説明

デジタル教材作成支援装置,デジタル教材作成支援プログラム,デジタル教材提示装置,デジタル教材提示プログラム

【課題】指定された学習項目の内容を構成する複数のテキスト情報のうち指定された分類情報(学習レベルや学習内容など)に対応する全てのテキスト情報を同一画面上に表示させることのできるデジタル教材を実現すること。
【解決手段】複数のテキスト情報D13及び音声情報D12を含む素材情報D1と,学習項目ごとに一又は複数のテキスト情報D13を対応付けると共に,テキスト情報D13ごとに分類情報を対応付けた教材設計シートD2と,学習項目及び分類情報が指定されたときに該指定された学習項目に対応するテキスト情報D13のうち指定された分類情報に対応する全てのテキスト情報D13を同一画面上に表示すると共に,該テキスト情報D13に対応する音声情報D12を順に再生することを定めた定型HTML情報D3とにより構成されるデジタル教材D4の作成支援又は提示を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,コンピュータを通じて教育を行うために用いられるデジタル教材の作成を支援するデジタル教材作成支援装置,デジタル教材作成支援プログラムや,デジタル教材を提示するデジタル教材提示装置,デジタル教材提示プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から,学校教育や資格教育,社内教育などの各種の教育現場において,コンピュータを通じて教育を行うコンピュータ支援教育(CAI:computer-assisted instruction又はComputer Aided Instruction)が行われている。具体的に,Eラーニングシステムがコンピュータ支援教育の代表例である。
このようなコンピュータ支援教育に用いられるデジタル教材では,複数の学習項目ごとにテキスト情報や音声情報,画像情報などの素材情報が予め登録されている。そして,デジタル教材を実行するコンピュータでは,利用者によって学習項目が指定されることにより,その学習項目に対応するテキスト情報や画像情報の表示,音声情報の再生などの素材情報の提示が行われる。
例えば特許文献1に,コンピュータ支援教育に用いられるデジタル教材の作成を支援するための手法(講義情報活用教材作成支援方法)が開示されている。また,特許文献2に開示された教育支援システムでは,提示する学習項目を利用者の学習履歴に応じて変更することが可能であり,利用者は,自己の学習レベルに応じて効率的な学習を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−22257号公報
【特許文献2】特開2002−132127号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで,前記特許文献2に開示された技術を用いて,利用者ごとに同一の学習項目についての提示内容をより細かく分類するためには,その学習項目を更に細分化した小項目を作成し,その小項目単位で利用者ごとに提示内容を変更することが考えられる。
しかしながら,この場合,利用者は,一つの学習項目が細分化された複数の小項目を各々順に指定することによって,該小項目に対応する教材を個別に閲覧することになる。そのため,利用者は,一つの学習項目に関連する複数の小項目に対応する教材を同時に閲覧することができず,該小項目の前後に関連する内容を把握することができないため,学習効率が低下するという問題が生じる。
従って,本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,指定された学習項目の内容を構成する複数のテキスト情報のうち指定された分類情報(学習レベルや学習内容など)に対応する全てのテキスト情報を同一画面上に表示させることのできるデジタル教材を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために本発明は,コンピュータで実行されるデジタル教材の作成を支援する教材作成支援手段を備えてなるデジタル教材作成支援装置に適用されるものである。ここに,前記デジタル教材は,複数の学習項目と前記学習項目の内容を構成する素材情報との対応関係が定められた教材対応情報が記憶される教材対応情報記憶領域と,前記素材情報が記憶される素材情報記憶領域と,前記素材情報を提示するときの態様が定められた教材提示態様情報が記憶される教材提示態様情報記憶領域とを有してなり,コンピュータで実行されることによって,前記学習項目が指定されたときに該学習項目に対応する前記素材情報を前記教材対応情報に基づいて抽出し,該素材情報を前記教材提示態様情報で定められた提示態様で提示するものである。そして,本発明に係るデジタル教材作成支援装置は,前記教材作成支援手段が,以下の(1)〜(3)の手段を含んでなることを特徴として構成される。
(1)少なくとも複数のテキスト情報及び該テキスト情報に対応する音声情報を含む素材情報を前記素材情報記憶領域に格納する素材情報格納処理手段。
(2)前記学習項目ごとに一又は複数の前記テキスト情報を対応付けると共に,前記テキスト情報ごとに該テキスト情報を分類するための一又は複数の分類情報を対応付けた教材対応情報を前記教材対応情報記憶領域に格納する教材対応情報格納処理手段。ここに,前記分類情報は,学習レベル,学習内容種別,学習優先順位の一又は複数に基づいて前記テキスト情報を分類するための情報であることが考えられる。
(3)前記学習項目及び前記分類情報が指定されたときに,該指定された学習項目に対応する前記テキスト情報のうち前記指定された分類情報に対応する全ての前記テキスト情報を同一画面上に表示すると共に,該テキスト情報に対応する前記音声情報を順に再生することが定められた教材提示態様情報を前記教材提示態様情報記憶領域に格納する教材提示態様情報格納処理手段。より具体的に,前記教材提示態様情報は,指定された前記学習項目及び前記分類情報に対応する全ての前記テキスト情報を同一画面上に同時に表示し,或いは,同一画面上の所定領域において上下又は左右にスライド操作可能な態様で表示することを定めたものであることが考えられる。
【0006】
本発明によれば,利用者が自己の指定した前記学習項目及び前記分類情報に属する全ての前記テキスト情報を同時に閲覧しながら,該テキスト情報各々に対応する前記音声情報を聴くことができる学習効率の高い学習環境を実現するデジタル教材を提供することができる。また,当該デジタル教材の利用者は,指定した前記学習項目及び前記分類情報に対応する素材情報が複数存在する場合に,それらの素材情報を順に提示させるための操作などを行う必要もない。
さらに,前記教材作成支援手段が,前記教材対応情報の内容を編集する教材対応情報編集手段を更に含んでなることが考えられる。この場合,前記教材対応情報格納処理手段は,前記教材対応情報編集手段によって編集された前記教材対応情報を前記教材対応情報記憶領域に格納するよう構成される。これにより,利用者は,前記デジタル教材作成支援装置を用いて前記教材対応情報を編集して任意の前記デジタル教材を作成することができる。
ところで,前記デジタル教材は,マークアップ言語及びスクリプト言語によって記述されたWebページであることが考えられる。
【0007】
また,本発明は,コンピュータで実行されるデジタル教材の作成を支援する教材作成支援工程をコンピュータに実行させるデジタル教材作成支援プログラムとして捉えることが可能である。ここに,前記デジタル教材は,前記デジタル教材が,複数の学習項目と前記学習項目の内容を構成する素材情報との対応関係が定められた教材対応情報が記憶される教材対応情報記憶領域と,前記素材情報が記憶される素材情報記憶領域と,前記素材情報を提示するときの態様が定められた教材提示態様情報が記憶される教材提示態様情報記憶領域とを有してなり,コンピュータで実行されることによって,前記学習項目が指定されたときに該学習項目に対応する前記素材情報を前記教材対応情報に基づいて抽出し,該素材情報を前記教材提示態様情報で定められた提示態様で提示するものである。
そして,本発明に係るデジタル教材作成支援プログラムは,コンピュータに実行させる前記教材作成支援工程に,以下の(4)〜(6)の各工程が含まれてなることを特徴として構成される。
(4)少なくとも複数のテキスト情報及び該テキスト情報に対応する音声情報を含む素材情報を前記素材情報記憶領域に格納する素材情報格納処理工程。
(5)前記学習項目ごとに一又は複数の前記テキスト情報を対応付けると共に,前記テキスト情報ごとに該テキスト情報を分類するための一又は複数の分類情報を対応付けた教材対応情報を前記教材対応情報記憶領域に格納する教材対応情報格納処理工程。
(6)前記学習項目及び前記分類情報が指定されたときに,該指定された学習項目に対応する前記テキスト情報のうち前記指定された分類情報に対応する全ての前記テキスト情報を同一画面上に表示すると共に,該テキスト情報に対応する前記音声情報を順に再生することが定められた教材提示態様情報を前記教材提示態様情報記憶領域に格納する教材提示態様情報格納処理工程。
【0008】
さらに,本発明は,デジタル教材を提示するデジタル教材提示装置の発明として捉えることも可能である。即ち,本発明は,複数の学習項目と前記学習項目の内容を構成する素材情報との対応関係が定められた教材対応情報を記憶する教材対応情報記憶手段と,前記素材情報を記憶する素材情報記憶手段と,前記素材情報を提示するときの態様を定めた教材提示態様情報を記憶する教材提示態様情報記憶手段と,前記学習項目が指定されたときに該学習項目に対応する前記素材情報を前記教材対応情報に基づいて抽出し,該素材情報を前記教材提示態様情報で定められた提示態様で提示する教材提示手段とを備えてなるデジタル教材提示装置に適用されるものであって,前記素材情報が,少なくとも複数のテキスト情報及び該テキスト情報に対応する音声情報を含んでなり,前記教材対応情報が,前記学習項目ごとに一又は複数の前記テキスト情報を対応付けると共に,前記テキスト情報ごとに該テキスト情報を分類するための一又は複数の分類情報を対応付けたものであって,前記教材提示手段が,前記学習項目及び前記分類情報が指定されたときに,該指定された学習項目に対応する前記テキスト情報のうち前記指定された分類情報に対応する全ての前記テキスト情報を同一画面上に表示すると共に,該テキスト情報に対応する前記音声情報を順に再生するものであることを特徴とするデジタル教材提示装置として捉えてもよい。
【0009】
また,本発明は,デジタル教材を提示する教材提示工程をコンピュータに実行させるデジタル教材提示プログラムの発明として捉えてもよい。即ち,複数の学習項目と前記学習項目の内容を構成する素材情報との対応関係が定められた教材対応情報を記憶する教材対応情報記憶手段と,前記素材情報を記憶する素材情報記憶手段と,前記素材情報を提示するときの態様を定めた教材提示態様情報を記憶する教材提示態様情報記憶手段とを有するコンピュータに対して,前記学習項目が指定されたときに該学習項目に対応する前記素材情報を前記教材対応情報に基づいて抽出し,該素材情報を前記教材提示態様情報で定められた提示態様で提示する教材提示工程を実行させるデジタル教材提示プログラムに適用されるものであって,前記素材情報が,少なくとも複数のテキスト情報及び該テキスト情報に対応する音声情報を含んでなり,前記教材対応情報が,前記学習項目ごとに一又は複数の前記テキスト情報を対応付けると共に,前記テキスト情報ごとに該テキスト情報を分類するための一又は複数の分類情報を対応付けたものであって,前記教材提示工程が,前記学習項目及び前記分類情報が指定されたときに,該指定された学習項目に対応する前記テキスト情報のうち前記指定された分類情報に対応する全ての前記テキスト情報を同一画面上に表示すると共に,該テキスト情報に対応する前記音声情報を順に再生するものであることを特徴とするデジタル教材提示プログラムとして捉えてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば,利用者が自己の指定した前記学習項目及び前記分類情報に属する全ての前記テキスト情報を同時に閲覧しながら,該テキスト情報各々に対応する前記音声情報を聴くことができる学習効率の高い学習環境を実現することができる。また,利用者は,指定した前記学習項目及び前記分類情報に対応する素材情報が複数存在する場合に,それらの素材情報を順に提示させるための操作などを行う必要もない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態に係る情報処理装置Xの概略構成を示すブロック図。
【図2】素材情報の具体例を説明するための図。
【図3】本発明の実施の形態に係る情報処理装置Xにおいて実行されるデジタル教材作成支援処理の手順の一例を示すフローチャート。
【図4】教材対応情報の具体例を説明するための図。
【図5】教材提示態様情報の具体例を説明するための図。
【図6】デジタル教材作成支援処理で作成されたデジタル教材の提示結果の具体例を説明するための図。
【図7】デジタル教材作成支援処理で作成されたデジタル教材の提示結果の具体例を説明するための図。
【図8】本発明の実施例に係る情報処理装置Xにおいて実行されるデジタル教材提示処理の手順の一例示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下添付図面を参照しながら,本発明の実施の形態について説明し,本発明の理解に供する。尚,以下の実施の形態は,本発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
図1に示すように,本発明の実施の形態に係る情報処理装置X(デジタル教材作成支援装置の一例)は,制御部1,データ再生/記録部2,通信処理部3,表示部4,操作部5,記憶部6などを有するコンピュータである。
前記制御部1は,CPU11,RAM12,ROM13などの制御機器を有しており,前記CPU11が前記ROM13に予め記憶された各種の制御プログラムを前記RAM12を利用して実行することにより,当該情報処理装置Xを統括的に制御する。具体的に,前記制御部1は,後述のデジタル教材作成支援処理(図3参照)を実行する。
前記データ再生/記録部2は,例えばCDやDVD,ブルーレイディスクなどのディスクメディアに記憶されたデータの再生や,前記ディスクメディアに対するデータの記録などを行うディスクドライブである。
前記通信処理部3は,外部のパーソナルコンピュータやデータベースサーバなどの情報処理装置とLANやインターネットなどの通信ネットワークを介してデータの送受信を行うための通信モデムなどである。
前記表示部4は,前記制御部1からの指示に応じて各種の情報を表示する液晶モニタなどであって,前記操作部5は,前記制御部1に対する各種の入力操作を行うために用いられるキーボードやマウスなどである。
【0013】
一方,前記記憶部6は,前記制御部1によって実行される後述のデジタル教材作成支援処理(図3参照)におけるデジタル教材の作成に用いられる素材情報D1,教材設計シートD2(教材対応情報の一例),定型HTML情報D3(教材提示態様情報の一例)や,該デジタル教材作成支援処理(図3参照)によって作成された後のデジタル教材D4などを記憶するハードディスクなどの記憶装置である。
前記素材情報D1,前記教材設計シートD2,及び前記定型HTML情報D3は,前記情報処理装置Xにおいて作成された情報,前記データ再生/記録装置2にセットされたディスクメディアから読み取られる情報,或いは前記通信処理部3によって外部から受信した情報などである。
前記素材情報D1は,デジタル教材の元のデータとなる講義内容を構成する画像情報D11,音声情報D12,及びテキスト情報D13などを含んでいる。なお,前記素材情報D1には,その他に動画などの情報が含まれていてもよい。
【0014】
ここで,図2を用いて,当該情報処理装置Xにおいて作成するデジタル教材の元のデータとなる講義内容の一例について説明する。以下,本実施の形態では,ここで説明する講義内容についてのデジタル教材を作成する場合を具体例に挙げて説明する。なお,前記教材設計シートD2及び前記定型HTML情報D3の内容については,後述のデジタル教材作成支援処理と共に説明する。
図2に示すように,当該講義内容は,「章タイトル_1」,「章タイトル_2」の大分類からなり,「章タイトル_1」は「節タイトル_1」〜「節タイトル_3」の小分類を含んでおり,「章タイトル_2」は「節タイトル_4」,「節タイトル_5」を含んでいる。ここに,「章タイトル_1」〜「章タイトル_5」が学習項目の一例である。
そして,「節タイトル_1」〜「節タイトル_5」各々についての講義では,スライド画像A1〜A5が用いられる。当該情報処理装置Xでは,前記スライド画像A1〜A5が,前記記憶部6に記憶された前記画像情報D11に含まれている。
また,前記スライド画像A1〜A5各々を提示しているときに行われた講義の内容が講義音声B1〜B5である。当該情報処理装置Xでは,前記講義音声B1〜B5が,前記記憶部6に記憶された前記音声情報D12に含まれている。
【0015】
さらに,前記講義音声B1〜B5をその講義内容によって時間的に細分化した講義音声をテキスト化したものが説明文C11〜C25である。この説明文C11〜C25は,前記記憶部6に記憶された前記テキスト情報D13に含まれている。
具体的に,前記説明文C11〜C25は,学習レベル(「初級」,「中級」,「上級」)及び属性分類(「本筋」,「過去の経験談」,「冗長な内容」)によって前記講義音声B1〜B5を細分化したものに対応している。以下,前記講義音声B1〜B5における前記説明文C11〜C25に対応する再生時間の講義音声を音声クリップB11〜B25という。例えば,前記説明文C17に対応する前記音声クリップB17は,前記講義音声B3の開始時間(0:30:00)から終了時間(0:40:00)までの再生時間の音声情報である。なお,前記情報処理装置Xにおける前記講義音声B1〜B5の細分化処理は,該情報処理装置Xにおいて,予め利用者による操作入力に応じて行われる。
また,前記音声クリップB11〜B25を前記説明文C11〜C25にテキスト化するための処理は,予め利用者による前記操作部5のキーボードの手動操作や,前記制御部1による従来周知の自動音声認識処理などによって行われる。
そして,前記情報処理装置Xは,前記制御部1によって後述のデジタル教材作成支援処理が実行されることにより,前記素材情報D1に基づくデジタル教材の作成支援を行うものである。
【0016】
以下,図3のフローチャートに従って,前記情報処理装置Xにおいて前記制御部1によって実行されるデジタル教材作成支援処理の手順の一例について説明する。なお,図中のS1,S2,…は処理手順(ステップ)の番号を表している。
ここに,当該デジタル教材作成支援処理を実行するときの前記制御部1が教材作成支援手段に相当し,該手段を備える前記情報処理装置Xがデジタル教材作成支援装置に相当する。また,前記情報処理装置Xの制御部1に対して前記デジタル教材作成支援処理の各工程を実行させるための制御プログラムがデジタル教材作成支援プログラムに相当する。
なお,当該デジタル教材作成支援処理は,利用者による前記操作部5へのデジタル教材作成の開始要求操作がなされたことに応じて前記制御部1によって実行される。
【0017】
まず,ステップS1では,前記制御部1は,予め設定された教材設計シートD2を前記表示部4に表示させる。なお,前記記憶部6に記憶された既存の前記教材設計シートD2を編集する場合には,該教材設計シートD2が前記記憶部6から読み出される。
ここに,図4(a)は,前記教材設計シートD2の具体例を示している。図4(a)に示すように,前記教材設計シートD2は,「No.」「章タイトル」,「節タイトル」,「画像情報」,「テキスト情報」,「音声情報」,「学習レベル」,及び「属性分類」の各項目の対応関係を定めるものである。具体的には,当該教材設計シートD2において同行に記載された内容が対応関係を有するものとして定められる。
ここで,「学習レベル」は「初級」,「中級」,「上級」に分けられており,対応する箇所が「1」である場合は該当,「0」である場合は非該当を示すものとする。また,「属性分類」は,対応する箇所が「1」である場合は「本筋」,「2」である場合は「過去の経験談」,「0」である場合は「冗長な内容」を示すものとする。
【0018】
次に,ステップS2〜S8では,前記制御部1によって前記教材設計シートD2の内容を編集するための教材対応情報編集処理が実行される。ここに,係る処理を実行するときの前記制御部1が教材対応情報編集手段に相当する。係るステップS2〜S8は,後述のステップS9において前記教材設計シートD2の編集作業の終了操作がなされるまで継続される(S9のNo側)。
前記教材設計シートD2の編集作業は,例えば一般的な表計算ソフトを利用する前記操作部5のユーザ操作に応じて行われることが考えられる。なお,前記制御部1が前記表示部4に対して各種項目の入力の要求表示を順次行い,ユーザによる前記操作部5による応答操作によって前記教材設計シートD2を順次編集することも他の実施例として考えられる。
具体的に,ステップS2〜S8では,前記制御部1は,前記教材設計シートD2における「章タイトル」,「節タイトル」,「画像情報」,「テキスト情報」,「音声情報」,「学習レベル」,「属性分類」の各項目の編集要求を待ち受けている(S2〜S8のNo側)。具体的に,前記制御部1は,利用者による前記操作部5のマウス操作によって前記表示部4に表示された前記教材設計シートD2上の各項目に対応する欄(セル)が選択された場合に,該項目の編集要求がなされたと判断する。
なお,前記教材設計シートD2上の「No.」の項目は,前記ステップS2〜S8における前記教材設計シートD2の編集処理において自動的に,或いは利用者の操作によって任意に入力されるものである。但し,前記教材設計シートD2の管理の利便性に鑑みて記述されたものに過ぎず,「No.」の項目は省略してもよい。
【0019】
そして,前記制御部1は,前記教材設計シートD2上のいずれかの項目が選択されたと判断すると(S2〜S8のYes側),該項目に対応する編集作業を実行する(S21〜S81)。
具体的に,前記ステップS21〜S81において,前記制御部1は,利用者による前記操作部5のキーボード操作に応じて,該選択された項目の欄に情報を入力する。また,前記画像情報D11,前記音声情報D12,前記テキスト情報D13などの前記素材情報D1を選択するための操作は,前記記憶部6内におけるそれらの情報の保存元を指定する参照作業によって行われる。
さらに,前記ステップS21〜S81における編集作業において,前記制御部1は,利用者による前記操作部5の操作に応じて,「章タイトル」や「節タイトル」などの項目について複数の欄(セル)を結合するための処理を実行する。これにより,「章タイトル」ごとに複数の「節タイトル」を設定し,「節タイトル」ごとに複数の前記テキスト情報C11〜C25を対応付けることが可能である。なお,係る操作も一般的な表計算ソフト上で行われる処理と同等であるため詳細な説明は省略する。
【0020】
その後,ステップS9では,前記制御部1は,利用者による前記教材設計シートD2の編集作業の終了操作が前記操作部5に対してなされた否かを判断する。ここで,前記教材設計シートD2の編集作業の終了操作がなされたと判断した場合には(S9のYes側),処理はステップS10に移行する。
ステップS10では,前記制御部1は,前記ステップS2〜S8において編集された前記教材設計シートD2を前記記憶部6に新規保存又は上書き保存する。
当該デジタル教材作成支援処理では,前記ステップS2〜S8において利用者が前記操作部5によって各種の情報を入力することで,以下に説明する図4(b)に示す前記教材設計シートD2が生成されたものとする。
【0021】
図4(b)に示すように,前記教材設計シートD2では,「章タイトル_1」に「節タイトル_1」〜「節タイトル_3」,「章タイトル_2」に「章タイトル_4」,「章タイトル_5」が対応付けられており,「節タイトル_1」〜「節タイトル_5」には,前記スライド画像A1〜A5が対応付けられている。
また,「節タイトル」ごとに前記説明文C11〜C25が対応付けられている。具体的に,「節タイトル_1」には前記説明文C11〜C13,「節タイトル_2」には前記説明文C14〜C16,「節タイトル_3」には前記説明文C17〜C19,「節タイトル_4」には前記説明文C20,「節タイトル_5」には前記説明文C21〜C25が,それぞれ対応付けられている。ここに,前記説明文C11〜C25各々は,前述したように前記講義音声B1〜B5における前記音声クリップB11〜B25に対応付けられたものである。
そして,前記説明文C11〜C25ごとに,該説明文C11〜C25を分類するための「学習レベル」,「属性分類」が対応付けられている。例えば,前記説明文C17は,「学習レベル」が「初級」,「属性分類」が「過去の経験談」に属し,前記説明文C19は,「学習レベル」が「上級」,「属性分類」が「過去の経験談」に属することがわかる。なお,「学習レベル」や「属性分類」は分類情報の一例に過ぎず,該分類情報は,他の内容によって前記説明文C11〜C25を分類するための情報であってもよい。例えば,前記説明文C11〜C25についての学習の優先順位なども前記分類情報の一例として考えられる。
【0022】
続いて,ステップS11では,前記制御部1によって,前記素材情報D1,前記教材設計シートD2,及び前記定型HTML情報D3に基づいてデジタル教材を作成するためのコンパイル処理が実行される。
まず,図5を参照しつつ,前記定型HTML情報D3の具体例について説明する。なお,ここで説明する前記定型HTML情報D3は教材提示態様情報の単なる一例に過ぎない。
前記定型HTML情報D3は,コンピュータのWebブラウザソフトによって閲覧されることにより,該コンピュータの操作画面上で指定された事項に対応する前記素材情報D1を抽出して動的に提示するときの提示態様を定めたWebページである。なお,前記定型HTML情報D3は,例えばHTML(Hyper Text Markup Language)などのマークアップ言語及びJavaScript(Sun Microsystems, Inc.の登録商標)などのスクリプト言語によって記述されたものである。もちろん,教材提示態様情報は,HTMLに限られず,XMLやSGMLなどのその他のマークアップ言語を用いたものであってもよい。
【0023】
具体的に,前記定型HTML情報D3では,図5に示すように,「章タイトル」を表示する章タイトル表示領域R1,「節タイトル」を表示する節タイトル表示領域R2,前記スライド画像A1〜A5を表示するスライド画像表示領域R3,前記説明文C11〜C25を表示する説明文表示領域R4が定められている。
また,前記定型HTML情報D3では,利用者に対して「学習レベル」及び「属性情報」を指定させるための操作キーを表示する学習レベル選択操作領域R11及び属性分類選択操作領域R12が定められている。
さらに,前記定型HTML情報D3では,再生対象となる前記音声クリップB11〜B25が格納される音声再生領域R21が設定されており,該音声再生領域R21に格納された前記音声クリップB11〜B25を順に再生することが定められている。
【0024】
また,前記定型HTML情報D3では,前記節タイトル表示領域R2において,「節タイトル_1」〜「節タイトル_5」のいずれかが指定されたときに,その指定された「節タイトル」に対応する前記スライド画像A1〜A5,前記説明文C11〜C25,前記音声クリップB11〜B25を前記教材設計シートD2に基づいて抽出し,前記スライド画像表示領域R3,前記説明文表示領域R4,前記音声再生領域R21に格納することにより,それらの情報を提示することが定められている。
さらに,前記定型HTML情報D3では,前記学習レベル選択操作領域R11の「学習レベル」や前記属性分類選択操作領域R12の「属性分類」が指定されたときには,既に指定されている節タイトルに対応する前記スライド画像A1〜A5,前記説明文C11〜C25,前記音声クリップB11〜B25のうち,指定された「学習レベル」や「属性分類」に対応するものだけを抽出し,前記スライド画像表示領域R3,前記説明文表示領域R4,前記音声再生領域R21に格納することにより,それらの情報のみを提示することが定められている。
特に,前記定型HTML情報D3では,前記説明文C11〜C25から複数の説明文が抽出された場合には,該全ての説明文を同一画面上の前記説明文表示領域R4に同時に表示させ,該説明文に対応する複数の音声クリップを順に再生させることが定められている。なお,抽出された全ての説明文を前記説明文表示領域R4に同時に表示させることができない場合には,該全ての説明文を同一画面上の前記説明文表示領域R4において上下又は左右にスライド操作可能な状態で表示させればよい。
【0025】
そして,前記ステップS11におけるコンパイル処理では,前記制御部1は,前記素材情報D1を記憶する素材情報記憶領域,前記教材設計シートD2を記憶する教材対応情報記憶領域,及び前記定型HTML情報D3を記憶する教材提示態様情報記憶領域を有するデジタル教材D4を作成する。これにより,前記デジタル教材D4が,コンピュータで実行されると,「節タイトル」が指定されたときにその「節タイトル」に対応する前記素材情報D1が前記教材設計シートD2に基づいて抽出され,該素材情報D1が前記定型HTML情報D3で定められた提示態様で提示される。
具体的に,前記制御部1は,前記デジタル教材D4の記憶領域として前記記憶部6内に,前記素材情報記憶領域,前記教材対応情報記憶領域,前記教材提示態様情報記憶領域を確保する。次に,前記制御部1は,前記素材情報記憶領域に前記素材情報D1を格納し,前記教材対応情報記憶領域に前記ステップS2〜S8で編集された後の前記教材設計シートD2を格納し,前記教材提示態様情報記憶領域に前記定型HTML情報D3を格納する。
これにより,前記記憶部6内において前記素材情報D1,前記教材設計シートD2,前記定型HTML情報D3がパッケージ化されたデジタル教材D4が作成される。ここに,係る処理を実行するときの前記制御部1が,素材情報格納処理手段,教材対応情報格納処理手段,教材提示態様情報格納処理手段に相当する。
【0026】
その後,前記ステップS11で前記デジタル教材D4が作成されると,前記制御部1は,続くステップS12において,前記デジタル教材D4を前記データ再生/記録部2にセットされたディスクメディアに出力し,或いは,前記通信処理部3を用いて外部の情報処理装置に出力する。
例えば,前記デジタル教材D4がディスクメディアに出力される場合には,前記記憶部6に確保された前記素材情報記憶領域,前記教材対応情報記憶領域,前記教材提示態様情報記憶領域を前記ディスクメディアにおける記憶領域内に設定することにより,該ディスクメディア内において前記デジタル教材D4が具現される。
【0027】
以下,図6及び図7を用いて,前記デジタル教材作成支援処理によって作成された前記デジタル教材D4が,コンピュータのWebブラウザソフト上で実行された場合の提示例について説明する。ここでは,前記情報処理装置Xにおいて前記デジタル教材D4を再生する場合を例に説明する。
まず,前記情報処理装置Xにおいて前記デジタル教材D4がWebブラウザ上で開かれると,図6(a)に示すように,前記教材設計シートD2(図4参照)における全ての「章タイトル」及び「節タイトル」の一覧が前記表示部4に表示される。この時点では,「節タイトル」が指定されていないため,前記スライド画像表示領域R3や前記説明文表示領域R4には何も表示されておらず,音声も再生されていない。
【0028】
一方,図6(b)は,利用者による前記操作部5の操作によって「節タイトル_3」が指定された場合を示している。この場合,その指定された「節タイトル_3」に対応する前記スライド画像A3,前記説明文C17〜C19,前記音声クリップB17〜B19が前記教材設計シートD2(図4参照)に基づいて抽出される。
そして,図6(b)に示すように,前記スライド画像A3,前記説明文C17〜C19,前記音声クリップB17〜B19が前記定型HTML情報D3に従って提示される。具体的に,前記表示部4における前記デジタル教材D4の表示画面上では,前記スライド画像表示領域R3に前記スライド画像A3が表示され,前記説明文表示領域R4に前記説明文C17〜C19が同時に表示される。また,前記説明文C17〜C19に対応する前記音声クリップB17〜B19が前記音声再生領域R21に格納され,該音声クリップB17〜B19が順に再生される。
このように,「節タイトル_3」のみが指定され,「学習レベル」や「属性分類」が指定されていない場合には,その指定された「節タイトル_3」に対応する前記説明文C17〜C19及び前記音声クリップB17〜B19の全てが提示されることとなる。
【0029】
これに対し,図7(a)は,利用者による前記操作部5の操作によって「節タイトル_3」及び「学習レベル」の「上級」が指定された場合を示している。
この場合,前記教材設計シートD2(図4参照)において「節タイトル_3」に対応する前記説明文C17〜C19のうち,指定された「学習レベル」の「上級」に属する前記説明文C19だけが抽出される。
そして,図7(a)に示すように,前記表示部4における前記デジタル教材D4の表示画面上では,図6(b)と同様に前記スライド画像表示領域R3に前記スライド画像A3が表示されるが,前記説明文表示領域R4には,指定された「学習レベル」の「上級」に対応する前記説明文C19だけが表示されることになる。また,前記音声再生領域R21には前記説明文C19に対応する前記音声クリップB19だけが格納され,該音声クリップB17だけが再生されることになる。
【0030】
また,図7(b)は,利用者による前記操作部5の操作によって「節タイトル_3」及び「属性分類」の「過去の経験談」が指定された場合を示している。
この場合,前記教材設計シートD2(図4参照)において「節タイトル_3」に対応する前記説明文C17〜C19のうち,指定された「属性分類」の「過去の経験談」に属する前記説明文C17,C19が抽出される。
そして,図7(b)に示すように,前記表示部4における前記デジタル教材D4の表示画面上では,図6(b)と同様に前記スライド画像表示領域R3に前記スライド画像A3が表示されるが,前記説明文表示領域R4には,指定された「属性分類」の「過去の経験談」に対応する前記説明文C17,C19のみが表示されることになる。また,前記音声再生領域R21には前記説明文C17,C19に対応する前記音声クリップB17,B19が格納され,該音声クリップB17,B19が順に再生されることになる。
【0031】
さらに,図7(c)は,利用者による前記操作部5の操作によって「節タイトル_5」と,「学習レベル」の「初級」及び「属性分類」の「本筋」とが指定された場合を示している。
この場合,前記教材設計シートD2(図4参照)において「節タイトル_5」に対応する前記説明文C21〜C25のうち,指定された「学習レベル」の「初級」及び「属性分類」の「本筋」に属する前記説明文C21,C23が抽出される。
そして,図7(c)に示すように,前記表示部4における前記デジタル教材D4の表示画面上では,前記スライド画像表示領域R3に前記スライド画像A5が表示され,前記説明文表示領域R4には,指定された「学習レベル」の「初級」及び「属性分類」の「本筋」に対応する前記説明文C21,C23が表示されることになる。また,前記音声再生領域R17には前記説明文C21,C23に対応する前記音声クリップB21,B23が格納され,該音声クリップB21,B23が順に再生されることになる。
【0032】
以上,説明したように,前記デジタル教材作成支援処理によって作成された前記デジタル教材D4では,「節タイトル」及び「学習レベル」,「属性分類」が指定されたとき,その指定された「節タイトル」に対応し,且つ指定された「学習レベル」,「属性分類」に対応する全ての説明文が抽出されて同一画面上に表示されることになる。また,前記抽出された前記説明文に対応する音声クリップが順に再生されることになる。
従って,前記デジタル教材D4の利用者は,指定した「節タイトル」及び「学習レベル」,「属性分類」に対応する説明文が複数存在する場合に,その全ての説明文を前記表示部4の同一画面上で閲覧しながら該説明文に対応する音声クリップを順に聴くことができる。これにより,利用者は,現在視聴中の音声クリップの前後に再生される音声クリップに対応する説明文も同時に閲覧することができるため前後の内容を理解しやすく,学習を効率的に行うことができる。
【実施例】
【0033】
ところで,前記実施の形態では,前記情報処理装置Xにおいて,前記制御部1が,前記デジタル教材作成支援処理(図3参照)を実行することにより,前記素材情報D1や前記教材設計シートD2,前記定型HTML情報D3などに基づく前記デジタル教材D4を作成する場合について説明した。
本実施例では,前記情報処理装置Xにおいて,前記制御部1が,前記デジタル教材作成支援処理(図3参照)に換えて後述のデジタル教材提示処理(図8参照)を実行することにより,ネットワーク上の一又は複数のコンピュータ(クライアント端末)からの要求に応じて前記素材情報D1や前記教材設計シートD2,前記定型HTML情報D3などに基づく前記デジタル教材D4と同等の動的表示を行うWebページを提示する場合,即ち前記情報処理装置XがWebサーバとして動作する場合について説明する。
当該情報処理装置Xでは,予め前記素材情報D1,前記教材設計シートD2(教材対応情報の一例),前記定型HTML情報D3(教材提示態様情報の一例)が前記記憶部6に記憶されている。ここに,前記記憶部6が,素材情報記憶手段,教材対応情報記憶手段,及び教材提示態様情報記憶手段に相当する。もちろん,前記各情報D1〜D3が個別の記憶手段に記憶されているものであってもよい。なお,前記素材情報D1,前記教材設計シートD2,及び前記定型HTML情報D3については,前記実施の形態で説明したもの(図4,図5参照)と同様であるものとし,ここでは説明を省略する。
【0034】
以下,図8のフローチャートに従って,本実施例に係る前記情報処理装置Xにおいて前記制御部1によって実行されるデジタル教材提示処理の手順の一例について説明する。なお,図中のS21,S22,…は処理手順(ステップ)の番号を表している。
ここに,当該デジタル教材提示処理を実行するときの前記制御部1が教材提示手段に相当し,該手段を備える前記情報処理装置Xがデジタル教材提示装置に相当する。また,前記情報処理装置Xの制御部1に対して前記デジタル教材提示処理の各工程を実行させるための制御プログラムがデジタル教材提示プログラムに相当する。
【0035】
まず,ステップS21では,前記制御部1は,前記情報処理装置XにLANやインターネットなどの通信ネットワークを介して接続されたコンピュータ(クライアント端末)からの教材提示要求を待ち受ける(S21のNo側)。例えば,前記クライアント端末は,前記情報処理装置Xによって提供されるWebページのホームページアドレスにアクセスすることにより,前記教材提示要求を行う。ここで,前記教材提示要求がなされたと判断された場合(S21のYes側),処理はステップS22に移行する。
ステップS22では,前記制御部1は,前記クライアント端末のアクセス認証などを行った後,該クライアント端末による前記定型HTML情報D3へのアクセスを許可する。これにより,前記クライアント端末では,前記定型HTML情報D3で定められたWebページが表示される。ここで表示されるWebページは,前記実施の形態で説明した図6(a)と同様である。
【0036】
そして,ステップS23では,前記制御部1は,前記クライアント端末によって「節タイトル」が指定されたか否かを判断する。ここで,「節タイトル」が指定されたと判断すると(S23のYes側),処理はステップS24に移行する。
「節タイトル」が指定されると,続くステップS24では,前記制御部1によって,前記説明文C11〜C25からその指定された「節タイトル」に対応する説明文が,前記教材設計シートD2に基づいて抽出される。
【0037】
次に,ステップS25では,前記制御部1は,前記クライアント端末によって「学習レベル」が指定されたか否かを判断する。ここで,「学習レベル」が指定されたと判断すると(S25のYes側),処理はステップS26に移行する。一方,「学習レベル」が指定されなければ(S25のNo側),処理はステップS27に移行する。
「学習レベル」が指定されると,続くステップS26では,前記制御部1によって,前記ステップS24で抽出された説明文からその指定された「学習レベル」に対応する説明文が,前記教材設計シートD2に基づいて抽出される。
さらに,ステップS27では,前記制御部1は,前記クライアント端末によって「属性分類」が指定されたか否かを判断する。ここで,「属性分類」が指定されたと判断すると(S27のYes側),処理はステップS28に移行する。一方,「属性分類」が指定されなければ(S27のNo側),処理はステップS29に移行する。
「属性分類」が指定されると,続くステップS28では,前記制御部1によって,前記ステップS24又は前記ステップS26で抽出された説明文からその指定された「属性分類」に対応する説明文が,前記教材設計シートD2に基づいて抽出される。
【0038】
そして,前記制御部1は,前記ステップS23〜S28で抽出された全ての説明文を前記Webページ上の同一画面上に同時に表示させると共に(S29),該説明文に対応する前記音声クリップを順に再生させる(S30)。なお,前述したように,全ての説明文を同時に表示させることができない場合には,該説明文を上下又は左右にスライド操作可能な態様で表示させればよい。
従って,前記情報処理装置Xは,前記クライアント端末によって「節タイトル」及び「学習レベル」,「属性分類」が指定されたときには,該指定された「節タイトル」に対応する説明文のうち前記指定された「学習レベル」及び「属性分類」に対応する全ての説明文を抽出して同一画面上に表示させると共に,該説明文に対応する前記音声クリップを順に再生させることとなる。
また,前記クライアント端末において「節タイトル」が指定されると共に,「学習レベル」又は「属性分類」のいずれか一方が指定されたときには,該指定された「節タイトル」に対応する説明文のうち前記指定された「学習レベル」又は「属性分類」に対応する全ての説明文を抽出して,同一画面上に表示させると共に,該説明文に対応する前記音声クリップを順に再生させることとなる。なお,「学習レベル」又は「属性分類」のいずれも指定されていない場合には,指定された「節タイトル」に対応する全ての説明文を抽出し,同一画面上に表示させると共に,該説明文に対応する前記音声クリップを順に再生させることとなる。
【符号の説明】
【0039】
1:制御部
2:データ再生/記録部
3:通信処理部
4:表示部
5:操作部
6:記憶部
S1,S2,…:処理手順(ステップ)番号
S21,S22,…:処理手順(ステップ)番号
X:情報処理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータで実行されるデジタル教材の作成を支援する教材作成支援手段を備えてなるデジタル教材作成支援装置であって,
前記デジタル教材が,複数の学習項目と前記学習項目の内容を構成する素材情報との対応関係が定められた教材対応情報が記憶される教材対応情報記憶領域と,前記素材情報が記憶される素材情報記憶領域と,前記素材情報を提示するときの態様が定められた教材提示態様情報が記憶される教材提示態様情報記憶領域とを有してなり,コンピュータで実行されることによって,前記学習項目が指定されたときに該学習項目に対応する前記素材情報を前記教材対応情報に基づいて抽出し,該素材情報を前記教材提示態様情報で定められた提示態様で提示するものであって,
前記教材作成支援手段が,
少なくとも複数のテキスト情報及び該テキスト情報に対応する音声情報を含む素材情報を前記素材情報記憶領域に格納する素材情報格納処理手段と,
前記学習項目ごとに一又は複数の前記テキスト情報を対応付けると共に,前記テキスト情報ごとに該テキスト情報を分類するための一又は複数の分類情報を対応付けた教材対応情報を前記教材対応情報記憶領域に格納する教材対応情報格納処理手段と,
前記学習項目及び前記分類情報が指定されたときに,該指定された学習項目に対応する前記テキスト情報のうち前記指定された分類情報に対応する全ての前記テキスト情報を同一画面上に表示すると共に,該テキスト情報に対応する前記音声情報を順に再生することが定められた教材提示態様情報を前記教材提示態様情報記憶領域に格納する教材提示態様情報格納処理手段と,
を含んでなることを特徴とするデジタル教材作成支援装置。
【請求項2】
前記教材作成支援手段が,前記教材対応情報の内容を編集する教材対応情報編集手段を更に含んでなり,
前記教材対応情報格納処理手段が,前記教材対応情報編集手段によって編集された前記教材対応情報を前記教材対応情報記憶領域に格納するものである請求項1に記載のデジタル教材作成支援装置。
【請求項3】
前記教材提示態様情報が,指定された前記学習項目及び前記分類情報に対応する全ての前記テキスト情報を同一画面上に同時に表示し,或いは,同一画面上の所定領域において上下又は左右にスライド操作可能な態様で表示することを定めたものである請求項1又は2のいずれかに記載のデジタル教材作成支援装置。
【請求項4】
前記分類情報が,学習レベル,学習内容種別,学習優先順位の一又は複数に基づいて前記テキスト情報を分類するための情報である請求項1〜3のいずれかに記載のデジタル教材作成支援装置。
【請求項5】
コンピュータで実行されるデジタル教材の作成を支援する教材作成支援工程をコンピュータに実行させるデジタル教材作成支援プログラムであって,
前記デジタル教材が,複数の学習項目と前記学習項目の内容を構成する素材情報との対応関係が定められた教材対応情報が記憶される教材対応情報記憶領域と,前記素材情報が記憶される素材情報記憶領域と,前記素材情報を提示するときの態様が定められた教材提示態様情報が記憶される教材提示態様情報記憶領域とを有してなり,コンピュータで実行されることによって,前記学習項目が指定されたときに該学習項目に対応する前記素材情報を前記教材対応情報に基づいて抽出し,該素材情報を前記教材提示態様情報で定められた提示態様で提示するものであって,
前記教材作成支援工程が,
少なくとも複数のテキスト情報及び該テキスト情報に対応する音声情報を含む素材情報を前記素材情報記憶領域に格納する素材情報格納処理工程と,
前記学習項目ごとに一又は複数の前記テキスト情報を対応付けると共に,前記テキスト情報ごとに該テキスト情報を分類するための一又は複数の分類情報を対応付けた教材対応情報を前記教材対応情報記憶領域に格納する教材対応情報格納処理工程と,
前記学習項目及び前記分類情報が指定されたときに,該指定された学習項目に対応する前記テキスト情報のうち前記指定された分類情報に対応する全ての前記テキスト情報を同一画面上に表示すると共に,該テキスト情報に対応する前記音声情報を順に再生することが定められた教材提示態様情報を前記教材提示態様情報記憶領域に格納する教材提示態様情報格納処理工程と,
を含んでなることを特徴とするデジタル教材作成支援プログラム。
【請求項6】
複数の学習項目と前記学習項目の内容を構成する素材情報との対応関係が定められた教材対応情報を記憶する教材対応情報記憶手段と,前記素材情報を記憶する素材情報記憶手段と,前記素材情報を提示するときの態様を定めた教材提示態様情報を記憶する教材提示態様情報記憶手段と,前記学習項目が指定されたときに該学習項目に対応する前記素材情報を前記教材対応情報に基づいて抽出し,該素材情報を前記教材提示態様情報で定められた提示態様で提示する教材提示手段とを備えてなるデジタル教材提示装置であって,
前記素材情報が,少なくとも複数のテキスト情報及び該テキスト情報に対応する音声情報を含んでなり,
前記教材対応情報が,前記学習項目ごとに一又は複数の前記テキスト情報を対応付けると共に,前記テキスト情報ごとに該テキスト情報を分類するための一又は複数の分類情報を対応付けたものであって,
前記教材提示手段が,前記学習項目及び前記分類情報が指定されたときに,該指定された学習項目に対応する前記テキスト情報のうち前記指定された分類情報に対応する全ての前記テキスト情報を同一画面上に表示すると共に,該テキスト情報に対応する前記音声情報を順に再生するものであることを特徴とするデジタル教材提示装置。
【請求項7】
複数の学習項目と前記学習項目の内容を構成する素材情報との対応関係が定められた教材対応情報を記憶する教材対応情報記憶手段と,前記素材情報を記憶する素材情報記憶手段と,前記素材情報を提示するときの態様を定めた教材提示態様情報を記憶する教材提示態様情報記憶手段とを有するコンピュータに対して,前記学習項目が指定されたときに該学習項目に対応する前記素材情報を前記教材対応情報に基づいて抽出し,該素材情報を前記教材提示態様情報で定められた提示態様で提示する教材提示工程を実行させるデジタル教材提示プログラムであって,
前記素材情報が,少なくとも複数のテキスト情報及び該テキスト情報に対応する音声情報を含んでなり,
前記教材対応情報が,前記学習項目ごとに一又は複数の前記テキスト情報を対応付けると共に,前記テキスト情報ごとに該テキスト情報を分類するための一又は複数の分類情報を対応付けたものであって,
前記教材提示工程が,前記学習項目及び前記分類情報が指定されたときに,該指定された学習項目に対応する前記テキスト情報のうち前記指定された分類情報に対応する全ての前記テキスト情報を同一画面上に表示すると共に,該テキスト情報に対応する前記音声情報を順に再生するものであることを特徴とするデジタル教材提示プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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