説明

デジタルデータ伝送方法およびデジタルデータ伝送装置

【課題】伝送系で伝送可能なチャンネル数よりも多いチャンネル数のデジタルデータの伝送を、前記伝送系を通じて行なえるようにする。
【解決手段】第1のサンプリング周波数のM(Mは1以上の整数)チャンネル分のデジタルデータを伝送可能な伝送系により、N(Nは2以上の整数で、N>M)チャンネルのデジタルデータを伝送するようにするデジタルデータ伝送方法である。Nチャンネルのデジタルデータは、第1のサンプリング周波数よりも低い第2のサンプリング周波数のデータとして、伝送系7用の第1のサンプリング周波数の伝送レートで伝送するようにする。第1のサンプリング周波数の所定の複数サイクル区間単位で、サンプリング周波数の違いにより生じる空きスペースに、Nチャンネルのデジタルデータについての同期信号を挿入する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、M(Mは1以上の整数)チャンネル分のデジタルデータを伝送可能な伝送路により、N(Nは2以上の整数で、N>M)チャンネルのデジタルデータを伝送するようにするデジタルデータ伝送方法およびデジタルデータ伝送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ホームシアターシステムと呼ばれる映像音響再生システムが普及しつつある。この映像音響再生システムにおいては、例えばDVD(Digital Versatile Disc)からの映像再生は、比較的大画面のディスプレイに表示して行なうと共に、音響再生は、マルチチャンネル方式、最近は、5.1チャンネル方式を採用して、迫力のある映像および音響再生ができるようにしている。
【0003】
この5.1チャンネル方式の音響再生システムでは、フロント、センタ、リア、サブウーハと、4種類、6本のスピーカを適宜の位置に配置すると共に、比較的大音量出力でスピーカを鳴らすようにする。
【0004】
すなわち、リスナの前方の、左側にフロント左チャンネル用スピーカが、右側にフロント右チャンネル用スピーカが、また、正面にセンタチャンネル用スピーカが、それぞれ配置される。また、リスナの後方の、左側にリア左チャンネル用スピーカが、右側にリア右チャンネル用スピーカが、それぞれ配置される。さらに、適宜の位置に、LFE(Low Frequency Effect)チャンネル用(低域専用)のサブウーハスピーカが配置される。
【0005】
これらの6個のスピーカは、それぞれスピーカボックス(箱)に取り付けられて、それぞれの位置に配置される。通常、前後の6個のスピーカは、リスナとの距離が、例えば2メートル程度とされて配置されることが多い。
【0006】
ところで、以上のように配置される6個のスピーカに対して、対応するチャンネルのオーディオ信号をどのように供給するかが問題となる。6個のスピーカのそれぞれに、スピーカケーブルを通じて、再生装置から対応するチャンネルのオーディオ信号を供給することが一般的であるが、多数本のスピーカケーブルが長々と部屋に敷設されると、美観が悪くなったり、部屋の掃除の邪魔になったりするという問題がある。
【0007】
フロント左右チャンネル用スピーカは、再生装置をリスナの正面中央に設置した場合に、その両側に設置することができるために、スピーカケーブルで、再生装置との間を接続しても、それほど問題にはならないが、リスナの後ろに設置されるリア左右チャンネル用のスピーカや任意の位置に配置されるLFEチャンネル用のスピーカに対するスピーカケーブルの引き回しは、上述のような不具合が生じやすい。
【0008】
一方、スピーカケーブルを用いずに、例えば赤外線を用いて無線で各スピーカに、当該スピーカに供給すべきチャンネルのオーディオ信号を送るようにする技術(例えば特許文献1(特開2003−188819号公報)等)が知られており、これを用いれば、上述のスピーカケーブルの引き回しの問題は回避できる。
【0009】
上記の特許文献および非特許文献は、次の通りである。
【特許文献1】特開2003−188819号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上述の特許文献1に記載の技術は、複数個のスピーカのそれぞれに対して赤外光の送信手段と受信手段との対を設けるようにしており、コスト高となると共に、それぞれのスピーカの方向に赤外光を放射するようにしなければならず、スピーカ配置および赤外光の送信手段の配置が制限されるという問題がある。
【0011】
そこで、例えば、リア左右チャンネル用のスピーカ、LFEチャンネル用スピーカなどの複数のスピーカに対して一つの伝送路を通じて、それら複数個のスピーカ用の各チャンネルのオーディオ信号を供給するシステムがあれば、非常に便利である。すなわち、その場合には、リア左右チャンネル用のスピーカ、LFEチャンネル用スピーカなどの複数のスピーカに、例えばスピーカケーブルを通じて、それぞれのチャンネル用オーディオ信号を中継する中継装置を、それらのスピーカの近傍に設けておき、DVDプレーヤなどの再生装置と、その中継装置との間を、有線あるいは無線による一つの伝送路で接続するようにする。
【0012】
ところが、現在、一つの伝送路でオーディオ信号を伝送する伝送系として利用することができるものは、2チャンネルのオーディオ信号を伝送することができるものが存在するだけで、3チャンネル以上のオーディオ信号の伝送はできないという問題がある。既存の伝送系を使用せずに、新たに、必要なチャンネル数のオーディオ信号を伝送する伝送系を構築することも考えられるが、開発コストなどを考慮すると既存のインフラを用いる方が有利である。
【0013】
以上の点にかんがみ、この発明は、伝送系で伝送可能なチャンネル数よりも多いチャンネル数のデジタルデータの伝送を、前記伝送系を通じて行なえるようにすることにより、上述の問題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明によるデジタルデータ伝送方法は、
第1のサンプリング周波数のM(Mは1以上の整数)チャンネル分のデジタルデータを伝送可能な伝送系により、N(Nは2以上の整数で、N>M)チャンネルのデジタルデータを伝送するようにするデジタルデータ伝送方法において、
前記Nチャンネルのデジタルデータは、前記第1のサンプリング周波数よりも低い第2のサンプリング周波数のデータとして、前記伝送系用の前記第1のサンプリング周波数の伝送レートで伝送するようにすると共に、
前記第1のサンプリング周波数の所定の複数サイクル区間単位で、前記サンプリング周波数の違いにより生じる空きスペースに、前記Nチャンネルのデジタルデータについての同期信号を挿入する
ことを特徴とする。
【0015】
請求項1の発明においては、伝送系を通じて伝送しようとするNチャンネルのデジタルデータは、伝送系として規定されているデジタルデータの第1のサンプリング周波数よりも低い第2のサンプリング周波数のデータとする。そして、この第2のサンプリング周波数のデータを、伝送系用の第1のサンプリング周波数の伝送レートで伝送する。
【0016】
すると、伝送系においては、第1のサンプリング周波数の伝送レートの複数サイクル区間では、第1のサンプリング周波数のデジタルデータのサンプル数よりも多い、第2の周波数のデジタルデータのサンプル数が伝送可能となる。つまり、サンプリング周波数の違いにより、伝送系において、空きスペースを設けることが可能となる。
【0017】
そこで、この発明では、この空きスペースに、伝送しようとするNチャンネルのデータデータについての同期信号を挿入する。この同期信号により、伝送系用の第1のサンプリング周波数とは異なる第2のサンプリング周波数のNチャンネルのオーディオデータを、受信側で分離して再生することができる。
【0018】
また、請求項5の発明は、
1サンプル当たりのビット数が、第1のビット数のM(Mは1以上の整数)チャンネル分のデジタルデータを伝送可能な伝送系により、N(Nは2以上の整数で、N>M)チャンネルのデジタルデータを伝送するようにするデジタルデータ伝送方法において、
前記Nチャンネルのデジタルデータは、1サンプル当たりのビット数が、前記第1のビット数よりも少ない第2のビット数のデータとして、前記伝送系を伝送するようにすると共に、
複数サンプル区間単位で、前記第1のビット数よりも前記第2のビット数が少ないことにより生じる空きスペースに、前記Nチャンネルのデジタルデータについての同期信号を挿入する
ことを特徴とする。
【0019】
請求項5の発明においては、伝送系を通じて伝送しようとするNチャンネルのデジタルデータは、伝送系として規定されているデジタルデータの1サンプル当たりの第1のビットよりも少ない第2のビット数/サンプルのデータとする。そして、この第2のビット数/サンプルのデータを、伝送系用の第1のビット数/サンプルの伝送レートで伝送する。
【0020】
すると、伝送系における複数サンプル区間では、第1のビット数のデジタルデータのサンプル数よりも多い、第2のビット数のデジタルデータのサンプル数が伝送可能となる。つまり、ビット数の違いにより、伝送系において、空きスペースを設けることが可能となる。
【0021】
そこで、この発明では、この空きスペースに、伝送しようとするNチャンネルのデータデータについての同期信号を挿入する。この同期信号により、伝送系用の第1のビット数/サンプルとは異なる第2のビット数のNチャンネルのオーディオデータを、受信側で分離して再生することができる。
【発明の効果】
【0022】
この発明によれば、Mチャンネルのデジタルデータの伝送が可能な伝送系を通じて、Mチャンネルよりも多いNチャンネル(N>M)のデジタルデータの伝送が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、この発明によるデジタルデータの伝送方法および伝送装置の実施形態を、図を参照しながら説明する。
【0024】
[第1の実施形態]
図2は、この発明によるデジタルデータの伝送方法の実施形態を適用した映像音響再生システムの一例を示すブロック図である。この図2の例の映像音響再生システムは、オーディオ再生系に関して、5.1チャンネルサラウンドシステムとした構成である。また、図1は、図2の映像音響再生システムのうちの、DVDプレーヤからの出力オーディオ信号による音響再生システム部分の、より詳細な回路構成例を示すものである。
【0025】
図2の例のシステムは、DVDプレーヤ1と、オーディオ信号無線送信装置2と、オーディオ信号無線受信装置3と、映像モニター表示装置4と、6個のスピーカ装置5FL、5C、5FR、5RL、5RRおよび5LFEとからなる。
【0026】
この実施形態においては、リスナ6の前方の、左側にフロント左チャンネル用スピーカ装置5FLが、右側にフロント右チャンネル用スピーカ装置5FRが、それぞれ配置され、また、リスナ6の前方中央にセンタチャンネル用スピーカ装置5Cが配置される。スピーカ装置5FL,5FRは、左右のどちらのチャンネルかを区別する必要がないときには、以下、フロントスピーカ装置と称する。
【0027】
なお、フロント左チャンネル用スピーカ装置5FLおよびフロント右チャンネル用スピーカ装置5FRは、映像モニター表示装置4に左右スピーカ装置が内蔵されている場合には、それらのスピーカ装置を用いることができる。
【0028】
そして、この実施形態では、リスナ6の後方の、左側にリア左チャンネル用スピーカ装置5RLが、右側にリア右チャンネル用スピーカ5RR装置が、それぞれ配置される。これらのスピーカ装置5RL、5RRは、左右を区別する必要がないときには、以下、リアスピーカと称する。
【0029】
また、リスナ6の後方の任意の位置、図2の例では、後方中央には、低域専用チャンネル用のスピーカ装置5LFEが配置される。
【0030】
スピーカ装置5FL,5FR,5C,5RL,5RR,5LFEのそれぞれは、図1に示すように、オーディオ出力アンプ8FL,8FR,8C,8RL,8RR,8LFEと、スピーカユニット9FL,9FR,9C,9RL,9RR,9LFEとからなる。
【0031】
なお、DVDプレーヤ1から出力されるオーディオ信号がデジタルオーディオ信号の形式の場合には、スピーカ装置5FL,5FR,5C,5RL,5RR,5LFEのそれぞれのオーディオ出力アンプ8FL,8FR,8C,8RL,8RR,8LFEの前段に、D/A変換器を設けて、アナログオーディオ信号に戻すように構成する。
【0032】
DVDプレーヤ1は、これに装填されたDVDに記録されている映像信号および音声信号を再生して出力する。この例では、DVDプレーヤ1で再生された映像信号Viは、映像モニター表示装置4に供給されて、その表示画面に、再生映像信号Viによる再生映像が表示される。
【0033】
DVDプレーヤ1は、この実施の形態では、5.1チャンネルのサラウンド方式に対応するデコード機能を備え、左右2チャンネル用のフロントスピーカ装置5FLおよび5FRに供給するオーディオ信号LfおよびRfと、センタチャンネル用のスピーカ装置5Cに供給するオーディオ信号Cと、リア左チャンネル用スピーカ装置5RLおよびリア右チャンネル用スピーカ装置5RRとに供給するオーディオ信号LrおよびRrと、低域専用チャンネル用のスピーカ装置5LFEに供給するオーディオ信号LFEとを生成して出力する。
【0034】
この実施形態では、DVDプレーヤ1のフロント左右チャンネル用のオーディオ信号Lf,Rfおよびセンタチャンネルのオーディオ信号Cの出力端子のそれぞれは、スピーカケーブルを通じてそれぞれ対応するチャンネルの各スピーカ装置5FL,5FRおよび5Cの入力端子のそれぞれに接続されている。
【0035】
そして、この実施形態では、DVDプレーヤ1からのフロント左右チャンネル用のオーディオ信号Lf,Rfおよびセンタチャンネルのオーディオ信号Cは、それぞれ対応するチャンネルの各スピーカ装置5FL,5FRおよび5Cに供給され、それぞれオーディオ出力アンプ8FL,8FRおよび8Cの出力によりスピーカユニット9FL,9FRおよび9Cが駆動されて,音響再生される。
【0036】
一方、DVDプレーヤ1からのリア左チャンネルおよびリア右チャンネルのオーディオ信号LrおよびRrと、低域専用チャンネルのオーディオ信号LFEとの3チャンネルのオーディオ信号は、この実施形態では、対応するそれぞれのスピーカ装置5RL,5RRおよび5LFEに直接供給されるのではなく、オーディオデータ無線送信装置2およびオーディオデータ無線受信装置3を含む無線伝送路を通じて、まとめて無線送信された後、それらスピーカ装置5RL,5RRおよび5LFEに供給されるようにされている。
【0037】
この実施形態では、このように無線伝送路を通じてリスナ6の後ろ側に配置されるスピーカ装置へ供給するオーディオ信号が伝送されるので、従来のように複数本(3本)のスピーカケーブルをリスナ6の後ろ側にまで、敷設したり、3チャンネル分の3組の赤外線送信部および赤外線受信部を設けたりする必要が無くなる。
【0038】
すなわち、DVDプレーヤ1からのリア左チャンネルおよびリア右チャンネルのオーディオ信号LrおよびRrと、低域専用チャンネルのオーディオ信号LFEとの3チャンネルのオーディオ信号は、オーディオデータ無線送信装置2に供給される。
【0039】
この実施形態では、オーディオデータ無線送信装置2と、オーディオデータ無線受信装置3との間は、既存の伝送系である2チャンネルのオーディオ信号の無線伝送系7により接続されている。この無線伝送系は、サンプリング周波数が48kHzでサンプリングされた、1チャンネル当たり16ビット/サンプルの2チャンネルのデジタルオーディオデータの伝送が可能であるものである。この無線伝送系7のトータルの伝送レートは、1.536Mbpsである。この場合、無線伝送手段としては、光を用いたものに限らず、電波を用いたものであっても、もちろん良い。
【0040】
そして、この実施形態では、後述するように、オーディオデータ無線送信装置2では、DVDプレーヤ1からのリア左チャンネルおよびリア右チャンネルのオーディオ信号LrおよびRrと、低域専用チャンネルのオーディオ信号LFEとの3チャンネルのデジタルオーディオデータを、2チャンネルの無線伝送系7を通じて送受可能なフォーマットのデータに変換して、オーディオデータ無線受信装置3に無線送信する。
【0041】
そして、オーディオデータ無線受信装置3では、無線伝送系7を通じて受け取ったオーディオデータから、元のリア左チャンネルおよびリア右チャンネルのオーディオ信号LrおよびRrと、低域専用チャンネルのオーディオ信号LFEとの3チャンネルのデジタルオーディオデータを復調して得る。
【0042】
そして、オーディオデータ無線受信装置3の、リア左チャンネルおよびリア右チャンネルのオーディオ信号LrおよびRrと、低域専用チャンネルのオーディオ信号LFEの信号出力端子のそれぞれは、スピーカケーブルを通じてそれぞれ対応するチャンネルの各スピーカ装置5RL,5RRおよび5LFEの入力端子のそれぞれに接続されている。
【0043】
そして、この実施形態では、オーディオデータ無線受信装置3からのリア左右チャンネル用のオーディオ信号Lr,Rrおよび低域専用チャンネルのオーディオ信号LFEは、それぞれ対応するチャンネルの各スピーカ装置5RL,5RRおよび5LFEに供給され、それぞれオーディオ出力アンプ8RL,8RRおよび8LFEの出力によりスピーカユニット9RL,9RRおよび9LFEが駆動されて,音響再生される。
【0044】
次に、既存の伝送系である2チャンネルのオーディオ信号の無線伝送系7を通じた、オーディオデータ無線送信装置2と、オーディオデータ無線受信装置3との間でのデータ伝送の詳細について、図1を参照しながら説明する。
【0045】
まず、この実施形態におけるデータ伝送方法の概要について説明する。
【0046】
多くのデジタルオーディオ装置では、サンプリング周波数は複数チャンネルのすべてで一定としてシステム構成されている。しかし、5.1チャンネルサラウンドシステムのような場合は、各チャンネルにおける信号の役割が異なることから、その役割に応じたサンプリング周波数を配分することは合理的なことである。
【0047】
つまり、フロント左右2チャンネルや、センタチャンネルは、DVDプレーヤ1からの出力音声信号のメインであるので、48kHzを割り当てる。一方、リアの左右2チャンネルは、メインの音声信号ではないので、それより低いサンプリング周波数、例えば44.1kHzや32kHzであってもよい。更には、低域専用チャンネルにいたっては、最高でも400Hz程度の信号しか来ないので、これに48kHzのサンプリング周波数を使うことは全く必要のないことである。
【0048】
そこで、この実施形態では、オーディオデータ無線送信装置2と、オーディオデータ無線受信装置3との間でのデータ伝送の対象となるリア左右2チャンネルや低域専用チャンネルのサンプリング周波数は、無線伝送系7に割り当てられているサンプリング周波数48kHzよりも低いサンプリング周波数のデジタルデータに変換する。そして、低いサンプリング周波数に変換されたデジタルデータを、無線伝送系7の本来の伝送レート、つまり、無線伝送系7に割り当てられている高いサンプリング周波数のデータを伝送するための伝送レートで、伝送するようにする。
【0049】
このようにすると、伝送しようとするデジタルデータのサンプリング周波数が低いために、同じチャンネル数であれば、無線伝送系7の本来の伝送レートでは余裕ができ、データ伝送の空き区間を形成することができる。そこで、その空き区間に、別のチャンネルのデジタルデータを挿入して伝送することが可能である。
【0050】
ただし、そのようにした場合には、無線伝送系7が想定しているチャンネル数よりも、多いチャンネル数のデジタルデータを伝送するものであり、無線伝送系7自身が検出することができるサンプル同期だけでは、受信側において各チャンネルのデジタルデータを区別して抽出することができない。
【0051】
このため、この実施形態では、無線伝送系7で伝送しようとする複数チャンネルのオーディオデータのそれぞれを区別ができるようにするための同期信号をも、さらに挿入して伝送するようにする。
【0052】
以上のことを実現するため、この実施形態では、図1に示すように構成する。すなわち、図1に示すように、オーディオデータ無線送信装置2は、この第1の実施形態においては、リア左右チャンネル用のオーディオ信号Lr,Rrおよび低域専用チャンネルのオーディオ信号LFEのそれぞれのサンプリング周波数の変換を行なうサンプリング周波数変換部21,22,23と、それらサンプリング周波数変換部21,22,23からの3チャンネルのオーディオデータを多重化する多重化回路部24と、この多重化回路部24で一つのストリームとされたオーディオデータを無線送信する無線送信回路部25とからなる。
【0053】
リア左右チャンネルのオーディオ信号Lr,Rr用のサンプリング周波数変換部21および22は、この例では、DVDプレーヤ1からのサンプリング周波数が48kHzのオーディオデータを、サンプリング周波数が32kHzのオーディオデータに変換するようにする。
【0054】
また、低域専用チャンネルのオーディオ信号LFE用のサンプリング周波数変換部23は、この例では、DVDプレーヤ1からのサンプリング周波数が48kHzのオーディオデータを、サンプリング周波数が16kHzのオーディオデータに変換するようにする。
【0055】
これらサンプリング周波数変換部21,22,23は、DVDプレーヤ1からのオーディオデータがデジタルオーディオデータの場合には、D/A変換してアナログオーディオ信号に戻し、32kHzまたは16kHzのサンプリング周波数で再サンプリングを行い、そのサンプリング結果をデジタルデータに変換して、目的のデジタルオーディオデータを得る。
【0056】
また、DVDプレーヤ1からのオーディオデータがアナログオーディオ信号の場合には、サンプリング周波数変換部21,22,23は、それぞれ32kHzまたは16kHzのサンプリング周波数でサンプリングを行い、そのサンプリング結果をデジタルデータに変換して、目的のデジタルオーディオデータを得る。
【0057】
なお、これらサンプリング周波数変換部21,22,23で用いられる32kHzおよび16kHzのサンプリングクロックは、無線送信回路部25で無線伝送系7に送出するために使用される48kHzまたはそれを逓倍した周波数のクロックに同期したものとされている。
【0058】
サンプリング周波数変換部21,22,23からのデジタルオーディオデータは、それぞれ多重化回路部24に供給されて、以下に説明するような多重化処理が行われる。この多重化回路部24では、各デジタルオーディオデータは、サンプリング周波数48kHz、2チャンネルのデータサンプル伝送用の伝送レートに同期したサンプルクロックおよびビットクロックを使用して、サンプリング周波数変換部21,22,23からのデジタルオーディオデータについての多重化処理を以下に説明するようにして行う。
【0059】
前述したように、この実施形態で用いられる無線伝送系7は、サンプリング周波数が48kHzであって、16ビット/サンプルのデジタルオーディオデータを、2チャンネル分、伝送できる容量を備えている。
【0060】
図3(A)に示すように、サンプリング周波数が48kHzの信号の1サイクル区間(1周期)をT時間とすると、48kHz:32kHz=3:2であるので、3Tの区間は、図3(C)に示すように、サンプリング周波数が32kHzの信号の2周期分に相当し、図3(D)に示すように、この3T区間には、リア左右2チャンネルのオーディオデータLr,Rrは、2個ずつ、合計4個の16ビットサンプルが含まれることになる。
【0061】
また、前記3Tの区間は、48kHz:16kHz=3:1であるので、図3(E)に示すように、サンプリング周波数が16kHzの信号の1周期分に相当し、図3(F)に示すように、低域専用チャンネルのオーディオデータLFEは、3T区間に1個の16ビットサンプルが含まれることになる。
【0062】
そして、無線伝送系7では、1Tの区間に、16ビットのサンプルデータが2個(2チャンネル分)伝送可能であるので、3Tの区間では、16×2×3=96ビットのデータの伝送が可能である。つまり、無線伝送系7では、3Tの間には、16ビットのサンプルデータを、6個、伝送可能である。
【0063】
上述したように、3Tの区間には、リア左右2チャンネルのオーディオデータLr,Rrは4個のサンプルデータが、低域専用チャンネルのオーディオデータLFEは1個のサンプルデータが、含まれるので、合計5個となり、1個のサンプルデータ分の空きが生じる。
【0064】
この実施形態では、図3(B)に示すように、この空きの1サンプルデータ分に、3チャンネルのオーディオデータを分離するための同期信号SYNCを挿入する。すなわち、3Tの区間に、リア左右2チャンネルのオーディオデータLr,Rrおよび低域専用チャンネルのオーディオデータLFEを伝送するようにした場合、オーディオデータ無線受信装置3側において、どれがリア左右2チャンネルのオーディオデータLr,Rrで、どれが低域専用チャンネルのオーディオデータLFEであるかの区別をすることができない。
【0065】
しかし、同期信号SYNCが挿入されていれば、オーディオデータ無線受信装置3側で、この同期信号SYNCを頼りに、リア左右2チャンネルのオーディオデータLr,Rrおよび低域専用チャンネルのオーディオデータLFEを分離して、デコードすることができる。
【0066】
以上のことを考慮して、この実施形態では、3T区間を、リア左右2チャンネルのオーディオデータLr,Rrおよび低域専用チャンネルのオーディオデータLFEを多重化伝送する際の、多重化単位とするようにする。
【0067】
ところで、上述の同期信号SYNCとしては、オーディオデータとしては、現れない16ビットのデータを用いる必要がある。
【0068】
この実施形態の映像音響再生システムにおいては、2の補数を用いてオーディオデータを扱うことで、アナログオーディオ信号の平均レベルをゼロとして、オーディオデータを、正、負のデータ値として扱うことができるようにしているが、この実施形態では、同期信号SYNCとして負の最大値を用いるようにすると共に、オーディオデータに若干の工夫を加える。
【0069】
すなわち、2の補数を用いてオーディオデータを扱う場合において、この実施形態では、負の最大値(16ビットでは、「8000(16進数表示)」)を同期信号SYNCに割り当てると共に、オーディオデータが、この負の最大値になったときには、他の値、例えば1を加えた値(「8000(16進表示)」→「8001(16進表示)」)に変換して、同期信号SYNCと同じ値が、オーディオデータ列中には、存在しないようにする。つまり、この実施形態のオーディオデータは、負の方向には、(負の最大値―1)までで、データ値をホールドさせるようにする。
【0070】
2の補数を用いてオーディオデータを扱う場合には、ゼロを中心した正の値と、負の値とをとるようにするが、図4に示すように、元々、正の方向の値と負の方向の値は非対称なものとなっている。そして、負の最大値をオーディオデータとして用いないようにすれば、オーディオデータとしての正、負の値の対象性は保持される。
【0071】
そして、同期信号SYNCとして用いる負の最大値は、オーディオ信号の振幅の負の方向の最大値に対応するものであり、特に、当該負の最大値をオーディオデータとして用いなくしても、オーディオ信号について、ダイナミックレンジや歪みや周波数特性が悪化することは無い。
【0072】
多重化回路部24は、上述した負の最大値「8000(16進表示)」を発生する同期信号発生部241を備える。そして、多重化回路部24は、サンプリング48kHz、2チャンネルのデータサンプル伝送用の伝送レートに同期したサンプルクロックおよびビットクロックを使用して、この実施形態では、3T区間毎に、サンプリング周波数変換部21,22からのリア左右チャンネルのオーディオデータLr,Rrおよび低域専用チャンネルのオーディオデータLFEを、図3(B)に示すように、順次に、配置してゆくと共に、当該3T区間毎に、同期信号発生部240から読み出した同期信号SYNCを挿入付加する処理(多重化処理)を実行する。
【0073】
以上のようにして、多重化されたオーディオデータは、無線送信回路部25に供給される。無線送信回路部25は、無線伝送系7に適合する態様で、サンプリング48kHz、2チャンネルのデータサンプル伝送用の伝送レートにより、前記多重化されたオーディオデータを、光または電波による無線によりオーディオデータ無線受信部3に送信する。
【0074】
オーディオデータ無線受信部3は、無線受信回路部31と、多重化復調回路部32とを備える。
【0075】
無線受信回路部31は、無線伝送系7を通じて送られてくるデータを受信し、サンプリング48kHz、2チャンネルのデータサンプルのワード同期信号(サンプル同期信号)を生成し、生成したワード同期信号と共に、受信データを多重化復調回路部32に供給する。
【0076】
多重化復調回路部32では、同期検出部320において、受信したデータから同期信号SYNCの検出を行い、検出した同期信号SYNCを基に、48kHzのサンプルレートの受信データから、リア左右チャンネルのオーディオデータLr,Rrおよび低域専用チャンネルのオーディオデータLFEをそれぞれ分離する。
【0077】
そして、多重化復調回路部32では、この例では、分離したリア左右チャンネルのオーディオデータLr,Rrおよび低域専用チャンネルのオーディオデータLFEの各チャンネルのオーディオ信号を、D/A変換してアナログオーディオ信号としてスピーカ装置5Lr,5Rrおよび5LFEのそれぞれに供給する。
【0078】
そして、スピーカ装置5Lr,5Rrおよび5LFEのそれぞれにおいて、オーディオ出力アンプ8RL,8RRおよび8LFEの出力によりスピーカユニット9RL,9RRおよび9LFEが駆動されて,各チャンネルのオーディオ信号が音響再生される。
【0079】
以上説明した実施形態によれば、既存の2チャンネルのオーディオ信号の伝送系を用いて、3チャンネルのオーディオ信号を伝送することが可能になる。この場合に、リア左右チャンネルのオーディオデータは、サンプリング周波数が48kHzから32kHzに低減されるため、再現可能なオーディオ帯域が24kHzから16kHzになって、若干、高い音が失われるが、実用上のデメリットは非常に少ない。同様に、低域専用チャンネルのオーディオデータは、サンプリング周波数が48kHzから16kHzに低減されるため、再現可能なオーディオ帯域は24kHzから8kHzになるが、元々低域専用チャンネルのオーディオ信号は、必要な帯域は、1kHz以下程度でよいので、実用上は、問題は無い。
【0080】
なお、上述の例において、サンプリング周波数変換後のサンプリング周波数は一例であり、その他の種々のサンプリング周波数を採用しても良い。例えば、品質的には劣ることになるが、リア左右チャンネルの再現帯域をより低くすることができる場合には、図5に示すような、サンプリング周波数を用いることもできる。
【0081】
すなわち、図5の例の場合には、リア左右チャンネルのオーディオデータLr,Rrのサンプリング周波数は、24kHzとする。また、低域専用チャンネルのオーディオデータLFEのサンプリング周波数は、12kHzとする。
【0082】
この例の場合には、図5に示すように、サンプリング周波数が48kHzの信号の1サイクル区間(1周期)をT時間としたときに、2T区間を、リア左右2チャンネルのオーディオデータLr,Rrおよび低域専用チャンネルのオーディオデータLFEを多重化伝送する際の、多重化単位とするようにする。
【0083】
48kHzのサンプリング周波数、2チャンネルの伝送系の2T区間(図5(A)参照)では、16ビットのサンプルデータを4個伝送可能であるが、上述のようなサンプリング周波数が24kHz(図5(C)参照)とされたリア左右2チャンネルのオーディオデータLr,Rrは、この2T区間には、図5(D)に示すように、1個ずつの2個が含まれ、また、サンプリング周波数が12kHz(図5(E)参照)とされた低域専用チャンネルのオーディオデータLFEは、この2T区間には、図5(F)に示すように、1個が含まれる。
【0084】
したがって、図5(B)に示すように、2T区間において、同期信号SYNCと、リア左右チャンネルの1個ずつの2個のデータと、低域専用チャンネルの1個のデータとを多重化することができる。
【0085】
[第2の実施形態]
この第2の実施形態は、映像音響システムのハードウエア構成は、図1および図2を用いて説明した上述した第1の実施形態と同様であるが、オーディオデータ無線送信装置2の多重化回路部24における多重化処理の内容およびオーディオデータ無線受信装置3の多重化復調回路部32における多重化復調処理の内容が、上述した第1の実施形態とは異なる。
【0086】
すなわち、この第2の実施形態では、無線伝送系7を通じて、リア左右チャンネルのオーディオデータおよび低域専用チャンネルのオーディオデータに加えて、これらオーディオデータに関連する付加信号CTLを伝送するようにする。この付加信号CTLは、例えばフロント側の音量が変化したとき、それをリア側に伝え、絶えず前後の音量のバランスを取るために使用するなどのために用いられる。
【0087】
これに応じて、この第2の実施形態のオーディオデータ無線受信装置3の多重化復調回路部32は、D/A変換したオーディオ信号に対して音量調節を施すための音量調節手段を備える。
【0088】
図6を参照しながら、この第2の実施形態における多重化方法の一例を説明する。すなわち、この図6の例においては、リア左右チャンネルのオーディオデータおよび低域専用チャンネルを伝送系7を通じて伝送する多重化の単位は、6T区間(図6(A)参照)とする。
【0089】
そして、その6T区間の多重化単位区間の前半の3T区間と後半の3T区間とに分けたときに、前半の3T区間は、第1の実施形態と全く同様とするが、後半の3T区間においては、第1の実施形態では、同期信号SYNCが挿入される1/2T区間に、当該6T区間に伝送されるオーディオ信号に関連するデータの例としての付加信号CTL(16ビット)が挿入される。
【0090】
この第2の実施形態によれば、多重化単位区間は長くなるだけで、第1の実施形態と同様にして、2チャンネル分のオーディオデータ伝送路を用いて、3チャンネルのオーディオデータを伝送することができると共に、その多重化区間毎に付加信号CTLを伝送することができるというメリットがある。
【0091】
[第2の実施形態の変形例]
図6に示した第2の実施形態においては、低域専用チャンネルのオーディオデータLFEは、モノーラル信号であったが、低域専用チャンネルは、前述したように、サンプリング周波数を16kHzよりもさらに低い周波数にすることが可能であるので、低域専用チャンネルを2チャンネルとすることもできる。
【0092】
すなわち、図7は、その場合の多重化方法の一例を示すもので、この例においては、低域専用チャンネルのオーディオデータLFEのサンプリング周波数は、8kHzとして、左右2チャンネルのオーディオデータLFE(L)と、LFE(R)とを得るようにする。
【0093】
そして、6T区間の多重化単位区間は、図6に示した第2の実施形態と全く同様とするが、その前半の3T区間に多重化する低域専用チャンネルのオーディオデータは、左チャンネルの低域専用チャンネルのオーディオデータLFE(L)とし、後半の3T区間においては、右チャンネルの低域専用チャンネルのオーディオデータLFE(R)とする。
【0094】
すなわち、この例によれば、低域専用チャンネルをステレオにすることができる。
【0095】
[第3の実施形態]
上述の第1および第2の実施形態は、サンプリング周波数を、使用したい伝送系におけるデータのサンプリング周波数よりも低くして、使用したい伝送系で伝送可能なチャンネル数よりも多いチャンネル数のオーディオデータを伝送するようにした。これに対して、第3の実施形態においては、1サンプル当たりの伝送ビット数を低減させることにより、使用したい伝送系で伝送可能なチャンネル数よりも多いチャンネル数のオーディオデータを伝送する。以下に、その幾つかの例を示す。
【0096】
なお、この第3の実施形態においても、映像音響再生システムの構成は、図2の通りであり、上述の第1および第2の実施形態と同様である。
【0097】
<第1の例>
第3の実施形態の第1の例を、図8のブロック図および図9のタイミングチャートを参照して説明する。
【0098】
すなわち、図8は、この第1の例によるオーディオデータ無線送信装置2と、オーディオ無線受信装置3の部分のみを示すものである。
【0099】
この第1の例においては、オーディオデータ無線送信装置2は、上述の第1の実施形態におけるサンプリング周波数変換部21,22,23の代わりに、16→15ビット変換部201,202と、サンプリング周波数変換部203とを設け、これら16→15ビット変換部201,202およびサンプリング周波数変換部203の出力データを多重化回路部24に供給するようにする。
【0100】
その他のブロック構成は、第1の実施形態と同様であるので、図8においては、それら同様の部分には同一符号を付すこととする。ただし、多重化回路部24における多重化処理は、後述するように、上述の実施形態とは異なるものである。そして、多重化復調回路部32における多重化復調処理は、この例の多重化回路部24の多重化処理に応じたものとなって、上述の実施形態とは異なるものである。
【0101】
なお、多重化回路部24で、同期信号SYNCとして、「8000(16進表示)」を用いること、および当該同期信号SYNCと同じオーディオデータのデジタル値は、「8001(16進表示)」に変換するようにする処理は、上述の実施形態と全く同様になされる。
【0102】
リア左右チャンネルのオーディオ信号Lr,Rr用の16→15ビット変換部201,202は、この例では、DVDプレーヤ1からのサンプリング周波数が48kHz、16ビット/サンプルのオーディオデータを、サンプリング周波数は変えずに15ビット/サンプルのオーディオデータに変換するようにする。
【0103】
この場合のビット変換部201および202におけるビット変換処理としては、16ビットのLSB(Least Significant Bit)を除去して15ビットに変換するようにしても良いし、16ビットから15ビットへの変換テーブルを用意して変換するようにしても良い。ただし、16ビットのオーディオデータについて、同期信号SYNCとして用いる「8000(16進表示)」は、「8001(16進表示)」に変換した後、ビット変換するようにする。
【0104】
また、低域専用チャンネル用のサンプリング周波数変換部203は、DVDプレーヤ1からのサンプリング周波数が48kHzの低域専用チャンネルのオーディオデータLFEを、サンプリング周波数が48÷16=3kHzの、16ビットのオーディオデータに変換するようにする。
【0105】
そして、ビット変換部201および202からの、15ビットとされたリア左右2チャンネルのオーディオデータLrおよびRrと、サンプリング周波数変換部203からの、サンプリング周波数が変換された低域専用チャンネルのオーディオデータLFEとが多重化回路部24に供給される。
【0106】
多重化回路部24では、この第3の実施形態の第1の例においては、図9に示すように、16T区間を多重化の単位区間として多重化処理をするようにする。
【0107】
すなわち、図9(B)に示すように、多重化の単位区間である16T区間の先頭には、上述の例と同様に、16ビットの同期信号SYNCを挿入する。次に、それぞれ16個ずつの合計32個のリア左右2チャンネルの15ビットのサンプルデータを、図9(B)のように、交互に配置する。そして、16T区間の最後に、16ビットの低域専用チャンネルのオーディオデータLFEの1個のサンプルデータを配置する。
【0108】
すなわち、この第1の例においては、リア左右2チャンネルのオーディオデータは、16ビットのサンプルデータのそれぞれを15ビットに変換して、多重化単位区間の16Tにおいて、32ビット分の空き区間を生成する。その空き区間に同期信号SYNCと、低域専用チャンネルのオーディオデータLFEの1サンプル分を挿入するようにする。
【0109】
このため、低域専用チャンネルのオーディオデータのサンプリング周波数は、48÷16=3kHzとなるが、前述したように、低域専用チャンネルのオーディオ信号としては、1kHz以下の再現帯域でよいので、このような低いサンプリング周波数に変換しても、実用上の問題は生じない。
【0110】
なお、低域専用チャンネルは、16ビットのまま用いるものとしたが、この低域専用チャンネルのオーディオデータも15ビット/サンプルとするようにしても良い。その場合には、1ビットが余るので、その余った1ビットを、付加信号用や他の用途に用いるようにしても良い。
【0111】
<第2の例>
図10は、ビット変換を行なう第3の実施形態の第2の例を説明するためのタイミングチャートである。
【0112】
図10(A)に示すように、この第2の例においては、多重化処理の単位区間は、9Tとする。そして、図10(B)に示すように、この9Tの多重化単位区間の先頭には、16ビットの同期信号SYNCを配置する。その後に、リア左右2チャンネルのオーディオデータLr,Rrの8個サンプルずつの合計16個サンプルを挿入する。そして、その際に、リア左右2チャンネルのオーディオデータLr,Rrは15ビットとして、16ビット単位の最後の1ビットに、16ビットの低域専用チャンネルのオーディオデータLFE(図10(D)参照)の1ビットずつを、順次に分散して配置するようにする。
【0113】
この場合、9T区間には、16×9×2=288ビットが含まれる。先頭の同期信号SYNCの16ビットと、その後の低域専用チャンネルのオーディオデータを最後の1ビットとして含む16ビット毎のリア左右2チャンネルのオーディオデータの16個とで占めるビット数は、16+16×16=272ビットとなり、16ビットが余る。そこで、この第2の例においては、この余りの16ビット分として、付加信号CTLを挿入することができる。
【0114】
なお、この第2の実施形態では、9Tの区間にリア左右チャンネルのオーディオデータの8個サンプルずつを挿入することになるので、当該リア左右チャンネルのオーディオ信号のそれぞれについては、16ビットから15ビットへの変換のみでなく、サンプリング周波数を、48×8/9=42.66...kHzに変換する必要がある。
【0115】
また、低域専用チャンネルのオーディオ信号については、サンプリング周波数を、48×1/9=5.33...kHzに変換する必要がある。
【0116】
[第4の実施形態]
この第4の実施形態は、第3の実施形態のようなビット変換を伴わずに、サンプリング周波数の変換のみで、2チャンネルの伝送系7を通じて3チャンネルのオーディオデータを伝送することができるようにする場合である。
【0117】
<第1の例>
第4の実施形態の第1の例を、図11のブロック図および図12のタイミングチャートを参照して説明する。
【0118】
図12に示すように、この第4の実施形態の第1の例においては、前述した第3の実施形態の第2の例と同様に、9T区間を多重化の単位区間として、当該多重化単位区間当たりについて、リア左右2チャンネルのオーディオデータの16個のサンプルデータ(8個ずつのサンプルデータ)と、低域専用チャンネルのオーディオデータの1個のサンプルデータとを、多重化処理をするようにする。
【0119】
このため、図11に示すように、オーディオデータ無線送信装置2は、リア左右チャンネル用のサンプリング周波数変換部211,212と、低域専用チャンネル用のサンプリング周波数変換部213とを備える。
【0120】
リア左右チャンネル用のサンプリング周波数変換部211および212では、サンプリング周波数を、48×8/9=42.66...kHzに変換する処理を行う。また、低域専用チャンネル用のサンプリング周波数変換部213では、サンプリング周波数を、48×1/9=5.33...kHzに変換する処理を行う。これらのサンプリング周波数の変換処理の方法は、第1の実施形態で説明したのと同様である。
【0121】
そして、それらサンプリング周波数変換部211,212,213の出力データを多重化回路部24に供給するようにする。
【0122】
その他のブロック構成は、第1の実施形態と同様であるので、図11においては、それら同様の部分には同一符号を付すこととする。ただし、多重化回路部24における多重化処理は、後述するように、上述の実施形態とは異なるものである。そして、多重化復調回路部32における多重化復調処理は、この例の多重化回路部24の多重化処理に応じたものとなって、上述の実施形態とは異なるものである。
【0123】
なお、多重化回路部24で、同期信号SYNCとして、「8000(16進表示)」を用いること、および当該同期信号SYNCと同じオーディオデータのデジタル値は、「8001(16進表示)」に変換するようにする処理は、上述の実施形態と全く同様になされる。
【0124】
多重化処理回路24では、この例は、次のような多重化処理がなされる。
【0125】
図12(B)に示すように、この例においては、9Tの多重化単位区間の先頭には、16ビットの同期信号SYNCを配置する。その後に、リア左右2チャンネルのオーディオデータLr,Rrの8個のデータサンプルずつの合計16個のデータサンプルを挿入する。すると、9T区間の最後の16ビット分の1/2T区間が空き区間となるので、この空き区間に、低域専用チャンネルのオーディオデータLFE(図12(D)参照)の1個のデータサンプルを配置するようにする。
【0126】
<第2の例>
第4の実施形態の第2の例を、図13のブロック図および図14のタイミングチャートを参照して説明する。
【0127】
図14に示すように、この第4の実施形態の第2の例においては、16T区間を多重化の単位区間として、当該多重化単位区間当たりについて、リア左右2チャンネルのオーディオデータの14個ずつのサンプルデータ(合計28個のサンプルデータ)と、低域専用チャンネルのオーディオデータの1個のサンプルデータと、第1および第2の付加信号CTL1およびCTL2を、多重化処理をするようにする。
【0128】
このため、図13に示すように、オーディオデータ無線送信装置2は、リア左右チャンネル用のサンプリング周波数変換部221,222と、低域専用チャンネル用のサンプリング周波数変換部223とを備える。
【0129】
リア左右チャンネル用のサンプリング周波数変換部221および222では、サンプリング周波数を、48×14/16=42kHzに変換する処理を行う。また、低域専用チャンネル用のサンプリング周波数変換部213では、サンプリング周波数を、48×1/16=3kHzに変換する処理を行う。これらのサンプリング周波数の変換処理の方法は、第1の実施形態で説明したのと同様である。
【0130】
そして、それらサンプリング周波数変換部221,222,223の出力データを多重化回路部24に供給するようにする。
【0131】
その他のブロック構成は、第1の実施形態と同様であるので、図13においては、それら同様の部分には同一符号を付すこととする。ただし、多重化回路部24における多重化処理は、後述するように、上述の実施形態とは異なるものである。そして、多重化復調回路部32における多重化復調処理は、この例の多重化回路部24の多重化処理に応じたものとなって、上述の実施形態とは異なるものである。
【0132】
なお、多重化回路部24で、同期信号SYNCとして、「8000(16進表示)」を用いること、および当該同期信号SYNCと同じオーディオデータのデジタル値は、「8001(16進表示)」に変換するようにする処理は、上述の実施形態と全く同様になされる。
【0133】
多重化処理回路24では、この例は、次のような多重化処理がなされる。
【0134】
図14(B)に示すように、この例においては、16Tの多重化単位区間の先頭には、16ビットの同期信号SYNCを配置する。その後に、第1の付加信号CTL1を配置する。その後に、リア左右2チャンネルのオーディオデータLr,Rrの14個のデータサンプルずつの合計28個のデータサンプルを挿入する。すると、16T区間の最後の32ビット分の1T区間が空き区間となるので、この空き区間に、第2の付加信号CTL2と、低域専用チャンネルのオーディオデータLFE(図14の(D)参照)の1個のデータサンプルを配置するようにする。
【0135】
上述のように、この例においては、2種類の付加信号CTL1およびCTL2を、多重化することができる。第1の付加情報CTL1は、図14(B)に示すように、例えば3〜4ビットのモード1情報と、例えば3〜4ビットの内容1情報と、例えば8〜10ビットの数値からなる値情報とから構成される。
【0136】
この第1の付加情報CTL1の前記の各情報の詳細は、例えば図15に示すようなものとされる。この例の第1の付加情報CTL1は、例えばリア左右チャンネル用のスピーカ装置および低域専用チャンネル用のスピーカ装置が、5.1チャンネルサラウンド音をリスナ6が座って楽しむようにする椅子に取り付けられた場合を想定したものであり、種々の制御信号となっている。
【0137】
また、第2の付加信号CTL2は、図14(B)に示すように、例えば3〜4ビットのモード2情報と、例えば3〜4ビットの内容2情報と、例えば8〜10ビットのテキスト情報からなる値情報とから構成される。
【0138】
この第2の付加信号CTL2の前記各情報の詳細は、図16に示すようなものとされる。この例の第2の付加情報CTL2は、上述のように、リスナ6が椅子に座って5.1チャンネルサラウンド音を楽しむ場合に、椅子に取り付けられたディスプレイに表示する情報などの情報として用いられる。
【0139】
[その他の変形例]
上述の実施形態では、同期信号SYNCと同じデジタル値のオーディオデータは、多重化回路部24で、同期信号SYNCとは異なる他のデジタル値に変更するようにしたが、予め、オーディオデータとして、負の最大値を取らないように、デジタル値を制限しておくようにしてもよい。
【0140】
また、同期信号SYNCは、負の最大値に限らず、オーディオ信号の高振幅部分に対応する他の値を用いてよい。
【0141】
また、上述の実施形態では、2チャンネルの伝送系に3チャンネルのオーディオデータを伝送する場合であったが、3チャンネル以上の複数チャンネルのデータを伝送する場合にも、この発明を適用することができる。
【0142】
また、使用する伝送系自身も、2チャンネルの伝送系に限らず、1チャンネルの伝送系であってもよいし、また、3チャンネル以上の伝送が可能な伝送系であってもよい。
【0143】
また、伝送系のMチャンネルよりも多いチャンネル数のNチャンネルとしては、伝送しようとする情報のチャンネル数は同じで、それに制御データや付加データをチャンネルデータとして伝送するようにする場合も含むものである。例えば、オーディオ信号の2チャンネルの伝送系で、同じ2チャンネルのオーディオ信号と、制御データおよび付加情報を追加チャンネルとして伝送する場合にも、この発明は適用可能である。
【0144】
また、この発明は、オーディオデータの伝送系に限られるものではないことは言うまでもない。
【0145】
また、伝送系は、無線に限らず、有線(ケーブル伝送)であっても、この発明は適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0146】
【図1】この発明によるデジタルデータ伝送装置の第1の実施形態を含む映像音響システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】この発明によるデジタルデータ伝送装置の実施形態を含む映像音響システムの構成例を示すブロック図である。
【図3】この発明によるデジタルデータ伝送方法の第1の実施形態を説明するためのタイミングチャートである。
【図4】この発明によるデジタルデータ伝送方法の実施形態に用いる同期信号SYNCを説明するための図である。
【図5】この発明によるデジタルデータ伝送方法の第1の実施形態の他の例を説明するためのタイミングチャートである。
【図6】この発明によるデジタルデータ伝送方法の第2の実施形態の一例を説明するためのタイミングチャートである。
【図7】この発明によるデジタルデータ伝送方法の第2の実施形態の他の例を説明するためのタイミングチャートである。
【図8】この発明によるデジタルデータ伝送装置の第3の実施形態の構成例を示すブロック図である。
【図9】この発明によるデジタルデータ伝送方法の第3の実施形態の一例を説明するためのタイミングチャートである。
【図10】この発明によるデジタルデータ伝送方法の第3の実施形態の他の例を説明するためのタイミングチャートである。
【図11】この発明によるデジタルデータ伝送装置の第4の実施形態の構成例を示すブロック図である。
【図12】この発明によるデジタルデータ伝送方法の第4の実施形態の一例を説明するためのタイミングチャートである。
【図13】この発明によるデジタルデータ伝送装置の第4の実施形態の他の例の構成例を示すブロック図である。
【図14】この発明によるデジタルデータ伝送方法の第4の実施形態の他の例を説明するためのタイミングチャートである。
【図15】この発明によるデジタルデータ伝送方法の第4の実施形態の他の例を説明するための図である。
【図16】この発明によるデジタルデータ伝送方法の第4の実施形態の他の例を説明するための図である。
【符号の説明】
【0147】
1…DVDプレーヤ、2…オーディオデータ無線送信装置、3…オーディオデータ無線受信装置、7…無線伝送系、21,22,23,211,212,213,221,222,223…サンプリング周波数変換部、24…多重化回路部24、25…無線送信回路部、201,202,203…ビット変換部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のサンプリング周波数のM(Mは1以上の整数)チャンネル分のデジタルデータを伝送可能な伝送系により、N(Nは2以上の整数で、N>M)チャンネルのデジタルデータを伝送するようにするデジタルデータ伝送方法において、
前記Nチャンネルのデジタルデータは、前記第1のサンプリング周波数よりも低い第2のサンプリング周波数のデータとして、前記伝送系用の前記第1のサンプリング周波数の伝送レートで伝送するようにすると共に、
前記第1のサンプリング周波数の所定の複数サイクル区間単位で、前記サンプリング周波数の違いにより生じる空きスペースに、前記Nチャンネルのデジタルデータについての同期信号を挿入する
ことを特徴とするデジタルデータ伝送方法。
【請求項2】
請求項1に記載のデジタルデータ伝送方法において、
前記同期信号は、前記デジタルデータとして取り得る値ではあるが、前記デジタルデータとして出現しないように変換処理されたものを用いる
ことを特徴とするデジタルデータ伝送方法。
【請求項3】
請求項2に記載のデジタルデータ伝送方法において、
前記デジタルデータは、2の補数を用いたデジタルオーディオデータであって、
前記同期信号は、前記デジタルオーディオデータ値の負の最大値である
ことを特徴とするデジタルデータ伝送方法。
【請求項4】
請求項1に記載のデジタルデータ伝送方法において、
前記同期信号に加えて、所定の複数サイクル区間単位またはその整数倍の区間単位で、前記Nチャンネルのデジタルデータに関連する情報を挿入する
ことを特徴とするデジタルデータ伝送方法。
【請求項5】
1サンプル当たりのビット数が、第1のビット数のM(Mは1以上の整数)チャンネル分のデジタルデータを伝送可能な伝送系により、N(Nは2以上の整数で、N>M)チャンネルのデジタルデータを伝送するようにするデジタルデータ伝送方法において、
前記Nチャンネルのデジタルデータは、1サンプル当たりのビット数が、前記第1のビット数よりも少ない第2のビット数のデータとして、前記伝送系を伝送するようにすると共に、
複数サンプル区間単位で、前記第1のビット数よりも前記第2のビット数が少ないことにより生じる空きスペースに、前記Nチャンネルのデジタルデータについての同期信号を挿入する
ことを特徴とするデジタルデータ伝送方法。
【請求項6】
請求項5に記載のデジタルデータ伝送方法において、
前記同期信号は、前記第1のビット数のデータからなる
ことを特徴とするデジタルデータ伝送方法。
【請求項7】
請求項5に記載のデジタルデータ伝送方法であって、
前記同期信号は、前記第1のビット数のデータからなり、前記複数サンプル区間は、前記第1のビット数の整数倍のビット数を含む
ことを特徴とするデジタルデータ伝送方法。
【請求項8】
請求項6または請求項7に記載のデジタルデータ伝送方法において、
前記デジタルデータは、2の補数を用いたデジタルオーディオデータであって、
前記同期信号は、前記デジタルオーディオデータ値の負の最大値である
ことを特徴とするデジタルデータ伝送方法。
【請求項9】
請求項5に記載のデジタルデータ伝送方法において、
前記同期信号に加えて、前記複数サンプル区間単位またはその整数倍の区間単位で、前記Nチャンネルのデジタルデータに関連する情報を挿入する
ことを特徴とするデジタルデータ伝送方法。
【請求項10】
第1のサンプリング周波数のM(Mは1以上の整数)チャンネル分のデジタルデータを伝送可能な伝送系により、N(Nは2以上の整数で、N>M)チャンネルのデジタルデータを伝送するようにするデジタルデータ伝送装置において、
前記Nチャンネルのデジタルデータを、前記第1のサンプリング周波数よりも低い第2のサンプリング周波数のデータに変換する変換手段と、
前記変換手段で変換した前記第2のサンプリング周波数のNチャンネルのデジタルデータを、前記伝送系用の前記第1のサンプリング周波数の伝送レートで順次に前記伝送系を通じて送出すると共に、前記第1のサンプリング周波数の所定の複数サイクル区間単位で、前記サンプリング周波数の違いにより生じる空きスペースに、前記Nチャンネルのデジタルデータについての同期信号を挿入する伝送出力制御手段と、
を備えることを特徴とするデジタルデータ伝送装置。
【請求項11】
1サンプル当たりのビット数が、第1のビット数のM(Mは1以上の整数)チャンネル分のデジタルデータを伝送可能な伝送系により、N(Nは2以上の整数で、N>M)チャンネルのデジタルデータを伝送するようにするデジタルデータ伝送方法において、
前記Nチャンネルのデジタルデータは、1サンプル当たりのビット数が、前記第1のビット数よりも少ない第2のビット数のデータとして、前記伝送系を伝送するようにすると共に、
複数サンプル区間単位で、前記第1のビット数よりも前記第2のビット数が少ないことにより生じる空きスペースに、前記Nチャンネルのデジタルデータについての同期信号を挿入する
ことを特徴とするデジタルデータ伝送方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2008−28496(P2008−28496A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−196384(P2006−196384)
【出願日】平成18年7月19日(2006.7.19)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】