説明

データ表示装置、データ表示方法およびプログラム

【課題】新しいデータ表示手段を提供する。
【解決手段】複数のデータ種のデータを表示した複数のウインドウを表示できる表示部10と、ウインドウの表示態様に基づいて、ディスプレイに表示されている複数のウインドウの優先順位を決定する優先順位決定部30と、ウインドウに表示されているデータに対する操作を受付けるデータ操作受付部40と、データ操作受付部40が操作を受付けると、ディスプレイに表示されているデータの表示内容を変更するデータ表示変更部50と、データ操作受付部40が、第1のウインドウに表示されているデータに対する操作を受付けた場合、その時点で第1のウインドウよりも優先順位が低いウインドウの表示内容の変更を許可するが、第1のウインドウよりも優先順位が高いウインドウの表示内容の変更は許可しないように、データ表示変更部50を制御する変更制御部60とを有するデータ表示装置1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ表示装置、データ表示方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のデータ種のデータをディスプレイに同時に表示し、1つのデータ種のデータに対する操作を受付けると、他のデータ種のデータの表示内容を変更する表示手段がある。
【0003】
例えば、IT機器を用いて実現される様々なサービスの状態を監視する監視用データセンタにおいて、このような表示手段が利用される場合がある。一例としては、以下のような表示処理を実行するものがある。まず、監視対象である複数のサービス提供用データセンタ各々の拠点を示した地図データ(以下、「地図データ」)とともに、監視対象であるサービスの一覧データ(以下、「サービス一覧データ」)を同時に表示する。そして、地図データ上において1つの拠点を指定する操作を受付けると、サービス一覧データの表示内容を、指定された拠点に位置するサービス提供用データセンタが提供するサービスの一覧に変更する。
【0004】
特許文献1には、ポータル内のポートレットをドラッグアンドドロップすることによって、レイアウトを配置することが記載されている。
【0005】
特許文献2には、ウインドウの優先度を決定するルールが記載されている。
【0006】
特許文献3には、表示画面に複数のウインドウを表示する表示方法であって、ウインドウを生成する生成工程と、新たなウインドウが生成時、前記新たに生成されたウインドウと関連性をもつ他のウインドウが存在するかどうかを調べる検索工程と、前記新たに生成されたウインドウと関連性を持つ他のウインドウが存在する場合、前記新たに生成されたウインドウと前記他のウインドウとの関連性が明示されるように前記新たに生成されたウインドウを前記表示画面に表示する表示工程とを有する表示方法が記載されている。
【0007】
特許文献4には、画面に1以上の作業ウインドウを表示可能なマルチウインドウ機能を備えた表示システムと、前記画面に表示するためのGUIを走査する入力装置と、前記画面上に表示されるウインドウの1つを、少なくとも1つの他のウインドウとグループ化するウインドウ群形成手段と、前記グループ化されたウインドウ群を連動させて処理するウインドウ群制御手段と、を含むマルチウインドウ情報処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特表2009−535706号公報
【特許文献2】特開平10−260810号公報
【特許文献3】特開平6−130928号公報
【特許文献4】特開2009−169545号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明者は、上述のような表示手段において、以下のような課題を見出した。
【0010】
まず、扱うデータの内容によっては、第1のデータ種のデータの操作を受付けた場合に、第2のデータ種のデータの表示内容を変更するのみならず、第2のデータ種のデータの操作を受付けた場合にも、第1のデータ種のデータの表示内容を変更するよう設計することが望ましい場合がある。以下、このようなデータ種間の関係を、「双方向支配関係」という。
【0011】
例えば、上記地図データとサービス一覧データとの関係を考えてみる。
【0012】
かかる場合、(1)地図データ上において1つの拠点を指定する操作を受付けると、サービス一覧データの表示内容を、指定された拠点に位置するサービス提供用データセンタが提供するサービスの一覧に変更する表示処理のみならず、(2)サービス一覧データ上において1つのサービスを指定する操作を受付けると、地図データの縮尺を変更などし、指定されたサービスを提供するサーバのフロア図に変更する表示処理などが実行されると、ユーザによる活用の幅が広がり好ましい。
【0013】
このため、地図データとサービス一覧データとは、双方向支配関係にあると言える。
【0014】
従来、このような双方向支配関係にあるデータ種の有効的なデータ表示手段がなかった。
【0015】
例えば、双方向支配関係にある第1及び第2のデータ種のデータ各々を、第1及び第2のウインドウ各々に表示し、第1のウインドウにおいて第1のデータ種に対するデータ操作を受付けると、第2のウインドウにおける第2のデータ種のデータ表示を変更し、また、第2のウインドウにおいて第2のデータ種に対するデータ操作を受付けると、第1のウインドウにおける第1のデータ種のデータ表示を変更するよう設計する手段が考えられる。
【0016】
しかし、通常、ユーザは複数のウインドウ間の主従関係や、階層構造等を把握し、どのウインドウを操作すると、どのウインドウの表示内容が変更されるかを理解した上で、所望の操作を行うことを望むと考えられる。それにも関らず、上述のように、複数のウインドウ間において、一方のウインドウで受付けた操作が、他方のウインドウのデータ表示の変更を引き起こすとともに、その逆も同時に実現可能に設計すると、操作と、各操作に伴う表示変更の関係が複雑になり、ユーザが混乱する可能性がある。すなわち、ユーザフレンドリーな設計とはいえない。
【0017】
上記問題を解決可能な手段として、第3のウインドウを利用するものが考えられる。すなわち、双方向支配関係にある第1及び第2のデータ種のデータ各々を、第1及び第2のウインドウ各々に表示するとともに、第1のデータ種のデータを表示する第3のウインドウをさらに表示する。そして、第1のウインドウにおいて第1のデータ種に対するデータ操作を受付けると、第2のウインドウにおける第2のデータ種のデータ表示を変更し、第2のウインドウにおいて第2のデータ種に対するデータ操作を受付けると、第3のウインドウにおける第1のデータ種のデータ表示を変更するよう設計する手段が考えられる。
【0018】
しかし、このように設計した場合、同一のデータ種のデータが複数のウインドウで同時に表示されることとなるので、ユーザが混乱する可能性がある。上述のように、ユーザは、どのウインドウを操作すると、どのウインドウの表示内容が変更されるかを理解した上で、所望の操作を行うことを望むと考えられる。それにも関らず、同一のデータ種のデータを複数のウインドウで同時に表示すると、ユーザは、同一のデータ種のデータを表示する複数のウインドウのうち、いずれを操作すると、所望のウインドウのデータ表示が変更されるのか、容易に理解できなくなる恐れがある。例えば、上記例の場合、ユーザは、同一のデータ種のデータを表示している第1のウインドウと第3のウインドウを識別できなくなる恐れがある。結果、第2のウインドウに表示されているデータ内容を変更したい時に、第1のウインドウを操作すべきか、第3のウインドウを操作すべきか、容易に判断できなくなる恐れがある。
【0019】
そこで、本発明では、双方向支配関係にあるデータ種の新しいデータ表示手段を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明によれば、複数のデータ種各々のデータを表示した複数のウインドウを同時にディスプレイに表示できる表示手段と、前記ウインドウ各々の表示態様を変更する操作を受付け、当該操作に従い、前記ウインドウの表示態様を変更するウインドウ表示変更手段と、前記ディスプレイに複数の前記ウインドウが表示されている場合、前記ウインドウの表示態様に基づいて、複数の前記ウインドウの優先順位を決定する優先順位決定手段と、前記ウインドウに表示されている前記データに対する操作を受付けるデータ操作受付手段と、前記データ操作受付手段が第1の前記データ種の前記データに対する操作を受付けた場合、他の前記データ種の前記データの表示内容を変更する処理を定めた変更ルールに従い、前記データ操作受付手段が前記操作を受付けると、前記ディスプレイに表示されている前記データの表示内容を変更するデータ表示変更手段と、前記データ操作受付手段が、第1の前記ウインドウに表示されている前記データに対する操作を受付けた場合、その時点で前記第1のウインドウよりも前記優先順位が低い前記ウインドウに表示されている前記データの表示内容の変更を許可するが、前記第1のウインドウよりも前記優先順位が高い前記ウインドウに表示されている前記データの表示内容の変更は許可しないように、前記データ表示変更手段を制御する変更制御手段と、を有するデータ表示装置が提供される。
【0021】
また、本発明によれば、コンピュータを、複数のデータ種各々のデータを表示した複数のウインドウを同時にディスプレイに表示できる表示手段、前記ウインドウ各々の表示態様を変更する操作を受付け、当該操作に従い、前記ウインドウの表示態様を変更するウインドウ表示変更手段、前記ディスプレイに複数の前記ウインドウが表示されている場合、前記ウインドウの表示態様に基づいて、複数の前記ウインドウの優先順位を決定する優先順位決定手段、前記ウインドウに表示されている前記データに対する操作を受付けるデータ操作受付手段、前記データ操作受付手段が第1の前記データ種の前記データに対する操作を受付けた場合、他の前記データ種の前記データの表示内容を変更する処理を定めた変更ルールに従い、前記データ操作受付手段が前記操作を受付けると、前記ディスプレイに表示されている前記データの表示内容を変更するデータ表示変更手段、前記データ操作受付手段が、第1の前記ウインドウに表示されている前記データに対する操作を受付けた場合、その時点で前記第1のウインドウよりも前記優先順位が低い前記ウインドウに表示されている前記データの表示内容の変更を許可するが、前記第1のウインドウよりも前記優先順位が高い前記ウインドウに表示されている前記データの表示内容の変更は許可しないように、前記データ表示変更手段を制御する変更制御手段、として機能させるためのプログラムが提供される。
【0022】
また、本発明によれば、複数のデータ種各々のデータを表示した複数のウインドウを同時にディスプレイに表示する表示工程、前記ウインドウ各々の表示態様を変更する操作を受付け、当該操作に従い、前記ウインドウの表示態様を変更するウインドウ表示変更工程、前記ディスプレイに複数の前記ウインドウが表示されている場合、前記ウインドウの表示態様に基づいて、複数の前記ウインドウの優先順位を決定する優先順位決定工程、前記ウインドウに表示されている前記データに対する操作を受付けるデータ操作受付工程、前記データ操作受付工程で第1の前記データ種の前記データに対する操作を受付けた場合、他の前記データ種の前記データの表示内容を変更する処理を定めた変更ルールに従い、前記データ操作受付工程で前記操作を受付けると、前記ディスプレイに表示されている前記データの表示内容を変更するデータ表示変更工程、前記データ操作受付工程で、第1の前記ウインドウに表示されている前記データに対する操作を受付けた場合、その時点で前記第1のウインドウよりも前記優先順位が低い前記ウインドウに表示されている前記データの表示内容の変更を許可するが、前記第1のウインドウよりも前記優先順位が高い前記ウインドウに表示されている前記データの表示内容の変更は許可しないように、前記データ表示変更手段を制御する変更制御工程、をコンピュータが実行するデータ表示方法が提供される。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、双方向支配関係にあるデータ種の新しいデータ表示手段が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本実施形態のデータ表示装置が実現する表示の一例である。
【図2】本実施形態のデータ表示装置が実現する表示の一例である。
【図3】本実施形態のデータ表示装置の機能ブロック図の一例である。
【図4】本実施形態のデータ表示装置が実現する表示の一例である。
【図5】本実施形態のデータ表示装置が保持するデータの一例である。
【図6】本実施形態のデータ表示装置が保持するデータの一例である。
【図7】本実施形態のデータ表示方法の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図8】本実施形態のデータ表示装置が実現する表示の一例である。
【図9】本実施形態のデータ表示装置が実現する表示の一例である。
【図10】本実施形態のデータ表示装置が保持するデータの一例である。
【図11】本実施形態のデータ表示装置が実現する表示の一例である。
【図12】本実施形態のデータ表示装置が保持するデータの一例である。
【図13】本実施形態のデータ表示装置が保持するデータの一例である。
【図14】本実施形態のデータ表示装置が保持するデータの一例である。
【図15】本実施形態のデータ表示装置が実現する表示の一例である。
【図16】本実施形態のデータ表示装置が実現する表示の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0026】
なお、本実施形態の装置は、任意のコンピュータのCPU、メモリ、メモリにロードされたプログラム(あらかじめ装置を出荷する段階からメモリ内に格納されているプログラムのほか、CD等の記憶媒体やインターネット上のサーバ等からダウンロードされたプログラムも含む)、そのプログラムを格納するハードディスク等の記憶ユニット、ネットワーク接続用インタフェースを中心にハードウエアとソフトウエアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置にはいろいろな変形例があることは、当業者には理解されるところである。
【0027】
また、本実施形態の説明において利用する機能ブロック図は、ハードウエア単位の構成ではなく、機能単位のブロックを示している。これらの図においては、各装置は1つの機器により実現されるよう記載されているが、その実現手段はこれに限定されない。すなわち、物理的に分かれた構成であっても、論理的に分かれた構成であっても構わない。
【0028】
<第1の実施形態>
まず、本実施形態の概要について説明する。
【0029】
本実施形態のデータ表示装置は、複数のデータ種各々のデータを表示した複数のウインドウを同時にディスプレイに表示することができる。なお、データ表示装置は、上記説明した「双方向支配関係」にある複数のデータ種も、複数のウインドウを用いて同時にディスプレイに表示することができる。
【0030】
データ表示装置の利用場面、および、データ表示装置が表示するデータ種の種類は特段制限されない。本実施形態のデータ表示装置は、コンピュータやネットワークを用いて実現される様々なサービスの状態を監視する監視用データセンタで利用され、監視のための様々なデータ種のデータを表示するものとする。例えば、データ表示装置は、図1に示すように、監視対象である複数のサービス提供用データセンタ各々の拠点を示した地図データ(図中、四角マークで拠点を示している)をウインドウAに表示するとともに、監視対象であるサービスの一覧データ(サービス一覧データ)をウインドウBに表示し、これら複数のウインドウA及びBを同時にディスプレイに表示することができる。なお、当該地図データと、サービス一覧データとは、双方向支配関係にあるものとする。
【0031】
また、データ表示装置は、各ウインドウにおいてデータ操作を受付けると、他のウインドウにおけるデータ表示を変更することができる。例えば、地図データを表示するウインドウにおいて、1つの拠点を指定する操作を受付けると、サービス一覧データを表示するウインドウの表示内容を、指定された拠点に位置するサービス提供用データセンタが提供するサービスの一覧に変更することができる。また、例えば、サービス一覧データを表示するウインドウにおいて、1つのサービスを指定する操作を受付けると、地図データの縮尺を変更などし、指定されたサービスを提供するサーバのフロア図が表示されるように変更することができる。
【0032】
なお、双方向支配関係にある複数のデータ種が同時に表示されている場合に、一方のウインドウで受付けた操作が、他方のウインドウのデータ表示の変更を引き起こすとともに、その逆も同時に実現可能に設計すると、上述のようにユーザが混乱する可能性がある。例えば、図1に示す画面において、ウインドウAで受付けた操作が、ウインドウBのデータ表示の変更を引き起こすとともに、ウインドウBで受付けた操作が、ウインドウAのデータ表示の変更を引き起こすように設計すると、ユーザが混乱する恐れがある。当該混乱は、より多くのデータ種のデータをより多くのウインドウで同時にディスプレイに表示するほど、生じやすくなると考えられる。データ表示装置は、このような不都合を回避するため、以下のような処理を行う。
【0033】
まず、データ表示装置は、ディスプレイに複数のウインドウが表示されている場合、これらの優先順位を決定する。データ表示装置は、ウインドウの表示態様に基づいて、当該優先順位を決定する。例えば、ディスプレイ上における位置が上にあるウインドウほど、優先順位を高く決定する。図1に示す例の場合、データ表示装置は、ウインドウAの優先順位を、ウインドウBの優先順位よりも高く決定する。
【0034】
そして、データ表示装置は、あるウインドウにおいてデータ操作を受付けた場合、その時点で、当該ウインドウよりも優先順位の低いウインドウに表示されているデータ種のデータ表示の変更は実行するが、優先順位の高いウインドウに表示されているデータ種のデータ表示の変更は実行しない。例えば、図1に示す例の場合、データ表示装置は、ウインドウAにおいてデータ操作を受付けると、当該操作に従い、ウインドウBのデータ表示の内容を変更する(図2参照)。図1及び図2を比較すると、ウインドウAにおいて1つの拠点を指定するデータ操作を受付けた後の状態を示す図2においては、ウインドウBにおけるサービス一覧の内容が、指定された拠点に位置するサービス提供用データセンタが提供するサービスの一覧に変更されている。一方、図1に示す状態で、ウインドウBにおけるデータ操作を受付けても、ウインドウAはウインドウBよりも優先順位が高いので、データ表示装置は、ウインドウAのデータ表示の内容を変更しない。
【0035】
このように、データ表示装置は、双方向支配関係にあるデータ種のデータを同時にディスプレイに表示している場合であっても、各データ種を表示するウインドウの表示態様に基づいて優先順位を決定し、当該優先順位に従い、双方向支配関係にあるデータ種間の関係を、一方向支配関係に限定する。すなわち、一方のウインドウで受付けた操作に起因して他方のウインドウのデータ表示を変更するが、その逆は実行しない。
【0036】
かかる場合、2つのウインドウ間における操作と表示データの変更の関係がシンプル(一方向)になるので、ユーザの混乱を抑制できる。また、優先順位を、ウインドウの表示態様(例:位置)に基づいて決定し、当該優先順位に従い、2つのウインドウ間における操作と表示データの変更の関係を決定しているので、ユーザは、ウインドウの表示態様から、容易に、2つのウインドウ間の上記関係を把握することができる。
【0037】
以下、このような本実施形態のデータ表示装置の詳細な構成について説明する。図3は、本実施形態のデータ表示装置1の機能ブロック図の一例である。
【0038】
図3に示すように、本実施形態のデータ表示装置1は、表示部10と、ウインドウ表示変更部20と、優先順位決定部30と、データ操作受付部40と、データ表示変更部50と、変更制御部60とを有する。
【0039】
表示部10は、複数のデータ種各々のデータを表示した複数のウインドウを同時にディスプレイに表示できる。データ種の内容は特段制限されない。表示部10は、データ表示装置1が記憶するデータを取り出し、ディスプレイに表示してもよいし、または、外部機器に記憶されているデータを、有線および/または無線での通信により取得し、ディスプレイに表示してもよい。なお、同時にディスプレイに表示するウインドウの数は、特段制限されない。
【0040】
図1に、表示部10が実現する表示の一例を示す。図1の例の場合、ディスプレイに2つのウインドウA及びBが表示されている。そして、ウインドウAには、監視対象である複数のサービス提供用データセンタ各々の拠点を示した地図データが表示されている。一方、ウインドウBには、監視対象であるサービスの一覧データ(サービス一覧データ)が表示されている。
【0041】
このような表示部10の構成は、従来技術に準じて実現できるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0042】
ウインドウ表示変更部20は、表示部10が表示するウインドウ各々の表示態様を変更する操作を受付け、当該操作に従い、表示部10が表示するウインドウ各々の表示態様を変更する。例えば、ウインドウ表示変更部20は、各ウインドウの表示位置を変更する操作や、各ウインドウのディスプレイ上における大きさを変更する操作を受付け、当該操作に従い、各ウインドウの表示態様を変更することができる。
【0043】
例えば、ウインドウ表示変更部20は、図1に示すウインドウA及びB各々の表示位置を変更する操作を受付け、図4に示すようにウインドウの表示態様を変更することができる。図4に示す例では、図1に示すウインドウA及びBの位置が逆になっている。また、ここでは図示しないが、ウインドウ表示変更部20は、図1に示すウインドウA及びBの大きさを変更する操作を受付け、受付けた操作に従い、図1に示すウインドウ各々の表示を変更することができる。
【0044】
このようなウインドウ表示変更部20の構成は、従来技術に準じて実現できるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0045】
優先順位決定部30は、ディスプレイに複数のウインドウが表示されている場合、ウインドウの表示態様に基づいて、複数のウインドウの優先順位を決定する。すなわち、優先順位決定部30は、その時点でディスプレイに表示されているウインドウ各々を識別する情報(ウインドウID)、及び、各ウインドウの詳細情報(表示位置、大きさ等)を、例えば表示部10から取得する。そして、優先順位決定部30は、当該情報を利用して、その時点における複数のウインドウの優先順位を決定することができる。
【0046】
なお、優先順位は、例えば以下のようなルールに従い決定することができる。例えば、優先順位決定部30は、複数のウインドウ各々のディスプレイ上での位置に基づいて、優先順位を決定することができる。一例としては、優先順位決定部30は、ディスプレイ上における位置が上にあるウインドウほど、優先順位を高く決定してもよい。または、優先順位決定部30は、ディスプレイ上における位置がディスプレイを閲覧するユーザから見て左にあるウインドウほど、優先順位を高く決定してもよい。または、優先順位決定部30は、ディスプレイ上における位置が、ディスプレイを閲覧するユーザから見て左上にあるウインドウほど優先順位を高く決定し、右下にあるウインドウほど優先順位を低く決定してもよい。その他、優先順位決定部30は、複数のウインドウ各々のディスプレイ上における表示領域の大きさに基づいて、優先順位を決定してもよい。例えば、優先順位決定部30は、表示領域が大きいウインドウほど、優先順位を高く決定してもよい。以下では、優先順位決定部30は、ディスプレイ上における位置が上にあるウインドウほど、優先順位を高く決定するものとする。
【0047】
なお、優先順位決定部30は、各ウインドウの優先順位を記載した優先順位情報を保持しておいてもよい。そして、ウインドウ表示変更部20がウインドウの表示態様を変更すると、優先順位決定部30は優先順位を決定し直し、優先順位情報の内容を更新してもよい。例えば、図1に示す例の場合、優先順位決定部30は、ウインドウAの優先順位を、ウインドウBの優先順位よりも高く決定し、図5に示すような優先順位情報を作成して保持する。その後、ウインドウ表示変更部20がウインドウA及びBの表示態様を図4に示す例のように変更すると、優先順位決定部30は、優先順位を決定し直す。具体的には、優先順位決定部30は、ウインドウBの優先順位を、ウインドウAの優先順位よりも高く決定する。そして、図6に示すように、優先順位情報を更新する。
【0048】
図3に戻り、データ操作受付部40は、ウインドウに表示されているデータに対する操作を受付ける。操作の内容は様々であり、各データ種の内容、他のデータ種との関係、及び、当該データ表示装置1の要求性能等に基づいて決定することができる設計的事項である。例えば、ウインドウに表示されている複数のデータの中の1つまたは複数を指定する操作であってもよいし、所定の値を入力する操作であってもよい。図1に示す例の場合、データ操作受付部40は、ウインドウAに表示されている地図データにおいて、複数の拠点(図中、四角で示す)の中の1つを指定する操作を受付けるよう設計されてもよい。また、データ操作受付部40は、ウインドウBに表示されているサービス一覧データにおいて、列挙された複数のサービスの中の1つを指定する操作を受付けるよう設計されてもよい。
【0049】
データ表示変更部50は、データ操作受付部40が操作を受付けると、変更ルールに従い、ディスプレイに表示されているデータの表示内容を変更する。
【0050】
変更ルールは、データ操作受付部40が第1のデータ種のデータに対する操作を受付けた場合、他のデータ種のデータの表示内容を変更する処理を定めている。その内容は設計的事項であり、各データ種の内容、他のデータ種との関係、及び、当該データ表示装置1の要求性能等に基づいて決定することができる設計的事項である。なお、第1のデータ種のデータに対する操作を受付けた場合、他の複数のデータ種(数は設計的事項)のデータの表示内容を変更する処理を定めていてもよい。
【0051】
また、変更ルールは、双方向支配関係にあるデータ種間の変更ルールとして、一方のデータ種のデータに対する操作を受付けた場合に、他方のデータ種のデータの表示内容を変更するルールのみならず、逆方向のルール、すなわち、上記他方のデータ種のデータに対する操作を受付けた場合に、上記一方のデータ種のデータの表示内容を変更するルールを定めていてもよい。このような上記一方のデータ種と、上記他方のデータ種は、双方向支配関係にある。
【0052】
例えば、変更ルールには、データ操作受付部40が、監視対象である複数のサービス提供用データセンタ各々の拠点を示した地図データにおいて、複数の拠点の中の1つを指定する操作を受付けると、サービス一覧データの表示内容を、選択された拠点に位置するサービス提供用データセンタが提供するサービスの一覧に変更する処理が定められていてもよい。また、変更ルールには、データ操作受付部40が、監視対象であるサービスの一覧データ(サービス一覧データ)において、1つのサービスを指定する操作を受付けると、地図データの縮尺を変更などし、指定されたサービスを提供するサーバのフロア図が表示される処理が定められていてもよい。または、変更ルールには、監視対象であるサービスの一覧データ(サービス一覧データ)において、1つのサービスを指定する操作を受付けると、地図データ上において、指定されたサービスを提供するサービス提供用データセンタの拠点のみが表示される処理が定められていてもよい。
【0053】
変更制御部60は、データ操作受付部40が、第1のウインドウに表示されているデータに対する操作を受付けた場合、その時点で第1のウインドウよりも優先順位が低いウインドウに表示されているデータの表示内容の変更を許可するが、第1のウインドウよりも優先順位が高いウインドウに表示されているデータの表示内容の変更は許可しないように、データ表示変更部50を制御する。例えば、変更制御部60は、優先順位決定部30が保持する優先順位情報を利用して、複数のウインドウの優先順位を判断することができる。
【0054】
図1に示す例の場合、ウインドウAはウインドウBよりも優先順位が高い(図5参照)。かかる場合、変更制御部60は、データ操作受付部40がウインドウAに表示されているデータに対する操作を受付けた場合、ウインドウBに表示されているデータの表示内容の変更は許可する。このため、図2に示すように、データ操作受付部40が、複数の拠点(図中、四角で示す)の中の1つを指定する操作を受付けると、データ表示変更部50は、変更ルールに従い、ウインドウBにおけるサービス一覧データの表示内容を、指定された拠点に位置するサービス提供用データセンタが提供するサービスの一覧に変更する。
【0055】
一方、データ操作受付部40が図1に示すウインドウBに表示されているデータに対する操作を受付けた場合、ウインドウAはウインドウBよりも優先順位が高いので(図5参照)、変更制御部60は、ウインドウAに表示されているデータの表示内容の変更は許可しない。このため、データ操作受付部40が、監視対象であるサービスの一覧データ(ウインドウB)において、1つのサービスを指定する操作を受付けても、ウインドウAにおける地図データの表示は変更されない。
【0056】
本実施形態のデータ表示装置は、例えば、以下のプログラムをコンピュータにインストールすることで、実現することができる。
【0057】
コンピュータを、
複数のデータ種各々のデータを表示した複数のウインドウを同時にディスプレイに表示できる表示手段、
前記ウインドウ各々の表示態様を変更する操作を受付け、当該操作に従い、前記ウインドウの表示態様を変更するウインドウ表示変更手段、
前記ディスプレイに複数の前記ウインドウが表示されている場合、前記ウインドウの表示態様に基づいて、複数の前記ウインドウの優先順位を決定する優先順位決定手段、
前記ウインドウに表示されている前記データに対する操作を受付けるデータ操作受付手段、
前記データ操作受付手段が第1の前記データ種の前記データに対する操作を受付けた場合、他の前記データ種の前記データの表示内容を変更する処理を定めた変更ルールに従い、前記データ操作受付手段が前記操作を受付けると、前記ディスプレイに表示されている前記データの表示内容を変更するデータ表示変更手段、
前記データ操作受付手段が、第1の前記ウインドウに表示されている前記データに対する操作を受付けた場合、その時点で前記第1のウインドウよりも前記優先順位が低い前記ウインドウに表示されている前記データの表示内容の変更を許可するが、前記第1のウインドウよりも前記優先順位が高い前記ウインドウに表示されている前記データの表示内容の変更は許可しないように、前記データ表示変更手段を制御する変更制御手段、
として機能させるためのプログラム。
【0058】
次に、図7のフローチャートを用いて、本実施形態のデータ表示方法の処理の流れの一例を説明する。
【0059】
まず、ユーザの操作に従い、表示部10が、複数のデータ種のデータを、複数のウインドウ各々に表示する(S10)。例えば、表示部10は、図1に示すように、監視対象である複数のサービス提供用データセンタ各々の拠点を示した地図データを表示するウインドウAと、監視対象であるサービスの一覧データ(サービス一覧データ)を表示するウインドウBとを、ディスプレイに表示する。当該地図データとサービス一覧データは、双方向支配関係にある。なお、表示部10は、さらに、その他のデータ種のデータを表示するその他のウインドウを表示することもできる。
【0060】
S10の後、優先順位決定部30は、ディスプレイに表示されている複数のウインドウのその時点での表示態様に基づいて、これらの優先順位を決定する(S20)。例えば、優先順位決定部30は、表示部10から、その時点でディスプレイに表示されているウインドウ各々を識別する情報(ウインドウID)、及び、各ウインドウの詳細情報(表示位置、大きさ等)を取得する。そして、取得した情報を利用して、優先順位を決定する。なお、ここでは、優先順位決定部30は、ディスプレイ上における位置が上にあるウインドウほど、優先順位を高く決定するものとする。このため、図1に示す例の場合、優先順位決定部30は、ウインドウAの優先順位を、ウインドウBの優先順位よりも高く決定する。そして、図5に示すような優先順位情報を作成し保持する。
【0061】
その後、ウインドウ表示変更部20は、ウインドウ各々の表示態様を変更する操作を受付けることができる(S30)。すなわち、ウインドウ表示変更部20は、各ウインドウの表示位置を変更する操作や、各ウインドウの大きさ変更する操作を受付けることができる。
【0062】
また、S10の後、データ操作受付部40は、ウインドウに表示されているデータに対する操作を受付けることができる(S40)。例えば、データ操作受付部40は、図1に示すウインドウAにおいて、複数の拠点(図中、四角で示す)の中の1つを指定する操作や、ウインドウBにおいて、複数のサービスの中の1つを指定する操作を受付けることができる。
【0063】
そして、データ操作受付部40が操作を受付けると(S40のYes)、データ表示変更部50は、変更ルールに従い、ディスプレイに表示されているデータの表示内容を変更する(S50)。なお、当該変更処理は、変更制御部60に制御される。すなわち、変更制御部60は、S20で決定された優先順位に基づき、S40で操作を受付けたウインドウよりも優先順位が高いウインドウに表示されているデータの表示内容の変更は許可せず、優先順位が低いウインドウに表示されているデータの表示内容の変更は許可するように、データ表示変更部50を制御する(S60)。
【0064】
例えば、図1に示す例の場合、ウインドウAはウインドウBよりも優先順位が高い(図5参照)。かかる場合、変更制御部60は、データ操作受付部40がウインドウAに表示されているデータに対する操作を受付けた場合、ウインドウBに表示されているデータの表示内容の変更は許可する。このため、データ操作受付部40が、図2に示すように、複数の拠点(図中、四角で示す)の中の1つを指定する操作を受付けると、データ表示変更部50は、変更ルールに従い、ウインドウBにおけるサービス一覧データの表示内容を、指定された拠点に位置するサービス提供用データセンタが提供するサービスの一覧に変更する。
【0065】
一方、データ操作受付部40が図1に示すウインドウBに表示されているデータに対する操作を受付けた場合、ウインドウAはウインドウBよりも優先順位が高いので(図5参照)、変更制御部60は、ウインドウAに表示されているデータの表示内容の変更は許可しない。このため、データ操作受付部40が、監視対象であるサービスの一覧データ(ウインドウB)において、1つのサービスを指定する操作を受付けても、ウインドウAにおける地図データの表示は変更されない。
【0066】
なお、サービスの一覧データ(ウインドウB)を操作し、地図データ(ウインドウA)の表示内容を変更させることを望むユーザは、S30において、ウインドウA及びBの表示態様を変更する(S30のYes)。具体的には、ユーザは、ウインドウBの表示位置がウインドウAの表示位置よりも上側になるように操作する。すると、ウインドウ表示変更部20は、S30で受付けた操作に従い、ウインドウの表示態様を変更する(S60)。結果、ウインドウA及びBの表示態様が、図4に示す状態に変わる。
【0067】
S60の後、優先順位決定部30は、例えば表示部10から各ウインドウの変更後の詳細情報(表示位置、大きさ等)を取得し、ディスプレイに表示されている複数のウインドウのその時点(変更後)の表示態様に基づいて、これらの優先順位を決定し直す(S20)。図4に示す例の場合、優先順位決定部30は、ウインドウBの優先順位を、ウインドウAの優先順位よりも高く決定する。そして、図5に示す優先順位情報を更新し、図6に示す状態にする。
【0068】
そして、図4に示す状態で、データ操作受付部40が操作を受付けると(S40のYes)、データ表示変更部50及び変更制御部60は、以下のような処理を実行する。
【0069】
図4に示す例の場合、ウインドウBはウインドウAよりも優先順位が高い(図6参照)。かかる場合、変更制御部60は、データ操作受付部40がウインドウBに表示されているデータに対する操作を受付けた場合、ウインドウAに表示されているデータの表示内容の変更は許可する。このため、データ操作受付部40が、図8に示すように、サービスの一覧データ(ウインドウB)において、1つのサービスを指定する操作を受付けると、データ表示変更部50は、変更ルールに従い、ウインドウAにおける地図データの表示内容を、例えば地図データの縮尺を変更などし、指定されたサービスを提供するサーバのフロア図に変更する。
【0070】
一方、データ操作受付部40が図4に示すウインドウAに表示されている地図データに対する操作を受付けた場合、ウインドウAはウインドウBよりも優先順位が低いので(図6参照)、変更制御部60は、ウインドウBに表示されているデータの表示内容の変更は許可しない。このため、データ操作受付部40が、地図データ(ウインドウA)において、1つの拠点を指定する操作を受付けても、ウインドウBにおけるサービス一覧データの表示は変更されない。
【0071】
なお、上記処理の流れの変形例として、S20の優先順位決定の工程は、S40の直後に行うこともできる。
【0072】
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
【0073】
本実施形態によれば、双方向支配関係にあるデータ種が同時にディスプレイに表示されていても、各データ種のデータを表示するウインドウの表示態様に基づいてウインドウの優先順位を決定し、当該優先順位に基づいて、双方向支配関係にあるデータ種間の関係を、一方向支配関係に限定することができる。すなわち、一方のウインドウで受付けた操作に起因して他方のウインドウのデータ表示を変更するが、その逆は実行されないよう構成することができる。
【0074】
かかる場合、2つのウインドウ間における操作と表示データの変更の関係がシンプル(一方向)になるので、ユーザの混乱を抑制できる。また、優先順位を、ウインドウの表示態様(例:位置)に基づいて決定しているので、ユーザは、ウインドウの表示態様から、容易に、2つのウインドウ間の上記関係を把握することができる。そして、ユーザは、必要に応じてウインドウの表示態様を変更して2つのウインドウ間の上記関係を変更した後、所定の操作を行い、所望のウインドウの表示内容を変更することができる。
【0075】
<第2の実施形態>
本実施形態では、3つのウインドウを同時に表示する実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0076】
図9に、表示部10が実現する表示の一例を示す。図9の例の場合、ディスプレイに3つのウインドウA、B及びCが表示されている。ここで、本実施形態の優先順位を決定するルールは、ディスプレイ上における位置が、ディスプレイを閲覧するユーザから見て左上にあるウインドウほど優先順位を高く決定し、右下にあるウインドウほど優先順位を低く決定するものであるとする。優先順位決定部30は、図9に示す表示態様の場合、ウインドウAの優先順位を1位、ウインドウBの優先順位を2位、ウインドウCの優先順位を3位と決定する。そして、図10に示すような優先順位情報を作成し、保持する。
【0077】
かかる場合、変更制御部60は、ウインドウAに表示されているデータに対する操作に起因して、ウインドウB及びCに表示されているデータの表示の変更を許可する。一方、変更制御部60は、ウインドウBに表示されているデータに対する操作に起因して、ウインドウCに表示されているデータの表示の変更を許可するが、ウインドウAに表示されているデータの表示の変更を許可しない。また、変更制御部60は、ウインドウCに表示されているデータに対する操作に起因して、ウインドウA及びBに表示されているデータの表示の変更を許可しない。
【0078】
ここで、ウインドウ表示変更部20がウインドウA乃至Cの表示位置を変更する操作を受付け、これらの表示態様が図11に示す例のようになったとする。すると、優先順位決定部30は、ウインドウA乃至Cの優先順位を決定し直す。具体的には、ウインドウCの優先順位を1位、ウインドウBの優先順位を2位、ウインドウAの優先順位を3位と決定する。そして、優先順位情報の内容を、図12に示すように更新する。
【0079】
かかる場合、変更制御部60は、ウインドウCに表示されているデータに対する操作に起因して、ウインドウA及びBに表示されているデータの表示の変更を許可する。一方、変更制御部60は、ウインドウBに表示されているデータに対する操作に起因して、ウインドウAに表示されているデータの表示の変更を許可するが、ウインドウCに表示されているデータの表示の変更を許可しない。また、変更制御部60は、ウインドウAに表示されているデータに対する操作に起因して、ウインドウB及びCに表示されているデータの表示の変更を許可しない。
【0080】
このように、本実施形態は、複数のウインドウを同時にディスプレイに表示している場合であっても、第1の実施形態と同様の作用効果を実現することができる。なお、同時にディスプレイに表示するウインドウの数は設計的事項である。
【0081】
<第3の実施形態>
本実施形態の変更制御部60は、すべてのデータ種間において、上記制御を行うのでなく、双方向支配関係にあるデータ種間のみ、上記制御を行うよう構成する。
【0082】
例えば、図9に示すウインドウA及びB各々に表示されているデータ種間の関係が双方向支配関係にある場合、変更制御部60は、ウインドウA及びBに表示されているデータ種に対する操作に起因した他のウインドウの表示内容の変更を制御する。具体的には、優先順位情報が図10に示す状態であるとすると、変更制御部60は、ウインドウAの操作に起因したウインドウBの表示内容の変更を許可するが、ウインドウBの操作に起因したウインドウAの表示内容の変更は許可しない。当該処理は、第1及び第2の実施形態と同様である。
【0083】
これに対し、図9に示すウインドウB及びC各々に表示されているデータ種間の関係が双方向支配関係でない場合、変更制御部60は、ウインドウB及びCに表示されているデータ種に対する操作に起因した他のウインドウの表示内容の変更を制御しない。このため、例えば、変更ルールにより、ウインドウCに表示されているデータ種に対する操作を受付けた場合ウインドウBに表示されているデータ種のデータの表示内容を変更するよう定められている場合、優先順位情報が図10に示す状態であったとしても、データ操作受付部40がウインドウCに表示されているデータ種に対する操作を受付けると、データ表示変更部50は、変更ルールに従い、ウインドウBに表示されているデータ種の表示内容を変更する。
【0084】
変更制御部60は、例えば、表示部10から、各ウインドウに表示されているデータ種を識別する情報(図13参照)を取得する。また、変更制御部60は、予め、双方向支配関係にあるデータ種どうしを対応付けて記録した対応データ(図14参照)を保持しておく。そして、これらの情報を利用して、どのウインドウに表示されているデータ種と、どのウインドウに表示されているデータ種が、双方向支配関係にあるかを判断してもよい。図13及び14に示すデータに基づけば、変更制御部60は、ウインドウAに表示されているデータ種と、ウインドウBに表示されているデータ種が、双方向支配関係にあると判断する。その後、変更制御部60は、優先順位決定部30が保持する優先順位情報(例:図10、12)に基づいて、上述のように、ウインドウA及びBに表示されているデータ種に対する操作に起因した他のウインドウの表示内容の変更を制御する。
【0085】
なお、本実施形態の場合、優先順位決定部30は、図10及び12に示すように、表示されているすべてのウインドウをまとめて優先順位を決定するのでなく、双方向支配関係にあるデータ種のデータを表示しているウインドウ間における優先順位のみを決定してもよい。例えば、図9に示されるウインドウA乃至Cにおいて、ウインドウA及びB各々に表示されているデータ種は双方向支配関係にあるが、ウインドウCに表示されているデータ種は、ウインドウA及びBいずれに表示されているデータ種とも双方向支配関係にない場合、優先順位決定部30は、ウインドウA及びBの優先順位のみを決定してもよい。このようにすれば、コンピュータの処理量を軽減できて好ましい。
【0086】
このような本実施形態によれば、第1及び第2の実施形態と同様の作用効果を実現することができる。
【0087】
<第4の実施形態>
本実施形態の優先順位決定部30は、複数のウインドウ各々のディスプレイ上における表示領域の大きさに基づいて、優先順位を決定する。本実施形態のその他の構成は、第1乃至第3の実施形態と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0088】
優先順位決定部30は、例えば、ディスプレイ上における表示領域が大きいウインドウほど、優先順位を高く決定する。逆に、優先順位決定部30は、ディスプレイ上における表示領域が小さいウインドウほど、優先順位を高く決定することもできる。ここでは、優先順位決定部30は、ディスプレイ上における表示領域が大きいウインドウほど、優先順位を高く決定するものとする。
【0089】
例えば、表示部10が、図15に示すように、ウインドウA及びBをディスプレイに表示している場合、優先順位決定部30は、表示領域が大きい方のウインドウAをウインドウBよりも優先順位を高く決定する。そして、図5に示すような優先順位情報を作成し、保持する。その後、ウインドウ表示変更部20がユーザ操作に基づいてウインドウA及びBの表示態様(大きさ)を変更し、図16に示す状態になったとする。すると、優先順位決定部30は、変更後の表示態様に基づいて、優先順位を決定し直す。具体的には、優先順位決定部30は、表示領域が大きい方のウインドウBをウインドウAよりも優先順位を高く決定する。そして、図6に示すように優先順位情報を更新する。
【0090】
このような本実施形態によれば、第1乃至第3の実施形態と同様の作用効果を実現することができる。
【符号の説明】
【0091】
1 データ表示装置
10 表示部
20 ウインドウ表示変更部
30 優先順位決定部
40 データ操作受付部
50 データ表示変更部
60 変更制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のデータ種各々のデータを表示した複数のウインドウを同時にディスプレイに表示できる表示手段と、
前記ウインドウ各々の表示態様を変更する操作を受付け、当該操作に従い、前記ウインドウの表示態様を変更するウインドウ表示変更手段と、
前記ディスプレイに複数の前記ウインドウが表示されている場合、前記ウインドウの表示態様に基づいて、複数の前記ウインドウの優先順位を決定する優先順位決定手段と、
前記ウインドウに表示されている前記データに対する操作を受付けるデータ操作受付手段と、
前記データ操作受付手段が第1の前記データ種の前記データに対する操作を受付けた場合、他の前記データ種の前記データの表示内容を変更する処理を定めた変更ルールに従い、前記データ操作受付手段が前記操作を受付けると、前記ディスプレイに表示されている前記データの表示内容を変更するデータ表示変更手段と、
前記データ操作受付手段が、第1の前記ウインドウに表示されている前記データに対する操作を受付けた場合、その時点で前記第1のウインドウよりも前記優先順位が低い前記ウインドウに表示されている前記データの表示内容の変更を許可するが、前記第1のウインドウよりも前記優先順位が高い前記ウインドウに表示されている前記データの表示内容の変更は許可しないように、前記データ表示変更手段を制御する変更制御手段と、
を有するデータ表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載のデータ表示装置において、
前記優先順位決定手段は、複数の前記ウインドウ各々の前記ディスプレイ上での位置に基づいて、前記優先順位を決定するデータ表示装置。
【請求項3】
請求項2に記載のデータ表示装置において、
前記優先順位決定手段は、前記ディスプレイ上における位置が上にある前記ウインドウほど前記優先順位を高く決定するデータ表示装置。
【請求項4】
請求項1に記載のデータ表示装置において、
前記優先順位決定手段は、前記ディスプレイ上における表示領域が大きい前記ウインドウほど前記優先順位を高く決定するデータ表示装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載のデータ表示装置において、
前記変更ルールの中には、前記データ操作受付手段が前記他のデータ種の中の少なくとも1つの前記データに対する操作を受付けた場合、前記第1のデータ種の前記データの表示内容を変更する処理が定められているデータ表示装置。
【請求項6】
コンピュータを、
複数のデータ種各々のデータを表示した複数のウインドウを同時にディスプレイに表示できる表示手段、
前記ウインドウ各々の表示態様を変更する操作を受付け、当該操作に従い、前記ウインドウの表示態様を変更するウインドウ表示変更手段、
前記ディスプレイに複数の前記ウインドウが表示されている場合、前記ウインドウの表示態様に基づいて、複数の前記ウインドウの優先順位を決定する優先順位決定手段、
前記ウインドウに表示されている前記データに対する操作を受付けるデータ操作受付手段、
前記データ操作受付手段が第1の前記データ種の前記データに対する操作を受付けた場合、他の前記データ種の前記データの表示内容を変更する処理を定めた変更ルールに従い、前記データ操作受付手段が前記操作を受付けると、前記ディスプレイに表示されている前記データの表示内容を変更するデータ表示変更手段、
前記データ操作受付手段が、第1の前記ウインドウに表示されている前記データに対する操作を受付けた場合、その時点で前記第1のウインドウよりも前記優先順位が低い前記ウインドウに表示されている前記データの表示内容の変更を許可するが、前記第1のウインドウよりも前記優先順位が高い前記ウインドウに表示されている前記データの表示内容の変更は許可しないように、前記データ表示変更手段を制御する変更制御手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項7】
複数のデータ種各々のデータを表示した複数のウインドウを同時にディスプレイに表示する表示工程、
前記ウインドウ各々の表示態様を変更する操作を受付け、当該操作に従い、前記ウインドウの表示態様を変更するウインドウ表示変更工程、
前記ディスプレイに複数の前記ウインドウが表示されている場合、前記ウインドウの表示態様に基づいて、複数の前記ウインドウの優先順位を決定する優先順位決定工程、
前記ウインドウに表示されている前記データに対する操作を受付けるデータ操作受付工程、
前記データ操作受付工程で第1の前記データ種の前記データに対する操作を受付けた場合、他の前記データ種の前記データの表示内容を変更する処理を定めた変更ルールに従い、前記データ操作受付工程で前記操作を受付けると、前記ディスプレイに表示されている前記データの表示内容を変更するデータ表示変更工程、
前記データ操作受付工程で、第1の前記ウインドウに表示されている前記データに対する操作を受付けた場合、その時点で前記第1のウインドウよりも前記優先順位が低い前記ウインドウに表示されている前記データの表示内容の変更を許可するが、前記第1のウインドウよりも前記優先順位が高い前記ウインドウに表示されている前記データの表示内容の変更は許可しないように、前記データ表示変更手段を制御する変更制御工程、
をコンピュータが実行するデータ表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−41401(P2013−41401A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−177601(P2011−177601)
【出願日】平成23年8月15日(2011.8.15)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】