説明

トイレ・トレーニングのためのセンサ及び関連物品

第1の濡れセンサを含む使い捨て吸収性物品と、第1の濡れセンサと通信するように適合された、使い捨て吸収性物品の濡れ状態の第1のフィードバック・モードを提供する第1の信号装置と、第1の濡れセンサと通信するように適合された、使い捨て吸収性物品の濡れ状態の第2のフィードバック・モードを提供する第2の信号装置とを含み、第2のフィードバック・モードが第1のフィードバック・モードとは異なるトイレ・トレーニング・システムが提示される。濡れセンサを含む使い捨て物品と、濡れセンサと通信するように適合された信号装置とを含み、信号装置が動的フィードバック・モード・システムを含むトイレ・トレーニング・システムもまた提示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トレーニングパンツ、失禁用製品、女性用衛生製品、水着用下着などのような吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
おむつ、トレーニングパンツ、失禁用製品、女性用衛生製品、水着用下着などのような吸収性物品は、通常、液体透過性身体側ライナ、液体不透過性外側カバー、及び吸収性コアを含む。吸収性コアは、典型的には、着用者から滲出した液体(例えば尿)を取り込み保持するために、外側カバーとライナとの間に位置する。
【0003】
多くの吸収性物品は、トイレ・トレーニング若しくは遺尿制御のようなトレーニング・プログラムの際に用いられるように、又は種々の医療的、身体的若しくは他の状態の指標を与えるようになっている。したがって、湿度又は濡れのインジケータを含む様々な種類のセンサ及びインジケータが、吸収性物品で用いるために提案されてきた。濡れインジケータは、例えば、放出(insult)後に濡れたおむつの状態に親又は付添人がすばやく気付くのを支援するように設計された警報装置を含むことができる。この装置は、可視信号又は可聴信号のいずれかを発生させる。
【0004】
しかしながら、そのような物品のトレーニング及び/又は通知の目的での使用において、現行のトレーニング補助具は、事象が生じたときに介護者又はユーザのいずれかにフィードバックを与えるという点で問題に直面している。このフィードバックは一貫しており、トレーニング時間の関数として、又は成功若しくは失敗の傾向に基づくトレーニングの要求の関数として変化/調整されない。一定のトレーニング・フィードバック(例えば、常に音楽的音色)に対するさらなる懸念は、個人がそのフィードバック信号の種類に慣れることがあるということである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第4,798,603号
【特許文献2】米国特許第5,176,672号
【特許文献3】米国特許第5,509,915号
【特許文献4】米国特許第5,993,433号
【特許文献5】米国特許第6,248,097号
【特許文献6】PCT特許出願国際公開第00/37009号
【特許文献7】米国特許第4,940,464号
【特許文献8】米国特許第5,766,389号
【特許文献9】米国特許第6,645,190号
【特許文献10】米国特許第4,704,116号
【特許文献11】米国特許第5,486,166号
【特許文献12】米国特許第5,490,846号
【特許文献13】米国特許第5,820,973号
【特許文献14】米国特許第6,658,432号
【特許文献15】米国特許第6,417,455号
【特許文献16】米国特許出願第11/414,032号
【特許文献17】米国特許出願第11/314,438号
【特許文献18】米国特許出願第11/303,283号
【特許文献19】米国特許出願第11/215,937号
【特許文献20】米国特許出願公開第2005/0245839A1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
介護者が、年代を超えて適用されるトイレ・トレーニング、遺尿制御、失禁監視、又は状態監視に対処するためにトレーニング、指標、及び/又は通知プログラムを受け持つならば、それらの介護者は、そうしたプログラムの有効性を高めるように特別に設計された製品及びガイダンスをもっと利用できれば恩恵を受けるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ここで説明される本発明は、前述の課題を解決するものであり、吸収性物品において用いられる濡れその他のセンサの有効性の向上を提供する。一般に、本開示は、使いやすい信号装置を有する感知吸収性物品に向けられている。例えば、信号装置は、感知吸収性物品内に体液が存在することをユーザに示すように構成することができる。
【0008】
例えば、本発明の1つの態様において、本発明は、第1の濡れセンサを含む使い捨て吸収性物品と、第1の濡れセンサと通信するように適合された、使い捨て吸収性物品の濡れ状態の第1のフィードバック・モードを提供する第1の信号装置と、第1の濡れセンサと通信するように適合された、使い捨て吸収性物品の濡れ状態の第2のフィードバック・モードを提供する第2の信号装置とを含む、第2のフィードバック・モードが第1のフィードバック・モードとは異なるトイレ・トレーニング・システムを含む。
【0009】
本発明の別の態様において、本発明は、濡れセンサを含む使い捨て物品と、濡れセンサと通信するように適合された信号装置とを含む、信号装置が動的フィードバック・モード・システムを含むトイレ・トレーニング・システムを含む。
【0010】
本発明の上記の並びに他の特徴及び態様と、それらを達成する手段は、以下の説明、特許請求の範囲及び付属の図面を参照することによってより明らかとなり、本発明自体がより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の吸収性物品の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書及び図面における参照符号の繰り返し使用は、本発明の同じ又は類似の特徴又は要素を表すことを意図している。図面は、描写的なものであり、必ずしも一律の縮尺に従って描かれているわけではない。その特定の比率は拡大されていることがあり、一方、他の比率は最小化されていることがある。
【0013】
ここでの議論は本発明の例示的な態様の単なる説明であって、本発明のもっと広い態様を制限するように意図されるものではないことを、当業者であれば理解すべきである。
【0014】
本開示は、一般に、吸収性物品内の体液の存在、又は製品又は着用者の状態の他の変化を示すように構成することができる信号装置に取り付けられるようになっている感知吸収性物品に向けられている。吸収性物品は、例えば、おむつ、トレーニングパンツ、予め締結されるパンツ、水泳パンツ、失禁用製品、婦人衛生製品、医療用衣類、包帯、又はその他の適切な物品とすることができる。
【0015】
ここで説明される発明は、あらゆるタイプの感知物品と共に用いることができる。ここで非限定的な例として用いられる1つのタイプの感知物品において、濡れ感知吸収性物品は、体液のような導電性流体が一対の導電性リード線の間に存在するときに閉回路となる開回路を含むことができる。或いは、濡れ感知吸収性物品は、体液のような流体が存在するときに開回路となる閉回路を含むことができる。一般に、回路を含む濡れ感知吸収性物品は使い捨てであり、これは、再使用のために洗濯され又はその他の方法で回復されるのではなく限られた使用の後で廃棄されるように設計されていることを意味する。
【0016】
本開示の濡れ感知吸収性物品内に収容される回路は、信号装置に取り付けられるように構成される。信号装置は、回路に電力を供給することができる一方で、ユーザに体液の存在を示すある種の可聴、可視、触覚及び/又は電磁気信号も含む。濡れ感知吸収性物品自体は使い捨てとすることができるが、信号装置は、物品から物品へと再使用可能とすることができる。これに関して、本開示は、濡れ感知吸収性物品内の回路と信号装置との間の容易な接続を可能にする、異なるタイプの取り付けモードに特に向けられている。
【0017】
前述のように、信号装置と組み合わされた回路は、濡れ感知吸収性物品内に収容された体液の存在を示すように構成されることができる。個々の標的とされる体液は、濡れ感知吸収性物品の個々の種類及び所望の用途に応じて変更することができる。例えば、本発明の1つの態様においては、濡れ感知吸収性物品は、おむつ、トレーニングパンツなどを含み、信号装置は、尿の存在を示すように構成される。或いは、信号装置は、おむつかぶれの存在を示す代謝産物の存在を示すように構成されることができる。一方、成人用失禁用製品及び婦人用衛生製品については、信号装置は、酵母、又は多糖類、糖、蛋白質などのような尿若しくは月経血中の特定の成分の存在を示すように構成されることができる。
【0018】
図1を参照すると、非限定的な例示の目的のために、濡れ感知吸収性物品20が図示されている。濡れ感知吸収性物品20は、使い捨てであってもよく、なくてもよい。本発明は、本発明の範囲から逸脱することなく、おむつ、トレーニングパンツ、水着パンツ、婦人用衛生製品、失禁用製品、医療用衣類、外科用パッド及び包帯、他のパーソナルケア又はヘルスケア衣類などを含むがそれらに限定されない、パーソナルウェア用として意図される種々のその他の濡れ感知吸収性物品と共に用いるのに適していることが理解される。
【0019】
単に実例として、本発明の種々の態様の濡れ感知吸収性物品20のような濡れ感知吸収性物品を構成するための種々の材料及び方法は、1989年1月17日にMeyer他に対して発行された特許文献1、1993年1月5日にBruemmer他に対して発行された特許文献2、1996年4月23日にHanson他に対して発行された特許文献3、1999年11月30日にSt.Louis他に対して発行された特許文献4、及び2001年6月19日にBeitz他に対して発行された特許文献5、2000年6月29日に公開されたA.Fletcher他による特許文献6、1990年7月10日にVan Gompel他に対して発行された特許文献7、1998年6月16日にBrandon他に対して発行された特許文献8、及び2003年11月11日にOlson他に対して発行された特許文献9に開示されており、それらを、本明細書と矛盾しない(すなわち抵触しない)範囲で引用によりここに組み入れる。
【0020】
濡れ感知吸収性物品20は、部分的に締結された状態で図1に代表的に示される。
濡れ感知吸収性物品20は、ここでは前方領域22及び後方領域24とも呼ばれる一対の縦方向端部領域と、ここでは股領域26とも呼ばれ、前方領域22と後方領域24との間に縦方向に延びてそれらを相互接続する中央領域とを定める。濡れ感知吸収性物品20はまた、使用時に着用者の方に向けて配置されるように適合された(例えば、物品20の他の構成材に対して位置決めされた)内面28と、内面とは反対側の外面30とを定める。前方領域22及び後方領域24は、着用時に着用者のウエスト又は胴の中間部から下部を全体的又は部分的に覆い又は取り囲む、濡れ感知吸収性物品20の部分である。股領域26は、一般に、着用時に着用者の脚の間に位置決めされ、着用者の胴の下側及び股部を覆う、濡れ感知吸収性物品20の部分である。濡れ感知吸収性物品20は、一対の横方向に対向する側縁部36と、それぞれ前方ウエスト縁部38及び後方ウエスト縁部39と称される一対の縦方向に対向するウエスト縁部とを有する。
【0021】
図示された濡れ感知吸収性物品20は、シャーシ32を含み、これは、本発明のこの態様においては、前方領域22、後方領域24及び股領域26を包含する。シャーシ32は、外側カバー40と、接着剤、超音波結合、熱結合又は他の従来技術によってそこに重ねられた状態で外側カバー40に接合することができる身体側ライナ42とを含む。ライナ42は一般に、濡れ感知吸収性物品の着用中に着用者の皮膚の方に向けて配置されるように適合される、すなわち物品20の他の構成材に対して位置決めされることができる。シャーシ32はさらに、着用者によって滲出される液状の身体滲出物を吸収するために外側カバー40と身体側ライナ42との間に配置された吸収構造体(図示せず)を含むことができ、そしてさらに、身体滲出物の横流れを防ぐために身体側ライナ42に取り付けられた一対の封じ込めフラップ46を含むことができる。封じ込めフラップ46の適切な構成及び配置は一般に当業者には周知であり、引用によりここに組み入れられる1987年11月3日にEnloeに対して発行された特許文献10に記載されている。
身体滲出物の封じ込め及び/又は吸収をさらに強化するために、濡れ感知吸収性物品20は、当業者には公知のように、脚部弾性部材(図示せず)を適切に含むこともできる。
【0022】
本発明の幾つかの態様においては、濡れ感知吸収性物品20はさらに、随意的に吸収性構造体に隣接して配置され、吸収性構造体又は身体側ライナ42のような物品20の種々の構成材に接着剤を用いるなどの当該技術分野で公知の方法によって取り付けることができるサージ管理層(図示せず)を含むことができる。サージ管理層は、物品の吸収性構造体の中に急速に取り込まれる可能性がある液体の押し寄せ(サージ)又は噴出を減速及び拡散させる一助となる。サージ管理層は、液体を吸収性構造体の貯蔵部又は保持部の中へと放出する前にすばやく受け入れ一時的に保持することができるのが望ましい。適切なサージ管理層の例は、特許文献11及び特許文献12に記載されている。他の適切なサージ管理材料は、特許文献13に記載されている。これらの特許の開示全体を本明細書と矛盾しない(すなわち抵触しない)範囲で引用によりここに組み入れる。
【0023】
図1に示されるように、濡れ感知吸収性物品20はさらに、シャーシ32の後方領域に取り付けられた一対の対向する弾性側部パネル34を含む。特に図1に示されるように、側部パネル34は、着用者のウエスト及び/又は腰のまわりで伸縮して、この衣類を所定位置に固定することができる。弾性側部パネルは、一対の対向する縦方向縁部37に沿ってシャーシに取り付けられる。側部パネル34は、いずれかの適切な結合技術を用いてシャーシ32に取り付け又は結合することができる。例えば、側部パネル34は、接着剤、超音波結合、熱結合又はその他の従来技術によってシャーシに接合することができる。最終的に、側部パネル34は、シャーシのウエスト領域90に対して概ね位置合わせされる。
【0024】
本発明の代替的な態様において、弾性側部パネルはシャーシ32と一体に形成することもできる。例えば、側部パネル34は、身体側ライナ42の延長部、外側カバー40の延長部、又は身体側ライナ42及び外側カバー40の両方の延長部を構成することができる。
側部パネル34は、濡れ感知吸収性物品20の後方領域に接続され、ユーザの所定位置に物品を固定するときには物品の前方領域の上に延びる。しかしながら、もう1つの方法として、側部パネル34は、物品20の前方領域に接続され、物品が装着されるときに後方領域の上に延びることもできることを理解されたい。
【0025】
図1に部分的に示されるように締結された状態にある濡れ感知吸収性物品20では、弾性側部パネル34は、締結システム82によって結合されて、ウエスト開口部50と一対の脚部開口部52とを有する三次元の濡れ感知吸収性物品の構成を定めることができる。物品20のウエスト開口部50は、着用者のウエストを包囲するウエスト縁部38及び39によって定められる。
図面に示された本発明の態様においては、側部パネルは、締結システム82によって物品20の前部領域22に取り外し可能に取り付けることができる。しかしながら、本発明の他の態様においては、側部パネルは、両端でシャーシ32に恒久的に接合することができることを理解されたい。側部パネルは、例えば、トレーニングパンツ又は吸収性水着を形成する場合、互いに恒久的に結合されることができる。
締結システム82は、対応する第2の締結構成材と再締結可能に係合するようになった横方向に対向する第1の締結構成材を含むことができる。締結システム82は、接着性ファスナ、粘着性ファスナ、機械式ファスナなどのような、濡れ感知吸収性物品に適したいずれかの再締結可能なファスナを含むことができる。特定の態様において、締結構成材は、改善された性能のために機械式締結要素を含む。適切な機械式締結要素は、フック、ループ、バルブ、キノコ型、矢尻型、ボール・オン・ステム、雄雌嵌合構成材、バックル、スナップなどのような相互にかみ合う幾何学的形状の材料によって提供することができる。適切な締結システムは、2000年6月29日に公開され既に組み入れたA.Fletcher他による特許文献6及び2003年11月11日にOlson他に対して発行された、既に組み入れた特許文献9にも開示されている。
【0026】
弾性側部パネルを有するかもしれないことに加えて、濡れ感知吸収性物品20は、ウエスト開口部の周りに弾性を与えるための種々のウエスト弾性部材を含むことができる。例えば、図面に示されるように、濡れ感知吸収性物品20は、前方ウエスト弾性部材54及び/又は後方ウエスト弾性部材(図示せず)を含むことができる。
【0027】
上記のように、本開示は特に濡れセンサを組み入れることに向けられている。そのようなセンサの1つを下記で説明する。他のセンサは、Underhirr他に対する特許文献14に記載されているような濡れライナ、温度システム、図形が消える又は現れるシステム、及びその他のいずれかの適切な濡れセンサを含む。
そのようなセンサの1つは、ここで説明される濡れ指示システムである。これに関して、図1に示されるように、濡れ感知吸収性物品20は、第2導電性要素102から離間された第1導電性要素100を含む。本発明のこの態様において、導電性要素は、交差することなく濡れ感知吸収性物品の前方領域22から後方領域24に延びる。導電性要素100及び102は、例えばElectroscience Laboratories,Inc.製の112−S銀金属性導電性ペースト(インク)及び2002年7月9日にZein他に対して発行された特許文献15に記載された導電性フォイルを含む、導電性スレッド又は導電性フォイルのようないずれかの適切な導電性材料を含むことができる。第1導電性要素100は、例えば導電性流体が導電性要素間に位置したときに閉回路となることができる開回路を形成するために、第2導電性要素102とは交差しないものとすることができる。しかしながら、本発明の他の態様において、第1導電性要素100及び第2導電性要素102をシャーシ内のセンサに接続することができる。センサは、温度の変化を感知するのに用いることができ、又は代謝産物のような特定の物質の存在を感知するのに用いることができる。
【0028】
図1に示された本発明の態様において、導電性要素100及び102は、濡れ感知吸収性物品20の全長にわたって延びている。しかしながら、本発明の他の態様において、導電性要素は、股領域26のみに延びることができ、又は体液が感知されることが意図される濡れ感知吸収性物品中のいずれかの特定の場所に延びることができることを理解されたい。
【0029】
導電性要素100及び102は、導電性要素が濡れ感知吸収性物品20によって吸収された体液と接触するように配置される限り、いずれの適切な位置でシャーシ32に組み込まれてもよい。これに関して、導電性要素100及び102は一般に外側カバー40の内側に位置する。実際に、本発明の1つの態様において、導電性要素100及び102は、吸収性構造体に面する外側カバー40の内面に取り付け又は積層することができる。しかしながら、もう1つの方法として、導電性要素100及び102は、吸収性構造体上に配置されてもよく、又はライナ42上に配置されてもよい。
導電性要素100及び102は、直接的接触又は間接的接触のいずれかにより信号装置に直接接続することができる。第1導電性要素100は、第1導電性パッド部材104に取り付けることができ、一方、第2導電性要素102は、第2導電性パッド部材106に取り付けることができる。パッド部材104及び106は、導電性要素によって形成される開回路と消費者又は製造業者によってシャーシ上に設置されることが意図される信号装置との間に信頼性の高い接続をもたらすために設けることができる。パッド部材104及び106は、信号装置と導電性リード線又は要素とを接続するための区域を形成することができる。
【0030】
導電性パッド部材104及び106は、導電性要素100及び102と比べて比較的大きい表面積を有することができる。例えば、導電性パッド部材104及び106は、少なくとも0.5cm2、少なくとも1cm2、少なくとも2cm2、本発明の別の態様においては少なくとも3cm2の表面積を有することができる。例えば、本発明の別の態様において、各々のパッド部材の表面積は、約2cm2から約4cm2までとすることができる。
【0031】
濡れ感知吸収性物品20上の導電性パッド部材104及び106の位置は、信号装置を装着することが望まれる場所に応じて変化させることができる。例えば、図1においては、導電性パッド部材104及び106は、物品のウエスト開口部50に沿って後方領域24に配置される。図示されていない本発明の別の態様においては、導電性パッド部材104及び106は、物品のウエスト開口部50に沿って前方領域22に配置される。しかしながら、本発明の別の態様において、濡れ感知吸収性物品20は、導電性要素100及び102の各々の両端部に配置された導電性パッド部材を含むことができることを認識されたい。本発明のさらに別の態様において、パッド部材は、物品の側部に沿って又は物品の股領域の方に近づけて配置することができることを理解されたい。
シャーシ32の複数の層内の導電性パッド部材104及び106の位置もまた、信号装置を接続することが望まれる場所、及び信号装置との接続をもたらすのに用いられる取り付けモードの種類に応じて変えることができる。前述のように、パッド部材104及び106は、導電性要素100及び102に電気的に接続される。したがって、本発明の1つの態様において、パッド部材104及び106は、外側カバー40の少なくとも1つの層の(身体側に向かって)下に配置される。パッド部材104及び106を少なくとも1つの材料層の下に配置することにより、本発明の幾つかの態様において種々の利点を提供することができる。例えば、パッド部材104及び106をシャーシ32内の少なくとも1つの材料層の下に配置することにより、パッド部材は、輸送及び貯蔵中に保護され、特にパッド部材が互いに隣接して配置される場合に使用中に短絡が形成されることから保護される。パッド部材を少なくとも1つの材料層の下に配置する別の利点は、濡れ感知吸収性物品20を高い機械速度で容易に製造できる能力である。
しかしながら、本発明の他の態様において、導電性パッド部材104及び106は、シャーシ32の外面に配置されてもよいことを理解されたい。例えば、パッド部材104及び106は、必要に応じて外面上に又は内面上に配置することができる。
【0032】
吸収性物品20の構造、特徴及び材料に関するさらなる詳細は、本明細書と矛盾しない(すなわち抵触しない)範囲で引用によりここに組み入れられる、2006年4月27日にAllen他により出願された「An Array of Wetness Sensing Articles」と題する、同時係属中の、同一出願人に譲渡された特許文献16に見出すことができる。
【0033】
例示の目的で図1を参照すると、導電性パッド部材104及び106に取り付けられた信号装置110(参照番号112及び114によって示される)が示されている。図示されているように、本発明のこの態様においては、信号装置、一般に110は、送信器112と受信器114とを含む。送信器112は、対応する導電性要素に電気的に接続された一対の反対の端子を含む。濡れ感知吸収性物品20中に体液が存在する場合、導電性要素100及び102によって形成された開回路が閉じられ、これが、信号装置110を起動させる。特に、本発明のこの態様においては、送信器112が受信器114に無線信号を送信し、次に受信器モジュール114がユーザに濡れ感知吸収性物品20内に体液が存在することを知らせる。本発明の他の種々の態様において、導電性を変化させることができるどのような化学反応又は物理反応もこの種類のシステムによって感知することができ、その例は、本明細書と矛盾しない(すなわち抵触しない)範囲で引用によりここに組み入れられる、2005年12月21日にAles他によって出願された「Personal Care Products with Microchemical Sensors for Odor Detection」と題する、同時係属中の、同一出願人に譲渡された特許文献17に記載されるような、吸収性物品20の内部の電気化学的センサと関連付けられた導電性の変化を含む。
【0034】
信号装置110は、回路が閉じられたことをユーザに知らせるために、可聴信号又は可視信号を発することができる。可聴信号は、例えば、1つ又はそれ以上のビープ音のように簡単なものから、ことによると音楽的な旋律を発生させるものまでとすることができる。同様に、信号装置110が可視信号を発する場合、可視信号は、1つの光、幾つかの光、又は対話式表示を含むことができる。本発明のさらに別の態様において、信号装置の受信器114は、濡れ感知吸収性物品内の回路が閉じられたときに振動するように構成されることができる。
図1に示される本発明の態様において、信号装置110は、受信器114と組み合わされた送信器112を含む。しかしながら、信号装置は、濡れ感知吸収性物品20に取り付けられたままにされる単一のユニットを含むこともできることを理解されたい。例えば、信号装置は、濡れ感知吸収性物品に取り付けられ、物品それ自体から可視信号及び/又は可聴信号を発することができる。
【0035】
本発明の種々の態様において、濡れ感知吸収性物品20は、本明細書と矛盾しない(すなわち抵触しない)範囲で引用によりここに組み入れられる、同時係属中の、同一出願人に譲渡された、Long他の「Garments With Easy−To−Use Signaling Device」と題する特許文献18、及びAles他の「Method of Detecting the Presence of an Insult in an Absorbent Article and Device for Detecting the Same」と題する特許文献19に開示されるような付加的な機能を含むことができる。例えば、濡れ感知吸収性物品は、退色するインク、発色するインク、濡れライナ、又は冷却構成材のような他の濡れ感知機能を含むこともできる。
【0036】
濡れ感知吸収性物品20は、前述の2006年4月27日にAllen他によって出願された「An Array of Wetness Sensing Articles」と題する、同時係属中の、同一出願人に譲渡された特許文献16に記載されているような濡れ感知又は体液指示システム120の一部とすることができる。
【0037】
本発明の種々の態様において、ここで説明されるトイレ・トレーニング・システムは、介護者及び対象者が単一の信号又はその他のフィードバック・モードに慣れるのを回避する助けとなる、利用可能な種々の指示モード、信号生成モード、及びフィードバック・モード(集合的に、フィードバック・モード又は指標と呼ぶ)を含む。種々のフィードバック・モードは、単一の信号装置110において、若しくは複数の信号装置110において、又は両方において利用可能であり得る。
【0038】
濡れ感知吸収性物品20は、濡れ感知システム120の一部とすることができる。本発明の1つの態様において、濡れ感知システム120は、濡れ感知吸収性物品20と、濡れ感知吸収性物品20に適合する第1の信号装置110と、これもまた濡れ感知吸収性物品20に適合する第2の信号装置125とを含む。濡れ感知システム120は、受信器114を含むこともできる。本発明の種々の態様において、濡れ感知吸収性物品20は、子供のトイレ・トレーニングにおいて、対象者の遺尿への対処において、又は対象者、特に成人の失禁の監視において用いられるように構成することができる。本発明の1つの態様において、製造及び販売される信号装置の各々は、いずれかの用途のために製造及び販売される全ての濡れ感知吸収性物品に適合する。
【0039】
本発明の種々の態様において、第1の信号装置110と第2の信号装置125の両方が製造され、販売用に提供されることができる。1つの態様において、第1の信号装置110は第1の音を発することができ、第2の信号装置125は第2の音を発することができ、第1の音は第2の音とは異なる。例えば、第1の信号装置110は人気のある子供の歌を発することができ、一方、第2の信号装置125はビープ音を発する。
【0040】
本発明の種々の態様において、信号装置110は、上記のようなより基本的な信号装置の特徴以上の特徴を含む。1つの態様において、信号装置110は、複数の信号を生成する。例えば、信号装置110は、例えば複数の歌を含む、複数の音を発することができる。他の例において、信号装置110は複数の触覚信号を生成することができる。他の例において、信号装置110は、複数の無線信号を生成することができる。他の例において、信号装置110は、これらのフィードバック・モードの組合せを生成することができる。
【0041】
本発明の他の態様において、信号装置110は、ユーザが複数のフィードバック・モードの中から選択できるように、何らかの適切な手段によって適合されることができる。これは、例えば、歌タイプの信号にトレーニングされている能力で応答するのではなく、歌タイプの信号に合わせて歌ってしまうといった、対象者が1つのフィードバック・モードに慣れてきている状況において、有用である。介護者は、異なる信号を選択してトレーニングを続けることができる。本発明の更なる態様において、例えばアラームを切るため、又は電池の寿命を保つために、信号のスイッチを切ることができる。
【0042】
本発明の他の態様において、信号装置110の複数の信号は、音と無線信号との組合せを含むことができる。これは、例えば、介護者が、家庭での子供のトイレ・トレーニングに用いるためには音の形態の第1信号を選択することを望むが、公衆の面前で濡れアラームが聞こえるという恥辱を避けるために、公共の場での子供のトイレ・トレーニングで用いるためには無線信号の形態の第2信号を選択することを望むような場合に有用である。
【0043】
本発明の別の態様において、信号装置110は、コンピュータ、携帯電話、又はその他の装置若しくは手段を介してダウンロードされる音又はその他の情報を受け入れるように、何らかの適切な手段によって適合される。さらに、このダウンロードされた情報は、信号装置110の中にダウンロード又はプログラムされ、介護者及び/又は対象者の環境に合わせてカスタマイズすることができる。このカスタマイズは、介護者から要請されるフィードバック(濡れの頻度、トレーニングの段階、対象者の年齢、音声・歌・ビープ音を含むテーマ又はキャラクタに対する嗜好などに関する)に基づくもの、及び/又はデバイス内で収集される濡れ挙動及び経時的なその進展に関するデータに基づくものとすることができる。
【0044】
本発明の他の態様において、トイレ・トレーニング・システムは、各々が異なるフィードバック又は異なるフィードバックの組合せを提供する、感知物品のアレイを含む。例えば、1つの物品は、ここで説明される種類の濡れ感知システム120を含むことができ、一方、他の物品は、消える若しくは現れる図形、温度変化モード、振動若しくは圧力モードのような触覚モード、又はそれらのいずれか若しくは全ての組合せを含むことができる。介護者は、対象者が現在用いられているフィードバック・モードに慣れてしまった場合には、異なるフィードバック・モードを有する異なる物品を選択して、トレーニングを続けることができる。
【0045】
本発明の他の態様において、フィードバック・モードは、どのフィードバック・モードがどの分類に入るかは個人の感覚及び嗜好に依ることができるが、一般に肯定的又は快適なフィードバック・モードとして、又は一般に否定的又は不快なフィードバック・モードとして分類される。一般に、肯定的又は快適なフィードバック・モードは、歌、自然の音、ざわめき、加温モード、及び低音量を含む。同様に、否定的又は不快なフィードバック・モードの一般例は、バズ音、ビープ音、触覚、冷却モード、及び高音量を含む。音声又はその他の言葉のモードは、どちらの分類に入ることもできる。介護者への無線信号は、一般に中立的であると考えられるだろう。本発明の1つの態様において、対象者のトイレ・トレーニングをする介護者は、トイレ・トレーニングの進展及び目標に応じてどちらか一方のクラスのフィードバック・モードを選択し、ここで、快適な音は肯定的な強化(例えば、乾いたままの場合に対して)として作用し、不快な音は否定的な強化(例えば、物品を濡らした場合に対して)として作用する。肯定的フィードバック・モードの方によりよく応答する対象者もおり、否定的フィードバック・モードの方によりよく応答する対象者もいる。
【0046】
本発明の1つの態様において、信号装置110は、対象者が乾いたままである間は1つのタイプのフィードバック・モードを含み、放出が起こったときには別のタイプのフィードバック・モードを含む。肯定的及び否定的フィードバック・モードの特定の使用は、対象者が乾いたままであるときには肯定的フィードバック・モードで報酬を与える一方で、放出が起こったことを否定的フィードバック・モードで対象者に通知し、それにより、子供に対して、乾いたままであるように、及び適切な用便行動を用いるように条件付けを行う、信号装置110を含む。具体的な例において、乾いたままである場合のフィードバック・モードは、子供を励ます介護者又はキャラクタの声であり、一方、放出の場合のフィードバック・モードは、行動を促す、同じ声によるかすかな(subtle)又は極かすかな(less−than−subtle)合図である。否定的フィードバック・モードは、必ずしも否定的な又は叱責口調である必要はなく、否定的フィードバック・モードは、例えば、放出はオーケーであり、再度挑戦することは学習の一部であるということを対象者に伝えて安心させるものとすることができる。
【0047】
本発明の1つの態様において、介護者は、どのクラスのフィードバック・モードを使用すべきかを、対象者の反応に基づき、そして物品20又は信号装置110と共に又は別個に供給されるガイダンス及び情報で補われて選択する。介護者は、異なるフィードバック・モードを有する異なる信号装置110の中から選択することができ、又は同じ信号装置110における異なるフィードバック・モード間で選択することができる。
【0048】
本発明の他の態様において、信号装置110自体がフィードバック・モードを選択することができる。これを達成する1つの方法は、動的フィードバック・システムを含む信号装置110を提供することである。動的フィードバック・システムは、どのアプローチが特定の対象者に対して有効に作用するかを学習することが可能であり、肯定的及び否定的フィードバック・モードの両方を必要に応じて用いて、トイレ・トレーニングの進展をできる限り保証することができる。
【0049】
トイレ・トレーニング・システムは、フィードバック・モードがトレーニング条件又はトイレ・トレーニングの持続期間の関数として変化して、適切な可変のフィードバックを提供する、動的フィードバック・システムを含む。この動的フィードバック・システムは、対象者をより早くトレーニングすることを補助し、問題が生じたときには、トレーニングの成功をさらに高めることを補助するように順応する。動的フィードバック・システムの単純なバージョンでは、システムは、肯定的フィードバック・モードを提供し、これは、肯定的フィードバック・モードがトレーニング回数を改善するように作用しなかった場合には否定的フィードバック・モードに移行する。
動的フィードバック・システムは、トレーニングの持続期間又はトレーニング応答の現在の状態のいずれか又は両方に基づいて動的フィードバック応答を提供することによって、トイレ・トレーニングの進展を改善する。本発明の種々の態様において、この動的フィードバックは、アルゴリズム・システム又はユーザ選択可能条件によって達成される。
【0050】
トレーニングの持続期間に基づく本発明の特定の態様において、対象者が最初にトイレ・トレーニング・システムを用いるときには、提供されるフィードバック・モードは、対象者がシステムになじむことを可能にするために、非常に肯定的であり、かつ低いレベル又は音量である。その後のトレーニングの日々にわたって、このフィードバック・モードは、例えば音量が大きくなる、及び/又は肯定的から否定的に移行するフィードバック・モードなどのように、より強くなることができる。トイレ・トレーニングが改善し、放出事象が少ししか検出されなくなってくるにつれて、フィードバック・モードは、例えば所定の時間後に放出事象が検出されなかったときに肯定的フィードバック・モードを提供することなどによって、再びより肯定的に移行することができる。このタイプのアルゴリズムは、用いられた日数に基づいてフィードバック・モードを調整する日数カウンタとして機能することができ、正常なトレーニング持続期間に対して較正されることができる。さらに、トレーニングの持続期間に基づく動的フィードバック・システムは、フィードバック・モードを低減することによってトイレ・トレーニングの達成を確認するために用いられることができる。低減は、放出事象が生じたかどうかは依然として追跡しているが、特定の条件下でフィードバック・モードを提供しないことによって、トイレ・トレーニングが達成されたことを確認することができる。これは、トイレ・トレーニングが達成されたことを、動的フィードバック・システムに対する信頼性の関数としてではなく、対象者の関数として確認することを補助する。
【0051】
本発明の別の特定の態様は、ユーザ選択可能条件に基づく。この態様は、上記の態様と類似であるが、この場合には、介護者は、対象者の進展に基づいてフィードバック・モードの適切なタイプを提供するために、動的フィードバック・システムによって考慮されるトレーニング段階に影響を及ぼす制御権を有する。ニューラルネットワークのようなスマート・アルゴリズム又は学習パラダイムは、履歴放出プロファイルのようなシステムによって記録された事象に基づいて、対象者に用いられるフィードバック・モードが、所与の事象パターンで有効なフィードバック・モードのタイプに基づいてトレーニングを最適化するために調整されるように設計される。アルゴリズムは、システムが用いられている持続期間もまた考慮する。システムは、各々の子供に用いられるフィードバック・モードのタイプを調整することができる。例えば、記録された事象が、否定的フィードバック・モードがトレーニングを提供していないことを示していることをシステムが検出した場合、システムは肯定的フィードバック・モードを提供するように移行し、その後、修正されたフィードバックタイプに基づいて改善が生じるかどうかを検出するために、進展を追跡することになる。スマート・アルゴリズムは、Stivoric他による、2005年11月3日に公開された特許文献20において、温度監視の同様の応用について説明されている。
【0052】
ここで説明される本発明のどの態様においても、履歴データは、信号装置110によって、又は信号装置110と通信する外部装置によって収集及び処理されることができる。例えば、放出及びその他のデータは、BLUETOOTH無線通信使用可能装置、RFID、又はコンピュータのUSB若しくは他のポートに差し込まれるカスタム濡れセンサデータリーダを介して、信号装置110からコンピュータにダウンロードされることができる。プロセスは、写真データ及びデジタルカメラで利用されているプロセスと同様のものとすることができる。次に、コンピュータはデータを分析して、直接的に、他の装置を介して、又は信号装置110を介して介護者に伝達される、介護者に対する推奨を策定することができる。小さな信号装置110とそれより大きなディスプレイ/音声装置、例えばラップトップ、携帯電話、又はmp3プレーヤのような音声装置との組合せにより、システムは介護者にとってより便利で、アクセス可能なものになる。
【0053】
ここで説明される濡れ感知システム120は、製造者が、多様な濡れ感知吸収性物品及び信号装置を製造すること、及びそれらを一緒に又は個別に包装することを可能にする。個別の包装の各々は、その濡れ感知システム120の構成要素(例えば濡れ感知吸収性物品20)が対処することを意図している状況の説明、信号装置110の主要な機能用途の説明、濡れ感知システム120全体の使用に関する説明及び指示、又はそれらのある種の組合せを含むことができる。説明は、包装上、包装内、又はその両方のある種の組合せに配置することができる。説明は、濡れ感知システム120の使用を典型的に要求する状況について、及び濡れ感知システム120の使用に関連して、又はそれと合わせて経験される更なる状況について、介護者が教育されることができるようにする。そのような教育は、消費者が種々の状況に対処するためにカスタマイズされた濡れ感知吸収性物品を組み立てることができるように、消費者が、どの信号装置又はその他の関連製品を購入すべきかについて、詳細な情報を得た上で決断を下すことを可能にする。
【0054】
消費者教育は、濡れ感知システム120の、異なるが関連する種々の構成要素を示す表示(indicia)を包装上に提供することによってさらに強化することができる。表示は、グラフィックデザイン機構、文字列、ブランド表示、又はその他のいかなる適切な表示も含むことができる。例えば、全ての包装は、それらが関連することを識別するために同様のグラフィックデザイン要素及びブランド表示を示すことができるが、それらの違いを識別するために異なる色及びイラストを有することができる。これらの表示は、消費者が、特定の目的のためにどの製品が必要とされ得るのかを素早く見分けるのを補助することができる。
換言すれば、ここで説明される濡れ感知システム120は、消費者が、全ての信号装置及び関連製品を含む濡れ感知吸収性物品20に毎日より多くの支出をすることなく、着用者が経験し得るいかなる状況にも対処できるように必要に応じて濡れ感知吸収性物品20をカスタマイズすることを可能にする。消費者は、特定の環境に対してアップグレードする能力を有する、適正な価格の高品質で一貫した製品を望む。
【0055】
本発明の別の態様において、消費者は、複数の信号装置を少なくとも1つの濡れ感知吸収性物品20と共に1つの包装内に含めることによって、濡れ感知システム120の使用における自由度を与えられることができる。この態様において、介護者は、濡れ感知吸収性物品20が用いられる状況に基づいて、どの信号装置を濡れ感知吸収性物品20に関連付けるかを選択することができる。
【0056】
本発明の別の態様において、1つ又はそれ以上の濡れ感知吸収性物品20を、類似の、非類似の、関係する、又は無関係の製品と共に包装し、販売することができる。例えば、濡れ感知吸収性物品20と第1の信号装置110を、トイレ・トレーニング進展チャートと共に包装し、販売することができる。
【0057】
種々の態様において、濡れ感知システム120は、製品の使用における指示、及びトイレ・トレーニング、遺尿制御、又は失禁制御についての助言といった、情報アイテムを含むことができる。ここで用いられる「情報アイテム」という用語は、濡れ感知吸収性物品に加えて提供され、濡れ感知吸収性物品のユーザ及び/又は消費者に情報を伝達するように適合され、濡れ感知システム120の個々の構成要素と関連付けられる物を意味する。情報アイテムの例は、カード、紙、電子媒体、包装上の印刷、又は情報を格納及び運搬できるその他の適切な媒体を含む。
【0058】
種々の態様において、濡れ感知システムの構成要素に関連付けられる情報アイテムは、濡れ感知吸収性物品が適合する特定のカテゴリのユーザ及び/又は購入者に訴求するように適合されることができる。情報アイテムは、例えば、所定のカテゴリのユーザ及び/又は購入者が興味を示すであろう情報を提供することによって適合されることができる。
【0059】
例えば、濡れ感知吸収性物品は、トイレ・トレーニングの目的で介護者が使用するように適合されることができる。介護者に興味を抱かせるように適合された情報アイテムを、濡れ感知吸収性物品に関連付けることができる。例えば、情報アイテムは、睡眠習慣、指しゃぶり、生歯、皮膚の健康、トイレ・トレーニングといった子供の健康及び衛生に関する情報又は指示、子供に質問するための問い、ジョークなど、及びそれらの組合せを含むカードとすることができる。情報アイテムは、追加的又は代替的に、インターネット上で利用可能なウェブサイトのアドレスを含むことができる。ウェブサイトは、介護者及び濡れ感知吸収性物品20のユーザのための興味事項に関連する情報を含むことができる。
情報アイテムは、追加的又は代替的に、インターネット上で利用可能なウェブサイトのアドレス、信号装置110で再生できる音声記録情報、信号装置110がコンピュータと交信したときに再生できる記録情報、及び信号装置110がインターネットにつながったときにインターネットを通じて配信される情報を含むことができる。
情報アイテムは、追加的又は代替的に、介護者及び濡れ感知吸収性物品のユーザに適した活動を説明する情報を含むことができる。特定の年齢、体格、及び/又は発達段階の子供に適合させることができる。例えば、活動は、子供と介護者との間の対話を促進するように適合させることができる。
情報アイテムは、追加的又は代替的に、濡れ感知システム120の使用から得られる利益を説明する情報を含むことができる。この情報アイテムは、消費者、介護者、及び/又はユーザの利益のために濡れ感知システム120をカスタマイズできることを強調する販売促進計画の一部となり得る。この情報アイテムは、濡れ感知システム120の種々の構成要素の用途を説明すること、並びに入手可能な追加の構成要素、及び異なる目標を達成することが可能な種々の組合せを提示することの両方を行うことになる。
【0060】
ここで説明されるような製品を使用することは、対象者が既に放出を経験したことを介護者に単に通知する製品によって提供される以上のトレーニングの機会を提供する。通知又はその他のフィードバック・モードをタイムリーな方式で、特に放出と同時に提供することは、最も貴重なタイミングでのトレーニングの機会を提供する。本発明は、放出をタイムリーな方式で検出して介入を可能にするツールを介護者に提供し、その後でトレーニングを提供するために介入する。これらのツールを用いたトレーニングは、トイレ・トレーニングを例として説明されているが、これは、失禁トレーニング、遺尿トレーニング、及びプレ・トイレトレーニング段階にも同様に、等しく適用可能である。
【0061】
介護者は、放出を対象者のトイレ・トレーニングの機会として最も上手く利用するために取るべき行動に関する指示、ガイダンス、及び情報を提供される。介護者は、放出が起こっている最中に、又はそのできる限り直後に応答するように指示される。介護者と対象者は、放出が起こる前及び放出が起こっている最中に対象者が感じる身体的感覚について話し合うことによって、フィードバック・モードに応答することができ、そのような身体的感覚は、圧力、温度及び圧力の変化、濡れ、及びその他のいずれかの適当な感覚を含む。介護者及び対象者は、身体的感覚と放出の切迫との間の関係について話し合うことによってフィードバック・モードに応答することもできる。例えば、介護者は、放出の直前に対象者によって経験される感覚を指摘し、対象者がそれらの感覚と放出の切迫とを関連付けるのを助けることができる。
【0062】
介護者及び対象者は、対象者がバスルームに連れて行かれることを確認すること、及び放出と、バスルームと、おそらくはフィードバック・モードとの間の関係を話し合うことによって、フィードバック・モードに応答することもできる。介護者及び対象者は、対象者がトイレ又は他の適切な容器の上に位置することを確認することによって、及び放出と、トイレ又は他の容器と、おそらくはフィードバック・モードとの間の関係を話し合うことによって、フィードバック・モードに応答することもできる。介護者はまた、対象者がトイレ又は他の容器の上に位置している間に放出することを励まし、この場合もまた、放出と、トイレ又は他の容器と、おそらくはフィードバックとの間の関係を話し合うことによって、フィードバック・モードに応答することもできる。介護者は、対象者が取る何らかの積極的な行動を認識し、対象者が更なる積極的な行動を行うことを励ますことによって、フィードバック・モードに応答することもできる。
【0063】
トイレ・トレーニングは、介護者に対象者のトイレ・トレーニングの進展の追跡及び評価に関する指示及びツールを与えることによって、さらに強化することができる。対象者によって成される進展又は進展の欠如を理解することによって、ここで説明されるように、進展を改善させるために介護者がトイレ・トレーニングを調整することが可能になる。介護者は、信号装置とは無関係にトイレ・トレーニングの進展を追跡及び評価することができ、又は信号装置は、トイレ・トレーニングの達成に向けた進展を追跡及び評価するためにデータを記憶するように構成することができる。
【0064】
ここで説明されるような製品を用いて、介護者は、複数のフィードバック・モードを含む濡れ感知システムを用いることができる。そのような製品を入手した介護者は、トイレ・トレーニングの進展が遅い場合に複数のフィードバック・モードをどのように使用するかについての指示及びガイダンスも入手することができる。トイレ・トレーニングの進展が遅くなることの1つの理由は、対象者が、用いられているフィードバック・モードに慣れるか、又はそれが習慣になってしまうことである。ここで説明される製品を用いて、介護者は、この慣れを克服し、トイレ・トレーニングをもっと速い速度で進展させることを可能にするために、異なるフィードバック・モードを選択することができる。上記でさらに説明されているように、本発明の種々の態様において、複数のフィードバック・モードは、音、言葉による合図、光による合図、無線信号、消える図形、現れる図形、温度変化部材、及び/又は振動若しくは圧力部材のような触覚部材を含むことができる。フィードバック・モードは、介護者が特定のフィードバック・モードに慣れないように、介護者が応答するかどうかに基づいて調整されることができることに留意のこと。介護者が介護者の慣れの可能性を認識することを助けるための情報を提供することができる。動的フィードバック・システムは、介護者による応答時間が遅くなったことが認識されたときに、フィードバック・モードを変更するようにプログラムされることができる。
【0065】
本発明の別の態様において、トイレ・トレーニングは、介護者に肯定的及び否定的フィードバック・モードの使用に関する指示及びツールを与えることによって、さらに強化することができる。介護者は、トイレ・トレーニングの進展並びに対象者の行動及び反応に基づいて、どのように、いつ肯定的又は否定的フィードバック・モードのどちらかを選択するかについての指示及びガイダンスを与えられることができる。所定の対象者に対する適正な選択で、トイレ・トレーニングをより速い速度で進展させることができる。上記でさら説明された例のように、肯定的フィードバック・モード又は指標は、歌又は言葉のプロンプトとすることができ、否定的フィードバック・モード又は指標は、不快な音とすることができる。
【0066】
本発明の別の態様において、トイレ・トレーニングは、介護者に、放出が起こらなかった場合のフィードバック・モードを含む信号装置110の使用に関する指示及びツールを与えることによって、さらに強化することができる。対象者が乾いたままでいることを励ますことで、トイレ・トレーニングをより速い速度で進展させることを可能にすることができる。
【0067】
明確するために、本発明の他の態様において、トイレ・トレーニングは、介護者に、動的フィードバック・システムを含めて、ここで説明されたいずれかの装置、情報、指示、及び/又はスキームを含む信号装置110又は濡れ感知システム120の使用に関する指示及びツールを与えることによって、さらに強化することができる。介護者は、多くのオプション、及び種々の濡れ感知システム、指標、フィードバック・モード、選択性、及びオートメーションの中から選択することができる。そのようなデバイス、情報、指示、及び/又はスキームの使用は、トイレ・トレーニングをより速い速度で進展させることを可能にする。
【0068】
本発明の別の態様において、受信器114が、介護者又は対象者にフィードバックを提供する。遺尿を止めるための努力と組み合わせて使用するために、例えば、受信器114は、漏らさなかった夜の回数及び設定されているアラームの状態を示すことができ、又は代替的な視覚インジケータを含むことができる。この態様は、送信器が放出を所定量の時間、検出していないことを確認するための、送信器112の無線問い合わせを伴うことができる。
【0069】
本発明へのこれらの及び他の改変及び変更は、添付の特許請求の範囲の請求項においてより詳細に記述された本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、当業者が実施することができる。さらに、本発明の種々の態様の態様同士は、全体的又は部分的に交換することができることを理解されたい。さらに、当業者であれば、上記の説明は単なる例であって、特許請求の範囲の記載をさらに超えて本発明を制限することを意図するものではないことを認識するであろう。
【符号の説明】
【0070】
20:濡れ感知吸収性物品
22:前方領域
24:後方領域
26:股領域
40:外側カバー
42:身体側ライナ
100,102:導電性要素
104,106:導電性パッド部材
110:第1の信号装置
112:送信器
114:受信器
120:濡れ感知システム120
125:第2の信号装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の濡れセンサを含む使い捨て吸収性物品と、
前記第1の濡れセンサと通信するように適合された、前記使い捨て吸収性物品の濡れ状態の第1のフィードバック・モードを提供する第1の信号装置と、
前記第1の濡れセンサと通信するように適合された、前記使い捨て吸収性物品の濡れ状態の第2のフィードバック・モードを提供する第2の信号装置とを含み、前記第2のフィードバック・モードが前記第1のフィードバック・モードとは異なることを特徴とするトイレ・トレーニング・システム。
【請求項2】
前記第1及び第2の信号装置が同じ装置であり、前記装置が前記第1及び第2のフィードバック・モード間で選択可能であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1及び第2のフィードバック・モードのうちの一方が否定的フィードバック・モードであり、前記第1及び第2のフィードバック・モードのうちの他方が肯定的フィードバック・モードであることを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
介護者が、前記第1及び第2のフィードバック・モード間で選択することを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記装置が、前記第1及び第2のフィードバック・モード間で選択するように適合されていることを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1及び第2のフィードバック・モード間での選択が、前記トイレ・トレーニング・システムのユーザの応答を考慮することを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1及び第2のフィードバック・モード間での選択が、履歴放出プロファイルを考慮することを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1及び第2のフィードバック・モード間での選択が、乾燥した濡れ状態の持続期間を考慮することを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1及び第2の信号装置が同じ装置であり、前記第1のフィードバック・モードが前記濡れ状態が乾燥していることを示し、前記第2のフィードバック・モードが前記濡れ状態が濡れていることを示すことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記使い捨て吸収性物品が、第2の濡れセンサをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記第2の濡れセンサが、無線信号、消える図形、現れる図形、温度変化部材、及び触覚部材のうちの1つであることを特徴とする請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
濡れセンサを含む使い捨て吸収性物品と、
前記濡れセンサと通信するように適合された信号装置とを含み、前記信号装置が動的フィードバック・モード・システムを含むことを特徴とするトイレ・トレーニング・システム。
【請求項13】
前記動的フィードバック・モード・システムが、複数のフィードバック・モード間で選択することを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記複数のフィードバック・モードが、肯定的フィードバック・モード及び否定的フィードバック・モードを含むことを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記信号装置が、ユーザが肯定的及び否定的フィードバック・モード間で選択することを可能にするように適合されており、前記動的フィードバック・モード・システムが、そのような選択された肯定的又は否定的フィードバック・モード内の複数のフィードバック・モード間で選択することを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項16】
前記動的フィードバック・モード・システムが、トイレ・トレーニングの持続期間を含む基準に基づいて複数のフィードバック・モード間で選択するように適合されていることを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項17】
前記動的フィードバック・モード・システムが、第1のフィードバック・モードを選択し、トイレ・トレーニングの進展を評価し、第2のフィードバック・モードに移行するように適合されていることを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項18】
前記動的フィードバック・モード・システムがアルゴリズムを含むことを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項19】
前記動的フィードバック・モード・システムが履歴放出プロファイルを含むことを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項20】
前記動的フィードバック・システムが、前記履歴放出プロファイルを含む基準に基づいて複数のフィードバック・モード間で選択するように適合されていることを特徴とする請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記動的フィードバック・モード・システムがニューラルネットワークの使用を含むことを特徴とする請求項12に記載のシステム。

【図1】
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【公表番号】特表2010−504790(P2010−504790A)
【公表日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−529804(P2009−529804)
【出願日】平成19年8月3日(2007.8.3)
【国際出願番号】PCT/IB2007/053067
【国際公開番号】WO2008/038166
【国際公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(504460441)キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド (396)
【Fターム(参考)】