デジタルマップを更新する方法
信頼できるプローブトレースから生じたようにプロファイルされている一部のプローブデータからプローブデータを推定することによって、速度制限、サービスストップ所在地、または、デジタルマップ(18)における道路セグメントに対する他の属性を更新する方法。複数のプローブからのプローブ測定が収集され、既知の情報に対してプロファイルされる。これから、運転時間の大部分に対して受容可能な範囲内で既知の注目属性を観察するプローブトレースを備える、一部の信頼できるプローブが識別される。これらの信頼できるプローブトレースは、属性データが未知または信頼できない他の道路セグメント上を移動中に追跡される。他の道路セグメント上の未知のまたは信頼できない属性の詳細は、その道路セグメントを移動するにつれて全ての信頼できるプローブトレースから収集された情報に基づいて推定され得る。デジタルマップ(18)は、推定された行動データに関して属性情報を設定することによって、次に更新され得る。高信頼度の特定の属性がある領域において、不規則な行動が通知されたなら、その場合全てのプローブ測定は、断定的に信頼できないとして拒絶されてもよい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路または経路情報を表示する種類のデジタルマップに関し、より具体的には、信頼できるプローブデータを使用して、デジタルマップに含まれる情報を更新する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ほとんど全ての先進国および発展途上国において、車道はますます輻輳するようになり、結果として移動時間が増加している。正確でタイムリーな交通情報の必要性が高まり続けている。そのような必要性は、正確な位置データと組み合わされたデジタルマップを利用するパーソナルナビゲーションデバイスの台頭を促進している。ナビゲーション補助を求める通勤者は、交通渋滞を避けることを試みて、および、ビジネスに対しては輸送コストを最小化することを試みて、この新たな技術を受け入れている。そうしたナビゲーションシステムの効果は、本質的に、そのデジタルマップデータおよび他の提供情報の正確性および完全性に依存している。
【発明の概要】
【0003】
車載ナビゲーションマーケットだけでなく、専用ハンドヘルドナビゲーションシステム、携帯情報端末(PDA)、ナビゲーションモジュールを備える携帯電話のような、これらのパーソナルナビゲーションシステム(PNAV)、パーソナルナビゲーションシステムの現在の領域では、エンドユーザのニーズは多くのアプリケーションによって既に一般に対処されている。ベンダは追加機能および特徴をそのPNAVに加えることによって差別化する。例は、速度カメラ情報、交通情報、ジャンクションの図等を含む。そのようなPNAVの追加の特徴は、出発地から目的地へ移動する時にユーザが正しい決定を行うのを補助する。1つのアプローチが、PNAVデバイスの1つの可能性のあるディスプレイスクリーンを提供する図1における例によって説明される。鳥瞰マップが、ジャンクションの図、すなわち、矢印、ルート表示等の追加情報と重ね合わせて実際に存在する全ての車線および側柱(side post)の描写、と共に、スクリーンの一部に示されてもよい。
【0004】
場合によっては、運転手またはナビゲータは、2以上の代替ルート間での推定移動時間および/または容易さの比較に基づいてどの特定のルートをたどるべきかに関して決定するだろう。例えば、図2は、出発地点12および目的地点14を有する例示的なデジタルマップを説明する。2つの代替ルートが描写され、1つはわずかに短い移動距離であるが好ましくないより長い移動時間を表す。その代わりに、好ましいルートは、例えその全体移動距離がわずかにより長くてもより短い移動時間を占める。
【0005】
この種のナビゲーション決定は、出発地点と目的地点とを接続する様々な道路セグメントに対する許容可能な速度制限に大いに依存している。例えば、図1を再び参照すると、ディスプレイスクリーンの左手側に示される鳥瞰デジタルマップ図は、いくつかの描写された道路セグメントに沿った速度制限表示16を含む。従って、どのコースをたどるべきかというナビゲータの決定は、表示された速度制限16の機能として描写されてもよい。さらにその上、公示速度制限に応じる運転手の能力は、移動している特定の道路セグメントに速度制限があることを知っていることに場合によっては依存している。ローカル速度制限を示す道路沿いの標識は場合によっては視認可能でないかもしれない。特定の道路セグメントが運転手にとってなじみがないなら、速度制限は直ちに明らかではないかもしれない。図1に示される情報のような、PNAVに提供される情報を参照することによって、ユーザの現在位置は、デジタルマップに含まれる特定の道路セグメントに合致し、PNAVのメモリデバイスに格納されたその道路に対する速度制限表示が運転手の安全運転という便益のために表示されてもよい。
【0006】
乗用車に対する道路速度は、知っておくと役に立ち、PNAVデバイスに備わっているほんの1つの属性である。別の例では、乗用車の制限とは異なり得る重いトラック/大型トラックの最大速度を考慮してもよい。役に立つ属性の別の例は、タクシー、バス等のサービス車の停車地であり得る。もちろん、多くの他の道路属性もまたこれらの状況で識別され得、車両速度やサービス車の停車地に限定されない。
【0007】
それ故、デジタルマップデータは、その情報コンテンツが正確で完全な時により有用であることが理解されるだろう。公示速度制限、タクシーの停車地、道路配置、注目地点(POI)情報等の、道路セグメントに対するある属性の詳細(specification)は、特定の道路セグメント、ジャンクション、または、以上のような理由からデジタルマップの他の特徴、と関連して含まれてもよい。
【0008】
道路位置および属性は、絶え間なく変化している。新しい道路が創出され、古い道路が廃止され、建設活動が一時的な遮断および例外的な迂回路を創出し、速度制限が変化し、バスおよびタクシーの停車地が移動される、等である。従って、速度制限、タクシーおよびバスの停車地、道路配置およびPOI情報等の属性についての情報を含む、利用可能な最新且つ最も現行の情報を有するデジタルマップを更新する継続的な必要性がある。それ故、デジタルマップに含まれる情報は、最新でありPNAVシステムのユーザにとって最も価値があるように、デジタルマップを更新する改良された方法の必要性がある。
【0009】
本発明は、公示速度制限、道路配置およびPOI情報等の、デジタルマップにおける道路セグメントに対するある属性詳細を更新する方法に関する。更新方法は、信頼できるプローブから生じるようにプロファイルされている一部のプローブデータからプローブデータを推定することによって達成される。本発明は、少なくとも第1および第2の道路セグメントを有するデジタルマップとの関連で最も理解され得、道路セグメントのそれぞれは、各属性詳細と共通の属性を有する。第2の道路属性の詳細は未知または信頼できないのに対して、第1の道路属性の詳細は確実に既知である。第1および第2の道路セグメントの両方を横断する複数のプローブからのデータが報告される。報告されたデータは属性情報を含む。各プローブは、その属性情報が収集される所定の時間の間、デジタルマップにおける特定の道路セグメントと合致する。第1の道路セグメントの既知の属性詳細と、第1の道路セグメントと合致する各プローブに対する報告された属性情報との間の対応値が計算される。ひとたび対応閾値が属性の詳細のために定義されると、一部の信頼できるプローブが、第1の道路セグメントと合致する複数のプローブ間から識別される。信頼できるプローブは、計算された対応値が対応閾値を超過しないプローブとして定義される。
同一の信頼できるプローブが第2の道路セグメントと合致する時、その報告された属性情報が再び収集される。第2の道路セグメントに対する属性詳細は、その場合、第2の道路セグメントと合致した時に全ての信頼できるプローブから収集された属性情報に基づいて推定されてもよい。そして、最後に、デジタルマップは、推定された属性詳細に関して、第2の道路セグメントに対して属性詳細を設定することによって、更新され得る。
【0010】
特定の例では、本発明の方法は、デジタルマップにおける道路セグメントに対して表示された速度制限の更新に適用され得る。これに関連して、少なくとも第1および第2の道路セグメントを有するデジタルマップが提供され、各道路セグメントは、規制当局によって設定された、関連した速度制限を有する。第1の道路セグメントに対する速度制限は、確実に既知であり、一方、第2の道路セグメントに対する速度制限は、既知ではなく、または信頼できない。第1および第2の道路セグメントの両方にわたって追跡する複数のプローブからデータが報告される。報告されたデータは速度情報を含む(または速度情報の導出を可能にする)。各プローブは、その報告された速度情報を収集している所定時間の間、デジタルマップにおける特定の道路セグメントに合致する。第1の道路セグメント上での既知の速度制限と、第1の道路セグメントと合致する各プローブに対する報告された速度情報との間で対応値が計算される。対応閾値、例えば±5km/hが速度制限に対して定義される。第1の道路セグメントと合致する複数のプローブ間から一部の信頼できるプローブが識別される。信頼できるプローブは、計算された対応値が対応閾値を超過しないプローブである。各信頼できるプローブから報告された速度情報は、それが第2の道路セグメントと合致した時に収集される。その場合、第2の道路セグメントと合致した時に、全ての信頼できるプローブから収集された速度情報に基づいて、第2の道路セグメントに対して速度制限が推論または予測され得る。次に、推測された速度制限と関連する第2の道路セグメントに対して、表示された速度制限を設定することによって、デジタルマップが更新されてもよい。
【0011】
よって、本発明によれば、プローブデータの学習は、特定の道路属性に関して信頼できる、信用できる、または正当であるとしてみなされ得る特定のプローブを明らかにする。速度制限の例では、信頼できるプローブは、公示速度制限と許容範囲で近い速度を維持するプローブである。重いトラック/大型トラックの場合、信頼できるプローブは、加速度および/または速度のプロファイルが既知のプロファイルに一致するプロファイルである。タクシーの停車地の場合、信頼できるプローブは、トレース(軌跡)が既知のタクシー停車地で停止するプローブである。合理的な固定行動という仮定に基づいて、信頼できるプローブは、特定の道路属性(例えば、速度制限またはタクシー停車地)が未知または信頼できない領域において信頼できる行動を維持するために推定される。直接数学的外挿は、第2の道路セグメントのために属性が予測されまたは設定されるのを許可し、それは次にデジタルマップ更新するために使用され、それによって機能強化されたデータコンテンツを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明のこれらのまたは他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および添付の図面に関連して考慮される場合より直ちに理解されるようになるだろう。
【図1】図1は、マップデータ情報を運転手に提供し、好ましくはプローブとして機能するディスプレイスクリーンを含む本発明の一実施形態に従ったポータブルナビゲーションシステムの例示的な図である。
【図2】図2は、出発地点および目的地が、それらの間で提案される代替移動ルートと共に表示される、簡易化した道路ネットワークの一部の鳥瞰図である。
【図3A】図3Aは、簡易化した、複数の道路セグメントを含むデジタルマップの部分図であり、そのうちの2つは、既知の検証された速度データを有し、その他の道路セグメントは非検証または未知の速度データ属性である。
【図3B】図3Bは、図3Aにあるような図であるが、以前は未知および非検証速度データ属性が本発明の方法に従って更新されている同一の道路セグメントを示している。
【図4】図4は、速度データ属性が既知である特定の道路セグメントと合致している複数のプローブからのサンプルデータ報告を描写し、その一部は特定のセット対応値に基づいて信頼できるプローブとして定義され得る。
【図5】図5は、図4にあるような図であり、同一のプローブデータを示すが、選択された対応値における変化に依存して信頼できるとして識別されている異なる一部のプローブを伴う。
【図6】図6は、図4にあるような図であるが、対応値におけるさらなる変化が、信頼できるとして識別されている異なる属性に帰結している。
【図7】図7は、本発明の方法と関連した機能的な工程を説明する簡易化したフローチャートである。
【図8A】図8Aは、特定の道路セグメントを横断する複数のプローブからの全ての報告されたデータのプロットを示すこの特定の道路セグメント(この例ではセグメント32)に対する速度属性である。
【図8B】図8Bは、図8Aにあるような図であるが、一部の信頼できるプローブによって表される同一のセグメント(セグメント32)に対する同一の速度属性を示す。
【図9A】図9Aは、複数のプローブからの全ての報告されたデータがプロットされる、異なる道路セグメント(セグメント48)を別とすれば、図8Aにおける例のような速度属性チャートの別の例である。
【図9B】図9Bは、図9Aと同一の道路セグメントに対する同一の速度属性を表すが、一部の信頼できるプローブによって報告されたデータのみを含む。
【図10】図10は、プローブデータの速度属性から計算された特徴に基づいて未知または信頼できない速度データ属性を有する道路セグメントに対する速度制限を判定するために構築されたサンプル分類ツリーである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
例えば、移動速度、高度、停止位置等の情報を生成するだけではなく、デジタルマップを付加的に創出するおよび/または更新する目的で、低コスト測位システムおよびハンドヘルドデバイスおよび統合GPS機能を有する携帯電話からのプローブデータ入力を用いることが既知である。処理されるべき入力は、標準ASCIIストリームの形式で記録されたGPS追跡から構成され、ほとんど全ての現存するGPSデバイスによってサポートされる。出力は、移動時間情報および他の関連詳細で注釈を付けられたノードおよびエッジを有する有向グラフの形式での道路マップであってもよい。従ってプローブトレース(プローブ軌跡)を創出するためにそのようなデバイスを適切に取り付けられた移動者は、道路セグメントを移動中にプローブデータを生成してもよい。この技術の一例への議論に対しては、参考文献"Incremental Map Generaltion with GPS Traces," Bruntrup, R., Edelkamp, S., Jabbar, S., Scholz, B., Proc. 8th Int. IEEE Conf. on Intelligent Transportation Systems, Vienna, Austria, 2005, Pages 413-418がある。
【0014】
図面を参照すると、いくつかの図面を通じて同一の数字は、同一のまたは対応する部分を示す。複数の道路セグメントを有する例示的なデジタルマップは、図3Aおよび図3Bにおける18で一般に示される。図3Aにおいて、デジタルマップ18は古いまたは不完全な情報を提供されている。一方、図3Bにおける同一のデジタルマップ18は追加の速度データ属性を含むように更新されて示される。より具体的には、デジタルマップ18は、2つのノード、2つのジャンクション、または、1つのノードおよび1つのジャンクション、の間に渡って延びる一部の車道として一般に定義されてもよい複数の道路セグメントを含む。2つの道路セグメントは、これらの図面においてセグメント32およびセグメント48として識別される。これらのセグメント32、48は、図8A、図8B、図9A、図9Bのそれぞれと関連して提供されるデータと一致するように意図される。この例における各道路セグメントは、規制当局によってその特定の道路セグメントに対して確立された速度制限と一致する関連速度属性を含む。本発明の以下の説明を通じて、速度制限は、道路セグメントと関連する特定の属性の使い勝手の良い例として使用されるだろうが、決して本発明の方法に従って更新され得る唯一の属性ではない。実際、タクシーまたはバスの停車地、道路配置、注目地点(POI)情報、高度等の、他の道路属性がここで教示される方法を使用して更新されてもよい。
【0015】
図3Aに戻ると、セグメント32および48は、速度データ属性が確実に既知である道路セグメントとして特徴付けられてもよい。これらは、セグメント32に対しては30mph、セグメント48に対しては35mphとして示される。インジケータ20は、それぞれのセグメント32および48に沿って存在する既知の/検証された速度制限についての情報を提供するためにデジタルマップ18のディスプレイ上に現れる。しかしながら、この例では、表示されたネットワークにおける他の道路セグメントに沿った速度データ属性は未知または未検証の何れかである。例えば、インジケータ22は、デジタルマッププロバイダがグランドトルース(ground truth)として検証することができないそれぞれの道路セグメントに対する速度制限識別表示を表す。従って、表示された速度制限は不正確であるかもしれず、速度制限に依存する運転手またはナビゲータは、間違った方向へ導かれるかもしれない。同様に、インジケータ24は、マッププロバイダが速度制限属性についての情報を有しない道路セグメントを表す。従って、図3Aに示されるようなマップが図1のデバイスのようなPNAVデバイスに表示されたなら、ナビゲータは表示されている全ての情報に依存することができないだろう。
【0016】
本発明の概念および原則はあらゆる種類のナビゲーションシステムに適用可能であり、車両に組み込まれた車載ナビゲーションシステムだけではなく、ナビゲーションソフトウェアを有するハンドヘルドデバイス、PDA、および携帯電話を含むがそれらに限定されないことが理解されるだろう。本発明の原則は、市場で利用可能なあらゆる種類の標準ナビゲーションシステムで実施され得る。本発明の一実施形態の記述は、1つの可能性のある車載ナビゲーションシステムの観点で提供されるが、しかしながら、このことはあらゆる他の種類の実施、例えば、ハンドヘルドデバイスを除外しない。
【0017】
上述したデバイスのように他のナビゲーションシステムで多くのPNAVデバイスは、GPS受信機のプローブに加えて、プローブとして機能してもよいことも理解される。この能力で機能すると、他の属性データだけでなく、タイムスタンプを伴う位置情報は、(例えば)4時間ごとにデジタルマップ18における様々な道路セグメントに渡ってプローブトラックとして記録される。時間と共に、そのようなプローブデータは収集され得、および集約され得、道路ネットワーク内での実際の運転パターンを反映する数百万のデバイスから受信される、数千億の匿名計測に帰結する。この流動的な自動車データからのますます多くのデータポイントは、長期に渡って多くの目的に役立つ。本発明との関連で、複数のプローブから報告されたこのプローブデータは、速度制限、タクシー停車地、または他の役立つ属性等の不足属性を推定するための基準として、行動がプロファイルされ得、および使用され得るサブセットを見つけるために解析され得る。
【0018】
より具体的には、図4は、報告される速度属性データが、第1の道路セグメントすなわち速度制限が結論的に既知である道路セグメントに渡って移動している複数のプローブから収集されたグラフを描写する。シンプルなアルゴリズム、例えば“運転速度制限”:|vprobe−vofficial|<threshspeedを適用すると、特定のプローブがここでは5km/hで示される所定の許容範囲内の速度制限で運転する時間の割合を計算することが可能となる。既知の速度制限と比較した実際の報告または取得されたプローブの速度が、対応値として特徴付けられ得る。従って、速度制限が45mphであり、道路セグメントに沿った特定のプローブの平均報告速度が52mphであるなら、対応値は、7mph、すなわち公示速度制限よりも時速7マイル速いと計算されてもよい。図4の例では、±5kmphという許容範囲が対応閾値を提供する。所定の期間対応値が対応閾値を超過するプローブトレースは、長期間許容範囲速度内で動作するプローブトレースよりも信頼できないと見なされる。
【0019】
タクシー停車地の代替例では、トレースが1つ以外の全てのタクシー停車地で停車するプローブは、閾値が1以上であるならタクシー停車地属性に関して信頼できると見なされるだろう。
【0020】
図5は、図4に描写されたのと同じデータを表すが、信頼できる一部のプローブが対応値の範囲を広げることによってどのように増加し得るかを示している。この場合、許容範囲は15kmphまで増加しており、それは時間の50%よりも大きい対応閾値内で動作するプローブの実質的なシフトを示す。図6は、図5のようなさらなる図であるが、対応閾値の20kmphへの増加を示しており、信頼できるとして分類され得るプローブの右方向へのシフトをもたらす。従って、複数のプローブトレースから信頼できるプローブのサブセットを特定する工程における一構成要素は、信頼できるプローブが対応閾値内のままである、1.0またはそれより小さい継続時間因子を確立する工程を含んでもよい。例示的なアルゴリズムは以下の形式を取ってもよい:“大部分(Large part)”: “運転速度制限”>threshtimeとなる時間の%。従って、1.0という継続時間因子は、図4−6における100%に対応し、すなわち、特定のプローブが第1の道路セグメントと合致する全時間の間、報告された速度情報が対応閾値を超過しないプローブに対応する。これらの数字は、およそ0.5という継続時間因子、すなわち信頼できるとして分類されるためにプローブが対応閾値内のままである時間の約50%、を示唆する。
【0021】
図7は、本発明に対応する単純化されたフロー図を示す。前のパラグラフで説明された工程は、信憑性のあるトレースすなわち信頼できるプローブデータが、信憑性のないまたは信頼できないトレース情報と分離され得る程度まで、図7におけるフローチャートに従う。信憑性のないまたは信頼できないプローブデータは、特定の属性の注目指定でデジタルマップを更新するために無視される“終了”機能ブロックへ続く。しかしながら、信頼できるまたは信憑性のあるプローブデータのサブセットは、デジタルマップデータベースを更新する目的で、法定速度制限、タクシー停車地、または他の適切な属性詳細を取得するために使用され得る。
【0022】
図8Aは、図3Aにおける道路セグメントを横断する複数のプローブから報告されたデータの一群を示す。この例では、セグメント32に対する公示速度制限は30mphであることが信憑性をもって分かっている。データは無限の許容範囲速度の場合を反映している。図8Bは、同じプローブデータを描写するが、異なるフィルタリング基準を有する。上述の概念を適用すると、60という継続時間因子(許容時間)と共に、30mphという対応閾値が設定される30mphという既知の速度制限である。信頼できるプローブデータのプロットは、示されるようなヒストグラムに帰結する。図9Aおよび9Bは、信憑性をもった既知の速度制限が35mphであるセグメント48に適用されるようなこのプロトコルの下での同様の適用を表す。
【0023】
取得された信頼できる一部のプローブがあれば、第2の道路セグメントすなわち速度プロファイルデータが既知ではないまたは信憑性がない別の道路セグメントにトレースが合致する時、そうした同じ信頼できるプローブによって報告される情報を収集することが可能である。信頼できるプローブの合理的で一貫した行動を仮定することによって、第2の道路セグメントから不足の速度制限または他の属性データを推定することが可能である。言い換えると、ひとたび速度行動に関して信頼できるプローブの選択がなされると、信頼できるプローブが移動するデジタルマップ18における全ての他のセグメントのために速度分布が構築され得る。その分布から、中央値(メジアン)速度、平均値速度、偏差等の多数の特徴が計算され得る。従って、デジタルマップ18における全ての道路セグメントは、ひと組の番号(1つの特徴に対して1つ)によって表され得、それらの番号は、そのセグメントについて予測された速度制限を決定するために使用される。例えば、図10に示されるツリーのような分類ツリーが、プローブデータの速度分布から計算された特徴にのみ基づいて、他のセグメントに対する速度制限を決定するために構築され得る。この例では、道路セグメントは、中央値、平均値および標準偏差等の計算された特徴に基づいて計算されるような公式速度制限でラベル付けされる。例えば、中央値=60、平均値=20、標準偏差=10という特徴を有する道路セグメントは、30mphという速度制限を有するとしてラベル付けされる(プローブ速度はkmphで図10に示される一方、速度制限はmphで説明されていることが留意されるべきである)。
【0024】
さらなる一例として、複数のプローブから報告された322000の慎重な一部のデータに基づいて155の道路セグメントを含むサンプルデジタルマップ18についてテストが行われている。未知のまたは信憑性のない速度制限属性を有する道路セグメントに沿って移動するにつれて、識別され、追跡されている信頼できるプローブのサブセットを含む、収集されたデータから、6つの異なる道路セグメント(A−F)に対して以下の結果が明らかにされた。
【0025】
【表1】
【0026】
前の例では、各行(A−F)は特定の道路セグメントまたは道路セグメントの特定のエンドノードを表し、各列はあるクラスの速度(25、30、35、40、45、55、65、70)を表す。行のラベルは、最多数を伴う列のラベルと一致する。例えば、セグメントFを考慮すると、結果は道路速度クラスが35mphである61.2%の可能性があることを示すから、推定された速度制限は35mphであるという結論が導き出され得る。セグメントFに対する速度クラスが25mphである6.1%の可能性、30mphである28.6%の可能性等がある。従って、そのような技術を使用すれば、非常に高信頼度レベルで、例えば60%−80%のオーダで、収集されたプローブデータに基づいて道路セグメントに速度制限をラベル付けすることが可能である。従って、本発明の概念が、幾何配置、属性、POI情報または速度制限特徴等の他のデータ、を創出することを意図して、プローブデータをプロファイルする技術と見なされてもよいそのような収集されプロファイルされたプローブデータは、デジタルマップ情報を更新するために、幾何配置を創出し、不足データを埋めるために使用され得る。プローブトレースデータのプロファイルは、特定の注目属性、例えば速度制限データが正確だと推定される所在地における行動観察に基づいている。合理的で一貫した運転手の行動という仮定に基づいて、不足属性データは推定または訂正され、またはデジタルマップの他の部分で少なくとも検証され得る。
【0027】
いくつかの一時的で動的な因子が、大多数の運転手が型にはまらずに運転するように影響を与えると推定されるなら、この汎用アプローチへの予測可能な例外が生じるかもしれない。そのような状況においては、特定の道路セグメントを横断する全てのプローブトレースを信頼できないものとして断定的に特定することが望ましいかもしれない。例えば、公示速度制限に高い信頼性があるセグメントで悪天候が発生している場合は、プローブ計測の統計的表現がそのセグメントおよび特定の時間帯に対する公示速度制限をはるかに下回ることが予期される。悪天候(または交通事故、道路の土砂等のような可能性のあるいくつかの他の因子)が慎重な運転に影響していると推定することが賢明であるかもしれない。これらの状況下では、全てのトレースを信頼できないものとして特定し、低い信頼性の領域で速度制限を推定するためにそれらの何れも使用しないことが賢明であるかもしれない。交通量の大多数がはるかにゆっくり移動している時に、悪天候の間実際の速度制限で移動しているあらゆる運転手は、他の道路セグメントでの速度制限を信憑性を持って予測しないだろうということに基づいて、この仮定は合理的であると考えられ得る。
【0028】
種々の匿名ユーザから多数のプローブトレースを収集することによって、特定のプロファイルが観察される行動に取り付けられ得る。速度制限属性の例では、観察されている特定の行動は、公示速度制限および適合継続時間に関連したプローブトレース速度である。サービス車両停車地の場合、観察されている特定の行動は、既知のサービス車両所在地に関連したプローブトレース停車地である。あらゆる他の属性、すなわち速度または停車所在地以外のいくつかの属性は、その属性に関するように、トレース行動を同様に観察することによって推定され得る。推定された属性詳細は、全ての道路分類と共に、利用可能な場合には履歴プローブデータを使用して、デジタルマップにおけるデータを改良または訂正するために使用され得る。さらにその上、型にはまらない運転行動を引き起こす時々予期できない動的状況が生じるかもしれない。特定の属性の高い信頼性がある、例えば平均車両速度が公示制限をはるかに下回っている領域において、プローブ計測の統計的表現が型にはまらない行動を示すなら、全てのプローブ計測は、最も高い可能性のある信頼性レベルでデータ人口を維持するために、信憑性のない予測判断材料として断定的に拒絶されてもよい。
【0029】
前述の発明は関連法定基準に従って説明されており、従って説明は事実上限定的というよりはむしろ例示的である。開示された実施形態への変化および修正が当業者にとって明らかとなり、本発明の範囲に含まれてもよい。
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路または経路情報を表示する種類のデジタルマップに関し、より具体的には、信頼できるプローブデータを使用して、デジタルマップに含まれる情報を更新する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ほとんど全ての先進国および発展途上国において、車道はますます輻輳するようになり、結果として移動時間が増加している。正確でタイムリーな交通情報の必要性が高まり続けている。そのような必要性は、正確な位置データと組み合わされたデジタルマップを利用するパーソナルナビゲーションデバイスの台頭を促進している。ナビゲーション補助を求める通勤者は、交通渋滞を避けることを試みて、および、ビジネスに対しては輸送コストを最小化することを試みて、この新たな技術を受け入れている。そうしたナビゲーションシステムの効果は、本質的に、そのデジタルマップデータおよび他の提供情報の正確性および完全性に依存している。
【発明の概要】
【0003】
車載ナビゲーションマーケットだけでなく、専用ハンドヘルドナビゲーションシステム、携帯情報端末(PDA)、ナビゲーションモジュールを備える携帯電話のような、これらのパーソナルナビゲーションシステム(PNAV)、パーソナルナビゲーションシステムの現在の領域では、エンドユーザのニーズは多くのアプリケーションによって既に一般に対処されている。ベンダは追加機能および特徴をそのPNAVに加えることによって差別化する。例は、速度カメラ情報、交通情報、ジャンクションの図等を含む。そのようなPNAVの追加の特徴は、出発地から目的地へ移動する時にユーザが正しい決定を行うのを補助する。1つのアプローチが、PNAVデバイスの1つの可能性のあるディスプレイスクリーンを提供する図1における例によって説明される。鳥瞰マップが、ジャンクションの図、すなわち、矢印、ルート表示等の追加情報と重ね合わせて実際に存在する全ての車線および側柱(side post)の描写、と共に、スクリーンの一部に示されてもよい。
【0004】
場合によっては、運転手またはナビゲータは、2以上の代替ルート間での推定移動時間および/または容易さの比較に基づいてどの特定のルートをたどるべきかに関して決定するだろう。例えば、図2は、出発地点12および目的地点14を有する例示的なデジタルマップを説明する。2つの代替ルートが描写され、1つはわずかに短い移動距離であるが好ましくないより長い移動時間を表す。その代わりに、好ましいルートは、例えその全体移動距離がわずかにより長くてもより短い移動時間を占める。
【0005】
この種のナビゲーション決定は、出発地点と目的地点とを接続する様々な道路セグメントに対する許容可能な速度制限に大いに依存している。例えば、図1を再び参照すると、ディスプレイスクリーンの左手側に示される鳥瞰デジタルマップ図は、いくつかの描写された道路セグメントに沿った速度制限表示16を含む。従って、どのコースをたどるべきかというナビゲータの決定は、表示された速度制限16の機能として描写されてもよい。さらにその上、公示速度制限に応じる運転手の能力は、移動している特定の道路セグメントに速度制限があることを知っていることに場合によっては依存している。ローカル速度制限を示す道路沿いの標識は場合によっては視認可能でないかもしれない。特定の道路セグメントが運転手にとってなじみがないなら、速度制限は直ちに明らかではないかもしれない。図1に示される情報のような、PNAVに提供される情報を参照することによって、ユーザの現在位置は、デジタルマップに含まれる特定の道路セグメントに合致し、PNAVのメモリデバイスに格納されたその道路に対する速度制限表示が運転手の安全運転という便益のために表示されてもよい。
【0006】
乗用車に対する道路速度は、知っておくと役に立ち、PNAVデバイスに備わっているほんの1つの属性である。別の例では、乗用車の制限とは異なり得る重いトラック/大型トラックの最大速度を考慮してもよい。役に立つ属性の別の例は、タクシー、バス等のサービス車の停車地であり得る。もちろん、多くの他の道路属性もまたこれらの状況で識別され得、車両速度やサービス車の停車地に限定されない。
【0007】
それ故、デジタルマップデータは、その情報コンテンツが正確で完全な時により有用であることが理解されるだろう。公示速度制限、タクシーの停車地、道路配置、注目地点(POI)情報等の、道路セグメントに対するある属性の詳細(specification)は、特定の道路セグメント、ジャンクション、または、以上のような理由からデジタルマップの他の特徴、と関連して含まれてもよい。
【0008】
道路位置および属性は、絶え間なく変化している。新しい道路が創出され、古い道路が廃止され、建設活動が一時的な遮断および例外的な迂回路を創出し、速度制限が変化し、バスおよびタクシーの停車地が移動される、等である。従って、速度制限、タクシーおよびバスの停車地、道路配置およびPOI情報等の属性についての情報を含む、利用可能な最新且つ最も現行の情報を有するデジタルマップを更新する継続的な必要性がある。それ故、デジタルマップに含まれる情報は、最新でありPNAVシステムのユーザにとって最も価値があるように、デジタルマップを更新する改良された方法の必要性がある。
【0009】
本発明は、公示速度制限、道路配置およびPOI情報等の、デジタルマップにおける道路セグメントに対するある属性詳細を更新する方法に関する。更新方法は、信頼できるプローブから生じるようにプロファイルされている一部のプローブデータからプローブデータを推定することによって達成される。本発明は、少なくとも第1および第2の道路セグメントを有するデジタルマップとの関連で最も理解され得、道路セグメントのそれぞれは、各属性詳細と共通の属性を有する。第2の道路属性の詳細は未知または信頼できないのに対して、第1の道路属性の詳細は確実に既知である。第1および第2の道路セグメントの両方を横断する複数のプローブからのデータが報告される。報告されたデータは属性情報を含む。各プローブは、その属性情報が収集される所定の時間の間、デジタルマップにおける特定の道路セグメントと合致する。第1の道路セグメントの既知の属性詳細と、第1の道路セグメントと合致する各プローブに対する報告された属性情報との間の対応値が計算される。ひとたび対応閾値が属性の詳細のために定義されると、一部の信頼できるプローブが、第1の道路セグメントと合致する複数のプローブ間から識別される。信頼できるプローブは、計算された対応値が対応閾値を超過しないプローブとして定義される。
同一の信頼できるプローブが第2の道路セグメントと合致する時、その報告された属性情報が再び収集される。第2の道路セグメントに対する属性詳細は、その場合、第2の道路セグメントと合致した時に全ての信頼できるプローブから収集された属性情報に基づいて推定されてもよい。そして、最後に、デジタルマップは、推定された属性詳細に関して、第2の道路セグメントに対して属性詳細を設定することによって、更新され得る。
【0010】
特定の例では、本発明の方法は、デジタルマップにおける道路セグメントに対して表示された速度制限の更新に適用され得る。これに関連して、少なくとも第1および第2の道路セグメントを有するデジタルマップが提供され、各道路セグメントは、規制当局によって設定された、関連した速度制限を有する。第1の道路セグメントに対する速度制限は、確実に既知であり、一方、第2の道路セグメントに対する速度制限は、既知ではなく、または信頼できない。第1および第2の道路セグメントの両方にわたって追跡する複数のプローブからデータが報告される。報告されたデータは速度情報を含む(または速度情報の導出を可能にする)。各プローブは、その報告された速度情報を収集している所定時間の間、デジタルマップにおける特定の道路セグメントに合致する。第1の道路セグメント上での既知の速度制限と、第1の道路セグメントと合致する各プローブに対する報告された速度情報との間で対応値が計算される。対応閾値、例えば±5km/hが速度制限に対して定義される。第1の道路セグメントと合致する複数のプローブ間から一部の信頼できるプローブが識別される。信頼できるプローブは、計算された対応値が対応閾値を超過しないプローブである。各信頼できるプローブから報告された速度情報は、それが第2の道路セグメントと合致した時に収集される。その場合、第2の道路セグメントと合致した時に、全ての信頼できるプローブから収集された速度情報に基づいて、第2の道路セグメントに対して速度制限が推論または予測され得る。次に、推測された速度制限と関連する第2の道路セグメントに対して、表示された速度制限を設定することによって、デジタルマップが更新されてもよい。
【0011】
よって、本発明によれば、プローブデータの学習は、特定の道路属性に関して信頼できる、信用できる、または正当であるとしてみなされ得る特定のプローブを明らかにする。速度制限の例では、信頼できるプローブは、公示速度制限と許容範囲で近い速度を維持するプローブである。重いトラック/大型トラックの場合、信頼できるプローブは、加速度および/または速度のプロファイルが既知のプロファイルに一致するプロファイルである。タクシーの停車地の場合、信頼できるプローブは、トレース(軌跡)が既知のタクシー停車地で停止するプローブである。合理的な固定行動という仮定に基づいて、信頼できるプローブは、特定の道路属性(例えば、速度制限またはタクシー停車地)が未知または信頼できない領域において信頼できる行動を維持するために推定される。直接数学的外挿は、第2の道路セグメントのために属性が予測されまたは設定されるのを許可し、それは次にデジタルマップ更新するために使用され、それによって機能強化されたデータコンテンツを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明のこれらのまたは他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および添付の図面に関連して考慮される場合より直ちに理解されるようになるだろう。
【図1】図1は、マップデータ情報を運転手に提供し、好ましくはプローブとして機能するディスプレイスクリーンを含む本発明の一実施形態に従ったポータブルナビゲーションシステムの例示的な図である。
【図2】図2は、出発地点および目的地が、それらの間で提案される代替移動ルートと共に表示される、簡易化した道路ネットワークの一部の鳥瞰図である。
【図3A】図3Aは、簡易化した、複数の道路セグメントを含むデジタルマップの部分図であり、そのうちの2つは、既知の検証された速度データを有し、その他の道路セグメントは非検証または未知の速度データ属性である。
【図3B】図3Bは、図3Aにあるような図であるが、以前は未知および非検証速度データ属性が本発明の方法に従って更新されている同一の道路セグメントを示している。
【図4】図4は、速度データ属性が既知である特定の道路セグメントと合致している複数のプローブからのサンプルデータ報告を描写し、その一部は特定のセット対応値に基づいて信頼できるプローブとして定義され得る。
【図5】図5は、図4にあるような図であり、同一のプローブデータを示すが、選択された対応値における変化に依存して信頼できるとして識別されている異なる一部のプローブを伴う。
【図6】図6は、図4にあるような図であるが、対応値におけるさらなる変化が、信頼できるとして識別されている異なる属性に帰結している。
【図7】図7は、本発明の方法と関連した機能的な工程を説明する簡易化したフローチャートである。
【図8A】図8Aは、特定の道路セグメントを横断する複数のプローブからの全ての報告されたデータのプロットを示すこの特定の道路セグメント(この例ではセグメント32)に対する速度属性である。
【図8B】図8Bは、図8Aにあるような図であるが、一部の信頼できるプローブによって表される同一のセグメント(セグメント32)に対する同一の速度属性を示す。
【図9A】図9Aは、複数のプローブからの全ての報告されたデータがプロットされる、異なる道路セグメント(セグメント48)を別とすれば、図8Aにおける例のような速度属性チャートの別の例である。
【図9B】図9Bは、図9Aと同一の道路セグメントに対する同一の速度属性を表すが、一部の信頼できるプローブによって報告されたデータのみを含む。
【図10】図10は、プローブデータの速度属性から計算された特徴に基づいて未知または信頼できない速度データ属性を有する道路セグメントに対する速度制限を判定するために構築されたサンプル分類ツリーである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
例えば、移動速度、高度、停止位置等の情報を生成するだけではなく、デジタルマップを付加的に創出するおよび/または更新する目的で、低コスト測位システムおよびハンドヘルドデバイスおよび統合GPS機能を有する携帯電話からのプローブデータ入力を用いることが既知である。処理されるべき入力は、標準ASCIIストリームの形式で記録されたGPS追跡から構成され、ほとんど全ての現存するGPSデバイスによってサポートされる。出力は、移動時間情報および他の関連詳細で注釈を付けられたノードおよびエッジを有する有向グラフの形式での道路マップであってもよい。従ってプローブトレース(プローブ軌跡)を創出するためにそのようなデバイスを適切に取り付けられた移動者は、道路セグメントを移動中にプローブデータを生成してもよい。この技術の一例への議論に対しては、参考文献"Incremental Map Generaltion with GPS Traces," Bruntrup, R., Edelkamp, S., Jabbar, S., Scholz, B., Proc. 8th Int. IEEE Conf. on Intelligent Transportation Systems, Vienna, Austria, 2005, Pages 413-418がある。
【0014】
図面を参照すると、いくつかの図面を通じて同一の数字は、同一のまたは対応する部分を示す。複数の道路セグメントを有する例示的なデジタルマップは、図3Aおよび図3Bにおける18で一般に示される。図3Aにおいて、デジタルマップ18は古いまたは不完全な情報を提供されている。一方、図3Bにおける同一のデジタルマップ18は追加の速度データ属性を含むように更新されて示される。より具体的には、デジタルマップ18は、2つのノード、2つのジャンクション、または、1つのノードおよび1つのジャンクション、の間に渡って延びる一部の車道として一般に定義されてもよい複数の道路セグメントを含む。2つの道路セグメントは、これらの図面においてセグメント32およびセグメント48として識別される。これらのセグメント32、48は、図8A、図8B、図9A、図9Bのそれぞれと関連して提供されるデータと一致するように意図される。この例における各道路セグメントは、規制当局によってその特定の道路セグメントに対して確立された速度制限と一致する関連速度属性を含む。本発明の以下の説明を通じて、速度制限は、道路セグメントと関連する特定の属性の使い勝手の良い例として使用されるだろうが、決して本発明の方法に従って更新され得る唯一の属性ではない。実際、タクシーまたはバスの停車地、道路配置、注目地点(POI)情報、高度等の、他の道路属性がここで教示される方法を使用して更新されてもよい。
【0015】
図3Aに戻ると、セグメント32および48は、速度データ属性が確実に既知である道路セグメントとして特徴付けられてもよい。これらは、セグメント32に対しては30mph、セグメント48に対しては35mphとして示される。インジケータ20は、それぞれのセグメント32および48に沿って存在する既知の/検証された速度制限についての情報を提供するためにデジタルマップ18のディスプレイ上に現れる。しかしながら、この例では、表示されたネットワークにおける他の道路セグメントに沿った速度データ属性は未知または未検証の何れかである。例えば、インジケータ22は、デジタルマッププロバイダがグランドトルース(ground truth)として検証することができないそれぞれの道路セグメントに対する速度制限識別表示を表す。従って、表示された速度制限は不正確であるかもしれず、速度制限に依存する運転手またはナビゲータは、間違った方向へ導かれるかもしれない。同様に、インジケータ24は、マッププロバイダが速度制限属性についての情報を有しない道路セグメントを表す。従って、図3Aに示されるようなマップが図1のデバイスのようなPNAVデバイスに表示されたなら、ナビゲータは表示されている全ての情報に依存することができないだろう。
【0016】
本発明の概念および原則はあらゆる種類のナビゲーションシステムに適用可能であり、車両に組み込まれた車載ナビゲーションシステムだけではなく、ナビゲーションソフトウェアを有するハンドヘルドデバイス、PDA、および携帯電話を含むがそれらに限定されないことが理解されるだろう。本発明の原則は、市場で利用可能なあらゆる種類の標準ナビゲーションシステムで実施され得る。本発明の一実施形態の記述は、1つの可能性のある車載ナビゲーションシステムの観点で提供されるが、しかしながら、このことはあらゆる他の種類の実施、例えば、ハンドヘルドデバイスを除外しない。
【0017】
上述したデバイスのように他のナビゲーションシステムで多くのPNAVデバイスは、GPS受信機のプローブに加えて、プローブとして機能してもよいことも理解される。この能力で機能すると、他の属性データだけでなく、タイムスタンプを伴う位置情報は、(例えば)4時間ごとにデジタルマップ18における様々な道路セグメントに渡ってプローブトラックとして記録される。時間と共に、そのようなプローブデータは収集され得、および集約され得、道路ネットワーク内での実際の運転パターンを反映する数百万のデバイスから受信される、数千億の匿名計測に帰結する。この流動的な自動車データからのますます多くのデータポイントは、長期に渡って多くの目的に役立つ。本発明との関連で、複数のプローブから報告されたこのプローブデータは、速度制限、タクシー停車地、または他の役立つ属性等の不足属性を推定するための基準として、行動がプロファイルされ得、および使用され得るサブセットを見つけるために解析され得る。
【0018】
より具体的には、図4は、報告される速度属性データが、第1の道路セグメントすなわち速度制限が結論的に既知である道路セグメントに渡って移動している複数のプローブから収集されたグラフを描写する。シンプルなアルゴリズム、例えば“運転速度制限”:|vprobe−vofficial|<threshspeedを適用すると、特定のプローブがここでは5km/hで示される所定の許容範囲内の速度制限で運転する時間の割合を計算することが可能となる。既知の速度制限と比較した実際の報告または取得されたプローブの速度が、対応値として特徴付けられ得る。従って、速度制限が45mphであり、道路セグメントに沿った特定のプローブの平均報告速度が52mphであるなら、対応値は、7mph、すなわち公示速度制限よりも時速7マイル速いと計算されてもよい。図4の例では、±5kmphという許容範囲が対応閾値を提供する。所定の期間対応値が対応閾値を超過するプローブトレースは、長期間許容範囲速度内で動作するプローブトレースよりも信頼できないと見なされる。
【0019】
タクシー停車地の代替例では、トレースが1つ以外の全てのタクシー停車地で停車するプローブは、閾値が1以上であるならタクシー停車地属性に関して信頼できると見なされるだろう。
【0020】
図5は、図4に描写されたのと同じデータを表すが、信頼できる一部のプローブが対応値の範囲を広げることによってどのように増加し得るかを示している。この場合、許容範囲は15kmphまで増加しており、それは時間の50%よりも大きい対応閾値内で動作するプローブの実質的なシフトを示す。図6は、図5のようなさらなる図であるが、対応閾値の20kmphへの増加を示しており、信頼できるとして分類され得るプローブの右方向へのシフトをもたらす。従って、複数のプローブトレースから信頼できるプローブのサブセットを特定する工程における一構成要素は、信頼できるプローブが対応閾値内のままである、1.0またはそれより小さい継続時間因子を確立する工程を含んでもよい。例示的なアルゴリズムは以下の形式を取ってもよい:“大部分(Large part)”: “運転速度制限”>threshtimeとなる時間の%。従って、1.0という継続時間因子は、図4−6における100%に対応し、すなわち、特定のプローブが第1の道路セグメントと合致する全時間の間、報告された速度情報が対応閾値を超過しないプローブに対応する。これらの数字は、およそ0.5という継続時間因子、すなわち信頼できるとして分類されるためにプローブが対応閾値内のままである時間の約50%、を示唆する。
【0021】
図7は、本発明に対応する単純化されたフロー図を示す。前のパラグラフで説明された工程は、信憑性のあるトレースすなわち信頼できるプローブデータが、信憑性のないまたは信頼できないトレース情報と分離され得る程度まで、図7におけるフローチャートに従う。信憑性のないまたは信頼できないプローブデータは、特定の属性の注目指定でデジタルマップを更新するために無視される“終了”機能ブロックへ続く。しかしながら、信頼できるまたは信憑性のあるプローブデータのサブセットは、デジタルマップデータベースを更新する目的で、法定速度制限、タクシー停車地、または他の適切な属性詳細を取得するために使用され得る。
【0022】
図8Aは、図3Aにおける道路セグメントを横断する複数のプローブから報告されたデータの一群を示す。この例では、セグメント32に対する公示速度制限は30mphであることが信憑性をもって分かっている。データは無限の許容範囲速度の場合を反映している。図8Bは、同じプローブデータを描写するが、異なるフィルタリング基準を有する。上述の概念を適用すると、60という継続時間因子(許容時間)と共に、30mphという対応閾値が設定される30mphという既知の速度制限である。信頼できるプローブデータのプロットは、示されるようなヒストグラムに帰結する。図9Aおよび9Bは、信憑性をもった既知の速度制限が35mphであるセグメント48に適用されるようなこのプロトコルの下での同様の適用を表す。
【0023】
取得された信頼できる一部のプローブがあれば、第2の道路セグメントすなわち速度プロファイルデータが既知ではないまたは信憑性がない別の道路セグメントにトレースが合致する時、そうした同じ信頼できるプローブによって報告される情報を収集することが可能である。信頼できるプローブの合理的で一貫した行動を仮定することによって、第2の道路セグメントから不足の速度制限または他の属性データを推定することが可能である。言い換えると、ひとたび速度行動に関して信頼できるプローブの選択がなされると、信頼できるプローブが移動するデジタルマップ18における全ての他のセグメントのために速度分布が構築され得る。その分布から、中央値(メジアン)速度、平均値速度、偏差等の多数の特徴が計算され得る。従って、デジタルマップ18における全ての道路セグメントは、ひと組の番号(1つの特徴に対して1つ)によって表され得、それらの番号は、そのセグメントについて予測された速度制限を決定するために使用される。例えば、図10に示されるツリーのような分類ツリーが、プローブデータの速度分布から計算された特徴にのみ基づいて、他のセグメントに対する速度制限を決定するために構築され得る。この例では、道路セグメントは、中央値、平均値および標準偏差等の計算された特徴に基づいて計算されるような公式速度制限でラベル付けされる。例えば、中央値=60、平均値=20、標準偏差=10という特徴を有する道路セグメントは、30mphという速度制限を有するとしてラベル付けされる(プローブ速度はkmphで図10に示される一方、速度制限はmphで説明されていることが留意されるべきである)。
【0024】
さらなる一例として、複数のプローブから報告された322000の慎重な一部のデータに基づいて155の道路セグメントを含むサンプルデジタルマップ18についてテストが行われている。未知のまたは信憑性のない速度制限属性を有する道路セグメントに沿って移動するにつれて、識別され、追跡されている信頼できるプローブのサブセットを含む、収集されたデータから、6つの異なる道路セグメント(A−F)に対して以下の結果が明らかにされた。
【0025】
【表1】
【0026】
前の例では、各行(A−F)は特定の道路セグメントまたは道路セグメントの特定のエンドノードを表し、各列はあるクラスの速度(25、30、35、40、45、55、65、70)を表す。行のラベルは、最多数を伴う列のラベルと一致する。例えば、セグメントFを考慮すると、結果は道路速度クラスが35mphである61.2%の可能性があることを示すから、推定された速度制限は35mphであるという結論が導き出され得る。セグメントFに対する速度クラスが25mphである6.1%の可能性、30mphである28.6%の可能性等がある。従って、そのような技術を使用すれば、非常に高信頼度レベルで、例えば60%−80%のオーダで、収集されたプローブデータに基づいて道路セグメントに速度制限をラベル付けすることが可能である。従って、本発明の概念が、幾何配置、属性、POI情報または速度制限特徴等の他のデータ、を創出することを意図して、プローブデータをプロファイルする技術と見なされてもよいそのような収集されプロファイルされたプローブデータは、デジタルマップ情報を更新するために、幾何配置を創出し、不足データを埋めるために使用され得る。プローブトレースデータのプロファイルは、特定の注目属性、例えば速度制限データが正確だと推定される所在地における行動観察に基づいている。合理的で一貫した運転手の行動という仮定に基づいて、不足属性データは推定または訂正され、またはデジタルマップの他の部分で少なくとも検証され得る。
【0027】
いくつかの一時的で動的な因子が、大多数の運転手が型にはまらずに運転するように影響を与えると推定されるなら、この汎用アプローチへの予測可能な例外が生じるかもしれない。そのような状況においては、特定の道路セグメントを横断する全てのプローブトレースを信頼できないものとして断定的に特定することが望ましいかもしれない。例えば、公示速度制限に高い信頼性があるセグメントで悪天候が発生している場合は、プローブ計測の統計的表現がそのセグメントおよび特定の時間帯に対する公示速度制限をはるかに下回ることが予期される。悪天候(または交通事故、道路の土砂等のような可能性のあるいくつかの他の因子)が慎重な運転に影響していると推定することが賢明であるかもしれない。これらの状況下では、全てのトレースを信頼できないものとして特定し、低い信頼性の領域で速度制限を推定するためにそれらの何れも使用しないことが賢明であるかもしれない。交通量の大多数がはるかにゆっくり移動している時に、悪天候の間実際の速度制限で移動しているあらゆる運転手は、他の道路セグメントでの速度制限を信憑性を持って予測しないだろうということに基づいて、この仮定は合理的であると考えられ得る。
【0028】
種々の匿名ユーザから多数のプローブトレースを収集することによって、特定のプロファイルが観察される行動に取り付けられ得る。速度制限属性の例では、観察されている特定の行動は、公示速度制限および適合継続時間に関連したプローブトレース速度である。サービス車両停車地の場合、観察されている特定の行動は、既知のサービス車両所在地に関連したプローブトレース停車地である。あらゆる他の属性、すなわち速度または停車所在地以外のいくつかの属性は、その属性に関するように、トレース行動を同様に観察することによって推定され得る。推定された属性詳細は、全ての道路分類と共に、利用可能な場合には履歴プローブデータを使用して、デジタルマップにおけるデータを改良または訂正するために使用され得る。さらにその上、型にはまらない運転行動を引き起こす時々予期できない動的状況が生じるかもしれない。特定の属性の高い信頼性がある、例えば平均車両速度が公示制限をはるかに下回っている領域において、プローブ計測の統計的表現が型にはまらない行動を示すなら、全てのプローブ計測は、最も高い可能性のある信頼性レベルでデータ人口を維持するために、信憑性のない予測判断材料として断定的に拒絶されてもよい。
【0029】
前述の発明は関連法定基準に従って説明されており、従って説明は事実上限定的というよりはむしろ例示的である。開示された実施形態への変化および修正が当業者にとって明らかとなり、本発明の範囲に含まれてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロファイルされた一部の信頼できるプローブトレースからプローブデータを推定することによって、公示速度制限、タクシー停車地、道路幾何配置または注目地点情報等のデジタルマップにおける道路セグメントに対する属性詳細を更新する方法であって、
前記方法は、
少なくとも第1および第2の道路セグメントを有するデジタルマップを提供する工程と、前記道路セグメントのそれぞれは、それぞれの属性詳細と共通の属性を有し、前記第1の道路セグメント属性に対する前記詳細は信憑性があって既知であり且つ前記第2の道路セグメント属性に対する前記詳細は未知または信憑性がなく、
第1および第2の道路セグメントの両方に渡って移動している複数のプローブからデータを報告する工程と、前記報告されたデータは属性情報を含み、
前記報告された属性情報を収集している所定の時間の間、各プローブトレースと、前記デジタルマップにおける特定の道路セグメントとを合致させる工程と、
前記第1の道路セグメントの前記既知の属性詳細と、前記第1の道路セグメントと合致した各プローブトレースに対する前記報告された属性情報と、の間での対応値を計算する工程と、
前記属性詳細に対する対応閾値を定義する工程と、
前記第1の道路セグメントと合致する前記複数のプローブトレースから、計算された対応値が前記対応閾値を超過しない一部の信頼できるプローブトレースを特定する工程と、
前記第2の道路セグメントと合致した時に各信頼できるプローブトレースから前記報告された属性情報を収集する工程と、
前記第2の道路セグメントと合致した時に全ての信頼できるプローブトレースから前記収集された属性情報に基づいて前記第2の道路セグメントに対する属性詳細を推定する工程と、
前記推定された属性詳細に関して前記第2の道路セグメントに対する前記属性詳細を設定することによって前記デジタルマップを更新する工程と、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記属性詳細に対する対応閾値を定義する前記工程は、平均値および中央値が公式指定と略等しい変域を設定する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記属性詳細に対する対応閾値を定義する前記工程は、前記信頼できるプローブトレースが対応閾値内のままである1.0以下の継続時間因子を確立する工程を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の道路セグメントに対する属性詳細を推定する前記工程は、分類ツリーを作成する工程を含むことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の方法。
【請求項5】
分類ツリーを作成する前記工程は、前記第2の道路セグメントと合致した時に各信頼できるプローブトレースから前記収集された属性情報に対する中央値、平均値および偏差値を特定する工程を含むことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記属性は速度制限であり、前記詳細は規制当局によって確立されることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の方法。
【請求項7】
複数のプローブからデータを報告する前記工程は、前記第1および第2の道路セグメントに渡って自動車における各プローブを移送する工程を含むことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の方法。
【請求項8】
複数のプローブからデータを報告する前記工程は、前記第1および第2の道路セグメントに渡って自転車における各プローブを移送する工程を含むことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の方法。
【請求項9】
プローブ計測の統計的表示が前記第1の道路セグメントにおいて不規則な行動を示すなら、全てのプローブトレースを信憑性がないものとして断定的に拒絶する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記デジタルマップを更新する工程は、パーソナルナビゲーションデバイスのディスプレイスクリーンを変更する工程を含むことを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の方法。
【請求項11】
プロファイルされた一部の信頼できるプローブトレースからプローブデータを推定することによってデジタルマップにおける道路セグメントに対する表示された速度制限を更新する方法であって、前記方法は、
少なくとも第1および第2の道路セグメントを有するデジタルマップを提供する工程と、前記道路セグメントのそれぞれは、規制当局によって設定された関連速度制限を有し、前記第1の道路セグメントに対する前記速度制限は信憑性があって既知であり、前記第2の道路セグメントに対する前記速度制限は未知または信憑性がなく、
前記第1および第2の道路セグメントの両方に渡って移動する複数のプローブトレースからデータを報告する工程と、前記報告されたデータは速度情報を含みまたは速度情報の導出を可能にし、
報告された速度情報を収集する所定時間の間、各プローブトレースと、前記デジタルマップにおける特定の道路セグメントとを合致させる工程と、
前記第1の道路セグメントの前記既知の速度制限と、前記第1の道路セグメントと合致した各プローブトレースに対する前記報告された速度情報との間の対応値を計算する工程と、
前記既知の速度制限に対する対応閾値を定義する工程と、
前記第1の道路セグメントと合致した前記複数のプローブトレースから、計算された対応値が前記対応閾値を超過しない一部の信頼できるプローブトレースを特定する工程と、
前記第2の道路セグメントと合致した時に各信頼できるプローブトレースから前記報告された速度情報を収集する工程と、
前記第2の道路セグメントと合致した時に全ての信頼できるプローブトレースから前記収集された速度情報に基づいて前記第2の道路セグメントに対する速度制限を推定する工程と、
前記推定された速度制限に関して前記第2の道路セグメントに対する前記表示された速度制限を設定することによって前記デジタルマップを更新する工程と、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項12】
前記速度制限に対する対応閾値を定義する前記工程は、平均値および中央値が公示速度制限である変域を設定する工程を含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記速度制限に対する対応閾値を定義する前記工程は、前記信頼できるプローブトレースが対応閾値内である1.0以下の継続時間因子を確立する工程を含むことを特徴とする請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
前記第2の道路セグメントに対する速度制限を推定する前記工程は、分類ツリーを作成する工程を含むことを特徴とする請求項11乃至13の何れか1項に記載の方法。
【請求項15】
分類ツリーを作成する前記工程は、前記第2の道路セグメントに合致した時に前記信頼できるプローブから前記収集された速度情報に対する中央値、平均値および偏差値を特定する工程を含むことを特徴とする請求項11乃至14の何れか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の道路セグメントにおける平均速度が前記既知の速度制限よりも実質的に小さい場合、全てのプローブトレースを信憑性がないものとして断定的に拒絶する工程をさらに備えることを特徴とする請求項11乃至15の何れか1項に記載の方法。
【請求項17】
プロファイルされた信頼できるプローブトレースからプローブデータを推定することによってデジタルマップにおける道路セグメントに対するサービスストップインジケータを更新する方法であって、前記方法は、
少なくとも第1および第2の道路セグメントを有するデジタルマップを提供する工程と、前記道路セグメントのそれぞれは規制当局によって設定された少なくとも1つのサービスストップを有し、前記第1の道路セグメントに対するサービスストップ所在地は信憑性があって既知であり、前記第2の道路セグメントに対する前記サービスストップ所在地は未知または信憑性が無く、
前記第1および第2の道路セグメントの両方に渡って移動する複数のプローブトレースからデータを報告する工程と、前記報告されたデータはストップ位置行動を取得するために十分な位置情報およびタイムスタンプ情報を含み、
報告されたストップ位置行動を収集する所定時間の間、各プローブトレースと、前記デジタルマップにおける特定の道路セグメントとを合致させる工程と、
前記第1の道路セグメントに合致した各プローブトレースに対する前記報告されたストップ位置行動と、前記第1の道路セグメントに沿った前記既知のサービスストップ所在地との間での対応値を計算する工程と、
前記既知のサービスストップ所在地に対する対応閾値を定義する工程と、
前記第1の道路セグメントに合致する前記複数のプローブトレースから、計算された対応値が前記対応閾値を超過しない一部の信頼できるプローブトレースを特定する工程と、
前記第2の道路セグメントに合致した時に各信頼できるプローブトレースから前記報告されたストップ位置行動を収集する工程と、
前記第2の道路セグメントに合致した時に全ての信頼できるプローブトレースから前記収集されたストップ位置行動に基づいて前記第2の道路セグメントに対するサービスストップを推定する工程と、
前記推定されたサービスストップ行動に関して前記第2の道路セグメントに対して表示されるサービスストップ所在地を設定することによって前記デジタルマップを更新する工程と、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項1】
プロファイルされた一部の信頼できるプローブトレースからプローブデータを推定することによって、公示速度制限、タクシー停車地、道路幾何配置または注目地点情報等のデジタルマップにおける道路セグメントに対する属性詳細を更新する方法であって、
前記方法は、
少なくとも第1および第2の道路セグメントを有するデジタルマップを提供する工程と、前記道路セグメントのそれぞれは、それぞれの属性詳細と共通の属性を有し、前記第1の道路セグメント属性に対する前記詳細は信憑性があって既知であり且つ前記第2の道路セグメント属性に対する前記詳細は未知または信憑性がなく、
第1および第2の道路セグメントの両方に渡って移動している複数のプローブからデータを報告する工程と、前記報告されたデータは属性情報を含み、
前記報告された属性情報を収集している所定の時間の間、各プローブトレースと、前記デジタルマップにおける特定の道路セグメントとを合致させる工程と、
前記第1の道路セグメントの前記既知の属性詳細と、前記第1の道路セグメントと合致した各プローブトレースに対する前記報告された属性情報と、の間での対応値を計算する工程と、
前記属性詳細に対する対応閾値を定義する工程と、
前記第1の道路セグメントと合致する前記複数のプローブトレースから、計算された対応値が前記対応閾値を超過しない一部の信頼できるプローブトレースを特定する工程と、
前記第2の道路セグメントと合致した時に各信頼できるプローブトレースから前記報告された属性情報を収集する工程と、
前記第2の道路セグメントと合致した時に全ての信頼できるプローブトレースから前記収集された属性情報に基づいて前記第2の道路セグメントに対する属性詳細を推定する工程と、
前記推定された属性詳細に関して前記第2の道路セグメントに対する前記属性詳細を設定することによって前記デジタルマップを更新する工程と、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記属性詳細に対する対応閾値を定義する前記工程は、平均値および中央値が公式指定と略等しい変域を設定する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記属性詳細に対する対応閾値を定義する前記工程は、前記信頼できるプローブトレースが対応閾値内のままである1.0以下の継続時間因子を確立する工程を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の道路セグメントに対する属性詳細を推定する前記工程は、分類ツリーを作成する工程を含むことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の方法。
【請求項5】
分類ツリーを作成する前記工程は、前記第2の道路セグメントと合致した時に各信頼できるプローブトレースから前記収集された属性情報に対する中央値、平均値および偏差値を特定する工程を含むことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記属性は速度制限であり、前記詳細は規制当局によって確立されることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の方法。
【請求項7】
複数のプローブからデータを報告する前記工程は、前記第1および第2の道路セグメントに渡って自動車における各プローブを移送する工程を含むことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の方法。
【請求項8】
複数のプローブからデータを報告する前記工程は、前記第1および第2の道路セグメントに渡って自転車における各プローブを移送する工程を含むことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の方法。
【請求項9】
プローブ計測の統計的表示が前記第1の道路セグメントにおいて不規則な行動を示すなら、全てのプローブトレースを信憑性がないものとして断定的に拒絶する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記デジタルマップを更新する工程は、パーソナルナビゲーションデバイスのディスプレイスクリーンを変更する工程を含むことを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の方法。
【請求項11】
プロファイルされた一部の信頼できるプローブトレースからプローブデータを推定することによってデジタルマップにおける道路セグメントに対する表示された速度制限を更新する方法であって、前記方法は、
少なくとも第1および第2の道路セグメントを有するデジタルマップを提供する工程と、前記道路セグメントのそれぞれは、規制当局によって設定された関連速度制限を有し、前記第1の道路セグメントに対する前記速度制限は信憑性があって既知であり、前記第2の道路セグメントに対する前記速度制限は未知または信憑性がなく、
前記第1および第2の道路セグメントの両方に渡って移動する複数のプローブトレースからデータを報告する工程と、前記報告されたデータは速度情報を含みまたは速度情報の導出を可能にし、
報告された速度情報を収集する所定時間の間、各プローブトレースと、前記デジタルマップにおける特定の道路セグメントとを合致させる工程と、
前記第1の道路セグメントの前記既知の速度制限と、前記第1の道路セグメントと合致した各プローブトレースに対する前記報告された速度情報との間の対応値を計算する工程と、
前記既知の速度制限に対する対応閾値を定義する工程と、
前記第1の道路セグメントと合致した前記複数のプローブトレースから、計算された対応値が前記対応閾値を超過しない一部の信頼できるプローブトレースを特定する工程と、
前記第2の道路セグメントと合致した時に各信頼できるプローブトレースから前記報告された速度情報を収集する工程と、
前記第2の道路セグメントと合致した時に全ての信頼できるプローブトレースから前記収集された速度情報に基づいて前記第2の道路セグメントに対する速度制限を推定する工程と、
前記推定された速度制限に関して前記第2の道路セグメントに対する前記表示された速度制限を設定することによって前記デジタルマップを更新する工程と、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項12】
前記速度制限に対する対応閾値を定義する前記工程は、平均値および中央値が公示速度制限である変域を設定する工程を含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記速度制限に対する対応閾値を定義する前記工程は、前記信頼できるプローブトレースが対応閾値内である1.0以下の継続時間因子を確立する工程を含むことを特徴とする請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
前記第2の道路セグメントに対する速度制限を推定する前記工程は、分類ツリーを作成する工程を含むことを特徴とする請求項11乃至13の何れか1項に記載の方法。
【請求項15】
分類ツリーを作成する前記工程は、前記第2の道路セグメントに合致した時に前記信頼できるプローブから前記収集された速度情報に対する中央値、平均値および偏差値を特定する工程を含むことを特徴とする請求項11乃至14の何れか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の道路セグメントにおける平均速度が前記既知の速度制限よりも実質的に小さい場合、全てのプローブトレースを信憑性がないものとして断定的に拒絶する工程をさらに備えることを特徴とする請求項11乃至15の何れか1項に記載の方法。
【請求項17】
プロファイルされた信頼できるプローブトレースからプローブデータを推定することによってデジタルマップにおける道路セグメントに対するサービスストップインジケータを更新する方法であって、前記方法は、
少なくとも第1および第2の道路セグメントを有するデジタルマップを提供する工程と、前記道路セグメントのそれぞれは規制当局によって設定された少なくとも1つのサービスストップを有し、前記第1の道路セグメントに対するサービスストップ所在地は信憑性があって既知であり、前記第2の道路セグメントに対する前記サービスストップ所在地は未知または信憑性が無く、
前記第1および第2の道路セグメントの両方に渡って移動する複数のプローブトレースからデータを報告する工程と、前記報告されたデータはストップ位置行動を取得するために十分な位置情報およびタイムスタンプ情報を含み、
報告されたストップ位置行動を収集する所定時間の間、各プローブトレースと、前記デジタルマップにおける特定の道路セグメントとを合致させる工程と、
前記第1の道路セグメントに合致した各プローブトレースに対する前記報告されたストップ位置行動と、前記第1の道路セグメントに沿った前記既知のサービスストップ所在地との間での対応値を計算する工程と、
前記既知のサービスストップ所在地に対する対応閾値を定義する工程と、
前記第1の道路セグメントに合致する前記複数のプローブトレースから、計算された対応値が前記対応閾値を超過しない一部の信頼できるプローブトレースを特定する工程と、
前記第2の道路セグメントに合致した時に各信頼できるプローブトレースから前記報告されたストップ位置行動を収集する工程と、
前記第2の道路セグメントに合致した時に全ての信頼できるプローブトレースから前記収集されたストップ位置行動に基づいて前記第2の道路セグメントに対するサービスストップを推定する工程と、
前記推定されたサービスストップ行動に関して前記第2の道路セグメントに対して表示されるサービスストップ所在地を設定することによって前記デジタルマップを更新する工程と、
を備えることを特徴とする方法。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【公表番号】特表2012−520490(P2012−520490A)
【公表日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−500091(P2012−500091)
【出願日】平成21年12月31日(2009.12.31)
【国際出願番号】PCT/EP2009/068048
【国際公開番号】WO2010/105713
【国際公開日】平成22年9月23日(2010.9.23)
【出願人】(312002048)トムトム ベルギー ネムローゼ フエンノートシャップ (1)
【氏名又は名称原語表記】TomTom Belgium N.V.
【住所又は居所原語表記】Zuiderpoort Office Park Gaston Crommenlaan 4 bus 0501 B−9050 Gent Belgium
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月31日(2009.12.31)
【国際出願番号】PCT/EP2009/068048
【国際公開番号】WO2010/105713
【国際公開日】平成22年9月23日(2010.9.23)
【出願人】(312002048)トムトム ベルギー ネムローゼ フエンノートシャップ (1)
【氏名又は名称原語表記】TomTom Belgium N.V.
【住所又は居所原語表記】Zuiderpoort Office Park Gaston Crommenlaan 4 bus 0501 B−9050 Gent Belgium
【Fターム(参考)】
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