説明

データ記録装置およびその制御方法

【課題】リレー記録により複数の記録媒体に記録されたデータが、それぞれ異なる送信先に転送されたり、または一部のみが送信されたりすることを防止する。
【解決手段】複数の記録媒体を着脱可能なデータ記録装置は、第1の媒体装着部に装着された記録媒体と第2の媒体装着部に装着された記録媒体とを用いて、データのリレー記録を行う。データ記録装置は、第1および第2の媒体装着部に装着された記録媒体がともにデータを無線で送信する無線通信機能を有し、且つ、前記無線通信機能によるデータの送信先が同一である、という条件を満足するか否かを判定し、条件を満足すると判定されなかった場合には上記リレー記録の実行中における上記無線通信機能の実行を禁止し、条件を満足すると判定された場合には上記リレー記録の実行中における上記無線通信機能の実行を許可する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のメモリカードに続けてデータを記録するリレー記録機能を有するデータ記録装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のメモリカードに続けてデータを記録するリレー記録機能を有するデータ記録装置として、複数の記録媒体に跨って動画像記録を続けるリレー記録機能を有するビデオカメラが製品化されている。この種のビデオカメラでは、たとえば2つのメモリカードを同時に装着可能であり、リレー記録機能を有効にするとこれら2つのメモリカードに連続して動画像や音声の記録が行なわれる。
【0003】
一方、特許文献1によれば、無線通信手段を有するメモリカード、すなわち、無線機能付メモリカードに関する技術が記載されている。たとえば、特定のファイル名を有するファイルがメモリカード内に記録されると、予めメモリカード内に設定されている送信先に該ファイルを自動的に無線送信する無線機能付メモリカードが製品化されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−009690号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
メモリカードを着脱するメモリカードインターフェースを2つ以上備え、前述のリレー記録機能を有するビデオカメラにおいて、無線機能付メモリカードを装着すると以下のような課題が生じる。
【0006】
例えば、ビデオカメラに装着されたメモリカードのうち、一方が無線機能付メモリカードで、他方が無線機能なしのメモリカードであった場合を考える。この場合、無線機能付メモリカードに記録されたデータは送信されるが、無線機能なしのメモリカードに記録されたデータは送信されない。従って、上記のような場合にリレー記録が行われると、シーンの一部のみが無線送信されてしまうことになる。また、リレー記録に用いられるメモリカードがともに無線機能付メモリカードであっても、それぞれに設定されている送信先が異なる場合は、リレー記録の実行により異なる送信先にシーンが分かれて送信されてしまうことになる。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、リレー記録により複数の記録媒体に記録されたデータが、それぞれ異なる送信先に転送されたり、または一部のみが送信されたりすることを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するための本発明の一態様による画像記録装置は以下の構成を備える。即ち、
複数の記録媒体を着脱可能なデータ記録装置であって、
第1の媒体装着部に装着された記録媒体と第2の媒体装着部に装着された記録媒体とを用いて、データのリレー記録を行う記録手段と、
前記第1および第2の媒体装着部に装着された記録媒体がともにデータを無線で送信する無線通信機能を有し、且つ、前記無線通信機能によるデータの送信先が同一である、という条件を満足するか否かを判定する判定手段と、
前記条件を満足すると判定されなかった場合には前記リレー記録の実行中における前記無線通信機能の実行を禁止し、前記条件を満足すると判定された場合には前記リレー記録の実行中における前記無線通信機能の実行を許可する制御手段と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、リレー記録により複数の記録媒体に記録されたデータが、それぞれ異なる送信先に転送されたり、または一部のみが送信されたりすることが防止される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態によるビデオカメラの構成例を説明する図。
【図2】無線機能付メモリカードを説明する図。
【図3】無線機能付メモリカードからサーバへのデータ転送を説明する図。
【図4】リレー記録を説明する図。
【図5】第1実施形態による処理を説明するフローチャート。
【図6】第2実施形態による処理を説明するフローチャート。
【図7】第3実施形態による処理を説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態を説明する。
【0012】
(第1実施形態)
<ビデオカメラ構成>
図1に本実施形態によるデータ記録装置の一例であるデジタルビデオカメラの構成ブロック図を示す。
101はレンズユニットであり、集光のための固定レンズ群、変倍レンズ群、絞り、補正レンズ群を含む。補正レンズ群は、変倍レンズ群の動きで移動した結像位置を補正する機能と焦点調節を行う機能とを兼ね備える。102は撮像素子であり、被写体を撮影して光学像を電気信号に変換し、ビデオデータを取得する。103はカメラ信号処理回路であり、撮像素子102によって生成される電気信号に対し所定の色変換処理、縮小処理など画像処理を行い、出力先に適した画像データを出力する。
【0013】
105はビデオ信号処理回路であり、カメラ信号処理回路103や、後述する圧縮伸張回路106からの画像データを受け、各ブロックに適した画像処理を行い出力するものである。また、ビデオ信号処理回路105はビットマップと、機器の状態、警告、各種設定画面等の表示とを重畳して表示することができる。
【0014】
106は圧縮伸張回路であり、画像データをMPEG2(Moving PictureExperts Group phase 2)方式にて圧縮し、後述のバス121を介して後述のメモリ114に圧縮ビデオデータを書き出す。また、圧縮伸張回路106は、メモリ114に格納された圧縮ビデオデータを読み込み、画像データに再生し、ビデオ信号処理回路に出力する機能も兼ね備えている。
【0015】
111はマイクロコンピュータであり、本実施形態のビデオカメラにおけるシステム全体の制御を行う。113はフラッシュROMであり、マイクロコンピュータ111が実行するプログラム、及び各種パラメータなどが格納されている書き換え可能不揮発性メモリである。114はメモリであり、マイクロコンピュータ111や圧縮伸張回路106などが作業領域として使用する揮発性メモリである。115はメモリカードインターフェース(以下、カードI/F)であり、記録媒体をビデオカメラに着脱可能に装着するための媒体装着部を構成する。116は記録媒体の一例としてのメモリカードである。カードI/F115は、装着されたメモリカード116との間でコマンドやデータを送受信する。メモリカード116は、例えばSDカードのようなカード型メモリカードであり、圧縮伸張回路106で生成された圧縮ビデオデータを、FATファイルシステムなどコンピュータと互換のある所定フォーマットに従って記録するための記録媒体である。
【0016】
117はメモリカードインターフェース(以下、カードI/F)、118はメモリカードであり、それぞれカードI/F115、メモリカード116と同様の構成である。また、カードI/F115,117に装着可能なメモリカード116、118としては、後述の無線機能付メモリカード(無線メモリカード201と称する)が含まれる。以上のように本実施形態では、第1の媒体装着部、第2の媒体装着部を有し、これら媒体装着部に装着されたメモリカード間でリレー記録が実施される構成を説明するが、媒体装着部は3つ以上であってもかまわない。
【0017】
107は液晶パネルであり、ビデオ信号処理回路105から画像データを受け表示させるためのものである。また特に図示していないが、音声についても、マイクユニット、スピーカといった外部入出力経路が設けられており、画像と共に圧縮伸張回路106にて圧縮、多重化される。112は操作スイッチ群であり、ユーザが操作入力するためのものである。また操作スイッチ群112には、主としてカメラ撮影を行うためのカメラモード、主として再生させるための再生モード、及び電源オフとするパワーオフモードを選択するためのスイッチも設けられている。121はバスであり、上述した各部を通信可能に接続する。
【0018】
<無線機能付メモリカードについて>
次に無線機能付メモリカードについて図2を用いて説明する。
201は無線機能付メモリカード(以下、無線メモリカード201)である。202は外部インターフェース部であり、カードI/F115、116と接続し、通信するためのインターフェースである。203は制御部であり、無線メモリカード201の全体を制御する。204はメモリ部であり、外部から受信するデータを記録する不揮発性メモリである。205は制御部203の指示に従い無線接続可能な機器、サーバ等とデータ転送を行う無線通信部である。206は電波を送受信するためのアンテナである。
【0019】
無線メモリカード201では、制御部203により以下のような機能、動作が実現される。
・メモリカードが無線機能を有するか否かを判定する問い合わせが、外部インターフェース部202を介してホスト側から受信されると、無線メモリカード201は、自身が無線機能付メモリカードであることをホストに通知する。なお、ホストは無線メモリカードのモデル名やIDを受信し、そこから無線機能付きメモリカードであるか否かを判断してもよい。
・無線通信部205、アンテナ206を介してデータを送信する際の送信先をメモリ部204に記録する。なお、無線メモリカード201は、外部インターフェース部202を介してホスト側から送信先を受信し、自機に設定する。この送信先は、ユーザがパソコンと専用アプリケーションソフトウエアなどの対応機器を用いて指定するものである。
・設定された送信先は外部インターフェース部202を介してホスト側で読み出し可能である。よって、ビデオカメラ側でも挿入された無線メモリカード201の送信先がどこであるかを知ることができる。
【0020】
また、制御部203は、メモリ部204に外部インターフェース部202を介して記録されるデータを解析する。そして、制御部203は、記録されるデータのファイル名が所定条件を満たすとき、メモリ部204に記録されている送信先に自動的にファイル転送を行う。ここで、所定条件とは、拡張子がJPG、MPG等画像情報を示すファイル名であることとする。またディレクトリも所定条件の一部としても良い。更に、外部インターフェース部202を介してホスト側で無線通信を許可、または禁止することができる。
【0021】
前述の無線機能付メモリカードを装着したビデオカメラとサーバについて、図3を用いて説明する。図3において、301はネットワークであり、302はアクセスポイントである。アクセスポイント302は端末間で通信接続するための電波中継機である。303は図1で説明したビデオカメラである。304、305はネットワーク301に接続するサーバである。
【0022】
無線メモリカード201をビデオカメラ303に装着すると、無線メモリカード201は、アクセスポイント302を介してネットワーク301に接続する。例えば送信先をサーバ304に設定され、画像記録を行うと、無線メモリカード201の自動送信機能によって画像ファイルがサーバ304に送信される。同様に、送信先をサーバ305に設定されている無線メモリカード201ではサーバ305に画像ファイルが送信されることとなる。なお、図3に示した構成は一例であり、例えばビデオカメラ303から特定のサーバに画像ファイルを送信し、特定のサーバが記録先に応じたサーバに画像ファイルを転送してもよい。
【0023】
<リレー記録について>
次に、本実施形態のビデオカメラによるリレー記録について図4を用いて説明する。図4において、T1、T2、T3は時刻であり、401、402は前述の圧縮ビデオデータである。図4の例において、ビデオカメラは時刻T1で動画記録を開始し、まずメモリカードA(例えばメモリカード116)に圧縮ビデオデータ401を記録していく。時刻T2の時点でメモリカードAの残量がなくなったが記録停止指示がないため、ビデオカメラはメモリカードB(例えばメモリカード118)に圧縮ビデオデータの記録を続ける。こうして、メモリカードBには、圧縮ビデオデータ401の続きである圧縮ビデオデータ402が記録される。このように、本実施形態のリレー記録では、メモリカードの残量が所定以下となったときに、動画記録を停止することなく他方のメモリカードに圧縮ビデオデータの記録を継続する。なお、リレー記録を行うか否かは、メニューなどからユーザ操作を介して設定することが可能である。
【0024】
ここで、例えば、2枚の無線メモリカード201がビデオカメラ303に装着され、一方の無線メモリカードの送信先がサーバ304、他方の無線メモリカードの送信先がサーバ305というように異なっている場合を考える。このような場合に上述したようなリレー記録が実行されると、圧縮ビデオデータ401、402が一つの連続したシーンであるにもかかわらず、それぞれのビデオデータが別々のサーバ(本例ではサーバ304と305)に転送されてしまうこととなる。
【0025】
以下、上述のような課題を解決するための本実施形態によるビデオカメラによる制御を、図5のフローチャートを用いて説明する。マイクロコンピュータ111は、リレー記録設定の切り替えに際して、図5に示されるステップS501からの一連の制御を実行する。まず、ステップS502において、マイクロコンピュータ111は、リレー記録設定がONに設定されているか否かを判定する。マイクロコンピュータ111は、リレー記録設定がONに設定されている場合はステップS503へ、リレー記録設定がOFFに設定されている場合はステップS506へそれぞれ処理を遷移させる。
【0026】
ステップS503、S504では、所定の条件に基づいて、リレー記録の実行中における無線メモリカードの無線通信機能の実行可否が判定される。まず、ステップS503において、マイクロコンピュータ111は、リレー記録による記録先の記録媒体となる2つのメモリカードが、両者とも無線機能付メモリカードであるか否かを判定する。そして、2つとも無線機能付きメモリカードであった場合はステップS504へ、一方、または両方とも無線機能付きメモリカードでなかった場合はステップS505へそれぞれ処理が遷移する。
【0027】
ステップS504において、マイクロコンピュータ111は、リレー記録を行う記録媒体間で送信先が一致しているか否かを判定する。送信先が不一致の場合、処理はステップS505へ進み、マイクロコンピュータ111は、リレー記録の実行中における無線付メモリカードの無線機能を用いたデータの送信を禁止する無線通信禁止処理を実行する。一方、送信先が一致している場合、処理はステップS506へ進み、マイクロコンピュータ111は、リレー記録の実行中における無線機能付メモリカードの無線機能を用いたデータの送信を許可する、無線通信許可処理を行う。以上のようにして、無線機能の利用の可否が決定されると、本処理が終了する(ステップS507)。
【0028】
以上の処理によれば、無線通信が許可されるステップS506に処理が遷移してくるのは以下のいずれかの場合であり、これら以外ではステップS505によって無線通信が禁止される。
・リレー記録がOFFのとき。
・リレー記録がONであり、第1の媒体装着部、第2の媒体装着部に装着されているメモリカードが所定の条件を満足するとき。ここで、所定の条件とは、2つのメモリカードが無線機能付きであり、且つそれらメモリカードの無線通信機能によるデータの送信先が一致している、ことである。
【0029】
よって、リレー記録がONで2つのメモリカードの送信先が不一致である場合、或いは、リレー記録がONで2つのメモリカードの一方或いは両方が無線機能を有していない場合には、上記の条件が満足されない。このように、条件が満足されない場合は、ステップS505において無線通信機能が禁止される。なお、リレー記録は2つの記録媒体間で行われる場合を説明してきたが、3つ以上の記録媒体を利用する場合にも適用できる事は明らかである。また、ステップS505において、マイクロコンピュータ111は表示部である液晶パネル107に、無線通信が禁止されている旨を表示するようにしてもよい。
【0030】
以上説明してきたように第1実施形態によれば、2つ以上の無線機能付きの記録媒体にリレー記録された圧縮ビデオデータが異なるサーバに転送されてしまうことを防ぐことができる。
【0031】
(第2実施形態)
第1実施形態では、「リレー記録がOFFのとき」または「リレー記録がONであり、2つのメモリカードが無線機能付きであり、且つそれらメモリカードによるデータの送信先が一致しているとき」に、無線通信機能の実行を許可するようにした。しかしながら、本発明はこのような条件に限定されるものではない。たとえば、ユーザ操作によって無線通信機能の許可/禁止を選択する無線通信メニュー(ユーザインターフェース:UI)を設け、無線通信メニューで無線通信機能が許可となっていることを更なる条件として加わえてもよい。第2実施形態では、そのような構成、機能を実現するマイクロコンピュータ111の処理について説明する。
【0032】
図6は、第2実施形態によるマイクロコンピュータ111の処理を説明するフローチャートである。ステップS501からS507は図5と同じ処理である。但しステップS502でリレー記録設定がOFFと判定された場合、及びステップS504で無線機能付きメモリカードの送信先が一致すると判定された場合は、処理はステップ608に遷移する。
【0033】
ステップ608において、マイクロコンピュータ111は、無線通信メニューによって無線通信の許可/禁止のいずれが設定されているかを判定する。無線通信メニューにおいて無線通信機能の禁止が設定されている場合は無線機能を禁止するべくステップS505へ処理が進み、無線通信の許可が設定されている場合は無線機能を許可するべくステップS506へ処理が進む。
【0034】
以上説明してきたように第2実施形態によれば、リレー記録において、2つの無線付メモリカードの送信先が一致していてもユーザが無線通信を許可していなければデータの送信は禁止される。すなわち、第2実施形態では、ユーザの操作により無線通信機能の許可/禁止を設定するユーザインターフェースを設け、無線通信機能の禁止が設定されていた場合は、所定の条件に関する判定の結果に関わらず記録媒体による無線通信機能の実行が禁止される。そのため、不用意にデータが転送されることを防ぐことができる。
【0035】
また、無線通信メニューによって無線通信機能が許可に設定されている場合に、リレー記録の許可、禁止を制御するようにしても良い。たとえば、無線通信メニューで無線通信機能が許可されている場合に、リレー記録機能がONとなっていたら、2つの記録媒体の送信先が一致しているか否かを判定し、否であればリレー記録を禁止する。この場合、例えばステップS608の判定をステップS502の前に実行する。そして、無線通信メニューにより無線通信機能が許可されていればステップS502以降の処理を実行し、無線通信機能が禁止されていればステップS505に処理を進めるようにすればよい。
【0036】
(第3実施形態)
第3実施形態では、複数の無線付メモリカードの送信先が異なっている場合に、それらの送信先を自動的に一致させて、リレー記録されたビデオデータをサーバに無線転送する制御について説明する。以下では、上述した各実施形態と同様に、メモリカードが2枚装着されている場合を例として説明する。
【0037】
図7は、第3実施形態によるマイクロコンピュータ111の処理を説明するフローチャートである。ステップS501からS507は図5と同じ処理である。但しステップS504において、2つのメモリカードで送信先が不一致と判定された場合、処理はステップ709へ進む。ステップS709において、マイクロコンピュータ111は、一方のメモリカードの送信先をもう一方のメモリカードに設定されている送信先に変更する。例えば先に記録される方の送信先を、リレー後に記録されるメモリカードに設定する。このステップによってリレー記録で使われる無線メモリカードの送信先が一致する。従って、その後のステップ506において、マイクロコンピュータ111は、無線通信を許可し、リレー記録されるビデオデータが同一のサーバに転送されることとなる。
【0038】
以上説明してきたように第3実施形態によれば、複数の無線機能付の記録媒体の送信先が異なっている場合であっても、圧縮ビデオデータが別個の送信先(サーバ)に送信されてしまうことなく、サーバへのデータ送信が可能となる。なお、ステップS709において送信先が変更される際に、液晶パネル107への表示等によりユーザにその旨を通知するようにしても良い。また、送信先を変更したメモリカードは、リレー記録の完了後に元の送信先に戻しても良い。
【0039】
なお、上記各実施形態では、リレー記録されるデータとしてビデオデータ(+音声データ)を例示して説明したが、これに限られるものではない。たとえば、音声データのみがリレー記録の対象であってもよく、その場合は録音機能のみを有するデータ記録装置に適用することも可能である。要は、連続して扱われるべきデータを複数の記録媒体によりリレー記録する装置であれば、そのリレー記録の対象となるデータの種類はいかなるものであってもよい。
【0040】
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の記録媒体を着脱可能なデータ記録装置であって、
第1の媒体装着部に装着された記録媒体と第2の媒体装着部に装着された記録媒体とを用いて、データのリレー記録を行う記録手段と、
前記第1および第2の媒体装着部に装着された記録媒体がともにデータを無線で送信する無線通信機能を有し、且つ、前記無線通信機能によるデータの送信先が同一である、という条件を満足するか否かを判定する判定手段と、
前記条件を満足すると判定されなかった場合には前記リレー記録の実行中における前記無線通信機能の実行を禁止し、前記条件を満足すると判定された場合には前記リレー記録の実行中における前記無線通信機能の実行を許可する制御手段と、を備えることを特徴とするデータ記録装置。
【請求項2】
ユーザの操作により前記無線通信機能の実行の許可/禁止を設定する設定手段を更に備え、
前記制御手段は、前記設定手段により前記無線通信機能の禁止が設定されていた場合は、前記判定手段による判定の結果に関わらず前記無線通信機能の実行を禁止する、ことを特徴とする請求項1に記載のデータ記録装置。
【請求項3】
前記第1および第2の媒体装着部に装着されている記録媒体の前記無線通信機能におけるデータの送信先が異なる場合に、一方の記録媒体に設定されている送信先を他方の記録媒体に設定されている送信先に変更する変更手段を更に備え、
前記制御手段は、前記変更手段により前記一方の記録媒体に設定されている送信先が変更された後、前記無線通信機能の実行を許可する、ことを特徴とする請求項1または2に記載のデータ記録装置。
【請求項4】
前記変更手段は、前記リレー記録において次に使用される記録媒体に設定されている送信先を、該リレー記録において先に使用される記録媒体に設定されている送信先に変更することを特徴とする請求項3に記載のデータ記録装置。
【請求項5】
被写体を撮像して前記データを取得する撮像手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のデータ記録装置。
【請求項6】
複数の記録媒体を装着可能なデータ記録装置の制御方法であって、
記録手段が、第1の媒体装着部に装着された記録媒体と第2の媒体装着部に装着された記録媒体とを用いて、データのリレー記録を行う工程と、
判定手段が、前記第1および第2の媒体装着部に装着された記録媒体がともにデータを無線で送信する無線通信機能を有し、且つ、前記無線通信機能によるデータの送信先が同一である、という条件を満足するか否かを判定する工程と、
制御手段が、前記条件を満足すると判定されなかった場合には前記リレー記録の実行中における前記無線通信機能の実行を禁止し、前記条件を満足すると判定された場合には前記リレー記録の実行中における前記無線通信機能の実行を許可する工程と、を有することを特徴とするデータ記録装置の制御方法。
【請求項7】
複数の記録媒体を装着可能なデータ記録装置のコンピュータにより実行されるプログラムであって、前記コンピュータに、
第1の媒体装着部に装着された記録媒体と第2の媒体装着部に装着された記録媒体とを用いて、データのリレー記録を行う工程と、
前記第1および第2の媒体装着部に装着された記録媒体がともにデータを無線で送信する無線通信機能を有し、且つ、前記無線通信機能によるデータの送信先が同一である、という条件を満足するか否かを判定する工程と、
前記条件を満足すると判定されなかった場合には前記リレー記録の実行中における前記無線通信機能の実行を禁止し、前記条件を満足すると判定された場合には前記リレー記録の実行中における前記無線通信機能の実行を許可する工程と、を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−30847(P2013−30847A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−163687(P2011−163687)
【出願日】平成23年7月26日(2011.7.26)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】