説明

データ処理方法、データ処理装置、及びデータ処理プログラム

【課題】スキャンデータのようなピクセルごとの画像属性情報を含む画像データを効率的に圧縮する。
【解決手段】代表色抽出回路(15b)により画像データ内の記色情報の代表値である代表色情報を抽出し、画像ピクセル符号化回路(15c)により画像データ内の色情報を代表色情報に置き換えた上で画像データの各ピクセルに対応する代表色情報を符号データに変換し、代表タグ抽出回路(15i)により画像データ内のタグ情報の代表値である代表タグ情報を抽出し、タグピクセル符号化回路(15j)により画像データ内のタグ情報を代表タグ情報に置き換えた上で画像データの各ピクセルに対応する代表タグ情報を代表色情報と同一形式の符号データに変換し、合成回路(15m)により各ピクセルに対応する代表色情報の符号データと代表タグ情報の符号データとを合成することで、画像データを圧縮する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スキャンデータ等の画像データを圧縮するためのデータ処理方法、データ処理装置、及びデータ処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な画像データの圧縮方法として、所定サイズのブロックに分割された画像データの中から代表色を抽出し、同一ブロック内に存在する色を抽出した代表色に置き換えるという手法が知られている。ところで、画像データ内の各ピクセルはRGB等の色成分ごとの色情報に加えて、カラー/モノクロ属性、エッジ属性、文字属性等の諸項目からなる画像属性情報を有している場合がある。この画像属性情報は印刷、FAX送信、PCへの取込み等の出力ルートに応じた画像処理に用いられるので、スキャンデータのようにデータ生成時点で出力ルートが決定していない画像データを保存する際には色情報と併せて画像属性情報を保持しておく必要がある。
【0003】
そして、画像属性情報の項目は非常に多岐にわたる場合があるので、圧縮後のデータ量を十分に減らすためには、画像データ内の色情報に加えて画像属性情報を効率的に圧縮する必要がある。これに関連して以下の特許文献1には、多値画像から生成された2値画像の属性情報ごとに属性情報フレームを生成し、その属性情報フレームと元の多値画像とを一緒に符号化するという手法が提案されている。しかし、同手法によると属性情報の種類と同数の属性情報フレームが生成されることになるため、画像データ内の画像属性情報のデータ量を一定のサイズ以下に納めるという制御を実施することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−12768号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、スキャンデータのようなピクセルごとの画像属性情報を含む画像データを効率的に圧縮することができるデータ処理方法、データ処理装置、及びデータ処理プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
【0007】
(1)ピクセルごとに色情報及び画像属性情報を含む画像データを圧縮するためのデータ処理方法であって、前記画像データ内の前記色情報の代表値である代表色情報を抽出するステップ(A)と、前記画像データ内の前記色情報を前記ステップ(A)で抽出した前記代表色情報に置き換え、前記画像データの各ピクセルに対応する前記代表色情報を符号データに変換するステップ(B)と、前記画像データ内の前記画像属性情報の代表値である代表タグ情報を抽出するステップ(C)と、前記画像データ内の前記画像属性情報を前記ステップ(C)で抽出した前記代表タグ情報に置き換え、前記画像データの各ピクセルに対応する前記代表タグ情報を前記ステップ(B)と同一形式の符号データに変換するステップ(D)と、前記ステップ(B)での変換後の符号データと前記ステップ(D)での変換後の符号データとを合成するステップ(E)と、を有するデータ処理方法。
【0008】
(2)前記同一形式の符号データは、ビット列からなる符号データであることを特徴とする上記(1)に記載のデータ処理方法。
【0009】
(3)前記ステップ(A)及び前記ステップ(C)では、前記画像データ内の前記色情報の組合せの総数及び前記画像属性情報の組合せの総数の双方に応じた個数の前記代表色情報及び前記代表タグ情報がそれぞれ抽出されることを特徴とする上記(1)または(2)に記載のデータ処理方法。
【0010】
(4)前記ステップ(A)及び前記ステップ(C)では、前記画像データの種別に応じた個数の前記代表色情報及び前記代表タグ情報がそれぞれ抽出されることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載のデータ処理方法。
【0011】
(5)前記画像データの種別に関するユーザー指定を受け付けるステップ(a)をさらに有し、前記ステップ(A)及び前記ステップ(C)では、前記ステップ(a)で受け付けた前記ユーザー指定による前記画像データの種別に応じた個数の前記代表色情報及び前記代表タグ情報がそれぞれ抽出されることを特徴とする上記(4)に記載のデータ処理方法。
【0012】
(6)前記画像データの種別を判定するステップ(b)をさらに有し、前記ステップ(A)及び前記ステップ(C)では、前記ステップ(b)での判定結果による前記画像データの種別に応じた個数の前記代表色情報及び前記代表タグ情報がそれぞれ抽出されることを特徴とする上記(4)に記載のデータ処理方法。
【0013】
(7)前記ステップ(C)では、前記画像属性情報を構成する項目ごとの重み付けにより定まる優先順位に従って前記代表タグ情報が抽出されることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれか1つに記載のデータ処理方法。
【0014】
(8)前記画像データを複数の領域に分割し、前記領域ごとに前記画像データを処理することを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれか1つに記載のデータ処理方法。
【0015】
(9)ピクセルごとに色情報及び画像属性情報を含む画像データを圧縮するためのデータ処理装置であって、前記画像データ内の前記色情報の代表値である代表色情報を抽出する代表色抽出手段と、前記画像データ内の前記色情報を前記代表色抽出手段により抽出した前記代表色情報に置き換え、前記画像データの各ピクセルに対応する前記代表色情報を符号データに変換する色情報符号化手段と、前記画像データ内の前記画像属性情報の代表値である代表タグ情報を抽出する代表タグ抽出手段と、前記画像データ内の前記画像属性情報を前記タグ情報抽出手段により抽出した前記代表タグ情報に置き換え、前記画像データの各ピクセルに対応する前記代表タグ情報を前記色情報符号化手段と同一形式の符号データに変換するタグ情報符号化手段と、前記色情報符号化手段による変換後の符号データと前記タグ情報符号化手段による変換後の符号データとを合成する合成手段と、を有するデータ処理装置。
【0016】
(10)前記同一形式の符号データは、ビット列からなる符号データであることを特徴とする上記(9)に記載のデータ処理装置。
【0017】
(11)前記代表色抽出手段及び前記代表タグ抽出手段は、前記画像データ内の前記色情報の組合せの総数及び前記画像属性情報の組合せの総数の双方に応じた個数の前記代表色情報及び前記代表タグ情報をそれぞれ抽出することを特徴とする上記(9)または(10)に記載のデータ処理装置。
【0018】
(12)前記代表色抽出手段及び前記代表タグ抽出手段は、前記画像データの種別に応じた個数の前記代表色情報及び前記代表タグ情報をそれぞれ抽出することを特徴とする上記(9)〜(11)のいずれか1つに記載のデータ処理装置。
【0019】
(13)前記画像データの種別に関するユーザー指定を受け付ける受付手段をさらに有し、前記代表色抽出手段及び前記代表タグ抽出手段は、前記受付手段により受け付けた前記ユーザー指定による前記画像データの種別に応じた個数の前記代表色情報及び前記代表タグ情報をそれぞれ抽出することを特徴とする上記(12)に記載のデータ処理装置。
【0020】
(14)前記画像データの種別を判定する画像種別判定手段をさらに有し、前記代表色抽出手段及び代表タグ抽出手段は、前記画像種別判定手段の判定結果による前記画像データの種別に応じた個数の前記代表色情報及び前記代表タグ情報をそれぞれ抽出することを特徴とする上記(12)に記載のデータ処理装置。
【0021】
(15)前記代表タグ抽出手段は、前記画像属性情報を構成する項目ごとの重み付けにより定まる優先順位に従って前記代表タグ情報を抽出することを特徴とする上記(9)〜(14)のいずれか1つに記載のデータ処理装置。
【0022】
(16)前記画像データを複数の領域に分割し、前記領域ごとに前記画像データを処理することを特徴とする上記(9)〜(15)のいずれか1つに記載のデータ処理装置。
【0023】
(17)ピクセルごとに色情報及び画像属性情報を含む画像データを圧縮するためのデータ処理装置において実行されるデータ処理プログラムであって、前記画像データ内の前記色情報の代表値である代表色情報を抽出する手順(A)と、前記画像データ内の前記色情報を前記手順(A)で抽出した前記代表色情報に置き換え、前記画像データの各ピクセルに対応する前記代表色情報を符号データに変換する手順(B)と、前記画像データ内の前記画像属性情報の代表値である代表タグ情報を抽出する手順(C)と、前記画像データ内の前記画像属性情報を前記手順(C)で抽出した前記代表タグ情報に置き換え、前記画像データの各ピクセルに対応する前記代表タグ情報を前記手順(B)と同一形式の符号データに変換する手順(D)と、前記手順(B)での変換後の符号データと前記手順(D)での変換後の符号データとを合成する手順(E)と、を前記データ処理装置に実行させることを特徴とするデータ処理プログラム。
【発明の効果】
【0024】
本発明によると、画像データ内の画像属性情報を代表値に置き換えた上で各ピクセルに対応する代表値を符号化することにより画像データ内の画像属性情報のデータ量を効率的に圧縮することができる。また、本発明によると、画像データ内の各ピクセルに対応する色情報及び画像属性情報の代表値が同一形式の符号データに変換されるため、画像データから抽出すべき各代表値の個数を相互に調整することができる。よって、本発明によると、画像種別等に応じて各代表値の個数を適切に調整することにより圧縮後の画像データの再現性を高めることができる。
【0025】
さらに、本発明によると、画像データ内の各ピクセルに対応する色情報及び画像属性情報の代表値が同一形式の符号データに変換されるため、圧縮後の画像データに対して回転処理を実行する際に色情報及び画像属性情報の双方を共通の回転回路を用いて処理することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の第一実施形態に係るMFPの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第一実施形態に係る画像データ内の対象領域を示す概略図である。
【図3】本発明の第一実施形態に係る画像データ圧縮部により抽出された代表色情報を示す概略図である。
【図4】図2の対象領域中の各ピクセルに対応する代表色情報を示す概略図である。
【図5】図2の対象領域中の各ピクセルに対応する画像属性情報を示す概略図である。
【図6】本発明の第一実施形態に係る画像データ圧縮部による圧縮後の画像データの一例を示す概略図である。
【図7】本発明の第一実施形態に係る画像データ圧縮部の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第一実施形態に係る代表色/タグ数判定処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第一実施形態に係る画像データ圧縮部による圧縮後の画像データのヘッダー部の他の例を示す概略図である。
【図10】本発明の第一実施形態に係る画像データ圧縮部による圧縮後の画像データのヘッダー部の他の例を示す概略図である。
【図11】本発明の第一実施形態に係る画像データ圧縮部による圧縮後の画像データのヘッダー部の他の例を示す概略図である。
【図12】本発明の第二実施形態に係る代表色/タグ数判定処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の第一実施形態に係るデータ処理装置としてのMFP1の構成を示すブロック図である。図1のように、MFP1は、制御部11、記憶部12、操作部13、画像読取部14、画像データ圧縮部15、画像形成部16、及び通信インターフェース17を備えており、これらは信号をやり取りするためのバス18を介して相互に接続されている。これらの構成要素について以下に順に説明する。
【0028】
制御部11は、MFP1の中央処理装置(CPU)であり、制御プログラムに従ってMFP1各部の動作を制御するとともに各種演算処理を実行する。記憶部12は、ROM、RAM、及びHDD等からなる記憶領域であり、OS(基本ソフトウェア)を含むMFP1の制御プログラムや各種パラメーター等を格納している。
【0029】
操作部13は、オペレーションパネルであり、ユーザーに各種情報を表示するとともにユーザーから各種動作指示を受け付ける。画像読取部14は、イメージスキャナであり、所定の原稿台にセットされた原稿又はADF(Auto Document Feeder)により読取位置に搬送された原稿に光を照射した際の反射光をCCDやCMOSイメージセンサ等の受光素子でスキャンすることにより原稿画像のスキャンデータを生成する。
【0030】
画像データ圧縮部15は、画像読取部14により生成したスキャンデータ等の各種画像データに対するデータ圧縮を実行する処理モジュールである。画像データ圧縮部15は、所定サイズ(例えば、8×8ピクセル)の矩形領域に分割された画像データに対して矩形領域ごとにデータ圧縮を実行する。このような矩形領域のことを以下では「対象領域」と称する。画像データ圧縮部15の構成についてはさらに後述する。
【0031】
画像形成部16は、印刷エンジンであり、画像読取部14により生成したスキャンデータや外部から受信した文書ファイル等に基づく画像を電子写真方式の印刷処理により出力する。ただし、画像形成部16が採用する印刷方式は、インパクト方式、熱転写方式、及びインクジェット方式等の他の印刷方式であってもよい。通信インターフェース17は、NIC等の通信モジュールであり、ネットワークを介する外部機器との通信処理を実行する。
【0032】
次に、本実施形態に係る画像データ圧縮部15の処理対象となる画像データについて説明する。上述したように、本実施形態では画像データの対象領域ごとにデータ圧縮が実行される。図2は画像データ中の対象領域の一例を示す概略図である。図2のように、本例の対象領域は8×8個のピクセルからなる矩形領域である。ただし、本実施形態における対象領域のサイズや形態等は図2の例に限定されない。
【0033】
図2のように、対象領域内の各ピクセルはRGB各色につき8ビット(合計24ビット)の色情報を有する。本実施形態に係るデータ圧縮において、対象領域内の色情報は対象領域での出現頻度順に抽出された所定個数の代表値に置き換えられる。このような代表値のことを以下では「代表色情報」と称する。また、代表色情報により表現される色のことを以下では単に「代表色」と称することがある。
【0034】
図3は、図2の対象領域から抽出された代表色情報の一例を示す概略図である。本例では対象領域から6個の代表色情報が抽出されているため、これらの代表色情報は000、001、010、011、100、101のような3桁のビット列からなる符号データに変換可能である。図4は、図2中の各ピクセルに対応する代表色情報を図3の符号データに変換した状態を示す概略図である。なお、対象領域から抽出された代表色の個数が対象領域内に本来存在していた色情報の組合せ総数よりも少ない場合、符号化後の代表色情報により表現可能な色数は対象領域内に本来存在していた色数よりも少なくなる。
【0035】
また、対象領域内の各ピクセルは、上述した色情報に加えて、複数種類の項目からなる画像属性情報を有している。画像属性情報は各ピクセルの画像属性を示す情報であり、以下では画像属性情報のことを「タグ情報」と称することがある。各ピクセルのタグ情報はデータ圧縮時に画像データの出力ルートが未決定である場合には色情報と一緒に保存する必要がある。
【0036】
以下の説明において、画像データのタグ情報は、各ピクセルが有彩色(カラー)であるか無彩色(モノクロ)であるかを示す「カラー/モノクロ属性」、各ピクセルがオブジェクトのエッジ部分に該当するかどうかを示す「エッジ属性」、各ピクセルが文字オブジェクトに該当するかどうかを示す「文字属性」、各オブジェクトが囲まれた領域の内側に位置するかどうかを示す「領域内側属性」、各ピクセルが孤立点であるかどうかを示す「孤立点属性」、及び各ピクセルが網点領域に該当するかどうかを示す「網点属性」の6種類の項目からなるものとする。そのため、データ圧縮前のタグ情報は6桁のビット列で表現される。
【0037】
このようにタグ情報が6種類の項目からなる場合、タグ情報の組み合わせは最大で64通り(26通り)存在することになるが、通常、画像データにはタグ情報が存在しないピクセルも多数含まれているため、対象領域内に全64通りの組合せが出現する可能性は極めて低いと考えられる。また、一般に、イメージ系の画像データは色情報の組合せが多くタグ情報の組合せが少ないという傾向を有し、逆に、テキスト系やグラフィックス系の画像データは色情報の組合せが少なくタグ情報の組合せが多いという傾向を示す。
【0038】
このような色情報/タグ情報の特性を考慮して、本実施形態に係る画像データ圧縮部15は、対象領域内に出現するタグ情報の各々に優先順位を付し、その優先順位に従って所定個数の代表値を抽出する。このような代表値のことを以下では「代表タグ情報」と称する。また、代表タグ情報により表現される画像属性のことを以下では単に「代表タグ」と称することがある。そして、画像データ圧縮部15は、対象領域内のタグ情報を代表タグ情報に置き換え、さらに、各ピクセルに対応する代表タグ情報を上述した代表色情報と同一形式の符号データに変換することにより対象領域内のタグ情報のデータ量を圧縮する。
【0039】
図5は、図2の対象領域から抽出された代表タグ情報の一例を示す概略図である。本例では対象領域から6個の代表タグ情報が抽出されているため、これらの代表タグ情報は000、001、010、011、100、101という3桁のビット列からなる符号データに変換可能である。ここで、代表タグ情報はタグ情報を構成する項目ごとの重み付けに基づく優先順位に従って抽出される。代表タグ情報の具体的な抽出方法についてはさらに後述する。なお、図中の111は、タグ情報が存在しないピクセルを表している。
【0040】
図6は、本実施形態に係る画像データ圧縮部15によるデータ圧縮後の画像データを示す概略図である。図6のように、データ圧縮後の画像データは、ヘッダー情報を格納するヘッダー部、各ピクセルの色情報を格納する色情報部、各ピクセルのタグ情報を格納するタグ情報部からなる。ここで、ヘッダー部には、24桁のビット列からなる6個の代表色情報、6桁のビット列からなる6個の代表タグ情報、及び2ケタのビット列からなる6個のダミービットが格納されている。
【0041】
このように色情報及びタグ情報を同一のデータ形式で保持することにより、データ量をさらに圧縮することができるとともに、代表色及び代表タグの個数を相互に調整することが可能となる。すなわち、図6では、代表色及び代表タグの個数をいずれも6としたが、対象領域の画像属性等に応じて代表色及び代表タグの個数を増減させることが可能となる。この点についてはさらに後述する。
【0042】
次に、本実施形態に係る画像データ圧縮部15によるデータ圧縮方法について説明する。図7は、画像データ圧縮部15の詳細な構成を示すブロック図である。図7のように、画像データ圧縮部15は、画像入力バッファー15a、代表色抽出回路15b、画像ピクセル符号化回路15c、代表色/タグ数判定回路15d、データ制御回路15e、第1ワークメモリ15f、第1出力バッファー15g、タグ入力バッファー15h、代表タグ抽出回路15i、タグピクセル評価回路15j、第2ワークメモリ15k、第2出力バッファー15l、及び合成回路15mを有している。
【0043】
図7において、画像入力バッファー15a及びタグ入力バッファー15hは、画像データ圧縮部15に入力された対象領域の色情報及びタグ情報をそれぞれ一時的に格納するための記憶領域である。また、第1ワークメモリ15fは、代表色抽出回路15b及び画像ピクセル符号化回路15cから出力された情報を一時的に格納するための記憶領域であり、第2ワークメモリ15kは、代表タグ抽出回路15i及びタグピクセル符号化回路15jから出力された情報を一時的に格納するための記憶領域である。さらに、第1出力バッファー15gは、第1ワークメモリ15fから読み出された情報を合成回路15mへの転送前に一時的に格納するための記憶領域であり、第2出力バッファー15lは、第2ワークメモリ15kから読み出された情報を合成回路15mへの転送前に一時的に格納するための記憶領域である。
【0044】
続いて、図7における代表色抽出回路15b、画像ピクセル符号化回路15c、代表色/タグ数判定回路15d、データ制御回路15e、代表タグ抽出回路15i、タグピクセル符号化回路15j、及び合成回路15mの機能について説明する。
【0045】
代表色抽出回路15bは、画像入力バッファー15a内の色情報を参照して、対象領域内に存在する色情報の組合せの総数を計算する機能を有する。同機能による計算結果は代表色/タグ数判定回路15dに送信される。さらに、代表色抽出回路15bは、対象領域内での出現頻度に従って代表色情報を抽出する機能を有する(図3参照)。ここで、同機能により抽出すべき代表色情報の個数は代表色/タグ数判定回路15dにより指定される(後述)。同機能により抽出された代表色情報は第1ワークメモリ15fに格納される。
【0046】
画像ピクセル符号化回路15cは、対象領域内の色情報を代表色抽出回路15bにより抽出された代表色情報に置き換える機能を有している。すなわち、画像ピクセル符号化回路15cは、対象領域内に代表色として抽出されていない色が存在する場合に、その色にいずれかの代表色を割り当てる処理を実行する。この際の代表色の割り当て方法は特に限定されない。そして、画像ピクセル符号化回路15cは、対象領域内の各ピクセルに対応する代表色情報を符号データに変換し、各ピクセルと符号データとの対応関係を示す情報を生成する機能を有する(図4参照)。このような情報のことを以下では「画像ピクセル位置情報」と称する。同機能により生成された画像ピクセル位置情報は第1ワークメモリ15fに格納される。
【0047】
代表タグ抽出回路15iは、タグ入力バッファー15h内のタグ情報を参照して、対象領域内に存在するタグ情報の組合せの総数を計算する機能を有する。同機能による計算結果は代表色/タグ数判定回路15dに送信される。さらに、代表タグ抽出回路15iは、予め定められた優先順位に従って代表タグ情報を抽出する機能を有する。ここで、同機能により抽出すべき代表タグ情報の個数は代表色/タグ数判定回路15dにより指定される(後述)。
【0048】
また、代表タグ情報を抽出する際の優先順位は、タグ情報の各項目の重要度に応じた重み付けにより決定される。各項目の重み付け方法は特に限定されないが、一般に上記項目のうち「エッジ属性」及び「文字属性」は特に重要度が高いと考えられる。代表タグ抽出回路15iにより抽出された代表タグ情報は第2ワークメモリ15kに格納される。
【0049】
タグピクセル符号化回路15jは、対象領域内のタグ情報を代表タグ抽出回路15iにより抽出された代表タグ情報に置き換える機能を有している。すなわち、タグピクセル符号化回路15jは、対象領域内に代表タグとして抽出されていない画像属性が存在する場合に、その画像属性にいずれかの代表タグを割り当てる処理を実行する。この際の代表タグ情報の割り当て方法は特に限定されない。そして、タグピクセル符号化回路15jは、対象領域内の各ピクセルに対応する代表タグ情報を符号データに変換し、各ピクセルと符号データとの対応関係を示す情報を生成する機能を有する(図6参照)。このような情報のことを以下では「タグピクセル位置情報」と称する。同機能により生成されたタグピクセル位置情報は第2ワークメモリ15kに格納される。
【0050】
代表色/タグ数判定回路15dは、代表色抽出回路15b及び代表タグ抽出回路15i9からそれぞれ受信した色情報及び代表タグ情報の組合せ総数の双方に基づいて、対象領域から抽出すべき代表色情報及び代表タグ情報の最適な個数を判定する機能を有する。同機能による判定結果はデータ制御回路15eを介して代表色抽出回路15b及び代表タグ抽出回路15iに送信される。これにより代表色抽出回路15b及び代表タグ抽出回路15iは対象領域から抽出すべき代表色/代表タグ個数の指定を受け付ける。
【0051】
図8は、代表色/タグ数判定回路15dにより代表色情報及び代表タグ情報の最適な個数を判定するための処理の手順を示すフローチャートである。図8のフローチャートに示されるアルゴリズムは、記憶部12のROM等に制御プログラムとして記憶されており、処理開始時にRAMに読み出されて実行される。上記処理のことを以下では「代表色/タグ数判定処理」と称する。また、代表色/タグ数判定回路15dのことを以下では単に「判定回路15d」と称することがある。
【0052】
図8において、先ず、判定回路15dは、全ての対象領域についての処理が完了したかどうかを判定し(S101)、それが完了するまで各々の対象領域について以下のS102〜S113の手順を繰り返し実行する。以下にS102〜S113の具体的な手順について説明する。
【0053】
先ず、判定回路15dは、対象領域内に存在する色情報の組合せ総数を代表色抽出回路15bから取得し(S102)、さらに、対象領域内に存在するタグ情報の組合せ総数を代表タグ抽出回路15iから取得する(S103)。続いて、判定回路15dは、S102で取得した色情報の組合せ総数が5以下であるかどうかを判定し(S104)、その判定結果に応じて以降の処理を分岐する。
【0054】
すなわち、対象領域内に存在する色情報の組合せ総数が5以下である場合は(S104のYES)、S103で取得したタグ情報の組合せ総数が6以下であるかどうかをさらに判定する(S105)。そして、タグ情報の組合せ総数が6以下である場合は(S105のYES)、代表色及び代表タグの最適な個数はそれぞれ6及び6であると判定する(S109)。
【0055】
他方、タグ情報の組合せ総数が6よりも大きい場合は(S105のNO)、S102で取得した色情報の組合せ総数が4以下であるかどうかをさらに判定する(S106)。そして、色情報の組合せ総数が4よりも大きい場合は(S106のNO)、代表色及び代表タグの最適な個数はそれぞれ5及び7であると判定し(S107)、色情報の組合せ総数が4以下である場合は(S106のNO)、代表色及び代表タグの最適な個数はそれぞれ4及び12であると判定する(S108)。図9は、代表色及び代表タグの個数がそれぞれ5及び7である場合の圧縮済み画像データのヘッダー部を示す概略図であり、図10は、代表色及び代表タグの個数がそれぞれ4及び12である場合の圧縮済み画像データのヘッダー部を示す概略図である。
【0056】
続いて、対象領域内の色情報の組合せ総数が5よりも大きい場合について説明する(S104のNO)。この場合、判定回路15dは、S103で取得したタグ情報の組合せ総数が3以下であるかどうかをさらに判定する(S110)。そして、タグ情報の組合せ総数が3よりも大きい場合は(S110のNO)、代表色及び代表タグの最適な個数はそれぞれ6及び6であると判定する(S113)。
【0057】
他方、タグ情報の個数が3以下である場合は(S110のYES)、S102で取得した色情報の組合せ総数が7以上であるかどうかをさらに判定する(S111)。そして、色情報の組合せ総数が7以上である場合は(S111のYES)、代表色及び代表タグの最適な個数はそれぞれ7及び3であると判定し(S112)、色情報の組合せ総数が7よりも小さい場合は(S111のNO)、対象領域のデータ圧縮に最適な代表色及び代表タグの個数はそれぞれ6及び6であると判定する(S113)。図11は、代表色及び代表タグの個数がそれぞれ7及び3である場合の圧縮済み画像データのヘッダー部を示す概略図である。
【0058】
再び図7を参照すると、データ制御回路15eは、代表色/タグ数判定回路15dの判定結果を送信することにより、代表色抽出回路15bに代表色情報を抽出させるとともに画像ピクセル符号化回路15cに画像ピクセル位置情報を生成させる。同様に、データ制御回路15eは、代表色/タグ数判定回路15dの判定結果を送信することにより、代表タグ抽出回路15iに代表タグ情報を抽出させるとともにタグピクセル符号化回路15jにタグピクセル位置情報を生成させる。
【0059】
合成回路15mは、第1出力バッファー15g内の代表色情報及び画像ピクセル位置情報、並びに第2出力バッファー15l内の代表タグ情報及びタグピクセル位置情報を合成することにより図6のようなヘッダー部、色情報部、及びタグ情報部からなる圧縮済み画像データを生成する。合成回路15mにより生成された圧縮データは記憶部12等に格納される。
【0060】
以上のように、本実施形態によると、対象領域内のタグ情報を代表タグ情報に置き換えた上で各ピクセルに対応する代表タグ情報を符号化することにより対象領域内のタグ情報のデータ量を効率的に圧縮することができる。また、本実施形態によると、対象領域内の各ピクセルに対応する代表色情報及び代表タグ情報が同一形式の符号データ(ビット列)に変換されるため、対象領域から抽出すべき代表色情報及び代表タグ情報の個数を相互に調整することができる。よって、本実施形態によると、画像種別等に応じて代表色情報及び代表タグ情報の個数を適切に調整することにより圧縮後の対象領域の再現性を高めることができる。
【0061】
さらに、本実施形態によると、対象領域内の各ピクセルに対応する代表色情報及び代表タグ情報が同一形式の符号データ(ビット列)に変換されるため、圧縮後の画像データに対して回転処理を実行する際に色情報及びタグ情報の双方を共通の回転回路を用いて処理することが可能となる。
【0062】
次に、本発明の第二実施形態について説明する。本実施形態に係るデータ処理装置は上述した第一実施形態に係るMFP1と同様の構成を有している(図1、図7参照)。そのため、本実施形態に係るデータ処理装置(MFP)及びその各部を表すものとして上述した第一実施形態と同様の符号を用いる。また、本実施形態に係る画像データ圧縮部15の処理対象である画像データの構造も上述した第一実施形態におけるものと同様である(図2〜6、図9〜11参照)。
【0063】
本実施形態に係る画像データ圧縮部15は、代表色/タグ数判定回路15aによる代表色/タグ数判定処理の手順において上述した第一実施形態と相違している。より具体的に、本実施形態に係る代表色/タグ数判定処理では、対象領域の画像種別に基づき代表色情報及び代表タグ情報の最適な個数が判定される。図12は、本実施形態に係る代表色/タグ数判定処理の手順を示すフローチャートである。図12のフローチャートに示されるアルゴリズムは、記憶部12のROM等に制御プログラムとして記憶されており、処理開始時にRAMに読み出されて実行される。
【0064】
図12において、先ず、判定回路15dは、全ての対象領域についての処理が完了したかどうかを判定し(S201)、それが完了するまで各々の対象領域について以下のS202〜S220の手順を繰り返し実行する。以下にS202〜S220の具体的な手順について説明する。
【0065】
先ず、判定回路15dは、対象領域内に存在する色情報の組合せ総数を代表色抽出回路15bから取得し(S202)、さらに、対象領域内に存在するタグ情報の組合せ総数を代表タグ抽出回路15iから取得する(S203)。その後、判定回路15dは、対象領域の画像種別(イメージ系、テキスト系、グラフィックス系等)を特定する(S204)。より具体的に、本実施形態では操作部13上で対象領域の画像種別に関するユーザー指定が受け付けられ、そのユーザー指定に基づいて対象領域の画像種別が特定される。その後、判定回路15dは、S204で特定した画像種別がテキスト系であるかどうかを判定し(S205)、その判定結果に応じて以降の処理を分岐する。
【0066】
すなわち、画像種別がテキスト系である場合は(S205のYES)、S202で取得した色情報の組合せ総数が4以下であるかどうかをさらに判定する(S206)。そして、色情報の組合せ総数が4以下である場合は(S206のYES)、代表色及び代表タグの最適な個数はそれぞれ4及び12であると判定する(S207)。図10は、代表色及び代表タグの個数がそれぞれ4及び12である場合の圧縮済み画像データのヘッダー部を示す概略図である。
【0067】
他方、色情報の組合せ総数が4よりも大きい場合は(S206のNO)、色情報の組合せ総数が6以上であるかどうかをさらに判定する(S208)。そして、色情報の組合せ総数が6よりも小さい場合は(S208のNO)、代表色及び代表タグの最適な個数はそれぞれ5及び7であると判定し(S209)、色情報の組合せ総数が6以上である場合は(S208のYES)、S203で取得したタグ情報の組合せ総数が3以下であるかどうかをさらに判定する(S210)。図9は、代表色及び代表タグの個数がそれぞれ5及び7である場合の圧縮済み画像データのヘッダー部を示す概略図である。
【0068】
そして、タグ情報の組合せ総数が3以下である場合は(S210のYES)、代表色及び代表タグの最適な個数はそれぞれ7及び3であると判定し(S213)、タグ情報の組合せ総数が3よりも大きい場合は(S210のNO)、タグ情報の組合せ総数が6以下であるかどうかをさらに判定する(S211)。図11は、代表色及び代表タグの個数がそれぞれ7及び3である場合の圧縮済み画像データのヘッダー部を示す概略図である。
【0069】
そして、タグ情報の組合せ総数が6以下である場合は(S211のYES)、代表色及び代表タグの最適な個数はそれぞれ6及び6であると判定し(S212)、タグ情報の組合せ総数が6よりも大きい場合は(S211のNO)、代表色及び代表タグの最適な個数は5及び7であると判定する(S209)。図9は、代表色及び代表タグの個数がそれぞれ5及び7である場合の圧縮済み画像データのヘッダー部を示す概略図である。
【0070】
続いて、画像種別がテキスト系ではない場合について説明する(S205のNO)。この場合、判定回路15dは、S203で取得したタグ情報の組合せ総数が3以下であるかどうかをさらに判定する(S214)。そして、タグ情報の組合せ総数が3以下である場合は(S214のYES)、代表色及び代表タグの最適な個数はそれぞれ7及び3であると判定する(S213)。図11は、代表色及び代表タグの個数がそれぞれ7及び3である場合の圧縮済み画像データのヘッダー部を示す概略図である。
【0071】
他方、タグ情報の組合せ総数が3よりも大きい場合は(S214のNO)、S202で取得した色情報の組合せ総数が6以下であるかどうかをさらに判定する(S215)。そして、色情報の組合せ総数が6よりも大きい場合は(S215のNO)、代表色及び代表タグの最適な個数はそれぞれ7及び3であると判定し(S213)、色情報の組合せ総数が6以下である場合は(S215のYES)、色情報の組合せ総数が5以下であるかどうかをさらに判定する(S216)。図11は、代表色及び代表タグの個数がそれぞれ7及び3である場合の圧縮済み画像データのヘッダー部を示す概略図である。
【0072】
そして、色情報の組合せ総数が5よりも大きい場合は(S216のNO)、代表色及び代表タグの最適な個数はそれぞれ6及び6であると判定し(S217)、色情報の組合せ総数が5以下である場合は(S216のYES)、色情報の組合せ総数が4以下であるかどうかをさらに判定する(S218)。そして、色情報の組合せ総数が4よりも大きい場合は(S218のNO)、代表色及び代表タグの最適な個数はそれぞれ5及び7であると判定し(S219)、色情報の組合せ総数が4以下である場合は(S218のYES)、代表色及び代表タグの最適な個数はそれぞれ4及び12であると判定する(S220)。図9は、代表色及び代表タグの個数がそれぞれ5及び7である場合の圧縮済み画像データのヘッダー部を示す概略図であり、図10は、代表色及び代表タグの個数がそれぞれ4及び12である場合の圧縮済み画像データのヘッダー部を示す概略図である。
【0073】
以上のように、本実施形態によると、対象領域内のタグ情報を代表タグ情報に置き換えた上で各ピクセルに対応する代表タグ情報を符号化することにより対象領域内のタグ情報のデータ量を効率的に圧縮することができる。また、本実施形態によると、対象領域内の各ピクセルに対応する代表色情報及び代表タグ情報が同一形式の符号データ(ビット列)に変換されるため、対象領域から抽出すべき代表色情報及び代表タグ情報の個数を相互に調整することができる。そして、本実施形態によると、対象領域の画像種別に応じた個数の代表色情報及び代表タグ情報が抽出されるので、圧縮後の対象領域の再現性をさらに高めることができる。
【0074】
さらに、本実施形態によると、対象領域内の各ピクセルに対応する代表色情報及び代表タグ情報が同一形式の符号データ(ビット列)に変換されるため、圧縮後の画像データに対して回転処理を実行する際に色情報及びタグ情報の双方を共通の回転回路を用いて処理することが可能となる。
【0075】
なお、以上の説明においては、操作部13上で受け付けられたユーザー指定に基づいて対象領域の画像種別が特定されることとしたが、画像データ圧縮部15内に対象領域の画像種別を判定するための画像種別判定回路が設けられており、同回路の判定結果に基づいて対象領域の画像種別が特定されることとしてもよい。この場合、画像種別判定回路は画像データ圧縮部15の外部に設けられてもよい。
【0076】
本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲において種々改変することができる。例えば、上記実施形態では、画像属性情報として6種類の項目からなるものを挙げたが、本発明における画像属性情報の種類はそれらの例に限定されない。また、上記実施形態では、対象領域から抽出した代表色情報及び代表タグ情報を3〜12桁のビット列からなる符号データに変換することとしたが、本発明における符号データのデータサイズ及びデータ形式はそれらの例に限定されない。
【0077】
また、本発明に係るデータ処理装置は、上記手順を実行するための専用のハードウェア回路によっても、上記手順を記述したプログラムをCPUが実行することによっても実現可能である。後者により本発明を実現する場合、データ処理装置を作動させるプログラムは、フロッピー(登録商標)ディスクやCD−ROM等のコンピューター読取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。ここで、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、ROMやハードディスク等に転送され記録される。また、上記プログラムは、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、データ処理装置の一機能として同装置のソフトウェアに組み込まれてもよい。
【符号の説明】
【0078】
1 MFP、
11 制御部、
12 記憶部、
13 操作部、
14 画像読取部、
15 画像データ圧縮部、
15b 代表色抽出回路、
15c 画像ピクセル符号化回路、
15d 代表色/タグ数判定回路、
15i 代表タグ抽出回路、
15j タグピクセル符号化回路、
15m 合成回路、
16 画像形成部、
17 通信インターフェース。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピクセルごとに色情報及び画像属性情報を含む画像データを圧縮するためのデータ処理方法であって、
前記画像データ内の前記色情報の代表値である代表色情報を抽出するステップ(A)と、
前記画像データ内の前記色情報を前記ステップ(A)で抽出した前記代表色情報に置き換え、前記画像データの各ピクセルに対応する前記代表色情報を符号データに変換するステップ(B)と、
前記画像データ内の前記画像属性情報の代表値である代表タグ情報を抽出するステップ(C)と、
前記画像データ内の前記画像属性情報を前記ステップ(C)で抽出した前記代表タグ情報に置き換え、前記画像データの各ピクセルに対応する前記代表タグ情報を前記ステップ(B)と同一形式の符号データに変換するステップ(D)と、
前記ステップ(B)での変換後の符号データと前記ステップ(D)での変換後の符号データとを合成するステップ(E)と、を有するデータ処理方法。
【請求項2】
前記同一形式の符号データは、ビット列からなる符号データであることを特徴とする請求項1に記載のデータ処理方法。
【請求項3】
前記ステップ(A)及び前記ステップ(C)では、前記画像データ内の前記色情報の組合せの総数及び前記画像属性情報の組合せの総数の双方に応じた個数の前記代表色情報及び前記代表タグ情報がそれぞれ抽出されることを特徴とする請求項1または2に記載のデータ処理方法。
【請求項4】
前記ステップ(A)及び前記ステップ(C)では、前記画像データの種別に応じた個数の前記代表色情報及び前記代表タグ情報がそれぞれ抽出されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のデータ処理方法。
【請求項5】
前記画像データの種別に関するユーザー指定を受け付けるステップ(a)をさらに有し、
前記ステップ(A)及び前記ステップ(C)では、前記ステップ(a)で受け付けた前記ユーザー指定による前記画像データの種別に応じた個数の前記代表色情報及び前記代表タグ情報がそれぞれ抽出されることを特徴とする請求項4に記載のデータ処理方法。
【請求項6】
前記画像データの種別を判定するステップ(b)をさらに有し、
前記ステップ(A)及び前記ステップ(C)では、前記ステップ(b)での判定結果による前記画像データの種別に応じた個数の前記代表色情報及び前記代表タグ情報がそれぞれ抽出されることを特徴とする請求項4に記載のデータ処理方法。
【請求項7】
前記ステップ(C)では、前記画像属性情報を構成する項目ごとの重み付けにより定まる優先順位に従って前記代表タグ情報が抽出されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載のデータ処理方法。
【請求項8】
前記画像データを複数の領域に分割し、前記領域ごとに前記画像データを処理することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載のデータ処理方法。
【請求項9】
ピクセルごとに色情報及び画像属性情報を含む画像データを圧縮するためのデータ処理装置であって、
前記画像データ内の前記色情報の代表値である代表色情報を抽出する代表色抽出手段と、
前記画像データ内の前記色情報を前記代表色抽出手段により抽出した前記代表色情報に置き換え、前記画像データの各ピクセルに対応する前記代表色情報を符号データに変換する色情報符号化手段と、
前記画像データ内の前記画像属性情報の代表値である代表タグ情報を抽出する代表タグ抽出手段と、
前記画像データ内の前記画像属性情報を前記タグ情報抽出手段により抽出した前記代表タグ情報に置き換え、前記画像データの各ピクセルに対応する前記代表タグ情報を前記色情報符号化手段と同一形式の符号データに変換するタグ情報符号化手段と、
前記色情報符号化手段による変換後の符号データと前記タグ情報符号化手段による変換後の符号データとを合成する合成手段と、を有するデータ処理装置。
【請求項10】
前記同一形式の符号データは、ビット列からなる符号データであることを特徴とする請求項9に記載のデータ処理装置。
【請求項11】
前記代表色抽出手段及び前記代表タグ抽出手段は、前記画像データ内の前記色情報の組合せの総数及び前記画像属性情報の組合せの総数の双方に応じた個数の前記代表色情報及び前記代表タグ情報をそれぞれ抽出することを特徴とする請求項9または10に記載のデータ処理装置。
【請求項12】
前記代表色抽出手段及び前記代表タグ抽出手段は、前記画像データの種別に応じた個数の前記代表色情報及び前記代表タグ情報をそれぞれ抽出することを特徴とする請求項9〜11のいずれか1つに記載のデータ処理装置。
【請求項13】
前記画像データの種別に関するユーザー指定を受け付ける受付手段をさらに有し、
前記代表色抽出手段及び前記代表タグ抽出手段は、前記受付手段により受け付けた前記ユーザー指定による前記画像データの種別に応じた個数の前記代表色情報及び前記代表タグ情報をそれぞれ抽出することを特徴とする請求項12に記載のデータ処理装置。
【請求項14】
前記画像データの種別を判定する画像種別判定手段をさらに有し、
前記代表色抽出手段及び代表タグ抽出手段は、前記画像種別判定手段の判定結果による前記画像データの種別に応じた個数の前記代表色情報及び前記代表タグ情報をそれぞれ抽出することを特徴とする請求項12に記載のデータ処理装置。
【請求項15】
前記代表タグ抽出手段は、前記画像属性情報を構成する項目ごとの重み付けにより定まる優先順位に従って前記代表タグ情報を抽出することを特徴とする請求項9〜14のいずれか1つに記載のデータ処理装置。
【請求項16】
前記画像データを複数の領域に分割し、前記領域ごとに前記画像データを処理することを特徴とする請求項9〜15のいずれか1つに記載のデータ処理装置。
【請求項17】
ピクセルごとに色情報及び画像属性情報を含む画像データを圧縮するためのデータ処理装置において実行されるデータ処理プログラムであって、
前記画像データ内の前記色情報の代表値である代表色情報を抽出する手順(A)と、
前記画像データ内の前記色情報を前記手順(A)で抽出した前記代表色情報に置き換え、前記画像データの各ピクセルに対応する前記代表色情報を符号データに変換する手順(B)と、
前記画像データ内の前記画像属性情報の代表値である代表タグ情報を抽出する手順(C)と、
前記画像データ内の前記画像属性情報を前記手順(C)で抽出した前記代表タグ情報に置き換え、前記画像データの各ピクセルに対応する前記代表タグ情報を前記手順(B)と同一形式の符号データに変換する手順(D)と、
前記手順(B)での変換後の符号データと前記手順(D)での変換後の符号データとを合成する手順(E)と、を前記データ処理装置に実行させることを特徴とするデータ処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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