説明

データ管理装置およびデータ管理方法

【課題】データの管理および検索を好適に行うデータ管理装置およびデータ管理方法を提供する。
【解決手段】時間情報を有するデータを格納するデータ保存部13、23、33、43と、データに関連する事象の名称と事象の時間情報とを含むタイトル情報を入力するタイトル情報入力部14と、入力されたタイトル情報を格納するタイトル保存部16と、タイトル保存部16からタイトル情報を検索するための検索情報を入力する検索情報入力部14と、検索情報に基づいてタイトル保存部16からタイトル情報を検索する検索部15と、検索部15により検索されたタイトル情報の事象の時間情報に基づいて、データ保存部13、23、33、43から事象の時間情報に対応する時間情報を有するデータを抽出する抽出部17とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時間情報を有するデータを管理するデータ管理装置およびデータ管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境にやさしい発電を目指し、発電所における高効率な安定運転が一層求められている。このため、過去の運転データおよび試験データの蓄積、およびこれらデータを活用して次の運転操作の改善に繋げていくことが重要となっている。
【0003】
発電プラントでは種々のイベントが発生する。イベントとは、プラントの状態変化(バルブの開閉、ポンプ運転停止など)、警報発生/復帰情報、オペレータ操作情報などの履歴である。
【0004】
イベントは、ある事象の発生に伴い一連のイベントとして発生する場合がある。事象の一例は、運転中のポンプの切替時のパターン、点火しているバーナを切り替えるパターン、燃焼パターン切替時の燃料を切り替えるパターン、運転中のミルを切り替えるパターン、特殊な試験を行うパターン、プラント起動時のパターン、プラント停止時のパターン、弁のテスト時のパターン、事故発生時における運転操作時のパターンなどである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−241830号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来、これらのイベントは、発生した日時と状態変化とが全て記録されている。しかし、一連のイベントがある事象によって発生した場合、その事象を識別する記録がイベントの情報には付属していなかった。このため、事象に対応する一連のイベントは、人間系の記録や記憶によってその事象の発生日時をたよりに検索されており、過去の運転データなどの抽出や比較を困難にしていた。
【0007】
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、データの管理および検索を好適に行うデータ管理装置およびデータ管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るデータ管理装置は、上述した課題を解決するために、時間情報を有するデータを格納するデータ保存部と、前記データに関連する事象の名称と前記事象の時間情報とを含むタイトル情報を入力するタイトル情報入力部と、前記タイトル情報入力部から入力された前記タイトル情報を格納するタイトル保存部と、前記タイトル保存部から前記タイトル情報を検索するための検索情報を入力する検索情報入力部と、前記検索情報に基づいて前記タイトル保存部から前記タイトル情報を検索する検索部と、前記検索部により検索されたタイトル情報の前記事象の時間情報に基づいて、前記データ保存部から前記事象の時間情報に対応する時間情報を有するデータを抽出する抽出部とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るデータ管理装置およびデータ管理方法においては、データの管理および検索を好適に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施形態におけるデータ管理装置の機能ブロック図。
【図2】データ管理装置で利用される各種データの一例を示す説明図。
【図3】タイトル情報付与処理を説明するフローチャート。
【図4】イベント保存部に保存されるイベントデータに、タイトル情報が付与された場合の概念図。
【図5】事象検索処理を説明するフローチャート。
【図6】一連のイベントを発生させた事象に付与されたタイトル情報の検索画面の表示例。
【図7】1つのタイトル情報が選択された場合に表示される機能表示画面の表示例。
【図8】タイトル情報に基づいて検索されたイベントデータを示すイベントデータ表示画面の表示例。
【図9】データ比較表示処理を説明するフローチャート。
【図10】2つのタイトル情報が選択された場合に表示される機能表示画面の表示例。
【図11】タイトル情報に基づいて検索されたイベントデータを絶対時間で示すイベントデータ比較表示画面の表示例。
【図12】タイトル情報に基づいて検索されたイベントデータを相対時間で示すイベントデータ比較表示画面の表示例。
【図13】イベントデータをトレンド比較で示すイベントデータ比較表示画面の表示例。
【図14】イベントデータのトレンド比較および参照アナログ値を示すイベントデータ比較表示画面の表示例。
【図15】タイトル情報を変更および削除するためのタイトル編集画面の表示例。
【図16】タイトル情報を追加するためのタイトル登録画面の表示例。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係るデータ管理装置およびデータ管理方法の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0012】
図1は、本実施形態におけるデータ管理装置1の機能ブロック図である。
【0013】
図2は、データ管理装置1で利用される各種データの一例を示す説明図である。
【0014】
データ管理装置1は、原子力発電プラントや火力発電プラントなどのプラントから入力される運転データや試験データを管理する装置である。
【0015】
プロセス入力部11は、定周期で入力されるプラントのプロセスデータをデータ管理装置1に入力する。イベント判定部12は、プロセス入力部11より入力されるプロセスデータをイベントデータとして保存する必要があるか否かを判定する。プロセス入力部11より入力される全てのイベントデータを保存する場合には、イベント判定部12を省略してもよい。イベントデータは、例えば図2(A)に示すように、プラントの状態変化、日時に関する情報を有するデータである。イベント保存部13は、イベント判定部12より出力されるイベントデータを格納する。
【0016】
ヒストリカルデータ処理部22は、プロセス入力部11から入力されるプロセスデータを圧縮保存などすることによりヒストリカルデータを生成する。ヒストリカルデータは、例えば図2(B)に示すように、イベントデータとは保存フォーマットの異なるアナログまたはデジタルの連続的なデータであり、日時情報を有するデータである。ヒストリカルデータ保存部23は、ヒストリカルデータ処理部22より出力されるヒストリカルデータを格納する。
【0017】
トリップシーケンス処理部32は、プロセス入力部11から入力されるプロセスデータのうち、例えば図2(C)に示すように、所定のトリガが発生したデータに対する前後所定時間分のデータを取得する。トリップシーケンス保存部33は、トリップシーケンス処理部32より出力されるトリップシーケンスデータを格納する。
【0018】
日誌ログ計算部42は、プロセス入力部11から入力されるデータに基づいて、例えば図2(D)に示すように、所定時刻単位でイベントのログを生成する。日誌ログ保存部43は、日誌ログ計算部42より出力される日誌ログデータを格納する。
【0019】
対話操作部14は、オペレータから受け付ける種々の指示を検索・保存部15に供給する。検索・保存部15は、対話操作部14からの入力に基づいてタイトル保存部16に保存されるタイトル情報を編集(追加、変更、削除など)する。また、検索・保存部15は、対話操作部14より供給される情報と、タイトル保存部16に保存された情報とに基づいて、各保存部13、23、33、43より抽出するデータの条件をデータ抽出部17に供給する。タイトル保存部16は、検索・保存部15より供給されるタイトル情報を保存する。
【0020】
データ抽出部17は、検索・保存部15より出力される検索条件に基づいて各保存部13、23、33、43よりデータを抽出する。データ表示部18は、データ抽出部17より抽出されたデータを表示、またはデジタルデータとして出力しオペレータに提示する。
【0021】
次に、データ管理装置1の動作について説明する。まず、各保存部13、23、33、43にデータが格納される際に実行される、タイトル情報付与処理について説明する。
【0022】
図3は、タイトル情報付与処理を説明するフローチャートである。以下、イベント保存部13に保存されるイベントデータにタイトル情報が付与される場合を一例として説明する。
【0023】
ステップS1において、プロセス入力部11よりプロセスデータが入力されると、イベント判定部12を経てイベント保存部13にイベントデータが格納される。
【0024】
イベントデータは、イベントが発生した日付、時間、およびイベント名を少なくとも有する。例えば、発電遮断器をONするイベントが発生すると、イベントが発生した日付(Date)である「2010年3月15日」、時間(Time)である「10:00:24」、イベント名(Name)である「発電遮断器 ON」という情報がイベント保存部13に保存される。
【0025】
ステップS2において、イベントデータに対してタイトル情報が付与される。具体的には、データ管理装置1は、対話操作部14がオペレータの操作に基づいてタイトル情報を入力する。タイトル情報は、一連のイベントを発生させた事象を識別するための名称、事象の開始日時(発生日時)および開始日時(完了日時)である。
【0026】
ステップS3において、検索・保存部15は対話操作部14よりタイトル情報を受け取ると、タイトル情報をタイトル保存部16に格納する。
【0027】
図4は、イベント保存部13に保存されるイベントデータに、タイトル情報が付与された場合の概念図である。
【0028】
例えば、検索・保存部15が、タイトル名称(事象の名称)として「タービン保管操作」、開始日時として「2010年3月15日10:03:00」、終了日時として「2010年3月15日10:30:00」を有するタイトル情報を受け付ける(図4においては、☆と共に示されるデータ。)。すると、タイトル保存部16は、これらの情報をタイトル情報としてタイトル保存部16に格納する。
【0029】
これにより、一連のイベントが発生した日時(日付、時間)がタイトル情報の開始日時と関連づけられる。なお、タイトル保存部16に格納されるデータは、タイトル情報のみでありイベント情報は格納されない。また、イベント保存部13にもタイトル情報は格納されない。
【0030】
ヒストリカルデータ保存部23、トリップシーケンス保存部33および日誌ログ保存部43に各種データが保存された場合においても、対話操作部14はオペレータよりタイトル情報を受け付け、検索・保存部15は供給されたタイトル情報をタイトル保存部16に格納する。
【0031】
次に、オペレータによる一連のイベントを発生させた事象の検索処理について説明する。
【0032】
図5は、事象検索処理を説明するフローチャートである。
【0033】
図6は、一連のイベントを発生させた事象に付与されたタイトル情報の検索画面の表示例である。図6は、検索・保存部15がタイトル名称、イベント開始日時および終了日時(またはそのいずれか)からなる検索情報に基づいて一連のイベントデータを検索するための画面である。
【0034】
ステップS11において、データ表示部18は、タイトル情報から一連のイベントデータを検索するための検索画面を表示し、オペレータに提示する。ステップS12において、対話操作部14は、オペレータよりタイトル名称の指定を名称入力欄51で受け付ける。また、対話操作部14は、開始日時または終了日時の指定を開始日時指定欄52および終了日時指定欄53で受け付ける。対話操作部14は、オペレータにより指定された検索情報を検索・保存部15に渡す。
【0035】
ステップS13において、検索・保存部15は、この検索情報に基づいてタイトル保存部16に格納されるタイトル情報を検索する。検索・保存部15は、タイトル情報が検索された場合、そのタイトル情報をデータ表示部18に渡す。データ表示部18は、図6に示すように、検索されたタイトル情報をタイトル情報表示欄54に表示してオペレータに提示する。
【0036】
ステップS14において、対話操作部14は、オペレータよりタイトル情報の選択、および表示ボタン55を介したタイトル情報に関連するデータの表示指示を検索画面にて受け付ける。
【0037】
図7は、1つのタイトル情報が選択された場合に表示される機能表示画面の表示例である。
【0038】
ステップS15において、図7の機能表示画面において、対話操作部14は図6の検索画面で選択されたタイトル情報に関連して表示させるデータ種別(イベントデータ、ヒストリカルデータ、トリップシーケンスデータまたは日誌ログ)に関する指示を受け付ける。
【0039】
オペレータは、例えばタイトル情報から抽出されるイベントデータを表示したい場合、表示機能選択欄61から「イベント」を選択し、単独表示ボタン62で表示を指示する。対話操作部14は、オペレータが指定したタイトル情報およびデータ種別を検索・保存部15に送る。
【0040】
ステップS16において、検索・保存部15は、このタイトル情報およびデータ種別を、データ抽出部17に送る。データ抽出部17は、検索・保存部15からのタイトル情報およびデータ種別に基づいて該当する保存部13、23、33、43からデータを抽出する。データ抽出部17は、データ種別に基づいてデータを抽出する保存部13、23、33、43を決定し、タイトル情報である開始日時および終了日時から該当するデータを抽出する。
【0041】
ステップS17において、抽出されたデータは、データ表示部18によりLCDなどのモニタに表示、またはデジタルデータとして、オペレータに提示する。
【0042】
図8は、タイトル情報に基づいて検索されたイベントデータを示すイベントデータ表示画面の表示例である。
【0043】
イベントデータ表示画面は、データ抽出部17により抽出されたデータをリストで表示する。オペレータは、事象に関連するイベントデータをタイトル名称や開始・終了日時から検索することができ、タイトル名称などに基づいて膨大なイベントデータの中から所望のデータを検索・閲覧することができる。
【0044】
なお、データ抽出部17は、ヒストリカルデータ、トリップシーケンスデータ、日誌ログについても、タイトル情報(開始日時および終了日時)に基づいてデータを抽出し、データ表示部18に表示させる。ヒストリカルデータなどは、イベントデータとデータ形式が異なるのみであるため、ここでは図面を用いたデータ表示画面の説明を省略する。
【0045】
本実施形態におけるデータ管理装置1およびデータ管理方法は、予め一連の事象に付与されたタイトル情報に基づいて、プラントより入力され格納された各種データからオペレータが検索したいデータを事象ごとに検索、表示することができる。
【0046】
データ管理装置1は、タイトル情報をタイトル名称と日時とに基づいて記憶することができるため、データの検索や閲覧の際には従来のように人間系の記録や記憶によらず、タイトル情報にてデータを管理することができる。
【0047】
次に、タイトル情報に基づいて抽出されるデータを比較表示する処理について説明する。
【0048】
データの比較表示は、例えば図6に示す検索画面で表示される検索されたタイトル情報の一覧から、2つのタイトル情報が選択された場合に、その2つのタイトル情報から抽出されるデータを比較表示するものである。
【0049】
図9は、データ比較表示処理を説明するフローチャートである。
【0050】
図10は、2つのタイトル情報から抽出されるデータを表示する機能表示画面の表示例である。
【0051】
ステップS21〜S23は、図5の検索画面表示ステップS11〜タイトル情報検索・表示ステップS13とほぼ同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0052】
ステップS24において、対話操作部14は、オペレータより2つのタイトル情報の選択、および表示ボタン55を介したタイトル情報に関連するデータの表示指示を検索画面にて受け付ける。
【0053】
ステップS25において、図10の機能表示画面において、対話操作部14は図6の検索画面で選択されたタイトル情報に関連して表示させるデータ種別(イベントデータ、ヒストリカルデータ、トリップシーケンスデータまたは日誌ログ)に関する指示を受け付ける。オペレータは、例えばタイトル情報から抽出されるイベントデータを比較表示したい場合、表示機能選択欄61から「イベント」を選択し、比較表示ボタン63で比較表示を指示する。対話操作部14は、オペレータが指定したタイトル情報およびデータ種別を検索・保存部15に送る。対話操作部14は、オペレータが指定したタイトル情報およびデータ種別を検索・保存部15に送る。
【0054】
ステップS26において、検索・保存部15は、このタイトル情報およびデータ種別を、データ抽出部17に送る。データ抽出部17は、検索・保存部15からのタイトル情報およびデータ種別に基づいて該当する保存部13、23、33、43からデータを抽出する。データ抽出部17は、データ種別に基づいてデータを抽出する保存部13、23、33、43を決定し、タイトル情報である開始日時および終了日時から該当するデータを抽出する。
【0055】
ステップS27において、抽出されたデータは、データ表示部18によりLCDなどのモニタに表示、またはデジタルデータとして、オペレータに同時に提示する。
【0056】
図11は、タイトル情報に基づいて検索されたイベントデータを絶対時間で示すイベントデータ比較表示画面の表示例である。
【0057】
図12は、タイトル情報に基づいて検索されたイベントデータを相対時間で示すイベントデータ比較表示画面の表示例である。
【0058】
データ比較表示画面は、オペレータの操作に基づいて、イベントの発生時刻を絶対時間または相対時間で表示することができる。イベントデータ比較表示画面は、データ抽出部17により抽出されたタイトル情報と一致するデータをリストで表示する。また、イベント比較表示画面は、選択された2つのタイトル情報から抽出されるイベントデータを左右に並べ、オペレータの比較が容易になるように表示する。
【0059】
また、データ比較表示画面は、リストで一覧表示する以外にも、トレンドグラフで比較表示してもよい。
【0060】
図13は、イベントデータをトレンド比較で示すイベントデータ比較表示画面の表示例である。
【0061】
図14は、イベントデータのトレンド比較および参照アナログ値を示すイベントデータ比較表示画面の表示例である。
【0062】
データ管理装置1は、イベントデータをトレンド比較で表示することにより、より視覚的な比較を容易にすることができる。また、データ管理装置1は、2つの比較パターン(相対時間比較、絶対時間比較)やグラフ表示を可能とすることでデータの解析を容易にすることができる。また、データ管理装置1は、トレンドグラフと共に参照アナログ値を示すことにより、異なる日時に発生した類似する一連の事象を比較し、差分を得ることができる。
【0063】
なお、図10に示す機能表示画面において、表示機能選択欄61からヒストリカルデータを比較表示させる「ヒストリカル」が選択され、比較表示ボタン63から比較表示が指示された場合、データ抽出部17は、タイトル情報に基づいて検索された2つのヒストリカルデータを相対時間でトレンドデータ(重ね合わせ)を作成してもよい。
【0064】
作成され重ね合わせのトレンドデータは、データ表示部18で表示、またはデジタルデータとして、オペレータに提示される。データ管理装置1は、オペレータのデータの解析を容易にすることができる。
【0065】
次に、タイトル保存部16に格納されるタイトル情報の編集処理について説明する。タイトル保存部16に格納されるタイトル情報は、オペレータの任意のタイミングで変更、追加、削除などの編集を行うことができる。タイトル情報の編集は、例えば図6に示す検索画面において検索されたタイトル情報が表示された後に操作可能である。
【0066】
まず、タイトル情報を変更および削除する処理について説明する。対話操作部14は、オペレータの操作に基づいて変更または削除を所望する一または複数のタイトル情報の選択を受け付け、編集ボタン56(図6)でタイトル情報の編集指示を受け付ける。
【0067】
図15は、タイトル情報を変更および削除するためのタイトル編集画面の表示例である。
【0068】
タイトル編集画面には、名称入力欄71、開始日時指定欄72、終了日時指定欄73が設けられ、選択されたタイトル情報が各欄71〜73に表示される。タイトル情報を変更する場合、対話操作部14はオペレータの操作に基づいて各欄71〜73の変更を受け付け、登録実行ボタン74で登録(編集)の完了指示を受け付ける。
【0069】
タイトル情報を削除する場合、対話操作部14はオペレータの操作に基づいて登録削除ボタン75で削除指示を受け付ける。
【0070】
対話操作部14は、変更および削除されたタイトル情報を検索・保存部15に供給する。検索・保存部15は、このタイトル情報をタイトル保存部16に送り、タイトル保存部16は新たなタイトル情報を格納する。
【0071】
次に、タイトル情報を追加する処理について説明する。対話操作部14は、例えば図6に示す検索画面において、新規ボタン57を介してタイトル情報を追加する指示を受け付ける。
【0072】
図16は、タイトル情報を追加するためのタイトル登録画面の表示例である。
【0073】
タイトル登録画面には、名称入力欄81、開始日時指定欄82、終了日時指定欄83が設けられる。対話操作部14は、オペレータの操作に基づいて新たなタイトル情報を受け付け、登録実行ボタン84で登録(追加)の完了指示を受け付ける。
【0074】
対話操作部14は、追加されたタイトル情報を検索・保存部15に供給する、検索・保存部15は、このタイトル情報をタイトル保存部16に送り、タイトル保存部16は追加されたタイトル情報を格納する。
【0075】
また、タイトル登録画面には、タイトル情報に終了日時を指定しない設定を行うためのチェックボックス85が設けられる。対話操作部14は、オペレータよりチェックボックス85を介して終了日時を指定しない設定を受け付けた場合、終了日時以外のタイトル情報を検索・保存部15に供給する。タイトル保存部16は、終了日時以外のタイトル情報を格納する。
【0076】
データ管理装置1は、終了日時の有無を設定できるため、一連の事象の開始日時は分かるが終了日時が特定できない場合であっても、タイトル情報を設定できる。例えば、タイトル情報の登録時にタイトル名称および開始日時を仮で設定した後、タイトル情報の変更機能によって編集することができる。
【0077】
タイトル保存部16に格納されるタイトル情報は、プラントの運転経過と共に増加傾向となる。データ管理装置1は、このタイトル情報の変更、追加、削除を可能とすることで、タイトル情報によるプラントデータの管理を容易に行うことができる。
【0078】
また、各保存部13、23、33、43に格納されたプラントデータ(運転実績)に対しては一切加工する必要がないため、データの信頼性(不変性)を確保することができる。
【0079】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0080】
例えば、イベントデータ、ヒストリカルデータ、トリップシーケンスデータおよび日誌ログは一例であり、データ管理装置1により管理されるデータは、時間情報を有するプラントデータであればこれに限らない。
【0081】
また、比較表示画面においては2つ以上のデータを比較表示してもよい。
【符号の説明】
【0082】
1 データ管理装置
11 プロセス入力部
12 イベント判定部
13 イベント保存部
14 対話操作部
15 検索・保存部
16 タイトル保存部
17 データ抽出部
18 データ表示部
22 ヒストリカルデータ処理部
23 ヒストリカルデータ保存部
32 トリップシーケンス処理部
33 トリップシーケンス保存部
42 日誌ログ計算部
43 日誌ログ保存部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
時間情報を有するデータを格納するデータ保存部と、
前記データに関連する事象の名称と前記事象の時間情報とを含むタイトル情報を入力するタイトル情報入力部と、
前記タイトル情報入力部から入力された前記タイトル情報を格納するタイトル保存部と、
前記タイトル保存部から前記タイトル情報を検索するための検索情報を入力する検索情報入力部と、
前記検索情報に基づいて前記タイトル保存部から前記タイトル情報を検索する検索部と、
前記検索部により検索されたタイトル情報の前記事象の時間情報に基づいて、前記データ保存部から前記事象の時間情報に対応する時間情報を有するデータを抽出する抽出部とを備えたことを特徴とするデータ管理装置。
【請求項2】
前記事象の時間情報は、前記事象の開始日時および終了日時である請求項1記載のデータ管理装置。
【請求項3】
前記時間情報を有するデータは、プラントから入力されるプロセスデータに基づくデータであり、イベントデータ、ヒストリカルデータ、トリップシーケンスデータ、日誌ログである請求項1または2記載のデータ管理装置。
【請求項4】
前記検索部により検索されたタイトル情報の選択を入力する選択入力部をさらに備え、
前記抽出部は、選択された前記タイトル情報の前記事象の時間情報に基づいて前記データを抽出する請求項1〜3のいずれか一項記載のデータ管理装置。
【請求項5】
前記選択入力部は、複数のタイトル情報の選択を入力し、
前記抽出部は、選択された前記複数のタイトル情報の前記事象の時間情報に基づいて複数の前記データを抽出する請求項4記載のデータ管理装置。
【請求項6】
前記抽出部により抽出された前記複数のデータを比較表示する表示部をさらに備えた請求項5記載のデータ管理装置。
【請求項7】
前記タイトル保存部に格納された前記タイトル情報を編集する編集部をさらに備えた請求項1記載のデータ管理装置。
【請求項8】
時間情報を有するデータを格納するデータ保存ステップと、
前記データに関連する事象の名称と前記事象の時間情報とを含むタイトル情報を入力するタイトル情報入力ステップと、
前記タイトル情報入力ステップで入力された前記タイトル情報を格納するタイトル保存ステップと、
前記タイトル情報を検索するための検索情報を入力する検索情報入力ステップと、
前記検索情報に基づいて格納された前記タイトル情報を検索する検索ステップと、
前記検索ステップで検索されたタイトル情報の前記事象の時間情報に基づいて、格納された前記事象の時間情報に対応する時間情報を有するデータを抽出する抽出ステップとを備えることを特徴とするデータ管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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