説明

データキャリア及びデータキャリアシステム

【課題】接触通信用の端子として4個の端子を用いてRF通信及び接触式シリアル通信の両方を行うことが可能なデータキャリアを提供できるようにする。
【解決手段】外部の通信装置との間で通信を行うための通信プロトコルを格納する通信プロトコル格納手段と、上記外部の通信装置とRF信号で通信を行うためのコイル用端子が2個配設されたコイル用端子部と、上記外部の通信装置と接触通信を行うための接触通信用端子として、第1の通信用端子と、第2の通信用端子と、電源電圧用端子と、接地用端子とが配設された接触通信用端子部と、上記第1の通信用端子及び第2の通信用端子に印加される電圧レベルに応じて上記電源電圧用端子と内部回路の電源とを接触状態にしたり、非接触状態にしたりする接続制御手段とを用いてRF通信及び接触式シリアル通信の両方を可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はデータキャリア及びデータキャリアシステムに関し、特に、データキャリアとリーダ/ライタ装置との間でRF通信及び接触式シリアル通信の両方を行うために用いて好適な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、データキャリアとリーダ/ライタ装置とからなり、上記データキャリアと上記リーダ/ライタ装置との間でデータを非接触で授受するようにしたデータキャリアシステムが種々の分野で実用化されている。このようなデータキャリアシステムにおいては、データキャリアは内蔵するアンテナでリーダ/ライタ装置がアンテナ回路を介して供給するキャリア周波数の交番磁界を受けて動作電力を得ている。
【0003】
また、リーダ/ライタ装置が供給する磁界に変調を掛けてコマンドやデータを含む質問信号を送り、データキャリアはこれを復調してリーダ/ライタ装置から送信されるコマンドやデータを受け取るように構成されている。
【0004】
一方、上記データキャリアから上記リーダ/ライタ装置にデータを送信する場合には、返信する応答信号の内容に応じて、内蔵するアンテナ回路に繋がる負荷を、公知のロードスイッチをオンーオフ動作させて返事を返すようにしている。このようにしてデータキャリアから返事を返す周波数として、リーダ/ライタ装置のアンテナ回路から供給される交番磁界のキャリア周波数に対して、両サイドバンドのサブキャリアを使うように構成されている。
【0005】
上記データキャリアは、電磁界あるいは電波を利用してリーダ/ライタ装置との間で非接触で情報を送信したり受信したりするために、情報を記憶する記憶部と、情報を非接触で送信または送受信するためのアンテナとを備えて構成されており、RFID、ICタグ、IDタグ、RFタグ、無線タグ、電子タグ、トランスポンダ等のような、様々な名称が付けられて種々の分野で使用されている。
【0006】
上述のようなデータキャリアシステムの応用例として、自動販売機、ゲーム機、電気メータ、ガスメータ、水道メータ、家電、OA機器、生産設備等にデータキャリアを配設しておき、これらの電子機器の稼動履歴・売上記録・使用量等の情報を上記データキャリアの記憶部に記録しておくことが行われている。
【0007】
データキャリアは、種々の分野で使用されることにより、その使用形態は様々である。種々の使用形態のうち、リーダ/ライタ装置とRF通信及び接触式シリアル通信の両方を選択的に行うことができるようにした「複合データキャリア」が提案されている(例えば、特許文献1を参照)
【0008】
上記特許文献1に記載の「複合データキャリア」は、図11に示したように構成されている。図11において、51は接点端子部、52はアンテナコイル部、53は直流電圧発生部、54は信号変換部、55は信号開閉部、56は第1の信号線列、57は第2の信号線列、58は第3の信号線列である。
【0009】
接点端子部51は、I/Oコントロール端子と、R/Wコントロール端子と、データ(シリアル)端子と、ライトイネーブル端子と、V+(電源)端子と、GND(グランド)端子の6つの端子を有している。接点端子部51のこれらの5端子は第3の信号線列58によってIC部を構成するMPU59等と接続している。
【0010】
接点端子部51は、データ交換およびエネルギー受給のための接触端子部である。エネルギー受給のための接触端子の内のGND端子は、複合データキャリア用集積回路におけるGND端子と、GND接続線によって電気的に接続されている。複合データキャリア用集積回路は、直流電圧発生部53、信号変換部54、信号開閉部55によって構成される。
【0011】
アンテナコイル部52の2本のリード線は直流電圧発生部53と信号変換部54とに並列に接続している。アンテナコイル部52はデータ交換およびエネルギー受給のための非接触端子部である。アンテナコイル部52はデータ交換とエネルギー受給とに共用されるのであるが、それらは周波数領域および/または時間領域において分離される。周波数領域において分離する場合には、たとえばハイパスフィルター(図示せず)を介してデータ交換を行い、ローパスフィルター(図示せず)を介してエネルギー受給を行う。時間領域において分離する場合には、例えばスイッチング回路(図示せず)により接続の切り替えを行う。
【0012】
直流電圧発生部53は、アンテナコイル部52に誘起された交流電圧を直流電圧に変換する。この変換により得られる直流電圧は信号開閉部55の開閉制御に用いられる。信号開閉部55のSE(select enable )端子に直流電圧(V'+)が出力される。
【0013】
また、この変換により得られる直流電圧はエネルギー受給のための電源である。直流電圧発生部53で発生する直流電圧(V'+)は信号開閉部55および信号変換部54、等に供給される。すなわち、複合データキャリア用集積回路に電力を供給する。また、接点端子部51を用いずアンテナコイル部52を用い非接触でICカードを動作させる場合には、ICカードのMPU、等に対しても、ダイオードDを介して電力を供給する。アンテナコイル部52には充分な電力が供給され、通常のICカードの利用において、直流電圧発生部53は直流電圧を所定の電圧値に安定化する機能を有する。
【0014】
信号変換部54は、MPU等からの信号の復調および/またはMPU等への信号の変調を行う。信号変換部54のSG(signal)端子にはアンテナコイル部52の2本のリード線が接続されている。信号変換部54が復調した信号は第1の信号線列56に出力される。また、信号変換部54が変調する信号は第1の信号線列56から入力される。
【0015】
信号開閉部55は、直流電圧発生部53の直流電圧が規定電圧の時に第1の信号線列56と第2の信号線列57とを電気的に接続し、それ以外の時は電気的に切断する。信号開閉部55はSE端子に入力される直流電圧によって、電気的に接続するか切断するかの動作を行う。
【0016】
また、上述したような複合データキャリアの各部は、非接触時に印加される電圧または接触時に印加される電圧により動作している。図12は、RFアナログ部120に設けられている電源制御部124において、アナログ部の主電源である整流電圧VDHを制御する回路の主要な構成部を示している。図12において、1241はリファレンス電圧発生回路、1242は比較器、1243はVccレベル検出/セット・リセット回路、1244はスイッチ用トランジスタ回路である。
【0017】
リファレンス電圧発生回路1241は、アナログ部の整流電圧VDHの大きさに係わらず、一定値(例えば、2.5V)のレファレンス電圧Vrefを出力する。Vccレベル検出/セット・リセット回路1243は、VDDレベルを測定して、VDD端子に印加されているVDD電圧の大きさが予め設定された一定値以上ならば複合データキャリアを動作状態(セット状態)にする。また、一定値以下ならば複合データキャリアを非動作状態(リセット状態)にする。
【0018】
比較器1242は、レファレンス電圧Vrefと電源電圧VDDとを比較する回路であり、比較結果が、VDD≧Vrefならば、スイッチ用トランジスタ回路1244がオフ動作して、図12中に矢印で示したように、整流電圧VDH→VDD間はオン状態となる。また、比較器1242の比較結果がVDD≦Vrefならば、スイッチ用トランジスタ回路1244がオン状態となる。
【0019】
【特許文献1】特開2000―276500号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
上述したようなRF通信及び接触式シリアル通信の両方を行うことが可能なデータキャリアにおいては、接点端子部51にI/Oコントロール端子と、R/Wコントロール端子と、データ(シリアル)端子と、ライトイネーブル端子と、V+(電源)端子と、GND(グランド)端子の6つの端子を配設して直接通信を行うことを実現している。
【0021】
接触通信を行うために必要な端子を形成するためのコストは、形成する端子数に比例して大きくなる。また、接触通信を行う場合に、接触不良が発生する危険性は端子数に比例して大きくなる。このため、データキャリアに形成する端子数はできるだけ少ない方が好ましい。
【0022】
本発明は上述の問題点にかんがみ、接触通信用の端子として4個の端子を用いてRF通信及び接触式シリアル通信の両方を行うことが可能なデータキャリアを提供できるようにすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明のデータキャリアは、外部の通信装置との間で通信を行うための通信プロトコルを格納する通信プロトコル格納手段と、上記外部の通信装置とRF信号で通信を行うためのコイル用端子が2個配設されたコイル用端子部と、上記外部の通信装置と接触通信を行うための接触通信用端子として、第1の通信用端子と、第2の通信用端子と、電源電圧用端子と、接地用端子とが配設された接触通信用端子部と、上記第1の通信用端子及び第2の通信用端子に印加される電圧レベルに応じて上記電源電圧用端子と内部回路の電源とを接触状態にしたり、非接触状態にしたりする接続制御手段とを有することを特徴とする。
また、本発明のデータキャリアの他の特徴とするところは、上記コイル用端子部を介して行われるRF通信プロトコル、または上記接触通信用端子部を介して行われる接触式シリアル通信プロトコルで用いられるコマンドを制御するコマンド制御手段と、上記コイル用端子部または上記接触通信用端子部の何れか一方と上記コマンド制御手段とを選択的に接続する接続選択手段と、上記外部の通信装置との間で認証を行うための認証用コマンド、上記外部の通信装置と近接通信を行うための近接通信用コマンド、及び上記外部の通信装置と近傍通信を行うための近傍通信用コマンドを少なくとも保持するコマンド保持手段と、上記コイル用端子部を介して受信した質問信号から、上記外部の通信装置との間で行う認証レベルを解析する認証コマンド解析手段と、上記認証コマンド解析手段の解析結果に基づいて、上記外部の通信装置との間で行う認証処理で使用する認証コマンドを選択する認証コマンド選択手段と、上記認証コマンド選択手段によって選択された認証コマンドを上記コマンド保持手段から読み出す認証コマンド読み出し手段とを有し、上記コマンド制御手段は、上記コイル用端子部または上記接触通信用端子部の何れが選択されている場合においても、上記通信プロトコル格納手段に格納されている通信プロトコルを用いて通信を行うことを特徴とする。
また、本発明のデータキャリアのその他の特徴とするところは、上記接触式シリアル通信時に外部機器から供給される動作電圧を、外部の通信装置とRF信号で通信を行う際の動作電力を発生させるRFアナログ部を構成する電源制御部に設けられているレファレンス電圧発生回路に供給する動作電圧供給回路を設けたことを特徴とする。
【0024】
本発明のデータキャリアシステムは、上記の何れかに記載のデータキャリアと、上記データキャリアと通信する外部の通信装置とからなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、接触通信用の端子として4個の端子を用いてRF通信及び接触式シリアル通信の両方を行うことが可能なデータキャリアを提供することが可能となり、RF通信及び接触式シリアル通信の両方を行うことが可能なデータキャリアの製造コストを削減することができるとともに、保守管理を容易化することができる。また、接触不良などの事故を端子数の減少に比例して減らすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明のデータキャリアシステムの実施形態を説明する。
図1に示すように、本実施形態のデータキャリア100は、アンテナ回路110、RFアナログ部120、セレクタ部130、コマンド制御部140、記憶部150(EEPROMメモリ)、第1の接触端子CS、第2の接触端子IO0、第3の接触端子VDD、第4の接触端子GND及びデータ入出力端子IO1等によって構成されている。ここで、第1の接触端子CSは、第3の接触端子VDDまたは第4の接触端子GNDと共用可能であり、内部端子としてみなすことができる。したがって、接触通信を行うために用いられるのは、第2の接触端子IO0、第3の接触端子VDD、第4の接触端子GND及びデータ入出力端子IO1の4個である。
【0027】
このような構成により、本実施形態のデータキャリアにおいては、RF通信及び接触式シリアル通信の両方を行うことができるように構成されている。接触式シリアル通信を行う場合には、第1の接触端子CSはシリアルクロックの入力用として用いられ、第2の接触端子IO0は多目的データの入出力用として用いられる。
【0028】
アンテナ回路110は、コイルL1及びコンデンサC1の並列共振回路によって構成されている。
RFアナログ部120は、整流回路121、送信回路122、受信回路123及び電源制御部124等によって構成されている。
【0029】
セレクタ部130は、RF通信と接触式シリアル通信とを切り替えるためのものである。また、本実施形態のセレクタ部130は、VDDスイッチ回路200(図2を参照)を内部に設けており、第3の接触端子VDDを内部回路とを接続したり、その反対に第3の接触端子VDDを内部回路から分離したりすることができるようにしている。
【0030】
図2に、VDDスイッチ回路200の構成例を示す。
図2に示したように、本実施形態のVDDスイッチ回路200には、第1の接触端子CS、第2の接触端子IO0、第3の接触端子VDD、第4の接触端子GND、内部電源端子VCC、及びLSIの内部信号が入力される内部信号端子IO CNT等が接続されている。
【0031】
また、VDDスイッチ回路200の内部には、主要な論理回路としてR―Sフリップフロップ206,204、スイッチング回路211等が設けられている。スイッチング回路211の一方の固定端子は第3の接触端子VDDに接続され、他方の固定端子は内部電源端子VCCに接続されている。
【0032】
このように接続されたスイッチング回路211の可動端子は、ノア回路209から出力されるスイッチング信号によってオン/オフ動作する。これにより、オン動作した場合は第3の接触端子VDDから入力される動作電圧が内部電源端子VCCに与えられ、データキャリア100は外部供給の電源で動作する。また、オフ動作している状態においては第3の接触端子VDDは内部回路から切り離された状態となる。この場合、データキャリア100は内部で発生した電源で動作する状態となる。
【0033】
次に、前述のように第3の接触端子VDDを内部回路に接続したり、内部回路から切り離したりするスイッチング動作の一例を説明する。
内部信号端子IO CNTとR―Sフリップフロップ204のセット端子Sとが接続されている。また、ノット回路202を介してR―Sフリップフロップ204のリセット端子Rとが接続されている。なお、本実施形態においては、内部信号端子IO CNTは"Low"固定としている。
【0034】
また、内部信号端子IO CNTは、ノア回路203の一方の端子に接続されている。また、上記ノア回路203の他方の端子にはノット回路201を介して第2の接触端子IO0が接続されている。そして、ノア回路203の出力はR―Sフリップフロップ206のセット端子Sに接続されている。
【0035】
上記R―Sフリップフロップ206のリセット端子Rには、ノット回路205を介して第1の接触端子CSが接続されている。また、R―Sフリップフロップ206の出力端子Qは、アンド回路210の一方の端子に接続されている。上記アンド回路210の他方の端子には第1の接触端子CSが接続されており、その出力はノア回路209の他方の入力端子に接続されている。
【0036】
次に、上述のように構成されたVDDスイッチ回路200の切り替え動作を説明する。
(A)第1の接触端子CS="L"のとき、
この場合、ノア回路209の入力は"L"、"L"であるため、スイッチング回路211はオフ状態となる。したがって、本実施形態のデータキャリア100は第1の接触端子CSが"L"のときにはRF用途となる。すなわち、電源VccはLSIの内部で整流される。これにより、Vcc="H"レベル、第3の接触端子VDD=オープンとなる。
【0037】
(B)第1の接触端子CS="H"、及び第2の接触端子IO0="H"のとき、
この場合、ノア回路209の入力は"L"及び"H"のため、出力は"L"となる。これにより、スイッチング回路211はON動作となる。したがって、本実施形態のデータキャリア100は第1の接触端子CSが"H"のときには接触用途となる。電源Vccは第3の接触端子VDDから外部供給される。このため、Vcc=第3の接触端子VDDとなり、"H"レベルとなる。
【0038】
(C)第1の接触端子CS="H"、及び第2の接触端子IO0="L"のとき、
この場合、R―Sフリップフロップ206の入力がセット端子S及びリセット端子Rの両方共に"L"、"L"であるので、R―Sフリップフロップ206は1つ手前の状態を保持する。したがって、1つ手前の状態が(A)であったならばオフ状態を保持し、(B)であったならばオン状態を保持することになる。
【0039】
コマンド制御部140は、認証コマンド制御回路141及びセキュリティ部142を有している。記憶部150は、セキュリティ設定用メモリ151及び送信条件設定用メモリ152を有している。これらのセキュリティ設定用メモリ151及び送信条件設定用メモリ152に格納されているコマンドは、RF通信及び接触式シリアル通信において共通に使用される。
【0040】
図7にコマンドの一例を示す。図7に示すように、本実施形態においては、上記セキュリティ設定用メモリ151に第1のセキュリティエリア151a、第2のセキュリティエリア151b及び第3のセキュリティエリア151cを設けている。そして、図7の例では、第1のセキュリティエリア151aの第1番地1−1に「第1のコマンドの1」を格納している。また、第1のセキュリティエリア151aの第2番地1−2に「第1のコマンドの2」を格納している。更に、第1のセキュリティエリア151aの第3番地1−3に「第1のコマンドの3」を格納している。
【0041】
また、第2のセキュリティエリア151bの第1番地2−1に「第2のコマンドの1」を格納している。第2のセキュリティエリア151bの第2番地2−2に「第2のコマンドの2」を格納している。更に、第2のセキュリティエリア151bの第3番地2−3に「第2のコマンドの3」を格納している。
【0042】
また、第3のセキュリティエリア151cの第1番地3−1に「第3のコマンドの1」を格納している。第3のセキュリティエリア151cの第2番地3−2に「第3のコマンドの2」を格納している。更に、第3のセキュリティエリア151cの第3番地3−3に「第3のコマンドの3」を格納している。
【0043】
コマンド制御部140の制御に応じて、第1のコマンドの1〜3、第2のコマンドの1〜3、第3のコマンドの1〜3の何れかがセキュリティ設定用メモリ151から読み出されてセレクタ部130に与えられる。
【0044】
図5に示すように、本実施形態のデータキャリア100と通信を行うリーダ/ライタ装置10は、送信部11、受信部12、アンテナ回路14、及びフィルタ回路15等によって構成されている。そして、アンテナ回路14からコマンドやデータをデータキャリア100に送信し、リーダ/ライタ装置10とデータキャリア100との間でRF通信を行う。
【0045】
送信部11は、データキャリア100に送信するコマンドやデータよりなる送信信号を生成するためのものであり、所定のキャリア周波数f0(13.56MHz)を変調して送信信号を生成している。受信部12は、データキャリア100から送信されてきたサブキャリア周波数を復号してデータを復調する。
【0046】
アンテナ回路14は、送信部11から出力される送信信号をデータキャリア100に送信するとともに、データキャリア100から送信された応答信号を受信する。以上の構成は、データキャリアシステムにおいて使用されているデータキャリア100の一般的な構成であるが、本実施形態のデータキャリア100においては、近接型データ通信と近傍型データ通信の両方を可能にしていることに特徴を有している。
【0047】
図7に示すように、本実施形態の認証コマンド制御回路141は認証コマンド解析部1411、認証コマンド選択部1412、認証コマンド読み出し部1413を有している。
認証コマンド解析部1411は、リーダ/ライタ装置10から送られてくる質問信号41が「ダイレクト方式コマンド」、「タグ認証方式コマンド」、「相互認証方式コマンド」、「PICCコマンド」、または「VICCコマンド」の何れであるかを判断するためのものであり、判断結果を認証コマンド選択部1412に出力する。
【0048】
認証コマンド選択部1412は、認証コマンド解析部1411から送られるコマンドの解析結果に応じてリーダ/ライタ装置10に送信する応答信号42において使用するセキュリティエリアのコマンド、或いはセキュリティレベルコマンドを選択するものであり、選択する種類のコマンドが格納されているアドレスAをセキュリティ設定用メモリ151、送信条件設定用メモリ152に対して指定する。
【0049】
認証コマンド読み出し部1413は、リーダ/ライタ装置10と通信を行うために使用するコマンドとして、認証コマンド選択部1412により選択されたセキュリティエリアまたは送信条件設定用エリアのコマンドのデータDをセキュリティ設定用メモリ151または送信条件設定用メモリ152から読み出す。
【0050】
そして、図1に示したように、セキュリティ設定用メモリ151または送信条件設定用メモリ152から読み出したコマンドのいずれかをセレクタ部130に出力する。
【0051】
本実施形態のデータキャリア100において、RF通信を行う場合には、リーダ/ライタ装置10から送信される質問信号41に対して返事を返す応答信号42に周波数として、図6に示すように、第1のサブキャリア周波数fsc1及び第2のサブキャリア周波数fsc2のリーダ/ライタ装置のアンテナ回路から供給される交番磁界のキャリア周波数に対して、両サイドバンドのサブキャリアを使用する。
【0052】
また、本実施形態のデータキャリアにおいては、RF通信を行う場合に、近傍通信用コマンド(VICCコマンド)及び近接通信用コマンド(PICCコマンド)の両方を選択的に使用することができるように構成されている。
【0053】
図6のキャリア周波数の説明図に示すように、本実施形態においては、本来の近接通信用コマンド(PICCコマンド)として、第1のサブキャリア周波数fsc1(847.5kHz)を使用し、近傍通信用コマンド(VICC)として、第2のサブキャリア周波数fsc2(437.75kHz)を使用するようにしている。なお、受信特性において、中心周波数は13.56MHz、通信速度は105.94kbps、変調方式はASK(NRZ)である。また、送信特性において、中心周波数は13.56MHz、通信速度は105.94kbps、変調方式はBPSK(NRZ)である。
【0054】
また、本実施形態においては、負荷の大きさを変えることによりサブキャリア強度を変更することができるようにしている。変更度合いは、PICCコマンド及びVICCコマンドのそれぞれにおいて8段階に変更できるようにしている。また、PICCコマンドとVICCコマンドとでは、相対比で(1:3)程度となるようにしている。
【0055】
次に、RF通信の変調方式と接触式シリアル通信の変調方式について、図3及び図4を参照しながら説明する。
図3は、RF通信を行う場合の変調方式を説明する図であり、図3(a)はリーダ/ライタ装置10→データキャリア100に対して質問信号41(図5を参照)を送信する場合の変調方式を示している。
【0056】
この場合、(イ)中心周波数:13.56MHz、(ロ)通信速度:105.94kbps、(ハ)変調方式:ASK(NRZ)、(ニ)変調速度:10〜30%、で行うようにしている。そして、データ「0」は(振幅:a、幅:搬送波(13.56MHz)の128波)としている。また、データ「1」は(振幅:b、幅:搬送波(13.56MHz)の128波)としている。
【0057】
一方、データキャリア100→リーダ/ライタ装置10に応答信号42を送信する場合には、図3(b)に示すように、イ)中心周波数:13.56MHz、(ロ)通信速度:105.94kbps、(ハ)変調方法:負荷変調(負荷変調時リーダ/ライタ装置はHigh Field連続放出が前提)、サブキャリア:847.5kHz(オプション:423.75kHz)、(ニ)変調方式:BPSKとしている。
【0058】
また、接触式シリアル通信においては、図4に示すような方式で行われる。図4はデータキャリア100への受信タグを示し、図4(b)はデータキャリア100からの送信タイミングを示している。なお、図4において、「CS」は非接触/接触動作(Vdd内部発生)モードと、外部電源動作モードの切り替え信号を示している。
【0059】
図4(a)に示すように、第1の接触端子CSが「0」から「1」になり、第2の接触端子IO0にクロック信号((IO0)標準:1.695MKHz)が入力されると、それがセレクタ部130に供給され、セレクタ部130によって接触式シリアル通信が行われるように選択される。
【0060】
そして、データ入出力端子IO1を介して多目的データの入出力が行われる。データ入出力端子IO1から多目的データが入力されると、クロック信号の立ち上がりエッジに同期して多目的データが取り込まれる。本実施形態においては、リセット解除後に最初に多目的データが「1」→「0」に変化する時点をタイミングの基準としている。これ以降、基本的に「1ETU長」はシリアルクロックの16周期長としている。
【0061】
次に、データキャリア100からリーダ/ライタ装置10への送信タイミングについて説明する。
図4(b)に示すように、シリアルクロックの立ち上がりに同期してデータ(IO1)を出力する。この場合も、「1ETU長」はシリアルクロックの16周期長としている。
【0062】
上述したように、本実施形態のデータキャリアは、RF通信及び接触式シリアル通信の両方を行うことができ、しかもRF通信で使用するRF通信プロトコルと、接触式シリアル通信のプロトコルとを同じ仕様にすることができる。これにより、RF通信用のコマンド制御回路と、接触式シリアル通信用のコマンド制御回路とを別個に設ける必要を無くして制御回路を単純化することができる。また、2種類の通信プロトコルを用意しておかなくても済むので、コマンドを格納しておくためのメモリ容量を削減することができる。
【0063】
次に、上述のように構成された本実施形態のデータキャリア100の使用例を、図8を参照しながら説明する。
図8(a)は、装置部品50にデータキャリア100を取り付けている様子を示しており、例えば、装置部品50がベルトコンベア52上に載置されて装置部品50の製造工場の各工程において、例えば、「製造番号」、「製造月日」、「材料名」、「出荷日」等の製造情報が書き込まれる。この状態で使用されるのは近接通信用コマンドである。
【0064】
図8(b)は、ダンボール箱53に入れられて工場から出荷され、流通管理時に利用される状態を示している。この状態においては、リーダ/ライタ装置10はダンボール箱53の外側から質問信号41を送信するので、データキャリア100とリーダ/ライタ装置10との間の距離が近接通信可能な距離よりも遠くなっている。したがって、この状態ではリーダ/ライタ装置10からは近傍通信用コマンド(VICCコマンド)で質問信号41が送信されてくる。
【0065】
上記近傍通信用コマンド(VICCコマンド)の質問信号41を送信されたデータキャリア100は、送信する応答信号42としては近傍通信用コマンド(VICCコマンド)を使用する必要がある。本実施形態のデータキャリア100においては、上述したように、近接通信用コマンド(PICCコマンド)及び近傍通信用コマンド(VICCコマンド)の両方が送信条件設定用メモリ152に格納されている。これにより、これらの両コマンドを選択的に使用することができるので、装置部品50がダンボール箱53内に収納されている状態においても良好に使用することができる。
【0066】
また、この場合には、リーダ/ライタ装置10がデータキャリア100を認証する「タグ認証」のみならず、データキャリア100がリーダ/ライタ装置10を認証する「相互認証」を行う。上記「タグ認証」及び「相互認証」の詳細な説明は、図9のフローチャートを参照しながら後述する。
【0067】
図8(c)は、装置部品50がダンボール箱60に単体で収納されている状態を示している。このような状態の代表例は、装置部品50が量販店において店頭に並べられている場合が挙げられる。この状態においては、データキャリア100に格納されている種々の情報の中から「製造番号」、「メンテナンスに係る情報」、「出荷日」、「価格」等の情報が読み出される。
【0068】
図8(d)は、装置部品50を装置本体54内に取り付けて使用している状態を示している。この状態においては、装置本体54側に配設されているリーダ/ライタ装置55との距離が至近距離となるので、装置部品50とリーダ/ライタ装置55との間の通信は近接通信用コマンド(PICCコマンド)を用いた通信となる。
【0069】
図9のフローチャートを参照しながら本実施形態のデータキャリア100を用いたデータキャリアシステムの通信例を説明する。
図9に示したように、最初のステップS901において、リーダ/ライタ装置10から質問信号41が送信されて「パワーオン」となるのを待機している。
【0070】
そして、リーダ/ライタ装置10から質問信号41が送信されることによりデータキャリア100に動作電力が発生するとステップS902に進み、上記質問信号41に基いて認証の有無を判断する。この判断の結果、認証が有る場合にはステップS903に進み、アンチコリジョン処理の成功を判断する。
【0071】
アンチコリジョン処理が成功した場合にはステップS904に進み、「相互認証」か否かを判断する。この判断の結果、「相互認証」ではない場合はステップS905に進んで「タグ認証」を行う。また、ステップS904の判断の結果、「相互認証」であった場合にはステップS906に進んで「相互認証」処理を行う。ステップS902及びステップS904におけるセキュリティ判断、上述した認証コマンド制御回路141に設けられている認証コマンド解析部1411により行われる。
【0072】
本実施形態のデータキャリア100は、上述したように、「認証無し」、「タグ認証」及び「相互認証」のように、3つのセキュリティレベルを設定することが可能に構成されている。「認証無し」は、「パワーオン」からステップS907のコマンド受信状態に直接移行するために、高速なアクセスが可能となる利点がある。
【0073】
また、ステップS905において行われる「タグ認証」はタグ(データキャリア)の認証コマンドにより認証を行うので、リーダ/ライタ装置10は正当なデータキャリア100であることを認証することができる。この「相互認証」は、チャレンジレスポンス認証方式と呼ばれており、リーダ/ライタ装置10側で生成した「シード値S」をデータキャリア100に送信する。上記「シード値S」を受信したデータキャリア100は、演算した「認証値N」を応答する。
【0074】
リーダ/ライタ装置10は、データキャリア100から送られてきた「認証値N」が正しいかどうか(正規のタグ)であるかを検証する。なお、「シード値S」はスクランブルであるため、毎回変更するようにしている。
【0075】
一方、ステップS906において行われる「相互認証」処理は、リーダ/ライタ装置10及びデータキャリア100の相互に行われる認証である。本実施形態においては、認証の順番はリーダ/ライタ装置10の認証の後でデータキャリア100の認証を行うようにしている。
【0076】
すなわち、ステップS905で説明した「タグ認証」の処理が終了すると、データキャリア100側で生成した「シード値S´」をリーダ/ライタ装置10に送信する。上記「シード値S´」を受信したリーダ/ライタ装置10は、演算した「認証値N´」を応答する。
【0077】
上述したように、ステップS905における「タグ認証」処理、またはステップS906における「相互認証」処理が終了すると、ステップS907に遷移してコマンド受信の待機状態となる。そして、リーダ/ライタ装置10からコマンドが送られてきたらステップS908に移行して、上記送信されたコマンドに従う処理を実行する。
【0078】
次に、ステップS909においてパワーオフか否かを判断する。この判断の結果、パワーがある場合にはステップS907に戻ってコマンド受信の待機状態となる。また、ステップS909の判断の結果、パワーオフであった場合にはリーダ/ライタ装置10との通信処理を終了する。
【0079】
以上、説明したように、「認証無し」、「タグ認証」及び「相互認証」の3つのセキュリティレベルを有し、その設定をコマンドの種類を選択することにより切り替えることができるように構成している。これにより、CPU無しのデータキャリア100において、3つのセキュリティレベルの中から、必要なセキュリティレベルを選択することが可能である。
【0080】
また、本実施形態のデータキャリア100は、近接通信用コマンド(PICCコマンド)の他に近傍通信用コマンド(VICCコマンド)でも動作することができるようにしたので、1つのデータキャリアでもって製造工場における製造情報の記録、流通管理に係る記録及び使用状態の管理に係る記録の全てを良好に行うことができる。
【0081】
これにより、製造工程の管理、流通工程の管理及び使用工程の管理を一貫して行うために、従来のように近接通信用コマンド(PICCコマンド)のデータキャリア及び近傍通信用コマンド(VICCコマンド)のデータキャリアの両方を取り付けなくても済むようにすることができ、情報管理に必要なコストを大幅に低減することができる。また、接触不良などの事故を端子数の減少に比例して減らすことができる。
【0082】
(第2の実施形態)
次に、図10を参照しながら本発明の第2の実施形態を説明する。
図12を参照しながら説明したように、複合データキャリアの場合には、非接触動作時においては、VDH≧VDDであるため、整流電圧VDHを電源とした回路は動作が可能である。図12の例ではレファレンス電圧発生回路1241は動作可能である。
【0083】
しかしながら、接触動作時には、「整流電圧VDH=0」であり、VDD→VDHの方向には電圧は供給されないため、接触動作時にはレファレンス電圧発生回路1241は動作しない問題が発生する。このような問題点を回避するためには、VDDを動作電源とするレファレンス電圧発生回路1241を配設することが必要となる。しかしながら、レファレンス電圧発生回路1241を増設することは回路規模を増大させてしまう問題点が発生する。
【0084】
そこで、本実施形態においては、図10に示すように、本実施形態においては、図12に示した回路に対して、VDDスイッチ1245(図2に示したスイッチング回路211)を介して、内部電源VccをVDD電圧に代えて供給している。また、第2の比較器1246、アンド回路1247、第2のスイッチ用トランジスタ回路1248を図12の回路に対して増設している。
【0085】
そして、内部電源Vccを、スイッチ用トランジスタ回路1244及び第2のスイッチ用トランジスタ回路1248のドレイン電極、比較器1242及び第2の比較器1246の一方の入力端子、レファレンス電圧発生回路1241に供給している。
【0086】
上記第2の比較器1246の他方の入力端子には整流電圧VDHが印加されている。そして、第2の比較器1246の出力がアンド回路1247の一方の入力端子に供給されている。このアンド回路1247の他方の入力端子には第1の接触端子CSに接続されている。
【0087】
このような構成により、接触動作時には第2のスイッチ用トランジスタ回路1248がオン動作して、内部電源Vccがレファレンス電圧発生回路1241に供給される。これにより、非接触動作時及び接触動作時ともにレファレンス電圧発生回路1241に動作電圧が供給可能となるので、レファレンス電圧発生回路を1個持てば済むことになる。したがって、回路面積の削減に効果を得ることができる。
【0088】
非接触動作時は、図12で説明した場合と同じである。接触動作時(第1の接触端子CS=ハイレベル)に、VDH≦Vccならば、Vcc→VDHに電圧が供給される。また、VDH≧Vccならば、Vcc→VDHに電圧が供給されない。このため、接触動作時は、ほぼVDH=Vccとなる。これにより、非接触動作時及び接触動作時ともにレファレンス電圧発生回路1241の動作が可能となる。
【0089】
上述したように、本実施形態においては、第2の比較器1246、アンド回路1247、第2のスイッチ用トランジスタ回路1248よりなる動作電圧供給回路を設けたので、非接触動作時及び接触動作時ともにレファレンス電圧発生回路1241に動作電圧が供給することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の第1の実施形態を示し、データキャリアの構成例を示すブロック図である。
【図2】VDDスイッチ回路の構成例を示す図である。
【図3】データキャリアとリーダ/ライタ装置との間で行われるRF通信において使用される変調方式の一例を説明する図である。
【図4】データキャリアとリーダ/ライタ装置との間で行われる接触式シリアル通信におけるデータキャリアへの受信タイミングを示す図であり、(b)はデータキャリアからの送信タイミングを示す図である。
【図5】リーダ/ライタ装置及びデータキャリアにより構成されるデータキャリアシステムの概略構成を説明する図である。
【図6】データキャリア信号の一例を説明する波形図である。
【図7】第1の実施形態のコマンド制御回路の構成例を示し、セキュリティレベルに合ったコマンドの何れかを読み出す例を説明する図である。
【図8】データキャリアの使用状態の変化例を説明する図である。
【図9】第1の実施形態のデータキャリアを用いたデータキャリアシステムの通信例を説明するフローチャートである。
【図10】第2の実施形態を示し、RFアナログ部の電源制御部内の構成例を説明するブロック図である。
【図11】複合データキャリアの構成例を示すブロック図である。
【図12】RFアナログ部の電源制御部内の構成例を説明するブロック図である。
【符号の説明】
【0091】
10 リーダ/ライタ装置
11 送信部
12 受信部
14 アンテナ回路
15 フィルタ回路
41 質問信号
42 応答信号
100 データキャリア
110 アンテナ回路
120 RFアナログ部
121 整流回路
122 送信回路
123 受信回路
124 電源制御部
130 セレクタ部
140 コマンド制御部
141 認証コマンド制御回路
142 セキュリティ部
1411 認証コマンド解析部
1412 認証コマンド選択部
1413 認証コマンド読み出し部
150 記憶部(EEPROMメモリ)
151 セキュリティ設定用メモリ
151a 第1のセキュリティエリア
151b 第2のセキュリティエリア
151c 第3のセキュリティエリア
152 送信条件設定用メモリ
200 VDDスイッチ回路
CS 第1の接触端子
IO0 第2の接触端子
VDD 第3の接触端子
GND 第4の接触端子
IO1 データ入出力端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部の通信装置との間で通信を行うための通信プロトコルを格納する通信プロトコル格納手段と、
上記外部の通信装置とRF信号で通信を行うためのコイル用端子が2個配設されたコイル用端子部と、
上記外部の通信装置と接触通信を行うための接触通信用端子として、第1の通信用端子と、第2の通信用端子と、電源電圧用端子と、接地用端子とが配設された接触通信用端子部と、
上記第1の通信用端子及び第2の通信用端子に印加される電圧レベルに応じて上記電源電圧用端子と内部回路の電源とを接触状態にしたり、非接触状態にしたりする接続制御手段とを有することを特徴とするデータキャリア。
【請求項2】
上記コイル用端子部を介して行われるRF通信プロトコル、または上記接触通信用端子部を介して行われる接触式シリアル通信プロトコルで用いられるコマンドを制御するコマンド制御手段と、
上記コイル用端子部または上記接触通信用端子部の何れか一方と上記コマンド制御手段とを選択的に接続する接続選択手段と、
上記外部の通信装置との間で認証を行うための認証用コマンド、上記外部の通信装置と近接通信を行うための近接通信用コマンド、及び上記外部の通信装置と近傍通信を行うための近傍通信用コマンドを少なくとも保持するコマンド保持手段と、
上記コイル用端子部を介して受信した質問信号から、上記外部の通信装置との間で行う認証レベルを解析する認証コマンド解析手段と、
上記認証コマンド解析手段の解析結果に基づいて、上記外部の通信装置との間で行う認証処理で使用する認証コマンドを選択する認証コマンド選択手段と、
上記認証コマンド選択手段によって選択された認証コマンドを上記コマンド保持手段から読み出す認証コマンド読み出し手段とを有し、
上記コマンド制御手段は、上記コイル用端子部または上記接触通信用端子部の何れが選択されている場合においても、上記通信プロトコル格納手段に格納されている通信プロトコルを用いて通信を行うことを特徴とする請求項1に記載のデータキャリア。
【請求項3】
上記接触通信用端子部に設けられている通信用端子は、シリアルクロック入力用端子及びシリアルデータ入出力用端子であることを特徴とする請求項1または2に記載のデータキャリア。
【請求項4】
上記コマンド保持手段に保持されている認証用コマンドは、「認証無し」通信において使用するコマンド、「タグ認証」通信において使用するコマンド、「相互認証」通信において使用するコマンドであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のデータキャリア。
【請求項5】
上記認証コマンド解析手段は、上記コイル用端子部により受信した信号中のサブキャリア周波数、通信速度または負荷変調の強度に基づいて近接通信用コマンドであるか近傍通信用コマンドであるか解析することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のデータキャリア。
【請求項6】
上記接触式シリアル通信時に外部機器から供給される動作電圧を、外部の通信装置とRF信号で通信を行う際の動作電力を発生させるRFアナログ部を構成する電源制御部に設けられているレファレンス電圧発生回路に供給する動作電圧供給回路を設けたことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のデータキャリア。
【請求項7】
請求項1〜6の何れか1項に記載のデータキャリアと、上記データキャリアと通信する外部の通信装置とからなることを特徴とするデータキャリアシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−135003(P2008−135003A)
【公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−247642(P2007−247642)
【出願日】平成19年9月25日(2007.9.25)
【出願人】(599098851)吉川アールエフシステム株式会社 (23)
【Fターム(参考)】