウェア的構成>
【0109】
図23は、本実施例の受信装置におけるハードウェア構成の一例を表す概念図である。この図を利用して、本実施例の受信装置におけるそれぞれのハードウェア構成部の働きについて説明する。
【0110】
この図にあるように、本実施例の「受信装置」(2301)は、外部に接続されたアンテナと接続するための「アンテナ端子」(2302)や、各アンテナ端子に接続されている受信周波数帯を可変可能な同調回路である「チューナ」(2304)と、アンテナ端子に入力される放送波の種類を識別し、識別された放送波の種類の周波数に信号を入力されているアンテナ端子に接続されたチューナの受信周波数に切換を行う「マイコン」(2305)なども備えている。また、「マイコン」(2305)のメモリ領域には、「放送波の周波数帯情報」なども記憶されている。
【0111】
ここで、任意の「アンテナ端子」(2302)にアンテナから放送波を受信したとする。「マイコン」(2305)は、これを検知するとメモリ領域に展開されている「放送波種類識別プログラム」(2320)を呼び出す。「放送波種類識別プログラム」(2320)は、放送波を受信したアンテナ端子を特定するとともに、受信した放送波の周波数を取得する。次に、「放送波種類識別プログラム」(2320)は、周波数を取得すると「放送波の周波数帯情報」から取得した周波数に該当する放送波の種類を識別する。そして、「マイコン」(2305)のメモリ領域に展開されている「第二制御プログラム」(2321)に放送波の種類を引き渡す。
【0112】
「第二制御プログラム」(2321)は、「放送波種類識別プログラム」(2320)より情報を受けると、「マイコン」(2305)のメモリ領域に記憶されている「放送波の周波数帯情報」から放送波の種類に対応する周波数帯を取得する。そして、特定されているアンテナ端子に接続されている「チューナ」(2304)に対して、取得した周波数帯に受信周波数を切換える命令を送信する。命令を受けた「チューナ」(2304)は、命令に基づき自身の受信周波数帯の切換を行う。
【0113】
≪前段処理部と前段処理部の制御≫
【0114】
図24は、本実施例の受信装置が前段処理部を備えるとともに識別された放送波の種類に応じて前段処理部を制御する機能をさらに有する場合におけるハードウェア構成の一例を示した図である。この図を利用して、本実施例の受信装置におけるそれぞれのハードウェア構成部の働きについて説明する。
【0115】
この図にあるように、本実施例の「受信装置」(2401)は、外部に接続されたアンテナと接続するための「アンテナ端子」(2402)や、受信した放送波の増幅等を行うための「前段処理部」(2408)と、各アンテナ端子に接続されている受信周波数帯を可変可能な同調回路である「チューナ」(2404)と、アンテナ端子に入力される放送波の種類を識別し、識別対象となった放送波を受信しているアンテナ端子に接続されたチューナの受信周波数の切換を行うなどの制御を行う「マイコン」(2405)なども備えている。
【0116】
ここで、任意の「アンテナ端子」(2402)にアンテナから放送波を受信したとする。「マイコン」(2405)は、これを検知するとメモリ領域に展開されている「放送波種類識別プログラム」(2420)を呼び出す。「放送波種類識別プログラム」(2420)は、放送波を受信したアンテナ端子を特定し、受信した放送波の周波数を取得する。次に、「放送波種類識別プログラム」(2420)は、周波数を取得すると、「放送波の周波数帯情報」から取得した周波数に該当する放送波の種類を識別する。そして、「マイコン」(2305)のメモリ領域に展開されている「第二制御プログラム」(2321)及び「第三制御プログラム」(2322)にアンテナ端子を特定する情報とともに放送波の種類を引き渡す。
【0117】
「第二制御プログラム」(2421)は、「放送波種類識別プログラム」(2420)より情報を受けると、「マイコン」(2405)のメモリ領域に記憶されている「放送波の周波数帯情報」から放送波の種類に対応する周波数帯を取得する。次に、特定したアンテナ端子に接続されている「チューナ」(2404)に対して、取得した周波数帯に受信周波数を切換える命令を送信する。そして、命令を受けた「チューナ」(2404)は、命令に基づき自身の受信周波数帯の切換を行う。
【0118】
「第三制御プログラム」(2422)は、「放送波種類識別プログラム」(2420)より情報を受けると、「マイコン」(2405)のメモリ領域に記憶されている「放送波の種類に対応する前段処理部の制御内容」から、取得した放送波の種類に対応する制御内容を取得する。制御内容を取得すると、特定したアンテナ端子に接続されている前段処理部(2408)に対して制御内容を送信し、制御内容に基づいて前段処理部(2408)の制御を行う。
【0119】
≪実施例2に記載の受信装置を備えた映像装置≫
【0120】
なお、本実施例の受信装置の動作は、前記で説明し映像装置の動作については実施例1で説明したのでここでは省略する。
【0121】
<処理の流れ>
【0122】
図25は、本実施例の受信装置において放送波の受信を検知してから、受信した放送波の種類を識別し、チューナの受信周波数帯を識別した放送波の種類に対応した周波数帯に切換えを行うまでの流れの一例を表すフローチャートである。図26は、本実施例の受信装置において放送波の受信を検知してから、受信した放送波の種類を識別し、チューナの受信周波数帯を識別した放送波の種類に対応した周波数帯に切換えを行うとともに、その放送波に対応した前段処理部の制御を行うまでの流れの一例を表すフローチャートである。また、図15は、本実施例の受信装置を備える映像装置における受信装置から送信される映像信号を表示するまでの流れの一例を表すフローチャートである。なお、図15に示す本実施例の受信装置を備える映像装置におけるフローチャートについては先に説明したのでここでは省略する。また、以下に示すステップは、媒体に記録され、回路を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであってもかまわない。
【0123】
まず、図25に示す本実施例の受信装置において放送波の受信を検知してから、受信した放送波の種類を識別し、チューナの受信周波数帯を識別した放送波の種類に対応した周波数帯に切換えを行うまでの流れの一例を表すフローチャートについて説明する。
【0124】
ここで、任意のアンテナ端子が放送波を受信したことを検知したとする(S2501)。入力を検知すると、放送波を受信したアンテナ端子を特定する(S2502)。アンテナ端子が特定されると、特定されたアンテナ端子が受信している放送波の種類の識別を行う(S2503)。放送波の種類が識別されると、識別された放送波の種類に応じた周波数帯を取得する。そして、特定されたアンテナ端子に接続されているチューナに対して取得した周波数帯に受信周波数帯を切換える命令を送信する(S2504)。チューナは、受信周波数帯を切換える命令を受けると自身の受信周波数帯の切換を行う(S2505)。
【0125】
次に、図26に示す本実施例の受信装置において放送波の受信を検知してから、受信した放送波の種類を識別し、チューナの受信周波数帯を識別した放送波の種類に対応した周波数帯に切換えを行うとともに、その放送波に対応した前段処理部の制御を行うまでの流れの一例を表すフローチャートについて説明する。
【0126】
ここで、任意のアンテナ端子に放送波の入力が行われたことを検知したとする(S2601)。入力を検知すると、放送波の入力を受けたアンテナ端子を特定する(S2602)。アンテナ端子が特定されると、特定されたアンテナ端子に入力している放送波の種類の識別を行う(S2603)。放送波の種類が識別されると、識別された放送波の種類に応じた周波数帯を取得する。そして、特定されたアンテナ端子に接続されているチューナに対して、取得された周波数帯に受信周波数を切換える命令を送信する(S2604)。次に、識別された放送波の種類に応じた前段部の処理内容を取得し、特定されたアンテナ端子に接続されている前段処理部に処理内容を送信する(S2605)。
【0127】
チューナは、受信周波数を切換える命令を受けると自身の受信周波数の切換を行う(S2607)。また、前段処理部は、処理内容を受けると処理内容に応じてアンプ、アッテネータ、周波数フィルタのいずれか一以上の制御を行う(S2606)。
【0128】
<効果の簡単な説明>
【0129】
本実施例の受信新装置によって、アンテナ端子に入力された放送波の種類に応じてアンテナ端子に接続されている前段処理部やチューナの設定を切換えることが可能となる。これにより、従来であれば、ユーザはどのアンテナ端子にどのアンテナを取り付けることができるかを判断して取り付けなければならないところを、本発明によりユーザは取り付けを行うアンテナ端子を判断することなく任意のアンテナ端子にアンテナを取り付けることが可能となる。
【符号の説明】
【0130】
0201 受信装置
0202 取得部
0203 アンテナ端子
0204 チューナ部
0205 可変処理手段
0206 第一制御部
0207 切換部
0708 前段処理部
0709 前段部選択手段
0910 映像装置
0911 映像処理部
0912 表示部
1713 放送波種類識別部
1714 第二制御部
2015 ON/OFF手段
2016 第三制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信すべき放送波の種類を取得する取得部と、
放送波の種類に対応した複数のアンテナ端子と
放送波の種類に応じた周波数帯の処理が可能な可変処理手段を有するチューナ部と、
取得部にて取得された受信すべき放送波の種類に応じてチューナ部の可変処理手段で処理する周波数帯を制御する第一制御部と、
取得された放送波の種類に対応して一のアンテナ端子からの信号を選択しチューナ部に対して出力する切換部と、
を備える受信装置。
【請求項2】
各アンテナ端子に接続され、各アンテナ端子からの放送波の種類に対応して備えられる複数の前段処理部をさらに有し、
切換部は、取得された放送波の種類に対応して一の前段処理部を選択することで一のアンテナ端子からの信号を選択する前段部選択手段を有する請求項1に記載の受信装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の受信装置と、
請求項1または2に記載の受信装置からの出力を受けて映像処理を行う映像処理部と、
映像処理部からの出力によって映像を表示する表示部と、
を有する映像装置。
【請求項4】
放送波の種類を指定しない複数のアンテナ端子と、
各アンテナ端子に接続され、放送波の種類に応じた周波数帯の処理が可能な可変処理手段を有するチューナ部と、
アンテナ端子を介してチューナ部に入力される信号の放送波の種類を識別する放送波種類識別部と、
放送波種類識別部で識別された放送波の種類に対応する周波数帯の処理が可能となるようにその信号が入力されるチューナ部の可変処理手段を制御する第二制御部と、
を有する受信装置。
【請求項5】
各アンテナ端子とチューナ部との間にアンプのON/OFF、アッテネータのON/OFF、周波数フィルタのON/OFFのいずれか一以上を放送波の種類に応じて変更可能なON/OFF手段を有する前段処理部と、
放送波種類識別部で識別された放送波の種類に対応する周波数帯の処理が可能となるようにその信号が入力されるチューナ部に対応する前段処理部のON/OFF手段を制御する第三制御部と、
を有する請求項4に記載の受信装置。
【請求項6】
請求項4または5に記載の受信装置と、
請求項4または5に記載の受信装置からの出力を受けて映像処理を行う映像処理部と、
映像処理部からの出力によって映像を表示する表示部と、
を有する映像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2013−16877(P2013−16877A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−248106(P2009−248106)
【出願日】平成21年10月28日(2009.10.28)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】