デフォルメ地図生成装置およびデフォルメ地図生成方法
【課題】意図しない変更結果を招く、あるいは既存のデフォルメ地図の形状特徴を大きく変えてしまう状況を回避することができるデフォルメ地図生成装置およびその方法を提供する。
【解決手段】既存のデフォルメ地図に対して主に変更を施す対象である変更主対象を設定し、変更主対象および特定の対象の配置範囲を設定する変更設定部4と、既存のデフォルメ地図の形状特徴を抽出する特徴抽出部6と、形状特徴を保持すると共に、変更主対象および変更主対象の配置範囲に基づき既存のデフォルメ地図を変更して新規デフォルメ地図を生成するデフォルメ変更部7を備えた。
【解決手段】既存のデフォルメ地図に対して主に変更を施す対象である変更主対象を設定し、変更主対象および特定の対象の配置範囲を設定する変更設定部4と、既存のデフォルメ地図の形状特徴を抽出する特徴抽出部6と、形状特徴を保持すると共に、変更主対象および変更主対象の配置範囲に基づき既存のデフォルメ地図を変更して新規デフォルメ地図を生成するデフォルメ変更部7を備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デフォルメ地図(簡易地図)を作成する装置及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カーナビや歩行者ナビにおいて、視認性を向上させることを目的としたデフォルメ地図生成技術が開示されている。特許文献1では、道路の直線化や方向量子化に基づきデフォルメする方法が開示されている。特許文献2では、所定の地点から目的地までの主経路を経路区分に分割し、各経路区分の形状を、単純図形を表すテンプレートと比較して経路区分を近似する単純図形を決定し、その近似図形に基づいて経路区分を変形させる方法が開示されている。また、特許文献3では、略地図上に交通情報等の付加的な情報を重畳表示する交通情報表示装置に関して、交通情報等の付加的な情報を重畳表示した場合でも視認性を低下させることなく情報提示を行う交通情報表示装置が開示されている。特に、交通情報表示用の略地図パラメータ、経路案内情報表示用の略地図パラメータ等、重畳する付加情報の種類に応じてパラメータを可変に設定し、パラメータに基づいて付加情報に適応した略地図を作成することを特徴としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−202762号公報
【特許文献2】特開2006−171584号公報
【特許文献3】特開平9−264748号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のように、デフォルメ地図を生成する技術は多く提案されている。しかし、特許文献1から特許文献3のいずれの提案においても主にデフォルメ地図を新規に生成する技術に関するものであり、既に生成されたデフォルメ地図の一部分を変更して再利用する用途は想定していない。なお特許文献2の提案では、デフォルメパラメータの変更によりデフォルメの程度を変えたデフォルメ地図を生成することはできるが、一度生成したデフォルメ地図の形状特徴を保持しつつ、部分的な変更を施したデフォルメ地図に変更することはできない。
しかし、同じデフォルメ地図を継続的に使用するシステムにおいて、使い慣れたデフォルメ地図の様子(形状特徴)を大きく変えずに、変更したい内容(新たに必要な道路を追加する、不要な道路を除く、特定部分の占める範囲や特定部分のデフォルメ形状をユーザ要求に応じて変更するなど)に応じて変更を施したデフォルメ地図を容易に生成したいという要求がある。
特許文献1から特許文献3に示す従来手法を用いて、既存のデフォルメ地図の特徴を特に考慮せずにデフォルメ地図を生成し直した場合は、変更内容の影響により、既存のデフォルメ地図において変更したくない部分の形状や配置が大きく変わる可能性があり、使い慣れたデフォルメ地図の様子(特徴)を保持しつつ、必要な変更を施したデフォルメ地図を生成することが困難であるという課題があった。
【0005】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、既存のデフォルメ地図に対して新規に道路を追加する、あるいは特定部分を視認し易く形状変更するなどの変更を施したデフォルメ地図を生成する場合に、変更結果が意図しない結果となる(変形を望まない部分が変形する、既存デフォルメ地図内で配置を大きく変えたい部分が変わらないなど)こと、および既存のデフォルメ地図の様子(形状特徴)が大きく変わってしまうことを回避できるデフォルメ地図生成装置および方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るデフォルメ地図生成装置は、デフォルメ対象データ、既存および新規デフォルメ地図、および変形に関するパラメータを記憶する記憶部と、既存のデフォルメ地図に対して主に変更を施す対象である変更主対象を設定し、変更主対象および特定の対象の配置範囲を設定する変更設定部と、既存のデフォルメ地図の形状特徴を抽出する特徴抽出部と、形状特徴を保持すると共に、変更主対象および変更主対象の配置範囲に基づき既存のデフォルメ地図を変更して新規デフォルメ地図を生成するデフォルメ変更部とを備えるように構成したものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、既存のデフォルメ地図に対して主に変更を施す対象である変更主対象を設定し、変更主対象および特定の対象の配置範囲を設定する変更設定部と、既存のデフォルメ地図の形状特徴を抽出する特徴抽出部と、形状特徴を保持すると共に、変更主対象および変更主対象の配置範囲に基づき既存のデフォルメ地図を変更して新規デフォルメ地図を生成するデフォルメ変更部とを備えるように構成したので、既存デフォルメ地図の形状特徴を保持しつつ、主として変更したい対象や変更したい対象がどの範囲となるように変形させるかを任意に制御することができる。また、主として変更したい対象の変形に伴う影響範囲、つまり既存デフォルメ地図と比べて形状や配置領域が変更する範囲を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施の形態1によるデフォルメ地図生成装置の構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1によるデフォルメ地図生成装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】道路ネットワークデータを示す説明図である。
【図4】実施の形態1による基本デフォルメ地図の生成例を示す図である。
【図5】実施の形態1による変更主対象の手動設定の一例を示す説明図である。
【図6】実施の形態1による変更後領域の手動設定の一例を示す説明図である。
【図7】実施の形態1によるデフォルメ可否設定部の動作を示すフローチャートである。
【図8】実施の形態1によるデフォルメ可否設定部の処理例を示す説明図である。
【図9】実施の形態1による特徴抽出部の処理例を示す説明図である。
【図10】実施の形態1による特徴保持デフォルメ部の処理例を示す説明図である。
【図11】実施の形態1による変更主対象デフォルメ部の処理例を示す説明図である。
【図12】実施の形態1による変更主対象デフォルメ部の他の処理例を示す説明図である。
【図13】実施の形態2によるデフォルメ地図生成装置の構成を示すブロック図である。
【図14】実施の形態2によるデフォルメ地図生成装置の動作を示すフローチャートである。
【図15】実施の形態2による追加対象配置部の処理例を示す説明図である。
【図16】実施の形態2による変更デフォルメ地図を示す図である。
【図17】実施の形態3によるデフォルメ地図生成装置の構成を示すブロック図である。
【図18】実施の形態3によるデフォルメ地図生成装置の動作を示すフローチャートである。
【図19】実施の形態3によるデフォルメ変更部の処理例を示す説明図である。
【図20】実施の形態3の他の処理例を示す説明図である。
【図21】実施の形態4によるデフォルメ地図生成装置の構成を示すブロック図である。
【図22】実施の形態4によるデフォルメ地図生成装置の動作を示すフローチャートである。
【図23】実施の形態4によるデフォルメ変更部の処理例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1によるデフォルメ地図生成装置の構成を示すブロック図である。
デフォルメ地図生成装置10は、記憶部1、表示部2、基本デフォルメ地図生成部3、変更設定部4、デフォルメ変更可否設定部5、特徴抽出部6およびデフォルメ変更部7で構成されている。
記憶部1は、デフォルメ対象のデータ(座標や、ノード・リンクから成るネットワーク構造のデータなど。以下、対象データと表記する)や、変形途中・デフォルメ結果のデータ、定義データ、中間データなどを記憶する。
表示部2は、デフォルメ対象のデータやデフォルメ結果などを表示する。
基本デフォルメ地図生成部3は、指定した部分の対象データの形状を変形して、基本となるデフォルメ地図(以下、基本デフォルメ地図と表記する)を生成する。
【0010】
変更設定部4は、変更主対象設定部4aおよび変更後領域設定部4bを備え、既存のデフォルメ地図に対して、大きな部分変更を行う対象や部分変更を施した対象を配置する範囲を設定する。変更主対象設定部4aは、既存のデフォルメ地図において形状や配置範囲を部分的に大きく変更する対象(以下、主対象と表記する)を指定する。変更後領域設定部4bは、特定の対象について配置したい座標範囲を設定する。
デフォルメ変更可否設定部5は、変更主対象以外について、変更主対象の変形の影響を受けて既存デフォルメ地図の形状や配置の変更を許可する対象と許可しない対象とを設定する。
特徴抽出部6は、既存のデフォルメ地図から形状特徴を抽出する。
【0011】
デフォルメ変更部7は、影響対象デフォルメ部7aおよび変更主対象デフォルメ部7cを備え、既存のデフォルメ地図の形状特徴を保持しつつ既存のデフォルメ地図を変更したデフォルメ地図を生成する。
影響対象デフォルメ部7aは、デフォルメ変更可否設定部5で既存デフォルメ地図の形状や位置変更が許可されている対象について形状や配置を変更し、変形する。影響対象デフォルメ部7aの特徴保持デフォルメ部7bは、特徴抽出部6が抽出した特徴を保持するように、変更が許可されている形状を変形する。変更主対象デフォルメ部7cは、変更主対象設定部4aにおいて設定された変更対象の形状を変形する。
【0012】
次に、デフォルメ地図生成装置10の動作について、図2のフローチャートに沿って説明する。図2は、この実施の形態1のデフォルメ地図生成装置の動作を示すフローチャートである。なお、対象データが道路である場合を例に説明を行う。
記憶部1は、対象データとして道路を構成する点(以下、補間点と称する)の座標や道路の接続関係である道路ネットワークデータなどの道路データを記憶する(ステップST1)。
【0013】
ここで、道路ネットワークデータについて図3を用いて説明を行う。図3に示すように、ノードは道路を構成する補間点(地点)である。エッジは、2つのノードを両端とする線分である。交差点ノードは、道路が交差している地点であり、交差点ノードから別の交差点ノードまでの一連のエッジ列をリンクと呼ぶ。道路ネットワークデータは、リンクを構成するノードの情報(座標、IDなど)やリンクを構成するエッジの接続関係、交差点ノードの情報(座標、IDなど)、交差点ノードに接続するリンクの情報(IDなど)などの情報を有している。
【0014】
道路ネットワークデータや道路を構成する補間点の座標データは、例えば市販の地図データに格納されており、これを使用することが出来る。また、市販の地図データを直接使用しなくとも、補間点やノード・リンクのネットワーク構造を手作業などにより作成し、記憶部1に格納して使用しても良い。また、多数の補間点を含む市販の地図データを直接使用せずに、道路を構成する補間点の間引きを行い、形状を簡略化した後の座標列やネットワークデータを対象データとして使用しても良い。また、補間点の間引きに限らず、市販の地図データに対して座標変換や座標編集を行った結果を対象データとして使用しても良い。
【0015】
基本デフォルメ地図生成部3は、ステップST1において記憶部1に格納された対象データの形状を変形して、基本となるデフォルメ地図を生成する(ステップST2)。生成した基本デフォルメ地図の地図情報(座標およびノード・リンクのネットワークデータ)は、記憶部1に格納すると共に、変更設定部4、デフォルメ変更可否設定部5、特徴抽出部6およびデフォルメ変更部7に出力される。
【0016】
基本デフォルメ地図生成部3の具体的動作について説明する。基本デフォルメ地図生成部3は、地図データの所定のメッシュ範囲の全道路に関するデフォルメ地図や、地図データの所定のメッシュ範囲内の指定した道路のみのデフォルメ地図を生成する。具体的なデフォルメ方法としては、例えば、以下の変形基準を使用する。
a.簡略化度合
b.エッジの量子化方向、基本形状
c.最小・最大ノード間間隔
【0017】
簡略化度合は、市販の道路ネットワークデータに含まれる多数の補間点を削減して道路形状を簡略化する際の度合いである。簡略化度合を大きくするほど補間点が削減され、簡略化前の道路形状に比べて粗い形状となる。手作業で生成したデータなど、既に不要な補間点が削減されたデータをデフォルメ対象として使用する場合は、本パラメータは不要である。エッジの量子化方向では、道路を見やすくするために、道路の方向を複数種類の方向に限定する際にどの方向に限定するかを定める。45度や30度など、予め定めた度数の整数倍の方向に量子化する。また、直線以外の基本形状として、円や楕円などの曲線形状を定めてもよい。最小・最大ノード間間隔は、配置可能とするノード間間隔の最小値及び最大値である。
なお、変形基準は上記a〜cに限るものではなく、他の基準を使用しても良い。また、いくつかの特定のエッジを他のエッジよりも重要視する場合など、設定値の値を個別に変えても良い。変形基準は記憶部1に格納しておく。
【0018】
図4に基本デフォルメ地図の生成例を示す。図4(a)は対象データである道路を示し、図4(b)は(a)に基づき生成した基本デフォルメ地図を示している。
図4(b)に示す例では、道路方向が45度の整数倍の方向に量子化されているが、道路方向の量子化を行わない変形でもよい。また、基本デフォルメ地図の縦横比や座標範囲に制限が必要な場合は、これに基づいてノードを再配置する。
【0019】
変更設定部4は、ステップST2において生成された基本デフォルメ地図の地図情報を受け取ると、変更主対象設定部4aが当該基本デフォルメ地図に対して大きく変更する対象を設定し(ステップST3)、変更後領域設定部4bが変更する対象を変更後のデフォルメ地図上に配置する領域を設定する(ステップST4)。
ステップST3において設定された変更主対象の情報(ノード、リンク、座標およびIDなどの情報)は、変更主対象情報として記憶部1に格納すると共に、変更後領域設定部4b、デフォルメ変更可否設定部5およびデフォルメ変更部7に出力される。また、ステップST4において設定された変更後領域情報は、記憶部1に格納すると共にデフォルメ変更可否設定部5およびデフォルメ変更部7に出力される。
【0020】
まず、ステップST3の変更主対象設定部4aの詳細な動作について説明する。なおこの説明では、基本デフォルメ地図の変更に際して、ユーザが主として変更したい対象と、主として変更したい対象の変形に伴って付随的に変形する対象とを区別し、前者の直接的な変更対象を「変更主対象」と称する。変更主対象の設定は、自動または手動で行う。
【0021】
まず、自動で変更主対象の設定を行う方法について説明する。
例えば、基本デフォルメ地図においてノードが密集している領域を変更対象としたい場合は、基本デフォルメ地図を複数のメッシュに分割し、各メッシュ内に含まれるノード数を算出することでノード密集度合いを評価する。具体的には、ノード数が一定値以上であるメッシュを抽出し、抽出されたメッシュに隣接するメッシュのノード数が一定値以上の場合はそのメッシュもノード密集度合いが高いとみなして併合し、更に隣接メッシュを取得して同様の処理を繰り返す。このようにして抽出メッシュ及び隣接メッシュを併合した結果のメッシュ内を通過するリンクを取得し、取得した全リンクに外接する矩形内に存在するエッジを変更主対象とする。
【0022】
次に、手動で変更主対象の設定を行う方法について説明する。
表示部2により、基本デフォルメ地図を画面に表示し、表示された基本デフォルメ地図上で形状などを変更したい範囲をマウスで指定する。基本デフォルメ地図上にない新たな道路を変更後のデフォルメ地図に含めたい場合は、基本デフォルメ地図との道路接続関係が正しい位置となるように基本デフォルメ地図上で道路線を追加し、マウスで指定する。また、基本デフォルメ地図から除外したい道路は、その道路を除外対象としてマウスで指定する。
図5に手動で変更主対象を設定する例を示す。図5において、一点鎖線で示される道路は基本デフォルメ地図から除外したい対象として指定された道路であり、破線の道路は形状を変更したい対象として指定された道路である。一点鎖線および破線の道路の両方が変更主対象となる。
【0023】
次に、ステップST4の変更後領域設定部4bの詳細な動作について説明する。変更主対象について、変更後にどの座標範囲に配置するかを自動あるいは手動で設定する。
まず、自動で変更後領域の設定を行う方法について説明する。
例えば変更後領域を矩形とする場合は、除外対象を除いた後の変更主対象のうち、付近にあるもの同士を同じ変更後領域内に配置させるものとみなしてグルーピングし、各グループ内の変更主対象を内包する矩形の重心及び変更後領域(矩形)の縦幅・横幅を定め、グループ内の変更主対象と関連付けて変更後領域情報とする。
【0024】
手動で変更後領域の設定を行う方法では、表示部2により、基本デフォルメ地図を画面に表示し、画面上でユーザが変更主対象を配置したい領域を指定する。
図6に手動で変更後領域を設定する例を示す。図6において、矩形ABCDは、変更主対象を配置したい領域としてユーザが指定した領域である。矩形ABCD、つまり指定した領域の座標を取得し、領域内の変更対象と関連付けて変更後領域情報とする。なお、変更後領域は矩形や円に限らず、任意の形状で設定可能である。また、基本デフォルメ地図内において複数設定すること、円と矩形など異なる形状の変更後領域を混在して設定することも可能である。また、自動で変更後領域を設定した後、変更主対象のグルーピング結果や変更後領域を手動で修正し、変更後領域情報を修正することも可能である。
【0025】
デフォルメ変更可否設定部5は、ステップST3において生成された変更主対象情報およびステップST4において生成された変更後領域情報を受け取ると、変更主対象以外のリンクやエッジに関して変更主対象の変形に伴って付随的に形状や配置の変更を許可する対象とするか、許可しない対象とするかを設定する(ステップST5)。設定された変更許可対象および変更不可対象の情報(ノード、リンク、座標およびIDなどの情報)は、変更可否情報として記憶部1に格納すると共に、特徴抽出部6、デフォルメ変更部7に出力される。
【0026】
図5で示した変更主対象を例に、許可する対象または許可しない対象に設定する具体的な処理動作について図7および図8を用いて説明する。図7は、実施の形態1のデフォルメ地図生成装置のデフォルメ変更可否設定部の動作を示すフローチャートであり、動作は大きく5ステップに分かれる。図8は、デフォルメ変更可否判定部の処理例を示す説明図である。
まず、変更主対象に除外するパーツが含まれる場合は、当該除外するパーツを除く(ステップST11)。次に、変更後領域設定部4bにおいて設定した領域(矩形ABCD)の重心を中心Pとし、矩形ABCDに外接する円の半径Rminを算出する。Rmin以上の半径で点Pを中心とする円を設定し、円に含まれる、あるいは交差するリンクのうち、変更主対象でないリンクとして、以下のリンクを変更許可対象とする(ステップST12)。
・ノードo1およびノードo2を両端とするリンク
・ノードo2およびノードo3を両端とするリンク
・ノードo3およびノードo4を両端とするリンク
・ノードo2およびノードo5を両端とするリンク
・ノードo5およびノードo6を両端とするリンク
・ノードo6およびノードo7を両端とするリンク
・ノードo7およびノードo8を両端とするリンク
・楕円形状のリンクL1
【0027】
ステップST12において変更許可対象とされたリンクの端点が、まだ変更許可対象とされていない別のリンクに接続している場合は、その接続リンクも変更許可対象とする(ステップST13)。
具体例として、図8(b)において、o1及びo11を両端とするリンクは変更許可対象とされたo1及びo2を両端とするリンクに接続するリンクであるため変更許可対象となる。同様にして、o1に接続するリンクに関しては、o1及びo9を両端とするリンクと、o1及びo13を両端とするリンクも変更許可対象となる。図8(b)に四角で示したノード(o9〜o13)は、このステップST13により取得されたリンクに関するノードを示している。
【0028】
ステップST12およびステップST13において取得した変更許可対象のリンク内のデータを包含する矩形範囲に変更許可設定がされていないリンクがある場合は取得し、変更許可対象とする(ステップST14)。次に、上述したステップST11からステップST14において取得された変更許可対象以外のリンクを変更不可対象とする(ステップST15)。
【0029】
なお、ステップST12において、用いる円の半径を変更することにより変更許可対象として取得する範囲を変更することも可能である。また、範囲探索時に使用する図形は円に限らず、矩形などを用いてもよい。また、図8(a)および(b)では、見やすくするために、説明に関与する一部のノードのみを図中に明示的に示した。
【0030】
特徴抽出部6は、ステップST2において生成された基本デフォルメ地図の地図情報、およびステップST5において生成された変更可否情報を受け取ると、変更許可対象として設定されたリンクについて、基本デフォルメ地図の形状の特徴を抽出する(ステップST6)。抽出された形状特徴は、記憶部1に格納すると共に、デフォルメ変更部7に出力される。
形状特徴は、他の道路と接続しない閉じたリンクの場合と、他の道路と接続するリンクとで抽出内容を変える。具体的には、図8(b)に示したリンクL1のように他の道路と接続しない閉じたリンクの場合には、まず楕円や円、ひし形などの基本的な図形に近いかどうかを評価する。近い基本図形がある場合は、その基本図形を形状特徴とする。図8(b)のリンクL1の場合は、楕円が形状特徴となる。図9に示す例のように近い基本図形がない場合は、リンクに外接する矩形の縦横比や、リンクを構成するエッジの長さ、付近のエッジ間の距離(図9のd1〜d5など)を形状特徴として抽出する。一方、他の道路と接続するリンクの場合は、リンクを構成する各エッジについて水平方向とのなす角度を形状特徴として抽出する。
【0031】
デフォルメ変更部7は、基本デフォルメ地図の特徴を保持しつつ基本デフォルメ地図を変更したデフォルメ地図を生成する。
具体的には影響対象デフォルメ部7aは、基本デフォルメ地図に対して変更主対象の表示範囲を変更後領域に変更することに伴い、デフォルメ変更可否設定部5にて基本デフォルメ地図の形状などの変更が許可されている対象について形状を変形する(ステップST7)。
また特徴保持デフォルメ部7bは、ステップST4において生成された変更後領域情報、ステップST5において生成された変更可否情報、およびステップST6において抽出された形状特徴を受け取ると、変更可否情報において変更許可対象のリンクを構成するノードに関して、形状特徴を保持しつつ、変更後領域の外側となる範囲でノードの再配置位置を算出し、座標を更新して形状を変形する(ステップST8)。影響対象デフォルメ部7aにおける変更後のデフォルメ地図は、基本デフォルメ地図とは異なる変更デフォルメ地図データとして記憶部1に格納する。また算出した再配置位置は、基本デフォルメ地図データ内で座標を更新せずに、変更デフォルメ地図データに反映させる。
【0032】
具体的には、図10に示すように、変更許可対象として設定されたリンクについて、閉じたリンクのL1は形状特徴(情報)である楕円形状を保持し、その他のリンクは、リンクを構成する各エッジが図4(b)の基本デフォルメ地図と同じエッジ方向とし、且つ、ノードの位置が図6に示す変更後領域(矩形ABCD)の外となるように各ノードの再配置位置を算出する。この結果、リンクL1、ノードo1、o2、o3、o6、o7、o11の再配置位置として、各々リンクM1、ノードn1、n2、n3、n6、n7、n11の位置が算出される。
【0033】
再配置位置の算出では、基本デフォルメ地図において交差していた道路が離れたり、離れている道路が交差したりすることがないよう、道路の接続関係を保持した位置として算出する。また、最小ノード間間隔や最大ノード間間隔などの任意のデフォルメパラメータを記憶部1に格納しておき、特徴を保持した再配置位置を算出する際に、デフォルメパラメータを考慮した位置として算出することも可能である。
【0034】
変更主対象デフォルメ部7cは、ステップST3において生成された変更主対象情報、ステップST4において生成された変更後領域情報を受け取ると、変更主対象のノードの再配置位置を算出し、座標を更新して変更後領域内で変形する(ステップST9)。その後変形主対象の再配置後の座標に基づき、変更デフォルメ地図内の該当部分の座標を更新し、記憶部1に格納する。特徴保持デフォルメ部7bの場合と同様に、基本デフォルメ地図の座標は更新しない。変形方法としては、基本デフォルメ地図生成部3に示した変形基準を使用することができる。変形基準は前述の内容に限らず、その他の基準に基づいて変形させてもよい。変形基準は記憶部1に格納しておく。
【0035】
図11は、変更主対象デフォルメ部による変更主対象の変形例を示す説明図である。
図11(a)は、エッジ方向を水平、垂直、斜め45度方向に限定し、特定エッジに対する最小ノード間間隔として、基本デフォルメ地図生成部3において使用した値よりも大きな値とした変形基準に基づき変形した例を示している。
図10において示した中央の2本の水平エッジが、重要性の高いエッジとして変形基準の設定ファイル内に変形基準とともに記載されている。その場合図11(a)に示すように、指定された特定エッジのノード間間隔が図10の場合に比べて広がり、n9、n10、n11、n12の位置にノードが再配置される。
図11(b)は、図11(a)の変形基準に、更に基本デフォルメ地図生成部3で使用された値よりも小さな簡略化度合の値が設定された場合の変形例を示している。
【0036】
また、図11(a)および(b)は、変更主対象以外で位置が変更したノードが、変更後領域の周辺となっている例を示しているが、デフォルメ変更可否設定部5において変更許可対象を設定する際の探索範囲に応じて再変形される範囲を変えることができる。図12は、図11(a)および(b)に比べて変更許可対象の取得範囲を広くした場合の変形例を示している。基本デフォルメ地図の形状特徴(楕円、エッジ方向)を保持しつつ、変更後領域の周辺が基本デフォルメ地図と同様の道路間隔のデフォルメ地図に変更している。
【0037】
なお、再配置位置の算出では、特徴保持デフォルメ部7bと同様に、道路の接続関係を保持した位置として算出する。また、図11(a)、(b)および図12では道路方向が45度の整数倍の方向に量子化されている例を示しているが、道路方向の量子化を行わない変形であってもよい。また、図11(a)、(b)および図12は、変更後領域設定部4bにおいて変更後領域が基本デフォルメ地図の座標範囲内に設定された場合の変形例を示しているが、変更後領域を基本デフォルメ地図の座標範囲外を含む場合には、その変更後領域に合わせたノードの再配置が行われる。また、最終的な変更デフォルメ地図に関して縦横比や座標範囲に制約がある場合は、この縦横比及び座標範囲となるように、図11(a)、(b)および図12の変形結果について座標変換を行う。
【0038】
以上のように、この実施の形態1によれば、変更主対象を設定する変更主対象設定部4a、特定の対象について配置したい座標範囲を設定する変更後領域設定部4b、および既存のデフォルメ地図の形状特徴を保持しつつ既存のデフォルメ地図を変更したデフォルメ地図を生成するデフォルメ変更部7を備えるように構成したので、既存のデフォルメ地図を変更する際に、既存のデフォルメ地図とは全く異なる形状特徴や概略形状のデフォルメ地図に変更されることを回避し、既存デフォルメ地図の形状特徴を保持したまま所定の変更対象が所定の範囲を占めるように変更したデフォルメ地図を容易に生成することができる。またこれにより、新しくできた対象(道路など)を既存デフォルメ地図に含めたい場合や、既存のデフォルメ地図の一部分を見やすく変更したい場合にも対応可能となる。
【0039】
また、この実施の形態1によれば、変更主対象の形状を変更させる場合に、変更主対象デフォルメ部7cが変更後の表示範囲、変形基準、および変更主対象の変形に付随して変形させる対象に基づき形状を変形するように構成したので、既存のデフォルメ地図を変更した結果が意図しない結果を招くことを回避し、既存デフォルメ地図に所望の変更を施したデフォルメ地図を容易に生成することができる。
なお、意図しない結果とは、変形させたくない部分が変形してしまう、既存デフォルメ地図内の配置を大きく変えたい部分が変更されないなどである。
【0040】
また、この実施の形態1によれば、変更主対象を設定する変更主対象設定部4a、および変更主対象の形状を変形する変更主対象デフォルメ部7cを備えるように構成したので、変更主対象のデフォルメ形状を別途作成することができる。または変更主対象以外の部分とは別の変形基準に基づき変形することができる。これにより、既存デフォルメ地図に対して変更を施したデフォルメ地図を生成する際に、変更主対象の表示範囲やデフォルメ内容を様々に変化させた複数種類のバリエーションを容易に生成することができる。
【0041】
なお、この実施の形態1では、デフォルメ変更可否設定部5において変更主対象以外のパーツについて変更主対象の変形に伴い、基本デフォルメ地図の形状や配置の変更を許可する対象と許可しない対象とを設定する場合に、変更後領域の重心を用いた検索により、自動で設定する構成を示したが、各リンクの重要度を設定ファイルに記述しておき、記憶部1から当該設定ファイルを読み込んで自動設定するように構成してもよい。また、道路種別や特定の区間などに基づいて許可対象/不可対象を予め設定ファイルに記述したおき、記憶部1から設定ファイルを読み込んで自動設定するように構成してもよい。また、表示部2の画面上に基本デフォルメ地図を表示し、画面上でユーザが変更許可対象と変更不可対象を設定するように構成してもよい。
【0042】
また、この実施の形態1では、基本デフォルメ地図生成部3において初版の基本デフォルメ地図を自動生成する構成を示したが、この基本デフォルメ地図生成部3を設けず、CADや手作業などで基本デフォルメ地図を作成し、ノード・リンクのネットワーク構造や座標などを記憶部1に格納するように構成してもよい。以下の実施の形態2から実施の形態4においても同様である。
【0043】
また、この実施の形態1では、デフォルメ変更可否設定部5において、変更主対象以外について変形を許可する対象と許可しない対象を設定する構成を示したが、このデフォルメ変更可否設定部5を設けず、変更主対象以外をすべて変更許可対象とみなすように構成してもよい。この場合、特徴抽出部6では変更主対象以外のすべての対象について形状の特徴を算出する。以下の実施の形態2から実施の形態4においても同様である。
【0044】
また、この実施の形態1では、表示部2を備え、変更設定部4により変更主対象や変更後領域を設定する場合、デフォルメ変更可否判定部において変更を許可する対象や変更を許可しない対象を設定する場合に画面上で手動設定できる構成を示したが、変更対象、変更後領域および変更可否情報を自動で設定する場合にはこの表示部2を備えずに構成してもよい。以下の実施の形態2から実施の形態4においても同様である。
【0045】
また、この実施の形態1では、基本デフォルメ地図内の特定の対象について、変更後領域設定部4bにて変更後の表示範囲(配置範囲)を設定する構成を示したが、基本デフォルメ地図内の特定の対象について表示範囲を変更する必要がない場合は、変更後領域設定部4bを設けずに構成してもよい。
【0046】
また、この実施の形態1では、基本デフォルメ地図に比べて表示範囲を変更したい対象を含む構成を示したが、表示範囲を変更したい対象がなく、新しい道路を基本デフォルメ地図に加え、基本デフォルメ形状の特徴を保持しつつ新しい道路を含めたデフォルメ地図に変更したい場合には、変更後領域設定部4bを設けずに構成してもよい。以下の実施の形態2から実施の形態4においても同様である。
【0047】
なお、この実施の形態1では、デフォルメ対象のデータを道路として説明したが、デフォルメ対象は道路データに限定されるものではなく適宜変更可能である。以下の実施の形態2から実施の形態4においても同様である。
【0048】
実施の形態2.
図13は、実施の形態2によるデフォルメ地図生成装置の構成を示すブロック図である。
この実施の形態2のデフォルメ地図生成装置10は、実施の形態1において示したデフォルメ地図生成装置10の変更設定部4に追加対象配置部4cを追加して設けている。以下では、実施の形態1によるデフォルメ地図生成装置10の構成要素と同一または相当する部分には、実施の形態1で使用した符号と同一の符号を付して説明を省略または簡略化する。
【0049】
デフォルメ地図生成装置10の変更設定部4は、追加対象配置部4c、変更主対象設定部4aおよび変更後領域設定部4bで構成されている。追加対象配置部4cは、既存のデフォルメ地図にない、新規に追加するデータ(座標やノード・リンクのネットワークなど)を取得し、道路の接続関係に基づき基本デフォルメ地図内の対応する位置を算出してノードを配置する。変更主対象設定部4aおよび変更後領域設定部4bの構成は実施の形態1と同様である。
【0050】
次に、実施の形態2のデフォルメ地図生成装置10の動作について説明する。図14は、実施の形態2によるデフォルメ地図生成装置10の動作を示すフローチャートである。以下では、実施の形態1によるデフォルメ地図生成装置10と同一のステップには図2で使用した符号と同一の符号を付し、説明を省略または簡略化する。さらに記憶部1、表示部2および基本デフォルメ地図生成部3の処理動作は実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
【0051】
変更設定部4は、ステップST2において生成された基本デフォルメ地図の地図情報を受け取ると、追加対象配置部4cが当該基本デフォルメ地図に新規な情報を追加する(ステップST21)。さらに、変更主対象設定部4aが当該基本デフォルメ地図に対して大きく変更する対象を設定し(ステップST3)、変更後領域設定部4bが変更する対象を変更後のデフォルメ地図上に配置する領域を設定する(ステップST4)。
【0052】
ステップST21、ST3およびST4の処理についてさらに詳細に説明する。
追加対象配置部4cは、記憶部1に格納されている対象データから基本デフォルメ地図に含まれない新規に追加する道路について座標およびノード・リンクのネットワークなどのデータを取得し、新規に追加する道路のリンクIDを記述した定義ファイルを記憶部1に格納し、当該定義ファイルに基づき対象データ内から新規に追加する道路のデータを取得可能に構成する。また別の方法として、表示部2により対象データを画面表示し、ユーザが画面上で新規に追加したい道路をマウスで指定するように構成してもよい。
【0053】
新規に追加する道路のデータを取得後、追加する道路リンクの端点と他のリンクとの接続関係から、基本デフォルメ地図において道路接続関係が該当する位置座標を算出し、基本デフォルメ地図に道路を新規追加したデータを変更デフォルメ地図データとして生成する。なお、基本デフォルメ地図データに直接追加しないように記憶する。新規生成後の定義ファイルまたは画面上でのユーザの指定により取得した、新規に追加する道路に関する情報(以下、新規追加道路情報と表記する)は変更主対象設定部4aに出力される。
【0054】
追加対象配置部4cの処理例を図15を用いて説明する。図15(a)は記憶部1に格納された対象データを示しており、破線は新規に追加したい道路として取得した道路を示している。図15(b)は、追加対象配置部4cにより基本デフォルメ地図に新規に追加したい道路(破線部分)が配置された結果を示している。図15(a)において、ノードpは、ノードo1とノードo2に接続しており、基本デフォルメ地図における対応するノードn1とノードn2に接続する位置としてqの位置が算出され、配置される。新規に追加される道路上の他のノードも同様に、基本デフォルメ地図内の道路接続関係に基づき、対応する位置が算出され、配置される。また、リンクの両端ノードの配置に伴い、リンクを構成する他のノードに関しても記憶部に格納された座標から道路の接続関係が正しい位置が算出され、配置される。
【0055】
変更主対象設定部4aは、基本デフォルメ地図の内容を変更したい主な対象を設定する。追加対象配置部4cから新規追加道路情報(リンクIDなど)が入力されると、これを変更主対象として設定する。具体的には図15(b)において破線で示した道路が変更主対象となる。さらに実施の形態1で示したように基本デフォルメ地図内に既存の道路であって主に変更対象としたい道路については、実施の形態1で示した処理により変更主対象として設定することができる。このように実施の形態2では新規に追加する道路および基本デフォルメ地図内で任意に指定された道路を変更主対象として設定する。変更主対象設定部4aにより設定された変更主対象の情報(ノード、リンク、座標およびIDなどの情報)は、変更主対象情報として記憶部1に格納すると共に、変更後領域設定部4b、デフォルメ変更可否設定部5およびデフォルメ変更部7に出力される。
【0056】
変更後領域設定部4bは、変更主対象設定部4aから変更主対象情報が入力されると、変更主対象から除外する対象を除いた対象に関して、変更後のデフォルメ地図上でどの範囲に配置させるかを設定する。変更後領域の設定に関する具体的な動作は、実施の形態1と同様である。具体的には、図15(b)の破線で示した道路のように、基本デフォルメ地図に含まれていない、新規に追加した道路について特に大きな変形を望まない場合は、新規に追加した道路に関して変更後領域を設定しなくてもよい。変更後領域情報は記憶部1に格納すると共に、デフォルメ変更可否設定部5およびデフォルメ変更部7に出力される。
【0057】
デフォルメ変更部7の変更主対象デフォルメ部7cの処理を終えたデフォルメ結果の例を図16に示す。実施の形態1で示した図12のデフォルメ結果と比較して、破線で示した新規な道路が追加された変更デフォルメ地図が得られている。
なお、デフォルメ変更可否設定部5、特徴抽出部6、およびデフォルメ変更部7の動作は実施の形態1と同様である。
【0058】
以上のように、この実施の形態2によれば、変更設定部4が、新規に追加するデータを取得し、道路の接続関係に基づき基本デフォルメ地図内の対応する部分にノードを配置する追加対象配置部4cを備えるように構成したので、既存デフォルメ地図の周辺領域の道路など、既存デフォルメ地図に存在しない道路が新たに必要になった場合に、既存のデフォルメ地図の形状を保持しつつ、新たに必要となった道路を含めたデフォルメ地図を用意に生成することができる。
【0059】
また、この実施の形態2によれば、変更主対象を設定する変更主対象設定部4a、特定の対象について配置したい座標範囲を設定する変更後領域設定部4b、および既存のデフォルメ地図の形状特徴を保持しつつ既存のデフォルメ地図を変更したデフォルメ地図を生成するデフォルメ変更部7を備えるように構成したので、既存のデフォルメ地図を変更する際に、既存のデフォルメ地図とは全く異なる形状特徴や概略形状のデフォルメ地図に変更されることを回避し、既存デフォルメ地図の形状特徴を保持したまま所定の変更対象が所定の範囲を占めるように変更したデフォルメ地図を容易に生成することができる。またこれにより、新しくできた対象(道路など)を既存デフォルメ地図に含めたい場合や、既存のデフォルメ地図の一部分を見やすく変更したい場合にも対応可能となる。
【0060】
また、この実施の形態2によれば、変更主対象の形状を変更させる場合に、変更主対象デフォルメ部7cが変更後の表示範囲、変形基準、および変更主対象の変形に付随して変形させる対象に基づき形状を変形するように構成したので、既存のデフォルメ地図を変更した結果が意図しない結果を招くことを回避し、既存デフォルメ地図に所望の変更を施したデフォルメ地図を容易に生成することができる。
なお、意図しない結果とは、変形させたくない部分が変形してしまう、既存デフォルメ地図内の配置を大きく変えたい部分が変更されないなどである。
【0061】
また、この実施の形態2によれば、変更主対象を設定する変更主対象設定部4a、および変更主対象の形状を変形する変更主対象デフォルメ部7cを備えるように構成したので、変更主対象のデフォルメ形状を別途作成することができる。または変更主対象以外の部分とは別の変形基準に基づき変形することができる。これにより、既存デフォルメ地図に対して変更を施したデフォルメ地図を生成する際に、変更主対象の表示範囲やデフォルメ内容を様々に変化させた複数種類のバリエーションを容易に生成することができる。
【0062】
なお、この実施の形態2では、追加対象配置が道路のリンクIDを定めた定義ファイルに基づき、新規に追加する道路を判別しているが、当該判別はリンクIDに基づく方法に限定されるものではない。座標に基づき新規に追加する道路を取得するように構成してもよい。
【0063】
なお、この実施の形態2では、デフォルメ変更可否設定部5において変更主対象以外のパーツについて変更主対象の変形に伴い、基本デフォルメ地図の形状や配置の変更を許可する対象と許可しない対象とを設定する場合に、変更後領域の重心を用いた検索により、自動で設定する構成を示したが、各リンクの重要度を設定ファイルに記述しておき、記憶部1から当該設定ファイルを読み込んで自動設定するように構成してもよい。また、道路種別や特定の区間などに基づいて許可対象/不可対象を予め設定ファイルに記述したおき、記憶部1から設定ファイルを読み込んで自動設定するように構成してもよい。また、表示部2の画面上に基本デフォルメ地図を表示し、画面上でユーザが変更許可対象と変更不可対象を設定するように構成してもよい。
【0064】
実施の形態3.
図17は、実施の形態3によるデフォルメ地図生成装置の構成を示すブロック図である。
この実施の形態3のデフォルメ地図生成装置10は、実施の形態1において示したデフォルメ地図生成装置10のデフォルメ変更部7の影響対象デフォルメ部7aに、境界抽出部7dおよび領域適応デフォルメ部7eを追加して設けている。以下では、実施の形態1に係るデフォルメ地図生成装置10の構成要素と同一または相当する部分には、実施の形態1で使用した符号と同一の符号を付して説明を省略または簡略化する。
【0065】
デフォルメ変更部7の影響対象デフォルメ部7aは、境界抽出部7d、領域適応デフォルメ部7eおよび特徴保持デフォルメ部7bで構成されている。境界抽出部7dは、変更設定部4の変更後領域設定部4bにおいて設定された変更後領域と変更主対象以外の対象との境界を抽出する。
領域適応デフォルメ部7eは、変更設定部4の変更後領域設定部4bにおいて設定された変更後領域に関与する対象の形状を、変更後領域の形状に基づいて変形する。
特徴保持デフォルメ部7bは、特徴抽出部6が抽出した特徴を保持するように、変更が許可されている形状を変形する。
【0066】
次に、実施の形態3のデフォルメ地図生成装置10の動作について説明する。図18は、実施の形態3によるデフォルメ地図生成装置の動作を示すフローチャートである。以下では、実施の形態1のデフォルメ地図生成装置10と同一のステップには図2で使用した符号と同一の符号を付し、説明を省略または簡略化する。また、実施の形態3の具体的な処理例を図19に示す。さらに記憶部1、表示部2、基本デフォルメ地図生成部3、変更設定部4、デフォルメ変更可否設定部5および特徴抽出部6の処理動作は実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
【0067】
影響対象デフォルメ部7aの境界抽出部7dは、ステップST3において生成された変更主対象情報およびステップST4において生成された変更後領域情報を受け取ると、除外対象を除いた後の変更主対象以外の対象と変更後領域との境界として交点を抽出する(ステップST31)。抽出した交点の座標は記憶部1に格納すると共に、領域適応デフォルメ部7eに出力される。
図19(a)の例では除外対象を除いた後の状態を示しており、変更主対象は実施の形態1と同様の点線で示す部分である。また、変更主対象以外の部分はすべて、デフォルメ変更可否設定部5において変更許可対象として設定されているものとする。R1は変更後領域設定部4bにより設定された変更後領域であり、境界抽出部7dは交点として点p1、p2およびp3を抽出する。
【0068】
領域適応デフォルメ部7eは、ステップST4において生成された変更後領域情報、ST31において生成された変更後領域との交点p1〜p3の座標、およびステップST5において生成された変更可否情報を受け取ると、変更主対象以外の変更許可対象において変更後領域内に存在するエッジを抽出する(ステップST32)。具体的には、図19(b)の例において、破線部分が抽出されたエッジである。
次に、抽出されたエッジの各ノードについて、ノード位置が変更後領域の外側となるように変更後領域の形状に沿った再配置位置を算出する。図19(c)の例では、交点p1、p3の再配置位置がq1、q3となり、図19(b)の破線で示される部分が図19(c)のように変更後領域を避ける位置として算出される。再配置後のエッジ方向は、水平、垂直、斜め45度方向などの予め定めた複数種類の方向となるようにし、周囲の道路と交差せず、もとのトポロジーを保持する位置を算出する。
【0069】
算出した再配置位置は、基本デフォルメ地図データ内の座標を更新せずに、変更デフォルメ地図として記憶部1に格納する。なお、破線部分の形状変形に伴い、破線と交差する変更主対象のノード座標も更新される。
【0070】
特徴保持デフォルメ部7bは、ステップST4において生成された変更後領域情報、ステップST5において生成された変更可否情報、およびステップST6において抽出された形状特徴を受け取ると、変更可否情報において変更許可と設定されたリンクのうち、領域適応デフォルメ部7eにおいてデフォルメされていないリンクについて、特徴抽出部6で抽出された形状特徴を保持しつつ、変更後領域の外側となる範囲でノードの再配置位置を算出し、座標を更新して形状を変形する(ステップST8)。
再配置位置(座標)の算出では、基本デフォルメ地図において交差していた道路が離れたり、離れている道路が交差したりすることがないよう、道路の接続関係を保持した位置として算出する。また、最小ノード間間隔や最大ノード間間隔などの任意のデフォルメパラメータを記憶部1に格納しておき、特徴を保持した再配置位置を算出する際に、デフォルメパラメータを考慮した位置として算出することも可能である。
【0071】
この特徴保持デフォルメ部7bによる変形例を図19(d)に示す。図19(c)と(d)を比較すると、領域適応デフォルメ部7eにおいて変形されたリンク(破線で示すリンク)と、周辺道路とが近接する配置となったため、道路間を広げるように変形している。
【0072】
変更主対象デフォルメ部7cは、変形基準に基づき、ステップST3において生成された変更主対象の形状をステップST4において設定された変更後領域内で変形する(ステップST9)。具体的な動作は実施の形態1と同様である。実施の形態3による変更デフォルメ地図を図19(e)に示す。変形後の変更デフォルメ地図データは記憶部1に格納する。
【0073】
以上のように、この実施の形態3によれば、変更主対象を設定する変更主対象設定部4a、特定の対象について配置したい座標範囲を設定する変更後領域設定部4b、および既存のデフォルメ地図の形状特徴を保持しつつ既存のデフォルメ地図を変更したデフォルメ地図を生成するデフォルメ変更部7を備えるように構成したので、既存のデフォルメ地図を変更する際に、既存のデフォルメ地図とは全く異なる形状特徴や概略形状のデフォルメ地図に変更されることを回避し、既存デフォルメ地図の形状特徴を保持したまま所定の変更対象が所定の範囲を占めるように変更したデフォルメ地図を容易に生成することができる。またこれにより、新しくできた対象(道路など)を既存デフォルメ地図に含めたい場合や、既存のデフォルメ地図の一部分を見やすく変更したい場合にも対応可能となる。
【0074】
また、この実施の形態3によれば、変更主対象の形状を変更させる場合に、変更主対象デフォルメ部7cが変更後の表示範囲、変形基準、および変更主対象の変形に付随して変形させる対象に基づき形状を変形するように構成したので、既存のデフォルメ地図を変更した結果が意図しない結果を招くことを回避し、既存デフォルメ地図に所望の変更を施したデフォルメ地図を容易に生成することができる。
なお、意図しない結果とは、変形させたくない部分が変形してしまう、既存デフォルメ地図内の配置を大きく変えたい部分が変更されないなどである。
【0075】
また、この実施の形態3によれば、変更主対象を設定する変更主対象設定部4a、および変更主対象の形状を変形する変更主対象デフォルメ部7cを備えるように構成したので、変更主対象のデフォルメ形状を別途作成することができる。または変更主対象以外の部分とは別の変形基準に基づき変形することができる。これにより、既存デフォルメ地図に対して変更を施したデフォルメ地図を生成する際に、変更主対象の表示範囲やデフォルメ内容を様々に変化させた複数種類のバリエーションを容易に生成することができる。
【0076】
また、この実施の形態3によれば、変更後領域と変更主対象以外の対象との境界を抽出する境界抽出部7dと、変更後領域に関与する対象の形状を変更後領域の形状に基づいて変形する領域適応デフォルメ部7eとを設けるように構成したので、或る形状となるようにユーザが意図的に部分変更したい場合に、所望の形状の変更後領域を設定することができ、その形状に沿った変形が可能となる。
【0077】
なお、この実施の形態3は既存のデフォルメ地図に存在する道路の表示範囲の変更や、既存のデフォルメ地図に存在しない新たな道路を手動で追加する構成であるが、変更設定部4に実施の形態2の追加対象配置部4cを設けて構成してもよい。具体的な動作は実施の形態2と同様であり、図20にその具体的な処理例を示す。図20は、図15の破線部分を新規に追加する道路とした場合の変更デフォルメ地図を示している。さらに、この構成において、基本デフォルメ地図に比べて表示範囲を変更する必要がない場合には、変更設定部4から変更後領域設定部4bを除いて構成してもよい。
【0078】
また、この実施の形態3は特徴保持デフォルメ部7bによって変更後領域付近から離れた変更許可対象に関しても形状を変形させる構成であるが、特徴抽出部6および特徴保持デフォルメ部7bを設けずに構成し、変更許可対象に関しては領域適応デフォルメ部7eのみを実行し、変更後領域に関与する部分のみを変形させるように構成してもよい。
【0079】
また、上述した実施の形態3の構成の変更設定部4に追加対象配置部4cを追加して設けてもよい。追加対象配置部4cの具体的処理動作は実施の形態2と同様である。
【0080】
実施の形態4.
この実施の形態4では、基本デフォルメ地図内に設定された領域に別途作成済みのデフォルメ形状を挿入し、当該挿入部分の周辺の形状に合せて変形させる構成を示す。
図21は、実施の形態4によるデフォルメ地図生成装置の構成を示すブロック図である。
この実施の形態4のデフォルメ地図生成装置10のデフォルメ変更部7が変更主対象削除部7f、影響対象デフォルメ部7aおよび合成デフォルメ部7gで構成されている。また、実施の形態1のデフォルメ地図生成装置10の特徴抽出部6を有しない構成となっている。以下では、実施の形態1に係るデフォルメ地図生成装置10の構成要素と同一または相当する部分には、実施の形態1で使用した符号と同一の符号を付して説明を省略または簡略化する。
【0081】
デフォルメ変更部7は、変更主対象削除部7f、影響対象デフォルメ部7aおよび合成デフォルメ部7gで構成されており、既存のデフォルメ地図の形状特徴を保持しつつ既存のデフォルメ地図を変更したデフォルメ地図を生成する。
変更主対象削除部7fは、変更主対象設定部4aにより設定された変更主対象データを除いて変更デフォルメ地図のデータを記憶部1に格納する。
影響対象デフォルメ部7aは、デフォルメ変更可否設定部5において既存デフォルメ地図の形状や位置変更が許可されている対象について形状や配置を変更し、変形する。
合成デフォルメ部7gは、変更後領域に配置する別途作成済みのデフォルメ地図を読み込み、変更後領域の座標範囲で、且つ影響対象デフォルメ部7aにおける変更許可対象のデフォルメ形状に合せて変形する。
【0082】
次に、実施の形態4のデフォルメ地図生成装置10の動作について説明する。図22は、実施の形態4によるデフォルメ地図生成装置の動作を示すフローチャートである。以下では、実施の形態1のデフォルメ地図生成装置10と同一のステップには図2で使用した符号と同一の符号を付し、説明を省略または簡略化する。さらに記憶部1、表示部2、基本デフォルメ地図生成部3、変更設定部4、デフォルメ変更可否設定部5の処理動作は実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
【0083】
デフォルメ変更部7は、ステップST3において生成された変更主対象情報が入力されると、変更主対象削除部7fが基本デフォルメ地図から変更主対象のノード座標を除いたデータを変更デフォルメ地図として新規に記憶部1に格納する(ステップST41)。
また、ノード座標の除外に伴い、ノード・リンクのネットワーク構造を再生成して変更デフォルメ地図用のネットワーク構造を新たに生成し、記憶部1に格納する(ステップST42)。変更デフォルメ地図およびその関連データは、影響対象デフォルメ部7aおよび合成デフォルメ部7gに出力される。
【0084】
影響対象デフォルメ部7aは、基本デフォルメ地図に対して変更主対象の表示範囲を変更後領域に変更することに伴い、デフォルメ変更可否設定部5において基本デフォルメ地図の形状や位置の変更が許可されている対象について形状や配置を変更する(ステップST7)。影響対象デフォルメ部7aの構成は実施の形態1または実施の形態3のどちらかの構成とし、具体的な動作も実施の形態1または実施の形態3と同様である。
【0085】
合成デフォルメ部7gは、変更後領域に配置する別途作成済みのデフォルメ形状データを記憶部1から取得し(ステップST43)、またステップST4において生成された変更後領域情報およびステップST7において生成された変更後デフォルメ地図データが入力されると、変更後領域に配置するデフォルメ形状が変更後領域の範囲でない場合は変更後領域の範囲となるように座標変換を行い、影響対象デフォルメ部7aにおける変更許可対象のデフォルメ結果に合わせて変更後領域の境界付近の道路を主として形状を変形する(ステップST44)。
なお、変更後領域に配置する別途作成済みのデフォルメ形状データは、CD−RやUSBなどの記録媒体や外付けHDD、ネットワーク回線などを介して取り込み、記憶部1に格納する。
【0086】
変更後領域に配置するデフォルメ形状の道路は、基本デフォルメ地図における該当部分に含まれる道路の内容と一致していなくてもよい。すなわち、基本デフォルメ地図では国道および都道府県道が示されている場合に、変更後領域に配置するデフォルメ形状では、国道および都道府県道の他に一般道を加えたものとしてもよい。また、基本デフォルメ地図の該当部分には含まれていない道路を新たに加えたデフォルメ形状でもよい。デフォルメ形状は、市販の地図データから作成したものに限らず、手作業で作成したデータでもよい。また、道路方向は45度の整数倍など、特定角度の整数倍の方向に量子化されていなくてもよい。
【0087】
変更後領域に別のデフォルメ形状を埋め込み、影響対象デフォルメ部7aにおける変更許可対象のデフォルメ結果に合わせて形状調整を行う具体例を図23に示す。
図23(a)は、変更後領域に配置する、別途作成しておいたデフォルメ形状の例を示している。予め作成しておくデフォルメ形状は、変更後領域の座標範囲や縦横比に合わせて生成しておくことが可能であるが、任意の座標範囲や縦横比で生成しておいてもよい。
図23(b)は、影響対象デフォルメ部7aによる処理が施された変更デフォルメ地図を示している。
【0088】
合成デフォルメ部7gは、図23(a)に示すデフォルメ形状に関して、変更後領域情報に基づき、変更後領域の範囲となるように座標変換を行うとともに、変更後領域の境界部分(図23(a)のノードaからノードh)について、それらのノード・リンク情報に基づき図23(b)の変更デフォルメ地図の形状に合わせて配置位置を算出する。境界部分の配置位置によって図23(a)に示す量子化済みの道路方向がくずれる場合には、変更後領域内の道路について再度方向量子化を行う。
図23(c)は、このようにして別途作成しておいた部分的なデフォルメ形状(図23(a))を、既存形状を尊重するデフォルメ地図(図23(b))内の所定の部分に配置し、形状を調整した結果を示している。
【0089】
以上のように、この実施の形態4によれば、デフォルメ変更部7が、変更主対象データを除いた変更デフォルメ地図データを記憶させる変更主対象削除部7f、既存デフォルメ地図の形状や位置変更が許可されている対象について形状や配置を変更して変形する影響対象デフォルメ部7a、および変更後領域に配置する別途作成済みのデフォルメ地図を読み込んで合成する合成デフォルメ部7gを備えるように構成したので、既存のデフォルメ地図の形状特徴を保持したまま、指定した部分に余白を生成することが可能となり、使い慣れたデフォルメ地図上に関連情報を重畳表示する場合に、重要度の低い部分に生成した余白領域に関連情報を表示させて重量部分が隠れることを回避することができる。
【0090】
また、この実施の形態4によれば、変更主対象を設定する変更主対象設定部4a、特定の対象について配置したい座標範囲を設定する変更後領域設定部4b、および既存のデフォルメ地図の形状特徴を保持しつつ既存のデフォルメ地図を変更したデフォルメ地図を生成するデフォルメ変更部7を備えるように構成したので、既存のデフォルメ地図を変更する際に、既存のデフォルメ地図とは全く異なる形状特徴や概略形状のデフォルメ地図に変更されることを回避し、既存デフォルメ地図の形状特徴を保持したまま所定の変更対象が所定の範囲を占めるように変更したデフォルメ地図を容易に生成することができる。またこれにより、新しくできた対象(道路など)を既存デフォルメ地図に含めたい場合や、既存のデフォルメ地図の一部分を見やすく変更したい場合にも対応可能となる。
【0091】
なお、この実施の形態4では、変更後領域に配置するデフォルメ地図を別途作成しておき、記憶部1に取り込んで利用する構成を示したが、基本デフォルメ地図生成部3にて、基本デフォルメ地図とは別に変更後領域の範囲のデフォルメ形状を作成して記憶部1に格納し、これを利用してもよい。
【0092】
また、この実施の形態4は、変更後領域に別途作成しておいたデフォルメ地図を配置する構成を示したが、変更後領域に別のデフォルメ地図を配置せずに変更後領域の範囲に余白を作ったデフォルメ地図に変更することとして、図23(b)の状態を最終的な変更デフォルメ地図の結果としてもよい。この場合のデフォルメ地図変更装置の構成は、図4のデフォルメ変更部7において合成デフォルメ部7gを除いた構成となる。
更に、図4に示す変更設定部4を図2に示す変更設定部4の構成に変え、追加対象配置部4cを含めても良い。追加対象配置部4cの具体的な動作は、実施の形態2に示す内容と同様である。
【符号の説明】
【0093】
1 記憶部、2 表示部、3 基本デフォルメ地図生成部、4 変更設定部、4a 変更主対象設定部、4b 変更後領域設定部、4c 追加対象配置部、5 デフォルメ変更可否設定部、6 特徴抽出部、7 デフォルメ変更部、7a 影響対象デフォルメ部、7b 特徴保持デフォルメ部、7c 変更主対象デフォルメ部、7d 境界抽出部、7e 領域適応デフォルメ部、7f 変更主対象削除部、7g 合成デフォルメ部、10 デフォルメ地図生成装置。
【技術分野】
【0001】
本発明は、デフォルメ地図(簡易地図)を作成する装置及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カーナビや歩行者ナビにおいて、視認性を向上させることを目的としたデフォルメ地図生成技術が開示されている。特許文献1では、道路の直線化や方向量子化に基づきデフォルメする方法が開示されている。特許文献2では、所定の地点から目的地までの主経路を経路区分に分割し、各経路区分の形状を、単純図形を表すテンプレートと比較して経路区分を近似する単純図形を決定し、その近似図形に基づいて経路区分を変形させる方法が開示されている。また、特許文献3では、略地図上に交通情報等の付加的な情報を重畳表示する交通情報表示装置に関して、交通情報等の付加的な情報を重畳表示した場合でも視認性を低下させることなく情報提示を行う交通情報表示装置が開示されている。特に、交通情報表示用の略地図パラメータ、経路案内情報表示用の略地図パラメータ等、重畳する付加情報の種類に応じてパラメータを可変に設定し、パラメータに基づいて付加情報に適応した略地図を作成することを特徴としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−202762号公報
【特許文献2】特開2006−171584号公報
【特許文献3】特開平9−264748号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のように、デフォルメ地図を生成する技術は多く提案されている。しかし、特許文献1から特許文献3のいずれの提案においても主にデフォルメ地図を新規に生成する技術に関するものであり、既に生成されたデフォルメ地図の一部分を変更して再利用する用途は想定していない。なお特許文献2の提案では、デフォルメパラメータの変更によりデフォルメの程度を変えたデフォルメ地図を生成することはできるが、一度生成したデフォルメ地図の形状特徴を保持しつつ、部分的な変更を施したデフォルメ地図に変更することはできない。
しかし、同じデフォルメ地図を継続的に使用するシステムにおいて、使い慣れたデフォルメ地図の様子(形状特徴)を大きく変えずに、変更したい内容(新たに必要な道路を追加する、不要な道路を除く、特定部分の占める範囲や特定部分のデフォルメ形状をユーザ要求に応じて変更するなど)に応じて変更を施したデフォルメ地図を容易に生成したいという要求がある。
特許文献1から特許文献3に示す従来手法を用いて、既存のデフォルメ地図の特徴を特に考慮せずにデフォルメ地図を生成し直した場合は、変更内容の影響により、既存のデフォルメ地図において変更したくない部分の形状や配置が大きく変わる可能性があり、使い慣れたデフォルメ地図の様子(特徴)を保持しつつ、必要な変更を施したデフォルメ地図を生成することが困難であるという課題があった。
【0005】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、既存のデフォルメ地図に対して新規に道路を追加する、あるいは特定部分を視認し易く形状変更するなどの変更を施したデフォルメ地図を生成する場合に、変更結果が意図しない結果となる(変形を望まない部分が変形する、既存デフォルメ地図内で配置を大きく変えたい部分が変わらないなど)こと、および既存のデフォルメ地図の様子(形状特徴)が大きく変わってしまうことを回避できるデフォルメ地図生成装置および方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るデフォルメ地図生成装置は、デフォルメ対象データ、既存および新規デフォルメ地図、および変形に関するパラメータを記憶する記憶部と、既存のデフォルメ地図に対して主に変更を施す対象である変更主対象を設定し、変更主対象および特定の対象の配置範囲を設定する変更設定部と、既存のデフォルメ地図の形状特徴を抽出する特徴抽出部と、形状特徴を保持すると共に、変更主対象および変更主対象の配置範囲に基づき既存のデフォルメ地図を変更して新規デフォルメ地図を生成するデフォルメ変更部とを備えるように構成したものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、既存のデフォルメ地図に対して主に変更を施す対象である変更主対象を設定し、変更主対象および特定の対象の配置範囲を設定する変更設定部と、既存のデフォルメ地図の形状特徴を抽出する特徴抽出部と、形状特徴を保持すると共に、変更主対象および変更主対象の配置範囲に基づき既存のデフォルメ地図を変更して新規デフォルメ地図を生成するデフォルメ変更部とを備えるように構成したので、既存デフォルメ地図の形状特徴を保持しつつ、主として変更したい対象や変更したい対象がどの範囲となるように変形させるかを任意に制御することができる。また、主として変更したい対象の変形に伴う影響範囲、つまり既存デフォルメ地図と比べて形状や配置領域が変更する範囲を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施の形態1によるデフォルメ地図生成装置の構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1によるデフォルメ地図生成装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】道路ネットワークデータを示す説明図である。
【図4】実施の形態1による基本デフォルメ地図の生成例を示す図である。
【図5】実施の形態1による変更主対象の手動設定の一例を示す説明図である。
【図6】実施の形態1による変更後領域の手動設定の一例を示す説明図である。
【図7】実施の形態1によるデフォルメ可否設定部の動作を示すフローチャートである。
【図8】実施の形態1によるデフォルメ可否設定部の処理例を示す説明図である。
【図9】実施の形態1による特徴抽出部の処理例を示す説明図である。
【図10】実施の形態1による特徴保持デフォルメ部の処理例を示す説明図である。
【図11】実施の形態1による変更主対象デフォルメ部の処理例を示す説明図である。
【図12】実施の形態1による変更主対象デフォルメ部の他の処理例を示す説明図である。
【図13】実施の形態2によるデフォルメ地図生成装置の構成を示すブロック図である。
【図14】実施の形態2によるデフォルメ地図生成装置の動作を示すフローチャートである。
【図15】実施の形態2による追加対象配置部の処理例を示す説明図である。
【図16】実施の形態2による変更デフォルメ地図を示す図である。
【図17】実施の形態3によるデフォルメ地図生成装置の構成を示すブロック図である。
【図18】実施の形態3によるデフォルメ地図生成装置の動作を示すフローチャートである。
【図19】実施の形態3によるデフォルメ変更部の処理例を示す説明図である。
【図20】実施の形態3の他の処理例を示す説明図である。
【図21】実施の形態4によるデフォルメ地図生成装置の構成を示すブロック図である。
【図22】実施の形態4によるデフォルメ地図生成装置の動作を示すフローチャートである。
【図23】実施の形態4によるデフォルメ変更部の処理例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1によるデフォルメ地図生成装置の構成を示すブロック図である。
デフォルメ地図生成装置10は、記憶部1、表示部2、基本デフォルメ地図生成部3、変更設定部4、デフォルメ変更可否設定部5、特徴抽出部6およびデフォルメ変更部7で構成されている。
記憶部1は、デフォルメ対象のデータ(座標や、ノード・リンクから成るネットワーク構造のデータなど。以下、対象データと表記する)や、変形途中・デフォルメ結果のデータ、定義データ、中間データなどを記憶する。
表示部2は、デフォルメ対象のデータやデフォルメ結果などを表示する。
基本デフォルメ地図生成部3は、指定した部分の対象データの形状を変形して、基本となるデフォルメ地図(以下、基本デフォルメ地図と表記する)を生成する。
【0010】
変更設定部4は、変更主対象設定部4aおよび変更後領域設定部4bを備え、既存のデフォルメ地図に対して、大きな部分変更を行う対象や部分変更を施した対象を配置する範囲を設定する。変更主対象設定部4aは、既存のデフォルメ地図において形状や配置範囲を部分的に大きく変更する対象(以下、主対象と表記する)を指定する。変更後領域設定部4bは、特定の対象について配置したい座標範囲を設定する。
デフォルメ変更可否設定部5は、変更主対象以外について、変更主対象の変形の影響を受けて既存デフォルメ地図の形状や配置の変更を許可する対象と許可しない対象とを設定する。
特徴抽出部6は、既存のデフォルメ地図から形状特徴を抽出する。
【0011】
デフォルメ変更部7は、影響対象デフォルメ部7aおよび変更主対象デフォルメ部7cを備え、既存のデフォルメ地図の形状特徴を保持しつつ既存のデフォルメ地図を変更したデフォルメ地図を生成する。
影響対象デフォルメ部7aは、デフォルメ変更可否設定部5で既存デフォルメ地図の形状や位置変更が許可されている対象について形状や配置を変更し、変形する。影響対象デフォルメ部7aの特徴保持デフォルメ部7bは、特徴抽出部6が抽出した特徴を保持するように、変更が許可されている形状を変形する。変更主対象デフォルメ部7cは、変更主対象設定部4aにおいて設定された変更対象の形状を変形する。
【0012】
次に、デフォルメ地図生成装置10の動作について、図2のフローチャートに沿って説明する。図2は、この実施の形態1のデフォルメ地図生成装置の動作を示すフローチャートである。なお、対象データが道路である場合を例に説明を行う。
記憶部1は、対象データとして道路を構成する点(以下、補間点と称する)の座標や道路の接続関係である道路ネットワークデータなどの道路データを記憶する(ステップST1)。
【0013】
ここで、道路ネットワークデータについて図3を用いて説明を行う。図3に示すように、ノードは道路を構成する補間点(地点)である。エッジは、2つのノードを両端とする線分である。交差点ノードは、道路が交差している地点であり、交差点ノードから別の交差点ノードまでの一連のエッジ列をリンクと呼ぶ。道路ネットワークデータは、リンクを構成するノードの情報(座標、IDなど)やリンクを構成するエッジの接続関係、交差点ノードの情報(座標、IDなど)、交差点ノードに接続するリンクの情報(IDなど)などの情報を有している。
【0014】
道路ネットワークデータや道路を構成する補間点の座標データは、例えば市販の地図データに格納されており、これを使用することが出来る。また、市販の地図データを直接使用しなくとも、補間点やノード・リンクのネットワーク構造を手作業などにより作成し、記憶部1に格納して使用しても良い。また、多数の補間点を含む市販の地図データを直接使用せずに、道路を構成する補間点の間引きを行い、形状を簡略化した後の座標列やネットワークデータを対象データとして使用しても良い。また、補間点の間引きに限らず、市販の地図データに対して座標変換や座標編集を行った結果を対象データとして使用しても良い。
【0015】
基本デフォルメ地図生成部3は、ステップST1において記憶部1に格納された対象データの形状を変形して、基本となるデフォルメ地図を生成する(ステップST2)。生成した基本デフォルメ地図の地図情報(座標およびノード・リンクのネットワークデータ)は、記憶部1に格納すると共に、変更設定部4、デフォルメ変更可否設定部5、特徴抽出部6およびデフォルメ変更部7に出力される。
【0016】
基本デフォルメ地図生成部3の具体的動作について説明する。基本デフォルメ地図生成部3は、地図データの所定のメッシュ範囲の全道路に関するデフォルメ地図や、地図データの所定のメッシュ範囲内の指定した道路のみのデフォルメ地図を生成する。具体的なデフォルメ方法としては、例えば、以下の変形基準を使用する。
a.簡略化度合
b.エッジの量子化方向、基本形状
c.最小・最大ノード間間隔
【0017】
簡略化度合は、市販の道路ネットワークデータに含まれる多数の補間点を削減して道路形状を簡略化する際の度合いである。簡略化度合を大きくするほど補間点が削減され、簡略化前の道路形状に比べて粗い形状となる。手作業で生成したデータなど、既に不要な補間点が削減されたデータをデフォルメ対象として使用する場合は、本パラメータは不要である。エッジの量子化方向では、道路を見やすくするために、道路の方向を複数種類の方向に限定する際にどの方向に限定するかを定める。45度や30度など、予め定めた度数の整数倍の方向に量子化する。また、直線以外の基本形状として、円や楕円などの曲線形状を定めてもよい。最小・最大ノード間間隔は、配置可能とするノード間間隔の最小値及び最大値である。
なお、変形基準は上記a〜cに限るものではなく、他の基準を使用しても良い。また、いくつかの特定のエッジを他のエッジよりも重要視する場合など、設定値の値を個別に変えても良い。変形基準は記憶部1に格納しておく。
【0018】
図4に基本デフォルメ地図の生成例を示す。図4(a)は対象データである道路を示し、図4(b)は(a)に基づき生成した基本デフォルメ地図を示している。
図4(b)に示す例では、道路方向が45度の整数倍の方向に量子化されているが、道路方向の量子化を行わない変形でもよい。また、基本デフォルメ地図の縦横比や座標範囲に制限が必要な場合は、これに基づいてノードを再配置する。
【0019】
変更設定部4は、ステップST2において生成された基本デフォルメ地図の地図情報を受け取ると、変更主対象設定部4aが当該基本デフォルメ地図に対して大きく変更する対象を設定し(ステップST3)、変更後領域設定部4bが変更する対象を変更後のデフォルメ地図上に配置する領域を設定する(ステップST4)。
ステップST3において設定された変更主対象の情報(ノード、リンク、座標およびIDなどの情報)は、変更主対象情報として記憶部1に格納すると共に、変更後領域設定部4b、デフォルメ変更可否設定部5およびデフォルメ変更部7に出力される。また、ステップST4において設定された変更後領域情報は、記憶部1に格納すると共にデフォルメ変更可否設定部5およびデフォルメ変更部7に出力される。
【0020】
まず、ステップST3の変更主対象設定部4aの詳細な動作について説明する。なおこの説明では、基本デフォルメ地図の変更に際して、ユーザが主として変更したい対象と、主として変更したい対象の変形に伴って付随的に変形する対象とを区別し、前者の直接的な変更対象を「変更主対象」と称する。変更主対象の設定は、自動または手動で行う。
【0021】
まず、自動で変更主対象の設定を行う方法について説明する。
例えば、基本デフォルメ地図においてノードが密集している領域を変更対象としたい場合は、基本デフォルメ地図を複数のメッシュに分割し、各メッシュ内に含まれるノード数を算出することでノード密集度合いを評価する。具体的には、ノード数が一定値以上であるメッシュを抽出し、抽出されたメッシュに隣接するメッシュのノード数が一定値以上の場合はそのメッシュもノード密集度合いが高いとみなして併合し、更に隣接メッシュを取得して同様の処理を繰り返す。このようにして抽出メッシュ及び隣接メッシュを併合した結果のメッシュ内を通過するリンクを取得し、取得した全リンクに外接する矩形内に存在するエッジを変更主対象とする。
【0022】
次に、手動で変更主対象の設定を行う方法について説明する。
表示部2により、基本デフォルメ地図を画面に表示し、表示された基本デフォルメ地図上で形状などを変更したい範囲をマウスで指定する。基本デフォルメ地図上にない新たな道路を変更後のデフォルメ地図に含めたい場合は、基本デフォルメ地図との道路接続関係が正しい位置となるように基本デフォルメ地図上で道路線を追加し、マウスで指定する。また、基本デフォルメ地図から除外したい道路は、その道路を除外対象としてマウスで指定する。
図5に手動で変更主対象を設定する例を示す。図5において、一点鎖線で示される道路は基本デフォルメ地図から除外したい対象として指定された道路であり、破線の道路は形状を変更したい対象として指定された道路である。一点鎖線および破線の道路の両方が変更主対象となる。
【0023】
次に、ステップST4の変更後領域設定部4bの詳細な動作について説明する。変更主対象について、変更後にどの座標範囲に配置するかを自動あるいは手動で設定する。
まず、自動で変更後領域の設定を行う方法について説明する。
例えば変更後領域を矩形とする場合は、除外対象を除いた後の変更主対象のうち、付近にあるもの同士を同じ変更後領域内に配置させるものとみなしてグルーピングし、各グループ内の変更主対象を内包する矩形の重心及び変更後領域(矩形)の縦幅・横幅を定め、グループ内の変更主対象と関連付けて変更後領域情報とする。
【0024】
手動で変更後領域の設定を行う方法では、表示部2により、基本デフォルメ地図を画面に表示し、画面上でユーザが変更主対象を配置したい領域を指定する。
図6に手動で変更後領域を設定する例を示す。図6において、矩形ABCDは、変更主対象を配置したい領域としてユーザが指定した領域である。矩形ABCD、つまり指定した領域の座標を取得し、領域内の変更対象と関連付けて変更後領域情報とする。なお、変更後領域は矩形や円に限らず、任意の形状で設定可能である。また、基本デフォルメ地図内において複数設定すること、円と矩形など異なる形状の変更後領域を混在して設定することも可能である。また、自動で変更後領域を設定した後、変更主対象のグルーピング結果や変更後領域を手動で修正し、変更後領域情報を修正することも可能である。
【0025】
デフォルメ変更可否設定部5は、ステップST3において生成された変更主対象情報およびステップST4において生成された変更後領域情報を受け取ると、変更主対象以外のリンクやエッジに関して変更主対象の変形に伴って付随的に形状や配置の変更を許可する対象とするか、許可しない対象とするかを設定する(ステップST5)。設定された変更許可対象および変更不可対象の情報(ノード、リンク、座標およびIDなどの情報)は、変更可否情報として記憶部1に格納すると共に、特徴抽出部6、デフォルメ変更部7に出力される。
【0026】
図5で示した変更主対象を例に、許可する対象または許可しない対象に設定する具体的な処理動作について図7および図8を用いて説明する。図7は、実施の形態1のデフォルメ地図生成装置のデフォルメ変更可否設定部の動作を示すフローチャートであり、動作は大きく5ステップに分かれる。図8は、デフォルメ変更可否判定部の処理例を示す説明図である。
まず、変更主対象に除外するパーツが含まれる場合は、当該除外するパーツを除く(ステップST11)。次に、変更後領域設定部4bにおいて設定した領域(矩形ABCD)の重心を中心Pとし、矩形ABCDに外接する円の半径Rminを算出する。Rmin以上の半径で点Pを中心とする円を設定し、円に含まれる、あるいは交差するリンクのうち、変更主対象でないリンクとして、以下のリンクを変更許可対象とする(ステップST12)。
・ノードo1およびノードo2を両端とするリンク
・ノードo2およびノードo3を両端とするリンク
・ノードo3およびノードo4を両端とするリンク
・ノードo2およびノードo5を両端とするリンク
・ノードo5およびノードo6を両端とするリンク
・ノードo6およびノードo7を両端とするリンク
・ノードo7およびノードo8を両端とするリンク
・楕円形状のリンクL1
【0027】
ステップST12において変更許可対象とされたリンクの端点が、まだ変更許可対象とされていない別のリンクに接続している場合は、その接続リンクも変更許可対象とする(ステップST13)。
具体例として、図8(b)において、o1及びo11を両端とするリンクは変更許可対象とされたo1及びo2を両端とするリンクに接続するリンクであるため変更許可対象となる。同様にして、o1に接続するリンクに関しては、o1及びo9を両端とするリンクと、o1及びo13を両端とするリンクも変更許可対象となる。図8(b)に四角で示したノード(o9〜o13)は、このステップST13により取得されたリンクに関するノードを示している。
【0028】
ステップST12およびステップST13において取得した変更許可対象のリンク内のデータを包含する矩形範囲に変更許可設定がされていないリンクがある場合は取得し、変更許可対象とする(ステップST14)。次に、上述したステップST11からステップST14において取得された変更許可対象以外のリンクを変更不可対象とする(ステップST15)。
【0029】
なお、ステップST12において、用いる円の半径を変更することにより変更許可対象として取得する範囲を変更することも可能である。また、範囲探索時に使用する図形は円に限らず、矩形などを用いてもよい。また、図8(a)および(b)では、見やすくするために、説明に関与する一部のノードのみを図中に明示的に示した。
【0030】
特徴抽出部6は、ステップST2において生成された基本デフォルメ地図の地図情報、およびステップST5において生成された変更可否情報を受け取ると、変更許可対象として設定されたリンクについて、基本デフォルメ地図の形状の特徴を抽出する(ステップST6)。抽出された形状特徴は、記憶部1に格納すると共に、デフォルメ変更部7に出力される。
形状特徴は、他の道路と接続しない閉じたリンクの場合と、他の道路と接続するリンクとで抽出内容を変える。具体的には、図8(b)に示したリンクL1のように他の道路と接続しない閉じたリンクの場合には、まず楕円や円、ひし形などの基本的な図形に近いかどうかを評価する。近い基本図形がある場合は、その基本図形を形状特徴とする。図8(b)のリンクL1の場合は、楕円が形状特徴となる。図9に示す例のように近い基本図形がない場合は、リンクに外接する矩形の縦横比や、リンクを構成するエッジの長さ、付近のエッジ間の距離(図9のd1〜d5など)を形状特徴として抽出する。一方、他の道路と接続するリンクの場合は、リンクを構成する各エッジについて水平方向とのなす角度を形状特徴として抽出する。
【0031】
デフォルメ変更部7は、基本デフォルメ地図の特徴を保持しつつ基本デフォルメ地図を変更したデフォルメ地図を生成する。
具体的には影響対象デフォルメ部7aは、基本デフォルメ地図に対して変更主対象の表示範囲を変更後領域に変更することに伴い、デフォルメ変更可否設定部5にて基本デフォルメ地図の形状などの変更が許可されている対象について形状を変形する(ステップST7)。
また特徴保持デフォルメ部7bは、ステップST4において生成された変更後領域情報、ステップST5において生成された変更可否情報、およびステップST6において抽出された形状特徴を受け取ると、変更可否情報において変更許可対象のリンクを構成するノードに関して、形状特徴を保持しつつ、変更後領域の外側となる範囲でノードの再配置位置を算出し、座標を更新して形状を変形する(ステップST8)。影響対象デフォルメ部7aにおける変更後のデフォルメ地図は、基本デフォルメ地図とは異なる変更デフォルメ地図データとして記憶部1に格納する。また算出した再配置位置は、基本デフォルメ地図データ内で座標を更新せずに、変更デフォルメ地図データに反映させる。
【0032】
具体的には、図10に示すように、変更許可対象として設定されたリンクについて、閉じたリンクのL1は形状特徴(情報)である楕円形状を保持し、その他のリンクは、リンクを構成する各エッジが図4(b)の基本デフォルメ地図と同じエッジ方向とし、且つ、ノードの位置が図6に示す変更後領域(矩形ABCD)の外となるように各ノードの再配置位置を算出する。この結果、リンクL1、ノードo1、o2、o3、o6、o7、o11の再配置位置として、各々リンクM1、ノードn1、n2、n3、n6、n7、n11の位置が算出される。
【0033】
再配置位置の算出では、基本デフォルメ地図において交差していた道路が離れたり、離れている道路が交差したりすることがないよう、道路の接続関係を保持した位置として算出する。また、最小ノード間間隔や最大ノード間間隔などの任意のデフォルメパラメータを記憶部1に格納しておき、特徴を保持した再配置位置を算出する際に、デフォルメパラメータを考慮した位置として算出することも可能である。
【0034】
変更主対象デフォルメ部7cは、ステップST3において生成された変更主対象情報、ステップST4において生成された変更後領域情報を受け取ると、変更主対象のノードの再配置位置を算出し、座標を更新して変更後領域内で変形する(ステップST9)。その後変形主対象の再配置後の座標に基づき、変更デフォルメ地図内の該当部分の座標を更新し、記憶部1に格納する。特徴保持デフォルメ部7bの場合と同様に、基本デフォルメ地図の座標は更新しない。変形方法としては、基本デフォルメ地図生成部3に示した変形基準を使用することができる。変形基準は前述の内容に限らず、その他の基準に基づいて変形させてもよい。変形基準は記憶部1に格納しておく。
【0035】
図11は、変更主対象デフォルメ部による変更主対象の変形例を示す説明図である。
図11(a)は、エッジ方向を水平、垂直、斜め45度方向に限定し、特定エッジに対する最小ノード間間隔として、基本デフォルメ地図生成部3において使用した値よりも大きな値とした変形基準に基づき変形した例を示している。
図10において示した中央の2本の水平エッジが、重要性の高いエッジとして変形基準の設定ファイル内に変形基準とともに記載されている。その場合図11(a)に示すように、指定された特定エッジのノード間間隔が図10の場合に比べて広がり、n9、n10、n11、n12の位置にノードが再配置される。
図11(b)は、図11(a)の変形基準に、更に基本デフォルメ地図生成部3で使用された値よりも小さな簡略化度合の値が設定された場合の変形例を示している。
【0036】
また、図11(a)および(b)は、変更主対象以外で位置が変更したノードが、変更後領域の周辺となっている例を示しているが、デフォルメ変更可否設定部5において変更許可対象を設定する際の探索範囲に応じて再変形される範囲を変えることができる。図12は、図11(a)および(b)に比べて変更許可対象の取得範囲を広くした場合の変形例を示している。基本デフォルメ地図の形状特徴(楕円、エッジ方向)を保持しつつ、変更後領域の周辺が基本デフォルメ地図と同様の道路間隔のデフォルメ地図に変更している。
【0037】
なお、再配置位置の算出では、特徴保持デフォルメ部7bと同様に、道路の接続関係を保持した位置として算出する。また、図11(a)、(b)および図12では道路方向が45度の整数倍の方向に量子化されている例を示しているが、道路方向の量子化を行わない変形であってもよい。また、図11(a)、(b)および図12は、変更後領域設定部4bにおいて変更後領域が基本デフォルメ地図の座標範囲内に設定された場合の変形例を示しているが、変更後領域を基本デフォルメ地図の座標範囲外を含む場合には、その変更後領域に合わせたノードの再配置が行われる。また、最終的な変更デフォルメ地図に関して縦横比や座標範囲に制約がある場合は、この縦横比及び座標範囲となるように、図11(a)、(b)および図12の変形結果について座標変換を行う。
【0038】
以上のように、この実施の形態1によれば、変更主対象を設定する変更主対象設定部4a、特定の対象について配置したい座標範囲を設定する変更後領域設定部4b、および既存のデフォルメ地図の形状特徴を保持しつつ既存のデフォルメ地図を変更したデフォルメ地図を生成するデフォルメ変更部7を備えるように構成したので、既存のデフォルメ地図を変更する際に、既存のデフォルメ地図とは全く異なる形状特徴や概略形状のデフォルメ地図に変更されることを回避し、既存デフォルメ地図の形状特徴を保持したまま所定の変更対象が所定の範囲を占めるように変更したデフォルメ地図を容易に生成することができる。またこれにより、新しくできた対象(道路など)を既存デフォルメ地図に含めたい場合や、既存のデフォルメ地図の一部分を見やすく変更したい場合にも対応可能となる。
【0039】
また、この実施の形態1によれば、変更主対象の形状を変更させる場合に、変更主対象デフォルメ部7cが変更後の表示範囲、変形基準、および変更主対象の変形に付随して変形させる対象に基づき形状を変形するように構成したので、既存のデフォルメ地図を変更した結果が意図しない結果を招くことを回避し、既存デフォルメ地図に所望の変更を施したデフォルメ地図を容易に生成することができる。
なお、意図しない結果とは、変形させたくない部分が変形してしまう、既存デフォルメ地図内の配置を大きく変えたい部分が変更されないなどである。
【0040】
また、この実施の形態1によれば、変更主対象を設定する変更主対象設定部4a、および変更主対象の形状を変形する変更主対象デフォルメ部7cを備えるように構成したので、変更主対象のデフォルメ形状を別途作成することができる。または変更主対象以外の部分とは別の変形基準に基づき変形することができる。これにより、既存デフォルメ地図に対して変更を施したデフォルメ地図を生成する際に、変更主対象の表示範囲やデフォルメ内容を様々に変化させた複数種類のバリエーションを容易に生成することができる。
【0041】
なお、この実施の形態1では、デフォルメ変更可否設定部5において変更主対象以外のパーツについて変更主対象の変形に伴い、基本デフォルメ地図の形状や配置の変更を許可する対象と許可しない対象とを設定する場合に、変更後領域の重心を用いた検索により、自動で設定する構成を示したが、各リンクの重要度を設定ファイルに記述しておき、記憶部1から当該設定ファイルを読み込んで自動設定するように構成してもよい。また、道路種別や特定の区間などに基づいて許可対象/不可対象を予め設定ファイルに記述したおき、記憶部1から設定ファイルを読み込んで自動設定するように構成してもよい。また、表示部2の画面上に基本デフォルメ地図を表示し、画面上でユーザが変更許可対象と変更不可対象を設定するように構成してもよい。
【0042】
また、この実施の形態1では、基本デフォルメ地図生成部3において初版の基本デフォルメ地図を自動生成する構成を示したが、この基本デフォルメ地図生成部3を設けず、CADや手作業などで基本デフォルメ地図を作成し、ノード・リンクのネットワーク構造や座標などを記憶部1に格納するように構成してもよい。以下の実施の形態2から実施の形態4においても同様である。
【0043】
また、この実施の形態1では、デフォルメ変更可否設定部5において、変更主対象以外について変形を許可する対象と許可しない対象を設定する構成を示したが、このデフォルメ変更可否設定部5を設けず、変更主対象以外をすべて変更許可対象とみなすように構成してもよい。この場合、特徴抽出部6では変更主対象以外のすべての対象について形状の特徴を算出する。以下の実施の形態2から実施の形態4においても同様である。
【0044】
また、この実施の形態1では、表示部2を備え、変更設定部4により変更主対象や変更後領域を設定する場合、デフォルメ変更可否判定部において変更を許可する対象や変更を許可しない対象を設定する場合に画面上で手動設定できる構成を示したが、変更対象、変更後領域および変更可否情報を自動で設定する場合にはこの表示部2を備えずに構成してもよい。以下の実施の形態2から実施の形態4においても同様である。
【0045】
また、この実施の形態1では、基本デフォルメ地図内の特定の対象について、変更後領域設定部4bにて変更後の表示範囲(配置範囲)を設定する構成を示したが、基本デフォルメ地図内の特定の対象について表示範囲を変更する必要がない場合は、変更後領域設定部4bを設けずに構成してもよい。
【0046】
また、この実施の形態1では、基本デフォルメ地図に比べて表示範囲を変更したい対象を含む構成を示したが、表示範囲を変更したい対象がなく、新しい道路を基本デフォルメ地図に加え、基本デフォルメ形状の特徴を保持しつつ新しい道路を含めたデフォルメ地図に変更したい場合には、変更後領域設定部4bを設けずに構成してもよい。以下の実施の形態2から実施の形態4においても同様である。
【0047】
なお、この実施の形態1では、デフォルメ対象のデータを道路として説明したが、デフォルメ対象は道路データに限定されるものではなく適宜変更可能である。以下の実施の形態2から実施の形態4においても同様である。
【0048】
実施の形態2.
図13は、実施の形態2によるデフォルメ地図生成装置の構成を示すブロック図である。
この実施の形態2のデフォルメ地図生成装置10は、実施の形態1において示したデフォルメ地図生成装置10の変更設定部4に追加対象配置部4cを追加して設けている。以下では、実施の形態1によるデフォルメ地図生成装置10の構成要素と同一または相当する部分には、実施の形態1で使用した符号と同一の符号を付して説明を省略または簡略化する。
【0049】
デフォルメ地図生成装置10の変更設定部4は、追加対象配置部4c、変更主対象設定部4aおよび変更後領域設定部4bで構成されている。追加対象配置部4cは、既存のデフォルメ地図にない、新規に追加するデータ(座標やノード・リンクのネットワークなど)を取得し、道路の接続関係に基づき基本デフォルメ地図内の対応する位置を算出してノードを配置する。変更主対象設定部4aおよび変更後領域設定部4bの構成は実施の形態1と同様である。
【0050】
次に、実施の形態2のデフォルメ地図生成装置10の動作について説明する。図14は、実施の形態2によるデフォルメ地図生成装置10の動作を示すフローチャートである。以下では、実施の形態1によるデフォルメ地図生成装置10と同一のステップには図2で使用した符号と同一の符号を付し、説明を省略または簡略化する。さらに記憶部1、表示部2および基本デフォルメ地図生成部3の処理動作は実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
【0051】
変更設定部4は、ステップST2において生成された基本デフォルメ地図の地図情報を受け取ると、追加対象配置部4cが当該基本デフォルメ地図に新規な情報を追加する(ステップST21)。さらに、変更主対象設定部4aが当該基本デフォルメ地図に対して大きく変更する対象を設定し(ステップST3)、変更後領域設定部4bが変更する対象を変更後のデフォルメ地図上に配置する領域を設定する(ステップST4)。
【0052】
ステップST21、ST3およびST4の処理についてさらに詳細に説明する。
追加対象配置部4cは、記憶部1に格納されている対象データから基本デフォルメ地図に含まれない新規に追加する道路について座標およびノード・リンクのネットワークなどのデータを取得し、新規に追加する道路のリンクIDを記述した定義ファイルを記憶部1に格納し、当該定義ファイルに基づき対象データ内から新規に追加する道路のデータを取得可能に構成する。また別の方法として、表示部2により対象データを画面表示し、ユーザが画面上で新規に追加したい道路をマウスで指定するように構成してもよい。
【0053】
新規に追加する道路のデータを取得後、追加する道路リンクの端点と他のリンクとの接続関係から、基本デフォルメ地図において道路接続関係が該当する位置座標を算出し、基本デフォルメ地図に道路を新規追加したデータを変更デフォルメ地図データとして生成する。なお、基本デフォルメ地図データに直接追加しないように記憶する。新規生成後の定義ファイルまたは画面上でのユーザの指定により取得した、新規に追加する道路に関する情報(以下、新規追加道路情報と表記する)は変更主対象設定部4aに出力される。
【0054】
追加対象配置部4cの処理例を図15を用いて説明する。図15(a)は記憶部1に格納された対象データを示しており、破線は新規に追加したい道路として取得した道路を示している。図15(b)は、追加対象配置部4cにより基本デフォルメ地図に新規に追加したい道路(破線部分)が配置された結果を示している。図15(a)において、ノードpは、ノードo1とノードo2に接続しており、基本デフォルメ地図における対応するノードn1とノードn2に接続する位置としてqの位置が算出され、配置される。新規に追加される道路上の他のノードも同様に、基本デフォルメ地図内の道路接続関係に基づき、対応する位置が算出され、配置される。また、リンクの両端ノードの配置に伴い、リンクを構成する他のノードに関しても記憶部に格納された座標から道路の接続関係が正しい位置が算出され、配置される。
【0055】
変更主対象設定部4aは、基本デフォルメ地図の内容を変更したい主な対象を設定する。追加対象配置部4cから新規追加道路情報(リンクIDなど)が入力されると、これを変更主対象として設定する。具体的には図15(b)において破線で示した道路が変更主対象となる。さらに実施の形態1で示したように基本デフォルメ地図内に既存の道路であって主に変更対象としたい道路については、実施の形態1で示した処理により変更主対象として設定することができる。このように実施の形態2では新規に追加する道路および基本デフォルメ地図内で任意に指定された道路を変更主対象として設定する。変更主対象設定部4aにより設定された変更主対象の情報(ノード、リンク、座標およびIDなどの情報)は、変更主対象情報として記憶部1に格納すると共に、変更後領域設定部4b、デフォルメ変更可否設定部5およびデフォルメ変更部7に出力される。
【0056】
変更後領域設定部4bは、変更主対象設定部4aから変更主対象情報が入力されると、変更主対象から除外する対象を除いた対象に関して、変更後のデフォルメ地図上でどの範囲に配置させるかを設定する。変更後領域の設定に関する具体的な動作は、実施の形態1と同様である。具体的には、図15(b)の破線で示した道路のように、基本デフォルメ地図に含まれていない、新規に追加した道路について特に大きな変形を望まない場合は、新規に追加した道路に関して変更後領域を設定しなくてもよい。変更後領域情報は記憶部1に格納すると共に、デフォルメ変更可否設定部5およびデフォルメ変更部7に出力される。
【0057】
デフォルメ変更部7の変更主対象デフォルメ部7cの処理を終えたデフォルメ結果の例を図16に示す。実施の形態1で示した図12のデフォルメ結果と比較して、破線で示した新規な道路が追加された変更デフォルメ地図が得られている。
なお、デフォルメ変更可否設定部5、特徴抽出部6、およびデフォルメ変更部7の動作は実施の形態1と同様である。
【0058】
以上のように、この実施の形態2によれば、変更設定部4が、新規に追加するデータを取得し、道路の接続関係に基づき基本デフォルメ地図内の対応する部分にノードを配置する追加対象配置部4cを備えるように構成したので、既存デフォルメ地図の周辺領域の道路など、既存デフォルメ地図に存在しない道路が新たに必要になった場合に、既存のデフォルメ地図の形状を保持しつつ、新たに必要となった道路を含めたデフォルメ地図を用意に生成することができる。
【0059】
また、この実施の形態2によれば、変更主対象を設定する変更主対象設定部4a、特定の対象について配置したい座標範囲を設定する変更後領域設定部4b、および既存のデフォルメ地図の形状特徴を保持しつつ既存のデフォルメ地図を変更したデフォルメ地図を生成するデフォルメ変更部7を備えるように構成したので、既存のデフォルメ地図を変更する際に、既存のデフォルメ地図とは全く異なる形状特徴や概略形状のデフォルメ地図に変更されることを回避し、既存デフォルメ地図の形状特徴を保持したまま所定の変更対象が所定の範囲を占めるように変更したデフォルメ地図を容易に生成することができる。またこれにより、新しくできた対象(道路など)を既存デフォルメ地図に含めたい場合や、既存のデフォルメ地図の一部分を見やすく変更したい場合にも対応可能となる。
【0060】
また、この実施の形態2によれば、変更主対象の形状を変更させる場合に、変更主対象デフォルメ部7cが変更後の表示範囲、変形基準、および変更主対象の変形に付随して変形させる対象に基づき形状を変形するように構成したので、既存のデフォルメ地図を変更した結果が意図しない結果を招くことを回避し、既存デフォルメ地図に所望の変更を施したデフォルメ地図を容易に生成することができる。
なお、意図しない結果とは、変形させたくない部分が変形してしまう、既存デフォルメ地図内の配置を大きく変えたい部分が変更されないなどである。
【0061】
また、この実施の形態2によれば、変更主対象を設定する変更主対象設定部4a、および変更主対象の形状を変形する変更主対象デフォルメ部7cを備えるように構成したので、変更主対象のデフォルメ形状を別途作成することができる。または変更主対象以外の部分とは別の変形基準に基づき変形することができる。これにより、既存デフォルメ地図に対して変更を施したデフォルメ地図を生成する際に、変更主対象の表示範囲やデフォルメ内容を様々に変化させた複数種類のバリエーションを容易に生成することができる。
【0062】
なお、この実施の形態2では、追加対象配置が道路のリンクIDを定めた定義ファイルに基づき、新規に追加する道路を判別しているが、当該判別はリンクIDに基づく方法に限定されるものではない。座標に基づき新規に追加する道路を取得するように構成してもよい。
【0063】
なお、この実施の形態2では、デフォルメ変更可否設定部5において変更主対象以外のパーツについて変更主対象の変形に伴い、基本デフォルメ地図の形状や配置の変更を許可する対象と許可しない対象とを設定する場合に、変更後領域の重心を用いた検索により、自動で設定する構成を示したが、各リンクの重要度を設定ファイルに記述しておき、記憶部1から当該設定ファイルを読み込んで自動設定するように構成してもよい。また、道路種別や特定の区間などに基づいて許可対象/不可対象を予め設定ファイルに記述したおき、記憶部1から設定ファイルを読み込んで自動設定するように構成してもよい。また、表示部2の画面上に基本デフォルメ地図を表示し、画面上でユーザが変更許可対象と変更不可対象を設定するように構成してもよい。
【0064】
実施の形態3.
図17は、実施の形態3によるデフォルメ地図生成装置の構成を示すブロック図である。
この実施の形態3のデフォルメ地図生成装置10は、実施の形態1において示したデフォルメ地図生成装置10のデフォルメ変更部7の影響対象デフォルメ部7aに、境界抽出部7dおよび領域適応デフォルメ部7eを追加して設けている。以下では、実施の形態1に係るデフォルメ地図生成装置10の構成要素と同一または相当する部分には、実施の形態1で使用した符号と同一の符号を付して説明を省略または簡略化する。
【0065】
デフォルメ変更部7の影響対象デフォルメ部7aは、境界抽出部7d、領域適応デフォルメ部7eおよび特徴保持デフォルメ部7bで構成されている。境界抽出部7dは、変更設定部4の変更後領域設定部4bにおいて設定された変更後領域と変更主対象以外の対象との境界を抽出する。
領域適応デフォルメ部7eは、変更設定部4の変更後領域設定部4bにおいて設定された変更後領域に関与する対象の形状を、変更後領域の形状に基づいて変形する。
特徴保持デフォルメ部7bは、特徴抽出部6が抽出した特徴を保持するように、変更が許可されている形状を変形する。
【0066】
次に、実施の形態3のデフォルメ地図生成装置10の動作について説明する。図18は、実施の形態3によるデフォルメ地図生成装置の動作を示すフローチャートである。以下では、実施の形態1のデフォルメ地図生成装置10と同一のステップには図2で使用した符号と同一の符号を付し、説明を省略または簡略化する。また、実施の形態3の具体的な処理例を図19に示す。さらに記憶部1、表示部2、基本デフォルメ地図生成部3、変更設定部4、デフォルメ変更可否設定部5および特徴抽出部6の処理動作は実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
【0067】
影響対象デフォルメ部7aの境界抽出部7dは、ステップST3において生成された変更主対象情報およびステップST4において生成された変更後領域情報を受け取ると、除外対象を除いた後の変更主対象以外の対象と変更後領域との境界として交点を抽出する(ステップST31)。抽出した交点の座標は記憶部1に格納すると共に、領域適応デフォルメ部7eに出力される。
図19(a)の例では除外対象を除いた後の状態を示しており、変更主対象は実施の形態1と同様の点線で示す部分である。また、変更主対象以外の部分はすべて、デフォルメ変更可否設定部5において変更許可対象として設定されているものとする。R1は変更後領域設定部4bにより設定された変更後領域であり、境界抽出部7dは交点として点p1、p2およびp3を抽出する。
【0068】
領域適応デフォルメ部7eは、ステップST4において生成された変更後領域情報、ST31において生成された変更後領域との交点p1〜p3の座標、およびステップST5において生成された変更可否情報を受け取ると、変更主対象以外の変更許可対象において変更後領域内に存在するエッジを抽出する(ステップST32)。具体的には、図19(b)の例において、破線部分が抽出されたエッジである。
次に、抽出されたエッジの各ノードについて、ノード位置が変更後領域の外側となるように変更後領域の形状に沿った再配置位置を算出する。図19(c)の例では、交点p1、p3の再配置位置がq1、q3となり、図19(b)の破線で示される部分が図19(c)のように変更後領域を避ける位置として算出される。再配置後のエッジ方向は、水平、垂直、斜め45度方向などの予め定めた複数種類の方向となるようにし、周囲の道路と交差せず、もとのトポロジーを保持する位置を算出する。
【0069】
算出した再配置位置は、基本デフォルメ地図データ内の座標を更新せずに、変更デフォルメ地図として記憶部1に格納する。なお、破線部分の形状変形に伴い、破線と交差する変更主対象のノード座標も更新される。
【0070】
特徴保持デフォルメ部7bは、ステップST4において生成された変更後領域情報、ステップST5において生成された変更可否情報、およびステップST6において抽出された形状特徴を受け取ると、変更可否情報において変更許可と設定されたリンクのうち、領域適応デフォルメ部7eにおいてデフォルメされていないリンクについて、特徴抽出部6で抽出された形状特徴を保持しつつ、変更後領域の外側となる範囲でノードの再配置位置を算出し、座標を更新して形状を変形する(ステップST8)。
再配置位置(座標)の算出では、基本デフォルメ地図において交差していた道路が離れたり、離れている道路が交差したりすることがないよう、道路の接続関係を保持した位置として算出する。また、最小ノード間間隔や最大ノード間間隔などの任意のデフォルメパラメータを記憶部1に格納しておき、特徴を保持した再配置位置を算出する際に、デフォルメパラメータを考慮した位置として算出することも可能である。
【0071】
この特徴保持デフォルメ部7bによる変形例を図19(d)に示す。図19(c)と(d)を比較すると、領域適応デフォルメ部7eにおいて変形されたリンク(破線で示すリンク)と、周辺道路とが近接する配置となったため、道路間を広げるように変形している。
【0072】
変更主対象デフォルメ部7cは、変形基準に基づき、ステップST3において生成された変更主対象の形状をステップST4において設定された変更後領域内で変形する(ステップST9)。具体的な動作は実施の形態1と同様である。実施の形態3による変更デフォルメ地図を図19(e)に示す。変形後の変更デフォルメ地図データは記憶部1に格納する。
【0073】
以上のように、この実施の形態3によれば、変更主対象を設定する変更主対象設定部4a、特定の対象について配置したい座標範囲を設定する変更後領域設定部4b、および既存のデフォルメ地図の形状特徴を保持しつつ既存のデフォルメ地図を変更したデフォルメ地図を生成するデフォルメ変更部7を備えるように構成したので、既存のデフォルメ地図を変更する際に、既存のデフォルメ地図とは全く異なる形状特徴や概略形状のデフォルメ地図に変更されることを回避し、既存デフォルメ地図の形状特徴を保持したまま所定の変更対象が所定の範囲を占めるように変更したデフォルメ地図を容易に生成することができる。またこれにより、新しくできた対象(道路など)を既存デフォルメ地図に含めたい場合や、既存のデフォルメ地図の一部分を見やすく変更したい場合にも対応可能となる。
【0074】
また、この実施の形態3によれば、変更主対象の形状を変更させる場合に、変更主対象デフォルメ部7cが変更後の表示範囲、変形基準、および変更主対象の変形に付随して変形させる対象に基づき形状を変形するように構成したので、既存のデフォルメ地図を変更した結果が意図しない結果を招くことを回避し、既存デフォルメ地図に所望の変更を施したデフォルメ地図を容易に生成することができる。
なお、意図しない結果とは、変形させたくない部分が変形してしまう、既存デフォルメ地図内の配置を大きく変えたい部分が変更されないなどである。
【0075】
また、この実施の形態3によれば、変更主対象を設定する変更主対象設定部4a、および変更主対象の形状を変形する変更主対象デフォルメ部7cを備えるように構成したので、変更主対象のデフォルメ形状を別途作成することができる。または変更主対象以外の部分とは別の変形基準に基づき変形することができる。これにより、既存デフォルメ地図に対して変更を施したデフォルメ地図を生成する際に、変更主対象の表示範囲やデフォルメ内容を様々に変化させた複数種類のバリエーションを容易に生成することができる。
【0076】
また、この実施の形態3によれば、変更後領域と変更主対象以外の対象との境界を抽出する境界抽出部7dと、変更後領域に関与する対象の形状を変更後領域の形状に基づいて変形する領域適応デフォルメ部7eとを設けるように構成したので、或る形状となるようにユーザが意図的に部分変更したい場合に、所望の形状の変更後領域を設定することができ、その形状に沿った変形が可能となる。
【0077】
なお、この実施の形態3は既存のデフォルメ地図に存在する道路の表示範囲の変更や、既存のデフォルメ地図に存在しない新たな道路を手動で追加する構成であるが、変更設定部4に実施の形態2の追加対象配置部4cを設けて構成してもよい。具体的な動作は実施の形態2と同様であり、図20にその具体的な処理例を示す。図20は、図15の破線部分を新規に追加する道路とした場合の変更デフォルメ地図を示している。さらに、この構成において、基本デフォルメ地図に比べて表示範囲を変更する必要がない場合には、変更設定部4から変更後領域設定部4bを除いて構成してもよい。
【0078】
また、この実施の形態3は特徴保持デフォルメ部7bによって変更後領域付近から離れた変更許可対象に関しても形状を変形させる構成であるが、特徴抽出部6および特徴保持デフォルメ部7bを設けずに構成し、変更許可対象に関しては領域適応デフォルメ部7eのみを実行し、変更後領域に関与する部分のみを変形させるように構成してもよい。
【0079】
また、上述した実施の形態3の構成の変更設定部4に追加対象配置部4cを追加して設けてもよい。追加対象配置部4cの具体的処理動作は実施の形態2と同様である。
【0080】
実施の形態4.
この実施の形態4では、基本デフォルメ地図内に設定された領域に別途作成済みのデフォルメ形状を挿入し、当該挿入部分の周辺の形状に合せて変形させる構成を示す。
図21は、実施の形態4によるデフォルメ地図生成装置の構成を示すブロック図である。
この実施の形態4のデフォルメ地図生成装置10のデフォルメ変更部7が変更主対象削除部7f、影響対象デフォルメ部7aおよび合成デフォルメ部7gで構成されている。また、実施の形態1のデフォルメ地図生成装置10の特徴抽出部6を有しない構成となっている。以下では、実施の形態1に係るデフォルメ地図生成装置10の構成要素と同一または相当する部分には、実施の形態1で使用した符号と同一の符号を付して説明を省略または簡略化する。
【0081】
デフォルメ変更部7は、変更主対象削除部7f、影響対象デフォルメ部7aおよび合成デフォルメ部7gで構成されており、既存のデフォルメ地図の形状特徴を保持しつつ既存のデフォルメ地図を変更したデフォルメ地図を生成する。
変更主対象削除部7fは、変更主対象設定部4aにより設定された変更主対象データを除いて変更デフォルメ地図のデータを記憶部1に格納する。
影響対象デフォルメ部7aは、デフォルメ変更可否設定部5において既存デフォルメ地図の形状や位置変更が許可されている対象について形状や配置を変更し、変形する。
合成デフォルメ部7gは、変更後領域に配置する別途作成済みのデフォルメ地図を読み込み、変更後領域の座標範囲で、且つ影響対象デフォルメ部7aにおける変更許可対象のデフォルメ形状に合せて変形する。
【0082】
次に、実施の形態4のデフォルメ地図生成装置10の動作について説明する。図22は、実施の形態4によるデフォルメ地図生成装置の動作を示すフローチャートである。以下では、実施の形態1のデフォルメ地図生成装置10と同一のステップには図2で使用した符号と同一の符号を付し、説明を省略または簡略化する。さらに記憶部1、表示部2、基本デフォルメ地図生成部3、変更設定部4、デフォルメ変更可否設定部5の処理動作は実施の形態1と同様であるため説明を省略する。
【0083】
デフォルメ変更部7は、ステップST3において生成された変更主対象情報が入力されると、変更主対象削除部7fが基本デフォルメ地図から変更主対象のノード座標を除いたデータを変更デフォルメ地図として新規に記憶部1に格納する(ステップST41)。
また、ノード座標の除外に伴い、ノード・リンクのネットワーク構造を再生成して変更デフォルメ地図用のネットワーク構造を新たに生成し、記憶部1に格納する(ステップST42)。変更デフォルメ地図およびその関連データは、影響対象デフォルメ部7aおよび合成デフォルメ部7gに出力される。
【0084】
影響対象デフォルメ部7aは、基本デフォルメ地図に対して変更主対象の表示範囲を変更後領域に変更することに伴い、デフォルメ変更可否設定部5において基本デフォルメ地図の形状や位置の変更が許可されている対象について形状や配置を変更する(ステップST7)。影響対象デフォルメ部7aの構成は実施の形態1または実施の形態3のどちらかの構成とし、具体的な動作も実施の形態1または実施の形態3と同様である。
【0085】
合成デフォルメ部7gは、変更後領域に配置する別途作成済みのデフォルメ形状データを記憶部1から取得し(ステップST43)、またステップST4において生成された変更後領域情報およびステップST7において生成された変更後デフォルメ地図データが入力されると、変更後領域に配置するデフォルメ形状が変更後領域の範囲でない場合は変更後領域の範囲となるように座標変換を行い、影響対象デフォルメ部7aにおける変更許可対象のデフォルメ結果に合わせて変更後領域の境界付近の道路を主として形状を変形する(ステップST44)。
なお、変更後領域に配置する別途作成済みのデフォルメ形状データは、CD−RやUSBなどの記録媒体や外付けHDD、ネットワーク回線などを介して取り込み、記憶部1に格納する。
【0086】
変更後領域に配置するデフォルメ形状の道路は、基本デフォルメ地図における該当部分に含まれる道路の内容と一致していなくてもよい。すなわち、基本デフォルメ地図では国道および都道府県道が示されている場合に、変更後領域に配置するデフォルメ形状では、国道および都道府県道の他に一般道を加えたものとしてもよい。また、基本デフォルメ地図の該当部分には含まれていない道路を新たに加えたデフォルメ形状でもよい。デフォルメ形状は、市販の地図データから作成したものに限らず、手作業で作成したデータでもよい。また、道路方向は45度の整数倍など、特定角度の整数倍の方向に量子化されていなくてもよい。
【0087】
変更後領域に別のデフォルメ形状を埋め込み、影響対象デフォルメ部7aにおける変更許可対象のデフォルメ結果に合わせて形状調整を行う具体例を図23に示す。
図23(a)は、変更後領域に配置する、別途作成しておいたデフォルメ形状の例を示している。予め作成しておくデフォルメ形状は、変更後領域の座標範囲や縦横比に合わせて生成しておくことが可能であるが、任意の座標範囲や縦横比で生成しておいてもよい。
図23(b)は、影響対象デフォルメ部7aによる処理が施された変更デフォルメ地図を示している。
【0088】
合成デフォルメ部7gは、図23(a)に示すデフォルメ形状に関して、変更後領域情報に基づき、変更後領域の範囲となるように座標変換を行うとともに、変更後領域の境界部分(図23(a)のノードaからノードh)について、それらのノード・リンク情報に基づき図23(b)の変更デフォルメ地図の形状に合わせて配置位置を算出する。境界部分の配置位置によって図23(a)に示す量子化済みの道路方向がくずれる場合には、変更後領域内の道路について再度方向量子化を行う。
図23(c)は、このようにして別途作成しておいた部分的なデフォルメ形状(図23(a))を、既存形状を尊重するデフォルメ地図(図23(b))内の所定の部分に配置し、形状を調整した結果を示している。
【0089】
以上のように、この実施の形態4によれば、デフォルメ変更部7が、変更主対象データを除いた変更デフォルメ地図データを記憶させる変更主対象削除部7f、既存デフォルメ地図の形状や位置変更が許可されている対象について形状や配置を変更して変形する影響対象デフォルメ部7a、および変更後領域に配置する別途作成済みのデフォルメ地図を読み込んで合成する合成デフォルメ部7gを備えるように構成したので、既存のデフォルメ地図の形状特徴を保持したまま、指定した部分に余白を生成することが可能となり、使い慣れたデフォルメ地図上に関連情報を重畳表示する場合に、重要度の低い部分に生成した余白領域に関連情報を表示させて重量部分が隠れることを回避することができる。
【0090】
また、この実施の形態4によれば、変更主対象を設定する変更主対象設定部4a、特定の対象について配置したい座標範囲を設定する変更後領域設定部4b、および既存のデフォルメ地図の形状特徴を保持しつつ既存のデフォルメ地図を変更したデフォルメ地図を生成するデフォルメ変更部7を備えるように構成したので、既存のデフォルメ地図を変更する際に、既存のデフォルメ地図とは全く異なる形状特徴や概略形状のデフォルメ地図に変更されることを回避し、既存デフォルメ地図の形状特徴を保持したまま所定の変更対象が所定の範囲を占めるように変更したデフォルメ地図を容易に生成することができる。またこれにより、新しくできた対象(道路など)を既存デフォルメ地図に含めたい場合や、既存のデフォルメ地図の一部分を見やすく変更したい場合にも対応可能となる。
【0091】
なお、この実施の形態4では、変更後領域に配置するデフォルメ地図を別途作成しておき、記憶部1に取り込んで利用する構成を示したが、基本デフォルメ地図生成部3にて、基本デフォルメ地図とは別に変更後領域の範囲のデフォルメ形状を作成して記憶部1に格納し、これを利用してもよい。
【0092】
また、この実施の形態4は、変更後領域に別途作成しておいたデフォルメ地図を配置する構成を示したが、変更後領域に別のデフォルメ地図を配置せずに変更後領域の範囲に余白を作ったデフォルメ地図に変更することとして、図23(b)の状態を最終的な変更デフォルメ地図の結果としてもよい。この場合のデフォルメ地図変更装置の構成は、図4のデフォルメ変更部7において合成デフォルメ部7gを除いた構成となる。
更に、図4に示す変更設定部4を図2に示す変更設定部4の構成に変え、追加対象配置部4cを含めても良い。追加対象配置部4cの具体的な動作は、実施の形態2に示す内容と同様である。
【符号の説明】
【0093】
1 記憶部、2 表示部、3 基本デフォルメ地図生成部、4 変更設定部、4a 変更主対象設定部、4b 変更後領域設定部、4c 追加対象配置部、5 デフォルメ変更可否設定部、6 特徴抽出部、7 デフォルメ変更部、7a 影響対象デフォルメ部、7b 特徴保持デフォルメ部、7c 変更主対象デフォルメ部、7d 境界抽出部、7e 領域適応デフォルメ部、7f 変更主対象削除部、7g 合成デフォルメ部、10 デフォルメ地図生成装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
既存のデフォルメ地図を変形して新規デフォルメ地図を生成するデフォルメ地図生成装置において、
デフォルメ対象データ、前記既存および新規デフォルメ地図、および前記変形に関するパラメータを記憶する記憶部と、
前記既存のデフォルメ地図に対して主に変更を施す対象である変更主対象を設定し、前記変更主対象および特定の対象の配置範囲を設定する変更設定部と、
前記既存のデフォルメ地図の形状特徴を抽出する特徴抽出部と、
前記形状特徴を保持すると共に、前記変更主対象および前記変更主対象の配置範囲に基づき前記既存のデフォルメ地図を変更して新規デフォルメ地図を生成するデフォルメ変更部とを備えたことを特徴とするデフォルメ地図生成装置。
【請求項2】
既存のデフォルメ地図を変形して新規デフォルメ地図を生成するデフォルメ地図生成装置において、
デフォルメ対象データ、前記既存および新規デフォルメ地図、前記変形に関するパラメータおよび作成済みのデフォルメ形状を記憶する記憶部と、
前記既存のデフォルメ地図に対して主に変更を施す対象である変更主対象を設定し、前記変更主対象および特定の対象の配置範囲を設定する変更設定部と、
前記記憶部から作成済みのデフォルメ形状を読み出して、前記既存のデフォルメ地図内に設定する領域に挿入すると共に、前記挿入領域の周辺形状に合せて変形するデフォルメ変更部とを備えたことを特徴とするデフォルメ地図生成装置。
【請求項3】
記憶部に記憶されたデフォルメ対象データを変形し、基本となるデフォルメ地図を生成する基本デフォルメ地図生成部を備え、
前記基本デフォルメ地図を既存のデフォルメ地図として用いることを特徴とする請求項1または請求項2記載のデフォルメ地図生成装置。
【請求項4】
変更主対象の変更に伴い、付随的に発生する形状の変更を許可する対象とするか、あるいは変更を許可しない対象とするかの設定を行うデフォルメ変更可否設定部を備え、
特徴抽出部は、前記変更を許可する対象について形状特徴を抽出することを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載のデフォルメ地図生成装置。
【請求項5】
デフォルメ対象データおよびデフォルメ結果である新規デフォルメ地図を表示する表示部を備えたことを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載のデフォルメ地図生成装置。
【請求項6】
変更設定部は、既存のデフォルメ地図に対して変更主対象を設定する変更主対象設定部と、前記変更主対象および特定の対象の配置範囲を設定する変更後領域設定部とを備え、
デフォルメ変更部は、前記変更主対象以外の特定の対象について既存のデフォルメ地図の特徴を保持した変形を行う影響対象デフォルメ部と、前記変更主対象の配置位置を変更する変更主対象デフォルメ部とを備えたことを特徴とする請求項1および請求項3から請求項5のうちのいずれか1項記載のデフォルメ地図生成装置。
【請求項7】
変更設定部は、既存のデフォルメ地図に対して変更主対象を設定する変更主対象設定部を備え、
デフォルメ変更部は、前記変更主対象以外の特定の対象について既存のデフォルメ地図の特徴を保持した変形を行う影響対象デフォルメ部と、前記変更主対象の配置位置を変更する変更主対象デフォルメ部とを備えたことを特徴とする請求項1および請求項3から請求項5のうちのいずれか1項記載のデフォルメ地図生成装置。
【請求項8】
影響対象デフォルメ部は、デフォルメ変更可否設定部において変更を許可された対象について、既存のデフォルメ地図の形状特徴を保持して形状を変形する特徴保持デフォルメ部を備えたことを特徴とする請求項6または請求項7記載のデフォルメ地図生成装置。
【請求項9】
影響対象デフォルメ部は、変更主対象の配置領域と、変更主対象以外の対象との境界を抽出する境界抽出部と、既存のデフォルメ地図に対して変更主対象の配置領域に基づき、前記配置領域付近の形状を変形させる領域適応デフォルメ部と、デフォルメ変更可否設定部において変更を許可された対象について既存のデフォルメ地図の形状特徴を保持して形状を変形する特徴保持デフォルメ部とを備えたことを特徴とする請求項6または請求項7記載のデフォルメ地図生成装置。
【請求項10】
デフォルメ変更部は、既存のデフォルメ地図から変更主対象のデータを削除する変更主対象削除部と、前記変更主対象以外の特定の対象について既存のデフォルメ地図の特徴を保持した変形を行う影響対象デフォルメ部と、記憶部から作成済みのデフォルメ形状を読み込み、変更主対象の配置範囲において前記影響対象デフォルメ部における特定の対象のデフォルメ形状に合せて変形する合成デフォルメ部とを備えたことを特徴とする請求項2から請求項5のうちのいずれか1項記載のデフォルメ地図生成装置。
【請求項11】
デフォルメ変更部は、既存のデフォルメ地図から変更主対象のデータを削除する変更主対象削除部と、前記変更主対象以外の特定の対象について既存のデフォルメ地図の特徴を保持した変形を行う影響対象デフォルメ部とを備えたこと特徴とする請求項2から請求項5のうちのいずれか1項記載のデフォルメ地図生成装置。
【請求項12】
既存のデフォルメ地図を変形して新規デフォルメ地図を生成するデフォルメ地図生成方法において、
デフォルメ対象データ、前記既存および新規デフォルメ地図、および前記変形に関するパラメータを記憶する記憶ステップと、
前記既存のデフォルメ地図に対して主に変更を施す対象である変更主対象を設定し、前記変更主対象および特定の対象の配置範囲を設定する変更設定ステップと、
前記既存のデフォルメ地図の形状特徴を抽出する特徴抽出ステップと、
前記形状特徴を保持すると共に、前記変更主対象および前記変更主対象の配置範囲に基づき前記既存のデフォルメ地図を変更するデフォルメ変更ステップとを備えたことを特徴とするデフォルメ地図生成方法。
【請求項13】
変更設定ステップにおいて、新規追加するデータを取得し、既存デフォルメ地図との接続関係を考慮して前記新規追加データを配置する追加対象配置ステップを備えたことを特徴とする請求項12記載のデフォルメ地図生成方法。
【請求項14】
既存のデフォルメ地図を変形して新規デフォルメ地図を生成するデフォルメ地図生成方法において、
デフォルメ対象データ、前記既存および新規デフォルメ地図、前記変形に関するパラメータおよび作成済みデフォルメ形状を記憶する記憶ステップと、
前記既存のデフォルメ地図に対して主に変更を施す対象である変更主対象を設定し、前記変更主対象および特定の対象の配置範囲を設定する変更設定ステップと、
前記作成済みのデフォルメ形状を既存のデフォルメ地図内に設定する領域に挿入すると共に、前記挿入領域の周辺形状に合せて変形するデフォルメ変更ステップとを備え、
前記デフォルメ変更ステップは、前記既存のデフォルメ地図から変更主対象のデータを削除する変更主対象削除ステップと、前記既存デフォルメ地図の特徴を保持しつつ、特定の対象の変形を行う影響対象デフォルメステップと、記憶された作成済みのデフォルメ形状を読み込み、変更主対象の配置範囲において前記特定の対象のデフォルメ形状に合せて変形する合成デフォルメステップとを備えたことを特徴とするデフォルメ地図生成方法。
【請求項15】
既存のデフォルメ地図を変形して新規デフォルメ地図を生成するデフォルメ地図生成方法において、
デフォルメ対象データ、前記既存および新規デフォルメ地図、前記変形に関するパラメータおよび作成済みのデフォルメ形状を記憶する記憶ステップと、
前記既存のデフォルメ地図に対して主に変更を施す対象である変更主対象を設定し、前記変更主対象および特定の対象の配置範囲を設定する変更設定ステップと、
前記作成済みのデフォルメ形状を既存のデフォルメ地図内に設定する領域に挿入すると共に、前記挿入領域の周辺形状に合せて変形するデフォルメ変更ステップとを備え、
前記デフォルメ変更ステップは、前記既存のデフォルメ地図から変更主対象のデータを削除して余白を作成する変更主対象削除ステップと、前記余白以外の領域について既存デフォルメ地図の特徴を保持しつつ、特定の対象の変形を行う影響対象デフォルメステップとを備えたことを備えたことを特徴とするデフォルメ地図生成方法。
【請求項1】
既存のデフォルメ地図を変形して新規デフォルメ地図を生成するデフォルメ地図生成装置において、
デフォルメ対象データ、前記既存および新規デフォルメ地図、および前記変形に関するパラメータを記憶する記憶部と、
前記既存のデフォルメ地図に対して主に変更を施す対象である変更主対象を設定し、前記変更主対象および特定の対象の配置範囲を設定する変更設定部と、
前記既存のデフォルメ地図の形状特徴を抽出する特徴抽出部と、
前記形状特徴を保持すると共に、前記変更主対象および前記変更主対象の配置範囲に基づき前記既存のデフォルメ地図を変更して新規デフォルメ地図を生成するデフォルメ変更部とを備えたことを特徴とするデフォルメ地図生成装置。
【請求項2】
既存のデフォルメ地図を変形して新規デフォルメ地図を生成するデフォルメ地図生成装置において、
デフォルメ対象データ、前記既存および新規デフォルメ地図、前記変形に関するパラメータおよび作成済みのデフォルメ形状を記憶する記憶部と、
前記既存のデフォルメ地図に対して主に変更を施す対象である変更主対象を設定し、前記変更主対象および特定の対象の配置範囲を設定する変更設定部と、
前記記憶部から作成済みのデフォルメ形状を読み出して、前記既存のデフォルメ地図内に設定する領域に挿入すると共に、前記挿入領域の周辺形状に合せて変形するデフォルメ変更部とを備えたことを特徴とするデフォルメ地図生成装置。
【請求項3】
記憶部に記憶されたデフォルメ対象データを変形し、基本となるデフォルメ地図を生成する基本デフォルメ地図生成部を備え、
前記基本デフォルメ地図を既存のデフォルメ地図として用いることを特徴とする請求項1または請求項2記載のデフォルメ地図生成装置。
【請求項4】
変更主対象の変更に伴い、付随的に発生する形状の変更を許可する対象とするか、あるいは変更を許可しない対象とするかの設定を行うデフォルメ変更可否設定部を備え、
特徴抽出部は、前記変更を許可する対象について形状特徴を抽出することを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載のデフォルメ地図生成装置。
【請求項5】
デフォルメ対象データおよびデフォルメ結果である新規デフォルメ地図を表示する表示部を備えたことを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載のデフォルメ地図生成装置。
【請求項6】
変更設定部は、既存のデフォルメ地図に対して変更主対象を設定する変更主対象設定部と、前記変更主対象および特定の対象の配置範囲を設定する変更後領域設定部とを備え、
デフォルメ変更部は、前記変更主対象以外の特定の対象について既存のデフォルメ地図の特徴を保持した変形を行う影響対象デフォルメ部と、前記変更主対象の配置位置を変更する変更主対象デフォルメ部とを備えたことを特徴とする請求項1および請求項3から請求項5のうちのいずれか1項記載のデフォルメ地図生成装置。
【請求項7】
変更設定部は、既存のデフォルメ地図に対して変更主対象を設定する変更主対象設定部を備え、
デフォルメ変更部は、前記変更主対象以外の特定の対象について既存のデフォルメ地図の特徴を保持した変形を行う影響対象デフォルメ部と、前記変更主対象の配置位置を変更する変更主対象デフォルメ部とを備えたことを特徴とする請求項1および請求項3から請求項5のうちのいずれか1項記載のデフォルメ地図生成装置。
【請求項8】
影響対象デフォルメ部は、デフォルメ変更可否設定部において変更を許可された対象について、既存のデフォルメ地図の形状特徴を保持して形状を変形する特徴保持デフォルメ部を備えたことを特徴とする請求項6または請求項7記載のデフォルメ地図生成装置。
【請求項9】
影響対象デフォルメ部は、変更主対象の配置領域と、変更主対象以外の対象との境界を抽出する境界抽出部と、既存のデフォルメ地図に対して変更主対象の配置領域に基づき、前記配置領域付近の形状を変形させる領域適応デフォルメ部と、デフォルメ変更可否設定部において変更を許可された対象について既存のデフォルメ地図の形状特徴を保持して形状を変形する特徴保持デフォルメ部とを備えたことを特徴とする請求項6または請求項7記載のデフォルメ地図生成装置。
【請求項10】
デフォルメ変更部は、既存のデフォルメ地図から変更主対象のデータを削除する変更主対象削除部と、前記変更主対象以外の特定の対象について既存のデフォルメ地図の特徴を保持した変形を行う影響対象デフォルメ部と、記憶部から作成済みのデフォルメ形状を読み込み、変更主対象の配置範囲において前記影響対象デフォルメ部における特定の対象のデフォルメ形状に合せて変形する合成デフォルメ部とを備えたことを特徴とする請求項2から請求項5のうちのいずれか1項記載のデフォルメ地図生成装置。
【請求項11】
デフォルメ変更部は、既存のデフォルメ地図から変更主対象のデータを削除する変更主対象削除部と、前記変更主対象以外の特定の対象について既存のデフォルメ地図の特徴を保持した変形を行う影響対象デフォルメ部とを備えたこと特徴とする請求項2から請求項5のうちのいずれか1項記載のデフォルメ地図生成装置。
【請求項12】
既存のデフォルメ地図を変形して新規デフォルメ地図を生成するデフォルメ地図生成方法において、
デフォルメ対象データ、前記既存および新規デフォルメ地図、および前記変形に関するパラメータを記憶する記憶ステップと、
前記既存のデフォルメ地図に対して主に変更を施す対象である変更主対象を設定し、前記変更主対象および特定の対象の配置範囲を設定する変更設定ステップと、
前記既存のデフォルメ地図の形状特徴を抽出する特徴抽出ステップと、
前記形状特徴を保持すると共に、前記変更主対象および前記変更主対象の配置範囲に基づき前記既存のデフォルメ地図を変更するデフォルメ変更ステップとを備えたことを特徴とするデフォルメ地図生成方法。
【請求項13】
変更設定ステップにおいて、新規追加するデータを取得し、既存デフォルメ地図との接続関係を考慮して前記新規追加データを配置する追加対象配置ステップを備えたことを特徴とする請求項12記載のデフォルメ地図生成方法。
【請求項14】
既存のデフォルメ地図を変形して新規デフォルメ地図を生成するデフォルメ地図生成方法において、
デフォルメ対象データ、前記既存および新規デフォルメ地図、前記変形に関するパラメータおよび作成済みデフォルメ形状を記憶する記憶ステップと、
前記既存のデフォルメ地図に対して主に変更を施す対象である変更主対象を設定し、前記変更主対象および特定の対象の配置範囲を設定する変更設定ステップと、
前記作成済みのデフォルメ形状を既存のデフォルメ地図内に設定する領域に挿入すると共に、前記挿入領域の周辺形状に合せて変形するデフォルメ変更ステップとを備え、
前記デフォルメ変更ステップは、前記既存のデフォルメ地図から変更主対象のデータを削除する変更主対象削除ステップと、前記既存デフォルメ地図の特徴を保持しつつ、特定の対象の変形を行う影響対象デフォルメステップと、記憶された作成済みのデフォルメ形状を読み込み、変更主対象の配置範囲において前記特定の対象のデフォルメ形状に合せて変形する合成デフォルメステップとを備えたことを特徴とするデフォルメ地図生成方法。
【請求項15】
既存のデフォルメ地図を変形して新規デフォルメ地図を生成するデフォルメ地図生成方法において、
デフォルメ対象データ、前記既存および新規デフォルメ地図、前記変形に関するパラメータおよび作成済みのデフォルメ形状を記憶する記憶ステップと、
前記既存のデフォルメ地図に対して主に変更を施す対象である変更主対象を設定し、前記変更主対象および特定の対象の配置範囲を設定する変更設定ステップと、
前記作成済みのデフォルメ形状を既存のデフォルメ地図内に設定する領域に挿入すると共に、前記挿入領域の周辺形状に合せて変形するデフォルメ変更ステップとを備え、
前記デフォルメ変更ステップは、前記既存のデフォルメ地図から変更主対象のデータを削除して余白を作成する変更主対象削除ステップと、前記余白以外の領域について既存デフォルメ地図の特徴を保持しつつ、特定の対象の変形を行う影響対象デフォルメステップとを備えたことを備えたことを特徴とするデフォルメ地図生成方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2011−248100(P2011−248100A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−121356(P2010−121356)
【出願日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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