説明

デンプンを含む水安定性繊維及び物品並びにその製造方法

水安定性繊維及びそれから製造される物品は、非構造化デンプン、多価アルコール、トリグリセリド、及び所望により酸を含む熱可塑性組成物から形成される。水安定性組成物の製造方法は、非構造化デンプン、多価アルコール、トリグリセリド及び所望により酸の混合物を溶融押出成形して押出品を形成し、混合物、押出品、又は両方を加熱して水安定性物品を提供することを含んでよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱可塑性デンプン組成物から製造される繊維、及びそれから製造される物品に関する。繊維及び物品は、水安定性であるか、又は水安定性にされてよい。また本発明は、繊維及び物品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特に高速工業レベルで、デンプン含有繊維を製造する多くの試みがなされてきた。しかし、デンプン繊維は、繊維の材料及び加工特性が非常に厳しいので、デンプンを含有するフィルム、ブロー成形物品、及び射出成形物品よりも、製造するのが非常に困難である場合がある。例えば、繊維製造においては、他の方法よりも、局所ひずみ速度及びせん断速度が非常に大きい場合がある。さらに、繊維紡糸のために均質な組成物が必要である可能性がある。現在の商業的に実現可能な方法において、細繊維を紡糸するためには、溶融物の小さな欠陥、わずかな不一致、又は非均質は、一般に許容できない。
【0003】
近年、標準機器にて、プラスチック工業において既知の既存技術を使用して、デンプンを加工する試みがなされてきた。デンプンを含む繊維は、様々な理由から従来のプラスチックよりも望ましい可能性がある。石油及びその誘導体の予測できない価格変動と入手可能性は、合成繊維、例えばポリオレフィン系合成繊維を製造する際に使用される石油系ポリマーの安定した供給に、深刻な混乱をもたらしてきた。またデンプンは、より高い親水性(例えば、改善された吸収性のため)、並びにポリオレフィンと通常融和性がない他の材料との親和性及び相溶性を包含する、一般に従来のポリオレフィンプラスチックによっては提供されない材料特性も有する。ある形態では、デンプンは、容易な使い捨て性及び/若しくはフラッシャブル性のような消費者関連利益、並びに/又は生体調達(bio-sourcing)及び生分解性のような社会及び環境関連特性を提供する可能性もある。またデンプンは、従来の石油系材料、例えばポリプロピレンの低価格な代替物を提供する可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の方法において、一般にデンプンは、例えば溶融紡糸又は他の溶融押出成形技術による加工のために熱可塑性を付与するために、1以上の可塑剤又は他の加工助剤と組み合わせられる。残念なことに、熱可塑性デンプン(TPS)は、水分に非常に敏感である。実際、TPSで製造される繊維は、自然に大気の水分を獲得して粘着性になり得る。従来のデンプンブレンドによるTPS繊維は、水中に置くと、数時間のうちに、部分的に又は完全に分解する。石油系ポリマーの添加を包含するがこれに限定されない、デンプンを含有する熱可塑性組成物をより水安定性にするための方法は存在するが、こうした組成物及びこうした組成物から製造された物品における、より大きい水安定性へのニーズは未だ満たされていない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ある実施形態では、本発明は、非構造化デンプンと、多価アルコール及びトリグリセリドを含む反応混合物から形成されるエステル交換反応生成物とを含む、熱可塑性ポリマー組成物から製造される水安定性繊維に関する。ある実施形態では、水安定性繊維は、多価アルコールと酸のエステル縮合反応生成物を更に含む、熱可塑性ポリマー組成物から製造される。
【0006】
ある実施形態では、本発明は、水安定性繊維の製造方法を対象とする。該方法は、あらゆる好適な順序で完了されてよい、次の一連の工程を含む。1つの工程において、非構造化デンプン、多価アルコール、トリグリセリド、及び酸の混合物を形成する。更なる工程において、混合物を、高温にて、紡糸口金から押出成形し、繊維を形成する。なお更なる工程において、多価アルコールとトリグリセリドとの間でエステル交換反応を誘発し、所望により、多価アルコールと酸との間でエステル縮合反応を誘発する。
【0007】
ある実施形態では、本発明の繊維から物品が製造される。該物品の非限定例としては、不織布が挙げられる。具体的な実施形態としては、個人衛生物品、吸収性物品、及び包装が挙げられる。
【0008】
一般に、本発明は、デンプン系組成物、改善された水安定性を有する繊維及び他の形態の物品、並びに組成物及びこうした水安定性組成物及び物品の製造方法を提供する。ポリオレフィンが挙げられるがこれに限定されない石油系ポリマーの使用を必要とすることなく、水安定性が得られる可能性がある。水安定性は、様々な消費者関連利益を提供し得る。繊維、組成物、及び方法は、従来の石油系材料の低価格な代替物を提供する可能性がある。これらの及び追加の利点は、次の発明を実施するための最良の形態を考慮することでより明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本明細書で用いられる全ての百分率、比率、及び割合は、特に規定がない限り、組成物の重量百分率による。全ての平均値は、特に明確に指示がない限り、組成物又はその構成成分の「重量により」計算される。ポリマーの「平均分子量」又は「分子量」は、特に指示がない限り、重量平均分子量を指す。重量平均分子量は、特に規定がない限り、ゲル透過クロマトグラフィーにより決定される。
【0010】
本明細書で使用するとき、「コポリマー」とは、コポリマー、ターポリマー、及び他のマルチモノマーポリマーを網羅することを意味する。
【0011】
本明細書で使用するとき、「反応剤」とは、化学反応の開始時に存在する化学物質を指す。
【0012】
本明細書で使用するとき、「混合物」とは、特に規定がない限り、定義された群の構成成分のいずれかの2つ以上の混合物を指す。
【0013】
本明細書で使用するとき、「生分解性」は、微生物及び/又は天然の環境因子によって最終的にCH4、CO2及び水又は生物資源に完全に分解される化合物の能力を指す。
【0014】
本明細書で使用するとき、「繊維」は、短繊維、不連続である短繊維より長い繊維及び連続繊維を包含し、これは、当該技術分野において「実質的に連続なフィラメント」又は単に「フィラメント」と称されることもある。繊維の調製方法は、繊維が短繊維であるか又は連続フィラメントであるかを決定するであろう。
【0015】
本明細書で使用するとき、「単構成成分繊維」とは、1以上の押出成形機を使用して1つのポリマーのみから形成される繊維を指す。これは、少量の添加剤が添加された1つのポリマーから形成される繊維を除外することを意味しない。得られる繊維に、着色、静電気防止特性、潤滑性、親水性、及び同種のものを提供する目的で、ポリマーに添加剤を添加してよい。
【0016】
本明細書で使用するとき、「多構成成分繊維」とは、別々の押出成形機から押出成形され、共に紡糸され1つの繊維を形成する、2つ以上の異なるポリマーから形成される繊維を指す。
【0017】
「二構成成分繊維」は、多構成成分繊維の1種であり、2つの異なるポリマーから形成される。二構成成分繊維は、時に「複合繊維」又は「多構成成分繊維」と称される場合もある。二構成成分繊維は、二構成成分繊維の断面にわたる及びそれらの長さに沿った別個のゾーンに、実質的に一定に配置されるポリマーから構成されてよい。かかる二構成成分繊維の非限定的な例としては、あるポリマーが別のポリマーで取り囲まれるシース/コア配置、サイド−バイ−サイド配置、セグメント化パイ配置、又は「海島型」さえも挙げられるが、これらに限定されない。前述の各ポリマー配置は、多構成成分繊維(二構成成分繊維を含む)の技術分野において既知である。
【0018】
二構成成分繊維はスプリット繊維であることができ、このような繊維は、処理前又は処理中に、元の二構成成分繊維よりも小さい断面寸法をそれぞれ有する、複数の繊維に長手方向に分割され得る。スプリット繊維は、それらの低減された断面寸法のために、より柔軟な不織布ウェブを製造することが示されてきた。本発明において有用である代表的なスプリット繊維としては、T−502及びT−512タイプの16区画のPET/ナイロン6、2.5デニール繊維;及びT−522タイプの16区画のPET/PPスプリット繊維が挙げられ、これらは全て、テネシー州ジョンソンシティ(Johnson City)にあるファイバー・イノベーション・テクノロジー(Fiber Innovation Technology)から入手可能である。
【0019】
本明細書で使用するとき、「二構成要素繊維」とは、同一の押出成形機からブレンドとして押し出される、少なくとも2つの出発ポリマーから形成される繊維を指す。二構成要素繊維は、繊維の断面にわたって、比較的一定に配置される別個のゾーンに配列した様々なポリマー構成成分を有してよく、様々なポリマーは、通常繊維の全長に沿って不連続である。あるいは、二構成要素繊維は、均質な又は均質ではない、少なくとも2つの出発ポリマーのブレンドを含んでよい。例えば、二構成成分繊維は、分子量のみが異なる出発ポリマーから形成されてよい。
【0020】
二構成要素繊維を含むポリマーは、繊維の長さに沿って無作為に始まり終わってよいフィブリルを形成してよい。二構成要素繊維は、時に多構成要素繊維と称される場合もある。
【0021】
本明細書で互換的に用いられる、用語「非円形繊維」及び「成形繊維」は、円形でない断面を有する繊維を指し、「成形繊維」及び「毛管チャネル繊維」である繊維を含むが、これらに限定されない。かかる繊維は、固体又は中空であってよく、3葉、デルタ形であってよく、好ましくは外表面に毛管チャネルを有する繊維である。毛管チャネルは、「U形状」、「H形状」、「C形状」及び「V形状」のような様々な断面形状であることができる。1つの好ましい毛管チャネル繊維は、ファイバー・イノベーション・テクノロジーズ(Fiber Innovation Technologies)(テネシー州、ジョンソンシティ(Johnson City))から入手可能な、4DG繊維と呼称されるT−401である。T−401繊維は、ポリエチレンテレフタレート(PETポリエステル)である。本発明で用いられる成形繊維のさらなる例は、米国特許公開第2005/0176326号に見られる。
【0022】
用語「不織布ウェブ」又は「ウェブ」は、本明細書において同じ意味で用いられ、中間に載置される(interlaid)が、編みウェブ又は織布ウェブのような識別可能な様式ではない個々の繊維又は糸の層を指す。不織布ウェブは、次の非限定例を含む方法を包含する、当該技術分野において既知の方法により製造されてよい。有用な繊維レイイング方法としては、カーディング、エアレイイング、及びウェットレイイングが挙げられる可能性があるが、これらに限定されない。樹脂からのフィラメント紡糸及び一体化したウェブフォーミングを含む方法としては、スパンボンディング、メルトブローイング、コフォーミング及びスパンボンド−メルトブロー−スパンボンド複合材料の形成が挙げられるが、これらに限定されない。使用される繊維結合方法としては、スパンレイシング(例えば、水流交絡不織布)、冷カレンダ処理、温カレンダ処理、エアスルー結合、化学結合、ニードルパンチング、及びこれらの組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0023】
本明細書で使用するとき、「堆肥化可能」とは、次の3つの要件を満たす材料を指す。(1)材料は、固形廃棄物用の堆肥化施設で処理することができる、(2)材料は、そのように処理されると、最後には最終堆肥になる、及び(3)堆肥を土壌中で使用すると、材料は最終的に土壌中で生物分解する。
【0024】
本明細書で使用するとき、用語「含む」は、本発明を実施する際に多様な構成成分、成分、又は工程を組み合わせて採用できることを意味する。それ故に、用語「含む」は、より制限された用語「から本質的に成る」及び「から成る」を網羅する。本組成物は、本明細書にて開示されるあらゆる必須要素及び任意要素を含むことができ、これらから本質的に成ることができ、又はこれらから成ることができる。
【0025】
本明細書で使用するとき、マーカッシュ言語は、特に指示がない限り、マーカッシュ群の個々の要素の組合せを網羅する。
【0026】
本明細書で使用される全ての百分率、比率、及び割合は、特に規定がない限り、組成物の重量百分率による。全ての平均値は、特に明確に指示がない限り、組成物又はその構成成分の「重量により」計算される。
【0027】
本明細書にて開示された全ての数値域は、範囲内の各個々の数を網羅し、開示された範囲の上限値及び下限値のあらゆる組合せを網羅することが意図される。
【0028】
本発明は、水安定性繊維、水安定性繊維を含む物品、及びその製造方法を対象とする。本明細書の文脈内において、「水安定性」は、次の手順に従って、室温にて水道水200mL中で2週間後、そのまま残っている材料を表現する。清浄なガラス容器に水道水200mLを満たし、材料約0.5グラムを添加する。材料は、アスペクト比が約1:20超過、最小軸が1mm以下の形態でなければならない。この条件は、直径1mm未満の繊維に容易に当てはまる。適切には、少なくとも10つの試験片を、水が入った容器に添加しなければならない。容器を閉じ、軌道機械振とう器(例えば、マデルテクノロジー(Madell Technology)ZD−9556、ネブラスカ州、オマハ(Omaha))により、10.5rad/s(100rpm)で15分間かき混ぜ、材料を水でコーティングする。1時間後、24時間後、48時間後、72時間後、及び2週間後、内容物を、軌道機械振とう器により、10.5rad/s(100rpm)で15分間かき混ぜる。2週間後、材料が、離解がなくそのままであったら、材料は水安定性であると考えられる。適切には、各試験片は、離解せず単一体のままである。材料は、若干の膨潤又は他の寸法変化を示してもなお、水安定性である可能性がある。具体的な実施形態では、記載された水安定性試験を受けるとき、材料は寸法の実質的な減少を示さない。用語「寸法の実質的な減少」とは、試験片の平均最大軸長が、平均で15%超過の減少を示すことを意味する。より具体的な実施形態では、試験片の平均最大軸長は、平均で10%以下の減少を示す。平均は、一般に10以上の試験片に基づく。
【0029】
本繊維、繊維を含む物品、及び方法は、デンプンを採用する。一実施形態では、本発明は、非構造化デンプン、多価アルコール、並びにトリグリセリド及び/又は酸を含む熱可塑性デンプン組成物から製造される繊維を対象とし、該繊維は、加熱によって水安定性になる可能性がある。本発明の熱可塑性ポリマー組成物は、本明細書では「デンプン組成物」とも称される材料の混合物から製造される。
【0030】
デンプン
デンプンは、天然に豊富であり、比較的安価であり得る。熱可塑性デンプンは、生分解性、堆肥化可能性、天然親水性、及び伝統的に石油系ポリマーと相性が悪い材料との相溶性を包含するがこれらに制限されない、従来の石油系ポリマーでは一般に観察されない望ましい特性を有することができる。
【0031】
デンプンは、いくつかの異なる形態を取る可能性がある。本明細書で使用するとき、「天然デンプン」とは、その天然起源の、非変性形態で見られるデンプンを意味する。天然デンプンのあらゆる好適な供給源が、本発明において有用である。供給源の非限定例としては、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、サツマイモデンプン、小麦デンプン、サゴヤシデンプン、タピオカデンプン、米デンプン、大豆デンプン、アロー根(arrow root)デンプン、ワラビデンプン、ハスデンプン、キャッサバデンプン、ワキシートウモロコシ(waxy maize)デンプン、高アミラーゼトウモロコシデンプン、市販のアミラーゼ粉末、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0032】
一般に、天然デンプンは粒状構造を有する。デンプンは、更なる加工ができるようにするために、一般に非構造化プロセスを受ける。理論に束縛されるものではないが、デンプン顆粒は、別個のアミロペクチン及びアミラーゼ領域で構成されると考えられている。天然デンプンを「非構造化デンプン」に変換するためには、非構造化プロセスの間、領域が破砕され、その後に具体的には可塑剤が挙げられるがこれに限定されない添加剤の存在下において、デンプンの体積膨張が続くことが多い。デンプンが非構造化されるとき、多価アルコールのような可塑剤が存在すると、多価アルコールが存在しないときの非構造化デンプンと比較して、一般にデンプンの粘度が上昇する。一般に、非構造化プロセスは不可逆的である。本発明のある実施形態では、繊維紡糸プロセスが挙げられるがこれに限定されない後続の加工工程において、悪影響を有する可能性がある「塊」を回避するために、デンプンを可能な限り十分に非構造化することが望ましい可能性がある。
【0033】
本発明において有用な天然デンプンは、本発明の混合物へのその包含に先立ち、非構造化されてよい。加えて又は代わりに、天然デンプンは、混合物内に入れた後、すなわちインサイチューで非構造化されてよい。本発明のある実施形態では、別個の非構造化工程の使用が排除されるので、天然デンプンの使用は非構造化デンプンの使用よりも安価である。
【0034】
天然デンプンは、あらゆる好適な手段を使用して非構造化されてよい。少なくとも部分的な非構造化は、加熱、酵素変性、エトキシル化及び同種のもの(例えばエチレンオキシドの添加によるもの)が挙げられるがこれらに限定されない化学修飾、化学分解、並びにこれらの組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない手段を通して、達成される可能性がある。デンプン可塑剤として作用する可能性がある剤を、デンプンを非構造化するために使用してよい。ある実施形態では、これらの剤は、更なる加工の間、デンプンと混合したままであってよい。他の実施形態では、剤は一時的であってよく、これは、剤が、更なる加工の間、及び/又は最終繊維又は繊維を含む物品において存在しないように、剤が除去されることを意味する。
【0035】
ある実施形態では、非構造化デンプンは、上記のように、修飾により非構造化された天然デンプンを網羅してよい。加工デンプンは、あらゆる方法で変性されるその天然分子の特徴(分子量又は化学構造)を有した天然デンプンであると定義される。例えば、ある実施形態では、天然デンプンの分子量が変化するが、天然デンプンには、他のいかなる変化もない場合、デンプンは加工デンプンと呼ばれ得る。デンプンの化学変性としては、一般には、分子量及び分子量分布を減少させる、酸又はアルカリ加水分解及び酸化による鎖切断が挙げられる。一般に、天然デンプンは、非常に高い平均分子量、及び広い分子量分布を有する(例えば、天然トウモロコシデンプンは、約60,000,000グラム/モル(g/mol)までの平均分子量を有する)。デンプンの平均分子量は、酸還元、酸化還元、酵素的還元、加水分解(酸又はアルカリで触媒される)、物理的/機械的分解(例えば、加工装置の熱機械エネルギーの入力を介して)、及びこれらの組み合わせによって本発明の所望のとおり減少させることができる。熱機械法及び酸化法は、インサイチューで行われる場合、更なる利点を提供する。デンプンの実際の化学的性質及び分子量の減少方法は、平均分子量が受容できる範囲にある限りは重要ではない。溶融物に添加されるデンプン又はデンプンのブレンドの重量平均分子量の範囲は、約3,000g/mol〜約8,000,000g/mol、約10,000g/mol〜約5,000,000g/mol、又は約20,000g/mol〜約3,000,000g/molであることができる。他の実施形態では、さもなければ平均分子量は、約1,000,000以下、又は約700,000以下を除いて、上の範囲内である。異なる分子量を有するデンプンが、本発明に使用するために望まれるように混合されてよい。
【0036】
ある実施形態では、非構造化デンプンは、置換デンプンを網羅する。置換デンプンは、デンプンのいくつかのアルコール(すなわち、ヒドロキシル)官能基を他の化学部分で置換されたデンプンである。置換デンプンが望まれるとき、デンプンの化学修飾としては、一般にエーテル化及びエステル化が挙げられる。化学修飾は、エチレンオキシドを使用して達成されることができ、さもなければエトキシル化として既知であり、上記のように非構造化デンプンが得られる。熱可塑性ポリマー及び可塑剤とのより良い相溶性又は混和性のために、置換デンプンが望ましい可能性がある。しかし、分解性の速度の減少と、置換とのバランスをとることが、望ましい可能性がある。化学置換デンプンの置換度は、一般に約1%〜約100%(すなわち、完全に置換)である。あるいは、低い度合の置換である約1%〜約6%を使用してよい。
【0037】
ある実施形態では、本発明のデンプン組成物又は熱可塑性組成物は、デンプンの結合水含有量を包含して、約1%〜約99%、約30%〜約90%、約50%〜約85%、又は約55%〜80%のデンプンを含む。デンプンは、天然デンプン、非構造化デンプン(加工デンプン及び/又は置換デンプンを包含してよい)及びこれらの組み合わせから成る群から選択される。用語「結合水」とは、他の構成成分と混合されて、組成物を製造する前に、デンプン内において天然起源であることが見出される水を指す。その一方、用語「遊離水」とは、本発明の組成物に添加されてよい水を指す。例えば、遊離水は、可塑剤として、又は可塑剤と共に組み込まれてよい。一旦、構成成分が組成物に添加されると、水はもはやその起源によって区別することができないことを、当業者は理解するであろう。乾燥プロセスにかけられていないデンプンは、一般に、周囲条件で、デンプンの約5重量%〜約16重量%の結合水含有量を有する。本発明のある実施形態では、本発明の組成物及び物品は、少なくとも約50%の非構造化デンプン、より具体的には、少なくとも約60%の非構造化デンプンを含む。
【0038】
一般に又は本明細書において特に記載されるように、あるいは当該技術分野において既知であるように、本発明において有用なデンプンは、デンプンのあらゆる組合せを含んでよい。有用な好適なデンプンは、冷水不溶性デンプン、冷水可溶性デンプン、及びこれらの組み合わせから成る群から選択されてよい。ここで「冷水」とは、25℃以下の水を指す。本明細書で使用するとき、冷水不溶性デンプンとは、25℃の水に25%未満溶解するデンプンである。
【0039】
本明細書で使用される熱可塑性デンプンとは、デンプン又はデンプンを含む組成物が、例えば均質混合物の形成、紡糸性能、及び/又は所望の繊維特性のために十分に加工されることができるまで、高温(通常の室温を著しく超過;一般に80℃超過)で流動することができるデンプン組成物を指す。繊維及び/又は繊維を含むプラスチック物品は、高温が室温まで低下された後、固化されることができ、成形形態を維持する。
【0040】
多価アルコール
本明細書で使用するとき、「多価アルコール」とは、2つ以上のアルコール(すなわち、ヒドロキシル)官能基を有するアルコールを指す。理論に束縛されるものではないが、(上記のように)多価アルコールは、本発明のデンプン組成物において、デンプン可塑剤として作用する可能性があると考えられている。換言すれば、多価アルコールは、デンプンを流動させること及び加工すること、すなわち熱可塑性デンプンを作製することを可能にすると考えられる。
【0041】
あらゆる好適な多価アルコール又は多価アルコールの組合せが有用である。好適な多価アルコールの非限定例としては、グリセロール(グリセリンとしても当該技術分野において既知)、グリコール、糖、糖アルコール、及びこれらの組み合わせが挙げられる。有用なグリコールの非限定例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサントリオール、及び同種のもの、これらのポリマー、及びこれらの組み合わせが挙げられる。有用な糖の非限定例としては、グルコース、スクロース、フルクトース、ラフィノース、マルトデキストロース、ガラクトース、キシロース、マルトース、ラクトース、マンノース、エリトロース、ペンタエリスリトール、及びこれらの混合物が挙げられる。有用な糖アルコールの非限定例としては、エリスリトール、キシリトール、マリトール、マンニトール、ソルビトール、及びこれらの混合物が挙げられる。本発明の具体的な実施形態では、多価アルコールは、グリセロール、マンニトール、ソルビトール、及びこれらの組み合わせを含む。
【0042】
一般に、多価アルコールは、それが混在するポリマー構成成分に実質的に融和性である。本明細書で使用するとき、用語「実質的に融和性」とは、組成物の軟化及び/又は融解温度超過の温度まで加熱したとき、多価アルコールが、それが混在する構成成分に存在するポリマーと視覚的に均質な混合物を形成できることを意味する。ある実施形態では、可塑剤は水溶性である。
【0043】
本発明のある実施形態では、多価アルコールは、デンプンの非構造化剤としても使用されてもよい。これらの実施形態では、デンプンの非構造化に際し、多価アルコールは、非構造化デンプンの可塑剤として作用してもよく、その結果それを熱可塑性にする。更なる実施形態では、デンプンの非構造化に際し、非構造化デンプンを熱可塑性にするために、多価アルコールを除去してよく、異なる可塑剤と置き換えてよい。ある実施形態では、多価アルコールは、得られる繊維及び/又はこれらを含むプラスチック物品の可撓性を改善してもよい。
【0044】
多価アルコールは、デンプンを非構造化する、及び/又は非構造化デンプンを熱可塑性にするために、あらゆる好適な量で本熱可塑性組成物に包含される。一般に、必要な多価アルコールの量は、デンプンの分子量、混合物中のデンプンの量、多価アルコールのデンプンへの親和性、及びこれらの組み合わせに依存する。多価アルコールは、デンプン構成成分を十分に熱可塑性にしなくてはならないので、例えばプラスチック物品を形成するために効果的に処理され得る。一般に、多価アルコールの量は、デンプンの分子量の増大と共に増大する。一般に、多価アルコールは、本発明の組成物中に約2%〜約70%、約5%〜約50%、約10%〜30%、又は約15%〜25%の量で存在し得る。
【0045】

本発明において有用な酸は、カルボン酸、カルボン酸無水物、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される少なくとも1つの官能基を有する。こうした酸としては、一酸、二酸、ポリ酸(少なくとも3つの酸性基を有する酸)、少なくとも1つの酸部分を含むポリマー、少なくとも1つの酸部分を含むコポリマー、これらの無水物、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0046】
有用な酸の非限定例としては、アジピン酸、セバシン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、セバシン酸、クエン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、メタクリル酸グリシジル、及びこれらの組み合わせが挙げられる。こうした酸の無水物もまた、本発明の文脈内で使用されてよい。有用な酸無水物の非限定例としては、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水コハク酸及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0047】
少なくとも1つの酸部分を含むポリマー及びコポリマー、並びに/又はこれらの無水物が有用である。好適なポリマー及びコポリマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、メタクリル酸グリシジル、これらの無水物、及びこれらの組み合わせのモノマー単位を含むものが挙げられるが、これらに限定されない。ポリマーは、これらの酸モノマー単位と併せて他のモノマー単位を含有することができる。例えば、エチレン−アクリル酸コポリマーのようなエチレン酸モノマーコポリマーを使用することができる。具体的な実施形態では、コポリマーは、少なくとも50mol%の酸モノマー単位を含む。こうしたポリマー及びコポリマーの分子量は、約2,000から約1,000,000超過まで変化することができる。好適なポリアクリル酸の例は、アルドリッチ・ケミカル社(Aldrich Chemical Company)からの、分子量約450,000を有するものである。好適なエチレン−アクリル酸コポリマーの例は、ダウ・ケミカル(Dow Chemical)からの、アクリル酸含有量が少なくとも50mol%であるプリマコア(Primacore)59801である。
【0048】
具体的な実施形態では、酸は、少なくとも1つの二酸、ポリ酸、酸ポリマー又はコポリマー、あるいはこれらの混合物を含む。他の実施形態では、酸は、二酸を単独で、又は別の酸、例えば一酸と組み合わせて含む。更なる実施形態では、酸は、アジピン酸、ステアリン酸、ラウリン酸、クエン酸、ポリアクリル酸及び/又はエチレン−アクリル酸コポリマーを含む。
【0049】
一般に、酸は、デンプン組成物中に、約0.1%〜約30%、約1%〜約20%、又は約2%〜約12%の量で採用される。ある実施形態では、デンプン組成物中のアルコール官能基と酸性官能基のモル比は、少なくとも約1:1、又は少なくとも約4:1である。ある実施形態では、デンプン組成物中のアルコール官能基と酸性基のモル比は、約1:1〜約200:1、又は約1:1〜約50:1である。
【0050】
トリグリセリド
あらゆる好適なトリグリセリドは、トリアシルグリセロールとしても当該技術分野において既知であり、本発明において有用である。有用なトリグリセリドの非限定例としては、トリステアリン、トリオレイン、トリパルミチン、1,2−ジパルミトオレイン、1,3−ジパルミトオレイン、1−パルミト−3−ステアロ−2−オレイン、1−パルミト−2−ステアロ−3−オレイン、2−パルミト−1−ステアロ−3−オレイン、トリリノレイン、1,2−ジパルミトリノレイン、1−パルミト−ジリノレイン、1−ステアロ−ジリノレイン、1,2−ジアセトパルミチン、1,2−ジステアロ−オレイン、1,3−ジステアロ−オレイン、トリミリスチン、トリラウリン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0051】
好適なトリグリセリドを、純形態で本組成物に添加してよい。さらに又はあるいは、好適なトリグリセリドを含有する油及び/又は加工油を、組成物に添加してよい。油の非限定例としては、ココヤシ油、トウモロコシ胚芽油、オリーブ油、パーム種子油、綿実油、パーム油、菜種油、ヒマワリ油、鯨油、大豆油、ピーナッツ油、亜麻仁油、トール油、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0052】
一般に、トリグリセリドは、約0.1%〜約30%、約1%〜約20%、又は約2%〜約12%の量で、デンプン組成物に採用される。ある実施形態では、デンプン組成物中のアルコール官能基とエステル官能基のモル比は、少なくとも約1:1、又は少なくとも約4:1である。ある実施形態では、デンプン組成物中のアルコール官能基とエステル官能基のモル比は、約1:1〜約200:1、又は約1:1〜約50:1である。
【0053】
ある実施形態では、酸及びトリグリセリドの組合せが、デンプン組成物に採用される。ある実施形態では、酸及びトリグリセリドの合計量は、約0.1%〜約32%、約1%〜約25%、又は約2%〜約20%である。さらに又はあるいは、アルコール官能基とエステル及び酸官能基の合計とのモル比は、少なくとも約1:1、又は少なくとも約4:1である。ある実施形態では、モル比は、約1:1〜約200:1、又は約1:1〜約50:1である。
【0054】
追加の構成成分
本発明に従う組成物は、繊維及び/又はプラスチック物品の加工及び/又は最終用途のために、所望により1以上の追加の構成成分を包含してよい。追加の構成成分は、あらゆる好適な量で存在してよい。ある実施形態では、追加の構成成分は、約0.01%〜約35%、又は約2%〜約20%の量で存在してよい。追加の構成成分の非限定例としては、追加のポリマー、加工助剤、及び同種のものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0055】
有用な追加のポリマーの非限定例としては、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、マレイン酸化ポリエチレン、マレイン酸化ポリプロピレン、ポリ乳酸、変性ポリプロピレン、ナイロン、カプロラクトン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0056】
生分解性及び/又はフラッシャブル性が挙げられるがこれらに限定されない特性が望まれる実施形態においては、追加の好適な生分解性ポリマー及びこれらの組合せが有用である。ある実施形態では、脂肪族構成成分を含有するポリエステルが、好適な生分解性熱可塑性ポリマーである。ある実施形態では、ポリエステルの中でも、脂肪族構成要素及びポリ(ヒドロキシカルボン)酸を含有するエステル重縮合物が好ましい。エステル重縮合物としては、ポリブチレンサクシネート、及びポリブチレンサクシネート コ−アジパートのような二酸/ジオール脂肪族ポリエステル;ブチレンジオール、アジピン酸、及びテレフタル酸から製造されるターポリマーのような脂肪族/芳香族ポリエステルが挙げられるが、これらに限定されない。ポリ(ヒドロキシカルボン)酸としては、乳酸系ホモポリマー及びコポリマー、ポリヒドロキシブチレート、並びに他のポリヒドロキシアルカノエートホモポリマー及びコポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。ある実施形態では、ポリ乳酸のホモポリマー又はコポリマーが好ましい。変性ポリ乳酸及びその異なる立体構成も使用してよい。一般に、好適なポリ乳酸は、約4,000g/mol〜約400,000g/molの範囲の分子量を有する。好適な市販のポリ乳酸の例としては、カーギルダウ(Cargill Dow)からのネイチャーワークス(NATUREWORKS)(商標)、及び三井化学(Mitsui Chemical)からのラセア(LACEA)(商標)が挙げられる。好適な市販の二酸/ジオール脂肪族ポリエステルの例は、昭和高分子社(Showa Highpolymer Company, Ltd.)(日本、東京)からビオノーレ(商標)1000及びビオノーレ(商標)3000として販売されているポリブチレンサクシネート/アジパートコポリマーである。好適な市販の脂肪族/芳香族コポリエステルの例は、イーストマンケミカル(Eastman Chemical)からイースタービオ(EASTAR BIO)(商標)コポリエステル、又はBASFからエコフレックス(ECOFLEX)(商標)として、販売されているポリ(テトラメチレンアジパート−コ−テレフタレート)である。ある実施形態では、生分解性ポリマー又はポリマーの組合せは、ポリビニルアルコールを含んでよい。
【0057】
前述の生分解性ポリマー及びこれらの組み合わせは、本デンプン及び熱可塑性デンプン組成物の約0.1重量%〜約70重量%、約1重量%〜約50重量%、又は約2重量%〜約25重量%の量で存在する。
【0058】
一般に加工助剤は、本組成物の、約0.1%〜約3%、又は約0.2%〜約2%の量で存在する。加工助剤の非限定例としては、潤滑剤、抗粘着剤、ポリマー、界面活性剤、油、スリップ剤、及びこれらの組み合わせが挙げられる。具体的な加工助剤の非限定例としては、ステアリン酸マグネシウム、脂肪酸アミド、脂肪酸の金属塩、ワックス酸エステル及びこれらの石鹸、モンタンワックス酸、エステル及びこれらの石鹸、ポリオレフィンワックス、非極性ポリオレフィンワックス、天然及び合成パラフィンワックス、フルオロポリマー、タルク、ケイ素、粘土、珪藻土が挙げられる。こうした化合物の市販の例としては、クローダミド(Crodamide)(商標)(クローダ、英国、ノースハンバーサイド(North Humberside))、アトマー(Atmer)(商標)(ユニケマ(Uniqema)、ベルギー、エバーベルグ(Everberg))、及びエポスタン(Epostan)(商標)(日本触媒(Nippon Shokobai)、日本、東京)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0059】
ある実施形態では、デンプンは、デンプン組成物中に少なくとも約50%の総ポリマー構成成分、より具体的にはデンプン組成物中に少なくとも約60%の総ポリマー構成成分を含む。
【0060】
水安定性
理論に束縛されるものではないが、本発明に従う熱可塑性ポリマー組成物は、前述のエステル交換反応及び/又はエステル縮合反応を通して、水安定性になる可能性がある。熱可塑性ポリマー組成物が、繊維及び/又は繊維を含む物品になるとき、反応は、繊維及び/又は物品の形成前、繊維及び/又は物品の形成中、繊維の及び/又は物品の形成(すなわち硬化)後、並びにこれらの組み合わせにおいて、誘発されてよい。ある実施形態では、反応(単数又は複数)は、熱の適用を通して引き起こされ、及び/又は完了される。本発明のある実施形態では、触媒が、エステル交換及び/又はエステル縮合反応を開始する及び/又は促進するために使用されてもよい。あらゆる好適な触媒が有用である。有用な触媒の非限定例としては、ルイス酸が挙げられる。ルイス酸の非限定例は、パラ−トルエンスルホン酸である。
【0061】
理論に束縛されるものではないが、エステル縮合反応に関しては、酸を含む熱可塑性ポリマー組成物を加熱すると、デンプン組成物から十分な量の水が除去される可能性があり(いくらかの、しかし全部ではない結合水を包含する)、得られる組成物に水安定性を提供する程度まで、多価アルコールと酸の反応を誘発し、水安定性反応生成物を形成すると考えられている。更に理論に束縛されることを望まないが、多価アルコールと酸の間で縮合反応が起こってもよいと考えられている。一般に、こうした縮合反応を支配する化学反応は、アルキド化学反応として当該技術分野において既知である。
【0062】
本発明では、エステル縮合反応が、熱可塑性組成物の最終的な処理が起こる前に、反応生成物のゲルが形成されるような程度に完了しないことが、重要である可能性がある。本明細書で使用するとき、「ゲル」とは、高温下でさえ、材料の分子量の低下なしで、流動がもはや不可能であるほどに架橋される材料を意味する。材料をフィルム繊維又は物品に成形することを可能にするために十分な流動挙動を保持するため、系は、最終的な処理前に反応剤のゲル化点未満であることが重要である。ゲル化点は、少なくとも1つの非常に大きい分子がポリマー相と同一の広がりをもち、流動がもはや不可能であり、材料がより固体のように挙動するように、反応剤の生成物によって形成される十分なポリマー鎖が共に結合される状態であると定義される。
【0063】
ゲル化点に達するまでに、反応がオリゴマーのようなプレポリマー又は更により大きい分子が形成される点まで進行することが有利である可能性があり、それでも、これらの種は、流動する能力を保持し、有用な物品に成形されなければならない。本明細書で使用するとき、オリゴマーは、少なくとも2つのモノマーから約10までのモノマーを包含する構成要素モノマーからの反応生成物である。本発明のある実施形態では、酸とアルコールの間でエステル縮合反応を行い、それによってオリゴマーが形成されるとき、最終生成物を形成する前に反応生成物から過剰な水を除去することが有利である可能性がある。水を除去すると、最終加工段階において、エステル縮合反応を完了まで促進すると考えられている。
【0064】
ある実施形態では、熱可塑性組成物を、少なくとも約90℃、より具体的には少なくとも約100℃の温度まで加熱し、熱可塑性組成物を水安定性組成物に変換する。一般に、熱可塑性組成物は、約250℃超過、又は約225℃超過の温度に加熱されないであろう。ある実施形態では、熱可塑性組成物を少なくとも約115℃の温度に加熱し、熱可塑性組成物を水安定性組成物に変換する。更なる実施形態では、熱可塑性組成物を約130℃〜約180℃の温度に加熱し、熱可塑性組成物を水安定性組成物に変換する。ある実施形態では、組成物の水分含有量は、周囲条件でデンプンに自然に存在する結合水のレベル以下のレベルに低減する。他の実施形態では、組成物の水分含有量は、組成物の5%以下に低減する。他の実施形態では、水分含有量は約4%以下である。別の実施形態では、水分含有量は、約3%以下に低減する。さらに別の実施形態では、水分含有量は約2%以下に低減する。水分含有量は、水が蒸発できる条件下で、高温でデンプン組成物を提供することによって低減し得る。
【0065】
必要ではないが、熱可塑性ポリマー組成物の物理的形態は、組成物からの水除去を容易にするよう、より大きな表面積を提供するために変性されてよい。一般に、熱可塑性組成物を水安定性形態に変換するのに必要な加熱時間は、構成成分の組成(すなわち、特定のデンプン、多価アルコール、並びにトリグリセリド及び/又は酸)、加熱温度、組成物の物理的形態、及び同種のものを包含する様々な要因に依存するであろう。好適な時間は、即座に〜約24時間、約1分間〜約24時間、約5分間〜約12時間、又は約5分間〜約1時間であってよい。一般に、水分含有量は、デンプンの分解、燃焼、又は焼け焦げが生じる条件で、特に視覚的に顕著な又は著しいレベルの分解、燃焼、又は、焼け焦げが生じる状況で、低減されてはならない。
【0066】
ある実施形態では、本発明に従う熱可塑性組成物は、従来の混合技術及び/又は押出成形技術を使用して、非構造化デンプン、多価アルコール、並びにトリグリセリド及び/又は酸を含む混合物を溶融混合及び/又は押出成形することにより、形成される。混合物は、非構造化デンプン、多価アルコール、並びにトリグリセリド及び/又は酸を組み合わせることにより、形成されてよい。あるいは、混合物は、非構造化されていないデンプン、多価アルコール、並びにトリグリセリド及び/又は酸を組み合わせ、上記のあらゆる非構造化技術により、デンプンを混合物内でインサイチューで非構造化する追加の工程を行なうことによって提供されてよい。一般に、構成成分は、従来の調合技術を使用して混合される。調合工程の目的は、デンプンを含む少なくとも視覚的に均質な溶融組成物を製造することである。
【0067】
好適な混合装置は、複数の注入点を有する複数の混合領域の二軸押出成形機である。非構造化デンプン、多価アルコール、並びにトリグリセリド及び/又は酸を添加するために、複数の注入点を使用することができる。二軸バッチ混合機又は一軸押出成形システムも用いることができる。十分に混合及び加熱される限り、使用される具体的な機器は重要ではない。材料を調合するための代わりの方法は、デンプン、多価アルコール、並びにトリグリセリド及び/又は酸を、これらを次第に上昇する温度にて混合する押出成形システムに添加することを含む。例えば、6つの加熱ゾーンを有する二軸押出成形機を採用してよい。この手順は、デンプンの熱劣化を最小限にすることができ、デンプンを確実に完全に非構造化する可能性がある。しかし、溶融混合物を押出成形するのは必要でない可能性があり、一般に、当該技術分野において既知の又は本目的のために好適なあらゆる方法は、本発明の熱可塑性組成物を形成するために構成成分の成分を組み合わせるために使用されることができる。一般にこうした技術としては、熱及び混合、並びに所望により圧力が挙げられるであろう。当業者に理解されるように、特定の順番又は混合、温度、混合速度又は時間、及び機器は、変更することができるが、温度は、デンプンが顕著に分解しないように制御されなければならない。更に、溶融混合及び/又は押出成形プロセスの温度が十分に高く、デンプンから少なくとも一部の結合水を除去し、多価アルコールと酸の間の反応を推進するために十分な時間であるならば、これらの構成成分を溶融押出成形することにより形成される熱可塑性組成物は、水安定性組成物に変換するであろう。例えば、溶融押出成形は、水除去と水安定性組成物への転換を促進する穴又は他の改良を備える押出成形機において実施されることができる。したがって、こうした実施形態では、組成物を、繊維又は繊維を含む不織布が挙げられるがこれらに限定されない最終用途に適した形態に溶融押出成形することが有利である。
【0068】
他方では、非構造化デンプン、多価アルコール、トリグリセリド及び/又は酸を含む混合物の溶融押出成形が、デンプンから少なくとも一部の結合水を除去するために、並びに多価アルコール、トリグリセリド及び/又は酸間の反応を推進するために、十分に低い温度で及び/又は不十分な時間で実施される、温度又は条件では、得られる押出品は、更に処理されてよく、必要であれば、更なる加熱により水安定性組成物に変換できる本発明の熱可塑性組成物を含む。したがって、この実施形態では、押出品は、取り扱い、更なる処理、又は同種のものを容易にする形態で提供され得る。例えば、熱可塑性組成物押出品は、ペレット形態、粉末、又はクラム形態、又は同種の形態であることができる。具体的な実施形態では、熱可塑性組成物押出品は、ひいては所望の最終用途形態への溶融押出成形に好適なペレット形態である。この実施形態では、繊維又は繊維を含む物品を形成するためのペレット(又は別の形態の押出品)の更なる溶融押出成形は、熱可塑性組成物の水安定性組成物又は物品への変換をもたらすために十分な温度及び時間の条件下で実施されてよい。あるいは、溶融押出成形が、熱可塑性組成物の水安定性組成物への変換をもたらすために十分な温度及び時間の条件下で実施されないならば、得られる押出品は、押出成形された熱可塑性組成物の水安定性物品への変換をもたらすために、更に加熱されてよい。
【0069】
ある実施形態では、ペレット形態の熱可塑性組成物は、非構造化デンプン、多価アルコール、並びにトリグリセリド及び/又は酸の溶融押出成形により、形成される。押出成形プロセスは、熱可塑性組成物の水安定性組成物への転換を生じるために、十分な加熱を十分な時間、提供しない可能性がある。その後ペレットは、従来の繊維紡糸プロセスによって溶融押出成形される。得られる繊維は、約100℃から、より具体的には115℃から、更により具体的には約130℃から、約180℃までの温度における追加の加熱工程によって水安定性になる。あるいは、溶融紡糸プロセスは、得られる繊維が水安定性になる条件下で、この範囲における温度で実施される。更なる実施形態では、繊維が紡糸口金スイング(swing)から出て、圧力が低減すると、必要な水は、フラッシュ蒸発により繊維から排除される。
【0070】
ある実施形態では、本明細書では「プレポリマー」と称される多価アルコール並びにトリグリセリド及び/又は酸を提供することが有利である可能性があり、これらの例で、前述のエステル交換反応及び/又はエステル縮合反応は、これがデンプンと混合される前に、既に、少なくとも部分的に、しかし完全ではなく、多価アルコール並びにトリグリセリド及び/又は酸間で起こっている。更なる実施形態では、プレポリマーは、デンプンも含有してもよい。プレポリマーは、製造、輸送方法、及びこれらの組み合わせのために便利である可能性がある、あらゆる好適な形態をとってもよい。形態の非限定例としては、ストランド、ペレット、粉末、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0071】
ある実施形態では、ペレット形態の熱可塑性組成物は、非構造化デンプン、多価アルコール、並びにトリグリセリド及び/又は酸の溶融押出成形により、形成される。押出成形プロセスは、熱可塑性組成物の十分な加熱を、水安定性組成物への転換をもたらすために十分な時間、提供しない。その後ペレットは、従来の繊維紡糸プロセスによって溶融押出成形される。得られる繊維は、約100℃から、より具体的には115℃から、更により具体的には約130℃から、約180℃までの温度における追加の加熱工程によって水安定性になる。あるいは、溶融紡糸プロセスは、得られる繊維が水安定性になる条件下で、この範囲における温度で実施される。更なる実施形態では、繊維が紡糸口金スイング(swing)から出て、圧力が低減すると、必要な水は、フラッシュ蒸発により繊維から排除される。
【0072】
一般に、高い繊維紡糸速度が望ましい。約10メートル/分以上の繊維紡糸速度を使用することができる。本明細書のある実施形態において、繊維紡糸速度は、約100〜約7,000メートル/分、又は約300〜約3,000メートル/分、又は約500〜約2,000メートル/分である。紡糸繊維は、従来のゴデット巻き取りシステム又は空気通過抵抗減衰装置を用いて収集することができる。ゴデットシステムを使用すると、所望により、後続の押出成形延伸を通して、更に繊維を配向することができる。次に、延伸した繊維を捲縮及び/又は切断して、カーディング、エアレイド、又は流体載置(fluidlaid)法において使用される不連続繊維(短繊維)を形成してもよい。繊維は、高いドローダウン比を使用する繊維紡糸方法により製造されてもよい。ドローダウン比は、形成された繊維の最終直径に対する、その繊維の最大直径(これは従来の紡糸方法では、一般には紡糸口金の毛管を出た直後に生じる)との比として定義される。ステープル、スパンボンド又はメルトブロウン法のいずれかによる繊維のドローダウン比は、一般には1.5以上であり、約5以上、約10以上又は約12以上であることができる。連続繊維は、例えばスパンボンド又はメルトブローイング法により製造することができる。あるいは、不連続(短繊維)繊維は、当該技術分野において周知の従来の短繊維法によって製造することができる。また繊維製造の様々な方法は、当業者に理解されるように、組合せ技術を生み出すために組み合わせることもできる。さらに、米国特許第6,368,990号に開示されるような中空コア繊維を形成することができる。
【0073】
一般に、本発明に従って製造された繊維の直径は、約200ミクロン未満であり、代わりの実施形態では、約100ミクロン未満、約50ミクロン未満、又は約30ミクロン未満である。一実施形態では、繊維の直径は、約0.1ミクロン〜約25ミクロンである。別の実施形態では、繊維の直径は、約0.2ミクロン〜約15ミクロンであってよい。他の実施形態では、繊維の直径は、約5ミクロン〜約14ミクロンであってよい。繊維直径は、例えば紡糸速度及び処理質量が挙げられる、繊維紡糸技術において周知の要因により制御される。
【0074】
本発明に従う繊維としては、単構成成分繊維、多構成成分繊維(例えば、二構成成分繊維)、又は二構成要素繊維が挙げられるが、これらに限定されない。繊維は、円形又は非円形を包含するあらゆる好適な形状をとってよい。非円形繊維としては、上記のものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0075】
ある実施形態では、繊維は、シース及びコアを有する多構成成分繊維である。コア又はシースのいずれか、あるいはコア及びシースの両方は、本発明に従う熱可塑性デンプン組成物を含んでよい。コアが本発明の熱可塑性組成物である実施形態では、シースは異なるポリマーを含む。こうしたポリマーの非限定例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリ乳酸、ポリエステル、及びこれらの組み合わせから成る群から選択されるものが挙げられる。繊維が海島型構成を有する多構成成分繊維である実施形態では、島、海のいずれか、又は両方は、本発明に従う熱可塑性デンプン組成物を含む。島が本発明に従う熱可塑性組成物である実施形態では、海は異なるポリマーを含む。こうしたポリマーの非限定例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリ乳酸、ポリエステル、及びこれらの組み合わせから成る群から選択されるものが挙げられる。
【0076】
本発明に従う繊維は、繊維が従来使用されているあらゆる目的のために使用されてよい。これには、不織布ウェブ及び基材への組込みが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書の繊維は、当該技術分野において既知のいずれかの好適な方法によって不織布に変換されてよい。連続繊維は、業界標準スパンボンド型技術を用いてウェブに形成でき、一方で短繊維は、業界標準カーディング、エアレイド、又は湿式載置技術を用いてウェブに形成できる。一般的な結合方法としては、カレンダー(圧力及び熱)、通気熱、機械的絡み合い、流体力学的絡み合い、ニードルパンチング、並びに化学結合及び/又は樹脂結合が挙げられる。カレンダー、通気熱、及び化学結合は、デンプン及びポリマー多構成成分繊維の好ましい結合方法である。加圧熱及び通気熱結合方法には、熱接着性繊維が必要である。
【0077】
また本発明の繊維は、他の合成繊維又は天然繊維と結合して又は組み合わせて不織布物品を製造してもよい。合成繊維又は天然繊維は、形成プロセスで共にブレンドされてもよく、又は別個の層で用いられてもよい。好適な合成繊維としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアクリレート、及びこれらのコポリマー、及びこれらの混合物から製造される繊維が挙げられる。天然繊維としては、セルロース繊維及びその誘導体が挙げられる。好適なセルロース繊維としては、広葉樹繊維、針葉樹繊維、麻、及び木綿が挙げられるいずれかの樹木又は植物に由来するものが挙げられる。同様に包含されるのは、レーヨンのような加工された天然セルロース資源から製造される繊維である。
【0078】
本明細書に記載された繊維は、一般に多くの異なる用途のうちの1つに用途を見出す可能性がある物品において使用するための使い捨て不織布材を製造するために使用される。本発明の具体的な物品としては、衛生及び医療用途のための、より具体的には、例えば、おむつ、拭き取り用品、婦人衛生物品、掛け布、ガウン、敷布、包帯及び同種のもののような用途における、使い捨て不織布が挙げられる。おむつにおいては、不織布材は、トップシート又はバックシートに使用されることが多く、生理用ナプキン又は製品においては、不織布材は、トップシートで使用されることが多い。一般に、不織布物品は、連続又は不連続である、並びに物理的に及び/又は化学的に互いに付着する、複数個の繊維を約15%超過含有する。単独で使用される又は他の材料の複雑な組合せの構成成分として使用される層状物品を製造するために、不織布を、追加の不織布又はフィルムと組み合わせてよい。繊維から製造される不織布物品は、望ましい機械的特性、特に、強度、可撓性、及び柔軟性を示すこともできる。強度の測定としては、乾燥引張り強度及び/又は湿潤引張り強度が挙げられる。可撓性は、剛性に関連しており、柔軟性に帰することができる。一般に、柔軟性は、可撓性及び質感の両方に関連する生理学的に認識される特質として記載される。本発明に従う繊維が、不織布物品以外の用途に用いるのにも適することを、当業者は認識するであろう。
【0079】
本発明で製造される繊維及び他の物品の水安定性にもかかわらず、物品は、存在するデンプンの量、使用されるあらゆる追加のポリマー、及び物品の特定の構成に依存して、環境分解性である可能性がある。「環境分解性」は、生分解性、崩壊性、分散性、フラッシャブル性(flushable)、又は堆肥化可能性、又はこれらの組合せであると定義される。本発明において、繊維、不織布ウェブ、及び物品は、環境分解性である可能性がある。
【0080】
本発明に従う方法の具体的な実施形態が、記載されている。デンプンをエトキシル化により非構造化し、グリセロールのような多価アルコールを該非構造化デンプンに添加する。体積置換ポンプを経由して、グリセロールのような液体多価アルコールを非構造化デンプンと組み合わせることができる。デンプン及び多価アルコール混合物をミキサーに添加し、一般に約6.3rad/s(60rpm)で約1〜5分間にわたって、少なくとも100℃に加熱する。約6.3rad/s(60rpm)で約1〜約15分間にわたって連続して加熱しながら、酸をミキサーに添加する。あるいは、デンプン、多価アルコール、及び酸、またはこれらの事前混合物を押出成形機に直接導入するために、複数の供給ゾーンを使用することができる。得られるデンプン、多価アルコール及び酸の混合物を、ロッドとして押出成形し、ナイフが挙げられるがこれに限定されないあらゆる好適な切断装置を使用して切り、ペレットにする。約18〜約36時間後、ペレットを押出成形機に入れる。押出成形機バレルは、約100℃〜約200℃の温度に事前加熱される。繊維は、残留水を流出させ、繊維を水安定性にするのに十分な温度で、溶融紡糸により押出成形される。
【0081】
また本発明のデンプン含有組成物及び方法を、当該技術分野において既知の従来技術を使用して、これらに限定されないがフィルム及び成形物品のような繊維以外の形態を製造するのに使用することができる。
【実施例】
【0082】
以下の実施例は、本発明を更に説明する。
(実施例1)
この実施例は、水安定性繊維の溶融混合及びワンショット紡糸を説明する。次の材料を、ハッケ・レオコード90メルトミキサー(Haake Rheocord 90 melt mixer)(サーモエレクトロン社(Thermo Electron Corporation)、(ニューハンプシャー州、ニューイントン(Newington)))にて混合する:
30gのエチレックス(Ethylex)(商標)2015ヒドロキシエチル化デンプン(テート&ライル(Tate& Lyle)、イリノイ州、ジケーター(Decatur))
12.5gのグリセロール(アルドリッチケミカルズ(Aldrich Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
7.5gの大豆油(アルドリッチケミカルズ(Aldrich Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
0.0125gのp−トルエンスルホン酸(アルドリッチケミカルズ(Aldrich Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
【0083】
デンプン及びグリセロールを、温度約160℃にて、約6.3rad/s(60rpm)で約3分間混合する。構成成分の残部を添加し、約6.3rad/s(60rpm)で更に7分間混合する。内容物を取り出し、室温まで冷却する。その後、混合物を、ナイフを使用して、直径およそ50mmの片に切る。
【0084】
24時間後、切片を、ピストン/シリンダーワンショット紡糸システム(アレックスジェームス社(Alex James, Inc.)、(サウスカロライナ州、グリーア(Greer)))に入れる。押出成形機バレルを160℃に事前加熱する。紡糸口金毛管は、直径0.41mm(0.016インチ)であり、L/Dは3である。繊維は、ピストンを起動させることによって、押出速度およそ0.8g/分で押出成形される。およそ50gの繊維が収集される。
【0085】
およそ20gの繊維を、90℃及び3.9kPa(30mmHg)の真空オーブンで12時間乾燥する。別の20gの繊維を、115℃の対流式オーブンで12時間乾燥する。残りの10gの繊維を、周囲温度(約22℃)で12時間、単に冷却する。それぞれの繊維について、本明細書に記載されたような水安定性試験を行なう。高温(90℃及び115℃)で乾燥した繊維は、溶解又は破断せず、本明細書で定義する水安定性を示す。熱処理せず、単に冷却した繊維は、水に入れた1時間後、完全に破断する。
【0086】
(比較例2)
この例は、非水安定性デンプン繊維の溶融混合及びワンショット紡糸のための従来の方法を説明する。次の材料を、記載されたハッケ・レオコード90メルトミキサー(Haake Rheocord 90 melt mixer)にて混合する:
30gのエチレックス(Ethylex)(商標)2015デンプン(テート&ライル(Tate& Lyle)、イリノイ州、ジケーター(Decatur))
12.5gのグリセロール(アルドリッチケミカルズ(Aldrich Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
【0087】
デンプン及びグリセロールを、温度約160℃にて、約6.3rad/s(60rpm)で約10分間混合する。内容物を取り出し、室温まで冷却する。その後、混合物を、ナイフを使用して、直径およそ50mmの片に切る。24時間後、切片を、前述のピストン/シリンダーワンショット紡糸システムに入れる。押出成形機バレルを160℃に事前加熱する。紡糸口金毛管は、直径0.41mm(0.016インチ)であり、L/Dは3である。繊維は、ピストンを起動させることによって、押出速度およそ0.8g/分で押出成形される。およそ40gの繊維が収集される。
【0088】
およそ10gの繊維を、90℃及び3.9kPa(30mmHg)の真空オーブンで12時間乾燥する。別の10gの繊維を、115℃の対流式オーブンで12時間乾燥する。残りの10gの繊維を、周囲温度(約22℃)で12時間、単に冷却する。繊維について、記載された水安定性試験を行なう。この場合、高温(90℃及び115℃)で乾燥した繊維、並びに室温に冷却した繊維は、水中にて1時間後、全て破断する。
【0089】
(実施例3)
この実施例は、様々な組成の水安定性デンプン繊維の溶融混合及びワンショット紡糸を説明する。次の材料を、実施例1に記載された様式で、記載されたハッケ・レオコード90メルトミキサー(Haake Rheocord 90 melt mixer)にて混合し、溶融ブレンドする。各組成物をおよそ50g製造する。
【0090】
【表1】

【0091】
24時間後、材料を、記載されたピストン/シリンダーワンショット紡糸システムを使用して、繊維に紡糸する。押出成形機バレルを160℃に事前加熱する。紡糸口金毛管は、直径0.41mm(0.016インチ)であり、L/Dは3である。繊維は、ピストンを起動させることによって、押出速度およそ0.8g/分で押出成形される。各組成物のおよそ40gの繊維が収集される。
【0092】
およそ20gの繊維の各組成物を、115℃の対流式オーブンで12時間乾燥し、約10gの繊維の各組成物を、周囲温度(約22℃)で12時間、単に冷却する。繊維について、記載された水安定性試験を行い、次の結果を得る。
【0093】
【表2】

【0094】
(実施例4)
この実施例は、水安定性繊維の追加のブレンド及び紡糸を説明する。次の材料を使用する:
3500gのエチレックス(Ethylex)(商標)2015(テート&ライル(Tate& Lyle)、イリノイ州、ジケーター(Decatur))
1095gのグリセロール(アルドリッチケミカルズ(Aldrich Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
438gの亜麻仁油(アルドリッチケミカルズ(Aldrich Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
438gのステアリン酸(アルドリッチケミカルズ(Aldrich Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
50gのステアリン酸マグネシウム(アルドリッチケミカルズ(Aldrich Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
【0095】
デンプン、亜麻仁油、ステアリン酸及びステアリン酸マグネシウム(加工助剤として採用)を、ヘンシェル原材料ミキサー(Henschel Raw Material Mixer)(ウィスコンシン州、グリーンベイ(Green Bay))内にて、104.7rad/s(1000rpm)で4分間ドライミックスする。その後、混合物を、40mmの共回転スクリューを有するB&Pプロセスシステム二軸押出成形調合システム(B&P Process System Twin Screw Extrusion Compounding System)(ミシガン州、サギノー(Saginaw))に供給する。グリセロールを、上記の所望の組成物を維持する速度で、液体導入口を通して供給する。以下に示される温度プロフィールにおいて、スクリュー速度を9.4rad/s(90rpm)に設定する:
【0096】
【表3】

【0097】
これらの条件において、全体的な押出成形速度は9.1kg/hr(20lbs/hr)である。ペレット化の間、材料から水を抜き出すために、3つのベントポートのうちの2つに真空ラインを適用する。トルクは10%である。混合物を直径0.3〜0.8cmのストランドに押出成形し、コーンエアー・ペレタイザー(Conair pellitizer)を通して該ストランドを切り、ペレットを形成する。ペレットを66℃(150゜F)の通気空気乾燥機中で12時間乾燥する。ペレットを、ヒルズ(Hills)二構成成分シース/コア4穴スピンパックを有するヒルズ(Hills)4穴押出成形機試験スタンド(ヒルズ社(Hills, Inc.)、フロリダ州、ウェストメルボルン(West Melbourne))に供給する。機器は、二構成成分繊維を製造するための単一のスピンヘッドに供給する2つの押出成形機を特徴とする。単一構成成分繊維のために、両方の押出成形機を、以下の通りに同一条件に設定し、両方の押出成形機に同一材料を供給する:
【0098】
【表4】

【0099】
繊維は、質量処理量0.8g/穴−分にて、自由落下で収集される。繊維を収集し、115℃の対流式オーブンで一晩乾燥する。繊維について、水安定性試験を行なう。全ての繊維は、水安定性試験に合格する。
【0100】
(実施例5)
この実施例は、水安定性二構成成分繊維のブレンド及び紡糸を説明する。次の材料を使用して熱可塑性組成物を製造する:
3500gのエチレックス(Ethylex)(商標)2015(テート&ライル(Tate& Lyle)、イリノイ州、ジケーター(Decatur))
1095gのグリセロール(アルドリッチケミカルズ(Aldrich Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
438gの大豆油(アルドリッチケミカルズ(Aldrich Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
2gのp−トルエンスルホン酸(アルドリッチケミカルズ(Aldrich Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
50gのステアリン酸マグネシウム(アルドリッチケミカルズ(Aldrich Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
【0101】
デンプン、大豆油、p−トルエンスルホン酸及びステアリン酸マグネシウムを、ヘンシェル原材料ミキサー(Henschel Raw Material Mixer)(ウィスコンシン州、グリーンベイ(Green Bay))内にて、104.7rad/s(1000rpm)で4分間ドライミックスする。その後、混合物を、記載されたB&Pプロセスシステム二軸押出成形調合システム(B&P Process System Twin Screw Extrusion Compounding System)に供給する。グリセロールを、上記の所望の組成物を維持する速度で、液体導入口を通して供給する。実施例4において採用されるような温度プロフィールにおいて、スクリュー速度を9.4rad/s(90rpm)に設定する:
全体的な押出成形速度は9.1kg/hr(20lbs/hr)である。ペレット化の間、材料から水を抜き出すために、3つのベントポートのうちの2つに真空ラインを適用する。トルクは10%である。混合物を直径0.3〜0.8cmのストランドに押出成形し、コーンエアー・ペレタイザー(Conair pellitizer)を通して該ストランドを切り、ペレットを形成する。ペレットを66℃(150゜F)の通気空気乾燥機中で12時間乾燥する。ペレットを前述の二構成成分シース/コア4穴スピンパックを有するヒルズ(Hills)4穴押出成形機試験スタンドに供給する。二構成成分繊維のために、上記の熱可塑性組成物を押出成形機1に供給する。第2の押出成形機には、ナチュラワークスLLC(Natureworks LLC)から入手されたポリ乳酸(PLA)(グレード6251D)を次の条件で使用する:
【0102】
【表5】

【0103】
これは、50/50シース/コア繊維を製造する。繊維は、質量処理量0.8g/穴−分にて、自由落下で収集される。繊維を115℃の対流式オーブンで一晩乾燥する。繊維について、水安定性試験を行なう。全ての繊維が合格する。
【0104】
(実施例6)
PPとブレンドされた繊維
この実施例は、水安定性繊維の追加のブレンド及び紡糸を説明する。次の材料を使用する:
6000gのエチレックス(Ethylex)(商標)2065(テート&ライル(Tate& Lyle)、イリノイ州、ジケーター(Decatur))
2500gのグリセロール(アルドリッチケミカルズ(Aldrich Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
500gのポリプロピレンプロファックス(Polypropylene Profax)(商標)PH835(バーゼル(Basell)、メリーランド州、エルクトン(Elkton))
500gのマレイン酸化ポリプロピレンG3003(イーストマンケミカルズ(Eastman Chemicals)、テネシー州、キングズポート(Kingsport))
500gの大豆油(アルドリッチケミカルズ(Aldrich Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
2.5gのp−トルエンスルホン酸(アルドリッチケミカルズ(Aldrich Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
50gのステアリン酸マグネシウム(アルドリッチケミカルズ(Aldrich Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
【0105】
グリセロール以外の構成成分を、ヘンシェル原材料ミキサー(Henschel Raw Material Mixer)(ウィスコンシン州、グリーンベイ(Green Bay))内にて、104.7rad/s(1000rpm)で4分間混合する。その後、混合物を、40mmの共回転スクリューを有するB&Pプロセスシステム二軸押出成形調合システム(B&P Process System Twin Screw Extrusion Compounding System)(ミシガン州、サギノー(Saginaw))に供給する。グリセロールを、(上記の)所望の組成物を維持する速度で、液体導入口を通して供給する。以下に示される温度プロフィールにおいて、スクリュー速度を9.4rad/s(90rpm)に設定する:
【0106】
【表6】

【0107】
これらの条件において、全体的な押出成形速度は9.1kg/hr(20lbs/hr)である。ペレット化の間、材料から水を抜き出すために、3つのベントポートのうちの2つに真空ラインを適用する。トルクは10%である。混合物を直径0.3〜0.8cmのストランドに押出成形し、コーンエアー・ペレタイザー(Conair pellitizer)を通して該ストランドを切り、ペレットを形成する。ペレットを66℃(150゜F)の通気空気乾燥機中で12時間乾燥する。ペレットを、ヒルズ(Hills)二構成成分シース/コア4穴スピンパックを有するヒルズ(Hills)4穴押出成形機試験スタンド(ヒルズ社(Hills, Inc.)、フロリダ州、ウェストメルボルン(West Melbourne))に供給する。機器は、二構成成分繊維を製造するための単一のスピンヘッドに供給する2つの押出成形機を特徴とする。単一構成成分繊維のために、両方の押出成形機を、以下の通りに同一条件に設定し、両方の押出成形機に同一材料を供給する:
【0108】
【表7】

【0109】
繊維は、0.14MPa(20psi)に設定された減衰空気ジェットを通して収集される。質量処理量0.75g/穴−分が維持される。繊維を収集し、115℃の対流式オーブンで一晩乾燥する。繊維について、水安定性試験を行なう。全ての繊維は、水安定性試験に合格する。
【0110】
(実施例7)
この実施例は、水安定性二構成成分繊維のブレンド及び紡糸を説明する。次の材料を使用して熱可塑性組成物を製造する:
6000gのエチレックス(Ethylex)(商標)2065(テート&ライル(Tate& Lyle)、イリノイ州、ジケーター(Decatur))
2500gのグリセロール(アルドリッチケミカルズ(Aldrich Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
500gのポリプロピレンプロファックス(Polypropylene Profax)(商標)PH835(バーゼル(Basell)、メリーランド州、エルクトン(Elkton))
500gのマレイン酸化ポリプロピレンG3003(イーストマンケミカルズ(Eastman Chemicals)、テネシー州、キングズポート(Kingsport))
750gの亜麻仁油(アルドリッチケミカルズ(Aldrich Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
2.5gのp−トルエンスルホン酸(アルドリッチケミカルズ(Aldrich Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))50gのステアリン酸マグネシウム(アルドリッチケミカルズ(Aldrich Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
【0111】
グリセロール以外の全ての構成成分を、ヘンシェル原材料ミキサー(Henschel Raw Material Mixer)(ウィスコンシン州、グリーンベイ(Green Bay))内にて、104.7rad/s(1000rpm)で4分間混合する。その後、混合物を、40mmの共回転スクリューを有するB&Pプロセスシステム二軸押出成形調合システム(B&P Process System Twin Screw Extrusion Compounding System)(ミシガン州、サギノー(Saginaw))に供給する。グリセロールを、(上記の)所望の組成物を維持する速度で、液体導入口を通して供給する。以下に示される温度プロフィールにおいて、スクリュー速度を9.4rad/s(90rpm)に設定する:
【0112】
【表8】

【0113】
これらの条件において、全体的な押出成形速度は9.1kg/hr(20lbs/hr)である。ペレット化の間、材料から水を抜き出すために、3つのベントポートのうちの2つに真空ラインを適用する。トルクは10%である。混合物を直径0.3〜0.8cmのストランドに押出成形し、コーンエアー・ペレタイザー(Conair pellitizer)を通して該ストランドを切り、ペレットを形成する。ペレットを66℃(150゜F)の通気空気乾燥機中で12時間乾燥する。ペレットを、ヒルズ(Hills)二構成成分シース/コア4穴スピンパックを有するヒルズ(Hills)4穴押出成形機試験スタンド(ヒルズ社(Hills, Inc.)、フロリダ州、ウェストメルボルン(West Melbourne))に供給する。機器は、二構成成分繊維を製造するための単一のスピンヘッドに供給する2つの押出成形機を特徴とする。二構成成分繊維のために、上記の熱可塑性組成物を押出成形機1に供給する。第2の押出成形機には、ポリプロピレンプロファックス(Polypropylene Profax)(商標)PH835(バーゼル(Basell))を次の条件で使用する:
【0114】
【表9】

【0115】
繊維は、0.14MPa(20psi)に設定された減衰空気ジェットを通して収集される。総質量処理量0.75g/穴−分を維持する。溶融ポンプ速度の比を調節することで、様々なシース厚さのシースコア繊維を製造できる。次のシース/コア体積比が製造される:
【0116】
【表10】

【0117】
繊維を収集し、115℃の対流式オーブンで一晩乾燥する。繊維について、水安定性試験を行なう。全ての繊維は、水安定性試験に合格する。
【0118】
(実施例8)
PPを有する二構成成分繊維
この実施例は、水安定性二構成成分繊維のブレンド及び紡糸を説明する。次の材料を使用して熱可塑性組成物を製造する:
6000gのエチレックス(Ethylex)(商標)2015(テート&ライル(Tate& Lyle)、イリノイ州、ジケーター(Decatur))
1900gのグリセロール(アルドリッチケミカルズ(Aldrich Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
500gのポリプロピレンプロファックス(Polypropylene Profax)(商標)PH835(バーゼル(Basell)、メリーランド州、エルクトン(Elkton))
500gのマレイン酸化ポリプロピレンG3003(イーストマンケミカルズ(Eastman Chemicals)、テネシー州、キングズポート(Kingsport))
500gの亜麻仁油(アルドリッチケミカルズ(Aldrich Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
2.5gのp−トルエンスルホン酸(アルドリッチケミカルズ(Aldrich Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
50gのステアリン酸マグネシウム(アルドリッチケミカルズ(Aldrich Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
【0119】
グリセロール以外の構成成分を、ヘンシェル原材料ミキサー(Henschel Raw Material Mixer)(ウィスコンシン州、グリーンベイ(Green Bay))内にて、104.7rad/s(1000rpm)で4分間混合する。その後、混合物を、40mmの共回転スクリューを有するB&Pプロセスシステム二軸押出成形調合システム(B&P Process System Twin Screw Extrusion Compounding System)(ミシガン州、サギノー(Saginaw))に供給する。グリセロールを、(上記の)所望の組成物を維持する速度で、液体導入口を通して供給する。以下に示される温度プロフィールにおいて、スクリュー速度を9.4rad/s(90rpm)に設定する:
【0120】
【表11】

【0121】
これらの条件において、全体的な押出成形速度は9.1kg/hr(20lbs/hr)である。ペレット化の間、材料から水を抜き出すために、3つのベントポートのうちの2つに真空ラインを適用する。トルクは10%である。混合物を直径0.3〜0.8cmのストランドに押出成形し、コーンエアー・ペレタイザー(Conair pellitizer)を通して該ストランドを切り、ペレットを形成する。ペレットを66℃(150゜F)の通気空気乾燥機中で12時間乾燥する。ペレットを、ヒルズ(Hills)二構成成分シース/コア4穴スピンパックを有するヒルズ(Hills)4穴押出成形機試験スタンド(ヒルズ社(Hills, Inc.)、フロリダ州、ウェストメルボルン(West Melbourne))に供給する。機器は、二構成成分繊維を製造するための単一のスピンヘッドに供給する2つの押出成形機を特徴とする。二構成成分繊維のために、上記の熱可塑性組成物を押出成形機1に供給する。第2の押出成形機には、ポリプロピレンプロファックス(Polypropylene Profax)(商標)PH835(バーゼル(Basell))を次の条件で使用する:
【0122】
【表12】

【0123】
繊維は、0.14MPa(20psi)に設定された減衰空気ジェットを通して収集される。総質量処理量0.75g/穴−分を維持する。溶融ポンプ速度の比を調節することで、様々なシース厚さのシースコア繊維を製造できる。次のシース/コア体積比が製造される:
【0124】
【表13】

【0125】
繊維を収集し、115℃の対流式オーブンで一晩乾燥する。繊維について、水安定性試験を行なう。全ての繊維は、水安定性試験に合格する。
【0126】
(実施例9)
バインダー繊維
この実施例は、水安定性バインダー繊維の追加のブレンド及び紡糸を説明する。次の材料を使用する:
6000gのエチレックス(Ethylex)(商標)2015(テート&ライル(Tate& Lyle)、イリノイ州、ジケーター(Decatur))
2500gのグリセロール(アルドリッチケミカルズ(Aldrich Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
350gの大豆油(アルドリッチケミカルズ(Aldrich Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
2gのp−トルエンスルホン酸(アルドリッチケミカルズ(Aldrich Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
500gのマレイン酸化ポリプロピレン(イーストマンケミカルズ(Eastman Chemicals)、テネシー州、キングズポート(Kingsport))
50gのステアリン酸マグネシウム(アルドリッチケミカルズ(Aldrich Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
【0127】
グリセロール以外の構成成分を、ヘンシェル原材料ミキサー(Henschel Raw Material Mixer)(ウィスコンシン州、グリーンベイ(Green Bay))内にて、104.7rad/s(1000rpm)で4分間混合する。その後、混合物を、40mmの共回転スクリューを有するB&Pプロセスシステム二軸押出成形調合システム(B&P Process System Twin Screw Extrusion Compounding System)(ミシガン州、サギノー(Saginaw))に供給する。グリセロールを、(上記の)所望の組成物を維持する速度で、液体導入口を通して供給する。以下に示される温度プロフィールにおいて、スクリュー速度を9.4rad/s(90rpm)に設定する:
【0128】
【表14】

【0129】
これらの条件において、全体的な押出成形速度は9.1kg/hr(20lbs/hr)である。ペレット化の間、材料から水を抜き出すために、3つのベントポートのうちの2つに真空ラインを適用する。トルクは10%である。混合物を直径0.3〜0.8cmのストランドに押出成形し、コーンエアー・ペレタイザー(Conair pellitizer)を通して該ストランドを切り、ペレットを形成する。ペレットを66℃(150゜F)の通気空気乾燥機中で12時間乾燥する。ペレットを、ヒルズ(Hills)二構成成分シース/コア4穴スピンパックを有するヒルズ(Hills)4穴押出成形機試験スタンド(ヒルズ社(Hills, Inc.)、フロリダ州、ウェストメルボルン(West Melbourne))に供給する。機器は、二構成成分繊維を製造するための単一のスピンヘッドに供給する2つの押出成形機を特徴とする。単一構成成分繊維のために、両方の押出成形機を、以下の通りに同一条件に設定し、両方の押出成形機に同一材料を供給する:
【0130】
【表15】

【0131】
繊維は、質量処理量0.8g/穴−分にて、減衰空気ジェットを通してスクリーン上に収集される。エアジェットを0.14MPa(20psi)に設定する。熱可塑性デンプン繊維を収集し、ナイフで長さおよそ2cmに切る。デンプン繊維と非接着ポリエステル短繊維(ウェルマン(Wellman)、サウスカロライナ州、フォートミル(Fort Mill))とを、総坪量およそ50gsm、ポリエステルとデンプンウェブの重量比10:1で混合する。非接着ウェブをカーバー(Carver)(商標)プレスに置き、165℃で10分間、テフロン(Teflon)シート間で6.89MPa(1000psi)で押圧する。ウェブを取り出し、冷却する。ウェブを115℃の真空オーブンで一晩乾燥する。ウェブについて、次の水安定性試験を行なう。5cm×5cmのウェブを1000mLの水に入れ、24時間浸す。ウェブを取り出し、それがそのままであったら、水安定性試験に合格であるとする。乾燥したウェブは、水安定性試験に合格する。
【0132】
(実施例10)
この実施例は、水安定性二構成成分繊維のブレンド及び紡糸を説明する。次の材料を使用して熱可塑性組成物を製造する:
6000gのエチレックス(Ethylex)(商標)2015(テート&ライル(Tate& Lyle)、イリノイ州、ジケーター(Decatur))
1900gのグリセロール(アルドリッチケミカルズ(Aldrich Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
500gのポリプロピレンプロファックス(Polypropylene Profax)(商標)PH835(バーゼル(Basell)、メリーランド州、エルクトン(Elkton))
500gのマレイン酸化ポリプロピレンG3003(イーストマンケミカルズ(Eastman Chemicals)、テネシー州、キングズポート(Kingsport))
500gのアジピン酸(ソルチアケミカルズ(Solutia Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
500gの亜麻仁油(アルドリッチケミカルズ(Aldrich Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
50gのステアリン酸マグネシウム(アルドリッチケミカルズ(Aldrich Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
【0133】
グリセロール以外の全ての構成成分を、ヘンシェル原材料ミキサー(Henschel Raw Material Mixer)(ウィスコンシン州、グリーンベイ(Green Bay))内にて、104.7rad/s(1000rpm)で4分間混合する。その後、混合物を、40mmの共回転スクリューを有するB&Pプロセスシステム二軸押出成形調合システム(B&P Process System Twin Screw Extrusion Compounding System)(ミシガン州、サギノー(Saginaw))に供給する。グリセロールを、(上記の)所望の組成物を維持する速度で、液体導入口を通して供給する。以下に示される温度プロフィールにおいて、スクリュー速度を9.4rad/s(90rpm)に設定する:
【0134】
【表16】

【0135】
これらの条件において、全体的な押出成形速度は9.1kg/hr(20lbs/hr)である。ペレット化の間、材料から水を抜き出すために、3つのベントポートのうちの2つに真空ラインを適用する。トルクは10%である。混合物を直径0.3〜0.8cmのストランドに押出成形し、コーンエアー・ペレタイザー(Conair pellitizer)を通して該ストランドを切り、ペレットを形成する。ペレットを66℃(150゜F)の通気空気乾燥機中で12時間乾燥する。ペレットを、ヒルズ(Hills)二構成成分シース/コア4穴スピンパックを有するヒルズ(Hills)4穴押出成形機試験スタンド(ヒルズ社(Hills, Inc.)、フロリダ州、ウェストメルボルン(West Melbourne))に供給する。機器は、二構成成分繊維を製造するための単一のスピンヘッドに供給する2つの押出成形機を特徴とする。二構成成分繊維のために、上記の熱可塑性組成物を押出成形機1に供給する。第2の押出成形機には、ポリプロピレンプロファックス(Polypropylene Profax)(商標)PH835(バーゼル(Basell))を次の条件で使用する:
【0136】
【表17】

【0137】
繊維は、0.14MPa(20psi)に設定された減衰空気ジェットを通して収集される。総質量処理量0.75g/穴−分を維持する。溶融ポンプ速度の比を調節することで、様々なシース厚さのシースコア繊維を製造できる。次のシース/コア体積比が製造される:
【0138】
【表18】

【0139】
繊維を収集し、115℃の対流式オーブンで一晩乾燥する。繊維について、水安定性試験を行なう。全ての繊維は、水安定性試験に合格する。
【0140】
(実施例11)
この実施例は、水安定性二構成成分繊維のブレンド及び紡糸を説明する。次の材料を使用して熱可塑性組成物を製造する:
6000gのエチレックス(Ethylex)(商標)2005(テート&ライル(Tate& Lyle)、イリノイ州、ジケーター(Decatur))
1900gのグリセロール(アルドリッチケミカルズ(Aldrich Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
500gのポリプロピレンプロファックス(Polypropylene Profax)(商標)PH835(バーゼル(Basell)、メリーランド州、エルクトン(Elkton))
500gのマレイン酸化ポリプロピレンG3003(イーストマンケミカルズ(Eastman Chemicals)、テネシー州、キングズポート(Kingsport))
500gのアジピン酸(ソルチアケミカルズ(Solutia Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
200gの大豆油(アルドリッチケミカルズ(Aldrich Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
50gのステアリン酸マグネシウム(アルドリッチケミカルズ(Aldrich Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
【0141】
グリセロール以外の全ての構成成分を、ヘンシェル原材料ミキサー(Henschel Raw Material Mixer)(ウィスコンシン州、グリーンベイ(Green Bay))内にて、104.7rad/s(1000rpm)で4分間混合する。その後、混合物を、40mmの共回転スクリューを有するB&Pプロセスシステム二軸押出成形調合システム(B&P Process System Twin Screw Extrusion Compounding System)(ミシガン州、サギノー(Saginaw))に供給する。グリセロールを、(上記の)所望の組成物を維持する速度で、液体導入口を通して供給する。以下に示される温度プロフィールにおいて、スクリュー速度を9.4rad/s(90rpm)に設定する:
【0142】
【表19】

【0143】
これらの条件において、全体的な押出成形速度は9.1kg/hr(20lbs/hr)である。ペレット化の間、材料から水を抜き出すために、3つのベントポートのうちの2つに真空ラインを適用する。トルクは10%である。混合物を直径0.3〜0.8cmのストランドに押出成形し、コーンエアー・ペレタイザー(Conair pellitizer)を通して該ストランドを切り、ペレットを形成する。ペレットを66℃(150゜F)の通気空気乾燥機中で12時間乾燥する。ペレットを、ヒルズ(Hills)二構成成分シース/コア4穴スピンパックを有するヒルズ(Hills)4穴押出成形機試験スタンド(ヒルズ社(Hills, Inc.)、フロリダ州、ウェストメルボルン(West Melbourne))に供給する。機器は、二構成成分繊維を製造するための単一のスピンヘッドに供給する2つの押出成形機を特徴とする。二構成成分繊維のために、上記の熱可塑性組成物を押出成形機1に供給する。第2の押出成形機には、ポリプロピレンプロファックス(Polypropylene Profax)(商標)PH835(バーゼル(Basell))を次の条件で使用する:
【0144】
【表20】

【0145】
繊維は、0.14MPa(20psi)に設定された減衰空気ジェットを通して収集される。総質量処理量0.75g/穴−分を維持する。溶融ポンプ速度の比を調節することで、様々なシース厚さのシースコア繊維を製造できる。次のシース/コア体積比が製造される:
【0146】
【表21】

【0147】
繊維を収集し、115℃の対流式オーブンで一晩乾燥する。繊維について、水安定性試験を行なう。全ての繊維は、水安定性試験に合格する。
【0148】
(実施例12)
TPS繊維からのウェブ
コアシース比95/5のTPS/PPを有するTPS繊維を、実施例8のように調製する。およそ60g/m2のウェブを、ダイアモンド形状パターン(幅1mm、間隔2mm)を有する加熱したカレンダーを経由して、60℃で結合する。ウェブを115℃のオーブンで12時間乾燥する。ウェブの5cm×5cmの切片を、1000mLの水道水に入れ、3.1rad/s(30rpm)で24時間攪拌する。ウェブを水から取り出し、空気中で24時間乾燥した後、測定する。長さ及び幅の寸法の変化は、15%以下であり、ウェブは本質的に無傷である。ウェブは、水安定性を示すとされる。
【0149】
比較例13
非水安定性TPS繊維からのウェブ
次の材料を使用して熱可塑性組成物を製造する:
6000gのエチレックス(Ethylex)(商標)2015(テート&ライル(Tate& Lyle)、イリノイ州、ジケーター(Decatur))
2500gのグリセロール(アルドリッチケミカルズ(Aldrich Chemicals)、ミズーリ州、セントルイス(St.Louis))
【0150】
デンプンを、40mmの共回転スクリューを有するB&Pプロセスシステム二軸押出成形調合システム(B&P Process System Twin Screw Extrusion Compounding System)(ミシガン州、サギノー(Saginaw))に供給する。グリセロールを、(上記の)所望の組成物を維持する速度で、液体導入口を通して供給する。以下に示される温度プロフィールにおいて、スクリュー速度を9.4rad/s(90rpm)に設定する:
【0151】
【表22】

【0152】
これらの条件において、全体的な押出成形速度は9.1kg/hr(20lbs/hr)である。ペレット化の間、材料から水を抜き出すために、3つのベントポートのうちの2つに真空ラインを適用する。トルクは10%である。混合物を直径0.3〜0.8cmのストランドに押出成形し、コーンエアー・ペレタイザー(Conair pellitizer)を通して該ストランドを切り、ペレットを形成する。ペレットを66℃(150゜F)の通気空気乾燥機中で12時間乾燥する。ペレットを、ヒルズ(Hills)二構成成分シース/コア4穴スピンパックを有するヒルズ(Hills)4穴押出成形機試験スタンド(ヒルズ社(Hills, Inc.)、フロリダ州、ウェストメルボルン(West Melbourne))に供給する。機器は、二構成成分繊維を製造するための単一のスピンヘッドに供給する2つの押出成形機を特徴とする。二構成成分繊維のために、上記の熱可塑性組成物を押出成形機1に供給する。第2の押出成形機には、ポリプロピレンプロファックス(Polypropylene Profax)(商標)PH835(バーゼル(Basell))を次の条件で使用する:
【0153】
【表23】

【0154】
繊維は、0.14MPa(20psi)に設定された減衰空気ジェットを通して収集される。総質量処理量0.75g/穴−分を維持する。溶融ポンプ速度の比を調節することで、様々なシース厚さのシースコア繊維を製造できる。次のシース/コア体積比が製造される。
【0155】
【表24】

【0156】
およそ60g/m2のウェブを、ダイアモンド形状パターン(幅1mm、間隔2mm)を有する加熱したカレンダーを経由して165℃で結合する。ウェブを115℃のオーブンで12時間乾燥する。ウェブの5cm×5cmの切片を、1000mLの水道水に入れ、3.1rad/s(30rpm)で24時間攪拌する。ウェブを水から取り出し、空気中で24時間乾燥した後、測定する。長さ及び幅の寸法の変化は、15%超過であり、ウェブは、本質的にそのままではなく、欠けた片がある。ウェブは、水安定性を示さないとされる。
【0157】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳しく限定されるものとして理解されるべきでない。それよりむしろ、特に規定がない限り、こうした各寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0158】
「発明を実施するための最良の形態」で引用した全ての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に関して先行技術であることを容認するものとして解釈されるべきではない。
【0159】
本発明の特定の実施形態を例示し記載したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのこうした変更及び修正は、付随する請求項にてカバーされるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性デンプン組成物を含む繊維であって、前記組成物は、
a.非構造化デンプン、好ましくはインサイチューで非構造化されたデンプンと、
b.
i.好ましくは、グリセロール、グリコール、糖、糖アルコール、及びこれらの組み合わせから成る群から選択され、より好ましくはグリセロールである、アルコール官能基を有する多価アルコール、並びに
ii.エステル官能基を有するトリグリセリド
を含む反応体混合物から形成されるエステル交換生成物と
を含み、
前記官能基が、前記アルコール官能基と前記エステル官能基のモル比が1:1〜200:1であるように、前記反応体混合物中に存在し、前記繊維が水安定性である繊維。
【請求項2】
前記トリグリセリドが、ココヤシ油、コーン胚芽油、オリーブ油、パーム種子油、綿実油、パーム油、菜種油、ヒマワリ油、鯨油、大豆油、ピーナッツ油、亜麻仁油、トール油、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される油中に存在する、請求項1に記載の繊維。
【請求項3】
前記組成物が、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、マレイン酸化ポリエチレン、マレイン酸化ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸、変性ポリプロピレン、ナイロン、カプロラクトン、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される追加のポリマーを更に含む、請求項1又は2に記載の繊維。
【請求項4】
前記繊維が生分解性であり、前記組成物が、好ましくは、ポリビニルアルコール、エステル重縮合物、脂肪族/芳香族ポリエステル、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される追加のポリマーを更に含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の繊維。
【請求項5】
前記繊維が、単構成成分繊維、多構成成分繊維、多構成要素繊維、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の繊維。
【請求項6】
前記組成物が、多価アルコールと、カルボン酸、カルボン酸無水物、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される少なくとも1つの官能基を有する酸とを含む反応体混合物から形成されるエステル縮合反応体生成物を更に含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の繊維。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の繊維を含む不織布。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の繊維を含む個人衛生物品。
【請求項9】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の繊維を含む吸収性物品。
【請求項10】
a.
i.非構造化デンプン、好ましくはインサイチューで非構造化されたデンプン、
ii.アルコール官能基を有する多価アルコール、並びに
iii.トリグリセリド
の混合物を形成する工程と、
b.前記混合物を、高温、好ましくは90℃超過にて、紡糸口金から押出成形して、繊維を形成する工程と、
c.少なくとも一部の前記多価アルコールと前記酸との間でエステル縮合反応を誘発する工程であって、前記反応の生成物が水である工程と
を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の繊維の製造方法であって、
前記繊維が水安定性であり、好ましくは前記アルコール及び前記トリグリセリドが、プレポリマーの形態で提供される方法。

【公表番号】特表2009−511765(P2009−511765A)
【公表日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−535644(P2008−535644)
【出願日】平成18年10月11日(2006.10.11)
【国際出願番号】PCT/US2006/039707
【国際公開番号】WO2007/044800
【国際公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
2.TEFLON
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】