説明

データ配信装置

【課題】送信元からのデータ送信要求に対して、送信先の機器に適したデータ形式のデータを送信する。
【解決手段】グリーティング配信装置10は、同一目的のデータ形式が異なる複数のコンテンツデータ(Flashデータ24a、動画データ24b、静止画データ24c)をデータサーバ24に記録している。グリーティング受付処理部22aは、送受信部20を通じて、データの送信要求と送信対象とするコンテンツデータを示す種類データを送信元の携帯電話機18から受信する。グリーティング配信処理部22bは、送信先の携帯電話機18から受信要求と共に機種情報を受信すると、機器情報に対応するデータ形式のコンテンツデータをデータサーバ24から取得して送信先の携帯電話機18に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信元の機器から受信されたデータの送信要求に応じて、送信先の機器に対してデータを送信するデータ配信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネットを通じてグリーティングカードを表現する画像や、画像に伴う音楽などを配信するサービスが提供されている(特許文献1参照)。こうしたサービスを利用する場合には、例えば、サービスを提供しているサイトにアクセスする。そして、予め用意されているコンテンツ(画像、音楽など)から配信対象とするものを選択し、メッセージ、送信元のメールアドレスおよび送信先のメールアドレス等を入力することにより、送信先にコンテンツとメッセージとが一体になった電子的なグリーティングカードが作成される。
【0003】
サービス提供会社は、電子的なグリーティングカードを閲覧可能なインターネット上のサイトへアクセスするためのURL(uniform resource locator)を、電子メールによって送信先に送信する。この電子メールを受信した送信先のユーザが電子メールに記載されたURLが示すサイトにアクセスすることで、電子グリーティングカードが表示されるため、このカードに書かれてあるメッセージを読んだり画像や音楽等を楽しむことができる。
【0004】
一般に、パーソナルコンピュータでは、各種のアプリケーションをインストールして実行させることができるので、各種のデータ形式による電子的なグリーティングカードを受信して処理することができる。例えば、近年では、静止画データや動画データを表示する機能だけでなく、オーディオを伴うアニメーションを主としたコンテンツを再生するためのベクトル形式のデータ(いわゆるFlashデータ)をもとに表示を行う機能が搭載されるようになってきており、グリーティングカードをアニメーションにより表現することもできるようになってきている。
【0005】
近年では、パーソナルコンピュータに限らず、携帯電話機においてもベクトル形式のデータを処理可能な機種が使用され始めている。
【特許文献1】特開2002−366496公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように携帯電話機においてもベクトル形式のデータを処理することができる機能が搭載されたものがあり、このデータ形式によるデータを受信してアニメーションなどを表示させることができる。
【0007】
一方、携帯電話機は、搭載されている機能が機種によって様々であるため、例えばベクトル形式のデータを処理することができず動画の表示のみが可能なもの、さらには動画を表示することもできず静止画のみが表示可能なものがある。
【0008】
従って、電子的なグリーティングカードを配信するサービスにおいて、ベクトル形式のデータの配信が可能であるとしても、送信先の携帯電話機が対応していなければ利用することができなかったり、送信先の相手が使用している機種を知らないため、一方的に表示不能なデータを送りつけてしまったりすることになる。
【0009】
本発明は前述した事情に考慮してなされたもので、その目的は、送信元からのデータ送信要求に対して、送信先の機器に適したデータ形式のデータを送信することができるデータ配信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、同一目的のデータ形式が異なる複数のコンテンツデータを選択的に送信するデータ配信装置であって、同一目的のデータ形式が異なる複数のコンテンツデータを、同データを識別するための共通する種類データと対応付けて記録するデータ記録手段と、前記データ記録手段に記録されたコンテンツデータを第1の機器に対して送信する要求と共に、送信対象とするコンテンツデータを示す種類データを第2の機器から受信する送信要求受信手段と、前記第1の機器からコンテンツデータの受信要求と共に、前記第1の機器を識別するための識別情報を受信する受信要求受信手段と、前記受信要求受信手段によって受信された識別情報に応じて、前記第1の機器に対して送信するコンテンツデータのデータ形式を判別するデータ判別手段と、前記データ記録手段に記録された、前記データ判別手段により判別されたデータ形式のコンテンツデータを前記第1の機器に送信するデータ送信手段とを具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、第2の機器(送信元)から第1の機器(送信先)に対するコンテンツデータの送信要求が受信されると、第1の機器から受信される識別情報をもとに第1の機器により処理可能なデータ形式を判別し、そのデータ形式に応じてコンテンツデータを選択して第1の機器に対して送信するので、送信元では第1の機器が何れのデータ形式に対応可能な機種であるか意識することなく、第1の機器に適したデータ形式のデータを送信さることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0013】
図1は、本実施形態におけるシステムの構成を示すブロック図である。図1に示すグリーティング配信装置10(データ配信装置)は、通信網(ネットワーク12、電話会社14、基地局16)を通じてグリーティングデータを携帯電話機18に配信するサービスを提供するもので、ネットワーク12を介して送信元となる携帯電話機18(第2の機器)から、他の携帯電話機18に対してコンテンツデータを送信させるための送信要求を受信し、この要求に対して送信先の携帯電話機18(第1の機器)からの受信要求に応じて送信元が選択したデータの配信を実行する機能を有している。本実施形態のグリーティング配信装置10では、同一目的のデータ形式が異なる複数のコンテンツデータを選択的に送信することができるもので、例えば「誕生日」に送るためのコンテンツデータとして、後述するようにFlashデータ24a、動画データ24b、静止画データ24cの何れかのデータ形式によるものを送信先の携帯電話機18が有する機能に応じて送信することができる。
【0014】
グリーティング配信装置10には、送受信部20、データ取得部21、制御部22、及びデータサーバ24が設けられている。
【0015】
送受信部20は、ネットワーク12を通じて外部の機器との通信を制御し、各種データの送受信を行う。
【0016】
データ取得部21は、送受信部20を通じて、外部の機器から受信されたデータを取得して制御部22あるいはデータサーバ24に提供し、また外部に出力すべきデータを制御部22あるいはデータサーバ24から取得して、送受信部20を通じて送信させる。
【0017】
制御部22は、グリーティング配信装置10によるデータ配信を制御するもので、グリーティング受付処理部22a、グリーティング配信処理部22b、及び機種識別部22cの各機能が設けられている。
【0018】
グリーティング受付処理部22aは、データサーバ24に記録されたグリーティング用のコンテンツデータを、送信先とする携帯電話機18に対して送信する要求と共に、送信対象とするコンテンツデータを示す種類データを送信元の携帯電話機18から受信するための処理を実行する。
【0019】
グリーティング配信処理部22bは、グリーティング受付処理部22aによって受信された送信元の携帯電話機18からの要求に応じて、データサーバ24に記録されたコンテンツデータを送信先の携帯電話機18に対して送信する。グリーティング配信処理部22bは、機種識別部22cによって識別された送信先の携帯電話機18が処理が可能なデータ形式のコンテンツデータを、データ取得部21によりデータサーバ24から取得させて送信させる。
【0020】
機種識別部22cは、コンテンツデータの送信先とする携帯電話機18から識別情報(携帯電話機18に固有の機器情報(コード))を受信し、この識別情報に応じて、送信先の携帯電話機18に対して送信するコンテンツデータのデータ形式を判別する。機種識別部22cは、データサーバ24に記録された機種識別情報24e(後述する)を参照することにより、識別情報(機種情報)に応じた送信すべきコンテンツデータのデータ形式を判別する。
【0021】
データサーバ24は、データ配信に関係する各種データを記録するもので、グリーティング用のコンテンツデータとして、同一目的のデータ形式が異なる複数のコンテンツデータを、同データを識別するための共通する種類データと対応付けて記録している(図2参照)。本実施形態では、グリーティング用のコンテンツデータ(以下、グリーティングデータと称する)として、複数の目的のそれぞれにFlashデータ24a、動画データ24b、静止画データ24cが用意されている。
【0022】
Flashデータ24aは、オーディオを伴うアニメーションを主とした画像を表示するためのデータである。Flashデータ24aは、ベクトル形式のデータにより構成されるもので、容量が小さく、拡大しても滑らかな画像を表示できる特徴を有している。Flashデータ24aをもとにして画像を表示するためには、Flashデータ24aに対応する再生機能(プログラム)が必要となる。
【0023】
動画データ24bは、携帯電話機18に実装された動画再生機能により再生が可能なデータである。
【0024】
静止画データ24cは、携帯電話機18に実装された静止画再生機能により表示が可能なデータであり、例えば待ち受け画面などにおいて表示可能なデータである。
【0025】
図2には、データサーバ24に記録されるグリーティングデータ、すなわちFlashデータ24a、動画データ24b、及び静止画データ24cの対応関係を示している。
【0026】
図2に示すように、データサーバ24では、同一目的(例えば「年賀状」としてのグリーティング)のデータ形式が異なる複数のコンテンツデータを、同データを識別するための共通する種類データ(例えば「年賀状1」)と対応付けて記録する。複数のグリーティングの目的としては、例えば「年賀状」「クリスマス」「結婚祝い」「誕生日」…などがあり、それぞれのグリーティング用のデータがFlashデータ24a、動画データ24b、及び静止画データ24cのデータ形式で用意されている。
【0027】
従って、送信元の携帯電話機18から送信対象とするグリーティングデータを示す種類データとして、例えば「年賀状1」が受信された場合には、「年賀状1」に対応するFlashデータ24a、動画データ24b、あるいは静止画データ24cの何れかにより作成されたグリーティングデータを選択して送信することができる。
【0028】
また、データサーバ24には、データ一覧表24d、機種識別情報24eの各データが記録される。
【0029】
データ一覧表24dは、送信元の携帯電話機18において、送信先に対して送信するコンテンツ(グリーティングデータ)を選択させるためのもので、データサーバ24に用意されたグリーティングデータを示す種類データの一覧を表すデータである。データ一覧表24dは、送信元の携帯電話機18に送信されることで、この携帯電話機18の表示画面において表示される(図8(a)参照)。
【0030】
機種識別情報24eは、グリーティングデータの送信先とする携帯電話機18が、何れのデータ形式によるデータに対する再生機能を有しているか識別するための情報である。
【0031】
また、データサーバ24には、予約データ24fが記録される。予約データ24fは、グリーティング受付処理において事前予約が要求された場合に記憶されるデータである(詳細については後述する(図15))。
【0032】
図3には、機種識別情報24eに含まれるデータの一例を示している。図3に示すように、機種識別情報24eには、携帯電話機18を識別するための機種情報(コード)と、同機種情報が示す機器において処理可能なデータ形式を示す対応再生機能情報とを対応付けて記録している。対応再生機能情報として、動画データをもとに動画を表示させることができる動画再生、Flashデータをもとにアニメーションなどを表示させることができるFlash再生、静止画データを表示させることができる静止画再生などの情報が記録される。
【0033】
ここでは、携帯電話機18に搭載される再生機能は固定であるものとし、グリーティング配信装置10には、各機種の携帯電話機18のそれぞれについての対応再生機能情報が予め登録されているものとする。
【0034】
図4は、本実施形態における携帯電話機18の機能構成を示すブロック図である。図4には、Flash及び動画非対応の機種である携帯電話機18aと、Flash非対応の機種である携帯電話機18bと、Flash対応の機種である携帯電話機18cとを示している。
【0035】
携帯電話機18a,18b,18cは、それぞれが属する電話会社14(14a,14b,14c)が提供する基地局16(16a,16b,16c)との無線通信を通じて通信網と接続される。電話会社14(14a,14b,14c)は、インターネットを含むネットワーク12と接続されており、携帯電話機18は、ネットワーク12を通じてグリーティング配信装置10が提供するグリーティングデータの配信サービスを利用することができる。
【0036】
各携帯電話機18a,18b,18cは、電話機として必要な機能、すなわち基地局16(16a,16b,16c)との間で無線通信機能、音声通話のための機能、プログラムを実行する制御装置(CPU、メモリ等を含む)、表示装置、音声入出力装置(スピーカ、マイク)、各操作ボタン(数字(文字)ボタン、カーソルボタン、機能ボタンなど)、記録装置などが設けられているが、これらについては図示を省略している。
【0037】
携帯電話機18aは、Flash及び動画非対応の機種であり、各種プログラムを制御装置により実行することにより、メール送受信部30a、受信プログラム実行部31a、メール作成部32a、送受信部33a、操作入力部34a、宛先入力部35aの機能を実現する。また、携帯電話機18aには、機種固有の機種情報36aが記録されている。なお、携帯電話機18aは、Flash及び動画非対応であるが、基本的な機能として静止画データをもとに静止画像を表示させることができるものとする。
【0038】
メール送受信部30aは、メール作成部32aによって作成された電子メールの送信、及び我部からの電子メール(グリーティング配信装置10あるいは他の携帯電話機18から送信された電子メールなど)の受信を実行する。
【0039】
受信プログラム実行部31aは、ネットワーク12を通じてグリーティング配信装置10を含む各種サーバ装置などが提供する各種データを受信するためのプログラム(例えばブラウザプログラム)を実行する。受信プログラム実行部31aにより例えばグリーティング配信装置10によるグリーティングサービスを提供するサイトにアクセスすることができる。
【0040】
メール作成部32aは、ユーザが操作ボタン(図示せず)に対する操作を行うことにより操作入力部34aから入力されるデータをもとにして電子メールを作成する。メール作成部32aは、メール送受信部30aにより受信された電子メールを他に転送するための処理も実行する。
【0041】
送受信部33aは、基地局16aとの間で無線通信により各種データ(音声通話、Webページデータ、電子メールなど)の送受信を実行する。
【0042】
操作入力部34aは、携帯電話機18aに設けられた操作ボタンに対する入力操作に応じてデータを入力する。
【0043】
宛先入力部35aは、メール作成部32aにより電子メールが作成される場合に、電子メールの送信先を示す宛先(アドレス)を入力する。
【0044】
携帯電話機18bは、Flash非対応の機種であり、携帯電話機18aに示す構成にさらに動画再生部37が設けられた構成である。他の構成については、携帯電話機18aの対応する機能とほぼ同一であるものとして詳細な説明を省略する。
【0045】
動画再生部37bは、動画データをもとに動画再生して表示装置において表示させるもので、送受信部33bを通じてグリーティングデータとして動画データが受信された場合には、この動画データをもとにグリーティングを目的とした動画を表示させることができる。
【0046】
携帯電話機18cは、Flash対応の機種であり、携帯電話機18bに示す構成にさらにFlashデータ再生部38cが設けられた構成である。他の構成については、携帯電話機18a,18bの対応する機能と同一であるものとして詳細な説明を省略する。
【0047】
Flashデータ再生部38cは、ベクトル形式のデータをもとにアニメーションなどを再生して表示装置において表示させるもので、送受信部33bを通じてグリーティングデータとしてFlashデータが受信された場合には、このFlashデータをもとにグリーティングを目的としたアニメーションなどを表示させることができる。
【0048】
次に、本実施形態におけるグリーティング配信装置10の動作について、図5及び図6に示すフローチャートを参照しながら説明する。図7は、送信元の携帯電話機18(以下、携帯電話機18X)とグリーティング配信装置10と送信先の携帯電話機18(以下、携帯電話機18Y)との間の通信手順を示す図である。
【0049】
グリーティング配信装置10は、ネットワーク12(WWW)を通じて、携帯電話機18からアクセスが可能なサイトにおいてグリーティングサービスを提供する。携帯電話機18は、基地局16、電話会社14を介してネットワーク12(WWW)に接続し、グリーティング配信装置10が開設しているサイトにアクセスすることができる。
【0050】
図5は、グリーティング配信装置10の制御部22(グリーティング受付処理部22a)により実行されるグリーティング受付処理の動作を説明するためのフローチャートである。
【0051】
グリーティング受付処理部22aは、グリーティングサービスを利用するために、送信元の携帯電話機18Xからグリーティング一覧の送信要求が受信されると(ステップA1)、データサーバ24に記録されたデータ一覧表24dを読み出し、送信元の携帯電話機18Xに対して送信する(ステップA2)(図7(1)(2))。
【0052】
送信元の携帯電話機18Xは、送受信部33を通じてデータ一覧表24dを受信すると、このデータをもとにグリーティング一覧を表示装置において表示させる(図7(3))。
【0053】
図8(a)には、携帯電話機18Xにおいて表示されたグリーティング一覧画面の一例を示している。グリーティング一覧中では、操作入力部34に対する操作によってカーソルを移動させて、グリーティングの対象として何れかを任意に選択することができる。
【0054】
ここで、例えば「誕生日」が選択された場合(図7(4))、グリーティング受付処理部22aは、この選択された「誕生日」を示す種類データを取得する(ステップA3)。ここで、グリーティング受付処理部22aは、種類データが示す静止画データ24cを読み出し、サンプル表示用として送信元の携帯電話機18Xに送信する(ステップA4)。この時、静止画データ24cと共に予め用意されたサンプルのメッセージ(テキスト)あるいは音声データなどを添付して送信するようにしても良い。
【0055】
送信元の携帯電話機18Xは、サンプル表示用に静止画データ24cを受信すると、このデータをもとに画像を表示する。図8(b)には、サンプル画像が表示された画面の一例を示している。図8(b)に示す例では、サンプル画像(静止画)と共にメッセージ「お誕生日おめでとう!」が表示されている。
【0056】
ここで、サンプル表示された画像を確認したユーザによりキャンセルが指示された場合(ステップA5、No)、送信元の携帯電話機18Xにおいて、再度、グリーティング一覧画面を表示させて別のグリーティングの対象を選択させる。
【0057】
一方、サンプル画像表示に対して確定が指示された場合(ステップA5、Yes)、グリーティング受付処理部22aは、携帯電話機18Xに対して、確定されたグリーティング対象とする種類データを受信する。また、グリーティング受付処理部22aは、グリーティングデータの送信相手を示す送信先ユーザ名や送信元ユーザ名、またグリーティングデータに添付するメッセージ(テキストデータ)、送信先メールアドレス、送信元メールアドレスなどを入力するための画面を表示させ、それぞれを入力させる(ステップA6)。
【0058】
グリーティング受付処理部22aは、送信元の携帯電話機18Xから各種データを取得すると、グリーティング配信準備のためにデータサーバ24に記録させておく(ステップA7)(図7(5))。
【0059】
こうして、グリーティング受付処理部22aは、送信元の携帯電話機18Xからグリーティングデータの送信要求を受信すると、この送信元に対して確認メールを送信する(ステップA8)(図7(6))。確認メールにより、グリーティングデータの送信要求を受け付けたことを通知すると共に、グリーティングデータの要求先を示す情報、例えばグリーティング配信装置10がグリーティングデータを提供するサイト(Webページ)を示すURL(uniform resource locator)を通知する。
【0060】
送信元の携帯電話機18Xは、グリーティング配信装置10から確認メールを受信すると、これを送信先の携帯電話機18Yに対して転送する(図7(7))。送信先の携帯電話機18では、送信元の携帯電話機18Xから受信した電子メールを閲覧することで、グリーティングが配信されたことを知ることができる。
【0061】
図8(c)には、送信先の携帯電話機18Yにおいて表示された確認メール画面の一例を示している。図8(c)には、「○○さんからグリーティングメッセージが届いています」のメッセージと共に、グリーティングデータの取得先を示すURL(例えば「http://www.aaaaa」)が表示されている。送信先の携帯電話機18Yは、確認メール画面中で表示されたURLを選択する操作(クリック)することで、このアドレスが示すサイト、すなわちグリーティング配信装置10がグリーティングデータを送信するサイトにアクセスしてグリーティング受信要求を送信することができる(図7(8))。グリーティング受信要求では、携帯電話機18Yに固有の機種情報36が共に送信される。
【0062】
図6は、グリーティング配信装置10の制御部22(グリーティング配信処理部22b)により実行されるグリーティング配信処理の動作を説明するためのフローチャートである。
【0063】
グリーティング配信装置10のグリーティング配信処理部22bは、送信先の携帯電話機18Yからグリーティング受信要求が受信されると(ステップB1、Yes)、この要求と共に機種情報を含む各種情報を受信する(ステップB2)。各種情報には、送信元の携帯電話機18Xにおいて指定された送信先を特定する情報が含まれるものとする。
【0064】
グリーティング配信処理部22bは、この送信先を特定する情報が、グリーティング受け付け処理においてデータサーバ24にグリーティング配信準備として登録された情報と一致しているか否かによって、正当な送信先からのグリーティング受信要求であるかを確認する。
【0065】
例えば、送信先の携帯電話機18Xから受信された送信先ユーザ名、送信先メールアドレスなどをもとにして確認することができる。また、グリーティング配信装置10からの確認メールにより通知されるグリーティングデータの取得先を示すURLに、個々のグリーティング送信要求に対して固有のパラメータを付加しておくことで、何れのパラメータが付加されたURLによりアクセスされたかによって受信要求元を確認することもできる。この場合、個々のパラメータの情報は、グリーティング配信準備としてデータサーバ24に記憶させておくものとする。なお、送信先を特定する方法は、前述した方法に限るものではなく、任意の方法を採用することが可能である。
【0066】
こうして、正しい送信先からの受信要求であることが確認されると(ステップB3、Yes)、グリーティング配信処理部22bは、受信要求と共に受信した機種情報をもとにして、送信先の携帯電話機18Yが処理可能なデータ形式を機種識別部22cにより識別させる。
【0067】
機種識別部22cは、受信した機種情報により機種識別情報24eを検索して該当する機種情報(コード)が登録されているか判別する。そして、該当する機種情報が取得された場合に、この機種情報に対応して登録されている対応再生機能情報により送信先の携帯電話機18Yが処理可能なデータ形式を判別する。
【0068】
グリーティング配信処理部22bは、機種識別部22cにより識別されたデータ形式に応じて(ステップB4,B5)、データサーバ24から該当するデータ形式のグリーティングデータを読み出す(ステップB6,B7,B8)。そして、グリーティングデータと他のデータ、例えば送信元の携帯電話機18Xから受信しているメッセージデータや送信先ユーザ名などを用いて配信用のデータを作成し、送信先の携帯電話機18Yに送信する(ステップB9,B10)。
【0069】
例えば、機種情報「B」が受信されている場合には、図3に示す機種識別情報24eのように、この情報とFlash再生を示す情報が記録されているので、再生可能なデータ形式がFlashデータ24aであると識別することができる(ステップB4、Yes)。グリーティング配信処理部22bは、データサーバ24から種類データに該当するグリーティング用のFlashデータ24aを読み出し(ステップB6)、このデータを用いて配信用のデータを作成して送信する(ステップB9,B10)(図7(9)(10))。
【0070】
また、機種情報「A」が受信されている場合、機種識別情報24eには、この情報と動画再生を示す情報が記録されているので(ステップB5、Yes)、データサーバ24から種類データに該当するグリーティング用の動画データ24bを読み出し(ステップB7)、このデータを用いて配信用のデータを作成して送信する(ステップB9,B10)(図7(11)(12))。
【0071】
また、機種情報「C」が受信されている場合、機種識別情報24eには、この情報と静止画再生を示す情報が記録されているので(ステップB5、No)、データサーバ24から種類データに該当するグリーティング用の静止画データ24cを読み出し(ステップB8)、このデータを用いて配信用のデータを作成して送信する(ステップB9,B10)(図7(13))。
【0072】
送信先の携帯電話機18Yは、グリーティング配信装置10からグリーティングデータを受信して、このデータを自機に搭載された機能を用いて表示装置において表示させる(図7(14))。
【0073】
このようにして、グリーティング配信装置10は、送信元の携帯電話機18Xからのグリーティングデータの送信要求に応じて、送信先の携帯電話機18Yにおいて処理可能なデータ形式のグリーティングデータを選択して送信することができる。
【0074】
また、本実施形態のグリーティング配信装置10は、送信元の携帯電話機18Xが何れのデータ形式に対応可能であるかに関係なく、送信元の携帯電話機18Yに搭載された機能に適したグリーティングデータを送信することができる。すなわち、送信元がFlash及び動画非対応の機種である携帯電話機18aであっても、サンプル画像として静止画像データを受信して、送信対象とするグリーティングデータを確認し、送信要求をすることができる。そして、グリーティング配信装置10は、携帯電話機18aからの要求に対して、例えば送信先がFlash対応の携帯電話機18cであれば、Flashデータ24aによるグリーティングデータを送信する。
【0075】
また、グリーティング配信装置10は、基本的にFlashデータ24aの配信を主とするサービスを提供する構成としても良い。この場合、送信元の携帯電話機18Xに対して、サンプル画像としてFlashデータ24aを送信して送信対象とするグリーティングデータを確認/選択させる。この場合においても、送信先の携帯電話機18Yが何れのデータ形式に対応可能であるか識別して、送信先に応じたデータ形式のグリーティングデータが送信される。従って、送信先が例えばFlash非対応の動画の再生のみが可能な携帯電話機18bであっても、動画データ24bによるグリーティングデータを送信することができる。
【0076】
なお、図7を用いた説明では、グリーティング配信装置10から送信元の携帯電話機18Xに対して確認メールを送信し、携帯電話機18Xから送信先の携帯電話機18Yに対して、このメールを転送するものとしているが、グリーティング配信装置10から直接送信先の携帯電話機18Yに対して確認メールを送信するようにしても良い。
【0077】
図9には、グリーティング配信装置10から携帯電話機18Yに対して確認メールを送信する場合の送信元の携帯電話機18Xとグリーティング配信装置10と送信先の携帯電話機18Yとの間の通信手順を示す図である。
【0078】
図9に示すように、グリーティング配信装置10は、送信元の携帯電話機18Xからの送信要求に応じて確認メールを作成して送信先の携帯電話機18Yに送信する(図9(6))。
【0079】
送信先の携帯電話機18Yは、グリーティング配信装置10から受信した電子メールを通じて、グリーティングデータを送信するサイトにアクセスしてグリーティング受信要求を送信することができる(図9(7))。
【0080】
なお、図9に示す手順の場合、送信先の携帯電話機18Yでは、突然、知らない送り先から電子メールを受信することになるので、グリーティング配信装置10は、送信元ユーザからの要求に応じて送信された電子メールであることを、送信先に認識されるように電子メールを作成して送信するものとする。
【0081】
また、送信元ではグリーティング配信装置10に対してグリーティングの送信要求を送信した後、グリーティング配信装置10から送信先の携帯電話機18Yに対して通知されているか(サービスが提供されているか)を確認することができない。従って、グリーティング配信装置10は、例えば、送信元の携帯電話機18Yに対してグリーティングデータを配信した後に、送信元の携帯電話機18Xに対して送信完了を通知する電子メールを送信するようにしても良い。
【0082】
なお、前述した実施形態では、送信先の携帯電話機18からインターネット(WWW)を通じて送信要求が受信された場合に、グリーティング配信装置10からグリーティングデータを配信するとしているが、例えば電子メールにグリーティングデータを添付して配信する構成とすることもできる。また、送信先の携帯電話機18から電子メールにより送信要求を受信する構成としても良い。例えば、送信元の携帯電話機18あるいはグリーティング配信装置10から受信した確認メールをグリーティング配信装置10に転送することでグリーティングデータの受信要求とする。この受信要求のための電子メールには、送信先の携帯電話機18の機種情報が付加されるものとする。
【0083】
また、前述した実施形態では、グリーティング配信装置10から配信可能なコンテンツデータのデータ形式として、図2に示すように、Flashデータ24a、動画データ24b、静止画データ24cが含まれるものとしているが、携帯電話機18(あるいはその他の情報機器)において処理が可能なその他のデータ形式によるグリーティングデータを用いることも可能である。この場合、機種識別情報24eには、その他のデータ形式が処理可能な機種を判別することができる情報が予め記録されているものとする。
【0084】
また、携帯電話機18は、通信網を介してグリーティング配信装置10、あるいは電話会社14(のサーバ装置)からグリーティング配信装置10が配信する特定のデータ形式のデータを処理可能なアプリケーションプログラムをダウンロードして実行することができる。携帯電話機18は、特定のデータ形式に対応するアプリケーションプログラムをダウンロードした場合、確認メールに対して機種情報と共に、ダウンロードしたアプリケーションにより処理可能なデータ形式を示す情報をグリーティング配信装置10に送信するようにしても良い。これにより、グリーティング配信装置10から配信可能なグリーティングデータのデータ形式を拡張することができる。
【0085】
また、前述した説明では、グリーティング配信装置10から携帯電話機18に対して、グリーティング用のデータを配信する場合について説明しているが、目的が異なる他のコンテンツデータを配信する場合に適用することもできる。すなわち、同一目的のデータ形式が異なる複数のコンテンツデータであれば、本実施形態におけるグリーティング配信装置10から配信することができる。
【0086】
また、送信元の携帯電話機18から特定の1つの送信先に対してグリーティングデータを送信する場合について説明しているが、グリーティング配信装置10は、送信元の携帯電話機18から複数の送信先に対する送信要求を受け付けることも可能である。この場合、送信元では各送信元の携帯電話機18で処理可能なデータ形式を意識することなく、グリーティングデータの種類を選択するだけで、グリーティング配信装置10から各送信先に対して、送信先の携帯電話機18に搭載された機能に合わせたデータ形式のグリーティングデータが送信されることになる。
【0087】
また、携帯電話機18に対してデータを配信する場合について説明しているが、他の情報機器を対象とすることができる。この場合、送信先とする情報機器に対して確認メールを送信した場合に(図7(7)、図9(6))、この情報機器から機種情報、あるいは処理が可能なデータ形式の情報をグリーティング配信装置10に送信されるようにする。機種情報が情報機器から送信される場合、グリーティング配信装置10は、この機種情報をもとに送信先の情報機器が処理可能なデータ形式を、機種識別情報24eを参照して判別する。
【0088】
また、本実施形態におけるグリーティング配信装置10では、WWWを通じて携帯電話機18との間でデータの送受信をする機能と、確認メールなどの電子メールを送受信する機能とを有するとしているが、それぞれを別の装置において実現する構成とすることも可能である。
【0089】
なお、前述した説明では、グリーティング配信装置10は、送信元の携帯電話機18Xからグリーティングデータの送信要求を受信した場合、この送信要求に応じて直ちにグリーティング配信準備を実行して確認メールを送信している(図7(6)、図9(6))。
【0090】
このように、グリーティング配信装置10が携帯電話機18Xからの要求に対して即時にグリーティングを配信する処理を実行する構成とした場合、発信元の利用者(贈り手)がグリーティングを送りたい当日にグリーティング配信装置10が提供するサービスを利用するか、あるいは事前にサービスを利用して確認メールを携帯電話機18に蓄積しておき(図7に示す手続きの場合)、グリーティングを贈りたい当日に送信先(受取人)に対してメールを転送する操作をしなければならない。
【0091】
しかし、この利用方法では、贈り手自身がグリーティングを送信するスケジュールを管理しなければならず、贈り手に煩わしい作業負担を課すことになる。この場合、贈り手がグリーティングを贈る日を忘れてしまい、サービスの利用機会を逸してしまう状況が発生しうる。
【0092】
そこで、本発明では、前述したグリーティング配信装置10に対して、以下に説明するようにグリーティングの事前予約を可能とする機能を設けることにより、贈り手の負担を軽減して、サービスの利用機会を失わないようにすることも可能である。以下、グリーティングの事前予約をする場合のグリーティング配信装置10の動作について説明する。
【0093】
なお、グリーティング配信装置10の基本的な構成については、前述したものと同じである。ただし、データサーバ24では、図1に示すように、グリーティングの予約を管理するための予約データ24fがさらに記憶される。
【0094】
次に、本実施形態におけるグリーティングの事前予約を可能としたグリーティング配信装置10の動作について、図10及び図11に示すフローチャートを参照しながら説明する。図12及び図13は、送信元の携帯電話機18(携帯電話機18X)とグリーティング配信装置10と送信先の携帯電話機18(携帯電話機18Y)との間の通信手順を示す図である。
【0095】
まず、グリーティング配信装置10の制御部22(グリーティング受付処理部22a)により実行されるグリーティング受付処理の動作について、図10に示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、図10に示すステップC1〜C5の処理は、図5に示すステップA1〜A5と同様にして実行されるものとして説明を省略する。
【0096】
グリーティング受付処理部22aは、送信元の携帯電話機18Xから各種データ(送信先ユーザ名/メールアドレス、送信元ユーザ名/メールアドレス等)を取得すると(ステップC6)、このデータを用いたグリーティングの送信を即時に実行する即時処理、あるいは事前予約をする予約処理の何れかを実行する指示を入力するように携帯電話機18Xに対して要求する。
【0097】
携帯電話機18Xでは、例えば即時処理あるいは予約処理の何れかを選択するためのメニュー画面を表示し、このメニュー画面から利用者の入力操作によって何れかを選択させる。携帯電話機18Xは、メニュー画面から選択された即時処理または予約処理の何れかの実行要求を、グリーティング配信装置10(グリーティング受付処理部22a)に通知する。
【0098】
ここで、グリーティング受付処理部22aは、携帯電話機18Xから即時処理の実行要求が通知されると(ステップC7、即時処理)、グリーティング配信準備、確認メールの作成/送信を実行する(ステップC8,C9)。なお、ステップC8,9の処理は、図5のフローチャートに示すステップA7,A8の処理と同一であるので詳細な説明を省略する。
【0099】
一方、グリーティング受付処理部22aは、携帯電話機18Xから予約処理の実行要求が通知されると(ステップC7、予約処理)、予約受付処理によってグリーティングの予約に必要なグリーティング予約日時を取得する(ステップC10)(図12(5))。
【0100】
例えば、グリーティング受付処理部22aは、グリーティング予約処理の実行が要求された場合(図14(a))、図14(b)に示すような、予約日として指定することが可能な期間(例えば1ヶ月間)のカレンダーを携帯電話機18Xにおいて表示させ、そのカレンダー中から予約日を指定させる。さらに、予約日が指定されると、グリーティングを実行する時刻(グリーティング配信装置10から携帯電話機18Xに対して確認メールを送信する時刻)の指定を入力させる。
【0101】
グリーティング受付処理部22aは、グリーティング予約日時を携帯電話機18Xから受信すると、予約受付確認通知を携帯電話機18Xに送信すると共に、データサーバ24に予約データ24fを記憶させておく(ステップC11)。
【0102】
図14(c)には、携帯電話機18Xにおいて表示される予約受付確認の画面の一例を示している。図14(c)に示すように、予約受付確認画面では、先に選択されているグリーティングデータの種類(例えば「年賀状1」)と、指定されたグリーティング予約日時(「1月1日10:00」)とが表示される。これにより、携帯電話機18Xを使用している贈り手は予約受付を確認することができる(図12(6))。
【0103】
図15には、データサーバ24に記憶される予約データ24fの一例を示している。例えば、予約データ24fは、図15に示すように、グリーティングデータの種類を示す種類データと、グリーティング予約日時を示す予約日時データ、送信元に関するデータ(送信元データ)、送信先に関するデータ(送信先データ)とが対応付けて記憶される。データサーバ24に記憶された予約データ24fは、後述するグリーティング配信処理に用いられる。
【0104】
前述した予約処理によってグリーティング配信装置10に登録された予約内容については、携帯電話機18Xから任意のタイミングで確認することができる。すなわち、携帯電話機18Xにより、ネットワーク12(WWW)を介して、グリーティング配信装置10が開設しているサイトにアクセスし、予め登録してある送信元データ(送信元ユーザ名、送信元メールアドレス)を指定して、グリーティング予約確認を要求することができる(図12(7))(図16(a))。
【0105】
グリーティング受付処理部22aは、グリーティング予約確認が要求されると、データサーバ24に記憶された予約データ24fをもとに、送信元データに対応して記憶されている種類データと予約日時データとを読み出す。そして、このデータをもとに予約内容を一覧表示するためのグリーティング予約一覧データを生成して携帯電話機18Xに送信する(図12(8))。
【0106】
携帯電話機18Xは、グリーティング配信装置10から受信したグリーティング予約一覧データをもとに、グリーティング予約確認用の画面を表示させる(図12(9))。図16(b)には、グリーティング予約確認用の画面の一例を示している。グリーティング予約確認用の画面では、グリーティング予約されたグリーティングデータの種類(「年賀状1」など)と予約日時(「1月1日10:00」など)とが、それぞれ対応付けられて一覧表示される。
【0107】
この一覧表示画面では、携帯電話機18Xに設けられたカーソルキーなどの操作によって、何れかの予約を変更対象として任意に選択(クリック)することができる(図12(10))。何れかの予約が選択されると、携帯電話機18Xは、予約内容(データ種類、予約日時)を含む予約変更用の画面を表示する。図16(c)には、図16(b)に示す一覧表示中から2番目の予約が変更対象として選択された場合に表示される予約変更用の画面の一例を示している。
【0108】
図16(c)に示す予約変更用の画面では、データ種類を示す「クリスマス2」または予約日時を示す「12月24日13:00」の何れかを選択して変更することができる。ここで、データ種類「クリスマス2」が選択された場合、携帯電話機18Xは、グリーティング配信装置10(グリーティング受付処理部22a)に対して、グリーティング作成要求を送信する。すなわち、図10に示すステップC1〜C5(図12(1)〜(4))の処理を実行することで、改めてグリーティングデータを選択することができる。
【0109】
また、予約日時「12月24日13:00」が選択された場合、携帯電話機18Xは、変更後の日付または時刻をボタン操作などにより入力して、グリーティング配信装置10(グリーティング受付処理部22a)に送信する。
【0110】
また、予約変更用の画面には、選択された予約の削除を指示する項目「このグリーティングを削除」が設けられている。この項目が選択された場合、携帯電話機18Xは、図16(c−3)に示すように、削除の確認を促すためのメッセージ「削除してよろしいでしょうか?」を表示し、この表示に対して確認の指示が「確定ボタン」の操作などにより指示されると、グリーティング受付処理部22aに対して予約削除の要求を送信する。
【0111】
こうして、グリーティング受付処理部22aは、携帯電話機18Xからデータ種類または予約日時の変更指示、あるいは予約の削除が出力されると、指示された内容に応じてデータサーバ24に記憶されている予約データ24fを変更する(図12(11))。
【0112】
このように、本実施形態におけるグリーティング配信装置10では、グリーティング予約確認によって、グリーティング実施前であれば任意のタイミングでグリーティング内容を変更することができる。
【0113】
次に、事前予約された場合のグリーティング配信処理について、図11に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0114】
グリーティング配信処理部22bは、データサーバ24に記憶された予約データ24fの予約日時データを参照し、予約日時に到達した予約があるか監視している(ステップD1)(図13(1))。予約日時に到達した予約があると(ステップD1、Yes)、グリーティング配信処理部22bは、グリーティング配信準備のために、予約データ24f中の該当する予約日時データに対応する各データ(種類データ、送信元データ、送信先データ)をデータサーバ24記録させておく(ステップD2)(図13(2))。すなわち、送信先の携帯電話機18Yからのグリーティング受信要求の対象となるデータとして記憶しておく。
【0115】
また、グリーティング配信処理部22bは、送信元の携帯電話機18Xに対して確認メールを作成して送信する(ステップD3)(図13(3))。この確認メールによって、携帯電話機18Xの利用者(贈り手)は、予約してあったグリーティングの配信日時となったことを知ることができる。従って、贈り手は、グリーティング配信装置10にグリーティングの送信を予約していたことを忘れていたとしても、この確認メールにより通知されるので、グリーティングを送信するタイミングを逸することがない。
【0116】
送信元の携帯電話機18Xは、グリーティング配信装置10から確認メールを受信すると、これを送信先の携帯電話機18Yに対して転送すれば良い(図13(4))。送信先の携帯電話機18Yでは、送信元の携帯電話機18Xから受信した電子メール(転送された確認メール)を閲覧することで、贈り手によってグリーティングデータが配信されるように手配されていることを知ることができる。
【0117】
なお、受信側(受取人)の携帯電話機18Yでは、携帯電話機18Yを使用している相手、すなわちメールアドレスを教えている知人(のメールアドレス)を発信元とする電子メール(確認メール)を受信することになる。従って、突然、グリーティングに関する電子メールが受信されたとしても、迷惑メールとして認識されて受信拒否されたり、メール内容を確認されることなく破棄されるおそれがない。
【0118】
携帯電話機18Yにより受信された電子メール(確認メール)には、グリーティングデータの要求先を示す情報、例えばグリーティング配信装置10によるグリーティングデータを提供するサイト(Webページ)を示すURLが含まれている(図8(c)参照)。携帯電話機18Yでは、確認メール画面中で表示されたURLを選択する操作(クリック)することで、このアドレスが示すサイト、すなわちグリーティング配信装置10がグリーティングデータを送信するサイトにアクセスしてグリーティング受信要求を送信することができる。
【0119】
なお、図11のフローチャートに示すステップD4〜D12の処理については、図6に示すフローチャートのステップB2〜B10と同様の処理を実行するものとして詳細な説明を省略する。また、図13(2)〜(11)は、図7(5)〜(14)のそれぞれに対応している。
【0120】
このようにして、本実施形態におけるグリーティング配信装置10では、送信元の携帯電話機18Xからの要求に応じてグリーティングの事前予約をすることが可能となる。従って、グリーティングの贈り手がグリーティングのスケジュールを管理する必要がなく、グリーティング配信装置10から予約日時に確認メールが受信された時に、送信先の相手に確認メールを転送するだけで良い。また、事前予約をする場合であっても、送信先に確認メールを転送する手順を用いるので、送信元(贈り手)のメールアドレスを発信元とする電子メールによって、グリーティングの配信を送信先の相手に通知することができる。従って、迷惑メールと認識されて受信拒否や破棄されることを回避でき、グリーティングデータの配信を確実にすることができる。
【0121】
なお、前述した説明では、図7に示す手順において、さらに予約処理が実行可能としているが(図12、図13)、図9に示す手順においても予約処理を実行可能としても良い。この場合、グリーティング配信装置10は、予約処理によって記憶された予約データ24fを参照し、予約日時に到達した予約がある場合に、この予約内容(種類データ、送信元データ、送信先データ)をもとに作成した確認メールを送信先に送信すれば良い。
【0122】
また、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0123】
また、実施形態に記載した手法は、計算機(コンピュータ)に実行させることができるプログラム(ソフトウエア手段)として、例えば磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD、MO等)、半導体メモリ(ROM、RAM、フラッシュメモリ等)等の記録媒体に格納し、また通信媒体により伝送して頒布することもできる。なお、媒体側に格納されるプログラムには、計算機に実行させるソフトウエア手段(実行プログラムのみならずテーブルやデータ構造も含む)を計算機内に構成させる設定プログラムをも含む。本装置を実現する計算機は、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、また場合により設定プログラムによりソフトウエア手段を構築し、このソフトウエア手段によって動作が制御されることにより上述した処理を実行する。なお、本明細書でいう記録媒体は、頒布用に限らず、計算機内部あるいはネットワークを介して接続される機器に設けられた磁気ディスクや半導体メモリ等の記憶媒体を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0124】
【図1】本発明の実施形態におけるシステムの構成を示すブロック図。
【図2】本実施形態におけるデータサーバ24に記録されるグリーティングデータ(Flashデータ24a、動画データ24b、静止画データ24c)の対応関係を示す図。
【図3】本実施形態における機種識別情報24eに含まれるデータの一例を示す図。
【図4】本実施形態における携帯電話機18の機能構成を示すブロック図。
【図5】本実施形態におけるグリーティング受付処理の動作を説明するためのフローチャート。
【図6】本実施形態におけるグリーティング配信処理の動作を説明するためのフローチャート。
【図7】本実施形態における送信元の携帯電話機18Xとグリーティング配信装置10と送信先の携帯電話機18Yとの間の通信手順を示す図。
【図8】本実施形態における携帯電話機18の表示画面例を示す図。
【図9】本実施形態における送信元の携帯電話機18Xとグリーティング配信装置10と送信先の携帯電話機18Yとの間の通信手順を示す図。
【図10】本実施形態におけるグリーティングの事前予約を可能としたグリーティング受付処理の動作について説明するためのフローチャート。
【図11】本実施形態におけるグリーティングの事前予約を可能としたグリーティング配信処理の動作について説明するためのフローチャート。
【図12】本実施形態における事前予約を可能とした場合の送信元の携帯電話機18Xとグリーティング配信装置10と送信先の携帯電話機18Yとの間の通信手順を示す図。
【図13】本実施形態における事前予約を可能とした場合の送信元の携帯電話機18Xとグリーティング配信装置10と送信先の携帯電話機18Yとの間の通信手順を示す図。
【図14】本実施形態における予約処理時の送信側の携帯電話機18Xの表示画面例を示す図。
【図15】本実施形態における予約データ24fの一例を示す図。
【図16】本実施形態における予約変更時の送信側の携帯電話機18Xの表示画面例を示す図。
【符号の説明】
【0125】
10…グリーティング配信装置、12…ネットワーク、14(14a,14b,14c)…電話会社、16(16a,16b,16c)…基地局、18(18a,18b,18c)…携帯電話機、20…送受信部、21…データ取得部、22…制御部、22a…グリーティング受付処理部、22b…グリーティング配信処理部、22c…機種識別部、24…データサーバ、24a…Flashデータ、24b…動画データ、24c…静止画データ、24d…データ一覧表、24e…機種識別情報、24f…予約データ、30(30a,30b,30c)…メール送受信部、31(31a,31b,31c)…受信プログラム実行部、32(32a,32b,32c)…メール作成部、33(33a,33b,33c)…送受信部、34(34a,34b,34c)…操作入力部、35(35a,35b,35c)…宛先入力部、36(36a,36b,36c)…機種情報、37(37b,37c)…動画再生部、38c…Flashデータ再生部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一目的のデータ形式が異なる複数のコンテンツデータを選択的に送信するデータ配信装置であって、
同一目的のデータ形式が異なる複数のコンテンツデータを、同データを識別するための共通する種類データと対応付けて記録するデータ記録手段と、
前記データ記録手段に記録されたコンテンツデータを第1の機器に対して送信する送信要求と共に、送信対象とするコンテンツデータを示す種類データを第2の機器から受信する送信要求受信手段と、
前記第1の機器からコンテンツデータの受信要求と共に、前記第1の機器を識別するための識別情報を受信する受信要求受信手段と、
前記受信要求受信手段によって受信された識別情報に応じて、前記第1の機器に対して送信するコンテンツデータのデータ形式を判別するデータ判別手段と、
前記データ記録手段に記録された、前記データ判別手段により判別されたデータ形式のコンテンツデータを前記第1の機器に送信するデータ送信手段と
を具備したことを特徴とするデータ配信装置。
【請求項2】
機種情報と、同機種情報が示す機器において処理可能なデータ形式を示す機能情報とを対応付けて記録する機種識別情報記憶手段を有し、
前記受信要求受信手段は、前記識別情報として前記第1の機器に固有の機種情報を受信し、
前記データ判別手段は、前記受信要求受信手段により受信された機種情報をもとに、前記機種識別情報記憶手段から当該機種情報に対応する機能情報を取得することによりデータ形式を判別することを特徴とする請求項1記載のデータ配信装置。
【請求項3】
前記送信要求受信手段により送信要求が受信された場合に、前記第2の機器に対して、前記第1の機器に転送すべき、コンテンツデータの受信要求先を示す情報を通知するための電子メールを送信するメール送信手段を具備したことを特徴とする請求項1記載のデータ配信装置。
【請求項4】
前記送信要求受信手段により送信要求が受信された場合に、前記第1の機器に対して、コンテンツデータの受信要求先を示す情報を通知するための電子メールを送信するメール送信手段を具備したことを特徴とする請求項1記載のデータ配信装置。
【請求項5】
前記データ記録手段に記録されるデータ形式が異なる複数のコンテンツデータには、前記第1の機器において表示に用いられるベクトルデータ、動画データ、及び静止画データを含むことを特徴とする請求項1記載のデータ配信装置。
【請求項6】
前記受信要求受信手段は、WWW(World Wide Web)を通じて前記第1の機器から受信要求を受信し、
前記データ送信手段は、前記WWWを通じてコンテンツデータを前記第1の機器に送信することを特徴とする請求項1記載のデータ配信装置。
【請求項7】
前記受信要求受信手段は、電子メールにより前記第1の機器から受信要求を受信し、
前記データ送信手段は、電子メールによりコンテンツデータを前記第1の機器に送信することを特徴とする請求項1記載のデータ配信装置。
【請求項8】
前記送信要求受信手段によって受信された前記送信要求に対する前記コンテンツデータの送信を実施する予約日時を前記第2の機器から受信して記憶する予約手段と、
前記予約手段により記憶された日時に到達したことを判別する予約日時判別手段と、
前記予約日時判別手段により予約日時に到達したことが判別された場合に、前記第2の機器に対して、コンテンツデータの受信要求先を示す情報を通知するための電子メールを送信するメール送信手段と
をさらに具備したことを特徴とする請求項1記載のデータ配信装置。
【請求項9】
前記送信要求受信手段によって受信された前記送信要求に対して、前記コンテンツデータの送信を即時に実行するか、あるいは予約するかを選択する選択手段と、
前記選択手段により予約することが選択された場合に、前記第2の機器から予約日時を受信して記憶する予約手段と、
前記選択手段により前記コンテンツデータの送信を即時に実行することが選択された場合に、前記第2の機器に対して、コンテンツデータの受信要求先を示す情報を通知するための電子メールを送信する第1のメール送信手段と、
前記予約手段により記憶された日時に到達したことを判別する予約日時判別手段と、
前記予約日時判別手段により予約日時に到達したことが判別された場合に、前記第2の機器に対して、コンテンツデータの受信要求先を示す情報を通知するための電子メールを送信する第2のメール送信手段と
をさらに具備したことを特徴とする請求項1記載のデータ配信装置。
【請求項10】
前記予約手段により記憶された予約日時を前記第2の機器からの要求に応じて変更する予約変更手段をさらに具備したことを特徴とする請求項8または請求項9記載のデータ配信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2007−48255(P2007−48255A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−360828(P2005−360828)
【出願日】平成17年12月14日(2005.12.14)
【出願人】(306019111)株式会社タイトー (475)
【Fターム(参考)】