説明

データ処理システム

【課題】少なくとも二つの装置が結合されて動作するデータ処理システムであって、各装置のバージョンの組合せが正しい組合せであることを自動的に確認することができるものを提供する。
【解決手段】少なくとも二つの装置が結合されて動作するデータ処理システムにおいて、各装置は、自装置バージョンを記憶し、自装置バージョンにて自装置が動作可能であるために必要となる他装置バージョンを対応他装置バージョンとして記憶し、他装置から現在の他装置バージョンを取得し、他装置バージョンが対応他装置バージョンに含まれるか否かを判定して自装置側バージョン対応判定結果を得、他装置から他装置側バージョン対応判定結果を取得して、自装置側バージョン対応判定結果及び他装置側バージョン対応判定結果が双方ともに対応可能との判定結果である場合に自装置の動作を許可する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも二つの装置が結合されて動作するデータ処理システム、当該システムにおけるバージョン確認方法、及び当該システムにおけるデータ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のデータ処理システムにおいては、LSI等からなる複数の装置が別々に開発され、それらが一つのボード上で結合されることにより、一つのシステムとして動作するものが多くなっている。例えば、ソフトウェアで動作するCPU(Central Processing Unit)及び周辺回路(以下、単に「CPU」又は「ソフトウェア側」と呼ぶ。)と、LSI(Large Scale Integration)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェア(以下、単に「LSI/FPGA」又は「ハードウェア側」と呼ぶ。)と、が対となって動作するシステムが存在する。
【0003】
このようなシステムにおいては、ソフトウェア側のバージョンとハードウェア側のバージョンとの組合せが一定の関係にない場合、正常に動作しない場合がある。従来、ソフトウェア側又はハードウェア側の一方でのみ、バージョン対応判定を行っているところ、ソフトウェア側のバージョンとハードウェア側のバージョンとの組合せが実際には正しくないにもかかわらず、一定の動作をする場合があり、そのような場合には、出荷後に不具合が発見されるという問題がある。
【0004】
なお、本発明に関連する先行技術文献として、下記特許文献1は、サブシステムコンピュータをホストコンピュータの支配下に組み込んで制御するコンピュータネットワークであって、双方のコンピュータのプログラムバージョンが一致するときにサブシステムコンピュータを組み込むことにより、バージョンが異なることによって生じる障害を防止するコンピュータネットワークを開示している。
【0005】
また、下記特許文献2は、設計途中において、設計物の元になる設計対象物に関する情報を変更可能にすることを目的として、入出力バッファ情報設定パネル上でドライブ情報又は電源電圧情報を指示すると、該ドライブ情報又は電源電圧情報の候補を一覧表示し、一覧表示された候補の中から所望の情報を選択し、その選択結果に基づいて、入出力バッファ名の候補を絞り込み、絞り込まれた入出力バッファ名の候補を一覧表示し、一覧表示された候補の中から所望の情報を選択することによって、入出力バッファ情報の設定を行う工程管理装置及び方法を開示している。
【0006】
【特許文献1】特開平1−118949号公報
【特許文献2】特開平10−275188号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、少なくとも二つの装置が結合されて動作するデータ処理システムであって、各装置のバージョンの組合せが正しい組合せであることを自動的に確認することができるもの、当該システムにおけるバージョン確認方法、及び当該システムにおけるデータ処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明によれば、自装置バージョンを記憶する自装置バージョン記憶手段と、前記自装置バージョン記憶手段に記憶された自装置バージョンにて自装置が動作可能であるために必要となる他装置バージョンを対応他装置バージョンとして記憶する対応他装置バージョン記憶手段と、他装置から現在の他装置バージョンを取得する他装置バージョン取得手段と、前記他装置バージョン取得手段によって取得された他装置バージョンが、前記対応他装置バージョン記憶手段に記憶された対応他装置バージョンに含まれるか否かを判定して自装置側バージョン対応判定結果を得る自装置側バージョン対応判定手段と、他装置から他装置側バージョン対応判定結果を取得する他装置側バージョン対応判定結果取得手段と、該自装置側バージョン対応判定結果及び該他装置側バージョン対応判定結果が双方ともに対応可能との判定結果である場合に自装置の動作を許可する自装置動作許可手段と、を具備するデータ処理装置が提供される。
【0009】
また、本発明によれば、少なくとも二つの装置が結合されて動作するデータ処理システムにおけるバージョン確認方法であって、各装置が、自装置バージョンを記憶する自装置バージョン記憶ステップと、前記自装置バージョン記憶ステップにて記憶された自装置バージョンにて自装置が動作可能であるために必要となる他装置バージョンを対応他装置バージョンとして記憶する対応他装置バージョン記憶ステップと、他装置から現在の他装置バージョンを取得する他装置バージョン取得ステップと、前記他装置バージョン取得ステップにて取得された他装置バージョンが、前記対応他装置バージョン記憶ステップにて記憶された対応他装置バージョンに含まれるか否かを判定して自装置側バージョン対応判定結果を得る自装置側バージョン対応判定ステップと、他装置から他装置側バージョン対応判定結果を取得する他装置側バージョン対応判定結果取得ステップと、該自装置側バージョン対応判定結果及び該他装置側バージョン対応判定結果が双方ともに対応可能との判定結果である場合に自装置の動作を許可する自装置動作許可ステップと、を具備するバージョン確認方法が提供される。
【0010】
また、本発明によれば、少なくとも二つの装置が結合されて動作するデータ処理システムであって、各装置が、自装置バージョンを記憶する自装置バージョン記憶手段と、前記自装置バージョン記憶手段に記憶された自装置バージョンにて自装置が動作可能であるために必要となる他装置バージョンを対応他装置バージョンとして記憶する対応他装置バージョン記憶手段と、他装置から現在の他装置バージョンを取得する他装置バージョン取得手段と、前記他装置バージョン取得手段によって取得された他装置バージョンが、前記対応他装置バージョン記憶手段に記憶された対応他装置バージョンに含まれるか否かを判定して自装置側バージョン対応判定結果を得る自装置側バージョン対応判定手段と、他装置から他装置側バージョン対応判定結果を取得する他装置側バージョン対応判定結果取得手段と、該自装置側バージョン対応判定結果及び該他装置側バージョン対応判定結果が双方ともに対応可能との判定結果である場合に自装置の動作を許可する自装置動作許可手段と、を具備するデータ処理システムが提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によるデータ処理システムにあっては、システムを構成する各装置が、それぞれ、相互のバージョンが対応するか否かの判定を行い、その結果を相互に連絡することで、動作不能なバージョンの組合せが事前に発見されるため、システムの品質向上が図られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明によるデータ処理システムの一実施形態を示す図である。このシステムは、ソフトウェアで動作するCPU及び周辺回路(以下、単に「CPU」又は「ソフトウェア側」と呼ぶ。)100(第一のデータ処理装置)と、LSI、FPGA等のハードウェア(以下、単に「LSI/FPGA」又は「ハードウェア側」と呼ぶ。)200(第二のデータ処理装置)と、が対となって動作するシステムである。
【0013】
CPU(ソフトウェア側)100のバージョンは、搭載されるプログラムを含め「ソフトウェアバージョン」として管理される一方、LSI/FPGA(ハードウェア側)200のバージョンは、「ハードウェアバージョン」として管理されるものとする。
【0014】
図1に示されるように、CPU(ソフトウェア側)100は、ソフトウェアバージョン記憶部102、対応ハードウェアバージョン記憶部104、ハードウェアバージョン取得部106、ソフトウェア側バージョン対応判定部108、ハードウェア側バージョン対応判定結果取得部110及びソフトウェア側動作許可部112を備える。
【0015】
ここで、ソフトウェアバージョン記憶部102は、ソフトウェアバージョンを記憶するメモリである。また、対応ハードウェアバージョン記憶部104は、ソフトウェアバージョン記憶部102に記憶されたソフトウェアバージョンにてCPU(ソフトウェア側)100が動作可能であるために必要となるLSI/FPGA(ハードウェア側)200のバージョンを対応ハードウェアバージョンとして記憶するメモリである。また、ハードウェアバージョン取得部106は、LSI/FPGA(ハードウェア側)200から現在のハードウェアバージョンを取得する回路である。
【0016】
また、ソフトウェア側バージョン対応判定部108は、ハードウェアバージョン取得部106によって取得されたハードウェアバージョンが、対応ハードウェアバージョン記憶部104に記憶された対応ハードウェアバージョンに含まれるか否かを判定してソフトウェア側バージョン対応判定結果を得る回路である。また、ハードウェア側バージョン対応判定結果取得部110は、LSI/FPGA(ハードウェア側)200からハードウェア側バージョン対応判定結果を取得する回路である。また、ソフトウェア側動作許可部112は、ソフトウェア側バージョン対応判定結果及びハードウェア側バージョン対応判定結果の両者がともに対応可能との判定結果である場合にCPU(ソフトウェア側)100の動作を許可する回路である。
【0017】
一方、LSI/FPGA(ハードウェア側)200は、ハードウェアバージョン記憶部202、対応ソフトウェアバージョン記憶部204、ソフトウェアバージョン取得部206、ハードウェア側バージョン対応判定部208、ソフトウェア側バージョン対応判定結果取得部210及びハードウェア側動作許可部212を備える。
【0018】
ここで、ハードウェアバージョン記憶部202は、ハードウェアバージョンを記憶するメモリである。また、対応ソフトウェアバージョン記憶部204は、ハードウェアバージョン記憶部202に記憶されたハードウェアバージョンにてLSI/FPGA(ハードウェア側)200が動作可能であるために必要となるCPU(ソフトウェア側)100のバージョンを対応ソフトウェアバージョンとして記憶するメモリである。また、ソフトウェアバージョン取得部206は、CPU(ソフトウェア側)100から現在のソフトウェアバージョンを取得する回路である。
【0019】
また、ハードウェア側バージョン対応判定部208は、ソフトウェアバージョン取得部206によって取得されたソフトウェアバージョンが、対応ソフトウェアバージョン記憶部204に記憶された対応ソフトウェアバージョンに含まれるか否かを判定してハードウェア側バージョン対応判定結果を得る回路である。また、ソフトウェア側バージョン対応判定結果取得部210は、CPU(ソフトウェア側)100からソフトウェア側バージョン対応判定結果を取得する回路である。また、ハードウェア側動作許可部212は、ハードウェア側バージョン対応判定結果及びソフトウェア側バージョン対応判定結果の両者がともに対応可能との判定結果である場合にLSI/FPGA(ハードウェア側)200の動作を許可する回路である。
【0020】
図2は、CPU(ソフトウェア側)100のソフトウェアバージョン記憶部102にソフトウェアバージョンを設定するための処理について説明するための図である。まず、図2(A)に示されるように、CPUによって実行されるべきプログラムのソースコード中にソフトウェアバージョンを埋め込んでおき、それをコンパイルして実装することにより、CPU(ソフトウェア側)100のロードプログラム中にソフトウェアバージョンを記憶させることができる。
【0021】
あるいは、図2(B)に示されるように、CPU100の外部にハードウェアのスイッチ群を設け、そのスイッチ群にソフトウェアバージョンを設定し、ソフトウェアバージョン記憶部102がスイッチ群からの信号を読み込むことでソフトウェアバージョンを記憶するようにしてもよい。
【0022】
あるいは、図2(C)に示されるように、CPU100の外部にROM、RAM等のメモリを設け、そのメモリにソフトウェアバージョンを設定しておき、ソフトウェアバージョン記憶部102がそのメモリをリードすることでソフトウェアバージョンを記憶するようにしてもよい。
【0023】
図3は、CPU(ソフトウェア側)100の対応ハードウェアバージョン記憶部104に対応ハードウェアバージョンを設定するための処理について説明するための図である。まず、図3(A)に示されるように、CPUによって実行されるべきプログラムのソースコード中に対応ハードウェアバージョンを埋め込んでおき、それをコンパイルして実装することにより、CPU(ソフトウェア側)100のロードプログラム中に対応ハードウェアバージョンを記憶させることができる。
【0024】
あるいは、図3(B)に示されるように、CPU100の外部にハードウェアのスイッチ群を設け、そのスイッチ群に対応ハードウェアバージョンを設定し、対応ハードウェアバージョン記憶部104がスイッチ群からの信号を読み込むことで対応ハードウェアバージョンを記憶するようにしてもよい。
【0025】
あるいは、図3(C)に示されるように、CPU100の外部にROM、RAM等のメモリを設け、そのメモリに対応ハードウェアバージョンを設定しておき、対応ハードウェアバージョン記憶部104がそのメモリをリードすることで対応ハードウェアバージョンを記憶するようにしてもよい。
【0026】
図4は、LSI/FPGA(ハードウェア側)200のハードウェアバージョン記憶部202にハードウェアバージョンを設定するための処理について説明するための図である。まず、図4(A)に示されるように、FPGAを構成するためのHDL(Hardware Description Language)ソースコード中にハードウェアバージョンを埋め込んでおき、それをコンパイルして実装することにより、FPGAの回路上にハードウェアバージョンを記憶させることができる。
【0027】
あるいは、図4(B)に示されるように、LSI/FPGA200の外部にハードウェアのスイッチ群を設け、そのスイッチ群にハードウェアバージョンを設定し、ハードウェアバージョン記憶部202がスイッチ群からの信号を読み込むことでハードウェアバージョンを記憶するようにしてもよい。
【0028】
あるいは、図4(C)に示されるように、LSI/FPGA200の外部にROM、RAM等のメモリを設け、そのメモリにハードウェアバージョンを設定しておき、ハードウェアバージョン記憶部202がそのメモリをリードすることでハードウェアバージョンを記憶するようにしてもよい。
【0029】
図5は、LSI/FPGA(ハードウェア側)200の対応ソフトウェアバージョン記憶部204に対応ソフトウェアバージョンを設定するための処理について説明するための図である。まず、図5(A)に示されるように、FPGAを構成するためのHDLソースコード中に対応ソフトウェアバージョンを埋め込んでおき、それをコンパイルして実装することにより、FPGAの回路上に対応ソフトウェアバージョンを記憶させることができる。
【0030】
あるいは、図5(B)に示されるように、LSI/FPGA200の外部にハードウェアのスイッチ群を設け、そのスイッチ群に対応ソフトウェアバージョンを設定し、対応ソフトウェアバージョン記憶部204がスイッチ群からの信号を読み込むことで対応ソフトウェアバージョンを記憶するようにしてもよい。
【0031】
あるいは、図5(C)に示されるように、LSI/FPGA200の外部にROM、RAM等のメモリを設け、そのメモリに対応ソフトウェアバージョンを設定しておき、対応ソフトウェアバージョン記憶部204がそのメモリをリードすることで対応ソフトウェアバージョンを記憶するようにしてもよい。
【0032】
図6は、CPU(ソフトウェア側)100におけるハードウェアバージョン取得部106の構成例について説明するための図である。図6(A)及び(B)に示される例では、ハードウェアバージョン取得部106は、LSI/FPGA(ハードウェア側)200に対しハードウェアバージョン送信要求を行い、その応答を受信することにより、ハードウェアバージョンを取得する。また、図6(C)及び(D)に示される例では、ハードウェアバージョン取得部106は、LSI/FPGA(ハードウェア側)200から自発的に出力されるハードウェアバージョン信号を受信することにより、ハードウェアバージョンを取得する。
【0033】
より具体的には、図6(A)に示される例では、CPU100が、マイクロコンピュータバスを介して、LSI/FPGA200のハードウェアバージョン記憶部202のアドレスに対してリード要求を行い、ハードウェアバージョンを直接読取ることによって、ハードウェアバージョン取得部106が実現される。
【0034】
また、図6(B)に示される例では、CPU100が、LSI/FPGA200に対し、ハードウェアバージョン送信要求信号を出力し、その応答としてハードウェアバージョンを送信してもらうことによって、ハードウェアバージョン取得部106が実現される。
【0035】
また、図6(C)に示される例では、LSI/FPGA200が片方向通信としてハードウェアバージョンを送信しているのに応じてCPU100がそれを受信することによって、ハードウェアバージョン取得部106が実現される。
【0036】
また、図6(D)に示される例では、LSI/FPGA200がハードウェアバージョン送信要求割込みを行い、CPU100が、その割込みに応じて、マイクロコンピュータバスを介して、LSI/FPGA200のハードウェアバージョン記憶部202のアドレスに対してリード要求を行い、ハードウェアバージョンを直接読取ることによって、ハードウェアバージョン取得部106が実現される。
【0037】
図7は、LSI/FPGA(ハードウェア側)200におけるソフトウェアバージョン取得部206の構成例について説明するための図である。図7(A)及び(B)に示される例では、ソフトウェアバージョン取得部206は、CPU(ソフトウェア側)100に対しソフトウェアバージョン送信要求を行い、その応答を受信することにより、ソフトウェアバージョンを取得する。また、図7(C)及び(D)に示される例では、ソフトウェアバージョン取得部206は、CPU(ソフトウェア側)100から自発的に出力されるソフトウェアバージョン信号を受信することにより、ソフトウェアバージョンを取得する。
【0038】
より具体的には、図7(A)に示される例では、LSI/FPGA200がソフトウェアバージョン送信要求割込みを行い、CPU100が、その割込みに応じて、マイクロコンピュータバスを介して、LSI/FPGA200のソフトウェアバージョン取得部206内の所定アドレスに対してソフトウェアバージョンを直接書込む。
【0039】
また、図7(B)に示される例では、LSI/FPGA200が、CPU100に対し、ソフトウェアバージョン送信要求信号を出力し、その応答としてソフトウェアバージョンを送信してもらうことによって、ソフトウェアバージョン取得部206が実現される。
【0040】
また、図7(C)に示される例では、CPU100が、マイクロコンピュータバスを介して、LSI/FPGA200のソフトウェアバージョン取得部206内の所定アドレスに対してソフトウェアバージョンを直接書込むことによって、ソフトウェアバージョン取得部206が実現される。
【0041】
また、図7(D)に示される例では、CPU100が片方向通信としてソフトウェアバージョンを送信しているのに応じてLSI/FPGA200がそれを受信することによって、ソフトウェアバージョン取得部206が実現される。
【0042】
そして、図1に戻り、CPU(ソフトウェア側)100のソフトウェア側バージョン対応判定部108は、図6に示されるようにハードウェアバージョン取得部106によって取得されたハードウェアバージョンが、図3に示されるように対応ハードウェアバージョン記憶部104に記憶された対応ハードウェアバージョンに含まれるか否かを判定してソフトウェア側バージョン対応判定結果を得る。
【0043】
同様に、LSI/FPGA(ハードウェア側)200のハードウェア側バージョン対応判定部208は、図7に示されるようにソフトウェアバージョン取得部206によって取得されたソフトウェアバージョンが、図5に示されるように対応ソフトウェアバージョン記憶部204に記憶された対応ソフトウェアバージョンに含まれるか否かを判定してハードウェア側バージョン対応判定結果を得る。
【0044】
図8は、CPU(ソフトウェア側)100におけるハードウェア側バージョン対応判定結果取得部110の構成例について説明するための図である。図8(A)及び(B)に示される例では、ハードウェア側バージョン対応判定結果取得部110は、LSI/FPGA(ハードウェア側)200に対しハードウェア側バージョン対応判定結果送信要求を行い、その応答を受信することにより、ハードウェア側バージョン対応判定結果を取得する。また、図8(C)及び(D)に示される例では、ハードウェア側バージョン対応判定結果取得部110は、LSI/FPGA(ハードウェア側)200から自発的に出力されるハードウェア側バージョン対応判定結果信号を受信することにより、ハードウェア側バージョン対応判定結果を取得する。
【0045】
より具体的には、図8(A)に示される例では、CPU100が、マイクロコンピュータバスを介して、LSI/FPGA200のハードウェア側バージョン対応判定部208内の所定アドレスに対してリード要求を行い、ハードウェア側バージョン対応判定結果を直接読取ることによって、ハードウェア側バージョン対応判定結果取得部110が実現される。
【0046】
また、図8(B)に示される例では、CPU100が、LSI/FPGA200に対し、ハードウェア側バージョン対応判定結果送信要求信号を出力し、その応答としてハードウェア側バージョン対応判定結果を送信してもらうことによって、ハードウェア側バージョン対応判定結果取得部110が実現される。
【0047】
また、図8(C)に示される例では、LSI/FPGA200が片方向通信としてハードウェア側バージョン対応判定結果を送信しているのに応じてCPU100がそれを受信することによって、ハードウェア側バージョン対応判定結果取得部110が実現される。
【0048】
また、図8(D)に示される例では、LSI/FPGA200がハードウェア側バージョン対応判定結果受信要求割込みを行い、CPU100が、その割込みに応じて、マイクロコンピュータバスを介して、LSI/FPGA200のハードウェア側バージョン対応判定部208内の所定アドレスに対してリード要求を出力し、ハードウェア側バージョン対応判定結果を直接読取ることによって、ハードウェア側バージョン対応判定結果取得部110が実現される。
【0049】
図9は、LSI/FPGA(ハードウェア側)200におけるソフトウェア側バージョン対応判定結果取得部210の構成例について説明するための図である。図9(A)及び(B)に示される例では、ソフトウェア側バージョン対応判定結果取得部210は、CPU(ソフトウェア側)100に対しソフトウェア側バージョン対応判定結果送信要求を行い、その応答を受信することにより、ソフトウェア側バージョン対応判定結果を取得する。また、図9(C)及び(D)に示される例では、ソフトウェア側バージョン対応判定結果取得部210は、CPU(ソフトウェア側)100から自発的に出力されるソフトウェア側バージョン対応判定結果信号を受信することにより、ソフトウェア側バージョン対応判定結果を取得する。
【0050】
より具体的には、図9(A)に示される例では、LSI/FPGA200が、CPU100に対し、ソフトウェア側バージョン対応判定結果送信要求信号を出力し、その応答としてソフトウェア側バージョン対応判定結果を送信してもらうことによって、ソフトウェア側バージョン対応判定結果取得部210が実現される。
【0051】
また、図9(B)に示される例では、LSI/FPGA200がソフトウェア側バージョン対応判定結果送信要求割込みを行い、CPU100が、その割込みに応じて、マイクロコンピュータバスを介して、LSI/FPGA200のソフトウェア側バージョン対応判定結果取得部210内の所定アドレスに対して、ソフトウェア側バージョン対応判定結果を直接書込む。
【0052】
また、図9(C)に示される例では、CPU100が、マイクロコンピュータバスを介して、LSI/FPGA200のソフトウェア側バージョン対応判定結果取得部210内の所定アドレスに対して、ソフトウェア側バージョン対応判定結果を直接書込む。
【0053】
また、図9(D)に示される例では、CPU100が片方向通信としてソフトウェア側バージョン対応判定結果を送信しているのに応じてLSI/FPGA200がそれを受信することによって、ソフトウェア側バージョン対応判定結果取得部210が実現される。
【0054】
そして、図1に戻り、CPU(ソフトウェア側)100のソフトウェア側動作許可部112は、ソフトウェア側バージョン対応判定結果と、図8の処理により得られたハードウェア側バージョン対応判定結果と、の双方がともに対応可能との判定結果である場合に、CPU(ソフトウェア側)100の動作を許可する。
【0055】
同様に、LSI/FPGA(ハードウェア側)200のハードウェア側動作許可部212は、ハードウェア側バージョン対応判定結果と、図9の処理により得られたソフトウェア側バージョン対応判定結果と、の双方がともに対応可能との判定結果である場合に、LSI/FPGA(ハードウェア側)200の動作を許可する。
【0056】
上述の処理により、CPU(ソフトウェア側)100のバージョンとLSI/FPGA(ハードウェア側)200のバージョンとの組合せが正しいときしか、両者は動作しない。かくして、CPU(ソフトウェア側)100とLSI/FPGA(ハードウェア側)とで構成されるデータ処理システムにおけるバージョン組合せ異常を製品出荷検査で確実に検出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明によるデータ処理システムの一実施形態を示す図である。
【図2】CPU(ソフトウェア側)のソフトウェアバージョン記憶部にソフトウェアバージョンを設定するための処理について説明するための図である。
【図3】CPU(ソフトウェア側)の対応ハードウェアバージョン記憶部に対応ハードウェアバージョンを設定するための処理について説明するための図である。
【図4】LSI/FPGA(ハードウェア側)のハードウェアバージョン記憶部にハードウェアバージョンを設定するための処理について説明するための図である。
【図5】LSI/FPGA(ハードウェア側)の対応ソフトウェアバージョン記憶部に対応ソフトウェアバージョンを設定するための処理について説明するための図である。
【図6】CPU(ソフトウェア側)におけるハードウェアバージョン取得部の構成例について説明するための図である。
【図7】LSI/FPGA(ハードウェア側)におけるソフトウェアバージョン取得部の構成例について説明するための図である。
【図8】CPU(ソフトウェア側)におけるハードウェア側バージョン対応判定結果取得部の構成例について説明するための図である。
【図9】LSI/FPGA(ハードウェア側)におけるソフトウェア側バージョン対応判定結果取得部の構成例について説明するための図である。
【符号の説明】
【0058】
100 CPU(ソフトウェア側)
102 ソフトウェアバージョン記憶部
104 対応ハードウェアバージョン記憶部
106 ハードウェアバージョン取得部
108 ソフトウェア側バージョン対応判定部
110 ハードウェア側バージョン対応判定結果取得部
112 ソフトウェア側動作許可部
200 LSI/FPGA(ハードウェア側)
202 ハードウェアバージョン記憶部
204 対応ソフトウェアバージョン記憶部
206 ソフトウェアバージョン取得部
208 ハードウェア側バージョン対応判定部
210 ソフトウェア側バージョン対応判定結果取得部
212 ハードウェア側動作許可部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自装置バージョンを記憶する自装置バージョン記憶手段と、
前記自装置バージョン記憶手段に記憶された自装置バージョンにて自装置が動作可能であるために必要となる他装置バージョンを対応他装置バージョンとして記憶する対応他装置バージョン記憶手段と、
他装置から現在の他装置バージョンを取得する他装置バージョン取得手段と、
前記他装置バージョン取得手段によって取得された他装置バージョンが、前記対応他装置バージョン記憶手段に記憶された対応他装置バージョンに含まれるか否かを判定して自装置側バージョン対応判定結果を得る自装置側バージョン対応判定手段と、
他装置から他装置側バージョン対応判定結果を取得する他装置側バージョン対応判定結果取得手段と、
該自装置側バージョン対応判定結果及び該他装置側バージョン対応判定結果が双方ともに対応可能との判定結果である場合に自装置の動作を許可する自装置動作許可手段と、
を具備するデータ処理装置。
【請求項2】
少なくとも二つの装置が結合されて動作するデータ処理システムにおけるバージョン確認方法であって、各装置が、
自装置バージョンを記憶する自装置バージョン記憶ステップと、
前記自装置バージョン記憶ステップにて記憶された自装置バージョンにて自装置が動作可能であるために必要となる他装置バージョンを対応他装置バージョンとして記憶する対応他装置バージョン記憶ステップと、
他装置から現在の他装置バージョンを取得する他装置バージョン取得ステップと、
前記他装置バージョン取得ステップにて取得された他装置バージョンが、前記対応他装置バージョン記憶ステップにて記憶された対応他装置バージョンに含まれるか否かを判定して自装置側バージョン対応判定結果を得る自装置側バージョン対応判定ステップと、
他装置から他装置側バージョン対応判定結果を取得する他装置側バージョン対応判定結果取得ステップと、
該自装置側バージョン対応判定結果及び該他装置側バージョン対応判定結果が双方ともに対応可能との判定結果である場合に自装置の動作を許可する自装置動作許可ステップと、
を具備するバージョン確認方法。
【請求項3】
少なくとも二つの装置が結合されて動作するデータ処理システムであって、各装置が、
自装置バージョンを記憶する自装置バージョン記憶手段と、
前記自装置バージョン記憶手段に記憶された自装置バージョンにて自装置が動作可能であるために必要となる他装置バージョンを対応他装置バージョンとして記憶する対応他装置バージョン記憶手段と、
他装置から現在の他装置バージョンを取得する他装置バージョン取得手段と、
前記他装置バージョン取得手段によって取得された他装置バージョンが、前記対応他装置バージョン記憶手段に記憶された対応他装置バージョンに含まれるか否かを判定して自装置側バージョン対応判定結果を得る自装置側バージョン対応判定手段と、
他装置から他装置側バージョン対応判定結果を取得する他装置側バージョン対応判定結果取得手段と、
該自装置側バージョン対応判定結果及び該他装置側バージョン対応判定結果が双方ともに対応可能との判定結果である場合に自装置の動作を許可する自装置動作許可手段と、
を具備するデータ処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−257417(P2007−257417A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−82366(P2006−82366)
【出願日】平成18年3月24日(2006.3.24)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】