説明

データ処理装置およびデータ処理方法

【課題】ネットワーク全体で映像データの画質が低下するのを防ぎつつ、ネットワークの輻輳を防ぐことができるデータ処理装置を提供すること。
【解決手段】ネットワークと通信可能に接続する第1のインタフェース部710と、第2の映像入力側装置と通信可能に接続する第2のインタフェース部720と、第2の映像入力側装置が入力した第2の映像データを映像出力側装置へ転送する転送モードのとき、第1の映像入力側装置に対して、第1の映像入力側装置が送信する第1の映像データを、映像出力側装置ではなくデータ処理装置へ送信する旨の指示を行う出力機器制御部740と、転送モードにおいて、第1の映像データと第2の映像データとを合成した合成映像データを生成して、映像出力側装置へ送信するデータ合成部750とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像録画再生装置などの映像入力側装置と、ドアカメラなどの映像入力側装置およびテレビなどの映像出力側装置が配置されるネットワークとの間に配置される、データ処理装置およびそのデータ処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ホームネットワークの普及が進んでいる。ホームネットワークでは、家庭内の住宅設備や家電製品などの間で、情報のやり取りや連携動作が可能となっている。このようなホームネットワークでは、例えば、テレビで、映像録画再生装置の再生映像(以下「コンテンツ映像」という)とドアカメラの撮影映像(以下「カメラ映像」という)とを、一画面で表示させることが可能である。
【0003】
今後、ホームネットワークに接続する機器の増加や、画面サイズの更なる拡大が予測される。ところが、映像データのデータサイズが大きいため、このような機器の増加や画面サイズの拡大により、例えば、上述のシステムでは、テレビ周辺の通信路が輻輳状態となり、ネットワーク上の情報のやり取りあるいは連携動作に支障をきたすおそれがある。
【0004】
例えば、特許文献1には、映像録画再生装置・ドアカメラなどの映像入力側装置において、輻輳の兆候を監視し、テレビなどの映像出力側装置へ送信する映像データを送信前に、より低いビットレートで再エンコードする技術が記載されている。この技術によれば、ネットワークが輻輳状態となるのを回避することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−208954号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、映像データの画質の低下が、ネットワーク全体において発生してしまうという課題がある。
【0007】
このようなネットワーク全体での画質の低下は、ホームネットワークの利便性や価値を低下させ得る。具体的には、特許文献1の技術を適応した場合、例えば、ホームネットワークにおいて、コンテンツ映像とカメラ映像とを一画面に表示するテレビの他に、コンテンツ映像しか表示しないディスプレイ装置が使用されていたとする。この場合、ディスプレイ装置では、コンテンツ映像の映像データしか出力しないにもかかわらず、低品質のコンテンツ映像しか取得することができない。
【0008】
したがって、ネットワークを用いた通信システムでは、ネットワーク全体で映像データの画質が低下することがないような、輻輳防止技術が望まれる。
【0009】
本発明の目的は、ネットワーク全体で映像データの画質が低下するのを防ぎつつ、ネットワークの輻輳を防ぐことができるデータ処理装置およびデータ処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のデータ処理装置は、第1の映像入力側装置および映像出力側装置が配置されるネットワークと、第2の映像入力側装置との間に配置されるデータ処理装置であって、前記ネットワークと通信可能に接続する第1のインタフェース部と、前記第2の映像入力側装置と通信可能に接続する第2のインタフェース部と、前記第2の映像入力側装置が入力した第2の映像データを前記映像出力側装置へ転送する転送モードのとき、前記第1の映像入力側装置に対して、前記第1の映像入力側装置が送信する第1の映像データを、前記映像出力側装置ではなく前記データ処理装置へ送信する旨の指示を行う出力機器制御部と、前記転送モードにおいて、前記第1の映像データと前記第2の映像データとを合成した合成映像データを生成して、前記映像出力側装置へ送信するデータ合成部と、を有する。
【0011】
本発明のデータ処理方法は、第1の映像入力側装置および映像出力側装置が配置されたネットワークと、第2の映像入力側装置との間に配置されるデータ処理装置におけるデータ処理方法であって、前記第2の映像入力側装置が入力した第2の映像データを転送する転送モードを開始するか否かを判断するステップと、前記転送モードのとき、前記第1の映像入力側装置に対して、前記第1の映像入力側装置が送信する第1の映像データを、前記映像出力側装置ではなく前記データ処理装置へ送信することを指示するステップと、前記転送モードにおいて、前記第1の映像データと前記第2の映像データとを合成した合成映像データを生成して、前記映像出力側装置へ送信するステップとを有する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ネットワーク全体で映像データの画質が低下するのを防ぎつつ、ネットワークの輻輳を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態1に係るデータ処理装置を含む通信システムの構成を示すシステム構成図
【図2】本発明の実施の形態1に係るデータ処理装置の構成の一例を示すブロック図
【図3】本発明の実施の形態2に係るデータ処理装置の構成の一例を示すブロック図
【図4】本発明の実施の形態2に係るデータ処理装置の動作の一例を示すフローチャート
【図5】本発明の実施の形態2における通信システム全体の動作の一例を示すシーケンス図
【図6】本発明の実施の形態2の変形例1に係るデータ処理装置の動作の一例を示すフローチャート
【図7】本発明の実施の形態2の変形例1における通信システム全体の動作の一例を示すシーケンス図
【図8】本発明の実施の形態2の変形例2に係るデータ処理装置の動作の一例を示すフローチャート
【図9】本発明の実施の形態2の変形例2における通信システム全体の動作の一例を示すシーケンス図
【図10】本発明の実施の形態3に係るデータ処理装置の構成の一例を示すブロック図
【図11】本発明の実施の形態3に係るデータ処理装置の動作の一例を示すフローチャート
【図12】本発明の実施の形態3に係る通信システム全体の動作の一例を示すシーケンス図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の各実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1は、本発明の基本的態様の例である。
【0016】
図1は、本実施の形態に係るデータ処理装置を含む通信システムの構成を示すシステム構成図である。
【0017】
図1において、通信システム100は、第1の映像入力側装置200、映像出力側装置300、他の装置400、ネットワーク500、第2の映像入力側装置600、およびデータ処理装置700を有する。
【0018】
第1の映像入力側装置200、映像出力側装置300、および他の装置400は、ネットワーク500に配置されている。データ処理装置700は、このネットワーク500と、第2の映像入力側装置600との間に配置されている。
【0019】
第1の映像入力側装置200は、取得した第1の映像データを、例えば、初期状態において、矢印811、812に示す経路で、映像出力側装置300および他の装置400へ直接送信する。
【0020】
映像出力側装置300および他の装置400は、ネットワーク500を介して送られてきた映像データを取得する。
【0021】
第2の映像入力側装置600は、取得した第2の映像データを、例えば、矢印813に示す経路で、データ処理装置700へ送信する。
【0022】
データ処理装置700は、転送モードのとき、第1の映像入力側装置200に対して、第1の映像データを、映像出力側装置300ではなく、データ処理装置700へ送信する旨の指示を行う。転送モードは、第2の映像データを映像出力側装置300へ転送するモードである。そして、データ処理装置700は、転送モードにおいて、第1の映像データと第2の映像データとを合成した合成映像データを生成して、映像出力側装置300へ送信する。
【0023】
すなわち、データ処理装置700は、第1の映像入力側装置200に対して、第1の映像データを、矢印811に示す経路ではなく矢印814に示す経路で送信させる。そして、データ処理装置700は、第1の映像データと第2の映像データとを合成した合成映像データを、矢印815に示す経路で映像出力側装置300へ送信する。
【0024】
図2は、データ処理装置700の構成の一例を示すブロック図である。
【0025】
図2において、データ処理装置700は、第1のインタフェース(IF)部710、第2のインタフェース(IF)部720、出力機器制御部740、およびデータ合成部750を有する。
【0026】
第1のインタフェース部710は、ネットワーク500と通信可能に接続する通信インタフェースである。
【0027】
第2のインタフェース部720は、第2の映像入力側装置600と通信可能に接続する通信インタフェースである。
【0028】
出力機器制御部740は、転送モードのとき、第1の映像入力側装置200に対して、第1の映像データを、映像出力側装置300ではなくデータ処理装置700へ送信する旨の指示を行う。なお、この指示は、第1の映像入力側装置200から他の装置400への第1の映像データの送信を阻害しない。
【0029】
データ合成部750は、転送モードにおいて、第1の映像データと第2の映像データとを合成した合成映像データを生成して、映像出力側装置300へ送信する。
【0030】
データ処理装置700は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等の記憶媒体、および通信回路などを有する。この場合、上述の各機能部は、CPUが制御プログラムを実行することにより実現される。
【0031】
このようなデータ処理装置700は、他の装置400への第1の映像データの送信を維持しつつ、映像出力側装置300への第1の映像データの送信を停止させることができる。そして、データ処理装置700は、第1の映像データおよび第2の映像データに置き換えて、これらを合成した合成映像データを、映像出力側装置300へ送信することができる。
【0032】
これにより、データ処理装置700は、第2の映像データの転送を必要としない他の装置400に対して、第1の映像データを、そのまま送信させることができる。そして、データ処理装置700は、第2の映像データの転送を必要とする映像出力側装置300に対して、ビットレートを低下させるなどした第1の映像データと第2の映像データとの合成映像データを、送信することができる。
【0033】
そして、これにより、データ処理装置700は、第1の映像データと第2の映像データとがそのまま個別に映像出力側装置300に送信される場合に比べて、映像出力側装置300周辺の通信路の通信負荷を軽減することができる。
【0034】
すなわち、データ処理装置700は、ネットワーク500全体で映像データの画質が低下するのを防ぎつつ、ネットワーク500の輻輳を防ぐことができる。
【0035】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2は、本発明を、ドアホンとテレビが配置されたホームネットワークに適用した例である。
【0036】
まず、本実施の形態に係るデータ処理装置の構成について説明する。
【0037】
図3は、本実施の形態に係るデータ処理装置の構成の一例を示すブロック図である。なお、本実施の形態では、説明の便宜のため、ホームネットワーク上の他の装置についても図示している。
【0038】
図3において、データ処理装置700は、第1のインタフェース部710、第2のインタフェース部720、解析部730、出力機器制御部740、データ合成部750およびパケット生成部760を有する。
【0039】
第1のインタフェース部710は、ホームネットワーク510と通信可能に接続する通信インタフェースである。
【0040】
より具体的には、第1のインタフェース部710は、例えば無線LAN(Local Area Network)により、アクセスポイント520を介して、ホームネットワーク510に接続する。
【0041】
なお、ホームネットワーク510には、カメラ付きのドアホン210と、テレビ310とが接続されている。
【0042】
ホームネットワーク510は、実施の形態1の図1に示すネットワーク500に相当する。本実施の形態において、ホームネットワーク510は、パケット通信が行われる通信ネットワークである。
【0043】
ドアホン210は、実施の形態1の図1に示す第1の映像入力側装置200に相当する。本実施の形態において、ドアホン210は、データ処理装置700から後述の制御信号を受信したとき、当該制御信号の内容に従う。また、ドアホン210は、例えばドアホン押下を受けて、ドア外部の撮影を開始する。そして、ドアホン210は、撮影映像のデータの送信の対象として登録されている機器に対して、映像受信依頼要求を送信する。映像受信依頼要求は、第1の映像データの受信を開始することの要求である。
【0044】
ただし、ドアホン210は、上述の制御信号の1つとして、データ処理装置700から送信先削除要求を受信したとき、テレビ310を送信の対象から外す。送信先削除要求は、上述の制御信号の1つであり、ドアホン210に対し、第1の映像データの送信先の登録から、テレビ310を削除することの要求である。テレビ310が送信の対象から外されている間、ドアホン210は、テレビ310への映像受信依頼要求の送信は開始しない。そして、ドアホン210は、第1の映像データの送信を開始するとき、データ処理装置700に対して、映像受信依頼要求を送信する。
【0045】
そして、ドアホン210は、映像送信要求をデータ処理装置700から受けた場合、第1の映像データのデータ処理装置700への送信を開始する。映像送信要求は、第1の映像データのデータ処理装置700への送信を開始し、第1の映像データのテレビ310への送信を開始することの要求であり、映像受信依頼要求の受理を示すものである。すなわち、上述の送信先削除要求と映像送信要求との組は、第1の映像データのデータ処理装置700への送信を開始し、第1の映像データのテレビ310への送信を開始しないことの要求である。
【0046】
テレビ310は、実施の形態1の図1に示す映像出力側装置300に相当する。本実施の形態において、テレビ310は、例えば、ユーザ操作を受けて、コンテンツ送信要求を格納したパケット、および、コンテンツ送信停止要求を格納したパケットを、データ処理装置700へ送信する。コンテンツ送信要求は、不揮発性記憶媒体であるハードディスク610が出力する第2の映像データの転送を開始することの要求である。一方、コンテンツ送信停止要求は、第2の映像データの転送を停止することの要求である。
【0047】
ハードディスク610は、実施の形態1の図1に示す第2の映像入力側装置600に相当する。本実施の形態において、ハードディスク610は、データ処理装置700の制御を受けて、格納する映像コンテンツのデータを、第2の映像データとして、データ処理装置700へ送信する。
【0048】
また、データ処理装置700、ドアホン210、およびテレビ310は、例えば、DLNA(Digital Living Network Alliance)規格に準拠した通信方式により、相互通信を行うものとする。すなわち、これらの各装置は、互いに、ホームネットワーク510を介して接続し、通信を行うことができる。なお、データ処理装置700、ドアホン210、およびテレビ310間で送受される各種要求は、DLNA規格のイベントメッセージとする。また、ホームネットワーク510には、同様にDLNA規格に準拠した他の装置が接続されているが、その図示および説明を省略する。
【0049】
第2のインタフェース部720は、ハードディスク610と通信可能に接続する通信インタフェースである。
【0050】
より具体的には、第2のインタフェース部720は、例えば、USB(Universal Serial Bus)あるいはSATA(Serial Advanced Technology Attachment)などの規格に準拠した通信インタフェースにより、ハードディスク610と通信可能に接続する。そして、第2のインタフェース部720は、ハードディスク610内に格納されている映像コンテンツの受信、および、データ処理装置700が保持する映像コンテンツのハードディスク610への送信を行う。
【0051】
解析部730は、テレビ310からパケットを受信するごとに、当該パケットに、第2の映像データの送信開始の要求および第2の映像データの送信停止の要求のいずれかが含まれているか否かを判断する。
【0052】
より具体的には、解析部730は、テレビ310からの受信パケットを解析し、コンテンツ送信要求およびコンテンツ送信停止要求のいずれかが含まれているか否かを判断する。そして、解析部730は、コンテンツ送信要求が受信パケットに含まれていた場合、出力機器制御部740およびデータ合成部750に対して、転送モードの開始を指示する。また、解析部730は、コンテンツ送信停止要求がパケットに含まれていた場合、出力機器制御部740およびデータ合成部750に対して、転送モードの終了を指示する。
【0053】
また、解析部730は、ドアホン210からパケットを受信するごとに、当該パケットに、映像受信依頼要求および最終パケット通知のいずれかが含まれているか否かを解析する。最終パケット通知は、連続した第1の映像データを格納した一連のパケットのうちの、最終パケットであることを示す情報である。そして、解析部730は、映像受信依頼要求が受信パケットに含まれていた場合、データ合成部750に対して、合成開始(合成映像データの生成の開始)を指示し、出力機器制御部740に対して、映像送信要求の返信を指示する。また、解析部730は、最終パケット通知が受信パケットに含まれていた場合、データ合成部750に対して、合成終了(合成映像データの生成の終了)を指示する。
【0054】
出力機器制御部740は、転送モードの開始を指示されたとき、ドアホン210に対して、第1の映像データを、テレビ310ではなくデータ処理装置700へ送信する旨の指示を行う。また、出力機器制御部740は、映像送信要求の返信を指示されたとき、ドアホン210に対して、映像送信要求の受理を示す映像送信要求を送信する。更に、出力機器制御部740は、転送モードの終了を指示されたとき、ドアホン210に対して、第1の映像データを、テレビ310へ送信する旨の指示を行う。
【0055】
より具体的には、出力機器制御部740は、転送モードの開始を指示されたとき、パケット生成部760へ、送信先削除要求を出力する。
【0056】
また、出力機器制御部740は、映像送信要求の返信を指示されたとき、パケット生成部760へ、映像送信要求を出力する。
【0057】
また、出力機器制御部740は、転送モードの終了を指示されたとき、パケット生成部760へ、送信先登録要求を出力する。送信先登録要求は、上述の制御信号の1つであり、ドアホン210に対し、第1の映像データの送信先に、テレビ310を登録することの要求である。
【0058】
なお、出力機器制御部740は、更に、データ合成部750から第2の映像データがなくなった旨の通知を受けたとき、ドアホン210に対して、第1の映像データを、テレビ310へ送信する旨の指示を行ってもよい。
【0059】
また、出力機器制御部740は、ドアホン210およびテレビ310が接続されているか否かを判断し、両方が接続されていることを条件として、送信先削除要求を送信することが望ましい。接続の有無の判断は、例えば、各装置がDLNA規格のメッセージとして送信する、Searchメッセージ(接続機器探索)またはNotifyメッセージの受信に基づいて行うことができる。
【0060】
データ合成部750は、転送モードにおいて、第1の映像データと第2の映像データとを合成した合成映像データを生成して、テレビ310へ送信する。
【0061】
より具体的には、データ合成部750は、転送モードの開始が指示されたとき、第2のインタフェース部720を介して、ハードディスク610に格納された第2の映像データの受信を開始する。そして、データ合成部750は、転送モードの開始を指示されてから、転送モードの終了を指示されるまで、および、受信される第2の映像データがなくなるまでの間(以下「転送モード区間」という)、第2の映像データの受信を行う。
【0062】
そして、データ合成部750は、転送モード区間において、第1のインタフェース部710が第1の映像データを受信していないとき、受信した第2の映像データを、パケット生成部760へ出力する。すなわち、データ合成部750は、合成開始の指示を受けるまで、および、合成終了の指示を受けた後、テレビ310への送信の対象として、第2の映像データを出力する。
【0063】
また、データ合成部750は、転送モード区間において、第1のインタフェース部710が第1の映像データを受信しているとき、合成映像データを生成する。そして、データ合成部750は、生成した合成映像データを、パケット生成部760へ出力する。すなわち、データ合成部750は、合成開始の指示を受けてから、合成終了の指示を受けるまで、テレビ310への送信の対象として、合成映像データを出力する。合成映像データは、第1のインタフェース部710を介して受信した第1の映像データの映像と、第2のインタフェース部720を介して受信した第2の映像データの映像とが、一画面に収まった合成映像のデータである。
【0064】
なお、データ合成部750は、第1の映像データおよび第2の映像データの少なくとも一方に対して、画面サイズの大きさ変更や一部切り出しなどを行うものとする。そして、これにより、データ合成部750は、第1の映像データおよび第2の映像データの合計のデータ量よりも低いデータ量の合成映像データを、生成するものとする。
【0065】
パケット生成部760は、送信先削除要求、映像送信要求、および送信先登録要求を入力されたとき、これらを格納したパケットを生成し、ドアホン210へ送信する。また、パケット生成部760は、データ合成部750が出力する合成映像データおよび第2の映像データを、パケット化して、テレビ310へ送信する。
【0066】
すなわち、パケット生成部760は、転送モードが開始するとき、送信先削除要求を格納したパケットを、第1のインタフェース部710を介して、ドアホン210へ送信する。また、パケット生成部760は、映像受信依頼要求が受信されたとき、映像送信要求を格納したパケットを、第1のインタフェース部710を介して、ドアホン210へ送信する。そして、パケット生成部760は、転送モードが終了するとき、送信先登録要求を格納したパケットを、第1のインタフェース部710を介して、ドアホン210へ送信する。
【0067】
また、パケット生成部760は、転送モード区間において、第1の映像データが送られてきていないとき、第2の映像データを一連のパケットに順次パケット化し、第1のインタフェース部710を介して、テレビ310へ送信する。一方、パケット生成部760は、転送モード区間において、第1の映像データが送られてきているとき、合成映像データを一連のパケットに順次パケット化し、第1のインタフェース部710を介して、テレビ310へ送信する。
【0068】
データ処理装置700は、例えば、CPU、RAM等の記憶媒体、および通信回路などを有する。この場合、上述の各機能部は、CPUが制御プログラムを実行することにより実現される。
【0069】
このようなデータ処理装置700は、第1の映像データと第2の映像データとがそのままテレビ310に送信される場合に比べて、テレビ310周辺の通信路の通信負荷を軽減することができる。
【0070】
以上で、データ処理装置700の構成についての説明を終える。
【0071】
次に、データ処理装置700の動作について説明する。
【0072】
図4は、データ処理装置700の動作の一例を示すフローチャートである。
【0073】
まず、ステップS1010において、第1のインタフェース部710は、パケットを受信したか否かを判断する。第1のインタフェース部710は、パケットを受信していない場合(S1010:NO)、ステップS1020へ進む。また、第1のインタフェース部710は、パケットを受信した場合(S1010:YES)、ステップS1030へ進む。
【0074】
なお、本実施の形態において、説明の便宜のため、第1のインタフェース部710は、テレビ310およびドアホン210のみから、パケットを受信するものとする。
【0075】
ステップS1030において、解析部730は、受信パケットの内容が、M−Search(接続機器探索)であるか否かを判断する。M−Searchは、DLNA規格に準拠した装置が、通信ネットワークに接続する他の装置を探索するための信号である。解析部730は、受信パケットの内容がM−Searchではない場合(S1030:NO)、ステップS1040へ進む。また、解析部730は、受信パケットの内容がM−Searchである場合(S1030:YES)、ステップS1050へ進む。
【0076】
ステップS1050において、解析部730は、M−Searchの送信元の情報を、機器接続情報として、出力機器制御部740へ出力して保持させるとともに、応答パケットをM−Searchの送信元へ送信する。なお、送信元は、例えば、パケットのヘッダ情報から取得することができる。
【0077】
ステップS1040において、解析部730は、受信パケットの内容が、コンテンツ送信要求であるか否かを判断する。解析部730は、受信パケットの内容がコンテンツ送信要求ではない場合(S1040:NO)、ステップS1060へ進む。また、解析部730は、受信パケットの内容がコンテンツ送信要求である場合(S1040:YES)、ステップS1070へ進む。
【0078】
ステップS1070において、出力機器制御部740は、パケット生成部760および第1のインタフェース部710を介して、送信先削除要求をドアホン210へ送信する。また、データ合成部750は、第2のインタフェース部720を介して第2の映像データを入力し、テレビ310への転送を開始する。
【0079】
ステップS1060において、解析部730は、受信パケットの内容が、映像受信依頼要求であるか否かを判断する。解析部730は、受信パケットの内容が映像受信依頼要求ではない場合(S1060:NO)、ステップS1080へ進む。また、解析部730は、受信パケットの内容が映像受信依頼要求である場合(S1060:YES)、ステップS1090へ進む。
【0080】
ステップS1090において、出力機器制御部740は、映像送信要求をドアホン210へ送信する。また、データ合成部750は、第1の映像データの受信を開始し、第1の映像データと第2の映像データとの合成、および、合成映像データのテレビ310への送信を開始する。
【0081】
ステップS1080において、解析部730は、受信パケットの内容が、最終パケット通知であるか否かを判断する。解析部730は、受信パケットの内容が最終パケット通知ではない場合(S1080:NO)、ステップS1020へ進む。また、解析部730は、受信パケットの内容が最終パケット通知である場合(S1080:YES)、ステップS1100へ進む。
【0082】
ステップS1100において、データ合成部750は、第1の映像データと第2の映像データとの合成を終了し、転送モードが終了していない場合、第2の映像データの送信に切り替える。また、出力機器制御部740は、転送モードが終了している場合、送信先登録要求をドアホン210へ送信する。
【0083】
そして、ステップS1020において、第1のインタフェース部710は、ユーザ操作などにより処理の終了を指示されたか否かを判断する。第1のインタフェース部710は、処理の終了を指示されていない場合(S1020:NO)、ステップS1010へ戻る。また、第1のインタフェース部710は、処理の終了を指示された場合(S1020:YES)、一連の動作を終了する。
【0084】
このような動作により、データ処理装置700は、他の装置からの要求に応じて、第2の映像の転送、第1の映像データの送信先の制御、および合成映像データの生成および送信を行うことができる。
【0085】
なお、解析部730は、パケットの送信元がドアホン210かテレビ310かによって、判断処理を切り替えるようにしてもよい。すなわち、解析部730は、送信元がドアホン210である場合には、ステップS1040の判断処理を行わず、送信元がテレビ310である場合には、ステップS1060、S1080の判断処理を行わないようにしてもよい。
【0086】
以上で、データ処理装置700の動作についての説明を終える。
【0087】
次に、通信システム全体の動作について説明する。
【0088】
図5は、本実施の形態に係る通信システム全体の動作の一例を示すシーケンス図である。なお、ドアホン210、テレビ310、およびデータ処理装置700以外の装置については、図示および説明を省略する。
【0089】
データ処理装置700は、ドアホン210からM−Searchを受信すると(S2010)、これに対する応答を返信する(S2020)。同様に、データ処理装置700は、テレビ310からM−Searchを受信すると(S2030)、これに対する応答を返信する(S2040)。
【0090】
テレビ310は、例えば映像再生ボタンが押下されると(S2050)、コンテンツ送信要求を、データ処理装置700へ送信する(S2060)。すると、データ処理装置700は、送信先削除要求をドアホン210へ送信し(S2070)、第2の映像データのテレビ310への転送を開始する(S2080)。
【0091】
ドアホン210は、例えば、ドアホンボタンが押下されると(S2090)、映像受信依頼要求をデータ処理装置700へ送信する(S2100)。すると、データ処理装置700は、映像送信要求2110をドアホン210へ送信する(S2110)。そして、データ処理装置700は、第1の映像データがドアホン210から送られてくると(S2120)、第1の映像データと第2の映像データとの合成映像データをテレビ310へ送信を開始する(S2130)。
【0092】
そして、データ処理装置700は、ドアホン210から最終パケット通知を受信すると(S2140)、第2の映像データの送信に切り替える(S2150)。また、データ処理装置700は、最終パケット通知を受信後に、新たな映像受信依頼要求を受信しないまま転送モードが終了(例えば第2の映像データが終了)すると、送信先登録要求をドアホン210へ送信する(S2160)。
【0093】
以上のように、本実施の形態に係るデータ処理装置700は、転送モードが開始するとき、ドアホン210に対して、第1の映像データを、テレビ310ではなく、データ処理装置700へ送信するように指示することができる。そして、データ処理装置700は、第1の映像データと第2の映像データとを合成した合成映像データを、テレビ310へ送信することができる。これにより、データ処理装置700は、他の装置への第1の映像データの送信を維持しつつ、第1の映像データに代えて、合成映像データをテレビ310へ送信することができる。すなわち、データ処理装置700は、ホームネットワーク510全体で映像データの画質が低下するのを防ぎつつ、ホームネットワーク510の輻輳を防ぐことができる。
【0094】
また、ドアホン210がデフォルトでホームネットワーク510の全ての装置(データ処理装置700を含む)に対して個別に映像データを送信する場合は、ドアホン210からテレビ310へと送信される映像データが1つ減ることになる。したがって、このような場合、データ処理装置700は、ドアホン210側の送信電力およびテレビ310側の受信電力を、それぞれ削減することができる。
【0095】
以下、第1の映像入力側装置200に相当する装置をセットトップボックスとしたときの、データ処理装置700の動作の他の例について説明する。
【0096】
(変形例1)
本発明の変形例1は、第1の映像入力側装置200がセットトップボックス220(図7参照)であり、テレビ310が合成映像データの生成開始をトリガする例である。
【0097】
図6は、本変形例に係るデータ処理装置700の動作の一例を示すフローチャートであり、図4に対応するものである。図4と同一部分には、同一ステップ番号を付し、これについての説明を省略する。
【0098】
本変形例において、解析部730は、受信パケットの内容がコンテンツ送信要求ではない場合(S1040:NO)、ステップS1060aへ進む。また、解析部730は、受信パケットの内容がコンテンツ送信要求である場合(S1040:YES)、ステップS1070aへ進む。
【0099】
ステップS1070aおいて、データ合成部750は、第2のインタフェース部720を介して第2の映像データを入力し、テレビ310への転送を開始する。
【0100】
ステップS1060aにおいて、解析部730は、受信パケットの内容が視聴・録画開始要求であるか否かを判断する。視聴・録画開始要求は、テレビ310が、ハードディスク610が出力する第2の映像データの受信と併せて、セットトップボックス220が出力する第1の映像データの録画および受信を行うことの要求である。第1の映像データの録画は、例えば、第2のインタフェース部720を介して第1の映像データをハードディスク610に記録することにより、行われる。解析部730は、受信パケットの内容が視聴・録画開始要求ではない場合(S1060a:NO)、ステップS1080aへ進む。また、解析部730は、受信パケットの内容が視聴・録画開始要求である場合(S1060a:YES)、ステップS1090aへ進む。
【0101】
ステップS1090aにおいて、出力機器制御部740は、映像送信要求をセットトップボックス220へ送信する。なお、本変形例において、映像送信要求は、第1の映像データのデータ処理装置700への送信を開始し、かつ、第1の映像データのテレビ310への送信を開始しないことの要求である。また、データ合成部750は、第1の映像データの受信および録画、第1の映像データと第2の映像データとの合成、および、合成映像データのテレビ310への送信を、開始する。
【0102】
ステップS1080aにおいて、解析部730は、受信パケットの内容が、視聴・録画停止要求であるか否かを判断する。視聴・録画停止要求は、テレビ310が、セットトップボックス220が出力する第1の映像データの録画および受信を停止することの要求である。解析部730は、受信パケットの内容が視聴・録画停止要求ではない場合(S1080a:NO)、ステップS1020へ進む。また、解析部730は、受信パケットの内容が視聴・録画停止要求である場合(S1080a:YES)、ステップS1100aへ進む。
【0103】
ステップS1100aにおいて、データ合成部750は、第1の映像データと第2の映像データとの合成を終了し、転送モードが終了していない場合、第2の映像データの送信に切り替える。また、出力機器制御部740は、映像送信停止要求をセットトップボックス220へ送信する。映像送信停止要求は、第1の映像データのデータ処理装置700への送信を停止し、以降の第1の映像データはテレビ310へ送信することの要求である。
【0104】
図7は、本変形例に係る通信システム全体の動作の一例を示すシーケンス図である。なお、セットトップボックス220、テレビ310、およびデータ処理装置700以外の装置については、図示および説明を省略する。
【0105】
データ処理装置700は、テレビ310からコンテンツ送信要求を受信すると(S3010)、第2の映像データのテレビ310への転送を開始する(S3020)。そして、データ処理装置700は、テレビ310から視聴・録画開始要求を受信すると(S3030)、映像送信要求をセットトップボックス220へ送信する(S3040)。
【0106】
データ処理装置700は、第1の映像データがセットトップボックス220から送られてくると(S3050)、第1の映像データの録画と、合成映像データのテレビ310への送信とを開始する(S3060)。
【0107】
そして、データ処理装置700は、テレビ310から視聴・録画停止要求を受信するとS3070)、映像送信停止要求をセットトップボックス220へ送信し(S3080)、第2の映像データの送信に切り替える(S3090)。
【0108】
このような変形例に係るデータ処理装置700は、転送モード中にテレビ310から第1の映像データの要求があったとき、第1の映像データを受信し、合成データをテレビ310へ送信することができる。すなわち、データ処理装置700は、テレビ310からのトリガを受けて、第1の映像データの直接送信の停止および合成映像データの送信を開始することができる。
【0109】
なお、視聴・録画停止要求は、第1の映像データのテレビ310での視聴の要求と、第1の映像データのデータ処理装置700での録画の要求とにより構成されていてもよく、また、それらが別々に発行されてもよい。
【0110】
データ処理装置700は、視聴の要求と録画の要求とを別にした場合、例えば、要求の対象が同一のチャンネルであるか否かの判断処理を併せて行うことが望ましい。これにより、データ処理装置700は、要求の対象が同一のチャンネルである場合にのみ、セットトップボックス220からテレビ310への第1の映像データの転送を停止させることができる。すなわち、データ処理装置700は、視聴と録画とを独立して操作することが可能となる。また、この場合、出力機器制御部740は、映像送信要求を発行するのは、録画の要求を受信したケースであり、合成を開始するのは、視聴の要求を受信した後に、同一の対象について、録画の要求を受信したケース、もしくは、その逆のケースである。したがって、データ処理装置700は、具体的には、図6のステップS1060a、S1090aの処理を、それぞれのケースごとに行うことになる。
【0111】
(変形例2)
本発明の変形例2は、データ処理装置700が第1の映像データの取得開始をトリガする例である。
【0112】
なお、本変形例において、データ処理装置700は、第1の映像データを含む各種映像データのハードディスク610への録画の予約を受け付けるものとする。予約録画の開始および終了のタイミングは、例えば、セットトップボックス220から予め取得した番組表に対してユーザが設定した予約情報と、時刻情報とから、判断することができる。また、予約録画の対象が第1の映像データであるか否かは、設定された予約情報から判断することができる。また、受信した映像送信要求の対象が第1の映像データであるか否かは、設定された予約情報と、受信した映像送信要求のパケット内のコンテンツ識別情報とを比較することにより、判断することができる。
【0113】
図8は、本変形例に係るデータ処理装置700の動作の一例を示すフローチャートであり、図6に対応するものである。図6と同一部分には同一ステップ番号を付し、これについての説明を省略する。
【0114】
本変形例において、第1のインタフェース部710は、パケットを受信していない場合(S1010:NO)、ステップS1110bへ進む。
【0115】
ステップS1110bにおいて、解析部730は、第1の映像データの予約録画を開始するタイミングが到来したか否かを判断する。解析部730は、予約録画を開始するタイミングが到来していない場合(S1110b:NO)、ステップS1120bへ進む。また、解析部730は、予約録画を開始するタイミングが到来した場合(S1110b:YES)、ステップ1130bへ進む。
【0116】
ステップS1130bにおいて、出力機器制御部740は、第1の映像データを受信していない場合、映像送信要求をセットトップボックス220へ送信し、第1の映像データの受信および録画を開始する。
【0117】
ステップS1120bにおいて、解析部730は、第1の映像データの予約録画を終了するタイミングが到来したか否かを判断する。解析部730は、予約録画を終了するタイミングが到来していない場合(S1120b:NO)、ステップS1020へ進む。また、解析部730は、予約録画を終了するタイミングが到来した場合(S1120b:YES)、ステップS1100aへ進む。この結果、データ合成部750は、合成を行っている場合、合成を終了し、映像送信停止要求をセットトップボックス220へ送信する。
【0118】
また、本変形例において、解析部730は、受信パケットの内容がコンテンツ送信要求ではない場合(S1040:NO)、ステップS1060bへ進む。
【0119】
ステップS1060bにおいて、解析部730は、受信パケットの内容が視聴開始要求であるか否かを判断する。視聴開始要求は、テレビ310が、ハードディスク610が出力する第2の映像データの受信と併せて、セットトップボックス220が出力する第1の映像データの受信を行うことの要求である。解析部730は、受信パケットの内容が視聴開始要求ではない場合(S1060b:NO)、ステップS1020へ進む。また、解析部730は、受信パケットの内容が視聴開始要求である場合(S1060b:YES)、ステップS1090bへ進む。
【0120】
ステップS1090bにおいて、出力機器制御部740は、第1の映像データを受信していない場合、映像送信要求をセットトップボックス220へ送信し、第1の映像データの受信およびテレビ310への転送を開始する。なお、データ合成部750は、第2の映像データの転送を行っている場合、第1の映像データと第2の映像データとの合成、および、合成映像データのテレビ310への送信を、開始する。
【0121】
図9は、本変形例に係る通信システム全体の動作の一例を示すシーケンス図である。なお、セットトップボックス220、テレビ310、およびデータ処理装置700以外の装置については、図示および説明を省略する。
【0122】
データ処理装置700は、予約録画開始タイミングが到来すると(S4010)、映像送信要求をセットトップボックス220へ送信し(S4020)、第1の映像データの受信を開始する(S4030)。ただし、転送モード中ではないため、ここでの映像送信要求は、送信先からテレビ310を除外しないものであってもよい。
【0123】
また、データ処理装置700は、テレビ310からコンテンツ送信要求を受信すると(S4040)、第2の映像データの転送を開始する(S4050)。これは、データ処理装置700が、第1の映像データのハードディスク610への書込みと、第2の映像データのハードディスク610からの読み出しとを、同時に行っている状態である。
【0124】
この状態で、データ処理装置700は、視聴開始要求を受信すると(S4060)、映像送信要求をセットトップボックス220へ送信する(S4070)。転送モード中であるため、ここでの映像送信要求は、送信先からテレビ310を除外したものである。すなわち、セットトップボックス220は、送信先からテレビ310を除外した状態で、第1の映像データをデータ処理装置700へ送信する(S4080)。この結果、データ処理装置700は、合成映像データのテレビ310への送信を開始する(S4090)。
【0125】
そして、予約録画終了タイミングが到来すると(S4100)、データ処理装置700は、映像送信停止要求をセットトップボックス220へ送信する(S4110)。この結果、第1の映像データの受信は停止し、データ処理装置700は、第2の映像データの転送を開始する(S4120)。
【0126】
このような変形例に係るデータ処理装置700は、予約録画開始タイミングで、第1の映像データの受信を開始することができる。そして、データ処理装置700は、転送モード中に予約録画を開始し、かつ、テレビ310から第1の映像データの要求があったとき、合成データをテレビ310へ送信することができる。すなわち、データ処理装置700は、第1の映像データの取得開始をトリガし、かつ、テレビ310からのトリガを受けて、第1の映像データの直接送信の停止および合成映像データの送信を開始することができる。
【0127】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3は、合成映像データの画面における第1の映像データおよび第2の映像データのレイアウト(以下「合成映像レイアウト」という)を、変更可能にした例である。
【0128】
図10は、本実施の形態に係るデータ処理装置の構成の一例を示すブロック図であり、実施の形態2の図3に対応するものである。図3と同一部分には同一符号を付し、これについての説明を省略する。
【0129】
図10において、データ処理装置700cは、図3の構成に加えて、レイアウト情報管理部770cを有する。
【0130】
レイアウト情報管理部770cは、データ合成部750に対し、レイアウト情報に従って合成映像データを生成させる。
【0131】
より具体的には、レイアウト情報管理部770cは、合成映像レイアウトを示すレイアウト情報を保持し、保持するレイアウト情報が示す合成映像レイアウトの合成映像データが生成されるように、データ合成部750を制御する。
【0132】
なお、本実施の形態において、テレビ310は、複数の異なる合成映像レイアウトの中から、レイアウト変更ボタンの押下などにより、ユーザから合成映像レイアウトの選択を受け付けるものとする。そして、テレビ310は、選択された合成映像レイアウトを示すレイアウト情報を、データ処理装置700へ送信するものとする。
【0133】
また、本実施の形態において、解析部730は、テレビ310からパケットを受信したとき、当該パケットにレイアウト情報が含まれているか否かを、更に判断するものとする。そして、解析部730は、受信パケットの内容がレイアウト情報である場合、そのレイアウト情報を抽出するものとする。そして、解析部730は、レイアウト情報を抽出するごとに、レイアウト情報管理部770cの保持内容を、その抽出したレイアウト情報で更新するものとする。
【0134】
図11は、データ処理装置700の動作の一例を示すフローチャートであり、実施の形態2の図4に対応するものである。図4と同一部分には、同一ステップ番号を付し、これについての説明を省略する。
【0135】
本実施の形態において、解析部730は、受信パケットの内容が最終パケット通知ではない場合(S1080:NO)、ステップS1140cへ進む。
【0136】
ステップS1140cにおいて、解析部730は、受信パケットの内容が、レイアウト情報であるか否かを判断する。解析部730は、受信パケットの内容がレイアウト情報ではない場合(S1140c:NO)、ステップS1020へ進む。また、解析部730は、受信パケットの内容がレイアウト情報である場合(S1140c:YES)、ステップS1150cへ進む。
【0137】
ステップS1150cにおいて、レイアウト情報管理部770cは、保持するレイアウト情報を、新たに受信したレイアウト情報で更新する。この結果、生成される合成映像データの合成映像レイアウトは、テレビ310から指定された合成映像レイアウトとなる。
【0138】
図12は、本実施の形態に係る通信システム全体の動作の一例を示すシーケンス図であり、実施の形態2の図5に対応するものである。なお、ドアホン210、テレビ310、およびデータ処理装置700c以外の装置については、図示および説明を省略する。
【0139】
テレビ310は、レイアウト変更ボタンが押下されていずれかの合成映像レイアウトが選択されると(S2041c)、当該合成映像レイアウトを示すレイアウト情報を、データ処理装置700cへ送信する(S2042c)。
【0140】
データ処理装置700cは、受信したレイアウト情報が示す内容に従って、合成映像レイアウトを変更する(S2043c)。この結果、以降のステップS2130において送信が開始される合成映像データの合成映像レイアウトは、テレビ310で選択された内容となる。
【0141】
このように、本実施の形態に係るデータ処理装置700cは、合成映像データに用いるレイアウト情報を変更することができるので、合成映像データの合成映像レイアウトを変更することができる。また、データ処理装置700cは、テレビ310からレイアウト情報を受信し、受信したレイアウト情報を採用するので、テレビ310のユーザが望む合成映像レイアウトを実現することができる。
【0142】
なお、以上説明した各実施の形態において、第1の映像入力側装置、映像出力側装置、および第2の映像入力側装置に相当する各装置は、ドアホン、セットトップボックス、テレビ、およびハードディスクとしたが、これに限定されない。第1の映像入力側装置に相当する装置は、センサカメラ、監視カメラ、ネットワーク対応テレビ、およびモバイルルータなどとすることができる。
【0143】
また、データ処理装置のネットワークとの接続形態(ネットワークの種類およびデータ送受信のための設備など)は、上述の各実施の形態で説明した例に限定されない。例えば、データ処理装置は、有線LANおよびルータによりネットワークに接続してもよい。例えば、データ処理装置は、携帯電話回線と無線LANなど、複数の通信機能を持つルータ機能を有する機器にも応用することができる。
【0144】
また、データ処理装置の第2の映像入力側装置との接続形態は、上述の各実施の形態で説明した例に限定されない。例えば、データ処理装置は、携帯電話網などのネットワークを介して、第2の映像入力側装置に接続してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0145】
本発明に係るデータ処理装置およびデータ処理方法は、ネットワーク全体で映像データの画質が低下するのを防ぎつつ、ネットワークの輻輳を防ぐことができるデータ処理装置およびデータ処理方法として有用である。
【符号の説明】
【0146】
100 通信システム
200 第1の映像入力側装置
210 ドアホン
220 セットトップボックス
300 映像出力側装置
310 テレビ
400 他の装置
500 ネットワーク
510 ホームネットワーク
520 アクセスポイント
600 第2の映像入力側装置
610 ハードディスク
700、700c データ処理装置
710 第1のインタフェース部
720 第2のインタフェース部
730 解析部
740 出力機器制御部
750 データ合成部
760 パケット生成部
770c レイアウト情報管理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の映像入力側装置および映像出力側装置が配置されるネットワークと、第2の映像入力側装置との間に配置されるデータ処理装置であって、
前記ネットワークと通信可能に接続する第1のインタフェース部と、
前記第2の映像入力側装置と通信可能に接続する第2のインタフェース部と、
前記第2の映像入力側装置が入力した第2の映像データを前記映像出力側装置へ転送する転送モードのとき、前記第1の映像入力側装置に対して、前記第1の映像入力側装置が送信する第1の映像データを、前記映像出力側装置ではなく前記データ処理装置へ送信する旨の指示を行う出力機器制御部と、
前記転送モードにおいて、前記第1の映像データと前記第2の映像データとを合成した合成映像データを生成して、前記映像出力側装置へ送信するデータ合成部と、を有する、
データ処理装置。
【請求項2】
前記出力機器制御部は、
前記転送モードが終了するとき、前記第1の映像入力側装置に対して、前記第1の映像データを前記映像出力側装置へ送信する旨の指示を行う、
請求項1記載のデータ処理装置。
【請求項3】
前記指示は、前記第1の映像入力側装置に対して、前記第1の映像データの送信先から前記映像出力装置を削除することの指示を含む、
請求項1記載のデータ処理装置
【請求項4】
前記出力機器制御部は、
前記転送モードが開始するとき、前記指示を行う、
請求項2記載のデータ処理装置。
【請求項5】
前記出力機器制御部は、
前記第2の映像データが前記映像出力装置へ送信されており、かつ、前記第1のインタフェース部が前記映像出力側装置から前記第2の映像データの転送開始の要求を受信したとき、前記指示を行う、
請求項1記載のデータ処理装置。
【請求項6】
前記出力機器制御部は、
前記第1のインタフェース部が前記映像出力側装置から前記第2の映像データの転送開始の要求を受信したとき、前記転送モードを開始し、前記第1のインタフェース部が前記映像出力側装置から前記第2の映像データの転送停止の要求を受信したとき、および、前記第2の映像データがなくなったとき、前記転送モードを終了する、
請求項4記載のデータ処理装置。
【請求項7】
前記ネットワークは、パケット通信が行われる通信ネットワークであり、
前記映像出力側装置からパケットを受信したとき、当該パケットに、前記転送開始の要求および前記転送停止の要求のいずれかが含まれているか否かを判断する解析部と、
前記データ合成部が出力する前記合成映像データおよび前記第2の映像データを、パケット化して前記映像出力側装置へ送信するパケット生成部と、を更に有する、
請求項6記載のデータ処理装置。
【請求項8】
前記出力機器制御部は、
前記ネットワークに前記第1の映像入力側装置および前記映像出力側装置が接続されているか否かを判断し、前記第1の映像入力側装置および前記映像出力側装置が接続されていることを条件として、前記第1の映像データを前記データ処理装置へ送信する旨の前記指示を行う、
請求項7記載のデータ処理装置。
【請求項9】
前記データ合成部は、
前記第1の映像データの映像と前記第2の映像データの映像とが一画面に収まった合成映像のデータを、前記合成映像データとして生成する、
請求項8記載のデータ処理装置。
【請求項10】
前記解析部は、
前記映像出力側装置からパケットを受信したとき、当該パケットに、前記合成映像のレイアウト情報が含まれているか否かを更に判断し、
前記データ合成部に対し、前記レイアウト情報に従って前記合成映像データを生成させるレイアウト情報管理部、を更に有する、
請求項9記載のデータ処理装置。
【請求項11】
前記第1のインタフェース部は、
DLNA規格に準拠した通信方式により、前記第1の映像入力側装置および前記映像出力側装置と相互通信を行う、
請求項1記載のデータ処理装置。
【請求項12】
第1の映像入力側装置および映像出力側装置が配置されたネットワークと、第2の映像入力側装置との間に配置されるデータ処理装置におけるデータ処理方法であって、
前記第2の映像入力側装置が入力した第2の映像データを転送する転送モードを開始するか否かを判断するステップと、
前記転送モードのとき、前記第1の映像入力側装置に対して、前記第1の映像入力側装置が送信する第1の映像データを、前記映像出力側装置ではなく前記データ処理装置へ送信することを指示するステップと、
前記転送モードにおいて、前記第1の映像データと前記第2の映像データとを合成した合成映像データを生成して、前記映像出力側装置へ送信するステップと、を有する、
データ処理方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2013−5155(P2013−5155A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−133218(P2011−133218)
【出願日】平成23年6月15日(2011.6.15)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】