トイレの和洋改修方法
【課題】作業が比較的容易であると共に、略いずれの場所にもしっかりと洋風便器固定用のボルトを打ち込むことが可能なトイレの和洋改修方法を提供する。
【解決手段】和風便器10の上部を除去するに際し、該和風便器10の上部を床スラブ1の上面よりも所定深さだけ深いレベルまで除去すると共に、該和風便器10の周囲の表層1bも同レベルまで除去して凹所1cを形成し、次いで、和風便器10の露出面に割れ及び落下防止シート20を接着剤によって貼着し、その後、和風便器10内を充填材22で埋める。次に、和風便器10残体内と凹所1cを自硬性充填材22で埋める。この際、まず、凹所1cの底面の若干上側まで充填材22で埋め、その上に高強度繊維のネット23を敷設する。次いでこのネット23の上にさらに充填材22を供給し、凹所1cを埋める。
【解決手段】和風便器10の上部を除去するに際し、該和風便器10の上部を床スラブ1の上面よりも所定深さだけ深いレベルまで除去すると共に、該和風便器10の周囲の表層1bも同レベルまで除去して凹所1cを形成し、次いで、和風便器10の露出面に割れ及び落下防止シート20を接着剤によって貼着し、その後、和風便器10内を充填材22で埋める。次に、和風便器10残体内と凹所1cを自硬性充填材22で埋める。この際、まず、凹所1cの底面の若干上側まで充填材22で埋め、その上に高強度繊維のネット23を敷設する。次いでこのネット23の上にさらに充填材22を供給し、凹所1cを埋める。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、和風便器が設置されているトイレルームを洋風便器が設置されたトイレルームに改修するためのトイレの和洋改修方法に関する。詳しくは、コンクリート等よりなる床スラブ上に和風便器が設置されている場合に採用されるトイレの和洋改修方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ビルや公団アパート等の和風トイレルームにあっては、コンクリート製床スラブに和風便器設置用の開口が設けられ、この開口に上方から嵌め込むようにして和風便器が設置されている。和風便器の排水口には、スラブ下を引き回された排便管が接続されている。
【0003】
このような和風トイレルームを洋風便器が設置された洋風トイレルームに改修する場合、和風便器をすべてハツリ落し、排便管を立て直し、スラブ開口に補強筋を配筋してコンクリートで埋めて床を構築し、その後洋風便器を設置することが行われている。しかしながら、この工法では、階下へ和風便器の解体ガラが落下したり排便管の移動などのために階下からの工事も必要となり、工期が長くなり、コストも嵩むものとなっていた。
【0004】
階上からだけの和洋改修が可能な工法として、特許第3183295号公報には、トイレルームの床に設置された和風便器の上部及びその周囲床面を除去し、該和風便器の排水口に対して連通するように排水パイプを立ち上げ、該和風便器内を自硬性充填物で埋め、その後、その上に洋風便器を設置する工法が記載されている。同号公報の図3には、自硬性充填物内の上面近傍に鉄筋を配設し、鉄筋の両端を和風便器残体の周囲の床下地に引掛けることが記載されている。
【特許文献1】特許第3183295号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許第3183295号公報の図3の工法にあっては、洋風便器を固定するためにボルト(又はビス等)を床に打ち込む際、場所によっては、ボルトが途中で自硬性充填物内の鉄筋に当り、ボルトを十分に打ち込めないことがある。この場合、ボルトを無理に打ち込むと、鉄筋が切断され、配筋強度が著しく低下するおそれがある。
【0006】
また、この工法では、鉄筋を配設するに際し、現場寸法に合わせて鉄筋を切り出したり、ボルトの打ち込み予定領域を避けるように鉄筋を配置したりする必要があるため、作業が面倒である。
【0007】
本発明は、作業が比較的容易であると共に、略いずれの場所にもしっかりと洋風便器固定用のボルトを打ち込むことが可能なトイレの和洋改修方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明(請求項1)のトイレの和洋改修方法は、床に和風便器が設置されたトイレルームを洋風便器が設置されたトイレルームに改修する和洋改修方法であって、該和風便器の上部を前記床の上面よりも所定深さだけ深いレベルまで除去し、且つ和風便器周囲の床も同レベルまで除去して凹所を形成し、該和風便器の排水口に対して連通するように排水パイプを立ち上げ、該和風便器内及び該凹所を自硬性充填物で埋め、その後、その上に洋風便器を設置するトイレの和洋改修方法において、前記和風便器内及び該凹所を自硬性充填物で埋めるに際し、まず前記レベルよりも上側かつ床上面よりも下側まで前記和風便器内及び凹所を自硬性充填物で埋めた後、該自硬性充填物の上面に高強度繊維のネットを敷設し、その上に自硬性充填物を供給して該凹所を埋め、その後、その上に洋風便器を設置することを特徴とするものである。
【0009】
本発明(請求項2)のトイレの和洋改修方法は、床に和風便器が設置されたトイレルームを洋風便器が設置されたトイレルームに改修する和洋改修方法であって、該和風便器の上部を前記床の上面よりも所定深さだけ深いレベルまで除去し、且つ和風便器周囲の床も同レベルまで除去して凹所を形成し、該和風便器の排水口に対して連通するように排水パイプを立ち上げ、該和風便器内及び該凹所を自硬性充填物で埋め、その後、その上に洋風便器を設置するトイレの和洋改修方法において、前記自硬性充填物は高強度繊維が混合されたものであることを特徴とするものである。
【0010】
請求項3のトイレの和洋改修方法は、請求項1又は2において、前記高強度繊維は無機繊維、金属繊維又は有機繊維であることを特徴とするものである。
【0011】
請求項4のトイレの和洋改修方法は、請求項3において、該高強度繊維は、ガラス繊維、アルミナ繊維、カーボン繊維、スチール繊維、ステンレス繊維、又はアラミド繊維であることを特徴とするものである。
【0012】
請求項5のトイレの和洋改修方法は、請求項1ないし4のいずれか1項において、前記排水パイプは、少なくとも、前記和風便器の排水口に接続される下流側接続管と、前記洋風便器の排水口に接続される上流側接続管とからなることを特徴とするものである。
【0013】
請求項6のトイレの和洋改修方法は、請求項1ないし5のいずれか1項において、前記自硬性充填物を埋める前に、前記和風便器に落下防止用のシートを貼着するようにした方法であって、該シートは、前記自硬性充填物と接着性を有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明(請求項1)のトイレの和洋改修方法にあっては、和風便器内及びその周囲の凹所に充填された自硬性充填物内に、鉄筋の代わりに高強度繊維のネットが配設されている。そのため、洋風便器を固定するために床にボルトを打ち込んだ際、ボルトが途中でネットに当った場合でも、該ボルトは容易にネットを貫通して深く打ち込まれる。従って、略いずれの場所においても、しっかりとボルトを打ち込むことが可能である。
【0015】
なお、鉄筋とは異なり、ボルトがネットを貫通した際に該ネットの一部が切断されても、ネット全体の強度は殆ど又は全く低下しない。
【0016】
このネットの配設作業は、鉄筋の配設作業に比べてはるかに簡単である。
【0017】
本発明(請求項2)のトイレの和洋改修方法にあっては、自硬性充填物内に高強度繊維が混合されているので、硬化した自硬性充填物は非常に堅固なものとなる。
【0018】
この請求項2のトイレの和洋改修方法でも、自硬性充填物内に鉄筋が配設されていないため、略いずれの場所に洋風便器固定用のボルトを打ち込んでも、途中で打ち込みが阻害されることなく、しっかりとボルトを打ち込むことができる。
【0019】
請求項3,4の通り、高強度繊維としては、ガラス繊維やカーボン繊維、アルミナ繊維などの無機繊維;ステンレス繊維、スチール繊維などの金属繊維;アラミド繊維などの高強度有機繊維が好適である。これらの繊維は、腐食等に強く、耐久性に優れている。ただし、これ以外の高強度繊維が用いられてもよい。
【0020】
請求項5の通り、和風便器の排水口と洋風便器の排水口とを接続する排水パイプは、少なくとも、該和風便器の排水口に接続される下流側接続管と、洋風便器の排水口に接続される上流側接続管とからなることが好ましい。この場合、各接続管の長さや曲がり具合等を適宜選定することにより、容易に洋風便器の排水口の位置を変更することができ、洋風便器の配置の自由度が向上する。
【0021】
請求項6のように、自硬性充填物との接着性を有した落下防止用のシートを和風便器に貼着しておくと、万一和風便器が割れた際の和風便器の落下が防止される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0023】
第1図〜第9図は実施の形態に係るトイレの和洋改修方法によるトイレの改修手順を示す縦断面図である。
【0024】
第1図に示すように、トイレルームの床スラブ1に和風便器設置用開口2が設けられ、この開口2に上方から嵌め込まれるようにして陶器製の和風便器10が設置されている。この実施の形態では、該床スラブ1はコンクリート製の床スラブ本体1aと、該床スラブ本体1aの上面に形成されたモルタル等よりなる表層(仕上げ層)1bとからなる。図示の通り、和風便器10の便鉢12の上縁部が全周にわたって表層1bの上面から所定深さだけ該表層1bに埋め込まれるようにして開口2の周縁部に係合しており、両者の接合面同士はモルタルや防水剤(アスファルト等)或いは接着剤などにより水密に固着されている。この床スラブ1の下側空間に排便管3が配設され、該開口2内においてこの排便管3と和風便器10の排水口11とが接続されている。
【0025】
符号13は該便鉢12の前部(和風便器10使用者にとっての前部)から立設された前立て部を示し、符号14は和風便器10の給水管を示している。
【0026】
なお、この実施の形態では、該便鉢12の前部に排水トラップ15が連通している。該排水トラップ15は、便鉢12の下側において上下にジグザグ状に蛇行しつつ該便鉢12の前部側から後部側に向って延在している。図示の通り、この排水トラップ15の下流側は便鉢12の後部下面から下方に向って突出状に延在した管状流路となっており、その先端に排便管3への前記排水口11が設けられている。この排水トラップ15の下流側の管状流路が排便管3に差し込まれることにより排水口11が排便管3に接続されている。
【0027】
以下に、この和風トイレを洋風トイレに改修するための施工手順について説明する。
【0028】
まず、第1図から第2図のように、和風便器10の上部(便鉢12の上縁部及び前立部13等)をダイヤモンドカッター等を用いて切除する。この際、図示の通り、床スラブ1(表層1b)の上面から所定深さ(前記開口2の周縁部に対する便鉢12の上縁部の係合(引掛かり)が失われない程度の深さ)だけ深いレベルまで和風便器10の上部を除去する。また、これに伴い、該和風便器10の周囲の表層1bも、その上面から和風便器10の上部と同レベルの深さまで除去し、和風便器10の残部の周囲に凹所1cを形成する。
【0029】
次に、第3図のように便鉢12の底部(排水口11の上方に位置する部分)を除去し、排水口11が便鉢12の上方へ露見するようにする。符号12aはこの便鉢12の底部の除去により開けられた開口を示している。また、排水トラップ15内の溜水を除去しておく。
【0030】
次に、この和風便器10残体の露出面(便鉢12や排水トラップ15等の内側面、並びに該便鉢12の上縁部の切断面等)に接着剤(図示略)を付着させる。そして、この接着剤により、第4図の如く和風便器10の該露出面に割れ及び落下防止シート20を貼り付ける。落下防止シートとして、防水シート等の粘着シートを貼り付けてもよい。このシート20は、和風便器10残体が割れて部分的に落下することを防止するものである。このシート20は、例えば軟質ゴム(ブチルゴム等)の片側にガラス繊維不織布等の不織布を配置したもの等よりなる。このシートの不織布が自硬性充填物と接触するように該シートが配置されると、自硬性充填物とシートとは良好な接着性を有するようになる。この結果、万一和風便器が割れたときの落下が確実に防止される。
【0031】
また、このシート20を和風便器に貼着しておくと、自硬性充填物の膨張あるいは収縮時に自硬性充填物と和風便器との界面に生じる応力を吸収ないし緩和することができる。
【0032】
なお、この接着剤を和風便器10の露出面に付着させるのに先立ち、水分、埃、汚れ等を除去するのが好ましい。
【0033】
該接着剤は、シート20に対し予め付着ないし含浸されていてもよい。
【0034】
この接着剤とシート20とをなじませた後(接着剤がシート20に十分に浸透した後)、排水口11に対して連通するように排水パイプ21を立ち上げる。詳しくは、該排水口11に連通した排水トラップ15の下流側の前記管状流路内に、便鉢12の底部の開口12aを介して上方から排水パイプ21の下端側を差し込み、その後、接着剤を硬化させる。
【0035】
符号21aは、この排水パイプ21の下端部(該管状流路内に差し込まれる部分)の外周を取り巻くように装着されたシール部材を示している。この実施の形態では、該排水パイプ21の軸心線方向に位置を異ならせて2個のシール部材が配置されている。
【0036】
なお、この実施の形態では、新たに設置される洋風便器30(第9図)の排水口(図示略)の配置予定位置は、和風便器10の排水口11の直上方位置からずれた位置となっている。そのため、該排水パイプ21は、上端側が該洋風便器30の排水口配置予定位置に配置されるように、途中部分がクランク状に屈曲している。
この実施の形態では、該排水パイプ21は、和風便器10の排水口11に接続される下流側パイプ21dと、洋風便器30の排水口に接続される上流側パイプ21uと、これらをつなぐ中間パイプ21mとからなり、各パイプ21d,21m,21uの長さや曲がり具合等を適宜選定することにより、該上流側パイプ21uが洋風便器30の排水口配置予定位置に配置されている。
【0037】
この排水パイプ21(上流側パイプ21u)の上端側は、第5,6図に示す通り、本来の(和風便器10の上部と共に除去されていない)表層1bの上面よりも上位となる高さまで延在している。
【0038】
次に、第6図のように、和風便器10残体の内側及び周囲の凹所1cを自硬性充填材22で埋める。この実施の形態では、該自硬性充填材22として、軽量・速乾・無収縮性のモルタルを使用している。この充填材22は、まず図示の通り、該凹所1cの底面より若干上側(該底面より上側かつ床スラブ1の上面よりも下側)まで充填される。次いで、この充填材22の上面に、高強度繊維よりなるネット23が敷設される。
【0039】
このネット23を構成する高強度繊維としては、ガラスファイバ、カーボンファイバ、アルミナファイバ、ステンレスファイバ、スチールファイバ、アラミドフイァバ等が好適である。これらの繊維は、高い強度を有すると共に、腐食等にも強く、耐久性に優れている。ただし、高強度繊維はこれに限定されない。また、高強度繊維は、ビニロン等の他の材質と共に用いられてもよい。
【0040】
ネット23は、この高強度繊維をメッシュ状に成形してなるものである。このネット23の開口径は、例えば1cmとされるが、これに限定されない。
【0041】
なお、この高強度繊維よりなるネット23は、改修現場において、カッター等を用いて簡単に所望の形状に裁断することができる。
【0042】
次に、第7図のように、このネット23の上にさらに充填材22を供給し、凹所1cを埋める。この際、該充填材22は、その上面が本来の床スラブ1(表層1b)の上面と略面一となるように充填される。なお、この充填材22の上面を含む床表面にタイルやシート等の仕上げ材が張り付けられてもよい。
【0043】
充填材22が硬化した後、第8図のように、この充填材22の上面から上方に突出した排水パイプ21の上端側を所定位置から除去する。この実施の形態では、該排水パイプ21は、その切断面が周囲の充填材22の上面と面一状となるように切断される。
【0044】
次に、第9図のように、該排水パイプ21の上端に床フランジ(下流側接続部材:図示略)を装着して充填材22の上面に固定する。そして、この床フランジに連結された排水ソケット(上流側接続部材:図示略)を介して洋風便器30の排水口(図示略)と排水パイプ21とを接続しつつ床上に該洋風便器30を設置し、床にボルト31を打ち込んで該洋風便器30を固定する。
【0045】
このトイレの和洋改修方法にあっては、充填材22内に、鉄筋の代わりに高強度繊維よりなるネット23が配設されているので、ボルト31を床に打ち込んだときに、ボルト31が途中で該ネット23に当った場合でも、該ボルト31はこのネット23を容易に貫通する。そのため、略いずれの場所にボルト31を打ち込んだ場合でも、しっかりとボルト31を打ち込むことができる。
【0046】
なお、鉄筋とは異なり、ボルト31がネット23を貫通した際に該ネット23の一部が切断されても、ネット23全体の強度は殆ど又は全く低下しない。
【0047】
このネット23の配設作業は、鉄筋の配設作業に比べてはるかに簡単である。
【0048】
なお、この実施の形態では、和風便器10の割れ及び落下防止シート20を該和風便器10残体の露出面にのみ貼り付けているが、第10,11図のように、このシート20を、和風便器10の残体の露出面から該和風便器10の周囲の凹所1cの底面にまで連なるように貼り付けてもよい。このようにすることにより、和風便器10残体が該シート20の硬化物を介して床スラブ1に保持されることになり、和風便器10残体の保持強度が高いものとなる。
【0049】
第12図は別の実施の形態に係るトイレの和洋改修方法における自硬性充填材の充填完了時の断面図である。
【0050】
この実施の形態では、自硬性充填材として、予め高強度繊維が混合された充填材22Aを用いている。この実施の形態では、上部が除去された和風便器10残体及びその周囲に形成された凹所1c内に充填材22Aを充填する際に、途中で該充填材22A内に高強度繊維よりなるネット23を敷設しないこと以外は、前述の第1〜9図のトイレの和洋改修方法と同様の手順にて改修作業が行われる。
【0051】
このトイレの和洋改修方法にあっても、充填材22A内に鉄筋が配設されていないので、洋風便器を床に固定するために略いずれの場所にボルトを打ち込んでも、このボルトの打ち込みが途中で阻害されることがなく、しっかりとボルトを床に打ち込むことができる。
【0052】
上記の各実施の形態はいずれも本発明の一例を示すものであり、本発明は上記の各実施の形態に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】実施の形態に係るトイレの和洋改修方法によるトイレルームの改修手順の説明図である。
【図2】実施の形態に係るトイレの和洋改修方法によるトイレルームの改修手順の説明図である。
【図3】実施の形態に係るトイレの和洋改修方法によるトイレルームの改修手順の説明図である。
【図4】実施の形態に係るトイレの和洋改修方法によるトイレルームの改修手順の説明図である。
【図5】実施の形態に係るトイレの和洋改修方法によるトイレルームの改修手順の説明図である。
【図6】実施の形態に係るトイレの和洋改修方法によるトイレルームの改修手順の説明図である。
【図7】実施の形態に係るトイレの和洋改修方法によるトイレルームの改修手順の説明図である。
【図8】実施の形態に係るトイレの和洋改修方法によるトイレルームの改修手順の説明図である。
【図9】実施の形態に係るトイレの和洋改修方法によるトイレルームの改修手順の説明図である。
【図10】割れ及び落下防止シートの別の配置例を示す断面図である。
【図11】割れ及び落下防止シートの別の配置例を示す断面図である。
【図12】別の実施の形態に係るトイレの和洋改修方法によるトイレの改修途中時における断面図である。
【符号の説明】
【0054】
1 床スラブ
1a 床スラブ本体
1b 表層
1c 和風便器周囲のスラブ上面
2 和風便器設置用開口
3 排便管
10 和風便器
11 排水口
12 便鉢
15 排水トラップ
20 割れ防止用シート
21 排水パイプ
22,22A 充填材
23 ネット
【技術分野】
【0001】
本発明は、和風便器が設置されているトイレルームを洋風便器が設置されたトイレルームに改修するためのトイレの和洋改修方法に関する。詳しくは、コンクリート等よりなる床スラブ上に和風便器が設置されている場合に採用されるトイレの和洋改修方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ビルや公団アパート等の和風トイレルームにあっては、コンクリート製床スラブに和風便器設置用の開口が設けられ、この開口に上方から嵌め込むようにして和風便器が設置されている。和風便器の排水口には、スラブ下を引き回された排便管が接続されている。
【0003】
このような和風トイレルームを洋風便器が設置された洋風トイレルームに改修する場合、和風便器をすべてハツリ落し、排便管を立て直し、スラブ開口に補強筋を配筋してコンクリートで埋めて床を構築し、その後洋風便器を設置することが行われている。しかしながら、この工法では、階下へ和風便器の解体ガラが落下したり排便管の移動などのために階下からの工事も必要となり、工期が長くなり、コストも嵩むものとなっていた。
【0004】
階上からだけの和洋改修が可能な工法として、特許第3183295号公報には、トイレルームの床に設置された和風便器の上部及びその周囲床面を除去し、該和風便器の排水口に対して連通するように排水パイプを立ち上げ、該和風便器内を自硬性充填物で埋め、その後、その上に洋風便器を設置する工法が記載されている。同号公報の図3には、自硬性充填物内の上面近傍に鉄筋を配設し、鉄筋の両端を和風便器残体の周囲の床下地に引掛けることが記載されている。
【特許文献1】特許第3183295号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許第3183295号公報の図3の工法にあっては、洋風便器を固定するためにボルト(又はビス等)を床に打ち込む際、場所によっては、ボルトが途中で自硬性充填物内の鉄筋に当り、ボルトを十分に打ち込めないことがある。この場合、ボルトを無理に打ち込むと、鉄筋が切断され、配筋強度が著しく低下するおそれがある。
【0006】
また、この工法では、鉄筋を配設するに際し、現場寸法に合わせて鉄筋を切り出したり、ボルトの打ち込み予定領域を避けるように鉄筋を配置したりする必要があるため、作業が面倒である。
【0007】
本発明は、作業が比較的容易であると共に、略いずれの場所にもしっかりと洋風便器固定用のボルトを打ち込むことが可能なトイレの和洋改修方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明(請求項1)のトイレの和洋改修方法は、床に和風便器が設置されたトイレルームを洋風便器が設置されたトイレルームに改修する和洋改修方法であって、該和風便器の上部を前記床の上面よりも所定深さだけ深いレベルまで除去し、且つ和風便器周囲の床も同レベルまで除去して凹所を形成し、該和風便器の排水口に対して連通するように排水パイプを立ち上げ、該和風便器内及び該凹所を自硬性充填物で埋め、その後、その上に洋風便器を設置するトイレの和洋改修方法において、前記和風便器内及び該凹所を自硬性充填物で埋めるに際し、まず前記レベルよりも上側かつ床上面よりも下側まで前記和風便器内及び凹所を自硬性充填物で埋めた後、該自硬性充填物の上面に高強度繊維のネットを敷設し、その上に自硬性充填物を供給して該凹所を埋め、その後、その上に洋風便器を設置することを特徴とするものである。
【0009】
本発明(請求項2)のトイレの和洋改修方法は、床に和風便器が設置されたトイレルームを洋風便器が設置されたトイレルームに改修する和洋改修方法であって、該和風便器の上部を前記床の上面よりも所定深さだけ深いレベルまで除去し、且つ和風便器周囲の床も同レベルまで除去して凹所を形成し、該和風便器の排水口に対して連通するように排水パイプを立ち上げ、該和風便器内及び該凹所を自硬性充填物で埋め、その後、その上に洋風便器を設置するトイレの和洋改修方法において、前記自硬性充填物は高強度繊維が混合されたものであることを特徴とするものである。
【0010】
請求項3のトイレの和洋改修方法は、請求項1又は2において、前記高強度繊維は無機繊維、金属繊維又は有機繊維であることを特徴とするものである。
【0011】
請求項4のトイレの和洋改修方法は、請求項3において、該高強度繊維は、ガラス繊維、アルミナ繊維、カーボン繊維、スチール繊維、ステンレス繊維、又はアラミド繊維であることを特徴とするものである。
【0012】
請求項5のトイレの和洋改修方法は、請求項1ないし4のいずれか1項において、前記排水パイプは、少なくとも、前記和風便器の排水口に接続される下流側接続管と、前記洋風便器の排水口に接続される上流側接続管とからなることを特徴とするものである。
【0013】
請求項6のトイレの和洋改修方法は、請求項1ないし5のいずれか1項において、前記自硬性充填物を埋める前に、前記和風便器に落下防止用のシートを貼着するようにした方法であって、該シートは、前記自硬性充填物と接着性を有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明(請求項1)のトイレの和洋改修方法にあっては、和風便器内及びその周囲の凹所に充填された自硬性充填物内に、鉄筋の代わりに高強度繊維のネットが配設されている。そのため、洋風便器を固定するために床にボルトを打ち込んだ際、ボルトが途中でネットに当った場合でも、該ボルトは容易にネットを貫通して深く打ち込まれる。従って、略いずれの場所においても、しっかりとボルトを打ち込むことが可能である。
【0015】
なお、鉄筋とは異なり、ボルトがネットを貫通した際に該ネットの一部が切断されても、ネット全体の強度は殆ど又は全く低下しない。
【0016】
このネットの配設作業は、鉄筋の配設作業に比べてはるかに簡単である。
【0017】
本発明(請求項2)のトイレの和洋改修方法にあっては、自硬性充填物内に高強度繊維が混合されているので、硬化した自硬性充填物は非常に堅固なものとなる。
【0018】
この請求項2のトイレの和洋改修方法でも、自硬性充填物内に鉄筋が配設されていないため、略いずれの場所に洋風便器固定用のボルトを打ち込んでも、途中で打ち込みが阻害されることなく、しっかりとボルトを打ち込むことができる。
【0019】
請求項3,4の通り、高強度繊維としては、ガラス繊維やカーボン繊維、アルミナ繊維などの無機繊維;ステンレス繊維、スチール繊維などの金属繊維;アラミド繊維などの高強度有機繊維が好適である。これらの繊維は、腐食等に強く、耐久性に優れている。ただし、これ以外の高強度繊維が用いられてもよい。
【0020】
請求項5の通り、和風便器の排水口と洋風便器の排水口とを接続する排水パイプは、少なくとも、該和風便器の排水口に接続される下流側接続管と、洋風便器の排水口に接続される上流側接続管とからなることが好ましい。この場合、各接続管の長さや曲がり具合等を適宜選定することにより、容易に洋風便器の排水口の位置を変更することができ、洋風便器の配置の自由度が向上する。
【0021】
請求項6のように、自硬性充填物との接着性を有した落下防止用のシートを和風便器に貼着しておくと、万一和風便器が割れた際の和風便器の落下が防止される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0023】
第1図〜第9図は実施の形態に係るトイレの和洋改修方法によるトイレの改修手順を示す縦断面図である。
【0024】
第1図に示すように、トイレルームの床スラブ1に和風便器設置用開口2が設けられ、この開口2に上方から嵌め込まれるようにして陶器製の和風便器10が設置されている。この実施の形態では、該床スラブ1はコンクリート製の床スラブ本体1aと、該床スラブ本体1aの上面に形成されたモルタル等よりなる表層(仕上げ層)1bとからなる。図示の通り、和風便器10の便鉢12の上縁部が全周にわたって表層1bの上面から所定深さだけ該表層1bに埋め込まれるようにして開口2の周縁部に係合しており、両者の接合面同士はモルタルや防水剤(アスファルト等)或いは接着剤などにより水密に固着されている。この床スラブ1の下側空間に排便管3が配設され、該開口2内においてこの排便管3と和風便器10の排水口11とが接続されている。
【0025】
符号13は該便鉢12の前部(和風便器10使用者にとっての前部)から立設された前立て部を示し、符号14は和風便器10の給水管を示している。
【0026】
なお、この実施の形態では、該便鉢12の前部に排水トラップ15が連通している。該排水トラップ15は、便鉢12の下側において上下にジグザグ状に蛇行しつつ該便鉢12の前部側から後部側に向って延在している。図示の通り、この排水トラップ15の下流側は便鉢12の後部下面から下方に向って突出状に延在した管状流路となっており、その先端に排便管3への前記排水口11が設けられている。この排水トラップ15の下流側の管状流路が排便管3に差し込まれることにより排水口11が排便管3に接続されている。
【0027】
以下に、この和風トイレを洋風トイレに改修するための施工手順について説明する。
【0028】
まず、第1図から第2図のように、和風便器10の上部(便鉢12の上縁部及び前立部13等)をダイヤモンドカッター等を用いて切除する。この際、図示の通り、床スラブ1(表層1b)の上面から所定深さ(前記開口2の周縁部に対する便鉢12の上縁部の係合(引掛かり)が失われない程度の深さ)だけ深いレベルまで和風便器10の上部を除去する。また、これに伴い、該和風便器10の周囲の表層1bも、その上面から和風便器10の上部と同レベルの深さまで除去し、和風便器10の残部の周囲に凹所1cを形成する。
【0029】
次に、第3図のように便鉢12の底部(排水口11の上方に位置する部分)を除去し、排水口11が便鉢12の上方へ露見するようにする。符号12aはこの便鉢12の底部の除去により開けられた開口を示している。また、排水トラップ15内の溜水を除去しておく。
【0030】
次に、この和風便器10残体の露出面(便鉢12や排水トラップ15等の内側面、並びに該便鉢12の上縁部の切断面等)に接着剤(図示略)を付着させる。そして、この接着剤により、第4図の如く和風便器10の該露出面に割れ及び落下防止シート20を貼り付ける。落下防止シートとして、防水シート等の粘着シートを貼り付けてもよい。このシート20は、和風便器10残体が割れて部分的に落下することを防止するものである。このシート20は、例えば軟質ゴム(ブチルゴム等)の片側にガラス繊維不織布等の不織布を配置したもの等よりなる。このシートの不織布が自硬性充填物と接触するように該シートが配置されると、自硬性充填物とシートとは良好な接着性を有するようになる。この結果、万一和風便器が割れたときの落下が確実に防止される。
【0031】
また、このシート20を和風便器に貼着しておくと、自硬性充填物の膨張あるいは収縮時に自硬性充填物と和風便器との界面に生じる応力を吸収ないし緩和することができる。
【0032】
なお、この接着剤を和風便器10の露出面に付着させるのに先立ち、水分、埃、汚れ等を除去するのが好ましい。
【0033】
該接着剤は、シート20に対し予め付着ないし含浸されていてもよい。
【0034】
この接着剤とシート20とをなじませた後(接着剤がシート20に十分に浸透した後)、排水口11に対して連通するように排水パイプ21を立ち上げる。詳しくは、該排水口11に連通した排水トラップ15の下流側の前記管状流路内に、便鉢12の底部の開口12aを介して上方から排水パイプ21の下端側を差し込み、その後、接着剤を硬化させる。
【0035】
符号21aは、この排水パイプ21の下端部(該管状流路内に差し込まれる部分)の外周を取り巻くように装着されたシール部材を示している。この実施の形態では、該排水パイプ21の軸心線方向に位置を異ならせて2個のシール部材が配置されている。
【0036】
なお、この実施の形態では、新たに設置される洋風便器30(第9図)の排水口(図示略)の配置予定位置は、和風便器10の排水口11の直上方位置からずれた位置となっている。そのため、該排水パイプ21は、上端側が該洋風便器30の排水口配置予定位置に配置されるように、途中部分がクランク状に屈曲している。
この実施の形態では、該排水パイプ21は、和風便器10の排水口11に接続される下流側パイプ21dと、洋風便器30の排水口に接続される上流側パイプ21uと、これらをつなぐ中間パイプ21mとからなり、各パイプ21d,21m,21uの長さや曲がり具合等を適宜選定することにより、該上流側パイプ21uが洋風便器30の排水口配置予定位置に配置されている。
【0037】
この排水パイプ21(上流側パイプ21u)の上端側は、第5,6図に示す通り、本来の(和風便器10の上部と共に除去されていない)表層1bの上面よりも上位となる高さまで延在している。
【0038】
次に、第6図のように、和風便器10残体の内側及び周囲の凹所1cを自硬性充填材22で埋める。この実施の形態では、該自硬性充填材22として、軽量・速乾・無収縮性のモルタルを使用している。この充填材22は、まず図示の通り、該凹所1cの底面より若干上側(該底面より上側かつ床スラブ1の上面よりも下側)まで充填される。次いで、この充填材22の上面に、高強度繊維よりなるネット23が敷設される。
【0039】
このネット23を構成する高強度繊維としては、ガラスファイバ、カーボンファイバ、アルミナファイバ、ステンレスファイバ、スチールファイバ、アラミドフイァバ等が好適である。これらの繊維は、高い強度を有すると共に、腐食等にも強く、耐久性に優れている。ただし、高強度繊維はこれに限定されない。また、高強度繊維は、ビニロン等の他の材質と共に用いられてもよい。
【0040】
ネット23は、この高強度繊維をメッシュ状に成形してなるものである。このネット23の開口径は、例えば1cmとされるが、これに限定されない。
【0041】
なお、この高強度繊維よりなるネット23は、改修現場において、カッター等を用いて簡単に所望の形状に裁断することができる。
【0042】
次に、第7図のように、このネット23の上にさらに充填材22を供給し、凹所1cを埋める。この際、該充填材22は、その上面が本来の床スラブ1(表層1b)の上面と略面一となるように充填される。なお、この充填材22の上面を含む床表面にタイルやシート等の仕上げ材が張り付けられてもよい。
【0043】
充填材22が硬化した後、第8図のように、この充填材22の上面から上方に突出した排水パイプ21の上端側を所定位置から除去する。この実施の形態では、該排水パイプ21は、その切断面が周囲の充填材22の上面と面一状となるように切断される。
【0044】
次に、第9図のように、該排水パイプ21の上端に床フランジ(下流側接続部材:図示略)を装着して充填材22の上面に固定する。そして、この床フランジに連結された排水ソケット(上流側接続部材:図示略)を介して洋風便器30の排水口(図示略)と排水パイプ21とを接続しつつ床上に該洋風便器30を設置し、床にボルト31を打ち込んで該洋風便器30を固定する。
【0045】
このトイレの和洋改修方法にあっては、充填材22内に、鉄筋の代わりに高強度繊維よりなるネット23が配設されているので、ボルト31を床に打ち込んだときに、ボルト31が途中で該ネット23に当った場合でも、該ボルト31はこのネット23を容易に貫通する。そのため、略いずれの場所にボルト31を打ち込んだ場合でも、しっかりとボルト31を打ち込むことができる。
【0046】
なお、鉄筋とは異なり、ボルト31がネット23を貫通した際に該ネット23の一部が切断されても、ネット23全体の強度は殆ど又は全く低下しない。
【0047】
このネット23の配設作業は、鉄筋の配設作業に比べてはるかに簡単である。
【0048】
なお、この実施の形態では、和風便器10の割れ及び落下防止シート20を該和風便器10残体の露出面にのみ貼り付けているが、第10,11図のように、このシート20を、和風便器10の残体の露出面から該和風便器10の周囲の凹所1cの底面にまで連なるように貼り付けてもよい。このようにすることにより、和風便器10残体が該シート20の硬化物を介して床スラブ1に保持されることになり、和風便器10残体の保持強度が高いものとなる。
【0049】
第12図は別の実施の形態に係るトイレの和洋改修方法における自硬性充填材の充填完了時の断面図である。
【0050】
この実施の形態では、自硬性充填材として、予め高強度繊維が混合された充填材22Aを用いている。この実施の形態では、上部が除去された和風便器10残体及びその周囲に形成された凹所1c内に充填材22Aを充填する際に、途中で該充填材22A内に高強度繊維よりなるネット23を敷設しないこと以外は、前述の第1〜9図のトイレの和洋改修方法と同様の手順にて改修作業が行われる。
【0051】
このトイレの和洋改修方法にあっても、充填材22A内に鉄筋が配設されていないので、洋風便器を床に固定するために略いずれの場所にボルトを打ち込んでも、このボルトの打ち込みが途中で阻害されることがなく、しっかりとボルトを床に打ち込むことができる。
【0052】
上記の各実施の形態はいずれも本発明の一例を示すものであり、本発明は上記の各実施の形態に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】実施の形態に係るトイレの和洋改修方法によるトイレルームの改修手順の説明図である。
【図2】実施の形態に係るトイレの和洋改修方法によるトイレルームの改修手順の説明図である。
【図3】実施の形態に係るトイレの和洋改修方法によるトイレルームの改修手順の説明図である。
【図4】実施の形態に係るトイレの和洋改修方法によるトイレルームの改修手順の説明図である。
【図5】実施の形態に係るトイレの和洋改修方法によるトイレルームの改修手順の説明図である。
【図6】実施の形態に係るトイレの和洋改修方法によるトイレルームの改修手順の説明図である。
【図7】実施の形態に係るトイレの和洋改修方法によるトイレルームの改修手順の説明図である。
【図8】実施の形態に係るトイレの和洋改修方法によるトイレルームの改修手順の説明図である。
【図9】実施の形態に係るトイレの和洋改修方法によるトイレルームの改修手順の説明図である。
【図10】割れ及び落下防止シートの別の配置例を示す断面図である。
【図11】割れ及び落下防止シートの別の配置例を示す断面図である。
【図12】別の実施の形態に係るトイレの和洋改修方法によるトイレの改修途中時における断面図である。
【符号の説明】
【0054】
1 床スラブ
1a 床スラブ本体
1b 表層
1c 和風便器周囲のスラブ上面
2 和風便器設置用開口
3 排便管
10 和風便器
11 排水口
12 便鉢
15 排水トラップ
20 割れ防止用シート
21 排水パイプ
22,22A 充填材
23 ネット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
床に和風便器が設置されたトイレルームを洋風便器が設置されたトイレルームに改修する和洋改修方法であって、
該和風便器の上部を前記床の上面よりも所定深さだけ深いレベルまで除去し、且つ和風便器周囲の床も同レベルまで除去して凹所を形成し、
該和風便器の排水口に対して連通するように排水パイプを立ち上げ、
該和風便器内及び該凹所を自硬性充填物で埋め、
その後、その上に洋風便器を設置する
トイレの和洋改修方法において、
前記和風便器内及び該凹所を自硬性充填物で埋めるに際し、まず前記レベルよりも上側かつ床上面よりも下側まで前記和風便器内及び凹所を自硬性充填物で埋めた後、該自硬性充填物の上面に高強度繊維のネットを敷設し、その上に自硬性充填物を供給して該凹所を埋め、その後、その上に洋風便器を設置することを特徴とするトイレの和洋改修方法。
【請求項2】
床に和風便器が設置されたトイレルームを洋風便器が設置されたトイレルームに改修する和洋改修方法であって、
該和風便器の上部を前記床の上面よりも所定深さだけ深いレベルまで除去し、且つ和風便器周囲の床も同レベルまで除去して凹所を形成し、
該和風便器の排水口に対して連通するように排水パイプを立ち上げ、
該和風便器内及び該凹所を自硬性充填物で埋め、
その後、その上に洋風便器を設置する
トイレの和洋改修方法において、
前記自硬性充填物は高強度繊維が混合されたものであることを特徴とするトイレの和洋改修方法。
【請求項3】
請求項1又は2において、前記高強度繊維は無機繊維、金属繊維又は有機繊維であることを特徴とするトイレの和洋改修方法。
【請求項4】
請求項3において、該高強度繊維は、ガラス繊維、アルミナ繊維、カーボン繊維、スチール繊維、ステンレス繊維、又はアラミド繊維であることを特徴とするトイレの和洋改修方法。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項において、前記排水パイプは、少なくとも、前記和風便器の排水口に接続される下流側接続管と、前記洋風便器の排水口に接続される上流側接続管とからなることを特徴とするトイレの和洋改修方法。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1項において、前記自硬性充填物を埋める前に、前記和風便器に落下防止用のシートを貼着するようにした方法であって、
該シートは、前記自硬性充填物と接着性を有することを特徴とするトイレの和洋改修方法。
【請求項1】
床に和風便器が設置されたトイレルームを洋風便器が設置されたトイレルームに改修する和洋改修方法であって、
該和風便器の上部を前記床の上面よりも所定深さだけ深いレベルまで除去し、且つ和風便器周囲の床も同レベルまで除去して凹所を形成し、
該和風便器の排水口に対して連通するように排水パイプを立ち上げ、
該和風便器内及び該凹所を自硬性充填物で埋め、
その後、その上に洋風便器を設置する
トイレの和洋改修方法において、
前記和風便器内及び該凹所を自硬性充填物で埋めるに際し、まず前記レベルよりも上側かつ床上面よりも下側まで前記和風便器内及び凹所を自硬性充填物で埋めた後、該自硬性充填物の上面に高強度繊維のネットを敷設し、その上に自硬性充填物を供給して該凹所を埋め、その後、その上に洋風便器を設置することを特徴とするトイレの和洋改修方法。
【請求項2】
床に和風便器が設置されたトイレルームを洋風便器が設置されたトイレルームに改修する和洋改修方法であって、
該和風便器の上部を前記床の上面よりも所定深さだけ深いレベルまで除去し、且つ和風便器周囲の床も同レベルまで除去して凹所を形成し、
該和風便器の排水口に対して連通するように排水パイプを立ち上げ、
該和風便器内及び該凹所を自硬性充填物で埋め、
その後、その上に洋風便器を設置する
トイレの和洋改修方法において、
前記自硬性充填物は高強度繊維が混合されたものであることを特徴とするトイレの和洋改修方法。
【請求項3】
請求項1又は2において、前記高強度繊維は無機繊維、金属繊維又は有機繊維であることを特徴とするトイレの和洋改修方法。
【請求項4】
請求項3において、該高強度繊維は、ガラス繊維、アルミナ繊維、カーボン繊維、スチール繊維、ステンレス繊維、又はアラミド繊維であることを特徴とするトイレの和洋改修方法。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項において、前記排水パイプは、少なくとも、前記和風便器の排水口に接続される下流側接続管と、前記洋風便器の排水口に接続される上流側接続管とからなることを特徴とするトイレの和洋改修方法。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1項において、前記自硬性充填物を埋める前に、前記和風便器に落下防止用のシートを貼着するようにした方法であって、
該シートは、前記自硬性充填物と接着性を有することを特徴とするトイレの和洋改修方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−118257(P2006−118257A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−308342(P2004−308342)
【出願日】平成16年10月22日(2004.10.22)
【出願人】(000000479)株式会社INAX (1,429)
【出願人】(504271984)INAXトステム・ビルリモデリング株式会社 (9)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年10月22日(2004.10.22)
【出願人】(000000479)株式会社INAX (1,429)
【出願人】(504271984)INAXトステム・ビルリモデリング株式会社 (9)
【Fターム(参考)】
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