説明

デスク装置

【課題】上棚と下棚とを一体化した状態の棚をデスク本体の側部に突き合わせて使用する場合に、デスク本体の脚が支障となることなく下棚の有効利用が可能なデスク装置を提供する。
【解決手段】本発明に係るデスク装置10は、天板210及び複数本の脚220を有するデスク本体20と、仕切り板320,321によって横方向に複数の区画317,318,319に分けられ、1の区画319が、互いに隣り合う脚220A,220B同士の間隔と略等しい幅を有する下棚310、及び下棚310の上に分離可能に取り付けられた上棚330を具備する棚30と、を備え、上棚330と下棚310とを一体化した状態で、デスク本体20の側部に突き合わせて配置する第1の使用状態1と、上棚330をデスク本体20の天板210の上に載置する一方、下棚310をデスク本体20の天板210の下方に収容する第2の使用状態とで、それぞれ使用可能であるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デスク本体と棚とを有するデスク装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
学習用のデスク装置としては、天板が複数本の脚で支持されたデスク本体の上に、本やノートを収納するための棚が固定して設置されるものが広く知られている。このようなデスク装置は、棚の存在によって使い勝手が良くなる一方、頭上に棚が存在することによって使用者によっては圧迫感を感じ、天板上のスペースも狭くなってしまう。従って、近年、デスク本体と棚とを別体として構成し、使用者の用途や好みに応じて、例えばデスク本体の後部や側部に棚を自在に配置変更が可能なデスク装置が提唱されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
そして、このように自在に配置変更が可能なデスク装置として、デスク装置を構成する棚が高さ方向中間部で上棚と下棚とに分離可能なものがある。この分離可能なデスク装置では、棚をデスク本体の上に配置して使用したい場合には、棚を分離して上棚をデスク本体の天板の上に設置するとともに、下棚を天板の下方における脚の間に収容する。一方、棚をデスク本体の側部に配置して使用したい場合には、上棚と下棚とを一体化させた状態の棚を、デスク本体の側部に突き合わせる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−6261号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上棚と下棚とに分離可能な従来のデスク装置によれば、上棚と下棚とを一体化させた状態の棚をデスク本体の側部に突き合わせて使用する場合、棚の下側部分の使い勝手が悪くなる場合がある。より詳細に説明すると、分離可能な棚としては、下棚が仕切り板によって横方向に複数の区画に分けられたものがある。このような棚を上棚と下棚とを一体化した状態でデスク本体の側部に突き合わせると、仕切り板とデスク本体の脚との位置関係によっては、いずれかの区画の幅方向中央部に脚が位置する場合がある。このような場合、その区画に物品を収容する際に、またはその区画から物品を取り出す際に、脚が支障となって棚の使い勝手が悪いという問題がある。
【0006】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、上棚と下棚とを一体化した状態の棚をデスク本体の側部に突き合わせて使用する場合に、デスク本体の脚が支障となることなく下棚の有効利用が可能なデスク装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用している。すなわち、本発明に係るデスク装置は、天板及び天板を支持する複数本の脚を有するデスク本体と、内部が縦方向に延びる仕切り板によって横方向に複数の区画に分けられ、少なくともいずれか1の区画が、複数本の前記脚のうち互いに隣り合ういずれかの前記脚同士の間隔と略等しい幅を有する下棚、及び下棚の上に分離可能に取り付けられた上棚を具備する棚と、を備え、前記上棚と前記下棚とを一体化した状態で、前記デスク本体の側部に突き合わせて配置する第1の使用状態と、前記上棚を前記デスク本体の天板の上に載置する一方、前記下棚を前記デスク本体の天板の下方に収容する第2の使用状態とで、それぞれ使用可能であることを特徴とする。
【0008】
このような構成によれば、棚を第1の使用状態で使用する場合に、前記隣り合う脚同士の間隔と略等しい幅を有する区画を構成する各仕切り板の位置を、隣り合う脚の位置とそれぞれ一致させるようにして、棚をデスク本体の側部に突き合わせることにより、下棚の各区画に物品を収容する際に、または各区画から物品を取り出す際に、脚が支障とならない。
【0009】
また、本発明に係るデスク装置は、前記デスク本体は、前記脚の下端を連結して横方向に延び、前記下棚の底部の高さより低い高さを有する支持部材を有することを特徴とする。
【0010】
このような構成によれば、棚を第1の使用状態で使用する場合に、支持部材が下棚の底部より上方に突出しないので、支持部材が支障となることなく下棚の各区画を有効利用することができる。
【0011】
また、本発明に係るデスク装置は、前記上棚が、前記第1の使用状態で前記デスク本体の天板と同一面を形成する補助棚板を有することを特徴とする。
【0012】
このような構成によれば、棚を第1の使用状態で使用する場合に、天板の上だけでなく、これと同一面を形成する上棚の補助棚板の上をも作業スペースとして確保することができるので、デスク装置の使い勝手が向上する。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るデスク装置によれば、棚を第1の使用状態で使用して、下棚の各区画に物品を収容し、または各区画から物品を取り出す際に、デスク本体の脚が支障とならないので、下棚を有効利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態に係るデスク装置の第1の使用状態を示す概略斜視図である。
【図2】デスク装置を構成するデスク本体の外観を示す概略斜視図である。
【図3】図2におけるA−A断面図である。
【図4】デスク装置を構成する棚の外観を示す概略斜視図であって、補助棚板を下棚に取り付けた状態を示す図である。
【図5】補助棚板を底面側から見た概略平面図である。
【図6】デスク装置を構成する棚の外観を示す概略斜視図であって、補助棚板を上棚に取り付けた状態を示す図である。
【図7】上棚の固定具の近傍を示す概略断面図である。
【図8】図1におけるB方向矢視図である。
【図9】本発明の実施形態に係るデスク装置の第2の使用状態を示す概略斜視図である。
【図10】第2の使用状態におけるデスク本体と上棚との固定手順を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態について説明する。まず、本発明の実施形態に係るデスク装置の構成について説明する。図1は、本実施形態に係るデスク装置10の第1の使用状態1を示す概略斜視図である。デスク装置10は、デスク本体20と、このデスク本体20に隣接して配置され本等が収容される棚30と、を備えるものである。
【0016】
図2は、デスク本体20の外観を示す概略斜視図である。デスク本体20は、水平方向に延びる天板210と、この天板210を下方から支持する4本の脚220(220A,220B,220C,220D)と、デスク本体20の後部すなわち使用者が位置する側から見た向かい側に位置する2本の脚220B,220Dを互いに連結する連結杆230と、デスク本体20の側部すなわち使用者が位置する側から見た左右両側に位置する2本の脚220A,220B同士、及び脚220C,220D同士を互いに連結する支持部材240と、を有している。
【0017】
天板210は、図2に示すように、平面視略矩形の平板部材からなる天板本体211と、使用者が位置する前部で天板210の下部に設けられた引き出し212と、を備えている。ここで、天板本体211の左右両縁部には、平面視略矩形の切り欠き213がそれぞれ形成されている。また、各切り欠き213に隣接した位置には、後述するL型金具を固定するためのビス挿通孔214がそれぞれ形成されている。ここで、図3は、図2におけるA−A断面図である。切り欠き213より若干内側位置には、脚220と天板210との間に所定幅の金具挿入溝215が形成されており、前記ビス挿通孔214はこの金具挿入溝215に連通している。
尚、天板本体211の平面視形状は、本実施形態に限られず適宜設計変更が可能である。また、天板210の引き出し212、切り欠き213、ビス挿通孔214、及び金具挿入溝215は、本発明に必須の構成ではない。
【0018】
4本の脚220は、図2に示すように、その長手方向に直交する断面の形状(以下、単に「脚220の断面形状」と略す)が、細長の略矩形形状をそれぞれ有している。本実施形態では、1枚の平板部材の中央部に平面視略矩形の貫通穴221を形成し、この貫通穴221を挟んで幅方向両側に残存した部分を、互いに隣り合う2本の脚220としてそれぞれ構成している。
そして、図2に示すように、デスク本体20の前後方向に相隣接する2本の脚220A,220B(220C,220D)同士の間隔、より詳細にはデスク本体20の前部側に位置する脚220A(220C)の外側面から、デスク本体20の後部側に位置する脚220の外側面までの間隔が、L1となっている。
一方、デスク本体20の幅方向に相隣接する2本の脚220A,220C(220B,220D)同士の間隔、より詳細にはデスク本体20の一方の側部に位置する脚220A(220B)の外側面から、デスク本体20の他方の側部に位置する脚220C(220D)の外側面までの間隔が、L1より大きく設定されている。
【0019】
尚、脚220は少なくとも複数本であれば、その本数や配設位置や断面形状は、本実施形態に限定されず適宜設計変更が可能である。また、脚220の作製方法は、本実施形態のように1枚の平板部材から2本の脚220A,220B(220C,220D)を形成する方法に限定されず、4本の脚220をそれぞれ棒状の部材で別々に構成してもよい。
【0020】
連結杆230は、外力の作用によってデスク本体20に歪みが生じるのを防止するものである。この連結杆230は、図2に示すように、平面視略矩形の平板部材であって、デスク本体20の幅方向に相隣接する2本の脚220B,220D同士を互いに連結している。尚、連結杆230の本数や配設位置や形状は、本実施系形態に限定されず適宜設計変更が可能である。また、この連結杆230は本発明に必須の構成ではない。
【0021】
支持部材240は、床面40との接地面積を大きくすることでデスク本体20の安定性を向上させるものである。この支持部材240は、図2に示すように、断面略矩形の長手部材であって、デスク本体20の前後方向に相隣接する2本の脚220A,220B(220C,220D)の下端220aを互いに連結して設けられるとともに、更にデスク本体20の前部側に突出している。そして、支持部材240におけるデスク本体20の前部側に突出した部分では、その厚みが先端側に向かって徐々に薄くなることにより、その上面240aが先端側に向かって徐々に下降するように傾斜している。
尚、支持部材240の本数や配置位置や形状は、本実施形態に限定されず適宜設計変更が可能である。例えば、2本の脚220A,220B(220C,220D)同士を連結した支持部材240をデスク本体20の後部側に突出させてもよいし、連結部材によって4本の脚220全てを互いに連結してもよい。また、この支持部材240も本発明に必須の構成ではない。
【0022】
一方、図4は、デスク装置10を構成する棚30の外観を示す概略斜視図である。棚30は、床面40の上に配置される下棚310と、この下棚310の上に分離可能に積み上げて配置される上棚330と、を備えるものである。
【0023】
下棚310は、図4に示すように、上面及び正面が開口された箱状の棚本体311と、この棚本体311の内部に設けられた固定棚312と、を有している。
【0024】
棚本体311は、図4に示すように、底部を構成する3枚の底板313と、左右両側部を構成する一対の側板314と、背部を構成する背板315と、を有するものである。
【0025】
ここで、向かい合う一対の側板314の離間距離、すなわち棚本体311の横幅W1は、図2に示すデスク本体20の幅方向に隣接する2本の脚220A,220C(220B,220D)同士の間隔L2より小さく形成されている。また、側板314の高さ、すなわち棚本体311の高さH1は、図2に示すデスク本体20の天板210の下面から床面40までの間隔L3より小さく形成されている。これにより、下棚310は、デスク本体20の天板210の下方であって幅方向に隣接する2本の脚220A,220C(220B,220D)の間に収容可能となっている。
また、図4に示すように、一対の側板314の内側面における最上部には、ボス41を挿入して取り付けるためのボス孔314aが、互いに向かい合う位置にそれぞれ形成されている。
【0026】
尚、棚本体311を構成する各部材の形状は、本実施形態に限られず任意に設計変更が可能である。また、本実施形態では棚本体311を底板313と側板314と背板315とから構成したが、これらを任意の組み合わせで一体的に構成することも可能である。
【0027】
また、下棚310を構成する固定棚312は、図4に示すように、一対の側板314の間に横方向に架け渡された固定棚板316と、上下方向に延び固定棚板316の下方の空間を横方向に3つの区画317,318,319に分ける2枚の仕切り板320,321と、を有している。ここで、仕切り板320,321によって分けられた3つの区画317,318,319のうち、棚30に向かって右端に位置する区画319は、その横幅W2が、図2に示すデスク本体20において前後方向に相隣接する2本の脚220A,220B(220C,220D)同士の間隔L1と略等しくなっている。
【0028】
尚、固定棚板316及び仕切り板320,321の形状、枚数、配置位置等は、本実施形態に限られず適宜設計変更が可能である。また、本実施形態では、3つの区画317,318,319のうち、棚30に向かって右端に位置する区画319のみを、デスク本体20の2本の脚220A,220B(220C,220D)同士の間隔と略同幅としたが、これに限られず、仕切り板320,321によって分けられる複数の区画のうち、少なくともいずれか1つの区画が、2本の脚220A,220B(220C,220D)同士の間隔と略同幅になっていればよい。また、固定棚312は下棚310に必須の構成ではなく、固定棚312を有さない棚構成とすることも可能である。
【0029】
一方、棚30を構成する上棚330は、図4に示すように、上面、下面、及び正面が開口された箱状の棚本体331と、この棚本体331の内部における上部に設けられた固定棚332と、棚本体331の内部に着脱可能に設けられた補助棚板333と、棚本体331の左右両側部に設けられた固定具334と、を有している。
【0030】
棚本体331は、図4に示すように、左右両側部を構成する一対の側板335と、背部を構成する背板336と、を有するものである。
【0031】
ここで、向かい合う一対の側板335の離間距離、すなわち棚本体331の横幅は、下棚310の棚本体311の横幅W1と略等しく形成されている。また、図6に示すように、一対の側板335の内側面における下部位置には、ボス41を挿入して取り付けるためのボス孔335aが、互いに向かい合う位置にそれぞれ形成されている。
【0032】
尚、棚本体331を構成する各部材の形状は、本実施形態に限られず任意に設計変更が可能である。また、本実施形態では棚本体331を側板335と背板336とから構成したが、これらを一体的に構成することも可能である。
【0033】
また、上棚330を構成する固定棚332は、図4に示すように、上下方向に延びる仕切り板337と、各側板335と仕切り板337との間に横方向に架け渡された2枚の固定棚板338,339と、を有している。尚、仕切り板337及び固定棚板338,339の形状、枚数、配置位置等は、本実施形態に限られず適宜設計変更が可能である。また、固定棚332は上棚330に必須の構成ではなく、固定棚332を有さない棚構成とすることも可能である。
【0034】
また、上棚330を構成する補助棚板333は、図4に示すように、平面視略矩形の平板部材である。ここで、図5は、補助棚板333を底面側から見た概略平面図である。補助棚板333の底面における幅方向両端部には、ボス41を嵌合させるためのボス嵌合溝333aがそれぞれ形成されている。
【0035】
このように構成される補助棚板333は、上棚330の内部に着脱可能に装着されている。すなわち、図4及び図6に示すように、上棚330の各側板335に形成されたボス孔335aに対してボス41をそれぞれ挿入させることにより、各側板335にボス41を突出状態で取り付ける。その上で、上棚330の内部に補助棚板333を差し込み、その底面に形成された図5に示すボス嵌合溝333aを、各側板335から突出した各ボス41にそれぞれ嵌合させる。これにより、補助棚板333が、各ボス41で下方から支持された状態で、上棚330の下部に装着される。
そして、図4に示す上棚330と下棚310とが一体化されると、上棚330に装着された補助棚板333の上面から床面40までの高さH2が、図2に示す天板210の上面から床面40までの高さL4と略等しくなる。
また、補助棚板333を持ち上げて、ボス嵌合溝333aとボス41との嵌合を解除すれば、補助棚板333を上棚330から容易に取り出すことができる。
【0036】
また、補助棚板333は、上棚330から取り外して下棚310に装着できるようになっている。図6は、棚30の外観を示す概略斜視図であって、補助棚板333を下棚310に装着した状態を示している。補助棚板333を下棚310に装着する場合、上棚330への取り付け時と同様に、図4及び図6に示すように、下棚310の各側板314に形成されたボス孔314aにボス41を突出状態で取り付ける。そして、各側板314から突出した各ボス41に対して、図5に示すボス嵌合溝333aをそれぞれ嵌合させることにより、上棚330から取り外した補助棚板333を下棚310の最上部に装着する。また、補助棚板333を持ち上げて、ボス嵌合溝333aとボス41との嵌合を解除すれば、補助棚板333を下棚310から容易に取り外すことができる。
【0037】
尚、補助棚板333の形状は、本実施形態に限定されず適宜設計変更が可能である。また、本実施形態では補助棚板333を上棚330と下棚310とに対して選択的に装着可能としたが、これに限られず、上棚330と下棚310のそれぞれに補助棚板333を別々に設けてもよい。しかし、本実施形態のように補助棚板333を選択的に装着可能とすることにより、デスク本体20を後述する第2の使用状態2で使用する場合に、補助棚板333を上棚330から取り外すことにより、図9に示すように、デスク本体20の天板210と上棚330の固定棚332との間に広い空間を確保することができる。これにより、当該空間に補助棚板333が存在する場合と比較すると、本等の物品を配置しやすく使い勝手が良いという利点がある。
【0038】
また、上棚330を構成する固定具334は、デスク装置10を後述する第2の使用状態2で使用する場合に、上棚330をデスク本体20に固定するためのものである。ここで、図7は、固定具334の近傍を示す概略断面図である。固定具334は、樹脂等からなる本体部340と、この本体部340を上下方向に貫通して形成された金具挿通穴341と、本体部340の内部を横方向に延びるように形成されて金具挿通穴341に連通するネジ孔342と、を備えるものである。
【0039】
次に、本実施形態に係るデスク装置10を第1の使用状態1で使用するための手順、及びその作用効果について説明する。デスク装置10を第1の使用状態1で使用する場合、使用者は、まず上棚330と下棚310とを一体化する。すなわち、使用者は、図4に示すように、上棚330の下部に補助棚板333を装着し、この上棚330を下棚310の上に積み重ねることで両者を一体化する。
【0040】
次に、使用者は、一体化した棚30をデスク本体20の側部に突き合わせて配置する。より詳細には、図1に示すように、デスク本体20を構成する天板210の側縁部210aが、上棚330を構成する補助棚板333に当接するように、且つ、デスク本体20の後部側に位置する脚220B,220Dの外側面が、下棚310を構成する側板335の外側面と略同一面を形成するようにして、棚30をデスク本体20の側部に突き合わせる。そして、この時、デスク本体20を構成する支持部材240が、下棚310を構成する底板313に当接した状態となっている。
【0041】
ここで、図8は、図1におけるB方向矢視図である。前述のように、下棚310の内部において棚30に向かって右端に位置する区画319は、その横幅W2が、デスク本体20において前後方向に相隣接する2本の脚220A,220B(220C,220D)同士の間隔L1と略等しくなっている。従って、前述のようにしてデスク本体20の側部に棚30を突き合わせて配置すると、デスク本体20の前部側に位置する脚220A,220Cにおける外側面が、下棚310の固定棚312を構成する2枚の仕切り板320,321のうち、棚30に向かって右側に位置する仕切り板321の内側面、すなわちもう一方の仕切り板320と向かい合う面と略同一面を形成する。従って、下棚310の3つの区画317,318,319のうち中央に位置する区画318は、平面視で脚220Aとは全く重ならない。これにより、この中央に位置する区画318に物品を収容する際に、または当該区画318から物品を取り出す際に脚220Aが支障になることがなく、当該区画318を有効利用することができる。
【0042】
また、3つの区画317,318,319のうち棚30に向かって右端に位置する区画319は、図8に示すように、平面視でその一部の領域が脚220A,220Bと重なる。しかし、前述のようにデスク本体20の前後方向に相隣接する2本の脚220A,220Bの間は、貫通穴221によりデスク本体20の内側と外側とが連通している。従って、当該右端の空間が脚220A,220Bに隠されて完全なデッドスペースになることがなく、この貫通穴221を通して当該右端の区画319に物品を収容しまたは当該右端の区画319から物品を取り出すことができる。
【0043】
更に、図8に示すように、3つの区画317,318,319のうち、棚30に向かって右端に位置する区画319及び中央に位置する区画318では、デスク本体20の支持部材240の上面240aから床面40までの高さH3が、下棚310の底部を構成する底板313の上面から床面40までの高さH4と略等しいか、或いは高さH4より低くなっている。
これにより、棚30を第1の使用状態1で使用する場合に、支持部材240が下棚310の底板313より上方に突出しないので、支持部材240が支障となることなく、下棚310の各空間318,319を有効利用することができる。
【0044】
尚、本実施形態では、下棚310の3つの区画317,318,319のうち、棚30に向かって右端に位置する区画319を、2本の脚220A,220B同士の間隔L1と略同幅としたので、2本の脚220A,220Bの間に形成される貫通穴221が、右端に位置する区画319に平面視で重なるようにして、デスク本体20の側部に棚30を突き合わせた。しかし、2本の脚220A,220B同士の間隔L1と略同幅に形成した区画が、棚30に向かって中央に位置する区画318、或いは左端に位置する区画317である場合には、これらの区画317,318に対して、2本の脚220A,220Bの間に形成される貫通穴221が、平面視で中央に位置する区画318に平面視で重なるようにして、デスク本体20の側部に棚30を突き合わせればよい。
【0045】
また、前述のように、上棚330と下棚310とが一体化された状態では、図4に示す上棚330に装着された補助棚板333の上面から床面40までの高さH2が、図2に示す天板210の上面から床面40までの高さL4と略等しい。従って、デスク装置10を第1の使用状態1で使用すべく、一体化した棚30をデスク本体20の側部に突き合わせて配置すると、補助棚板333の上面が天板210の上面と略同一面を形成する。これにより、天板210の上だけでなく補助棚板333の上面をも作業スペースとして確保することができ、デスク装置10の使い勝手が向上する。
【0046】
このように、本実施形態のデスク装置10を第1の使用状態1で使用すれば、デスク本体20の天板210の上に棚30が配置されないので、天板210の上に広いスペースを確保することができるとともに、頭上に棚30が存在することによって使用者が圧迫感を感じることもない。
【0047】
次に、本実施形態に係るデスク装置10を第2の使用状態2で使用するための手順、及びその作用効果について説明する。図9は、本発明の実施形態に係るデスク装置10の第2の使用状態2を示す概略斜視図である。尚、デスク本体20や棚30の構成自体は、第1の使用状態1と同じであるため、その説明を省略して図1と同じ符号を用いる。
【0048】
デスク装置10を第2の使用状態2で使用する場合、使用者は、まずデスク本体20の幅方向両側部にL型金具42をそれぞれ固定する。すなわち、使用者は、図10(a)に示すように、天板本体211に形成された切り欠き213の内部にL型金具42を配置し、その一片42aを、脚220と天板210との間に形成された金具挿入溝215に挿入させる。そして、天板210のビス挿通孔214を挿通させた固定ビス43によって、L型金具42の一片42aを脚220に固定する。この時、L型金具42の他片42bが、一片42aの端部から垂直に起立した状態となる。
【0049】
次に、使用者は、上棚330を下棚310から分離させ、分離させた上棚330をデスク本体20に固定する。すなわち、使用者は、上棚330の下部に補助棚板333を装着し、この上棚330を上方に持ち上げることによって下棚310から分離させる。そして、使用者は、分離した上棚330を、デスク本体20の天板210の上に配置する。この時、図10(b)に示すように、デスク本体20の幅方向両端部に固定されたL型金具42の他片42bを、上棚330の幅方向両側部に設けられた固定具334の金具挿通穴341にそれぞれ挿通させる。そして、使用者は、固定具334に形成されたネジ孔342に固定ネジ44を螺合させることにより、各固定具334を各L型金具42にそれぞれ固定する。これにより、上棚330がデスク本体20に固定される。
【0050】
次に、使用者は、分離させた下棚310を、デスク本体20の天板210の下方に収容する。すなわち、使用者は、図9に示すように、下棚310を、デスク本体20の前部側から天板210の下方に押し込むことにより、デスク本体20の幅方向に隣接する2本の脚220A,220C(220B,220D)の間に収容させる。
【0051】
このように、本実施形態のデスク装置10を第2の使用状態2で使用すれば、デスク本体20の天板210の上に上棚330が配置されるので、デスク本体20の前部に位置する使用者から上棚330までの距離が近くなる。これにより、使用者が子供や体格の小さい大人である場合でも、上棚330に収容した本等(不図示)を容易に取り出すことができ、使い勝手が良い。
また、第2の使用状態2によれば、デスク本体20の天板210の下に下棚310が収容されるので、下棚310をデスク本体20の側部や後部に配置する場合と比較すると、デスク装置10全体として省スペース化を図ることができる。
更に、第2の使用状態2によれば、補助棚板333が上棚330から取り外されるので、デスク本体20の天板210と上棚330の固定棚332との間に広い空間を確保することができる。これにより、当該空間に補助棚板333が存在する場合と比較すると、本等の物品を配置しやすく使い勝手が良い。
【0052】
尚、本実施形態では、デスク装置10を第2の使用状態2で使用するための手順として、まず上棚330を天板210の上に固定した後に、下棚310を天板210の下に収容させたが、これとは逆に、まず下棚310を天板210の下に収容させた後に、上棚330を天板210の上に固定してもよい。
【0053】
尚、上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ、或いは動作手順等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【符号の説明】
【0054】
1 第1の使用状態
2 第2の使用状態
10 デスク装置
20 デスク本体
210 天板
210a 側縁部
211 天板本体
212 引き出し
213 切り欠き
214 ビス挿通孔
215 金具挿入溝
220 脚
220A 脚
220B 脚
220C 脚
220D 脚
220a 下端
221 貫通穴
230 連結杆
240 支持部材
240a 上面
30 棚
310 下棚
311 棚本体
312 固定棚
313 底板
314 側板
314a ボス孔
315 背板
316 固定棚板
317 区画
318 区画
319 区画
320 仕切り板
321 仕切り板
330 上棚
331 棚本体
332 固定棚
333 補助棚板
333a ボス嵌合溝
334 固定具
335 側板
335a ボス孔
336 背板
337 仕切り板
338 固定棚板
339 固定棚板
340 本体部
341 金具挿通穴
342 ネジ孔
40 床面
41 ボス
42 L型金具
42a 一片
42b 他片
43 固定ビス
44 固定ネジ
H1 高さ
H2 高さ
H3 高さ
H4 高さ
L1 間隔
L2 間隔
L3 間隔
L4 高さ
W1 横幅
W2 横幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板及び天板を支持する複数本の脚を有するデスク本体と、
内部が縦方向に延びる仕切り板によって横方向に複数の区画に分けられ、少なくともいずれか1の区画が、複数本の前記脚のうち互いに隣り合ういずれかの前記脚同士の間隔と略等しい幅を有する下棚、及び下棚の上に分離可能に取り付けられた上棚を具備する棚と、
を備え、
前記上棚と前記下棚とを一体化した状態で、前記デスク本体の側部に突き合わせて配置する第1の使用状態と、
前記上棚を前記デスク本体の天板の上に載置する一方、前記下棚を前記デスク本体の天板の下方に収容する第2の使用状態とで、
それぞれ使用可能であることを特徴とするデスク装置。
【請求項2】
前記デスク本体は、前記脚の下端を連結して横方向に延び、前記下棚の底部の高さより低い高さを有する支持部材を有することを特徴とする請求項1に記載のデスク装置。
【請求項3】
前記上棚が、前記第1の使用状態で前記デスク本体の天板と同一面を形成する補助棚板を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のデスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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