説明

デジタルドキュメント表示方法及び情報端末装置

【課題】テレビ受信装置等の表示装置において、複数のデジタルドキュメントを、任意の表示形態で表示する。
【解決手段】実施形態において、情報端末装置は、デジタルドキュメントを表示する表示部を有する表示装置に、デジタルドキュメントの少なくとも1ページ分の表示データを、前記表示装置が表示する際に適用する表示規則とともに、供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施の形態は、デジタルドキュメント表示方法及び情報端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル放送に対応したテレビ受信装置は、デジタルドキュメントを表示するためにも有益である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−81475号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
デジタル放送に対応したテレビ受信装置等の表示装置は、大画面化の結果、単一の画面内に、複数のデジタルドキュメントを表示するために好適の大きさと精細さを備える。
【0005】
反面、単一の画面内に複数のデジタルドキュメントを表示するためのプラットフォームは、必ずしも十分とはいえない。
【0006】
本発明の目的は、テレビ受信装置等の表示装置において、複数のデジタルドキュメントを、任意の表示形態で表示することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態によれば、情報端末装置は、デジタルドキュメントを表示する表示部を有する表示装置に、デジタルドキュメントの少なくとも1ページ分の表示データを、前記表示装置が表示する際に適用する表示規則とともに、供給する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施形態を適用するデジタルドキュメント表示システムの一例を示す概略図。
【図2A】実施形態を適用するデジタルドキュメントの表示例の一例を示す概略図。
【図2B】実施形態を適用するデジタルドキュメントの表示規則の一例を示す概略図。
【図3A】実施形態を適用するデジタルドキュメントの表示例の一例を示す概略図。
【図3B】実施形態を適用するデジタルドキュメントの表示規則の一例を示す概略図。
【図4A】実施形態を適用するデジタルドキュメントの表示例の一例を示す概略図。
【図4B】実施形態を適用するデジタルドキュメントの表示規則の一例を示す概略図。
【図5A】実施形態を適用するデジタルドキュメントの表示例の一例を示す概略図。
【図5B】実施形態を適用するデジタルドキュメントの表示規則の一例を示す概略図。
【図6】実施形態を適用するデジタルドキュメント表示支援モードにおけるテレビ装置側の動作の一例を示す概略図。
【図7】実施形態を適用する表示内容のパラメータの変更の一例を示す概略図。
【図8】実施形態を適用するテレビ装置側の表示の設定の一例を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。
【0010】
図1は、実施形態を適用するデジタルドキュメント表示システムの一例を示す。なお、以下に説明する要素や構成あるいは機能は、ハードウェアで実現するものであってもよいし、マイクロコンピュータ(処理装置、CPU)等を用いてソフトウェアで実現するものであってもよい。
【0011】
図1に示すデジタルドキュメント表示システムは、デジタルドキュメントを表示可能であって、ユーザが手元で(携帯した状態で)、操作することが可能な携帯可能な情報端末装置1、デジタルテレビジョン受信装置(以下テレビ装置と示す)3、例えば家庭内に適用される閉じたネットワークである家庭内LAN(Local Area Network)における情報端末装置1とテレビ装置3との接続、あるいは外部に位置するサービスサーバと情報端末装置1及びテレビ装置3との間のインターネットを通じた接続を制御するブロードバンドルータ5を含む。
【0012】
情報端末装置1は、デジタルドキュメントを表示する表示部11、ユーザによる入力を受けつけるボタン群13及びタッチパネル15を備える。なお、タッチパネル15の少なくとも一部は、表示部11と一体的に設けられる。また、ボタン群13の少なくとも一部は、タッチパネル15が表示する、例えばボタン形状あるいはアイコン等の任意の表示にユーザの指等が触れることを検出するタッチセンサ方式であることが好ましい。
【0013】
情報端末装置1はまた、以下に説明する各ブロックの制御及びブロードバンドルータ5との間の通信に利用可能な制御ブロック21を含む。
【0014】
制御ブロック21は、ボタン群13及びタッチパネル15からの入力信号を受けつける入力制御部23、ユーザの指示に応じて取得したドキュメントや画像、ならびに種々の制御データ等を保持する記憶部29及び表示部11が表示するドキュメントや画像の大きさと位置、ドキュメントや画像の表示位置の変更(スクロール)等、及びタッチパネル15による入力を可能とするための表示を制御する表示制御部31を含む。なお、これらの各部相互間の信号の受け渡し及びデータの取得等を、主制御部25が制御する。
【0015】
制御ブロック21はまた、主制御部25の制御の下で動作する通信制御部27を含み、ブロードバンドルータ5との間の無線方式による家庭内LANへのアクセス、及び基地局101及び通信会社(キャリア)103を経由する無線通信網(データ通信網)を用いるインターネット網への接続が可能である。なお、通信制御部27は、ルータ5を経由し、以下に説明する(テレビ装置3側の)通信制御部127との間のデータの受け渡し、及び図2B、図3B、図4B及び図5B、等を用いて後段に説明する『状態(表示規則)』のテレビ装置3への転送が可能である。
【0016】
テレビ装置3は、デジタル放送を受信し、映像及び音声を再生するもので、複数ページ(少なくとも2ページ)分のデジタルドキュメントを表示可能なサイズの表示部111を有することが好ましい。
【0017】
テレビ装置3は、入力制御部123、主制御部125、通信制御部127、記憶部129、表示制御部131、映像処理部133、復調部135、選局部137及び音声処理部139、等を少なくとも含み、それぞれを制御する制御ブロック121を含む。
【0018】
入力制御部123は、例えば赤外線入力部141を介し、例えばリモートコントローラ(リモコン端末)により入力される制御入力(制御コマンド)を受けつける。
【0019】
主制御部125は、入力制御部123が受けつけた制御コマンド(制御入力)に応じ、上述の各部を制御するための所定の制御信号を出力する。
【0020】
今日広く普及しているいわゆるテレビ受信装置であり、代表的な要素として、制御ブロック外部通信用のためにネットワークに接続できる。
【0021】
通信制御部127は、テレビ装置3を、家庭内LAN上の制御対象の一つとして位置する。また、通信制御部127は、ルータ5を経由して外部ネットワーク(インターネット網)と接続し、例えばオンデマンド配信される番組や、ネットワークを通じて番組を供給する有線系配信事業者が用意する番組を取得(受信)する。なお、通信制御部127は、ルータ5を経由した情報端末装置1側の通信制御部27との間のデータの受け渡し、及び図2B、図3B、図4B及び図5B、等を用いて後段に説明する『状態(表示規則)』を情報端末装置1から取得する。
【0022】
なお、テレビ装置3における記憶部129、表示制御部131、映像処理部133、復調部135、選局部137及び音声処理部139等のそれぞれは、一般的な構成の一例であり、詳細な説明は省略するが、選局部137が選局したチャンネル(の番組)を復調部135が復調し、復調部135が出力する番組について、映像処理部133及び音声処理部139が、それぞれ、(ビデオと称することもある)映像信号及び(オーディオと称することもある)音声信号を再生する。
【0023】
映像処理部133が再生した映像(ビデオ)信号は、表示制御部131を通じ、表示部111(あるいは外部映像出力端)に出力される。
【0024】
音声処理部139が再生した音声(オーディオ)信号は、例えばスピーカー(あるいは外部音声出力端)に出力される。
【0025】
なお、表示部111は、上述の通り、複数ページ(少なくとも2ページ)分のデジタルドキュメントを表示可能なサイズを有し、以下に説明する情報端末装置1による表示制御に従い、任意のページのドキュメントを、表示する。
【0026】
また、実施形態においては、情報端末装置1とテレビ装置(1)3との間は、ローカルエリアネットによる接続を例に説明するが、ブロードバンドルータ5が、無線LAN機能を有することで、主として情報端末装置1とテレビ装置(1)3との間の無線接続、及びインターネット網を経由するサービスサーバとテレビ装置(1)3との間の有線接続の切り替えが可能である。
【0027】
なお、テレビ装置3は、1台である必要はなく、例えばテレビ装置(2)7、あるいはテレビ装置(n)N(n,Nはそれぞれ正の整数)が用意されても良い。
【0028】
図2Aは、情報端末装置1が提供する表示方法に従い、情報端末装置1及びテレビ装置(1)3及びテレビ装置(2)7のそれぞれの表示部に、任意のデジタルドキュメントを表示する表示例を示す。なお、デジタルドキュメントは、例えばグラフィック(静止画)あるいは動画(映像)を、単一ページ内に含むものであってもよい。
【0029】
図2Aが示す表示システムは、2台のテレビ装置A(図1における「3」)及びテレビ装置B(図1における「7」)を、物理的配置として、ユーザにとって左側に「テレビ装置A」を、右側に「テレビ装置B」を、それぞれ配置した状態を示す。なお、ユーザは、情報端末装置1を保持し、両テレビ装置の間で、各テレビ装置の表示を目視しているものとする。また、各テレビ装置は、それぞれ2ページ分のドキュメントを表示できるものとする。
【0030】
図2Aが示す配置において、「テレビ装置A(左側)」、情報端末装置1(ユーザ保持=中央)及び「テレビ装置B(右側)」のそれぞれが表示するドキュメントのページ情報が、図2Bに示すように、情報端末装置1に表示している「現在のページ」が31ページであり、ユーザが「現在のページ」までに至る間に表示したページは、過去5ページの履歴として、26ページから30ページの順であったとする。
【0031】
以下、図2Bが保持(管理)する『状態(表示規則)』に従い、
テレビ装置A(左側)及びテレビ装置B(右側)に表示する設定として、
「現在のページ表示有無」が、表示しないを意味する「無し」
「履歴ページ表示数」が、3ページ分
「先読みページ表示数」が、1ページ分
「図参照ページの表示有無」が、表示しないを意味する「無し」
「ネットワークサービス関連情報の表示有無」が、表示しないを意味する「無し」
「ページ固定表示指示」が、表示しないを意味する「無し」
と、それぞれ設定されているとする。
【0032】
この場合、履歴ページ表示(3ページ分)を、左側のテレビAから順に表示するため、テレビ装置Aの左側にページ28が、同テレビ装置Aの右側にページ29が、テレビ装置Bの左側にページ30が、それぞれ表示される。なお、履歴ページ表示により表示されるページは、少なくとも1度表示されている(表示されたことがある)表示済ページとしてその履歴(ページ内の情報またはリンク先情報)が、記憶部29(情報端末装置1側)及び129(テレビ装置3側)の少なくとも一方に保持される。
【0033】
一方、先読み表示として、「現在のページ(情報端末装置1が表示する31ページ)」の次のページであるページ32が、テレビ装置Bの右側に表示される。
【0034】
すなわち、ユーザが保持する情報端末装置1が表示する「現在のページ」1ページ分のドキュメントの表示に加え、ユーザが保持する2台のテレビ装置A及びテレビ装置Bを用いて、合計5ページ分のドキュメントを、同時にまたは所定のタイミングで表示することができる。
【0035】
従って、デジタルドキュメントの表示において比較的苦手とされる複数ページの閲覧性を、(ユーザが保持する)テレビ装置を使うことで支援することが可能となり、デジタルドキュメントの使い勝手を向上できる。
【0036】
なお、情報端末装置1、テレビ装置A(左側)及びテレビ装置B(右側)のそれぞれが表示するデジタルドキュメントは、情報端末装置1がインターネット上のサービスサーバからダウンロード(取得)し、家庭内LANを通じて個々の各テレビ装置に転送することで、実質的にタイムラグのない表示が可能である。また、情報端末装置1が保持するドキュメントと同一のドキュメントを各テレビ装置がインターネット上のサービスサーバから取得(ダウンロード)するよう、情報端末装置1が指示し、予め各テレビ装置の記憶部で記憶しておくことで、家庭内LANにかかる負荷を低減できる。
【0037】
図3A及び図3Bは、図2Aが示す表示例及び図2Bが示す表示規則(状態)に関し、
「現在のページ表示有無」を、表示するを意味する「有り」
に変更し、
「履歴ページ表示数」を2にした例である。
【0038】
すなわち、図3Aの表示例は、図3Bが保持(管理)する『状態』に従い、
テレビ装置A(左側)及びテレビ装置B(右側)に表示する設定として、
「現在のページ表示有無」が、表示するを意味する「有り」
「履歴ページ表示数」が、2ページ分
「先読みページ表示数」が、1ページ分
「図参照ページの表示有無」が、表示しないを意味する「無し」
「ネットワークサービス関連情報の表示有無」が、表示しないを意味する「無し」
「ページ固定表示指示」が、表示しないを意味する「無し」
と、それぞれ設定されている例であり、図2Aに示した例と比較すると、
履歴表示が2ページ分であるから、テレビ装置Aの左側にページ29が、同テレビ装置Aの右側にページ30が、それぞれ表示される。
【0039】
また、テレビ装置Bの左側に情報端末装置1が表示するページと同じページ31が、同テレビ装置Bの右側に、1ページ分の先読みページであるページ32が、それぞれ表示される。
【0040】
この例においては、情報端末装置1が表示する1ページについて、(ユーザが)その一部を読んでいる(目視している)場合でも、ページ全体は、適宜、テレビ装置Bで把握することができるため、使い勝手が向上する。
【0041】
図4A及び図4Bは、図2Aが示す表示例及び図2Bが示す表示規則(状態)に関し、
「履歴ページ表示数」を1とし、
「先読みページ表示数」を0、
「図参照ページの表示有無」を「有り」に、
「図表拡大表示有無」を「有り」に、
「ページ固定表示指示」をページ20とした例である。
【0042】
すなわち、図4Aの表示例は、図4Bが保持(管理)する『状態』に従い、まず、
「ページ固定表示指示」のページであるページ20をテレビ装置Aの左側に表示し、続いて「履歴ページ表示数」で指定された1ページ分であるページ30を、テレビ装置Aの右側に、履歴ページとして表示する例である。
【0043】
また、テレビ装置Bでは、「図表拡大表示有無」が「有り」(有効)となっていることにより、情報端末装置1が表示する「現在のページ」が含む図表(画像)を拡大したものを、テレビ装置Bの左側に表示する。
【0044】
また、「図参照ページの表示有無」が「有り」(有効)となっていることにより、情報端末装置1が表示している「現在のページ」に記されている『図20』を参照した結果、『図20』が記載されているページ(図4Aは、26ページに『図20』が含まれる例を示す)を、テレビ装置Bの右側に表示する。
【0045】
このように、図4A及び図4Bに従う表示方法においては、「現在のページ」で表示されるページに、図表や画像(静止画)あるいは動画等が含まれる場合、その部分を大きく(拡大して)表示することができる。
【0046】
また、あるページ内に、別のページや図番あるいは表示順を示す記号等により、参照すべき『ページ』や引用すべき『図表(画像)』等が指示されている場合、その指示に基づいて表示対象(参照)ページや図表を特定し、自動的に表示することができる。従って、参照先を探す手間を省くことができる。
【0047】
なお、表示中のデジタルドキュメントが、例えばウェブページである場合、参照あるいは引用すべき『図表(画像)』は、予めリンク形式で用意されているため、特別な手順を必要とすることなく、容易に表示できる。
【0048】
一方、表示中のデジタルドキュメントが、ページ単位で用意されている形式である場合には、テキスト(文字列)及びそのフォント(サイズ)情報やレイアウト情報等から画像(図表)の位置を推定・検出してもよい。例えば、一定条件で登場する同一サイズのスペース等に従い、文字列(テキスト)であることが特定できる。反面、特定の記号と数字あるいは特定の記号と「表」や「図」という文字及び数字の組み合わせのみが存在する行を見つけることができた場合、その行の上流(上方)または下流(下方)に図表(画像)が位置されている場合が多い。もちろん、レイアウト情報により、図表(画像)の位置が明らかである場合は、その情報を利用できる。
【0049】
図5A及び図5Bは、図4Aが示す表示例及び図4Bが示す表示規則(状態)に関し、
「ページ固定表示」を「無し」とし、
「現在のページ表示」を、表示するを意味する「有り」(有効)とし、
「ネットワークサービス関連情報の表示」を、表示するを意味する「有り」(有効)にした状態で、
情報端末装置1が表示する「現在のページ」に関連する情報として、テレビ装置Aに「現在のページ」全体と「「現在のページ」が含む図表(画像)の拡大表示」を、テレビ装置Bに、「現在のページ」で引用された図20の存在するページ(図5Aは、26ページに『図20』が含まれる例を示す)を表示する例である。
【0050】
なお、テレビ装置Bの右側には、「ネットワークサービス関連情報の表示」が「有り」(有効)となっていることにより、ネットワークサービスとして公開された該当(現在表示している)デジタルドキュメントに対する関連情報を、表示する。関連情報としては、例えば記載ページ(現在の表示)についての読者コメント等が代表的である。
【0051】
本例では、「現在のページ」に関連する情報を更に深く知るために、本システムと連携したネットワーク上のサービスとして、デジタルドキュメントに関連したコメントを共有するサービスと連携して取得したウェブページを自動的に表示することにより、記載内容の理解を深めることができる。また、ウェブページへは、ユーザ自身がコメントを追加することもできるため、自身の疑問点などを公開してフィードバックすることができる。
【0052】
図6は、図2A、図2B、図3A、図3B、図4A、図4B、図5A及び図5B等により説明した上述のデジタルドキュメントの閲覧について、テレビ装置側の動作の一例として示す。
【0053】
図6に示すように、デジタルドキュメント表示支援モードにおいて、テレビ装置A(あるいはB)から、情報端末装置1に対して設定通知(物理配置情報、表示ページ可能数)を行う(ブロック[01])。
【0054】
続いて、情報端末装置で閲覧中のデジタルドキュメント(ファイル)を取得する(ブロック[02])。
【0055】
以下、情報端末装置の操作待ちとして、情報端末装置からの制御指示の入力があるまで待機する(ブロック[03])。
【0056】
ブロック[03]で情報端末装置からの制御指示の入力を受けつけたのち、対象となるテレビ装置の表示領域に個々のページを表示するための表示パラメータを取得する(ブロック[04])。なお、表示パラメータとしては、表示領域の示すID、その表示領域へ表示する内容、例えばドキュメントのページ番号やウェブページのURLである。
【0057】
以下、個々のページ表示領域について繰り返す[ループ開始](ブロック[05])。
【0058】
ループがドキュメントのページ表示である場合(ブロック[06−YES])、表示対象のドキュメントの対象ページを個々のテレビ装置の表示領域に、レンダリングする(ブロック[07])。
【0059】
ループが、ウェブページの表示である場合(ブロック[08−YES])、指定されたウェブページを個々のテレビ装置の表示領域に、レンダリングする(ブロック[09])。
【0060】
以下、ブロック[05]で開始した[ループ]の終了(ブロック[10])まで、順に各ページ表示領域に対して繰り返し、表示対象のページを表示(レンダリング)し、情報端末装置の次の操作(制御指示)の入力を待つ。
【0061】
なお、デジタルドキュメントを表示するための表示支援モードを開始させると、ユーザによって設定されたテレビ装置の物理的な配置情報(左側/右側の割り当て)や表示ページ数を、サーバへ通知する。これにより、上述した情報端末装置が表示する任意ページのデジタルドキュメントを、任意数のテレビ装置の所定の表示領域に表示させることができる。
【0062】
図7は、図6で説明したデジタルドキュメント表示支援モードにおいて、個々のテレビ装置が表示する表示内容のパラメータ(表示パラメータ)を作成する例を示す。
【0063】
情報端末を保持したユーザが何らかの操作を行うことで、現在表示中のページに対する変更の指示であるか否かがチェックされる(ブロック[11])。
【0064】
ブロック[11]で、「現在のページ」の変更が指示された場合(ブロック[11−YES])、表示履歴を更新し(ブロック[12])、新たに表示するページの表示レイアウトを作成する(ブロック[13])。
【0065】
以下、個々のテレビ装置について、[ループ開始](ブロック[14])により、表示レイアウト、例えば左のページ表示領域から順に、固定ページ、履歴ページ表示、現在のページ、現在ページの図表拡大表示、先読みページ、図参照ページあるいはネットワークサービス関連情報の表示、等について、表示の有無(有効)か否かに従い、パラメータを決める(ブロック[15])。[ループ終了](ブロック[16])。すなわち、全体の表示レイアウトを決定した後、各テレビ装置が持つ表示領域へ表示すべき情報を示す、表示パラメータを、各テレビ装置に通知することを繰り返す。
【0066】
なお、ブロック[11]でチェックしたユーザの操作が「設定」の変更である場合(ブロック[11−NO]〜ブロック[17−YES])、現在保存されている設定情報が更新される(ブロック[18])。なお、現在保存されている設定情報は、上述の図2B、図3B、図4B及び図5B等により説明した『状態』として示した設定値であり、変更が指示された場合は、保存設定情報を更新し、(新たな)表示レイアウトが生成される。
【0067】
図8は、図2A、図3A、図4A及び図5A等により説明したデジタルドキュメントのテレビ装置側の表示の設定に用いる設定画面(設定方法)を示す。
【0068】
図8は、上述したデジタルドキュメントを任意数のテレビ装置及び情報端末装置の複数の表示部(画面)で表示するための個々のテレビ装置への表示の設定に用いる設定画面を示す。なお、図8に示す例は、情報端末装置の表示部11が表示する例であるが、本実施形態を適用することで、個々のテレビ装置の表示部111に(拡大して)表示することもできる。
【0069】
表示801は、例えばテレビ装置A(1)811−1、B(2)811−2、C(3)811−3,・・・,n(N)811−Nのそれぞれを、ユーザすなわち情報端末装置1の物理位置に対してどの位置に配置するか、を設定可能な位置設定表示821−1〜821−3及び821−n、同位置設定表示を切り換え表示831−1〜831−3及び831−nを、少なくとも表示する。なお、それぞれの表示は、タッチパネル15の操作入力を受けつけるものであり、ユーザの指が触れることで、いずれかの表示が示す設定が選択(設定)され、あるいは切り換えられる。なお、切り換え表示831−1〜831−3及び831−nは、選択できる表示が2以上の表示により切り換えられる場合に、ユーザの指が触れる毎に、例えば『[左] [上] [右] [下]』831−1と『[左左] [左] [右] [右右]』831−nが交互に表示されるものとする。
【0070】
例えば、テレビA(1)について物理位置を『左』と設定する場合、切り換え表示831−1により『[左] [上] [右] [下]』表示821−1を表示させ、『[左]』を入力することで、テレビA(1)の位置が設定できる。なお、テレビ装置(ここではテレビA)が、例えば図2Aに示すどのテレビ装置であるかは、家庭内LANに接続されたテレビ装置に固有のmac(media access control)アドレスの自動取得、等により、例えばテレビ装置名表示811−1、811−2等に引き続く、表示欄810−1、810−2等に表示されてもよい。
【0071】
以下、上述の図2B、図3B、図4B及び図5B等により説明した『状態』として定義されている「現在のページ」の表示の有無の項を示す表示812及び設定部(表示)822、「履歴ページ」の表示の有無の項を示す表示813及び設定部(表示)823、「先読みページ」の表示の有無の項を示す表示814及び設定部(表示)824、「図参照ページの表示」の有無の項を示す表示815及び設定部(表示)825、「ネットワークサービス関連情報の表示」の有無の項を示す表示816及び設定部(表示)826、「ページ固定表示指示」の有無の項を示す表示817及び設定部(表示)827、及び、「図表拡大表示」の有無の項を示す表示818及び設定部(表示)828が、それぞれ設定部がタッチパネルの入力部として機能するよう、表示される。
【0072】
なお、「履歴ページ」の表示813において、設定部(表示)823から「有り」が入力されると、数値入力表示833が、図示しない数値入力表示あるいはアップダウンキー表示、等によるユーザ入力と連動して、例えばカウントアップ方式で、『[01] [02] [03]』と変化する。つまり当該設定画面では、デジタルドキュメントのうち、情報端末装置に表示済及び又は未表示の所定ページ数(所定範囲)をテレビ装置に表示させるよう設定できる。また、一例ではあるが、他の項の表示に触れることで、最後に入力された数値が保持される。なお、数値入力が必要な項(パラメータ)である「先読みページ」の表示814及び設定部824、「ページ固定表示指示」の表示817及び設定部827についても同様である。
【0073】
また図8の例では、テレビ装置A(1)811−1、B(2)811−2、C(3)811−3,・・・,n(N)811−Nのそれぞれをどの位置に配置するかについて、位置を示す文字を選択することにより設定可能としているが、例えば夫々のテレビを示すアイコン画像をユーザ操作に応じて設定画面上で配置することにより、夫々のテレビの位置を設定可能としても良い。即ち、例えば夫々のテレビ装置及び情報端末装置に対応するアイコン画像を設定画面に表示し、ユーザからのアイコンドラッグ操作等に応じて、これらアイコンの設定画面での表示位置を変更する。そしてこれらアイコンの表示位置に応じてテレビ装置と情報端末装置との位置関係を設定する。なお、アイコン画像は、当該アイコン画像と例えば装置名を示す画像とを併せて表示する、あるいはアイコン画像の形状を所定のテレビ装置の形状に対応する形状とすること等により、何れのテレビ装置に対応するアイコンであるかを示してもよい。
【0074】
図8に示した上述設定画面表示及びタッチパネルを介する設定入力方法は、例えば情報端末装置1に予めセットされていても良いし、サービスサーバから取得(ダウンロード)する形態であっても良い。また、単独で販売されるテレビ装置に、あらかじめ用意されてもよい。示す。なお、図8に示す例は、情報端末装置の表示部11が表示する例であるが、本実施形態を適用することで、個々のテレビ装置の表示部111に(拡大して)表示することもできる。
【0075】
なお、上述の実施の形態においては、インターネット上のサーバを介した動作を示したが、サーバ側の機能を情報端末装置またはテレビ装置の少なくとも一方に持たせることによって、サーバを省略した構成で実施することも可能である。
【0076】
また、デジタルドキュメントをテレビ装置側へ一括してダウンロードする手順を示したが、必要なページデータを取得するようにして実施することも可能である。つまり、情報端末装置1は、テレビ装置3に対して表示すべきページデータを送信する、又は当該ページデータのネットワーク上からの取得指示を送信しても良い。そしてこの場合にも情報端末装置1は、テレビ装置3に対して、ページデータの表示形態を示す表示規則を送信する。つまり情報端末装置1の通信制御部27は、例えば所定のページデータと共に、当該ページデータに含まれる所定番号の図表を抽出し拡大して表示するように示す表示規則を送信しても良い。また通信制御部27は、テレビ装置3の画面の領域の何れの位置に何れの図表を表示させるかを示す表示規則を送信しても良い。
【0077】
以上説明した通り、本実施の形態により、デジタルドキュメントを読むための情報端末装置が表示する表示ページを元に、テレビ装置側が表示する内容を任意に決められるようにすることによって、デジタルドキュメントの閲覧性を向上できる。また、ユーザの周囲に存在するテレビ装置を、複数ページの表示に使うことで、表示ページ全体やその前に表示していた情報などを参照することができ、より情報の閲覧性を高めることができる。
【0078】
なお情報端末装置1は、テレビ装置3が複数の場合に、複数のテレビ装置夫々に同じページの画像を表示させるように表示規則を送信しても良い。つまり、例えば、1のユーザ(発表者等)が情報端末装置1を操作し、その他の複数ユーザ(聴衆等)が夫々異なるテレビ装置を視聴している場合、情報端末装置1は複数のテレビ装置夫々に同一の画像を表示させる表示規則を送信する。そしてこの場合に情報端末装置1は、例えばプロジェクタ等の表示装置にはページデータ中の所定図表の表示を指示する表示規則を出力し、複数ユーザが視聴している夫々のテレビ装置には、上記プロジェクタ等に表示させている図表に対応するページの表示を指示する表示規則を送信する。
【0079】
なおこの場合に情報端末装置1は、所定の図表をページデータから抽出し、抽出した所定図表の画像データをプロジェクタに送信することも可能である。つまり、情報端末装置1は、複数の表示装置のうち何れかに対しては抽出した画像のデータを、その他に対しては表示規則を送信することにより、夫々の装置での表示内容を制御してもよい。
【0080】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0081】
1…情報端末装置、3…テレビ装置/表示装置(1)、5…ルータ、7…テレビ装置/表示装置(2)、11…表示部(端末装置)、15…タッチパネル、31…表示制御部(端末装置)、111…表示部(テレビ装置)、131…表示制御部(テレビ装置)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタルドキュメントを表示する表示部を有する表示装置に、デジタルドキュメントの少なくとも1ページ分の表示データを、前記表示装置が表示する際に適用する表示規則とともに、供給する情報端末装置。
【請求項2】
前記表示規則は、前記表示装置との間の位置関係を規定する請求項1記載の情報端末装置。
【請求項3】
前記表示規則は、デジタルドキュメントが含む図表あるいは画像が異なるページに存在する場合に、そのページを抽出して前記表示部に表示させる請求項2記載の情報端末装置。
【請求項4】
前記表示規則は、デジタルドキュメントが含む図表あるいは画像を拡大して表示させる請求項2記載の情報端末装置。
【請求項5】
前記表示規則は、2以上の表示装置の表示部のそれぞれにデジタルドキュメントを表示させる請求項1記載の情報端末装置。
【請求項6】
前記表示規則は、デジタルドキュメントが含む図表あるいは画像を、異なる表示装置の表示部に表示させる請求項5記載の情報端末装置。
【請求項7】
前記表示規則は、表示装置が2台であるとき、両側にそれぞれを位置させて表示する請求項6記載の情報端末装置。
【請求項8】
前記表示規則は、表示装置が2台であるとき、中央に位置するべきページのデジタルドキュメントを自身に表示する請求項6記載の情報端末装置。
【請求項9】
前記表示規則は、前記情報端末装置が表示済のデジタルドキュメントのうちの所定範囲を前記表示部に表示させる、請求項1記載の情報端末装置。
【請求項10】
デジタルドキュメントを取得し、
取得したデジタルドキュメントの少なくとも1ページ分を表示し、
表示したページと関連付けられるページを、所定の位置の表示装置の表示部に表示させるデジタルドキュメント表示方法。
【請求項11】
表示装置が表示するページは、表示したページと同一のページと非同一のページのそれぞれを含む請求項10記載のデジタルドキュメント表示方法。
【請求項12】
表示装置が表示するページは、表示したページと異なるページのみを含む請求項10記載のデジタルドキュメント表示方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−231315(P2012−231315A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−98535(P2011−98535)
【出願日】平成23年4月26日(2011.4.26)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】