データ処理装置、及びプログラム
【課題】紙原稿をスキャンすることで得られた原本データにマスク処理をするためのマスク位置パターンデータのフォーム情報を用いて、原本データの天地が逆さまか判定すること。
【解決手段】制御部1010は資料作成用アプリケーション30により、紙原稿をスキャンすることで得られた原本データを選択する機能と、原本データにマスク処理をするためのマスク位置パターンデータを選択する機能を提供し、前記マスク位置パターンデータのフォーム情報を用いて、前記選択された原本データの天地が逆さまか判定し、天地が逆さまであると判定されたページを180度回転し、前記判定結果ならびに前記逆さまを補正したことのログファイルを保存する。
【解決手段】制御部1010は資料作成用アプリケーション30により、紙原稿をスキャンすることで得られた原本データを選択する機能と、原本データにマスク処理をするためのマスク位置パターンデータを選択する機能を提供し、前記マスク位置パターンデータのフォーム情報を用いて、前記選択された原本データの天地が逆さまか判定し、天地が逆さまであると判定されたページを180度回転し、前記判定結果ならびに前記逆さまを補正したことのログファイルを保存する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、フォームとして存在する紙原稿を読み取って電子データとし、その電子データを用いて所定の資料を電子的に作成処理するデータ処理装置、及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、国または県、市町村などの自治体が、様々な制度を設け、行政サービスを提供している。これらの制度や行政サービスは、例えば、介護が必要な住民のための介護保険サービスや障害者のための年金制度などである。住民が、こうしたサービスや制度に基づく権利を享受しようとする場合、一般的にサービスを提供している側(サービス提供者)に対して申請を行う必要がある。
【0003】
これらの申請の多くは、専用の申請書類(申請フォーマット)によって行われる。住民は、申請書類に必要事項をペンやワードプロセッサなどのアプリケーションソフトを用いて記入し提出する。サービス提供者は、申請書類を提出した住民(申請者)の申請書類に記載された事項を確認し、申請者がこのサービスを受けることが可能かを審査する。
【0004】
サービス提供者は、申請者からの申請書類を元に審査を行うわけであるが、申請時やサービス提供時には必要だが、審査においては不要な情報や、申請者のプライバシーを保護する観点および適正かつ公平な審査を行う観点から、審査時には秘匿すべき情報が存在している。例えば、申請者の氏名や住所などの個人情報が不要となる場合が多い。
【0005】
そのため、行政サービスに関する住民からの申請書類を審査する場合、申請書類の特定の箇所を書類毎にマスク(隠蔽)した審査用の書類を作成する必要が生じている。具体的には、申請書類を受理した後、それをコピーして複写物を作成する。さらに、その複写物に対してオペレータがマスクすべき箇所を判断し、当該箇所をペンなどで塗りつぶして審査用の書類を作成していた。
【0006】
こうした行為は人為的作業が中心であり非効率である。また、オペレータのミスにより、マスクすべき部分が適切にマスクされていなかった場合は、プライバシーの保護という観点で人権上の重大問題となる恐れがある。さらに、原本と審査書類をそれぞれ管理する必要があるため、情報の管理が煩雑となっている。
【0007】
こうした課題に対して、所定の申請フォーマットに記載された申請書類(原稿)をスキャナを用いて電子データとする、あるいは所定のアプリケーションを用いて電子データとして、審査書類を作成するシステムが特許文献1で提案されている。
【0008】
このシステムは介護保険制度における保険適用審査で用いる資料を作成することを例に挙げている。具体的には、文書(申請書)を構成する書類の定義を記憶部に登録する第1の処理部、前記定義に従って文書を前記記憶部に登録するとともに、当該文書を構成する書類の登録に関する情報を前記記憶部に記録する第2の処理部、書類の出力時にマスクする部分を指示するマスク情報の定義を、文書を構成する書類の定義の1つとして記憶部に登録する第3の処理部とを備える。そして、申請者が記入した申請書をスキャナで読み取ってイメージデータを生成し、このイメージデータに上述したマスク定義を当てはめて隠蔽処理を行うことで、審査を行う際に閲覧するための資料を作成できるように構成されている。
【0009】
一方、情報を一般公開するサービス、ビジネスにおいて、必要に応じた形態に電子データを加工するシステムが特許文献2で提案されている。
【0010】
このシステムでは、PDF文書の特定部分を隠蔽処理することを目的としている。具体的には、原本データ入力部から、文字コードを含むPDFファイルを、原本データとして入力し格納部に格納する。文書表示部により、この原本電子文書(PDFファイル)を表示し、隠蔽領域設定部によって、オペレータが原本電子文書上の一部に隠蔽領域を設定する。この際、隠蔽領域は格納部に格納される。
そして、中間データ作成部が原本データ内の文字コードをビットマップに展開し、その一部をマスクデータで覆うことにより、TIFF形式の中間データを作成する。また、フォーマット変換部によって、中間データを再びPDF形式に戻し、処理済データを格納部に格納する。この結果、オペレータが設定した領域に隠蔽処理が施されたPDFファイルが取得できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2001−101169号
【特許文献2】特開2002−207725号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上記特許文献1で提案されたシステムでは、所定のマスク定義に基づいて、読み取られた原稿イメージデータに対して直接マスク処理を施すものである。そのため、隠されるべき内容が規定の領域からはみ出して記載されている場合は、あらかじめ定義したマスクの位置や形状といった定義そのものを修正する必要が生じる。当然ながら、申請書類は不特定多数の申請者によってそれぞれ記入・作成されるものであり、申請者の記載ミスも様々である。つまり、申請書類が増える程、マスク定義の修正操作処理は煩雑きわまりなく、非効率的である。
【0013】
特に、本システムは、原稿イメージデータに対して直接マスク処理を施すため、一度マスク処理を実行してしまうと、マスク処理される以前の状態へ原稿イメージデータを戻すことができない。つまり、オペレータがマスク処理した領域に本来記載されていた内容を確認しようとしても、それができないということになる。
【0014】
また、申請書類が複数枚から構成される場合、例えば、申請者の個人情報を記入した申請書の他に、納税証明書や医師の診断書などを付与する必要がある場合においては、申請書類のページ順が不適切な順序となっているケースも多く存在する。上記特許文献1に記載の技術では、読み取る申請書類のページ順序が定義された順序と異なっていても、その異なりを認識する点については何ら開示されていない。結果として本公開公報(特許文献1)の技術を単に適用した場合は、オペレータが申請書類を読み取る場合に、申請書類のページ順を全て確認する作業が発生してしまうため、非効率である。さらに、万が一、オペレータがページ順の修正作業でミスを生じた場合は、隠蔽すべき情報が正しくマスクされないケースも考えられ、プライバシーが保護できず、人権上の問題が発生する可能性が高い。
【0015】
また、上記特許文献2で提案されたシステムでは、PDFファイルのテキストデータをマスク処理の対象とすることを前提としたものである。そのため、紙(申請書)をスキャンしたイメージデータに対するマスク処理には不適のシステムである。また、入力された原本データに対してマスク処理をするため、一度マスク処理をしてしまうと隠された領域に存在していた情報の閲覧や取得が不可能となってしまう。
【0016】
即ち、これらの課題は入力される原稿データがどのような状態であっても、その所定の領域や、任意の領域を確実かつ容易にマスク処理することが可能なシステムであり、さらに、情報の管理の容易性や原本保証といった観点において、原稿データ自体にはマスク処理を施さないことで、その原本性を保証することが可能なシステムを提供することで解消できるものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、紙原稿をスキャンすることで得られた原本データを選択する手段と、原本データにマスク処理をするためのマスク位置パターンデータを選択する手段と、前記マスク位置パターンデータのフォーム情報を用いて、前記選択された原本データの天地が逆さまか判定する手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、紙原稿をスキャンすることで得られた原本データにマスク処理をするためのマスク位置パターンデータのフォーム情報を用いて、原本データの天地が逆さまか判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態を示す文書管理システムの構成を説明する図である。
【図2】図1に示した複合機からスキャナ入力される申請書類原稿の一例を示す図である。
【図3】図1に示した複合機からスキャナ入力される申請書類原稿の一例を示す図である。
【図4】図1に示した複合機からスキャナ入力される申請書類原稿の一例を示す図である。
【図5】図1に示した文書管理システムにおける申請書類のデータ加工処理状態を説明する図である。
【図6】本発明に係る文書管理システムのデータの処理形態を説明する図である。
【図7】図1に示した複合機のスキャナにセットされる申請書類(原稿)の用紙サイズの組合せ例を示す図である。
【図8】図1に示した複合機から出力される審査資料の用紙サイズの例を示す図である。
【図9】図1に示した複合機から出力される審査資料の用紙サイズの例を示す図である。
【図10】図1に示した複合機から出力される審査資料の用紙サイズの例を示す図である。
【図11】図1に示したホストの記憶部のディスク部に確保されるフォルダの階層表示例を示す図である。
【図12】本発明に係る文書管理システムにおけるマスク位置パターンデータの作成処理例を説明する図である。
【図13】本発明に係る文書管理システムにおける第1のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図14】図1に示したホストの表示部に表示されるフォームデータの一例を説明する図である。
【図15】図1に示したホストの表示部に表示されるマスク領域設定画面の一例を示す図である。
【図16】図1に示した表示部に表示されるマスク位置パターンのデータの隠蔽状態の一例を示す図である。
【図17】本発明に係る文書管理システムにおける表紙作成処理状態を説明する構成図である。
【図18】本発明に係る文書管理システムにおける第2のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図19】本発明に係る文書管理システムにおける資料作成処理状態を説明する構成図である。
【図20】本発明に係る文書管理システムにおける第3のデータ処理手順の全体の流れを示すフローチャートである。
【図21】第3のデータ処理手順における原稿の電子化処理の一例を示すフローチャートである。
【図22】第3のデータ処理手順におけるフォーム登録の一例を示すフローチャートである。
【図23】第3のデータ処理手順における各種設定処理の一例を示すフローチャートである。
【図24】第3のデータ処理手順における資料データの保存と白紙データの検出及び除去処理の一例を示すフローチャートである。
【図25】第3のデータ処理手順における資料データの天地及び順序の検出と補正処理の一例を示すフローチャートである。
【図26】第3のデータ処理手順における資料データの天地及び順序の検出と補正処理の一例を示すフローチャートである。
【図27】第3のデータ処理手順におけるマスクデータ適用処理の一例を示すフローチャートである。
【図28】図5に示した原本スキャンデータの一例を示す模式図である。
【図29】資料作成用アプリケーションによるダイアログの一例を示す図である。
【図30】マスク位置パターン情報テーブルの構成の一例を示す図である。
【図31】フォーム情報テーブルの構成の一例を示す図である。
【図32】出力体裁情報テーブルの一例を示す図である。
【図33】ログファイルの一例を示す模式図である。
【図34】フォーム異常管理テーブルの構成の一例を示す図である。
【図35】編集用アプリケーションに基づく編集画面の一例を示す図である。
【図36】本発明に係る文書管理システムにおける第4のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図37】マスクデータの設定ダイアログの一例を示す図である。
【図38】本発明に係る文書管理システムで読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記憶媒体のメモリマップを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、本発明の一実施形態を示す文書管理装置を適用可能な文書管理システムの構成を説明する構成図である。本システムは、画像処理を行う複合機20とホスト10がネットワーク等を介して通信可能なシステムに対応する。以降に述べる説明は、図1における複合機20において、紙原稿をスキャンして電子化された原稿データとすること及びその原稿データを任意のホスト10へ送信する機能を有することを前提とする。しかしながら、本発明はこの構成に限定されるものではない。
【0021】
図1において、20は複合機(1台でコピー、プリンタ、FAX等の複数の機能を有する印刷機を称し、以降、プリンタと略す場合もある)である。この複合機20は、後述する図5に示すように、ホスト10及びホスト10に搭載されている資料作成用アプリケーション30、編集用アプリケーション40とともに、申請書類から申請審査資料を作成するために用いられる。なお、資料作成用アプリケーション30、編集用アプリケーション40は、記憶部1030のディスク装置1030−3からRAM1030−1等のワークメモリ上にロードされ、図示しないOSの管理の下でプログラムモジュールとして動作する(制御部1010により実行される)。これらの詳細は後述する。
【0022】
1030は記憶部で、RAM1030−1,ROM1030−2,ディスク装置1030−3から構成される。1010は制御部で、CPUなどで構成されるものであり、RAM1030−1にロードされたモジュール(プログラム)を実行し、ホスト10のデバイスを総括的に制御する。
【0023】
1070は入力部で、キーボード,ポインティングデバイス等で構成される。1050は媒体読み取り部で、フレキシブルディスク1060,CD−ROM、DVD等の各種メディアに記憶された情報を読み取り可能に構成されている。1040は表示部で、各種のアプリケーションに対する設定や実行に必要な指示画面等を適時に表示する。1020は接続部で、複合機20の接続部2020と所定のプロトコルで通信可能に構成されている。
【0024】
複合機20において、2010は制御部で、CPU等で構成されるものであり、記憶部2030のRAM2030−1にロードされた各種のモジュール(プログラム)を実行して、印刷部2040のプリント処理,読み取り部2050のスキャン処理,FAX部2070のデータ送受信処理,操作部2060からの入力やユーザインタフェースの表示処理等を総括的に制御する。
【0025】
なお、記憶部2030はRAM2030−1,ROM2030−2,ディスク装置2030−3等から構成されている。なお、印刷部2040には、各種のオプション装置を接続可能で、例えばステイプルソータなどのフィニッシング装置を装着できる。また、読み取り部2050には、各種の原稿搬送装置(ADF,RDF)を接続して、申請書類の原稿画像を自動的にスキャンすることが可能に構成されている。
【0026】
なお、ホスト10の記憶部1030のディスク装置1030−3上に、例えば特定の名称でフォルダとして確保管理されるディレクトリに読み取り部2050から読み取られる申請書類の電子データが特定ファイルに変換されて記憶管理される領域が確保される。
【0027】
さらに、申請書類原稿は、図2〜図4に示すように所定のフォーマットがあらかじめ印刷されたフォーム形式を有しており、該フォームに申請者が必要な事項をすでに記入しているものとする。
【0028】
図2〜図4は、図1に示した複合機20からスキャナ入力される申請書類原稿のフォームの一例を示す図である。なお、本実施形態では申請書類の一例として介護保険申請用の書類をフォームとして用いることにする。しかし、本発明が適用される範囲は本実施形態の記載や上述した〔背景技術〕の欄で説明に用いた例によって限定されるものでない。また、本発明は、何らかの申請処理における、審査書類作成処理に対してのみ適用されるものでもない。
【0029】
なお、図2は、介護保険に関する医者の所見を記載する主治医意見書記載フォームである。また、図3は、介護保険に関する介護認定者が被保険者の身体状況を調査するための認定調査票フォームである。さらに、図4は、介護保険に関する被保険者に対する調査項目一覧フォームである。なお、これらのフォームの種類や内容については本発明の本質とは何ら関係しない。
【0030】
また、本実施形態では、後述する資料作成用アプリケーション30,編集用アプリケーション40とが連動して、申請書類の項目中の特定の項目をマスクした審査資料を作成することを目的としている。しかし、本発明は審査資料の作成に限定されるものではない。本発明は、入力されたデータの所定の領域の隠蔽処理が必要となる状況であれば適用可能なものである。
【0031】
続いて、文書管理を行うシステムにおける処理を、その処理順序に従って説明する。
【0032】
図5は、図1に示した文書管理システムにおける申請書類のデータ加工処理状態を説明する図である。図中の太い矢印はデータの流れを示す。なお、図1と同一のものには同一の符号を付してある。
【0033】
図5において、60はスキャンデータである。より具体的には、複合機20の読み取り部2050のスキャナ機能でイメージファイル化された申請書類原稿90である。このスキャンデータ60は所定のファイル形式、例えば米国のアドビシステム社が開発したPDFファイル形式などに変換されたデータである。
【0034】
70は印刷データである。詳細は後述するが、この印刷データ70は、ホスト10の制御部1010により実行される資料作成用アプリケーション30,編集用アプリケーション40によりデータ加工処理がなされて、任意の領域がマスク(隠蔽)されたデータである。なお、印刷データ70の出力先は複合機20(原稿入力用として使用される)ばかりでなく、ネットワークを介して通信可能なプリンタ機能を備える装置であればよい。
【0035】
なお、図1における複合機20とホスト10とはネットワーク80等のなんらかの通信手段によりデータ送信が可能な状態で接続されている。そして、図1の複合機20には図1に示したホスト10の記憶部1030のディスク装置1030−3に設けられた任意の共有フォルダ50(図5参照)へ電子データを送信可能であるものとする。
【0036】
そして、図1に示すホスト10の記憶部1030のディスク装置1030−3に設けられた任意のフォルダ(本実施形態では、例えば¥MaskManager¥Sendとする)には、図1に示す複合機20からの電子データを格納可能であるものとする。
【0037】
図6は、本発明に係る文書管理システムのデータの処理形態を説明する図である。図5におけるデータ60は、図6中の「1」から「8」に示す順番で処理される。以下、図6を処理順序に従って説明する。
【0038】
複合機20から取り込まれる原稿が電子化された後、ホスト10に送信されて、後述するSendフォルダに取り込まれる(「1」)。電子化された原稿データSendフォルダからScanフォルダに移動される(「2」)。そして、資料作成用アプリケーション30が、Scanフォルダから原稿データを読み込む(「3」)。さらに、すでに作成されているマスクデータと表紙データとをMaskフォルダ、Coverフォルダからそれぞれ読み込んで、マスク処理された資料データを生成する(「4」〜「5」)。オペレータが資料データのマスク処理状況を確認した後、審査用の資料データ(申請書類上で一部がマスクされているもの)の印刷用データを生成し(「6」)、Printフォルダに格納する。その後、資料作成用アプリケーション30は、編集用アプリケーション40を起動し、この編集用アプリケーション40を用いて後述する所定の編集作業をオペレータが必要に応じて実行する。編集が不要となった後、印刷用データを複合機20に送信して印刷を実行する(「7」〜「8」)。
【0039】
図1におけるホスト10の記憶部1030のディスク装置1030−3には、本発明を実現するためのモジュール群として搭載された資料作成用アプリケーション30,編集用アプリケーション40が存在する。これらのモジュール群はワークエリアとしてのRAM1030−1上にロードされて実行可能な状態であることを前提とする。
【0040】
尚、本発明を実現するモジュールは、後述する図13,図18,図20〜図27,図36等のフローチャートに基づいてプログラムコード化されたものである。
【0041】
また、これらのモジュールやその関連するデータは、ホスト10が有するCD−ROMドライブ等の読み取り部1050から、ホスト10を経由して複合機20にインストールし実行することも可能である。
【0042】
以上のことを踏まえて本発明のデータ処理について詳述する。
【0043】
まず、本実施形態において説明に使用する入出力データの例を説明する。
【0044】
本実施形態は、オペレータが、入力データとして紙原稿(申請書類90(図5))を複合機20のスキャン機能によりスキャンし電子データに変換する。申請書類90は複数枚の紙からなるセットであるケースが多い。
【0045】
1セットの申請書類90での、用紙サイズの組合せ及びスキャン後の電子データ(以降、原本データと称する)の形態例を図7に示す。
【0046】
図7は、図1に示した複合機20のスキャナで読み込まれる紙原稿の用紙サイズの組合せ例を示す図である。図7では、原稿D−1、原稿D−2、原稿D−3がそれぞれ上述したセットを示している。
【0047】
原稿D−1は、A4サイズ縦の片面の紙2枚とA3サイズ横の片面の紙1枚で構成されている。これを片面モードでスキャンした原本データは、A4サイズ縦の2ページとA3サイズ横の1ページから構成される1セットとなる。そのため、原稿D−1が10セットある場合、10セットで計30ページのデータとなる。
【0048】
原稿D−2は、A4サイズ縦の片面の紙4枚で構成されている。これを片面モードでスキャンして得られる原本データは、A4サイズ縦の4ページで構成される。そのため、原稿D−2が10セットある場合、10セットで計40ページのデータとなる。
【0049】
原稿D−3は、A4サイズ縦の片面の紙2枚とA4サイズ縦の両面の紙1枚で構成されている。これを両面モードでスキャンして得られる原本データは、2ページ目と4ページ目が白紙データとなって、A4サイズ縦の6ページで構成される。そのため、原稿D−3が10セットある場合、10セットで計60ページのデータとなる。
【0050】
また、本実施形態では、出力として紙の印刷物(審査資料)を作成する。図8〜図10は作成する審査資料の出力形態例を示すものであり、紙サイズ、出力体裁(面付け等)、フィニッシング(ステイプル、パンチ等)の指定によって得られる、出力O−1、出力O−2、出力O−3の3つの出力形態例を示している。
【0051】
図8で示した出力O−1は、A3サイズ横で両面印刷し、左辺2ヵ所にステイプルした資料である。
【0052】
図9で示した出力O−2は、A3サイズ横で両面印刷し、ステイプルを行わなかった資料である。
【0053】
図10で示した出力O−3は、A4サイズ縦で両面印刷し、左辺2ヵ所にステイプルした資料である。
【0054】
もちろん、図7で説明した原本の構成例や、図8〜図10で説明した資料の出力形態例以外においても本発明は適応可能である。
【0055】
次に、本実施形態における動作環境及び事前に準備するファイルの作成手順に関して説明する。
【0056】
本発明は、任意のフォルダ及び任意のファイルを用いて動作する。そのフォルダ及びファイルの構成形態例を図11に示す。
【0057】
図11は、図1に示したホスト10の記憶部1030のディスク装置1030−3に確保されるフォルダの階層表示例を示す図である。この図は、図1に示した表示部1040に表示された状態を示している。
【0058】
本実施形態では、記憶部1030のディスク装置1030−3のディレクトリである¥MaskManager¥Sendを「送信先」フォルダとする。このフォルダはプリンタ(複合機20)における原本データを送信する先として指定するフォルダである(図6に示した「Send」フォルダに対応する)。必要に応じて、本フォルダに対して共有設定やアクセス権の設定を行ってもよい。
【0059】
また、ディスク装置1030−3のディレクトリである¥MaskManager¥Scanは「原本スキャンデータ」フォルダとする。このフォルダは、資料作成用アプリケーション30が「送信先」フォルダから、送信が完了した原本データを移動し格納するためのフォルダである(図6に示した「Scan」フォルダに対応する)。
【0060】
さらに、ディスク装置1030−3のディレクトリである¥MaskManager¥Scan−Storeは「処理済み原本データ」フォルダとする。このフォルダは資料作成用アプリケーション30が「原本スキャンデータ」フォルダから、資料の作成が完了した原本データを移動し格納するためのフォルダである。
【0061】
また、ディスク装置1030−3のディレクトリである¥MaskManager¥Maskは「マスク位置パターン」フォルダとする。このフォルダはオペレータが任意に作成したマスク位置パターンデータを格納するためのフォルダである(図6に示した「Mask」フォルダに対応する)。
【0062】
さらに、ディスク装置1030−3のディレクトリである¥MaskManager¥Coverは「表紙データ」フォルダとする。このフォルダはオペレータが任意に作成した表紙データを格納するためのフォルダである(図6に示した「Cover」フォルダに対応する)。
【0063】
また、ディスク装置1030−3のディレクトリである¥MaskManager¥Cover−Templateは「表紙テンプレートデータ」フォルダである。このフォルダはあらかじめ用意された表紙データのテンプレートが格納されているフォルダである。
【0064】
さらに、ディスク装置1030−3のディレクトリである¥MaskManager¥Printは「審査会資料保存」フォルダである。このフォルダは資料データを格納するためのフォルダである(図6に示した「Print」フォルダに対応する)。
【0065】
また、ディスク装置1030−3のディレクトリである¥MaskManager¥Referenceは「参照データ」フォルダである。このフォルダは資料作成用アプリケーション30が内部的に参照するデータが格納されているフォルダである。
【0066】
もちろん、ディレクトリ構造やフォルダ名、フォルダの数は本実施形態の構成に限られるものではない。
【0067】
〔マスク位置パターンデータの作成処理〕
以下、本実施形態におけるマスク位置パターンデータの作成手順を図12及び図13を参照して説明する。
【0068】
図12は、本発明に係る文書管理システムにおけるマスク位置パターンデータの作成処理例を説明する図である。図12に示した要素のうち、図1と同一のものには同一の符号を付してある。なお、図中の太い矢印はデータの流れを大局的に示すものである。
【0069】
図12に示すように、本実施形態でのマスク位置パターンデータの作成処理は、オペレータがマスクデータ作成用アプリケーション(アノテーションエディタ)を用いてフォームのページ毎にマスク位置パターンデータを作成し、そのデータを保存することによって行われる。マスク位置パターンデータの詳細な作成手順は図13を用いて説明する。
【0070】
図13は、本発明に係る文書管理システムにおける第1のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。このフローチャートに記載された処理は図1に示したホスト10の制御部1010と複合機20の制御部2010が実行するデータ処理手順に対応する。なお、S1301〜S1312は各ステップを示す。
【0071】
また、本実施形態において、オペレータがマスク位置パターンデータを予め作成するためには、各申請フォームのマスク位置やその領域のサイズを特定する必要がある。それらを特定するための情報として、"氏名"、"住所"等の文字列、図形項目位置、罫線領域、記載領域が既に定義され、申請者が実際に記入を行うための申請書類フォームを使用する。使用する申請書類フォームは、申請者が実際に申請するための内容を記入する前のものであってもよいし、記入後のものであってもよい。
【0072】
まず、オペレータは紙で存在している申請書類フォームをプリンタの原稿台(RDF等に設けられる)に置く(S1301)。
【0073】
次に、操作部2060より複合機20にて送信先としてホスト10の任意のフォルダを指定し(S1302)、スキャンの実行を指示する。
【0074】
これにより、複合機20の制御部2010はスキャン処理を開始し、フォームの電子データ(マスク位置パターンデータの作成用データ)を複合機20の記憶部2030のディスク装置2030−3に作成して蓄積する。そして、複合機20の制御部2010は作成用データを接続部2020及びホスト10の接続部1020を経由し、ホスト10の記憶部1030のディスク装置1030−3にオペレータが指定したフォルダへ送信する(S1303)。
【0075】
なお、申請書類が図7に示したように複数枚や両面原稿から構成されるセットである場合は、各印刷面を1ページとした複数ページからなる作成用データを生成する。
【0076】
なお、上記申請書類フォームの読み込み処理は、複合機20のスキャン機能を使用せずに、他の単体で構成されるスキャナ等で電子データ化したものであってもよい。
【0077】
同様に、他の任意のアプリケーション及びシステムを用いて、申請書類と同様のデータを作成し、そのアプリケーションデータを用いるものであってもよい。
【0078】
次に、オペレータの指示により、制御部1010は、編集用アプリケーション40を起動する(S1304)。これにより、任意のフォルダに保存された作成用データが特定される。そして、オペレータはこのデータをマウス等のポインティングデバイスを使用して編集用アプリケーション40へドラッグ&ドロップ等の操作により取り込み(S1305)、ホストの記憶部1030のRAM1030−1に保存する。
【0079】
ホスト10の制御部1010は、作成用データをホスト10の表示部1040に表示する(S1306)。
【0080】
図14は、ステップS1306で実行される作成用データの表示の一例を説明する図である。
【0081】
次に、オペレータは、編集用アプリケーション40にてマスク位置パターンデータの作成用データを確認しながら、マスク位置パターンデータを作成する操作を行う。
【0082】
マスク位置パターンデータを作成する操作の一部を表わした図が図15である。図15は、マスクデータ作成作業において、図1に示したホスト10の表示部1040に表示されるマスク領域設定画面の一例を示す図である。この図からわかるように、電話番号や生年月日などの記入領域は黒く塗りつぶされている。すなわち、オペレータがマスクすべき領域であると判断した箇所については、編集用アプリケーション40が備えるアノテーション機能を用いて、マスク位置の設定処理を実行したことを意味する。
【0083】
ここで、アノテーション機能について説明する。アノテーション機能とは、マスクデータの作成作業においてオペレータが使用する機能であり、申請書類から審査資料を作成する際にマスクする領域を指定するためのマスク位置パターンデータを作成するためのものである。具体的な作成処理は、オペレータが、矩形や円形のマスク位置指定オブジェクト(以後、アノテーションオブジェクトと称する)をマスクすべき領域に配置する。このアノテーションオブジェクトは好適にはベクタデータ形式で編集用アプリケーション40に予め登録されている。そして、オペレータは所望の形状のアノテーションオブジェクトを選択し、形状を自由に変形させて、図15で示したようにマスクすべき領域を仮想的に塗りつぶすように配置する。このようにしてマスク位置パターンデータは作成される。
【0084】
ここで重要なのは、アノテーションオブジェクトを配置した場合でも、その配置箇所に存在する作成用データに対してこのオブジェクトは上書きされないということである。アノテーションオブジェクトは作成用データに対して描画されるものではなく、作成用データに重ねられた透明または半透明なレイヤに対して描画され、作成用データとともに保存される。
【0085】
なお、本実施形態では編集用アプリケーション40において、オペレータがこうした作業を実行するが、その作業手順や編集用アプリケーション40の構成、アノテーションオブジェクトのデータ形式や形状などによって本発明は限定されるものではない。
【0086】
さて、フローチャートを用いた説明に戻る。編集用アプリケーション40によって表示部1040に表示された作成用データを用いて、オペレータはマスクすべき箇所が存在するかどうかを検討する。マスクすべき箇所が存在する場合には、オペレータがアノテーションオブジェクトを設定する処理を実行する。この操作は上述したとおりである。
【0087】
このとき、ホスト10の制御部1010は、オペレータがアノテーションオブジェクトを設定する操作をしたか否かを判断し(S1307)、オペレータがアノテーションオブジェクトを追加する操作、例えば不図示の「オブジェクト追加」ボタンをクリックする操作をしたと判断した場合、アノテーションオブジェクトのデータを作成し、ホスト10の記憶部1030のRAM1030−1に保存しているマスク位置パターンデータに反映し(S1308)、ステップS1307に戻る。
【0088】
一方、ステップS1307で、ホスト10の制御部1010はオペレータがこのページには、固定位置にマスクすべき箇所が無い、または既にマスクすべき全ての箇所にアノテーションオブジェクトを配置したと判断した場合、即ち、アノテーションオブジェクトを追加する操作をせずにページを変更する操作をしたか否かを判断し(S1309)、ページを変更する操作、例えば「次のページを表示」ボタンをクリックする操作をしたと判断した場合、オペレータが指定したページのデータをホスト10の表示部1040に表示し(S1310)、ステップS1307に戻る。
【0089】
一方、ステップS1309で、ホスト10の制御部1010はオペレータがページを変更する操作をしていないと判断した場合、オペレータがマスク位置パターンをファイルに保存する操作をしたか否かを判断し(S1311)、オペレータがマスク位置パターンをファイルに保存する操作をしたと判断した場合には、不図示のファイル保存ダイアログをホスト10の表示部1040に表示し、オペレータにディレクトリ¥MaskManager¥Maskフォルダの指定及び任意のファイル名の入力を促す。
【0090】
そして、入力された情報に従いマスク位置パターンデータを保存し(S1312)、処理を終了する。
【0091】
一方、ステップS1311で、ホスト10の制御部1010はオペレータがマスク位置パターンをファイルに保存する操作をしていないと判断した場合、ステップS1307に戻る。
【0092】
図16は、図1に示した表示部1040に表示されるマスク位置パターンのデータの隠蔽状態確認画面の一例を示す図である。
【0093】
図16に示すように、図7に示した原稿D−1用のマスク位置パターンは図16に示すようにマスク位置パターンデータとして登録される。もちろん、これらのマスク位置パターンデータは本実施形態における一例であり、マスク位置やページ構成はこれらに限らない。
【0094】
なお、本表示は、マスク位置パターンデータの作成用データに隠蔽加工を直接的に施すのではなく、透過されるようにマスク位置パターンデータのレイヤと作成用データのイメージのレイヤとを重ね合わせて表示している。
【0095】
なお、作成用データは、後述する資料作成処理において、フォーム情報テーブルを作成するためにも用いられる。
【0096】
〔表紙データの作成処理〕
図17は、本発明に係る文書管理システムにおける表紙作成処理状態を説明する構成図である。図17に示した太い矢印はデータの流れを示す。なお、本処理は、編集用アプリケーション40による表紙作成処理に対応する。
【0097】
図18は、本発明に係る文書管理システムにおける第2のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。このフローチャートの各処理は、図1に示したホスト10の制御部1010が実行するデータ処理手順(表紙データの作成手順)に対応する。なお、S1801〜S1806は各ステップを示す。
【0098】
なお、本実施形態では、あらかじめオペレータが表紙データを作成し、資料作成時に、そのデータを自動的に読み込む形態を採用するが、本発明はこの形態に限らない。
【0099】
なお、表紙データを作成するための1つの方法として、あらかじめ表紙データのテンプレートをアプリケーション内に用意し、そのデータを利用して表紙データを作成する形態がある。本実施形態ではこの形態を用いて説明する。
【0100】
まず、オペレータは編集用アプリケーション40を起動し(S1801)、ディレクトリ¥MaskManager¥Cover−Templateフォルダに格納されている表紙データのテンプレートを特定する。特定したテンプレートをマウス等の入力部1070を使用して編集用アプリケーションへドラッグ&ドロップ等の操作により取り込む(S1802)。これにより、ホスト10の表示部1040に表紙データのテンプレート画像が表示される。
【0101】
次に、オペレータは編集用アプリケーション40を操作して、表紙データの内容を表示部1040上で確認し、必要に応じてテンプレート画像を編集する。制御部1010はオペレータが編集用アプリケーション40にて編集する操作をしたか否かを判断する(S1803)。編集する操作をしたと判断した場合は、その編集内容を作成し、記憶部1030のRAM1030−1に保存している表紙データに反映する(S1804)。その後、ステップS1803に戻る。
【0102】
一方、ステップ1803で、制御部1010が、オペレータは編集する操作をしていないと判断した場合は、オペレータが表紙データをファイルに保存する操作をしたか否かを制御部1010は判断する(S1805)。ファイルに保存する操作をしたと判断した場合、不図示のファイル保存ダイアログをホスト10の表示部1040に表示し、オペレータに¥MaskManager¥Coverフォルダの指定及び任意のファイル名の入力を促す。そして、入力された情報に従い表紙データを保存し(S1806)、本処理を終了する。
【0103】
一方、ステップS1805で、オペレータが表紙データをファイルに保存する操作をしていないと判断した場合はステップS1803に戻ってその後の処理を継続する。
【0104】
以上により、表紙データが作成される。なお、本発明において、表紙データの作成処理は必須の構成ではないが、表紙を設けることによって、資料の管理が容易になることや美観の向上といった副次的な効果を生み出すことができる。
【0105】
なお、あらかじめ用意した表紙データのテンプレートを利用せずに、他の任意のアプリケーション及びシステムにより任意の表紙データを作成し¥MaskManager¥Coverフォルダへ格納することも可能である。
【0106】
〔資料データ作成処理〕
次に、本発明における文書管理システムにおける第3のデータ処理手順である、資料データ作成手順について説明する。
【0107】
図19は、本発明に係る文書管理システムにおける資料データ作成処理状態及び印刷処理を説明する構成図である。本図において、太い矢印はデータの流れを示す。なお、本処理は、資料作成用アプリケーション30と編集用アプリケーション40を利用した処理に対応する。
【0108】
図20〜図27は、本発明に係る文書管理システムにおける第3のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。これらフローチャートの各処理は、図1に示したホスト10の制御部1010が実行するデータ処理手順(印刷データの作成手順)に対応する。なお、後に説明する図21〜図27におけるフローチャートでは、図20の各ステップの詳細な処理について記載したものである。また、図20中のS2001〜S2008は各ステップを示す。
【0109】
図20のステップS2001では、オペレータが申請書類(原本)の電子化作業を行う。ここでは、スキャナを用いて紙の書類を読み込むことにより電子化を行う(詳細は図21に示す)。なお、既に電子化されたデータが存在する場合は、ステップS2001の作業は不要である。
【0110】
ステップS2002では、資料作成用アプリケーション30を自動または手動で起動する。そして、上述したマスク位置パターンデータやフォームの情報を取得し、資料作成用アプリケーション30の管理情報として登録処理を行う(詳細は図22に示す)。
【0111】
ステップS2003では、資料作成用アプリケーション30のユーザインタフェースをオペレータが操作することにより、資料作成に関する各種の設定作業を行う(詳細は図23に示す)。
【0112】
ステップS2004では、作成される資料の保存ファイル名をオペレータが入力する。入力の完了後、資料作成用アプリケーション30は、ユーザインタフェースで指定された原本データに対して、資料作成の第1の前処理を行う(詳細は図24に示す)。ここでの前処理とは、原本データに含まれている白紙データの検出と除去である。
【0113】
ステップS2005では、資料作成の第2の前処理として、原本データの向きや順序を補正する処理を行う(詳細は図25,図26に示す)。
【0114】
ステップS2006では、事前に作成されたマスク位置パターンデータを原本データに適用する処理と、マスクが適用されたデータの保存処理を実行する(詳細は図27に示す)。
【0115】
ステップS2007では、ステップS2006で保存されたデータに対して、オペレータが編集用アプリケーション40を利用して、マスク位置の調整や任意のマスク付与処理を実行する。このステップS2007における作業は必要に応じて実行される任意の処理である。
【0116】
ステップS2008では、上記の各ステップを実行することで作成されたデータの印刷処理を行うための印刷指示を実行する。
【0117】
続いて、図20の各ステップの詳細な処理を、図21〜図27及び図36を用いて説明する。
【0118】
まず、図21を用いて、図20のステップS2001で示した電子化作業について説明を行う。なお、図21中のS2101〜S2103は各ステップを示す。
【0119】
審査資料の作成にあたり、オペレータが紙の申請書類(原稿)を複合機20の読み取り部2050の原稿台に置く。
【0120】
原稿台に原稿が載置されると、複合機20の制御部2010はこの原稿を検知する(S2101)。次に、オペレータが印刷部2040にて送信先としてホスト10の任意のフォルダ(本実施形態ではディレクトリ¥MaskManager¥Send)を指定する。複合機20の制御部2010は、フォルダ指定の操作を検知し(S2102)、スキャンの実行を指示する。
【0121】
複合機20の制御部2010はスキャン処理を開始し、電子データ化した申請書類データ(原本データ)を複合機20の記憶部2030のディスク装置2030−3上に作成する。なお、申請書類は複数枚の用紙からなる1セットを載置する形態や、複数のセットを同時に載置する形態が考えられるが、本発明にはおいては特に載置の形態は問わない。但し、本発明特有の効果として、複数のセットに対して一括してマスク処理及び資料データ作成処理が可能であることが挙げられるため、ここでは複数のセットを載置する形態を前提として説明を行う。
【0122】
なお、ここでは、電子データ化された原本データは、図28に示すようなデータとして説明を行う。
【0123】
図28に示す原本データのイメージについて説明する。原稿セット1(1ページ目から3ページ目)は正常なデータである。原稿セット2(4ページ目から6ページ目)は4ページ目の原稿が天地逆さまの状態でスキャンされた様子を示すものである。原稿セット3(7ページ目から9ページ目)は8ページ目の原稿が裏の状態でスキャンされた様子を示すものである。原稿セット4(10ページ目から12ページ目)は10ページ目と11ページ目の原稿の順序が入れ替わった状態でスキャンされた様子を示すものである。原稿セット5(13ページ目から15ページ目)は13ページ目の原稿が、本来必要ではない、または別の異なるフォームになってしまった状態でスキャンされた様子を示すものである。
【0124】
以下、図21のフローチャートの説明に戻る。
【0125】
複合機20の制御部2010は、ホスト10の記憶部1030のディスク装置1030−3にあるディレクトリ¥MaskManager¥Sendフォルダへ原本データを送信する(S2103)。
【0126】
なお、複合機20のスキャン機能を使用せずに他のスキャナ等で申請書類を電子データ化した原本データを作成して、同様のディレクトリ¥MaskManager¥Sendフォルダへ格納することも可能である。
【0127】
同様に、他の任意のアプリケーション及びシステムを用いて、申請書類と同様なフォーマットのデータを作成し、そのアプリケーションデータを原本データとして¥MaskManager¥Sendフォルダへ格納することも可能である。
【0128】
次に、図22を用いて資料作成用アプリケーション30によるフォーム登録の処理について説明を行う。この処理は図20のステップS2002で説明した処理に対応する。なお、図22中のS2201〜S2211は各ステップを示す。
【0129】
図21で説明した原本の電子化処理が終了し、ホスト10の所定のフォルダに原本データが入力された段階から説明を開始する。まず、ステップS2201において、ホスト10の制御部1010は、オペレータの操作に応じて資料作成用アプリケーション30を起動し、図29に示すようなダイアログを表示部1040に表示する。
【0130】
図29は、図1に示した表示部1040に表示される資料作成用アプリケーション30による操作ダイアログの一例を示す図である。
【0131】
図29に示すように、本実施形態では、原本スキャンデータ,原本用紙サイズ,マスク位置パターン,表紙データ,資料の体裁,処理済み原本データが特別に関連づけられていない状態で一覧表示されている。
【0132】
オペレータは、これらのデータをプレビューすることにより、マスク位置パターンデータや表紙データの内容を確認することが可能である。プレビューするための具体的操作は本発明の本質ではないため、説明を省略する。なお、BT1は表示更新ボタン、BT2は資料作成ボタンである。また、TVEは頁情報を表示するためのツリービュー領域、PVEはファイルの内容を表示するためのプレビュー領域、FNは表示されるファイル名である。
【0133】
以下、図22のフローチャートの説明に戻る。
【0134】
ホスト10の制御部1010は資料作成用アプリケーション30が対象とする図11に示したフォルダを検索し、存在するファイルの情報を収集する。収集されたファイル情報をホストの記憶部1030のRAM1030−1に保存し、その情報を図29に示すダイアログに反映させ、表示する(S2202)。
【0135】
具体的には、ホスト10の制御部1010は「送信先」(「Send」)フォルダのファイルを検索し、存在するファイルのステータスを確認する。
【0136】
ここで、ホスト10の制御部1010は複合機20からの原本データの送信が完了し、ファイル生成処理が終了しているステータスのファイルを認識した場合、そのファイルを「原本スキャンデータ」(「Scan」)フォルダへ移動する。
【0137】
なお、ホスト10の制御部1010は複合機20からの送信が完了し、ファイル生成処理が終了していないステータスの原本データファイルを認識した場合、そのファイルの移動処理は行わない。
【0138】
資料作成用アプリケーション30は「送信先」(「Send」)フォルダを表示対象としていないため、当然ながら、「送信先」フォルダに保存されているファイルをオペレータが選択することはない。このため、原本データファイルの生成が終了していないファイルを用いて資料を作成する状況が発生しない。これにより、作成する資料の確実性を向上させることが可能になる。
【0139】
続いて、ホスト10の制御部1010は「原本スキャンデータ」(「Scan」)フォルダの内容を原本スキャンデータリストボックスに、「処理済み原本データ」(「Scan−Store」)フォルダの内容を処理済み原本データリストボックスに、「マスク位置パターン」(「Mask」)フォルダの内容をマスク位置パターンリストボックスに、「表紙データ」(「Cover」)フォルダの内容を表紙データリストボックスにそれぞれ表示する。ここでの内容とは各フォルダに登録されているファイル名であることが好適である。
【0140】
ステップS2202の処理が終了すると、処理はステップS2203に移行する。
【0141】
ステップS2203において、ホスト10の制御部1010はMaskフォルダに存在する任意のマスク位置パターンデータのファイル名を取得する。ここで取得するマスク位置パターンデータは、上述したマスク位置パターンデータ作成処理において作成されたものである。
【0142】
そして、ステップS2204において、ホスト10の制御部1010は、取得したマスク位置パターンデータのファイル名をもとに、図30に示すマスク位置パターン情報テーブルを参照し、ステップS2205に進む。
【0143】
なお、マスク位置パターン情報テーブルそのものが存在しない場合、ステップS2204において、ホスト10の制御部1010は、図30に示すようなデータ構造で、内部データが存在しない形態で、空のマスク位置パターン情報テーブルをホスト10の記憶部1030のディスク装置1030−3に作成する。
【0144】
図30は、図1に示したホスト10の記憶部1030内のディスク装置1030−3に生成・記憶されるマスク位置パターン情報テーブルの一例を示したものである。
【0145】
図30に示すように、マスク位置パターン情報テーブルには、マスク位置パターンデータのファイル名と、そのファイルに対応するフォームを識別するためのID(フォームID)との対応付けがなされている。フォームIDについては後述する。
【0146】
以下、図22のフローチャートの説明に戻る。
【0147】
ホスト10の制御部1010は、マスク位置パターン情報テーブルに対象とするマスク位置パターンのファイル名が存在するか否かを判断する(S2205)。マスク位置パターンのファイル名が存在すると判断された場合は、ステップS2211に進む。マスク位置パターン情報テーブルに、対象とするマスク位置パターンデータのファイル名が存在しないと判断した場合、ステップS2206に進む。
【0148】
次に、ステップS2206において、ホスト10の制御部1010は、マスク位置パターンデータのファイルのフォーム認識処理を行い、フォーム情報を取得する。
【0149】
なお、フォーム認識の方法は公知の技術であり、本願発明の本質ではないため、詳細の記述を行わない。
【0150】
ホスト10の制御部1010はフォーム認識情報をもとに、図31に示すフォーム情報テーブルを参照する(S2207)。なお、フォーム情報テーブルが存在しない場合、ホスト10の制御部1010は、図31に示すようなデータ構造で、かつ内部データが存在しない形態で、空のフォーム情報テーブルをホスト10の記憶部1030のディスク装置1030−3に作成する。
【0151】
図31は、図1に示したホスト10の記憶部1030内のディスク装置1030−3に作成・記憶されるフォーム情報テーブルの構成の一例を示したものである。
【0152】
図31に示したように、フォーム情報テーブルには、フォーム毎に付されたフォームID、フォームの各ページに付されたフォームページID、フォームの各ページのフォーム情報を示すフォームページ情報の対応付けがなされている。
【0153】
フォームとは申請書類のフォーマットを指すものであり、フォームIDはフォーマット毎に付与された一意の情報である。この文書管理システムを利用して資料を作成するにあたり、複数の申請書類フォーマットが存在する場合は、それらに異なるフォームIDが付与されている。
【0154】
図31を例にとると、フォームIDが1から4まであることから、フォーム情報テーブルには4種類の申請書類フォーマットが登録されていることがわかる。また、フォームID1に対応づけられたフォームページIDとして1から3が付与されている。これは即ち、フォームID1として登録された申請書類は3ページから構成されたものであることを示している。そしてフォームページIDが付与された各ページに、そのページの情報が関連付けられて記憶されている。例えば、フォームIDが1で、フォームページIDが1の申請書類ページは、サイズがA4、向きはP(ポートレイト)、このページに定義された申請事項の記入領域を示すセルT1は座標(X11、Y11、X12、Y12)などというように構成されている。
【0155】
従って、図30に示したマスク位置パターン情報テーブルと図31のフォーム情報テーブルにより、記憶される各マスク位置パターンデータのファイルと、フォーム情報との対応付けがなされることになる。
【0156】
例を挙げると、上述したフォームIDが1の申請書類には、マスク位置パターンデータとして、No.01として規定された「マスク位置−A4A4A3−基本.iwd」ファイルが対応することがわかる。なお、ファイル名称はオペレータによって任意に名づけられたものである。
【0157】
以下、図22のフローチャートの説明に戻る。
【0158】
ステップS2208において、制御部1010は、ステップS2206で行った、マスク位置パターンのフォーム認識結果に基づいて、マスク位置パターンと同一のフォーム情報がフォーム情報テーブルに存在するか否かを判断する。マスク位置パターンと同一のフォーム情報がフォーム情報テーブルに存在すると判断した場合には、ステップS2210に進む。このステップでの判断は、フォーム情報テーブルに規定された各フォーム情報と、読み込まれた申請書のフォーム認識結果との比較によって行われる。
【0159】
一方、ステップS2208で、制御部1010が、マスク位置パターンと同一のフォーム情報がフォーム情報テーブルに存在しないと判断した場合には、ステップS2209に進む。なお、上述したステップS2206でフォーム情報テーブルそのものが存在せず、新たに空のフォーム情報テーブルを作成した場合には、ステップS2208において、マスク位置パターンと同一のフォーム情報がフォーム情報テーブルに存在しないと制御部1010が判断し、ステップS2209に進む。
【0160】
ステップS2209において、制御部1010は、フォーム認識で取得したマスク位置パターンのフォーム情報を、新規のフォーム情報として新規のフォームIDを設けてホスト10の記憶部1030のディスク装置1030−3に存在するフォーム情報テーブルに、図31に示したような形態で保存(登録)し、ステップS2210に移行する。
【0161】
次に、ステップS2210において、制御部1010は、マスク位置パターンのファイル名と当該マスク位置パターンのフォーム情報と同一のフォームIDを、ホスト10の記憶部1030のディスク装置1030−3に存在するマスク位置パターン情報テーブルに、図30に示すような形態で保存(登録)する。その後、ステップS2211に進む。
【0162】
次に、ステップS2211において、制御部1010は、全てのマスク位置パターンのファイルを認識したか否かを判断する。全てのマスク位置パターンのファイルを認識していないと判断した場合は、ステップS2203に戻る。
【0163】
一方、ステップS2211で、全てのマスク位置パターンのファイルを認識したと判断した場合、以上の処理を終了する。そして、オペレータからの図29に示したダイアログへの指示を待機する。
【0164】
以上のステップS2201〜S2211の処理により、オペレータは意識的にフォームを登録する作業を行う必要はなく、資料作成アプリケーション30が起動した際、マスク位置パターンのファイルと、その対象となるフォーム情報が関連付けられて自動的に登録されることになる。以降、フォームが異なる新規の申請書に対してマスク処理を行う場合も、その新規申請書用のマスク位置パターンファイルを図12に示した作業手順にて作成することにより、新規に対象となるフォームが自動登録されることになるため作業効率が向上する。
【0165】
また、従来技術にあるように図29に示した資料作成用アプリケーション30のダイアログに登録ボタンを設けて、手動にて任意のマスク位置パターンのファイルとそのフォーム情報を指定し、それらを関連付けて登録することも可能である。
【0166】
続いて、図23を用いて資料作成用アプリケーション30によるユーザインタフェースを用いた資料作成処理について説明を行う。この処理は図20のステップS2003で説明した処理に対応する。なお、図23中のS2301〜S2319は各ステップを示す。
【0167】
まず、ステップS2301において、図29に示すダイアログにて資料を作成するための原本データが選択されたか否か判断する。なお、ここで言う原本データとは、原本スキャンデータリストボックス及び処理済み原本データリストボックスに表示しているファイルを指す。
【0168】
なお、原本スキャンデータリストボックスに表示しているファイルを選択し、図29における資料作成ボタン(ボタンBT2)を押下した場合、ホスト10の制御部1010は選択されているファイルを「処理済み原本データ」(「Scan−Store」)フォルダへ自動的に移動する。以降、そのファイルは原本スキャンデータリストボックスに表示される。
【0169】
これにより、オペレータのファイル移動の作業を軽減することが可能である。
【0170】
また、自動的にファイルが表示される領域(区分)が変更されるため、資料未作成原本データと資料作成済み原本データを容易に判別することが可能となり、オペレータのファイル選択操作ミスを回避することが可能となる。さらに、一度作成した資料を再度作成する場合の検索性を向上させることが可能となる。
【0171】
ステップS2301で、原本データが選択されたと制御部1010が判断した場合、資料を作成する原本データの情報をホスト10の記憶部1030のRAM1030−1に保存し(S2302)、次のステップ(S2303)に移る。
【0172】
一方、ステップS2301で、オペレータによって原本データが選択されていないと判断した場合、制御部1010は、図29に示すダイアログにて原本データの用紙サイズの組合せが選択されたか否か判断する(S2303)。原本データの用紙サイズの組合せが選択されたと判断した場合、原本データの用紙サイズの組合せの情報をRAM1030−1に保存し(S2304)、ステップS2305に移る。
【0173】
なお、本実施形態では、原本データの用紙サイズの組合せは、例えば「A4片面+A4片面+A3片面」、「A4片面+A4片面+A4片面+A4片面」、「A4片面+A4片面+A4両面」などを挙げているが、他の用紙サイズの組合せでも本発明を適用することは可能である。
【0174】
一方、ステップS2303で、原本データの用紙サイズの組合せが選択されていないと制御部1010が判断した場合、図29に示すダイアログにてマスク位置パターンのデータが選択されたか否かを判断する(S2305)。マスク位置パターンのデータが選択されたと制御部1010が判断した場合、マスク位置パターンのデータの情報をRAM1030−1に保存し(S2306)、次のステップ(S2307)に移る。
【0175】
一方、ステップS2305で、制御部1010がマスク位置パターンのデータが選択されていないと判断した場合、図29に示すダイアログにてマスク位置パターンのデータのプレビューボタンが選択されたか否か判断する(S2307)。マスク位置パターンデータのプレビューボタンPVB1が選択されたと制御部1010が判断した場合、制御部1010はRAM1030−1にマスク位置パターンのデータの情報が保存してあるか否かを判断する(S2308)。制御部1010がマスク位置パターンのデータの情報が保存されていないと判断した場合、次のステップ(S2310)に移る。
【0176】
一方、ステップS2308で、制御部1010がマスク位置パターンのデータの情報が保存してあると判断した場合、RAM1030−1に保存してあるマスク位置パターンのデータの情報(ファイル名等)を取得する。そして、ツリービュー領域TVEにページ情報を表示し、プレビュー領域PVEにファイルの内容を表示する。また、プレビュー領域の下部の位置にファイル名FNを表示し(S2309)、ステップS2310に移る。
【0177】
なお、プレビュー領域PVEにはフォームデータの内容に加えマスクデータも表示可能である。そして、ツリービュー領域TVEにおけるページ情報をマウス等の入力部1070により切り替えることにより、プレビュー内容を切り替えることが可能である。また、マスク位置パターンデータが複数ページで構成されている場合、各ページのマスクデータを確認することが可能である。
【0178】
ステップS2307で、マスク位置パターンのデータのプレビューボタンが選択されていないと制御部1010が判断した場合、図29に示すダイアログにて表紙データが選択されたか否かを判断する(S2310)。表紙データが選択されたと制御部1010が判断した場合、表紙データの情報をRAM1030−1に保存し(S2311)、次のステップ(S2312)に移る。
【0179】
一方、ステップS2310で、表紙データが選択されていないと制御部1010が判断した場合、制御部1010は図29に示すダイアログ画面上にて表紙データのプレビューボタンが選択されたか否かを判断する(S2312)。表紙データのプレビューボタンが選択されたと制御部1010が判断した場合、RAM1030−1に表紙データの情報が保存してあるか否かを判断する(S2313)。ここで、表紙データの情報が保存されていないと制御部1010が判断した場合、次のステップ(S2315)に移る。
【0180】
一方、ステップS2313で、表紙データの情報が保存してあると制御部1010が判断した場合、RAM1030−1に保存してある表紙データの情報(ファイル名等)を取得し、ツリービュー領域TVEにページ情報を表示する。また、プレビュー領域PVEに当該ページの内容(イメージ)を表示する。さらに、プレビュー領域の下部の位置にファイル名を表示し(S2314)、ステップS2315に移る。
【0181】
一方、ステップS2312で、表紙データのプレビューボタンが選択されていないと制御部1010が判断した場合、図29に示すダイアログにて資料の体裁が選択されたか否かを判断する(S2315)。ここで、資料の体裁が選択されたと制御部1010が判断した場合、資料の体裁の情報をRAM1030−1に保存し(S2316)、ステップS2317に移る。
【0182】
なお、本実施形態における資料の体裁は、例えばA3ダブルステイプル、A3ステイプルなし、A4ダブルステイプル等を例として使用するが、他の資料の体裁でも本発明を適用することは可能である。
【0183】
一方、ステップS2315で、資料の体裁が選択されていないと判断した場合、図29に示すダイアログにて表示更新ボタンBT1が押下されたか否かを制御部1010が判断する(S2317)。制御部1010が表示更新ボタンBT1が押下されたと判断した場合、資料作成用アプリケーション30が対象とするフォルダを検索し、存在するファイルの情報を収集する。そして、収集した情報をRAM1030−1に保存し、その情報をダイアログに反映し(S2318)、ステップS2319に移る。
【0184】
一方、ステップS2317で、表示更新ボタンBT1が選択されていないと制御部1010が判断した場合、図29に示したダイアログにて資料作成ボタンBT2が選択されたか否かを判断する(S2319)。資料作成用ボタンBT2が選択されたと制御部1010が判断した場合は、次の処理に移るため、図23に示した資料作成の各種指定処理を終了する。
【0185】
一方、ステップS2319で、資料作成用ボタンBT2が選択されていないと制御部1010が判断した場合、図23のフローのステップS2301へ戻って処理を継続する。
【0186】
次に、図24を用いて資料作成用アプリケーション30によるファイル保存処理及び白紙データ検出・除去処理について説明を行う。この処理は図20のステップS2004で説明した処理に対応する。なお、図24中のS2401〜S2411は各ステップを示す。
【0187】
図23のステップS2319にて、資料作成用ボタンBT2がオペレータによって押下された場合、制御部1010は不図示のファイル保存ダイアログをホスト10の表示部1040に表示し、オペレータに資料のデータを保存するフォルダの指定及び任意のファイル名の入力を促す(S2401)。そして、オペレータは資料のデータを保存するフォルダの指定及び任意のファイル名を入力する(S2402)。
【0188】
次に、制御部1010は記憶部1030のRAM1030−1に保存している資料の体裁の情報及び資料作成用アプリケーション30の内部に存在する図32に示す出力体裁情報テーブルを参照し、出力体裁参照ファイルを特定する(S2403)。
【0189】
図32は、図1に示した記憶部1030のRAM1030−1に保存している出力体裁情報テーブルの一例を示す図である。
【0190】
ここでは資料の体裁の情報として「A3ダブルステイプル」が保存されており、出力体裁情報テーブルから出力体裁参照ファイルとして「A3DoubleStaple.dat」が特定されたこととして図24のフローチャートの説明を行う。
【0191】
次に、制御部1010は出力体裁参照ファイル「A3DoubleStaple.dat」を参照し出力体裁の情報を取得する。そして、制御部1010は取得した情報を反映したデータを作成し、ステップS2402にてオペレータが指定したフォルダ及びファイル名を用いて、資料のデータとしてのファイルを記憶部1030のディスク装置1030−3に保存する(S2404)。
【0192】
次に、制御部1010はRAM1030−1に保存している原本データの情報を参照し、資料を作成する原本データのファイルを特定し、ステップS2404で保存した資料のデータとともに読み込む(S2405)。
【0193】
ここでは原本データの情報として「200301230127.pdf」が保存されており、そのファイルの内容が資料のデータとともに読み込まれたことにする。
【0194】
そして、制御部1010は記憶部1030のRAM10030−1に保存している原本データの用紙サイズの組合せの情報を参照し、情報がA4片面+A4片面+A4両面であるか否かを判断する(S2406)。
【0195】
原本データの用紙サイズの組合せの情報がA4片面+A4片面+A4両面であると制御部1010が判断した場合、以後説明する不要ページを削除する処理に使用する変数Dに「2」を設定する(S2407)。
【0196】
次に、制御部1010は白紙ページであるD番目のページデータを削除し(S2408)、制御部1010は白紙ページであるD+1番目のページを削除する(S2409)。
【0197】
次に、制御部1010は変数Dに「4」を加え(S2410)、D番目のページが存在するか否かを判断して(S2411)、制御部1010はD番目のページが存在すると判断した場合、ステップS2408に戻る。
【0198】
このようにして、上記ステップS2408〜ステップS2411を繰り返すことにより原稿が複数セットあった場合でも全ての白紙ページを自動的に削除することが可能であり、効率的である。
【0199】
一方、制御部1010はステップS2411においてD番目のページが存在しないと判断した場合、これらの処理を終了し、次の処理に移る。
【0200】
また、制御部1010がステップS2406において、原本データの用紙サイズの組合せの情報がA4片面+A4片面+A4両面でないと判断した場合も、これらの処理を終了し、次の処理に移る。
【0201】
続いて、図25,図26を用いて資料作成用アプリケーション30による原本データの向きや順序を補正する処理について説明を行う。この処理は図20のステップS2005で説明した処理に対応する。なお、図25,図26中のS2501〜S2524は各ステップを示す。
【0202】
まず、ホスト10の制御部1010はマスク処理に使用するマスク位置パターンのデータのページ番号を示す変数のMに初期値として「1」を設定し、同様に、資料のデータのページ番号を示す変数Nに初期値として「1」を設定する(S2501)。
【0203】
次に、制御部1010は記憶部1030のRAM1030−1に保存しているマスク位置パターンデータの情報を参照し、マスク位置パターンのデータを特定する(S2502)。
【0204】
ここでは、原本データの情報として「マスク位置−A4A4A3−基本.iwd」が保存されており、そのファイルの内容は、図16に示すファイル内容であるとする。
【0205】
次に、ステップS2503において、制御部1010は、記憶部1030のディスク装置1030−3に保存されているマスク位置パターン情報テーブル(図30)を参照し、ステップS2502で特定したマスク位置パターンのフォームIDをパラメータとしてのFIDに設定する。ここでは、FIDのデータとして「1」が設定されたとする。
【0206】
制御部1010は、フォームID FIDとフォームページID M(マスク位置パターンデータのページ番号)を取得し(S2504)、フォーム情報テーブル(図31)から帳票認識の対象となるフォーム情報を特定する。
【0207】
次に、制御部1010は資料のデータのページであるNページ目のデータ(上記資料のデータ内に読み込まれた原本データ)に対して、ステップS2504にて特定したフォーム情報を用いて帳票認識を行う(S2505)。次のステップS2506でフォームが同一であるか否かを判断し、フォームが同一であると判断した場合、ステップS2514へ移行する。
【0208】
一方、ステップS2506で、制御部1010がフォームは同一ではないと判断した場合、上記資料のデータ内に読み込まれた原本データのNページがフォームに対して天地が逆さまか否かを判断する(S2507)。図28に示した例では、4ページ目(N=4、M=1)は天地が逆さまであると判断される。
【0209】
ステップS2507で、制御部1010が天地が逆さまであるページと判断した場合、上記資料のデータ(上記資料のデータ内に読み込まれた原本データ)のページ画像を180度回転させて保存し(S2508)、ステップS2513へ移行する。
【0210】
ステップS2513において、制御部1010は、認識結果と処理内容を図33に示すように記憶部1030のディスク装置1030−3に記憶されるログファイル(存在しない場合は作成する)内に保存し、S2514に移る。この場合、ページ番号、天地が逆さまであることを検知したこと及び自動補正した内容を保存する。
【0211】
図33は、本発明に係る文書管理システムにおけるログファイルの一例を示す模式図である。
【0212】
一方、ステップS2507において、制御部1010が、上記資料のデータ内に読み込まれたデータがフォームに対して天地逆さまでないと判断した場合、ステップS2509に移行する。ステップS2509では、上記資料のデータ内に読み込まれた原本データが白紙であるか否かを判断する。図28に示した例では、8ページ目(N=8、M=2)は白紙であると判断される。
【0213】
ステップS2509において、制御部1010が、上記資料のデータ内に読み込まれた原本データが白紙であると判断した場合、ステップS2509においてホスト10の制御部1010は認識結果と処理内容を図33に示すように記憶部1030のディスク装置1030−3のログファイルに保存する。この場合、ページ番号、白紙を検知したこと及び補正を実行していないことを保存する。
【0214】
ステップS2509において、制御部1010が、上記資料のデータ内に読み込まれた原本データが白紙でないと判断した場合、ステップS2510に移行する。
【0215】
ステップS2510においては、フォームID FIDを構成する他のフォームと同一か否かを制御部1010が判断する。フォームID FIDを構成する他のフォームと同一であると判断した場合、制御部1010は、図34に示すようなフォーム異常管理テーブルをディスク装置1030−3に保存する(S2512)。
【0216】
図34はフォーム異常管理テーブルの構成の一例を示す図である。図28に示した例を用いて説明すると、10ページ目(N=10、M=1)の場合、制御部1010はフォームID FIDである「1」を構成する他のフォームページIDが「2」,「3」であることをフォーム情報テーブルから特定し、M=2及びM=3のフォーム情報を特定し帳票認識を順次行い判断する。この例では、制御部1010は、10ページ目がフォームID FID(=1)を構成する他のフォームID(M=2)と同一であると判断する。
【0217】
そして、制御部1010は、この場合、順序不一致のデータとして、ページ番号=10、マスク位置パターンフォームページID=1、原本データフォームID=2を図34に示したフォーム異常管理テーブルに保存する。
【0218】
また同様に、図28における11ページ目(N=11、M=2)の場合では、制御部1010は、フォームID FIDである「1」を構成する他のフォームページIDが「1」,「3」であることをフォーム情報テーブルから特定し、M=1及びM=3のフォーム情報を特定し帳票認識を順次行い判断する。制御部1010は、11ページ目がフォームID FID(=1)を構成する他のフォームID(M=1)と同一であると判断する。
【0219】
その結果として、制御部1010は、図34に示すようなフォーム異常管理テーブルをホスト10の記憶部1030のディスク装置1030−3に保存する(S2512)。この場合、順序不一致のデータとして、ページ番号=11、マスク位置パターンフォームページID=2、原本データフォームID=1を保存する。
【0220】
そして、ホスト10の制御部1010は、認識結果と処理内容を、図33に示すようにログファイルに保存する。この場合、ページ番号、順序不一致を検知した内容を保存する(S2513)。
【0221】
一方、ステップ2510で、上記資料のデータ(上記資料のデータ内に読み込まれた原本データ)がフォームID FIDを構成する他のフォームと同一でないと制御部1010が判断した場合、図示しないステップにおいて、認識結果及び処理内容をログファイルに保存する。この場合、ページ番号、処理を停止した内容を保存する。
【0222】
そして、処理を中止するといった内容のメッセージをホスト10の表示部1040に表示し(S2511)、処理を終了する。
【0223】
具体的には、図28の例を用いて説明すると、13ページ目(N=13、M=1)は、フォームID FID(=1)を構成する他のフォームID(M=1、M=2、M=3)と同一でないと判断される。つまり、関係のないフォーム原稿であり、処理を継続した場合に正常な資料を作成することができないため、オペレータに警告するとともに処理を中断する。
【0224】
続いて、ステップS2514において、制御部1010は、変数M及び変数Nにそれぞれ「1」を加える。
【0225】
次に、ステップS2515において、制御部1010は、RAM1030−1に保存している原本データの用紙サイズの組合せの情報を参照し、情報が「A4片面+A4片面+A3片面」であるか否かを判断する。
【0226】
ステップS2515で、原本データの用紙サイズの組合せの情報が「A4片面+A4片面+A3片面」であると制御部1010が判断した場合、変数Mが「3」より大きいか否かを判断する(S2516)。
【0227】
判断の結果、変数Mが「3」より大きくないと制御部1010が判断した場合、ステップS2504に戻る。一方、変数Mが「3」より大きいと制御部1010が判断した場合はステップS2518に移る。
【0228】
一方、ステップS2515で、原本データの用紙サイズの組合せの情報が「A4片面+A4片面+A3片面」でないと制御部1010が判断した場合は、ステップS2517に移行する。
【0229】
ステップS2517では、制御部1010が、変数Mが「4」より大きいか否かを判断する。変数Mが「4」より大きくないと判断した場合、ステップS2504に戻る。一方、変数Mが「4」より大きいと制御部1010が判断した場合はステップS2518に移る。
【0230】
そして、ステップS2518において、制御部1010は、ディスク装置1030−3にフォーム異常管理テーブルが存在するか否かを判断する。
【0231】
ステップS2518で、フォーム異常管理テーブルが存在すると判断した場合はステップS2519に進む。ステップS2519では、制御部1010はフォーム異常管理テーブルの情報を取得し、上記資料のデータ(上記資料のデータ内に読み込まれた原本データ)のページ順序を入れ替える処理を行った後、このデータを保存する。図示しないステップにおいて、処理内容をログファイル(存在しない場合は作成する)内に保存し、ステップS2520に移行する。この場合、ページ番号、ページ差し替えをした内容を保存する。
【0232】
これにより、フォームに対して原稿データのページ順序が異なる場合、原本データの順序を入れ替えて、原稿データをフォームに合わせることができる。
【0233】
ステップS2518で、フォーム異常管理テーブルが存在しないと制御部1010が判断した場合、ステップS2520に移行する。
【0234】
そして、ステップS2520において、制御部1010は、変数Mに「1」を設定して、ステップS2521に移行する。
【0235】
ステップS2521では、制御部1010がディスク装置1030−3に保存している資料のデータのNページを参照し、Nページ目が存在するか否か判断する。Nページ目が存在すると制御部1010が判断した場合、ステップS2504に戻る。
【0236】
一方、ステップS2521で、Nページ目が存在しないと制御部1010が判断した場合、ステップS2522に進み、制御部1010は、記憶部1030のディスク装置1030−3に新規のログファイルが存在するか否かを判断する。
【0237】
そして、ステップS2522で、新規のログファイルが存在すると制御部1010が判断した場合、ステップS2523に進み、原本データに存在していた問題を補正したといった内容のメッセージダイアログをホスト10の表示部1040に表示し、ステップS2524に移る。
【0238】
ステップS2524において、ホスト10の制御部1010は、マスク処理に使用するマスク位置パターンのデータのページ番号を示す変数のMに初期値として「1」を設定する。同様に、資料のデータのページ番号を示す変数Nに初期値として「1」を設定して、全ての処理を終了する。
【0239】
以上、図25,図26に示した各ステップの処理により、オペレータはダイアログから原本データに問題があったこと、対応可能な問題は自動的に補正処理がされたこと、問題により処理を停止したことのそれぞれを容易に把握することができる。そして、オペレータは、ログファイルを参照することにより、原本データの問題を速やかに解決し、確実な資料作成を円滑に遂行することが可能になる。
【0240】
また、自動的に補正された処理は、編集用アプリケーションにてその結果を確認することが可能である。
【0241】
さらに、白紙検知に関しては問題のページのみを編集用アプリケーションにて本来のページに差し替えることが可能であるため、全ての作業をやり直すことに比べると効率的である。
【0242】
続いて、図27を用いて、資料作成用アプリケーション30による、事前に作成されたマスク位置パターンデータを原本データに適用する処理と、マスクが適用されたデータの保存処理について説明を行う。この処理は図20のステップS2006で説明した処理に対応する。なお、図27中のS2701〜S2710は各ステップを示す。
【0243】
図27のステップS2701において、制御部1010は、ディスク装置1030−3に保存しているマスク位置パターンデータのファイル「マスク位置−A4A4A3−基本.iwd」を参照し、Mページ目に存在するマスクデータの情報を一括して取得する。
【0244】
そして、ステップS2702に進み、制御部1010は、ディスク装置1030−3に保存している資料のデータのNページ目のデータを読み込み、該資料のNページ目のデータに保持しているマスクデータの内容を反映する。
【0245】
続いて、ステップS2703に進み、制御部1010は、変数M及び変数Nにそれぞれ「1」を加える。
【0246】
続いて、ステップS2704に進み、制御部1010は記憶部1030のRAM1030−1に保存している原本データの用紙サイズの組合せの情報を参照し、情報が「A4片面+A4片面+A3片面」であるか否かを判断する。情報が「A4片面+A4片面+A3片面」であると制御部1010が判断した場合はステップS2705に進む。
【0247】
ステップS2705では、変数Mが「3」より大きいか否かを判断する。
【0248】
ステップS2705で、ホスト10の制御部1010は、変数Mが「3」より大きくないと判断した場合、ステップS2701に戻る。一方、変数Mが「3」より大きいと制御部1010が判断した場合はステップS2707に移る。
【0249】
一方、ステップS2704において、情報が「A4片面+A4片面+A3片面」でないと制御部1010が判断した場合は、ステップS2706に進む。ステップS2706では、変数Mが「4」より大きいか否かを制御部1010が判断する。
【0250】
ステップS2706で、変数Mが「4」より大きくないと制御部1010が判断した場合はステップS2701に戻る。一方、変数Mが「4」より大きいと制御部1010が判断した場合、ステップS2707に移る。
【0251】
ステップS2707では、制御部1010が、変数Mに「1」を設定し、ステップS2708に進む。
【0252】
ステップS2708では、制御部1010が記憶部1030のディスク装置1030−3に保存している資料のデータのNページを参照する。そして、制御部1010がNページ目が存在するか否かを判断する。
【0253】
ステップS2708において、制御部1010がNページ目が存在すると判断した場合、ステップS2701に戻る。
【0254】
以上、ステップS2701〜ステップS2708を資料の最終ページまで繰り返すことにより、申請書類の1セットが紙原稿の複数枚から構成され、かつ、このセットが複数存在するような原本データであっても、所定のマスクデータを自動的かつ容易に適用することが可能である。
【0255】
一方、ステップS2708で、制御部1010が、Nページ目が存在しないと判断した場合はステップS2709に進む。
【0256】
ステップS2709では、記憶部1030のディスク装置1030−3に保存している表紙データの情報を参照して表紙データのファイルを特定する。そして、そのページを資料のデータの先頭ページとして読み込む。その後、ステップS2710に移行する。
【0257】
ステップS2710では、制御部1010が資料のデータを記憶部1030のディスク装置1030−3にファイルとして保存する。その後、制御部1010は、保存した資料のデータをホスト10の記憶部1030のRAM1030−1に読み込む。読み込んだファイルの内容をホストの表示部1040に図35に示すようなアプリケーション画面を表示する形態で、編集用アプリケーション40を起動させる。
【0258】
以上により、事前に作成したマスクデータを原本データに適用させる処理が全て終了する。
【0259】
〔審査書類印刷処理〕
続いて、編集用アプリケーション40によって実行可能なマスク位置の調整や任意のマスク付与処理と資料の印刷処理について説明する。なお、これらは図20のステップS2007、ステップS2008に相当する処理である。
【0260】
図35は、編集用アプリケーション40に基づく編集画面の一例を示す図である。編集用アプリケーション40による画面にて、自動的に作成された固定位置のマスクデータの位置、大きさ及び内容を確認し、印刷体裁、レイアウト等を確認することが可能に構成されている。
【0261】
図36は、本発明に係る文書管理システムにおける第4のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。図1に示した複合機20の制御部2010,ホスト10の制御部1010が実行するデータ処理手順(印刷データの作成手順)に対応する。なお、S3601〜S3615は各ステップを示す。
【0262】
まず、ホスト10の制御部1010は、上述したように資料作成用アプリケーション30により作成された資料のデータを図35に示したような編集用アプリケーション40の画面に表示する。この表示によって、マスクデータの位置、大きさ及び内容、印刷体裁、レイアウト等をオペレータが確認する(S3601)。
【0263】
次に、制御部1010は、表示している資料のデータにおいて固定位置のマスクデータの位置、大きさ及び色、面付けの種類等の属性をオペレータが変更したか(固定位置のマスクデータを変更する操作をしたか)否かを判断する(S3602)。ここで、表示している資料のデータにおいて固定位置のマスクデータをオペレータが変更する操作をしたと判断した場合、変更したマスクデータの情報をRAM1030−1に保存し(S3603)、ステップS3604に移る。
【0264】
一方、ステップS3602で、表示している資料のデータにおいて固定位置のマスクデータをオペレータが変更する操作をしていないと制御部1010が判断した場合は、ステップS3604に移る。
【0265】
続いて、ステップS3604において、表示している資料のデータに対して、任意のマスクデータをオペレータが追加したか(任意の位置にマスクデータを追加する操作をしたか)否かを判断する。ここで、オペレータが追加する操作をしたと制御部1010が判断した場合、追加したマスクデータの情報をRAM1030−1に保存し(S3605)、ステップS3606に移る。
【0266】
一方、ステップS3604で、表示している資料のデータに対して、任意のマスクデータをオペレータが追加する操作をしていないと制御部1010が判断した場合、次のステップ(S3606)に移る。
【0267】
次に、ステップS3606において、制御部1010は、表示している資料のデータにおけるマスクデータの表示、非表示を切り替える操作をオペレータが実行したか否かを判断する。これは、マスクされた箇所に存在する画像を目視確認する目的などによって任意に実行される。
【0268】
ここで、オペレータが図37に示すような入力画面を用いて、マスクデータの表示、非表示を切り替える操作をしたと判断した場合、オペレータによる表示、非表示の切り替え操作に合わせてマスクデータの表示、非表示を切り替える処理を制御部1010は実行することで、オペレータは資料の内容の目視確認が実行できる(S3607)。その後、ステップS3608に移る。
【0269】
図37は、印刷設定に関するダイアログの一例を示す図である。図37に示すように、マスクデータの印刷指定のチェックボックスにチェックを行う/チェックを外すことにより、マスクデータの印刷指定/非印刷指定及びマスクデータの表示指定/非表示指定を行うことができる。
【0270】
ここでは、マスクデータを表示の状態に切り替えていることとする。このように、マスクデータを表示、非表示の状態に切り替えて以降の印刷を処理した場合、マスクした資料及びマスクされない資料の両者を容易に切り替えて印刷することが可能である。
【0271】
以下、図36のフローチャートの説明に戻る。
【0272】
ステップS3608において、制御部1010は、表示している資料のデータにおいて、オペレータが印刷処理を実行する操作を行うか否かを判断する。オペレータが印刷を行う操作をした(印刷を行う)と判断した場合、不図示の印刷ダイアログをホスト10の表示部1040に表示する(S3609)。
【0273】
不図示の印刷ダイアログに対して、オペレータは出力先のプリンタ、印刷部数、さらに必要に応じてその他の項目を設定し、印刷実行を指示する。オペレータによる印刷実行の指示入力を検知すると、制御部1010は、プリンタを設定し(S3610)、印刷部数を設定し(S3611)、必要に応じてその他の項目を設定し(S3612)、印刷処理を開始し(S3613)、ステップS3614に移る。
【0274】
一方、ステップS3608で、オペレータが印刷を行う操作をしていない(印刷を行わない)と判断した場合、そのままステップS3614に移る。
【0275】
次に、ステップS3614において、制御部1010は、オペレータが編集用アプリケーション40を終了させる操作をしたか否かを判断し、終了させる操作をしていないと判断した場合、ステップS3602に戻る。
【0276】
一方、ステップS3614で、制御部1010は、オペレータが編集用アプリケーションを終了する操作をしたと判断した場合、編集用アプリケーション40を終了させ(S3615)、処理を終了する。
【0277】
なお、図36のフローチャートには図示していないが、編集用アプリケーション40においてオペレータが保存処理を指示した場合、制御部1010は、編集用アプリケーション40において修正された内容を、ディスク装置1030−3に保存している資料のデータに反映させる処理を行うものとする(なお、上書き保存のみでなく、別名で保存することも可能である)。
【0278】
以上説明したように、ホスト10の制御部1010は、資料作成用アプリケーション30,編集用アプリケーション40をRAM1030−1にロードして実行することで、選択されるマスク位置パターンデータを参照し、入力された原稿データの所定の領域に存在する画像を改変することなく、該所定の領域をマスクした形態で出力データを作成する。
【0279】
その際、前記原稿データの各ページに対してフォーム認識を行う。そして、制御部1010は、該各ページのフォーム認識結果と、マスク位置パターンデータに対応するフォーム情報の各ページのページフォーム情報とがそれぞれ一致するか否かを判定する。制御部1010が一致しないと判定した場合、原稿データを前記フォーム情報と一致させるように各種の編集処理を実行し、出力データを作成する処理を行う。
【0280】
以上説明したように、本発明によれば、整列性に問題がある複数枚の紙原稿であっても、適正にマスク処理された最終出力データを効率よく作成、編集処理できる。
【0281】
また、帳票認識するためのフォームをオペレータが意識的に登録するのではなく、文書管理装置(方法)の起動により自動的に登録されるため、作業効率を格段に向上させることができる等の効果を奏する。
【0282】
さらに、原稿入力処理,原稿登録処理,原稿に対するマスク作成,マスク編集,出力処理等とは別にフォーム登録作業が可能であるため、それぞれ分業することができ、作業効率を格段に向上させることができる等の効果を奏する。
以上のように、オリジナルの原稿画像を改変することなく蓄積管理保持した状態で、必要な箇所に対してのみマスク処理された原稿データを画面上に表示することができ、オペレータが確認作業を行うことが容易となる。また、該マスク指定状況からマスク領域に修正等が必要となっても、容易にマスクデータを修正することができるため、原稿記載状況に適応した適正なマスク処理を実行でき、出力データを効率よく編集処理できる。
【0283】
なお、媒体読取部1060は、FD装置、MO装置、CD−ROM装置、ICメモリカード装置等のどのような媒体読取装置も含むものである。さらに、媒体読み取り部1050が読み取る記録媒体は、HDD、MO、CD−ROM、ICメモリカード等のどのような記録媒体であってもよい。
【0284】
以下、図38に示すメモリマップを参照して本発明に係る文書管理システムで読み取り可能なデータ処理プログラムの構成について説明する。
【0285】
図38は、本発明に係る文書管理システムで読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記憶媒体(記録媒体)のメモリマップを説明する図である。
【0286】
なお、特に図示しないが、記憶媒体に記憶されるプログラム群を管理する情報、例えばバージョン情報,作成者等も記憶され、かつ、プログラム読み出し側のOS等に依存する情報、例えばプログラムを識別表示するアイコン等も記憶される場合もある。
【0287】
さらに、各種プログラムに従属するデータも上記ディレクトリに管理されている。また、各種プログラムをコンピュータにインストールするためのプログラムや、インストールするプログラムが圧縮されている場合に、解凍するプログラム等も記憶される場合もある。
【0288】
本実施形態における図13,図18,図20〜図27,図36に示す機能が外部からインストールされるプログラムによって、ホストコンピュータにより遂行されていてもよい。そして、その場合、CD−ROMやフラッシュメモリやFD等の記憶媒体により、あるいはネットワークを介して外部の記憶媒体から、プログラムを含む情報群を出力装置に供給される場合でも本発明は適用されるものである。
【0289】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するソフトウエアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0290】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0291】
従って、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
【0292】
プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVDなどを用いることができる。
【0293】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0294】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続し、該ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは、圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のオペレータに対してダウンロードさせるWWWサーバやftpサーバ等も本発明の請求項に含まれるものである。
【0295】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してオペレータに配布し、所定の条件をクリアしたオペレータに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0296】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0297】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0298】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【符号の説明】
【0299】
10 ホスト
20 複合機
30 資料作成用アプリケーション
40 資料編集用アプリケーション
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、フォームとして存在する紙原稿を読み取って電子データとし、その電子データを用いて所定の資料を電子的に作成処理するデータ処理装置、及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、国または県、市町村などの自治体が、様々な制度を設け、行政サービスを提供している。これらの制度や行政サービスは、例えば、介護が必要な住民のための介護保険サービスや障害者のための年金制度などである。住民が、こうしたサービスや制度に基づく権利を享受しようとする場合、一般的にサービスを提供している側(サービス提供者)に対して申請を行う必要がある。
【0003】
これらの申請の多くは、専用の申請書類(申請フォーマット)によって行われる。住民は、申請書類に必要事項をペンやワードプロセッサなどのアプリケーションソフトを用いて記入し提出する。サービス提供者は、申請書類を提出した住民(申請者)の申請書類に記載された事項を確認し、申請者がこのサービスを受けることが可能かを審査する。
【0004】
サービス提供者は、申請者からの申請書類を元に審査を行うわけであるが、申請時やサービス提供時には必要だが、審査においては不要な情報や、申請者のプライバシーを保護する観点および適正かつ公平な審査を行う観点から、審査時には秘匿すべき情報が存在している。例えば、申請者の氏名や住所などの個人情報が不要となる場合が多い。
【0005】
そのため、行政サービスに関する住民からの申請書類を審査する場合、申請書類の特定の箇所を書類毎にマスク(隠蔽)した審査用の書類を作成する必要が生じている。具体的には、申請書類を受理した後、それをコピーして複写物を作成する。さらに、その複写物に対してオペレータがマスクすべき箇所を判断し、当該箇所をペンなどで塗りつぶして審査用の書類を作成していた。
【0006】
こうした行為は人為的作業が中心であり非効率である。また、オペレータのミスにより、マスクすべき部分が適切にマスクされていなかった場合は、プライバシーの保護という観点で人権上の重大問題となる恐れがある。さらに、原本と審査書類をそれぞれ管理する必要があるため、情報の管理が煩雑となっている。
【0007】
こうした課題に対して、所定の申請フォーマットに記載された申請書類(原稿)をスキャナを用いて電子データとする、あるいは所定のアプリケーションを用いて電子データとして、審査書類を作成するシステムが特許文献1で提案されている。
【0008】
このシステムは介護保険制度における保険適用審査で用いる資料を作成することを例に挙げている。具体的には、文書(申請書)を構成する書類の定義を記憶部に登録する第1の処理部、前記定義に従って文書を前記記憶部に登録するとともに、当該文書を構成する書類の登録に関する情報を前記記憶部に記録する第2の処理部、書類の出力時にマスクする部分を指示するマスク情報の定義を、文書を構成する書類の定義の1つとして記憶部に登録する第3の処理部とを備える。そして、申請者が記入した申請書をスキャナで読み取ってイメージデータを生成し、このイメージデータに上述したマスク定義を当てはめて隠蔽処理を行うことで、審査を行う際に閲覧するための資料を作成できるように構成されている。
【0009】
一方、情報を一般公開するサービス、ビジネスにおいて、必要に応じた形態に電子データを加工するシステムが特許文献2で提案されている。
【0010】
このシステムでは、PDF文書の特定部分を隠蔽処理することを目的としている。具体的には、原本データ入力部から、文字コードを含むPDFファイルを、原本データとして入力し格納部に格納する。文書表示部により、この原本電子文書(PDFファイル)を表示し、隠蔽領域設定部によって、オペレータが原本電子文書上の一部に隠蔽領域を設定する。この際、隠蔽領域は格納部に格納される。
そして、中間データ作成部が原本データ内の文字コードをビットマップに展開し、その一部をマスクデータで覆うことにより、TIFF形式の中間データを作成する。また、フォーマット変換部によって、中間データを再びPDF形式に戻し、処理済データを格納部に格納する。この結果、オペレータが設定した領域に隠蔽処理が施されたPDFファイルが取得できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2001−101169号
【特許文献2】特開2002−207725号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上記特許文献1で提案されたシステムでは、所定のマスク定義に基づいて、読み取られた原稿イメージデータに対して直接マスク処理を施すものである。そのため、隠されるべき内容が規定の領域からはみ出して記載されている場合は、あらかじめ定義したマスクの位置や形状といった定義そのものを修正する必要が生じる。当然ながら、申請書類は不特定多数の申請者によってそれぞれ記入・作成されるものであり、申請者の記載ミスも様々である。つまり、申請書類が増える程、マスク定義の修正操作処理は煩雑きわまりなく、非効率的である。
【0013】
特に、本システムは、原稿イメージデータに対して直接マスク処理を施すため、一度マスク処理を実行してしまうと、マスク処理される以前の状態へ原稿イメージデータを戻すことができない。つまり、オペレータがマスク処理した領域に本来記載されていた内容を確認しようとしても、それができないということになる。
【0014】
また、申請書類が複数枚から構成される場合、例えば、申請者の個人情報を記入した申請書の他に、納税証明書や医師の診断書などを付与する必要がある場合においては、申請書類のページ順が不適切な順序となっているケースも多く存在する。上記特許文献1に記載の技術では、読み取る申請書類のページ順序が定義された順序と異なっていても、その異なりを認識する点については何ら開示されていない。結果として本公開公報(特許文献1)の技術を単に適用した場合は、オペレータが申請書類を読み取る場合に、申請書類のページ順を全て確認する作業が発生してしまうため、非効率である。さらに、万が一、オペレータがページ順の修正作業でミスを生じた場合は、隠蔽すべき情報が正しくマスクされないケースも考えられ、プライバシーが保護できず、人権上の問題が発生する可能性が高い。
【0015】
また、上記特許文献2で提案されたシステムでは、PDFファイルのテキストデータをマスク処理の対象とすることを前提としたものである。そのため、紙(申請書)をスキャンしたイメージデータに対するマスク処理には不適のシステムである。また、入力された原本データに対してマスク処理をするため、一度マスク処理をしてしまうと隠された領域に存在していた情報の閲覧や取得が不可能となってしまう。
【0016】
即ち、これらの課題は入力される原稿データがどのような状態であっても、その所定の領域や、任意の領域を確実かつ容易にマスク処理することが可能なシステムであり、さらに、情報の管理の容易性や原本保証といった観点において、原稿データ自体にはマスク処理を施さないことで、その原本性を保証することが可能なシステムを提供することで解消できるものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、紙原稿をスキャンすることで得られた原本データを選択する手段と、原本データにマスク処理をするためのマスク位置パターンデータを選択する手段と、前記マスク位置パターンデータのフォーム情報を用いて、前記選択された原本データの天地が逆さまか判定する手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、紙原稿をスキャンすることで得られた原本データにマスク処理をするためのマスク位置パターンデータのフォーム情報を用いて、原本データの天地が逆さまか判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態を示す文書管理システムの構成を説明する図である。
【図2】図1に示した複合機からスキャナ入力される申請書類原稿の一例を示す図である。
【図3】図1に示した複合機からスキャナ入力される申請書類原稿の一例を示す図である。
【図4】図1に示した複合機からスキャナ入力される申請書類原稿の一例を示す図である。
【図5】図1に示した文書管理システムにおける申請書類のデータ加工処理状態を説明する図である。
【図6】本発明に係る文書管理システムのデータの処理形態を説明する図である。
【図7】図1に示した複合機のスキャナにセットされる申請書類(原稿)の用紙サイズの組合せ例を示す図である。
【図8】図1に示した複合機から出力される審査資料の用紙サイズの例を示す図である。
【図9】図1に示した複合機から出力される審査資料の用紙サイズの例を示す図である。
【図10】図1に示した複合機から出力される審査資料の用紙サイズの例を示す図である。
【図11】図1に示したホストの記憶部のディスク部に確保されるフォルダの階層表示例を示す図である。
【図12】本発明に係る文書管理システムにおけるマスク位置パターンデータの作成処理例を説明する図である。
【図13】本発明に係る文書管理システムにおける第1のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図14】図1に示したホストの表示部に表示されるフォームデータの一例を説明する図である。
【図15】図1に示したホストの表示部に表示されるマスク領域設定画面の一例を示す図である。
【図16】図1に示した表示部に表示されるマスク位置パターンのデータの隠蔽状態の一例を示す図である。
【図17】本発明に係る文書管理システムにおける表紙作成処理状態を説明する構成図である。
【図18】本発明に係る文書管理システムにおける第2のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図19】本発明に係る文書管理システムにおける資料作成処理状態を説明する構成図である。
【図20】本発明に係る文書管理システムにおける第3のデータ処理手順の全体の流れを示すフローチャートである。
【図21】第3のデータ処理手順における原稿の電子化処理の一例を示すフローチャートである。
【図22】第3のデータ処理手順におけるフォーム登録の一例を示すフローチャートである。
【図23】第3のデータ処理手順における各種設定処理の一例を示すフローチャートである。
【図24】第3のデータ処理手順における資料データの保存と白紙データの検出及び除去処理の一例を示すフローチャートである。
【図25】第3のデータ処理手順における資料データの天地及び順序の検出と補正処理の一例を示すフローチャートである。
【図26】第3のデータ処理手順における資料データの天地及び順序の検出と補正処理の一例を示すフローチャートである。
【図27】第3のデータ処理手順におけるマスクデータ適用処理の一例を示すフローチャートである。
【図28】図5に示した原本スキャンデータの一例を示す模式図である。
【図29】資料作成用アプリケーションによるダイアログの一例を示す図である。
【図30】マスク位置パターン情報テーブルの構成の一例を示す図である。
【図31】フォーム情報テーブルの構成の一例を示す図である。
【図32】出力体裁情報テーブルの一例を示す図である。
【図33】ログファイルの一例を示す模式図である。
【図34】フォーム異常管理テーブルの構成の一例を示す図である。
【図35】編集用アプリケーションに基づく編集画面の一例を示す図である。
【図36】本発明に係る文書管理システムにおける第4のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図37】マスクデータの設定ダイアログの一例を示す図である。
【図38】本発明に係る文書管理システムで読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記憶媒体のメモリマップを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、本発明の一実施形態を示す文書管理装置を適用可能な文書管理システムの構成を説明する構成図である。本システムは、画像処理を行う複合機20とホスト10がネットワーク等を介して通信可能なシステムに対応する。以降に述べる説明は、図1における複合機20において、紙原稿をスキャンして電子化された原稿データとすること及びその原稿データを任意のホスト10へ送信する機能を有することを前提とする。しかしながら、本発明はこの構成に限定されるものではない。
【0021】
図1において、20は複合機(1台でコピー、プリンタ、FAX等の複数の機能を有する印刷機を称し、以降、プリンタと略す場合もある)である。この複合機20は、後述する図5に示すように、ホスト10及びホスト10に搭載されている資料作成用アプリケーション30、編集用アプリケーション40とともに、申請書類から申請審査資料を作成するために用いられる。なお、資料作成用アプリケーション30、編集用アプリケーション40は、記憶部1030のディスク装置1030−3からRAM1030−1等のワークメモリ上にロードされ、図示しないOSの管理の下でプログラムモジュールとして動作する(制御部1010により実行される)。これらの詳細は後述する。
【0022】
1030は記憶部で、RAM1030−1,ROM1030−2,ディスク装置1030−3から構成される。1010は制御部で、CPUなどで構成されるものであり、RAM1030−1にロードされたモジュール(プログラム)を実行し、ホスト10のデバイスを総括的に制御する。
【0023】
1070は入力部で、キーボード,ポインティングデバイス等で構成される。1050は媒体読み取り部で、フレキシブルディスク1060,CD−ROM、DVD等の各種メディアに記憶された情報を読み取り可能に構成されている。1040は表示部で、各種のアプリケーションに対する設定や実行に必要な指示画面等を適時に表示する。1020は接続部で、複合機20の接続部2020と所定のプロトコルで通信可能に構成されている。
【0024】
複合機20において、2010は制御部で、CPU等で構成されるものであり、記憶部2030のRAM2030−1にロードされた各種のモジュール(プログラム)を実行して、印刷部2040のプリント処理,読み取り部2050のスキャン処理,FAX部2070のデータ送受信処理,操作部2060からの入力やユーザインタフェースの表示処理等を総括的に制御する。
【0025】
なお、記憶部2030はRAM2030−1,ROM2030−2,ディスク装置2030−3等から構成されている。なお、印刷部2040には、各種のオプション装置を接続可能で、例えばステイプルソータなどのフィニッシング装置を装着できる。また、読み取り部2050には、各種の原稿搬送装置(ADF,RDF)を接続して、申請書類の原稿画像を自動的にスキャンすることが可能に構成されている。
【0026】
なお、ホスト10の記憶部1030のディスク装置1030−3上に、例えば特定の名称でフォルダとして確保管理されるディレクトリに読み取り部2050から読み取られる申請書類の電子データが特定ファイルに変換されて記憶管理される領域が確保される。
【0027】
さらに、申請書類原稿は、図2〜図4に示すように所定のフォーマットがあらかじめ印刷されたフォーム形式を有しており、該フォームに申請者が必要な事項をすでに記入しているものとする。
【0028】
図2〜図4は、図1に示した複合機20からスキャナ入力される申請書類原稿のフォームの一例を示す図である。なお、本実施形態では申請書類の一例として介護保険申請用の書類をフォームとして用いることにする。しかし、本発明が適用される範囲は本実施形態の記載や上述した〔背景技術〕の欄で説明に用いた例によって限定されるものでない。また、本発明は、何らかの申請処理における、審査書類作成処理に対してのみ適用されるものでもない。
【0029】
なお、図2は、介護保険に関する医者の所見を記載する主治医意見書記載フォームである。また、図3は、介護保険に関する介護認定者が被保険者の身体状況を調査するための認定調査票フォームである。さらに、図4は、介護保険に関する被保険者に対する調査項目一覧フォームである。なお、これらのフォームの種類や内容については本発明の本質とは何ら関係しない。
【0030】
また、本実施形態では、後述する資料作成用アプリケーション30,編集用アプリケーション40とが連動して、申請書類の項目中の特定の項目をマスクした審査資料を作成することを目的としている。しかし、本発明は審査資料の作成に限定されるものではない。本発明は、入力されたデータの所定の領域の隠蔽処理が必要となる状況であれば適用可能なものである。
【0031】
続いて、文書管理を行うシステムにおける処理を、その処理順序に従って説明する。
【0032】
図5は、図1に示した文書管理システムにおける申請書類のデータ加工処理状態を説明する図である。図中の太い矢印はデータの流れを示す。なお、図1と同一のものには同一の符号を付してある。
【0033】
図5において、60はスキャンデータである。より具体的には、複合機20の読み取り部2050のスキャナ機能でイメージファイル化された申請書類原稿90である。このスキャンデータ60は所定のファイル形式、例えば米国のアドビシステム社が開発したPDFファイル形式などに変換されたデータである。
【0034】
70は印刷データである。詳細は後述するが、この印刷データ70は、ホスト10の制御部1010により実行される資料作成用アプリケーション30,編集用アプリケーション40によりデータ加工処理がなされて、任意の領域がマスク(隠蔽)されたデータである。なお、印刷データ70の出力先は複合機20(原稿入力用として使用される)ばかりでなく、ネットワークを介して通信可能なプリンタ機能を備える装置であればよい。
【0035】
なお、図1における複合機20とホスト10とはネットワーク80等のなんらかの通信手段によりデータ送信が可能な状態で接続されている。そして、図1の複合機20には図1に示したホスト10の記憶部1030のディスク装置1030−3に設けられた任意の共有フォルダ50(図5参照)へ電子データを送信可能であるものとする。
【0036】
そして、図1に示すホスト10の記憶部1030のディスク装置1030−3に設けられた任意のフォルダ(本実施形態では、例えば¥MaskManager¥Sendとする)には、図1に示す複合機20からの電子データを格納可能であるものとする。
【0037】
図6は、本発明に係る文書管理システムのデータの処理形態を説明する図である。図5におけるデータ60は、図6中の「1」から「8」に示す順番で処理される。以下、図6を処理順序に従って説明する。
【0038】
複合機20から取り込まれる原稿が電子化された後、ホスト10に送信されて、後述するSendフォルダに取り込まれる(「1」)。電子化された原稿データSendフォルダからScanフォルダに移動される(「2」)。そして、資料作成用アプリケーション30が、Scanフォルダから原稿データを読み込む(「3」)。さらに、すでに作成されているマスクデータと表紙データとをMaskフォルダ、Coverフォルダからそれぞれ読み込んで、マスク処理された資料データを生成する(「4」〜「5」)。オペレータが資料データのマスク処理状況を確認した後、審査用の資料データ(申請書類上で一部がマスクされているもの)の印刷用データを生成し(「6」)、Printフォルダに格納する。その後、資料作成用アプリケーション30は、編集用アプリケーション40を起動し、この編集用アプリケーション40を用いて後述する所定の編集作業をオペレータが必要に応じて実行する。編集が不要となった後、印刷用データを複合機20に送信して印刷を実行する(「7」〜「8」)。
【0039】
図1におけるホスト10の記憶部1030のディスク装置1030−3には、本発明を実現するためのモジュール群として搭載された資料作成用アプリケーション30,編集用アプリケーション40が存在する。これらのモジュール群はワークエリアとしてのRAM1030−1上にロードされて実行可能な状態であることを前提とする。
【0040】
尚、本発明を実現するモジュールは、後述する図13,図18,図20〜図27,図36等のフローチャートに基づいてプログラムコード化されたものである。
【0041】
また、これらのモジュールやその関連するデータは、ホスト10が有するCD−ROMドライブ等の読み取り部1050から、ホスト10を経由して複合機20にインストールし実行することも可能である。
【0042】
以上のことを踏まえて本発明のデータ処理について詳述する。
【0043】
まず、本実施形態において説明に使用する入出力データの例を説明する。
【0044】
本実施形態は、オペレータが、入力データとして紙原稿(申請書類90(図5))を複合機20のスキャン機能によりスキャンし電子データに変換する。申請書類90は複数枚の紙からなるセットであるケースが多い。
【0045】
1セットの申請書類90での、用紙サイズの組合せ及びスキャン後の電子データ(以降、原本データと称する)の形態例を図7に示す。
【0046】
図7は、図1に示した複合機20のスキャナで読み込まれる紙原稿の用紙サイズの組合せ例を示す図である。図7では、原稿D−1、原稿D−2、原稿D−3がそれぞれ上述したセットを示している。
【0047】
原稿D−1は、A4サイズ縦の片面の紙2枚とA3サイズ横の片面の紙1枚で構成されている。これを片面モードでスキャンした原本データは、A4サイズ縦の2ページとA3サイズ横の1ページから構成される1セットとなる。そのため、原稿D−1が10セットある場合、10セットで計30ページのデータとなる。
【0048】
原稿D−2は、A4サイズ縦の片面の紙4枚で構成されている。これを片面モードでスキャンして得られる原本データは、A4サイズ縦の4ページで構成される。そのため、原稿D−2が10セットある場合、10セットで計40ページのデータとなる。
【0049】
原稿D−3は、A4サイズ縦の片面の紙2枚とA4サイズ縦の両面の紙1枚で構成されている。これを両面モードでスキャンして得られる原本データは、2ページ目と4ページ目が白紙データとなって、A4サイズ縦の6ページで構成される。そのため、原稿D−3が10セットある場合、10セットで計60ページのデータとなる。
【0050】
また、本実施形態では、出力として紙の印刷物(審査資料)を作成する。図8〜図10は作成する審査資料の出力形態例を示すものであり、紙サイズ、出力体裁(面付け等)、フィニッシング(ステイプル、パンチ等)の指定によって得られる、出力O−1、出力O−2、出力O−3の3つの出力形態例を示している。
【0051】
図8で示した出力O−1は、A3サイズ横で両面印刷し、左辺2ヵ所にステイプルした資料である。
【0052】
図9で示した出力O−2は、A3サイズ横で両面印刷し、ステイプルを行わなかった資料である。
【0053】
図10で示した出力O−3は、A4サイズ縦で両面印刷し、左辺2ヵ所にステイプルした資料である。
【0054】
もちろん、図7で説明した原本の構成例や、図8〜図10で説明した資料の出力形態例以外においても本発明は適応可能である。
【0055】
次に、本実施形態における動作環境及び事前に準備するファイルの作成手順に関して説明する。
【0056】
本発明は、任意のフォルダ及び任意のファイルを用いて動作する。そのフォルダ及びファイルの構成形態例を図11に示す。
【0057】
図11は、図1に示したホスト10の記憶部1030のディスク装置1030−3に確保されるフォルダの階層表示例を示す図である。この図は、図1に示した表示部1040に表示された状態を示している。
【0058】
本実施形態では、記憶部1030のディスク装置1030−3のディレクトリである¥MaskManager¥Sendを「送信先」フォルダとする。このフォルダはプリンタ(複合機20)における原本データを送信する先として指定するフォルダである(図6に示した「Send」フォルダに対応する)。必要に応じて、本フォルダに対して共有設定やアクセス権の設定を行ってもよい。
【0059】
また、ディスク装置1030−3のディレクトリである¥MaskManager¥Scanは「原本スキャンデータ」フォルダとする。このフォルダは、資料作成用アプリケーション30が「送信先」フォルダから、送信が完了した原本データを移動し格納するためのフォルダである(図6に示した「Scan」フォルダに対応する)。
【0060】
さらに、ディスク装置1030−3のディレクトリである¥MaskManager¥Scan−Storeは「処理済み原本データ」フォルダとする。このフォルダは資料作成用アプリケーション30が「原本スキャンデータ」フォルダから、資料の作成が完了した原本データを移動し格納するためのフォルダである。
【0061】
また、ディスク装置1030−3のディレクトリである¥MaskManager¥Maskは「マスク位置パターン」フォルダとする。このフォルダはオペレータが任意に作成したマスク位置パターンデータを格納するためのフォルダである(図6に示した「Mask」フォルダに対応する)。
【0062】
さらに、ディスク装置1030−3のディレクトリである¥MaskManager¥Coverは「表紙データ」フォルダとする。このフォルダはオペレータが任意に作成した表紙データを格納するためのフォルダである(図6に示した「Cover」フォルダに対応する)。
【0063】
また、ディスク装置1030−3のディレクトリである¥MaskManager¥Cover−Templateは「表紙テンプレートデータ」フォルダである。このフォルダはあらかじめ用意された表紙データのテンプレートが格納されているフォルダである。
【0064】
さらに、ディスク装置1030−3のディレクトリである¥MaskManager¥Printは「審査会資料保存」フォルダである。このフォルダは資料データを格納するためのフォルダである(図6に示した「Print」フォルダに対応する)。
【0065】
また、ディスク装置1030−3のディレクトリである¥MaskManager¥Referenceは「参照データ」フォルダである。このフォルダは資料作成用アプリケーション30が内部的に参照するデータが格納されているフォルダである。
【0066】
もちろん、ディレクトリ構造やフォルダ名、フォルダの数は本実施形態の構成に限られるものではない。
【0067】
〔マスク位置パターンデータの作成処理〕
以下、本実施形態におけるマスク位置パターンデータの作成手順を図12及び図13を参照して説明する。
【0068】
図12は、本発明に係る文書管理システムにおけるマスク位置パターンデータの作成処理例を説明する図である。図12に示した要素のうち、図1と同一のものには同一の符号を付してある。なお、図中の太い矢印はデータの流れを大局的に示すものである。
【0069】
図12に示すように、本実施形態でのマスク位置パターンデータの作成処理は、オペレータがマスクデータ作成用アプリケーション(アノテーションエディタ)を用いてフォームのページ毎にマスク位置パターンデータを作成し、そのデータを保存することによって行われる。マスク位置パターンデータの詳細な作成手順は図13を用いて説明する。
【0070】
図13は、本発明に係る文書管理システムにおける第1のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。このフローチャートに記載された処理は図1に示したホスト10の制御部1010と複合機20の制御部2010が実行するデータ処理手順に対応する。なお、S1301〜S1312は各ステップを示す。
【0071】
また、本実施形態において、オペレータがマスク位置パターンデータを予め作成するためには、各申請フォームのマスク位置やその領域のサイズを特定する必要がある。それらを特定するための情報として、"氏名"、"住所"等の文字列、図形項目位置、罫線領域、記載領域が既に定義され、申請者が実際に記入を行うための申請書類フォームを使用する。使用する申請書類フォームは、申請者が実際に申請するための内容を記入する前のものであってもよいし、記入後のものであってもよい。
【0072】
まず、オペレータは紙で存在している申請書類フォームをプリンタの原稿台(RDF等に設けられる)に置く(S1301)。
【0073】
次に、操作部2060より複合機20にて送信先としてホスト10の任意のフォルダを指定し(S1302)、スキャンの実行を指示する。
【0074】
これにより、複合機20の制御部2010はスキャン処理を開始し、フォームの電子データ(マスク位置パターンデータの作成用データ)を複合機20の記憶部2030のディスク装置2030−3に作成して蓄積する。そして、複合機20の制御部2010は作成用データを接続部2020及びホスト10の接続部1020を経由し、ホスト10の記憶部1030のディスク装置1030−3にオペレータが指定したフォルダへ送信する(S1303)。
【0075】
なお、申請書類が図7に示したように複数枚や両面原稿から構成されるセットである場合は、各印刷面を1ページとした複数ページからなる作成用データを生成する。
【0076】
なお、上記申請書類フォームの読み込み処理は、複合機20のスキャン機能を使用せずに、他の単体で構成されるスキャナ等で電子データ化したものであってもよい。
【0077】
同様に、他の任意のアプリケーション及びシステムを用いて、申請書類と同様のデータを作成し、そのアプリケーションデータを用いるものであってもよい。
【0078】
次に、オペレータの指示により、制御部1010は、編集用アプリケーション40を起動する(S1304)。これにより、任意のフォルダに保存された作成用データが特定される。そして、オペレータはこのデータをマウス等のポインティングデバイスを使用して編集用アプリケーション40へドラッグ&ドロップ等の操作により取り込み(S1305)、ホストの記憶部1030のRAM1030−1に保存する。
【0079】
ホスト10の制御部1010は、作成用データをホスト10の表示部1040に表示する(S1306)。
【0080】
図14は、ステップS1306で実行される作成用データの表示の一例を説明する図である。
【0081】
次に、オペレータは、編集用アプリケーション40にてマスク位置パターンデータの作成用データを確認しながら、マスク位置パターンデータを作成する操作を行う。
【0082】
マスク位置パターンデータを作成する操作の一部を表わした図が図15である。図15は、マスクデータ作成作業において、図1に示したホスト10の表示部1040に表示されるマスク領域設定画面の一例を示す図である。この図からわかるように、電話番号や生年月日などの記入領域は黒く塗りつぶされている。すなわち、オペレータがマスクすべき領域であると判断した箇所については、編集用アプリケーション40が備えるアノテーション機能を用いて、マスク位置の設定処理を実行したことを意味する。
【0083】
ここで、アノテーション機能について説明する。アノテーション機能とは、マスクデータの作成作業においてオペレータが使用する機能であり、申請書類から審査資料を作成する際にマスクする領域を指定するためのマスク位置パターンデータを作成するためのものである。具体的な作成処理は、オペレータが、矩形や円形のマスク位置指定オブジェクト(以後、アノテーションオブジェクトと称する)をマスクすべき領域に配置する。このアノテーションオブジェクトは好適にはベクタデータ形式で編集用アプリケーション40に予め登録されている。そして、オペレータは所望の形状のアノテーションオブジェクトを選択し、形状を自由に変形させて、図15で示したようにマスクすべき領域を仮想的に塗りつぶすように配置する。このようにしてマスク位置パターンデータは作成される。
【0084】
ここで重要なのは、アノテーションオブジェクトを配置した場合でも、その配置箇所に存在する作成用データに対してこのオブジェクトは上書きされないということである。アノテーションオブジェクトは作成用データに対して描画されるものではなく、作成用データに重ねられた透明または半透明なレイヤに対して描画され、作成用データとともに保存される。
【0085】
なお、本実施形態では編集用アプリケーション40において、オペレータがこうした作業を実行するが、その作業手順や編集用アプリケーション40の構成、アノテーションオブジェクトのデータ形式や形状などによって本発明は限定されるものではない。
【0086】
さて、フローチャートを用いた説明に戻る。編集用アプリケーション40によって表示部1040に表示された作成用データを用いて、オペレータはマスクすべき箇所が存在するかどうかを検討する。マスクすべき箇所が存在する場合には、オペレータがアノテーションオブジェクトを設定する処理を実行する。この操作は上述したとおりである。
【0087】
このとき、ホスト10の制御部1010は、オペレータがアノテーションオブジェクトを設定する操作をしたか否かを判断し(S1307)、オペレータがアノテーションオブジェクトを追加する操作、例えば不図示の「オブジェクト追加」ボタンをクリックする操作をしたと判断した場合、アノテーションオブジェクトのデータを作成し、ホスト10の記憶部1030のRAM1030−1に保存しているマスク位置パターンデータに反映し(S1308)、ステップS1307に戻る。
【0088】
一方、ステップS1307で、ホスト10の制御部1010はオペレータがこのページには、固定位置にマスクすべき箇所が無い、または既にマスクすべき全ての箇所にアノテーションオブジェクトを配置したと判断した場合、即ち、アノテーションオブジェクトを追加する操作をせずにページを変更する操作をしたか否かを判断し(S1309)、ページを変更する操作、例えば「次のページを表示」ボタンをクリックする操作をしたと判断した場合、オペレータが指定したページのデータをホスト10の表示部1040に表示し(S1310)、ステップS1307に戻る。
【0089】
一方、ステップS1309で、ホスト10の制御部1010はオペレータがページを変更する操作をしていないと判断した場合、オペレータがマスク位置パターンをファイルに保存する操作をしたか否かを判断し(S1311)、オペレータがマスク位置パターンをファイルに保存する操作をしたと判断した場合には、不図示のファイル保存ダイアログをホスト10の表示部1040に表示し、オペレータにディレクトリ¥MaskManager¥Maskフォルダの指定及び任意のファイル名の入力を促す。
【0090】
そして、入力された情報に従いマスク位置パターンデータを保存し(S1312)、処理を終了する。
【0091】
一方、ステップS1311で、ホスト10の制御部1010はオペレータがマスク位置パターンをファイルに保存する操作をしていないと判断した場合、ステップS1307に戻る。
【0092】
図16は、図1に示した表示部1040に表示されるマスク位置パターンのデータの隠蔽状態確認画面の一例を示す図である。
【0093】
図16に示すように、図7に示した原稿D−1用のマスク位置パターンは図16に示すようにマスク位置パターンデータとして登録される。もちろん、これらのマスク位置パターンデータは本実施形態における一例であり、マスク位置やページ構成はこれらに限らない。
【0094】
なお、本表示は、マスク位置パターンデータの作成用データに隠蔽加工を直接的に施すのではなく、透過されるようにマスク位置パターンデータのレイヤと作成用データのイメージのレイヤとを重ね合わせて表示している。
【0095】
なお、作成用データは、後述する資料作成処理において、フォーム情報テーブルを作成するためにも用いられる。
【0096】
〔表紙データの作成処理〕
図17は、本発明に係る文書管理システムにおける表紙作成処理状態を説明する構成図である。図17に示した太い矢印はデータの流れを示す。なお、本処理は、編集用アプリケーション40による表紙作成処理に対応する。
【0097】
図18は、本発明に係る文書管理システムにおける第2のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。このフローチャートの各処理は、図1に示したホスト10の制御部1010が実行するデータ処理手順(表紙データの作成手順)に対応する。なお、S1801〜S1806は各ステップを示す。
【0098】
なお、本実施形態では、あらかじめオペレータが表紙データを作成し、資料作成時に、そのデータを自動的に読み込む形態を採用するが、本発明はこの形態に限らない。
【0099】
なお、表紙データを作成するための1つの方法として、あらかじめ表紙データのテンプレートをアプリケーション内に用意し、そのデータを利用して表紙データを作成する形態がある。本実施形態ではこの形態を用いて説明する。
【0100】
まず、オペレータは編集用アプリケーション40を起動し(S1801)、ディレクトリ¥MaskManager¥Cover−Templateフォルダに格納されている表紙データのテンプレートを特定する。特定したテンプレートをマウス等の入力部1070を使用して編集用アプリケーションへドラッグ&ドロップ等の操作により取り込む(S1802)。これにより、ホスト10の表示部1040に表紙データのテンプレート画像が表示される。
【0101】
次に、オペレータは編集用アプリケーション40を操作して、表紙データの内容を表示部1040上で確認し、必要に応じてテンプレート画像を編集する。制御部1010はオペレータが編集用アプリケーション40にて編集する操作をしたか否かを判断する(S1803)。編集する操作をしたと判断した場合は、その編集内容を作成し、記憶部1030のRAM1030−1に保存している表紙データに反映する(S1804)。その後、ステップS1803に戻る。
【0102】
一方、ステップ1803で、制御部1010が、オペレータは編集する操作をしていないと判断した場合は、オペレータが表紙データをファイルに保存する操作をしたか否かを制御部1010は判断する(S1805)。ファイルに保存する操作をしたと判断した場合、不図示のファイル保存ダイアログをホスト10の表示部1040に表示し、オペレータに¥MaskManager¥Coverフォルダの指定及び任意のファイル名の入力を促す。そして、入力された情報に従い表紙データを保存し(S1806)、本処理を終了する。
【0103】
一方、ステップS1805で、オペレータが表紙データをファイルに保存する操作をしていないと判断した場合はステップS1803に戻ってその後の処理を継続する。
【0104】
以上により、表紙データが作成される。なお、本発明において、表紙データの作成処理は必須の構成ではないが、表紙を設けることによって、資料の管理が容易になることや美観の向上といった副次的な効果を生み出すことができる。
【0105】
なお、あらかじめ用意した表紙データのテンプレートを利用せずに、他の任意のアプリケーション及びシステムにより任意の表紙データを作成し¥MaskManager¥Coverフォルダへ格納することも可能である。
【0106】
〔資料データ作成処理〕
次に、本発明における文書管理システムにおける第3のデータ処理手順である、資料データ作成手順について説明する。
【0107】
図19は、本発明に係る文書管理システムにおける資料データ作成処理状態及び印刷処理を説明する構成図である。本図において、太い矢印はデータの流れを示す。なお、本処理は、資料作成用アプリケーション30と編集用アプリケーション40を利用した処理に対応する。
【0108】
図20〜図27は、本発明に係る文書管理システムにおける第3のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。これらフローチャートの各処理は、図1に示したホスト10の制御部1010が実行するデータ処理手順(印刷データの作成手順)に対応する。なお、後に説明する図21〜図27におけるフローチャートでは、図20の各ステップの詳細な処理について記載したものである。また、図20中のS2001〜S2008は各ステップを示す。
【0109】
図20のステップS2001では、オペレータが申請書類(原本)の電子化作業を行う。ここでは、スキャナを用いて紙の書類を読み込むことにより電子化を行う(詳細は図21に示す)。なお、既に電子化されたデータが存在する場合は、ステップS2001の作業は不要である。
【0110】
ステップS2002では、資料作成用アプリケーション30を自動または手動で起動する。そして、上述したマスク位置パターンデータやフォームの情報を取得し、資料作成用アプリケーション30の管理情報として登録処理を行う(詳細は図22に示す)。
【0111】
ステップS2003では、資料作成用アプリケーション30のユーザインタフェースをオペレータが操作することにより、資料作成に関する各種の設定作業を行う(詳細は図23に示す)。
【0112】
ステップS2004では、作成される資料の保存ファイル名をオペレータが入力する。入力の完了後、資料作成用アプリケーション30は、ユーザインタフェースで指定された原本データに対して、資料作成の第1の前処理を行う(詳細は図24に示す)。ここでの前処理とは、原本データに含まれている白紙データの検出と除去である。
【0113】
ステップS2005では、資料作成の第2の前処理として、原本データの向きや順序を補正する処理を行う(詳細は図25,図26に示す)。
【0114】
ステップS2006では、事前に作成されたマスク位置パターンデータを原本データに適用する処理と、マスクが適用されたデータの保存処理を実行する(詳細は図27に示す)。
【0115】
ステップS2007では、ステップS2006で保存されたデータに対して、オペレータが編集用アプリケーション40を利用して、マスク位置の調整や任意のマスク付与処理を実行する。このステップS2007における作業は必要に応じて実行される任意の処理である。
【0116】
ステップS2008では、上記の各ステップを実行することで作成されたデータの印刷処理を行うための印刷指示を実行する。
【0117】
続いて、図20の各ステップの詳細な処理を、図21〜図27及び図36を用いて説明する。
【0118】
まず、図21を用いて、図20のステップS2001で示した電子化作業について説明を行う。なお、図21中のS2101〜S2103は各ステップを示す。
【0119】
審査資料の作成にあたり、オペレータが紙の申請書類(原稿)を複合機20の読み取り部2050の原稿台に置く。
【0120】
原稿台に原稿が載置されると、複合機20の制御部2010はこの原稿を検知する(S2101)。次に、オペレータが印刷部2040にて送信先としてホスト10の任意のフォルダ(本実施形態ではディレクトリ¥MaskManager¥Send)を指定する。複合機20の制御部2010は、フォルダ指定の操作を検知し(S2102)、スキャンの実行を指示する。
【0121】
複合機20の制御部2010はスキャン処理を開始し、電子データ化した申請書類データ(原本データ)を複合機20の記憶部2030のディスク装置2030−3上に作成する。なお、申請書類は複数枚の用紙からなる1セットを載置する形態や、複数のセットを同時に載置する形態が考えられるが、本発明にはおいては特に載置の形態は問わない。但し、本発明特有の効果として、複数のセットに対して一括してマスク処理及び資料データ作成処理が可能であることが挙げられるため、ここでは複数のセットを載置する形態を前提として説明を行う。
【0122】
なお、ここでは、電子データ化された原本データは、図28に示すようなデータとして説明を行う。
【0123】
図28に示す原本データのイメージについて説明する。原稿セット1(1ページ目から3ページ目)は正常なデータである。原稿セット2(4ページ目から6ページ目)は4ページ目の原稿が天地逆さまの状態でスキャンされた様子を示すものである。原稿セット3(7ページ目から9ページ目)は8ページ目の原稿が裏の状態でスキャンされた様子を示すものである。原稿セット4(10ページ目から12ページ目)は10ページ目と11ページ目の原稿の順序が入れ替わった状態でスキャンされた様子を示すものである。原稿セット5(13ページ目から15ページ目)は13ページ目の原稿が、本来必要ではない、または別の異なるフォームになってしまった状態でスキャンされた様子を示すものである。
【0124】
以下、図21のフローチャートの説明に戻る。
【0125】
複合機20の制御部2010は、ホスト10の記憶部1030のディスク装置1030−3にあるディレクトリ¥MaskManager¥Sendフォルダへ原本データを送信する(S2103)。
【0126】
なお、複合機20のスキャン機能を使用せずに他のスキャナ等で申請書類を電子データ化した原本データを作成して、同様のディレクトリ¥MaskManager¥Sendフォルダへ格納することも可能である。
【0127】
同様に、他の任意のアプリケーション及びシステムを用いて、申請書類と同様なフォーマットのデータを作成し、そのアプリケーションデータを原本データとして¥MaskManager¥Sendフォルダへ格納することも可能である。
【0128】
次に、図22を用いて資料作成用アプリケーション30によるフォーム登録の処理について説明を行う。この処理は図20のステップS2002で説明した処理に対応する。なお、図22中のS2201〜S2211は各ステップを示す。
【0129】
図21で説明した原本の電子化処理が終了し、ホスト10の所定のフォルダに原本データが入力された段階から説明を開始する。まず、ステップS2201において、ホスト10の制御部1010は、オペレータの操作に応じて資料作成用アプリケーション30を起動し、図29に示すようなダイアログを表示部1040に表示する。
【0130】
図29は、図1に示した表示部1040に表示される資料作成用アプリケーション30による操作ダイアログの一例を示す図である。
【0131】
図29に示すように、本実施形態では、原本スキャンデータ,原本用紙サイズ,マスク位置パターン,表紙データ,資料の体裁,処理済み原本データが特別に関連づけられていない状態で一覧表示されている。
【0132】
オペレータは、これらのデータをプレビューすることにより、マスク位置パターンデータや表紙データの内容を確認することが可能である。プレビューするための具体的操作は本発明の本質ではないため、説明を省略する。なお、BT1は表示更新ボタン、BT2は資料作成ボタンである。また、TVEは頁情報を表示するためのツリービュー領域、PVEはファイルの内容を表示するためのプレビュー領域、FNは表示されるファイル名である。
【0133】
以下、図22のフローチャートの説明に戻る。
【0134】
ホスト10の制御部1010は資料作成用アプリケーション30が対象とする図11に示したフォルダを検索し、存在するファイルの情報を収集する。収集されたファイル情報をホストの記憶部1030のRAM1030−1に保存し、その情報を図29に示すダイアログに反映させ、表示する(S2202)。
【0135】
具体的には、ホスト10の制御部1010は「送信先」(「Send」)フォルダのファイルを検索し、存在するファイルのステータスを確認する。
【0136】
ここで、ホスト10の制御部1010は複合機20からの原本データの送信が完了し、ファイル生成処理が終了しているステータスのファイルを認識した場合、そのファイルを「原本スキャンデータ」(「Scan」)フォルダへ移動する。
【0137】
なお、ホスト10の制御部1010は複合機20からの送信が完了し、ファイル生成処理が終了していないステータスの原本データファイルを認識した場合、そのファイルの移動処理は行わない。
【0138】
資料作成用アプリケーション30は「送信先」(「Send」)フォルダを表示対象としていないため、当然ながら、「送信先」フォルダに保存されているファイルをオペレータが選択することはない。このため、原本データファイルの生成が終了していないファイルを用いて資料を作成する状況が発生しない。これにより、作成する資料の確実性を向上させることが可能になる。
【0139】
続いて、ホスト10の制御部1010は「原本スキャンデータ」(「Scan」)フォルダの内容を原本スキャンデータリストボックスに、「処理済み原本データ」(「Scan−Store」)フォルダの内容を処理済み原本データリストボックスに、「マスク位置パターン」(「Mask」)フォルダの内容をマスク位置パターンリストボックスに、「表紙データ」(「Cover」)フォルダの内容を表紙データリストボックスにそれぞれ表示する。ここでの内容とは各フォルダに登録されているファイル名であることが好適である。
【0140】
ステップS2202の処理が終了すると、処理はステップS2203に移行する。
【0141】
ステップS2203において、ホスト10の制御部1010はMaskフォルダに存在する任意のマスク位置パターンデータのファイル名を取得する。ここで取得するマスク位置パターンデータは、上述したマスク位置パターンデータ作成処理において作成されたものである。
【0142】
そして、ステップS2204において、ホスト10の制御部1010は、取得したマスク位置パターンデータのファイル名をもとに、図30に示すマスク位置パターン情報テーブルを参照し、ステップS2205に進む。
【0143】
なお、マスク位置パターン情報テーブルそのものが存在しない場合、ステップS2204において、ホスト10の制御部1010は、図30に示すようなデータ構造で、内部データが存在しない形態で、空のマスク位置パターン情報テーブルをホスト10の記憶部1030のディスク装置1030−3に作成する。
【0144】
図30は、図1に示したホスト10の記憶部1030内のディスク装置1030−3に生成・記憶されるマスク位置パターン情報テーブルの一例を示したものである。
【0145】
図30に示すように、マスク位置パターン情報テーブルには、マスク位置パターンデータのファイル名と、そのファイルに対応するフォームを識別するためのID(フォームID)との対応付けがなされている。フォームIDについては後述する。
【0146】
以下、図22のフローチャートの説明に戻る。
【0147】
ホスト10の制御部1010は、マスク位置パターン情報テーブルに対象とするマスク位置パターンのファイル名が存在するか否かを判断する(S2205)。マスク位置パターンのファイル名が存在すると判断された場合は、ステップS2211に進む。マスク位置パターン情報テーブルに、対象とするマスク位置パターンデータのファイル名が存在しないと判断した場合、ステップS2206に進む。
【0148】
次に、ステップS2206において、ホスト10の制御部1010は、マスク位置パターンデータのファイルのフォーム認識処理を行い、フォーム情報を取得する。
【0149】
なお、フォーム認識の方法は公知の技術であり、本願発明の本質ではないため、詳細の記述を行わない。
【0150】
ホスト10の制御部1010はフォーム認識情報をもとに、図31に示すフォーム情報テーブルを参照する(S2207)。なお、フォーム情報テーブルが存在しない場合、ホスト10の制御部1010は、図31に示すようなデータ構造で、かつ内部データが存在しない形態で、空のフォーム情報テーブルをホスト10の記憶部1030のディスク装置1030−3に作成する。
【0151】
図31は、図1に示したホスト10の記憶部1030内のディスク装置1030−3に作成・記憶されるフォーム情報テーブルの構成の一例を示したものである。
【0152】
図31に示したように、フォーム情報テーブルには、フォーム毎に付されたフォームID、フォームの各ページに付されたフォームページID、フォームの各ページのフォーム情報を示すフォームページ情報の対応付けがなされている。
【0153】
フォームとは申請書類のフォーマットを指すものであり、フォームIDはフォーマット毎に付与された一意の情報である。この文書管理システムを利用して資料を作成するにあたり、複数の申請書類フォーマットが存在する場合は、それらに異なるフォームIDが付与されている。
【0154】
図31を例にとると、フォームIDが1から4まであることから、フォーム情報テーブルには4種類の申請書類フォーマットが登録されていることがわかる。また、フォームID1に対応づけられたフォームページIDとして1から3が付与されている。これは即ち、フォームID1として登録された申請書類は3ページから構成されたものであることを示している。そしてフォームページIDが付与された各ページに、そのページの情報が関連付けられて記憶されている。例えば、フォームIDが1で、フォームページIDが1の申請書類ページは、サイズがA4、向きはP(ポートレイト)、このページに定義された申請事項の記入領域を示すセルT1は座標(X11、Y11、X12、Y12)などというように構成されている。
【0155】
従って、図30に示したマスク位置パターン情報テーブルと図31のフォーム情報テーブルにより、記憶される各マスク位置パターンデータのファイルと、フォーム情報との対応付けがなされることになる。
【0156】
例を挙げると、上述したフォームIDが1の申請書類には、マスク位置パターンデータとして、No.01として規定された「マスク位置−A4A4A3−基本.iwd」ファイルが対応することがわかる。なお、ファイル名称はオペレータによって任意に名づけられたものである。
【0157】
以下、図22のフローチャートの説明に戻る。
【0158】
ステップS2208において、制御部1010は、ステップS2206で行った、マスク位置パターンのフォーム認識結果に基づいて、マスク位置パターンと同一のフォーム情報がフォーム情報テーブルに存在するか否かを判断する。マスク位置パターンと同一のフォーム情報がフォーム情報テーブルに存在すると判断した場合には、ステップS2210に進む。このステップでの判断は、フォーム情報テーブルに規定された各フォーム情報と、読み込まれた申請書のフォーム認識結果との比較によって行われる。
【0159】
一方、ステップS2208で、制御部1010が、マスク位置パターンと同一のフォーム情報がフォーム情報テーブルに存在しないと判断した場合には、ステップS2209に進む。なお、上述したステップS2206でフォーム情報テーブルそのものが存在せず、新たに空のフォーム情報テーブルを作成した場合には、ステップS2208において、マスク位置パターンと同一のフォーム情報がフォーム情報テーブルに存在しないと制御部1010が判断し、ステップS2209に進む。
【0160】
ステップS2209において、制御部1010は、フォーム認識で取得したマスク位置パターンのフォーム情報を、新規のフォーム情報として新規のフォームIDを設けてホスト10の記憶部1030のディスク装置1030−3に存在するフォーム情報テーブルに、図31に示したような形態で保存(登録)し、ステップS2210に移行する。
【0161】
次に、ステップS2210において、制御部1010は、マスク位置パターンのファイル名と当該マスク位置パターンのフォーム情報と同一のフォームIDを、ホスト10の記憶部1030のディスク装置1030−3に存在するマスク位置パターン情報テーブルに、図30に示すような形態で保存(登録)する。その後、ステップS2211に進む。
【0162】
次に、ステップS2211において、制御部1010は、全てのマスク位置パターンのファイルを認識したか否かを判断する。全てのマスク位置パターンのファイルを認識していないと判断した場合は、ステップS2203に戻る。
【0163】
一方、ステップS2211で、全てのマスク位置パターンのファイルを認識したと判断した場合、以上の処理を終了する。そして、オペレータからの図29に示したダイアログへの指示を待機する。
【0164】
以上のステップS2201〜S2211の処理により、オペレータは意識的にフォームを登録する作業を行う必要はなく、資料作成アプリケーション30が起動した際、マスク位置パターンのファイルと、その対象となるフォーム情報が関連付けられて自動的に登録されることになる。以降、フォームが異なる新規の申請書に対してマスク処理を行う場合も、その新規申請書用のマスク位置パターンファイルを図12に示した作業手順にて作成することにより、新規に対象となるフォームが自動登録されることになるため作業効率が向上する。
【0165】
また、従来技術にあるように図29に示した資料作成用アプリケーション30のダイアログに登録ボタンを設けて、手動にて任意のマスク位置パターンのファイルとそのフォーム情報を指定し、それらを関連付けて登録することも可能である。
【0166】
続いて、図23を用いて資料作成用アプリケーション30によるユーザインタフェースを用いた資料作成処理について説明を行う。この処理は図20のステップS2003で説明した処理に対応する。なお、図23中のS2301〜S2319は各ステップを示す。
【0167】
まず、ステップS2301において、図29に示すダイアログにて資料を作成するための原本データが選択されたか否か判断する。なお、ここで言う原本データとは、原本スキャンデータリストボックス及び処理済み原本データリストボックスに表示しているファイルを指す。
【0168】
なお、原本スキャンデータリストボックスに表示しているファイルを選択し、図29における資料作成ボタン(ボタンBT2)を押下した場合、ホスト10の制御部1010は選択されているファイルを「処理済み原本データ」(「Scan−Store」)フォルダへ自動的に移動する。以降、そのファイルは原本スキャンデータリストボックスに表示される。
【0169】
これにより、オペレータのファイル移動の作業を軽減することが可能である。
【0170】
また、自動的にファイルが表示される領域(区分)が変更されるため、資料未作成原本データと資料作成済み原本データを容易に判別することが可能となり、オペレータのファイル選択操作ミスを回避することが可能となる。さらに、一度作成した資料を再度作成する場合の検索性を向上させることが可能となる。
【0171】
ステップS2301で、原本データが選択されたと制御部1010が判断した場合、資料を作成する原本データの情報をホスト10の記憶部1030のRAM1030−1に保存し(S2302)、次のステップ(S2303)に移る。
【0172】
一方、ステップS2301で、オペレータによって原本データが選択されていないと判断した場合、制御部1010は、図29に示すダイアログにて原本データの用紙サイズの組合せが選択されたか否か判断する(S2303)。原本データの用紙サイズの組合せが選択されたと判断した場合、原本データの用紙サイズの組合せの情報をRAM1030−1に保存し(S2304)、ステップS2305に移る。
【0173】
なお、本実施形態では、原本データの用紙サイズの組合せは、例えば「A4片面+A4片面+A3片面」、「A4片面+A4片面+A4片面+A4片面」、「A4片面+A4片面+A4両面」などを挙げているが、他の用紙サイズの組合せでも本発明を適用することは可能である。
【0174】
一方、ステップS2303で、原本データの用紙サイズの組合せが選択されていないと制御部1010が判断した場合、図29に示すダイアログにてマスク位置パターンのデータが選択されたか否かを判断する(S2305)。マスク位置パターンのデータが選択されたと制御部1010が判断した場合、マスク位置パターンのデータの情報をRAM1030−1に保存し(S2306)、次のステップ(S2307)に移る。
【0175】
一方、ステップS2305で、制御部1010がマスク位置パターンのデータが選択されていないと判断した場合、図29に示すダイアログにてマスク位置パターンのデータのプレビューボタンが選択されたか否か判断する(S2307)。マスク位置パターンデータのプレビューボタンPVB1が選択されたと制御部1010が判断した場合、制御部1010はRAM1030−1にマスク位置パターンのデータの情報が保存してあるか否かを判断する(S2308)。制御部1010がマスク位置パターンのデータの情報が保存されていないと判断した場合、次のステップ(S2310)に移る。
【0176】
一方、ステップS2308で、制御部1010がマスク位置パターンのデータの情報が保存してあると判断した場合、RAM1030−1に保存してあるマスク位置パターンのデータの情報(ファイル名等)を取得する。そして、ツリービュー領域TVEにページ情報を表示し、プレビュー領域PVEにファイルの内容を表示する。また、プレビュー領域の下部の位置にファイル名FNを表示し(S2309)、ステップS2310に移る。
【0177】
なお、プレビュー領域PVEにはフォームデータの内容に加えマスクデータも表示可能である。そして、ツリービュー領域TVEにおけるページ情報をマウス等の入力部1070により切り替えることにより、プレビュー内容を切り替えることが可能である。また、マスク位置パターンデータが複数ページで構成されている場合、各ページのマスクデータを確認することが可能である。
【0178】
ステップS2307で、マスク位置パターンのデータのプレビューボタンが選択されていないと制御部1010が判断した場合、図29に示すダイアログにて表紙データが選択されたか否かを判断する(S2310)。表紙データが選択されたと制御部1010が判断した場合、表紙データの情報をRAM1030−1に保存し(S2311)、次のステップ(S2312)に移る。
【0179】
一方、ステップS2310で、表紙データが選択されていないと制御部1010が判断した場合、制御部1010は図29に示すダイアログ画面上にて表紙データのプレビューボタンが選択されたか否かを判断する(S2312)。表紙データのプレビューボタンが選択されたと制御部1010が判断した場合、RAM1030−1に表紙データの情報が保存してあるか否かを判断する(S2313)。ここで、表紙データの情報が保存されていないと制御部1010が判断した場合、次のステップ(S2315)に移る。
【0180】
一方、ステップS2313で、表紙データの情報が保存してあると制御部1010が判断した場合、RAM1030−1に保存してある表紙データの情報(ファイル名等)を取得し、ツリービュー領域TVEにページ情報を表示する。また、プレビュー領域PVEに当該ページの内容(イメージ)を表示する。さらに、プレビュー領域の下部の位置にファイル名を表示し(S2314)、ステップS2315に移る。
【0181】
一方、ステップS2312で、表紙データのプレビューボタンが選択されていないと制御部1010が判断した場合、図29に示すダイアログにて資料の体裁が選択されたか否かを判断する(S2315)。ここで、資料の体裁が選択されたと制御部1010が判断した場合、資料の体裁の情報をRAM1030−1に保存し(S2316)、ステップS2317に移る。
【0182】
なお、本実施形態における資料の体裁は、例えばA3ダブルステイプル、A3ステイプルなし、A4ダブルステイプル等を例として使用するが、他の資料の体裁でも本発明を適用することは可能である。
【0183】
一方、ステップS2315で、資料の体裁が選択されていないと判断した場合、図29に示すダイアログにて表示更新ボタンBT1が押下されたか否かを制御部1010が判断する(S2317)。制御部1010が表示更新ボタンBT1が押下されたと判断した場合、資料作成用アプリケーション30が対象とするフォルダを検索し、存在するファイルの情報を収集する。そして、収集した情報をRAM1030−1に保存し、その情報をダイアログに反映し(S2318)、ステップS2319に移る。
【0184】
一方、ステップS2317で、表示更新ボタンBT1が選択されていないと制御部1010が判断した場合、図29に示したダイアログにて資料作成ボタンBT2が選択されたか否かを判断する(S2319)。資料作成用ボタンBT2が選択されたと制御部1010が判断した場合は、次の処理に移るため、図23に示した資料作成の各種指定処理を終了する。
【0185】
一方、ステップS2319で、資料作成用ボタンBT2が選択されていないと制御部1010が判断した場合、図23のフローのステップS2301へ戻って処理を継続する。
【0186】
次に、図24を用いて資料作成用アプリケーション30によるファイル保存処理及び白紙データ検出・除去処理について説明を行う。この処理は図20のステップS2004で説明した処理に対応する。なお、図24中のS2401〜S2411は各ステップを示す。
【0187】
図23のステップS2319にて、資料作成用ボタンBT2がオペレータによって押下された場合、制御部1010は不図示のファイル保存ダイアログをホスト10の表示部1040に表示し、オペレータに資料のデータを保存するフォルダの指定及び任意のファイル名の入力を促す(S2401)。そして、オペレータは資料のデータを保存するフォルダの指定及び任意のファイル名を入力する(S2402)。
【0188】
次に、制御部1010は記憶部1030のRAM1030−1に保存している資料の体裁の情報及び資料作成用アプリケーション30の内部に存在する図32に示す出力体裁情報テーブルを参照し、出力体裁参照ファイルを特定する(S2403)。
【0189】
図32は、図1に示した記憶部1030のRAM1030−1に保存している出力体裁情報テーブルの一例を示す図である。
【0190】
ここでは資料の体裁の情報として「A3ダブルステイプル」が保存されており、出力体裁情報テーブルから出力体裁参照ファイルとして「A3DoubleStaple.dat」が特定されたこととして図24のフローチャートの説明を行う。
【0191】
次に、制御部1010は出力体裁参照ファイル「A3DoubleStaple.dat」を参照し出力体裁の情報を取得する。そして、制御部1010は取得した情報を反映したデータを作成し、ステップS2402にてオペレータが指定したフォルダ及びファイル名を用いて、資料のデータとしてのファイルを記憶部1030のディスク装置1030−3に保存する(S2404)。
【0192】
次に、制御部1010はRAM1030−1に保存している原本データの情報を参照し、資料を作成する原本データのファイルを特定し、ステップS2404で保存した資料のデータとともに読み込む(S2405)。
【0193】
ここでは原本データの情報として「200301230127.pdf」が保存されており、そのファイルの内容が資料のデータとともに読み込まれたことにする。
【0194】
そして、制御部1010は記憶部1030のRAM10030−1に保存している原本データの用紙サイズの組合せの情報を参照し、情報がA4片面+A4片面+A4両面であるか否かを判断する(S2406)。
【0195】
原本データの用紙サイズの組合せの情報がA4片面+A4片面+A4両面であると制御部1010が判断した場合、以後説明する不要ページを削除する処理に使用する変数Dに「2」を設定する(S2407)。
【0196】
次に、制御部1010は白紙ページであるD番目のページデータを削除し(S2408)、制御部1010は白紙ページであるD+1番目のページを削除する(S2409)。
【0197】
次に、制御部1010は変数Dに「4」を加え(S2410)、D番目のページが存在するか否かを判断して(S2411)、制御部1010はD番目のページが存在すると判断した場合、ステップS2408に戻る。
【0198】
このようにして、上記ステップS2408〜ステップS2411を繰り返すことにより原稿が複数セットあった場合でも全ての白紙ページを自動的に削除することが可能であり、効率的である。
【0199】
一方、制御部1010はステップS2411においてD番目のページが存在しないと判断した場合、これらの処理を終了し、次の処理に移る。
【0200】
また、制御部1010がステップS2406において、原本データの用紙サイズの組合せの情報がA4片面+A4片面+A4両面でないと判断した場合も、これらの処理を終了し、次の処理に移る。
【0201】
続いて、図25,図26を用いて資料作成用アプリケーション30による原本データの向きや順序を補正する処理について説明を行う。この処理は図20のステップS2005で説明した処理に対応する。なお、図25,図26中のS2501〜S2524は各ステップを示す。
【0202】
まず、ホスト10の制御部1010はマスク処理に使用するマスク位置パターンのデータのページ番号を示す変数のMに初期値として「1」を設定し、同様に、資料のデータのページ番号を示す変数Nに初期値として「1」を設定する(S2501)。
【0203】
次に、制御部1010は記憶部1030のRAM1030−1に保存しているマスク位置パターンデータの情報を参照し、マスク位置パターンのデータを特定する(S2502)。
【0204】
ここでは、原本データの情報として「マスク位置−A4A4A3−基本.iwd」が保存されており、そのファイルの内容は、図16に示すファイル内容であるとする。
【0205】
次に、ステップS2503において、制御部1010は、記憶部1030のディスク装置1030−3に保存されているマスク位置パターン情報テーブル(図30)を参照し、ステップS2502で特定したマスク位置パターンのフォームIDをパラメータとしてのFIDに設定する。ここでは、FIDのデータとして「1」が設定されたとする。
【0206】
制御部1010は、フォームID FIDとフォームページID M(マスク位置パターンデータのページ番号)を取得し(S2504)、フォーム情報テーブル(図31)から帳票認識の対象となるフォーム情報を特定する。
【0207】
次に、制御部1010は資料のデータのページであるNページ目のデータ(上記資料のデータ内に読み込まれた原本データ)に対して、ステップS2504にて特定したフォーム情報を用いて帳票認識を行う(S2505)。次のステップS2506でフォームが同一であるか否かを判断し、フォームが同一であると判断した場合、ステップS2514へ移行する。
【0208】
一方、ステップS2506で、制御部1010がフォームは同一ではないと判断した場合、上記資料のデータ内に読み込まれた原本データのNページがフォームに対して天地が逆さまか否かを判断する(S2507)。図28に示した例では、4ページ目(N=4、M=1)は天地が逆さまであると判断される。
【0209】
ステップS2507で、制御部1010が天地が逆さまであるページと判断した場合、上記資料のデータ(上記資料のデータ内に読み込まれた原本データ)のページ画像を180度回転させて保存し(S2508)、ステップS2513へ移行する。
【0210】
ステップS2513において、制御部1010は、認識結果と処理内容を図33に示すように記憶部1030のディスク装置1030−3に記憶されるログファイル(存在しない場合は作成する)内に保存し、S2514に移る。この場合、ページ番号、天地が逆さまであることを検知したこと及び自動補正した内容を保存する。
【0211】
図33は、本発明に係る文書管理システムにおけるログファイルの一例を示す模式図である。
【0212】
一方、ステップS2507において、制御部1010が、上記資料のデータ内に読み込まれたデータがフォームに対して天地逆さまでないと判断した場合、ステップS2509に移行する。ステップS2509では、上記資料のデータ内に読み込まれた原本データが白紙であるか否かを判断する。図28に示した例では、8ページ目(N=8、M=2)は白紙であると判断される。
【0213】
ステップS2509において、制御部1010が、上記資料のデータ内に読み込まれた原本データが白紙であると判断した場合、ステップS2509においてホスト10の制御部1010は認識結果と処理内容を図33に示すように記憶部1030のディスク装置1030−3のログファイルに保存する。この場合、ページ番号、白紙を検知したこと及び補正を実行していないことを保存する。
【0214】
ステップS2509において、制御部1010が、上記資料のデータ内に読み込まれた原本データが白紙でないと判断した場合、ステップS2510に移行する。
【0215】
ステップS2510においては、フォームID FIDを構成する他のフォームと同一か否かを制御部1010が判断する。フォームID FIDを構成する他のフォームと同一であると判断した場合、制御部1010は、図34に示すようなフォーム異常管理テーブルをディスク装置1030−3に保存する(S2512)。
【0216】
図34はフォーム異常管理テーブルの構成の一例を示す図である。図28に示した例を用いて説明すると、10ページ目(N=10、M=1)の場合、制御部1010はフォームID FIDである「1」を構成する他のフォームページIDが「2」,「3」であることをフォーム情報テーブルから特定し、M=2及びM=3のフォーム情報を特定し帳票認識を順次行い判断する。この例では、制御部1010は、10ページ目がフォームID FID(=1)を構成する他のフォームID(M=2)と同一であると判断する。
【0217】
そして、制御部1010は、この場合、順序不一致のデータとして、ページ番号=10、マスク位置パターンフォームページID=1、原本データフォームID=2を図34に示したフォーム異常管理テーブルに保存する。
【0218】
また同様に、図28における11ページ目(N=11、M=2)の場合では、制御部1010は、フォームID FIDである「1」を構成する他のフォームページIDが「1」,「3」であることをフォーム情報テーブルから特定し、M=1及びM=3のフォーム情報を特定し帳票認識を順次行い判断する。制御部1010は、11ページ目がフォームID FID(=1)を構成する他のフォームID(M=1)と同一であると判断する。
【0219】
その結果として、制御部1010は、図34に示すようなフォーム異常管理テーブルをホスト10の記憶部1030のディスク装置1030−3に保存する(S2512)。この場合、順序不一致のデータとして、ページ番号=11、マスク位置パターンフォームページID=2、原本データフォームID=1を保存する。
【0220】
そして、ホスト10の制御部1010は、認識結果と処理内容を、図33に示すようにログファイルに保存する。この場合、ページ番号、順序不一致を検知した内容を保存する(S2513)。
【0221】
一方、ステップ2510で、上記資料のデータ(上記資料のデータ内に読み込まれた原本データ)がフォームID FIDを構成する他のフォームと同一でないと制御部1010が判断した場合、図示しないステップにおいて、認識結果及び処理内容をログファイルに保存する。この場合、ページ番号、処理を停止した内容を保存する。
【0222】
そして、処理を中止するといった内容のメッセージをホスト10の表示部1040に表示し(S2511)、処理を終了する。
【0223】
具体的には、図28の例を用いて説明すると、13ページ目(N=13、M=1)は、フォームID FID(=1)を構成する他のフォームID(M=1、M=2、M=3)と同一でないと判断される。つまり、関係のないフォーム原稿であり、処理を継続した場合に正常な資料を作成することができないため、オペレータに警告するとともに処理を中断する。
【0224】
続いて、ステップS2514において、制御部1010は、変数M及び変数Nにそれぞれ「1」を加える。
【0225】
次に、ステップS2515において、制御部1010は、RAM1030−1に保存している原本データの用紙サイズの組合せの情報を参照し、情報が「A4片面+A4片面+A3片面」であるか否かを判断する。
【0226】
ステップS2515で、原本データの用紙サイズの組合せの情報が「A4片面+A4片面+A3片面」であると制御部1010が判断した場合、変数Mが「3」より大きいか否かを判断する(S2516)。
【0227】
判断の結果、変数Mが「3」より大きくないと制御部1010が判断した場合、ステップS2504に戻る。一方、変数Mが「3」より大きいと制御部1010が判断した場合はステップS2518に移る。
【0228】
一方、ステップS2515で、原本データの用紙サイズの組合せの情報が「A4片面+A4片面+A3片面」でないと制御部1010が判断した場合は、ステップS2517に移行する。
【0229】
ステップS2517では、制御部1010が、変数Mが「4」より大きいか否かを判断する。変数Mが「4」より大きくないと判断した場合、ステップS2504に戻る。一方、変数Mが「4」より大きいと制御部1010が判断した場合はステップS2518に移る。
【0230】
そして、ステップS2518において、制御部1010は、ディスク装置1030−3にフォーム異常管理テーブルが存在するか否かを判断する。
【0231】
ステップS2518で、フォーム異常管理テーブルが存在すると判断した場合はステップS2519に進む。ステップS2519では、制御部1010はフォーム異常管理テーブルの情報を取得し、上記資料のデータ(上記資料のデータ内に読み込まれた原本データ)のページ順序を入れ替える処理を行った後、このデータを保存する。図示しないステップにおいて、処理内容をログファイル(存在しない場合は作成する)内に保存し、ステップS2520に移行する。この場合、ページ番号、ページ差し替えをした内容を保存する。
【0232】
これにより、フォームに対して原稿データのページ順序が異なる場合、原本データの順序を入れ替えて、原稿データをフォームに合わせることができる。
【0233】
ステップS2518で、フォーム異常管理テーブルが存在しないと制御部1010が判断した場合、ステップS2520に移行する。
【0234】
そして、ステップS2520において、制御部1010は、変数Mに「1」を設定して、ステップS2521に移行する。
【0235】
ステップS2521では、制御部1010がディスク装置1030−3に保存している資料のデータのNページを参照し、Nページ目が存在するか否か判断する。Nページ目が存在すると制御部1010が判断した場合、ステップS2504に戻る。
【0236】
一方、ステップS2521で、Nページ目が存在しないと制御部1010が判断した場合、ステップS2522に進み、制御部1010は、記憶部1030のディスク装置1030−3に新規のログファイルが存在するか否かを判断する。
【0237】
そして、ステップS2522で、新規のログファイルが存在すると制御部1010が判断した場合、ステップS2523に進み、原本データに存在していた問題を補正したといった内容のメッセージダイアログをホスト10の表示部1040に表示し、ステップS2524に移る。
【0238】
ステップS2524において、ホスト10の制御部1010は、マスク処理に使用するマスク位置パターンのデータのページ番号を示す変数のMに初期値として「1」を設定する。同様に、資料のデータのページ番号を示す変数Nに初期値として「1」を設定して、全ての処理を終了する。
【0239】
以上、図25,図26に示した各ステップの処理により、オペレータはダイアログから原本データに問題があったこと、対応可能な問題は自動的に補正処理がされたこと、問題により処理を停止したことのそれぞれを容易に把握することができる。そして、オペレータは、ログファイルを参照することにより、原本データの問題を速やかに解決し、確実な資料作成を円滑に遂行することが可能になる。
【0240】
また、自動的に補正された処理は、編集用アプリケーションにてその結果を確認することが可能である。
【0241】
さらに、白紙検知に関しては問題のページのみを編集用アプリケーションにて本来のページに差し替えることが可能であるため、全ての作業をやり直すことに比べると効率的である。
【0242】
続いて、図27を用いて、資料作成用アプリケーション30による、事前に作成されたマスク位置パターンデータを原本データに適用する処理と、マスクが適用されたデータの保存処理について説明を行う。この処理は図20のステップS2006で説明した処理に対応する。なお、図27中のS2701〜S2710は各ステップを示す。
【0243】
図27のステップS2701において、制御部1010は、ディスク装置1030−3に保存しているマスク位置パターンデータのファイル「マスク位置−A4A4A3−基本.iwd」を参照し、Mページ目に存在するマスクデータの情報を一括して取得する。
【0244】
そして、ステップS2702に進み、制御部1010は、ディスク装置1030−3に保存している資料のデータのNページ目のデータを読み込み、該資料のNページ目のデータに保持しているマスクデータの内容を反映する。
【0245】
続いて、ステップS2703に進み、制御部1010は、変数M及び変数Nにそれぞれ「1」を加える。
【0246】
続いて、ステップS2704に進み、制御部1010は記憶部1030のRAM1030−1に保存している原本データの用紙サイズの組合せの情報を参照し、情報が「A4片面+A4片面+A3片面」であるか否かを判断する。情報が「A4片面+A4片面+A3片面」であると制御部1010が判断した場合はステップS2705に進む。
【0247】
ステップS2705では、変数Mが「3」より大きいか否かを判断する。
【0248】
ステップS2705で、ホスト10の制御部1010は、変数Mが「3」より大きくないと判断した場合、ステップS2701に戻る。一方、変数Mが「3」より大きいと制御部1010が判断した場合はステップS2707に移る。
【0249】
一方、ステップS2704において、情報が「A4片面+A4片面+A3片面」でないと制御部1010が判断した場合は、ステップS2706に進む。ステップS2706では、変数Mが「4」より大きいか否かを制御部1010が判断する。
【0250】
ステップS2706で、変数Mが「4」より大きくないと制御部1010が判断した場合はステップS2701に戻る。一方、変数Mが「4」より大きいと制御部1010が判断した場合、ステップS2707に移る。
【0251】
ステップS2707では、制御部1010が、変数Mに「1」を設定し、ステップS2708に進む。
【0252】
ステップS2708では、制御部1010が記憶部1030のディスク装置1030−3に保存している資料のデータのNページを参照する。そして、制御部1010がNページ目が存在するか否かを判断する。
【0253】
ステップS2708において、制御部1010がNページ目が存在すると判断した場合、ステップS2701に戻る。
【0254】
以上、ステップS2701〜ステップS2708を資料の最終ページまで繰り返すことにより、申請書類の1セットが紙原稿の複数枚から構成され、かつ、このセットが複数存在するような原本データであっても、所定のマスクデータを自動的かつ容易に適用することが可能である。
【0255】
一方、ステップS2708で、制御部1010が、Nページ目が存在しないと判断した場合はステップS2709に進む。
【0256】
ステップS2709では、記憶部1030のディスク装置1030−3に保存している表紙データの情報を参照して表紙データのファイルを特定する。そして、そのページを資料のデータの先頭ページとして読み込む。その後、ステップS2710に移行する。
【0257】
ステップS2710では、制御部1010が資料のデータを記憶部1030のディスク装置1030−3にファイルとして保存する。その後、制御部1010は、保存した資料のデータをホスト10の記憶部1030のRAM1030−1に読み込む。読み込んだファイルの内容をホストの表示部1040に図35に示すようなアプリケーション画面を表示する形態で、編集用アプリケーション40を起動させる。
【0258】
以上により、事前に作成したマスクデータを原本データに適用させる処理が全て終了する。
【0259】
〔審査書類印刷処理〕
続いて、編集用アプリケーション40によって実行可能なマスク位置の調整や任意のマスク付与処理と資料の印刷処理について説明する。なお、これらは図20のステップS2007、ステップS2008に相当する処理である。
【0260】
図35は、編集用アプリケーション40に基づく編集画面の一例を示す図である。編集用アプリケーション40による画面にて、自動的に作成された固定位置のマスクデータの位置、大きさ及び内容を確認し、印刷体裁、レイアウト等を確認することが可能に構成されている。
【0261】
図36は、本発明に係る文書管理システムにおける第4のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。図1に示した複合機20の制御部2010,ホスト10の制御部1010が実行するデータ処理手順(印刷データの作成手順)に対応する。なお、S3601〜S3615は各ステップを示す。
【0262】
まず、ホスト10の制御部1010は、上述したように資料作成用アプリケーション30により作成された資料のデータを図35に示したような編集用アプリケーション40の画面に表示する。この表示によって、マスクデータの位置、大きさ及び内容、印刷体裁、レイアウト等をオペレータが確認する(S3601)。
【0263】
次に、制御部1010は、表示している資料のデータにおいて固定位置のマスクデータの位置、大きさ及び色、面付けの種類等の属性をオペレータが変更したか(固定位置のマスクデータを変更する操作をしたか)否かを判断する(S3602)。ここで、表示している資料のデータにおいて固定位置のマスクデータをオペレータが変更する操作をしたと判断した場合、変更したマスクデータの情報をRAM1030−1に保存し(S3603)、ステップS3604に移る。
【0264】
一方、ステップS3602で、表示している資料のデータにおいて固定位置のマスクデータをオペレータが変更する操作をしていないと制御部1010が判断した場合は、ステップS3604に移る。
【0265】
続いて、ステップS3604において、表示している資料のデータに対して、任意のマスクデータをオペレータが追加したか(任意の位置にマスクデータを追加する操作をしたか)否かを判断する。ここで、オペレータが追加する操作をしたと制御部1010が判断した場合、追加したマスクデータの情報をRAM1030−1に保存し(S3605)、ステップS3606に移る。
【0266】
一方、ステップS3604で、表示している資料のデータに対して、任意のマスクデータをオペレータが追加する操作をしていないと制御部1010が判断した場合、次のステップ(S3606)に移る。
【0267】
次に、ステップS3606において、制御部1010は、表示している資料のデータにおけるマスクデータの表示、非表示を切り替える操作をオペレータが実行したか否かを判断する。これは、マスクされた箇所に存在する画像を目視確認する目的などによって任意に実行される。
【0268】
ここで、オペレータが図37に示すような入力画面を用いて、マスクデータの表示、非表示を切り替える操作をしたと判断した場合、オペレータによる表示、非表示の切り替え操作に合わせてマスクデータの表示、非表示を切り替える処理を制御部1010は実行することで、オペレータは資料の内容の目視確認が実行できる(S3607)。その後、ステップS3608に移る。
【0269】
図37は、印刷設定に関するダイアログの一例を示す図である。図37に示すように、マスクデータの印刷指定のチェックボックスにチェックを行う/チェックを外すことにより、マスクデータの印刷指定/非印刷指定及びマスクデータの表示指定/非表示指定を行うことができる。
【0270】
ここでは、マスクデータを表示の状態に切り替えていることとする。このように、マスクデータを表示、非表示の状態に切り替えて以降の印刷を処理した場合、マスクした資料及びマスクされない資料の両者を容易に切り替えて印刷することが可能である。
【0271】
以下、図36のフローチャートの説明に戻る。
【0272】
ステップS3608において、制御部1010は、表示している資料のデータにおいて、オペレータが印刷処理を実行する操作を行うか否かを判断する。オペレータが印刷を行う操作をした(印刷を行う)と判断した場合、不図示の印刷ダイアログをホスト10の表示部1040に表示する(S3609)。
【0273】
不図示の印刷ダイアログに対して、オペレータは出力先のプリンタ、印刷部数、さらに必要に応じてその他の項目を設定し、印刷実行を指示する。オペレータによる印刷実行の指示入力を検知すると、制御部1010は、プリンタを設定し(S3610)、印刷部数を設定し(S3611)、必要に応じてその他の項目を設定し(S3612)、印刷処理を開始し(S3613)、ステップS3614に移る。
【0274】
一方、ステップS3608で、オペレータが印刷を行う操作をしていない(印刷を行わない)と判断した場合、そのままステップS3614に移る。
【0275】
次に、ステップS3614において、制御部1010は、オペレータが編集用アプリケーション40を終了させる操作をしたか否かを判断し、終了させる操作をしていないと判断した場合、ステップS3602に戻る。
【0276】
一方、ステップS3614で、制御部1010は、オペレータが編集用アプリケーションを終了する操作をしたと判断した場合、編集用アプリケーション40を終了させ(S3615)、処理を終了する。
【0277】
なお、図36のフローチャートには図示していないが、編集用アプリケーション40においてオペレータが保存処理を指示した場合、制御部1010は、編集用アプリケーション40において修正された内容を、ディスク装置1030−3に保存している資料のデータに反映させる処理を行うものとする(なお、上書き保存のみでなく、別名で保存することも可能である)。
【0278】
以上説明したように、ホスト10の制御部1010は、資料作成用アプリケーション30,編集用アプリケーション40をRAM1030−1にロードして実行することで、選択されるマスク位置パターンデータを参照し、入力された原稿データの所定の領域に存在する画像を改変することなく、該所定の領域をマスクした形態で出力データを作成する。
【0279】
その際、前記原稿データの各ページに対してフォーム認識を行う。そして、制御部1010は、該各ページのフォーム認識結果と、マスク位置パターンデータに対応するフォーム情報の各ページのページフォーム情報とがそれぞれ一致するか否かを判定する。制御部1010が一致しないと判定した場合、原稿データを前記フォーム情報と一致させるように各種の編集処理を実行し、出力データを作成する処理を行う。
【0280】
以上説明したように、本発明によれば、整列性に問題がある複数枚の紙原稿であっても、適正にマスク処理された最終出力データを効率よく作成、編集処理できる。
【0281】
また、帳票認識するためのフォームをオペレータが意識的に登録するのではなく、文書管理装置(方法)の起動により自動的に登録されるため、作業効率を格段に向上させることができる等の効果を奏する。
【0282】
さらに、原稿入力処理,原稿登録処理,原稿に対するマスク作成,マスク編集,出力処理等とは別にフォーム登録作業が可能であるため、それぞれ分業することができ、作業効率を格段に向上させることができる等の効果を奏する。
以上のように、オリジナルの原稿画像を改変することなく蓄積管理保持した状態で、必要な箇所に対してのみマスク処理された原稿データを画面上に表示することができ、オペレータが確認作業を行うことが容易となる。また、該マスク指定状況からマスク領域に修正等が必要となっても、容易にマスクデータを修正することができるため、原稿記載状況に適応した適正なマスク処理を実行でき、出力データを効率よく編集処理できる。
【0283】
なお、媒体読取部1060は、FD装置、MO装置、CD−ROM装置、ICメモリカード装置等のどのような媒体読取装置も含むものである。さらに、媒体読み取り部1050が読み取る記録媒体は、HDD、MO、CD−ROM、ICメモリカード等のどのような記録媒体であってもよい。
【0284】
以下、図38に示すメモリマップを参照して本発明に係る文書管理システムで読み取り可能なデータ処理プログラムの構成について説明する。
【0285】
図38は、本発明に係る文書管理システムで読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記憶媒体(記録媒体)のメモリマップを説明する図である。
【0286】
なお、特に図示しないが、記憶媒体に記憶されるプログラム群を管理する情報、例えばバージョン情報,作成者等も記憶され、かつ、プログラム読み出し側のOS等に依存する情報、例えばプログラムを識別表示するアイコン等も記憶される場合もある。
【0287】
さらに、各種プログラムに従属するデータも上記ディレクトリに管理されている。また、各種プログラムをコンピュータにインストールするためのプログラムや、インストールするプログラムが圧縮されている場合に、解凍するプログラム等も記憶される場合もある。
【0288】
本実施形態における図13,図18,図20〜図27,図36に示す機能が外部からインストールされるプログラムによって、ホストコンピュータにより遂行されていてもよい。そして、その場合、CD−ROMやフラッシュメモリやFD等の記憶媒体により、あるいはネットワークを介して外部の記憶媒体から、プログラムを含む情報群を出力装置に供給される場合でも本発明は適用されるものである。
【0289】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するソフトウエアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0290】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0291】
従って、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
【0292】
プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVDなどを用いることができる。
【0293】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0294】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続し、該ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは、圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のオペレータに対してダウンロードさせるWWWサーバやftpサーバ等も本発明の請求項に含まれるものである。
【0295】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してオペレータに配布し、所定の条件をクリアしたオペレータに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0296】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0297】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0298】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【符号の説明】
【0299】
10 ホスト
20 複合機
30 資料作成用アプリケーション
40 資料編集用アプリケーション
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙原稿をスキャンすることで得られた原本データを選択する手段と、
原本データにマスク処理をするためのマスク位置パターンデータを選択する手段と、
前記マスク位置パターンデータのフォーム情報を用いて、前記選択された原本データの天地が逆さまか判定する手段と、
を有することを特徴とするデータ処理装置。
【請求項2】
前記判定する手段は、前記選択された原本データに対しページ毎に前記判定を行うもので、前記判定する手段による判定結果天地が逆さまであると判定されたページを180度回転することを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項3】
前記判定結果ならびに前記逆さまを補正したことのログファイルを保存する手段をさらに有することを特徴とする請求項1又は2に記載のデータ処理装置。
【請求項4】
コンピュータを、
紙原稿をスキャンすることで得られた原本データを選択する手段、
原本データにマスク処理をするためのマスク位置パターンデータを選択する手段、
前記マスク位置パターンデータのフォーム情報を用いて、前記選択された原本データの天地が逆さまか判定する手段として機能させるためのプログラム。
【請求項5】
前記判定する手段は、前記選択された原本データに対しページ毎に前記判定を行うもので、前記判定する手段による判定結果天地が逆さまであると判定されたページを180度回転することを特徴とする請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記判定結果ならびに前記逆さまを補正したことのログファイルを保存する手段をさらに有することを特徴とする請求項4又は5に記載のプログラム。
【請求項1】
紙原稿をスキャンすることで得られた原本データを選択する手段と、
原本データにマスク処理をするためのマスク位置パターンデータを選択する手段と、
前記マスク位置パターンデータのフォーム情報を用いて、前記選択された原本データの天地が逆さまか判定する手段と、
を有することを特徴とするデータ処理装置。
【請求項2】
前記判定する手段は、前記選択された原本データに対しページ毎に前記判定を行うもので、前記判定する手段による判定結果天地が逆さまであると判定されたページを180度回転することを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項3】
前記判定結果ならびに前記逆さまを補正したことのログファイルを保存する手段をさらに有することを特徴とする請求項1又は2に記載のデータ処理装置。
【請求項4】
コンピュータを、
紙原稿をスキャンすることで得られた原本データを選択する手段、
原本データにマスク処理をするためのマスク位置パターンデータを選択する手段、
前記マスク位置パターンデータのフォーム情報を用いて、前記選択された原本データの天地が逆さまか判定する手段として機能させるためのプログラム。
【請求項5】
前記判定する手段は、前記選択された原本データに対しページ毎に前記判定を行うもので、前記判定する手段による判定結果天地が逆さまであると判定されたページを180度回転することを特徴とする請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記判定結果ならびに前記逆さまを補正したことのログファイルを保存する手段をさらに有することを特徴とする請求項4又は5に記載のプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【公開番号】特開2012−114959(P2012−114959A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−60887(P2012−60887)
【出願日】平成24年3月16日(2012.3.16)
【分割の表示】特願2010−170107(P2010−170107)の分割
【原出願日】平成16年4月22日(2004.4.22)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年3月16日(2012.3.16)
【分割の表示】特願2010−170107(P2010−170107)の分割
【原出願日】平成16年4月22日(2004.4.22)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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