説明

データベースシステムおよびデータベースシステムにおけるデータの削除方法

【課題】取扱者において不要データの削除操作(作業)が簡素化できるようにする。更には、取扱者において誤ったデータ削除処理のリスクも低減させる。
【解決手段】データ格納装置11は、テーブルフォーマットTに入力されるデータdを格納するデータベース13と、不要データ処理手段14により不要処理され、削除された不要データd2を格納するバックアップデータベース16を備え、不要データ処理手段14は、データベース13に格納されたデータdから不要対象データd1を抽出する不要対象データ抽出装置17と、不要対象データd1から不要データd2を判定する不要データ判定装置18と、不要データd2をデータベース13から削除する不要データ削除装置19を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、膨大なデータが格納されたデータベースの中から、必要なデータを検索して取り出したり、不要となったデータを削除したりするにあたって、効率的に行うことのできるデータベースシステムおよびデータベースシステムにおけるデータの削除方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のデータベースシステム(システム全体構成は省略)は、膨大なデータが格納(保存)されたデータベースの中から、必要なデータを検索して取り出したり、不要となったデータを削除するにあたって、一旦削除したデータについては検索対象から外されてしまうことから、別にバックアップ用データベースを作成してデータを格納していた。そして必要が生じた際には、このバックアップ用データベースを改めて検索して関連データを取り出すという二段構えで行っているのが実情である。
【0003】
この種のデータベースシステムによれば、バックアップ用データベースを設けざるを得ないため、その取扱いが面倒であること、また、バックアップ用データベースに格納されているが故に、本来の一時格納用のデータベースに格納されたデータには、ややもすると本来抽出されなければならない関連データが抽出されないという状況がしばしば生じていた。
【0004】
従来から、このような不都合を解決するために、一時格納用のデータベースに格納される多数のデータの各データ間において、関連付けを行なう技術は存在した。例えば、1つのデータを格納したり、あるいは削除しようとした場合に、この1つのデータに予め関連付けを行ない、格納されたデータの例えば1つを削除する際には、この1つのデータに関連するデータを含めて削除可能なデータ管理を行うデータベースシステムに用いられるデータベースの構成が、特許文献1に開示されている。
【0005】
この特許文献1に示されるデータベース1は、図5に示すように、データ格納が可能な各種データのうち、予め定められた互いに異なるカテゴリのデータを登録するための複数、例えば8種類のセグメントが、第1段から複数段に亘って階層化され、それぞれ複数のオカレンス単位で階層的に関連付けられた構造を有している。そして、このそれぞれの8種類のセグメントおよびそれぞれの複数のオカレンスは、第1のデータベース2と、第2のデータベース3とに区分してデータ保存されている。また、8種類のセグメントは、最上位の第1階層にはセグメントA、第2階層にはセグメントB,C,F、第3階層にはセグメントD,E,G,Hが各々設けられ、セグメントB,C,Fは、セグメントAと関連付けされ、セグメントG,Hは、セグメントFと関連付けされた構成を有している。
【0006】
そして、セグメントCには、オカレンスC1,C2が、セグメントDには、オカレンスD1,D2が、セグメントEには、オカレンスE1〜E3が、セグメントFには、オカレンスF1,F2が、セグメントGには、オカレンスG1〜G3が、セグメントHには、オカレンスH1,H2が各々作成されており、オカレンスD1,E1,E2は、オカレンスC1と関連付けされ、オカレンスD2,D3,E3は、オカレンスC1と関連付けされ、オカレンスG1,H1,H2は、オカレンスF1と関連付けされ、オカレンスG2,G3は、オカレンスF2と関連付けされている。
【0007】
また、データベースシステムには、第1のデータベース2を構成するセグメントの内、対応するオカレンスを削除する可能性のあるセグメントについて、オカレンスを削除するか否かの基準を登録する図示しない削除基準テーブルが設けられている。この削除基準テーブルは、図5に示すように、特定のセグメント、例えばセグメントB1,G1(上段のF1を含む)(●印)については、オカレンスを削除しないとする基準が登録されたデータテーブルの一つであって、それ以外のテーブルについては、第1のデータベース2に格納されているデータの中から、削除対象のオカレンスをスキャン(データアクセス)することにより削除されるようになっている。このように、削除基準が登録されたデータテーブルに規定されたセグメントB1(B2を含む),G1(G2,G3を含む)およびF1(F2を含む)以外のセグメントは、削除対象となり削除基準に合致したセグメントのデータが自動的に削除される。
【特許文献1】特開2003−99300号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来のデータベースシステム1によれば、第1のデータベース2をスキャンすればよい。すなわち、元々スキャンする必要のない不要データをスキャンから削除することができるので、データベースシステム1のスキャン作業を非常に短い時間で完了させることができる。従って、データベースの取扱者において便利なものになっている。
【0009】
しかしながら、データベースシステム1によれば、複数のセグメントが、それぞれ複数のオカレンス単位で階層的に関連付けられた構造を有しているので、特定の例えば第1段に位置するセグメントを削除する際には、この第1段に位置するセグメントに関連する第2段目以降のオカレンスも同時に削除され、ややもすると本来は必要なデータが削除されることが起り得たという危険性がある。
【0010】
そのため、第1段から複数段に亘って階層化させてデータを格納するにあたり、取扱者によるデータの格納時における階層化作業に相当の正確さが要求されるとともに煩わしさが伴ったり、本来は必要なデータが必ずしも抽出されないという問題点があった。
【0011】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、取扱者において不要データの削除操作(作業)が簡素化できるようにし、更には、取扱者において誤ったデータ削除処理のリスクも低減させることができるデータベースシステムおよびデータベースシステムにおけるデータの削除方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明によれば、複数のデータが関連付けされたデータテーブルを複数配列したテーブルフォーマットを格納するデータ格納装置と、このデータ格納装置から任意に前記テーブルフォーマットを出力して、前記データテーブル単位で不要データ処理を行う不要データ処理手段と、前記テーブルフォーマットをデータ表示装置に表示してデータの入出力を行うデータ入出力装置とを具備し、前記データ格納装置は、テーブルフォーマットに入力されるデータを格納するデータベースと、前記不要データ処理手段により不要処理され、削除された不要データを格納するバックアップデータベースを備え、前記不要データ処理手段は、前記データベースに格納されたデータから不要対象データを抽出する不要対象データ抽出装置と、前記不要対象データから不要データを判定する不要データ判定装置と、前記不要データを前記データベースから削除する不要データ削除装置とを備えたことを特徴とするデータベースシステムを提供する。
【0013】
上記目的を達成するために、本発明によれば、複数のデータをデータ単位で項目別に関連付けして一つのデータテーブルを作成するステップと、前記データテーブルを複数配列して、テーブルフォーマットを作成するステップと、前記データ入力されたテーブルフォーマットをデータ格納装置へ格納するステップと、前記データ格納装置へ格納されたテーブルフォーマットをデータ表示装置へ表示するステップと、前記表示されたテーブルフォーマットのそれぞれのデータテーブルに入力された入力項目の少なくとも最新のデータが不要であると判定された場合に、データテーブルに不要データであることを表記するステップと、この表記のあるデータテーブルを前記テーブルフォーマットから削除するステップとを具備することを特徴とするデータベースシステムにおけるデータの削除方法を提供する。
【発明の効果】
【0014】
このように、本発明に係るデータベースシステムによれば、取扱者において不要データの削除操作(作業)が簡素化できるようにすることができると共に、取扱者において誤ったデータ削除処理のリスクも低減させることができるデータベースシステムおよびデータベースシステムにおけるデータの削除方法を提供することを目的とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明のデータベースシステムの実施形態について添付図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、本発明のデータベースシステム10の概要を示すブロック図である。図2は、図1に示すデータベースシステム10に備えられる不要データ判定装置18の概要を示すブロック図である。図3は、データベースシステム10のデータ格納装置11に登録(記憶)されるテーブルフォーマット(標準表示フォーマット)Tとしてデータテーブル例を示す図である。
【0017】
図1に示すデータベースシステム10は、複数のデータdを格納するデータ格納装置11と、このデータ格納装置11に格納されたデータdを抽出して、例えば画面表示するデータ表示装置12を備えている。
【0018】
データ格納装置11は、複数のデータdが関連付けされたデータテーブルを複数配列したテーブルフォーマットTを格納するデータベース13を備えたもので、テーブルフォーマットTに表記された各データdを格納するデータベース13と、格納されるデータdに対して不要データ処理を行う不要データ処理手段14を備えている。データベース13は、使用中データを格納する主データベース15と、不要データ処理手段14により不要処理され、削除された不要データd2を格納するバックアップデータベース16を備えている。
【0019】
主データベース15には、データ表示装置12に表示されるテーブルフォーマットTが格納される。このテーブルフォーマットTは、例えば図3に示すように、複数のデータを項目別が入力されたデータテーブルを単位とし、このテーブルを重層的に配列され、データ表示装置12に表示し得るようになっている。
【0020】
このテーブルフォーマットTは、具体的には、図3に示すように、データテーブル単位として設定される受注Noを縦軸に、この受注Noをデータ単位として横軸に複数の項目、例えば「得意先」,「受注日」,「納期」および「状態」の4項目が設けられる。そして、縦軸によるマトリックス部分のそれぞれに、例えば数字表記による各種のデータdが書き込まれるようになっている。
【0021】
前記「状態」については、データdが使用中データd3であるものは「0」を、不要データd2になったものには「1」を、また、不要になったものからバックアップして格納されたものについては「2」が書き込まれる。この書き込みは、取扱者によって書き込み事由の発生の都度、図1に示すデータ入出力装置24にて入力することにより、例えば図3に示すテーブルフォーマットTが作成される。
【0022】
不要データ処理手段14は、主データベース15に格納されたデータdから不要対象データd1を抽出する不要対象データ抽出装置17と、不要対象データd1から不要データd2を判定する不要データ判定装置18と、この不要データ判定装置18にて不要と判定された不要データd2を主データベース15から削除する不要データ削除装置19を備えている。
【0023】
不要対象データ抽出装置17は、不要データ判定装置18側からデータ間関連情報データd4を入力することにより、テーブル間関連情報データd5を生成してテーブルフォーマットTを作成するものである。具体的には、主データベース15に格納されるデータdの入力基準を定める標準データテーブル[テーブル例1]が適用される。すなわち、この標準データテーブルには、「受注見出し」,「出荷明細」,「出荷見出し」および「売上」の4つの大項目を有するデータテーブルが設けられる。
【表1】

【0024】
この標準データテーブル[テーブル例1]について更に具体的に説明する。[テーブル例1]の大項目である「受注見出し」について、以下に[テーブル例2]を例示する。
【表2】

【0025】
この「受注見出し」については、以下に例示([テーブルフォーマット例1]参照)するように、更に複数の小項目が設けられる。具体的には、「受注No」,「得意先」,「受注日」,「納入予定日」および「状態」の各項目が設けられる。
【表3】

【0026】
また、大項目「出荷明細」については、以下に例示([テーブル例3]参照)するように複数の項目が設けられる。
【表4】

【0027】
この「出荷明細」についてはデータ登録例として以下に例示([テーブルフォーマット例2]参照)するように、複数の小項目が設けられる。具体的には「受注No」,「出荷分割No」,「出荷数量」,「出荷予定日」,「出荷No」および「状態」の各項目が設けられる。
【表5】

【0028】
更に、大項目「出荷見出し」については、以下に例示([テーブル例4]参照)するように、複数の小項目が設けられる。
【表6】

【0029】
「出荷見出し」についてはデータ登録例として、以下に例示([テーブルフォーマット例3]参照)する複数の小項目が設けられる。具体的には「出荷No」,「得意先」,「商品」,「出荷数量」,「出荷日」,「売上月」,「出荷状況」及び「状態」の各項目が設けられる。
【表7】

【0030】
更に、大項目「売上」については、以下に例示([テーブル例5]参照)したように、複数の項目が設けられる。具体的には、「得意先」,「売上月」,「売上金額」,「確定状況」および「状態」の各項目が設けられる。
【表8】

【0031】
この売上については、データ登録例として、以下に例示([テーブルフォーマット例4]参照)したように、複数の項目が設けられる。具体的には「得意先」,「売上月」,「売上金額」,「確定状況」および「状態」の各項目が設けられる。
【表9】

【0032】
また、データ表示装置12には、このデータ表示装置12の図示しない表示画面に表示され、取扱者にて目視確認,データdの入出力およびデータdの削除を可能とするデータ入出力装置24を備えている。
【0033】
一方、不要データ判定装置18は、不要対象データ抽出装置17側から不要対象データd1を入力することにより、データ関連情報データd4を生成すると共に不要対象データ抽出装置17側へ出力するものである。この不要データ判定装置18は、不要データ作成手段20、複数のデータ間の関連を示すデータ関連情報データd4を格納するデータ間関連情報データベース21、このデータ間関連情報データベース21側から関連情報を入力し、データ表示装置12側へ所要のテーブルフォーマットTの基礎データとなるデータテーブルを作成する関連データ一覧作成部22と、データ間関連情報データベース21の関連情報データd4に基づきデータ単位で作成されるデータ間関連情報データd4を更新あるいは削除して作成される関連データ一覧リストを格納する選択データデータベース23とを備えている。
【0034】
また、不要データ削除装置19は、後述する「データリスト183」(リスト例18)に示すように、「状態」が「2」にて示されるバックアップ済であるデータdから、削除するデータを選択し、削除する装置である。また、この削除にはデータ関連の有無に関わらずテーブル単位で削除することができる。
【0035】
不要データ作成手段20は、図2に示すように、関連データ一覧作成部22にて作成されたデータ間関連情報データd4に基づき不要対象データd1を一覧データ化して更新された関連データ一覧リストを格納する関連データ一覧情報xと、不要対象データd1を入力して取扱者にて予め定めたデータ削除基準に合致する不要データd2が存在する場合に、不要データ判定基準として用いられる不要データ判定情報yと、不要データ判定情報yを入力することにより、不要データ判定部25にて不要データd2の判定を開始する判定開始する判定開始信号tを出力する不要判定開始情報zを備えている。
【0036】
関連データ一覧情報xは、関連データ一覧リストを格納したデータベースであって、データ関連情報データベース21に登録されているデータテーブルに対応して関連項目に登録されている条件を満たすデータを登録している。
【0037】
不要データ判定部25には、不要判定開始情報z側から判定開始信号tを受信することにより、不要データ判定情報yを入力し、不要データd2が削除されたデータ間関連情報データd4が生成されるようになっている。以下にこの不要データ判定部25に基づいた不要データ判定をなす不要データ判定テーブルを例示([テーブル例6]参照)する。
【表10】

【0038】
次に、不要データ判定部25の処理手順について以下に例示する。この処理は以下の手順1〜7に沿って行われる。
(手順1)不要判定開始情報zが不要データ判定情報yから出力される不要データ判定情報yを持つ場合、その情報yから不要データd2を選択し、選択データリストl1に登録する。不要データ判定情報yがない場合は、全てのデータdを選択データリストに登録する。判定結果が「不要」の場合、不要データd2として選択する。判定状態は「不要」とする。
(手順2)選択データリストのデータdに対して、不要データ判定情報yを使用し、使用中か不要かを判断する。不要データ判定情報yに所属データテーブルがないデータテーブルは判定状態に合わせる。
(手順3)選択データリストに含まれるデータの状態を判定状態に合わせる。
(手順4)選択データリストが全て不要データd2の場合、判定状態を「不要」とする。選択データリストに使用中データd3が存在する場合、選択データリストから不要と判定された不要データd2を削除し、判定状態を「使用中」とする。
(手順5)関連データ一覧情報xからの以下(1),(2)の全ての条件に一致する登録データを抽出し、そのデータの結果を判定結果で更新する。抽出する内容がなければ、処理を終了する。
【0039】
(1)選択データリストのデータdをデータ1、データ2に含む。
(2)結果が判定状態と異なる。
【0040】
(手順6)関連データ一覧情報xから抽出したデータ間で関連するデータ間関連情報データd4の相手(関連)のデータ間関連情報データd4を格納し、関連データ一覧情報xを更新する。
(手順7)手順2に戻る。
【0041】
データ間関連情報データベース21は、図2に示すように、関連データ一覧作成部22側からデータdを入力することにより、データ間関連情報データd4を生成するものである。
【0042】
このデータ間関連情報データベース21には、2つのデータテーブルのデータを関連付ける項目を有している。この項目について、以下に例示([テーブル例7]参照)する。
【表11】

【0043】
関連データ一覧作成部22は、図2に示すように、データ間関連情報データベース21側からデータ間関連情報データd4を入力し、不要データ作成手段20側へ出力するようになっている。また、この関連データ一覧作成部22は、初期状態においては、図1に示すデータベース13の主データベース15に格納(登録)され、データdの入力されたテーブルフォーマットTの一つとして関連データ一覧リストl11(<リストl1例>参照)が作成される。
【表12】

【0044】
選択データデータベース23には、選択データリストがデータとして格納される。この選択データリストには、不要データ判定部25にて不要データd2であるか否かを判定するときに用いられる。一方、不要データ処理手段14の不要データ削除装置19は、不要データ判定装置18において、不要と判定された不要データd2を入力することにより、主データベース15から不要データd2が削除される。
【0045】
次に、データベースシステム10の作用について、図1〜図3を参照して説明する。
【0046】
図3は、データベースシステム10のデータ格納装置11のデータベース13に、テーブルフォーマットTとして登録(記憶)されるデータテーブル例を示す図である。
【0047】
不要データ作成手段20の不要データ判定部25により、上述した処理手順に従い処理が行われる場合について説明する。
【0048】
上述した(手順1)を適用して不要データ判定部25を作動させると、上述の<リスト例>に示す「データ1」、「データ2」の相互の関連項目の初期登録状態を示す関連データ一覧情報xの一欄リストの項目において、例えばデータdの状態を示すデータが、「売上」が(2004/8,1001)」、「状態」が、「0」、「判定結果」が、「不明」である初期状態の段階から選択データリストl22の「判定結果」が「不要」になったとすると、リスト例l3に示すリストl31〜l33が作成される。すなわち、リスト例l3の関連データリストl31、選択データリストl32およびデータ状態リストl33に示す複数の項目の内、リスト例12に示す関連データリストl21の1つの項目(出荷見出し(0003))が削除された12項目の関連データに関わる選択データリストl32およびデータ状態リストl33を作成する。
【表13】

【0049】
そこで、(手順2),(手順3)を適用して、不要データ判定部25を作動させると、上記<リスト例l2>に示す状態の関連データ一覧リストl21から、以下に例示(<リスト例l3>参照)する各リストl31〜l33の通り更新する。すなわち、リスト例l2に示す関連データ一覧l21〜l23のデータの状態である「売上」が(2004/8,1001)」、「状態」が、「1」(不要)に更新(書き込み)した以下の<リスト例l3>に例示した各リストを作成する。
【表14】

【0050】
そして、(手順4)を適用する。ここでは、「状態」は変わらない。
【0051】
次に、(手順5)を適用して不要データ判定部25を作動させると、<リスト例l3>に示す状態の関連データ一覧リストl31の「データ1」の欄の「出荷見出し(0001)、「出荷見出し(0002)」を不要処理し、以下に<リスト例l4>に例示する各リストl41〜l43に更新する。すなわち、関連データ一覧リストl41の「データ1」の欄の「結果」を不要に更新(書き込み)した関連データ一覧リストl41を作成する。
【表15】

【0052】
更に(手順6)を適用して、不要データ判定部25を作動させると、<リスト例l5>に示す状態の関連データ一覧リストl51の「データ1」の欄の「出荷見出し(0001)」、「出荷見出し(0002)を選択データリストl52に表示する。すなわち、関連データ一覧リストl51の[データ1]欄の「出荷見出し(0001)、「出荷見出し(0002)」を選択データリストl52の選択データリスト欄に更新(書き込み)した関連データ一覧リストl53を作成する。
【表16】

【0053】
そして、新規の選択データリストl22のデータに対しては、上記(手順2)に戻る。
【0054】
次に、上記(手順2)からの更新入力に伴う状態の変化を以下に説明する。
【0055】
先ず、(手順2)〜(手順4)において、関連データ一覧(<リスト例l6>参照)の関連データ一覧リストl61の項目から、「出荷見出し(0001)」、「出荷見出し(0002)」を抽出して選択データリストl62を作成すると、データ状態リストl63の状態が「0」から「1」に更新する。
【表17】

【0056】
そして、(手順5),(手順6)において、関連データ一覧(<リスト例l7>参照)の関連データ一覧リストl71の項目から、「出荷明細(0001,1)」、「出荷明細(0001,2)」、「出荷明細(0002,1)」、「出荷明細(0002,2)」を抽出して選択データリストl72を作成すると、「判定結果」が「不要」から、データ状態リストl73に示すように、「状態」が「0」のままの状態、すなわち使用中の状態のままとなる。
【表18】

【0057】
次に、(手順2)〜(手順4)において、関連データ一覧(<リスト例l8>参照)の関連データ一覧リストl81の項目から、「出荷明細(0001,1)」、「出荷明細(0001,2)」、「出荷明細(0002,1)」、「出荷明細(0002,2)」を抽出して、「判定結果」が「不要」とされた選択データリストl82を作成すると、「判定結果」が「未定」から、データ状態リストl83に示すように、「状態」が「0」の状態から「1」へ更新(書き込み)される。すなわち「不要」の状態となる。
【表19】

【0058】
そして、(手順5),(手順6)において、関連データ一覧(<リスト例l9>参照)の関連データ一覧リストl91の項目から、「受注見出し(0001)」、「受注見出し(0002)」を抽出して選択データリストl92を作成すると、「結果」がデータ状態リストl93に示すように、「状態」が「0」のままの状態、すなわち使用中の状態のままとなる。
【表20】

【0059】
更にまた、(手順2)〜(手順4)において、関連データ一覧(<リスト例l10>参照)の関連データ一覧リストl101の項目から、「受注見出し(0001)」(2区分)を抽出して選択データリストl102を作成すると、データ状態リストl103に示すように、「状態」が「1」の状態のままとなる。すなわち「不要」の状態となる。
【表21】

【0060】
そして(手順5),(手順6)において、関連データ一覧(<リスト例l11>参照)の関連データ一覧リストl111の項目から、「出荷明細(0002,3)」を抽出して選択データリストl112を作成すると、「判定結果」は「不要」のままであるが、データ状態リストl113に示すように、「状態」が「1」から「0」へ更新され、「使用中」の状態となる。
【表22】

【0061】
また、(手順2)〜(手順4)において、関連データ一覧(<リスト例l12>参照)の関連データ一覧リストl121の項目から、「出荷明細(0002,3)」を抽出して選択データリストl122を作成すると、データ状態リストl123に示すように、「状態」が「1」の状態のままとなる。すなわち「不要」の状態となる。
【表23】

【0062】
そして、(手順5),(手順6)において、関連データ一覧(<リスト例l13>参照)の関連データ一覧リストl131の項目から、「出荷明細(0002,3)」を抽出して選択データリストl132を作成すると、「結果」は「不要」のままとであるが、データ状態リストl133に示すように、「状態」が「1」から「0」へ更新され、「使用中」の状態となる。
【表24】

【0063】
更にまた、(手順2)〜(手順4)において、関連データ一覧(<リスト例l14>参照)の関連データ一覧リストl141の項目から、「出荷明細(0002,3)」を抽出して選択データリストl142を作成すると、データ状態リストl143に示すように、「状態」が「1」の状態のままとなる。すなわち「不要」の状態となる。
【表25】

【0064】
そして(手順5),(手順6)においては判定結果が「使用中」であるため、一度不要となった関連データ「出荷見出し(0003)」「売上(2004/9,1001)」が使用中に変わり、選択データリスト52に「出荷見出し(0003)」が登録される。すなわち、関連データ一覧(<リスト例l15>参照)の関連データ一覧リストl151の[データ1]項目から抽出した「出荷見出し(0003)」が選択データリストl152に「使用中」の判定結果が示される。従って、データの状態として、「売上(2004/9,1001)」が使用中となる。
【表26】

【0065】
以上の手順に従うことによって、最終的に以下の状態になる。
【0066】
すなわち、関連データ一覧リスト<リスト例l16>に示すように、全ての項目の「結果」が「使用中」となる。そして、選択データリストl162には、「判定結果」として「使用中」が登録される。
【表27】

【0067】
そして、売上が確定済の場合に、処理を適用すると以下に例示する<リスト例l17>の状態となる。すなわち、全てのデータが不要と判断され、選択データリストl172には、その全項目の「結果」が「不要」と登録される。
【表28】

【0068】
そこで、図1に示す不要データ処理手段14が、不要データd2を抽出すると、バックアップデータベース16は、データの状態が不要(「1」)のバックアップデータを作成し、上記データの状態をバックアップ済「2」(<リスト例l18>参照)に更新される。
【表29】

【0069】
すなわち、<リスト例l18>の関連データ一覧リストl181に示すように、全ての項目の「結果」が「不要」となる。そして、選択データリストl182には、「判定結果」として「不要」が登録される。
【0070】
そして、不要データ削除装置19は、上記データの状態がバックアップ済「2」であるデータから削除するデータを選択し、この選択したデータを削除する。
【0071】
なお、各リストl2〜l18のリストに示す各データテーブル毎のデータの格納期間については、それぞれ任意の格納基準を定めることができる。
【0072】
本発明のデータベースシステム10によれば、複数のデータが関連付けされたデータテーブルを複数配列したテーブルフォーマットTを格納するデータ格納装置11と、このデータ格納装置11から任意にテーブルフォーマットTを出力して、データテーブル単位で不要データ処理を行う不要データ処理手段14と、テーブルフォーマットTをデータ表示装置12に表示してデータdの入出力を行うデータ入出力装置24とを具備し、データ格納装置11は、テーブルフォーマットTに入力されるデータdを格納するデータベース13と、不要データ処理手段14により不要処理され、削除された不要データd2を格納するバックアップデータベース16を備え、不要データ処理手段14は、データベース13に格納されたデータdから不要対象データd1を抽出する不要対象データ抽出装置17と、不要対象データd1から不要データd2を判定する不要データ判定装置18と、不要データd2をデータベース13から削除する不要データ削除装置19を備えた構成であるから、関連データ一覧リスト(例えば関連データ一覧リストl21)は一つのテーブルフォーマットTであって、このテーブルフォーマットTに含まれる不要データをデータテーブル単位で削除することができるから、取扱者において不要データd2の削除操作(作業)が簡素化されると共に取扱者において誤ったデータ削除処理のリスクも低減させることができる。
【0073】
また、不要データ処理手段14の不要対象データ抽出装置17は、データ間の関連を登録したデータ間関連情報データd4に基づき作成されたテーブル間関連情報データd5がテーブルフォーマットTにてデータ表示装置24へ表示されることにより、不要データd2の削除処理ができる構成であるから、取扱者において不要データd2の削除処理が簡素化されると共に取扱者において誤ったデータ削除処理のリスクも更に低減させることができる。
【0074】
更に、不要データ判定装置18は、不要データ作成手段20、複数のデータ間の関連情報を格納するデータ間関連情報データベース21、このデータ間関連情報データベース21のデータ間関連情報データに基づきデータテーブル単位でテーブル関連情報データd5が作成される関連データ一覧作成部22を備えた構成であるから、それぞれの不要データ作成手段20、データ間関連情報データベース21、および関連データ一覧作成部22による相互の連携にてテーブルフォーマットTの元データとしてのデータ間関連情報データd4の作成が可能となる。また、不要データ作成手段20によれば、多岐に亘る種々の情報が入力されることにより、不要データの判定範囲や判定精度をより一層高めることができる。
【0075】
なお、データベースシステム10の不要データ処理手段14において、不要対象データ抽出装置17と、不要データ判定装置18とを別構成にしたが、一体構成でもよく、更には、データ処理機能の一部を他の装置、例えば不要データ削除装置19に備えた構成でもよい。
【0076】
次に、データベースシステム10におけるデータの削除方法に係る実施形態について、図4を参照して説明する。
【0077】
図4は、データベースシステム10におけるデータの削除方法を実施する作業ステップを示すフロー図である。
【0078】
先ず、複数のデータをデータ単位で項目別に関連付けして一つのデータテーブルを作成する<ステップ1>。次に、前記データテーブルを複数配列して、テーブルフォーマットTを作成する<ステップ2>。更に、データ入力されたテーブルフォーマットTをデータ格納装置11へ格納する<ステップ3>。そして、データ格納装置11へ格納されたテーブルフォーマットTをデータ表示装置へ表示する<ステップ4>。加えて、表示されたテーブルフォーマットTのそれぞれのデータテーブルに入力された入力項目の少なくとも最新のデータdが不要であると判定(不要データd2と判定)された場合に、このデータテーブルに不要データd2であることを表記をする<ステップ5>。最後に、
この表記のあるデータテーブルをテーブルフォーマットTから削除する<ステップ6>。
【0079】
データベースシステム10におけるデータdの削除方法によれば、以上の<ステップ1>〜<ステップ6>を踏むことにより、関連データ一覧リスト(例えば関連データ一覧リストl21)は、一つのテーブルフォーマットTであって、このテーブルフォーマットTに含まれる不要データをデータテーブル単位で削除することができる。従って、不要データd2を削除するにあたり、バックアップ内での不要データd2の同士の整合性や、削除後のデータ(不要データd2)の整合性を保持させつつ削除作業を容易に行うことができる。
【0080】
また、データテーブル単位でバックアップデータベース16にバックアップさせることができ、このバックアップを作成した後は、データの復元も可能であるから安心してテーブル毎の基準で不要データを削除することが可能となった。
【0081】
そして、本発明のデータベースシステム10におけるデータの削除方法によれば、テーブルフォーマットTから削除した不要データd2をデータテーブル単位でバックアップデータベース16に格納するステップを含むデータの削除方法であるから、バックアップを作成した後は、データの復元も可能であるから安心してデータテーブル毎の基準で不要データd2を削除することが可能となった。
【0082】
更に、本発明のデータベースシステム10におけるデータの削除方法によれば、バックアップデータベース16に格納された不要データd2をデータテーブル単位でデータ入出力装置側へ呼び出し更新を可能にするステップを含むデータの削除方法であるから、必要によりバックアップデータベース16から所要の不要データd2を呼び出し、修正を加えたり、データ補充することで、新規データ化させて再利用することも可能となる。その結果、取扱者にとってデータの取扱が便利なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明のデータベースシステムの概要を示すブロック図。
【図2】図1に示すデータベースシステムに備えられる不要データ判定装置の概要を示すブロック図。
【図3】データベースシステムのデータ格納装置に登録(記憶)されるテーブルフォーマットを例示した図。
【図4】本発明のデータベースシステムにおけるデータの削除方法を実施する作業ステップを示すフロー図。
【図5】従来のデータベースシステムにおけるデータベースに格納される個々データの関連を示す図。
【符号の説明】
【0084】
10 データベースシステム
11 データ格納装置
12 データ表示装置
13 データベース
14 不要データ処理手段
15 主データベース
16 バックアップデータベース
17 不要対象データ抽出装置
18 不要データ判定装置
19 不要データ削除装置
20 不要データ作成手段
21 データ間関連情報データベース
22 関連データ一覧作成部
23 選択データデータベース
24 データ入出力装置
25 不要データ判定部
d データ
d1 不要対象データ
d2 不要データ
d3 使用中データ
d4 データ間関連情報データ(データテーブル)
d5 テーブル間関連情報データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のデータが関連付けされたデータテーブルを複数配列したテーブルフォーマットを格納するデータ格納装置と、
このデータ格納装置から任意に前記テーブルフォーマットを出力して、前記データテーブル単位で不要データ処理を行う不要データ処理手段と、
前記テーブルフォーマットをデータ表示装置に表示してデータの入出力を行うデータ入出力装置とを具備し、
前記データ格納装置は、テーブルフォーマットに入力されるデータを格納するデータベースと、前記不要データ処理手段により不要処理され、削除された不要データを格納するバックアップデータベースを備え、
前記不要データ処理手段は、前記データベースに格納されたデータから不要対象データを抽出する不要対象データ抽出装置と、前記不要対象データから不要データを判定する不要データ判定装置と、前記不要データを前記データベースから削除する不要データ削除装置とを備えたことを特徴とするデータベースシステム。
【請求項2】
前記不要データ処理手段の不要対象データ抽出装置は、データ間の関連を登録したデータ間関連情報データに基づき作成されたテーブル間関連情報データが表示された前記テーブルフォーマットにて不要データ削除処理できることを特徴とする請求項1に記載のデータベースシステム。
【請求項3】
前記不要データ判定装置は、不要データ作成手段、複数のデータ間の関連情報を格納するデータ間関連情報データベース、このデータ間関連情報データベースのデータ間関連情報データに基づきデータテーブル単位でテーブル関連情報データが作成される関連データ一覧作成部とを備えたことを特徴とする請求項1に記載のデータベースシステム。
【請求項4】
複数のデータをデータ単位で項目別に関連付けして一つのデータテーブルを作成するステップと、
前記データテーブルを複数配列して、テーブルフォーマットを作成するステップと、
前記データ入力されたテーブルフォーマットをデータ格納装置へ格納するステップと、
前記データ格納装置へ格納されたテーブルフォーマットをデータ表示装置へ表示するステップと、
前記表示されたテーブルフォーマットのそれぞれのデータテーブルに入力された入力項目の少なくとも最新のデータが不要であると判定された場合に、このデータテーブルに不要データであることを表記するステップと、
この表記のあるデータテーブルを前記テーブルフォーマットから削除するステップとを具備することを特徴とするデータベースシステムにおけるデータの削除方法。
【請求項5】
前記テーブルフォーマットから削除したデータテーブルのデータをバックアップデータベースに格納するステップと、前記バックアップテーブルに格納されたデータテーブルのデータをデータ入出力装置にて呼び出し、更新を可能にするステップとを含むことを特徴とする請求項4記載のデータベースシステムにおけるデータの削除方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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