説明

データ選別システム

【課題】 類似の度合いによってデータを選別することで、データ検索に要する手間を好適に抑制できるデータ選別システムを提供する。
【解決手段】 楽曲データと、楽曲データに対応する付記的な情報からなるCDDBと、楽曲データとCDDBとを格納する楽曲データ保存部3及びCDDB保存部4とを有するデータ選別システム1であって、選択した楽曲データと楽曲データ保存部3が格納する楽曲データとに対応するCDDBを構成する付加データ10同士の比較に基づいて、選択した楽曲データとの類似度を、楽曲データ保存部3が格納する楽曲データについて判定する類似度算出部7を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、類似の度合いによってデータを選別することで、データ検索に要する手間を好適に抑制できるデータ選別システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯端末に音楽コンテンツを配信する音楽配信システムが普及している。この音楽配信システムにおいて、ユーザは音楽配信サーバに蓄積された大量の音楽コンテンツ(楽曲データ)のうちから所望の音楽コンテンツを検索する。特許文献1では、音楽コンテンツの曲名やアーティスト名などの楽曲情報が判らない場合でも、音楽コンテンツに関連する他の情報を用いて所望の音楽コンテンツを容易に検索できる音楽配信システムを提案している。
【0003】
また、近年、CD(Compact Disc)の内容をHDD(Hard Disc Drive)に記録しそれらを大量に保存しておくことで、メディアを入れ替えることなく多くの曲の再生が可能なミュージックバンク機能を有する機器(以下、単にミュージックバンクという)が、例えば車載機として存在する。このミュージックバンクにおいては、保存した大量の楽曲のうちから所望の楽曲を検索する技術が要望されている。そのため、特許文献2では、設定された言葉を用いて所望の楽曲を検索できるシステムを提案している。この提案技術によれば、「明るい」等の抽象的な言葉を用いて該当する楽曲をリスト表示させることができ、保存した大量の楽曲の中から所望の楽曲を容易に検索することが可能である。
【0004】
【特許文献1】特開2004−138972号公報
【特許文献2】特開2003−22282号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の提案技術をミュージックバンクに適用した場合、特定の楽曲を所望する場合には保存した大量の楽曲のうちから所望の楽曲を容易に検索することが可能である。しかしながら、例えばユーザが天候に恵まれた日にドライブをしている際に軽快な楽曲を聴きたいと思った場合、特許文献1の提案技術ではそのような要望に基づいて楽曲を検索することはできない。また、特許文献2の提案技術では、上述したようにユーザの抽象的な要望に対応する楽曲を検索可能である。しかしながら、特許文献2の提案技術は、「明るい」等の指示した言葉が評価軸というパラメータ及び評価値範囲をデータとして備え、指示した言葉の評価値範囲に含まれる評価値を有する楽曲を検索するシステムである。すなわち、上述したシステムを実現するためには、楽曲自体に評価軸及び評価値を付記的なデータとして備えさせる必要がある。本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、類似の度合いによってデータを選別することで、データ検索に要する手間を好適に抑制できるデータ選別システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、メインデータと、該メインデータに対応する付記的な情報からなるサブデータと、前記メインデータと前記サブデータとを格納するデータ格納手段とを有するデータ選別システムであって、選択したメインデータと前記格納手段が格納するメインデータとに対応するサブデータ同士の比較に基づいて、前記選択したメインデータとの類似の度合いを、前記格納手段が格納するメインデータについて判定する判定手段を備えることを特徴とする。本発明によれば、選択したメインデータとの類似の度合い(類似度ともいう)によって、データ格納手段が格納する大量のメインデータを識別することが可能である。
【0007】
また、本発明は、前記サブデータを表示する表示部を備え、前記格納手段が格納する前記メインデータに対応するサブデータを、前記類似の度合いに基づいて選別するとともに該サブデータに基づく内容を表示部に提示する選別提示手段を備えてもよい。本発明によれば、データ格納手段が格納するメインデータに対応するサブデータを類似度毎に選別するとともにサブデータに基づく内容を例えばリスト形式で表示部に提示することができる。これによって、次にメインデータを選択しようとする際に、ユーザはその前に選択したメインデータと類似度の高いメインデータを容易に発見することができる。さらに、ユーザは逆にその前に選択したメインデータと類似度の低いメインデータを利用したい場合であっても、同様に所望のメインデータを容易に発見可能である。
【0008】
また、本発明は、前記メインデータは楽曲データであり、前記サブデータは少なくとも対応する前記楽曲データの楽曲名をデータとして含んでもよい。ここで、本発明では、例えば楽曲データと、対応するサブデータとして図1に示す項目のデータ(以下、付加データ10という)で構成されたCDDB(CD Data Base)とをデータ格納手段に格納することが可能である。図1は、CDDBを構成する付加データ10の項目及び各データ項目の内容を表で示した図である。各データ項目の欄に示す通り、CDDBは例えば楽曲名をデータとして有するトラックタイトル10aやアーティスト名をデータとして有するトラックアーティスト10bを付加データ10として有している。本発明によれば、データ格納手段に楽曲データが格納されている楽曲と現在再生している楽曲とに対応するCDDBを構成する付加データ10同士の比較に基づいて、データ格納手段に楽曲データが格納されている楽曲について、現在再生している楽曲との類似度を判定し、類似度毎に対応するトラックタイトル10aを選別するとともにトラックタイトル10aに基づき楽曲名をリスト形式で表示部に提示することが可能である。これによって、ユーザは例えばドライブ中に軽快な楽曲を聴いた後に、その楽曲とジャンルとして類似度が高い楽曲やアーティストとして類似度が高い楽曲を容易に発見することが可能である。また、このように既存するCDDBをサブデータとして利用することによって、楽曲データに対して楽曲検索を目的とする新たな付記的なデータを備えさせることなく、現在再生中の楽曲との類似度に基づいた楽曲を選別するシステムを構築することが可能である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、類似の度合いによってデータを選別することで、データ検索に要する手間を好適に抑制できるデータ選別システムを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面と共に詳細に説明する。
【0011】
図2は、本発明に係るデータ選別システム1をミュージックバンク100に適用した例を示す図である。図2において、破線で囲まれた構成がデータ選別システム1である。読み取り機構2は、楽曲データとともにCDDBを格納したCD等の記録媒体を読み込むための構成である。楽曲データ保存部3は、読み取り機構2が読み取った楽曲データを保存するための構成であり、例えばハードディスクドライブなどの記憶装置を適用することができる。また、CDDB保存部4は読み取り機構2が読み取ったCDDBを保存するための構成であり、楽曲データ保存部3と同様、例えばハードディスクドライブなどの記憶装置を適用可能である。なお、楽曲データ保存部3とCDDB保存部4とを、同一のハードディスクドライブで実現することも可能である。
【0012】
表示部9は、CDDBを構成する付加データ10のうち楽曲名をデータとして有するトラックタイトル10aやアーティスト名をデータとして有するトラックアーティスト10bなどに基づき、付加データ10の内容を表示するための構成である。ユーザは楽曲データ保存部3に楽曲データを保存した楽曲(以下、単に保存した楽曲という)や読み取り装置2内のCDに格納された楽曲を表示部9の表示によって知ることができ、楽曲を聴く際には、例えば表示された楽曲名を図示しない操作部により選択する。選択した楽曲が保存した楽曲であれば、再生装置12は楽曲データ保存部3から楽曲データを取得しスピーカ13を介して再生する。また、選択した楽曲が読み取り機構2内のCDに楽曲データが格納された楽曲である場合には、再生装置12は読み取り機構2を介してCDに格納された楽曲データを取得し、スピーカ13を介して再生する。第1の付加データ取得部5は、現在再生中の楽曲(以下、現在の選曲という)に対応するCDDBを構成する付加データ10をCDDB保存部4から取得するための構成である。但し、CDDB保存部4を介さずに読み取り機構2から取得することも可能である。表示部9は第1の付加データ取得部5から取得した付加データ10に基づいて、例えば楽曲名やアーティスト名などを表示する。
【0013】
本実施例では、再生装置12が楽曲を再生すると、第2の付加データ取得部6が楽曲データ保存部3に保存した楽曲のうちから対象となる楽曲(以下、対象曲という)を選出し、対象曲に対応する付加データ10をCDDB保存部4から取得する。続いて、本実施例では、類似度算出部(判定手段)7が第1の付加データ取得部5及び第2の付加データ取得部6それぞれから現在の選曲及び対象曲に対応する付加データ10を取得する。類似度算出部7は、現在の選曲と対象曲とに対応した付加データ10同士の比較に基づいて、現在の選曲との類似度を対象曲について判定する。類似度算出部7が対象曲について類似度を判定し終えると、第2の付加データ取得部6は楽曲データ保存部3に保存した楽曲のうちから新たな対象曲を選出する。続いて、類似度算出部7は新たな対象曲についても上述したように類似度を判定する。同様にして、楽曲データ保存部3に保存した楽曲すべてが対象曲として選出された後に類似度を判定される。このようにして、類似度算出部7が現在の選曲との類似度を対象曲について判定することによって、楽曲データ保存部3に保存した大量の楽曲を現在の選曲との類似度によって識別できるようになる。
【0014】
さらに、本実施例では、選別提示手段8が、楽曲データ保存部3が格納する大量の楽曲データに対応する付加データ10を判定した類似度毎に選別する。続いて、選別提示手段8は類似度毎に選別した付加データ10の内容をリスト形式で表示部9に表示する。本実施例では、選別提示手段8は付加データ10のうちからトラックタイトル10aを抽出して楽曲名をリスト形式で表示する。但し、抽出する付加データ10はトラックタイトル10aだけでなくてもよく、たとえばトラックアーティスト10bやジャンル10lなどを抽出して、これらに基づいてアーティスト名やジャンル名を同時に表示してもよい。このようにして、現在の選曲に対する類似度毎に楽曲名をリスト形式で表示部9に表示することによって、ユーザは現在の選曲に対して類似度が高い楽曲、または、逆に類似度が低い楽曲を容易に発見することが可能である。
【0015】
次に、類似度算出部7が実行する類似度算出方法について詳述する。図3は、類似度を算出するためにCDDBを構成する付加データ10のうち類似度を算出するものと、付加データ10それぞれに設定する点数についての説明図である。なお、図3においては、類似度を算出しない付加データ10については表示を省略してある。このように、付加データ10のうち、ユーザが重視しないものに対しては、ユーザが類似度算出自体を除外するように設定することも可能である。図3において、データ項目欄にはCDDBを構成する付加データ10それぞれを示している。また、内容欄には付加データ10それぞれについて、現在の選曲と対象曲とを比較する内容及び比較の結果対象曲に設定する点数を示している。例えばトラックタイトル10aは、現在の選曲と対象曲とが同じか違うかを比較し、発売年10dは、現在の選曲と対象曲との発売年が2年以内か違うかを比較する。図3に示すように、例えば類似度算出部7が比較した結果、トラックタイトル10aが同一である場合には対象曲に1点加点し、トラックタイトル10aが異なる場合には対象曲に加点しない。類似度算出部7は、同様にしてCDDBを構成するすべての付加データ10について現在の選曲と対象曲とを比較し、点数設定を実行する。
【0016】
なお、付加データ10それぞれについて比較した結果加点する点数の大きさ(付加データ10に対する重み付けともいう)はユーザによって設定変更可能である。例えば、ユーザが保存した楽曲のうちから同じ年代の楽曲を続けて聴きたいと思う場合には、発売年10dに加点する点数を大きくすれば同じ年代の楽曲について算出される類似度を高めることが可能である。また、図4に示すような方法で付加データ10の重み付けを行うことも可能である。図4は、CDDBを構成する付加データ10に対する重み付け設定画面の一例を示す図である。初期設定としては図4(a)に示すような設定画面の状態にして、付加データ10すべてに対して重み付けを同一に設定しておくことが可能である。図4(a)に示すように、付加データ10それぞれに対して重み付けが同一に設定されている場合には、表示画面の重視したい項目欄11には付加データ10の表示がない。ここで、重視したい項目として、トラックタイトル10a、発売年10d、BPM10e及びメタジャンル10mをユーザが操作部によって選択した場合には、図4(b)に示すように重視したい項目としてこれら付加データ10a、10d、10e及び10mが表示される。重視したい項目として選択された各付加データ10a、10d、10e及び10mに対して、例えば一律に3点加点するといった重み付けをすれば、付加データ10毎に重み付けをするといった煩雑な操作を回避できる。但し、図4に示すような重み付け設定方法と、付加データ10毎に重み付けをする重み付け設定方法とを選択可能に備えることも可能である。
【0017】
さらに、例えば特許文献2で開示されている評価軸の概念を適用して付加データ10に重み付けをすることも可能である。評価軸とは、ある抽象的な言葉に対して設定するパラメータである。例えば「のりがいい」という言葉に対して、評価軸1を「明るい・暗い」としてその評価値を「3」、評価軸2を「早い・遅い」として評価値を「5」と設定すれば、「のりがいい」という言葉を入力することで、評価軸1及び2の評価値を同時に変更することが可能である。この評価軸の概念を付加データ10の重み付け設定に適用する場合には、付加データ10それぞれを評価軸とする。
【0018】
図5は、評価軸の概念を適用して付加データ10に重み付けをするための構成を示す図である。ある抽象的な言葉によって付加データ10の重み付けをするために、図5に示すように、例えばデータ選別システム1にマイクロフォン51、音声認識部52、音声入力辞書データベース53の構成を追加する。音声認識部52は、マイクロフォン51から入力されたアナログの音声信号をデジタルの音声信号に変換する。さらに、音声認識部52は、音声入力辞書データベース53を用いてデジタルの音声信号に対応する文字列データを出力する。音声入力辞書データベース53には、ユーザが楽曲を検索する際に用いると考えられる言葉(以下、検索ワードという)、例えば「のり」「雰囲気」「音の感じ」「曲調」と音声信号とが対応付けされて記録されている。この検索ワードに対して付加データ10それぞれを評価軸として設定する。例えば「雰囲気」、「音の感じ」という言葉が、発売年10d、BPM10e、クレジットロール10jそれぞれを評価軸として、評価値として1点加算するように登録されているとする。ユーザが「雰囲気とか音の感じが同じような曲が聴きたいな」とマイクロフォン51に入力した場合には、発売年10d、BPM10e、クレジットロール10jそれぞれを同時に1点づつ、計2点重み付けすることができる。これによって、付加データ10それぞれに対して同時に重み付け設定をすることが可能となり、付加データ10に重み付け設定をする際に要する手間を軽減することが可能である。
【0019】
図6は、類似度算出部7が実行する類似度算出方法を具体例で示す図である。図6(a)では、類似度算出部7が取得した現在の選曲と、保存した楽曲のうちから選出された対象曲との付加データ20、30それぞれを示している。まず、類似度算出部7はトラックタイトル10aを比較する。その結果、対象曲のトラックタイトル「△△△△」30aと現在の選曲のトラックタイトル「○○○○」20aとが異なるため対象曲に加点しない。次に、類似度算出部7はトラックアーティスト10bを比較する。その結果、対象曲のトラックアーティスト「××△△」30bと現在の選曲のトラックアーティスト「○○××」20bとが異なるため、対象曲に加点しない。同様にして、類似度算出部7は、レコードレーベル10cからクレジットノート10kまで、対象曲と現在の選曲とをそれぞれ比較する。その結果、各付加データ10cから10kすべてにおいて対象曲と現在の選曲とが異なるため対象曲に加点しない。次に、類似度算出部7は、メタジャンル10mを比較して、対象曲の「ポップス」30mと現在の選曲の「ポップス」20mとが同一であるため対象曲に1点加点する。最後に類似度算出部7は、サブジャンル10nを比較して、その結果、対象曲の「シャンソン」30nと現在の選曲の「歌謡曲」20nとが異なるため対象曲に加点しない。このようにして付加データ10毎に点数設定を実行した後、類似度算出部7は各付加データ10に加点した点数を合計し、類似度を「1」として算出(判定)する。なお、類似度算出部7が比較する付加データ10の順は、上述した順でなくてもよい。また、本具体例では、図3に示す付加データ10と比較して、さらにジャンル10lについては類似度算出自体から除外している。このような場合、類似度算出部7は、ジャンル10lについて対象曲と現在の選曲との比較を行わない。また、本具体例では、クレジットロール10j及びクレジットノート10kにデータが存在しない。このような場合、類似度算出部7は、比較不能としてクレジットロール10j及びクレジットノート10kについては点数設定自体を行わない。但し、類似度算出自体を除外している場合と同様に、点数を「0」と設定することも可能である。
【0020】
次に、類似度算出部7は、保存した楽曲のうちから新たな楽曲を対象曲として選出し、対応する付加データ35を取得する。図6(b)では、類似度算出部7が取得した現在の選曲「○○○○」と新たな対象曲「××××」との付加データ20、35をそれぞれ示している。類似度算出部7は上述した算出方法と同様にして、対象曲の類似度を算出する。その結果、トラックアーティスト10b、レコードレーベル10c、発売年10d、メタジャンル10m、サブジャンル10nで対象曲と現在の選曲とが同一であるためそれぞれ1点加点し、類似度を「5」として算出(判定)する。これによって、現在の選曲「○○○○」に対して、対象曲「××××」のほうが図6(a)に示した対象曲「△△△△」よりも類似度が高いことがわかる。以上により、類似度算出部7が実行する類似度算出方法を実現可能である。
【0021】
図7は、選別提示手段8が実行する保存した楽曲の選別及び提示方法を具体例で示す図である。選別提示手段8は類似度算出部7が算出した類似度に基づいて、大量に存在する保存した楽曲に対応する付加データ10を類似度毎に選別する。例えば、保存した楽曲「会○○○○×」、「イ○○○×○」、「う○○×○○」、「わ○×○○○」などは類似度が「8」であると判定されているので、類似度「8」のグループ40jとして対応する付加データ10を選別する。同様にして、選別提示手段8は類似度毎に保存した楽曲に対応する付加データ10を各グループ40に選別する。このようにして、大量に存在する保存した楽曲を現在の選曲との類似度に基づいて選別することができる。続いて、選別提示手段8は、図7に示すようなリスト形式によって類似度毎に選別した楽曲に対応する付加データ10の内容を表示部9に表示する。本実施例では、表示部9に表示する内容として、選別提示手段8は保存した楽曲に対応する付加データ10のうちからトラックタイトル10aを抽出し、その内容である楽曲名を表示している。但し、トラックアーティスト10bや発売年10dなどを抽出して、その内容を共に表示させることも可能である。図7に示すようにして、現在の選曲に対する類似度毎に楽曲名をリスト形式で表示部9に表示することによって、例えばドライブ中に軽快な楽曲を聴いた後に、その楽曲とジャンルとして類似度が高い楽曲やアーティストとして類似度の高い楽曲を容易に発見することが可能である。また、このように既存するCDDBをサブデータとして利用することによって、楽曲データに対して楽曲検索を目的とする新たな付記的なデータを備えさせることなく、楽曲を選別するシステムを構築することが可能である。なお、リスト形式で表示する楽曲名の順は、図8(a)に示すように類似度が高いものから低いものの順であっても、図8(b)に示すようにその逆であってもよい。また、同一グループに選別した楽曲は類似度「8」のグループ40bに示すように50音順で表示することが可能である。また、各グループ40を表示するにあたって、グループ40毎に色分けをしたり類似度を共に表示してもよい。以上により、選別提示手段8が実行する保存した楽曲の選別及び提示方法を実現可能である。
【0022】
なお、データ選別システムはミュージックバンクのみならず、例えばインターネットを利用したテレビプログラムの録画システムなどにも適用可能である。この場合、録画対象となるテレビプログラム自体がメインデータとなり、ニュース、ドラマ、バラエティなどのジャンルやテレビプログラム名やテレビプログラムの具体的内容や出演者や放送時間帯など、テレビプログラムに対する付記的な情報がサブデータとなり、インターネットサーバがデータ格納手段となる。これによって、例えばユーザがドラマを予約設定した場合に、そのドラマの主演者が出演する他の音楽番組や、同じ時間帯で他の曜日に放送されるドラマや、そのドラマに対する特集番組などを、類似度毎に選別してユーザに提示することができる。また、例えば車両が備えるナビゲーション装置の目的地検索システムに適用することも可能であり、この場合には、例えば目的地設定した施設に類似する施設を付記的な情報に基づいて類似度毎に選別して提示することができる。また、データ選別システムは従来のデータ検索システムと併用することが可能であり、例えばミュージックバンクに適用する場合に聴きたい楽曲が明確であれば従来のデータ検索システムを利用し、現在聴いている楽曲と同じような楽曲が聴きたいといった場合にはデータ選別システムを利用できるように適用することが可能である。以上により、類似の度合いによってデータを選別することで、データ検索に要する手間を好適に抑制できるデータ選別システムを実現できる。
【0023】
上述した実施例は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】CDDBを構成する付加データ10の項目及び各データ項目の内容を表で示した図である。
【図2】本発明に係るデータ選別システム1をミュージックバンク100に適用した例を示す図である。
【図3】類似度を算出するためにCDDBを構成する付加データ10のうち類似度を算出するものと、付加データ10それぞれに設定する点数についての説明図である。
【図4】CDDBを構成する付加データ10に対する重み付け設定画面の一例を示す図である。
【図5】評価軸の概念を適用して付加データ10に重み付けをするための構成を示す図である。
【図6】類似度算出部7が実行する類似度算出方法を具体例で示す図である。
【図7】選別提示手段8が実行する保存した楽曲の選別及び提示方法を具体例で示す図である。
【符号の説明】
【0025】
1 データ選別システム
2 読み取り機構
3 楽曲データ保存部
4 CDDB保存部
5 第1の付加データ取得部
6 第2の付加データ取得部
7 類似度算出部
8 選別提示手段
9 表示部
10 付加データ
11 重視したい項目欄
12 再生装置
13 スピーカ
20 現在の選曲の付加データ
30、35 対象曲の付加データ
40 グループ
51 マイクロフォン
52 音声認識部
53 音声入力辞書データベース
100 ミュージックバンク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メインデータと、該メインデータに対応する付記的な情報からなるサブデータと、前記メインデータと前記サブデータとを格納するデータ格納手段とを有するデータ選別システムであって、
選択したメインデータと前記格納手段が格納するメインデータとに対応するサブデータ同士の比較に基づいて、前記選択したメインデータとの類似の度合いを、前記格納手段が格納するメインデータについて判定する判定手段を備えることを特徴とするデータ選別システム。
【請求項2】
前記サブデータを表示する表示部を備え、
前記格納手段が格納する前記メインデータに対応するサブデータを、前記類似の度合いに基づいて選別するとともに該サブデータに基づく内容を表示部に提示する選別提示手段を備えることを特徴とする請求項1記載のデータ選別システム。
【請求項3】
前記メインデータは楽曲データであり、前記サブデータは少なくとも対応する前記楽曲データの楽曲名をデータとして含むことを特徴とする請求項1または2記載のデータ選別システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−338315(P2006−338315A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−162057(P2005−162057)
【出願日】平成17年6月1日(2005.6.1)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】