説明

デジタルテレビ対応カラオケシステム

【課題】 歌唱者が使用するデジタルテレビモニタのカラオケ映像表示タイミングと、スピーカシステムのカラオケ演奏音発生タイミングとを同期させる。
【解決手段】 複数のデジタルテレビモニタ(24a〜c)の各前面領域を撮影範囲とする撮影手段(23a〜c)、撮影顔画像に、その撮影領域に対応付けられた各モニタの識別データを付帯して撮影顔画像データ43bとする人面識別手段49、次曲予約者の登録顔画像データと撮影顔画像データ43bとを比較し、両者が一致する利用者を特定する顔画像比較特定手段50、特定利用者の撮影領域対応モニタを特定する使用予定モニタ特定手段51、特定モニタのディレイ値を抽出するディレイ値抽出手段54、抽出ディレイ値に基づき演奏音発生タイミングと映像表示タイミングとが同期するように、カラオケ演奏の再生遅延制御を行う演奏再生制御手段56を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像表示のために複数のデジタルテレビモニタが接続されたカラオケシステムにおいて、少なくとも歌唱者が使用するデジタルテレビモニタにおけるカラオケ映像表示タイミングと、スピーカシステムにおけるカラオケ演奏音発生タイミングとを同期させるためのカラオケシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、テレビジョンにおける画像のデジタル化が促進されるとともに、地上アナログ放送から地上デジタル放送への変更が予定されている。このようなアナログテレビからデジタルテレビへの変更に伴い、映像表示タイミングと音声発生タイミングとの同期が問題となってきた。すなわち、映像信号と音声信号とをデジタル処理する場合に両者を比較すると、映像信号のデータ量が多いとともに、再生処理が複雑であるため、再生された音声に対して映像が遅延してしまう。
【0003】
そこで、従来、デジタルテレビにおける映像表示タイミングと音声発生タイミングとを同期させるための技術が、種々提案されている(特許文献1参照)。特許文献1に記載された映像音声処理システムに関する技術は、映像処理装置とアンプ装置とが、少なくとも映像信号線路と制御信号線路とによって接続されている。そして、映像処理装置は、映像信号線路を通じて供給を受ける映像信号を処理して表示素子に供給する表示用映像信号を形成する映像信号処理手段と、映像信号線路を通じて供給を受ける映像信号を映像信号処理手段で処理して、当該映像信号に応じた映像を表示素子の表示画面に表示するまでに要する処理時間を示す処理時間情報を、制御信号線路を通じて提供するための提供手段と、を備えている。また、アンプ装置は、供給を受けた音声信号に対して所定の処理を行ってスピーカに供給する音声信号処理手段と、制御信号線路を通じて、提供手段から処理時間情報を取得する取得手段と、取得手段により取得した処理時間情報に応じた時間分、スピーカに供給する音声信号を遅延させる遅延処理手段と、を備えている。これにより、音声信号と映像信号とが異なる機器で処理されるシステムにおいて、いわゆるリップシンクのずれを発生させないようにすることができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−33436号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、カラオケ演奏装置では、スピーカシステムから発生するカラオケ演奏音の発生タイミングと、背景映像や歌詞テロップ等からなる映像の表示タイミングとを同期させている。カラオケ店で一般的に普及しているカラオケ演奏装置では、専用のモニタではなく、汎用のテレビモニタを利用して映像表示を行うことが多い。このような状況の下、上述したように、地上アナログ放送が終了して地上デジタル放送のみとなると、カラオケ店でも地上デジタル放送に対応したデジタルテレビモニタを使用することになる。
【0006】
したがって、カラオケ演奏における音声発生タイミングと映像表示タイミングとのずれが問題となる。すなわち、カラオケ演奏音の発生タイミングと背景映像や歌詞テロップの表示タイミングとがずれることが考えられ、特に、カラオケ演奏音の発生タイミングと歌詞テロップの表示タイミングとがずれると、歌唱が困難となり、カラオケ演奏装置本来の機能が損なわれてしまう。
【0007】
そこで、デジタルテレビモニタに対応して、カラオケ映像の表示タイミングと、スピーカシステムから発生するカラオケ演奏音の発生タイミングとを同期させることが可能なカラオケシステムの開発が望まれている。さらに、昨今のカラオケシステムでは、1台のカラオケ演奏装置に対して、歌唱者用のテレビモニタを複数設置する場合がある。この場合に、デジタルテレビモニタの機種毎に走査モードやデジタル処理能力等がそれぞれ異なっているので、機種毎に固有のディレイ値が存在し、一律な同期処理では対応できないという問題がある。
【0008】
本発明は、上述した事情に鑑み提案されたもので、映像再生のために複数のデジタルテレビモニタが接続されたカラオケシステムにおいて、少なくとも歌唱者が使用するデジタルテレビモニタにおけるカラオケ映像表示タイミングと、スピーカシステムにおけるカラオケ演奏音発生タイミングとを同期させることが可能なデジタルテレビ対応カラオケシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のデジタルテレビ対応カラオケシステムは、上述した目的を達成するため、以下の特徴点を有している。すなわち、本発明のデジタルテレビ対応カラオケシステムは、複数のデジタルビデオモニタを有し、少なくとも歌唱者が使用するデジタルテレビモニタにおけるカラオケ映像表示タイミングと、スピーカシステムにおけるカラオケ演奏音発生タイミングとを同期させるためのカラオケシステムであって、利用者顔画像登録手段と、ログイン利用者管理手段と、利用者別演奏予約手段と、モニタ別ディレイ値管理手段と、撮影手段と、人面識別手段と、顔画像比較特定手段と、使用予定モニタ特定手段と、ディレイ値抽出手段と、演奏再生制御手段と、を備えている。
【0010】
利用者顔画像登録手段は、予め、利用者毎の顔画像データに利用者IDを付帯して、利用者別の登録顔画像データとして利用者顔画像データベースに登録するための手段である。ログイン利用者管理手段は、現に当該カラオケシステムにログインしている利用者を、利用者IDに基づき特定して管理するための手段である。利用者別演奏予約手段は、任意の利用者により選曲された楽曲の楽曲IDに当該利用者の利用者IDを付帯して、予約待ち行列にて管理するための手段である。モニタ別ディレイ値管理手段は、演奏音発生タイミングに対する、複数のデジタルテレビモニタ毎に固有の映像表示タイミングの遅れであるディレイ値を、予めモニタ別ディレイ値管理テーブルにて管理するための手段である。撮影手段は、複数のデジタルテレビモニタの各前面領域を撮影範囲として、各撮影範囲にそれぞれ対応付けられ、当該撮影範囲内にいる利用者の顔画像を撮影するための手段である。
【0011】
人面識別手段は、次曲の演奏開始前に、撮影手段により撮影された利用者の顔画像を識別するとともに、当該識別された顔画像に、撮影領域にそれぞれ対応付けられた各デジタルテレビモニタの識別データを付帯して、撮影顔画像データとして所定の記憶部に記憶するための手段である。ここで、次曲の演奏開始前とは、当該次曲の演奏前の無演奏期間であることが好ましい。
【0012】
顔画像比較特定手段は、次曲を予約した利用者の登録顔画像データと、撮影顔画像データとを比較することにより、両顔画像データが一致する利用者を特定するための手段である。使用予定モニタ特定手段は、特定された利用者が撮影された撮影領域に対応付けられたデジタルテレビモニタを特定するための手段である。ディレイ値抽出手段は、モニタ別ディレイ値管理テーブルから、特定されたデジタルテレビモニタのディレイ値を抽出するための手段である。演奏再生制御手段は、次曲の演奏において、抽出されたディレイ値に基づいて、演奏音発生タイミングと映像表示タイミングとが同期するように、カラオケ演奏の再生を遅延させる制御を行うための手段である。
【0013】
このような構成からなるデジタルテレビ対応カラオケシステムでは、利用者顔画像登録手段の機能により、予め、利用者毎の顔画像データに利用者IDを付帯した利用者別の登録顔画像データを作成し、HDD等に格納された利用者顔画像データベースに登録する。また、ログイン利用者管理手段の機能により、現に当該カラオケシステムにログインしている利用者を、利用者IDに基づき特定して管理する。この際、カードリーダ等からなる利用者ID取得手段の機能により、利用者IDが記録されたIDカード等のID媒体から利用者IDを取得する。また、利用者別演奏予約手段の機能により、任意の利用者により選曲された楽曲の楽曲IDに当該利用者の利用者IDを付帯して、RAM等に記憶された予約待ち行列にて管理する。さらに、モニタ別ディレイ値管理手段の機能により、演奏音発生タイミングに対する、複数のデジタルテレビモニタ毎に固有の映像表示タイミングの遅れであるディレイ値を、モニタ別ディレイ値管理テーブルにて管理する。これにより、各デジタルテレビモニタのディレイ値を把握することができる。
【0014】
また、複数のデジタルテレビモニタには、それぞれの前面領域を撮影範囲とする撮影手段が対応付けている。この撮影手段は、各デジタルテレビモニタの前面領域、すなわち各デジタルテレビモニタを視認することができる位置にいる利用者の存在領域(着座位置等)を撮影範囲としており、当該撮影範囲内にいる利用者の顔画像を撮影することができるようになっている。そして、人面識別手段の機能により、次曲の演奏開始前(例えば、当該次曲の演奏前の無演奏期間)に、撮影手段により撮影された利用者の顔画像を識別して、当該識別された顔画像に各撮影領域に対応付けられた各デジタルテレビモニタの識別データを付帯して撮影顔画像データを作成し、RAM等からなる記憶部に記憶する。
【0015】
そして、顔画像比較特定手段の機能により、次曲を予約した利用者の登録顔画像データを取得し、RAM等からなる記憶部に記憶された撮影顔画像データと比較することにより、両者が一致する利用者を特定する。さらに、使用予定モニタ特定手段の機能により、特定された利用者が撮影された撮影領域に対応付けられたデジタルテレビモニタを特定する。
【0016】
次曲の選曲予約者が使用するデジタルテレビモニタが特定されると、ディレイ値抽出手段の機能により、当該デジタルテレビモニタのディレイ値を抽出する。そして演奏再生制御手段の機能により、次曲の演奏において、抽出したディレイ値に基づいて、演奏音発生タイミングと映像表示タイミングとが同期するように、カラオケ演奏の再生を遅延させる制御を行う。
【0017】
なお、本発明において、次曲とは、予約待ち行列において1曲目に選曲予約されたカラオケ楽曲の場合には当該カラオケ楽曲のことをいい、それ以外の場合には、現に演奏されているカラオケ楽曲の次に選曲予約されたカラオケ楽曲のことをいう。
【発明の効果】
【0018】
本発明のデジタルテレビ対応カラオケシステムによれば、映像再生のために複数のデジタルテレビモニタが接続されたカラオケシステムにおいて、次曲の選曲予約者が使用するデジタルテレビモニタを特定し、次曲の演奏において、当該デジタルテレビモニタ固有のディレイ値に基づいて、演奏音発生タイミングと、少なくとも歌唱者が使用するデジタルテレビモニタの映像表示タイミングとを同期させることができる。このため、専用のモニタではなく、汎用のデジタルテレビモニタを複数利用して映像表示を行うカラオケシステムであっても、歌唱者が使用するデジタルテレビモニタに表示される歌詞テロップ及びその色変わりや背景映像の表示タイミングと、スピーカシステムから発生されるカラオケ演奏音の発生タイミングとがずれることがなく、カラオケ演奏装置本来の機能を発揮して、歌唱を楽しませることができる。
【0019】
また、次に演奏されるカラオケ楽曲の演奏前に、その選曲予約者が使用するデジタルテレビモニタを特定する構成とした場合には、より一層的確に、当該歌唱者が使用するデジタルテレビモニタを特定することができる。すなわち、通常の場合、次曲の選曲予約者(歌唱者)は、次曲の演奏直前である曲間にスタンバイしている。そこで、このタイミングで、次曲の選曲予約者が使用するデジタルテレビモニタを特定するのが好ましいためである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態に係るデジタルテレビ対応カラオケシステムを適用するカラオケ演奏装置のブロック図。
【図2】本発明の実施形態に係るデジタルテレビ対応カラオケシステムにおける同期制御処理を示すフローチャート。
【図3】本発明の実施形態に係るデジタルテレビ対応カラオケシステムにおける同期制御処理を模式的に示す説明図。
【図4】利用者顔画像データベースの一例を示す説明図。
【図5】モニタ別ディレイ値管理テーブルの一例を示す説明図。
【図6】予約待ち行列の一例を示す説明図。
【図7】撮影顔画像データの一例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して、本発明のデジタルテレビ対応カラオケシステムの実施形態を説明する。本発明の実施形態に係るデジタルテレビ対応カラオケシステムは、複数のデジタルビデオモニタを有し、少なくとも歌唱者が使用するデジタルテレビモニタにおけるカラオケ映像表示タイミングと、スピーカシステムにおけるカラオケ演奏音発生タイミングとを同期させるためのカラオケシステムであって、主要な構成要素として、利用者顔画像登録手段と、ログイン利用者管理手段と、利用者別演奏予約手段と、モニタ別ディレイ値管理手段と、撮影手段と、人面識別手段と、顔画像比較特定手段と、使用予定モニタ特定手段と、ディレイ値抽出手段と、演奏再生制御手段と、を備えている。図1に、本発明の実施形態に係るデジタルテレビ対応カラオケシステムを適用するカラオケ演奏装置の構成を示す。
【0022】
<カラオケ演奏装置>
本発明の実施形態に係るカラオケ演奏装置11は、図1に示すように、カラオケ本体21、カラオケリモコン装置22、複数の撮影手段23a,23b,23c、複数のデジタルテレビモニタ24a,24b,24c、スピーカ25、ミキシングアンプ26、マイクロホン27を備えている。
【0023】
<カラオケリモコン装置>
カラオケリモコン装置22は、ユーザインタフェース機能を備えており、カラオケ本体21の送受信手段に対して有線方式又は無線方式によりデータの送受信を行うようになっている。このカラオケリモコン装置22は、楽曲検索手段22aとして機能するプログラム、楽曲索引データベース22b、利用者ID取得手段22cとして機能する回路基板及びプログラム、データの送受信を行うための回路基板及びプログラム、フラッシュメモリ等からなる記憶手段(図示せず)を備えている。このカラオケリモコン装置22に付帯するスイッチ類や、入出力表示部(図示せず)に表示される各種のアイコン等を操作することにより、選曲操作等が行われる。
【0024】
<楽曲検索手段/楽曲索引データベース>
楽曲検索手段22aは、利用者の指示に基づき、楽曲索引データベース22bを参照して楽曲を検索するためのプログラムからなる。楽曲索引データベース22bは、カラオケ演奏装置11で演奏に供されるカラオケ楽曲についての属性情報を記述したデータベースであり、例えば、楽曲番号・曲名・歌手名・歌い出し部分の歌詞・流行時期・音楽ジャンル区分・デュエット曲か否かなど、種々の属性情報がこれに含まれている。
【0025】
<利用者ID取得手段>
利用者ID取得手段22cは、利用者がカラオケ演奏装置11を利用する際に、利用者が所持するID媒体31から利用者IDを取得するための電子回路及びプログラムからなる。利用者ID取得手段22cで取得した利用者IDは、RAM43等に一時的に記憶され、ログイン利用者管理手段46で管理される。ID媒体31は、例えば、非接触型のIDカード、携帯電話、携帯情報端末等からなり、利用者IDを記憶して、利用者ID取得手段22cとの間でデータの送受信を行うことができるようになっている。
【0026】
<撮影手段>
撮影手段23a,23b,23cは、複数のデジタルテレビモニタ24a,24b,24cの各前面領域を撮影範囲として、各撮影範囲にそれぞれ対応付けられ、当該撮影範囲内にいる利用者の顔画像を撮影するための装置であり、例えば、撮像レンズ及び撮像素子を備えたビデオカメラにより構成される。撮影手段23a,23b,23cでは、撮像レンズにより被写体からの光線を撮像素子上に結像させて、ビデオ信号に変換する。このビデオ信号は、カラオケ本体21に送信される。
【0027】
撮影手段23a,23b,23cは、最低限の構成として、撮像レンズ及び撮像素子を備えていればよいが、撮像画質を向上させるために、フォーカシング機構やズーミング機構を備えていてもよい。さらに、撮影範囲を広く確保するために、ビデオカメラの付帯装置として、パン・チルト機構を備えていてもよい。
【0028】
フォーカシング機構は、被写体像を撮像素子上に合焦して結像させるための機構であり、オートフォーカス機構を備えていることが好ましい。オートフォーカス機構としては、例えば、適宜な間隔を隔てて設置した2つのセパレートレンズを用いて被写体を撮影し、被写体像を撮像素子上に結像させ、両画像の位相差に基づいて物体距離を検知する方式や、被写体上に赤外光を照射して、被写体からの拡散反射光をレンズで集光し、その結像位置に基づいて物体距離を検知する方式や、撮像素子から被写体のコントラスト情報を抽出し、結像状態を直接判定する方式等が知られている。なお、被写界深度の深いレンズからなる固定焦点の撮像レンズを用いることによりフォーカシング機構を省略することができる。
【0029】
ズーミング機構は、ビデオカメラの画角を変更するための機構で、広角端から望遠端に至る所定の範囲で連続的に画角を変更できるようになっており、画角の変更を行うために、ズームレンズ群を構成する各レンズを光軸に沿って移動させるための機構を備えている。ズームレンズ群を構成する各レンズを光軸に沿って移動させるための機構は、例えば、レンズを光軸に沿って移動可能に支持する支持機構、及びレンズを光軸に沿って移動させるアクチュエータ等からなる。
【0030】
パン・チルト機構は、ビデオカメラをパン及びチルトさせるための機構であり、互いに直交する2軸方向にそれぞれ回転するパンテーブル及びチルトテーブルと、このパンテーブル及びチルトテーブルを互いに直交する2軸方向にそれぞれ回転駆動するステッピングモータと、ステッピングモータの駆動制御装置とを備えている。
【0031】
図1及び図3に示す例では、複数のデジタルテレビモニタ24a,24b,24cに対して、それぞれの前面領域を撮影範囲とする複数の撮影手段23a,23b,23cを設けているが、複数のデジタルテレビモニタ24a,24b,24cの撮影範囲を1台のビデオカメラにより撮影してもよい。この場合には、1台のビデオカメラの撮影範囲を、複数のデジタルテレビモニタ24a,24b,24cに対応させて区画したり、パン・チルト機構を用いてビデオカメラの向きを変更したりすることにより、複数のデジタルテレビモニタ24a,24b,24cの前面領域をそれぞれ撮影範囲とすることができる。
【0032】
<カラオケ本体>
カラオケ本体21は、中央制御手段41、ROM42、RAM43、HDD44、送受信手段45、ログイン利用者管理手段46、利用者別演奏予約手段47、利用者顔画像登録手段48、人面識別手段49、顔画像比較特定手段50、使用予定モニタ特定手段51、撮像データ受信手段52、モニタ別ディレイ値管理手段53、ディレイ値抽出手段54、映像再生制御手段55、演奏再生制御手段56を備えている。
【0033】
<中央制御手段>
中央制御手段41は、カラオケ本体21を総合的に制御するための手段であり、例えばCPU及びその周辺機器により構成されており、CPU等がROM42等に記憶されたアプリケーションプログラムに従って動作することにより、制御機能を発揮することができるようになっている。
【0034】
<ROM/RAM>
ROM42は、カラオケ本体21を構成する各機器を制御するためのアプリケーションプログラムデータや数値データを記憶するための機器で、例えば半導体メモリ等で構成される。また、RAM43は、アプリケーションプログラムや各種データを一時的に記憶する一時記憶領域として機能するもので、例えば半導体メモリ等で構成される。なお、物理的な半導体メモリによりRAM43を構成するのではなく、ハードディスク記憶装置等を用いて仮想的なRAM43を構成してもよい。本実施形態では、RAM43に、予約待ち行列43a、撮影顔画像データ43bが記憶されるようになっている。
【0035】
<HDD>
HDD44は、大容量記憶装置として機能するもので、楽曲データベース44a、映像データベース44b、利用者顔画像データベース44c、モニタ別ディレイ値管理テーブル44dが格納されている。なお、HDD44に替えて、あるいはHDD44とともに、データを書き替え可能なDVD等の大容量記憶装置を用いてもよい。
【0036】
楽曲データベース44aは、演奏データ(MIDI(登録商標)データ)及び歌詞テロップデータが同期されて構成される楽曲データについて、楽曲IDと対応付けてそれぞれ格納したデータベースである。演奏データは各楽曲の演奏データをデジタル化したものであり、歌詞テロップデータは演奏データに同期されたカラオケ楽曲の歌詞文字データである。なお、歌詞文字データには、歌詞文字の表示色データ、色変わりデータ等が含まれている。映像データベース44bは、演奏されるカラオケ楽曲に対応した背景映像を、当該カラオケ楽曲の楽曲IDに対応させた映像ファイルとして所定数格納したデータベースである。
【0037】
利用者顔画像データベース44cは、利用者顔画像登録手段48の機能により、利用者IDに紐付けされた利用者の顔画像データを複数格納して構築されたデータベースである。この利用者顔画像データベース44cに格納された登録顔画像データは、顔画像比較特定手段50において、撮影顔画像データ43bとの比較に用いられる。図4に、利用者顔画像データベース44cの一例を示す。利用者顔画像データベース44cは、図4に示すように、各利用者の利用者IDと、各利用者の顔画像データとを紐付けして構築したデータベースである。
【0038】
モニタ別ディレイ値管理テーブル44dは、複数のデジタルテレビモニタ24a,24b,24cにおけるそれぞれのディレイ値を格納したデータテーブルであり、モニタ別ディレイ値管理手段53の機能により管理される。図5に、モニタ別ディレイ値管理テーブル44dの一例を示す。モニタ別ディレイ値管理テーブル44dは、図5に示すように、各デジタルテレビモニタ24a,24b,24cのモニタIDと、各デジタルテレビモニタ24a,24b,24cのディレイ値とを紐付けして構築したデータテーブルである。
【0039】
<送受信手段>
送受信手段45は、カラオケ本体21とカラオケリモコン装置22との間で、データの送受信を行うための電子回路及びプログラムからなる。本実施形態では、赤外線通信により、カラオケ本体21とカラオケリモコン装置22との間で、データの送受信が行われる。
【0040】
<撮像データ受信手段>
撮像データ受信手段52は、撮影手段23a,23b,23cからのビデオ信号を受信するための回路基板及びプログラムからなる。受信したビデオ信号は、利用者顔画像登録手段48、人面識別手段49等で使用される。なお、本実施形態では、歌唱者の撮影姿態を記録するための手段を設けていないが、このような撮影データ記録手段を設けてもよい。撮影データ記録手段を設けた場合には、撮影手段23a,23b,23cにより撮影され、撮像データ受信手段52により受信したビデオ信号と、マイクロホン27から入力された音声入力信号と、演奏再生制御手段56によりデジタル再生される演奏とを同期させて撮影データを作成し、RAM43等に記憶させる。この撮影データは、DVDドライブ等の記録装置及び書込ソフトウェアを用いてDVD等の記憶媒体に記憶したり、インターネット回線を介してサーバに蓄積させることによりウェブ配信したりすることができる。
【0041】
<利用者別演奏予約手段>
利用者別演奏予約手段47は、任意の利用者により選曲されたカラオケ楽曲の楽曲IDに当該利用者の利用者IDを付帯して、予約待ち行列43aにて管理するためのプログラムからなる。具体的には、任意の利用者により楽曲検索手段22aの機能を用いて選曲され、送受信手段45を介して受信した当該選曲者の利用者ID及び選曲された楽曲IDを対応付けて予約待ち行列43aとしてRAM43に格納して管理する。図6に、予約待ち行列43aの一例を示す。予約待ち行列43aは、図6に示すように、選曲予約されたカラオケ楽曲の楽曲IDに利用者IDを紐付けして、選曲予約順(演奏順)に並べたデータである。
【0042】
<ログイン利用者管理手段>
ログイン利用者管理手段46は、現に当該カラオケ演奏装置11にログインしている利用者を、利用者IDに基づき特定して管理するためのプログラムからなる。すなわち、ログイン利用者管理手段46では、利用者ID取得手段22cにより利用者IDが取得された場合に、この利用者IDに基づいてカラオケ演奏装置11にログインしている利用者を特定して管理する。取得した利用者IDは、選曲予約や顔画像データの比較を行う際に利用される。
【0043】
<利用者顔画像登録手段>
利用者顔画像登録手段48は、予め、利用者毎の顔画像データを利用者IDに紐付けして利用者顔画像データベース44cに登録するためのプログラムからなる。利用者の顔画像データは、例えば、撮影手段23a,23b,23cの機能により取得することができる。撮影手段23a,23b,23cの機能により取得された利用者の顔画像データは、利用者顔画像登録手段48の機能により、利用者IDに紐付けされて利用者顔画像データベース44cに登録される。なお、利用者IDは、利用者ID取得手段22cの機能により、ID媒体31から取得することができる。
【0044】
<人面識別手段>
人面識別手段49は、次曲の演奏開始前に、複数の撮影手段23a,23b,23cによりそれぞれ撮影された利用者の顔画像を識別するとともに、当該識別された顔画像に、撮影領域にそれぞれ対応付けられた各デジタルテレビモニタ24a,24b,24cの識別データを付帯して、撮影顔画像データ43bとしてRAM43に記憶するためのプログラムからなる。図7に、撮影顔画像データ43bの一例を示す。撮影顔画像データ43bは、図7に示すように、各デジタルテレビモニタ24a,24b,24cのモニタIDに、当該デジタルテレビモニタ24a,24b,24cに対応付けられた撮影手段23a,23b,23cの撮影範囲内にいる利用者の撮影顔画像データ43bを紐付けしたデータである。なお、撮影顔画像データ43bは、顔画像比較特定手段50における比較が行われる毎に、1つずつ取得してもよいし、予めまとめて取得してRAM43に記憶しておいてもよい。
【0045】
歌唱者の顔画像データを識別するためには、例えば、特開2000−2833号公報(特許文献2)に記載されているように、エッジ検出により、撮影視野内に存在する画像の輪郭を抽出する。そして、輪郭で囲まれた領域のうち所定の大きさの面積を有する領域を顔画像領域として認識する。続いて、顔画像領域内で、その輪郭、目、鼻、口の位置を利用して、被写体の顔画像の特徴を認識することにより、撮影した顔画像データを識別する。
【0046】
<顔画像比較特定手段>
顔画像比較特定手段50は、次曲を予約した利用者の登録顔画像データと、撮影顔画像データ43bとを比較することにより、両顔画像データが一致する利用者を特定するためのプログラムからなる。例えば、選曲予約されたカラオケ楽曲が演奏されると、予約待ち行列43aに記録された利用者IDに基づいて、利用者顔画像データベース44cに登録された当該利用者の顔画像データを登録顔画像データとして取得する。そして、撮影手段23a,23b,23cの機能により撮影されて、人面識別手段49により識別された利用者の顔画像データ(撮影顔画像データ43b)と、利用者顔画像データベース44cから取得した登録顔画像データとを比較し、両者の一致・不一致を判別する。両者の比較は、顔画像領域内における顔の輪郭、目、鼻、口の位置に基づいて行われる。具体的には、撮影顔画像データ43bと、登録顔画像データとにおいて、顔画像領域内における顔の輪郭、目、鼻、口の位置を比較してその一致度を数値化し、一致度数が所定の閾値以下の場合に、両者は異なるデータであると判断する。一方、一致度数が所定の閾値を超えていれば、両者は同一のデータであると判断する。顔画像比較特定手段50では、登録顔画像データと一致する撮影顔画像データ43bを有する利用者を特定する。
【0047】
<使用予定モニタ特定手段>
使用予定モニタ特定手段51は、特定された利用者が撮影された撮影領域に対応付けられたデジタルテレビモニタ24a,24b,24cを特定するためのプログラムからなる。すなわち、顔画像比較特定手段50の機能により特定された利用者は、複数のデジタルテレビモニタ24a,24b,24cのいずれかの前面領域に着席等しており、そのデジタルテレビモニタ24a,24b,24cが、当該利用者が歌唱の際に使用するものとなる。
【0048】
<モニタ別ディレイ値管理手段>
モニタ別ディレイ値管理手段53は、演奏音発生タイミングに対する、複数のデジタルテレビモニタ24a,24b,24c毎に固有の映像表示タイミングの遅れであるディレイ値を、予めモニタ別ディレイ値管理テーブル44dにて管理するための手段である。すなわち、1台のカラオケ演奏装置11に対して複数のデジタルテレビモニタ24a,24b,24cを設置している場合に、すべてのデジタルテレビモニタ24a,24b,24cが同一の特性を有しているとは限らない。例えば、デジタルテレビモニタ24a,24b,24c毎に走査モードが異なっていると、ディレイ値もそれぞれ異なることになる。そこで、モニタ別ディレイ値管理手段53では、各デジタルテレビモニタ24a,24b,24cにおけるそれぞれのディレイ値を管理して、演奏再生制御手段56における同期制御処理に利用する。
【0049】
<ディレイ値抽出手段>
ディレイ値抽出手段54は、モニタ別ディレイ値管理テーブル44dから、特定されたデジタルテレビモニタ24a,24b,24cのディレイ値を抽出するためのプログラムからなる。ディレイ値抽出手段54の機能により抽出されたディレイ値は、演奏再生制御手段56における同期制御処理で使用される。
【0050】
<演奏再生制御手段>
演奏再生制御手段56は、楽曲IDに基づいて楽曲データベース44aから抽出された演奏データをデジタル再生するとともにアナログ変換してミキシングアンプ26に出力するとともに、次曲の演奏において、抽出されたディレイ値に基づいて、演奏音発生タイミングと映像表示タイミングとが同期するように、カラオケ演奏の再生を遅延させる制御を行うための電子回路及びプログラムからなる。
【0051】
ミキシングアンプ26は、マイクロホン27から入力された歌唱者の歌唱音声信号と、演奏再生制御手段56から送出される演奏音声信号とをミキシングするとともに、アンプ機能により増幅してスピーカ25より出力させるための装置である。このように、選曲予約者が使用するデジタルテレビモニタ24a,24b,24cを特定して、当該デジタルテレビモニタ24a,24b,24cに特有のディレイ値を用いて、同期制御処理(カラオケ演奏音の再生遅延処理)を行うことにより、少なくとも歌唱者が使用するデジタルテレビモニタ24a,24b,24cに表示されるカラオケ映像の表示タイミングと、スピーカ25から発生するカラオケ演奏音の発生タイミングとを同期させることができる。
【0052】
<映像再生制御手段>
映像再生制御手段55は、カラオケ楽曲の演奏中に、映像データベース44bから抽出した映像データ及び楽曲データベース44aから抽出した楽曲データのうちの歌詞テロップデータ(歌詞文字データ)を、当該カラオケ楽曲の演奏データに同期させてデジタルテレビモニタ24a,24b,24cに出力するための電子回路である。この際、カラオケ楽曲の演奏進行に従って、歌詞文字が色変わりして表示される。
【0053】
<デジタルテレビモニタ>
デジタルテレビモニタ24a,24b,24cは、カラオケ演奏時の背景映像、歌詞テロップ等を表示するための装置で、例えば、デジタルデータに基づいて映像再生が行われるCRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等により構成される。
【0054】
<同期制御処理>
図2〜図7を参照して、本実施形態のデジタルテレビ対応カラオケシステムにおける同期制御処理を説明する。図2は、本発明の実施形態に係るデジタルテレビ対応カラオケシステムにおける同期制御処理を示すフローチャートである。また、図3は、本発明の実施形態に係るデジタルテレビ対応カラオケシステムにおける同期制御処理を示す説明図である。また、図4は、利用者顔画像データベースの一例を示す説明図、図5は、モニタ別ディレイ値管理テーブルの一例を示す説明図、図6は、予約待ち行列の一例を示す説明図、図7は、撮影顔画像データの一例を示す説明図である。
【0055】
なお、本発明の実施形態に係るデジタルテレビ対応カラオケシステムにおける同期制御処理を行うために、予め、利用者顔画像登録手段48の機能により、利用者別の登録顔画像データが利用者顔画像データベース44cに登録されており、さらに、利用者別演奏予約手段47の機能により、選曲予約されたカラオケ楽曲の楽曲IDに当該選曲予約者の利用者IDが付帯されて、予約待ち行列43aにて管理されているものとする。
【0056】
本発明の実施形態に係るデジタルテレビ対応カラオケシステムにおける同期制御処理では、図2及び図3に示すように、まず、次曲が存在するか否か、すなわち予約待ち行列43aに次曲が登録されているか否かを判断する(S1)。ここで、次曲が存在する場合には、利用者顔画像データベース44cから、次曲の選曲予約者の登録顔画像データを取得する(S2)。続いて、撮影手段23a,23b,23cの機能により、各デジタルテレビモニタ24a,24b,24cの前面領域にいる利用者の顔画像を撮影するとともに、人面識別手段49の機能により識別し、撮影顔画像データ43bとしてRAM43に記憶する(S3)。続いて、顔画像比較特定手段50の機能により、次曲の選曲予約者の登録顔画像データと、撮影顔画像データ43bとを比較する(S4)。
【0057】
例えば、図6に示す予約待ち行列43aによれば、次曲の選曲予約者は利用者Cであるため、図4に示す利用者顔画像データベース44cから、利用者Cの顔画像データ(****C.jpg)を取得し、図7に示す複数の撮影顔画像データ43bとそれぞれ比較する。
【0058】
そして、選曲予約者の登録顔画像データに一致する撮影顔画像データ43bが存在するか否かを判断し(S5)、選曲予約者の登録顔画像データに一致する撮影顔画像データ43bが存在した場合には、登録顔画像データに一致する利用者が存在する撮影領域を特定する(S6)。図3に示す例では、次曲の選曲予約者である利用者Cが存在する撮影領域(デジタルテレビモニタ24aの撮影領域)が特定される。
【0059】
続いて、使用予定モニタ特定手段51の機能により、特定した撮影領域に対応付けられたデジタルテレビモニタ24a,24b,24cを特定し(S7)、ディレイ値抽出手段54の機能により、特定されたデジタルテレビモニタ24a,24b,24cのディレイ値を抽出する(S8)。図3に示す例では、利用者(選曲予約者)が使用予定であるデジタルテレビモニタ24a(モニタa)が特定され、モニタ別ディレイ値管理テーブル44dからモニタaのディレイ値を抽出する。
【0060】
具体的には、利用者Cの顔画像データ(****C.jpg)と、複数の撮影顔画像データ43bにおいて、モニタaに紐付けされた3番目の利用者の顔画像データ(pha03.jpg)とが一致したとする。この場合には、撮影顔画像データ(pha03.jpg)に紐付けられたモニタは、デジタルテレビモニタ24a(モニタa)であるため、図5に示すモニタ別ディレイ値管理テーブル44dから、モニタaのディレイ値(500msec)を抽出する。
【0061】
続いて、次曲のカラオケ楽曲の演奏が開始されるのを待ち(S9)、演奏再生制御手段56の機能により、次曲のカラオケ楽曲の再生において、当該カラオケ楽曲の選曲予約者が使用するとして特定されたデジタルテレビモニタ24a,24b,24cのディレイ値に基づいて、カラオケ演奏の遅延制御を行い、映像と演奏音とを同期させる(S10)。図3に示す例では、演奏再生制御手段56がデジタルテレビモニタ24a(モニタa)のディレイ値(500msec)に基づいて演奏再生制御を行うことにより、当該カラオケ楽曲の再生において、演奏音発生タイミングと選曲予約者が使用するデジタルテレビモニタ24a(モニタa)の映像表示タイミングとを同期させる。
【0062】
<他の実施形態>
本発明のデジタルテレビ対応カラオケシステム及びその周辺装置を構成する機器や手段は上述したものに限定されず、その利用目的に応じて、必要な機器や手段のみの構成としたり、適宜他の機器や手段を付加したりすることができる。また、各手段をそれぞれ別個のものとして構成するのではなく、複数の機能を統合した手段として構成してもよい。
【0063】
<ネットワークカラオケシステム>
また、上述した実施形態は、カラオケ演奏装置11をスタンドアロンで使用した例を示しているが、各カラオケ店舗等に設置されたカラオケ演奏装置11を端末装置とし、インターネット回線等を用いて、端末装置とホスト装置とをネットワーク接続した構成とすることもできる。この場合には、ホスト装置において、利用者IDや、これに紐付けされた利用者の顔画像データ等を集中管理することにより、ネットワーク接続された各カラオケ演奏装置11において同様のサービスを提供することができる。
【符号の説明】
【0064】
11 カラオケ演奏装置
21 カラオケ本体
22 カラオケリモコン装置
22a 楽曲検索手段
22b 楽曲索引データベース
22c 利用者ID取得手段
23a,23b,23c 撮影手段
24a,24b,24c デジタルテレビモニタ
25 スピーカ
26 ミキシングアンプ
27 マイクロホン
31 ID媒体
41 中央制御手段
42 ROM
43 RAM
43a 予約待ち行列
43b 撮影顔画像データ
44 HDD
44a 楽曲データベース
44b 映像データベース
44c 利用者顔画像データベース
44d モニタ別ディレイ値管理テーブル
45 送受信手段
46 ログイン利用者管理手段
47 利用者別演奏予約手段
48 利用者顔画像登録手段
49 人面識別手段
50 顔画像比較特定手段
51 使用予定モニタ特定手段
52 撮像データ受信手段
53 モニタ別ディレイ値管理手段
54 ディレイ値抽出手段
55 映像再生制御手段
56 演奏再生制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のデジタルビデオモニタを有し、少なくとも歌唱者が使用するデジタルテレビモニタにおけるカラオケ映像表示タイミングと、スピーカシステムにおけるカラオケ演奏音発生タイミングとを同期させるためのカラオケシステムであって、利用者顔画像登録手段と、ログイン利用者管理手段と、利用者別演奏予約手段と、モニタ別ディレイ値管理手段と、撮影手段と、人面識別手段と、顔画像比較特定手段と、使用予定モニタ特定手段と、ディレイ値抽出手段と、演奏再生制御手段と、を備え、
前記利用者顔画像登録手段は、予め、利用者毎の顔画像データに利用者IDを付帯して、利用者別の登録顔画像データとして利用者顔画像データベースに登録し、
前記ログイン利用者管理手段は、現に当該カラオケシステムにログインしている利用者を、利用者IDに基づき特定して管理し、
前記利用者別演奏予約手段は、任意の利用者により選曲された楽曲の楽曲IDに当該利用者の利用者IDを付帯して、予約待ち行列にて管理し、
前記モニタ別ディレイ値管理手段は、前記演奏音発生タイミングに対する、前記複数のデジタルテレビモニタ毎に固有の前記映像表示タイミングの遅れであるディレイ値を、予めモニタ別ディレイ値管理テーブルにて管理し、
前記撮影手段は、前記複数のデジタルテレビモニタの各前面領域を撮影範囲として、各撮影範囲にそれぞれ対応付けられ、当該撮影範囲内にいる利用者の顔画像を撮影し、
前記人面識別手段は、次曲の演奏開始前に、前記撮影手段により撮影された利用者の顔画像を識別するとともに、当該識別された顔画像に、前記撮影領域にそれぞれ対応付けられた各デジタルテレビモニタの識別データを付帯して、撮影顔画像データとして所定の記憶部に記憶し、
前記顔画像比較特定手段は、前記次曲を予約した利用者の前記登録顔画像データと、前記撮影顔画像データとを比較することにより、両顔画像データが一致する利用者を特定し、
前記使用予定モニタ特定手段は、前記特定された利用者が撮影された撮影領域に対応付けられたデジタルテレビモニタを特定し、
前記ディレイ値抽出手段は、前記モニタ別ディレイ値管理テーブルから、前記特定されたデジタルテレビモニタのディレイ値を抽出し、
前記演奏再生制御手段は、前記次曲の演奏において、前記抽出されたディレイ値に基づいて、前記演奏音発生タイミングと前記映像表示タイミングとが同期するように、カラオケ演奏の再生を遅延させる制御を行う、
ことを特徴とするデジタルテレビ対応カラオケシステム。
【請求項2】
前記次曲の演奏開始前とは、当該次曲の演奏前の無演奏期間であることを特徴とする請求項1に記載のデジタルテレビ対応カラオケシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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