説明

トイレシステム

【課題】簡易トイレ装置側から既設トイレ装置に排出された汚物を自動的に排出する。
【解決手段】簡易トイレ装置と既設トイレ装置とによってトイレシステムを構築する。簡易トイレ装置から既設トイレ装置への汚物の排出を検知する流量検知スイッチ280と、汚物排出検知手段で検知された排出検知信号に基づいて既設トイレ装置に設けられた洗浄排出機構(制御弁)302を制御する制御部300とを備える。汚物排出検知手段で検知された排出処理の終了を示す信号が得られてから所定時間経過後に洗浄排出機構が作動して排出・洗浄処理が行われる。これによって、既設トイレ装置を利用して簡易トイレ装置側からの汚物が排出された場合でも、既設トイレ装置内に滞留することなく、その排出および洗浄を自動的に行える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、簡易トイレ装置と既設トイレ装置とからなるトイレシステムに関する。詳しくは、簡易トイレ装置に排泄された汚物を、既設トイレ装置の便器内部に排出できるようなトイレシステムを構築する場合、簡易トイレ装置から汚物などが排出されたときには、既設トイレ装置の洗浄排出機構を制御して、自動的に汚物などを既設トイレ装置から排出処理できるようにして、簡易トイレ装置側から排出された汚物などが既設トイレ装置の便器内に長い間滞留しないようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
介護を必要とする老人や、身体が不自由で家屋内の既設トイレまで出向くことが困難な人のために、可搬型の簡易トイレが開発されている(例えば特許文献1)。
【0003】
この可搬型簡易トイレは、居室内に設置できるように椅子型に構成され、この椅子に座って用を足すことができる。可搬型簡易トイレには便器に洗浄水を流すための給水ホースと、汚物を排出する排出用の排出ホースが設けられ、そして汚物を圧送する手段が設けられている。
【0004】
【特許文献1】特開2004−308404号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、この特許文献1に開示された簡易トイレ装置が水洗式のトイレ装置であるときには、その洗浄水の供給および排泄された汚物の処理が問題となる。この問題を解決する手段として既設のトイレ装置を利用することが考えられる。つまり、既設トイレ装置の洗浄水を簡易トイレ装置まで導くと共に、簡易トイレ装置の汚物など(以下汚物という)を、使用した洗浄水とともに既設トイレ装置の便器に排出するようにトイレシステムを構築する。このように既設トイレ装置を利用できれば、簡易トイレ装置を使用するときの設備費や工事費等を抑えることができるなどのメリットがある。
【0006】
このようなトイレシステムを構築する場合、簡易トイレ装置の汚物を既設トイレ装置側に排出する場合、既設トイレ装置側に排出された汚物はそのまま既設トイレ装置の便器内に滞留することになる。したがって、家族や介護者などが既設トイレ装置まで出向き、既設トイレ装置の洗浄スイッチを操作して手動で汚物を排出・洗浄しなければならない。
【0007】
家族の手を煩わせて汚物の排出処理を行うということは、例えば家族や介護者などが不在の場合には、既設トイレ装置に排出された汚物はそのまま滞留することになり、異臭の発生や、既設トイレ装置を使用する者への不快感を増長し兼ねない。
【0008】
そこで、この発明はこのような従来の課題を解決したものであって、特に簡易トイレ装置と既設トイレ装置とで構築されるトイレシステムにあって、簡易トイレ装置側で排出処理が行われたことを検知したときには、排出処理の終了を待って既設トイレ装置側の洗浄・排出処理を自動的に行うことで、汚物の滞留を防止したトイレシステムを提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の課題を解決するため、請求項1に記載したこの発明に係るトイレシステムでは、簡易トイレ装置に排泄された汚物を既設トイレ装置の便器内に排出するようにしたトイレシステムにおいて、
上記簡易トイレ装置から上記既設トイレ装置への汚物の排出を検知する汚物排出検知手段と、
この汚物排出検知手段で検知された排出検知信号に基づいて上記既設トイレ装置に設けられた洗浄排出機構を制御する制御部とを備え、
上記排出検知信号が上記汚物排出の終了を示す信号であるとき、上記洗浄排出機構を作動させるようにしたことを特徴とする。
【0010】
この発明では、簡易トイレ装置と既設トイレ装置とによってトイレシステムを構築する。このトイレシステムには、簡易トイレ装置から既設トイレ装置への汚物の排出を検知する汚物排出検知手段と、この汚物排出検知手段で検知された排出検知信号に基づいて既設トイレ装置に設けられた洗浄排出機構を制御する制御部とを備える。汚物排出検知手段と制御部は、既設トイレ装置か簡易トイレ装置の何れかに設けられる。通常は、制御される側である既設トイレ装置側に設けられる。
【0011】
既設トイレ装置側に汚物排出検知手段が設けられているときは、簡易トイレ装置側との間に連結された排出ホースの連結部に関連して設けられる排出管の一部に汚物排出検知手段が設置される。排出管に連結するのではなく、既設トイレ装置に設けられた排出ホース連結部内にこの汚物排出検知手段を設けてもよい。汚物排出検知手段としては、流量検知手段(流水検知手段)や、圧力センサ(水圧センサ)などが考えられる。
【0012】
この汚物排出検知手段によって、排出処理の開始と終了が検知される。排出検知信号によって既設トイレ装置に設けられた洗浄排出機構が制御される。既設トイレ装置としてお尻洗浄装置付きのトイレ装置であるときは、このお尻洗浄装置に設けられた洗浄排出スイッチによって洗浄排出機構が制御される。この例ではこの洗浄排出機構が制御部によって制御される。したがって制御部からは洗浄排出スイッチを操作したときに得られるのと同等の信号が洗浄排出機構に供給される。
【0013】
洗浄排出機構はその開始を示す制御信号を送るだけでよい。周知のように、洗浄排出の開始から所定時間が経過すると、洗浄排出処理が自動的に停止するからである。
【0014】
既設トイレ装置側には、さらにトイレ使用制限手段が設けられる。トイレ使用制限手段は、既設トイレ装置の使用が制限されていることを表示する表示部と、既設トイレ装置の便蓋の開閉を制御する便蓋開閉制御手段が設けられる。
【0015】
これは、簡易トイレ装置が排出処理を行っているときに、たまたま既設トイレ装置を使用しようとする者の不安を払拭すると共に、便器の使用を制限するためである。表示部を設けることによって、現在の制御態様が判る。排出処理中は、便座が開かないようにロックすることで、既設トイレ装置の使用を一時制限できる。便座開閉制御手段としては、単なるロック機構の他に、一旦閉じてからロックするクローズ・ロック機構を利用できる。
【0016】
例えば便蓋に対するロック手段を簡易トイレの使用制限手段として使用するときには、ロック手段が動作して便蓋の開閉が規制される。便蓋を開けようとしても開けることができない。
【0017】
簡易トイレ装置は種々の構成を採り得る。例えば簡易トイレ装置の便器本体に汚物の粉砕手段を設ける。粉砕した汚物は既設のトイレ装置に圧送する。効果的な圧送と、便器本体内を清潔に保つため、溜まり部の上部を閉塞する開閉蓋を設けるなどと言った構成が考えられる。
【発明の効果】
【0018】
この発明に係るトイレシステムは、簡易トイレ装置側からの汚物などの排出を検知して、既設トイレ装置の汚物排出機構を自動的に作動させるようにしたものである。
【0019】
これによれば、簡易トイレ装置側で排出処理が行われたことを検知したときには、排出処理の終了を待って既設トイレ装置側の洗浄・排出処理を自動的に行うことができる。その結果、汚物の滞留を防止でき、異臭の発生や、既設トイレ装置使用者の不安感を払拭できる特徴を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
続いて、この発明に係るトイレシステムの好ましい実施例を図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0021】
この発明に係るトイレシステムは、居室内で使用できるように工夫された可搬型の簡易トイレ装置と既設トイレ装置とによって構築される。図1はその一例を示す。簡易トイレ装置と既設トイレ装置との間はホース(洗浄水用のホースと排出用のホース)によって連結される。
【0022】
図1は家屋1の廊下2に面して既設トイレ装置3が設置された例である。既設トイレ装置3内には便器(便器本体)4と注水タンク5が設置されている。廊下2に沿ってこの例では居室兼寝室としての部屋6が位置し、部屋6内には例えばベッド7が置かれている。
【0023】
部屋6内で使用できる簡易トイレ装置10は、お尻洗浄機能の付いたいわゆる温水洗浄便座の設備が付いた簡易トイレ装置(洋式トイレタイプ)が好適であるが、以下の説明はこの温水洗浄便座の設備についての説明は省いてある。簡易トイレ装置10への洗浄水の供給は既設トイレ装置3側から行われ、簡易トイレ装置10の汚物などは既設トイレ装置3の便器4内に排出される。そのため、簡易トイレ装置10に連結された給水ホース12は、既設トイレ装置3の給水管(図示はしない)に連結される。同じように簡易トイレ装置10に接続された排出ホース14は便器4に設けられた連結部(後述する)に連結される。
【0024】
このトイレシステムにあっては、既設トイレ装置3側に、簡易トイレ装置10から既設トイレ装置3への汚物の排出を検知する汚物排出検知手段として設けられている流量検知スイッチ280と、この流量検知スイッチ280で検知された排出検知信号に基づいて既設トイレ装置に設けられた洗浄排出機構を制御する制御部300とを備える。流量検知スイッチ280と制御部300は、既設トイレ装置3か簡易トイレ装置10の何れかに設けられる。以下の例は、制御される側である既設トイレ装置3側に設けた場合を示す。簡易トイレ装置10から説明する。
【0025】
図2はこの発明に適用できる簡易トイレ装置10の一例を示す要部断面図である。この簡易トイレ装置10に設けられた便器本体20は通常の水洗式トイレ(洋式トイレ)とほぼ同じ漏斗状の断面形状をなすが、その全体形状は箱型として構成される。近年はインテリア要素も望まれ、必ずしも箱形だけではなく、例えば肘掛けのある椅子型のものも利用できる。
【0026】
便器本体20を軽量化するため、この例では便器本体20はプラスチックによる成型品であるが、陶器等の他の素材を使用して成形してもよい。便器本体20の上部開口部側には便座21が位置すると共に、この便座21および上部開口部を閉塞するような便蓋23が設けられている。
【0027】
便器本体20の底部がトラップ水(溜まり水)や汚物の溜まり部18となる。
溜まり部18に連通して断面がほぼ「へ」の字状をなす排出部22が設けられ、排出口27に排出ホース14が連結される。そのため、この例では便器本体20の背面部20bに連結部26が設けられると共に、便器本体20の内部であって、開閉弁として機能する電磁弁24が連結部26に近接して設けられている。溜まり部18に連通する排出部22の形状は、図示の形状の他にP型、U型、椀型などが考えられる。これらの形状はいずれも同様な作用効果が得られる。なお、断面がほぼ「へ」の字状をなす排出部22は、一般にS字トラップと呼称されることが多い。
【0028】
電磁弁24は、給水用の電磁弁32と共に排出機構の一部として機能する。電磁弁24は、溜まり部18内のトラップ水(汚物を含んだ水)を便器外に排出するときだけ開くように制御され、トイレを使用していないときは閉じられている。排出の制御と漏水を防止するためである。また、同時に後述するエアコンプレッサの圧力により効果的に汚物を排出するためである。
【0029】
便器本体20の上部近辺で、排出部側の壁面18aには洗浄水の給水口28が設けられている。本体背面部20bに設けられた連結部34とこの給水口28との間には連結管30が配されると共に、連結部34の近傍には電磁弁32が取り付けられている。連結部34に連結される給水ホース12からの給水(洗浄水)をこの電磁弁32によって制御できるようにするためである。給水口28と壁面18aとの間にはゴム状の漏水防止管29が介挿され、便器本体20の背面空間部20a側に漏水しないようにしている。
【0030】
溜まり部18の底部には粉砕手段40が設けられる。粉砕手段40は溜まり部18内に溜まった汚物やトイレットペーパー(以下汚物と総称する)を砕くためのもので、粉砕した流状物をトラップ水と混合して排出するようにしている。
【0031】
粉砕手段40はモータ42と粉砕羽根44とで構成することができ、図2ではそのうち粉砕羽根44のみ溜まり部18内に臨むように取り付けられる。そのため、モータ42は溜まり部18の底部外壁19側に配置され、ボルトやナットによる支持具46によって便器本体20に取り付け固定される。モータ42の回転軸は溜まり部18の底部と水密的に結合されている。モータ42は溜まり部18の底部外壁19側ではなく、便器本体20の底面板20cに固定するようにしてもよい。
【0032】
この底面板20cにはCPUなどで構成された制御部50が配される。上述した排出用電磁弁24、給水用電磁弁32、モータ42などの各駆動が、制御部50によって所定のタイミングで所定の時間だけ制御される。制御部50用の電源スイッチ52は本体背面部20bに設けられ、本体上面部であって、便蓋23の下面には便蓋23の開閉を検知する開閉検知スイッチ55(後述する)が設けられている。
【0033】
便器本体20の上面であって、この例では便座21の後面側には制御部50によって制御される報知手段250が設置されている。報知手段250は必要に応じて設けられる。既設トイレ装置3側における制御態様を知らせるためである。この例では、文字表示部と報知用の表示灯とで報知手段250が構成される。その詳細は後述する。
【0034】
簡易トイレ装置10はさらに以下の構造を有する。図2に示すように、便器本体20における溜まり部18の背面上部であって、給水口28よりも下側の所定位置には、溜まり部18に所定の圧縮空気を送給するための粉砕物の圧送手段200と、溜まり部18を密閉する開閉蓋機構245が設けられる。
【0035】
圧送手段200はエアコンプレッサで構成することができ、このエアコンプレッサ200の送給管204が取り付け手段206を介して壁面18aより溜まり部18側に導出される。取り付け手段206は溜まり部18のトラップ水の水面より上部に設けられる。エアコンプレッサ200は便器本体20の背面空間部20a内に設けられた取り付け板202に固定される。また同様に、溜まり部18に所定の圧縮空気を給送するための圧送手段200と同機能を発揮させるために簡易トイレ装置本体の外部より圧縮空気を取り入れ、同様の作用を行わせることもできる。
【0036】
開閉蓋機構245はこの圧送手段200よりもさらに上部であるが、圧送手段200と少許の間隔を隔てて配置される。開閉蓋本体の開閉方法としては、スライド式と回動式とが考えられる。図2は回動式の例である。
【0037】
図2に示すように、溜まり部18の上部であって、圧送手段200の取り付け位置よりも若干上部側に縮径部240が設けられる。縮径部240を閉塞し、溜まり部18を密閉できるように、縮径部240の下面には開閉蓋機構245が設けられる。
【0038】
縮径部240は環状フランジ部として構成され、その全体は多少排出部22側に傾斜するように設けられている。縮径部240の下面側には、この縮径部240を閉塞できるような回動式の開閉蓋機構245が設けられる。
【0039】
この例では、開閉蓋機構245を構成する蓋本体246を有し、この蓋本体246の一端、図の例では右端部が回動軸部247となされ、この回動軸部247が縮径部240の下面部241に位置するように、便器本体20に対して回動自在に軸支される。この軸支部は便器本体20に対して水密的に軸支されている。
【0040】
蓋本体246は下面縁部242に沿った形状をなすと共に、通常はこの下面縁部242に接触して溜まり部18内を密閉できるように、回動軸部247と下面部241の壁面との間には付勢用のバネ248が巻き付けられている。
【0041】
簡易型トイレ装置10をこのように構成した場合、排泄物が蓋本体246に落下すると、その自重によって蓋本体246の先端部側が開くので(図3参照)、排泄物は溜まり部18内に落下する。また、排泄物が落下すると蓋本体246はバネ248の作用で原位置(図2参照)に自動復帰して溜まり部18の上部が閉塞される。
【0042】
なお、図2,図3においては蓋本体246が原位置においてほぼ水平となるよう設けた例を図示したが、上述した如く、縮径部240は排出部22側に多少傾斜するように設けられているので、開閉蓋機構245を構成する蓋本体246自体を、排出部22側に傾いて取り付けるようにすれば、蓋本体246の上面に落下した排泄物を残らず、溜まり部18内に落とし込むことができる。
【0043】
蓋本体212の溜まり部18上面への摺接によって、溜まり部18内が密閉状態となる。完全な密閉までは要求されない。この閉蓋状態でエアコンプレッサ200を作動させるとその圧縮空気が溜まり部18内に送給され、トラップ水に対して押圧力が作用する。この状態で電磁弁24を開くことにより、溜まり部18内の粉砕物を排出ホース14側に圧送できる。ここに、粉砕物は、粉砕された汚物とトラップ水を混合した流状物を指す。
【0044】
このように溜まり部18は蓋本体246によって密閉されているので、圧縮空気は溜まり部18側に効果的に作用する。粉砕された汚物は流状物となっているため、圧縮空気を溜まり部18に作用させれば、流状物を容易に洗浄水と共に排出ホースを通して排出できる。
【0045】
溜まり部18内を密閉した状態で流状物を圧送するものであるから、圧送手段200として使用されるエアコンプレッサは比較的小型のコンプレッサを使用できる。開閉蓋機構245を用いているため、汚物の粉砕時、汚物が便器本体20内に飛散するのを防止できるから、便器本体20が不衛生状態となることはない。
【0046】
図4は既設の既設トイレ装置3の説明である。簡易トイレ装置10への洗浄水の供給は便器本体108に供給する洗浄水を分流させて使用する。簡易トイレ装置10からの汚物(屎尿等)は便器本体108内に直接排出できるように便器本体108を改良する。
【0047】
図4の例では、便器本体108には排出管110が連結され、その溜まり部109よりも上部側に排出導出口112が設けられる。排出導出口112には排出管113が連結され、排出管113は便器本体108の背面側に設けられた連結部114に連結される。この連結部114に排出ホース14の連結部62Bが連結される。排出導出口112を設けるのではなく、排出部110側に直接排出管113を連結するようにしてもよい。
【0048】
このように既設の便器本体108を改良する場合には、簡易トイレ装置10とこの便器本体108には高低差が生ずることがある。連結部114が簡易トイレ装置10の便器本体20よりも高い場所に位置するときには、排出ホース14内に汚物の流状物が滞留するおそれがある。しかし、このように高低差がある場合でも、上述したエアコンプレッサ200からの圧縮空気によって流状物を圧送すれば、流状物が排出ホース14内に残留することなく、確実に便器本体108側に排出できる。
【0049】
既設トイレ装置3には、簡易トイレ装置10からこの既設トイレ装置3への汚物の排出を検知する流量検知スイッチ280が設けられる。流量検知スイッチ280は排出管113の一部に設けられる。この例では、排出管113を流れる汚物の有無を検知するための汚物排出検知手段として流量検知スイッチ280が構成される。流量検知手段として、羽根車などを使用する場合には、この羽根車が排出管113の流路内に臨むように取り付けられる。
【0050】
排出管113の一部にこの流量検知スイッチ280を設けることによって、簡易トイレ装置10側から汚物が排出されると、汚物を含む流状物が排出管113内を通過して便器本体108内に排出される。この排出処理に関連して羽根車が回転したり、停止したりするので、流量検知スイッチ280で汚物排出の開始と終了を検知できる。流量検知スイッチ280からの排出検知信号は、後述する制御部300に供給される。
【0051】
流量検知スイッチ280に代えて、圧力センサ(水圧センサ)を使用することもできる。排出管113内を流状物が通過することで排出管113内の圧力が変化するので、この圧力変化によって汚物排出の開始と終了を検知できるからである。流量検知スイッチ280は連結部114の内部に組み込むことも可能である。
【0052】
便器本体108の上面であって、便蓋230の回動軸230aに関連してロック手段268が設けられる。このロック手段268はトイレ使用制限手段の1つとして機能するもので、回動軸230aに対する回動規制手段となる。後述するように簡易トイレ装置10に対する排出処理が検知されたときは、このロック手段268が作動する。ロック手段268が作動すると、回動軸230aが動かなくなり、便蓋230がロックされる。既設トイレ装置3の排出処理が終了することで、ロック手段268による便蓋230のロックが解除され、既設トイレ装置3の使用が可能になる。
【0053】
トイレ使用制限手段として使用できるロック機構が、クローズ・ロック機構であるときは、図4に示すように便蓋230の開閉状態を検知するための開閉検知スイッチ115が設けられる。この検知スイッチ115によって便蓋230の開閉状態が検知され、クローズ・ロック機構が作動するタイミングのときに、便蓋230が開いている場合にはこれを閉じてからロック機構が作動する。その後の動作は上述と同じである。
【0054】
既設の既設トイレ装置3の壁260には温水洗浄のための操作部270が設けられている。この例では、この操作部270のケース内に既設トイレ装置3に関する制御部300が内蔵される。加えて、トイレ使用制限手段として機能する表示部も組み込まれている。この表示部の内容によって既設トイレ装置3の使用が制限されていることが分かる。
【0055】
制御部300では、上述した排出検知信号によって洗浄排出機構が制御される。具体的には、排出検知信号が汚物排出の終了を示す信号であるとき、洗浄排出機構を作動させる制御を行う。つまり、排出洗浄スイッチを操作したのと同じ信号が生成されて洗浄排出機構に供給される。洗浄排出機構としては、洗浄水の送給を制御する制御弁(電磁弁)302(図9参照)を利用することができる。
【0056】
操作部270には洗浄排出スイッチ272やその停止スイッチ274が設けられている。操作部270の操作パネル側にはさらに、トイレ使用制限手段として機能する上述した文字表示部295が設けられている。さらにこの例ではブザー293と表示灯296が付設されている。文字表示部295には、簡易トイレ装置10が排出処理中であることを示す「トイレ使用中」や、「排出処理中」などの表示を行って、既設トイレ装置3を使用する者に報知する。同時に、ブザーや点灯処理を行うことで、より確実に報知できる。
【0057】
このように構成された簡易トイレ装置10と既設トイレ装置3との間に連結される給水ホース12の一例を図5に、排出ホース14の一例を図6に示す。図5に示すように、給水ホース12の一端部12aを上水道管側に接続される端部とし、他端部12bを簡易トイレ装置10に接続される端部としたとき、一端部12aおよび他端部12bに各々逆止弁付きの連結部60A,60Bが取り付けられている。
【0058】
図6に示す排出ホース14にも同様に一端部14aおよび他端部14bに逆止弁付きの連結部62A,62Bが設けられている。この場合の一端部14aは簡易トイレ装置10側に連結される端部であり、他端部14bは下水道管側などに接続される端部である。
【0059】
給水ホース12は便器本体20に供給される洗浄水用として使用されるものであるから、小径のビニルホースなどを使用することができる。これに対して、排出ホース14は、その管内を汚物などを粉砕した流状物(粒状物)が流れるものであるから、給水ホース12と同径か僅かに太い径のビニルホースなどを使用することができる。これは固まった汚物ではなく、洗浄水と混合した流状物を取り扱うためである。図6は、給水ホース12よりも大径の排出ホース14を使用した場合である。
【0060】
給水ホース12と排出ホース14の管径を、例えば上述したような管径に選定すると、元々太さが違うために、給水ホース12を排出ホースとして使用したり、排出ホース14を給水ホースと間違って連結したりする、初歩的な誤連結作業を確実に防止できる。もちろん、異なる管径のものを使用する場合に限らず、同じ管径のものを使用する場合でも、図5および図6に示すように、目印となる名称例えば「給水ホース」や「排出ホース」という名称をホースの表面に刻印することで、誤連結を確実に防止できる。また、連結部の接合金具形状を非共通化することで誤連結防止を行うこともできる。更に、給水ホースと排出ホースとの色を変え色別により誤連結を防止することもできる。
【0061】
逆止弁付きの連結部60(62)の一例を図7に示す。図7のように本体63の中空内部に断面矩形状の弁作動室64が設けられ、ここに弁作用をなす球体65とそれに対する押圧バネ66とが設けられ、水圧が矢印a方向に作用することで弁が開くようになっている。これにより簡易トイレ装置側と上下水道管側からの双方の逆流防止を行っている。
【0062】
一方、連結部60(62)のうちの他方の連結部60B(62B)にあっては、これを簡易トイレ装置側と例えば既設便器の下水道管側に連結したとき、逆止弁の球体65が押圧バネ66に抗して後退する凸部(図示せず)を、簡易トイレ装置側と下水道管側のそれぞれに設けることで、連結部60(62)を連結したときには内部の弁が開放されて連通状態となり、連結を外したときには内部の弁が閉じ、ホース内の液体が外部に漏れ出さないように構成されている。
【0063】
したがって、上水道管に給水ホース12の連結部60Aを取り付け、便器本体20側に連結部60Bを取り付けた状態で、連結部60Aを取り外しても管内部の水は流れ出ず、他方の連結部60Bを外しても管内部の水が流れ出すことはない。同じように使用状態の排出ホース14を外しても、管内部の汚水が外部に流れ出るようなことはない。
【0064】
図8は簡易トイレ装置10に関する制御系の一例を示す。この制御部50は主として簡易トイレ装置10自体の制御を行う。制御部50には電源スイッチ52、開閉検知スイッチ55および粉砕スイッチ(兼排出スイッチ)56からのオンオフ信号が供給される。ここに、粉砕スイッチ56とは、溜まり部18内の汚物等を粉砕するためにモータ42を駆動するときに使用される手動スイッチであるが、これに連動して排出処理も行われる。粉砕スイッチ56は図2は示されていないが、便器本体20の上面後部側であって、操作しやすい個所に設けることができる。
【0065】
CPUで構成されたこの制御部50からの制御信号によって排出機構を構成する排出用電磁弁24、同じく排出機構を構成する給水用電磁弁32、粉砕用モータ42、エアコンプレッサ200の各駆動状態が制御される。
【0066】
汚物の排出処理を行っているときは、その情報が報知手段250にも供給される。報知手段250はLED等の報知用表示灯254とLCDなどの文字表示部256で構成される。ブザー252を併用してもよい。報知手段250によって、簡易トイレ使用者は、簡易トイレ装置10の使用によって既設トイレ装置3の処理が規制されていることを認知できる。
【0067】
図9は既設トイレ装置3側の制御装置300の概略の系統図を示す。CPUで構成されたこの制御部300には、便蓋230に対する開閉検知スイッチ115からの検知信号が供給される他、図4に示す洗浄スイッチ272、洗浄停止スイッチ274および流量検知スイッチ280からの各信号が供給される。洗浄信号および洗浄停止信号に応答して制御部300では、洗浄水用の制御弁(電磁弁)302が制御される。制御弁302は上述したように既設トイレ装置3の排出機構を構成する。
【0068】
流量検知スイッチ280から排出検知信号が得られると、その状態に応じてトイレ使用が制限されていることを表示するための報知手段310や、排出機構としての洗浄水用制御弁302が作動すると共に、ロック手段304が動作する。まず、報知手段310はブザー293,LCDなどの表示部295およびLEDなどの表示灯296で構成され、簡易トイレ装置10が排出処理状態にあることが視聴覚的に報知される。これで、簡易トイレ装置10の使用状況を認識できる。
【0069】
排出検知信号が、排出処理の終了を示す信号であるときには、該信号が得られてから所定時間が経過した後、洗浄水用制御弁302が開状態に制御されて、排出・洗浄処理が自動的に実行される。これで、便器本体108内に溜まった流状物を排出できる。
【0070】
排出検知信号が供給されてから所定時間経過した後に排出・洗浄処理を行うようにしたのは、排出処理が完全に終了した段階で、便器本体108内に送り出された流状物を排出できるようにするためである。
【0071】
簡易トイレ装置10側からの排出処理が実行されているときは、既設トイレ装置3側の使用を規制した方が好ましい。そのため、排出検知信号が得られると、ロック手段304が動作して便蓋230の開閉が規制され、便蓋230がロックされる。既設トイレ装置3の排出処理が終了してから所定時間経過後に便蓋230のロックが解除される。
【0072】
続いて、このように構成された制御系の動作を図10および図11を参照して説明する。図10は簡易トイレ装置10側での制御タイミング例を示す。
簡易トイレ装置10が使用されていないときは便蓋23は閉じられた状態にあるものとする。簡易トイレ装置10は便蓋23を開けて使用する。便蓋23の開操作は開閉検知スイッチ55によって検知され(図10A,B)、便蓋23が開状態のとき排便・排尿が行われる。再び便蓋23が閉じられたあとで、粉砕スイッチ56を操作することで、給水用の電磁弁32が所定時間Tdだけ駆動されて洗浄水が供給される(図10E)。この洗浄は、蓋本体246の表面側に付着した汚物を洗浄するためのものであって、汚物を溜まり部18から流下することを意図したものではなく、供給した洗浄水が溜まり部18から溢れ出すことのない比較的少量の洗浄水によって行われる。
【0073】
次いで、モータ42が駆動されて汚物などの粉砕処理が所定時間Taだけ行われる(図10D)。粉砕処理時間Taは、汚物やトイレットペーパーを充分粉砕できる時間に選定される。その時間としては例えば、20秒以下に選定される。
【0074】
所定時間Taだけ粉砕処理が行われると、次にはエアコンプレッサ200が通電されて圧縮空気が溜まり部18内に送給され、この圧縮空気による内圧がある程度の値まで昇圧した段階(エアコンプレッサ200の通電よりΔTbだけ遅れたタイミング)で、排出用の電磁弁24が駆動される(図10G,F)。
【0075】
こうすることで、溜まり部18内の圧力がある程度の値まで昇圧した段階で流状物の排出路が形成されるため、溜まり部18内の流状物が排出ホース14内へ圧送される。これによって流状物は排出ホース14内に滞留することなくその全てが排出ホース14を通って便器本体108内へ排出される。
【0076】
流状物の圧送時間(排出処理時間)Tbとしては、排出ホース14の設置長によっても相違するが、排出ホース14内に流状物が残留しないようにするため、通常の場合には比較的長めの時間、例えば10〜30秒程度に設定することができる。
【0077】
圧送時間Tbが経過すると排出用の電磁弁24が閉じる。それとほぼ同時に給水用の電磁弁32が所定時間Tcだけ駆動されて洗浄水が再び供給される(図10E,F)。これにより、溜まり部18内に洗浄水がトラップされて、初期状態に戻る。
【0078】
なお、簡易トイレ装置10を持ち運ぶときなどのために、図示はしないが排出スイッチを設け、これを手動操作することで電磁弁24を開けてトラップ水を排出することができる。上述した電磁弁などの開閉タイミングなどはあくまでも一例である。適宜変更することができる。
【0079】
図11は、既設トイレ装置3での排出処理の規制例を示す。
簡易トイレ装置10側から流状物が排出されると、その排出初期(開始)状態が流量検知スイッチ280によって検知される。そのときの排出検知信号(オン信号)によってブザー293が駆動され、便器本体108への排出が行われることが報知される(図11A,B)。
【0080】
同時に、表示部295と表示灯296が同時に作動し、排出処理中であることが表示されると共に、表示灯296の点灯(または点滅)によって報知される(図11C)。この報知処理は、簡易トイレ装置10が使用中であることを、既設トイレ装置3の使用者などに認識させるためである。
【0081】
流状物の排出が終了すると、それに伴う排出検知信号(オフ信号)が得られる(図11A)。この排出検知信号が得られた時点taから所定時間Tx経過後の時点tbに至ったとき、始めて排出・洗浄処理が行われる(図11D)。この排出・洗浄処理によって簡易トイレ装置10側からの流状物は、便器本体108内に滞留することなく便器本体108より自動排出される。既設トイレ装置3の排出・洗浄処理は、予め設定された時間だけ行われ、その後自動的に停止する。
【0082】
ここで、排出処理が終了したことを示す信号であっても、その直後ではまだ便器本体108内への流状物の流入が行われていることも考えられるから、既設トイレ装置3の排出処理は、流状物が確実に終了した段階で行うべきである。このような観点から遅延時間Txが設定されている。したがって、この遅延時間Txは5〜10秒程度である。
【0083】
排出処理の開始を検知した排出検知信号が得られると、便蓋230のロック手段304が作動する(図11E)。これによって既設トイレ装置3の使用状態が制限される。ロック状態は排出・洗浄処理が終了するまで(時点tc)である。このように簡易トイレ装置10側からの汚物流れ込みが開始してから、既設トイレ装置3に流れ込んだ汚物の排出処理が完了するまでの間(時間Tyの間)は、既設トイレ装置3の使用を制限して、既設トイレ装置3の使用者に対して不快感を与えないようにするためである。
【実施例2】
【0084】
上述した実施例では、流量検知スイッチ280を既設トイレ装置3側に設置した例であるが、これを簡易トイレ装置10側に設置することもできる。この場合には、例えば流量検知スイッチ280として便蓋23の開閉検知スイッチ55を利用することができる。便蓋23を開けることで、簡易トイレ装置10の使用意思が判り、便蓋23を閉じることで、簡易トイレ装置10の使用が終了したものと判断できるからである(図10H参照)。ただし、この場合には簡易トイレ装置10の排出処理を間接的に検知するものであるから、開閉検知スイッチ55がオンとなってから所定時間後に排出処理が実行されるものと見なして、この見なし排出処理後さらに所定時間経過してから既設トイレ装置3側の排出処理を行う。
【0085】
流量検知スイッチ280として、粉砕スイッチ56を使用することもできる。この場合には、粉砕処理に続けて排出・洗浄処理が行われるものであるから、間接的な検知とは言え、殆どタイムラグなく汚物の排出処理を検知していることになる。これらの他に、電磁弁24を開状態に制御するための制御信号を排出検知信号として利用することもできるし、排出ホース14の連結部62A側に流量検知スイッチ280を取り付けても、汚物の排出処理を検知できる。
【0086】
それぞれの流量検知スイッチ280からの排出検知信号は、無線または有線によって既設トイレ装置3側に設けられた制御部300に伝送される。有線の場合には、信号線を利用できる他、電力線を利用することもできる。電力線の場合には、電力線搬送通信を利用して排出検知信号が送信される。
【実施例3】
【0087】
図12は簡易トイレ装置10の他の例を示す。図12は特にスライド式の開閉蓋機構210を使用した場合である。この例では開閉駆動部213が設けられる。図12のように開閉駆動部213として電磁ソレノイド218を使用したときには、電磁ソレノイド218内を進退するピストン216の先端部が連結部214に取り付けられる。連結部214は蓋本体212の一部をなす。電磁ソレノイド218は本体背面側に突出した保持部220によって取り付け固定される。
【0088】
蓋本体212は図13にその一例を示すように、溜まり部18の内周形状に沿った平板状の形体であって、この例ではほぼ茄子状若しくは苺状のような形体となっている。この例では、抗菌剤がコーティングされたプラスチック成型品が使用されている。
【0089】
蓋本体212の一部が連結部214となるように、この例では両者が一体成形されている。連結部214は矩形状をなす。蓋本体212が進退する内面部には、漏水防部材230が介在されている。
【0090】
連結部214の反対側には上述したピストン216の先端部が圧入などによって嵌合固定される。ピストン216は電磁ソレノイド218に通電することによって電磁ソレノイド218内を進退する柱状をなす作動桿である。このほかに、エアシリンダーやギアの組み合わせ等々により同様な開閉進退動作をさせることができる。
【0091】
図12は開閉蓋としての蓋本体212を閉じた状態を示し、この蓋本体212によって溜まり部18の内部が密閉される。これに対して図14は蓋本体212を退かせて溜まり部18を開放した状態を示す。
【0092】
このような蓋本体212に対する進退動作は電磁ソレノイド218への通電およびその解除によって行い、図12のようにそのストロークは電磁ソレノイド218の蓋本体212側に設けられた第1のスイッチ222と、便器本体20の壁面18a側に設けられた第2のスイッチ224によって検出される。第1および第2のスイッチ222,224への連結部214の当接によって、蓋本体212のストローク終了が検出される。
【0093】
蓋本体212を操作するスイッチは手動でも、便蓋23などに連動させてもよい。操作スイッチを操作すると蓋本体212が閉じ、汚物の粉砕処理と排出処理が開始される。このように構成された簡易トイレ装置10を使用しても前述したと同様の作用効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0094】
この発明は、介護施設や在宅介護などの介護補助システムなどとして使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】簡易トイレ装置と既設のトイレ装置とを連結したこの発明に係るトイレシステムの一例を示す概念図である。
【図2】この発明に適用できる簡易トイレ装置の一例を示す要部の断面図である(その1)。
【図3】簡易トイレ装置の更に他の例を示す図2と同様な要部の断面図である(その2)。
【図4】この発明に係る他方のトイレ装置である既設トイレ装置の構成例を示す要部の断面図である。
【図5】給水ホースの構成例を示す図である。
【図6】排出ホースの構成例を示す図である。
【図7】逆止弁の一例を示す要部断面図である。
【図8】簡易トイレ装置に装備された制御部の一例を示す要部の系統図である。
【図9】既設トイレ装置に装備された制御部の一例を示す要部の系統図である。
【図10】図8の制御例を示すタイミングチャートである。
【図11】図8の他の制御例を示すタイミングチャートである。
【図12】簡易トイレ装置の更に他の例を示す図2と同様な要部の断面図である。
【図13】開閉蓋を構成する蓋本体の一例を示す平面図である。
【図14】蓋本体が開いた状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0096】
3・・・既設トイレ装置
10・・・簡易トイレ装置
18・・・溜まり部
20・・・便器本体
24,32・・・電磁弁
40・・・粉砕手段
115・・・開閉検知センサ
210・・・開閉蓋機構
212・・・蓋本体
218・・・電磁ソレノイド
250・・・報知手段
280・・・流量検知スイッチ
300・・・制御装置
50・・・制御部
230・・・便蓋
24,302・・・排出機構用電磁弁
304・・・ロック手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
簡易トイレ装置に排泄された汚物を既設トイレ装置の便器内に排出するようにしたトイレシステムにおいて、
上記簡易トイレ装置から上記既設トイレ装置への汚物の排出を検知する汚物排出検知手段と、
この汚物排出検知手段で検知された排出検知信号に基づいて上記既設トイレ装置に設けられた洗浄排出機構を制御する制御部とを備え、
上記排出検知信号が上記汚物排出の終了を示す信号であるとき、上記洗浄排出機構を作動させるようにした
ことを特徴とするトイレシステム。
【請求項2】
上記汚物排出検知手段と制御部のそれぞれは、上記既設トイレ装置または簡易トイレ装置の何れかに設置される
ことを特徴とする請求項1記載のトイレシステム。
【請求項3】
上記制御部は、上記排出検知手段が上記汚物排出の終了を検知してから所定時間経過した後に、上記洗浄排出機構が作動するようにこの洗浄排出機構を制御する
ことを特徴とする請求項1記載のトイレシステム。
【請求項4】
上記既設トイレ装置は、この既設トイレ装置の使用を制限するトイレ使用制限手段を備え、
上記制御部は、上記汚物排出検知手段で汚物の排出からその排出が終了するまでの間、上記トイレ使用制限手段を作動させて上記既設トイレ装置の使用を制限する
ことを特徴とする請求項1記載のトイレシステム。
【請求項5】
上記既設トイレ装置のトイレ使用制限手段は、
上記既設トイレ装置が使用制限状態にあることを表示する表示部と、
上記既設トイレ装置に設けられた便蓋の開閉を制御する便蓋開閉制御手段の少なくとも一方からなる
ことを特徴とする請求項4記載のトイレシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate