説明

デマンド処理装置、デマンド処理装置の制御方法、制御プログラム、記録媒体

【課題】複数の契約者からなるグループのデマンドデータの合計値の最高値を効率的に抑制する。
【解決手段】デマンド処理装置11は、複数の監視装置17からデマンドデータを収集し、収集したデマンドデータに基づき、複数の監視装置17のデマンドデータの合計値を計測時点毎に示した履歴情報を記憶部11bに記憶する。そして、デマンド処理装置11は、前記履歴情報に基づいて、1日のうちで前記合計値が最高値になる時間帯を予測する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単位期間(例えば30分間または1時間)の平均使用電力を示すデマンドデータを処理するデマンド処理装置、デマンド処理装置の制御方法、制御プログラム、記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
使用電力に関する指標として平均使用電力という値が従来から用いられ、この平均使用電力をデマンドデータと称することがある。デマンドデータは、電力使用の契約を電力会社と締結している契約者毎に求められる値であり、単位期間(例えば30分間または1時間)毎に計測され、前記単位期間における使用電力の平均値を意味する。ある電力会社では、契約者毎に、デマンドデータの月間最高値を月毎に求め、過去1年間の月間最高値の中で最も大きな値を契約電力として定め、契約電力に基づいて電気料金の基本料金を定めるようになっている。
【0003】
ところで、災害によって電力会社の発電所が被災して稼動しなくなった場合、当該電力会社の管轄地域における電力使用頻度が高い時間帯での電力不足を抑制するために、政府が契約者に対して電力の使用制限のノルマを一時的に課すことがある。このノルマは、契約者のデマンドデータを、当該契約者の前年度の所定期間内のデマンドデータの最高値の所定割合(数十%)の範囲に抑制させるというものである。
【0004】
また、複数契約者からなるグループについては、複数契約者のデマンドデータの合計値(同一の時間帯における複数契約者の各々のデマンドデータの合計値)を、当該複数契約者の前年度の所定期間内におけるデマンドデータの最高値の合計値の所定割合の範囲内に抑制させるといった共同使用制限スキームが導入されている。この共同使用制限スキーム(以下「使用制限スキーム」と称す)は2011年5月25日付けで日本国の経済産業省から発表されたものである。
【0005】
なお、前記のグループとしては、例えば、複数の工場を保有する企業等が挙げられる(前記の契約は企業単位で行われるのではなく工場単位で行われるので、複数の工場を保有する企業は複数の契約者(工場)からなるグループに相当するのである)。また、前記のグループは複数の企業からなる共同体等であってもよい。
【0006】
前記の使用制限スキームによれば、例えば、工場α,工場β,工場γを保有する企業において、工場α〜γのデマンドデータの合計値を、前年度の所定期間内の工場α〜γのデマンドデータの最高値の合計値の所定割合の範囲に抑える必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−120919号公報
【特許文献2】特開2006−288027号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そして、複数の契約者からなるグループ(例えば複数の工場を有する企業)において、前記の使用制限スキームが利用される場合、前記グループにおけるデマンドデータの合計値の最高値(1日の最高値)があまり抑制されないような意義の無い電力使用制限を行うのではなく、前記最高値が効率的に抑制されるような意義のある節電を行わなければならないという課題が生じる。
【0009】
本発明は、前記の課題に鑑みてなされたものであり、複数の契約者(電力使用の契約者)からなるグループにおいて、前記グループにおけるデマンドデータの合計値の最高値を効率的に抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明は、単位期間毎に設定される各計測時点において前記単位期間における計測対象の使用電力の平均値を示したデマンドデータを計測する計測装置から、前記デマンドデータを受信して処理するデマンド処理装置において、互いに計測対象を異ならせる複数の計測装置からデマンドデータを受信し、前記複数の計測装置の各々にて計測されたデマンドデータを合計した合計値を前記計測の日時毎に求め、求めた合計値を前記計測の日時毎に示した履歴情報を記憶装置に記録するデータ処理部と、前記履歴情報に基づいて、現時点よりも先の時間帯であって、前記複数の計測装置にて計測されるデマンドデータの合計値が1日のうちで最高になる可能性のある時間帯を予測時間帯として予測する予測部と、前記予測時間帯を利用者に通知する通知部とを備えたことを特徴とする。
【0011】
本発明の構成によれば、利用者は、複数の計測対象(契約者,工場)からなるグループにおけるデマンドデータの合計値が最高値になる時間帯を予測できるので、前記最高値を効率的に抑制するような節電計画を立てることが容易になる。これにより、前記最高値の抑制を効率的に行えるという効果を奏する。
【0012】
なお、前記予測部は、前記予測時間帯を1日のなかで1つだけ設定するようになっていてもよいし、前記予測時間帯を1日のなかで2以上設定するようになっていてもよい。
【0013】
また、本発明のデマンド処理装置において、前記予測部は、予測時間帯を予測しようとしている日付を予測対象日とした場合、前記履歴情報のうち、前記予測対象日の属性と同じ属性の日付にて計測されたデマンドデータから得られた部分のみを参照して、前記予測時間帯を予測するようになっていてもよい。この構成によれば、過去の履歴情報のうち、予測時間帯を予測しようとしている日付と同じ属性(曜日等)の日付で計測されたデータから得られた情報のみから前記予測を行うことになるので、より信頼度の高い予測を行えるというメリットを有する。なお、前記属性とは、曜日、季節、年、年度のうちの少なくともいずれかである。
【0014】
また、本発明のデマンド処理装置において、前記予測部は、前記履歴情報を参照して、計測対象毎に、前記予測時間帯と同じ時間帯の過去のデマンドデータの代表値を、前記予測時間帯の使用電力の予測値として出力し、前記通知部は、前記予測時間帯と共に、前記予測値の大きさの順位が所定の位よりも高い計測対象を利用者に通知するようになっていてもよい。この構成によれば、前記の予測時間帯において使用電力が大きくなると予測される計測対象を特定できるため、前記最高値を効率的に抑制できるような節電計画を立てることが一層容易になる。
【0015】
また、本発明のデマンド処理装置において、前記記憶装置には、前記計測対象毎に、使用電力の削減余地が多いほど値が大きくなるような削減余地係数が予め記憶されており、前記通知部は、前記計測対象毎に、前記予測値に対して前記削減余地係数を乗じることで、前記予測値を補正し、補正後の前記予測値の大きさの順位が所定の位よりも高い計測対象を利用者に通知するようになっていてもよい。この構成によれば、予測使用電力が大きくても削減余地が殆どないような計測対象については利用者に通知される確率を抑制し、予測使用電力が中程度でも削減余地が大きい計測対象については利用者に通知される確率を高めることができるので、節電対応の容易な計測対象の特定が容易になる。
【0016】
また、本発明のデマンド処理装置において、前記予測部は、前記履歴情報を参照して、前記予測時間帯と同じ時間帯の過去のデマンドデータの代表値を計測対象毎に出力し、計測対象毎に、全ての計測対象の前記代表値に対する各計測対象の代表値の割合を、前記予測時間帯の使用電力の予測値の大きさを示す予測割合データとして出力し、前記通知部は、前記予測時間帯と共に、前記予測割合データの大きさの順位が所定の位よりも高い計測対象を利用者に通知するようになっていてもよい。この構成によれば、前記の予測時間帯において使用電力が大きくなると予測される計測対象を特定できるため、前記最高値を効率的に抑制できるような節電計画を立てることが一層容易になる。
【0017】
また、本発明のデマンド処理装置において、前記記憶装置には、前記計測対象毎に、使用電力の削減余地が多いほど値が大きくなるような削減余地係数が予め記憶されており、前記予測部は、前記計測対象毎に、前記予測割合データに対して前記削減余地係数を乗じることで、前記予測割合データを補正し、前記通知部は、補正後の前記予測割合データの大きさの順位が所定の位よりも高い計測対象を利用者に通知するようになっていてもよい。この構成によれば、予測使用電力(予測時間帯における使用電力の予測値)が大きくても削減余地が殆どないような計測対象については利用者に通知される確率を抑制し、予測使用電力が中程度でも削減余地が大きい計測対象については利用者に通知される確率を高めることができるので、節電対応の容易な計測対象の特定が容易になる。
【0018】
また、本発明のデマンド処理装置において、前記予測部は、前記履歴情報を参照して、デマンドデータが計測される各計測時点のうち前記合計値が一日のなかで最大値になる計測時点を抽出し、前記抽出の回数を示す抽出頻度の高さの順位が所定の位よりも高い計測時点を特定し、特定された計測時点に対応する前記単位時間の時間帯を前記予測時間帯として特定するようになっていてもよい。
【0019】
また、一日における前記合計値の推移パターンは数種類に分類されるので、本日(予測処理の対象日)のうちの一部(午前中)の前記推移パターンと過去の日付における推移パターンとをマッチングすることによって、本日のうちの残りの一部(午後)の前記推移パターンを予測でき、ひいては前記合計値が最高になる時間帯を予測できる。そこで、本発明のデマンド処理装置は、前記の構成に加えて、前記履歴情報を参照して、前記計測時点と前記合計値との関係を示したグラフを日付毎に作成するグラフ作成部と、現時点の属する日付のグラフにおける現時点までの時間範囲と同一時間範囲において、現時点の属する日付のグラフと最も類似しているグラフを、過去の日付のグラフのなかから抽出する類似グラフ抽出部とを備え、前記予測部は、前記類似グラフ抽出部にて抽出されたグラフにおいて前記合計値が最高になる計測時点に対応する前記単位時間の時間帯を前記予測時間帯として特定するようになっていてもよい。この構成によれば、前記合計値の推移状況が現時点の属する日付(本日)に最も近い過去の日付のデータを参照して、前記合計値が最高になる時間帯を特定しているので、前記の予測をより正確に行えるという効果を奏する。
【0020】
さらに、前記デマンド処理装置は、コンピュータによって実現されてもよく、この場合には、コンピュータを前記デマンド処理装置の各部として機能させるプログラム、および、このプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、デマンドデータの合計値の最高値の抑制を効率的に行えるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本実施形態に係るデマンド処理システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態のコンセプトを説明するための図である。
【図3】図1に示すデマンド処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【図4】計測時点毎の各工場のデマンドデータと全工場のデマンドデータの合計値とを記録したデータベースの記録内容の一例を示す図である。
【図5】デマンドデータの計測時点と、デマンドデータの合計値が最高ピークになる頻度との関係を示したグラフである。
【図6】全ての工場のデマンドデータの合計値が最高ピークになる時間帯の予測結果を示す表示画像の一例を示す模式図である。
【図7】全工場のデマンドデータの合計値の推移を示した合計値グラフの一例を示す図である。
【図8】デマンドデータの変動幅を説明するための図である。
【図9】各工場のイニシャル電力を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るデマンド処理システムの概略構成を示すブロック図である。図1に示すデマンド処理システム10は、企業Aが保有する複数の工場の各々の過去のデマンドデータに基づき、デマンドデータの合計値が最高になる可能性の高い時間帯を予測するものである。
【0024】
デマンド処理システム10は、図1に示すように、端末装置13、通信網14、デマンド処理装置11、通信網15、監視装置17a〜17z、電力メータ18a〜18zを備えている。
【0025】
通信網14はインターネットであり、通信網15はFOMA(Freedom of mobile multimedia Access)に基づく通信ネットワークである。端末装置13とデマンド処理装置11とは通信網14を介して通信可能に接続されており、デマンド処理装置11と監視装置17a〜17zの各々とは通信網15を介して通信可能に接続されている。
【0026】
ここで、上述した企業Aは、本社ビルおよび工場a〜工場zを保有しているグループである。図1に示すように、企業Aの本社ビルには端末装置13が設置されている。また、工場aには監視装置17aおよび電力メータ18aが設置され、工場bには監視装置17bおよび電力メータ18bが設置されている。さらに、図示はしないが同様に、工場cには監視装置17cおよび電力メータ18cが設置され、工場dには監視装置17dおよび電力メータ18dが設置され、工場e〜工場yも同様の構成になっている。そして、図1に示すように、工場zには監視装置17zおよび電力メータ18zが設置されている。
【0027】
ここで、工場(拠点)a〜工場zの各々は、個別に電力会社と電気使用契約を締結している。つまり、工場a〜工場zの各々は、単独で電力会社と電気使用契約を締結している契約者であり、工場a〜工場zを保有する企業Aは、前述した共同使用制限スキームにおける、複数の契約者からなるグループに相当する。
【0028】
電力メータ18aは、工場aにて使用される電力の積算値を計測する機器であり、電力メータ18bは、工場bにて使用される電力の積算値を計測する機器であり、電力メータ18zは、工場zにて使用される電力の積算値を計測する機器である。同様に、図示しない電力メータ18c〜18yは、各々に設置されている工場にて使用される電力の積算値を計測する機器である。
【0029】
つまり、工場aの電気料金は、電力メータ18aの計測値に応じて算出される電力量料金と工場aに設定される基本料金(契約料金)との合計であり、工場bの電気料金は、電力メータ18bの計測値に応じて算出される電力量料金と工場bに設定される基本料金との合計であり、工場zの電気料金は、電力メータ18zの計測値に応じて算出される電力量料金と工場zに設定される基本料金との合計である。同様に、工場c〜工場yの電気料金は、各々の工場に設置されている電力メータの計測値に応じて算出される電力量料金と各々の工場に設定される基本料金との合計である。
【0030】
監視装置17aは、電力メータ18aに接続されていて電力メータ18aを監視し、この監視結果に基づいて工場aのデマンドデータを計測する装置である。また、監視装置17aは、計測したデマンドデータを、通信網15を介してデマンド処理装置11に送信する。
【0031】
ここで、デマンドデータとは、単位期間における計測対象の使用電力の平均値、言い換えると、単位期間(以下「計測時間帯」と称す)の工場の使用電力の平均値(平均使用電力)である。本実施形態のデマンドデータは、30分毎の各計測時点において計測され、計測時点を含む過去30分間の使用電力の平均値である。
【0032】
具体的には、図4に示すように、0時30分、1時00分、1時30分、・・・というように30分毎の各計測時点にてデマンドデータが計測される。そして、計測時点が0時30分のデマンドデータは、0時01分〜0時30分の計測時間帯における使用電力の平均値であり、計測時点が1時00分のデマンドデータは、0時31分〜1時00分の計測時間帯における使用電力の平均値であり、計測時点が1時30分のデマンドデータは、1時01分〜1時30分の計測時間帯における使用電力の平均値であり、計測時点が2時00分のデマンドデータは、1時31分〜2時00分の計測時間帯における使用電力の平均値である。
【0033】
監視装置17bは、電力メータ18bに接続されていて電力メータ18bを監視し、この監視結果に基づいて工場bのデマンドデータを計測する装置である。また、監視装置17bは、計測したデマンドデータを、通信網15を介してデマンド処理装置11に送信する。
【0034】
監視装置17zは、電力メータ18zに接続されていて電力メータ18zを監視し、この監視結果に基づいて工場zのデマンドデータを計測する装置である。また、監視装置17zは、計測したデマンドデータを、通信網15を介してデマンド処理装置11に送信する。
【0035】
監視装置17c〜17yは、監視装置17a等と同様、各々が設置されている工場のデマンドデータを計測し、計測したデマンドデータを、通信網15を介してデマンド処理装置11に送信するようになっている。
【0036】
なお、以下では、監視装置17a〜17zを総称する場合は監視装置17と記載し、電力メータ18a〜18zを総称する場合は電力メータ18と記載する。
【0037】
デマンド処理装置11は、監視装置17から送信されてくるデマンドデータを処理する装置であり、工場a〜工場zのデマンドデータの合計値が最高ピークになる時間帯を予測するためのものである。
【0038】
端末装置13は、本社ビル12に設置されている汎用のパーソナルコンピュータであり、通信網14を介してデマンド処理装置11に接続されている。端末装置13は、企業Aの管理者によって操作されるものであり、デマンド処理装置11から送られてくる警告メール(後述)を表示するようになっている。また、企業Aの管理者は、端末装置13をデマンド処理装置11にアクセスさせ、デマンド処理装置11にて処理された情報を端末装置13に表示させることが可能になっている。
【0039】
つぎに、本実施形態のコンセプトを図2に基づいて説明する。2011年度に導入された共同使用制限スキームによれば、複数の契約者からなるグループに関しては、計測時点毎の全契約者のデマンドデータの合計値を、全契約者の前年度の所定期間内のデマンドデータの合計値の最高値の所定割合以下にする必要がある。
【0040】
例えば、複数の工場を有する企業(複数の契約者からなるグループ)からすれば、全工場のデマンドデータの合計値を、前年度の所定期間内の全工場のデマンドデータの最高値の合計値の所定割合の範囲に抑える必要がある。
【0041】
そして、共同使用制限スキームが利用される場合、デマンドデータの合計値の最高値(最高ピーク)を抑制する必要が生じるが、前記合計値が最高値になる時間帯を予測できれば、前記最高値の抑制を効果的に行うことができる(つまり、当該時間帯において一斉に節電を行って前記最高ピークを抑制すればよい)。
【0042】
つまり、図2(a)に示すように、各工場においてデマンドデータが最高ピークになる時間帯は互いに異なるため、工場毎にデマンドデータが最高ピークになる時間帯を予測して各最高ピークを抑制しても、前記の合計値の最高ピークはあまり抑制されず、効果的な節電とはいえない。
【0043】
これに対し、図2(b)に示すように、全工場のデマンドデータの合計値を測定時点毎に記録しておき、前日までの前記の記録の内容を統計処理すれば、前記合計値が最高ピークになる時間帯を予測でき、この時間帯において一斉に節電を行えば、前記の合計値の最高ピークの抑制を効率的に行える(なお、図2の工場A〜工場Cは、本実施形態のコンセプトを説明するためのものであり、図1の工場a〜工場cと無関係である)。
【0044】
つまり、一日のうち使用電力が高くなる前の時間帯において(例えば午前8時)、前日までの記録から、デマンドデータの合計値が最高ピークになる時間帯を予測し、当該時間帯において節電を行うことを各工場に要請すれば、デマンドデータの合計値の最高ピークの抑制を効果的に行える。
【0045】
そこで、本実施形態では、全ての監視装置17に接続されるデマンド処理装置11を備え、監視装置17の計測結果に基づいて、デマンドデータの合計値が最高ピークになる時間帯をデマンド処理装置11に予測させるようになっている。以下、デマンド処理装置11の詳細を説明する。
【0046】
デマンド処理装置11は、図3に示すように、情報処理部11aおよび記憶部11bを備えている。情報処理部11aは、例えばPC(Personal Computer)ベースのコンピュータによって構成され、プログラムをコンピュータに実行させることによって情報処理を行うようになっている。このプログラムは、例えばCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)などのリムーバブルメディアに記録されているものを読み込んで使用する形態であってもよいし、ハードディスクなどにインストールされたものを読み込んで使用する形態であってもよい。また、図示しない外部I/Fを介して上記プログラムをダウンロードしてハードディスクなどにインストールして実行する形態なども考えられる。なお、情報処理部11aにおける各ブロックの詳細については後述する。
【0047】
記憶部11bは、上記したハードディスクなどの不揮発性の記憶装置によって構成される。この記憶部11bに記憶される内容としては、上記したプログラム、OS(operating system)プログラム、その他各種プログラム、情報処理部11aによって作成・処理される各種情報やデータベースがある。
【0048】
つぎに、情報処理部11aにおける各ブロックを説明する。図3に示すように、情報処理部11aは、データ処理部111、予測部112、表示制御部113、通報部114を備えている。
【0049】
データ処理部111は、デマンドデータが計測される各計測時間において、各監視装置17a〜17zからデマンドデータを取得する。そして、データ処理部111は、取得したデータに基づき、各工場のデマンドデータと全工場のデマンドデータの合計値とを計測時間毎に示したデータベースを作成・更新する。なお、前記のデータベースは記憶部11bに記憶されているものであり、データ処理部111は記憶部11bにアクセスしてデータベースの作成・更新を行う。
【0050】
また、上述したが、デマンドデータは、12時00分、12時30分、13時00分、13時30分、・・・というように30分ごとに計測される。それゆえ、図4に示すように、前記のデータベースにおいては、30分毎に、計測日時と、各工場における単位時間(30分)のデマンドデータと、全工場のデマンドデータの合計値とが記録されていくことになる。
【0051】
なお、工場a〜工場zに関するデータベースはデータが膨大であって図示が困難であるため、図4では、説明の便宜上、図1の記憶部11bに記憶されているデータベースと同様のデータベースであって、工場a〜工場zとは異なる工場A〜Cに関するデータベースを例示している。但し、本実施形態でも図4のデータベースと同様のものが使用されており、図1の記憶部11bには、図4のデータベースと同様のデータベースであって、工場A〜Cに関するデータではなく工場a〜zに関するデータベースが記憶されているものとする。
【0052】
予測部112は、日が改まる度に、改まった後の日における工場a〜工場zのデマンドデータの合計値が最高ピーク(最高値)になる時間帯を予測し、予測した時間帯(予測時間帯と称す)を前記のデータベースに記録する処理を行うブロックである。つまり、予測部112は、0時00分において、当日の工場a〜工場zのデマンドデータの合計値が最高ピークになる時間帯を予測する予測処理を毎日行うのである。
【0053】
具体的に、予測部112は、前記のデータベースを参照し、直近の過去30日の各々について、工場a〜工場zのデマンドデータの合計値が最高ピーク(1日のうちの最高ピーク)になった計測時点を抽出し、抽出された頻度(回数)の高い計測時点を上位3つ特定するようになっている。
【0054】
例えば、図4に示す5月16日においては15時30分が抽出される。そして、抽出頻度と計測時点との関係が図5に示すグラフのようになっている場合、8回抽出された14時30分と、6回抽出された15時00分と、5回抽出された12時00分とが特定される。
【0055】
そして、予測部112は、特定した計測時点に対応する計測時間帯を、前記予測時間帯として記憶部11bのデータベースに記録する。つまり、抽出頻度と計測時点との関係が図5に示すグラフのようになっている場合、計測時点が14時30分に対応する計測対象時間帯である14時01分〜14時30分と、計測時点が15時00分に対応する計測対象時間帯である14時31分〜15時00分と、計測時点が12時00分に対応する計測対象時間帯である11時31分〜12時00分とが、前記予測時間帯として記憶部11bのデータベースに記録される(つまり、3つの予測時間帯が記録される)。以上のようにして、工場a〜工場zの平均使用電力の合計値が最高ピークになる時間帯の予測が行われ、予測結果(予測時間帯)がデータベースに記録される。
【0056】
また、予測部112は、前記の予測処理を終えると、過去30日分のデータを用いて、予測時間帯毎に、工場a〜zの各々について、デマンドデータの代表値を予測使用電力として算出する。また、予測部112は、予測時間帯毎に、工場a〜zの各々について、全工場の予測使用電力の合計値の代表値に対する予測使用電力の割合を予測使用割合として算出する。そして、予測部112は、予測時間帯毎に、工場a〜zの各々について、前記予測使用電力と予測使用割合とを、記憶部11bのデータベースに記録する。なお、前記の代表値としては、平均値、中央値、最頻値等が挙げられる。
【0057】
表示制御部113は、端末装置13から送られてくるコマンドに応じて、記憶部11bに記憶されているデータベースの内容を端末装置13に表示する処理を行うブロックである。表示制御部113の処理内容を以下にて説明する。
【0058】
図1に示す本社ビルにおいて、管理者(利用者)が、端末装置13をデマンド処理装置11にアクセスさせ、端末装置13から予測画像の表示コマンドを入力すると、当該表示コマンドは端末装置13からデマンド処理装置11の表示制御部113に送信されるようになっている。
【0059】
表示制御部113は、端末装置13から前記予測画像の表示コマンドを入力すると、記憶部11bに記憶されているデータベースの内容を参照して、工場a〜工場zのデマンドデータの合計値が最高ピークになる予測時間帯(前記合計値が最高ピークになる可能性の高い時間帯)を示した予測画像を作成し、当該予測画像の画像データを端末装置13に送信して、当該予測画像を端末装置13に表示させる。
つまり、予測部112が、前記予測時間帯として、14時01分〜14時30分と14時31分〜15時00分と11時31分〜12時00分とを挙げているので、表示制御部113は、図6に示すように、これらの予測時間帯を示す予測画像を端末装置13に表示させることなる。
また、表示制御部113は、記憶部11bのデータベースを参照して、予測時間帯毎に、予測使用電力が高い上位3つの工場とこれら工場の予測使用電力および予測使用割合とを読み出す。そして、図6に示すように、表示制御部113は、予測時間帯の他に、予測時間帯毎に、予測使用電力が高い上位3つの工場と、各予測時間帯におけるこれら工場の予測使用電力および予測使用割合とを予測画像に示している。
なお、表示制御部113は、記憶部11bのデータベースを参照して、予測時間帯毎に、予測使用割合が高い上位3つの工場とこれら工場の予測使用電力および予測使用割合とを読み出すようになっていてもよく、この場合、表示制御部113は、予測時間帯の他に、予測時間帯毎に、予測使用割合が高い上位3つの工場と、各予測時間帯におけるこれら工場の予測使用電力および予測使用割合とを予測画像に示すようになっている。
【0060】
また、図1に示す本社ビルにおいて、管理者が、電力推移グラフに関する表示コマンドを端末装置13からデマンド処理装置11へ送信すると、表示制御部113は、電力推移グラフを端末装置13に表示させるようになっている。この点について以下詳細に説明する。
電力推移画像には、工場毎のデマンドデータに関する工場単位グラフと、全工場のデマンドデータの合計値に関する合計値グラフとがある。
工場単位グラフは、工場a〜工場z毎に作成されるグラフであり、計測時点を横軸に示す一方で各工場のデマンドデータを縦軸に示したグラフである。例えば、工場aの工場単位グラフには工場aのデマンドデータが縦軸に示され、工場bの工場単位グラフには工場bのデマンドデータが縦軸に示される。
合計値グラフは、工場a〜工場zのデマンドデータの合計値を示すグラフである。つまり、図7に示すように、合計値グラフにおいては、横軸に計測時点が示され、縦軸に全工場のデマンドデータの合計値が示される。
そして、管理者が、工場単位グラフの表示コマンドと管理者の選択した工場とを示した選択コマンドとを端末装置13からデマンド処理装置11へ送信すると、表示制御部113は、記憶部11bのデータベースを参照して、選択コマンドに示される工場についての工場単位グラフを示した画像データを作成し、この画像データの画像(工場単位グラフ)を端末装置13に表示させるようになっている。また、管理者が、合計値グラフの表示コマンドを端末装置13からデマンド処理装置11へ送信すると、表示制御部113は、記憶部11bのデータベースを参照して、合計値グラフを示した画像データを作成し、この画像データの画像(合計値グラフ)を端末装置13に表示させるようになっている。
なお、各グラフにおいて同時に示すことの可能な範囲は24時間分のデータである。但し、管理者が各グラフを横方向にスクロールさせるコマンドを入力することにより、スクロール前には示されていなかった時間のデータが示されたグラフを表示させることが可能になっている。
また、表示制御部113は、利用者からの要求に応じて、複数のグラフを端末装置13に同時に表示させるようになっていてもよい。例えば、工場aの工場単位グラフと合計値グラフとを同時に表示させるようになっていてもよいし、工場aの工場単位グラフと工場bの工場単位グラフとを同時に表示させるようになっていてもよいし、工場aの工場単位グラフと工場bの工場単位グラフと合計値グラフとを同時に表示させるようになっていてもよい。
さらに、図7に示す合計値グラフは、工場毎で色を異ならせた積み上げグラフであってもよい。つまり、デマンドデータの合計値に対する各工場のデマンドデータの割合をビジュアル的に確認できるように、図7に示される棒グラフにおいて各工場のデマンドデータに相当する部分を工場毎に異なる色で表示させるようになっていてもよい。
【0061】
つぎに、図3の通報部114について説明する。通報部114は、予測部112にて予測処理が行われた後、当該予測処理にて特定された予測時間帯を端末装置13に通報する処理を行うようになっている。具体的に、通報部114は、日が改まった後に予測部112にて予測処理が行われると、この予測処理にて特定された予測時間帯を示す警告メールを端末装置13に送信するようになっている。これにより、端末装置13を操作する管理者がデマンド処理装置11にアクセスしなくても、端末装置13の管理者に対して前記の予測時間帯を毎日通報できるようになっている。
【0062】
以上示した実施形態によれば、本社ビルの管理者は、前記の警告メール、または、デマンド処理装置11にアクセスすることで表示される予測画像(図6)により、工場a〜工場zのデマンドデータの合計値が最高ピークになると予測される予測時間帯を把握できる。それゆえ、企業Aの管理者からすれば、前記の予測時間帯において節電を促す指示を各工場に送るだけで、企業A全体でのデマンドデータの最高ピークを効果的に抑制できる。
【0063】
また、図6に示される予測画像によれば、予測時間帯が1つではなく複数挙げられているため、現実に最高ピークになる時点が1つの予測時間帯から外れても、別の予測時間帯の範囲に含まれることになることが多く、デマンドデータの最高ピークの抑制をより確実に行うことができる。
【0064】
さらに、図6に示される予測画像によれば、予測時間帯毎に、予測使用電力の高い工場が上位3つ挙げられている。それゆえ、管理者からすれば、まず、予測使用電力の高い工場について優先的に節電を指示することができ、これにより、平均使用電力の最高ピークの抑制を効率的に行うことができる。
【0065】
[変形例]
以上示した実施形態によれば、企業Aの保有する全ての工場a〜zのデマンドデータの合計値が算出されるようになっているが、全ての工場a〜zのデマンドデータの合計値を算出するのではなく、管理者によって予め登録されている複数の工場のデマンドデータのみの合計値が算出されるようになっていてもよい。
例えば、管理者が端末装置13からデマンド処理装置11にアクセスして登録画面呼出コマンドを入力すると、企業Aの保有する全ての工場a〜zと現時点で登録されている工場とが示されている登録画面が表示されるようになっている。この登録画面が表示されている時に、管理者が、工場a〜zのうち、登録を所望する工場を選択するコマンドを入力すると、選択された工場が登録されるようになっている。
そして、図3に示す予測部112は、全ての工場a〜zのデマンドデータの合計値を算出するのではなく、管理者によって予め登録されている工場のデマンドデータのみの合計値を算出するようになっている。
また、登録される工場を複数のグループに分け、グループ毎にデマンドデータの合計値が算出されるようになっていてもよい。例えば、工場a〜eが第1グループに登録され、工場f〜kが第2グループに登録されると、予測部112は、工場a〜eのデマンドデータの合計値を第1グループのデマンドデータの合計値として求め、工場f〜kのデマンドデータの合計値を第2グループのデマンドデータの合計値として求めるようになっている。
【0066】
さらに、工場a〜zの各々に端末装置13を設置し、前記の予測時間帯の直前に、通報部114が当該予測時間帯を示した警報メールを各端末装置13に送信するようになっていてもよい。
また、通報部114は、予測時間帯の直前に、予測時間帯を示した警報メールを全ての端末装置13に送信するのではなく、当該予測時間帯において予測使用電力が上位数番目までにランキングされている工場の端末装置13のみに送信するようになっていてもよい。例えば、工場aの端末装置を端末装置13aとし、工場bの端末装置を端末装置13bとし、同様に、工場c〜工場zの端末装置を端末装置13c〜13zとする。そして、図6に示すような事例においては、各予測時間帯の直前に、予測時間帯を示した警報メールが端末装置13a〜13cに送信されるものの、端末装置13d〜13zには送信されないのである。
また、通報部114は、予測時間帯の直前に、予測使用電力が高い工場の端末装置13から順に警報メールを送信するようになっていてもよい。例えば、図6に示すように、11時31分〜12時の予測時間帯において、工場aが最も予測使用電力が高く、工場bが2番目に予測使用電力が高く、工場cが3番目に予測使用電力が高くなっている場合を想定する。この場合、通報部114は、最初に工場aの端末装置13aに警報メールを送信し、節電可能メールが端末装置13aから送信されるのを待機する。これに対し、工場aの管理者は、工場aにおいて節電可能であれば節電可能メールを端末装置13aからデマンド処理装置11へ送信させる。そして、通報部114は、閾値時間内に節電可能メールを受け取った場合は処理を終了し、閾値時間内に節電可能メールを受け取らなかった場合、工場aのつぎに予測使用電力の高い工場bの端末装置13bに対して警報メールを送信する。そして、通報部114は、端末装置13bについても端末装置13aの場合と同様の処理を繰り返す。つまり、通報部114は、端末装置13bから節電可能メールを受け取れば処理を終了し、端末装置13bから節電可能メールを受信しない場合、工場bの次に予測使用電力が高い工場cの端末装置13cに対して警報メールを送信する。
【0067】
また、端末装置13、端末装置13a〜13zは、汎用のパーソナルコンピュータであったが、例えば、携帯電話、携帯型通信端末等の携帯端末であってもよいし、通報部114から通報を受けると単に警報を示すブザー等を鳴らす警報装置等であってもよい。なお、端末装置13、端末装置13a〜13zが携帯端末である場合、端末装置13は本社の管理者が所持し、端末装置13a〜13zは、各々、工場a〜工場zの管理者が所持するようになっている。
【0068】
また、通報部114は、データ処理部111にて算出(出力)されるデマンドデータの合計値の最新値を常に監視し、当該最新値と閾値とを対比して、当該最新値が閾値を超えると、全ての工場の端末装置13a〜13zに対して警報メールを送信するようになっていてもよい。また、通報部114は、デマンドデータの合計値の最新値が第1の閾値を超えた場合、可能であれば節電を行う事を促す注意メールを全ての工場の端末装置13a〜13zに対して送信し、前記合計値の最新値が第1の閾値よりも高い第2の閾値を超えた場合、節電を義務付ける警報メールを全ての工場の端末装置13a〜13zに対して送信するようになっていてもよい。
【0069】
また、以上の実施形態によれば、予測部112は、過去30日のデータ(工場a〜工場zのデマンドデータおよびデマンドデータの合計値)を参照して、前記の予測時間帯を特定している。しかし、参照するデータは過去30日分に限定されるわけではなく、過去2月分でもよいし、過去3月分であってもよい。
また、予測部112は、予測処理を行う日付と同じ属性の過去の日付のデータのみを参照して、前記の予測時間帯を特定してもよい。なお、属性としては、曜日、季節、年、年度等が挙げられる。例えば、予測部112は、予測処理を行う日付が火曜日である場合、過去の火曜日の30日分のデータ(工場a〜工場zのデマンドデータおよびデマンドデータの合計値)のみを参照して予測時間帯を特定してもよいし、予測処理を行う季節が夏である場合、夏に属する過去30日分のデータのみを参照して予測時間帯を特定してもよいし、予測処理を行う日が平成24年度である場合、平成24年度の全ての日のデータを参照して予測時間帯を特定してもよい。なお、季節は日付で認識される。つまり、3〜5月を春とし、6月〜8月を夏とし、9月〜11月を秋とし、12月〜2月を冬として認識すればよい。なお、いずれの特定手法においても、参照するデータが異なるだけであり、予測時間帯の特定方法(予測処理)自体は、以上の実施形態の予測部112の処理内容と同様である。
【0070】
また、以上の実施形態によれば、予測部112は、デマンドデータの各計測時点のなかから、デマンドデータの合計値が最高ピークになった計測時点として抽出された頻度(回数)の高い時点を上位3つ特定しているが、上位2つであってもよいし、最も頻度の高い時点のみであってもよい。但し、上位2つが特定される場合は出力される予測時間帯は2つであり、最も頻度の高い時点のみが特定される場合は出力される予測時間帯は1つになる。
【0071】
また、以上示した実施形態において、予測部112は、直近の過去30日の各々について、工場a〜工場zのデマンドデータの合計値が最高ピーク(一日のうちの最高ピーク)になった計測時点を抽出し、抽出された頻度(回数)の高い計測時点を上位3つ特定するようになっている。しかし、最高ピークになった計測時点のみを抽出するのではなく、複数のピーク(例えば一日のうちの最高ピークと2番目に大きなピークと3番目に大きなピーク)の各々の計測時点を抽出し、抽出された頻度(回数)の高い計測時点を上位3つ特定するようになっていてもよい。さらに、この場合、ピークの大きさの順に応じて、頻度に対して重み付けを行ってもよい。例えば、最高ピークの計測時点については抽出回数に対して3を乗じて重み付けし、2番目に大きなピークの計測時点については抽出回数に対して2を乗じて重み付けし、3番目に大きなピークの計測時点については抽出回数に対して1を乗じて重み付けし、重み付け後の抽出回数の合計の高い計測時点を特定するようになっていてもよい。
【0072】
また、工場a〜工場zの各々について、電力使用を削減できる余地の大きさを示した削減余地データを予め設定しておき、工場毎の削減余地データを記憶部11bに予め記憶させておくような構成も想定される。この削減余地データとは、システム設計者が各工場の電気設備等を調査することによって決定する値であり、他工場との関係で決定される相対的な値である。例えば、削減余地データの最高値を100%と定め、工場aの削減余地データを10%とし、工場bの削減余地データを5%とする場合、工場aの使用電力の削減余地は工場bの使用電力の削減余地よりも倍であるということになる。
そして、表示制御部113は、図6に示す予測画像において予測使用電力が高い上位3つの工場を示しているが、記憶部11bを参照して、これら工場の各々の削減余地データをさらに予測画像に示すようになっていてもよい。
また、表示制御部113は、記憶部11bを参照して、予測時間帯毎に、各工場の予測使用電力に対して各工場の削減余地データを乗じることによって各工場の予測使用電力を補正し、各工場の予測使用割合に対して各工場の削減余地データを乗じることによって各工場の予測使用割合を補正するようになっていてもよい。そして、表示制御部113は、予測時間帯の他に、予測時間帯毎に、補正後の予測使用電力が高い上位3つの工場と、これら工場の補正後の予測使用電力と、これら工場の補正後の予測使用割合とを予測画像に示すようになっていてもよい。なお、表示制御部113は、予測時間帯の他に、予測時間帯毎に、補正後の予測使用割合が高い上位3つの工場と、これら工場の補正後の予測使用電力と、これら工場の補正後の予測使用割合とを予測画像に示すようになっていてもよい。
【0073】
また、削減余地データは、以下に示すような定め方によって定めることも可能である。図8に示すように、各工場において、1日のうちのデマンドデータの最高値と最低値との差(絶対値)を変動幅と称す場合、変動幅が大きいほど使用電力を削減する余地が大きくなる。そこで、工場a〜工場zの各々について、過去のデータから変動幅の代表値を求め、変動幅の代表値に所定係数を乗じて得られた値を削減余地データとするようになっていてもよい。例えば、所定係数を0.1と定め、ある工場の変動幅が110kwであるような場合、当該工場の削減余地データを11%と定めるというようになっていてもよい。
【0074】
また、図9に示すように、各工場の非稼動期間のデマンドデータ(イニシャル電力)は所定値以下で安定している。そこで、デマンド処理装置11は、各工場について、過去のデマンドデータから前記所定値を特定し、直近の平均使用電力が所定値以下になった工場に対して節電を促す警報を端末装置13に送信するようになっていてもよい。これにより、非稼動時における無駄な電力使用を抑制できる。
【0075】
また、図7に示すような合計値グラフにおける前記合計値の推移パターンは数種類に分類される。それゆえ、予測処理が行われる日付(本日)の合計値グラフのうちの一部(午前中)の前記合計値の推移パターンと、過去の日付における合計値グラフのうちの一部(午前中)の前記合計値の推移パターンとをパターンマッチングすることによって、予測処理が行われる日付の合計値グラフのうちの残りの一部(午後)の前記合計値の推移パターンを予測でき、ひいては前記合計値が最高になる時間帯を予測できる。
【0076】
そこで、デマンド処理装置11は、下記に説明するグラフ作成部と類似グラフ抽出部とを備えていてもよい。グラフ作成部は、記憶部11bのデータベース(履歴情報)を参照して、計測時点と前記合計値との関係を示した合計値グラフ(図7参照)を日付毎に作成するものである。類似グラフ抽出部は、現時点の属する日付の合計値グラフにおける現時点までの時間範囲と同一時間範囲において、現時点の属する日付の合計値グラフと過去の日付の合計値グラフとのパターンマッチングを行い、現時点の属する日付の合計値グラフに最も類似している合計値グラフを過去の日付の合計値グラフのなかから抽出するものである。そして、予測部112は、前記類似グラフ抽出部にて抽出された合計値グラフにおいて前記合計値が最高になる計測時点に対応する計測時間帯を前記予測時間帯として特定するようになっている。この構成によれば、現時点の属する日付(本日)の合計値グラフに最も近い過去の日付の合計値グラフを特定し、特定した合計値グラフにおいて前記合計値が最高になる時間帯を前記予測時間帯としているので、予測時間帯の特定をより正確に行える。例えば、現在が6月1日の9時である場合、6月1日の0時〜9時までの合計値グラフと、過去の30日分の0時〜9時までの合計値グラフとをパターンマッチングし、過去の30日分の合計値グラフのなかから、6月1日の合計値グラフに最も近い合計値グラフを特定する。そして、特定した合計値グラフにおいて前記合計値が最高になる時間帯を、6月1日における予測時間帯(前記合計値が最高になると予想される時間帯)として特定するようになっている。
【0077】
なお、前記のパターンマッチングとしては、グラフに対して用いられている周知のパターンマッチング手法を適宜用いることができる。一例として、第1合計値グラフの前記合計値と第2合計値グラフの前記合計値との差の絶対値を計測時点毎に求め、第2合計値グラフを交換していき、当該絶対値の合計が最も少なかった第2合計値グラフを、第1合計値グラフに最も類似していると判定するような手法であってもよい。
【0078】
また、本実施形態のデマンド処理装置11は、本社ビルに設置されていてもよいし、工場a〜工場zの各々に設置されていてもよい。また、デマンド処理装置11は携帯型端末であってもよい。
【0079】
(実施形態および変形例の総括)
以上示した実施形態のデマンド処理装置11は、単位期間毎に設定される各計測時点において前記単位期間における計測対象(工場)の使用電力の平均値を示したデマンドデータを計測する監視装置(計測装置)17から、前記デマンドデータを受信して処理するものである。そして、デマンド処理装置11のデータ処理部111は、互いに計測対象の工場を異ならせる複数の監視装置17a〜17zからデマンドデータを受信し、複数の監視装置17a〜17zの各々にて計測されたデマンドデータを合計した合計値を前記計測の日時毎に求め、求めた合計値を前記計測の日時毎に示したデータベース(履歴情報)を記憶部11bに記録するようになっている。デマンド処理装置11の予測部112は、前記データベースに基づいて、現時点よりも先の時間帯であって、複数の監視装置17a〜17zにて計測されるデマンドデータの合計値が1日のうちで最高になる時間帯を予測時間帯として予測する。また、デマンド処理装置11の表示制御部113および通報部114は前記予測時間帯を管理者(利用者)に通知するようになっている。
【0080】
このようなデマンド処理装置11の構成によれば、管理者は、複数の計測対象(工場)からなるグループにおけるデマンドデータの合計値が最高値になる時間帯を予測できるので、前記最高値を効率的に抑制するような節電計画を立てることが容易になる。
【0081】
また、本実施形態の予測部112は、記憶部11bのデータベースを参照して、計測対象の工場毎に、前記予測時間帯と同じ時間帯の過去のデマンドデータの代表値(平均値等)を、前記予測時間帯の使用電力の予測値である予測使用電力として出力している。そして、表示制御部113は、前記予測時間帯と共に、前記予測使用電力の大きさの順位が所定の位よりも高い計測対象(工場)を利用者に通知するようになっている。これにより、前記の予測時間帯において使用電力が大きくなると予測される計測対象(工場)を特定できるため、前記最高値を効率的に抑制できるような節電計画を立てることが一層容易になる。
【0082】
また、以上にて示した変形例では、計測対象の工場毎に、使用電力の削減余地が多いほど値が大きくなるような削減余地係数を記憶部11bに予め記憶させておき、表示制御部113が、前記計測対象の工場毎に、前記の予測使用電力に対して前記削減余地係数を乗じることで前記予測使用電力を補正し、補正後の前記予測値の大きさの順位が所定の位よりも高い計測対象(工場)を利用者に通知するようになっている。この構成によれば、前記予測使用電力が大きくても削減余地が殆どないような計測対象については利用者に通知される確率を抑制し、前記予測使用電力が中程度でも削減余地が大きい計測対象については利用者に通知される確率を高めることができるので、節電対応の容易な計測対象の特定が容易になる。
【0083】
また、本実施形態の予測部112は、記憶部11bのデータベースを参照して、前記予測時間帯と同じ時間帯の過去のデマンドデータの代表値を計測対象毎に出力し、計測対象毎に、全ての計測対象の前記代表値に対する各計測対象の代表値の割合を、前記予測時間帯の使用電力の予測値の大きさを示す予測使用割合(予測割合データ)として出力するようになっている。そして、表示制御部113は、前記予測時間帯と共に、前記予測割合データの大きさの順位が所定の位よりも高い計測対象(工場)を利用者に通知するようになっている。これにより、前記の予測時間帯において使用電力が大きくなると予測される計測対象を特定できるため、前記最高値を効率的に抑制できるような節電計画を立てることが一層容易になる。
【0084】
また、以上にて示した変形例では、計測対象の工場毎に、使用電力の削減余地が多いほど値が大きくなるような削減余地係数を記憶部11bに予め記憶させておき、表示制御部113が、前記計測対象の工場毎に、前記予測使用割合に対して前記削減余地係数を乗じることで前記予測使用割合を補正し、補正後の前記予測使用割合の大きさの順位が所定の位よりも高い計測対象(工場)を利用者に通知するようになっている。この構成によれば、前記予測使用電力が大きくても削減余地が殆どないような計測対象については利用者に通知される確率を抑制し、前記予測使用電力が中程度でも削減余地が大きい計測対象については利用者に通知される確率を高めることができるので、節電対応の容易な計測対象の特定が容易になる。
【0085】
また、本実施形態の予測部112は、記憶部11bのデータベースを参照して、デマンドデータが計測される各計測時点のうち前記合計値が一日のなかで最大値になる計測時点を抽出し、前記抽出の回数を示す抽出頻度の高さの順位が所定の位よりも高い計測時点を特定し、特定された計測時点に対応する計測時間帯を前記予測時間帯として特定するようになっている。
【0086】
また、本実施形態の変形例によれば、通報部114は、前記予測時間帯を予測しようとしている日付を予測対象日とした場合、前記データベースのうち、前記予測対象日の属性と同じ属性の日付にて計測されたデマンドデータから得られた部分のみを参照して、前記予測時間帯を予測するようになっている。また、前記の属性としては、曜日、季節、年、年度のうちの少なくともいずれかが挙げられる。
【0087】
以上の変形例によれば、例えば、予測時間帯を予測しようとしている日付(本日)が火曜日である場合、記憶部11bのデータベースのうち、過去に火曜日に計測されたデマンドデータから得られた情報(計測時点が火曜日になっているデマンドデータおよび合計値)のみから前記予測を行うことになるので、より信頼度の高い予測を行えるというメリットを有する。
【0088】
さらに、本実施形態の変形例によれば、デマンド処理装置11は、以下に示すグラフ作成部および類似グラフ抽出部をさらに備えていてもよい。グラフ作成部は、記憶部11bのデータベースを参照して、前記計測時点と前記合計値との関係を示した合計値グラフを日付毎に作成する。類似グラフ抽出部は、現時点の属する日付の合計値グラフにおける現時点までの時間範囲と同一時間範囲において、現時点の属する日付の合計値グラフと最も類似している合計値グラフを、過去の日付の合計値グラフのなかから抽出する。そして、予測部112は、前記類似グラフ抽出部にて抽出された合計値グラフにおいて前記合計値が最高になる計測時点に対応する計測時間帯を前記予測時間帯として特定するようになっている。この構成によれば、前記合計値の推移状況が現時点の属する日付(本日)に最も近い過去の日付の合計値グラフを参照して、前記合計値が最高になる時間帯を特定しているので、前記の予測をより正確に行えるという効果を奏する。
【0089】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0090】
なお、上記した各実施形態における情報処理部11aの各部は、CPU(Central Processing Unit)などの演算手段が、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などの記憶手段に記憶されたプログラムを実行し、インターフェース回路などの通信手段を制御することにより実現できる。したがって、これらの手段を有するコンピュータが、上記プログラムを記録した記録媒体を読み取り、当該プログラムを実行するだけで、本実施形態の情報処理部11aの各種機能および各種処理を実現することができる。また、上記プログラムをリムーバブルな記録媒体に記録することにより、任意のコンピュータ上で上記の各種機能および各種処理を実現することができる。
【0091】
この記録媒体としては、マイクロコンピュータで処理を行うために図示しないメモリ、例えばROMのようなものがプログラムメディアであっても良いし、また、図示していないが外部記憶装置としてプログラム読み取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することにより読み取り可能なプログラムメディアであっても良い。
【0092】
また、何れの場合でも、格納されているプログラムは、マイクロプロセッサがアクセスして実行される構成であることが好ましい。さらに、プログラムを読み出し、読み出されたプログラムは、マイクロコンピュータのプログラム記憶エリアにダウンロードされて、そのプログラムが実行される方式であることが好ましい。なお、このダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
【0093】
また、上記プログラムメディアとしては、本体と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フレキシブルディスクやハードディスク等の磁気ディスクやCD/MO/MD/DVD等のディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する記録媒体等がある。
【0094】
また、インターネットを含む通信ネットワークを接続可能なシステム構成であれば、通信ネットワークからプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する記録媒体であることが好ましい。
【0095】
さらに、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納しておくか、あるいは別な記録媒体からインストールされるものであることが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明は、単位期間(例えば30分間または1時間)の平均使用電力を示すデマンドデータを処理するデマンド処理装置に利用できる。
【符号の説明】
【0097】
10 デマンド処理システム
11 デマンド処理装置
11b 記憶部(記憶装置)
13 端末装置
17 監視装置
111 データ処理部
112 予測部
113 表示制御部(通知部)
114 通報部(通知部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単位期間毎に設定される各計測時点において前記単位期間における計測対象の使用電力の平均値を示したデマンドデータを計測する計測装置から、前記デマンドデータを受信して処理するデマンド処理装置において、
互いに計測対象を異ならせる複数の計測装置からデマンドデータを受信し、前記複数の計測装置の各々にて計測されたデマンドデータを合計した合計値を前記計測の日時毎に求め、求めた合計値を前記計測の日時毎に示した履歴情報を記憶装置に記録するデータ処理部と、
前記履歴情報に基づいて、現時点よりも先の時間帯であって、前記複数の計測装置にて計測されるデマンドデータの合計値が1日のうちで最高になる可能性のある時間帯を予測時間帯として予測する予測部と、
前記予測時間帯を利用者に通知する通知部とを備えたことを特徴とするデマンド処理装置。
【請求項2】
前記予測部は、予測時間帯を予測しようとしている日付を予測対象日とした場合、前記履歴情報のうち、前記予測対象日の属性と同じ属性の日付にて計測されたデマンドデータから得られた部分のみを参照して、前記予測時間帯を予測するようになっていることを特徴とする請求項1に記載のデマンド処理装置。
【請求項3】
前記属性とは、曜日、季節、年、年度のうちの少なくともいずれかであることを特徴とする請求項2に記載のデマンド処理装置。
【請求項4】
前記予測部は、前記履歴情報を参照して、計測対象毎に、前記予測時間帯と同じ時間帯の過去のデマンドデータの代表値を、前記予測時間帯の使用電力の予測値として出力し、
前記通知部は、前記予測時間帯と共に、前記予測値の大きさの順位が所定の位よりも高い計測対象を利用者に通知するようになっていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のデマンド処理装置。
【請求項5】
前記記憶装置には、前記計測対象毎に、使用電力の削減余地が多いほど値が大きくなるような削減余地係数が予め記憶されており、
前記通知部は、
前記計測対象毎に、前記予測値に対して前記削減余地係数を乗じることで、前記予測値を補正し、
補正後の前記予測値の大きさの順位が所定の位よりも高い計測対象を利用者に通知するようになっていることを特徴とする請求項4に記載のデマンド処理装置。
【請求項6】
前記予測部は、
前記履歴情報を参照して、前記予測時間帯と同じ時間帯の過去のデマンドデータの代表値を計測対象毎に出力し、
計測対象毎に、全ての計測対象の前記代表値に対する各計測対象の代表値の割合を、前記予測時間帯の使用電力の予測値の大きさを示す予測割合データとして出力し、
前記通知部は、
前記予測時間帯と共に、前記予測割合データの大きさの順位が所定の位よりも高い計測対象を利用者に通知するようになっていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のデマンド処理装置。
【請求項7】
前記記憶装置には、前記計測対象毎に、使用電力の削減余地が多いほど値が大きくなるような削減余地係数が予め記憶されており、
前記予測部は、前記計測対象毎に、前記予測割合データに対して前記削減余地係数を乗じることで、前記予測割合データを補正し、
前記通知部は、補正後の前記予測割合データの大きさの順位が所定の位よりも高い計測対象を利用者に通知するようになっていることを特徴とする請求項6に記載のデマンド処理装置。
【請求項8】
前記予測部は、
前記履歴情報を参照して、デマンドデータが計測される各計測時点のうち前記合計値が一日のなかで最大値になる計測時点を抽出し、
前記抽出の回数を示す抽出頻度の高さの順位が所定の位よりも高い計測時点を特定し、特定された計測時点に対応する前記単位期間の時間帯を前記予測時間帯として特定するようになっていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のデマンド処理装置。
【請求項9】
前記履歴情報を参照して、前記計測時点と前記合計値との関係を示したグラフを日付毎に作成するグラフ作成部と、
現時点の属する日付のグラフにおける現時点までの時間範囲と同一時間範囲において、現時点の属する日付のグラフと最も類似しているグラフを、過去の日付のグラフのなかから抽出する類似グラフ抽出部とを備え、
前記予測部は、前記類似グラフ抽出部にて抽出されたグラフにおいて前記合計値が最高になる計測時点に対応する前記単位期間の時間帯を前記予測時間帯として特定するようになっていることを特徴する請求項1に記載のデマンド処理装置。
【請求項10】
単位期間毎に設定される各計測時点において前記単位期間における計測対象の使用電力の平均値を示したデマンドデータを計測する計測装置から、前記デマンドデータを受信して処理するデマンド処理装置の制御方法において、
データ処理部が、互いに計測対象を異ならせる複数の計測装置からデマンドデータを受信し、前記複数の計測装置の各々にて計測されたデマンドデータを合計した合計値を前記計測の日時毎に求め、求めた合計値を前記計測の日時毎に示した履歴情報を記憶装置に記録し、
予測部が、前記履歴情報に基づいて、現時点よりも先の時間帯であって、前記複数の計測装置にて計測されるデマンドデータの合計値が1日のうちで最高になる時間帯を予測時間帯として予測し、
通知部が、前記予測時間帯を利用者に通知するようになっていることを特徴とするデマンド処理装置の制御方法。
【請求項11】
コンピュータを、請求項1から9のいずれか1項に記載のデマンド処理装置の各部として機能させるプログラム。
【請求項12】
請求項11に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−9533(P2013−9533A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−141022(P2011−141022)
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】