説明

トイレシステム

【課題】既設トイレが使用中であるときは簡易トイレ装置からの排出を禁止する。
【解決手段】既設トイレ装置側のトイレ使用状態信号を生成する。簡易トイレ装置側には、汚物の排出機構と、この排出機構を制御するための通信機能および報知機能を備えた制御部が設けられる。便蓋の開状態をトイレ使用中とし、閉状態をトイレ使用の終了と見なす。トイレ使用状態信号は簡易トイレ装置に送信される。使用状態信号を受信すると、汚物の排出機構と報知手段が作動する。既設トイレ装置が使用されているときは、汚物排出機構の排出処理が禁止され、排出処理操作がロックされる。トイレ使用の終了を示すトイレ使用状態信号を受信すると、排出禁止処理が解除される。排出処理は、直ちに行うのではなく、トイレ使用の終了を示すトイレ使用状態信号を受信してから所定時間経過後に行う。これによって既設トイレ装置の使用中や使用直後に汚物が排出されるのを回避できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、簡易トイレ装置と既設トイレ装置からなるトイレシステムに関する。詳しくは、簡易トイレ装置に排泄された汚物を、既設トイレ装置の便器内部に排出できるようなトイレシステムを構築する場合、既設トイレ装置の使用状態によって簡易トイレ装置の汚物排出機構の排出処理を規制することで、既設トイレ装置を使用しているときに簡易トイレ装置側からの汚物が排出されるのを回避できるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
介護を必要とする老人や、身体が不自由で家屋内の既設トイレまで出向くことが困難な人のために、可搬型の簡易トイレが開発されている(例えば特許文献1)。
【0003】
この可搬型簡易トイレは、居室内に設置できるように椅子型に構成され、この椅子に座って用を足すことができる。可搬型簡易トイレには便器に洗浄水を流すための給水ホースと、汚物を排出する排出用の排出ホースが設けられ、そして汚物を圧送する手段が設けられている。
【0004】
【特許文献1】特開2004−308404号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、この特許文献1に開示された簡易トイレ装置が水洗式のトイレ装置であるときには、その洗浄水の供給および排泄された汚物の処理が問題となる。この問題を解決する手段として既設のトイレ装置を利用することが考えられる。つまり、既設トイレ装置の洗浄水を簡易トイレ装置まで導くと共に、簡易トイレ装置の汚物を、使用した洗浄水とともに既設トイレ装置の便器に排出するようにトイレシステムを構築する。このように既設トイレ装置を利用できれば、簡易トイレ装置を使用するときの設備費、工事費等を抑えることができるなどのメリットがある。
【0006】
しかし、既設トイレ装置は家族なども利用するものであるから、既設トイレ装置の使用中に、簡易トイレ装置が利用されることもあるし、簡易トイレ装置の使用中に、既設トイレ装置が利用されるケースもある。このような場合、例えば既設トイレ装置を使用している最中に、突然簡易トイレ装置側から汚物などが排出されたのでは、既設トイレ装置を利用する家族は驚きと共に戸惑いを隠せない。
【0007】
そこで、この発明はこのような従来の課題を解決したものであって、特に簡易トイレ装置と既設トイレ装置とで構築されるトイレシステムにあって、既設トイレ装置を使用しているときは、簡易トイレ装置の排出処理を制限することで、既設トイレ装置の使用中に簡易トイレ装置側から汚物が排出されないようにしたトイレシステムを提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決するため、請求項1に記載したこの発明に係るトイレシステムでは、簡易トイレ装置に排泄された汚物を既設トイレ装置の便器内に排出するようにしたトイレシステムにおいて、
上記簡易トイレ装置には汚物の排出機構を制御する制御部と、
上記既設トイレ装置からのトイレ使用状態信号を受信する受信手段とが設けられ、
上記制御部は、上記トイレ使用状態信号に基づいて上記排出機構を制御することを特徴とする。
【0009】
この発明では、簡易トイレ装置と既設トイレ装置とによってトイレシステムを構築する。既設トイレ装置にはトイレ装置の使用状態を検知する検知手段が配されると共に、検知手段からの検知出力をトイレの使用状態信号として生成すると共に、このトイレ使用状態信号を送信できる送信手段を備える。これに対して、簡易トイレ装置側には、汚物の排出機構と、この排出機構を制御するための通信機能および報知機能を備えた制御部が設けられる。また、報知手段が装備される。
【0010】
既設トイレ装置の使用状態を検知し、使用状態が検知されたときは、トイレ使用状態信号として簡易トイレ装置に送信する。トイレ装置の使用状態を検知する検知手段としては、臭気センサ、重量センサ、人感センサ、便蓋の開閉検知センサなどが考えられる。
【0011】
例えば便蓋の開閉検知センサを検知手段として使用すると、便蓋の開状態がトイレ使用中となり、便蓋の閉状態はトイレ使用の終了と見なせることから、便蓋の開状態が検知されると、トイレ使用中を示すトイレ使用状態信号が生成される。そして、便蓋の閉状態が検知されると、トイレ使用の終了を示すトイレ使用状態信号が生成される。
【0012】
使用状態信号を簡易トイレ装置が受信すると、汚物の排出機構と報知手段が作動する。既設トイレ装置が使用されているときは、汚物排出機構の排出処理が禁止される。したがって排出処理のための操作をしても、その操作がロックされて作動しない。
【0013】
また、これに加えてトイレ使用を制限する簡易トイレ使用制限手段を作動させることもできる。例えば便蓋に対するロック手段を簡易トイレの使用制限手段として使用するときには、ロック手段が動作して便蓋の開閉が規制される。便蓋を開けようとしても開けることができない。
【0014】
既設トイレ装置のトイレ使用の終了を示すトイレ使用状態信号であるときは排出処理の禁止および必要に応じてロック手段をそれぞれ解除する。したがって、これから簡易トイレ装置を使用するときは便蓋を自由に開閉できる。待機中にあったときは排出処理が実行される。
【0015】
排出処理は、直ちに行うのではなく、トイレ使用の終了を示すトイレ使用状態信号を受信してから所定時間経過後に行う。これは、即座に排出処理を実行すると、既設トイレ装置の利用者がまだ洗面所から出ないうちに汚物が既設トイレ装置へ排出されることもあり得るので、そのような事態を回避するためである。
【0016】
トイレ使用状態信号を受信したときには、報知手段を作動させることで、その旨の情報が簡易トイレ装置使用者に報知される。排出操作をしても排出処理が実行されないなどの原因を即座に把握でき、これによって簡易トイレ装置使用者の不安を払拭できる。
【0017】
報知手段としては、使用状態を文字表示する表示部、報知用の表示灯の何れか1つまたは2つ以上の組み合わせで構成する。場合によってはブザーなどの警報手段を併用することが考えられる。
【0018】
簡易トイレ装置は種々の構成を採り得る。例えば簡易トイレ装置の便器本体に汚物の粉砕手段を設ける。粉砕した汚物は既設のトイレ装置に圧送する。効果的な圧送と、便器本体内を清潔に保つため、溜まり部の上部を閉塞する開閉蓋を設けるなどと言った構成が考えられる。
【発明の効果】
【0019】
この発明に係るトイレシステムは、既設トイレ装置の使用状態を検知して、簡易トイレ装置における汚物排出機構を制御するようにしたものである。
【0020】
これによれば、既設トイレ装置が使用状態にあるときは、簡易トイレ装置の排出処理が制限されるので、既設トイレ装置が使用中のときに簡易トイレ装置側から汚物が排出されるような事態を確実に回避できる特徴を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
続いて、この発明に係るトイレシステムの好ましい実施例を図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0022】
この発明に係るトイレシステムは、居室内で使用できるように工夫された可搬型の簡易トイレ装置と既設トイレ装置とによって構築される。図1はその一例を示す。簡易トイレ装置と既設トイレ装置との間はホース(洗浄水用のホースと排出用のホース)によって連結される。
【0023】
図1は家屋1の廊下2に面して既設トイレ装置3が設置された例である。既設トイレ装置3内には便器(便器本体)4と注水タンク5が設置されている。廊下2に沿ってこの例では居室兼寝室としての部屋6が位置し、部屋6内には例えばベッド7が置かれている。
【0024】
部屋6内で使用できる簡易トイレ装置10は、お尻洗浄機能の付いたいわゆる温水洗浄便座の設備が付いた簡易トイレ装置(洋式トイレタイプ)が好適であるが、以下の説明はこの温水洗浄便座の設備についての説明は省いてある。簡易トイレ装置10への洗浄水の供給は既設トイレ装置3側から行われ、簡易トイレ装置10の汚物などは既設トイレ装置3の便器4内に排出される。そのため、簡易トイレ装置10に連結された給水ホース12は、既設トイレ装置3の給水管(図示はしない)に連結される。同じように簡易トイレ装置10に接続された排出ホース14は便器4に設けられた連結部(後述する)に連結される。
【0025】
図2はこの発明に適用できる簡易トイレ装置10の一例を示す要部断面図である。この簡易トイレ装置10に設けられた便器本体20は通常の水洗式トイレ(洋式トイレ)とほぼ同じ漏斗状の断面形状をなすが、その全体形状は箱型として構成される。近年はインテリア要素も望まれ、必ずしも箱形だけではなく、例えば肘掛けのある椅子型のものも利用できる。
【0026】
便器本体20を軽量化するため、この例では便器本体20はプラスチックによる成型品であるが、陶器等の他の素材を使用して成形してもよい。便器本体20の上部開口部側には便座21が位置すると共に、この便座21および上部開口部を閉塞するような便蓋23が設けられている。
【0027】
便器本体20の底部がトラップ水(溜まり水)や汚物の溜まり部18となる。
溜まり部18に連通して断面がほぼ「へ」の字状をなす排出部22が設けられ、排出口27に排出ホース14が連結される。そのため、この例では便器本体20の背面部20bに連結部26が設けられると共に、便器本体20の内部であって、開閉弁として機能する電磁弁24が連結部26に近接して設けられている。溜まり部18に連通する排出部22の形状は、図示の形状の他にP型、U型、椀型などが考えられる。これらの形状はいずれも同様な作用効果が得られる。なお、断面がほぼ「へ」の字状をなす排出部22は、一般にS字トラップと呼称されることが多い。
【0028】
電磁弁24は、給水用の電磁弁32と共に排出機構の一部として機能する。電磁弁24は、溜まり部18内のトラップ水(汚物を含んだ水)を便器外に排出するときだけ開くように制御され、トイレを使用していないときは閉じられている。排出の制御と漏水を防止するためである。また、同時に後述するエアコンプレッサの圧力により効果的に汚物を排出するためである。
【0029】
便器本体20の上部近辺で、排出部側の壁面18aには洗浄水の給水口28が設けられている。本体背面部20bに設けられた連結部34とこの給水口28との間には連結管30が配されると共に、連結部34の近傍には電磁弁32が取り付けられている。連結部34に連結される給水ホース12からの給水(洗浄水)をこの電磁弁32によって制御できるようにするためである。給水口28と壁面18aとの間にはゴム状の漏水防止管29が介挿され、便器本体20の背面空間部20a側に漏水しないようにしている。
【0030】
溜まり部18の底部には粉砕手段40が設けられる。粉砕手段40は溜まり部18内に溜まった汚物やトイレットペーパー(以下汚物と総称する)を砕くためのもので、粉砕した流状物をトラップ水と混合して排出するようにしている。
【0031】
粉砕手段40はモータ42と粉砕羽根44とで構成することができ、図2ではそのうち粉砕羽根44のみ溜まり部18内に臨むように取り付けられる。そのため、モータ42は溜まり部18の底部外壁19側に配置され、ボルトやナットによる支持具46によって便器本体20に取り付け固定される。モータ42の回転軸は溜まり部18の底部と水密的に結合されている。モータ42は溜まり部18の底部外壁19側ではなく、便器本体20の底面板20cに固定するようにしてもよい。
【0032】
この底面板20cにはCPUなどで構成された制御部50が配される。上述した排出用電磁弁24、給水用電磁弁32、モータ42などの各駆動が、制御部50によって所定のタイミングで所定の時間だけ制御される。さらに、後述するようにこの制御部50では既設トイレ装置3からの状態信号(トイレ使用状態信号)を受信したときは、排出禁止処理などの対応する処理を行うような機能が付加されている。
【0033】
制御部50用の電源スイッチ52は本体背面部20bに設けられ、本体上面部であって、便蓋23の下面には便蓋23の開閉を検知する開閉検知スイッチ55(後述する)が設けられている。
【0034】
便器本体20の上面であって、この例では便座21の後面側には制御部50によって制御される報知手段250が設置されている。この例では、文字表示部と報知用の表示灯とで報知手段250が構成される。その詳細は後述する。
【0035】
簡易トイレ装置10はさらに以下の構造を有する。図2に示すように、便器本体20における溜まり部18の背面上部であって、給水口28よりも下側の所定位置には、溜まり部18に所定の圧縮空気を送給するための粉砕物の圧送手段200と、溜まり部18を密閉する開閉蓋機構245が設けられる。
【0036】
圧送手段200はエアコンプレッサで構成することができ、このエアコンプレッサ200の送給管204が取り付け手段206を介して壁面18aより溜まり部18側に導出される。取り付け手段206は溜まり部18のトラップ水の水面より上部に設けられる。エアコンプレッサ200は便器本体20の背面空間部20a内に設けられた取り付け板202に固定される。また同様に、溜まり部18に所定の圧縮空気を給送するための圧送手段200と同機能を発揮させるために簡易トイレ装置本体の外部より圧縮空気を取り入れ、同様の作用を行わせることもできる。
【0037】
開閉蓋機構245はこの圧送手段200よりもさらに上部であるが、圧送手段200と少許の間隔を隔てて配置される。開閉蓋本体の開閉方法としては、スライド式と回動式とが考えられる。図2は回動式の例である。
【0038】
図2に示すように、溜まり部18の上部であって、圧送手段200の取り付け位置よりも若干上部側に縮径部240が設けられる。縮径部240を閉塞し、溜まり部18を密閉できるように、縮径部240の下面には開閉蓋機構245が設けられる。
【0039】
縮径部240は環状フランジ部として構成され、その全体は多少排出部22側に傾斜するように設けられている。縮径部240の下面側には、この縮径部240を閉塞できるような回動式の開閉蓋機構245が設けられる。
【0040】
この例では、開閉蓋機構245を構成する蓋本体246を有し、この蓋本体246の一端、図の例では右端部が回動軸部247となされ、この回動軸部247が縮径部240の下面部241に位置するように、便器本体20に対して回動自在に軸支される。この軸支部は便器本体20に対して水密的に軸支されている。
【0041】
蓋本体246は下面縁部242に沿った形状をなすと共に、通常はこの下面縁部242に接触して溜まり部18内を密閉できるように、回動軸部247と下面部241の壁面との間には付勢用のバネ248が巻き付けられている。
【0042】
簡易型トイレ装置10をこのように構成した場合、排泄物が蓋本体246に落下すると、その自重によって蓋本体246の先端部側が開くので(図3参照)、排泄物は溜まり部18内に落下する。また、排泄物が落下すると蓋本体246はバネ248の作用で原位置(図2参照)に自動復帰して溜まり部18の上部が閉塞される。
【0043】
なお、図2,図3においては、蓋本体246が原位置においてほぼ水平となるよう設けた例を図示したが、上述した如く、縮径部240は排出部22側に多少傾斜するように設けられているので、開閉蓋機構245を構成する蓋本体246自体を、排出部22側に傾いて取り付けられるようにすれば、蓋本体246の上面に落下した排泄物を残らず、溜まり部18内に落とし込むことができる。
【0044】
蓋本体246の溜まり部18上面への摺接によって、溜まり部18内が密閉状態となる。完全な密閉までは要求されない。この閉蓋状態でエアコンプレッサ200を作動させるとその圧縮空気が溜まり部18内に送給され、トラップ水に対して押圧力が作用する。この状態で電磁弁24を開くことにより、溜まり部18内の粉砕物を排出ホース14側に圧送できる。ここに、粉砕物は、粉砕された汚物とトラップ水を混合した流状物を指す。
【0045】
このように溜まり部18は蓋本体246によって密閉されているので、圧縮空気は溜まり部18側に効果的に作用する。粉砕された汚物は流状物となっているため、圧縮空気を溜まり部18に作用させれば、流状物を容易に洗浄水と共に排出ホースを通して排出できる。
【0046】
溜まり部18内を密閉した状態で流状物を圧送するものであるから、圧送手段200として使用されるエアコンプレッサとしては比較的小型のコンプレッサを使用できる。開閉蓋機構245を用いているため、汚物の粉砕時、汚物が便器本体20内に飛散するのを防止できるから、便器本体20が不衛生状態となることはない。
【0047】
便器本体20の上面であって、便蓋23の回動軸23aに関連してロック手段268が設けられる。このロック手段268はトイレ使用制限手段として機能するもので、回動軸23aに対する回転規制手段となる。既設トイレ装置3からのトイレ使用状態信号がトイレ使用中であることを示す信号であるときは、このロック手段268が作動する。ロック手段268が作動すると、回動軸23aが動かなくなり、便蓋23がロックされる。トイレ使用状態信号がトイレ使用の終了を示す信号であるときは、このロック手段268のロックが解除され、便蓋23のロックが開放される。
【0048】
図4は既設の既設トイレ装置3の説明である。簡易トイレ装置10への洗浄水の供給は便器本体108に供給する洗浄水を分流させて使用する。簡易トイレ装置10からの汚物(屎尿等)は便器本体108内に直接排出できるように便器本体108を改良する。
【0049】
図4の例では、便器本体108には排出管110が連結され、その溜まり部109よりも上部側に排出導出口112が設けられる。排出導出口112には排出管113が連結され、排出管113は便器本体108の背面側に設けられた連結部114に連結される。この連結部114に排出ホース14の連結部62Bが連結される。排出導出口112を設けるのではなく、排出管110側に直接排出管113を連結するようにしてもよい。
【0050】
このように既設の便器本体108を改良する場合には、簡易トイレ装置10とこの便器本体108には高低差が生ずることがある。連結部114が簡易トイレ装置10の便器本体20よりも高い場所に位置するときには、排出ホース14内に汚物の流状物が滞留するおそれがある。しかし、このように高低差がある場合でも、上述したエアコンプレッサ200からの圧縮空気によって流状物を圧送すれば、流状物が排出ホース14内に残留することなく、確実に便器本体108側に排出できる。
【0051】
便器本体108の開口端部側であって便座232の下面には便蓋230の開閉状態を検知するための開閉検知スイッチ115が設けられる。この検知スイッチ115によって、既設トイレ装置3の使用状態が検知される。この例では便蓋230を開けたとき、使用状態(使用中)と判断し、便蓋230が閉じられたとき使用状態の終了(使用済み)と判断する。
【0052】
既設の既設トイレ装置3の壁260には温水洗浄のための操作部270が設けられている。この例では、この操作部270の近くにフック280が設けられており、ここに既設トイレ装置3用の制御部、この例では携帯型の制御装置290が装着される。制御装置290は簡易トイレ装置10にトイレ使用状態信号を送るための送信機能を有する。制御装置290を操作部270内に組み込み、お尻洗浄装置(図示はしない)の付加機能として位置付けることもできる。
【0053】
制御装置290の操作パネル側には電源スイッチ292の他に、報知手段310が配設される。この例では、文字表示部294および表示灯296で報知手段310が構成される。文字表示部294にはトイレ使用状態信号に係わるメッセージが表示される。例えば、既設トイレ装置3が使用中であるときは、「トイレ使用中」、トイレ使用が終了したときは、「トイレ使用終了」のようなメッセージを表示する。こうすることで、簡易トイレ装置10に対する制御態様を既設トイレ装置3側でも認識できるので便利である。
【0054】
上述した簡易トイレ装置10と既設トイレ装置3との間に連結される給水ホース12の一例を図5に、排出ホース14の一例を図6に示す。図5に示すように、給水ホース12の一端部12aを上水道管側に接続される端部とし、他端部12bを簡易トイレ装置10に接続される端部としたとき、一端部12aおよび他端部12bに各々逆止弁付きの連結部60A,60Bが取り付けられている。
【0055】
図6に示す排出ホース14にも同様に一端部14aおよび他端部14bに逆止弁付きの連結部62A,62Bが設けられている。この場合の一端部14aは下水道管側などに接続される端部であり、他端部14bは簡易トイレ装置10側に連結される端部である。
【0056】
給水ホース12は便器本体20に供給される洗浄水用として使用されるものであるから、小径のビニルホースなどを使用することができる。これに対して、排出ホース14は、その管内を汚物などを粉砕した流状物(粒状物)が流れるものであるから、給水ホース12と同径か僅かに太い径のビニルホースなどを使用することができる。これは固まった汚物ではなく、洗浄水と混合した流状物を取り扱うためである。図6は、給水ホース12よりも大径の排出ホース14を使用した場合である。
【0057】
給水ホース12と排出ホース14の管径を、例えば上述したような管径に選定すると、元々太さが違うために、給水ホース12を排出ホースとして使用したり、排出ホース14を給水ホースと間違って連結したりする、初歩的な誤連結作業を確実に防止できる。もちろん、異なる管径のものを使用する場合に限らず、同じ管径のものを使用する場合でも、図5および図6に示すように、目印となる名称例えば「給水ホース」や「排出ホース」という名称をホースの表面に刻印することで、誤連結を確実に防止できる。また、連結部の接合金具形状を非共通化することで誤連結防止を行うこともできる。更に、給水ホースと排出ホースとの色を変え色別により誤連結を防止することもできる。
【0058】
逆止弁付きの連結部60(62)の一例を図7に示す。図7のように本体63の中空内部に断面矩形状の弁作動室64が設けられ、ここに弁作用をなす球体65とそれに対する押圧バネ66とが設けられ、水圧が矢印a方向に作用することで弁が開くようになっている。これにより簡易トイレ装置側と上下水道管側からの双方の逆流防止を行っている。
【0059】
一方、連結部60(62)のうちの他方の連結部60B(62B)にあっては、これを簡易トイレ装置側と例えば既設便器の下水道管側に連結したとき、逆止弁の球体65が押圧バネ66に抗して後退する凸部(図示せず)を、簡易トイレ装置側と下水道管側のそれぞれに設けることで、連結部60(62)を連結したときには内部の弁が開放されて連通状態となり、連結を外したときには内部の弁が閉じ、ホース内の液体が外部に漏れ出さないように構成されている。
【0060】
したがって、上水道管に給水ホース12の連結部60Aを取り付け、便器本体20側に連結部60Bを取り付けた状態で、連結部60Aを取り外しても管内部の水は流れ出ず、他方の連結部60Bを外しても管内部の水が流れ出すことはない。同じように使用状態の排出ホース14を外しても、管内部の汚水が外部に流れ出るようなことはない。
【0061】
図8は簡易トイレ装置10に関する制御系の一例を示す。この制御部50は簡易トイレ装置10自体の制御と、受信したトイレ使用状態信号に関連した制御を行う。制御部50には電源スイッチ52、開閉検知スイッチ55および粉砕スイッチ56からのオンオフ信号が供給される。ここに、粉砕スイッチ56とは、溜まり部18内の汚物等を粉砕するためにモータ42を駆動するときに使用される手動スイッチである。粉砕スイッチ56は図2は示されていないが、便器本体20の上面後部側であって、操作しやすい個所に設けることができる。
【0062】
CPUで構成されたこの制御部50からの制御信号によって上述した排出用電磁弁24、給水用電磁弁32、粉砕用モータ42、エアコンプレッサ200の各駆動状態が制御される。ここに、排出用の電磁弁24と給水用の電磁弁32とは、排出機構の一部として機能する。
【0063】
制御部50は上述した簡易トイレ装置10自体の制御の他に、受信したトイレ使用状態信号に関連した制御が行われる。そのため、制御部50には通信手段として機能する受信部264が設けられると共に、この受信部264にはアンテナ266が接続される。また、使用状態信号を受信したときには制御部50からの制御信号によって報知手段250が作動する。報知手段250はLED等の報知用表示灯254とLCDなどの文字表示部256で構成される。ブザー252を併用してもよい。
【0064】
既設トイレ装置3が使用中であることを示すトイレ使用状態信号を簡易トイレ装置10が受信すると、汚物の排出機構24,32と報知手段250および必要に応じてロック手段268が作動する。トイレ使用状態信号の受信タイミングによってはロック手段268を作動させる必要がないときもあるからである。
【0065】
既設トイレ装置3が使用されているときは、汚物排出機構の排出処理が禁止される。排出処理のための操作をしても、電磁弁24や32は作動しない。したがって、簡易トイレ装置10の使用初期(便座に着座した直後など)に既設トイレ装置3が使用中となったようなときは、既設トイレ装置3の使用中に排便が行われ、汚物などの粉砕処理が行われるが、排出処理は規制される。つまり排出処理はロックされて(規制されて)作動しない。
【0066】
既設トイレ装置3のトイレ使用の終了を示すトイレ使用状態信号であるときは排出禁止処理は解除されて、既設トイレ装置3の便器本体108に汚物の流状物が排出処理される。排出処理は、直ちに行うのではなく、トイレ使用の終了を示すトイレ使用状態信号を受信してから所定時間経過後に行う。これは、即座に排出処理を実行すると、既設トイレ装置3の利用者がまだ洗面所から出ないうちに既設トイレ装置3への汚物が排出されることもあり得るので、そのような事態を回避するためである。
【0067】
既設トイレ装置3が使用中であることを示すトイレ使用状態信号を受信したときには、報知手段250が作動し、既設トイレ装置3が使用中であることが、表示部256や表示灯254によってトイレ装置使用者に報知される。例えば「トイレ使用中」なる文字が表示され、そして表示灯254が点灯(又は点滅)する。このようにトイレ使用状態を報知すれば、排出操作をしても排出処理が実行されないなどの原因を即座に把握でき、これによって簡易トイレ装置使用者の不安を払拭できる。
【0068】
簡易トイレ装置10をこれから使用しようとするときに、既設トイレ装置3側から既設トイレ装置3が使用中であることを示すトイレ使用状態信号を受信したときは、ロック手段268を作動させると共に、上述した排出処理を規制する。その結果、便蓋23の開閉が規制されるので、便蓋23は開けられないから、簡易トイレ装置10は使用できない。トイレ使用の終了を示すトイレ使用状態信号が到来すると、排出処理の規制と、ロック手段268の規制が共に解除される。これによって、便蓋23の開閉が開放されるので、簡易トイレ装置10を自由に使用できる。
【0069】
図9は既設トイレ装置3側の制御装置290の概略の系統図を示す。この制御装置290にあっても、CPUで構成された制御部300を有し、便蓋230に対する開閉検知スイッチ115からの検知信号が供給される他、図4に示す洗浄スイッチ272および洗浄停止スイッチ274からの各信号が供給される。
【0070】
洗浄信号および洗浄停止信号に応答して制御部300では、洗浄水用の制御弁(電磁弁)302が制御される。制御弁302は既設トイレ装置3の排出機構を構成する。便蓋230の開閉を開閉検知スイッチ115で検知して、開閉検知信号が得られると送信部304から対応するトイレ使用状態信号がアンテナ306を介して送信される。便蓋230が開いたときは使用中を示す状態信号が生成されて出力され、便蓋230が閉じたときは、使用済みを示す状態信号が生成されて出力される。トイレ使用状態信号の送信に同期して報知手段310が動作して、文字表示と点灯制御が実行される。
【0071】
図10は簡易トイレ装置10側での制御タイミング例を示す。
簡易トイレ装置10が使用されていないときは便蓋23は閉じられた状態にあるものとする。簡易トイレ装置10は便蓋23を開けて使用する。便蓋23の開操作は開閉検知スイッチ55によって検知され(図10A,B)、便座23が開状態のとき排便・排尿が行われる。再び便蓋23が閉じられたあとで、粉砕スイッチ56を操作することで、給水用の電磁弁32が所定時間Tdだけ駆動されて洗浄水が供給される(図10E)。この洗浄は、蓋本体246の表面側に付着した汚物を洗浄するためのものであって、汚物を溜まり部18から流下することを意図したものではなく、供給した洗浄水が溜まり部18から溢れ出すことのない比較的少量の洗浄水によって行われる。
【0072】
次いで、モータ42が駆動されて汚物などの粉砕処理が所定時間Taだけ行われる(図10D)。粉砕処理時間Taは、汚物やトイレットペーパーを充分粉砕できる時間に選定される。その時間としては例えば、20秒以下に選定される。
【0073】
所定時間Taだけ粉砕処理が行われると、次にはエアコンプレッサ200が通電されて圧縮空気が溜まり部18内に送給され、この圧縮空気による内圧がある程度の値まで昇圧した段階(エアコンプレッサ200の通電よりΔTbだけ遅れたタイミング)で、排出用の電磁弁24が駆動される(図10G,F)。
【0074】
こうすることで、溜まり部18内の圧力がある程度の値まで昇圧した段階で流状物の排出路が形成されるため、溜まり部18内の流状物が排出ホース14内へ圧送される。これによって流状物は排出ホース14内に滞留することなくその全てが排出ホース14を通って便器本体108内へ排出される。
【0075】
流状物の圧送時間(排出処理時間)Tbとしては、排出ホース14の設置長によっても相違するが、排出ホース14内に流状物が残留しないようにするため、通常の場合には比較的長めの時間、例えば10〜30秒程度に設定することができる。
【0076】
圧送時間Tbが経過すると排出用の電磁弁24が閉じる。それとほぼ同時に給水用の電磁弁32が所定時間Tcだけ駆動されて洗浄水が再び供給される(図10E,F)。これにより、溜まり部18内に洗浄水がトラップされて、初期状態に戻る。
【0077】
なお、簡易トイレ装置10を持ち運ぶときなどのために、図示はしないが排出スイッチを設け、これを手動操作することで電磁弁24を開けてトラップ水を排出することができる。上述した電磁弁などの開閉タイミングなどはあくまでも一例である。適宜変更することができる。
【0078】
図11は、簡易トイレ装置10での排出処理の規制例を示す。
既設トイレ装置3によって便蓋230の開閉状態が検知されると、その開閉に対応したトイレ使用状態信号を受信する(図11A,B)。トイレ状態信号が「使用中」を表す信号であるときは、「トイレ使用中」のような表示がなされる。これと同時に上述した排出禁止処理やロック処理など適宜な処理が行われる(図11C,D)。
【0079】
その後に受信したトイレ使用状態信号の内容が、「トイレ終了」を表す信号であると判断されたときには、「トイレ終了」のような表示がなされる(図11C)。そしてトイレ終了を示すトイレ使用状態信号を受信したタイミングtaから所定時間Tw経過後のタイミングtbに排出禁止処理が解除される(図11D)。したがって、排出禁止処理がなされている時間Tvの間に、簡易トイレ装置10の粉砕スイッチ56が操作されて、簡易トイレ装置10の排出処理が待機中であるときは所定時間Tw経過後に簡易トイレ装置10からの排出処理が自動的に行われる(図11E)。
【0080】
このように所定時間Twだけ遅らせて排出処理を実行したのは、既設トイレ装置3を使用していた人が洗面所から立ち去らないうちに汚物が便器本体108に流れ着くと、違和感を覚えるからである。なお、簡易トイレ装置10の排出処理があった後は、既設トイレ装置3を手動操作して既設トイレ装置3の排出・洗浄処理が行われる。また、排出禁止処理がなされている時間Tvの間に、簡易トイレ装置10の粉砕スイッチ56が操作されなかったときは、簡易トイレ装置10側の排出処理がなされないのは当然である。
【実施例2】
【0081】
上述した実施例1では、既設トイレ装置3の使用状態検知手段として開閉検知スイッチ115を例示した。図12は重量センサを使用した場合で、検知センサとしての重量センサ116が便座232の開口上面部に取り付けられる。したがって重量センサ116は便座232と便器本体108との間に取り付けられたことになる。
【0082】
被介護者が便座232に座ることでその重量を、便座232を介して重量センサ116で検知する。数10kg以上の重量であるとき重量センサ116がオンするようにその検知閾値を設定しておけば、被介護者の座位を確実に誤動作なく検知できる。そしてこの重量センサ116がオンしたときの信号をトイレ使用状態信号として制御部50に導くことで、トイレの使用状態を検知できる。その他の構成およびその動作は実施例1と同じであるので、その説明は割愛する。
【0083】
トイレの使用状態検知手段としては、このほかに様々な検知センサやそれに類似した手段を利用できる。その代表例を以下に示す。
【0084】
(1)臭気センサ
臭気センサを便器本体108に取り付ける。取り付け場所は任意であるが、できるだけ臭気を感知し易い便器本体108の開口端部、例えば重量センサと同じ場所に取り付ける。こうすることで、汚物の臭気を感知できるから、これによってトイレの使用状態を検知できる。
【0085】
(2)洗浄操作スイッチ
お尻を洗浄するために使用される洗浄操作スイッチ(図示はしないが、温水洗浄操作部に設けられている)を検知センサとして利用する。洗浄操作スイッチが操作されるとトイレ使用状態信号が送信される。なお、お尻の洗浄処理が終了した段階で、実際の粉砕および排出処理が行われる。
【0086】
(3)人感センサ
人感センサを便器本体108に取り付けることで、既設トイレ装置3の使用状態を検知する。
【実施例3】
【0087】
図13はスライド式の開閉蓋機構210を使用した場合である。この例では開閉駆動部213が設けられる。図13のように開閉駆動部213として電磁ソレノイド218を使用したときには、電磁ソレノイド218内を進退するピストン216の先端部が連結部214に取り付けられる。連結部214は蓋本体212の一部をなす。電磁ソレノイド218は本体背面側に突出した保持部220によって取り付け固定される。
【0088】
蓋本体212は図14にその一例を示すように、溜まり部18の内周形状に沿った平板状の形体であって、この例ではほぼ茄子状若しくは苺状のような形体となっている。この例では、抗菌剤がコーティングされたプラスチック成型品が使用されている。
【0089】
蓋本体212の一部が連結部214となるように、この例では両者が一体成形されている。連結部214は矩形状をなす。212が進退する内面部には、漏水防部材230が介在されている。
【0090】
連結部214の反対側には上述したピストン216の先端部が圧入などによって嵌合固定される。ピストン216は電磁ソレノイド218に通電することによって電磁ソレノイド218内を進退する柱状をなす作動桿である。このほかに、エアシリンダーやギアの組み合わせ等々により同様な開閉進退動作をさせることができる。
【0091】
図13は開閉蓋としての蓋本体212を閉じた状態を示し、この蓋本体212によって溜まり部18の内部が密閉される。これに対して図15は蓋本体212を退かせて溜まり部18を開放した状態を示す。
【0092】
このような蓋本体212に対する進退動作は電磁ソレノイド218への通電およびその解除によって行い、図13のようにそのストロークは電磁ソレノイド218の蓋本体212側に設けられた第1のスイッチ222と、便器本体20の壁面18a側に設けられた第2のスイッチ224によって検出される。第1および第2のスイッチ222,224への連結部214の当接によって、蓋本体212のストローク終了が検出される。
【0093】
開閉蓋212を操作するスイッチは手動でも、便蓋23などに連動させてもよい。操作スイッチを操作すると開閉蓋212が閉じ、汚物の粉砕処理と排出処理が開始される。
【0094】
上述した実施例は何れも、既設トイレ装置3で生成されたトイレ使用状態信号は、無線によって簡易トイレ装置10側に伝送したが、有線でもよい。有線の場合には、信号線を利用できる他、電力線を利用することもできる。電力線の場合には、電力線搬送通信を利用してトイレ使用状態信号が送信される。
【産業上の利用可能性】
【0095】
この発明は、介護施設や在宅介護などの介護補助システムなどとして使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】簡易トイレ装置と既設のトイレ装置とを連結したこの発明に係るトイレシステムの一例を示す概念図である。
【図2】この発明に適用できる簡易トイレ装置の一例を示す要部の断面図である(その1)。
【図3】簡易トイレ装置の更に他の例を示す図2と同様な要部の断面図である(その2)。
【図4】この発明に係る他方のトイレ装置である既設トイレ装置の構成例を示す要部の断面図である。
【図5】給水ホースの構成例を示す図である。
【図6】排出ホースの構成例を示す図である。
【図7】逆止弁の一例を示す要部断面図である。
【図8】簡易トイレ装置に装備された制御部の一例を示す要部の系統図である。
【図9】既設トイレ装置に装備された制御部の一例を示す要部の系統図である。
【図10】図8の制御例を示すタイミングチャートである。
【図11】図8の他の制御例を示すタイミングチャートである。
【図12】既設トイレ装置の他の例を示す図4と同様な断面図である。
【図13】簡易トイレ装置の更に他の例を示す図2と同様な要部の断面図である。
【図14】開閉蓋を構成する蓋本体の一例を示す平面図である。
【図15】蓋本体が開いた状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0097】
3・・・既設トイレ装置
10・・・簡易トイレ装置
18・・・溜まり部
20・・・便器本体
24,32・・・電磁弁
40・・・粉砕手段
115・・・開閉検知センサ
210・・・開閉蓋機構
212・・・蓋本体
218・・・電磁ソレノイド
250・・・報知手段
290・・・制御装置
50・・・制御部
264・・・受信部
24,302・・・排出機構用電磁弁
304・・・送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
簡易トイレ装置に排泄された汚物を既設トイレ装置の便器内に排出するようにしたトイレシステムにおいて、
上記簡易トイレ装置には汚物の排出機構を制御する制御部と、
上記既設トイレ装置からのトイレ使用状態信号を受信する受信手段とが設けられ、
上記制御部は、上記トイレ使用状態信号に基づいて上記排出機構を制御する
ことを特徴とするトイレシステム。
【請求項2】
上記制御部は、上記既設トイレ装置が使用中であるときのトイレ使用状態信号を受信したとき、上記排出機構の排出処理を禁止する
ことを特徴とする請求項1記載のトイレシステム。
【請求項3】
上記制御部は、上記既設トイレ装置が使用中であるときのトイレ使用状態信号を受信したとき、上記簡易トイレ装置の便蓋をロックして閉蓋状態とする
ことを特徴とする請求項2記載のトイレシステム。
【請求項4】
上記制御部は、上記トイレ使用状態信号がトイレ使用の終了を示す信号であるときのトイレ使用状態信号を受信したとき、該トイレ使用状態信号を受信してから所定時間経過するまで上記排出機構が作動しないようにする
ことを特徴とする請求項1記載のトイレシステム。
【請求項5】
上記制御部に関連して報知手段が設けられ、
この報知手段で、上記既設トイレ装置の使用状態が報知される
ことを特徴とする請求項1記載のトイレシステム。
【請求項6】
上記既設トイレ装置は便座の開閉を検知する検知手段と、トイレ使用状態信号の送信手段とが設けられ、
この検知手段からの検知出力に基づいて、上記トイレ使用状態信号が生成されて上記送信手段より送信される
ことを特徴とする請求項1記載のトイレシステム。
【請求項7】
上記トイレ使用状態信号は、有線または無線で伝送される
ことを特徴とする請求項1記載のトイレシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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