説明

データ変換システム

【課題】 携帯電話機とサーバ装置との間のデータ変換システムを提供する。
【解決手段】 携帯電話機3と、携帯電話機3との間でデータの送受信が可能なサーバ装置1とから構成されるデータ変換システムにおいて、携帯電話機3は、CPUと、メモリと、CCDカメラと、通信装置とを備える。そして、携帯電話機3は、識別記号をCCDカメラで撮影し、この撮影した画像データをCPUによるメモリ内のプログラム実行に基づいた画像認識により文字データに変換し、この変換した文字データを通信装置を通じてサーバ装置1に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、企業、組合などの組織に対して一般利用者が会員登録を行うことにより、該組織内のグループに対して付与する報酬を決定する報酬決定システム等に関し、特に携帯電話機とサーバ装置との間のデータ変換システムに関する。
【背景技術】
【0002】
商業、サービス業などを行っている企業において大きな利益を上げるためには、固定客として顧客を獲得することが重要となっている。この固定客を獲得するために、従来より、当該企業を利用した顧客を会員として登録し、登録した会員にバーゲンセールの案内などを送付したり、会員がその利用度に応じてポイントカードにポイントを貯め、貯めたポイントによって買い物をできるようにしたりしている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来、企業の利用者は、会員登録を行うためには所定のフォームに何らかの情報を記入しなければならず、作業負担がかかるという問題がある。また、企業の側にとっても、利用者が記入したデータをコンピュータに入力するための作業負担や、ポイントカードの発行のための作業負担がかかるという問題がある。このような両者における作業負担は、当該企業が会員として一般利用者を獲得することの妨げとなっていた。
【0004】
また、企業グループ全体の会員として登録した利用者は、当該企業グループのどの企業、どの店舗において会員登録したかに関わらず、会員として同じような利益を得ることができる。しかし、従来は、このように企業グループ全体としての会員登録を行う場合に、会員を獲得した内部のグループが利益を得られる仕組みが十分に考えられていなかった。このため、例えば、会員獲得に熱心なグループとそうでないグループとの間に不公平が生じるという問題があった。
【0005】
本発明は、企業、組合などの組織の利用に関して、利用者に手間をかけさせることなく、該組織内のグループが報酬として利益を得ることができる報酬決定システム等を提供することを目的とする。
【0006】
本発明は、報酬を得る企業、組合などの組織内のグループから組織全体としての会員を効率的に得ることができる報酬決定システム等を提供することを目的とする。
【0007】
本発明は、さらに、一般利用者を組織の会員として登録することによって、当該組織の利用者も利益を得ることができる報酬決定システム等を提供することを目的とする。
【0008】
特に、本発明は、携帯電話機とサーバ装置との間のデータ変換システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点にかかる報酬決定システムは、サーバ装置と、該サーバ装置にネットワークを介して接続された複数の利用者端末装置とから構成され、前記複数の利用者端末装置はそれぞれ、組織内のいずれかのグループを特定可能で、該組織に関する取引媒体に付された識別情報を入力する入力手段と、前記入力手段から入力された識別情報を当該利用者端末装置の利用者に関する情報と共に、前記ネットワークを介して前記サーバ装置に送信する情報送信手段とを備え、前記サーバ装置は、前記情報送信手段から送信された識別情報を受信する情報受信手段と、前記情報受信手段が受信した識別情報に基づいて、前記組織内のグループに付与する報酬を決定する報酬決定手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
上記報酬決定システムでは、利用者が自己の利用者端末装置から取引媒体に付された識別情報を入力し、サーバ装置に送信するだけという簡単な操作を行うことで、組織内の各グループは、自己を特定する識別情報が用いられることによって適正な報酬による利益を得ることができるようになる。なお、識別情報は、画像として取り込むことによって入力するものであっても構わない。
【0011】
なお、前記報酬決定手段は、識別情報を受信する度に、受信した識別情報が示すグループに所定の報酬を支払うことを決定ものとすることができる。また、所定期間内に識別情報を受信した回数をグループ毎にカウントし、該カウント値に応じて報酬額を決定するものとすることもできる。
【0012】
上記報酬決定システムにおいて、前記情報送信手段は、前記利用者端末装置の利用者に関する情報も前記サーバ装置に送信するものとすることができ、この場合、前記サーバ装置は、前記情報受信手段が受信した識別情報を各利用者と対応付けて登録する会員情報登録手段に登録する会員情報登録手段をさらに備えるものとすることができる。
【0013】
これにより、当該組織の利用者が会員登録を行う際に、面倒な入力作業が省けると共に、組織側における情報の入力等の作業も必要ない。このように、利用者の側にとっても、組織(及び組織内の各グループ)にとっても、会員登録の作業が容易となるため、当該組織の会員として一般利用者を効率的に獲得、登録することができるようになる。
【0014】
上記報酬決定システムにおいて、前記サーバ装置は、前記会員情報登録手段に各利用者と対応付けて登録された識別情報に応じて、各利用者にインセンティブを付与するインセンティブ付与手段をさらに備え、前記会員情報登録手段は、前記インセンティブ付与手段が付与したインセンティブに関する情報をさらに各利用者に対応付けて登録してもよい。この場合において、前記複数の利用者端末装置はそれぞれ、自己に付されたインセンティブに関する情報の送信に対する要求を、前記ネットワークを介して前記サーバ装置に送信するインセンティブ情報要求手段と、前記インセンティブ情報要求手段から送信された要求に対して前記サーバ装置から送られてきたインセンティブに関する情報を受信するインセンティブ情報受信手段と、前記インセンティブ情報受信手段が受信したインセンティブに関する情報を出力するインセンティブ情報出力手段とをさらに備えるものとすることができ、前記サーバ装置は、前記インセンティブ情報要求手段からの要求を受信するインセンティブ情報要求受信手段と、前記インセンティブ情報要求受信手段が受信した要求元の利用者に関して前記会員情報登録手段に登録されているインセンティブに関する情報を、要求元の利用者端末装置に前記ネットワークを介して送信するインセンティブ情報送信手段とをさらに備えるものとすることができる。
【0015】
このように、利用者が識別情報を送信して会員として登録を行うことによって、その利用者に対してインセンティブが付与されるので、各利用者は、このインセンティブによる利益を得ることができるようになる。
【0016】
上記報酬決定システムは、前記組織内の各グループに属し、それぞれネットワークを介して前記サーバ装置に接続された複数のグループ端末装置をさらに含むものであってもよい。この場合において、前記複数のグループ端末装置はそれぞれ、自グループを特定可能な識別情報が登録された会員情報の送信に対する要求を、前記ネットワークを介して前記サーバ装置に送信する会員情報要求手段と、前記会員情報要求手段から送信された要求に対して前記サーバ装置から送られてきた会員情報を受信する会員情報受信手段と、前記会員情報受信手段が受信した会員情報を出力する会員情報出力手段とをさらに備えるものとすることができ、前記サーバ装置は、前記会員情報要求手段からの要求を受信する会員情報要求受信手段と、前記会員情報要求受信手段が受信した要求に従って、該要求をしたグループ端末装置の属するグループを特定可能な識別情報が登録されている会員情報を、前記会員情報登録手段から抽出する会員情報抽出手段と、前記会員情報抽出手段が抽出した会員情報を、要求元のグループ端末装置に前記ネットワークを介して送信する会員情報送信手段とをさらに備えるものとすることができる。
【0017】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点にかかる報酬決定方法は、組織内のいずれかのグループを特定可能で、該組織に関する取引媒体に付された識別情報を、ネットワークを介して利用者端末装置から受信するステップと、受信した識別情報に基づいて、前記組織内のグループに付与する報酬を決定するステップとを含むことを特徴とする。
【0018】
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点にかかる報酬決定サーバ装置は、組織内のいずれかのグループを特定可能で、該組織に関する取引媒体に付された識別情報を前記ネットワークを介して各利用者端末装置から受信する情報受信手段と、前記情報受信手段が受信した識別情報に基づいて、前記組織内のグループに付与する報酬を決定する報酬決定手段とを備えることを特徴とする。
【0019】
上記報酬決定サーバ装置において、前記報酬決定手段は、前記識別情報の種類毎に、前記情報受信手段が識別情報を受信した回数を集計する集計手段を備え、前記集計手段の集計結果に従って各グループに付与する報酬を決定するものとすることができる。
【0020】
上記報酬決定サーバ装置において、前記情報受信手段は、前記利用者端末装置の利用者に関する情報も受信するものであってもよい。この場合、上記報酬決定サーバ装置は、前記情報受信手段が受信した識別情報を各利用者と対応付けて会員情報として登録する会員情報登録手段をさらに備えるものとすることができる。
【0021】
ここで、前記会員情報登録手段は、前記情報受信手段による識別情報の最初の受信時とは異なるタイミングで送られる所定の要求に従って、会員情報としての登録を行うことができ、前記報酬決定手段は、前記情報受信手段による識別情報の受信と、前記会員情報登録手段への会員情報の登録とのそれぞれに応じて、前記組織内のグループに付与する報酬を決定することができる。
【0022】
さらに、前記会員情報登録手段に登録された会員情報に基づいて、前記組織に関するマーケティングデータを作成するマーケティングデータ作成手段を備えるものであってもよい。
【0023】
また、各グループによりなされた要求に従って、該要求をしたグループ端末装置の属するグループを特定可能な識別情報が登録されている会員情報を、前記会員情報登録手段から抽出する会員情報抽出手段と、前記会員情報抽出手段が抽出した会員情報を出力する会員情報出力手段とをさらに備えるものとすることもできる。
【0024】
また、前記会員情報登録手段に各利用者と対応付けて登録された識別情報に応じて、各利用者にインセンティブを付与するインセンティブ付与手段をさらに備えるものであってもよい。
【0025】
この場合において、前記会員情報登録手段は、前記インセンティブ付与手段が付与したインセンティブに関する情報をさらに各利用者に対応付けて登録することができる。この場合、上記報酬決定サーバ装置は、各利用者によりなされた要求に対して、該要求を行った利用者に関して前記会員情報登録手段に登録されているインセンティブに関する情報を出力するインセンティブ情報出力手段をさらに備えるものとすることができる。
【0026】
上記目的を達成するため、本発明の第4の観点にかかるプログラムは、複数の利用者端末装置とネットワークを介して接続されたコンピュータ装置を、組織内のいずれかのグループを特定可能で、該組織に関する取引媒体に付された識別情報を前記ネットワークを介して各利用者端末装置から受信する情報受信手段、及び、前記情報受信手段が受信した識別情報に基づいて、前記組織内のグループに付与する報酬を決定する報酬決定手段として機能させることを特徴とする。
【0027】
なお、このプログラムは、例えばコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、配布するという形態を採ることができる。
【0028】
特に、上記目的を達成するため、本発明のデータ変換システムは、携帯電話機と、前記携帯電話機との間でデータの送受信が可能なサーバ装置とから構成され、前記携帯電話機は、CPUと、メモリと、CCDカメラと、通信装置とを備え、前記携帯電話機は、識別記号を前記CCDカメラで撮影し、この撮影した画像データを前記CPUによる前記メモリ内のプログラム実行に基づいた画像認識により文字データに変換し、この変換した文字データを前記通信装置を通じて前記サーバ装置に送信することを特徴とする。
【0029】
また、本発明の別のデータ変換システムは、携帯電話機と、前記携帯電話機との間でデータの送受信が可能なサーバ装置とから構成され、前記携帯電話機は、CCDカメラと、通信装置とを備え、前記サーバ装置は、CPUと、メモリと、通信装置とを備え、前記携帯電話機は、識別記号を前記CCDカメラで撮影し、この撮影した画像データを前記通信装置を通じて前記サーバ装置に送信し、前記サーバ装置は、送信されてきた画像データを前記通信装置を通じて受信し、この受信した画像データを前記CPUによる前記メモリ内のプログラム実行に基づいた画像認識により文字データに変換することを特徴とする。
【0030】
上記データ変換システム、別のデータ変換システムにおいて、前記識別記号は、ポスター、店頭の看板、新聞や雑誌の広告ページ、通信販売のカタログの広告媒体に付されたものである。あるいは、前記識別記号は、サービスの利用の前に発行される見積書、会計終了後に発行される領収書の取引書類に付されたものであってもよいし、店頭広告用のディスプレイ装置、メッセージボード、ショッピングサイトのコンテンツの表示媒体に表示されたものであってもよい。
【0031】
また、上記データ変換システム、別のデータ変換システムにおいて、前記識別記号は、文字列、バーコードの記号から構成されたものである。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、各利用者に課される作業を少なくしつつ、組織内の各グループに適切な報酬を得ることができる。
【0033】
また、識別情報を送信した利用者を会員として登録する場合には、利用者側及び組織側の双方に面倒な入力作業が必要なくなるため、組織が会員を効率的に獲得、登録できるようになる。
【0034】
さらに、識別情報の登録状況に応じてインセンティブを付与することによって、各利用者も利益を得ることができるようになる。
【0035】
特に、本発明によれば、携帯電話機とサーバ装置との間のデータ変換システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0037】
図1は、この実施の形態にかかる会員登録システムの全体構成を示す図である。この会員登録システムは、各グループ企業の利用者を企業グループ全体の会員として獲得、登録するためのシステムであり、利用者の会員登録により各グループ企業に付与する報酬を決定するためのシステムである。このシステムは、図示するように、企業グループ全体の統括本部で管理するサーバ装置1と、各グループ企業に属する複数の企業端末装置2と、各利用者がそれぞれ所有する複数の携帯電話機3とから構成されている。
【0038】
各企業端末装置2は、インターネット4を介してサーバ装置1と通信可能に構成されており、各携帯電話機3は、基地局5及びインターネット4を介してサーバ装置1と通信可能に構成されている。ここで、各グループ企業は、例えば、それぞれが和風、洋風などの特色を有し、1または複数の店舗を有する居酒屋チェーンであり、これら複数形態の居酒屋チェーン全体として企業グループとすることができる。
【0039】
いずれかのグループ企業に属する各店舗には、そのグループ企業毎に固有の識別記号60が付された会員募集用のポスター6が貼られている。携帯電話機3の利用者である各グループ企業の顧客は、自己の携帯電話機3でその識別記号60を撮影し、撮影した識別記号60と共に自己に関する情報をサーバ装置1に送ることで、当該企業グループの会員として登録するものである。識別記号60としては、文字列、バーコードなどの記号のいずれも適用することができるが、ここでは、文字列によって識別記号60が構成されているものとする。
【0040】
図2は、図1のサーバ装置1の構成を示すブロック図である。図示するように、サーバ装置1は、CPU(Central Processing Unit)11と、メモリ12と、通信装置13と、企業情報データベース14と、会員情報データベース15とを備えている。
【0041】
CPU11は、メモリ12に記憶された後述するようなプログラムを実行する。メモリ12は、CPU11が実行すべきプログラムを記憶すると共に、プログラム実行時におけるワークエリアとして使用される。通信装置13は、インターネット4を介して各企業端末装置2と、さらに基地局5を介して携帯電話機3と情報を送受信する。
【0042】
企業情報データベース14は、各グループ企業に関する情報を記憶するデータベースである。会員情報データベース15は、いずれか1以上のグループ企業を利用し、携帯電話機3からの識別記号60の送信によって会員となった利用者に関する情報を記憶するデータベースである。
【0043】
図3は、会員情報データベース15の構成を示す図である。図示するように、会員情報データベース15は、会員となった携帯電話機3の利用者毎に1レコードのデータとして記憶する。各レコードは、会員識別情報(携帯電話番号)と、インセンティブ情報と、1以上の識別記号とから構成され、識別記号の数に従った可変長レコードとなっていて、各レコードの最後にはレコードの終わりであることを示す情報(EOR:End Of Record)が付されている。
【0044】
会員識別情報としての携帯電話番号は、識別記号60の送信時に携帯電話機3から送られてきた発信者番号としての携帯電話番号である。インセンティブ情報は、後述する集計処理において各利用者に付与されるインセンティブの内容を示すものであり、未だインセンティブが付与されていない場合には、「なし」という情報が入れられる。1以上の識別記号は、当該利用者の携帯電話機3から文字データに変換されて送られてきた識別記号60である。
【0045】
図4は、図1の企業端末装置2の構成を示すブロック図である。図示するように、企業端末装置2は、CPU21と、メモリ22と、入力装置23と、表示装置24と、印字装置25と、通信装置26とを備えている。
【0046】
CPU21は、メモリ22に記憶された後述するようなプログラムを実行する。メモリ22は、CPU21が実行すべきプログラムを記憶すると共に、プログラム実行時におけるワークエリアとして使用される。入力装置23は、キーボード、マウスなどによって構成され、後述する会員情報、マーケティングデータに対する要求を入力する。表示装置24は、要求に従ってサーバ装置1から送られてきた会員情報、マーケティングデータなどの情報を表示し、印字装置25は、これらの情報を用紙上に印刷して出力する。通信装置26は、インターネット4を介してサーバ装置1と情報を送受信する。
【0047】
図5は、図1の携帯電話機3の構成を示すブロック図である。但し、この図では、この実施の形態における会員登録の処理とは無関係な通話機能などに関する部分は省略している。図示するように、携帯電話機3は、CPU31と、メモリ32と、キー入力装置33と、CCDカメラ34と、表示装置35と、アンテナ37から電波に重畳された信号を送受信する通信装置36とを備えている。
【0048】
CPU31は、メモリ32に記憶された後述するようなプログラムを実行する。メモリ32は、CPU31が実行すべきプログラムを記憶すると共に、プログラム実行時におけるワークエリアとして使用される。キー入力装置33は、通話を行う際に電話番号を入力する各種キーを含む入力装置であり、ここでは、識別記号60の撮影及び送信の指示、後述するインセンティブに関する情報の要求、表示画面切り替えの指示などを入力するために用いられる。
【0049】
CCDカメラ34は、ポスター6に付された識別記号60その他の画像を撮影するカメラである。表示装置35は、要求に従ってサーバ装置1から送られてきたインセンティブに関する情報などを表示する。通信装置36は、通話の際には音声信号の送受信にも用いられるが、ここでは、基地局5及びインターネット4を介してサーバ装置1と情報を送受信する。
【0050】
以下、この実施の形態にかかる会員登録システムにおける処理について説明する。この会員登録システムにおける処理は、主として、(1)グループ企業を利用する顧客を会員として登録するための処理(2)登録会員を集計し、各会員及び各グループ企業に利益供与するための処理(3)登録会員及び各グループ企業に情報を提供するための処理の3つに大きく分けられる。以下、それぞれについて詳しく説明する。
【0051】
(1)会員登録処理図6は、会員登録処理を示すフローチャートである。この処理は、サーバ装置1と携帯電話機3との間で行われる。まず、携帯電話機3の所有者がグループ企業のいずれかの店舗を利用した場合、この企業グループの顧客としての会員登録を行うため、当該店舗内に掲示されたポスター6に付された識別記号60を、CCDカメラ34で撮影する(ステップS111)。
【0052】
次に、CPU31は、撮影した識別記号60を文字認識し、文字データに変換する(ステップS112)。そして、発信者を通知しつつ、画像認識により文字データに変換した識別記号60を、通信装置36から基地局5及びインターネット4を介してサーバ装置1に送信する(ステップS113)。これで、携帯電話機3の側の処理を終了する。
【0053】
一方、サーバ装置1では、CPU11は、通信装置13が携帯電話機3から送られてくる識別記号60を受信したかどうかを判定している(ステップS121)。識別記号60を受信していなければ、ステップS121の処理を繰り返し行い、識別記号60の受信までそのまま待機する。
【0054】
識別記号60を受信した場合には、CPU11は、会員情報データベース15の中から識別記号60の受信時に通知された発信者に関するレコードを調べ(ステップS122)、当該発信者に関するレコードが既に作成されているかどうかを判定する(ステップS123)。当該発信者に関するレコードが既に作成されている場合には、CPU11は、受信した識別記号60をさらに当該レコードに付け加えて、会員情報データベース15に登録する(ステップS124)。そして、ステップS121の処理に戻る。
【0055】
一方、当該発信者に関するレコードが作成されていなかった場合には、CPU11は、当該発信者に関するレコードを新たな会員情報として会員情報データベース15中に新たに作成する(ステップS125)。そして、受信した識別記号60を新たに作成したレコードに付け加えて、会員情報データベース15に登録する(ステップS126)。そして、ステップS121の処理に戻る。サーバ装置1で以上の処理を繰り返し行うことによって、会員情報が蓄積されていく。
【0056】
(2)集計処理図7は、集計処理を示すフローチャートである。この処理は、サーバ装置1において、図6のフローチャートの処理と並行して行われる。CPU11は、予め定められた集計処理を行うべき所定期日が到来したかどうかを判断する(ステップS201)。この所定期日が到来するまではステップS201の処理を繰り返し、所定期日の到来を待機する。
【0057】
所定期日が到来すると、CPU11は、会員情報データベース15から順番に1レコードずつ取り出す(ステップS202)。そして、取り出したレコードに含まれている識別記号の数を数え、その数に従って当該レコードのインセンティブ情報の内容を更新する(ステップS203)。もっとも、前回の期日から識別情報の数に変化がなければ、インセンティブ情報の内容は更新されない。
【0058】
また、取り出したレコードに含まれる識別記号60の種類毎に、対応するカウンタの値をカウントアップする(ステップS204)。さらに、取り出したレコードに含まれる識別記号60の組み合わせに応じて、対応するカウンタの値をカウントアップする(ステップS205)。次に、CPU11は、会員情報データベース15に取り出してないレコードがあるかどうかを判定する(ステップS206)。取り出していないレコードがある場合には、次のレコードに進んで(ステップS207)、ステップS202の処理に戻る。
【0059】
取り出していないレコードがなくなった場合には、ステップS204でのカウントの最終結果に応じて、各グループ企業に付与する報酬を決定し、企業情報データベース14に記憶する(ステップS208)。さらに、ステップS205でのカウントの最終結果に応じて、各グループ企業の利用状況に関するマーケティングデータを作成し、企業情報データベース14に記憶する(ステップS209)。そして、ステップS201の処理に戻り、次の期日が到来するのを待機する。
【0060】
(3)情報提供処理図8は、情報提供処理を示すフローチャートである。この処理も、サーバ装置1と企業端末装置2との間、或いはサーバ装置1と携帯電話機3との間で行われる。サーバ装置1における処理は、図6、図7のフローチャートの処理と並行して行われ、携帯電話機3における処理は、図6のフローチャートの処理と並行して行われる。
【0061】
携帯電話機3において、利用者がキー入力装置33を操作することにより、インセンティブ情報を送信させるための要求を入力して、通信装置36からアンテナ37、基地局5及びインターネット4を介してサーバ装置1に送信させる(ステップS311)。一方、企業端末装置2において、オペレータが入力装置23を操作することにより、決定された報酬に関する情報またはマーケティングデータを送信させるための要求を入力して、通信装置26からインターネット4を介してサーバ装置1に送信させる(ステップS331)。
【0062】
サーバ装置1では、CPU11は、通信装置13が携帯電話機3からの要求または企業端末装置2からの要求を受信したかどうかを判定している(ステップS321)。携帯電話機3と企業端末装置2とのいずれからも要求を受信していない場合には、ステップS321の処理を繰り返して行い、要求を受信するまで待機する。
【0063】
携帯電話機3または企業端末装置2からの要求を受信した場合には、CPU11は、要求された情報を企業情報データベース14または会員情報データベース15から取り出し、要求元の携帯電話機3または企業端末装置2に返送する(ステップS322)。そして、ステップS321の処理に戻る。
【0064】
携帯電話機3では、通信装置36がサーバ装置1から送られてきたインセンティブ情報を受信し(ステップS312)、これを表示装置35に表示させる(ステップS313)。以上のような処理で、携帯電話機3における処理を終了する。なお、携帯電話機3の利用者は、インセンティブ情報を表示装置35に表示させて各店舗で提示することによって、料金の割り引きなどのサービスを受けることが可能となる。
【0065】
一方、企業端末装置2では、通信装置26がサーバ装置1から送られてきた報酬情報またはマーケティングデータを受信し(ステップS332)、これを表示装置24に表示させる(ステップS333)。なお、この報酬情報またはマーケティングデータは、印字装置25により用紙上に印刷して出力することもできる。以上のような処理で、企業端末装置2における処理を終了する。
【0066】
以上説明したように、この実施の形態にかかる会員登録システムでは、グループ企業の店舗を利用した者は、その店舗内に掲示されているポスター6に付された識別記号60を撮影し、サーバ装置1に送るだけで、当該企業グループの顧客会員としての登録ができるようになっている。店舗の利用者は、フォームへの書き込みなどの必要がなく、会員登録の手続きが容易に行える。店舗側では、ポスター6を掲示する以外には、何も必要な作業がない。このため、その店舗が属する企業グループは、その利用者を会員として効率的に獲得し、登録することができるようになる。
【0067】
また、各利用者は、会員登録を行っても携帯電話番号以外に自己に関する情報が知られることがなく、安心して会員登録をすることができる。これにより、企業グループの側からしても、多くの会員を獲得できるようになる。また、多くの店舗を利用して識別記号60を送信し、会員登録を行うことによって、利用者にはインセンティブが付されて、それによる利益を得ることができる。さらに、各店舗でも、会員の獲得状況に従って報酬が決定されるので、会員の獲得に貢献することによる利益を得ることができ、作成されたマーケティングデータを効果的に利用可能となることによる利益も得られる。
【0068】
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形態様について説明する。
【0069】
上記の実施の形態では、ポスター6に付された識別記号60を携帯電話機3のCCDカメラ34で撮影した後、画像認識により文字データに変換してサーバ装置1に送信していた。これに対して、アルファベットや数字などの文字列からなるものであれば、識別記号60をキー入力装置33から入力し、サーバ装置1に送信するものとしてもよい。また、識別記号60を画像データのまま携帯電話機3からサーバ装置1に送信し、サーバ装置1において文字データに変換するものとしてもよい。デジタルスチルカメラやスキャナで識別記号60を取り込み、これと接続された通信機器からサーバ装置1に送信してもよい。
【0070】
携帯電話機3で入力し、サーバ装置1に送信する識別情報60は、ポスター6のような広告媒体に付すものだけでなく、店頭の看板、或いは新聞や雑誌の広告ページ、通信販売のカタログなどに付すものであってもよい。また、サービスの利用の前に発行される見積書や、会計終了後に発行される領収書(レジスターから出力されるレシートを含む)などの取引書類に付されたものであってもよい。店頭広告用のディスプレイ装置、メッセージボードなどに識別情報を表示してもよい。ショッピングサイトのコンテンツに表示されるものであってもよく、この場合は、バナー広告のように識別記号にカーソルを合わせて選択入力を行うことによって、その識別記号がサーバ装置1に送られるものとすることもできる。このように、様々な取引媒体に対して本発明の適用が可能である。
【0071】
さらに、ポスター6に識別記号60を付す代わりに、ポスター6に対してブルートゥース技術を適用し、これ自身が利用者の携帯電話機3と通信を行って、当該利用者を会員として登録できるようにしてもよい。
【0072】
上記の実施の形態では、各利用者(会員)に付与するインセンティブの決定は、各利用者について会員情報データベース15に登録された識別記号60の数に基づいて単純に決定していた。各グループ企業に付与する報酬についても同様であった。これに対して、会員情報データベース15に各識別記号60が登録された日時に関する情報も記憶しておき、前回の期日から今回の期日までの間で登録された識別情報60の数に基づいて、インセンティブや報酬を決定するものとしてもよい。
【0073】
また、各利用者の会員登録という一段階で各グループ企業に付与する報酬を決定するだけでなく、報酬を複数段階で付与するということもできる。例えば、利用者が識別記号60を送ったときには未だ会員登録を行わず、会員登録用のフォームをサーバ装置1から当該利用者の携帯電話機3に送信する。このとき、識別記号60に対応するグループ企業に一段階目の報酬を付与するものとする。次に、この利用者が送られてきたフォームに従って実際に会員登録を要求し、会員情報データベース15に登録した場合に、対応するグループ企業に二段階目の報酬を付与するものとすることができる。なお、二段階目の報酬の付与先となるグループ企業を判別するために、会員登録用のフォームも、識別記号60と同様にグループ企業毎に固有のものとすればよい。
【0074】
さらに、グループ企業への報酬の付与対象とするのは、これだけに限られない。例えば、利用者がアンケートに回答したり、資料を請求したりすることによってグループ企業に報酬を付与することもできる。上記のように会員登録が最終段階となるのではなく、アンケートの回答や資料の請求が最終段階であってもよい。また、アンケートや資料請求のためのフォームの請求を第一段階、アンケートへの回答や資料の請求が第二段階、その後会員登録を行うことを第三段階として、グループ企業に報酬を付与することもできる。また、同じ会員登録でも、正会員への登録と準会員への登録とでグループ企業に支払う報酬の額に差を設けることもできる。
【0075】
また、識別記号の送信、アンケートへの回答や資料の請求、会員登録という流れは、必ずしもこの通りの流れで行わなければならない訳ではない。例えば、携帯電話機3から識別記号60をサーバ装置1に送ることにより、サーバ装置1から送られてくるデータに基づいて表示装置35に表示される画面により、(1)アンケートへの回答、(2)資料の請求、(3)会員登録、の3つから利用者が所望のものを選択できるようにしてもよい。ここで利用者が何を選択してサーバ装置1に送信したかによって、各グループ企業に付与する報酬の額に差異を設けるものとしてもよい。
【0076】
上記の実施の形態では、会員情報データベース15には、会員識別情報に対応付けて、インセンティブ情報と識別記号とを記憶するのみであったが、さらに各会員(携帯電話機3の利用者)の属性(例えば、性別、年齢など)を対応付けて記憶するものとしてもよい。各会員の属性は、識別情報の送信時に同時に送ることも、後から送ることもできる。これにより、会員の属性に応じて、さらに詳細なマーケティングデータを作成することが可能となる。
【0077】
上記の実施の形態では、サーバ装置1が企業端末装置2に対して提供するのは、決定された報酬情報とマーケティングデータだけであった。これに対して、企業端末装置2の属するグループ企業を利用した会員に関する情報を提供することもできる。この場合、企業端末装置2から当該グループ企業を利用した会員に関する情報の送信をサーバ装置1に要求する。サーバ装置1は、この要求に従って会員情報データベース15を検索し、そのグループ企業に対応する識別記号60を登録している会員に関する情報を全て抽出して、要求元の企業端末装置2に返送するものとすればよい。
【0078】
上記の実施の形態では、インセンティブ情報、報酬情報或いはマーケティングデータは、要求に従ってサーバ装置1から携帯電話機3または企業端末装置2に送信されるものとしていた。これに対して、所定期日毎の集計を行った際に、インセンティブ情報、報酬情報および/またはマーケティングデータを用紙上に印刷して、携帯電話機3の利用者、或いはグループ企業または各店舗に郵送するものとしてもよい。
【0079】
上記の実施の形態では、図6〜図8に示した処理をそれぞれサーバ装置1、企業端末装置2及び携帯電話機3で行うためのプログラムは、メモリ12、22、32にそれぞれ予め記憶されているものとして説明した。しかしながら、これらのプログラムは、磁気ディスク、光磁気ディスク或いは半導体メモリカードなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、これらの記録媒体から読み取ってメモリ12、22、32に記憶させるものとしてもよい。
【0080】
サーバ装置1及び企業端末装置2のプラットフォームを据置型のコンピュータゲーム装置としたり、携帯電話機3の代わりに通信機能を備えるか携帯電話機に接続可能な携帯型ゲーム装置をプラットフォームとする場合には、このような記録媒体として、ゲームプログラムを記録するCD−ROM、DVD、ROMカードなどを使用することができる。さらに、音楽CD、音楽DVD、VCD、映像記録DVD、ビデオテープなどの音声データや画像データを記憶している記憶媒体にも、上記のプログラムを含ませて記憶させることもできる。
【0081】
さらに、上記の実施の形態で示したプログラムは、インターネット4上のWebサーバが有する固定ディスク装置に記憶しておき、インターネット4を介してダウンロードして、メモリ12、22、32に記憶させるものとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の実施の形態にかかる会員登録システムの全体構成を示す図である。
【図2】図1のサーバ装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図2の会員情報データベースの構成を示す図である。
【図4】図1の企業端末装置の構成を示すブロック図である。
【図5】図1の携帯電話機の構成を示すブロック図である。
【図6】サーバ装置と携帯電話機との間で実行される会員登録処理を示すフローチャートである。
【図7】サーバ装置で実行される集計処理を示すフローチャートである。
【図8】サーバ装置と企業端末装置或いは携帯電話機との間で実行される情報提供処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0083】
1 サーバ装置
2 企業端末装置
3 携帯電話機
4 インターネット
5 基地局
6 ポスター
11 CPU
12 メモリ
13 通信装置
14 企業情報データベース
15 会員情報データベース
21 CPU
22 メモリ
23 入力装置
24 表示装置
25 印字装置
26 通信装置
31 CPU
32 メモリ
33 キー入力装置
34 CCDカメラ
35 表示装置
36 通信装置
37 アンテナ
60 識別記号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯電話機と、前記携帯電話機との間でデータの送受信が可能なサーバ装置とから構成され、
前記携帯電話機は、CPUと、メモリと、CCDカメラと、通信装置とを備え、
前記携帯電話機は、識別記号を前記CCDカメラで撮影し、この撮影した画像データを前記CPUによる前記メモリ内のプログラム実行に基づいた画像認識により文字データに変換し、この変換した文字データを前記通信装置を通じて前記サーバ装置に送信することを特徴とするデータ変換システム。
【請求項2】
携帯電話機と、前記携帯電話機との間でデータの送受信が可能なサーバ装置とから構成され、
前記携帯電話機は、CCDカメラと、通信装置とを備え、
前記サーバ装置は、CPUと、メモリと、通信装置とを備え、
前記携帯電話機は、識別記号を前記CCDカメラで撮影し、この撮影した画像データを前記通信装置を通じて前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置は、送信されてきた画像データを前記通信装置を通じて受信し、この受信した画像データを前記CPUによる前記メモリ内のプログラム実行に基づいた画像認識により文字データに変換することを特徴とするデータ変換システム。
【請求項3】
請求項1または2記載のデータ変換システムにおいて、
前記識別記号は、ポスター、店頭の看板、新聞や雑誌の広告ページ、通信販売のカタログの広告媒体に付されたものであることを特徴とするデータ変換システム。
【請求項4】
請求項1または2記載のデータ変換システムにおいて、
前記識別記号は、サービスの利用の前に発行される見積書、会計終了後に発行される領収書の取引書類に付されたものであることを特徴とするデータ変換システム。
【請求項5】
請求項1または2記載のデータ変換システムにおいて、
前記識別記号は、店頭広告用のディスプレイ装置、メッセージボード、ショッピングサイトのコンテンツの表示媒体に表示されたものであることを特徴とするデータ変換システム。
【請求項6】
請求項1または2記載のデータ変換システムにおいて、
前記識別記号は、文字列、バーコードの記号から構成されたものであることを特徴とするデータ変換システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−40288(P2006−40288A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−213985(P2005−213985)
【出願日】平成17年7月25日(2005.7.25)
【分割の表示】特願2001−7565(P2001−7565)の分割
【原出願日】平成13年1月16日(2001.1.16)
【出願人】(504060274)コードコム株式会社 (1)
【Fターム(参考)】