説明

データベースサーバ及び情報システム

【課題】 データの効率的な変換処理を可能ならしめるとともに、システム全体としてのメンテナンス性を向上させることのできるデータベースサーバ及び情報システムを提供する。
【解決手段】 データベースサーバ2は、基幹システム1に蓄積されたマスタデータを所定のタイミングで取得し、取得したマスタデータを構成する文字コードを、端末4にて読み取り可能な文字コードに変換し、変換した文字コードによって構成されるマスタデータをデータベースに格納する。そして、端末4又はウェブサーバ3からの要求に応じて、該当するデータをデータベースから読み出して端末4又はウェブサーバ3に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基幹システムに蓄積された情報を端末に取得させることのできる情報システム及び当該情報システムで使用することのできるデータベースサーバに関するものである。
【背景技術】
【0002】
企業等が有する営業情報、企画情報、開発情報、経営情報等の企業情報は、データ化されて、マスタデータとして基幹システムに蓄積されていることが多い。ところで、企業等の営業担当者は、営業業務に関連して営業情報を参照したい場合があるが、通常、営業担当者の端末としては、既存システムとしての基幹システムを考慮することなく、汎用のものが用いられているため、基幹システムの仕様と営業担当者の端末の仕様とは一致しないことがある。この場合には、営業担当者の端末から基幹システムに直接アクセスすることができず、基幹システムに蓄積されているマスタデータを、営業担当者の端末からアクセス可能なデータベースサーバに送信する必要がある。
【0003】
しかし、基幹システムに蓄積されているマスタデータをそのままデータベースサーバに送信したとしても、営業担当者の端末は当該マスタデータを読み取ることができないため、マスタデータを端末で読み取り可能なデータに変換しなくてはならない。
【0004】
そのため、従来は、データ変換用のプログラム及びリンクテーブルを格納した別のコンピュータを使用し、バッチ処理により基幹システムのマスタデータを上記コンピュータに送信し、上記コンピュータでデータ変換を行って変換後のデータを上記データベースサーバに送信するようにしていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のようなデータ変換方法においては、基幹システム及びデータベースサーバ以外のコンピュータ(ハードウエア)と、そのためのプログラム及びリンクテーブル(ソフトウエア)を必要とするため、データの変換処理が効率的ではなく、また、基幹システムのシステム環境や実行処理の内容等が変更された場合などに、当該コンピュータにおけるハードウエア又はソフトウエアのメンテナンスに時間や労力が掛かるという問題があった。
【0006】
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、データの効率的な変換処理を可能ならしめるとともに、システム全体としてのメンテナンス性を向上させることのできるデータベースサーバ及び情報システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、第1に本発明は、通信ネットワークを介して、マスタデータを蓄積している基幹システムに接続されるとともに、端末に直接的又は間接的に接続されたデータベースサーバであって、前記基幹システムから前記マスタデータを取得するマスタデータ取得手段と、前記取得したマスタデータを構成する文字コードを、前記端末にて読み取り可能な文字コードに変換する文字コード変換手段と、前記変換した文字コードによって構成されるマスタデータを格納する記憶手段と、前記端末又は他のサーバからの要求に応じて、前記格納したマスタデータを前記記憶手段から読み出して前記端末又は前記他のサーバに送信する送信手段とを備えたことを特徴とするデータベースサーバを提供する(請求項1)。
【0008】
上記端末としては、例えば、インターネット等の通信ネットワークに接続されたパーソナルコンピュータや、携帯電話端末、PHS(Personal Handy Phone System)端末等の移動電話端末、あるいは、PDA(Personal Digital Assistant)等の携帯情報端末等が挙げられる。
【0009】
上記発明(請求項1)によれば、文字コード変換手段がデータベースサーバに備えられており、データベースサーバ内でマスタデータの文字コードを変換できるため、マスタデータの変換を効率的に行うことができる。また、文字コードの変換処理に他のコンピュータとそのためのプログラム及びリンクテーブルを用いる必要がないため、情報システムに本データベースサーバを組み込むことにより、情報システム全体のメンテナンス性を向上させることができる。
【0010】
上記発明(請求項1)において、前記文字コード変換手段は、文字コード変換テーブルを参照することにより、前記文字コードの変換を行うことが好ましい(請求項2)。
【0011】
上記発明(請求項2)によれば、文字コードの変換が文字コード変換テーブルを参照することにより行われるため、マスタデータを構成する文字コードの変換を効率的に行うことができる。また、データベースサーバ、他のサーバ又は端末のシステム環境や実行処理の内容等が変更され、端末にて読み取り可能な文字コードに変更が生じた場合等であっても、文字コード変換テーブルを変更するだけで新たな文字コードに対応することができるため、文字コード変換手段のメンテナンス性を向上させることができる。
【0012】
上記発明(請求項1,2)においては、前記データベースサーバの実行すべき処理手順のデータを格納する記憶手段をさらに備えており、前記処理手順のデータは、処理手順を実行処理毎に記述したファイルから取得したデータであることが好ましい(請求項3)。
【0013】
上記発明(請求項3)によれば、データベースサーバのシステム環境や実行処理の内容等が変更され、データベースサーバの実行すべき処理手順に変更が生じた場合等であっても、上記ファイルの記述内容の修正又は上記ファイルの交換だけで、当該処理手順の変更に対応することができる。したがって、本データベースサーバ自体、メンテナンス性に優れたものとすることができる。
【0014】
第2に本発明は、上記いずれかのデータベースサーバ(請求項1〜3)と、前記データベースサーバと通信ネットワークを介して接続された、マスタデータを蓄積している基幹システムとを備えた情報システムであって、前記基幹システム又は前記データベースサーバは、前記データベースサーバが所定のタイミングで前記基幹システムから前記マスタデータを取得するようにする手段を備えたことを特徴とする情報システムを提供する(請求項4)。
【0015】
上記発明(請求項4)においては、前述した本発明のデータベースサーバを使用しているため、情報システム全体としてメンテナンス性に優れたものとなっている。また、上記発明(請求項4)によれば、データベースサーバは基幹システムからバッチ処理でマスタデータを取得し、予め文字コードを変換しておくことができるため、端末からのデータ参照要求に応じてリアルタイム処理で基幹システムからマスタデータを取得しデータベースサーバで逐次文字コード変換を行う方法と比較して、端末でデータを取得するまでの時間が短くてすみ、また基幹システムとデータベースサーバとの間のトランザクション量を少なくすることができるため、基幹システム及びデータベースサーバにかかる負担を軽減することができる。
【0016】
第3に本発明は、上記いずれかのデータベースサーバ(請求項1〜3)と、前記データベースサーバと通信ネットワークを介して接続された、マスタデータを蓄積している基幹システム及び情報提供サーバとを備えた情報システムであって、前記情報提供サーバは、通信ネットワークを介して端末と接続されており、前記端末からの要求に応じて、前記データベースサーバに対して所定のデータを要求する手段と、前記データベースサーバから前記所定のデータを受信する受信手段と、受信した前記所定のデータを、前記端末用に加工して前記端末に送信する送信手段とを備えたことを特徴とする情報システムを提供する(請求項5)。
【0017】
上記発明(請求項5)においては、前述した本発明のデータベースサーバを使用しているため、情報システム全体としてメンテナンス性に優れたものとなっている。また、端末が多数存在する場合に、各端末からデータベースサーバに直接アクセスすると、データベースサーバにかかる負担が大きくなってしまうが、上記発明(請求項5)によれば、端末とデータベースサーバとの間に情報提供サーバを介在させ、情報提供サーバに所定の処理(例えば、待ち行列処理等)を実行させることで、データベースサーバにかかる負担を軽減することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、基幹システムに蓄積されたマスタデータを、効率的に端末用のデータに変換することができるとともに、情報システム全体としてのメンテナンス性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る情報システムの構成図である。本実施形態においては、端末として、インターネットに接続可能なパーソナルコンピュータを例にとって説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0020】
本実施形態に係る情報システムは、図1に示すように、基幹システム1と、基幹システム1に接続されたデータベースサーバ2と、データベースサーバ2に接続されたウェブサーバ3(本発明の情報提供サーバに該当)と、インターネットを介してウェブサーバ3に接続された(複数の)端末4とから構成されている。
【0021】
基幹システム1は、企業等の保有するマスタデータ(例えば、ホール情報、顧客情報、製品情報、担当者情報等の営業情報)が蓄積されたサーバコンピュータであり、データベースサーバ2は、基幹システム1に蓄積された営業情報のマスタデータを受信して格納し、営業担当者の端末4にて営業情報のデータを参照できるようにするサーバコンピュータである。基幹システム1及びデータベースサーバ2の主要な構成を図2に示す。
【0022】
図2に示すように、基幹システム1は、主制御部11と、出力制御部12と、入力制御部13と、第1の記憶装置14と、第2の記憶装置15とを備えている。
【0023】
主制御部11は、CPU及び主記憶装置(メモリ)等からなり、各部の制御、データの転送、種々の演算、データの一時的な格納等を行い、出力制御部12は、基幹システム1の外部に出力するデータを制御し、入力制御部13は、基幹システム1の外部から入力されるデータを制御する。
【0024】
第1の記憶装置14及び第2の記憶装置15は、それぞれハードディスク等の記憶装置(又はその中の一部のディスク若しくは記憶領域)からなり、第1の記憶装置14にはメインプログラム141が記憶されており、第2の記憶装置15にはマスタデータベース151が構成されている。
【0025】
メインプログラム141としては、例えば、データベースサーバ2からの要求に応じて、マスタデータベース151に格納されたマスタデータをデータベースサーバ2に送信するプログラム、マスタデータベース151に格納されたマスタデータに更新されたデータがあるか否か判別するプログラム等がある。
【0026】
マスタデータベース151には、ホール情報、顧客情報、製品情報、担当者情報等の営業情報のマスタデータが格納されている。マスタデータベース151に格納されたマスタデータを構成する文字コードは、基幹システム1のマスタデータベース151用の文字コードであり、端末4にて読み取ることのできない文字コードである。
【0027】
なお、本実施形態では、基幹システム1は一つのサーバコンピュータから構成したが、複数のサーバコンピュータから構成してもよい。
【0028】
データベースサーバ2は、主制御部21と、出力制御部22と、入力制御部23と、第1の記憶装置24と、第2の記憶装置25と、第3の記憶装置26とを備えている。
【0029】
主制御部21は、CPU及び主記憶装置(メモリ)等からなり、各部の制御、データの転送、種々の演算、データの一時的な格納等を行い、出力制御部22は、データベースサーバ2の外部に出力するデータを制御し、入力制御部23は、データベースサーバ2の外部から入力されるデータを制御する。
【0030】
第1〜第3の記憶装置24,25,26は、それぞれハードディスク等の記憶装置(又はその中の一部のディスク若しくは記憶領域)からなり、第1の記憶装置24にはメインプログラム241が記憶されており、第2の記憶装置25には営業支援データベース251が構成されており、第3の記憶装置26にはデータ変換サービス(DTS)用データベース261が構成されている。
ここで、データ変換サービス(DTS)とは、データベース間でデータを移動又は複製するためのアプリケーションソフトのことをいう。
【0031】
メインプログラム241としては、例えば、ウェブサーバ3からデータ送信要求信号を受信し、営業支援データベース251から送信要求データを抽出するプログラム、営業支援データベース251から抽出したデータをウェブサーバ3に送信するプログラム、DTSを実行させるプログラム等がある。
【0032】
営業支援データベース251には、例えば、ホール情報、顧客情報、製品情報、担当者情報等の営業情報のマスタデータが格納される。営業支援データベース251に格納されるマスタデータを構成する文字コードは、端末4にて読み取り可能な文字コードである。
【0033】
DTS用データベース261には、例えば、基幹システム1に接続する処理手順のデータ、基幹システム1からマスタデータを取得する処理手順のデータ、所定のデータを構成する基幹システム1用の文字コードを端末4用の文字コードに変換する処理手順のデータ、営業支援データベース251にデータをインポートする処理手順のデータ、文字コードを変換するための文字コード変換テーブル等が格納されている。
【0034】
ウェブサーバ3は、インターネットを介して端末4にHTML形式等の情報を送信するWWWサーバである。このウェブサーバ3は、主制御部と、入力制御部と、出力制御部と、記憶部とを備えている。記憶部は、ハードディスク等の記憶装置(又はその中の一部のディスク若しくは記憶領域)からなり、当該記憶部には、メインプログラムの他、営業支援画面(所望の営業情報を参照するための初期画面)、参照画面(参照を要求した営業情報を表示する画面)等の画面データが記憶されている。メインプログラムとしては、端末4からの要求に応じて営業支援画面データを端末4に送信するプログラム、端末4からの要求に応じてデータベースサーバ2にデータ参照要求信号を送信するプログラム、データベースサーバ2から送信された参照要求データから参照画面を生成するプログラム、生成した参照画面データを端末4に送信するプログラム等がある。
【0035】
端末4は、インターネットに接続可能な通常のパーソナルコンピュータであり、入力装置としてキーボード及びマウスを備えており、補助記憶装置としてのハードディスクにはウェブブラウザがインストールされている。
【0036】
次に、本実施形態に係る情報システムにおける基幹システム1及びデータベースサーバ2の処理動作を、図3に示すフローチャートを参照して説明する。図3は、データベースサーバ2が基幹システム1からマスタデータを取得する処理動作の一例を示すフローチャートである。
【0037】
ここで、データベースサーバ2のDTS用データベース261には、予め、前述した処理手順のデータ及び文字コード変換テーブル等を格納しておく。これらのデータ等の格納処理は、当該処理手順等が記述されたXMLファイルを所定のプログラムにより解析して行うことができる。このXMLファイル及び処理プログラムは、データベースサーバ2の記憶装置に格納されていてもよいし、他のサーバの記憶装置に格納されていてもよい。
【0038】
最初に、図3に示すように、データベースサーバ2の主制御部21は、出力制御部22を介して、基幹システム1に対しマスタデータ要求信号を送信する(SD101)。基幹システム1の主制御部11は、入力制御部13を介してマスタデータ要求信号を受信し(SM101)、マスタデータベース151に蓄積されている営業情報のマスタデータを抽出した後(SM102)、出力制御部12を介して、抽出したマスタデータをデータベースサーバ2に送信する(SM103)。
【0039】
データベースサーバ2の主制御部21は、基幹システム1から送信されたマスタデータを、入力制御部23を介して受信し(SD102)、当該マスタデータを主制御部21のメモリに一時的に記憶する(SD103)。そして、データベースサーバ2の主制御部21は、DTS用データベース261に格納された文字コード変換テーブルを参照して、DTS用データベース261に格納された文字コード変換処理手順に従って、マスタデータを構成している基幹システム1用の文字コードを端末4にて読み取り可能な文字コードに変換する(SD104)。
【0040】
データベースサーバ2の主制御部21は、端末4にて読み取り可能な文字コードに変換されたマスタデータを、ホール情報、顧客情報、製品情報又は担当者情報に分類し、営業支援データベース251に格納する(SD105)。
【0041】
このようにして、データベースサーバ2は、基幹システム1に蓄積されている初期のマスタデータを端末4用の文字コードで営業支援データベース251に格納する。データベースサーバ2の営業支援データベース251に初期のマスタデータが格納された後、データベースサーバ2が基幹システム1から更新されたマスタデータを取得する処理は、予め設定されたスケジュールに応じて自動的・定期的に実行される。例えば、データベースサーバ2の主制御部21は、毎日午前0時を認識したら、基幹システム1にマスタデータ要求信号を送信する(SD106)。
【0042】
基幹システム1の主制御部11は、データベースサーバ2からマスタデータ要求信号を受信し(SM104)、前回マスタデータをデータベースサーバ2に送信した後に、マスタデータが更新されたかどうかを判別する(SM105)。その結果、マスタデータが更新されたと判断した場合、基幹システム1の主制御部11は、更新されたマスタデータのみをマスタデータベース151から抽出し(SM106)、当該抽出したマスタデータをデータベースサーバ2に送信する(SM107)。一方、マスタデータが更新されなかったと判断した場合、基幹システム1の主制御部11は、マスタデータの送信処理を行うことなく、次回処理まで待機する。
【0043】
マスタデータが更新されていた場合に、基幹システム1の主制御部11がデータベースサーバ2に更新されたマスタデータを送信すると、データベースサーバ2の主制御部21は、更新されたマスタデータを受信する(SD107)。その後のデータベースサーバ2における処理は、前述したステップSD103〜SD105に従って行われる。なお、更新されたマスタデータは、前回のマスタデータ上に上書きされるようにして営業支援データベース251に格納されるものとする。
【0044】
以上の通り、上記データベースサーバ2によれば、基幹システム1に蓄積されたマスタデータの文字コードの変換を、他のコンピュータとそのためのプログラム及びリンクテーブルを用いることなく、効率的に実行することができる。
【0045】
また、データベースサーバ2のシステム環境や実行処理の内容等が変更された場合には、データベースサーバ2が実行すべき処理手順の変更が必要になることがあるが、上記データベースサーバ2において、当該処理手順のデータはXMLファイルから取得したものであるため、該当するXMLファイルの記述内容を修正し又は該当するXMLファイルを別のXMLファイルに交換し、それらに記述された処理手順を再度解析してDTS用データベース261に格納すれば足りる。同様に、データベースサーバ2、ウェブサーバ3又は端末4のシステム環境や実行処理の内容等の変更に伴って、端末4にて読み取り可能な文字コードに変更が生じることがあるが、上記データベースサーバ2は文字コード変換テーブルを使用しているため、かかる場合であっても、文字コード変換テーブルを変更するだけで新たな文字コードに対応することができる。このように、上記データベースサーバ2は、それ自体メンテナンス性に優れたものとなっている。
【0046】
続いて、本実施形態に係る情報システムにおけるデータベースサーバ2、ウェブサーバ3及び端末4の処理動作を、図4に示すフローチャートを参照して説明する。図4は、データベースサーバ2に格納されている営業情報のマスタデータを端末4で参照する処理動作の一例を示すフローチャートである。
【0047】
最初に、図4に示すように、端末4は、所望の営業情報の種類(例えば、営業担当者が担当する地区にあるホール情報等)を入力するための営業支援画面のデータを要求する信号(営業支援画面データ要求信号)をウェブサーバ3に送信する(ST101)。ウェブサーバ3は、当該営業支援画面データ要求信号を受信し(SW101)、営業支援画面データを記憶部から読み出して端末4に送信する(SW102)。なお、営業支援画面データは、通常HTML等のデータ形式で構成される。
【0048】
端末4は、営業支援画面データを受信し(ST102)、端末4のモニタにウェブブラウザによって営業支援画面を表示する(ST103)。営業担当者によって、参照を要求する営業情報の種類がキーボード又はマウスから入力されたら(ST104)、端末4は、参照を要求する営業情報の種類のデータを含むデータ参照要求信号をウェブサーバ3に送信する(ST105)。
【0049】
ウェブサーバ3は、端末4から送信されたデータ参照要求信号を受信し(SW103)、当該データ参照要求信号をデータベースサーバ2に送信する(SW104)。
【0050】
データベースサーバ2の主制御部21は、ウェブサーバ3から送信されたデータ参照要求信号を、入力制御部23を介して受信し(SD201)、参照を要求する営業情報の種類のデータを主制御部21のメモリに一時的に記憶し(SD202)、営業支援データベース251から該当するデータ(参照要求データ)を抽出する(SD203)。次いで、データベースサーバ2の主制御部21は、営業支援データベース251から抽出した参照要求データを、出力制御部22を介してウェブサーバ3に送信する(SD204)。
【0051】
ウェブサーバ3は、データベースサーバ2が送信した参照要求データを受信し(SW105)、端末4から要求された営業情報を表示するための参照画面データを生成した後(SW106)、生成した参照画面データを端末4に送信する(SW107)。なお、参照画面データも、通常HTML等のデータ形式で構成される。
【0052】
端末4は、ウェブサーバ3から送信された参照画面データを受信し(ST106)、端末4のモニタにウェブブラウザによって参照画面を表示する(ST107)。このようにして、営業担当者は、自己の端末4にて所望の営業情報を参照することができる。
【0053】
以上説明した本実施形態に係る情報システムは、上記データベースサーバ2を組み込むことにより、文字コード変換処理に他のコンピュータとそのためのプログラム等を用いる必要がないため、全体としてメンテナンス性に優れたものとなっている。
【0054】
また、本実施形態では、データベースサーバ2は基幹システム1からバッチ処理でマスタデータを取得し、予め文字コードを変換しておくことができるため、端末4からのデータ参照要求に応じてリアルタイム処理で基幹システム1からマスタデータを取得しデータベースサーバ2で逐次文字コード変換を行う方法と比較して、端末4で所望の営業情報を取得するまでの時間が短くてすむ。そして、基幹システム1とデータベースサーバ2との間のトランザクション量を少なくすることができるため、基幹システム1及びデータベースサーバ2にかかる負担を軽減することができる。
【0055】
さらに、本実施形態に係る情報システムは、端末4との間のデータの送受信処理を担っているウェブサーバ3を備えているため、端末4が多数存在する場合であっても、データベースサーバ2にかかる負担を軽減することができる。
【0056】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0057】
例えば、上記情報システムにおいて、営業支援画面や参照画面を生成・送信する機能をデータベースサーバ2に具備させれば、ウェブサーバ3は省略されてもよい。
【0058】
また、データベースサーバ2が基幹システム1からマスタデータを取得する処理は、基幹システム1側からのプッシュ型の送信処理により行ってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明は、例えば、社内情報システム、特に基幹システムに蓄積された営業情報のデータを営業担当者の端末にて参照するための社内情報システム等に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の一実施形態に係る情報システムの構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るデータベースサーバ及び基幹システムの主要構成図である。
【図3】データベースサーバが基幹システムからマスタデータを取得する処理動作の一例を示すフローチャートである。
【図4】データベースサーバに格納されている営業情報のデータを端末で参照する処理動作の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0061】
1…基幹システム
151…マスタデータベース
2…データベースサーバ
251…営業支援データベース
261…DTS用データベース
3…ウェブサーバ(情報提供サーバ)
4…端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークを介して、マスタデータを蓄積している基幹システムに接続されるとともに、端末に直接的又は間接的に接続されたデータベースサーバであって、
前記基幹システムから前記マスタデータを取得するマスタデータ取得手段と、
前記取得したマスタデータを構成する文字コードを、前記端末にて読み取り可能な文字コードに変換する文字コード変換手段と、
前記変換した文字コードによって構成されるマスタデータを格納する記憶手段と、
前記端末又は他のサーバからの要求に応じて、前記格納したマスタデータを前記記憶手段から読み出して前記端末又は前記他のサーバに送信する送信手段と
を備えたことを特徴とするデータベースサーバ。
【請求項2】
前記文字コード変換手段は、文字コード変換テーブルを参照することにより、前記文字コードの変換を行うことを特徴とする請求項1に記載のデータベースサーバ。
【請求項3】
前記データベースサーバの実行すべき処理手順のデータを格納する記憶手段をさらに備えており、
前記処理手順のデータは、処理手順を実行処理毎に記述したファイルから取得したデータであることを特徴とする請求項1又は2に記載のデータベースサーバ。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載のデータベースサーバと、前記データベースサーバと通信ネットワークを介して接続された、マスタデータを蓄積している基幹システムとを備えた情報システムであって、
前記基幹システム又は前記データベースサーバは、前記データベースサーバが所定のタイミングで前記基幹システムから前記マスタデータを取得するようにする手段を備えたことを特徴とする情報システム。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれかに記載のデータベースサーバと、前記データベースサーバと通信ネットワークを介して接続された、マスタデータを蓄積している基幹システム及び情報提供サーバとを備えた情報システムであって、
前記情報提供サーバは、
通信ネットワークを介して端末と接続されており、
前記端末からの要求に応じて、前記データベースサーバに対して所定のデータを要求する手段と、
前記データベースサーバから前記所定のデータを受信する受信手段と、
受信した前記所定のデータを、前記端末用に加工して前記端末に送信する送信手段と
を備えたことを特徴とする情報システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−120100(P2006−120100A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−310177(P2004−310177)
【出願日】平成16年10月25日(2004.10.25)
【出願人】(598098526)アルゼ株式会社 (7,628)
【Fターム(参考)】