説明

データ表示方法、データ表示装置及びプログラム

【課題】従来のデータ一覧表示では、フォルダ単位に表示するプロパティを指定して表示している。そのため、異なるメタデータスキーマが有するプロティを見るためには、夫々のメタデータスキーマが有するプロパティを全て表示するように指定する必要がある。また、多くの種類のメタデータスキーマが有するプロパティを全て表示するように指定すると、広い画面領域を必要となる。そこで、データのプロパティをより利用しやすく表示することを目的とする。
【解決手段】表示装置が、データの種類毎に一又は複数のプロパティが定義されているデータ群を表形式で表示する際に、表示するデータ群を取得し、取得したデータ群からデータの種類を特定し、データ群で共通のプロパティと特定したデータの種類で定義されているプロパティとを優先して、データ群のプロパティを表示することによって課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データの種類によって異なるメタデータスキーマを有するデータ群を表示するデータ表示方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、データの種類によって異なるメタデータスキーマを有するデータ群を一覧表示する際には、以下のような方法で行われていた。例えば、マクロソフト(株)のWindows(登録商標)のエクスプローラで実現されている方法である。WindowsXP(登録商標) operating systemのエクスプローラにおいては、まず、操作者は、詳細表示を選択する。その後、操作者は、フォルダ別に表示するプロパティの選択、表示するプロパティの横幅指定及び表示するプロパティの表示順序指定を行い、データが表示される。ここで、識別情報と内容とをセルに登録することで、簡素化したテーブル構造であらゆる対象項目を登録可能なデータベースシステム構築方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−67250号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1には、あらゆる対象項目を登録可能なデータベースシステム構築の提案はあるが、異なるスキーマの複数のデータを一覧表示する方法については有効な提案がなされていないという問題がある。
【0005】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたもので、データのプロパティをより利用しやすく表示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明は、データの種類毎に一又は複数のプロパティが定義されているデータ群を表形式で表示するデータ表示方法であって、表示するデータ群を取得する取得工程と、前記取得工程で取得したデータ群からデータの種類を特定する特定工程と、前記データ群で共通のプロパティと前記特定されたデータの種類で定義されているプロパティとを優先して、前記データ群のプロパティを表示する表示工程と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、データのプロパティをより利用しやすく表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】表示装置の構成を示す図である。
【図2】表示装置のハードウェア構成を示す図である。
【図3】表示処理に係るフローチャートを示す図である。
【図4】画面の例を示す図である。
【図5】データの構成及び値の例を示す図である。
【図6】画面の例を示す図である。
【図7】画面の例を示す図である。
【図8】画面の例を示す図である。
【図9】画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0010】
<第1の実施形態>
本実施形態に係る表示装置100(コンピュータを含んで構成される。)の構成について、図1を参照して説明する。表示装置100は、単一の装置(情報処理装置、データ表示装置等)で実現してもよいし、必要に応じた複数の装置に各機能を分散して実現するようにしてもよい。複数の装置で構成される場合は、各装置は、互いに通信可能なようにLAN(Local Area Network)等で接続されている。
本実施形態では、文書、動画、及び画像の3種類のデータを含むフォルダを開いた際にデータの一覧表示を行う例について説明する。表示装置100は、データの種類によって異なるメタデータスキーマを有するデータ群を表形式で一覧表示する装置である。
表示装置100において対象データ取得部101は、一覧表示する対象データ群を取得する。データ種類特定部102は、対象データ取得部101で取得されたデータ(本実施形態では、先頭にあるデータ)の種類の特定を行う。一覧表示部103は、対象データ取得部101で取得されたデータ群を、データ種類特定部102で特定されたデータの種類毎のメタデータスキーマ及び共通のメタデータスキーマを優先して、一覧表示する。
【0011】
図2は、表示装置100のハードウェア構成を示す図である。201は、CPU(Central Processing Unit)である。202は、ROM(Read Only Memory)であり、各種の制御プログラム、データ等を保持する。203は、記憶装置であり、各種の制御プログラム、各種データ等を保存する。204は、RAM(Random Access Memory)であり、CPU201のワーク領域、エラー処理時のデータの退避領域、制御プログラムのロード領域等を有する。205は、ネットワーク・インターフェイス(Nte−IF)であり、他の情報処理装置等とネットワーク206を介して通信を行うことができる。207は、バスであり、アドレスバス、データバス及びコントロールバスを含む。
CPU201に対する制御プログラムの提供は、ROM202、記憶装置203から行うこともできるし、ネットワーク206を介して他の情報処理装置等から行うこともできる。CPU201は、ROM202、記憶装置203等に格納された制御プログラムに基づいてバス207に接続された各デバイスを制御する。なお、本実施形態では、CPU201が、例えば、RAM204に格納されたプログラムの手順に従って処理を行うことによって、表示装置100における機能及び後述するフローチャートに係る処理が実現される。
【0012】
以下、フォルダを開いた際にデータを一覧表示する処理について詳細に説明する。図3は、表示装置100で行われる一覧表示処理に係るフローチャートを示す図である。311は、CPU201が最初に表示する初期画面である。図4は、初期画面311の一例を示す図である。401は、フォルダ階層ツリー構造を表示するフォルダツリーペインである。フォルダツリーペイン401には、複数のフォルダ(「遠足」フォルダ、「運動会」フォルダ、「発表会」フォルダ、「球技大会」フォルダ等)が表示される。402は、フォルダ内容ペインである。フォルダ内容ペイン402には、フォルダツリーペイン401で選択されたフォルダに格納されているファイル、フォルダ等が表示される。初期画面311では、フォルダツリーペイン401でフォルダの選択が行われていないので、CPU201は、フォルダ内容ペイン402には何も表示しない。
【0013】
321は、フォルダ階層ツリー構造、ファイル等の管理を行うデータ管理プログラムである(図3参照のこと。)。ステップS301では、CPU201は、例えば、データ管理プログラム321を実行することで、表示する対象である対象データ322を取得する。なお、ステップS301の処理については後ほど詳しく説明する。
ここで、図5に、対象データ322の構成及び内容の例を示す。図5に示す501から512までは、メタデータの項目であるプロパティである。以下、プロパティについて説明する。
501は、データの名称を表す名前プロパティである。502は、データの種類を表す種類プロパティである。503は、データの種類が文書のときのみ使用される文書の作成日を表す作成日付プロパティである。504は、データの種類が文書のときのみ使用される文書の作成者を表す作成者プロパティである。505は、データの種類が文書のときのみ使用される文書の分類を表す分類プロパティである。506は、データの種類が文書のときのみ使用される文書のキーワードを表すキーワードプロパティである。
507は、データの種類が画像及び動画のときに使用される画像又は動画の撮影日時を表す撮影日時プロパティである。508は、データの種類が画像及び動画のときに使用される画像又は動画が撮影されたときのイベントを表すイベントプロパティである。509は、データの種類が動画のときのみ使用される動画の再生時間を表す再生時間プロパティである。510は、データの種類が動画のときのみ使用される動画の記録規格を表す記録規格プロパティである。511は、データの種類が画像のときのみ使用される画像の撮影された場所を表す撮影場所プロパティである。512は、データの種類が画像のときのみ使用される画像に写っている被写体を表す被写体プロパティである。
【0014】
本実施形態では、種類プロパティ502(データの種類)に応じて、複数のプロパティを含んで構成されるメタデータスキーマが以下のように定義(規定)されている。すなわち、種類プロパティ502が「文書」であるメタデータスキーマは、名前プロパティ501、種類プロパティ502、作成日付プロパティ503、作成者プロパティ504、分類プロパティ505、及びキーワードプロパティ506を含んで構成される。
種類プロパティ502が「動画」であるメタデータスキーマは、名前プロパティ501、種類プロパティ502、撮影日時プロパティ507、イベントプロパティ508、再生時間プロパティ509、及び記録規格プロパティ510を含んで構成される。
種類プロパティ502が「画像」であるメタデータスキーマは、名前プロパティ501、種類プロパティ502、撮影日時プロパティ507、イベントプロパティ508、撮影場所プロパティ511、及び被写体プロパティ512を含んで構成される。
ここで、名前プロパティ501及び種類プロパティ502は、文書、画像、及び動画の全ての種類のメタデータスキーマに共通するプロパティ(以下、「共通プロパティ」と称する。)である。また、撮影日時プロパティ507及びイベントプロパティ508は、画像及び動画の種類のメタデータスキーマに共通するプロパティである。
【0015】
本実施形態では、図5に示すように、データの種類が文書であるデータとしては1件目のデータ(名前プロパティ501が「運動会のお知らせ」であるデータ)と2件目のデータ(名前プロパティ501が「プログラム」であるデータ)との合計2件が存在している。
また、データの種類が動画であるデータとしては、3件目のデータ、5件目のデータ、7件目のデータ、及び10件目のデータの合計4件が存在している。3件目のデータの名前プロパティ501のプロパティ値は「かけっこ」であり、5件目のデータの名前プロパティ501のプロパティ値は「騎馬戦」である。また、7件目のデータの名前プロパティ501のプロパティ値は「綱引き」でり、10件目のデータの名前プロパティ501のプロパティ値は「リレー」である。
また、データの種類が画像であるデータとしては、4件目のデータ、6件目のデータ、8件目のデータ、9件目のデータ、及び11件目のデータの合計5件が存在している。4件目のデータの名前プロパティ501のプロパティ値は「IMG0345.jpg」である。6件目のデータの名前プロパティ501のプロパティ値は「IMG0346.jpg」である。8件目のデータの名前プロパティ501のプロパティ値は「IMG0347.jpg」である。9件目のデータの名前プロパティ501のプロパティ値は「IMG0348.jpg」である。11件目のデータの名前プロパティ501のプロパティ値は「IMG0349.jpg」である。
なお、プロパティは、値(プロパティ値)を保持する。例えば、1件目の「運動会のお知らせ」のデータは、メタデータスキーマの種類プロパティ502、作成日付プロパティ503、作成者プロパティ504、分類プロパティ505、キーワードプロパティ506に値を保持することが可能である。しかしながら、1件目のデータは、撮影日時プロパティ507、イベントプロパティ508、再生時間プロパティ509、記録規格プロパティ510、撮影場所プロパティ511、及び被写体プロパティ512には値を保持できない。
【0016】
323は、特定されたデータ種類(以下、「特定データ種類」と称する。)であり、対象データ322に含まれる種類プロパティ502のプロパティ値の何れかを保持する(図3を参照のこと。)。特定データ種類は、ステップS302の処理でCPU201により決定される。ステップS302の処理については後ほど詳しく説明をする。本実施形態では、CPU201は、特定データ種類として「文書」を特定しているものとする。
【0017】
ステップS303では、CPU201は、データの一覧(後述の一覧表示画面312等)を表示する。なお、ステップS303の処理については後ほど詳しく説明する。
図6は、一覧表示画面312の一例を示す図である。601は、フォルダ階層ツリー構造を表示するフォルダツリーペインであり、フォルダツリーペイン401と基本的には同様であるが、ここでは「運動会」フォルダが選択された状態となっている。610は、フォルダ内容ペインである。フォルダ内容ペイン610は、フォルダ内容ペイン402と同じ領域であるが、ここではフォルダツリーペイン601で「運動会」フォルダが選択された状態であるので、CPU201は、「運動会」フォルダに格納されているデータを表示している。
本実施形態では、フォルダ内容ペイン610に表示されるデータは、対象データ322であり、図5に示す11件のデータである。ここで、CPU201は、名前プロパティ501、種類プロパティ502、データの種類が文書であるメタデータスキーマの作成日付プロパティ503、作成者プロパティ504、分類プロパティ505、及びキーワードプロパティ506のプロパティ名を表示する。また、CPU201は、フォルダ内容ペイン610の2行目以降には、1行目のプロパティ名に対応する対象データ322のプロパティ値を表示する。
また、602は、文書以外の画像及び動画に固有のメタデータスキーマが有する複数のプロパティを圧縮して表す圧縮表示(記号)である。
【0018】
ステップS301の処理でCPU201が対象データ322を取得する処理について説明する。まず、CPU201は、初期画面311で操作者によりフォルダが選択されたことを検出すると、ステップS301の処理を行う。
ステップS301では、取得手段の一例であるCPU201は、初期画面311で選択されたフォルダに格納されているファイル、フォルダ等の取得を行う。本実施形態では、初期画面311において、初期画面311の一例であるフォルダツリーペイン401で「運動会」フォルダの選択が行われたとする。すなわち、ステップS301では、CPU201は、「運動会」フォルダに格納されているファイル、フォルダ等を取得するため、データ管理プログラム321に対して「運動会」フォルダを指定し、該フォルダに含まれるファイル、フォルダ等の情報を取得する。また、ステップS301では、CPU201(データ管理プログラム321)は、取得したファイル、フォルダ等の情報を対象データ322として出力する。
【0019】
ステップS302の処理でCPU201がデータ種類を特定する処理について説明する。ステップS302では、特定手段の一例であるCPU201は、対象データ322中から、データの種類を特定し、特定したデータの種類を特定データ種類として出力する。本実施形態では、図5に示す対象データ322中の最上位に位置するデータ(この例では、名前プロパティ501が「運動会のお知らせ」のデータ)を特定対象データとする。特定対象データ(この例では、名前プロパティ501が「運動会のお知らせ」であるデータ)の種類プロパティ502のプロパティ値は、文書であるため、CPU201は、特定データ種類としては「文書」を出力する。
【0020】
ステップS303の処理でCPU201がデータの一覧を表示する処理について説明する。ステップS303では、CPU201は、対象データ322に含まれる各メタデータスキーマで共通のプロパティ(すなわち、共通プロパティ)を抽出し、更に、特定対象データのメタデータスキーマが保持するプロパティの抽出を行う。また、ステップS303では、表示手段の一例であるCPU201は、抽出したプロパティを一覧表示画面312の一例であるフォルダ内容ペイン610に表示する。CPU201は、フォルダ内容ペイン610の1行目には、プロパティ名称を表示する。そして、CPU201は、2行目以降には、対象データ322から各々のプロパティ名称に対応するプロパティ値を設定して表示する。
また、ステップS303では、CPU201は、対象データ322に含まれる各メタデータスキーマのプロパティで表示されなかったプロパティについては圧縮を表す記号(すなわち、圧縮表示602)を表示する。
本実施形態では、対象データ322における共通プロパティは、名前プロパティ501及び種類プロパティ502である。また、「文書」のメタデータスキーマのプロパティは、名前プロパティ501、種類プロパティ502、作成日付プロパティ503、作成者プロパティ504、分類プロパティ505、及びキーワードプロパティ506である。したがって、フォルダ内容ペイン610の1行目に表示されるプロパティ名称は、重複したもの(名前プロパティ501及び種類プロパティ502)がまとめられ、名前、種類、作成日付、作成者、分類、キーワードとなる。
そして、CPU201は、対象データ322から、表示するプロパティ名称に対応するプロパティ値を設定し、表示する。例えば、フォルダ内容ペイン610の2行目には、名前の下に「運動会のお知らせ」が設定され、表示される。また、種類の下に「文書」、作成日付の下に「2006/9/10」が各々設定され、これらが表示される。また、作成者の下に「XX小学校」、分類の下に「学校」、キーワードの下に「運動会、知らせ」が各々設定され、これらが表示される。なお、CPU201は、フォルダ内容ペイン610の3行目以降も同様に、対象データ322からプロパティ名称に対応するプロパティ値を設定し、表示する。
【0021】
ここで、圧縮表示602は、対象データ322に含まれる各メタデータスキーマのプロパティで表示されなかったプロパティの圧縮を表すもの(記号)である。すなわち、圧縮表示602は、1行目に表示されなかった撮影日時、イベント、再生時間、記録規格、撮影場所、及び被写体を圧縮して表す記号として表示される。
なお、選択フォルダに格納されているデータを取得する方法は、データ管理プログラム321が実行されることにより実現されるが、ファイルシステム、データベース、Webサービス等を使用して実現してもよい。
また、本実施形態におけるステップS302におけるデータ種類の特定で最上位に位置するのは、図5に示す最上位データである名前プロパティ501が「運動会のお知らせ」のデータとした。しかしながら、これに限られるものではない。例えば、フォルダ内容ペイン610の最上位に表示されるデータを最上位データ(特定対象データ)としてもよい。
【0022】
このように、CPU201は、異なるメタデータスキーマが有するプロティを一覧表示する際に、複数のメタデータスキーマで共通するプロパティと特定のデータ種類のメタデータスキーマが有するプロパティとを優先して表示する。この構成によれば、比較的狭い画面領域の一覧表示においても画面スクロール等を成るべくすることなく、目的とするデータのプロパティを表示することができる。また、例えば、CPU201は、一覧表示しているデータ中から、操作者が関心のあるデータ種類のメタデータスキーマが有するプロパティ及び複数のデータ種類のメタデータスキーマが共通に有するプロパティを優先して表示してもよい。この構成によれば、広い画面領域を必ずしも必要とせず、関心のあるデータのプロパティを表示することができる。
また、本実施形態に係る構成によれば、操作者は、フォルダ単位に表示するプロパティを指定する必要がなくなる。また、本実施形態に係る構成によれば、多くの種類のメタデータスキーマが有するプロパティを全て表示することが殆どないので、プロパティを表示する数が非常に多くなることで広い画面領域を必要とする事態が生じる頻度を低減し得る。
【0023】
<第2の実施形態>
第2の実施形態の構成は、基本的には、第1の実施形態の構成と同様である。第1の実施形態では、ステップS302の処理でのデータ種類の特定において、対象データ322中の最上位に位置するデータ、つまり名前プロパティ501のプロパティ値が「運動会のお知らせ」のデータを特定対象データとした。そのため、第1の実施形態では、CPU201は、特定データ種類としては「文書」を出力した。
第2の実施形態では、ステップS302の処理でのデータ種類の特定においては、CPU201は、対象データ322で最も数が多い種類を特定データ種類とする。対象データ322において、データの種類が文書のデータは2件、データの種類が動画のデータは4件、データの種類が画像のデータは5件存在している。したがって、第2の実施形態におけるデータ種類の特定では、CPU201は、最も数が多い種類の「画像」を特定データ種類として出力する。これにより、第2の実施形態の対象データ322に関する処理は、以下のようになる。
【0024】
ここで、図5に示されるように、共通プロパティは、名前プロパティ501及び種類プロパティ502であり、第1の実施形態と同様である。本実施形態では、特定データ種類は、「画像」となる。「画像」のメタデータスキーマのプロパティは、名前プロパティ501、種類プロパティ502、撮影日時プロパティ507、イベントプロパティ508、撮影場所プロパティ511、及び被写体プロパティ512である。したがって、一覧表示画面312の一例であるフォルダ内容ペイン810の1行目に表示されるプロパティ名称は、重複したもの(名前プロパティ501及び種類プロパティ502)がまとめられ、名前、種類、撮影日時、イベント、撮影場所、及び被写体となる。
すなわち、CPU201は、対象データ322から表示するプロパティ名称に対応するプロパティ値を設定し、表示する(図7参照のこと。)。例えば、フォルダ内容ペイン810の5行目には、名前の下に「IMG0345.jpg」が設定され、表示される。また、種類の下に「画像」が設定され、撮影日時の下に「2006/10/10 9:25:34」が設定され、これらが表示される。また、イベントの下に「運動会」が設定され、撮影場所の下に「XX小学校」が設定され、被写体の下に「花子」が設定され、これらが表示される。なお、CPU201は、フォルダ内容ペイン810の他の行も同様に、対象データ322からプロパティ名称に対応するプロパティ値を設定し、表示する。
【0025】
圧縮表示801及び圧縮表示802は、対象データ322に含まれる各メタデータスキーマのプロパティで表示されなかったプロパティが圧縮されていることを表す。より具体的には、圧縮表示801は、フォルダ内容ペイン810の1行目に表示されなかったデータの種類が「文書」のメタデータスキーマで固有のプロパティである作成日付、作成者、分類、及びキーワードを圧縮して表す記号として表示される。圧縮表示802は、フォルダ内容ペイン810の1行目に表示されなかったデータの種類が「動画」のメタデータスキーマで固有のプロパティである再生時間及び記録規格を圧縮して表す記号として表示される。
ここで、本実施形態におけるステップS302の処理でのデータ種類の特定で、CPU201は、最も多い種類を全体の中から画像と特定した。しかしながら、これに限られるものではない。例えば、CPU201は、フォルダ内容ペイン810に表示されるデータの中で最も多い種類をデータ種類として特定してもよい。
【0026】
<第3の実施形態>
第3の実施形態の構成は、基本的には、第1の実施形態の構成及び第2の実施形態の構成と同様である。第2の実施形態では、ステップS302の処理でのデータ種類の特定において、対象データ322の中で最も数が多い種類をデータ種類とした。そのため、第2の実施形態では、CPU201は、特定データ種類としては「画像」を出力した。
第3の実施形態では、ステップS302の処理でのデータ種類の特定においては、CPU201は、対象データ322の中から選択されたデータの種類を特定データ種類とする。なお、第3の実施形態における初期画面311は、例えば、第2の実施形態の一覧表示画面の一例である図7に示す画面とする。
本実施形態では、CPU201が、フォルダ内容ペイン710から3件目のデータが選択されたことを検出し、3件目のデータを特定対象データとしたとする。すなわち、ステップS302の処理でのデータ種類の特定では、CPU201は、3件目のデータである名前プロパティ501が「かけっこ」のデータを特定対象データとする。そして、CPU201は、このデータの種類である「動画」を特定データ種類として出力する。これにより、第3の実施形態の対象データ322に関する処理は、以下のようになる。
【0027】
図5に示すように、共通プロパティは、名前プロパティ501及び種類プロパティ502であり、第1の実施形態及び第2の実施形態と同様である。「動画」のプロパティは、名前プロパティ501、種類プロパティ502、撮影日時プロパティ507、イベントプロパティ508、再生時間プロパティ509、及び記録規格プロパティ510である。したがって、一覧表示画面312の一例であるフォルダ内容ペイン710の1行目に表示されるプロパティ名称は、重複したもの(名前プロパティ501及び種類プロパティ502)がまとめられ、名前、種類、撮影日時、イベント、再生時間、及び記録規格となる。
すなわち、CPU201は、対象データ322から表示するプロパティ名称に対応するプロパティ値を設定し、表示する(図8参照のこと。)。例えば、フォルダ内容ペイン710の4行目には、名前の下に「かけっこ」が設定され、種類の下に「動画」が設定され、撮影日時の下に「2006/10/10 9:24:22」が設定され、これらが表示される。また、イベントの下に「運動会」が設定され、再生時間の下に「45秒」が設定され、これらが表示される。また、記録規格の下に「HDV1080i」が設定され、表示される。なお、CPU201は、フォルダ内容ペイン710の他の行も同様に、対象データ322からプロパティ名称に対応するプロパティ値を設定し、表示する。
【0028】
図8に示す圧縮表示801及び圧縮表示702は、対象データ322に含まれる各メタデータスキーマのプロパティで表示されなかったプロパティが圧縮されていることを表す。
より具体的には、圧縮表示801は、フォルダ内容ペイン710の1行目に表示されなかったデータの種類が「文書」のメタデータスキーマで固有のプロパティである作成日付、作成者、分類、及びキーワードを圧縮して表す記号として表示される。圧縮表示702は、フォルダ内容ペイン710の1行目に表示されなかったデータの種類が「画像」のメタデータスキーマで固有のプロパティである撮影場所及び被写体を圧縮して表す記号として表示される。
なお、本実施形態では、フォルダ内容ペイン710から4行目だけを選択することで4行目のデータだけを特定対象データとしたが、これに限られるものではない。例えば、複数の行が一度に選択された場合は、特定対象データは複数となり、夫々のデータの種類が異なる場合は、CPU201は、複数の特定データ種類を特定してもよい。例えば、図8に示す4行目及び5行目が選択された場合は、CPU201は、特定データ種類としては「画像」と「動画」とを出力する。この場合、圧縮表示702は、圧縮表示ではなくなり、「撮影場所」と「被写体」とが表示される。また、表示するプロパティが増えることでフォルダ内容ペイン710が1つの画面内に収まらない場合は、横スクロールする構成としてもよい。
上述した構成によれば、操作者は、異なるメタデータスキーマが有するプロティを見るために、夫々のメタデータスキーマが有するプロパティを全て表示する指定をする必要がなくなる。
【0029】
なお、対象データ322の取得は、フォルダ、ファイル等を格納している通常のフォルダを開くことに限られるものではない。例えば、CPU201は、通常のフォルダを開く以外に検索フォルダを開くことや検索結果に対しても同様にプロパティを優先して表示してもよい。また、対象データ322としては、文書、画像、動画のファイルを例示して説明したが、これに限られるものではない。例えば、対象データ322としてフォルダがある場合には、CPU201は、フォルダが有するメタデータスキーマのプロパティも同様に優先して表示してもよい。
また、一覧表示画面312においては、表示しないプロパティを圧縮して表示していたが、これに限られるものではない。例えば、CPU201は、図9に示すフォルダ内容ペイン910のように圧縮表示(圧縮に係る表示自体)をしない。
また、CPU201は、共通プロパティと特定されたデータの種類のプロパティとを全て表示していたが、これに限られるものではない。例えば、メタデータスキーマのプロパティ毎に一覧表示における表示有無を指定する構成を採用してもよい。また、対象データ322の全ての種類で共通のプロパティを共通プロパティとしたが、これに限られるものではない。例えば、対象データ中において複数の種類で共通しているプロパティを共通プロパティとしてもよい。
【0030】
<その他の実施形態>
上述した実施形態の各工程は、ネットワーク又は各種記憶媒体を介して取得したソフトウェア(プログラム)をパソコン等の処理装置(CPU、プロセッサ)にて実行することでも実現できる。
【0031】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0032】
100 表示装置、101 対象データ取得部、102 データ種類特定部、103 一覧表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データの種類毎に一又は複数のプロパティが定義されているデータ群を表形式で表示するデータ表示方法であって、
表示するデータ群を取得する取得工程と、
前記取得工程で取得したデータ群からデータの種類を特定する特定工程と、
前記データ群で共通のプロパティと前記特定されたデータの種類で定義されているプロパティとを優先して、前記データ群のプロパティを表示する表示工程と、
を備えることを特徴とするデータ表示方法。
【請求項2】
前記特定工程は、前記データ群の先頭にあるデータの種類を特定することを特徴とする請求項1記載のデータ表示方法。
【請求項3】
前記特定工程は、前記データ群から選択されたデータの種類を特定することを特徴とする請求項1記載のデータ表示方法。
【請求項4】
前記特定工程は、前記データ群で種類が多いデータの種類を特定することを特徴とする請求項1記載のデータ表示方法。
【請求項5】
データの種類毎に一又は複数のプロパティが定義されているデータ群を表形式で表示するコンピュータを、
表示するデータ群を取得する取得手段と、
前記取得手段で取得したデータ群からデータの種類を特定する特定手段と、
前記データ群で共通のプロパティと前記特定されたデータの種類で定義されているプロパティとを優先して、前記データ群のプロパティを表示する表示手段と、
して機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項6】
データの種類毎に一又は複数のプロパティが定義されているデータ群を表形式で表示するデータ表示装置であって、
表示するデータ群を取得する取得手段と、
前記取得手段で取得したデータ群からデータの種類を特定する特定手段と、
前記データ群で共通のプロパティと前記特定されたデータの種類で定義されているプロパティとを優先して、前記データ群のプロパティを表示する表示手段と、
を備えることを特徴とするデータ表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−8423(P2011−8423A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−150094(P2009−150094)
【出願日】平成21年6月24日(2009.6.24)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】