説明

データ処理装置

【課題】計時機能を有しないデータ処理装置であっても、新規ファイル書込後の記録メディア内でファイルの順序性を確保すること。
【解決手段】データ処理装置100は、外部記憶媒体の挿入を検出するメディア検出部としてのSDカード検出部10と、SDカード300のファイルシステムを解析するFS解析部20と、SDカード300に格納されている各ファイルのタイムスタンプ情報を検出するタイムスタンプ検出部30と、各ファイルに付与されたタイムスタンプのうちの最新のタイムスタンプを記憶する書込用タイムスタンプ保持部40と、SDカード300に新規にデータを書込むイベントが発生した際に最新のタイムスタンプに所定の時間を加算して書込用タイムスタンプを更新する固定時間値加算部50と、新規書込イベントファイルに対して所定の時間を加算した書込用タイムスタンプを付与してSDカード300に格納するデータ書込部60とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はデータ処理装置に関し、特に、内部に時計等の計時機能を有しない場合でも、外部記録メディアに記録したファイル/ディレクトリの相互の順序性が確保できるデータ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の情報端末装置の多くは、通信ネットワークを介して受信したコンテンツや外部メディアに記録されたコンテンツの情報を再生する機能を備えている。このような装置の多くは、小型で軽量であり、コンテンツ情報を予め格納しておくためのメモリを内蔵しているだけではなく、SDメモリ等の外部記録メディアに格納されているコンテンツの情報を再生させるためのスロット等も設けられているから、ユーザはこの情報端末装置を持ち運び、場所を選ぶことなく楽曲や映像を含む好みのコンテンツ情報を再生することができる。
【0003】
一般に、タイムスタンプには、通常、時刻サーバから取得した時刻データや、情報端末装置等に内蔵されている内部時計が示す時刻データが用いられる。そして、情報端末装置等によりファイル(或いはディレクトリ)の作成や更新を行うと、その都度、ファイルシステムがこれらの操作が行われた日時を示す情報としてのタイムスタンプが付され、これがファイル属性として記録される。
【0004】
従って、一般的には、情報端末装置等により通信ネットワークを介してコンテンツを受信してこれを新たなファイルとしてメモリに格納したりSDメモリ等の外部記録メディアに記録されているコンテンツ情報を上書き等したものを別のファイルとして外部記録メディアに記録したような場合には、当該ファイルに付与されるタイムスタンプは、メモリ内で最新のものとなり、ファイル(ディレクトリ)の順序性が確保されることとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007-279053号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、計時機能を有する情報端末装置等が外部電源から切断されて用いられる利用形態のものである場合、内部時計の時刻を常に正しい時刻に保持して正確なタイプスタンプの付与を担保しようとすると、内部時計の時刻調整用のバックアップ電源が必要となるが、このような電源を設けることには、装置のコストアップ等の弊害が生じるという問題がある(特許文献1:特開2007-279053号公報の背景技術の項を参照)。
【0007】
また、このような問題を解決するために、特許文献1に開示されているように、時刻サーバから正しく時刻情報が取得されたか否かを判定する機能を装置にもたせたとしても、時刻情報が正しく取得されていないと判定された場合には、予め規定されたデフォルト時刻値がタイムスタンプとして用いられてファイルの保存が行われることとなるから、該処理の日時とは無関係なタイムスタンプが付与することとなり、ファイル(ディレクトリ)の順序性を確保することができない。
【0008】
このように、従来技術によっては、計時機能を有しない情報端末装置等において、内蔵メモリや外部記録媒体内に、コンテンツ情報を新たなファイルとして記録したり別のファイルとして記録した場合には、ファイル(ディレクトリ)の順序性を確保することは困難である。
【0009】
本発明は、このような従来技術の問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、計時機能自体を有しない乃至は計時機能が不全状態のデータ処理装置であっても、新規ファイル(ディレクトリ)の書き込み後の記録メディア内でファイル(ディレクトリ)の順序性を確保し得るデータ処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様のデータ処理装置は、外部記憶媒体の挿入を検出するメディア検出部と、前記外部記憶媒体のファイルシステムを解析するファイルシステム解析部と、前記外部記憶媒体に格納された各ファイルのタイムスタンプ情報を検出するタイムスタンプ検出部と、前記各ファイルに付与されたタイムスタンプのうちの最新のタイムスタンプを記憶する書込用タイムスタンプ保持部と、新規の書込イベントが発生した際に前記最新のタイムスタンプに所定の時間を加算して書込用タイムスタンプを更新する固定時間値加算部と、前記新規の書込イベントのファイルに前記所定の時間を加算した書込用タイムスタンプを付与して前記外部記憶媒体に格納するデータ書込部と、を備えている。
【0011】
また、本発明の第2の態様のデータ処理装置は、内部時計と、前記内部時計に電力供給するバッテリと、前記バッテリから前記内部時計への電力供給をモニタするバッテリモニタと、外部記憶媒体の挿入を検出するメディア検出部と、前記外部記憶媒体のファイルシステムを解析するファイルシステム解析部と、前記外部記憶媒体に格納された各ファイルのタイムスタンプ情報を検出するタイムスタンプ検出部と、前記各ファイルに付与されたタイムスタンプのうちの最新のタイムスタンプを記憶する書込用タイムスタンプ保持部と、新規の書込イベントが発生した際に前記最新のタイムスタンプに所定の時間を加算して書込用タイムスタンプを更新する固定時間値加算部と、前記バッテリモニタにより前記バッテリから前記内部時計への電力供給が検知されない場合に前記新規の書込イベントのファイルに前記所定の時間を加算した書込用タイムスタンプを付与して前記外部記憶媒体に格納するデータ書込部と、を備えている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、計時機能自体を有しない乃至は計時機能が不全状態のデータ処理装置であっても、新規ファイル(ディレクトリ)の書き込み後の記録メディア内でファイル(ディレクトリ)の順序性を確保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態1におけるデータ処理装置のブロック図
【図2】本発明の実施の形態1におけるデータ処理装置が行う処理のフローチャート
【図3】外部記憶媒体内に格納されている各ファイル情報の表示例を説明する図
【図4】外部記憶媒体内に格納されている各ファイル情報の表示例を説明する図
【図5】外部記憶媒体内に格納されている各ファイル情報の表示例を説明する図
【図6】外部記憶媒体内に格納されている各ファイル情報の表示例を説明する図
【図7】外部記憶媒体内に格納されている各ファイル情報の表示例を説明する図
【図8】本発明のデータ処理装置の構成例のブロック図
【図9】本発明の実施の形態2におけるデータ処理装置のブロック図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、図面を参照しながら、本発明の実施の形態におけるデータ処理装置について説明する。なお、以下の説明では本発明のデータ処理装置に挿入可能な外部記録媒体をSDカードとして説明するが、これに限らず、USBメモリやCDあるいはDVD等の他のメディアであってもよい。また、以下の説明で用いられる「ファイル」なる文言は、「ディレクトリ」も包含する意味で用いられている。
【0015】
[第1の実施態様]
図1は、本発明の実施の形態1におけるデータ処理装置100のブロック図である。このデータ処理装置100は、外部記憶媒体であるSDカード300を挿入するスロット(不図示)と、該スロットへのSDカード300の挿入を検出するメディア検出部としてのSDカード検出部10と、SDカード300のファイルシステムを解析するファイルシステム(FS)解析部20と、SDカード300に格納されている各ファイルのタイムスタンプ情報を検出するタイムスタンプ検出部30と、上記の各ファイルに付与されたタイムスタンプのうちの最新のタイムスタンプを記憶する書込用タイムスタンプ保持部40と、ユーザ操作等によりSDカード300に新規にデータを書込むイベントが発生した際に上述の最新のタイムスタンプに所定の時間を加算して書込用タイムスタンプを更新する固定時間値加算部50と、新規の書込イベントのファイルに対して上記所定の時間を加算した書込用タイムスタンプを付与してSDカード300に格納するデータ書込部60とを備えている。
【0016】
なお、ユーザがSDカード300に新規データを書込む処理が不図示のタッチパネル等から行われると、当該新規データは書込データ送出部70からデータ書込部60へと出力され、上述の所定時間が加算された書込用タイムスタンプが当該新規データに対応付けられて、SDカード300内に書込みされる。
【0017】
図2は、本発明の実施の形態1におけるデータ処理装置100が行う処理のフローチャートである。先ず、データ処理装置100が起動すると、SDカード検出部10がスロットにSDカード300が挿入されているか否かを判断する(S201)。
【0018】
SDカード検出部10がSDカード300の検出信号(S2)を検出しない場合は(S201:No)、当該検出を継続する。SDカード検出部10がSDカード300の検出信号(S2)を検出すると(S201:Yes)、ファイルシステム(FS)解析部20が当該SDカード300のファイルシステムを解析し、SDカード300内に格納されている全てのファイルにつきファイル情報を取得してファイル管理情報(S4)としてタイムスタンプ検出部30へと送出する(S202)。
【0019】
例えば、図3に示したように、SDカード300内に5つの楽曲データがオーディオファイルとして格納されているとすると、FS解析部20は、これらの5つのファイルの情報を順次取得する。図3に示した例では、各ファイルはタイムスタンプ(更新日時)の古い順でリストされているから、これら5つのファイルの情報は、タイムスタンプ(更新日時)の古い順から順次取得される。
【0020】
図3に示した例では、最初に「ABC」とタイトル付けされたファイル情報の取得がなされ、そのファイル情報がタイムスタンプ検出部30へと送られて、当該ファイル情報の一部であるタイムスタンプ(更新日時)が検出され、タイムスタンプ情報(S5)として書込用タイムスタンプ保持部40へと送出される(S203)。
【0021】
タイトル「ABC」のファイルの場合、そのタイムスタンプ(更新日時)は「2009年11月30日12時12分」であり、この日付情報(タイムスタンプ情報)がタイムスタンプ検出部30により検出され、このタイムスタンプ情報が書込用タイムスタンプ保持部40へと送出され、書込用タイムスタンプとして保持されることになる。
【0022】
FS解析部20は、SDカード300内の5つのファイルのすべてにつきファイル情報の読出が終了したかを判断し(S204)、読出未了のファイルがあれば(S204:No)、ステップS202に戻って以降の処理を繰り返す。
【0023】
図3の例であれば、タイトル「ABC」のファイル情報の取得に続き、タイトル「DEF」のファイル情報の取得が行われ(S202)、当該ファイル情報がタイムスタンプ検出部30へと送られて、そのタイムスタンプ(更新日時)が検出され、「2009年11月30日12時43分」がタイムスタンプ情報(S5)として書込用タイムスタンプ保持部40へと送出される(S203)。
【0024】
書込用タイムスタンプ保持部40は新たに取得したタイムスタンプ「2009年11月30日12時43分」と、既に取得しているタイムスタンプ「2009年11月30日12時12分」とを比較し、最新タイムスタンプを更新するか否かを判断する(S205)。
【0025】
この場合、タイトル「DEF」のフォルダに付与されているタイムスタンプ「2009年11月30日12時43分」は、タイトル「ABC」のフォルダに付与されているタイムスタンプ「2009年11月30日12時12分」よりも新しいから、最新タイムスタンプを更新する必要がある(S205:Yes)。そこで、書込用タイムスタンプ保持部40は、当該時点で最新のタイムスタンプである「2009年11月30日12時43分」を新たな書込用タイムスタンプとして記憶する(S206)。
【0026】
仮にタイトル「DEF」のフォルダがタイトル「ABC」のファイルよりも上にリストされており、タイトル「DEF」のフォルダのタイムスタンプ「2009年11月30日12時43分」が先に書込用タイムスタンプとして記憶されている場合には、タイトル「DEF」のフォルダに付与されているタイムスタンプ「2009年11月30日12時43分」が送られてきても、これを新たな書込用タイムスタンプとして更新する必要はない(S205:No)。
【0027】
書込用タイムスタンプ保持部40は、すべてのファイルについてのタイムスタンプ情報(S5)の取得が完了するまで上述の処理を繰り返す。図3に示した例の場合、5つのファイルについての情報取得が完了した時点で、書込用タイムスタンプ保持部40には、タイトル「MNO」のフォルダのタイムスタンプである「2010年04月13日16時52分」が書込用タイムスタンプとして記憶されることになる。
【0028】
FS解析部20によりすべてのファイルにつき情報の読出しが完了すると(S204:Yes)、読出終了トリガ(S6)が固定時間値加算部50へと送出される。
【0029】
読出終了トリガ(S6)の入力を受けた固定時間値加算部50は、書込用タイムスタンプ保持部40に対し、時間加算情報(S7)を送出する(S207)。この時間加算情報(S7)は、書込用タイムスタンプ保持部40が保持している「最新のタイムスタンプ」に所定の時間を加算して書込用タイムスタンプを更新させるための情報である。なお、「最新のタイムスタンプ」に加算する「所定の時間」は任意のものでよく、例えば、10秒や1分などの固定時間とすればよい。
【0030】
図3に示した例の場合、上述したように、5つのファイルについての情報取得が完了した時点において書込用タイムスタンプ保持部40が保持している書込用タイムスタンプはタイトル「MNO」のフォルダのタイムスタンプである「2010年04月13日16時52分」である。従って、読出終了トリガ(S6)の入力を受けた固定時間値加算部50は、書込用タイムスタンプ保持部40に対し、「2010年04月13日16時52分」に「所定の時間」(例えば1分)を加算するように時間加算情報(S7)を送出し、書込用タイムスタンプを「2010年04月13日16時53分」に更新させる。
【0031】
一方、ユーザによりSDカード300に新規データを書込む処理が不図示のタッチパネル等から行われると、当該SD書込イベントの発生情報である新規データは書込データ送出部70に入力され、書込データ(S10)としてデータ書込部60へと出力される(S208)。
【0032】
データ書込部60は、書込用タイムスタンプ保持部40から最新の書込用タイムスタンプ、つまり「2010年04月13日16時53分」を受け取り、上記書込データ(S10)に当該最新の書込用タイムスタンプを付して、SDカード300に格納する(S209)。
【0033】
例えば、ユーザによりSDカード300への書込み処理がなされた新規データがタイトル「PQR」の楽曲データであり、その書込時刻が「2010年04月23日13時46分」であったとする。内部に計時機能を有するデータ処理装置であれば、この「2010年04月23日13時46分」を上記タイトル「PQR」の楽曲データファイルにタイムスタンプとして付与し、図4に示したような状態でデータが格納され、新規ファイルの書き込み後の記録メディア内でファイルの順序性が確保される。
【0034】
しかし、計時機能自体を有しないデータ処理装置や、仮に計時機能を有していても何らかの理由により当該計時機能が不全状態にあるデータ処理装置では、図5に示したようなデフォルトのタイムスタンプ「2000年01月01日00時00分」を便宜的に付してSDカード300に格納することになる。このような場合には、最新の保存データファイルであるはずのタイトル「PQR」の楽曲データファイルには最も古いタイムスタンプが付与される結果となり、新規ファイルの書き込み後の記録メディア内のファイルの順序性が確保できない。
【0035】
しかし、本発明のデータ処理装置のように、外部記憶媒体の挿入を検出するメディア検出部と、外部記憶媒体のファイルシステムを解析するファイルシステム解析部と、外部記憶媒体に格納された各ファイルのタイムスタンプ情報を検出するタイムスタンプ検出部と、各ファイルに付与されたタイムスタンプのうちの最新のタイムスタンプを記憶する書込用タイムスタンプ保持部と、新規の書込イベントが発生した際に最新のタイムスタンプに所定の時間を加算して書込用タイムスタンプを更新する固定時間値加算部と、新規の書込イベントのファイルに所定の時間を加算した書込用タイムスタンプを付与して外部記憶媒体に格納するデータ書込部とを備える構成とすれば、上述の例では図6に示したような状態でデータが格納され、新規ファイルの書き込み後の記録メディア内でファイルの順序性が確保されることとなる。
【0036】
なお、ユーザにより書込み処理がなされる新規データはひとつであるとは限らない。この場合、データ書込部60は、SDカード300への書込み処理が完了する毎に書込完了トリガ(S8)を固定時間値加算部50へと送出する(S209)。そして上記ステップS207およびステップS206を繰り返す。
【0037】
例えば、上述のタイトル「PQR」の楽曲データファイルの書き込みに続き、タイトル「STU」の楽曲データファイルの書き込みとタイトル「VWX」の楽曲データファイルの書き込みがこの順でなされたとすると、これら3つの新規書込みされた楽曲データファイルは、図7に示したような状態でデータが格納され、ファイルの順序性が確保される。
【0038】
図8に図示したように、本発明のデータ処理装置100は、SDインターフェース140により、外部記憶媒体であるSDカード300に対する読込・書込が可能であり、必要に応じて、ドライブインターフェース150を介して、ディスクドライブ400にもアクセスさせることができる。また、本発明のデータ処理装置100を構成する各要素のうち、SDカード検出部10、FS解析部20、タイムスタンプ検出部30、固定時間値加算部50、データ書込部60、書込データ送出部70はCPU110内に配置させるとともに、書込用タイムスタンプ保持部40をメモリ120内に配置させ、CPU110とメモリ120をバス130で接続するようにしてもよい。
【0039】
[第2の実施態様]
図9は、本発明の実施の形態2におけるデータ処理装置200のブロック図である。このデータ処理装置200は、上述した実施の形態1のデータ処理装置と同様に、外部記憶媒体であるSDカード300を挿入するスロット(不図示)と、該スロットへのSDカード300の挿入を検出するメディア検出部としてのSDカード検出部10と、SDカード300のファイルシステムを解析するファイルシステム(FS)解析部20と、SDカード300に格納されている各ファイルのタイムスタンプ情報を検出するタイムスタンプ検出部30と、上記の各ファイルに付与されたタイムスタンプのうちの最新のタイムスタンプを記憶する書込用タイムスタンプ保持部40と、ユーザ操作等によりSDカード300に新規にデータを書込むイベントが発生した際に上述の最新のタイムスタンプに所定の時間を加算して書込用タイムスタンプを更新する固定時間値加算部50と、新規の書込イベントのファイルに対して上記所定の時間を加算した書込用タイムスタンプを付与してSDカード300に格納するデータ書込部60とを備えていることに加え、内部時計80と、内部時計80に電力供給するバッテリ85と、バッテリ85から内部時計80への電力供給をモニタするバッテリモニタ90とを備えている。
【0040】
実施の形態1のデータ処理装置が備えるデータ書込部が、常に、新規の書込イベントのファイルに対して上記所定の時間を加算した書込用タイムスタンプを付与してSDカード300に格納する処理を行うのに対し、実施の形態2のデータ処理装置が備えるデータ書込部70は、バッテリモニタ90によりバッテリ85から内部時計80への電力供給が検知されない場合に、新規の書込イベントのファイルに所定の時間を加算した書込用タイムスタンプを付与して外部記憶媒体に格納する。
【0041】
そして、バッテリモニタ90によりバッテリ85から内部時計80への電力供給が検知される場合には、内部時計80の計時情報が書込用タイムスタンプとして用いられ、書込用タイムスタンプ保持部40に記憶されている最新のタイムスタンプ乃至当該タイムスタンプに固定時間値加算部50からの時間加算情報(S7)により生成される書込用タイムスタンプは用いられない。
【0042】
従って、バッテリ85から内部時計80へ電力供給がなされ、内部時計80が機能している場合であって、ユーザによりタイトル「PQR」の楽曲データの新規書込み処理がなされ、その時の内部時計80が示す時刻が「2010年04月23日13時46分」であったとすると、当該時刻が上記タイトル「PQR」の楽曲データファイルにタイムスタンプとして付与され、図4に示したような状態でデータが格納される。
【0043】
しかし、内部時計80を備えていても、バッテリ85からの電力供給が不能な状態となると、このようなタイムスタンプの付与は行えないこととなるため、既に説明したように、図5に示したようなデフォルトのタイムスタンプ「2000年01月01日00時00分」を便宜的に付してSDカード300に格納することになる。
【0044】
そこで、実施の形態2では、内部時計80と内部時計80に電力供給するバッテリ85を備えているデータ処理装置200において、バッテリ85から内部時計80への電力供給をモニタするバッテリモニタ90とを備えることとし、データ書込部70は、バッテリモニタ90によりバッテリ85から内部時計80への電力供給が検知されない場合に、新規の書込イベントのファイルに所定の時間を加算した書込用タイムスタンプを付与して外部記憶媒体に格納する構成としている。
【0045】
これにより、内部時計80へのバッテリ85からの電力供給が不能な状態となった場合でも、図6に例示したような状態でデータが格納されることなり、新規ファイルの書き込み後の記録メディア内でファイルの順序性が確保されることとなる。
【0046】
その他の構成および動作については既に実施の形態1で説明したものと同様であるので、繰返しての説明は省略する。
【0047】
以上説明したように、本発明に係る実施の形態1におけるデータ処理装置100は、外部記憶媒体であるSDカード300を挿入するスロット(不図示)と、該スロットへのSDカード300の挿入を検出するメディア検出部としてのSDカード検出部10と、SDカード300のファイルシステムを解析するファイルシステム(FS)解析部20と、SDカード300に格納されている各ファイルのタイムスタンプ情報を検出するタイムスタンプ検出部30と、上記の各ファイルに付与されたタイムスタンプのうちの最新のタイムスタンプを記憶する書込用タイムスタンプ保持部40と、ユーザ操作等によりSDカード300に新規にデータを書込むイベントが発生した際に上述の最新のタイムスタンプに所定の時間を加算して書込用タイムスタンプを更新する固定時間値加算部50と、新規の書込イベントのファイルに対して上記所定の時間を加算した書込用タイムスタンプを付与してSDカード300に格納するデータ書込部60とを備えている。
【0048】
かかる構成とすることにより、計時機能自体を有しないデータ処理装置であっても、新規ファイル(ディレクトリ)の書き込み後の記録メディア内でファイル(ディレクトリ)の順序性を確保し得るデータ処理装置を提供することが可能となる。
【0049】
また、本発明に係る第2の態様のデータ処理装置200は、上述した実施の形態1のデータ処理装置と同様に、外部記憶媒体であるSDカード300を挿入するスロット(不図示)と、該スロットへのSDカード300の挿入を検出するメディア検出部としてのSDカード検出部10と、SDカード300のファイルシステムを解析するファイルシステム(FS)解析部20と、SDカード300に格納されている各ファイルのタイムスタンプ情報を検出するタイムスタンプ検出部30と、上記の各ファイルに付与されたタイムスタンプのうちの最新のタイムスタンプを記憶する書込用タイムスタンプ保持部40と、ユーザ操作等によりSDカード300に新規にデータを書込むイベントが発生した際に上述の最新のタイムスタンプに所定の時間を加算して書込用タイムスタンプを更新する固定時間値加算部50と、新規の書込イベントのファイルに対して上記所定の時間を加算した書込用タイムスタンプを付与してSDカード300に格納するデータ書込部60とを備えていることに加え、内部時計80と、内部時計80に電力供給するバッテリ85と、バッテリ85から内部時計80への電力供給をモニタするバッテリモニタ90とを備えている。
【0050】
かかる構成とすることにより、計時機能が不全状態のデータ処理装置であっても、新規ファイル(ディレクトリ)の書き込み後の記録メディア内でファイル(ディレクトリ)の順序性を確保し得るデータ処理装置を提供することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明によれば、計時機能自体を有しない乃至は計時機能が不全状態のデータ処理装置であっても、新規ファイルの書き込み後の記録メディア内でファイルの順序性を確保することが可能となる。
【符号の説明】
【0052】
10 SDカード検出部
20 ファイルシステム(FS)解析部
30 タイムスタンプ検出部
40 書込用タイムスタンプ保持部
50 固定時間値加算部
60 データ書込部
70 書込データ送出部
80 内部時計
85 バッテリ
90 バッテリモニタ
100、200 データ処理装置
110 CPU
120 メモリ
130 バス
140 SD I/F
150 ドライブ I/F
300 SDカード
400 ディスクドライブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部記憶媒体の挿入を検出するメディア検出部と、
前記外部記憶媒体のファイルシステムを解析するファイルシステム解析部と、
前記外部記憶媒体に格納された各ファイルのタイムスタンプ情報を検出するタイムスタンプ検出部と、
前記各ファイルに付与されたタイムスタンプのうちの最新のタイムスタンプを記憶する書込用タイムスタンプ保持部と、
新規の書込イベントが発生した際に前記最新のタイムスタンプに所定の時間を加算して書込用タイムスタンプを更新する固定時間値加算部と、
前記新規の書込イベントのファイルに前記所定の時間を加算した書込用タイムスタンプを付与して前記外部記憶媒体に格納するデータ書込部と、
を備えているデータ処理装置。
【請求項2】
内部時計と、
前記内部時計に電力供給するバッテリと、
前記バッテリから前記内部時計への電力供給をモニタするバッテリモニタと、
外部記憶媒体の挿入を検出するメディア検出部と、
前記外部記憶媒体のファイルシステムを解析するファイルシステム解析部と、
前記外部記憶媒体に格納された各ファイルのタイムスタンプ情報を検出するタイムスタンプ検出部と、
前記各ファイルに付与されたタイムスタンプのうちの最新のタイムスタンプを記憶する書込用タイムスタンプ保持部と、
新規の書込イベントが発生した際に前記最新のタイムスタンプに所定の時間を加算して書込用タイムスタンプを更新する固定時間値加算部と、
前記バッテリモニタにより前記バッテリから前記内部時計への電力供給が検知されない場合に前記新規の書込イベントのファイルに前記所定の時間を加算した書込用タイムスタンプを付与して前記外部記憶媒体に格納するデータ書込部と、
を備えているデータ処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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