説明

データ再生装置

【課題】再生頻度の低いデータが記録媒体に記録されていることをユーザに報知することができ、データの有効利用を図るとともに、記録媒体の有効利用も図ることができるデータ再生装置を提供する。
【解決手段】ユーザが操作部2を操作して再生する音楽データを選択すると、選択された音楽データが再生されるとともに、CPU3内のメモリ3aに記憶されている再生履歴表において再生している音声データの再生回数が+1加算される。このとき、再生履歴表を参照して再生回数が基準回数より小さい音楽データがある場合は、その音楽データの曲名とアーティスト名とがキャラクタとともに表示部8に表示される。ユーザは、表示部8を見ることによって再生回数が少ない音楽データの存在を認識することができ、音楽データの再生、削除、保存など所望の対応をとることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のデータが記録された記録媒体からユーザが選択したデータを読み出して再生するデータ再生装置に関し、特に例えば多数のデータ圧縮された音楽データが記録されたハードディスクからユーザが選択した音楽データを読み出して再生するオーディオプレーヤのように、比較的記録容量の大きい記録媒体に多数のデータが記録されている装置に好適なデータ再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、記録容量の大きな記録媒体であるハードディスクの低価格化に伴って、ハードディスクを内蔵したオーディオプレーヤが普及してきている。このオーディオプレーヤでは、音楽データをデータ圧縮してハードディスクに記録させるので、数百曲から数千曲というように多数の音楽データを記録させておくことができる。そのため、多数のCD(コンパクトディスク)の音楽データをハードディスクに記録させておけば、異なるCDに記録されている好きな楽曲を聞く場合であっても、CDプレーヤのように楽曲ごとにCDを取り換えるという手間をかけることなく、オーディオプレーヤのユーザは好きな楽曲を選択するだけで簡単に聞くことができる。
【0003】
また、上記のオーディオプレーヤと類似した装置として、いわゆるカラオケ装置がある。このカラオケ装置は、音楽データおよび字幕データからなるカラオケ演奏データを記憶手段に記憶しておき、利用者のリクエストに応じて記憶手段から読み出したカラオケ演奏データに基づいて、音楽演奏およびそれに同期した字幕表示や字幕の色変え表示などを行うものである(特許文献1参照)。オーディオプレーヤとカラオケ装置とは、複数のデータを記録媒体に記録しておき、ユーザの選択(リクエスト)に応じてデータを記録媒体から読み出して再生するという点で、共通している。
【0004】
特許文献1に記載されているカラオケ装置では、容量の限られた記憶手段になるべく多くのカラオケ演奏データを記憶させるために、圧縮処理を施してデータを記憶させている。しかし、記憶させるデータ数を増やすために圧縮率の高い圧縮処理を施すと、復元に要する時間が長くなり、ユーザによるリクエストから演奏開始までの待ち時間が長くなってしまう。そこで、上記カラオケ装置では、カラオケ演奏データに対するリクエストの実績を記憶しておき、リクエストの多いデータには圧縮率の低い圧縮処理を施し、リクエストの少ないデータには圧縮率の高い圧縮処理を施してカラオケ演奏データを記憶させている。このようにリクエストの実績に応じて圧縮率を変えてカラオケ演奏データを記憶させることによって、容量の限られた記憶手段に多くのカラオケ演奏データを記憶することができるとともに、リクエストの多いカラオケ演奏データの再生を待ち時間を少なくしてスムーズに行うことができるようになる。
【特許文献1】特開平9−204327号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のオーディオプレーヤでは、数百曲から数千曲という多数の音楽データをハードディスクに記録させることができるので、記録されているすべての音楽データをユーザが把握することは事実上不可能である。そのため、音楽データをハードディスクに記録させたこと自体をユーザが忘れてしまい、再生されることのない音楽データがハードディスクに記録されたまま残ってしまい、音楽データを有効に利用できないという問題が生じる。また、再生されない音楽データが記録されていることによって空き記録容量が少なくなり、ハードディスクを有効に使用することができないという問題も生じる。
【0006】
また、特許文献1に記載されている装置では、データに対するリクエストの実績を記憶しているけれども、データの圧縮率を決定するためにリクエストの実績を使用するだけであり、リクエストの実績をユーザに報知したり、実績の低いデータをユーザに報知したりするものではない。
【0007】
本発明の目的は、あまり再生されることのない再生頻度の低いデータが記録媒体に記録されていることをユーザに報知することができ、データの有効利用を図るとともに、記録媒体の有効利用も図ることができるデータ再生装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、複数のデータが記録されている記録媒体と、
前記記録媒体に記録されているデータの中から再生すべきデータを選択するデータ選択手段と、
前記記録媒体からデータを読み出して再生する再生手段と、
前記記録されているデータごとに再生履歴を記憶する履歴記憶手段と、
データの再生頻度が基準値より低い低再生頻度データがある旨をユーザに報知する報知手段と、
前記データ選択手段によって選択されたデータを前記再生手段で再生する再生動作と、前記再生動作を行うときに選択されたデータの再生履歴を更新して前記履歴記憶手段に書き込む履歴更新動作と、前記履歴記憶手段の再生履歴に基づいて前記低再生頻度データの有無を判定し、低再生頻度データがあるときは前記報知手段を制御してユーザに報知する報知動作とを制御する制御手段とを備えることを特徴とするデータ再生装置である。
【0009】
また本発明は、前記報知手段は、表示手段であり、
前記制御手段は、前記報知動作として、低再生頻度データがある旨を表す文字情報とともに、予め定めるキャラクタを前記表示手段に表示させることを特徴としている。
【0010】
また本発明は、前記制御手段は、前記再生動作を行うときに前記報知動作を行うことを特徴としている。
また本発明は、低再生頻度データの再生を指示する再生指示手段を備え、
前記制御手段は、前記再生指示手段から再生指示が入力されると、低再生頻度データを前記再生手段で再生させることを特徴としている。
【0011】
また本発明は、低再生頻度データの削除を指示する削除指示手段を備え、
前記制御手段は、前記削除指示手段から削除指示が入力されると、低再生頻度データを前記記録媒体から削除することを特徴としている。
【0012】
また本発明は、低再生頻度データの保持を指示する保持指示手段を備え、
前記制御手段は、前記保持指示手段から保持指示が入力されると、低再生頻度データの再生履歴を、該データが低再生頻度データと判断されない内容に書き換えることを特徴としている。
【0013】
また本発明は、前記再生履歴は、データの再生回数であり、低再生頻度データは、再生回数が基準回数よりも小さいデータであることを特徴としている。
また本発明は、前記再生履歴は、データが前回再生された日時であり、低再生頻度データは、前回再生されてから現在までの経過期間が基準期間よりも大きいデータであることを特徴としている。
【0014】
また本発明は、前記再生履歴は、データの再生回数およびデータが前回再生された日時
であり、低再生頻度データは、再生回数が基準回数よりも小さいデータ、および再生回数が基準回数以上であって前回再生されてから現在までの経過期間が基準期間よりも大きいデータであることを特徴としている。
【0015】
また本発明は、複数のデータが記録されている記録媒体からのデータの再生履歴を記憶する履歴記憶手段と、
前記履歴記憶手段からのデータ毎の再生履歴に基づき、再生頻度の低いデータがある場合は、そのデータの存在を外部へ報知するように制御する制御手段とを備えたことを特徴とするデータ再生装置である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ユーザがデータ選択手段を操作して再生すべきデータを選択すると、再生手段によって記録媒体から再生すべきデータが読み出されて再生される。このとき、選択されたデータの再生履歴が更新されて履歴記憶手段に書き込まれる。また、履歴記憶手段の再生履歴に基づいてデータの再生頻度が基準値より低い低再生頻度データの有無が判定され、低再生頻度データがあると判定されたときは、報知手段によって低再生頻度データがある旨がユーザに報知される。報知の態様としては、画像を表示させる態様や、音声メッセージを出力させる態様などを用いることができる。
【0017】
したがって、ユーザはほとんど再生されていない低再生頻度データが記録媒体に記録されていることを知ることができる。これによって、例えばあるデータが記録媒体に記録されていること自体をユーザが忘れてしまっていた場合は、改めてそのデータが記録されていることを認識することができるので、必要に応じてユーザが低再生頻度データを再生できるようになり、データの有効利用を図ることができる。また、同じデータを重複して記録媒体に記録させてしまうことを回避することが可能となり、記録媒体の有効利用を図ることが可能となる。さらに、低再生頻度データが不要であるとユーザが判断したときは、そのデータを削除すれば記録媒体の空き記録容量を増やすことができるので、この点でも記録媒体の有効利用を図ることが可能となる。
【0018】
また本発明によれば、記録媒体に低再生頻度データがあると判定されたときは、低再生頻度データがある旨を表す文字情報と予め定めるキャラクタとが表示手段に表示される。したがって、ユーザは低再生頻度データが記録媒体に記録されていることを表示手段を見ることで容易に知ることができる。また、予め定めるキャラクタを表示することによって、ユーザに表示手段を見るように注意を喚起することが可能となるので、文字情報だけを表示する場合に比べて、低再生頻度データがあることをユーザが容易に知ることができるようになる。さらに、予め定めるキャラクタとして、例えば人間が一方の手で文字情報を指し示している状態を模式化したキャラクタを表示すれば、表示手段を見たユーザが表示されている文字情報に容易に気が付くようにすることが可能となる。
【0019】
また本発明によれば、ユーザがデータ選択手段を操作して選択したデータの再生動作が行われるときに、低再生頻度データがあるときは報知動作が行われる。したがって、ユーザがデータ選択手段を操作するなどしてデータ再生装置に注意を向けているときに報知動作が行われるので、ユーザは低再生頻度データが記録媒体に記録されていることを容易に知ることができるようになる。
【0020】
また本発明によれば、ユーザが再生指示手段から低再生頻度データの再生を指示すると、低再生頻度データが再生される。したがって、ユーザは低再生頻度データがどのようなデータかを容易に知ることができる。
【0021】
また本発明によれば、ユーザが削除指示手段から低再生頻度データの削除を指示すると
、低再生頻度データが記録媒体から削除される。したがって、ユーザは低再生頻度データが不要であると判断したときは、そのデータを記録媒体から容易に削除することができる。
【0022】
また本発明によれば、ユーザが保持指示手段から低再生頻度データの保持を指示すると、低再生頻度データが記録媒体に保持されるとともに、履歴記憶手段においてその低再生頻度データの再生履歴が、該データが低再生頻度データと判断されない内容に書き換えられる。これによって、ユーザが記録媒体に残しておきたいデータが何度も低再生頻度データとして報知されることを防止することができる。
【0023】
また本発明によれば、再生回数が基準回数よりも小さいデータが記録媒体に記録されている場合に、ユーザに低再生頻度データがあることが報知される。これによって、ユーザはほとんど再生しなかったデータが記録媒体に記録されていることを知ることができる。
【0024】
また本発明によれば、前回再生されてから現在までの経過期間が基準期間よりも大きいデータが記録媒体に記録されている場合に、ユーザに低再生頻度データがあることが報知される。これによって、ユーザは最近再生していないデータが記録媒体に記録されていることを知ることができる。
【0025】
また本発明によれば、再生回数が基準回数よりも小さいデータが記録媒体に記録されている場合、および再生回数が基準回数以上であっても前回再生されてから現在までの経過期間が基準期間よりも大きいデータが記録媒体に記録されている場合に、ユーザに低再生頻度データがあることが報知される。これによって、ユーザはこれまでにほとんど再生しなかったデータだけでなく、過去に頻繁に再生したけれども最近は再生していないデータが記録媒体に記録されていることを知ることができる。
【0026】
また本発明によれば、複数のデータが記録されている記録媒体に再生頻度の低いデータがある場合は、そのデータの存在が外部へ報知される。したがって、ユーザはほとんど再生されていない再生頻度の低いデータが記録媒体に記録されていることを知ることができる。これによって、例えばあるデータが記録媒体に記録されていること自体をユーザが忘れてしまっていた場合は、改めてそのデータが記録されていることを認識することができるので、必要に応じてユーザが再生頻度の低いデータを再生できるようになり、データの有効利用を図ることができる。また、同じデータを重複して記録媒体に記録させてしまうことを回避することが可能となり、記録媒体の有効利用を図ることが可能となる。さらに、再生頻度が低いデータが不要であるとユーザが判断したときは、そのデータを削除すれば記録媒体の空き記録容量を増やすことができるので、この点でも記録媒体の有効利用を図ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の一実施形態を、図1〜図6を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態であるデータ再生装置の概略的構成を示すブロック図である。データ再生装置は、記録媒体であるハードディスク1を備え、このハードディスク1に記録されている音楽データを再生して出力する装置である。
【0028】
データ選択手段である操作部2は、音楽データの選択などのようなデータ再生装置の動作内容を入力するためにユーザによって操作される。制御手段であるCPU(中央演算処理装置)3は、操作部2からの入力に従って、ハードディスク1に対する音楽データの記録、読出し、消去を実行するとともに、音楽再生部4および表示制御部5を制御する。
【0029】
音楽再生部4は、CPU3から与えられた音楽データを音響信号に復元し、アンプ6に
出力する。アンプ6で増幅された音響信号は、スピーカ7から出力される。CPU3、音楽再生部4、アンプ6およびスピーカ7が再生手段に相当する。
【0030】
表示制御部5は、CPU3から与えられた表示制御信号に基づいて表示部8に画像を表示させる。表示部8は、例えば液晶表示装置で構成される。表示部8には、データ再生装置の動作内容や操作部2からの入力内容、さらには後述する低再生頻度データに関する情報が表示される。CPU3、表示制御部5および表示部8が報知手段および表示手段に相当する。
【0031】
このデータ再生装置では、操作部2は透明なタッチパネルで構成されており、表示部8の表示画面に積層して配置されている。CPU3は、表示画面に各種の操作ボタンの画像を表示させる。そして、ユーザがタッチパネル上で所望の操作ボタンの画像に対応する部分を押すと、その操作ボタンが入力操作されたとCPU3は認識し、その操作ボタンに対応する制御を実行する。
【0032】
ユーザが操作部2から音楽データの記録を指示すると、CPU3は、図示しない入力端子から入力される音楽データをハードディスク1に記録する。このとき、音楽データをデータ圧縮してからハードディスク1に記録させるようにしてもよい。ユーザが操作部2から音楽データの再生を指示すると、CPU3はハードディスク1から音楽データを読み出して音楽再生部4に出力する。ユーザが操作部2から音楽データの削除を指示すると、CPU3はハードディスク1に記録されている音楽データを削除する。
【0033】
また、CPU3内のメモリ3aには、図2に示す再生履歴表11が記憶されている。再生履歴表11では、ハードディスク1に記録されている音楽データM1〜Mnごとに再生履歴として再生回数が記憶されている。図2に示す再生履歴表11では、音楽データM1の再生回数は10回、音楽データM2の再生回数は15回、音楽データM3の再生回数は3回、音楽データMnの再生回数は6回である。メモリ3aが履歴記憶手段に相当する。
【0034】
図3は、再生動作時のCPU3の制御手順を説明するためのフローチャートである。データ再生装置において、再生モードが設定されると図3に示す制御手順が開始される。
ステップS1では、ユーザによって操作部2から選曲操作が行われたか否かが判断される。選曲操作とは、ハードディスク1に記録されている複数の音楽データの中からユーザが再生したい音楽データを選択する操作である。選曲操作が行われたと判断された場合は、ステップS2に進む。ステップS2では、再生履歴表11において選択された音楽データの再生回数が+1カウントアップされる。ステップS3では、選択された音楽データの再生が行われる。
【0035】
続くステップS4では、再生履歴表11を参照する。ステップS5では、再生回数が基準値より小さい音楽データ(低再生頻度データ)があるか否かが判断される。低再生頻度データがあると判断された場合はステップS6に進み、低再生頻度データがないと判断された場合は、選択された音楽データの再生を継続する。例えば基準値を5回とすると、図2に示す再生履歴表11では音楽データM3が低再生頻度データであると判断される。
【0036】
なお、再生回数を頻度の基準とすると、例えばユーザが本データ再生装置を使い始めたばかりの時などは、再生回数が少ないので、全てのデータが表示されてしまうときがある。これを防ぐために、再生回数を抽出し、それぞれのデータの再生回数を互いに比較して、再生回数が平均回数よりも小さい場合に、そのデータの再生頻度が低いと判断するようにしてもよい。また、平均回数の代わりに標準偏差などを用いてもよい。つまり、互いのデータの再生回数を比較し、全体としての傾向を見て、頻度が低いか否かを判断すればよい。
【0037】
ステップS6では、低再生頻度データのうち最小再生回数の音楽データに関する情報が表示部8に表示される。表示部8の表示画面8aには、図4に示すように、データ再生装置の動作状態を表示する動作状態表示領域R1と、その下方側に位置する低再生頻度データに関する情報を表示する低再生頻度データ表示領域R2とが設定される。
【0038】
動作状態表示領域R1の例えば左上の部位には、再生モードであることを示す情報として、CDを表わす図形21と「MUSIC」の英文字22とが表示される。また動作状態表示領域R1の例えば中央の部位には、再生している音楽データに関する情報として、例えば曲名とアーティスト名とが表示される。図4では、曲名「いつも聴いてます」とアーティスト名「人気歌手」とが表示されている。また、動作状態表示領域R1の例えば下方の部位には、操作ボタンとして、再生ボタン23と停止ボタン24と早送りボタン25と早戻しボタン26とが表示される。
【0039】
また、低再生頻度データ表示領域R2には、低再生頻度データのうち最小再生回数の音楽データに関する情報として、例えば曲名とアーティスト名とが表示される。図4では、曲名「あまり聴かなくなったね」とアーティスト名「誰だったけ」とが表示されている。なお、最小回数の音楽データが2つ以上ある場合は、予め定める規則に従って順番が決定され、先順位の音楽データに関する情報が表示される。予め定める規則とは、例えば曲名のアルファベット順やアーティスト名のアルファベット順である。
【0040】
さらに、音楽データに関する情報の右側には、予め定めるキャラクタ27が表示される。このキャラクタ27は、ユーザに注意を喚起するものであればどのような形態でもよい。本実施形態では、図5に示すように、右手で低再生頻度データに関する文字情報を指し示し、左手で後述する3つの操作ボタンを指し示している女性を模式化した形態のキャラクタ27が使用されている。
【0041】
キャラクタ27の右側には、3つの操作ボタンが表示される。3つの操作ボタンとは、「Play」ボタン28と「Delete」ボタン29と「Keep」ボタン30である。「Play」ボタン28が再生指示手段に相当し、「Delete」ボタン29が削除指示手段に相当し、「Keep」ボタン30が保持指示手段に相当する。
【0042】
ステップS7では、ユーザが入力した操作ボタンの種類を判断する。「Play」ボタン28が入力されたと判断されると、ステップS8に進む。ステップS8では、現在再生している音楽データの再生を中断し、低再生頻度データ表示領域R2に情報(曲名とアーティスト名)が表示されている低再生頻度の音楽データを再生する。このとき、図6に示すように、動作状態表示領域R1には、現在再生している低再生頻度の音楽データに関する情報(曲名とアーティスト名)が表示されるとともに、これらの情報の右側に「Delete」ボタン29と「Keep」ボタン30とが表示される。
【0043】
ステップS9では、ユーザが入力した操作ボタンの種類を判断する。「Delete」ボタン29が入力されたと判断されると、ステップS10に進む。ステップS10では、現在再生している低再生頻度の音楽データをハードディスク1から削除する。続くステップS11では、ステップS8で再生を中断した音楽データの再生を再び開始する。その後、ステップS4に戻る。
【0044】
一方、ステップS9で「Keep」ボタン30が入力されたと判断されると、ステップS12に進む。ステップS12では、再生履歴表11において現在再生している低再生頻度の音楽データの再生回数を基準値以上の回数に更新する。その後、ステップS4に戻る。
【0045】
また、ステップS7で「Delete」ボタン29が入力されたと判断されると、ステップS13に進む。ステップS13では、低再生頻度データ表示領域R2に情報が表示されている低再生頻度の音楽データをハードディスク1から削除する。その後、ステップS4に進む。
【0046】
一方、ステップS7で「Keep」ボタン30が入力されたと判断されると、ステップS14に進む。ステップS14では、再生履歴表11において、低再生頻度データ表示領域R2に情報が表示されている低再生頻度の音楽データの再生回数を基準値以上の回数に更新する。その後、ステップS4に戻る。
【0047】
このようにデータ再生装置では、ユーザが選択した音楽データの再生中に、再生回数が少ない音楽データに関する情報がユーザに報知され、ユーザは再生回数が少ない音楽データに関して、再生による音楽データの内容の確認、音楽データの削除または維持といった所望の処理を行うことができる。
【0048】
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、ユーザはほとんど再生されていない低再生頻度データがハードディスク1に記録されていることを知ることができる。これによって、例えばある音楽データがハードディスク1に記録されていること自体をユーザが忘れてしまっていた場合は、改めてその音楽データが記録されていることを認識することができるので、必要に応じてユーザが再生頻度の低い音楽データを再生することができるようになり、音楽データの有効利用を図ることができる。また、同じ音楽データを重複してハードディスク1に記録させてしまうことを回避することが可能となり、ハードディスク1の有効利用を図ることが可能となる。さらに、再生頻度の低い音楽データが不要であると判断したときは、その音楽データを削除すれば、ハードディスク1の空き記録容量を増やすことができるので、この点でもハードディスク1の有効利用を図ることができる。
【0049】
(2)上記実施形態では、ハードディスク1に再生頻度の低い音楽データがある場合は、その音楽データの曲名およびアーティスト名とともに、キャラクタ27が表示部8に表示される。これによって、再生頻度の低い音楽データがハードディスク1に記録されていることを、ユーザは表示部8を見るだけで容易に知ることができる。また、キャラクタ27を表示することによってユーザに表示部8を見るように注意を喚起することが可能となるので、曲名およびアーティスト名を文字で表示するだけの場合に比べて、再生頻度の低い音楽データがあることをユーザが容易に知ることができるようになる。さらに、キャラクタとして、例えば人間が一方の手で曲名およびアーティスト名を指し示している状態を模式化したキャラクタ27を表示すれば、表示部8を見たユーザが表示されている曲名およびアーティスト名に容易に気がつくようにすることが可能となる。
【0050】
(3)上記実施形態では、ユーザが選択した音楽データを再生するときに、再生頻度の低い音楽データがあるときはその旨が表示部8に表示される。したがって、ユーザが操作部2を操作してデータ再生装置に注意を向けているときに表示部8に所定の表示が行われるので、ユーザは再生頻度の低い音楽データがあることを容易に知ることができるようになる。
【0051】
(4)上記実施形態では、再生頻度の低い音楽データがある旨が表示部8に表示されているときに「Play」ボタン28を押すと、その音楽データが再生される。したがって、ユーザは再生頻度の低い音楽データがどのような楽曲かを容易に知ることができる。
【0052】
(5)上記実施形態では、再生頻度の低い音楽データがある旨が表示部8に表示されて
いるとき、あるいはその音楽データが再生されているときに、「Delete」ボタン29を押すと、その音楽データがハードディスク1から削除される。したがって、ユーザは再生頻度の低い音楽データが不要であると判断したときは、その音楽データを容易にハードディスク1から削除することができる。
【0053】
(6)上記実施形態では、再生頻度の低い音楽データがある旨が表示部8に表示されているとき、あるいはその音楽データが再生されているときに、「Keep」ボタン30を押すと、その音楽データがハードディスク1に保持されるとともに、再生履歴表11においてその音楽データの再生回数が基準値以上に書き換えられる。これによって、ユーザがハードディスク1に残しておきたい音楽データが何度も低再生頻度データとして表示部8に表示されることを防止することができる。
【0054】
(7)上記実施形態では、再生回数が基準回数よりも小さい音楽データがハードディスク1に記録されている場合にその旨が表示される。これによって、ユーザはほとんど再生しなかった音楽データがハードディスク1に記録されていることを知ることができる。
【0055】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・例えば1枚のCDから記録した複数の楽曲からなる楽曲群に対応する音楽データ単位でハードディスク1に音楽データを記録しておき、楽曲群単位で選択して音楽データを再生できるようにし、そして、楽曲群ごとに再生回数を記憶しておき、再生頻度の低い楽曲群をユーザに報知するようにしてもよい。
【0056】
・時計機能およびカレンダ機能を有するCPU3を使用して、再生履歴として、前回の再生日時を記憶しておき、前回の再生日時から現在までの経過期間が基準期間よりも長い音楽データを低再生頻度データとしてユーザに報知するようにしてもよい。この場合は、以前の再生回数にかかわらず、最近はまったく再生していない音楽データをユーザに報知することができる。
【0057】
・時計機能およびカレンダ機能を有するCPU3を使用して、再生履歴として、再生回数と前回の再生日時とを記憶しておき、低再生頻度データとして、再生回数が基準回数より小さい音楽データと、再生回数が基準回数より大きいけれども、前回の再生日時から現在までの経過期間が基準期間よりも長い音楽データとを、ユーザに報知するようにしてもよい。この場合は、再生回数が少ない音楽データだけでなく、過去に頻繁に再生したけれども、最近はまったく再生していない音楽データをユーザに報知することができる。
【0058】
・時計機能およびカレンダ機能を有するCPU3を使用して、再生履歴として、再生回数とデータの記録日時とを記憶しておき、低再生頻度データとして、再生回数が基準回数より小さく、かつデータの記録日時から現在までの経過期間が基準期間よりも長い音楽データを、ユーザに報知するようにしてもよい。この場合は、再生回数が基準回数よりも小さいけれども、データの記録日時から現在までの経過期間が基準期間以下の音楽データ、即ちハードディスク1に記録したばかりの音楽データが、低再生頻度データとしてユーザに報知されることを回避することができる。
【0059】
・低再生頻度データのユーザに対する報知を、音声信号を用いて行うようにしてもよい。この場合は、ユーザが表示部8を見ていないときでも低再生頻度データの存在をユーザに報知することができる。また、音声信号と画像表示とを併用して低再生頻度データのユーザに対する報知を行うようにしてもよいことはもちろんである。
【0060】
・低再生頻度データのユーザに対する報知を、ハードディスク1の記録容量が基準容量よりも少ないときに行うようにしてもよい。
・低再生頻度データのユーザに対する報知を、データ再生装置の電源をオンにしたときに行うようにしてもよい。
【0061】
・ハードディスク1に記録させるデータは、音楽データに限るものではなく、静止画や動画の画像データ、カラオケ装置におけるカラオケ演奏データのように画像データと音楽データとが複合されたデータ、あるいはワードプロセッサにおける文書データであってもよい。なお、本データ再生装置は、特に車載用に適用させることによってハードディスク1の容量に制約があっても、データ容量をより節約することができ、また再生頻度が低いデータがある場合に限って、その旨を報知するので、全てのデータの存在を常に報知するのではなく、必要があるときに報知させることができ、運転に影響することがない。
【0062】
・上記実施形態では、「再生」とは音楽データを音響信号に復元して出力することとして説明したけれども、音楽データを単に出力することも「再生」として取り扱うようにしてもよい。例えば、上述したデータ再生装置から、ユーザが選択した音楽データを、ユーザ所有の他のデータ再生装置や記録媒体にダウンロードする場合を「再生」として取り扱うようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、音楽データ、画像データ、音楽データと画像データとの複合データ、文書データなど、様々な種類のデータを取り扱うデータ再生装置に適用することができる。特に本発明は、例えば多数のデータ圧縮された音楽データが記録されたハードディスクからユーザが選択した音楽データを読み出して再生するオーディオプレーヤのように、比較的記録容量の大きい記録媒体に多数のデータが記録されているデータ再生装置に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の一実施形態であるデータ再生装置の概略的構成を示すブロック図。
【図2】データ再生装置が記憶している再生履歴表11の構成を示す模式図。
【図3】再生動作時の制御手順を説明するためのフローチャート。
【図4】表示部8の表示画面8aの一例を示す平面図。
【図5】表示部8に表示されるキャラクタ27を示す平面図。
【図6】表示画面8aの一例を示す平面図。
【符号の説明】
【0065】
1…ハードディスク、2…操作部、3…CPU、3a…メモリ、4…音楽再生部、5…表示制御部、6…アンプ、7…スピーカ、8…表示部、8a…表示画面、11…再生履歴表、27…キャラクタ、28…「Play」ボタン、29…「Delete」ボタン、30…「Keep」ボタン、R1…動作状態表示領域、R2…低再生頻度データ表示領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のデータが記録されている記録媒体と、
前記記録媒体に記録されているデータの中から再生すべきデータを選択するデータ選択手段と、
前記記録媒体からデータを読み出して再生する再生手段と、
前記記録されているデータごとに再生履歴を記憶する履歴記憶手段と、
データの再生頻度が基準値より低い低再生頻度データがある旨をユーザに報知する報知手段と、
前記データ選択手段によって選択されたデータを前記再生手段で再生する再生動作と、前記再生動作を行うときに選択されたデータの再生履歴を更新して前記履歴記憶手段に書き込む履歴更新動作と、前記履歴記憶手段の再生履歴に基づいて前記低再生頻度データの有無を判定し、低再生頻度データがあるときは前記報知手段を制御してユーザに報知する報知動作とを制御する制御手段とを備えることを特徴とするデータ再生装置。
【請求項2】
前記報知手段は、表示手段であり、
前記制御手段は、前記報知動作として、低再生頻度データがある旨を表す文字情報とともに、予め定めるキャラクタを前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1に記載のデータ再生装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記再生動作を行うときに前記報知動作を行うことを特徴とする請求項1または2に記載のデータ再生装置。
【請求項4】
低再生頻度データの再生を指示する再生指示手段を備え、
前記制御手段は、前記再生指示手段から再生指示が入力されると、低再生頻度データを前記再生手段で再生させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のデータ再生装置。
【請求項5】
低再生頻度データの削除を指示する削除指示手段を備え、
前記制御手段は、前記削除指示手段から削除指示が入力されると、低再生頻度データを前記記録媒体から削除することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のデータ再生装置。
【請求項6】
低再生頻度データの保持を指示する保持指示手段を備え、
前記制御手段は、前記保持指示手段から保持指示が入力されると、低再生頻度データの再生履歴を、該データが低再生頻度データと判断されない内容に書き換えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のデータ再生装置。
【請求項7】
前記再生履歴は、データの再生回数であり、低再生頻度データは、再生回数が基準回数よりも小さいデータであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のデータ再生装置。
【請求項8】
前記再生履歴は、データが前回再生された日時であり、低再生頻度データは、前回再生されてから現在までの経過期間が基準期間よりも大きいデータであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のデータ再生装置。
【請求項9】
前記再生履歴は、データの再生回数およびデータが前回再生された日時であり、低再生頻度データは、再生回数が基準回数よりも小さいデータ、および再生回数が基準回数以上であって前回再生されてから現在までの経過期間が基準期間よりも大きいデータであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のデータ再生装置。
【請求項10】
複数のデータが記録されている記録媒体からのデータの再生履歴を記憶する履歴記憶手段と、
前記履歴記憶手段からのデータ毎の再生履歴に基づき、再生頻度の低いデータがある場合は、そのデータの存在を外部へ報知するように制御する制御手段とを備えたことを特徴とするデータ再生装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2006−172633(P2006−172633A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−364979(P2004−364979)
【出願日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】