説明

デジタル画像に含まれる黒色を減らす方法

【課題】デジタル画像を印刷する際、黒色インク(又は黒色トナー)を全く使用しないか、使用する量が非常に少ないデジタル画像に含まれる黒色を減らす方法を提供する。
【解決手段】デジタル画像に含まれる黒色を減らす方法は、コンピュータにより原デジタル画像を処理し、黒色を減らすか全く無くした変換デジタル画像を得る、ステップ(A)及び(B)を含む。ステップ(A):P個の原画素を含む(3≦P≦9,000,000,000)原デジタル画像を読取り、原画素のそれぞれは、Rが赤値であり、Gが緑値であり、Bが青値である3つの色情報RGBを含み、0≦R≦F,0≦G≦F,0≦B≦F,2−1≦F≦232−1である。ステップ(B):各P個の原画素を対応した各P個の変換画素に変換し、変換画素のそれぞれは、R’が赤値であり、G’が緑値であり、B’が青値である3つの色情報R’G’B’を含み、0≦R’≦F,0≦G’≦F,0≦B’≦Fである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル画像に含まれる黒色を減らす方法に関し、特に、デジタル画像を印刷する際、黒色インク(又は黒色トナー)を全く使用しないか、使用する量が非常に少ないデジタル画像に含まれる黒色を減らす方法に関する。
【背景技術】
【0002】
市販のプリンターは、ユーザエンドコンピュータが送った画像を自動的に判断し、黒色インク(トナー)を混合させる方式により階調効果を有する画像を印刷し、カラーインク(トナー)の消費量を減らすとともに、細かなシャドウ効果を得ることができる。しかし、ある状況では、黒色インク(トナー)を有する画像を印刷したくない場合がある。例えば、光学ペン(OID(Optical Index/Optical Identification)ペンとも称される)(例えば、非特許文献1)を利用し、ある画像上を覆っている音声用印刷コード(speech−purpose print code)(一般に非常に小さな二次元バーコードである。)を読取る場合、この音声用印刷コードは、基本的に黒色であり、画像に黒色部分が多く含まれる場合、光学ペンの読取率に悪影響を与える虞がある。
【0003】
従来の解決方法としては、画像処理ソフトでRGB形式をCMYK形式に変換してK値を完全になくしたり、出来るだけ減らしたりする。しかし、1つのRGB値は、多種類のCMYKの組み合わせに対応するが、このような方法では、プリンタエンドへ伝送した後、印刷システムは依然として残りのCMY値を処理し、K値を加えてシャドウ効果を得なければならなかった。さらに、元画像のK値(即ち、シャドウ部)が除去され、明るい部分が変更されない場合、印刷される画像はバランスが好ましくなかった。
【0004】
そのため、印刷システムによりK値を加える変換メカニズムを採用せず、黒色インク(トナー)を全く含まないか、含む量が少ない印刷物を得る方法が求められていた。
【0005】
上述の問題を解決するために、本出願人は特許文献1を出願したが、当該出願では、画素を4倍又は9倍に増やす必要があるため、解析度が低い上、計算に時間がかかった。そのため、これらの問題点を解決するために本発明を案出した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】台湾特許出願番号第98139978号
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】インターネット<URL:http://www.giga.com.tw/english/productpen.htm>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、デジタル画像を印刷する際、黒色インク(又は黒色トナー)を全く使用しないか、使用する量が非常に少ないデジタル画像に含まれる黒色を減らす方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載のデジタル画像に含まれる黒色を減らす方法は、コンピュータにより原デジタル画像を処理し、黒色を減らすか全く無くした変換デジタル画像を得る、ステップ(A)及び(B)を含むデジタル画像に含まれる黒色を減らす方法であって、ステップ(A):P個の原画素を含む(3≦P≦9,000,000,000)原デジタル画像を読取り、原画素のそれぞれは、Rが赤値であり、Gが緑値であり、Bが青値である3つの色情報RGBを含み、0≦R≦F,0≦G≦F,0≦B≦F,2−1≦F≦232−1であり、ステップ(B):各P個の原画素を対応した各P個の変換画素に変換し、変換画素のそれぞれは、R’が赤値であり、G’が緑値であり、B’が青値である3つの色情報R’G’B’を含み、0≦R’≦F,0≦G’≦F,0≦B’≦Fであり、P個の変換画素は以下の特性を有し:P個の変換画素はNセットの変換画素を有し、Nは整数であるとともに、1≦N≦P/3であり、変換画素の各セットは、互いに隣接した3つの変換画素を含み、互いに隣接した3つの変換画素は、以下の特性R1,G1,B1を有し:特性R1:変換画素のうちの1つが対応した原画素のR値を高めることにより、変換画素のR’値を対応した原画素のR値と等しくしたり、対応した原画素のR値より大きくしたりし、変換画素のR’値の範囲が、0.8×F≦R’≦Fであり、特性G1:変換画素のうちの1つが対応した原画素のG値の強度を高めて得ることにより、変換画素のG’値を対応した原画素のG値と等しくしたり、対応した原画素のG値より大きくしたりし、変換画素のG’値の範囲が、0.8×F≦G’≦Fであり、特性B1:変換画素のうちの1つが対応した原画素のB値の強度を高めて得ることにより、変換画素のB’値を対応した原画素のB値と等しくしたり、対応した原画素のB値より大きくしたりし、変換画素のB’値の範囲が、0.8×F≦B’≦Fである(実施形態では、0.8×Fを支持する)こと、を特徴とする。
【0010】
また、請求項2に記載のディスク用トレイは、請求項1に記載のデジタル画像に含まれる黒色を減らす方法において、前記特性R1は、変換画素のG’値と、対応した原画素のG値との関係が、0.9G≦G’≦1.1G≦Fであり、変換画素のB’値と、対応した原画素のB値との関係が、0.9B≦B’≦1.1B≦Fであり、前記特性G1は、変換画素のB’値と、対応した原画素のB値との関係が、0.9B≦B’≦1.1B≦Fであり、変換画素のR’値と、対応した原画素のR値との関係が、0.9R≦R’≦1.1R≦Fであり、前記特性B1は、変換画素のR’値と、対応した原画素のR値との関係が、0.9R≦R’≦1.1R≦Fであり、変換画素のG’値と、対応した原画素のG値との関係が、0.9G≦G’≦1.1G≦Fであること、を特徴とする。
【0011】
また、請求項3に記載のディスク用トレイは、請求項2に記載のデジタル画像に含まれる黒色を減らす方法において、前記特性R1において、R’=Fであり、前記特性G1において、G’=Fであり、前記特性B1において、B’=Fであること、を特徴とする。
【0012】
また、請求項4に記載のディスク用トレイは、請求項3に記載のデジタル画像に含まれる黒色を減らす方法において、前記特性R1において、G’=G、B’=Bであり、前記特性G1において、B’=B、R’=Rであり、前記特性B1において、R’=R、G’=Gであること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明のデジタル画像に含まれる黒色を減らす方法は、デジタル画像を印刷する際、黒色インク(又は黒色トナー)を全く使用しないか、使用する量を非常に少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1実施形態によるデジタル画像に含まれる黒色を減らす方法が使用される環境を示す図である。
【図2】本発明の第2実施形態によるデジタル画像に含まれる黒色を減らす方法が使用される環境を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態によるデジタル画像に含まれる黒色を減らす方法の技術及びステップを示す図である。
【図4】本発明の一実施形態によるデジタル画像に含まれる黒色を減らす方法の技術及びステップを示す流れ図である。
【図5】本発明の一実施形態によるデジタル画像に含まれる黒色を減らす方法の原デジタル画像の原画素を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態によるデジタル画像に含まれる黒色を減らす方法の変換デジタル画像を示す図である。
【図7】本発明の他の実施形態によるデジタル画像に含まれる黒色を減らす方法の変換デジタル画像を示す模式図である。
【図8】光学ペンにより音声用印刷コードを読取るときの状態を示す模式図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に添付図面を参照して、この発明に係るデジタル画像に含まれる黒色を減らす方法の各実施の形態を詳細に説明する。
【0016】
(第1実施形態)
図1を参照する。図1に示すように、本発明の第1実施形態によるデジタル画像に含まれる黒色を減らす方法は、ユーザがコンピュータ10を介して本発明の方法を実行する。コンピュータ10は、プロセッサ11及びメモリ12を含む。メモリ12中には、アプリケーションプログラム20が保存されている。本発明の第1実施形態は、プロセッサ11を介し、このアプリケーションプログラム20を実行し、本発明のステップを発生させる。
【0017】
コンピュータ10は、有線方式又は無線方式によりプリンタ16と通信する。プリンタ16は、文書を印刷する機能を有する。
【0018】
(第2実施形態)
図2を参照する。図2に示すように、本発明の第2実施形態によるデジタル画像に含まれる黒色を減らす方法は、ユーザがニアエンドコンピュータ(near−end computer)81を使用し、ネットワーク80(例えば、インターネット)を介してコンピュータ10a(例えば、ネットワークサーバ)と接続し、ネットワークサーバ10aのアプリケーションプログラム20を使用することができる。第2実施形態では、プリンタ16は、有線方式又は無線方式によりニアエンドコンピュータ81に接続する。第1実施形態及び第2実施形態の重要な点は、ユーザがコンピュータを利用してアプリケーションプログラム20を実行した後、プリンタ16により印刷を行う点である。
【0019】
図3を参照する。図3に示すように、本発明の一実施形態によるデジタル画像に含まれる黒色を減らす方法は、基本的に互いに隣接した3つの画素を1セットにして処理する。例えば、互いに隣接した3つの画素61,62,63を例にすると、それら3つのRGB色情報は、以下の通りであり(Rは赤値であり、Gは緑値であり、Bは青値である)、255を最大値とする。
画素61(RGB)=(0,150,200)
画素62(RGB)=(10,155,100)
画素63(RGB)=(20,150,255)
【0020】
続いて、3つの画素に対して「R値を高める」、「G値を高める」、「B値を高める」のステップを行う。本実施形態では、R値、G値又はB値を直接に最大値(例えば、255)まで高めた後の互いに隣接した3つの画素61a,62a,63aのRGB色情報は以下の通りである。
画素61a(RGB)=(255,150,200)
画素62a(RGB)=(10,255,100)
画素63a(RGB)=(20,150,255)
【0021】
ここで、各画素は、色情報のうちの1種類だけの色彩値を高める。例えば、本実施形態では、画素61は、G値及びB値を高めずに、R値だけを高め、互いに隣接した3つの画素の高める色彩値はそれぞれ異なる。
【0022】
ここで、画素63のB値は最大値(即ち、255)であるため、それ以上高めることはできない。そのため、画素63aのRGB値は、画素63と同じである。本明細書で述べる「色彩値を高める」とは、最大値に達した時点で色彩値をそれ以上高めることを止めるという意味である。
【0023】
上述の場合、画素61,62,63又は画素61a,62a,63aであってもRGB値の表示は、一般のファイルを記録する形式であるか、スクリーン81に表示される色情報である。図2に示すように、プリンタ16(又はその他のプリンタ)で印刷する際、印刷システム(又はコンピュータ)は、RGB値をCMYシステムへ変換して印刷する。CMYは、事実上RGBの補色を行う。続いて図3を参照する。図3に示すように、印刷画素61b,62b,63bのCMY色情報は、以下の通りである。
画素61b(CMY)=(0,105,55)
画素62b(CMY)=(245,0,155)
画素63b(CMY)=(235,105,0)
【0024】
CMY値は、最大値(例えば、255)からRGB値を減算して得る。画素61a,62a,63aのそれぞれが少なくとも1つの色彩値(R、G又はB)が最大値(例えば、255)であるため、画素61b,62b,63bのそれぞれは、少なくとも1つのCMY値が0である。そのため、画素61b,62b,63bが印刷されると、黒色インクにより印刷されない。
【0025】
本発明の一実施形態をさらに理解するために、以下の説明では、図1、図2、図4〜図7を参照する。
【0026】
(ステップ401)
原デジタル画像(original digital image)30を読取る。
原デジタル画像30は、P個の原画素を含む(3≦P≦9,000,000,000)。画素(pixel)は、デジタル画像(ビットマップ)の最小単位であり、例えば、800×600の1枚の画像は、横800個、縦600個の画素からなる。そのため、800×600のデジタル画像は、48萬画素数を含む(800×600=480,000)。Pの大きさは、理論上無限大であるが、現在及び将来的な利用を考えても、最大で90億あればデジタル画像のほとんどに対応することができる。
【0027】
例えば、ユーザは、自分のコンピュータ又はウェブサイトからデジタル画像を取得し、アプリケーションプログラム20により読取る。ここで、元のデジタル画像の形式がビットマップ形式で記録されていない場合(例えば、JPG圧縮ファイル)、デジタル画像をまずビットマップ形式に変換する必要がある。例えば、ステップ401において、原デジタル画像30は、前処理済デジタル画像(例えば、その他の形式から変換されたデジタル画像でもよいし、画素を減らしたり増やしたりした画像でもよい)でもよい。
【0028】
各原画素31a,31b,31c,31d,31e,31f,31g,31h,31i(図5の1列目を例にする)は、3つの色情報RGBの値を含む。一般に、色情報は、8ビットで表され、各色情報の数値は、最小が0であり、最大が255である。現在のところ一般に色情報は、4ビット、8ビット又は16ビットで表されるが、将来的には32ビットで表される可能性もある。即ち、以下の数式を得ることができる。
0≦R≦F,0≦G≦F,0≦B≦F,2−1≦F≦232−1
【0029】
(ステップ402)
互いに隣接した3つの画素を1セットとして、そのうちの1つの画素のR値を高めるとともに、そのうちの1つの画素のG値を高めるとともに、そのうちの1つの画素のB値を高める。
【0030】
ステップ402は、上述の図3の説明であり、図5の1列目を例にとると、各原画素31a〜31iは、3つを循環させるようにR値、G値及びB値を高める(図6に示す)。
【0031】
例えば、1セット目の互いに隣接した原画素は、以下の通りである。
原画素31a:R値を高める。
原画素31b:G値を高める。
原画素31c:B値を高める。
【0032】
続いて、2セット目の互いに隣接した原画素の色彩値を以下のように高める。
原画素31d:R値を高める。
原画素31e:G値を高める。
原画素31f:B値を高める。
【0033】
続いて、3セット目の互いに隣接した原画素の色彩値を以下のように高める。
原画素31g:R値を高める。
原画素31h:G値を高める。
原画素31i:B値を高める。
【0034】
色彩値を高めた後、何れか1つの変換画素のR’値、G’値及びB’値(R’は赤値であり、G’は緑値であり、B’は青値である)は、依然として0〜最大値の間でなければならない。即ち、0≦R’≦F,0≦G’≦F,0≦B’≦Fである。
【0035】
互いに隣接した3つの原画素を処理する毎に、その他の画素が未だ処理されていない場合(ステップ403)、全ての原画素の色彩値を高めて処理し終えるまで、ステップ402を繰り返して行い、最終的に変換デジタル画像(converted digital image)50への変換を完了させる(ステップ404)。
【0036】
本発明は、互いに隣接した3つの画素の色彩値を高めるため、画素がP個ある場合、最も多くて互いに隣接した3つの画素の「P/3」セット有する。Nが互いに隣接した3つの画素のセット数を表す場合、NとPとの関係は以下のように表すことができる。
【0037】
Nは整数であるとともに、1≦N≦P/3である。
【0038】
ステップ402により処理した後、上述の実施形態(図3の説明を含む)は以下のような結果を得ることができる。
【0039】
変換デジタル画像50の画素数(P個の変換画素)は、依然として原デジタル画像30(P個の原画素)の画素の数を維持する。
【0040】
P個の変換画素は、Nセットの変換画素を含む。Nは整数であるとともに、1≦N≦P/3である。各セットの変換画素は、互いに隣接した3つの変換画素を含み、前記互いに隣接した3つの変換画素は、それぞれ以下のような特性を有する。
【0041】
(特性R1)
変換画素のうちの1つは、対応した原画素のR値を高めることにより、変換画素のR’値を対応した原画素のR値と等しくしたり、対応した原画素のR値より大きくしたりし、変換画素のR’値の範囲は、0.8×F≦R’≦Fで表される。
【0042】
変換画素のG’値と、対応した原画素のG値との関係は、0.9G≦G’≦1.1G≦Fで表される。
【0043】
変換画素のR’値と、対応した原画素のB値との関係は、0.9B≦B’≦1.1B≦Fで表される。
【0044】
画素(RGB)=(0,150,200)を例にした場合、
【0045】
R値を高め、G値及びB値が近接するように保持した場合、以下の画素を得ることができる。
画素(R’G’B’)=(204〜255,135〜165,180〜220)
【0046】
R’値は、少なくとも最大値F(例えば、255)に近く、少なくともR値より大きい。その理由は、R’値を変換して得た印刷に用いるC値が非常に小さいため、黒色を含む量が非常に少なくなるからである。R’値は、黒色を全く含まないように最大値Fであることが好ましい。
【0047】
G’値及びB’値は、できるだけ原色に保つようにG値及びB値に略等しくする。即ち、G’=G,B’=Bであることが最も好ましい。
【0048】
(特性G1)
変換画素のうちの1つは、対応した原画素のG値の強度を高めて得ることにより、変換画素のG’値を対応した原画素のG値と等しくしたり、対応した原画素のG値より大きくしたりし、変換画素のG’値の範囲は、0.8×F≦G’≦Fで表される。
【0049】
変換画素のB’値と、対応した原画素のB値との関係は、0.9B≦B’≦1.1B≦Fで表される。
【0050】
変換画素のB’値と、対応した原画素のR値との関係は、0.9R≦R’≦1.1R≦Fで表される。
【0051】
画素(RGB)=(0,150,200)を例にした場合、
【0052】
G値を高め、B値及びR値が近接するように保持すると以下の画素を得ることができる。
画素(R’G’B’)=(0,204〜255,180〜220)
【0053】
G’値は、少なくとも最大値F(例えば、255)に近く、少なくともG値より大きい。その理由は、G’値を変換して得た印刷に用いるM値が非常に小さいため、黒色を含む量が非常に少なくなるからである。G’は、黒色を全く含まないように最大値Fであることが好ましい。
【0054】
B’値及びR’値は、できるだけ原色に保つようにB値及びR値に略等しくする。即ち、G’=G,B’=Bであることが最も好ましい。
【0055】
(特性B1)
変換画素のうちの1つは、対応した原画素のB値の強度を高めて得ることにより、変換画素のB’値を対応した原画素のB値と等しくしたり、対応した原画素のB値より大きくしたりし、変換画素のB’値の範囲は、0.8×F≦B’≦Fで表される。
【0056】
変換画素のR’値と、対応した原画素のR値との関係は、0.9R≦R’≦1.1R≦Fで表される。
【0057】
変換画素のG’値と、対応した原画素のG値との関係は、0.9G≦G’≦1.1G≦Fで表される。
【0058】
画素(RGB)=(0,150,200)を例にした場合、
【0059】
B値を高め、R値及びG値が近接するように保持した場合、以下の画素を得ることができる。
画素(R’G’B’)=(0,135〜165,204〜255)
【0060】
B’値は、少なくとも最大値F(例えば、255)に近く、少なくともB値より大きい。その理由は、B’値を変換して印刷に用いるF値が非常に小さいため、黒色を含む量が非常に少なくなるからである。B’値は、黒色を全く含まないように最大値Fであることが好ましい。
【0061】
R’値及びG’値は、できるだけ原色に保つようにR値及びG値に略等しくする。即ち、R’=R,G’=Gであることが最も好ましい。
【0062】
上述の図6に示すように、本実施形態では、各原画素31a〜31iのR値、G値及びB値を順次高くしているが、この態様だけに限定されるわけではなく、他の実施形態では、GBR、GRB、RBG、BRG、BGRなど他の方式で行ってもよい。実験結果によると、順番を固定させた方が効果は優れているとは限らず、互いに隣接した3つの原画素のR値、G値及びB値がそれぞれ高まればよい。例えば、図7に示すように、1セット目の3つの原画素31a〜31cのそれぞれは、RGBの値を高め、2セット目の3つの原画素31d〜31fのそれぞれは、GRB(RGBの順番でない)の値を高め、3セット目の3つの原画素31g〜31iのそれぞれは、BGR(RGBの順番でない)の値を高めてもよい。
【0063】
原デジタル画像30は、上述のステップを行うと、黒色を減らしたりK値を完全に除去したりした変換デジタル画像50に変換される。例えば、印刷された文書は、光学ペン(optical pen)90に使用することができる。光学ペン90は、OID(Optical Index/Optical Identification)ペンとも称され(インターネット<URL:http://www.giga.com.tw/english/productpen.htm>を参照する)、ハードウェアが従来の装置であるため、ここでは詳細に述べない。図8を参照する。図8に示すように、音声用印刷コード(speech−purpose print code)70及び変換デジタル画像50は、同じ箇所に印刷され、音声用印刷コード70が黒色であるが、光学ペン90により音声用印刷コード70を読取る成功率を大幅に向上させることができる。
【0064】
当該技術分野の当業者が実施できるように、本発明の好適な実施形態を前述の通り開示したが、これらは決して本発明を限定するものではない。本発明の主旨と領域を脱しない範囲内で各種の変更や修正を加えることができる。従って、本発明の特許請求の範囲は、このような変更や修正を含めて広く解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0065】
10 コンピュータ
10a コンピュータ(ネットワークサーバ)
11 プロセッサ
12 メモリ
16 プリンタ
20 アプリケーションプログラム
30 原デジタル画像
50 変換デジタル画像
70 音声用印刷コード
80 ネットワーク
81 ニアエンドコンピュータ(スクリーン)
90 光学ペン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータにより原デジタル画像を処理し、黒色を減らすか全く無くした変換デジタル画像を得る、ステップ(A)及び(B)を含むデジタル画像に含まれる黒色を減らす方法であって、
ステップ(A):P個の原画素を含む(3≦P≦9,000,000,000)原デジタル画像を読取り、原画素のそれぞれは、Rが赤値であり、Gが緑値であり、Bが青値である3つの色情報RGBを含み、0≦R≦F,0≦G≦F,0≦B≦F,2−1≦F≦232−1であり、
ステップ(B):各P個の原画素を対応した各P個の変換画素に変換し、変換画素のそれぞれは、R’が赤値であり、G’が緑値であり、B’が青値である3つの色情報R’G’B’を含み、0≦R’≦F,0≦G’≦F,0≦B’≦Fであり、
P個の変換画素は以下の特性を有し:
P個の変換画素はNセットの変換画素を有し、
Nは整数であるとともに、1≦N≦P/3であり、
変換画素の各セットは、互いに隣接した3つの変換画素を含み、互いに隣接した3つの変換画素は、以下の特性R1,G1,B1を有し:
特性R1:変換画素のうちの1つが対応した原画素のR値を高めることにより、変換画素のR’値を対応した原画素のR値と等しくしたり、対応した原画素のR値より大きくしたりし、変換画素のR’値の範囲が、0.8×F≦R’≦Fであり、
特性G1:変換画素のうちの1つが対応した原画素のG値の強度を高めて得ることにより、変換画素のG’値を対応した原画素のG値と等しくしたり、対応した原画素のG値より大きくしたりし、変換画素のG’値の範囲が、0.8×F≦G’≦Fであり、
特性B1:変換画素のうちの1つが対応した原画素のB値の強度を高めて得ることにより、変換画素のB’値を対応した原画素のB値と等しくしたり、対応した原画素のB値より大きくしたりし、変換画素のB’値の範囲が、0.8×F≦B’≦Fである(実施形態では、0.8×Fを支持する)こと、
を特徴とするデジタル画像に含まれる黒色を減らす方法。
【請求項2】
前記特性R1は、変換画素のG’値と、対応した原画素のG値との関係が、0.9G≦G’≦1.1G≦Fであり、変換画素のB’値と、対応した原画素のB値との関係が、0.9B≦B’≦1.1B≦Fであり、
前記特性G1は、変換画素のB’値と、対応した原画素のB値との関係が、0.9B≦B’≦1.1B≦Fであり、変換画素のR’値と、対応した原画素のR値との関係が、0.9R≦R’≦1.1R≦Fであり、
前記特性B1は、変換画素のR’値と、対応した原画素のR値との関係が、0.9R≦R’≦1.1R≦Fであり、変換画素のG’値と、対応した原画素のG値との関係が、0.9G≦G’≦1.1G≦Fであること、
を特徴とする請求項1に記載のデジタル画像に含まれる黒色を減らす方法。
【請求項3】
前記特性R1において、R’=Fであり、
前記特性G1において、G’=Fであり、
前記特性B1において、B’=Fであること、
を特徴とする請求項2に記載のデジタル画像に含まれる黒色を減らす方法。
【請求項4】
前記特性R1において、G’=G、B’=Bであり、
前記特性G1において、B’=B、R’=Rであり、
前記特性B1において、R’=R、G’=Gであること、
を特徴とする請求項3に記載のデジタル画像に含まれる黒色を減らす方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−254446(P2011−254446A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−293629(P2010−293629)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(509201975)
【Fターム(参考)】