説明

データ転送装置及びデータ転送方法

【課題】選択した画像データの転送が中断された場合でも、使用者が混乱する可能性が少ないデータ転送装置を提供する。
【解決手段】データ転送装置は、第1の記憶媒体に格納されている画像データを読み出して、当該画像データを第2の記憶媒体に転送する転送手段と、第1の記憶媒体に格納されている画像データ及び第2の記憶媒体に格納されている画像データを識別する識別手段と、転送手段による画像データの転送が中断されたとき、識別手段による識別結果を用いて、互いに関連する画像データのうち第2の記憶媒体へ未転送の画像データの存在の有無を判断し、未転送の画像データが存在すると判断した場合に、第2の記憶媒体に格納されている画像データの中から未転送の画像データに関連する画像データを特定する特定手段と、特定手段によって特定された画像データを、第2の記憶媒体から削除する削除手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はデータ転送装置及びデータ転送方法に関し、特に複数の記憶媒体間においてデータの転送を行うことが可能なデータ転送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の記憶媒体間でデータを転送する技術は、一般的に広く利用されている。例えば、特許文献1には、メモリカードからハードディスクへと画像データを転送する電子カメラが開示されている。詳しくは、この電子カメラは、メモリカードの残容量が所定値に達した場合に、当該メモリカードに記録されている全ての画像データをハードディスクに転送するように構成されている。これにより、この電子カメラは、ハードディスクを回転させるための回転駆動装置の起動/停止の繰り返し頻度を低くして、電力消費を抑制している。
【0003】
上記のような電子カメラ以外、例えばパーソナルコンピュータのような情報処理装置等でも、複数の記憶媒体間で画像データを転送する技術は利用されている。
【0004】
また、画像データの転送が可能な装置の中には、画像データの転送途中で、例えば使用者の選択により、画像データの転送を中断できる装置もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−8147号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、例えば1又は複数の画像データを任意のルールの下でグループ化して管理しているような場合、画像データの転送を中断すると、転送が選択されたグループに属する画像データのうち、既に転送が完了した一部の画像データのみが転送先の記憶媒体に格納されるという状態となる。このように、転送が選択されたグループに属する画像データが中途半端な状態で転送先に格納されると、使用者が混乱する可能性がある。例えば、選択したグループに属する画像データの全てが転送先の記憶媒体に格納されていないにもかかわらず、使用者が、既に全ての画像データが転送先に格納されたと思い込み、転送元の記憶媒体から全ての画像データを削除してしまう等の問題も起こり得る。
【0007】
従来のデータ転送装置では、画像データの転送を途中で中断した場合に起こり得る上記のような問題は着目されておらず、このような問題を解決するための処理についても何ら提案されていなかった。
【0008】
本発明は、上記のような問題を解決するためのものであり、選択した画像データの転送が中断された場合でも、使用者が混乱する可能性が少ない、データ転送装置及びデータ転送方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、第1の記憶媒体に格納されている画像データを読み出して、当該画像データを第2の記憶媒体に転送する転送手段と、前記第1の記憶媒体に格納されている画像データ及び前記第2の記憶媒体に格納されている画像データを識別する識別手段と、前記転送手段による画像データの転送が中断されたとき、前記識別手段による識別結果を用いて、互いに関連する画像データのうち前記第2の記憶媒体へ未転送の画像データの存在の有無を判断し、未転送の画像データが存在すると判断した場合に、前記第2の記憶媒体に格納されている画像データの中から前記未転送の画像データに関連する画像データを特定する特定手段と、前記特定手段によって特定された画像データを、前記第2の記憶媒体から削除する削除手段と、を備えたデータ転送装置を提供する。
【0010】
また、本発明は、第1の記憶媒体に格納されている画像データを第2の記憶媒体に転送するデータ転送方法であって、前記第1の記憶媒体に格納されている画像データを読み出して前記第2の記憶媒体に転送している途中で前記画像データの転送が中断された場合に、互いに関連する画像データのうち前記第2の記憶媒体へ未転送の画像データの存在の有無を判断し、未転送の画像データが存在すると判断した場合に、前記第2の記憶媒体に格納されている画像データの中から前記未転送の画像データに関連する画像データを特定するステップと、前記未転送の画像データに関連する画像データであると特定された前記画像データを、前記第2の記憶媒体から削除するステップと、を含む、データ転送方法を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明のデータ転送装置及びデータ転送方法では、第1の記憶媒体から第2の記憶媒体への画像データの転送が完了する前にデータの転送が中断された際に、互いに関連する画像データのうち未転送の画像データが存在する場合であっても、未転送の画像データに関連する画像データが、転送先の記憶媒体に中途半端に残ることはない。すなわち、未転送の画像データに関連する画像データは、全て転送されなかった画像データとして、一纏めで扱われることになる。したがって、使用者が、互いに関連する画像データが全て転送されていないにもかかわらず、関連する画像データが全て転送されたと誤解する可能性も少なくなる。このように、本発明のデータ転送装置及びデータ転送方法によれば、選択した画像データの転送が中断された場合でも、使用者が混乱する可能性が少ない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明のデータ転送装置の一実施形態である、デジタルビデオカメラの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明のデータ転送装置の一実施形態であるデジタルビデオカメラにおいて、記憶媒体に格納されたファイル及びファイルのディレクトリ構造を示す模式図である。
【図3】本発明のデータ転送装置の一実施形態であるデジタルビデオカメラにおいて、記憶媒体に格納されたファイルの関係を示す模式図である。
【図4】本発明のデータ転送装置の一実施形態であるデジタルビデオカメラについて、画像データの転送処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】本発明のデータ転送装置の一実施形態であるデジタルビデオカメラにおいて、表示モニタの表示の一例を示す模式図である。
【図6】本発明のデータ転送装置の一実施形態であるデジタルビデオカメラにおいて、表示モニタの表示の別の例を示す模式図である。
【図7】本発明のデータ転送装置の一実施形態であるデジタルビデオカメラにおいて、表示モニタの表示のさらに別の例を示す模式図である。
【図8】本発明のデータ転送装置の一実施形態であるデジタルビデオカメラについて、画像データの転送処理の別の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
〔実施の形態1〕
以下、本発明のデータ転送装置の一実施形態であるデジタルビデオカメラについて、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態は一例であり、本発明は以下の実施の形態に限定されない。
【0014】
1−1.概要
図1に示すように、本実施の形態にかかるデジタルビデオカメラ100は、ハードディスクドライブ(以下、HDDと略記する。)180と、メモリカード200を装着するためのカードスロット190とを備えている。デジタルビデオカメラ100は、HDD180に記憶されている画像データを、カードスロット190に装着されているメモリカード200に転送することができる。また、デジタルビデオカメラ100は、メモリカード200に記憶されている画像データを、HDD180に転送することができる。すなわち、本実施の形態では、HDD180及びメモリカード200の何れか一方が本発明のデータ転送装置及びデータ転送方法における第1の記憶媒体に相当し、他方が第2の記憶媒体に相当する。
【0015】
デジタルビデオカメラ100は、このように複数の記憶媒体(HDD180、メモリカード200)間において画像データの転送を行うことができる、データ転送装置の一例である。デジタルビデオカメラ100では、画像データの転送途中でデータ転送が中断された場合であっても、きりのよいデータ転送、すなわち互いに関連する画像データを一纏めのデータ群として転送するデータ転送が可能である。これにより、画像データの転送途中でデータ転送が中断された場合に、使用者が、互いに関連する画像データが全て転送されていないにもかかわらず、互いに関連する画像データの全てが転送されたと誤解してしまう可能性がなくなる。
【0016】
1−2.構成
本実施の形態にかかるデジタルビデオカメラ100の構成について、図1を用いて説明する。図1は、デジタルビデオカメラ100の構成を示すブロック図である。
【0017】
デジタルビデオカメラ100は、被写体の画像データを生成するための光学系110、CCDイメージセンサー130、A/Dコンバータ140及び画像処理部150と、装置全体を制御するコントローラ160と、第1の記憶媒体又は第2の記憶媒体としてのHDD180と、第1の記憶媒体又は第2の記憶媒体としてのメモリカード200を装着するためのカードスロット190と、装置全体に電力を供給する電源260と、各種の入力操作を行うための操作部210と、各種の表示を行うための表示モニタ220と、を備えている。さらに、コントローラ160と光学系110との間にはレンズ駆動部120が、コントローラ160と画像処理部150との間にはバッファ170が、それぞれ設けられている。
【0018】
デジタルビデオカメラ100では、1又は複数のレンズからなる光学系110により形成された被写体像をCCDイメージセンサー130で撮像する。CCDイメージセンサー130で生成された画像データは、画像処理部150で各種処理が施され、HDD180又は着脱可能なメモリカード200に格納される。また、デジタルビデオカメラ100は、HDD180に格納されている画像データをメモリカード200に転送することができる。また、デジタルビデオカメラ100は、メモリカード200に格納されている画像データをHDD180に転送することができる。以下、デジタルビデオカメラ100の構成を詳細に説明する。
【0019】
光学系110は、ズームレンズやフォーカスレンズから構成される。ズームレンズを光軸に沿って移動させることにより、被写体像の拡大、縮小をすることができる。また、フォーカスレンズを光軸に沿って移動させることにより、被写体像のピントを調整することができる。
【0020】
レンズ駆動部120は、光学系110に含まれる各種レンズを駆動する。例えばズームレンズを駆動するズームモータや、フォーカスレンズを駆動するフォーカスモータがこれにあたる。
【0021】
CCDイメージセンサー130は、光学系110で形成された被写体像を撮像して、画像データを生成する。CCDイメージセンサー130は、露光、転送、電子シャッタ等の各種動作を行う。
【0022】
A/Dコンバータ140は、CCDイメージセンサー130で生成されたアナログ画像データをデジタル画像データに変換する。
【0023】
画像処理部150は、CCDイメージセンサー130で生成された画像データに対して各種処理を施す。具体的に、画像処理部150は、CCDイメージセンサー130で生成された画像データに対して処理を施し、表示モニタ220に表示するための画像データを生成したり、HDD180やメモリカード200に格納するための画像データを生成したりする。例えば、画像処理部150は、CCDイメージセンサー130で生成された画像データに対してガンマ補正やホワイトバランス補正、傷補正等の各種処理を行う。また、画像処理部150は、CCDイメージセンサー130で生成された画像データに対して、MPEGー4/AVC規格に準拠した圧縮形式等により画像データを圧縮する。画像処理部150は、DSP(Digital Signal Processor)やマイコン等で実現可能である。
【0024】
コントローラ160は、装置全体を制御する制御手段である。コントローラ160は、半導体素子等で実現可能である。コントローラ160は、ハードウェアのみで構成してもよいし、ハードウェアとソフトウェアとを組み合わせることにより実現してもよい。コントローラ160は、マイコン等で実現できる。
【0025】
バッファ170は、画像処理部150及びコントローラ160のワークメモリとして機能する。バッファ170は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、強誘電体メモリ等で実現できる。
【0026】
HDD180は、画像処理部150で生成された画像データを格納可能である。カードスロット190は、メモリカード200を着脱可能である。カードスロット190は、機械的及び電気的にメモリカード200と接続可能である。メモリカード200は、フラッシュメモリや強誘電体メモリ等を内部に含み、画像処理部150で生成された画像データを格納可能である。コントローラ160は、HDD180から画像データを読み出し、読み出した画像データをメモリカード200に転送することができる。また、コントローラ160は、メモリカード200から画像データを読み出し、読み出した画像データをHDD180に転送することができる。
【0027】
操作部210は、使用者からの操作を受け付けるユーザーインターフェースの総称である。例えば、使用者からの操作を受け付ける十字キーや決定釦等がこれにあたる。詳しくは後述するが、操作部210は、HDD180とメモリカード200との間で転送すべき画像データに対応する識別情報についての使用者の選択を受け付ける識別情報受付手段や、画像データの転送中断についての使用者の選択を受け付ける転送中断受付手段としての機能も含む。操作部210の一部は、表示モニタ220を使用したタッチスクリーンで構成されていてもよい。
【0028】
表示モニタ220は、CCDイメージセンサー130で生成した画像データが示す画像や、HDD180やメモリカード200から読み出した画像データが示す画像を表示可能である。また、表示モニタ220には、デジタルビデオカメラ100の各種の設定情報や、各種の設定を行うための案内画面等も表示される。表示モニタ220として、液晶モニタ、電子ビューファインダ、有機ELモニタ等を採用できる。
【0029】
電源260は、デジタルビデオカメラ100全体に電力を供給する。電源260は、例えばリチウムイオン電池、アルカリ乾電池又はACアダプター等で実現できる。
【0030】
HDD180及びメモリカード200に格納されている動画像ファイル(画像データ)のそれぞれの関係について、図2及び図3を用いて説明する。図2は、HDD180及びメモリカード200におけるそれぞれのファイルのディレクトリ構造を説明するための模式図である。図3は、図2で説明するそれぞれのファイルの関係を説明するための模式図である。
【0031】
まず、HDD180及びメモリカード200のディレクトリ構造について、図2を用いて説明する。デジタルビデオカメラ100がAVCHD(Advanced Video Codec High Definition(登録商標))規格に準拠しているため、HDD180及びメモリカード200は、図2のようなディレクトリ構造を構成する。AVCHD規格は、ハイビジョン動画記録フォーマットの1つである。
【0032】
HDD180及びメモリカード200は、「BDMV」ディレクトリ内に「INDEX.BDM」、「MOVIEOBJ.BDM」、「PLAYLIST」、「CLIPINF」及び「STREAM」を格納する。
【0033】
ここで、「INDEX.BDM」は、記憶媒体(本実施の形態ではHDD180及びメモリカード200)にどのようなファイルが格納されているかを管理する、管理ファイルである。
【0034】
「MOVIEOBJ.BDM」は、格納されている動画像ファイルの再生方法を定義しているファイルである。
【0035】
「PLAYLIST」は、拡張子が「MPL」であるプレイリストを格納する。ここで、プレイリストとは、任意のルールに基づいて1又は複数の動画像ファイルをグループ化し、管理する管理ファイルである。例えば、デジタルビデオカメラ100において、プレイリストは、同日に撮影された全ての動画像ファイルを一纏めにして管理する。この場合に、プレイリストは、管理している動画像ファイルの撮影日に関する情報(撮影日情報)を、識別情報として有している。動画像ファイルが管理されているプレイリストを参照することにより、コントローラ160は、動画像ファイルの撮影日を識別することができる。コントローラ160は、識別情報である撮影日情報を用いて、HDD180に格納されている画像データ及びメモリカード200に格納されている画像データを識別できる。
【0036】
「CLIPINF」は、拡張子が「CPI」である管理ファイル(以下、CPIファイル)を格納する。拡張子が「CPI」である管理ファイルは、拡張子が「MTS」である動画像ファイルと1対1に対応付けられている。拡張子が「CPI」である管理ファイルは、対応付けられた動画像ファイルに関する情報(例えば、動画像の画角に関する情報や、動画像ファイルにおけるオーディオの種類に関する情報等)を有する。
【0037】
「STREAM」は、拡張子が「MTS」である動画像ファイル(以下、MTSファイル)、すなわち画像データの本体を格納する。
【0038】
次に、上記で説明したそれぞれのディレクトリとそれぞれのファイルとの関係について、図3を用いて説明する。「INDEX.BDM」は、記憶媒体に記録されているプレイリストを管理している。拡張子が「MPL」であるプレイリストは、CPIファイルを管理する参照テーブルを有している。CPIファイルとMTSファイルとは、1対1に対応付けられている。
【0039】
以上のように、本実施の形態におけるHDD180及びメモリカード200は、識別情報である撮影日情報と対応付けられた画像データを格納可能な構造を有しており、画像データを、対応付けられた撮影日情報に基づいて分類して格納している。
【0040】
1−3.転送動作
デジタルビデオカメラ100における画像データの転送動作の一例について、図4を用いて説明する。図4は、デジタルビデオカメラ100における画像データの転送動作を説明するためのフローチャートである。
【0041】
使用者は、操作部210を操作することにより、デジタルビデオカメラ100を転送モードに設定することができる(S100)。
【0042】
転送モードに設定されると、コントローラ160は、使用者により各種決定がなされるまで待機する(S110)。各種決定としては、少なくとも3つの決定項目がある。1つ目の決定項目は、HDD180からメモリカード200へと画像データを転送するのか、メモリカード200からHDD180へと画像データを転送するのか、に関する決定である。例えば、表示モニタ220は、図5に示すような画面を表示する。なお、ここでは、メモリカード200からHDD180へと画像データを転送する場合、すなわちメモリカード200が第1の記憶媒体に相当し、HDD180が第2の記憶媒体に相当する場合の動作について説明する。
【0043】
2つ目の決定項目は、転送元に格納されている画像データのうち、どの画像データを転送するかに関する決定である。つまり、ここでは、メモリカード200に格納されている画像データのうち、どの画像データを転送するかについての決定である。例えば、表示モニタ220は、図6に示すような画面を表示する。メニュー釦230が示す「全てのシーン」が選択されると、コントローラ160は、メモリカード200に格納されている全ての画像データをHDD180に転送する。メニュー釦240が示す「シーンの選択」が選択されると、使用者は、さらにメモリカード200に格納されている画像データから1又は複数の任意の画像データを選択することができる。任意の画像データが選択されると、コントローラ160は、選択された全ての画像データをHDD180に転送する。メニュー釦250が示す「日付選択」が選択されると、使用者は、さらにメモリカード200に格納されている画像データに対応付けられている撮影日(撮影日情報(識別情報))を1又は任意の数で選択することができる。撮影日が選択されると、コントローラ160は、選択された全ての撮影日に撮影された画像データを、全てHDD180に転送する。
【0044】
上記のとおり、デジタルビデオカメラ100の操作部210の一部は、表示モニタ220を使用したタッチスクリーンで構成されている。このタッチスクリーンが、HDD180とメモリカード200との間で転送すべき画像データに対応する識別情報についての使用者の選択を受け付ける、識別情報受付手段に対応している。
【0045】
3つ目の決定項目は、転送を開始する旨の決定である。
【0046】
各種決定がなされると、コントローラ160は、画像データの転送を開始する(S120)。このように、コントローラ160は、転送手段として機能する。画像データの転送を開始すると、コントローラ160は、使用者により画像データの転送の中断が選択されたか否かを判断する(S130)。画像データの転送中において、表示モニタ220は、図7に示すような画面を表示する。使用者は、メニュー釦300を選択し、決定することにより、画像データの転送を中断することができる。このように、表示モニタ220を使用したタッチスクリーンが、使用者から画像データの転送中断の選択を受け付ける転送中断受付手段に対応している。
【0047】
なお、本実施の形態では、使用者が画像データの転送の中断を選択するメニュー釦300(「中断」の釦)を選択すると、そのまま転送中断の処理に移行することになっているが、これに限定されず、使用者が「中断」の釦を選択した後に、使用者に「中断」の選択を確認するための確認画面が、表示モニタ220に表示されるようにしてもよい。この場合、確認画面には、例えば「確定」釦と「再開」釦とが表示され、使用者が「確定」釦を選択すればそのまま転送中断の処理に移行し、使用者が「再開」釦を選択すれば、一旦停止していた転送動作が再び開始される、という手順で、その後の処理が進められてもよい。なお、本発明において、「画像データの転送が中断される」とは、画像データの転送が途中で終了されることをいうが、「中断」が決定されるまでの手順は特に限定されない。例えば、「中断」が選択されて画像データの転送が一旦停止状態となり、その後データ転送が「再開」されて、さらに再度「中断」が選択されて、最後に中断が「確定」される場合であっても、使用者が「中断」を選択してそのまますぐに転送中断の処理が行われる場合であっても、最終的に画像データの転送が途中で終了される場合は、全て、「画像データの転送が中断される」に含まれる。
【0048】
コントローラ160は、画像データの転送が中断されたか否かの確認作業を常に行っており、画像データの転送が中断されていないと判断すると、選択された画像データの転送が全て完了したか否かを判断する(S140)。コントローラ160は、転送が全て完了したと判断すると、転送モードを終了する(S150)。一方、コントローラ160は、選択された画像データの転送が全ては完了していないと判断すると、画像データの転送を継続する。
【0049】
一方、コントローラ160は、画像データの転送が中断されたと判断すると、メモリカード200に格納されている画像データと、転送されて既にHDD180に格納されている画像データとを識別し、その識別結果を用いて、HDD180から削除すべき画像データを特定する。
【0050】
具体的には、コントローラ160は、最後にHDD180に転送した画像データの撮影日と同一の日に撮影された画像データのうち、HDD180に未だ転送が完了していない未転送の画像データの存在の有無を判断する(S160)。具体的な処理は、まず、コントローラ160は、HDD180に最後に転送した画像データに対応付けられている撮影日情報を識別する。そして、コントローラ160は、HDD180とメモリカード200とに格納されている画像データのうち、識別した撮影日情報と同じ撮影日情報を有する画像データ、すなわち最後に転送した画像データの撮影日と同日に撮影された画像データを識別する。最後に転送した画像データの撮影日と同日に撮影された画像データのうち、メモリカード200には格納されているけれどもHDD180には格納されていない画像データが存在する場合には、コントローラ160は、識別された撮影日と同日に撮影された、互いに関連する画像データのうち、未だに転送されていない画像データ(未転送の画像データ)があると判断する。このような手順により、コントローラ160は、同じ撮影日情報を有する(互いに関連する)画像データのうち、未だ転送が完了していない未転送の画像データの存在の有無を判断する。なお、本実施の形態では、最後にHDD180に転送した画像データの撮影日情報を利用して未転送の画像データの存在を判断している。したがって、本実施の形態において、未転送の画像データと同じ撮影日情報を有する画像データとは、すなわちHDD180に最後に転送した画像データと同日に撮影された画像データである。
【0051】
最後に転送した画像データと同日に撮影された画像データのうち、未だ転送していない画像データがないと判断した場合には、コントローラ160は、転送モードを終了する(S170)。
【0052】
一方、最後に転送した画像データと同日に撮影された画像データのうち、未だ転送していない画像データがあると判断した場合には、コントローラ160は、HDD180に最後に転送した画像データと同日に撮影された画像データ、すなわち未転送の画像データと同じ撮影日情報を有する画像データを、未転送の画像データに関連する画像データとして特定する。このように、コントローラ160は、転送元である第1の記憶媒体に格納されている画像データ及び転送先である第2の記憶媒体に格納されている画像データを識別する識別手段として機能する。さらに、コントローラ160は、互いに関連する画像データのうち第2の記憶媒体へ未転送の画像データの存在の有無を判断し、未転送の画像データが存在すると判断した場合に、第2の記憶媒体に格納されている画像データの中から未転送の画像データに関連する画像データを特定する特定手段としても機能する。
【0053】
コントローラ160は、特定された画像データをHDD180から全て削除する(S180)。すなわち、コントローラ160は、このとき、本発明における削除手段としても機能する。具体的には、HDD180に最後に転送した画像データが格納されているプレイリスト、CPIファイル、MTSファイルを削除する。これにより、未転送の画像データと同じ撮影日情報を有する画像データを、HDD180から全て削除することができる。ここで、画像データの削除は、HDD180上から削除対象の画像データに関する情報を物理的に完全に消去する方法により行ってもよいし、HDD180上において、削除対象の画像データに関する情報が格納されているアドレスを開放し、上書き可能な状態にし、論理的に画像データを消去する方法により行ってもよい。未転送の画像データと同じ撮影日情報を有する画像データをHDD180から全て削除すると、コントローラ160は、転送モードを終了する(S190)。
【0054】
このように、本実施の形態にかかるデジタルビデオカメラ100は、画像データの転送が完了する前に画像データの転送を中断した場合に、既に転送した画像データのうち最後に転送した画像データの撮影日、すなわち未転送の画像データの撮影日に応じて、転送済みの画像データの全部又は一部を転送先の記憶媒体から削除する構成とした。したがって、例えば、転送元の記憶媒体中の全ての画像データ(「全てのシーン」)を転送先の記憶媒体に転送することが選択されており、かつデータ転送が途中で中断された場合に、既に転送先の記憶媒体に格納されている画像データの中から、未転送の画像データと同じ撮影日情報を有する画像データが削除される。なお、その場合、未転送の画像データの撮影日以前に撮影された画像データは、全て一纏めにして転送先の記憶媒体に格納されることになる。したがって、同日に撮影された画像データのうち一部の画像データのみが中途半端に転送先の記録媒体に残る、という事態が生じない。
【0055】
また、本実施の形態にかかるデジタルビデオカメラ100は、転送する画像データを「日付選択」することができる。「日付選択」が行われており、かつ選択された日付に撮影された画像データの転送が完了する前に画像データの転送が中断された場合に、既に転送した画像データのうち最後に転送した画像データの撮影日、すなわち未転送の画像データの撮影日に応じて、転送済みの画像データの全部又は一部を転送先の記憶媒体から削除する構成とした。これにより、同日に撮影された画像データを複数格納する記憶媒体から、それらの画像データを転送しようとした場合において、途中で転送が中断されたとしても、同日に撮影された画像データのうち中途半端に一部の画像データだけが転送されて転送先の記憶媒体に格納される、という事態が生じない。その結果、使用者が「日付選択」で転送する画像データを選択しているにも関わらず、選択された撮影日のうちのある撮影日に撮影された画像データについて、一部の画像データのみ転送され、残りの画像データは未転送である、という事態を防止できる。また、管理ファイルのみが転送先に転送され、対応する画像データが転送先に転送されないという事態も防止することができる。
【0056】
また、本実施の形態にかかるデジタルビデオカメラ100は、同日に撮影された画像データを1つのプレイリストとしてまとめて管理する。これにより、同日に撮影された画像データを転送先の記憶媒体から全て削除する場合に、その画像データが格納されているプレイリストに挙げられている全ての画像データを削除すればよいので、容易に同日に撮影された全ての画像データの削除を行うことができる。
【0057】
1−4.本実施の形態のまとめ
本実施の形態にかかるデジタルビデオカメラ100に設けられているコントローラ160は、メモリカード200(又はHDD180)に格納されている画像データを読み出して、当該画像データをHDD180(又はメモリカード200)に転送する転送手段、メモリカード200に格納されている画像データ及びHDD180に格納されている画像データを識別する識別手段、前記転送手段による画像データの転送が中断されたとき、前記識別手段による識別結果に基づいて、互いに関連する画像データのうち転送先の記憶媒体であるHDD180(又はメモリカード200)へ未転送の画像データの存在の有無を判断し、未転送の画像データが存在すると判断した場合に、転送先の記憶媒体であるHDD180(又はメモリカード200)に格納されている画像データの中から、未転送の画像データに関連する画像データを特定する特定手段、及び、前記特定手段によって特定された画像データを、転送先の記憶媒体であるHDD180(又はメモリカード200)から削除する削除手段、として機能する。
【0058】
これにより、画像データの転送が途中で中断されたような場合であっても、一連の、互いに関連する画像データは、全て転送先の記憶媒体に転送されることとなる。また、転送対象として選択された、一連の、互いに関連する画像データのうち、一部の画像データのみが、中途半端に転送先の記録媒体に残るという事態を防止することができる。
【0059】
〔実施の形態2〕
以下、本発明のデータ転送装置の一実施形態であるデジタルビデオカメラについて、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態のデジタルビデオカメラは、転送動作が実施の形態1のデジタルビデオカメラとは異なるものの、それ以外の構成及び動作は実施の形態1のデジタルビデオカメラと同じである。したがって、以下に、本実施の形態のデジタルビデオカメラの転送動作のみを説明する。なお、本実施の形態のデジタルビデオカメラの構成は実施の形態1と同じであるため、図1を参照しながら転送動作について説明する。
【0060】
2−1.転送動作
デジタルビデオカメラ100における画像データの転送動作の一例について、図8を用いて説明する。図8は、デジタルビデオカメラ100における画像データの転送動作を説明するためのフローチャートである。
【0061】
使用者は、操作部210を操作することにより、デジタルビデオカメラ100を転送モードに設定することができる(S200)。
【0062】
転送モードに設定されると、コントローラ160は、使用者により各種決定がなされるまで待機する(S210)。この各種決定は、実施の形態1のデジタルビデオカメラの場合と同じであるため(S110のステップ(図4参照)と同じであるため)、ここでは説明を省略する。なお、ここでは、実施の形態1の場合と同様に、メモリカード200からHDD180へと画像データを転送する場合、すなわちメモリカード200が第1の記憶媒体に相当し、HDD180が第2の記憶媒体に相当する場合の動作について説明する。
【0063】
各種決定がなされると、コントローラ160は、画像データの転送を開始する(S220)。このように、コントローラ160は、転送手段として機能する。画像データの転送を開始すると、コントローラ160は、選択された画像データの転送が全て終了したか否かを判断する(S230)。
【0064】
全て終了したと判断すると、コントローラ160は、転送モードを終了する(S240)。一方、未だ全ては終了していないと判断すると、コントローラ160は、電源260の電力残量が所定量以上であるか否かを判断する(S250)。
【0065】
電源260の電力残量が所定量以上であると判断すると、コントローラ160は、画像データの転送を継続する。
【0066】
一方、電源260の電力残量が所定量未満であると判断すると、コントローラ160は、画像データの転送を中断する(S260)。このように、コントローラ160は、転送手段に画像データの転送の中断を指示する中断指示手段としての機能も兼ね備えている。
【0067】
画像データの転送を中断すると、コントローラ160は、メモリカード200に格納されている画像データと、転送されて既にHDD180に格納されている画像データとを識別し、その識別結果を用いて、HDD180から削除すべき画像データを特定する。
【0068】
具体的には、コントローラ160は、最後にHDD180に転送した画像データの撮影日と同一の日に撮影された画像データのうち、HDD180に未だ転送が完了していない未転送の画像データの存在の有無を判断する(S270)。具体的な処理は、まず、コントローラ160は、HDD180に最後に転送した画像データに対応付けられている撮影日情報を識別する。そして、コントローラ160は、HDD180とメモリカード200とに格納されている画像データのうち、識別した撮影日情報と同じ撮影日情報を有する画像データ、すなわち最後に転送した画像データの撮影日と同日に撮影された画像データを識別する。最後に転送した画像データの撮影日と同日に撮影された画像データのうち、メモリカード200には格納されているけれどもHDD180には格納されていない画像データが存在する場合には、コントローラ160は、識別された撮影日と同日に撮影された、互いに関連する画像データのうち、未だに転送されていない画像データ(未転送の画像データ)があると判断する。このような手順により、コントローラ160は、同じ撮影日情報を有する(互いに関連する)画像データのうち、未だ転送が完了していない未転送の画像データの存在の有無を判断する。なお、本実施の形態では、最後にHDD180に転送した画像データの撮影日情報を利用して未転送の画像データの存在を判断している。したがって、本実施の形態において、未転送の画像データと同じ撮影日情報を有する画像データとは、すなわちHDD180に最後に転送した画像データと同日に撮影された画像データである。
【0069】
最後に転送した画像データと同日に撮影された画像データのうち、未だ転送していない画像データがないと判断した場合には、コントローラ160は、転送モードを終了する(S280)。
【0070】
一方、最後に転送した画像データと同日に撮影された画像データのうち、未だ転送していない画像データがあると判断した場合には、コントローラ160は、HDD180に最後に転送した画像データと同日に撮影された画像データ、すなわち未転送の画像データと同じ撮影日情報を有する画像データを、未転送の画像データと関連する画像データとして特定する。このように、コントローラ160は、転送元である第1の記憶媒体に格納されている画像データ及び転送先である第2の記憶媒体に格納されている画像データを識別する識別手段として機能する。さらに、コントローラ160は、互いに関連する画像データのうち第2の記憶媒体へ未転送の画像データの存在の有無を判断し、未転送の画像データが存在すると判断した場合に、第2の記憶媒体に格納されている画像データの中から未転送の画像データに関連する画像データを特定する特定手段としても機能する。
【0071】
コントローラ160は、特定された画像データをHDD180から全て削除する(S290)。すなわち、コントローラ160は、このとき、本発明における削除手段としても機能する。具体的には、HDD180に最後に転送した画像データが格納されているプレイリスト、CPIファイル、MTSファイルを削除する。これにより、未転送の画像データと同じ撮影日情報を有する画像データを、HDD180から全て削除することができる。ここで、画像データの削除は、HDD180上から削除対象の画像データに関する情報を物理的に完全に消去する方法により行ってもよいし、HDD180上において、削除対象の画像データに関する情報が格納されているアドレスを開放し、上書き可能な状態にし、論理的に画像データを消去する方法により行ってもよい。未転送の画像データと同じ撮影日情報を有する画像データをHDD180から全て削除すると、コントローラ160は、転送モードを終了する(S300)。
【0072】
このように、本実施の形態にかかるデジタルビデオカメラ100は、電源260の電力残量が所定量を下回れば、例え画像データの転送途中であっても転送を中止し、既に転送した画像データのうちの最後に転送した画像データの撮影日、すなわち未転送の画像データの撮影日に応じて、転送済みの画像データの全部又は一部を転送先の記憶媒体から削除する構成とした。これにより、同日に撮影された画像データを複数格納する記憶媒体から、それらの画像データを転送しようとした場合において、電源の電力が完全になくなって画像データの転送が途中で終了してしまったとしても、同日に撮影された画像データのうち中途半端に一部の画像データだけが転送されて転送先の記憶媒体に格納されるという事態が生じない。また、管理ファイルのみが転送先に転送され、対応する画像データが転送先に転送されないという事態も防止することができる。
【0073】
2−2.本実施の形態のまとめ
本実施の形態にかかるデジタルビデオカメラ100は、電力を供給する電源260と、コントローラ160とを備えている。コントローラ160は、メモリカード200(又はHDD180)に格納されている画像データを読み出して、当該画像データをHDD180(又はメモリカード200)に転送する転送手段、メモリカード200に格納されている画像データ及びHDD180に格納されている画像データを識別する識別手段、前記転送手段による画像データの転送が中断されたとき、前記識別手段による識別結果に基づいて、互いに関連する画像データのうち転送先の記憶媒体であるHDD180(又はメモリカード200)へ未転送の画像データの存在の有無を判断し、未転送の画像データが存在すると判断した場合に、転送先の記憶媒体であるHDD180(又はメモリカード200)に格納されている画像データの中から未転送の画像データに関連する画像データを特定する特定手段、及び、前記特定手段によって特定された画像データを、転送先の記憶媒体であるHDD180(又はメモリカード200)から削除する削除手段、として機能する。さらに、コントローラ160は、画像データの転送中に電源260の電力残量が所定電力量を下回った場合に、前記転送手段に画像データの転送の中断を指示する、中断指示手段としても機能する。したがって、コントローラ160は、画像データの転送中に電源260の電力残量が所定電力量を下回った場合に、画像データの転送を中断する。
【0074】
これにより、電源の電力が完全になくなって画像データの転送が途中で終了してしまったとしても、互いに関連する画像データのうち中途半端に一部の画像データだけが転送されて転送先の記憶媒体に格納される、という事態の発生を防止することができる。
【0075】
〔他の実施の形態〕
以上、実施の形態1及び2で、本発明のデータ転送装置及びデータ転送方法の実施の形態を説明した。しかし、本発明のデータ転送装置及びデータ転送方法は、これらには限定されない。そこで、本発明のデータ転送装置及びデータ転送装置の他の実施の形態を本欄にまとめて説明する。
【0076】
実施の形態1及び実施の形態2のデジタルビデオカメラは、画像データの転送中断後に、画像データの撮影日情報を基準にして、転送先の記録媒体から画像データを削除する構成とした。しかしながら、必ずしもこのような構成には限定されない。例えば、顔認証技術を用いて、特定の被写体が写っている画像データを一纏めにして転送可能な構成としてもよい。画像データの転送が中断された場合に、最後に転送した画像データに写っている被写体と同一の被写体が映っている画像データを、未転送の画像データに関連する画像データとして、転送先の記録媒体から全て削除するような構成としてもよい。これにより、撮影者が最も関心を持っているであろう被写体の種類単位で画像データの転送を行う場合に、中途半端な画像データの転送を行うことを防止することができる。また、例えば、被写体のシーン(夜景、風景、夕焼け等)ごとに画像データを一纏めにして転送可能な構成としてもよい。このような構成では、画像データの転送が途中で中断された場合に、最後に転送した画像データに写っているシーンと同一のシーンに分類されている画像データを、未転送の画像データに関連する画像データとして、転送先の記録媒体から全て削除するような構成としてもよい。これにより、画像データに写っている被写体がおかれているシーン単位で画像データの転送を行う場合に、同一のシーンに属する画像データの一部のみが転送先の記憶媒体に格納されるという、中途半端な画像データの転送を行うことを防止することができる。このように、本発明のデータ転送装置は、画像データの転送が中断されたときに、転送中の画像データと所定の関連(例えば、撮影日、被写体、画像のシーン等の関連)を有する、既に転送済みの画像データを、転送先の記憶媒体から削除すればよい。
【0077】
また、実施の形態1及び実施の形態2では、メモリカード200に格納されている画像データをHDD180に転送する例について説明した。しかしながら、当然これに限定されるわけではなく、HDD180からメモリカード200に画像データを転送する場合においても、同様の転送制御が可能である。
【0078】
また、実施の形態1及び実施の形態2にかかるデジタルビデオカメラ100の光学系及び駆動系は、図1に示すものに限定されない。例えば、図1では3群構成の光学系を例示しているが、他の群構成のレンズ構成としてもよい。また、それぞれのレンズは、1つのレンズで構成してもよく、複数のレンズから構成されるレンズ群として構成してもよい。
【0079】
また、実施の形態1及び実施の形態2では、撮像手段として、CCDイメージセンサー180を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、CMOSイメージセンサーで構成してもよく、NMOSイメージセンサーで構成してもよい。
【0080】
なお、本実施の形態にかかるデジタルビデオカメラ100においては、メモリカード200からHDD180に既に転送された画像データが未転送の画像データと同日に撮影されたものであるか否かによって、画像データの転送が中断された場合に既に転送された画像データをHDD180から削除するか否かを決定した。すなわち、関連するデータを決定する識別情報として、撮影日情報を用いた例を示した。しかし、必ずしもこのような構成である必要はない。例えば、識別情報として被写体情報を用い、転送中の画像データに含まれる被写体像と同一の被写体が写っている画像データを、転送先の記憶媒体から削除する構成としてもよい。また、識別情報としてシーン情報を用い、転送中の画像データのシーンと同一のシーンと認識された画像が写っている画像データを、転送先の記憶媒体から削除する構成としてもよい。
【0081】
実施の形態1及び実施の形態2では、本発明のデータ転送装置の一例としてデジタルビデオカメラを示したが、これに限定されない。デジタルビデオカメラ以外の撮像装置に、本発明のデータ転送装置の技術を適用してもよい。さらに、本発明のデータ転送装置の技術を、ブルーレイディスクレコーダーのような情報記録再生装置や、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置に適用することも可能である。
【0082】
本発明のデータ転送装置が、例えばパーソナルコンピュータ等の情報処理装置の場合でも、転送が中断された際の処理動作は、実施の形態1及び実施の形態2で説明したものと同様とできる。例えば、デジタルビデオカメラのHDD(第1の記憶媒体に相当)に格納されている画像データを、パーソナルコンピュータのHDD(第2の記憶媒体に相当)に転送する場合、パーソナルコンピュータに設けられているCPUが、デジタルビデオカメラのHDDに格納されている画像データを読み出して、当該画像データをパーソナルコンピュータのHDDに転送する転送手段、デジタルビデオカメラのHDDからパーソナルコンピュータのHDDへ転送中の画像データ及び転送先の記憶媒体であるパーソナルコンピュータのHDDに格納されている画像データを識別する識別手段、画像データの転送が中断されたとき、前記識別手段による識別結果に基づいて、転送先の記憶媒体であるパーソナルコンピュータのHDDに格納されている画像データの中から、転送が中断された転送中の画像データと関連する画像データを特定する特定手段、及び、前記特定手段によって特定された画像データを、転送先の記憶媒体であるパーソナルコンピュータのHDDから削除する削除手段、として機能する。
【0083】
本発明のデータ転送装置が例えば情報記録再生装置の場合でも、同様に、当該情報記録再生装置のコントローラが、転送手段、識別手段、特定手段及び削除手段として機能するような構成とすればよい。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明のデータ転送装置及びデータ転送方法は、デジタルビデオカメラやデジタルスチルカメラ等の撮像装置、ブルーレイディスクレコーダーのような情報記録再生装置、及び、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置等に適用可能である。
【符号の説明】
【0085】
100 デジタルビデオカメラ
110 光学系
120 レンズ駆動部
130 CCDイメージセンサー
140 A/Dコンバータ
150 画像処理部
160 コントローラ
170 バッファ
180 ハードディスクドライブ
190 カードスロット
200 メモリカード
210 操作部
220 表示モニタ
230 メニュー釦
240 メニュー釦
250 メニュー釦
260 電源
300 メニュー釦

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の記憶媒体に格納されている画像データを読み出して、当該画像データを第2の記憶媒体に転送する転送手段と、
前記第1の記憶媒体に格納されている画像データ及び前記第2の記憶媒体に格納されている画像データを識別する識別手段と、
前記転送手段による画像データの転送が中断されたとき、前記識別手段による識別結果を用いて、互いに関連する画像データのうち前記第2の記憶媒体へ未転送の画像データの存在の有無を判断し、未転送の画像データが存在すると判断した場合に、前記第2の記憶媒体に格納されている画像データの中から前記未転送の画像データに関連する画像データを特定する特定手段と、
前記特定手段によって特定された画像データを、前記第2の記憶媒体から削除する削除手段と、
を備えたデータ転送装置。
【請求項2】
前記第1の記憶媒体及び前記第2の記憶媒体は、識別情報と対応付けられた画像データを格納可能であり、
前記識別手段は、前記識別情報を用いて、前記第1の記憶媒体に格納されている画像データ及び前記第2の記憶媒体に格納されている画像データを識別し、
前記特定手段は、互いに同じ識別情報を有する画像データのうち前記第2の記憶媒体へ未転送の画像データの存在の有無を判断し、未転送の画像データが存在すると判断した場合に、前記第2の記憶媒体に格納されている画像データの中から、前記未転送の画像データと同じ識別情報を有する画像データを、当該未転送の画像データに関連する画像データとして特定する、
請求項1に記載のデータ転送装置。
【請求項3】
使用者から、前記第1の記憶媒体から第2の記憶媒体へ転送すべき画像データに対応する識別情報の選択を受け付ける、識別情報受付手段をさらに備え、
前記転送手段は、前記識別情報受付手段が受け付けた前記識別情報と対応付けられた画像データを前記第1の記憶媒体から読み出して、当該画像データを前記第2の記憶媒体に転送可能である、
請求項2に記載のデータ転送装置。
【請求項4】
前記第1の記憶媒体及び前記第2の記憶媒体は、画像データを、対応付けられた識別情報に基づいて分類し、格納する、
請求項2又は3に記載のデータ転送装置。
【請求項5】
前記識別情報が、撮影日情報である、請求項2〜4の何れか1項に記載のデータ転送装置。
【請求項6】
使用者から、画像データの転送中断の選択を受け付ける、転送中断受付手段をさらに備え、
前記転送手段は、前記転送中断受付手段が画像データの転送中断の選択を受け付けた場合に、画像データの転送を中断する、
請求項1〜5の何れか1項に記載のデータ転送装置。
【請求項7】
電力を供給する電源と、
前記転送手段による画像データの転送中に前記電源の電力残量が所定電力量を下回った場合に、前記転送手段に画像データの転送の中断を指示する、中断指示手段と、をさらに備え、
前記転送手段は、前記中断指示手段から画像データの転送の中断の指示を受け付けた場合に、画像データの転送を中断する、
請求項1〜6の何れか1項に記載のデータ転送装置。
【請求項8】
第1の記憶媒体に格納されている画像データを第2の記憶媒体に転送するデータ転送方法であって、
前記第1の記憶媒体に格納されている画像データを読み出して前記第2の記憶媒体に転送している途中で前記画像データの転送が中断された場合に、互いに関連する画像データのうち前記第2の記憶媒体へ未転送の画像データの存在の有無を判断し、未転送の画像データが存在すると判断した場合に、前記第2の記憶媒体に格納されている画像データの中から前記未転送の画像データに関連する画像データを特定するステップと、
前記未転送の画像データに関連する画像データであると特定された前記画像データを、前記第2の記憶媒体から削除するステップと、
を含む、データ転送方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−35161(P2010−35161A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−156461(P2009−156461)
【出願日】平成21年7月1日(2009.7.1)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】