説明

データ管理方法、情報記憶装置およびデータ管理回路

【課題】障害発生後でも容易に運用を継続することを課題とする。
【解決手段】磁気ディスク装置10は、ヘッド19の異常を定期的に監視し、ヘッドの異常を検出した場合には、異常が検出されたヘッドに対応する各セルのデータを他のヘッドに対応する交代用のセルに転写する。そして、磁気ディスク装置10は、転写先セルの論理アドレスを転写元セルの論理アドレスに管理テーブル16を更新する。その後、磁気ディスク装置10は、転写先セルのデータを管理テーブル16から削除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、異常なヘッドが検出された場合に、異常なヘッドに対応するデータを他のヘッドに対応する記録領域に転写するデータ管理方法、情報記憶装置およびデータ管理回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ヘッドを用いて媒体面へデータを読み(再生)書き(記録)を行う情報記憶装置(例えば、磁気ディスク装置など)では、ヘッドの劣化や故障などが生じた場合に、大量のデータが消失するなど致命的な状態に陥る。
【0003】
記憶媒体における最小の記録単位であるセクタでデータを管理する情報記録装置では、媒体上の欠陥等によって読み書きが思わしくゆかないセクタが生じた場合に、そのセクタに割り当てていたデータを、別の場所に確保してある予備のセクタに移して運用を継続する、交代セクタという技術が知られている(特許文献1参照)。
【0004】
ところが、セクタでデータを管理する場合には、退避した各々のセクタに対する退避先の物理アドレス情報を持たなくてはならず、アクセスの度に退避先の情報をセクタごとに検索しなければならなかった。また、ヘッドに障害が発生した場合には、多大なデータを退避しなければならず、障害ヘッドが受け持つ多量のセクタをそれぞれ退避して管理する必要があった。
【0005】
このため、複数のセクタを一つの単位(例えば、セルやゾーン)とし、セル(または、ゾーン)単位でセクタ群を区切ってデータを管理する方法が知られている(特許文献2参照)。セル(または、ゾーン)単位でデータを管理する情報記録装置では、各セルを一意に識別するインデックスと、各セルに割り当てられたデータの論理アドレスと、データの物理記憶位置とが対応付けられて記憶された管理テーブルを備えている(図16参照)。
【0006】
このようなセル単位でデータを管理する情報記録装置において、ヘッドに障害が発生した場合には、障害ヘッドが受け持つセルのデータを他のセルに転写して、管理テーブルを更新している。図16の例を用いて具体的に説明すると、ヘッドに障害が発生した場合に、障害ヘッドが受け持つセル2に記憶されていたデータをセル4に転写すると、管理テーブルにおけるセル4(転写先セル)のデータの論理アドレスがセル2(転写元セル)の論理アドレスであった「51〜100」に書き換えられる。
【0007】
【特許文献1】特開平6−338004号公報
【特許文献2】特開2001−101842号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記したセル単位でデータを管理する情報記録装置が管理テーブルを更新する技術では、転写先セルの論理アドレスが転写元セルの論理アドレスに書き換えられるのみで、データの物理位置に対応するセルインデックスを変更していない。
【0009】
このため、障害後に運用を継続する場合には、セルの管理をセルインデックスを用いて行っているソフトウェア等に改造を加えるか、転写先セルに記憶されているデータが転写元に記憶されているデータであることを別途管理するテーブルを追加する必要がある。この結果、障害が発生した場合において、運用を継続することが容易でないという課題があった。
【0010】
そこで、この発明は、上述した従来技術の課題を解決するためになされたものであり、障害発生後でも容易に運用を継続することができるデータ管理方法、情報記憶装置およびデータ管理回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
管理テーブルについて、転写先の論理アドレスを転写元の論理アドレスに更新するとともに、転写先のインデックスを転写元のインデックスに更新することを要件とする。
【発明の効果】
【0012】
開示の装置は、障害発生後でも容易に運用を継続することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に添付図面を参照して、この発明に係るデータ管理方法、情報記憶装置およびデータ管理回路の実施例を詳細に説明する。
【実施例1】
【0014】
以下の実施例では、実施例1に係る磁気ディスク装置の構成および処理の流れを順に説明し、最後に実施例1による効果を説明する。なお、以下においては、記憶装置として磁気ディスク装置を例に挙げながら説明する。ただし、本発明は、磁気ディスク装置以外にも例えば光磁気ディスク装置などの記憶装置にも適用することが可能である。
【0015】
[磁気ディスク装置の構成]
次に、図1〜図6を用いて、磁気ディスク装置10の構成を説明する。図1は、実施例1に係るディスク装置の構成を示すブロック図である。図2は、ディスクおよびヘッドについて説明するための図である。図3は、ディスクおよびヘッドについて説明するための図である。図4は、ディスクのゾーンについて説明するための図である。図5は、ディスクのセルについて説明するための図である。図6は、管理テーブルを説明するための図である。図7は、データ転写処理を説明するための図である。図8は、データ転写処理を行った後を説明するための図である。図9は、データ転写処理について説明するための図である。図10は、管理テーブル更新処理を説明するための図である。図11は、管理テーブル更新処理後の管理テーブルについて説明するための図である。
【0016】
図1に示すように、磁気ディスク装置10は、記録制御部11、バッファメモリ12、演算処理部13、フラッシュメモリ14、ヘッド駆動部15、管理テーブル16、ユーザ論理回路17、ディスク18、ヘッド19を有し、ホスト20と接続される。以下にこれらの各部の処理を説明する。
【0017】
ディスク18は、各種のデータや位置制御情報を記録する。ディスク18は、後述する転写部17bによって異常が検出されたヘッドに対応するセルのデータを他のヘッドに対応するセルに転写する処理が行われる。
【0018】
ヘッド19は、読み出し素子と書き込み素子とで構成された電磁変換素子が搭載されており、ディスク18に対する各種のデータや位置制御情報の読み出しや書き込み動作を行なう。ヘッド19は、後述する監視部17aによって各ヘッダに異常や異常に至る兆候が発生しているか監視されている。
【0019】
ここで、図2〜図4を用いてディスク18およびヘッド19について説明する。図2に示すように、磁気ディスク10は、複数のディスク1、2・・を有し、各ディスクの上面および下面それぞれにヘッド1、2、3、4・・を有している。
【0020】
また、各ディスクは、図2および図3に示すように、同心円状のトラックに分割され、さらに放射状に等分した最小の記録単位であるセクタで分割されている。また、各ディスクは、複数のセクタを一つの単位とするセル単位でセクタ群が区切られている。
【0021】
ここでディスクの記憶領域をセルで区切った場合の一例について図4を用いて説明する。同図に例示するように、ディスク1の上面に「交代用1」、「交代用5」、「CELL7」、「CELL6」、「CELL1」のセルで区切られ、ディスクの下面が「交代用2」、「CELL2」・・・のセルで区切られている。
【0022】
つまり、各ディスク面に対して異なるセル番号(セルインデックス)が割り当てられており、各ディスク面のセルが別々に管理されている。また、ここで「交代用」のセルとは、障害発生時の転写先セルとして予め設けられたセルであり、初期状態には論理アドレスが設定されていない(図6参照)。
【0023】
また、図5に示すように、ディスク2の下面を未使用面とし、ディスク2の下面におけるセルについては、全て「交代用」のセルとする。そして、複数のヘッドのいずれかで異常が検出された場合には、ディスク2の下面の交代用セルに対してデータが転写される。なお、図5の例では、複数のヘッド各々に対応する交代用のセルが設けられているが、未使用面のセルにのみ交代用のセルを設け、複数のヘッドのいずれかで異常が検出された場合には、未使用面のヘッドに対応するセルにデータを転写してもよい。
【0024】
また、図2および図4に示すように、各ディスクは、複数のセルを一つの単位とするゾーンでも区切られている。なお、シリンダとは、図3に示すように、各ディスクの同一のトラック位置を示す。
【0025】
図1の説明に戻ると、記録制御部11は、ホスト20から論理アドレス指定でデータのリードアクセスまたはライトアクセスを受け付ける。具体的には、記録制御部11は、リードアクセスまたはライトアクセスを受け付けた場合には、受け付けられたアクセスに基づいて、リード/ライト制御信号をユーザ論理回路17を介してヘッド駆動部15に通知する。また、記録制御部11は、リードされた記録情報をバッファメモリ14に格納し、図示しないインタフェースを介してホスト20に送信する。
【0026】
バッファメモリ12は、ホスト20とディスク18との間でリードまたはライトされるデータを一時的に格納するキャッシュである。演算処理部13は、フラッシュメモリに格納されたデータおよびプログラムを読み出し、種々の処理を実行する。フラッシュメモリ14は、演算部13による各種処理に必要なデータおよびプログラムを格納する。
【0027】
ヘッド駆動部15は、VCM(ボイスコイルモータ)などの駆動装置および駆動装置の制御回路を有し、リード/ライト制御信号に基づいて、ディスク18上のデータにアクセスをおこなうヘッド19を位置づける処理をおこなう。
【0028】
管理テーブル16は、複数のセクタを一つの単位とするセクタ群を一意に識別するインデックスと、論理的なアドレスと、ディスク18における記憶領域の物理的な位置とを対応付けて記憶する。具体的には、管理テーブル16は、図6に示すように、各セルを一意に識別する「セルインデックス」と、各セルに割り当てられた「データの論理アドレス」と、セルの物理的な位置を示す「データの物理位置」とを対応付けて記憶する。
【0029】
ユーザ論理回路17は、種々の処理を実行するが、特に監視部17a、転写部17b、更新部17cを有する。
【0030】
監視部17aは、ディスク18に対してデータの読出又は書込を行なう複数のヘッド19の異常を監視する。具体的には、監視部17aは、ヘッド19が読み取ったデータのゲイン値、ノイズ成分、出力値及び対称性の少なくとも一つを定期的に監視し、ヘッド19の異常を検出し、ヘッド19の異常を検出した場合には、後述する転写部17bに通知する。以下に、ヘッド19の異常監視方法を具体的に例示する。
【0031】
例えば、監視部17aは、ヘッド19のリード機能の監視として、リードゲイン値が出荷時の値より規定値以上レベルが低下したか判定、読み取り値の出力が規定値より低下したか判定、および、読み取り値に規定値以上のノイズが出るか判定する。また、監視部17aは、読み取り波形が規定以上に上下非対称になるか判定して各ヘッドの異常を監視する。
【0032】
また、例えば、監視部17aは、ヘッド19のライト機能の監視として、ヘッド動作の確認のためのライト・リード処理を行ってリードで規定していたレベルの出力で読み取れるか判定する。また、監視部17aは、ヘッド動作の確認のためのライト・リード処理を行ってヘッドのライトコア欠け(ヘッドの損傷)特有のノイズが検出されるか判定して各ヘッドの異常を監視する。
【0033】
また、例えば、監視部17aは、対象ヘッドの配線が切れたか(ヘッド19への電気抵抗が規定以上に大きくなったか)を判定、および、配線がショートしたか(ヘッド19への電気抵抗が規定以上に大きくなったか)を判定して各ヘッドの異常を監視する。
【0034】
転写部17bは、監視部17aによってヘッドの異常が検出された場合には、異常が検出されたヘッドに対応するセルのデータを他のヘッドに対応するセルに転写する。具体的には、転写部17bは、異常なヘッドを検出した旨の通知を監視部17aから受信すると、異常が検出されたヘッドに対応する各セルのデータを、異常が検出されたヘッド以外の複数のヘッドの各々に対応する交代用のセルに転写し、転写元セルおよび転写先セルの情報を後述する更新部17cに通知する。
【0035】
ここで、転写部17bは、転写元セルの全データ量が転写先セルの全データ量よりも多い場合には、アクセス頻度の高いセルを優先して転写する。転写処理の後、ディスク装置10は、異常が検出されたヘッド19については、運用を停止する。
【0036】
図7および図8の例を用いてデータ転写処理を具体的に説明する。図7に示すように、ディスク1の下面を受け持つヘッダが劣化し異常を検出された場合に、交代用2を交代用4に転写し、CELL11を交代用5に転写し、CELL8を交代用3に転写し、CELL5を交代用8に転写し、CELL2を交代用9に転写する。
【0037】
そして、図8に示すように、ディスク装置10は、データ転写後には、ディスク1の下面を受け持つヘッダを運用停止とし、ディスク2の下面を受け持つヘッダで新たに運用開始する。
【0038】
つまり、図9に示すように、あるヘッドに異常兆候があった場合に、未使用のヘッドや空いている領域へデータを転写して運用を継続し、磁気ディスク装置内でデータの保証を実現すると同時にデータ移行後に異常ヘッドの運用を停止し、以降は転写したデータを使ってドライブの運用を継続している。なお、ディスク装置10は、通常の運用を継続しつつ、転写処理を割込み処理として行って、装置全体の運用停止時間をなくすようにしてもよい。
【0039】
図1に戻ると、更新部17cは、管理テーブル16について、転写先の論理アドレスを転写元の論理アドレスに更新するとともに、転写先のインデックスを転写元のインデックスに更新する。
【0040】
具体的には、更新部17は、図10に例示するように、転写元セルおよび転写先セルの情報を転写部17bから受信すると、転写先セル「交代3」の論理アドレスを転写元セル「CELL8」の論理アドレス「351〜400」に管理テーブル16を更新する。さらに、更新部17は、転写先のインデックス「交代用3」を転写元のインデックス「CELL8」に更新する(図1の(1)参照)。
【0041】
そして、更新部17は、転写元セル「CELL8」のデータを管理テーブル16から削除する(図10の(2)参照)。このように、管理テーブル更新処理が行われた後の管理テーブル16では、図11に例示するように、転写先の論理アドレスが転写元の論理アドレスに更新されているとともに、転写先のインデックスが転写元のインデックスに更新されている。
【0042】
[磁気ディスク装置による処理]
次に、図12を用いて、実施例1に係る磁気ディスク装置10による処理を説明する。図12は、実施例1に係る磁気ディスク装置10の処理動作を示すフローチャートである。
【0043】
同図に示すように、磁気ディスク装置10は、ヘッド19の異常を定期的に監視し(ステップS101)、ヘッドの異常を検出した場合には(ステップS101肯定)、異常が検出されたヘッドに対応する各セルのデータを他のヘッドに対応する交代用のセルに転写する(ステップS102)。
【0044】
そして、磁気ディスク装置10は、転写先セルの論理アドレスを転写元セルの論理アドレスに管理テーブル16を更新する(ステップS103)。その後、磁気ディスク装置10は、転写先セルのデータを管理テーブル16から削除する(ステップS104)。
【0045】
[実施例1の効果]
上述してきたように、磁気ディスク装置10は、複数のヘッド19の異常を監視し、複数のヘッドの一つに異常が検出された場合、異常が検出されたヘッドに対応するセルのデータを他のヘッドに対応するセルに転写する。その後、データが転写された場合には、管理テーブル16について、転写先の論理アドレスを転写元の論理アドレスに更新するとともに、転写先のセルインデックスを転写元のセルインデックスに更新する。この結果、データの転写にともなってセルインデックスも変更されるため、ソフトウェア等に改造を加えたり、別途管理するテーブルを追加することなく、障害発生後でも容易に運用を継続することが可能である。
【0046】
また、実施例1によれば、ヘッドに異常が検出された場合、ヘッド以外の複数のヘッドの各々に対応するセルにデータを転写するので、一つのヘッドに対応するセルにデータを転写する場合と比較して、より少ない時間で転写処理を行うことが可能である。
【0047】
また、実施例1によれば、磁気ディスク装置10は、ヘッドが読み取ったデータのゲイン値、ノイズ成分、出力値及び対称性の少なくとも一つを監視するので、精度良くヘッドの異常を検出することが可能である。
【実施例2】
【0048】
さて、これまで本発明の実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下では実施例2として本発明に含まれる他の実施例を説明する。
【0049】
(1)転写先
上記の実施例1では、転写元セルのデータを転写先セルのデータに転写する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、転写元セルのデータをフラッシュメモリに転写するようにしてもよい。
【0050】
ここで、図13の例示するように、管理テーブルに転写先セル「CELL8」のデータをフラッシュメモリに転写した場合における管理テーブルの例を説明する。同図に示すように、磁気ディスク装置は、転転写元セル「CELL8」の論理アドレス「151〜200」をフラッシュメモリのメモリアドレス「0〜50」に対応付けて格納する。
【0051】
そして、磁気ディスク装置は、転写先のインデックス「フラッシュメモリ」を転写元のインデックス「CELL4」に更新する。そして、磁気ディスク装置は、転写先セル「CELL4」のデータを管理テーブル16から削除する。
【0052】
(2)ゾーン
また、上記の実施例1では、セル単位で転写する処理を行う場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ゾーン単位で転写する処理を行うようにしてもよい。また、ゾーン(または、セル)は、複数のヘッドに対応する記憶領域を跨るようにしてもよい。
【0053】
例えば、磁気ディスク装置のディスクは、図14に例示するように、ゾーン「0」がヘッド「0」、ヘッド「1」を跨いでいる。また、各ゾーンの記憶領域の大きさがそれぞれ異なっている。
【0054】
このようなゾーンで区切られたディスクを有する磁気ディスクにおいて、ヘッドに障害が発生した場合のデータ転写処理を図15の例を用いて説明する。同図に例示するように、磁気ディスク装置は、ヘッド「0」について異常を検出した場合には、ヘッド0に対応するゾーン「0」、ゾーン「3」、ゾーン「4」を他のヘッドに対応する交代用ゾーン「11」、交代用ゾーン「10」、交代用ゾーン「7」に転写する。
【0055】
(3)データサイズ
また、上記の実施例1では、異常が検出されたヘッドに対応する各セルのデータを、異常が検出されたヘッド以外の複数のヘッドの各々に対応する交代用のセルに転写する場合を説明したが、異常が検出されたヘッドに対応する各セルのデータを、異常が検出されたヘッド以外の一つのヘッドに対応する交代用のセルに転写するようにしてもよい。
【0056】
このように、異常が検出されたヘッドに対応する各セルのデータを、異常が検出されたヘッド以外の一つのヘッドに対応する交代用のセルに転写するので、簡易にデータの転写処理を行うことが可能である。また、転写を行う一つのヘッド以外については、通常の運用を継続することが可能である。
【0057】
(4)システム構成等
また、図示した磁気ディスク装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合(例えば、移動制御部と合流点算出部とを統合するなど)して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、MCU(もしくは、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などの制御装置)および当該MCU(もしくは、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などの制御装置)にて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0058】
以上の実施例1〜2を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0059】
(付記1)記録媒体に対してデータの読出又は書込を行なう複数のヘッドの異常を監視する監視ステップと、
前記監視ステップによって前記複数のヘッドの一つに異常が検出された場合、当該異常が検出されたヘッドに対応する記録領域のデータを他のヘッドに対応する記録領域に転写する転写ステップと、
前記転写ステップによってデータが転写された場合には、複数のセクタを一つの単位とするセクタ群を一意に識別するインデックスと、前記記憶媒体における記憶領域の物理的な位置と、論理的なアドレスとを対応付けて記憶する管理テーブルについて、転写先の論理アドレスを転写元の論理アドレスに更新するとともに、転写先のインデックスを転写元のインデックスに更新する更新ステップと、
を含んだことを特徴とするデータ管理方法。
【0060】
(付記2)前記転写ステップは、前記ヘッドに異常が検出された場合、当該ヘッド以外の複数のヘッドの各々に対応する記録領域に前記データを転写することを特徴とする付記1に記載のデータ管理方法。
【0061】
(付記3)前記転写ステップは、前記ヘッドに異常が検出された場合、当該ヘッド以外の一つのヘッドに対応する記録領域に前記データを転写することを特徴とする付記1に記載のデータ管理方法。
【0062】
(付記4)前記監視ステップは、ヘッドが読み取ったデータのゲイン値、ノイズ成分、出力値及び対称性の少なくとも一つを監視することを特徴とする付記1に記載のデータ管理方法。
【0063】
(付記5)複数のヘッドと、
前記複数のヘッドの各々に対応する記録領域を有する記録媒体と、
複数のセクタを一つの単位とするセクタ群を一意に識別するインデックスと、前記記憶媒体における記憶領域の物理的な位置と、論理的なアドレスとを対応付けて記憶する管理テーブルと、
前記複数のヘッドの異常を監視する監視回路と、
前記監視回路によって前記複数のヘッドの一つに異常が検出された場合、当該異常が検出されたヘッドに対応する記録領域のデータを他のヘッドに対応する記録領域に転写する転写回路と、
前記転写回路によってデータが転写された場合には、前記管理テーブルについて、転写先の論理アドレスを転写元の論理アドレスに更新するとともに、転写先のインデックスを転写元のインデックスに更新する更新回路と、
を有することを特徴とする情報記憶装置。
【0064】
(付記6)複数枚の記録媒体を有することを特徴とする付記5に記載の情報記憶装置。
【0065】
(付記7)複数のセクタを一つの単位とするセクタ群を一意に識別するインデックスと、記憶媒体における記憶領域の物理的な位置と、論理的なアドレスとを対応付けて記憶する管理テーブルと、
記録媒体に対してデータの読出又は書込を行なう複数のヘッドの異常を監視する監視回路と、
前記監視回路によって前記複数のヘッドの一つに異常が検出された場合、当該異常が検出されたヘッドに対応する記録領域のデータを他のヘッドに対応する記録領域に転写する転写回路と、
前記転写回路によってデータが転写された場合には、前記管理テーブルについて、転写先の論理アドレスを転写元の論理アドレスに更新するとともに、転写先のインデックスを転写元のインデックスに更新する更新回路と、
を有することを特徴とする情報記憶装置のデータ管理回路。
【0066】
(付記8)前記転写回路は、前記ヘッドに異常が検出された場合、当該ヘッド以外の複数のヘッドの各々に対応する記録領域に前記データを転写することを特徴とする付記7に記載のデータ管理回路。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】実施例1に係るディスク装置の構成を示すブロック図である。
【図2】ディスクおよびヘッドについて説明するための図である。
【図3】ディスクおよびヘッドについて説明するための図である。
【図4】ディスクのゾーンについて説明するための図である。
【図5】ディスクのセルについて説明するための図である。
【図6】管理テーブルを説明するための図である。
【図7】データ転写処理を説明するための図である。
【図8】データ転写処理を行った後を説明するための図である。
【図9】データ転写処理について説明するための図である。
【図10】管理テーブル更新処理を説明するための図である。
【図11】管理テーブル更新処理後の管理テーブルについて説明するための図である。
【図12】実施例1に係る磁気ディスク装置10の処理動作を示すフローチャートである。
【図13】管理テーブル更新処理後の管理テーブルについて説明するための図である。
【図14】ディスクのゾーンについて説明するための図である。
【図15】ゾーン単位のデータ転写処理について説明するための図である。
【図16】従来技術を説明するための図である。
【符号の説明】
【0068】
10 磁気ディスク装置
11 記録制御部
12 バッファメモリ
13 演算処理部
14 フラッシュメモリ
15 ヘッド駆動部
16 管理テーブル
17 ユーザ論理回路
17a 監視部
17b 転写部
17c 更新部
18 ディスク
19 ヘッド
20 ホスト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に対してデータの読出又は書込を行なう複数のヘッドの異常を監視する監視ステップと、
前記監視ステップによって前記複数のヘッドの一つに異常が検出された場合、当該異常が検出されたヘッドに対応する記録領域のデータを他のヘッドに対応する記録領域に転写する転写ステップと、
前記転写ステップによってデータが転写された場合には、複数のセクタを一つの単位とするセクタ群を一意に識別するインデックスと、前記記憶媒体における記憶領域の物理的な位置と、論理的なアドレスとを対応付けて記憶する管理テーブルについて、転写先の論理アドレスを転写元の論理アドレスに更新するとともに、転写先のインデックスを転写元のインデックスに更新する更新ステップと、
を含んだことを特徴とするデータ管理方法。
【請求項2】
前記転写ステップは、前記ヘッドに異常が検出された場合、当該ヘッド以外の複数のヘッドの各々に対応する記録領域に前記データを転写することを特徴とする請求項1に記載のデータ管理方法。
【請求項3】
前記転写ステップは、前記ヘッドに異常が検出された場合、当該ヘッド以外の一つのヘッドに対応する記録領域に前記データを転写することを特徴とする請求項1に記載のデータ管理方法。
【請求項4】
前記監視ステップは、ヘッドが読み取ったデータのゲイン値、ノイズ成分、出力値及び対称性の少なくとも一つを監視することを特徴とする請求項1に記載のデータ管理方法。
【請求項5】
複数のヘッドと、
前記複数のヘッドの各々に対応する記録領域を有する記録媒体と、
複数のセクタを一つの単位とするセクタ群を一意に識別するインデックスと、前記記憶媒体における記憶領域の物理的な位置と、論理的なアドレスとを対応付けて記憶する管理テーブルと、
前記複数のヘッドの異常を監視する監視回路と、
前記監視回路によって前記複数のヘッドの一つに異常が検出された場合、当該異常が検出されたヘッドに対応する記録領域のデータを他のヘッドに対応する記録領域に転写する転写回路と、
前記転写回路によってデータが転写された場合には、前記管理テーブルについて、転写先の論理アドレスを転写元の論理アドレスに更新するとともに、転写先のインデックスを転写元のインデックスに更新する更新回路と、
を有することを特徴とする情報記憶装置。
【請求項6】
複数のセクタを一つの単位とするセクタ群を一意に識別するインデックスと、記憶媒体における記憶領域の物理的な位置と、論理的なアドレスとを対応付けて記憶する管理テーブルと、
記録媒体に対してデータの読出又は書込を行なう複数のヘッドの異常を監視する監視回路と、
前記監視回路によって前記複数のヘッドの一つに異常が検出された場合、当該異常が検出されたヘッドに対応する記録領域のデータを他のヘッドに対応する記録領域に転写する転写回路と、
前記転写回路によってデータが転写された場合には、前記管理テーブルについて、転写先の論理アドレスを転写元の論理アドレスに更新するとともに、転写先のインデックスを転写元のインデックスに更新する更新回路と、
を有することを特徴とする情報記憶装置のデータ管理回路。
【請求項7】
前記転写回路は、前記ヘッドに異常が検出された場合、当該ヘッド以外の複数のヘッドの各々に対応する記録領域に前記データを転写することを特徴とする請求項6に記載のデータ管理回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−295224(P2009−295224A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−147050(P2008−147050)
【出願日】平成20年6月4日(2008.6.4)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】